(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173569
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】OOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/90 20160101AFI20241205BHJP
H04B 10/80 20130101ALI20241205BHJP
H02J 50/30 20160101ALI20241205BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20241205BHJP
B60L 53/10 20190101ALI20241205BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20241205BHJP
B60L 5/00 20060101ALI20241205BHJP
H04J 14/00 20060101ALN20241205BHJP
【FI】
H02J50/90
H04B10/80 160
H02J50/30
H02J50/80
B60L53/10
B60M7/00 Z
B60L5/00 B
H04J14/00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023137888
(22)【出願日】2023-08-28
(31)【優先権主張番号】10-2023-0069999
(32)【優先日】2023-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】317005103
【氏名又は名称】インダストリー アカデミック コーオペレーション ファウンデーション オブ ヨンナム ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRY ACADEMIC COOPERATION FOUNDATION OF YEUNGNAM UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】(Dae-dong)280,Daehak-ro,Gyeongsan-si Gyeongsangbuk-do 712-749, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,クンチョン
(72)【発明者】
【氏名】オム,チョンソク
(72)【発明者】
【氏名】パーク,ヨンワン
【テーマコード(参考)】
5H105
5H125
5K102
【Fターム(参考)】
5H105BA09
5H105BB05
5H105CC04
5H105DD10
5H105GG05
5H105GG15
5H125AA01
5H125AC25
5H125BE01
5H125CC06
5H125DD03
5H125EE55
5H125FF11
5K102AD00
5K102AD01
5K102AH02
5K102AH26
5K102AN03
5K102PB01
5K102PH01
5K102PH31
5K102PH50
5K102RB07
5K102RD05
5K102RD26
(57)【要約】
【課題】PRXと光電池パネルの正確な位置を探す時間を短縮する、OOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムを提供する。
【解決手段】本発明によれば、 V2Iを介して位置と光電池パネルのサイズ情報を電力要求信号として伝送する受信機と、前記電力要求信号を受信した情報に基づいて電力の送出を調節して前記受信機の位置と光電池パネルのサイズに応じてプリズム間の距離を調節し、レーザー信号が光電池パネルに全て受信されるように送出電力情報(powerinfo)を送出し、レズリープリズムを一定角度だけ回転させる送信機と、を含み、前記送信機は、波長ごとに送出電力に関する情報をOOFDMで生成した後、プリズムを用いて一定角度回転すると、電力の伝送が可能な領域に信号を伝送することを特徴とする、OOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
OOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムにおいて、
V2Iを介して位置と光電池パネルのサイズ情報を電力要求信号として伝送する受信機と、
前記電力要求信号を受信した情報に基づいて電力の送出を調節して前記受信機の位置と光電池パネルのサイズに応じてプリズム間の距離を調節し、レーザー信号が光電池パネルに全て受信されるように送出電力情報(powerinfo)を送出し、レズリープリズムを一定角度だけ回転させる送信機と、を含み、
前記送信機は、波長ごとに送出電力に関する情報をOOFDMで生成した後、プリズムを用いて一定角度回転すると、電力の伝送が可能な領域に信号を伝送することを特徴とする、OOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システム。
【請求項2】
