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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173567
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20241205BHJP
   B60N 2/58 20060101ALI20241205BHJP
   B68G 7/052 20060101ALI20241205BHJP
   A47C 31/02 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/58
B68G7/052 A
A47C31/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131706
(22)【出願日】2023-08-11
(31)【優先権主張番号】63/504,809
(32)【優先日】2023-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平塚 亘
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DE03
3B087DE09
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】車両用シートにおいて、ハーネスを短くする。
【解決手段】車両用シート1は、骨格をなすフレーム11と、フレームに設けられる板状の受圧部材14と、フレームに支持され、受圧部材の表側に配置されるパッド12と、パッドに設けられる少なくとも1つの振動装置7と、振動装置に接続されるハーネス32とを有する。振動装置は、パッドの厚み方向から見て、受圧部材に重なる。受圧部材は、受圧部材の側縁から幅方向の内方に凹む少なくとも1つの凹部20を有する。ハーネスは、凹部を通過して、受圧部材の裏側に配置される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用シートであって、
骨格をなすフレームと、
前記フレームに設けられる板状の受圧部材と、
前記フレームに支持され、前記受圧部材の表側に配置されるパッドと、
前記パッドに設けられる少なくとも1つの振動装置と、
前記振動装置に接続されるハーネスと、を有し、
前記振動装置は、前記パッドの厚み方向から見て、前記受圧部材に重なり、
前記受圧部材は、前記受圧部材の側縁から幅方向の内方に凹む少なくとも1つの凹部を有し、
前記ハーネスは、前記凹部を通過して、前記受圧部材の裏側に配置される、車両用シート。
【請求項2】
前記振動装置は、前記パッドの表面に配置され、
前記パッドは、前記ハーネスを前記パッドの前記裏側に通過させるべく、前記厚み方向に貫通する挿通孔を有する請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記パッドは、前記振動装置を収容するべく、前記パッドの前記表面から前記裏側に凹む収容凹部を有し、
前記挿通孔は、前記収容凹部から前記厚み方向に貫通する請求項2に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記挿通孔は、前記パッドの裏面から前記表側に凹み、且つ前記パッドの面方向に沿って延びる溝部に接続し、
前記溝部の端部は、前記厚み方向から見て、前記受圧部材の前記凹部に重なる請求項3に記載の車両用シート。
【請求項5】
前記パッドに被せられる表皮材を更に有し、
前記パッドは、前記表皮材を吊り込むべく、前記パッドの前記表面から前記裏側に凹み、且つ前記パッドの前記面方向に沿って延びる複数の吊り込み溝を更に有し、
前記収容凹部は、複数の前記吊り込み溝の少なくとも1つと接続している請求項4に記載の車両用シート。
【請求項6】
前記収容凹部に接続された前記吊り込み溝の底部は、前記収容凹部の底部よりも前記表側にある請求項5に記載の車両用シート。
【請求項7】
前記吊り込み溝には、前記表皮材を前記パッドに保持するための複数のクリップ部が設けられ、
複数の前記クリップ部は、前記吊り込み溝の延在方向に沿って互いに間隔を空けて配置され、
前記収容凹部は、前記パッドの前記面方向のうち、前記吊り込み溝の前記延在方向に直交する方向から見て、複数の前記クリップ部のそれぞれに重なる位置を避けて配置される請求項6に記載の車両用シート。
【請求項8】
前記振動装置の前記表側には、板状の緩衝材を介して空気袋が配置される請求項4又は請求項7に記載の車両用シート。
【請求項9】
送風装置を更に有し、
前記送風装置は、
前記受圧部材の前記裏側に配置された送風装置本体部と、
前記送風装置本体部に接続されたダクトと、を有し、
前記パッドは、前記厚み方向に貫通し、前記ダクトに接続される通気孔と、前記通気孔に接続し、前記パッドの前記表面から前記厚み方向に凹み、且つ前記パッドの前記面方向に沿って延びる通気溝とを更に有し、
前記収容凹部は、前記通気孔に接続している請求項8に記載の車両用シート。
【請求項10】
