(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173576
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】樹脂組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C08F 212/08 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
C08F212/08
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023163986
(22)【出願日】2023-09-26
(31)【優先権主張番号】112120284
(32)【優先日】2023-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】501296612
【氏名又は名称】南亞塑膠工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NAN YA PLASTICS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲徳▼超
(72)【発明者】
【氏名】陳 其霖
(72)【発明者】
【氏名】張 宏毅
(72)【発明者】
【氏名】呂 ▲ウェン▼華
(72)【発明者】
【氏名】韓 孟淮
【テーマコード(参考)】
4J100
【Fターム(参考)】
4J100AB02P
4J100AB16Q
4J100AR11R
4J100AR17R
4J100AR21R
4J100AR22R
4J100CA05
4J100DA22
4J100DA25
4J100DA47
4J100DA57
4J100FA12
4J100FA19
4J100FA28
4J100GA17
4J100GC26
4J100GC35
4J100JA44
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製造された基板が良好な低誘電特性を有し、同時にガラス転移温度及び剥離強度が増加する樹脂組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂組成物は、共重合体を含む。前記共重合体は、ジビニルベンゼン(x)、芳香族モノマー(y)、脂環族モノマー(z)を含み、x:y:zは、1:1~10:0.1~5、前記共重合体の分子量は、2000~5000、前記芳香族モノマーはスチレンモノマーを含み、前記共重合体に対するスチレンモノマーの割合は20%~90%、前記共重合体に対する前記脂環族モノマーの割合は、1%~30%である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族モノマーと、脂環族モノマーと、を含み、分子量2000~5000である共重合体を含み、前記共重合体に対する前記脂環族モノマーの割合が、1%~30%である、樹脂組成物。
【請求項2】
前記共重合体がビニル基を含み、前記共重合体に対する前記ビニル基の割合が、10%~40%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記芳香族モノマーがスチレンモノマーを含み、前記共重合体に対する前記スチレンモノマーの割合が、20%~90%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記共重合体が、以下の一般化学構造式を有するものである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【化1】
式中、R
1は下記の通りであり、
【化2】
R
2は、下記化学式の少なくとも1つから選択され、
【化3】
R
3は、下記化学式の少なくとも1つから選択され、
【化4】
かつ、x:y:zは、1:1~10:0.1~5である。
【請求項5】
少なくともルイス酸触媒、芳香族化合物及び脂環族化合物を溶媒に溶解して、第1の溶液を形成することと、
アルカリ溶液を使用して、前記第1の溶液を中和反応を行う工程と、を含む共重合体を製造する工程を含み、
前記共重合体は、芳香族モノマーと、脂環族モノマーと、を含み、前記共重合体の分子量が、2000~5000であり、前記共重合体に対する前記脂環族モノマーの割合が、1%~30%である、樹脂組成物の製造方法。
【請求項6】
前記共重合体が、下記一般化学構造式を有する、請求項5に記載の樹脂組成物の製造方法。
【化5】
