(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173587
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G16H 40/20 20180101AFI20241205BHJP
G06Q 10/1053 20230101ALI20241205BHJP
【FI】
G16H40/20
G06Q10/1053
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023183612
(22)【出願日】2023-10-26
(62)【分割の表示】P 2023088830の分割
【原出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】522248548
【氏名又は名称】ファストドクター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】水野 敬志
(72)【発明者】
【氏名】井本 紗也子
(72)【発明者】
【氏名】小山 翔
(72)【発明者】
【氏名】田中 佑
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】医師の所属の切り替えを円滑に実現し、必要なタイミングで、患者からの診療要求に対応すること。
【解決手段】プロセッサ(39)と記憶部(37)とを備えるコンピュータに実行させ、記憶部には、医療機関の患者に対し当該医療機関が診療を行う診療日時の情報を記憶させているプログラムが提供される。プログラムは、プロセッサに、医療機関に所属していない医師である第1のユーザに対し、患者の診療日時が到来するより前に、患者に対する診療行為を行うための労働条件を示し、患者の医療機関に一時的に属することを含む第1の情報を提示するステップ(S654)と、第1のユーザから、診療日時が到来するより前に、第1の情報に同意する操作を受け付けるステップ(S601)と、同意する操作を受け付けることにより、第1の情報を記憶部に記憶させるステップ(S655)とを実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記記憶部には、医療機関の患者に対し、当該医療機関が診療を行う診療日時の情報を記憶させており、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記医療機関に所属していない医師である第1のユーザに対し、前記患者の前記診療日時が到来するより前に、前記患者に対する診療行為を行うための労働条件を示す第1の情報であって前記患者の前記医療機関に一時的に属することを含む前記第1の情報を提示するステップと、
前記第1のユーザから、前記診療日時が到来するより前に、前記第1の情報に同意する操作を受け付けるステップと、
前記同意する操作を受け付けることにより、前記第1の情報を前記記憶部に記憶させるステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記第1の情報を記憶させるステップにおいて、前記第1の情報を前記第1のユーザに関する情報とともに前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記患者の前記診療日時が到来するより前が、前記患者からの診療要求を受け付けるタイミングである、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1の情報を提示するステップにおいて、前記患者からの診療要求を受け付けるタイミングで、前記医療機関が前記患者の診療に対応することができない場合に、前記第1のユーザに対し、前記第1の情報を提示する、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記患者の前記診療日時が到来するより前が、前記診療日時に基づくタイミングである、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記患者の前記診療日時が到来するより前が、前記患者からの診療要求を受け付けた前記医療機関からの診療依頼を受け付けるタイミングである、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第1のユーザから同意する操作を受け付けたとき、前記第1のユーザに対し、前記第1の情報を送信するステップを実行させる、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第1の情報を提示するステップにおいて、
前記医療機関に関する情報と前記第1のユーザに関する情報とに基づき、前記医療機関に一時的に属することを含む前記第1の情報を生成するステップと、
前記生成した前記第1の情報を前記第1のユーザに対し提示するステップと、
を実行させる請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第1のユーザが、前記医療機関からの診療依頼に応じて診療対応可能な医師として登録されている、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第1のユーザが、前記医療機関であって特定の医療機関から指定される医師であって、前記特定の医療機関からの診療依頼に応じて診療対応可能な医師として登録されている、
請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記第1のユーザが、前記特定の医療機関が診療依頼する医師の優先順位を表す優先度に関する情報とともに登録されている、