前記パッドの前記表側にはカバーパッドが配置され、
前記カバーパッドは、複数の前記振動装置、複数の前記緩衝材及び複数の前記空気袋を覆う請求項9に記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、振動体を有する車両用シートが開示されている。特許文献1に記載の車両用シートでは、振動体はクッションパッドに設けられた凹部に収容されている。またクッションパッドには、クッションパッドの上面から下面へ貫通する収容部と、収容部と凹部との間に形成された溝部とが形成されている。振動体に接続されたハーネスは、溝部及び収容部を通過して、クッションパッドの上面側から下面側へ配策される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-175041号公報
【特許文献2】特開2022-187383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両用シートには、クッションパッドを介して乗員を支持するための板状の受圧部材が設けられる場合がある(特許文献2参照)。この場合、ハーネスは受圧部材を避けるように配置される必要があるため、ハーネスが長くなるという問題がある。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑み、車両用シートにおいて、ハーネスを短くすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、車両用シート(1)であって、骨格をなすフレーム(11)と、前記フレームに設けられる板状の受圧部材(14)と、前記フレームに支持され、前記受圧部材の表側に配置されるパッド(12)と、前記パッドに設けられる少なくとも1つの振動装置(7)と、前記振動装置に接続されるハーネス(32)と、を有し、前記振動装置は、前記パッドの厚み方向から見て、前記受圧部材に重なり、前記受圧部材は、前記受圧部材の側縁から幅方向の内方に凹む少なくとも1つの凹部(20)を有し、前記ハーネスは、前記凹部を通過して、前記受圧部材の裏側に配置される。
【0007】
この態様によれば、ハーネスが短くなる。
【0008】
上記の態様において、前記振動装置は、前記パッドの表面に配置され、前記パッドは、前記ハーネスを前記パッドの前記裏側に通過させるべく、前記厚み方向に貫通する挿通孔(38)を有してもよい。
【0009】
この態様によれば、各振動装置が乗員に近い側に配置されるため、各振動装置の振動が効果的に乗員に伝達される。
【0010】
上記の態様において、前記パッドは、前記振動装置を収容するべく、前記パッドの前記表面から前記裏側に凹む収容凹部(36)を有し、前記挿通孔は、前記収容凹部から前記厚み方向に貫通してもよい。
【0011】
この態様によれば、乗員の感じる異物感が低減される。
【0012】
上記の態様において、前記挿通孔は、前記パッドの裏面から前記表側に凹み、且つ前記パッドの面方向に沿って延びる溝部(44)に接続し、前記溝部の端部は、前記厚み方向から見て、前記受圧部材の前記凹部に重なってもよい。
【0013】
この態様によれば、パッドを介して伝達される荷重が、溝部を通過するハーネスに加わり難くなる。
【0014】
上記の態様において、当該車両用シートは、前記パッドに被せられる表皮材(13)を更に有し、前記パッドは、前記表皮材を吊り込むべく、前記パッドの前記表面から前記裏側に凹み、且つ前記パッドの前記面方向に沿って延びる複数の吊り込み溝(24)を更に有し、前記収容凹部は、複数の前記吊り込み溝の少なくとも1つと接続してもよい。
【0015】
この態様によれば、複数の振動装置のそれぞれが対応する収容凹部に収容されたとき、各振動装置の側部は、吊り込み溝の側縁の一部を画定する。したがって吊り込み溝内に配置された表皮材が振動装置側へ変位することが抑制される。
【0016】
上記の態様において、前記収容凹部に接続された前記吊り込み溝の底部は、前記収容凹部の底部よりも前記表側にあってもよい。
【0017】
この態様によれば、振動装置が吊り込み溝側へ変位することが抑制される。
【0018】
上記の態様において、前記吊り込み溝には、前記表皮材を前記パッドに保持するための複数のクリップ部(31)が設けられ、複数の前記クリップ部は、前記吊り込み溝の延在方向に沿って互いに間隔を空けて配置され、前記収容凹部は、前記パッドの前記面方向のうち、前記吊り込み溝の前記延在方向に直交する方向から見て、複数の前記クリップ部のそれぞれに重なる位置を避けて配置されてもよい。
【0019】
この態様によれば、振動装置とクリップ部との干渉が抑制される。
【0020】
上記の態様において、前記振動装置の前記表側には、板状の緩衝材(46)を介して空気袋(8)が配置されてもよい。
【0021】
この態様によれば、緩衝材は、振動装置とパッドとの段差を埋めることができる。したがって、乗員の感じる異物感がより低減される。
【0022】