式中、
R
1は、ジビニルベンゼン、ブタジエンの少なくとも1つから誘導される。
R
2は、スチレン、4-ビニルビフェニル、2-ビニルナフタレンの少なくとも1つから誘導される。
R
3は、アセナフタレン、シクロペンタジエン、シクロブタジエン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエンの少なくとも1つから誘導される。
x:y:zは、1:1~10:0.1~5である。
【請求項7】
前記ルイス酸触媒が、SnCl4・H2O又はBF3.Oet3を含む、請求項5に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項8】
前記溶媒は、トルエン又はジメチルホルムアミドを含む、請求項5に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項9】
前記アルカリ溶液は、NaHCO3水溶液を含む、請求項5に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項10】
前記中和反応の反応温度が70℃以上である、請求項5に記載の樹脂組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板が高周波伝送能力を有するようにするためには、一般に、低い誘電率(Dk)及び低い誘電正接(Df)等の低誘電特性を示すことが要求される。これらの特性要件を満たすために、絶縁性能に優れた液状ゴム樹脂を使用するのが一般的である。
【0003】
しかし、液状ゴム樹脂は反応性基が少ない熱硬化性樹脂であるため、ガラス転移温度(Tg)が低く、反応性が悪く、加工性が悪く、溶融粘度が高く、剥離強度が低い等の欠点が生じやすい。したがって、基板の良好な低誘電特性を維持しながら、これらの欠点を改善できる樹脂組成物を提供することは、重大な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、製造された基板が良好な低誘電特性を有し、同時にガラス転移温度及び剥離強度が増加する樹脂組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の樹脂組成物は、共重合体を含む。共重合体は、芳香族モノマーと、脂環族モノマーと、を含む。共重合体の分子量は、2000~5000であり、共重合体に対する脂環族モノマーの割合は、1%~30%である。
【0006】
本発明の一実施形態では、共重合体は、ビニル基を含み、共重合体に対するビニル基の割合は、10%~40%である。
【0007】
本発明の一実施形態では、芳香族モノマーは、スチレンモノマーを含み、共重合体に対するスチレンモノマーの割合は、20%~90%である。
【0008】
本発明の一実施形態では、共重合体は下記一般化学構造式を有する。
【化1】
式中、R
1は下記の通りであり、
【化2】
R
2は、下記化学式の少なくとも1つから選択され、
【化3】
R
3は、下記化学式の少なくとも1つから選択され、
【化4】
かつ、x:y:zは、1:1~10:0.1~5である。
【0009】
本発明の樹脂組成物の製造方法は、少なくとも次の工程を含む。少なくともルイス酸触媒、芳香族化合物及び脂環族化合物を溶媒に溶解して、第1の溶液を形成する工程と、アルカリ溶液を使用して、第1の溶液を中和反応を行う工程と、を含む共重合体を製造する工程。共重合体は、芳香族モノマーと、脂環族モノマーと、を含み、共重合体の分子量は、2000~5000である。共重合体に対する脂環族モノマーの割合は、1%~30%である。
【0010】
本発明の一実施形態では、共重合体は、下記一般化学構造式を有する。
【化5】
式中、R
1は、ジビニルベンゼン、ブタジエンの少なくとも1つから誘導される。R
2は、スチレン、4-ビニルビフェニル、2-ビニルナフタレンの少なくとも1つから誘導される。R
3は、アセナフタレン、シクロペンタジエン、シクロブタジエン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエンの少なくとも1つから誘導される。x:y:zは、1:1~10:0.1~5である。
【0011】
本発明の一実施形態では、ルイス酸触媒は、SnCl4・H2O又はBF3.Oet3を含む。
【0012】
本発明の一実施形態では、溶媒は、トルエン又はジメチルホルムアミドを含む。
【0013】
本発明の一実施形態では、アルカリ溶液は、NaHCO3水溶液を含む。
【0014】
本発明の一実施形態では、中和の反応温度は70℃以上である。
