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特開2024-173584ゲームのライブ配信サーバ及びプログラム
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  • 特開-ゲームのライブ配信サーバ及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173584
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ゲームのライブ配信サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/825 20140101AFI20241205BHJP
   A63F 13/86 20140101ALI20241205BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20241205BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20241205BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20241205BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20241205BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20241205BHJP
【FI】
A63F13/825
A63F13/86
A63F13/35
A63F13/58
A63F13/69 520
A63F13/79 500
H04N21/258
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023183423
(22)【出願日】2023-10-25
(62)【分割の表示】P 2023091416の分割
【原出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】518260552
【氏名又は名称】株式会社ミラティブ
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】栗田 健悟
(72)【発明者】
【氏名】山田 大悟
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA22
5C164SC11P
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】配信以外の時間で育成対象オブジェクトをレベルアップするための時間と労力を
低減できると共に、配信に専念する時間をより長く確保することが可能になり、視聴者を
より惹きつけ易くすることが可能になるゲームのライブ配信サーバを提供する。
【解決手段】配信者によるゲームのプレイ動画を視聴者にライブ配信するゲームのライブ
配信サーバ2であって、育成対象オブジェクトを育成可能なゲームを配信者と視聴者とに
提供するゲーム提供部221と、視聴者の育成対象オブジェクトが有する特性パラメータ
を、配信者に提供するパラメータ提供部225と、を備えるゲームのライブ配信サーバ2

【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信者によるゲームのプレイ動画を視聴者にライブ配信するゲームのライブ配信サーバ
であって、
育成対象オブジェクトを育成可能なゲームを前記配信者と前記視聴者とに提供するゲー
ム提供部と、
前記視聴者の前記育成対象オブジェクトが有する特性パラメータを、前記配信者に提供
するパラメータ提供部と、
を備えるゲームのライブ配信サーバ。
【請求項2】
前記配信者の前記育成対象オブジェクトと、前記視聴者の前記育成対象オブジェクトと
の交配を行い、生成される新たな育成対象オブジェクトを前記配信者に提供する交配管理
部をさらに備え、
前記パラメータ提供部は、前記視聴者の前記育成対象オブジェクトが有する前記特性パ
ラメータの前記配信者への提供を、前記新たな育成対象オブジェクトの前記特性パラメー
タに前記視聴者の前記育成対象オブジェクトの前記特性パラメータを提供することで行う
、請求項1に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項3】
前記新たな育成対象オブジェクトの前記特性パラメータは、前記配信者の前記育成対象
オブジェクトの前記特性パラメータに、前記視聴者の前記育成対象オブジェクトの前記特
性パラメータが加算されたものである、請求項2に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項4】
前記育成対象オブジェクトは成長度を示す成長度パラメータを有し、前記成長度パラメ
ータが所定の閾値を超えた前記育成対象オブジェクトのみが交配を行うことができる、請
求項2に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項5】
前記パラメータ提供部は、前記視聴者の前記育成対象オブジェクトが有する前記成長度