前記送信機は、波長ごとに送出電力に関する情報をOOFDMで生成した後、プリズムに送ると、波長によるレーザー屈折率の差により同時に複数の方向にパイロット信号が送出されることを特徴とする、請求項1に記載のOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システム。
【請求項3】
前記受信機は、前記送信機から受信した送出電力に関する情報を分析してレーザーの位置を把握し、最大受信可能な電力を予測することを特徴とする、請求項1に記載のOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システム。
【請求項4】
前記受信機は、必要な電力を供給することが可能な送信機を選択して無線充電を進めるレーザー電力ビーム(HILPB)を介して多数の送信機を選択することで電力の供給を受けることを特徴とする、請求項1に記載のOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システム。
【請求項5】
前記受信機は、前記送信機の送出電力情報のうち、Device IDを用いてPV配列の中間に相対的に最も近いPower IDの位置を把握し、前記Power IDの分布を用いて送信機とPV配列の距離/受信角度を計算して電力供給源としての送信機を選択することを特徴とする、請求項1に記載のOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OOFDMAとレズリープリズム(Risley prism)を用いる電気自動車遠距離無線充電システムに関し、より詳細には、OOFDM、WDMA及びレズリープリズムを用いて一度に複数の方向にパイロット信号を送出する、OOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車にHILPBを用いて電力を供給する方法では、PRXがGPS上の自分の位置と共に必要な電力を要求すると、PTXが、電力供給が可能なあらゆる方向にMPE Class1のレーザー強度に制限されたパイロット信号を送出し、PRXは、パイロット信号から最大受信電力を予測し、これに基づいて電力供給効率が最も高いPTXを選択した。
【0003】
ここで、HILPB(High Intensity Laser Power Beaming)は、高強度レーザーを用いて電力を伝達する技術であって、電気自動車に電力を供給するためにレーザー光線を用いて遠隔地から電力を無線で伝送する方式で作動する。また、PRXは、Power Receiverの略語であって、電気自動車における電力を受信する装置をいう。PRXは、GPS上の自分の位置とともに必要な電力を要求する。PTXは、Power Transmitterの略語であって、電力を供給する装置を意味する。PTXは、電力を供給することが可能な全ての方向にMPE Class1のレーザー強度に制限されたパイロット信号を送出する。MPEは、Maximum Permissible Exposureの略語であって、最大許容露出量を意味する。MPE Class1は、レーザー装置の出力レベルであって、安全な使用のためにレーザー強度を一定レベルに制限する等級を示す。MPE Class1のレーザー強度は、安全な無線電力を供給するためのパイロット信号として使用される。
【0004】
GPSの誤差により、PRXの正確な位置だけでなく、光電池パネルが搭載された位置も正確に知らない。光電池パネルは、最も高い効率を得るためには最も中心部分にHILPBが供給されなければならないので、PTXは、PRXに搭載された光電池パネルの中心部分を正確に探すために、HILPBが送出可能な全ての方向にパイロット信号を送出し、パイロット信号を電力に換算して最も大きく電力を受信することができる方向を選択する。
【0005】
パイロット信号は、一度に一方向に送出することが可能であって、電力供給装置PTXからHILPBを送出する方向に比例して、パイロット信号を送出する方向が多くなる。これにより、パイロット信号を送出する時間が長くなり、HILPBを送出する時間は、パイロット信号の送出時間だけ短くなる。交差点での滞在時間は制限されるので、多くの電力を受信するためには、PRXと光電池パネルの正確な位置を探す時間を短縮する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第2019-0136361号(2019年12月10日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、PRXと光電池パネルの正確な位置を探す時間を短縮する、OOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、OOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムにおいて、V2Iを介して位置と光電池パネルのサイズ情報を電力要求信号として伝送する受信機と、前記電力要求信号を受信した情報に基づいて電力の送出を調節して受信機の位置と光電池パネルのサイズに応じてプリズム間の距離を調節し、レーザー信号が光電池パネルに全て受信されるように送出電力情報(powerinfo)を送出し、レズリープリズムを一定角度だけ回転させる送信機と、を含み、前記送信機は、波長ごとに送出電力に関する情報をOOFDMで生成した後、プリズムを用いて一定角度回転すると、電力の伝送が可能な領域に信号を伝送する。