【発明の効果】
【0015】
以上のことから、本発明の樹脂組成物は、芳香族モノマーと脂環族モノマーとを含む共重合体を導入しており、脂環族モノマーの割合に応じて設計することにより、共重合体は無極性骨格構造を含む。したがって、製造される基板(回路基板や銅箔基板等)は良好な低誘電特性を有すると同時に、ガラス転移温度及び剥離強度が向上する。
【0016】
本発明の上述の特徴および利点をより理解しやすくするために、以下の具体的な実施例を添付の図面と併せて詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明では、限定ではなく説明を目的として、本発明のさまざまな原理を完全に理解できるように、特定の詳細を開示する例示的な実施形態を説明する。さらに、本発明の様々な原理の説明を曖昧にしないために、周知の装置、方法、及び材料の説明は省略される場合がある。
【0018】
本明細書において、「ある数値~他の数値」で表される範囲は、その範囲内の数値を全て明細書中に列挙することを避けるための模式的な表現であり、したがって、特定の数値範囲の記載は、任意の数値範囲を網羅するものであり、明細書に明示的に記載される任意の数値及びそれより小さい数値範囲も同様である。
【0019】
特に明記されていない限り、値の範囲を定義するために本明細書で使用される「間」という用語は、指定された端点と等しい範囲及びそれらの間の範囲をカバーすることを意図している。例えば、第1の値と第2の値との間のサイズ範囲は、第1の値、第2の値、及び第1の値と第2の値との間の任意の値をカバーすることができる。
【0020】
本発明において、非限定的な用語(例えば、できる、又は他の同様の用語)は、不必要又は任意の実施、包含、追加、又は存在を意味する。
【0021】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、技術用語(一般的に使用される辞書で定義されている用語など)は、関連する技術的文脈で一貫して解釈されるべきであり、用語がそのように明確に定義されていない限り、理想化された意味又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことに留意するべきである。
【0022】
本実施形態において、樹脂組成物は、芳香族モノマーと脂環族モノマーとの共重合体を含む。共重合体の分子量は、2000~5000である。共重合体に対する脂環族モノマーの割合は、1%~30%である。このように、本発明の樹脂組成物は、芳香族モノマーと脂環族モノマーとを含む共重合体を導入しており、脂環族モノマーの割合に応じて設計することにより、共重合体は無極性骨格構造を含む。したがって、製造される基板(回路基板や銅箔基板等)は良好な低誘電特性を有すると同時に、ガラス転移温度及び剥離強度が向上する。ここで、分子量とは、例えば、数平均分子量である。
【0023】
さらに、無極性骨格構造は分極しにくいため、製造される銅箔基板の誘電率(Dk、10kz)及び誘電正接(Df、10kz)は、3.1及び0.0014未満である。したがって、誘電特性が大幅に低下し、ガラス転移温度は220℃を超えるため、優れたガラス転移温度を有する。さらに、共重合体は反応性二重結合を有するため、分子間架橋により、反応性、耐熱性、耐薬品性、耐寒性、低温柔軟性の向上(脆性の改善、靱性の向上)や溶剤溶解性の向上(アセトン溶解度40%など)が可能であるが、本発明はこれに限定されない。
【0024】
いくつかの実施形態では、共重合体は、ビニル基を含む。共重合体に対するビニル基の割合は、10%~40%である。例えば、芳香族モノマーは、スチレンモノマーを含む。共重合体に対するスチレンモノマーの割合は、20%~90%であるが、本発明はこれに限定されない。
【0025】
いくつかの実施形態では、共重合体の一般化学構造式は下記の通りである。
【化6】
【0026】
さらに、R
1は、次の通りである。
【化7】
R
2は、下記化学式のいずれかから選択される。
【化8】
R
3は、下記化学式のいずれかから選択される。
【化9】
【0027】
ここで、共重合体の具体例としては、上記の組み合わせのうちの1つが挙げられるが、これらの組み合わせに限定されるものではない。共重合体が無極性骨格構造を有する限り、本発明の保護範囲に含まれる。
【0028】
さらに、x:y:z(モル比)は、1:1~10:0.1~5である。例えば、x:y:zは1:1:0.1、x:y:zは1:10:0.1であり、x:y:zは、1:1:5であり、x:y:zは、1:5:1であり、又は前記区間内のその他の好ましい割合である。