パラメータを前記配信者に提供可能である、請求項4に記載のゲームのライブ配信サーバ
【請求項6】
前記成長度パラメータの量に応じて交配により生成される前記新たな育成対象オブジェ
クトが変化する、請求項4に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項7】
前記パラメータ提供部は、前記配信者に提供する前記特性パラメータの量を設定可能で
ある、請求項1乃至6の何れか1項に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項8】
前記パラメータ提供部は、前記配信者に前記特性パラメータを提供する際の条件を設定
可能である、請求項1乃至6の何れか1項に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項9】
前記パラメータ提供部は、前記視聴者と前記配信者との親密度を示す親密度指標に基づ
き、前記配信者により提供される前記特性パラメータの量を変化させる、請求項1乃至6
の何れか1項に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項10】
前記親密度指標は、前記視聴者と前記配信者との間で交わされたメッセージ数である、
請求項9に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項11】
前記親密度指標は、前記視聴者から前記配信者に贈与されたギフトコンテンツの数であ
る、請求項9に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項12】
前記配信者は、前記配信者に対して前記育成対象オブジェクトが有する前記特性パラメ
ータを提供可能な前記視聴者を選択可能である、請求項1乃至6の何れか1項に記載のゲ
ームのライブ配信サーバ。
【請求項13】
配信者によるゲームのプレイ動画を視聴者にライブ配信するゲームのライブ配信用のプ
ログラムであって、
育成対象オブジェクトを育成可能なゲームを前記配信者と前記視聴者とに提供するゲー
ム提供工程と、
前記視聴者の前記育成対象オブジェクトが有する特性パラメータを、前記配信者に提供
するパラメータ提供工程と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームのライブ配信サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の各種デバイスの高性能化、高機能化と、インターネットによ
る通信の高速化とに伴い、各種の動画配信サービスが普及している。特に、配信者がゲー
ムをプレイする様子をリアルタイムで多数の視聴者の端末に配信する、ゲームのライブ配
信サービスが行われるようになっている。
【0003】
こうしたゲームのライブ配信を行う種々の配信システムでは、ユーザ間で多様なコミュ
ニケーションを可能とすべく、種々の機能が実装されている。
【0004】
例えば、ゲームのライブ配信システムでは、植物や動物等の育成対象オブジェクトを育
成することができる機能を実装したゲームのライブ配信システムがある。また、このよう
な育成ゲームにおいて、さらに配信者同士がコラボレーションを行うことが可能なゲーム
のライブ配信システムもある(特許文献1参照)。
【0005】
このような育成機能やコラボレーション機能を実装することにより、視聴者により多く
の興味を持たせることが可能なライブ配信を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-019118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、育成ゲームのライブ配信を行う配信者は、配信を盛り上げて視聴者を惹きつ
けるためにゲーム内で育成対象オブジェクトのレベルを上げておく必要があるが、配信以
外の時間でゲームをプレイして育成対象オブジェクトのレベルアップをしておくことは、
多大な時間と労力を要することであった。また、育成対象オブジェクトのレベルアップの
ために多くの時間と労力を割いてしまうと、それを配信に割くことが難しくなり、結果と
して視聴者を十分に惹きつけることが難しくなるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、育成対象オブジェク
トの育成が可能なゲームについて、配信以外の時間で育成対象オブジェクトのレベルアッ
プをするための時間と労力を低減できると共に、配信に専念する時間をより長く確保する
ことができ、視聴者をより惹きつけ易くすることができるゲームのライブ配信サーバおよ
びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、配信者によるゲームのプレイ動画を視聴者にライブ配信するゲームのライブ
配信サーバであって、育成対象オブジェクトを育成可能なゲームを前記配信者と前記視聴
者とに提供するゲーム提供部と、前記視聴者の前記育成対象オブジェクトが有する特性パ
ラメータを、前記配信者に提供するパラメータ提供部と、を備えるゲームのライブ配信サ
ーバであることを特徴とする。
【0010】