上記の態様において、当該車両用シートは、送風装置(9)を更に有し、前記送風装置は、前記受圧部材の前記裏側に配置された送風装置本体部(51)と、前記送風装置本体部に接続されたダクト(52)と、を有し、前記パッドは、前記厚み方向に貫通し、前記ダクトに接続される通気孔(54)と、前記通気孔に接続し、前記パッドの前記表面から前記厚み方向に凹み、且つ前記パッドの前記面方向に沿って延びる通気溝(56)とを更に有し、前記収容凹部は、前記通気孔に接続していてもよい。
【0023】
この態様によれば、通気溝及び通気孔を通過する空気が、収容凹部から漏れ出すことが抑制される。
【0024】
上記の態様において、前記パッドの前記表側にはカバーパッド(47)が配置され、前記カバーパッドは、複数の前記振動装置、複数の前記緩衝材及び複数の前記空気袋を覆ってもよい。
【0025】
この態様によれば、カバーパッドは、空気袋とパッドとの段差を埋めることができる。したがって乗員の感じる異物感がより低減される。
【発明の効果】
【0026】
上記課題を解決するために、本発明は、車両用シート(1)であって、骨格をなすフレーム(11)と、前記フレームに設けられる板状の受圧部材(14)と、前記フレームに支持され、前記受圧部材の表側に配置されるパッド(12)と、前記パッドに設けられる少なくとも1つの振動装置(7)と、前記振動装置に接続されるハーネス(32)と、を有し、前記振動装置は、前記パッドの厚み方向から見て、前記受圧部材に重なり、前記受圧部材は、前記受圧部材の側縁から幅方向の内方に凹む少なくとも1つの凹部(20)を有し、前記ハーネスは、前記凹部を通過して、前記受圧部材の裏側に配置される。
【0027】
この態様によれば、ハーネスが短くなる。
【0028】
上記の態様において、前記振動装置は、前記パッドの表面に配置され、前記パッドは、前記ハーネスを前記パッドの前記裏側に通過させるべく、前記厚み方向に貫通する挿通孔(38)を有してもよい。
【0029】
この態様によれば、各振動装置が乗員に近い側に配置されるため、各振動装置の振動が効果的に乗員に伝達される。
【0030】
上記の態様において、前記パッドは、前記振動装置を収容するべく、前記パッドの前記表面から前記裏側に凹む収容凹部(36)を有し、前記挿通孔は、前記収容凹部から前記厚み方向に貫通してもよい。
【0031】
この態様によれば、乗員の感じる異物感が低減される。
【0032】
上記の態様において、前記挿通孔は、前記パッドの裏面から前記表側に凹み、且つ前記パッドの面方向に沿って延びる溝部(44)に接続し、前記溝部の端部は、前記厚み方向から見て、前記受圧部材の前記凹部に重なってもよい。
【0033】
この態様によれば、パッドを介して伝達される荷重が、溝部を通過するハーネスに加わり難くなる。
【0034】
上記の態様において、当該車両用シートは、前記パッドに被せられる表皮材(13)を更に有し、前記パッドは、前記表皮材を吊り込むべく、前記パッドの前記表面から前記裏側に凹み、且つ前記パッドの前記面方向に沿って延びる複数の吊り込み溝(24)を更に有し、前記収容凹部は、複数の前記吊り込み溝の少なくとも1つと接続してもよい。
【0035】
この態様によれば、複数の振動装置のそれぞれが対応する収容凹部に収容されたとき、各振動装置の側部は、吊り込み溝の側縁の一部を画定する。したがって吊り込み溝内に配置された表皮材が振動装置側へ変位することが抑制される。
【0036】
上記の態様において、前記収容凹部に接続された前記吊り込み溝の底部は、前記収容凹部の底部よりも前記表側にあってもよい。
【0037】
この態様によれば、振動装置が吊り込み溝側へ変位することが抑制される。
【0038】
上記の態様において、前記吊り込み溝には、前記表皮材を前記パッドに保持するための複数のクリップ部(31)が設けられ、複数の前記クリップ部は、前記吊り込み溝の延在方向に沿って互いに間隔を空けて配置され、前記収容凹部は、前記パッドの前記面方向のうち、前記吊り込み溝の前記延在方向に直交する方向から見て、複数の前記クリップ部のそれぞれに重なる位置を避けて配置されてもよい。
【0039】
この態様によれば、振動装置とクリップ部との干渉が抑制される。
【0040】
上記の態様において、前記振動装置の前記表側には、板状の緩衝材(46)を介して空気袋(8)が配置されてもよい。
【0041】
この態様によれば、緩衝材は、振動装置とパッドとの段差を埋めることができる。したがって、乗員の感じる異物感がより低減される。
【0042】
上記の態様において、当該車両用シートは、送風装置(9)を更に有し、前記送風装置は、前記受圧部材の前記裏側に配置された送風装置本体部(51)と、前記送風装置本体部に接続されたダクト(52)と、を有し、前記パッドは、前記厚み方向に貫通し、前記ダクトに接続される通気孔(54)と、前記通気孔に接続し、前記パッドの前記表面から前記厚み方向に凹み、且つ前記パッドの前記面方向に沿って延びる通気溝(56)とを更に有し、前記収容凹部は、前記通気孔に接続していてもよい。
【0043】
この態様によれば、通気溝及び通気孔を通過する空気が、収容凹部から漏れ出すことが抑制される。
【0044】
上記の態様において、前記パッドの前記表側にはカバーパッド(47)が配置され、前記カバーパッドは、複数の前記振動装置、複数の前記緩衝材及び複数の前記空気袋を覆ってもよい。