【0029】
いくつかの実施形態では、R1は、ジビニルベンゼン(DVB)、ブタジエンから誘導される。R2は、スチレン、4-ビニルビフェニル、2-ビニルナフタレンの1つから誘導される。R3は、アセナフタレン、シクロペンタジエン、シクロブタジエン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン(DCPD)の1つから誘導される。さらに、ルイス酸触媒を用いて上記複数の原料を溶媒に溶解し、ルイス酸触媒を用いて上記原料を溶媒に溶解し、0℃~100℃の環境下で6時間~8時間反応させた後、アルカリ水溶液で中和することにより共重合体を形成することができる。以下、さらに詳細な製造工程を説明する。ルイス酸触媒は、例えば、SnCl4・5H2O又はBF3.Oet3,である。溶媒は、例えば、トルエン又はジメチルホルムアミド(DMF)である。アルカリ水溶液は、例えば、NaHCO3水溶液である。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。他の実施形態では、ルイス酸触媒は、例えば、金属フッ化物(例えば、SnF4、WF6、HfF4、ZrF4)又は錯体(例えば、WCl6、AlCl3、SbCl3、FeBr3、FeCl3、TiCl4、ZnCl2、NbCl5、CF3SO3H、TiCl3-Al(C2H5)3、TiCl4/LiAlH4、TiCl4/MAO、ZrCl4/MAO、TiCl3/MAO、VCl4/MAO、CrCl3/MAO、TiCl4/MgCl2、TiCl4/NdCl3、TiCl4/VCl3、TiCl4/EtAlCl2、RuCl2(=CHPh)(PCy3)2、RuCl2(=CHPh)(PCy3)(L)、RuCl2(=CHCH=CH2)(PCy3)(L))である。
【0030】
なお、上記共重合体を含む樹脂は、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂(SA9000やOPE-2st等)、架橋剤(TAIC等)、マレイミド、樹脂(MIR-3000等)、難燃剤(PQ60等)及び/又はフィラー(SiO2等)等からなる樹脂組成物である変性液状ゴム樹脂であって良いことに留意されたい。さらに、芳香族の割合、脂環族の割合、及び、スチレンモノマーの割合はモル比であって良いが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の効果を説明するが、本発明の特許請求の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0032】
各実施例及び比較例で作製した銅箔基板を以下の方法に従って評価した。
【0033】
ガラス転移温度(Tg):動的機械分析装置(DMA)を用いて測定した。
【0034】
比誘電率(10GHz):誘電率分析装置を用いて周波数10GHzにおける比誘電率を測定した。
【0035】
誘電損失(10GHz):誘電率分析装置を用いて周波数10GHzにおける誘電損失を測定した。
【0036】
剥離強度:IPC‐TM‐650‐2.4.8の試験方法に従って金属基板の剥離強度を試験した。
【0037】
耐熱性:金属基板を温度120℃、圧力2気圧の圧力鍋で120分間加熱した後、288℃のはんだ炉に浸漬し、爆発に要した時間を記録した。爆発時間が10分以上場合は「OK」、爆発時間が10分未満の場合は「NG」と表示した。
【0038】
<共重合体1~共重合体6>
【0039】
表1に示す原料R1、R2及びR3(アルケニル基化合物、芳香族化合物、脂環式化合物、上記一般化学構造式に相当)の割合に従い、表1に示すルイス酸触媒0.2グラムとともに、原料R1、R2及びR3を表1に示す溶媒24ミリリットルに溶解して、第1の溶液を形成した。さらに、複数の関連する反応条件を表1に示す。第1の溶液は、撹拌ミキサーを備えた丸底反応フラスコを使用し、反応フラスコに窒素を導入して、空気と水分を除去することにより得られた。第1の溶液を300rpmで均一に混合した。その後、アルカリ性水溶液(濃度8%のNaHCO3水溶液)を用いて第1の溶液を中和した。第1の溶液の反応温度が70℃以上の場合、第1の溶液中の固体は透明な液体に溶解し、その後同じ温度で2時間反応し続けるため、透明な溶液が粘稠な溶液になった後で中和する。その後、溶液を濾過し、真空乾燥することにより、共重合体1~共重合体6を得た。
【0040】
【0041】
<実施例1~6、比較例1~6>
【0042】