上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記配信者の前記育成対象オブジェクトと、
前記視聴者の前記育成対象オブジェクトとの交配を行い、生成される新たな育成対象オブ
ジェクトを前記配信者に提供する交配管理部をさらに備え、前記パラメータ提供部は、前
記視聴者の前記育成対象オブジェクトが有する特性パラメータの前記配信者への提供を、
前記新たな育成対象オブジェクトの前記特性パラメータに前記視聴者の前記育成対象オブ
ジェクトの前記特性パラメータを提供することで行うことが好ましい。
【0011】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記新たな育成対象オブジェクトの前
記特性パラメータは、前記配信者の前記育成対象オブジェクトの前記特性パラメータに、
前記視聴者の前記育成対象オブジェクトの前記特性パラメータが加算されたものであるこ
とが好ましい。
【0012】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記育成対象オブジェクトは成長度を
示す成長度パラメータを有し、前記成長度パラメータが所定の閾値を超えた前記育成対象
オブジェクトのみが交配を行うことができることが好ましい。
【0013】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記パラメータ提供部は、前記視聴者
の前記育成対象オブジェクトが有する前記成長度パラメータを前記配信者に提供可能であ
ることが好ましい。
【0014】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記成長度パラメータの量に応じて交
配により生成される前記新たな育成対象オブジェクトが変化することが好ましい。
【0015】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記パラメータ提供部は、前記配信者
に提供する前記特性パラメータの量を設定可能であることが好ましい。
【0016】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記パラメータ提供部は、前記配信者
に前記特性パラメータを提供する際の条件を設定可能であることが好ましい。
【0017】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記パラメータ提供部は、前記視聴者
と前記配信者との親密度を示す親密度指標に基づき、前記配信者により提供される前記特
性パラメータおよび前記成長度パラメータのうち少なくとも一方の量を変化させることが
好ましい。
【0018】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記親密度指標は、前記視聴者と前記
配信者との間で交わされたメッセージ数であることが好ましい。
【0019】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記親密度指標は、前記視聴者から前
記配信者に贈与されたギフトコンテンツの数であることが好ましい。
【0020】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記配信者は、前記配信者に対して前
記育成対象オブジェクトが有する前記特性パラメータを提供可能な前記視聴者を選択可能
であることが好ましい。
【0021】
また、本発明は、配信者によるゲームのプレイ動画を視聴者にライブ配信するゲームの
ライブ配信用のプログラムであって、育成対象オブジェクトを育成可能なゲームを前記配
信者と前記視聴者とに提供するゲーム提供工程と、前記視聴者の前記育成対象オブジェク
トが有する特性パラメータを、前記配信者に提供するパラメータ提供工程と、をコンピュ
ータに実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
上述した構成からなる本発明によれば、配信以外の時間で育成対象オブジェクトをレベ
ルアップするための時間と労力を低減できると共に、配信に専念する時間をより長く確保
することが可能になり、視聴者をより惹きつけ易くすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバが適用されるゲームのライブ配信システムを示す模式図である。
図2】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバの構成ブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバの機能ブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバの記憶手段に記憶されている育成対象オブジェクトデータベースの具体例を示す模式図である。
図5】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバと通信を行う視聴者端末に表示される画面の具体例を示す模式図である。