【0045】
この態様によれば、カバーパッドは、空気袋とパッドとの段差を埋めることができる。したがって乗員の感じる異物感がより低減される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】実施形態に係るシートの斜視図
図2】受圧部材の平面図
図3】シートクッションパッドの平面図
図4】シートクッションパッドの要部を示す断面図
図5】シートクッションパッドの変形例を示す平面図
図6】シートクッションパッドの要部の変形例を示す断面図
図7】シートバックフレームの正面図
図8】シートバックパッドの正面図
図9】シートクッションパッドの要部を示す断面図
図10】振動装置の配置の変形例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の車両用シートを自動車等の車両に搭載されるシート1に適用した例について、図面を参照して説明する。以下、車両の進行方向を前後方向と規定して、左右及び、上下の各方向を定めて説明する。
【0048】
図1に示すように、シート1は、車両の車室の底部を画定するフロア2に前方を向くように設けられている。本実施形態では、シート1は前列シートを構成する。
【0049】
シート1は、フロア2に結合されたシートクッション4と、シートクッション4の後部に結合されたシートバック5と、シートバック5の上側に設けられたヘッドレスト6とを有する。シートクッション4は、乗員の臀部及び大腿部を下方から支持する。シートバック5は、乗員の腰部及び背部を後方から支持する。
【0050】
またシート1は、乗員に振動を与えるための複数の振動装置7と、複数の空気袋8(図4参照)と、送風装置9とを更に有する。各空気袋8は、流体が供給されることにより膨張し、流体が排出されることにより収縮する。送風装置9は、乗員側に向けて空気を送風する。他の実施形態では、シート1は、送風装置9の代わりに乗員側の空気を吸気する吸気装置を有してもよい。
【0051】
図2と併せて示すように、シートクッション4は、骨格をなすシートクッションフレーム11と、シートクッションフレーム11に支持されるシートクッションパッド12とを有する。またシートクッション4は、シートクッションパッド12に被せられた表皮材13を有する。複数の振動装置7のそれぞれ及び複数の空気袋8のそれぞれは、シートクッションパッド12と表皮材13との間に配置される。
【0052】
図2に示すように、シートクッションフレーム11は、前後方向に延び、左右方向に互いに離間して配置された左右一対のサイドメンバと、左右方向に延び、左右のサイドメンバの前端のそれぞれに結合したフロントメンバと、左右方向に延び、左右のサイドメンバの後端のそれぞれに結合したリアメンバ11Aと、左右方向に延び、左右のサイドメンバのそれぞれに結合したミドルメンバ11Bとを有する公知の構成であってよい。ミドルメンバ11Bは、リアメンバ11Aとフロントメンバとの間に配置されてよい。シートクッションフレーム11は、例えば金属から形成されてよい。
【0053】
シート1は、シートクッションフレーム11に設けられる板状の受圧部材14を更に有する。受圧部材14は、左右のサイドメンバの間に配置されている。また受圧部材14は、ミドルメンバ11Bとリアメンバ11Aとの間に配置されている。受圧部材14は、面が上下方向を向く受圧部材本体部16と、シートクッションフレーム11に係止する複数の係止部18とを有する。受圧部材本体部16の左右方向の側部は、受圧部材本体部16の中央部に対して、上方に傾斜してよい。受圧部材14は、例えば樹脂材料を射出成形することにより形成されてよい。
【0054】
受圧部材14は、左右の側縁から左右内方に凹む複数の凹部20を有する。複数の凹部20のそれぞれは、受圧部材14を上下方向に貫通している。本実施形態では、凹部20は、受圧部材本体部16の左右の側縁のそれぞれに1つずつ設けられている。各凹部20は、受圧部材14が成形されるときに形成されてよい。
【0055】
係止部18は、受圧部材本体部16の後端から後方に延びる複数の第1係止部18Aと、受圧部材本体部16の前端から前方に延びる複数の第2係止部18Bとを有する。複数の係止部18の先端部は、左右方向から見た側面視で円弧状に形成されている。複数の第1係止部18Aの先端部のそれぞれは、リアメンバ11Aに引っ掛かり、複数の第2係止部18Bの先端部のそれぞれは、ミドルメンバ11Bに引っ掛かる。これらにより、受圧部材14はシートクッションフレーム11に取り付けられる。
【0056】
図3及び図4に示すように、シートクッションパッド12は、受圧部材14の表側、即ち乗員を向く上方に配置されている。シートクッションパッド12は、面が上下方向を向くパッド本体部21と、パッド本体部21の左右の端部から上方に隆起する隆起部22とを有する。パッド本体部21の裏面、即ち乗員と相反する方向を向く下面の一部は、受圧部材14の上面に当接してよい。これにより表皮材13を介してシートクッションパッド12に加わる上方からの荷重は、受圧部材14を介してシートクッションフレーム11に伝達される。シートクッションパッド12は、例えばウレタンフォーム等の発泡樹脂から形成されてよい。
