IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウィンディテクト カンパニー リミテッドの特許一覧

特開2024-173566海上風力発電機のリアルタイム状態監視及びメンテナンスのための統合管理システム及びそれによる管理方法
<>
  • 特開-海上風力発電機のリアルタイム状態監視及びメンテナンスのための統合管理システム及びそれによる管理方法 図1
  • 特開-海上風力発電機のリアルタイム状態監視及びメンテナンスのための統合管理システム及びそれによる管理方法 図2
  • 特開-海上風力発電機のリアルタイム状態監視及びメンテナンスのための統合管理システム及びそれによる管理方法 図3
  • 特開-海上風力発電機のリアルタイム状態監視及びメンテナンスのための統合管理システム及びそれによる管理方法 図4
  • 特開-海上風力発電機のリアルタイム状態監視及びメンテナンスのための統合管理システム及びそれによる管理方法 図5
  • 特開-海上風力発電機のリアルタイム状態監視及びメンテナンスのための統合管理システム及びそれによる管理方法 図6
  • 特開-海上風力発電機のリアルタイム状態監視及びメンテナンスのための統合管理システム及びそれによる管理方法 図7
  • 特開-海上風力発電機のリアルタイム状態監視及びメンテナンスのための統合管理システム及びそれによる管理方法 図8
  • 特開-海上風力発電機のリアルタイム状態監視及びメンテナンスのための統合管理システム及びそれによる管理方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173566
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】海上風力発電機のリアルタイム状態監視及びメンテナンスのための統合管理システム及びそれによる管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131498
(22)【出願日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】10-2023-0070323
(32)【優先日】2023-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】523307549
【氏名又は名称】ウィンディテクト カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】プ、ヨン ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】ムン、ギョン ロク
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジン ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】カン、ミョン ボ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ハン ビョル
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】各種状態を監視してメンテナンス日程を最適化する海上風力発電機のリアルタイム状態監視及びメンテナンスのための風力発電機統合管理システムを提供する。
【解決手段】風力発電機統合管理システムは、メンテナンス作業者及び装備の状態情報を感知するメンテナンス作業者・設備の安全及び状態監視部100、風力発電機周辺環境を監視するリアルタイム気象環境監視部200、風力発電機の状態を監視する風力発電機状態監視部300、各監視部100,200,300からの測定データを格納・送受信するデータベースサーバー部400、データベースサーバー部400から受信された情報及び風力発電機の故障履歴を基に最適メンテナンス日程を提供するメンテナンス日程最適化部500と、データベースサーバー部400及びメンテナンス日程最適化部500で生成された情報を送受信又は使用者及び作業者に通知するデータ送受信及び出力部600を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海上風力発電機のリアルタイム状態監視及びメンテナンスのための風力発電機統合管理システムであって、
メンテナンス作業者及び装備の状態情報を感知する作業者及び装備監視部と、
前記風力発電機の周辺環境を監視する気象環境監視部と、
前記風力発電機の状態を監視する風力発電機監視部と、
前記作業者及び装備監視部、気象環境監視部及び風力発電機監視部の測定データをDB化して格納及び送受信するサーバー部と、
前記サーバー部から受信したデータを利用してメンテナンス日程を確認するメンテナンス日程最適化部と、
前記サーバー部及びメンテナンス日程最適化部で生成された情報を送受信するか、または使用者及び作業者に通知するデータ送受信及び出力部と、
を含み、
前記メンテナンス日程最適化部は、前記サーバー部から受信された情報及び前記風力発電機の故障履歴を一緒に活用することで最適のメンテナンス日程を提供することを特徴とする、風力発電機統合管理システム。
【請求項2】
前記風力発電機監視部は、複数のセンサーを利用し、前記風力発電機に取り付けて稼動時に発生する振動および圧電素子を用いた起電力センシングにより状態を監視し、太陽光素子を用いて前記センサーに電源を供給することを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項3】
前記風力発電機監視部は、風力発電機データ収集モジュール、寿命予測モジュール及び温度情報提供モジュールを含み、
前記風力発電機データ収集モジュールは、前記風力発電機の発電量、部品情報、温度、騷音データを収集して前記寿命予測モジュールを通じてメンテナンス戦略を樹立し、前記温度情報提供モジュールは、作業者に温度情報を提供することで前記風力発電機の火災発生に備えることができるようにすることを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項4】