請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記第1の情報を提示するステップにおいて、
前記医療機関に関する情報に基づき、前記登録された診療対応可能な医師の中から前記第1のユーザを抽出するステップと、
前記医療機関に関する情報と前記抽出された前記第1のユーザに関する情報とに基づき、前記医療機関に一時的に属することを含む前記第1の情報を生成するステップと、
前記生成した前記第1の情報を前記第1のユーザに対し提示するステップと、
を実行させる請求項9に記載のプログラム。
【請求項13】
前記第1の情報が、前記患者に対する遠隔による診療行為を行うための労働条件を示す情報であって前記医療機関に一時的に属することを含む情報である、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項14】
前記第1のユーザから、前記第1の情報に同意する操作を受け付けたとき、前記第1のユーザに対し、前記医療機関に一時的に属する期間において、前記医療機関が保有する患者の過去の診療履歴に関する医療情報を提示する、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項15】
前記第1のユーザによる前記患者の診療が終了した後に、前記第1のユーザから、前記診療に関するカルテ情報を受け付け、受け付けたカルテ情報に基づき、前記患者の過去の診療履歴に関する医療情報を更新する、
請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるための方法であって、
前記記憶部には、医療機関の患者に対し、当該医療機関が診療を行う診療日時の情報を記憶させており、
プロセッサが、
前記医療機関に所属していない医師である第1のユーザに対し、前記患者の前記診療日時が到来するより前に、前記患者に対する診療行為を行うための労働条件を示す第1の情報であって前記患者の前記医療機関に一時的に属することを含む前記第1の情報を提示するステップと、
前記第1のユーザから、前記診療日時が到来するより前に、前記第1の情報に同意する操作を受け付けるステップと、
前記同意する操作を受け付けることにより、前記第1の情報を前記記憶部に記憶させるステップと、
を実行する方法。
【請求項17】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、
前記記憶部には、医療機関の患者に対し、当該医療機関が診療を行う診療日時の情報を記憶させており、
前記制御部が、
前記医療機関に所属していない医師である第1のユーザに対し、前記患者の前記診療日時が到来するより前に、前記患者に対する診療行為を行うための労働条件を示す第1の情報であって前記患者の前記医療機関に一時的に属することを含む前記第1の情報を提示するステップと、
前記第1のユーザから、前記診療日時が到来するより前に、前記第1の情報に同意する操作を受け付けるステップと、
前記同意する操作を受け付けることにより、前記第1の情報を前記記憶部に記憶させるステップと、
を実行する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療機関の規模などによっては、患者からの急な依頼に基づく夜間診療、休日診療に対応することができない場合がある。急な診療依頼や医療処置に医療機関が対応できない場合に、対応できる医師を手配する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、一時的に求人を希望する医療機関に対して即時かつ確実に専門医を提示するマッチングシステムに関する技術が記載されている。マッチングシステムでは、求人を希望する医療機関の求人条件と専門医との情報を参照して求人条件に適した専門医の情報を表示することについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術では、急な医療対応などにおいて求人を希望する医療機関の求人条件と適合する専門医を見つけることができるが、医師が実際に医療機関の主治医に代わって患者の診療を行うためには、当該医療機関の所属として対応する必要がある。このため、専門医を見つけたとしても、その専門医の所属を切り替える処理を別途行う必要がある。このような場合に、医師の所属の切り替えに時間が掛かってしまうと、必要なタイミングで、患者の診療に対応できない。
【0006】
そこで、本開示において、医療機関の主治医に代わって診療対応を行う医師の所属の切り替えを円滑に実現し、必要なタイミングで、患者の診療に対応することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によると、プロセッサと、記憶部とを備え、前記記憶部には、医療機関の患者に対し、当該医療機関が診療を行う診療日時の情報を記憶させているコンピュータに実行させるプログラムが提供される。このプログラムは、前記医療機関に所属していない医師である第1のユーザに対し、前記患者の前記診療日時が到来するより前に、前記患者に対する診療行為を行うための労働条件を示す第1の情報であって前記患者の前記医療機関に一時的に属することを含む前記第1の情報を提示するステップと、前記第1のユーザから、前記診療日時が到来するより前に、前記第1の情報に同意する操作を受け付けるステップと、前記同意する操作を受け付けることにより、前記第1の情報を前記記憶部に記憶させるステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、患者からの診療要求のタイミング、若しくは予め登録された診療日時に基づくタイミングにおいて、医療機関の主治医に代わって診療対応を行う医師に対し、当該医療機関として所属する労働条件を示す情報を提示することで、円滑な医師の所属の切り替えを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態の診療依頼システム1の全体構成を示す図である。