図6】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバによる処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバが適用
されるゲームのライブ配信システムについて説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2が適用されるゲームのラ
イブ配信システム1を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態に係るゲームの
ライブ配信システム1は、ゲームのライブ配信サーバ2(以下、単に「サーバ2」ともい
う)と、サーバ2にネットワークNを介して接続された配信者端末3と、複数の視聴者端
末4(4A、4B、…、4N)を備えて構成されている。
【0026】
ゲームのライブ配信システム1は、本実施形態においては配信者となるユーザが配信す
るゲームのプレイ動画を、視聴者となる1人以上のユーザにリアルタイムで提供すること
を可能にするシステムである。
【0027】
具体的には、ゲームのライブ配信システム1では、サーバ2は1つ以上のゲームを提供
し、各ユーザは自身が所有する端末(配信者端末3や視聴者端末4)からサーバ2にアク
セスすることにより、端末からゲームの操作情報をサーバ2に送信し、サーバ2は当該操
作情報に基づきゲーム内の各種の情報処理を行い当該情報処理の結果をユーザの端末に送
信し、ユーザの端末は当該情報処理の結果に基づきプレイ動画を表示する。すなわち、ユ
ーザの端末は、ゲームの操作情報の生成と送信、およびプレイ動画の受信と描画のみを行
い、その他のゲームに関する情報処理は全てサーバ2により行われる。
【0028】
また、当該ゲームをプレイするユーザが自身のプレイ動画をライブ配信することを希望
した場合には、サーバ2は、当該プレイ動画を、配信を希望する視聴者の視聴者端末4に
提供する。
【0029】
配信者端末3および視聴者端末4は、通信機能、音声通話機能、録音録画機能、操作機
能及び表示機能等を備える端末であり、例えばスマートフォン、タブレット型端末および
PC等、インストールされたプログラムを介してサーバ2にアクセスすることにより、各
種のゲームをプレイすることができると共に、当該プレイ動画を配信または視聴すること
ができる端末である。また、配信者端末3および視聴者端末4は、チャット機能や通話機
能を備えている。配信者端末3と視聴者端末4は基本的に同一の端末であり、配信を行い
たいユーザが端末を介してゲームのライブ配信の開始操作を行うことにより当該端末が配
信者端末3として機能する一方、配信されている動画を視聴したいユーザが端末を介して
視聴開始操作を行うことにより当該端末が視聴者端末4として機能する。
【0030】
図2は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2の構成ブロック図である
図2に示すように、サーバ2は、サーバ2の全体を制御する制御部21と、記憶手段2
5と、通信部26とを備えている。
【0031】
制御部21は、制御部21全体を制御するCPU22と、CPU22上で動作する制御
プログラム等を格納したROM23と、各種データを一時的に格納するためのRAM24
とを備えて構成されている。
【0032】
図3は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2の機能ブロック図である
図3に示すように、制御部21は、CPU22がROM23に格納されているプログラ
ムをRAM24に展開して実行することにより、ゲーム提供部221、動画配信部222
、パラメータ管理部223、交配管理部224およびパラメータ提供部225として機能
する。
【0033】
ゲーム提供部221は、記憶手段25に保存されている1つ以上のゲームデータに基づ
き、配信者端末3と視聴者端末4にゲームを提供する。上述したように配信者端末3と視
聴者端末4はゲームの操作情報の生成、送信およびプレイ動画の描画のみを行い、その他
のゲームに関する情報処理は全てゲーム提供部221により行われる。すなわち、ゲーム
提供部221は、配信者端末3と視聴者端末4から送信される操作情報に基づきゲーム内
の各種の情報処理を行い、当該情報処理の結果を配信者端末3と視聴者端末4に送信する
。そして、配信者端末3と視聴者端末4は、受信したゲーム提供部221による情報処理
の結果に基づいてプレイ動画を表示する。
【0034】
また、ゲーム提供部221が提供するゲームのうち、少なくとも一部においては、育成
対象オブジェクトを育成可能な育成ゲームであり、当該育成ゲームにおいては、ユーザが
他のユーザと育成対象オブジェクトの交配を行い、新たな育成対象オブジェクトを生成す
ることが可能になっている。本実施形態においては、ゲーム提供部221が提供する育成
ゲームとして、育成対象オブジェクトであるモンスターを育成するゲームを例にして説明
を行う。
【0035】
また、ゲーム提供部221が提供する各ゲームでは、種々の条件(例えば、敵を倒す、
ミニゲームをクリアする等)を達成する度に、スコアを獲得可能になっている。そして、
獲得したスコアが段階的に設けられている所定の閾値を超える度に、育成対象オブジェク