前記データ送受信及び出力部は、管理者の携帯用端末と連動されて管理者がリアルタイムで気象環境、装備、風力発電機及び作業者の状態を確認することができ、これらの状態情報は、ビッグデータとして加工されてデータマイニング乃至ディープラーニング技術を利用及び学習することで、海上風力発電機の予知保全を可能にすることを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項5】
前記データ送受信及び出力部は、5GLoRa(Long Range)通信基盤技術を利用することで、CDMA無線中継器を省略し、最大11kmの通信範囲を確保することにより、ネットワークの安定性と運用データの信頼性を確保することを特徴とする、請求項4に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項6】
前記気象環境監視部は、気象環境データ収集モジュール及び短期気象予測モジュールを含み、
前記気象環境データ収集モジュールは、湿度、温度、照度、波高、日出、日没データを収集し、前記短期気象予測モジュールを通じて天気予測を行うことで、メンテナンス中の作業者の復帰時間を考慮したメンテナンス日程樹立が可能であることを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項7】
前記作業者及び装備監視部は、作業者状態監視モジュールと、作業者状態情報伝送モジュールと、装備状態確認モジュールと、装備位置確認モジュールとを含み、
前記作業者状態監視モジュールは、作業者の保護ツール及び作業ツールに取り付けられたセンサーによって着用しているか否か及び異常有無を感知し、作業者のスマートウォッチを通じて収集された情報が前記作業者状態情報伝送モジュールを介して伝送されることで、作業遂行可否及び異常有無を判断し、前記装備状態確認モジュールは、装備の燃料量、漏油有無、バッテリー、冷却水を確認して装備の状態及びメンテナンス支援可能時間を確認し、前記装備位置確認モジュールは、GPSを利用することでメンテナンス作業時にあらかじめ計画された箇所で作業が進められるようにすることを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項8】
前記サーバー部は、データ取りまとめモジュール及びデータ分析モジュールを含み、
前記データ取りまとめモジュールは、前記作業者及び装備監視部、気象環境監視部、風力発電機監視部で収集されたデータを取りまとめ、取りまとめられた前記データは、前記データ分析モジュールで機械学習、統計技法によって分析されることを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項9】
前記メンテナンス日程最適化部は、メンテナンス費計算モジュール及びメンテナンス日程最適化モジュールを含み、
前記メンテナンス費計算モジュールは、作業者の労務費、経費、教育訓練費ならびに装備のレンタル料金、メンテナンス費を算出して、前記メンテナンス日程最適化モジュールは、費用算出結果および部品調逹時間、メンテナンス作業者及び装備の風力発電機へのアクセス可能時間、リアルタイム気象環境データ及び気象予測データを考慮して最適化されたメンテナンス日程を提供することを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項10】
前記風力発電機の故障履歴を活用するために、
風力発電機故障履歴を収集する故障履歴データ取得部と、前記データを利用して故障履歴及びエラーコードを分析する故障履歴分析部と、前記データを補正するデータ補正部と、分析結果を学習して故障発生を予測する故障予測部と、データ及び予測情報を提供する情報提供部とを含み、前記データ補正部は、前記エラーコードと部品とがマッチングしているか否か、メンテナンス有無による重みと頻度を分析反映して予測情報の信頼度を高めることを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の統合管理システムを利用した海上風力発電機の統合管理方法であって、
メンテナンス作業者及び装備の状態情報を感知する作業者及び装備監視段階と、
前記風力発電機の設置された周辺環境の状態を監視する気象環境監視段階と、
前記風力発電機それ自体の状態を監視する風力発電機監視段階と、
前記作業者及び装備監視段階、気象環境監視段階、及び風力発電機監視段階で入手された測定データをDB化して格納及び送受信する段階と、
前記データ及びDBを利用して前記風力発電機の適正メンテナンス日程を確認するメンテナンス日程最適化段階と、
前記メンテナンス日程最適化段階で生成された情報を使用者及び作業者に通知するとともに情報を送受信するデータ送受信及び出力段階と、
を含み、
前記メンテナンス日程最適化段階では、前記データ及び前記風力発電機の故障履歴を一緒に活用して最適のメンテナンス日程を管理者に提供することを特徴とする、海上風力発電機の統合管理方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海上風力発電機の統合管理システム及び方法に関し、より詳しくは、風力発電機のメンテナンスのための多様な情報をリアルタイムで感知し、これによって、迅速かつ効率よくメンテナンスを行うことができる風力発電機の統合管理システム及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、化石エネルギーの枯渇と気候変化及び温室ガスの削減などの環境問題によって新再生エネルギーへの投資が増えており、とりわけ、再生可能エネルギー使用基準(Renewable Portfolio Standard;RPS)及び政府の再生エネルギーの移行計画に基づく太陽光と風力中心の再生エネルギーの拡大政策による国内新再生エネルギー市場が急激に成長しつつある。
【0003】