【
図2】医師側端末装置20の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】サーバ30の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図4】診療依頼情報管理データベース3021のデータ構造を示す図である。
【
図5】予定診療情報管理データベース3022のデータ構造を示す図である。
【
図6】患者医療情報管理データベース3023のデータ構造を示す図である。
【
図7】医療機関情報管理データベース3024のデータ構造を示す図である。
【
図8】医師情報管理データベース3025のデータ構造を示す図である。
【
図9】同意情報管理データベース3026のデータ構造を示す図である。
【
図10】対応する医師から、労働条件通知書情報への同意を得るための処理の流れの一例(動作例1)を示すフローチャートである。
【
図11】対応する医師から、労働条件通知書情報への同意を得るための処理の流れの他の例(動作例2)を示すフローチャートである。
【
図12】対応する医師から、労働条件通知書情報への同意を得るための処理の流れの他の例(動作例3)を示すフローチャートである。
【
図13】医師側端末装置に提示される労働条件通知書情報の画面例を示す図である。
【
図14】労働条件通知書情報に同意する操作を行うための画面例を示す図である。
【
図15】労働条件通知書情報に同意しない操作を行うための画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<第1の実施の形態>
本実施形態では、医療機関の患者に対し、当該医療機関が診療を行う診療日時の情報を記憶させており、当該医療機関に所属していない医師であるユーザに対し、患者の診療日時が到来するよりも前に、診療依頼を行くべく、患者に対する診療行為を行うための労働条件労働条件を示す情報であって当該医療機関に属することを含む情報(労働条件通知書情報)を提示し、提示を受けた医師からの同意する操作に応じて、患者に対する診療と関連付けて労働条件通知書情報を記憶する。
【0012】
<1.1 診療依頼システム全体の構成図>
図1は、実施形態の診療依頼システム1の全体構成の例を示すブロック図である。
図1に示すように、診療依頼システム1は、患者側端末装置10と、医師側端末装置20と、サーバ30と、医療機関側端末装置40とを含み、これらの装置がネットワーク80によって互いに通信可能に接続されている。
【0013】
患者側端末装置10は、診療を要求する患者が操作する装置である。患者側端末装置10は、例えばスマートフォン、タブレット等の携帯端末、PC(Personal Computer)等である。
【0014】
患者側端末装置10は、プログラムを実行することにより、プログラムに応じた診療依頼システム1を操作する環境をユーザに対して提供する。患者側端末装置10は、プログラムを読み込んで実行することにより、サーバ20、医療機関側端末装置40と通信接続する。そして、患者側端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20、医療機関側端末装置40に対して、診療要求に関する情報を送信する。
【0015】
医師側端末装置20は、ユーザである医師が操作する装置である。医師側端末装置20は、例えばスマートフォン、タブレット等の携帯端末、PC(Personal Computer)等である。
【0016】
医師側端末装置20は、プログラムを実行することにより、プログラムに応じた診療依頼システム1を操作する環境をユーザに対して提供する。医師側端末装置20は、プログラムを読み込んで実行することにより、医師側端末装置20とサーバ30とを通信接続する。また、医師側端末装置20は、サーバ30から、労働条件通知書情報を受信し、労働条件通知書情報に基づく労働の同意に関する情報をサーバ30に対し送信する。
【0017】
図1に示すように、医師側端末装置20は、通信IF(Interface)22と、入力装置23と、出力装置24と、メモリ27と、記憶部28と、プロセッサ29とを備える。
【0018】
通信IF22は、医師側端末装置20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0019】
入力装置23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。
【0020】
出力装置24は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0021】
メモリ27は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0022】
記憶部28は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0023】
プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0024】
サーバ30は、診療依頼システム1に係る一連の処理を管理する装置である。サーバ30は、患者からの診療要求を受け付けるタイミング、若しくは予め登録された患者の診療を行う診療日時に基づくタイミングで、診療に対応する医師の医師側端末装置20へ労働条件通知書情報を提示する処理を行う。サーバ30は、医師側端末装置20と通信し、医師の同意する操作に応じて労働条件通知書情報を記憶する処理を行う。サーバ30は、患者からの診療要求、登録される予定診療、登録される医師情報などの各種データを管理する。