【0009】
送信機は、波長ごとに送出電力に関する情報をOOFDMで生成した後、プリズムに送ると、波長によるレーザー屈折率の差により同時に複数の方向にパイロット信号が送出される。
【0010】
受信機は、前記送信機から受信した送出電力に関する情報を分析してレーザーの位置を把握し、最大受信可能な電力を予測する。
【0011】
受信機は、必要な電力を供給することが可能な送信機を選択して無線充電を進めるレーザー電力ビーム(HILPB)を介して多数の送信機を選択することで電力の供給を受ける。
【0012】
そして、受信機は、前記送信機の送出電力情報のうち、Device IDを用いてPV配列の中間に相対的に最も近いPower IDの位置を把握し、前記Power IDの分布を用いて送信機とPV配列の距離/受信角度を計算して電力供給源としての送信機を選択する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、受信機(PRX)と光電池パネルの正確な位置を探す時間を短縮するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態によるOOFDM、WDMA及びレズリープリズムを用いて一度に複数の方向にパイロット信号を送出する電気自動車遠距離無線充電システムを示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムの動作を説明するための図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムのPTXで使用するパイロット信号を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムの詳細構成動作を説明するための図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムのFlip OFDMAエンコーダを説明するための図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムのFlip OFDMAデコーダを説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムの交差点の信号機に適用した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の一実施形態によるOOFDM、WDMA及びレズリープリズムを用いて一度に複数の方向にパイロット信号を送出する電気自動車遠距離無線充電システムを示す図である。
【0016】
図1に示すように、OOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムにおいて、V2Iを介して自分の位置情報と光電池パネルのサイズ情報を電力要求信号として伝送する受信機100、及び前記電力要求信号を受信した情報に基づいて電力の送出を調節して前記受信機の位置と光電池パネルのサイズに応じてプリズム間の距離を調節し、レーザー信号が光電池パネルに全て受信されるように送出電力情報(powerinfo)を送信し、レズリープリズムを一定角度だけ回転させる送信機200を含む。このような送信機200は、波長ごとに送出電力に関する情報をOOFDMで生成した後、プリズムを用いて一定角度回転すると、電力の伝送が可能な領域に信号を伝送する。
【0017】
本実施形態による送信機は、波長ごとに送出電力に関する情報をOOFDMで生成した後、プリズムに送ると、波長によるレーザー屈折率の差により同時に複数の方向にパイロット信号が送出される。このような送信機は、プリズムを用いて広い地域に信号を送信する。プリズムが一度だけ360度回転すると、電力の伝送が可能な領域に信号が伝送される。PVセルに1つの信号のみ到達可能であれば十分であり、波長間隔と回転間隔を大きく使用する。
【0018】
本実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムは、送信機ごとに固有のDevice IDを付与し、角度と波長ごとに固有のPower IDを付与する。受信した側では、Device IDとPower IDのみを利用し、RSSIは除外させる。これは、OOFDMの特性と様々な波長によりRSSIが一定ではないため、変化し続ける。従来は、RSSIを用いて最適な電力供給源を選択したが、本発明の一実施形態では、受信した側ではDevice IDとPower IDのみを用いる理由である。ここで、RSSIは、「Received Signal Strength Indicator」の略語であり、無線通信システムで受信された信号の強度を示す指標である。RSSIは、無線信号が受信される装置で測定され、一般にdBm(デシベルミリワット)単位で表される。無線通信システムでは、この信号強度を測定して通信の信号品質を判断したり、最適な電力供給源を選択したりするのに使用できる。すなわち、従来は、RSSIを用いて最適な電力供給源を選択する方式が適用された。しかし、本発明の一実施形態では、OOFDMの特性と様々な波長によりRSSIが一定ではなく、変化し続けるため、受信した側では、RSSIを除いてDevice IDとPower IDのみを用いる。Device IDは、送信機ごとに固有に付与される識別子であり、Power IDは、それぞれの波長ごとに固有に付与される識別子である。これにより、受信側では、信号の強度変動に影響されることなく、識別子を介して各電力供給源を区分し、選択することができる。