特に、風力発電は、新再生エネルギーの代表的な技術であって、温室ガスを削減させることができる技術として浮上しており、2022年基準の世界風力発電累積設置容量は、906GW規模に至っており、毎年その量が増加している。風力発電は、風力を利用してファン付きタービンを回転させて発電するものであって、その発電量によって、大型、中型、小型に分けられて、設置場所によって、陸上風力発電と、海上風力発電とに仕分けられる。このような風力発電は大型化及び陸上から海上に進出する趨勢にあり、このような特性によって風力発電機をはじめ、多様な施設を別途形成して運営するようになる。
【0004】
このような設置特性上、人家と遠く離れているか、または海上にある大型化発電機を使用することから、これに対する管理が容易ではなく、発電機の故障または破損などの事故が発生する場合、その規模上大型事故が発生せざるを得ないのが現実である。また、風力発電機は、随時に風速及び風向が変化する風を受け続けるようになっており、このような風による振動、衝撃、偏荷重などの要因によって風力発電機の各部に損傷や破損が発生するようになる。損傷や破損が発生する瞬間は、当たり前に風力発電機の動作に相当な無理を与え、それによって、損傷や破損が発生した部品以外の他の部品にも悪影響を及ぼす。
【0005】
したがって、このような損傷や破損が既に生じてから修理や交換をするよりは、損傷や破損が生じる前にほぼ寿命が尽きる頃にあらかじめ修理や交換をした方が好ましいということは自明である。ところが、ある部品の寿命がどのくらい残っているかを的確に把握又は予測できない場合、過度に頻繁な修理や交換が行われるようになり、風力発電機の運用にかかる費用が無駄に上昇することができるという問題が発生する。
【0006】
これによって、いろいろなメンテナンス方法が提案されているが、大部分は発電量に対する管理及び単なる異常有無の判断程度がほとんどである。すなわち、従来の技術によれば、単に管理者または使用者との通信などを通じた発電施設の事象状況のみを認知することができるだけで、総合的な管理のための方法及びプラットホームなどのサービスが提供できないものである。また、発電機の故障履歴、部品需給、維持管理に対するデータ分析が行われたことがなく、それによる効率的な維持管理及び故障発生に対する学習と推定などの検討が進められなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許登録第10-2097772号(2020.04.07.公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述した問題点に鑑みなされたもので、本発明の目的は、リアルタイムで作業者、装備、気象環境及び風力発電機の状態を監視し、これから獲得した情報を活用してメンテナンス日程を最適化することである。また、風力発電機の故障履歴データを学習して利用することで効率的な維持管理及び故障発生を予測して備えることができるデジタル基盤の海上風力発電機統合管理システム及び方法を提供しようとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による海上風力発電機のリアルタイム状態監視及びメンテナンスのための風力発電機統合管理システムは、メンテナンス作業者及び装備の状態情報を感知する作業者及び装備監視部と、前記風力発電機の周辺環境を監視する気象環境監視部と、前記風力発電機の状態を監視する風力発電機監視部と、前記作業者及び装備監視部、気象環境監視部及び風力発電機監視部の測定データをDB化して格納及び送受信するサーバー部と、前記サーバー部から受信したデータを利用してメンテナンス日程を確認するメンテナンス日程最適化部と、前記サーバー部及びメンテナンス日程最適化部で生成された情報を送受信するか、または使用者及び作業者に通知するデータ送受信及び出力部と、を含む。
【0010】
また、前記メンテナンス日程最適化部は、前記サーバー部から受信された情報及び前記風力発電機の故障履歴を一緒に活用することで最適のメンテナンス日程を提供することを特徴とする。
【0011】
また、前記風力発電機監視部は、風力発電機データ収集モジュール、寿命予測モジュール及び温度情報提供モジュールを含み、前記風力発電機データ収集モジュールは、前記風力発電機の発電量、部品情報、温度、騷音データを収集して前記寿命予測モジュールを通じてメンテナンス戦略を樹立し、前記温度情報提供モジュールは、作業者に温度情報を提供することで前記風力発電機の火災発生に備えることができるようにすることを特徴とする。
【0012】
また、前記データ送受信及び出力部は、管理者の携帯用端末と連動されて管理者がリアルタイムで気象環境、装備、風力発電機及び作業者の状態を確認することができ、これらの状態情報は、ビッグデータとして加工されてデータマイニング乃至ディープラーニング技術を利用及び学習することで、海上風力発電機の予知保全を可能にすることを特徴とする。
【0013】
また、前記データ送受信及び出力部は、5GLoRa(Long Range)通信基盤技術を利用することで、CDMA無線中継器を省略し、最大11kmの通信範囲を確保することにより、ネットワークの安定性と運用データの信頼性を確保することを特徴とする。
【0014】
また、前記気象環境監視部は、気象環境データ収集モジュール及び短期気象予測モジュールを含み、前記気象環境データ収集モジュールは、湿度、温度、照度、波高、日出、日没データを収集し、前記短期気象予測モジュールを通じて天気予測を行うことで、メンテナンス中の作業者の復帰時間を考慮したメンテナンス日程の樹立が可能であることを特徴とする。
【0015】
また、前記作業者及び装備監視部は、作業者状態監視モジュールと、作業者状態情報伝送モジュールと、装備状態確認モジュールと、装備位置確認モジュールとを含み、前記作業者状態監視モジュールは、作業者の保護ツール及び作業ツールに取り付けられたセンサーによって着用しているか否か及び異常有無を感知し、作業者のスマートウォッチを通じて収集された情報が前記作業者状態情報伝送モジュールを介して伝送されることで、作業遂行可否及び異常有無を判断し、前記装備状態確認モジュールは、装備の燃料量、漏油有無、バッテリー、冷却水を確認して装備の状態及びメンテナンス支援可能時間を確認し、前記装備位置確認モジュールは、GPSを利用することでメンテナンス作業時にあらかじめ計画された箇所で作業が進められるようにすることを特徴とする。