【0025】
サーバ30は、通信IF32と、入出力IF33と、メモリ35と、ストレージ36と、プロセッサ39とを備える。
【0026】
通信IF32は、サーバ30が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0027】
入出力IF33は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し、情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0028】
メモリ35は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0029】
ストレージ36は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0030】
プロセッサ39は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0031】
医療機関側端末装置40は、通信IF(Interface)42と、入力装置43と、出力装置44と、メモリ45と、記憶部46と、プロセッサ49とを備える。
【0032】
通信IF42は、医療機関側端末装置40が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0033】
入力装置43は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。
【0034】
出力装置44は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0035】
メモリ45は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0036】
記憶部46は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0037】
プロセッサ49は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0038】
<1.2 医師側端末装置20の機能的な構成>
図2は、医師側端末装置20の機能的な構成を示す図である。医師側端末装置20は、複数のアンテナ(アンテナ211、アンテナ212)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部221、第2無線通信部222)と、操作受付部230と、音声処理部240と、マイク241と、スピーカ242と、位置情報センサ250と、カメラ260と、記憶部270と、制御部280とを含む。医師側端末装置20は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリ、バッテリから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。
図2に示すように、医師側端末装置20に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0039】
アンテナ211は、医師側端末装置20が発する信号を電波として空間へ放射する。また、アンテナ211は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部221へ与える。
【0040】
アンテナ212は、医師側端末装置20が発する信号を電波として空間へ放射する。また、アンテナ212は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部222へ与える。
【0041】
第1無線通信部221は、医師側端末装置20が他の無線機器と通信するため、アンテナ211を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部222は、医師側端末装置20が他の無線機器と通信するため、アンテナ212を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部221と第2無線通信部222とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部221と第2無線通信部222とは、医師側端末装置20が送受信する無線信号の変復調、周波数変換を行い、受信信号を制御部280へ与える。
【0042】
操作受付部230は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部230は、タッチスクリーンとして構成され、タッチ・センシティブ・デバイス231と、ディスプレイ232とを含む。タッチ・センシティブ・デバイス231は、医師側端末装置20のユーザの入力操作を受け付ける。タッチ・センシティブ・デバイス231は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチ・センシティブ・デバイス231は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部280へ出力する。
【0043】
ディスプレイ232は、制御部280の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ232は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどによって実現される。