【0019】
また、本実施形態による受信機は、前記送信機から受信した送出電力に関する情報を分析してレーザーの位置を把握し、最大受信可能な電力を予測し、必要な電力を供給することが可能な送信機を選択して無線充電を進めるレーザーパワービーム(HILPB、High Intensity Laser Power Beaming)を介して多数の送信機を選択することで電力の供給を受ける。
【0020】
参考までに、HILPBは、高出力レーザーシステムを用いて電力をビームの形で集中させる。このレーザービームは、空気を通過する間にエネルギーを維持し、受信機又は受信装置に向かって電力を伝達する。受信機は、この電力を収容し、変換して電気エネルギーとして使用又は保存することができる。HILPBの核心は、高強度レーザービームの集中力である。高出力レーザーを用いてビームを生成し、レーザー光線を効果的に集中させて遠隔地に電力を伝送する。そのために、反射経路の損失を最小限に抑え且つビームの安定性を維持するために光学システム及び追跡システムが使用できる。HILPBは、遠隔地域、又は移動性が限られた場所で電力を供給するために使用できる。電気自動車の充電、宇宙探査装備の電源供給、メーターの遠隔操作など、さまざまな応用分野で活用できる。無線電力伝送を介してケーブル接続の制約を克服し、効率的且つ便利な電力供給が可能となる。
【0021】
そして、受信機は、前記送信機の送出電力情報のうち、Device IDを用いてPV配列の中間に相対的に最も近いPower IDの位置を把握し、前記Power IDの分布を用いて送信機とPV配列の距離/受信角度を計算して電力供給源としての送信機を選択する。
【0022】
本実施形態による受信機は、受信したPower IDを用いてPV配列の中間に最も近いPower IDを認知/選択してPV配列上で受信したPower IDの位置を把握することができる。また、Power ID分布を用いて送信機とPV配列の距離/受信角度を計算することで、最適な送信機を選択するようにする。
【0023】
本発明の一実施形態におけるOOFDMAは、OOFDM(Optical Orthogonal Frequency Division Multiplexing)とWDMA(Wavelength Division Multiple Access)の合成語表現であって、OOFDMAは、OOFDMの多重周波数帯域とWDMAの多重アクセスを結合して多重ユーザー間の効率的なデータ転送を可能とすることができる。
【0024】
本実施形態によるOOFDMは、unipolar方式のOCDMAよりも複雑な信号処理過程を経るが、48ビットの電力情報を24個の光学信号として生成し、より多くの電力情報を短時間で送出することができる。
【0025】
また、WDMAは、複数のレーザー波長を同時に使用する光通信方式であって、使用する波長の数に比例して同時に光学信号の送受信が可能である。
【0026】
そして、レズリープリズムは、複数のプリズムが同じ中心軸を使用するが、プリズムの特性、屈折率、回転速度などを異ならせて様々な間隔と形態のパターン生成が可能である。
そこで、本実施形態による電気自動車遠距離無線充電システムは、波長ごとにPTXの送出電力に関する情報をOOFDMで生成した後、プリズムに送ると、波長によるレーザー屈折率の差により同時に複数の方向にパイロット信号を送出することができる。
【0027】
本発明の一実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムは、OOFDM、WDMA及びレズリープリズムを用いて一度に複数の方向にパイロット信号を送出する遠距離無線充電システムに関するもので、波長ごとにPTXの送出電力に関する情報をOOFDMで生成した後、プリズムに送ると、波長によるレーザー屈折率の差により同時に多数の方向にパイロット信号を送出して3つの光学技術を一度に用いてより短時間でより多くの方向にパイロット信号を送出することを可能にする。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムの動作を説明するための図である。
【0029】
EVが交差点に到着して、信号を待つために停車する。このとき、本実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムは、電力受信のために自分の位置情報と光電池パネルのサイズ情報をV2Iを用いて電力要求信号として周辺に放送する。ここで、V2Iは、Vehicle-to-Infrastructureの略語であって、自動車とインフラ間の通信を示す。V2Iは、自動車と道路インフラ施設との間で情報及びデータを交換及び伝送する技術を意味する。これにより、自動車は、インフラとの相互作用を介して道路安全、運行効率性、サービス改善など、多様な機能を行うことができる。V2Iは、交通信号機、街路灯、高速道路料金システム、駐車場管理システムなどのインフラ施設との通信を介して、自動車の安全性と利便性を増進させることができる。
【0030】