【0016】
また、前記サーバー部は、データ取りまとめモジュール及びデータ分析モジュールを含み、前記データ取りまとめモジュールは、前記作業者及び装備監視部、気象環境監視部、風力発電機監視部で収集されたデータを取りまとめ、取りまとめられた前記データは、前記データ分析モジュールで機械学習、統計技法によって分析されることを特徴とする。
【0017】
また、前記メンテナンス日程最適化部は、メンテナンス費計算モジュール及びメンテナンス日程最適化モジュールを含み、前記メンテナンス費計算モジュールは、作業者の労務費、経費、教育訓練費ならびに装備のレンタル料金、メンテナンス費を算出して、前記メンテナンス日程最適化モジュールは、費用算出結果および部品調逹時間、メンテナンス作業者及び装備の風力発電機へのアクセス可能時間、リアルタイム気象環境データ及び気象予測データを考慮して最適化されたメンテナンス日程を提供することを特徴とする。
【0018】
また、前記風力発電機の故障履歴を活用するために、風力発電機故障履歴を収集する故障履歴データ取得部と、前記データを利用して故障履歴及びエラーコードを分析する故障履歴分析部と、前記データを補正するデータ補正部と、分析結果を学習して故障発生を予測する故障予測部と、データ及び予測情報を提供する情報提供部とを含み、前記データ補正部は、前記エラーコードと部品とがマッチングしているか否か、メンテナンス有無による重みと頻度を分析反映して予測情報の信頼度を高めることを特徴とする。
【0019】
本発明による統合管理システムを利用した海上風力発電機の統合管理方法は、メンテナンス作業者及び装備の状態情報を感知する作業者及び装備監視段階と、前記風力発電機の設置された周辺環境の状態を監視する気象環境監視段階と、前記風力発電機それ自体の状態を監視する風力発電機監視段階と、前記作業者及び装備監視段階、気象環境監視段階、及び風力発電機監視段階で入手された測定データをDB化して格納及び送受信する段階と、前記データ及びDBを利用して前記風力発電機の適正メンテナンス日程を確認するメンテナンス日程最適化段階と、前記メンテナンス日程最適化段階で生成された情報を使用者及び作業者に通知するとともに情報を送受信するデータ送受信及び出力段階とを含み、前記メンテナンス日程最適化段階では、前記データ及び前記風力発電機の故障履歴を一緒に活用して最適のメンテナンス日程を管理者に提供することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明による風力発電機の状態監視及びメンテナンスのための統合管理システム及び方法は、メンテナンス作業者、装備、風力発電機及び周辺環境に対する情報をリアルタイムで入手し、これを活用して最適化されたメンテナンス日程を計画する。また、故障履歴データ及びエラーコードを分析し、補正によって信頼度を高めてこれを学習することで効率的な維持管理するとともに、故障発生を予測して備えることができるデジタル基盤の海上風力発電機の統合管理システム及び方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による風力発電機統合管理システムの全体構成図である。
図2】作業者及び装備監視部の構成に対する説明図である。
図3】気象環境監視部の構成に対する説明図である。
図4】風力発電機監視部の構成に対する説明図である。
図5】サーバー部の構成に対する説明図である。
図6】メンテナンス日程最適化部の構成に対する説明図である。
図7】データ送受信及び出力部の構成に対する説明図である。
図8】風力発電機の故障履歴を利用してメンテナンス日程を計画する統合管理システムの構成説明図である。
図9図8による統合管理システムのメンテナンス過程を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態による海上風力発電機の統合管理システム及び管理方法について、本発明の属する技術分野における通常の知識を持つ者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は、ここで説明する実施形態に限定されなく、種々の相異なる形態で具現されることができる。
【0023】
本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似の構成要素に対しては同じ符号を付することにする。本発明は、海上風力発電機統合管理システム及び管理方法に関する発明であって、その用語上、ユニット、装置、システムは具体的な構成に関する同じ意味で理解することができ、方法や工程、プロセスに関する発明を含み、合理的な常識に照らし用語を解釈して本発明を理解することができるはずである。また、データ、情報などは類似した意味で同一の対象を指すことができ、技術的な具現が可能な限度内で合理的に解釈することができる。
【0024】
本発明による風力発電機統合管理システムは、作業者、装備、気象環境、風力発電機など周辺の多様な状態をリアルタイムで監視して情報を習得し、習得した情報、データを利用して効率的でかつ即時の風力発電機のメンテナンスを可能にすることをその目的とする。
【0025】
このために、本発明による風力発電機統合管理システムは、メンテナンス作業者及び装備の状態情報を感知する作業者及び装備監視部100と、前記風力発電機の周辺環境を監視する気象環境監視部200と、前記風力発電機の状態を監視する風力発電機監視部300と、前記作業者及び装備監視部100、気象環境監視部200及び風力発電機監視部300の測定データをDB化して格納及び送受信するサーバー部400と、前記サーバー部400から受信したデータを利用してメンテナンス日程を確認するメンテナンス日程最適化部500とを含む。
【0026】
また、前記サーバー部400及びメンテナンス日程最適化部500で生成された情報を送受信するか、または使用者及び作業者に通知するデータ送受信及び出力部600を含み、前記メンテナンス日程最適化部500は、前記サーバー部400から受信された情報以外にも前記風力発電機の故障履歴を一緒に活用することで最適のメンテナンス日程を提供する。