【0044】
音声処理部240は、音声信号の変復調を行う。音声処理部240は、マイク241から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部280へ与える。また、音声処理部240は、音声信号をスピーカ242へ与える。音声処理部240は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク241は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部240へ与える。スピーカ242は、音声処理部240から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を医師側端末装置20の外部へ出力する。
【0045】
位置情報センサ250は、医師側端末装置20の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される医師側端末装置20の現在位置を検出する。
【0046】
カメラ260は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ260は、例えば、カメラ260から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0047】
記憶部270は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、医師側端末装置20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部270は、ユーザ情報271と労働条件通知書情報272を記憶する。
【0048】
ユーザ情報271は、医師側端末装置20を使用して診療依頼に対する同意の操作等を行う医師であるユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザIDに関する情報、ユーザ氏名に関する情報、所属医療機関IDに関する情報、ユーザの連絡先に関する情報等が含まれる。
【0049】
労働条件通知書情報272は、診療依頼に対する同意の操作に応じて、サーバ30から送信される情報である。情報としては、診療に対応する患者の情報、診療の日時に関する情報、労働条件に関する情報、所属する医療機関に関する情報等が含まれる。
【0050】
制御部280は、記憶部270に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、医師側端末装置20の動作を制御する。制御部280は、例えば予め医師側端末装置20にインストールされているアプリケーションである。制御部280は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部281と、送受信部282と、通知制御部283と、データ処理部284としての機能を発揮する。
【0051】
入力操作受付部281は、タッチ・センシティブ・デバイス231等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部281は、タッチ・センシティブ・デバイス231に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0052】
送受信部282は、医師側端末装置20が、サーバ30等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0053】
通知制御部283は、ユーザである医師に対し情報を提示する処理を行う。通知制御部283は、表示画像をディスプレイ232に表示させる処理、音声をスピーカ242に出力させる処理等を行う。
【0054】
データ処理部284は、医師側端末装置20が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0055】
<1.3 サーバ30の機能的な構成>
図3は、サーバ30の機能的な構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ30は、通信部301と、記憶部302と、制御部303としての機能を発揮する。
【0056】
通信部301は、サーバ30が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0057】
記憶部302は、診療要求情報管理データベース3021と、予定診療情報管理データベース3022と、患者医療情報管理データベース2023と、医療機関情報管理データベース3024と、医師情報管理データベース3025と、同意情報管理データベース3026と、労働条件通知書情報3027等を記憶する。
【0058】
診療要求情報管理データベース3021は、患者からの診療要求に関する各種情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0059】
予定診療情報管理データベース3022は、予め登録された訪問診療等の予定診療に関する各種情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0060】
患者医療情報管理データベース3023は、患者の過去の診療履歴に関する各種医療情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0061】
医療機関情報管理データベース3024は、患者の診療を依頼する医療機関に関する各種情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0062】