【0057】
シートクッションパッド12は、表皮材13を吊り込むための複数の吊り込み溝24を有する。複数の吊り込み溝24のそれぞれは、シートクッションパッド12の上面から下方に凹み、且つシートクッションパッド12の面方向に沿って延びている。本実施形態では、吊り込み溝24は、パッド本体部21の上面に設けられている。吊り込み溝24は、左右の隆起部22の基端部のそれぞれに沿って前後方向に延びる左右一対の外側吊り込み溝25と、前後方向に延び、左右の外側吊り込み溝25よりも左右内方に設けられた左右一対の内側吊り込み溝27とを有する。また吊り込み溝24は、左右方向に延び、各外側吊り込み溝25及び各内側吊り込み溝27に交差する複数の横吊り込み溝29を更に有する。複数の横吊り込み溝29は、前後方向に互いに離間して配置されている。
【0058】
図3に示すように、複数の吊り込み溝24のそれぞれには、表皮材13をシートクッション4に保持するための複数のクリップ部31が設けられている。クリップ部31は、吊り込み溝24の延在方向に沿って互いに間隔を空けて配置されている。各クリップ部31は、例えばシートクッションパッド12内に埋設される基板と、基板から各吊り込み溝24の底部から各吊り込み溝24内に突出する1対の係止片とを有する公知の構成であってよい。表皮材13は、表皮材13に設けられた複数の被係止部が対応する係止片に係止されることにより、シートクッション4に保持される。
【0059】
複数の振動装置7のそれぞれは、直方体状をなす。各振動装置7は、例えばコイル、マグネット及びヨークを含む公知の構成であってよい。コイルに流れる電流の向きが周期的に変化することによってコイルが発生する磁界が変化する。これにより、マグネットが結合されたヨークが磁界の変化に応じて振動する。各振動装置7にはハーネス32(図4参照)が接続されている。ハーネス32は、車両に設けられた図示しない電源に接続されるとよい。電源は、例えば受圧部材14の下方に配置されてよい。振動装置7は、その振動の向きがシートクッションパッド12の表面に対して垂直になるように配置されるとよいが、その振動の向きがシートクッションパッド12の表面に対して平行になるように配置されてもよい。
【0060】
図3及び図4に示すように、複数の振動装置7のそれぞれは、シートクッションパッド12の表面に配置されている。本実施形態では、複数の振動装置7のそれぞれは、パッド本体部21の上面に配置されている。複数のハーネス32のそれぞれは、シートクッションパッド12及び受圧部材14を下方に通過して、電源に接続されている。即ち、シートクッションパッド12は、複数の振動装置7のそれぞれを収容するための複数の収容凹部36と、複数のハーネス32のそれぞれを収容凹部36から下方に通過させるための複数の挿通孔38(図4参照)とを有する。
【0061】
本実施形態では、複数の収容凹部36のそれぞれは、パッド本体部21の上面から下方に凹む有底の凹部である。各収容凹部36は、上方から見た平面視で矩形状に形成されている。各振動装置7がシートクッションパッド12の上面、即ち乗員に近い側に配置されるため、各振動装置7の振動が乗員に効果的に伝達される。また、各振動装置7が対応する収容凹部36に収容されることにより、乗員の感じる異物感が低減される。
【0062】
本実施形態では、収容凹部36は、パッド本体部21の左右の側にそれぞれ2つずつ設けられている。パッド本体部21の左右の側にそれぞれ設けられた2つの収容凹部36は、前後方向に互いに離間して配置されている。各収容凹部36は、複数の吊り込み溝24の1つと接続している。具体的には、前側の左右の収容凹部36のそれぞれは、対応する内側吊り込み溝27の左右の内縁から左右内方に向けて突出するように設けられている。また後側の左右の収容凹部36のそれぞれは、対応する内側吊り込み溝27の左右の外縁から左右外方に向けて突出するように設けられている。複数の振動装置7のそれぞれが対応する収容凹部36に収容されたとき、各振動装置7の側面は、内側吊り込み溝27の左右の側縁の一部を画定する。したがって内側吊り込み溝27内に配置された表皮材13が各収容凹部36側へ変位することが抑制される。
【0063】
各収容凹部36に接続された吊り込み溝24の底部は、各収容凹部36の底部よりも表側にある。具体的には、内側吊り込み溝27の底部が、各収容凹部36の底部よりも上方にある。即ち、シートクッションパッド12は、内側吊り込み溝27の底面と、収容凹部36の底面とを接続する複数の段部41を有する。複数の段部41のそれぞれは、対応する収容凹部36の内側吊り込み溝27側の側縁を画定する。これにより、振動装置7が内側吊り込み溝27側へ変位することが抑制される。
【0064】