交通信号機や街路灯などのように、交差点にある電力供給装置であるPTXがV2Iで電力要求信号を受信する。PTXは、電力供給装置を区分する固有の数値であるDevice ID、プリズム中心部を基準に回転角度を示すAngle ID、送出可能な最大電力を示すMax Power、データの損失を判断するCRC情報を合わせてPowerInfoを生成する。
【0031】
送信機PTXは、受信機PRXの位置と光電池パネルのサイズに応じてプリズム間の距離を調節し、プリズムを介して屈折されたレーザーがすべて光電池パネルに受信されるようにPowerInfoを送出する。
【0032】
PowerInfoを送出した後、レズリープリズムを所定の角度だけ回転させる。
受信機PRXは、光電池パネルで受信したPowerInfoを分析し、光電池パネルの中心部を基準にレーザーの波長別位置を把握し、これに基づいて最大受信可能な電力を予測する。
【0033】
ここで、PowerInfoは、Device ID+Angle ID+Powr ID+Max Power+CRCであり、48-bit=4PAM*16 Subchannels=24 Symbolsである。
【0034】
受信機PRXは、一定時間受信して予測した電力に基づいて必要な電力の供給を受けることが可能な送信機PTXを選択する。HILPBは、1つ以上の送信機PTXから電力の供給を受けることができるので、1つの送信機PTXから十分な電力の供給を受けない場合、複数の送信機PTXを同時に選択して電力の供給を受けることができる。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムの送信機(PTX)で使用するパイロット信号を示す図である。
【0036】
送信機(PTX)で使用するパイロット信号は、device ID、angle ID、max power、CRCの4つの部分で構成される。
【0037】
Device IDは、PTXを区分するための固有の数字であって、16ビットを使用する。
【0038】
Risley prismは、一方は厚く、もう一方は薄い3つのウェッジプリズム(wedge prism)で構成される。
【0039】
3つのプリズムの中心軸がすべて一致し、中心軸を基準として3つのプリズムが互いに独立して回転しながら様々なスキャニングパターンを生成する。
【0040】
Angle IDは、Risley prismにおいてそれぞれのプリズムが中心軸に対して回転した角度を16ビットで表したものである。
【0041】
max powerは、PTXが送出可能なCWレーザーの最大電力をw(ワット)単位で表したもので、8ビットを使用する。
【0042】
CRC(Cyclic Redundancy Check)は、device ID、angle ID、max powerに該当する40ビットにCRC-8を用いてチェックサムデータ8ビットを生成したものである。PRXは、受信した40ビットにCRC-8を用いてチェックサムを生成し、受信したCRC 8ビットと比較して、データ伝送過程に発生したデータ破損を確認する。
【0043】
また、
図3において、MSBは、「Most Signification Bit」の略語であって、最上位の桁の値を表すビットを意味する。これは、2進数において最も右側にあるビットを指す。たとえば、8ビットの2進数11011010において最も左側のビットである1は、MSBである。
【0044】
LSBは、「Least Significant Bit」の略語であって、最下位の桁の値を表すビットを意味する。これは、2進数において最も右側に位置するビットを指す。たとえば、8ビットの2進数11011010において最も右側のビットである0は、LSBである。MSBとLSBは、ビット列の位置と重要性を示し、データの解釈と表現に影響を及ぼす可能性がある。
【0045】
図4は、本発明の一実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムの詳細構成動作を説明するための図である。
【0046】
本実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムは、レズリープリズムの構成において、PTXとPRX間の距離と光電池パネルのサイズに応じて間隔調節装置によってレズリープリズム間の間隔を調節する。このとき、PTXとPRX間の距離が近いか或いは光電池パネルのサイズが大きい場合には、プリズム間の間隔を狭くしてパターンのサイズを大きくする。逆に、PTXとPRX間の距離が遠いか或いは光電池パネルの大きさが小さい場合には、プリズム間の間隔を広くしてパターンのサイズを小さくする。
【0047】
本実施形態によるRTXは、パイロット信号であるPowerInfoをFlip OFDMA技法で符号化することにより、送信に使用する信号に変換する。その後、DACを用いて生成したアナログ信号によって、external optical modulator(EOM)とLaser diode(LD)を用いてアナログレーザーを生成する。
【0048】
複数のレーザー波長で同時に同じ作業を行って生成されたアナログレーザー信号は、光カプラー(optical coupler)を介して1つの信号に合わせる。レズリープリズムに伝達されたレーザー信号は、プリズムを通過するたびに波長に応じて屈折した後に送出される。
【0049】
レーザー信号を送出した後、レズリープリズムを所定の角度だけ回転させる。