ト(モンスター)のレベルが上がり、攻撃力等の各種特性パラメータP(図4参照)が上
昇するようになっている。
【0036】
動画配信部222は、配信者端末3からゲームのライブ配信を開始する旨の情報を受信
すると、サーバ2にアクセスする配信者端末3のうち当該ゲームのプレイ動画の視聴を希
望するものに対して、プレイ動画を配信する。このプレイ動画の配信に際して、動画配信
部222は、動画データをそのまま配信する他、動画に所定の加工を加えて配信してもよ
い。
【0037】
パラメータ管理部223は、各ユーザによりゲーム内で育成されるモンスターの特性パ
ラメータPを、育成対象オブジェクトデータベースDBとして記憶手段25に保存する(
図4参照)。記憶手段25に記憶されている特性パラメータPは更新可能であり、モンス
ターがレベルアップをして特性パラメータPが増加する度に、パラメータ管理部223は
特性パラメータPを最新のものにアップデートする。また、特性パラメータPは、モンス
ター同士を交配させることによっても増加する。この交配による特性パラメータPの増加
の詳細は後述する。
【0038】
図4は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2の記憶手段25に記憶さ
れている育成対象オブジェクトデータベースDBの具体例を示す模式図である。育成対象
オブジェクトデータベースDBには、プレイヤーであるユーザを特定するユーザID、当
該プレイヤーが育成しているモンスター名、当該モンスターのレベル、そして特性パラメ
ータPとして、攻撃力、守備力、スピードおよび生命力の各値がそれぞれ関連付けられて
保持されていて、パラメータ管理部223は、これらの情報を更新可能に管理する。例え
ば、ユーザID「001」のユーザは、モンスターとして「ドラゴン」を保有していて、
その「ドラゴン」のレベルは「15」であり、特性パラメータPのうち攻撃力は「250
0」、守備力は「1800」、スピードは「2300」、生命力は「3200」である。
これらの特性パラメータPの値が多ければ多いほど、モンスターは強いことになる。
【0039】
なお、本発明においてはこれに限らず、育成対象オブジェクトであるモンスターのそれ
ぞれについて成長度を示す成長度パラメータを有し、パラメータ管理部223は、当該成
長度パラメータについても育成対象オブジェクトデータベースDBに保存して管理する態
様であってもよい。成長度パラメータは、モンスターが交配可能か否かを示す指標になり
、成長度パラメータが所定の閾値を超えたモンスターのみが交配を行うことができる態様
とすることができる。なお、成長度パラメータは、特性パラメータPとは別個のモンスタ
ーの年齢等の指標値であってもよく、あるいは特性パラメータPに含まれる項目のうち少
なくとも一部の数値(すなわち特性パラメータPと少なくとも一部が共通する)であって
もよい。
【0040】
交配管理部224は、配信者のモンスターと、視聴者のモンスターとの交配を行い、子
供として生成される新たなモンスターを配信者に提供する。具体的には、交配管理部22
4は、視聴者端末4を介して視聴者から送信された交配リクエストに応じて、配信者のモ
ンスターと、視聴者の交配リクエストに含まれるモンスターとの交配を行う。そして、交
配の結果生成される新たなモンスターとその特性パラメータPは、配信者のユーザIDに
関連付けられて、育成対象オブジェクトデータベースDBに保存される。なお、育成対象
オブジェクトであるモンスターに上述した成長度パラメータが割り振られている態様であ
る場合には、成長度パラメータの量に応じて、交配により生成される新たなモンスターが
変化するようにしてもよい。例えば、交配するモンスターの成長度パラメータが高ければ
高いほど、交配により生成されるモンスターはより高い特性パラメータを有したり、ある
いはより出現頻度が低いモンスターが生成されたりする態様であってもよい。このような
態様を採用することにより、視聴者のゲームをプレイするモチベーションを向上すること
ができる。
【0041】
なお、配信者は、配信者に対してモンスターの交配を行うことができる視聴者を選択可
能になっていてもよい。例えば、配信者は、視聴者からの交配リクエストを受信した際に
、当該交配リクエストに対して承諾または拒否を行うことが可能であってもよい。また、
配信者は、交配リクエストを受け付ける配信者を予め設定し、交配リクエストを受け付け
ると設定された配信者からの交配リクエストは全て承諾される態様であってもよい。これ
により、より自由度の高い交配を可能とすることができる。
【0042】
パラメータ提供部225は、視聴者のモンスターが有する特性パラメータPを、配信者
に提供する。具体的には、パラメータ提供部225は、視聴者のモンスターの特性パラメ
ータPを、交配対象である配信者のモンスターの特性パラメータPに加算して新たに生成
されるモンスターの特性パラメータPとすることにより、視聴者のモンスターが有する特
性パラメータPが配信者に提供される。これにより、配信者は自身がモンスターの育成を
しなくても、視聴者からの特性パラメータPの提供を受けることでモンスターの育成を行
うことが可能になる。また、上述したように育成対象オブジェクトであるモンスターに成