図3に示すように、各収容凹部36は、シートクッションパッド12の面方向のうち、吊り込み溝24の延在方向に直交する方向から見て、複数のクリップ部31のそれぞれに重なる位置を避けて配置されている。本実施形態では、各収容凹部36は、左右方向から見て、内側吊り込み溝27に設けられた複数のクリップ部31のそれぞれに重なる位置を避けて配置されている。より詳細には、各収容凹部36の底部は、複数のクリップ部31の基板のそれぞれと干渉する位置を避けて設けられている。これにより振動装置7とクリップ部31の係止片との干渉が抑制される。
【0065】
複数の収容凹部36の一部は、上下方向から見て、受圧部材14に重なる。本実施形態では後側の左右の収容凹部36のそれぞれが、上下方向から見て、受圧部材14に重なる。これにより、図2に示すように、後側の収容凹部36に収容された振動装置7は、上下方向から見て受圧部材14に重なる。より詳細には、後側の収容凹部36に収容された左右の振動装置7のそれぞれは、上下方向から見て、受圧部材14に設けられた対応する凹部20よりも左右内方に配置されている。
【0066】
図4に示すように、複数の挿通孔38のそれぞれは、対応する収容凹部36からシートクッションパッド12の下面に向かって上下方向に貫通している。各挿通孔38の上端の開口は、受圧部材14に設けられた凹部20に近い側の収容凹部36の角部に設けられるとよい。具体的には、後側の収容凹部36に設けられる挿通孔38の上端の開口は、収容凹部36の左右外側の角部に設けられるとよい。即ち、後側の収容凹部36の側縁を画定する段部41の各下面の一部は、対応する挿通孔38の上縁を画定する。ハーネス32が挿通孔38に配置されるとき、ハーネス32と段部41の下面との間には隙間が形成されるとよい。これにより、シートクッションパッド12を介して伝達される上方からの荷重が、ハーネス32に加わり難くなる。
【0067】
複数の挿通孔38のそれぞれは、シートクッションパッド12の裏面から上方に凹む溝部44に接続している。複数の溝部44のそれぞれは、シートクッションパッド12の面方向に沿って延びている。具体的には、後側の収容凹部36に設けられる挿通孔38の各溝部44は、挿通孔38の下端部から左右外方に延びている。各溝部44の左右の外端部は、上下方向から見て、受圧部材14に設けられた凹部20に重なっている。このとき、各溝部44は、上下方向から見て、対応する外側吊り込み溝25と重なっていてもよい。ハーネス32が挿通孔38に配置されるとき、ハーネス32と溝部44との間には隙間が形成されるとよい。これにより、シートクッションパッド12を介して伝達される上方からの荷重が、溝部44を通過するハーネス32に加わり難くなる。
【0068】
なお、他の実施形態では、挿通孔38の上端の開口の位置及び溝部44の延在方向は、振動装置7の受圧部材14に設けられる凹部20に対する位置に応じて変更されてもよい。例えば、振動装置7が受圧部材14に設けられる凹部20よりも後方且つ左右内方に配置されるとき、挿通孔38の上端の開口は、収容凹部36の前側の角部に設けられてよい。このとき、溝部44は、挿通孔38の下端部から左右外方に延びる第1溝部と、第1溝部から前方に延びる第2溝部とを有してもよい。第2溝部の前端部が、上下方向から見て、凹部20に重なってよい。或いは溝部44は、挿通孔38の下端部から、前方且つ左右外方に延びてもよい。
【0069】
複数の空気袋8のそれぞれは、対応する振動装置7の表側に配置されている。より詳細には、複数の振動装置7の表側のそれぞれには、板状の緩衝材46を介して空気袋8が配置されている。複数の緩衝材46の面のそれぞれは、上下方向を向く。緩衝材46は、振動装置7と共に収容凹部36に収容されるとよい。即ち、緩衝材46の側面は、振動装置7の側面と共に内側吊り込み溝27の側縁の一部を画定するとよい。緩衝材46の上面は、パッド本体部21の上面と同一平面上にあるとよい。緩衝材46は、振動装置7とパッド本体部21との段差を埋めることができるため、乗員の感じる異物感がより低減される。各緩衝材46は、例えばシートクッションパッド12と同じ発泡樹脂から形成されてよく、或いはシートクッションパッド12よりも柔らかい発泡樹脂から形成されてもよい。
【0070】
シートクッションパッド12の表側には、カバーパッド47が配置されている。カバーパッド47は、シートクッションパッド12と表皮材13との間に配置される。カバーパッド47は、複数の振動装置7、複数の緩衝材46及び複数の空気袋8を覆う。カバーパッド47は、面が上下方向を向く板状に形成されている。カバーパッド47の下面には、上方に向けて凹む複数の凹部48が設けられてよい。複数の凹部48のそれぞれには、対応する空気袋8が収容されるとよい。これにより、空気袋8とパッド本体部21との段差を埋めることができる。したがって乗員の感じる異物感がより低減される。カバーパッド47は、例えばシートクッションパッド12と同じ発泡樹脂から形成されてよく、或いはシートクッションパッド12よりも硬質の発泡樹脂から形成されてもよい。
【0071】
送風装置9は、受圧部材14の裏側に配置された送風装置本体部51(図1参照)と、送風装置本体部51に接続されたダクト52(図2参照)とを有する。送風装置本体部51は例えば遠心ファンであってよく、或いはシロッコファンであってよい。送風装置本体部51は、例えばボルト及びナット等の締結具によりフロントメンバの裏面に取り付けられてよい。