【0050】
PRXは、光電池パネルを用いて受信したレーザー信号をTIAを用いてアナログ信号に変換し、ADCを用いてデジタル信号に変換する。Flip OFDMA技法で復号化を行ってPowerInfoを生成する。
【0051】
PTXが様々な角度で送出したPowerInfoを全て受信した後、同じDevice IDとAngle IDが最も多いPTXを選択する。PTXが送出した装置IDの数と、PRXが受信した装置IDの数との比率は、HILPBを送出したときにPVパネルに到着する受信率を示す。同じDevice IDとAngle IDが多いほど、光電池パネルに受信されるHILPBが大きいことを意味する。
【0052】
Max Powerと受信率を用いると、受信可能な最大電力を予測することができる。
【0053】
角度IDは、プリズム中心軸とPVパネルの中心軸とが一致するか否かを示す。同じ角度IDが多い方向にプリズムの中心軸を移動すると、2つの中心軸が一致する可能性がさらに高くなる。
【0054】
光電池パネルは、受信可能な光量を超えなければ、受信したすべてのHILPBを電力変換に使用可能である。1つのPTXから受信した電力が足りない場合は、複数のPTXを選択して必要な分だけ電力の供給を受けることができる。
【0055】
図5は、本発明の一実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムのFlip OFDMAエンコーダを説明するための図である。
【0056】
図5に示すように、本実施形態によるFlip OFDMAエンコーダは、並列変換(Serial-to-Parallel)、多重振幅条件付き符号化マッピング(M-PAM Mapping)、サブチャネルマッピング(subchannel mapping)、N次逆離散Hartley変換(N-order IDHT)、逆変調(Flip)、直列変換(Parallel-to-serial)の過程を行う。
【0057】
並列変換(Serial-to-Parallel)は、シリアル形式で伝送されるデータを並列形式に変換する過程である。複数のビットのデータを一度に処理することが可能な並列形式に変換することを意味する。
【0058】
多重振幅条件付き符号化マッピング(M-PAM Mapping)は、多重振幅条件付き符号化(Multi-Pulse Amplitude Modulation)のマッピング過程である。デジタルデータを多重振幅信号に変換する過程であって、入力ビットを様々な振幅レベルに対応させて変換する。
【0059】
サブチャネルマッピング(subchannel mapping)は、マルチアクセス方式で複数のサブチャネルを用いてデータを分割する過程である。周波数分割多重アクセス(FDMA)や時間分割多重アクセス(TDMA)などで使用できる。
【0060】
N次逆離散Hartley変換(N-order IDHT)は、N次逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform)であって、与えられた周波数ドメイン信号を時間ドメインに変換する過程である。N次逆離散フーリエ変換は、N次元空間で時間ドメイン信号を再構成するのに使用される。
【0061】
逆変調(Flip)は、逆変調過程であって、データを元の順序に戻す過程を意味する。以前に行われた操作を逆に戻すことを指す。
【0062】
直列変換(Parallel-to-serial)は、並列データを直列データに変換する過程である。多数のデータを一列に羅列して直列形式に変換することを意味する。
【0063】
図6は、本発明の一実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムのFlip OFDMAデコーダを説明するための図である。
【0064】
本実施形態によるFlip OFDMAデコーダは、並列変換(Serial-to-Parallel)、変調(De-Flip)、N次離散Hartley変換(N-order DHT)、サブチャネルマッピング(subchannel mapping)、多重振幅条件付き符号化マッピング(M-PAM Mapping)、直列変換(Parallel-to-serial)の過程を行う。
【0065】
ここで、並列変換(Serial-to-Parallel)は、シリアル形式で伝送されるデータを並列形式に変換する過程である。これは、データ伝送速度を上げるために使用できる。シリアルデータは、一度に1つのビットのみ伝送されるが、並列データは、複数のビットが同時に伝送され得る。
【0066】
変調(De-Flip)は、前述したFlip過程の逆順で動作する過程である。Flipは、データを特定の方式で変調する過程であるが、De-Flipは、この変調されたデータを元の形式に戻す役割を果たす。
【0067】
N次離散Hartley変換(N-order DHT)は、デジタル信号処理に使用される変換技術の一つである。DHTは、時間領域の信号を周波数領域に変換する。N-order DHTは、与えられた信号をN次元のHartley変換によって変換することを意味する。
【0068】
サブチャネルマッピング(subchannel mapping)は、多重化された伝送チャネルからサブチャネルへのデータ割り当てを意味する。周波数や時間など、様々な次元で分割された伝送チャネルを、各サブチャネルにマッピングしてデータを伝送及び処理する。