【0027】
したがって、本発明による風力発電機統合管理システムは、メンテナンスを行う作業者の状態(健康、位置など)、作業者が運用する装備、大型装備などの状態(稼動有無、位置など)、風力発電機の設置された周辺環境及び気象状態、風力発電機そのものの状態をリアルタイムで監視し、感知して情報を得て、得られた情報に基づいてメンテナンスを行うかメンテナンス日程を計画するものである。この時、より正確でかつ効率的なメンテナンス日程を樹立してメンテナンスを遂行するために風力発電機の故障履歴データを一緒に活用しようとするものである。
【0028】
前記風力発電機監視部300は、複数のセンサー(図示せず)を利用し、振動、温度、照度、電流などすべての因子を感知する多様なセンサーを選択して使用することができ、望ましくは、前記風力発電機に取り付けて稼動時に発生する振動を測定するセンサーを用いることができる。
【0029】
このとき、前記センサーは、圧電素子を利用して前記風力発電機の振動から起電力を得て、この際に得られた起電力の値を判断して風力発電機の状態を確認することができ、前記センサーの一面には、太陽光素子を取り付け、このときに得られた電源を前記センサーに供給することができる。
【0030】
前記風力発電機監視部300は、風力発電機データ収集モジュール301、寿命予測モジュール302、及び温度情報提供モジュール303を含み、前記風力発電機データ収集モジュール301は、前記風力発電機の発電量、部品情報、温度、騷音データを収集する。収集されたデータは、前記寿命予測モジュール302を通じて適正のメンテナンス戦略を樹立するようになり、前記温度情報提供モジュール303は、作業者に風力発電機の温度情報を提供することで前記風力発電機の火災発生に備えることを可能にする。
【0031】
また、前記データ送受信及び出力部600は、管理者または作業者を統制し管理する管理者携帯用端末と連動されて管理者がリアルタイムで気象環境、装備、風力発電機及び作業者の状態を確認することができ、これらの状態情報は、ビッグデータとして加工されてデータマイニング乃至ディープラーニング技術を利用及び学習することで、海上風力発電機の予知保全を可能にする。
【0032】
また、前記データ送受信及び出力部600は、5GLoRa(Long Range)通信基盤技術を利用することで、CDMA無線中継器を省略し、最大11kmの通信範囲を確保することにより、ネットワークの安定性と運用データの信頼性を確保する。
【0033】
また、風力発電機の状態情報、メンテナンス情報の保存、送受信及び分析ならびに遠隔制御のためのすべての通信は、IoTまたは5GLoRa通信基盤で設けられることができ、従来CDMA方式は、小出力無線通信によるRFネットワークの途切れの問題があり、無線中継器の不良発生時これと繋がれた個別WIFI/Zigbee端末の機能発揮が制限されるという短所があるからである。
【0034】
また、従来の技術による通信方式は、CDMA、LTE無線中継器/増幅器を使用する
場合、通信費の負担が多少大きく、年間(5~6万ウォン)、Group方式の設置のみが可能であるから効率が劣り、これを改善するために、RoLa通信を活用する場合、購買単価及び管理の面から非効率的であるという問題点がある。
【0035】
これにより、本発明による通信方法は、5GLoRa(Long Range)通信基盤技術を利用することでCDMA無線中継器を省略し、最大11kmの通信範囲を確保することでネットワークの安定性および運用データの信頼性を確保することができることである。また、前記サーバー部400は、ビッグデータ基盤のクルラウドサーバー方式を利用することで一般的なシステムに比べてネットワークのセキュリティ、安定性及びサーバー信頼度が非常に高い。
【0036】
また、前記気象環境監視部200は、気象環境データ収集モジュール201及び短期気象予測モジュール202を含み、前記気象環境データ収集モジュール201は、湿度、温度、照度、波高、日出、日没データを収集し、前記短期気象予測モジュール202を通じて天気予測を行うことで、メンテナンス中であるか、メンテナンス予定である作業者の日程を調律することができ、作業者の安全な復帰及び移動時間を考慮したメンテナンス日程の樹立が可能である。
【0037】
また、風力発電機の設置された場所が大部分陸地と離隔された海上であるから、気象環境の影響が大きくてメンテナンスのためのアクセスと移動にも気象情報が非常に重要な要因なので、これらの情報及び分析を通じて効率的な風力発電機のメンテナンスが可能である。
【0038】
また、前記作業者及び装備監視部100は、作業者状態監視モジュール101と、作業者状態情報伝送モジュール102と、装備状態確認モジュール103と、装備位置確認モジュール104とを含む。すなわち、作業者の位置や健康状態などをチェックして作業者情報を入手して、装備(小型、中型、大型)の状態や位置(移動有無)などをチェックして速やかに使用したり移動させたりすることができるものであるである。
【0039】
前記作業者状態監視モジュール101は、作業者の保護ツール及び作業ツールに取り付けられたセンサーによって着用しているか否か及び異常有無を感知し、場合によって、作業者のスマートウォッチ(ウェアラブル機器)を用いて作業者の状態を感知してもよく、収集された情報は、前記作業者状態情報伝送モジュール102を介して伝送されて、作業遂行可否及び異常有無を判断する。
【0040】
前記作業者及び装備監視部100、前記気象環境監視部200及び風力発電機監視部300で収集されたデータは、前記サーバー部400の前記データ取りまとめモジュール401に積載され、前記データ分析モジュール402が機械学習、統計技法などを活用してデータ分析を遂行する。
【0041】
また、メンテナンス作業者及び装備安全状態データの分析結果は、メンテナンス作業者には健康状態に応じた作業割当、代替人力投入の有無、安全教育訓練などに役立つことができ、装備の持続的な管理によってメンテナンスの効率を極大化することができることである。
【0042】