【0072】
送風装置本体部51の給気口側又は送気口側のどちらか一方の側に、加熱源又は冷却源が設けられてもよい。加熱源は、例えばヒートシンク又はPTCヒータ(Positive Temperature Coefficientヒータ)であってよい。冷却源は、例えばペルチェ素子であってよい。これにより、送風装置9は、温風又は冷風を着座者の側方から送り出す。
【0073】
図2に示すように、ダクト52は、断面矩形状に形成されてよい。ダクト52の一方の端部は、送風装置本体部51に接続している。ダクト52の他方の端部は、受圧部材14の裏側から表側に通過している。具体的には、受圧部材14には、上下方向に貫通する貫通孔53が形成されている。ダクト52の他方の端部は、受圧部材14に設けられた貫通孔53を下方から上方に向けて通過している。
【0074】
図3に示すように、シートクッションパッド12は、上下方向に貫通する通気孔54と、通気孔54に接続される通気溝56とを更に有する。本実施形態では、通気孔54は、上下方向から見て矩形状に形成されている。通気孔54は、前側の横吊り込み溝29よりも前方、且つ右側の内側吊り込み溝27よりも左方に設けられている。通気孔54には、ダクト52が接続されている。より詳細には、ダクト52の他方の端部が通気孔54に挿入されてよい。
【0075】
通気溝56は、シートクッションパッド12の表面から下方に凹み、且つシートクッションパッド12の面方向に沿って延びている。通気溝56は、通気孔54に接続されている。具体的には、通気溝56は、パッド本体部21の上面に設けられている。通気孔54は、通気溝56の底部の一部に形成されている。通気溝56は、通気孔54に接続された上流部58と、上流部58から分岐した左右の下流部59とを有する。
【0076】
上流部58は、左右方向に延びる第1上流部58Aと、第1上流部58Aに接続され、前後方向に延びる第2上流部58Bとを有する。通気孔54は、第1上流部58Aの右端部の底部に形成されている。第1上流部58Aの左端部は、シートクッションパッド12の左右方向の中央部に設けられている。第2上流部58Bは、第1上流部58Aの左端部から前方に延びている。
【0077】
各下流部59は、左右一対の第1下流部59Aと、第1下流部59Aに接続された対応する第2下流部59Bとを有する。左右の第1下流部59Aのそれぞれは、第2上流部58Bの前端部から左右外方に向かって延びている。各第2下流部59Bは、対応する第1下流部59Aの左右外方の端部から前方に向かって延びている。
【0078】
パッド本体部21に表側から被せられるカバーパッド47には、上下方向に貫通する複数の貫通孔60が設けられてよい。複数の貫通孔60は、上方から見て、各第2下流部59Bに重なるとよい。これにより送風装置本体部51は、ダクト52、通気孔54、通気溝56及び複数の貫通孔60を介してシートクッションパッド12の表側(乗員側)に向けて送風する。
【0079】
なお、他の実施形態では、シートクッションパッド12は、パッド本体部21とカバーパッド47との間に配置される板状部材を有してもよい。通気溝56は板状部材に形成されてもよい。この場合、通気溝56は、板状部材を厚み方向に貫通し、且つ板状部材の面方向に沿って延びるように形成されてよい。このとき板状部材には、振動装置7を収容する収容凹部36が設けられてもよい。
【0080】
以上のように構成されたシートクッション4について、各部材の組付け方法を説明する。
【0081】
最初に、受圧部材14が用意される。受圧部材14は、例えば樹脂材料を射出成形することにより形成されてよい。このとき受圧部材14の左右の側部には、凹部20が形成されてよい。また、受圧部材14には、送風装置9のダクト52が通過する貫通孔53が形成されてよい。次に、受圧部材14に設けられた複数の第1係止部18Aのそれぞれがリアメンバ11Aに引っ掛けられ、複数の第2係止部18Bのそれぞれがミドルメンバ11Bに引っ掛けられる。これらにより、受圧部材14がシートクッションフレーム11に取り付けられる。
【0082】
次に、シートクッションパッド12が用意される。シートクッションパッド12は例えばウレタンフォーム等の発泡樹脂の射出発泡成形又は押出発泡成形等によって形成されてよい。このとき、シートクッションパッド12には、複数の吊り込み溝24、複数の収容凹部36及び、複数の挿通孔38が形成されてよい。また、シートクッションパッド12には、通気孔54及び通気溝56が形成されてよい。更に、複数の吊り込み溝24のそれぞれには、複数のクリップ部31が設けられてよい。
【0083】
次に、複数の振動装置7のそれぞれが、対応する収容凹部36に収容される。各振動装置7に接続されたハーネス32は、対応する挿通孔38を上方から下方へ通過する。次にシートクッションパッド12がシートクッションフレーム11及び受圧部材14の上方から被せられる。後側の左右の収容凹部36に収容された振動装置7のハーネス32は、受圧部材14に設けられた左右の凹部20を通過して受圧部材14の裏側に配置される。
【0084】