表2に示す各成分の配合割合に従い、トルエンを用いて混合して熱硬化性樹脂組成物のワニスを形成した。このワニスを室温でナンヤグラスファイバークロス(ナンヤプラスチックス株式会社製、クロス型番:1078)に含浸させた。その後、130℃(含浸機)で数分間乾燥して、樹脂含有率60wt%のプリプレグを得た。最後に、厚さ35μmの銅箔2枚の間に4枚のプリプレグを積層し、圧力25kg/cm2、温度85℃で20分間恒温保持した。その後、昇温速度3℃/分で210℃まで加熱し、その後120分間恒温保持した。次に、130℃まで徐冷して、実施例1~実施例6及び比較例1~比較例6の厚さ0.5mmの銅箔基板を得た。ここで、B-1000、B-2000(日本曹達株式会社)、RI 257(CRAY VALLEY)は未変性の市販の液状ゴム樹脂である。
【0043】
製造された銅箔基板の関連特性を試験し、その結果を表2に示す。表2の実施例1~6と比較例1~6の結果を比較すると、下記結論が得られる。比較例1~6と比較して、実施例1~6の銅箔基板は、他の特性(誘電特性及び耐熱性など)は同等であるが、ガラス転移温度及び剥離強度が大幅に向上している。
【0044】
【0045】
まとめると、本発明の樹脂組成物は、芳香族モノマーと脂環式モノマーを含む共重合体を導入しており、脂環族モノマーの割合に応じて設計することにより、共重合体は無極性骨格構造を含む。したがって、製造される基板(回路基板や銅箔基板等)は良好な低誘電特性を有すると同時に、ガラス転移温度及び剥離強度が向上する。
【0046】
本発明を上記の実施形態により開示したが、これらの実施形態は本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、いくつかの変更及び修正を行うことができる。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の樹脂組成物及びその製造基板は、ガラス転移温度及び剥離強度の向上に応用することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族モノマーと、脂環族モノマーと、を含み、
数平均分子量2000~5000である共重合体を含み、前記共重合体に対する前記脂環族モノマーの割合が、1%~30%であ
り、前記共重合体が、下記一般化学構造式を有する、樹脂組成物。
【化1】
式中、
R
1
は、ブタジエンから誘導される。
R
2
は、4-ビニルビフェニル、2-ビニルナフタレンの少なくとも1つから誘導される。
R
3
は、アセナフタレン、シクロペンタジエン、シクロブタジエン、ジシクロペンタジエンの少なくとも1つから誘導される。
x:y:zのモル比は、1:1~10:0.1~5である。
【請求項2】
前記共重合体がビニル基を含み、前記共重合体に対する前記ビニル基の割合が、10%~40%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
少なくともルイス酸触媒、芳香族化合物及び脂環族化合物を溶媒に溶解して、第1の溶液を形成することと、
アルカリ溶液を使用して、前記第1の溶液を中和反応を行う工程と、を含む共重合体を製造する工程を含み、
前記共重合体は、芳香族モノマーと、脂環族モノマーと、を含み、前記共重合体の
数平均分子量が、2000~5000であり、前記共重合体に対する前記脂環族モノマーの割合が、1%~30%であ
り、前記共重合体が、下記一般化学構造式を有する、樹脂組成物の製造方法。
【化2】
式中、
R
1
は、ブタジエンから誘導される。
R
2
は、4-ビニルビフェニル、2-ビニルナフタレンの少なくとも1つから誘導される。
R
3
は、アセナフタレン、シクロペンタジエン、シクロブタジエン、ジシクロペンタジエンの少なくとも1つから誘導される。
x:y:zのモル比は、1:1~10:0.1~5である。
【請求項4】
前記ルイス酸触媒が、SnCl4・H2O又はBF3.Oet3を含む、請求項3に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項5】
前記溶媒は、トルエン又はジメチルホルムアミドを含む、請求項3に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項6】
前記アルカリ溶液は、NaHCO3水溶液を含む、請求項3に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項7】
前記中和反応の反応温度が70℃以上である、請求項3に記載の樹脂組成物の製造方法。
【外国語明細書】