気象環境データ分析結果は、短期メンテナンス日程管理とともに、中長期風力発電機メンテナンス計画樹立に活用される。風力発電機状態データ分析結果を活用して風力発電機の部品別残存寿命予測及び故障確率推定によって予備部品準備および風力発電機メンテナンス戦略樹立に役立つ。
【0043】
さらに、前記装備状態確認モジュール103は、装備の燃料量、漏油有無、バッテリー、冷却水を確認して装備の状態及びメンテナンス支援可能時間を確認し、前記装備位置確認モジュール104は、GPSを利用することでメンテナンス作業時にあらかじめ計画された箇所で作業が進められるようにする。
【0044】
前記サーバー部400は、データ取りまとめモジュール401及びデータ分析モジュール402を含み、前記データ取りまとめモジュール401は、前記作業者及び装備監視部、気象環境監視部、風力発電機監視部で収集されたデータを取りまとめ、取りまとめられた前記データは、前記データ分析モジュール402で機械学習、統計技法によって分析される。
【0045】
前記メンテナンス日程最適化部500は、メンテナンス費計算モジュール501及びメンテナンス日程最適化モジュール502を含み、前記メンテナンス費計算モジュールは、作業者の労務費、経費、教育訓練費並びに装備のレンタル料金、メンテナンス費を算出する。すなわち、メンテナンス日程を決める重要な要因の一つが、装備使用料金と人件費なのでこれを算出することである。
【0046】
また、前記メンテナンス日程最適化モジュール502は、先に算出された費用結果と部品の調逹時間、メンテナンス作業者及び装備が風力発電機にアクセス可能な時間、リアルタイム気象環境データ及び気象予測データを考慮して最適化されたメンテナンス日程を提供する。
【0047】
本発明による海上風力発電機統合管理システムは、海上風力のメンテナンス作業者、装備が海上でメンテナンス作業を行う場合、作業者、装備の安全と状態、海上の気象環境、風力発電機の状態をリアルタイムで提供して作業者の安全な海上風力発電メンテナンス支援とともに風力発電及びメンテナンス責任者が多様な意思決定をすることができるように支援する。
【0048】
また、このようなデータは、サーバーによって保存及び分析が行われ、現在ならびに未来に進行されるメンテナンスのための指標及びガイドラインとなり、収集されたデータを活用してメンテナンスの遂行時に発生する費用計算結果に基づいて、メンテナンス日程最適化を通じて風力発電及びメンテナンス事業者の収益極大化と共に持続可能な経営を実現する方案を提示するようになる。
【0049】
また、本発明による風力発電機統合管理システムは、前述のように風力発電機の故障履歴情報を利用して最適のメンテナンス進行及びメンテナンス日程を計画することができるようにする。すなわち、デジタル情報に対する活用を極大化するものである。
【0050】
このために、本発明による風力発電機統合管理システムは、風力発電機故障履歴を収集する故障履歴データ取得部、前記データを利用して故障履歴及びエラーコードを分析する故障履歴分析部、前記データを補正するデータ補正部、分析結果を学習して故障発生を予測する故障予測部、及びデータ及び予測情報を提供する情報提供部を含み、前記データ補正部は、前記エラーコードと部品とがマッチングしているか否か、メンテナンス有無による重みと頻度を分析反映して予測情報の信頼度を高める。
【0051】
すなわち、風力発電機から故障履歴を取得してこれを分析し、信頼度を高めるために補正を行い、これによって、故障予測の情報を提供またはアラームすることによって、必要時、使用者や管理者の携帯用端末やコンピューター、タブレットなどを通じて情報を提供することができることである。
【0052】
特に、前記データ補正部は、前記エラーコードと部品とがマッチングしているか否か、メンテナンス有無による重みおよび頻度を分析反映して予測情報の信頼度を高める。すなわち、取得された風力発電機の故障履歴をエラーコードとマッチングさせて、既存のデータを分析して頻度と修理有無などの結果を反映する。
【0053】
例えば、故障履歴と主要コンポーネントのエラーコードを確認し、マッチングしているか否かを確認した後、実際の修理、交換の結果を比較すると、その修理や交換の必要性に対する重みを得ることができ、これを分析の過程に利用することである。すなわち、実際の修理や交換の頻度が高いと、メンテナンス過程で修理や交換の必要性がより高くなるようになる。
【0054】
前記故障履歴分析部は、エラーコードおよび部品別の故障履歴を分析し、発電プラント、発電機の種類によって異なるエラーコード(Error code)別に主要コンポーネントとのマッチング作業を行い、エラー発生時にエラーコード(Error code)によって、ナセル(Nacelle)、PCS、ピッチシステム、ヨーシステム(Yaw System)、タワー(Tower)、ドライブトレイン(Drive Train)、発電機(Generator)、ハブ(Hub)などの主要コンポーネント(Main component)とのマッチング作業及びデータ分類を行うことが可能である。すなわち、主要コンポーネントの故障履歴及びエラーコードを通じた故障発生予測が非常に重要である。
【0055】
前記故障履歴データ取得部は、必要時、複数のセンサー(図示せず)を利用して前記風力発電機の状態を確認し、確認された情報は、通信部(図示せず)を利用して使用者に送信されることができる。前記センサーは、印加されて出力される電流と電圧を比較するセンサーであってもよく、照度、温度などをセンシングしたり物理的に故障有無を感知したりするセンサーであってもよい。
【0056】
特に、本発明による目的上、前記データは、データベースに加工されて格納または学習されることで、前記風力発電機の状態及び故障有無を予測するとともにそれに備えることができるものであって、かかる推定、予測の正確度を高めるために補正する過程が重要であることである。
【0057】
収集されたデータ、分析された値、予測された値、情報データなどは、管理者、使用者に提供され、このとき、既設定された基準に従うか、選択することでアラームが同時に隋伴することができる。これによって、故障発生の緊急性、必要性、優先順位などを考慮して維持管理の軽重を判断して使用者などに直接アラームすることができることである。