医師情報管理データベース3025は、医療機関からの依頼に応じ診療に対応する医師に関する各種情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0063】
同意情報管理データベース3026は、医療機関からの依頼に対し、医師から受け付ける、診療対応への同意に関する各種情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0064】
労働条件通知書情報3027は、医師で同意した労働条件通知書に関する情報を含むデータベースである。詳細は後述する。
【0065】
制御部303は、プロセッサ39が記憶部302に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部303は、プログラムに従って動作することにより、受信制御モジュール3031、送信制御モジュール3032、診療要求情報取得モジュール3033、予定診療情報取得モジュール3034、患者医療情報取得モジュール3035、医療機関情報取得モジュール3036、医師情報取得モジュール3037、労働条件通知書情報生成モジュール3038、同意情報取得モジュール3039、労働条件通知書情報提示モジュールとして示す機能を発揮する。
【0066】
受信制御モジュール3031は、サーバ30が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0067】
送信制御モジュール3032は、サーバ30が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0068】
診療要求情報取得モジュール3033は、患者からの診療要求に関する情報を管理するための一連の処理を行うものである。診療要求に関する情報とは、患者氏名に関する情報、患者年齢に関する情報、患者性別に関する情報、患者住所に関する情報、患者連絡先に関する情報、診療要求日時に関する情報、受付医療機関IDに関する情報、受付医療機関での診療可否に関する情報などを含む。診療要求情報取得モジュール3033は、取得した診療要求に関する情報を、診療要求情報管理データベース3021へ格納する。
【0069】
予定診療情報取得モジュール3034は、予め登録された訪問診療等の予定診療に関する情報を管理するための一連の処理を行うものである。予定診療に関する情報とは、患者氏名に関する情報、患者年齢に関する情報、患者性別に関する情報、患者住所に関する情報、患者連絡先に関する情報、予定診療日時に関する情報、患者を担当する担当医療機関IDに関する情報、担当医療機関での診療可否に関する情報などを含む。予定診療情報取得モジュール3034は、取得した診療要求に関する情報を、予定診療情報管理データベース3022へ格納する。
【0070】
患者医療情報取得モジュール3035は、患者の過去の診療履歴に関する医療情報を管理するための一連の処理を行うものである。患者の過去の診療履歴に関する医療情報とは、患者IDに関する情報、患者氏名に関する情報、担当医療機関IDに関する情報、各診療の診療日時に関する情報、各診療時の診療内容に関する情報などを含む。患者の過去の診療履歴に関する医療情報は、患者を本来担当する医療機関によって保有される情報であり、例えば、労働条件通知書情報に同意する操作を行い、当該医療機関に一時的に所属することとなった医師が閲覧できる対象となる。患者医療情報取得モジュール3035は、それぞれの医療機関側端末装置40等から取得される。患者医療情報取得モジュール3035は、取得した患者の過去の診療履歴に関する医療情報を、患者医療情報管理データベース3023へ格納する。
【0071】
医療機関情報取得モジュール3036は、診療を依頼する医療機関に関する情報を管理するための一連の処理を行うものである。医師に関する情報とは、医療機関名称に関する情報、医療機関の連絡先に関する情報、第1指定医師IDに関する情報、第2指定医師IDに関する情報、第3指定医師IDに関する情報などを含む。医療機関情報取得モジュール3036は、取得した医療機関に関する情報を、医療機関情報管理データベース3024へ格納する。指定医師IDは、必ずしも第1~第3までの情報を含む必要はない。また指定医師IDは、4つ以上の指定医師IDを含んでいてもよい。
【0072】
医師情報取得モジュール3037は、医師に関する情報を管理するための一連の処理を行うものである。医師に関する情報とは、医師であるユーザの氏名に関する情報、ユーザが通常所属する所属医療機関IDに関する情報、ユーザの連絡先に関する情報、第1指定医療機関IDに関する情報、第2指定医療機関IDに関する情報、診療対応可能な時間帯に関する情報、訪問診療の対応可否に関する情報、オンライン診療の対応可否に関する情報などを含む。医師情報取得モジュール3037は、取得した医師に関する情報を、医師情報管理データベース3025へ格納する。指定医療機関IDは、必ずしも第1~第2までの情報を含む必要はない。また指定医師IDは、3つ以上の指定医療機関IDを含んでいてもよい。
【0073】
労働条件通知書情報生成モジュール3038は、医師に提示する労働条件通知書情報を生成するための一連の処理を行うものである。生成される労働条件通知書情報には、患者に対する診療行為を行うための労働条件を示す情報であって医療機関に一時的に属することを示す情報が含まれている。労働条件通知書情報生成モジュール3038は、診療対象である患者を担当する医療機関に関する情報と、診療依頼の対象である医師に関する情報とに基づき、労働条件通知書情報を生成する。労働条件通知書情報生成モジュール3038は、生成した労働条件通知書情報を記憶部302へ記憶させる。
【0074】