【0069】
多重振幅条件付き符号化マッピング(M-PAM Mapping)は、M-PAM(M-ary Pulse Amplitude Modulation)Mappingの多進法パルス振幅変調技法であって、デジタルデータを複数のシンボルに変換する過程である。M-PAM Mappingは、データを異なる振幅レベルにマッピングして伝送し、受信側でこれをさらに復号化して元のデータを復旧する。
【0070】
直列変換(Parallel-to-serial)は、並列形式で伝送されるデータをシリアル形式に変換する過程である。並列データは、複数のビットが同時に伝送されるが、シリアルデータは、一度に一つのビットのみ伝送される。Parallel-to-Serial変換は、データ伝送や保存などにおいて並列形式のデータを処理可能な形式に変換するのに用いられる。
【0071】
図7は、本発明の一実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムの交差点の信号機に適用した概念図である。
【0072】
図7に示すように、本実施形態によるOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムは、交差点の四つのコーナーに信号機が一つずつあり、信号機ごとにHILPBで電力を供給するPTXがある。EVが交差点で信号待ちし、EVに搭載されたPRXはV2Iを介して自分の位置と光電池パネルの位置を通知し、電力の供給を要求する。
【0073】
4つのPTXは、EVに搭載された光電池パネルまでの距離とサイズに応じてプリズムを調節してパイロット信号を送出する。電力の伝送が可能なすべての角度別にパイロット信号を送出する。GPSと照準の誤差により、PTXによって、光電池パネルに受信されたパイロット信号のパターンや数が全て異なる。
【0074】
図7のT3から送出したパイロット(pilot)信号が最も多く光電パネルに受信され、T2から送出したパイロット信号がその次に多く受信された。T1は、レズリープリズムの中心軸が光電池パネルのコーナーに受信されて一部のパイロット信号が光電池パネルに受信された。
【0075】
T4の場合、レズリープリズムの中心軸が光電池パネルから外れて最も少ない数のパイロット信号が光電池パネルに受信された。
【0076】
EVは、最も多くのパイロット信号が受信されたPTXを選択して電力の伝送を要求し、選択されたPTXは、パイロット信号を送出するときに使用したプリズムの中心軸部位にHILPBを送出する。
【0077】
EVは、光電池パネルを用いて受信したHILPBを電気に変換してバッテリーに充電する。バッテリーの充電が終わったら、或いは信号が変わったら、V2Iを介して電力の中断を通知する。これを受信したPTXは電力の送出を中断し、EVは目的地に向かって移動する。
【0078】
本発明の一実施形態によるOOFDMAとレズリープリズム(Risley prism)を用いる電気自動車遠距離無線充電システムは、自動車だけでなく、ドローン、UAMなどの空中飛行物体(移動手段)に活用することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
OOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システムにおいて、
V2Iを介して、自身の位置及び光電池パネルのサイズに関する情報を電力要求信号として伝送する受信機と、
前記電力要求信号を受信した情報に基づいて電力の送出を調節して前記受信機の位置及び前記光電池パネルのサイズに応じて、前記レズリープリズムを構成する複数のウェッジプリズム間の距離を調節し、レーザーを用いたパイロット信号が前記光電池パネルに全て受信されるように送出電力情報(powerinfo)を送出する送信機と、を含み、
前記送信機は、前記レーザーの波長ごとに前記送出電力情報を前記OOFDMAで生成した後、前記複数のウェッジプリズムを互いに独立して一定角度回転させることで、電力の伝送が可能な領域に前記パイロット信号を伝送することを特徴とする、OOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システム。
【請求項2】
前記送信機は、前記レーザーの波長ごとに前記送出電力情報を前記OOFDMAで生成した後、前記レズリープリズムに送ると、前記レーザーの波長による屈折率の差により同時に複数の方向に前記パイロット信号を送出することを特徴とする、請求項1に記載のOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システム。
【請求項3】
前記受信機は、前記送信機から受信した前記送出電力情報を分析して、前記光電池パネルの中心部を基準に、前記レーザーのうち波長別のレーザーの位置を把握し、最大受信可能な電力を予測することを特徴とする、請求項1に記載のOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システム。
【請求項4】
前記受信機は、HILPBを介して電力の供給を受けることを特徴とする、請求項1に記載のOOFDMAとレズリープリズムを用いる電気自動車遠距離無線充電システム。