【0058】
風力発電プラントの運営の安定性と効率性を阻害する最大要因としては、風力発電機の重故障(Major failure)が挙げられ、これは増速機(Gear box)、発電機(Generator)、ハブ(Hub)、主軸受(Main bearing)及びブレード(Blade)のような風力発電機の主要なパーツを構成する主要コンポーネント(Main component)の故障を意味する。よって、風力発電プラントの故障履歴データに基づいて主要コンポーネントの点検、修理、交換に対する時点が予測できたら、風力発電機の効果的な運営管理を実現することにより稼動率を高めるのに供することができる。
【0059】
また、風力発電事務改善活動運営(メンテナンス、O&M)費用の60~65%が非計画的メンテナンスによるものであり、風力発電機故障原因の40%以上が部品故障によって発生するので、風力発電の状態監視システム及び予測基盤整備技術は、費用節減のための必須不可欠な事項として適用され得る。
【0060】
このような本発明による期待効果としては、計画されたメンテナンスと主要コンポーネントに対する集中的な管理を通じて安定した発電期運営及びダウンタイムを最小化することができ、風力発電システムの主要コンポーネント故障を予見して交換、修理などのための予備部品や人力及び装備をあらかじめ準備しておくことで、故障に起因する事故危険の防止及び稼動停止時間を減らすことができる。
【0061】
また、風力発電機故障履歴基盤の部品点検、修理、交換頻度の推定を通じて、経済的、産業的な側面から先制的な部品故障発生の原因把握を通じたO&M時間短縮、投入人力及びO&M費用節減が可能であり、社会的側面からPM2.5の減少を通じて生活環境を改善し、脱原発を志向する政府のポリシーに寄与することができることである。
【0062】
ちなみに、故障有無などのセンシング(感知)にあたり、部品の故障判断は部品に繋がれるACVラインの供給可否(引入/遮断)及び電流または電圧を測定し、測定値をMCUに伝達して判断する方式で設計することができる。ここで、センサーでACVの引入が確認されるが、DCVの供給遮断であることが確認される場合にMCUは、SMPSの故障と取り敢えず判断し、それ以後、温度、照度センサーやその他多様なセンサーによる測定値とACV/DCVのセンサー測定値とを比較分析して正確な故障個所に対する判断を行うことができるように設計する。すなわち、故障履歴データ及び情報の正確度、信頼度を高める。
【0063】
ここで、通信機能の故障判断は、ソフトウェアアルゴリズムの自己診断可能にMCUを設計する。例えば、自己診断の内容としては、無線通信の受信感度を測定するRSSI数値の基準値未達、無線通信のノイズ数値の増加、同時接続によるカバレッジの問題のため基地局(中継器)との送受信信号の伝達不能、LPWAなどのハードウェアの結線におけるアース不良であることを確認することができる。
【0064】
本発明による海上風力発電機の統合管理方法は、メンテナンス作業者及び装備の状態情報を感知する作業者及び装備監視段階と、前記風力発電機の設置された周辺環境の状態を監視する気象環境監視段階と、前記風力発電機それ自体の状態を監視する風力発電機監視段階と、前記作業者及び装備監視段階、気象環境監視段階、及び風力発電機監視段階で入手された測定データをDB化して格納及び送受信する段階と、前記データ及びDBを利用して前記風力発電機の適正メンテナンス日程を確認するメンテナンス日程最適化段階と、を含む。
【0065】
また、前記メンテナンス日程最適化段階で生成された情報を使用者及び作業者に報知するとともに情報を送受信するデータ送受信及び出力段階をさらに含み、前記メンテナンス日程最適化段階では、前記データ及び前記風力発電機の故障履歴を一緒に活用して最適のメンテナンス日程を管理者に提供する。
【0066】
以上で説明した本発明は、前述した実施形態及び添付の図面によって限定されることなく、本発明の技術的思想内での単純な置換、変形及び変更は、当業界における通常の知識を持つ者にとって明白なことである。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明による海上風力発電機統合管理システム及び方法は、リアルタイムで多様な情報を監視して収集し、これらの情報を分析して活用することにより、最適のメンテナンスを可能にするものである。
【符号の説明】
【0068】
100 作業者及び装備監視部
101 作業者状態監視モジュール
102 作業者状態情報伝送モジュール
103 装備状態確認モジュール
104 装備位置確認モジュール
200 気象環境監視部
201 気象環境データ収集モジュール
202 短期気象予測モジュール
300 風力発電機監視部
301 風力発電機データ収集モジュール
302 寿命予測モジュール
303 温度情報提供モジュール
400 サーバー部
401 データ取りまとめモジュール
402 データ分析モジュール
500 メンテナンス日程最適化部
501 メンテナンス費計算モジュール
502 メンテナンス日程最適化モジュール
600 データ送受信及び出力部
601 データ送受信モジュール
602 視覚化出力モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-10-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海上風力発電機のリアルタイム状態監視及びメンテナンスのための風力発電機統合管理システムであって、
メンテナンス作業者の位置や健康状態を含む作業者情報及び装備の状態情報をセンサー手段で感知して取得するコンピュータの作業者及び装備監視部と、
前記風力発電機の周辺環境をセンサー手段で監視して取得するコンピュータの気象環境監視部と、
前記風力発電機の状態をセンサー手段で監視して取得するコンピュータの風力発電機監視部と、
前記作業者及び装備監視部、気象環境監視部及び風力発電機監視部のリアルタイムの測定データをDB化して格納及び送受信するコンピュータのサーバー部と、