なお、一時的に属するとは、労働条件通知書情報に含まれる労働条件の1つである労働期間(契約期間)において医師であるユーザが特定の医療機関に所属することをいい、労働期間外にはユーザが特定の医療機関には属していないことをいう。例えば、医師は、特定の医療機関に所属している期間においては、医療機関が保有する患者の医療情報にアクセスし、当該情報を閲覧することができるが、所属している期間を過ぎると特定の医療機関に属していないため当該情報を閲覧することができない。
【0075】
同意情報取得モジュール3039は、医師からの、診療依頼への同意に関する情報を管理するための一連の処理を行うものである。診療依頼への同意に関する情報とは、医師であるユーザIDに関する情報、ユーザが通常所属する所属医療機関IDに関する情報、診療依頼への同意可否に関する情報、飲料依頼への同意日時に関する情報、所属を切り替える切替先の所属機関IDに関する情報などを含む。同意情報取得モジュール3039は、取得した診療依頼への同意に関する情報を、同意情報管理データベース3026へ格納する。
【0076】
<2 データ構造>
図4乃至
図7は、サーバ30が記憶するデータベースのデータ構造を示す図である。なお、
図4乃至
図7は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。
【0077】
図4は、診療要求情報管理データベース3021のデータ構造を示す図である。診療要求情報管理データベース3021の各レコードは、項目「診療要求ID」と、項目「患者氏名」と、項目「患者年齢」と、項目「患者性別」と、項目「患者住所」と、項目「患者連絡先」と、項目「診療要求日時」と、項目「受付医療機関ID」と、項目「受付医療機関での診療可否」とを含む。図示する例では、3つの診療要求を受け付けることが可能な例を示しているが、これに限られない。
【0078】
項目「診療要求ID」は、患者から受け付けた診療要求のそれぞれを識別する情報である。
【0079】
項目「患者氏名」は、診療要求を行った患者の氏名を示す情報である。
【0080】
項目「患者年齢」は、患者の年齢を示す情報である。
【0081】
項目「患者性別」は、患者の性別を示す情報である。
【0082】
項目「患者連絡先」は、患者の連絡先を示す情報である。患者の連絡先を示す情報としては、メールアドレス、電話番号等が含まれる。
【0083】
項目「診療要求日時」は、診療要求を受け付けた日時を示す情報である。
【0084】
項目「受付医療機関ID」は、診療要求を受け付けた医療機関を識別する情報である。
【0085】
項目「受付医療機関での診療可否」は、診療要求を受け付けた医療機関で診療に対応できるか否かを示す情報である。具体的には、受け付けた診療要求に対して、医療機関が診療対応できる場合には「可」と表示され、一方医療機関が診療対応できない場合には「不可」と表示される。
【0086】
図5は、予定診療情報管理データベース3022のデータ構造を示す図である。予定診療情報管理データベース3022の各レコードは、項目「予定診療ID」と、項目「患者氏名」と、項目「患者年齢」と、項目「患者性別」と、項目「患者住所」と、項目「患者連絡先」と、項目「予定診療日時」と、項目「担当医療機関ID」と、項目「担当医療機関での診療可否」とを含む。図示する例では、3つの予定診療に対応することが可能な例を示しているが、これに限られない。
【0087】
項目「予定診療ID」は、予め登録される予定診療のそれぞれを識別する情報である。
【0088】
項目「患者氏名」は、診療対象となる患者の氏名を示す情報である。
【0089】
項目「患者年齢」は、患者の年齢を示す情報である。
【0090】
項目「患者性別」は、患者の性別を示す情報である。
【0091】
項目「患者連絡先」は、患者の連絡先を示す情報である。患者の連絡先を示す情報としては、メールアドレス、電話番号等が含まれる。
【0092】
項目「予定診療日時」は、診療が予定されている診療の日時を示す情報である。
【0093】
項目「担当医療機関ID」は、患者を本来担当する医療機関のそれぞれを識別する情報である。
【0094】
項目「担当医療機関での診療可否」は、担当医療機関で診療に対応できるか否かを示す情報である。具体的には、予定された診療日時において、担当医療機関が診療対応できる場合には「可」と表示され、一方担当医療機関が診療対応できない場合には「不可」と表示される。
【0095】
図6は、患者医療情報管理データベース3023のデータ構造を示す図である。患者医療情報管理データベース3023の各レコードは、項目「患者ID」と、項目「患者氏名」と、項目「担当医療機関ID」と、項目「診療日時」と、項目「診療時の診療内容に関する情報」とを含む。図示する例では、3つの診療履歴の例を示しているが、これに限られない。
【0096】
項目「患者ID」は、診療対象である患者のそれぞれを識別する情報である。
【0097】
項目「患者氏名」は、患者の氏名を示す情報である。
【0098】
項目「担当医療機関ID」は、患者の診療を担当した医療機関のそれぞれを識別する情報である。
【0099】
項目「診療日時」は、各診療が行われた診療日時を示す情報である。
【0100】
項目「診療時の診療内容に関する情報」は、各診療における診療内容を示す情報である。診療内容を示す情報としては、診断による患者の症状に関する情報、患者への問診の情報、処方された薬に関する情報等が含まれる。
【0101】
図7は、医療機関情報管理データベース3024のデータ構造を示す図である。医療機関情報管理データベース3024の各レコードは、項目「医療機関ID」と、項目「医療機関名称」と、項目「医療機関連絡先」と、項目「第1指定医師ID」と、項目「第2指定医師ID」と、項目「第3指定医師ID」とを含む。図示する例では、3つの医療機関の例を示しているが、これに限られない。