長度パラメータが付与される態様である場合には、パラメータ提供部225は、成長度パ
ラメータについても視聴者から配信者に成長度パラメータを付与可能であってもよい。こ
のような態様によっても、視聴者は配信者を応援することができ、配信者は配信以外の時
間で育成対象オブジェクトをレベルアップするための時間と労力を低減できると共に、配
信に専念する時間をより長く確保することが可能になる。
【0043】
なお、パラメータ提供部225は、配信者に提供する特性パラメータPの量を、任意の
量に設定可能であってもよい。例えば、視聴者は、交配を希望するモンスターについて、
その各特性パラメータPの半分を配信者に提供可能としてもよい。これにより、視聴者は
特性パラメータの提供をより自由に行うことが可能になる。なお、配信者についても、交
配により新たに生成されるモンスターに引き継がれる特性パラメータPの量を、任意の量
に設定可能としてもよい。これにより、配信者についても、より自由度の高い交配を行う
ことが可能になる。
【0044】
また、パラメータ提供部225は、配信者に特性パラメータPを提供する際の条件を設
定可能であってもよい。例えば、視聴者は、モンスターのレベルが所定の閾値を超える配
信者に対してのみが交配対象となり、パラメータ提供部225が特性パラメータPを提供
可能と設定してもよい。これにより、視聴者はより自由度の高い交配と特性パラメータの
提供を行うことが可能になる。なお、配信者についても、視聴者が所有するモンスターの
うち、所定の閾値を超えるモンスターについてのみ交配対象となるように設定可能として
もよい。これにより、配信者についても、より自由度の高い交配を行うことが可能になる
【0045】
図2に戻り、サーバ2は、制御部21に加えて、記憶手段25と、通信部26とを備え
ている。
【0046】
記憶手段25は、磁気ハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成され
ている。記憶手段25は、サーバ2が機能するために必要になる、各種のゲームに関する
データや、育成対象オブジェクトデータベースDB等の各種のデータベースを記憶する。
【0047】
通信部26は、ネットワークインターフェースであり、ネットワークNを介して配信者
端末3および視聴者端末4と通信する。通信部26は、配信者端末3や視聴者端末4から
受信した各種データを制御部21に渡すと共に、制御部21が生成したデータを配信者端
末3や視聴者端末4に送信する。
【0048】
次に、上述した構成を備えるゲームのライブ配信システム1によるライブ配信の様子に
ついて説明する。図5は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2と通信を
行う視聴者端末4に表示される画面の具体例を示す模式図である。図5に示すように、ゲ
ームのライブ配信時、視聴者端末4には、動画ウィンドウVと、チャットウィンドウCと
、チャット入力ウィンドウIと、アバターウィンドウAと、ギフトアイコンGと、各種操
作メニューを呼び出すメニューボタンLとが表示される。
【0049】
動画ウィンドウVは、動画配信部222から配信される、配信者によるゲームのプレイ
動画が表示されるウィンドウである。
【0050】
動画ウィンドウVには、本実施形態においてはモンスター同士が対戦する対戦ゲームの
プレイ動画であって、配信者が育成するモンスターM1と、ゲーム提供部221内で生成
されるモンスターM2とが対戦する様子が表示されている。各モンスターM1、M2の下
には、それぞれモンスターM1のレベルが15であることを示す「LV15」と、モンス
ターM2のレベルが17であることを示す「LV17」とが表示されている。
【0051】
チャットウィンドウCは、文字や絵文字によるチャットが表示されるウィンドウであり
、発言者である視聴者の名前(「あおい」、「ひなた」)と、各発言者による発言(「は
じめまして!」や「がんばって!」)が表示される。
【0052】
チャット入力ウィンドウIは、チャットウィンドウCに表示される発言を入力するため
のウィンドウである。発言を希望する視聴者が、このチャット入力ウィンドウI内に視聴
者端末4の文字入力機能を用いて文字や絵文字を入力して当該文字データをサーバ2に送
信することにより、視聴者端末4のチャットウィンドウCに当該文字が表示される。この
チャットの内容は、配信者端末3にも表示されるようになっている。
【0053】
アバターウィンドウAは、配信者または視聴者にそれぞれ対応するアバターaが表示さ
れるウィンドウである。アバターaは各ユーザが任意にデザインすることができると共に
、各種の装飾品を装備することが可能になっている。
【0054】
ギフトアイコンGは、視聴者が配信者にギフトコンテンツの贈与を行う際に選択される
アイコンであり、当該アイコンを選択することにより、視聴者端末4に、ギフトデータベ
ース(不図示)に基づき贈与可能なギフトコンテンツの一覧が表示される。そして、視聴
者が保有するポイントを対価として、ギフトコンテンツの一覧の中から贈与したいギフト
コンテンツを選択すると、視聴者端末4からサーバ2に贈与希望が送信され、贈与希望に
応じてギフトデータベースから所定のギフトコンテンツが抽出され、配信者に提供される
【0055】