送風装置本体部51がシートクッションフレーム11のフロントメンバに取り付けられる。送風装置本体部51に接続されたダクト52は、受圧部材14の貫通孔53を下方から上方に通過して、シートクッションパッド12に設けられた通気孔54に接続される。
【0085】
次に、複数の振動装置7の上方のそれぞれに、緩衝材46が配置される。次に複数の緩衝材46の上方のそれぞれに、空気袋8が配置される。次に、カバーパッド47が複数の振動装置7、複数の緩衝材46及び複数の空気袋8を上方から被せられる。次に、表皮材13がシートクッションパッド12の上方から被せられる。表皮材13は、表皮材13に設けられた係止部18が吊り込み溝24に設けられたクリップ部31の係止部18に係止されることにより、シートクッションパッド12に保持される。以上のようにシートクッション4が組付けられる。
【0086】
後側の左右の収容凹部36に設けられた挿通孔38の溝部44の端部は、上下方向から見て、受圧部材14に設けられた凹部20に重なる。そのため、後側の収容凹部36に収容された振動装置7のハーネス32が短くなる。
【0087】
収容凹部36の配置は、変更してもよい。例えば図5及び図6に示すように、振動装置7を収容する複数の収容凹部36の1つは、通気孔54に接続してよい。具体的には複数の収容凹部36の1つは、通気孔54の右側縁及び第1上流部58Aの右端から左右外方に向けて突出するように設けられてよい。通気孔54及び通気溝56に一体に形成された収容凹部36に振動装置7及び緩衝材46が収容されたとき、振動装置7の側部及び緩衝材46の側部が、通気孔54の上端の右側縁及び通気溝56の右端を画定する。これにより、通気溝56及び通気孔54を通過する空気が、収容凹部36から漏れ出すことが抑制される。
【0088】
複数の振動装置61のそれぞれは、シートバック5に設けられてよい。図1に示すように、シートバック5は、骨格をなすシートバックフレーム62(図7参照)と、シートバックフレーム62に支持されるシートバックパッド63と、シートバックパッド63及びシートバックフレーム62に被せられる表皮材64とを有する。
【0089】
図7に示すように、シートバックフレーム62は、上下に延びる左右一対のシートバックサイドメンバ65と、左右のシートバックサイドメンバ65の上端に結合されたアッパメンバ66と、左右のシートバックサイドメンバ65の下端に結合されたロアメンバと、左右のシートバックサイドメンバ65の間に配置される受圧部材67とを有する公知の構成であってよい。受圧部材67には、前後方向に貫通する複数の肉抜き孔68が形成されてよい。複数の肉抜き孔68のいくつかは、左右方向に延び、受圧部材67の左右の側縁に到達していてよい。
【0090】
図8及び図9に示すように、シートバックパッド63には、振動装置61を収容する複数の収容凹部69と、各収容凹部69に接続された複数の挿通孔70(図9参照)とが形成されている。またシートバックパッド63には、ダクト72を介して送風装置本体部に接続される通気孔73及び通気溝74と、表皮材64を吊り込むための複数の吊り込み溝75とが更に形成されている。振動装置61の表側、即ち前方には、緩衝材76を介して空気袋77が配置されている。また、シートバックパッド63には、複数の振動装置61、複数の緩衝材76及び複数の空気袋77を覆うカバーパッド79が設けられてよい。
【0091】
各挿通孔70は、前方から見て、受圧部材67の左右の側縁に到達する複数の肉抜き孔68の一部と重なるとよい。これにより、振動装置7に接続された各ハーネス32は、挿通孔70及び肉抜き孔68を通過して、受圧部材67の裏側に配置される。したがってハーネス80が短くなる。
【0092】
複数の振動装置61のそれぞれの配置は、変更してもよい。例えば図10に示すように、収容凹部69は、開口が前方且つ左右内方を向くように、シートバックパッド63に形成されてよい。即ち、各振動装置61は、前方且つ左右内方に向けて振動するように収容凹部69に収容されてよい。振動装置61の表側に被せられる複数の緩衝材76は、表面が前方を向くように配置されてよい。
【0093】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、受圧部材14は、リアメンバ11Aとミドルメンバ11Bとを架け渡す複数のS字ばねであってよい。振動装置7に接続されたハーネス32は、各S字ばねを避けるように配置されてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 :シート(車両用シート)
11 :シートクッションフレーム(フレーム)
14 :受圧部材
12 :シートクッションパッド(パッド)
7 :振動装置
32 :ハーネス
20 :凹部
38 :挿通孔
36 :収容凹部
44 :溝部
13 :表皮材
24 :吊り込み溝
31 :クリップ部
46 :緩衝材
8 :空気袋
9 :送風装置
51 :送風装置本体部
52 :ダクト
54 :通気孔
56 :通気溝
47 :カバーパッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10