前記サーバー部から受信したデータを入力してメンテナンス日程を生成するコンピュータのメンテナンス日程最適化部と、
前記サーバー部及びメンテナンス日程最適化部で生成された情報を送受信するか、または使用者及び作業者の端末に通知する通信手段であるデータ送受信及び出力部と、
を含み、
前記サーバー部は、データ取りまとめモジュール及びデータ分析モジュールを含み、
前記データ取りまとめモジュールは、前記作業者及び装備監視部、気象環境監視部、風力発電機監視部で収集されたデータをリアルタイムで取りまとめ、取りまとめられた前記データは、前記データ分析モジュールで機械学習、統計技法によって分析し、
前記メンテナンス日程最適化部は、
前記作業者情報及び前記装備の状態情報と、前記周辺環境の情報と、風力発電機の状態の情報を入力し、前記データ分析モジュールにおける機械学習結果に基づいて、メンテナンス作業者の健康状態に応じた作業割当、メンテナンス作業者及び装備の位置と周辺環境に応じて風力発電機にアクセス可能な時間、風力発電機の状態に応じて故障発生の緊急性や必要性、優先順位などを考慮して維持管理の軽重の決定の結果を出力としたメンテナンス日程を提供することを特徴とする、風力発電機統合管理システム。
【請求項2】
前記風力発電機監視部は、センサー手段である複数のセンサーを利用し、前記風力発電機に取り付けて稼動時に発生する振動を、圧電素子を用いた起電力センシングにより監視し、太陽光素子を用いて前記センサーに電源を供給することを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項3】
前記風力発電機監視部は、風力発電機データ収集モジュール、寿命予測モジュール及び温度情報提供モジュールを含み、
前記風力発電機データ収集モジュールは、前記風力発電機の発電量、部品情報、温度、騷音データを収集して前記寿命予測モジュールを通じてメンテナンス戦略を樹立し、前記温度情報提供モジュールは、作業者に温度情報を提供することで前記風力発電機の火災発生に備えることができるようにすることを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項4】
前記データ送受信及び出力部は、管理者の携帯用端末と連動されて管理者がリアルタイムで気象環境、装備、風力発電機及び作業者の状態を確認することができ、これらの状態情報は、ビッグデータとして加工されてデータマイニング乃至ディープラーニング技術を利用及び学習することで、海上風力発電機の予知保全を可能にすることを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項5】
前記データ送受信及び出力部は、5GLoRa(Long Range)通信基盤技術を利用することで、CDMA無線中継器を省略し、最大11kmの通信範囲を確保することにより、ネットワークの安定性と運用データの信頼性を確保することを特徴とする、請求項4に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項6】
前記気象環境監視部は、気象環境データ収集モジュール及び短期気象予測モジュールを含み、
前記気象環境データ収集モジュールは、湿度、温度、照度、波高、日出、日没データを収集し、前記短期気象予測モジュールを通じて天気予測を行うことで、メンテナンス中の作業者の復帰時間を考慮したメンテナンス日程樹立が可能であることを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項7】
前記作業者及び装備監視部は、作業者状態監視モジュールと、作業者状態情報伝送モジュールと、装備状態確認モジュールと、装備位置確認モジュールとを含み、
前記作業者状態監視モジュールは、作業者の保護ツール及び作業ツールに取り付けられたセンサーによって着用しているか否か及び異常有無を感知し、作業者のスマートウォッチを通じて収集された情報が前記作業者状態情報伝送モジュールを介して伝送されることで、作業遂行可否及び異常有無を判断し、前記装備状態確認モジュールは、装備の燃料量、漏油有無、バッテリー、冷却水を確認して装備の状態及びメンテナンス支援可能時間を確認し、前記装備位置確認モジュールは、GPSを利用することで装備の位置を確認する
ことを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項8】
前記風力発電機の故障履歴を活用するために、
風力発電機故障履歴を収集する故障履歴データ取得部と、前記データを利用して故障履歴及びエラーコードを分析する故障履歴分析部と、前記データを補正するデータ補正部と、分析結果を学習して故障発生を予測する故障予測部と、データ及び予測情報を提供する情報提供部とを含み、前記データ補正部は、前記エラーコード別に前記故障履歴における部品ごとのマッチングを取得し、実際の前記部品の修理、交換の結果を比較することによって、その修理や交換の必要性に対する重みを得て、前記エラーコード及び前記部品とのマッチングから予測情報の信頼度を高めることを特徴とする、
請求項1に記載の風力発電機統合管理システム。
【請求項9】
請求項1からのいずれか一項に記載の前記コンピュータと前記センサー手段、前記通信手段で構成された統合管理システムを利用した海上風力発電機の統合管理方法であって、
メンテナンス作業者及び装備の状態情報を感知する作業者及び装備監視段階と、
前記風力発電機の設置された周辺環境の状態を監視する気象環境監視段階と、
前記風力発電機それ自体の状態を監視する風力発電機監視段階と、
前記作業者及び装備監視段階、気象環境監視段階、及び風力発電機監視段階で入手されたリアルタイムの測定データをDB化して格納及び送受信する段階と、
前記データ及びDBを利用して前記風力発電機の適正メンテナンス日程を確認するメンテナンス日程最適化段階と、
前記メンテナンス日程最適化段階で生成された情報を使用者及び作業者に通知するとともに情報を送受信するデータ送受信及び出力段階と、
を含み、
前記メンテナンス日程最適化段階では、前記データ及び前記風力発電機の故障履歴を一緒に活用して最適のメンテナンス日程を管理者に提供することを特徴とする、海上風力発電機の統合管理方法。