次に、上述した構成及び機能を有するサーバ2の動作についてフローチャートを用いて
説明する。図6は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2による処理を示
すフローチャートである。
【0056】
図6に示すように、まず、ゲーム提供部221によりユーザにゲームが提供され(ステ
ップS1)、当該ゲームにおいて各ユーザがモンスターの育成を行い、レベルアップをし
た結果得られた特性パラメータPが、パラメータ管理部223により育成対象オブジェク
トデータベースDBとして記憶手段25に保存される(ステップS2)。
【0057】
次に、ゲームをプレイしているユーザが自身のプレイ動画の配信を希望すると、動画配
信部222が、視聴を希望する視聴者の視聴者端末4に対して、配信者のプレイ動画の配
信を開始する(ステップS3)。配信された動画データは、図5に示すように視聴者端末
4の動画ウィンドウVに表示される。
【0058】
そして、プレイ動画の配信中に視聴者による交配希望があった場合(ステップS4:Y
ES)、交配管理部224は、配信者のモンスターと、視聴者のモンスターとの交配を行
うと共に(ステップS5)、パラメータ提供部225は、視聴者のモンスターの特性パラ
メータPを、配信者のモンスターの特性パラメータPに提供し(ステップS6)、子供と
して生成される新たなモンスターが配信者に提供されて、特性パラメータ提供に関する処
理が終了する。このとき、パラメータ管理部223は、交配により生成された新たなモン
スターを追加するべく育成対象オブジェクトデータベースDBを更新する。
【0059】
また、ステップS4において交配希望が無い場合(ステップS4:NO)、交配と特性
パラメータ提供は行われずに、特性パラメータ提供に関する処理が終了し、プレイ動画の
配信が継続される。
【0060】
上述した本実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2によれば、ゲームのライブ配信
中に視聴者からのパラメータの提供を受けることで配信者の育成対象オブジェクトがレベ
ルアップすることができるため、配信以外の時間で育成対象オブジェクトをレベルアップ
するための時間と労力を低減できる。そして、配信者は配信に専念する時間をより長く確
保することができ、視聴者をより惹きつけ易くすることができる。さらに、視聴者におい
ては自身の育成対象オブジェクトを成長させることで配信者のレベルアップに貢献するこ
とができるため、ゲームをプレイするモチベーションを高めることができる。
【0061】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、種々の変形を採用することができる。
【0062】
例えば、上述した実施形態においては配信者端末3および視聴者端末4は、ゲームの操
作情報の生成、送信およびプレイ動画の描画のみを行い、その他のゲームに関する情報処
理は全てサーバ2により行われていたが、本発明においてはこれに限らず、配信者端末3
および視聴者端末4が、ゲームの操作情報の生成、送信およびプレイ動画の描画以外の、
上述した実施形態においてサーバ2が担っていた情報処理の少なくとも一部を行ってもよ
い。
【0063】
また、上述した実施形態においてはゲームとしてユーザが育成したモンスターによるモ
ンスター同士の戦闘ゲームを例に説明をしたが、本発明においてはこれに限らず、例えば
育成対象オブジェクトとして交配可能な動植物を採用して、これらの動植物の育成に関す
るゲームとすることができる。この場合、特性パラメータPは、動植物の生育状況を示す
、動物の体重や模様、植物の花の色や模様等としてもよい。また、視聴者から配信者への
特性パラメータPの提供を、交配を必要とせずに行うことが可能なゲームとしてもよい。
【0064】
また、本発明においては、パラメータ提供部225が、視聴者と配信者との親密度を示
す親密度指標に基づき、配信者により提供される特性パラメータPの量を変化させる態様
であってもよい。この場合、親密度指標としては、視聴者と配信者との間で交わされたメ
ッセージ数や、視聴者から配信者に贈与されたギフトコンテンツの数であってもよい。こ
こで、親密度指標がメッセージ数である場合には、視聴者から配信者にメッセージが送付
され、当該メッセージに対して配信者が返信した場合のみをメッセージ数として参入する
態様であってもよい。このように親密度指標を設定することにより、視聴者と配信者との
交流を促進することが可能になる。
【符号の説明】
【0065】
1:ゲームのライブ配信システム
2:ゲームのライブ配信サーバ
3:配信者端末
4:視聴者端末
21:制御部
22:CPU
23:ROM
24:RAM
25:記憶手段
26:通信部
221:ゲーム提供部
222:動画配信部
223:パラメータ管理部
224:交配管理部
225:パラメータ提供部
A:アバターウィンドウ
a:アバター
C:チャットウィンドウ
DB:育成対象オブジェクトデータベース
G:ギフトアイコン
I:チャット入力ウィンドウ
L:メニューボタン
M1:配信者のモンスター
M2:ゲーム提供部221内で生成されるモンスター
V:動画ウィンドウ
図1
図2
図3
図4
図5
図6