【0102】
項目「医療機関ID」は、医療機関のそれぞれを識別する情報である。
【0103】
項目「医療機関名称」は、医療機関の名称を示す情報である。
【0104】
項目「医療機関連絡先」は、医療機関の連絡先を示す情報である。医療機関の連絡先を示す情報としては、メールアドレス、電話番号等が含まれる。
【0105】
項目「第1指定医師ID」は、診療対応可能な医師として登録されている対象の中から、特定の医療機関によって指定された第1の医師を識別するための情報を示す。第1指定医師IDに相当する医師は、当該特定の医療機関が依頼する最も優先度の高い医師とすることができる。一方、医療機関によっては、特定の医師を指定しない場合があり、その場合には「指定なし」として分類される。
【0106】
項目「第2指定医師ID」は、診療対応可能な医師として登録されている対象の中から、特定の医療機関によって指定された第2の医師を識別するための情報を示す。第2指定医師IDに相当する医師は、当該特定の医療機関が依頼する2番目に優先度の高い医師とすることができる。医療機関が第2指定医師として医師を指定しない場合には、「指定なし」として分類される。
【0107】
項目「第3指定医師ID」は、診療対応可能な医師として登録されている対象の中から、特定の医療機関によって指定された第3の医師を識別するための情報を示す。第2指定医師IDに相当する医師は、当該特定の医療機関が依頼する3番目に優先度の高い医師とすることができる。医療機関が第3指定医師として医師を指定しない場合には、「指定なし」として分類される。
【0108】
図8は、医師情報管理データベース3025のデータ構造を示す図である。医師情報管理データベース3025の各レコードは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ氏名」と、項目「所属医療機関ID」と、項目「ユーザ連絡先」と、項目「第1指定医療機関ID」と、項目「第2指定医療機関ID」と、項目「診療対応可能な時間帯」と、項目「訪問診療対応可否」と、項目「オンライン診療対応可否」とを含む。各レコードは、ユーザ等からの情報入力により最新情報として格納されるが、診療対応可能な時間帯が変更されるなど、情報に変更があれば新たな情報に更新される。図示する例では、3名の医師の例を示しているが、これに限られない。
【0109】
項目「ユーザID」は、医師であるユーザのそれぞれを識別する情報である。
【0110】
項目「ユーザ氏名」は、ユーザの氏名を示す情報である。
【0111】
項目「所属医療機関ID」は、医師が、通常所属している医療機関を識別する情報である。
【0112】
項目「ユーザ連絡先」は、医師の連絡先を示す情報である。ユーザの連絡先を示す情報としては、メールアドレス、電話番号等が含まれる。
【0113】
項目「第1指定医療機関ID」は、医師が特定の医療機関から指定された場合において、1つ目の当該医療機関を識別するための情報を示す。医師を指定する医療機関がない場合には、「指定なし」と分類される。
【0114】
項目「第2指定医療機関ID」は、医師が特定の医療機関から指定された場合において、2つ目の当該医療機関を識別するための情報を示す。医師を指定する医療機関がない場合には、「指定なし」と分類される。
【0115】
項目「診療対応可能な時間帯」は、医師が、診療依頼を受けた場合に診療対応できる時間帯を示す情報である。この情報としては、例えば「平日:18時~23時」、「土日:9時~18時」といった情報が含まれる。
【0116】
項目「訪問診療対応可否」は、医師が、訪問診療に対応できるか否かを示す情報である。具体的には、医師が訪問診療に対応できる場合には「可」と表示され、一方医師が訪問診療に対応できない場合には「不可」と表示される。
【0117】
項目「オンライン診療対応可否」は、医師が、オンラインでの診療に対応できるか否かを示す情報である。具体的には、医師がオンラインでの診療に対応できる場合には「可」と表示され、一方医師がオンラインでの診療に対応できない場合には「不可」と表示される。
【0118】
図8は、同意情報管理データベース3026のデータ構造を示す図である。同意情報管理データベース3026の各レコードは、項目「管理ID」と、項目「ユーザ氏名」と、項目「所属医療機関ID」と、項目「診療依頼への同意可否」と、項目「診療依頼への同意日時」と、項目「切替先所属医療機関ID」とを含む。図示する例では、3つの管理例を示しているが、これに限られない。
【0119】
項目「管理ID」は、診療依頼の同意情報の事案のそれぞれを識別する情報である。
【0120】
項目「ユーザ氏名」は、医師の氏名を示す情報である。
【0121】
項目「所属医療機関ID」は、医師が、通常所属している医療機関を識別する情報である。
【0122】
項目「診療依頼への同意可否」は、医師が、医療機関からの診療依頼として提示される労働条件通知書情報に対して同意するか否かを示す情報である。具体的には、医師が労働条件通知書に記載される情報(診療依頼)に同意した場合には「可」と表示され、一方医師が労働条件通知書に記載される情報(診療依頼)に同意しなかった場合には「不可」と表示される。
【0123】
項目「切替先所属医療機関ID」は、医師が労働条件通知書に記載される情報(診療依頼)に同意した場合に、切替先の所属となる医療機関を識別する情報である。切替先所属医療機関IDは、医師が労働条件通知書に記載される情報(診療依頼)に同意しなかった場合には表示されない。
【0124】
<3 動作>
次に、診療依頼システム1を構成する各装置の動作について説明する。
【0125】
<3.1 動作例1>
図10は、サーバ30を介した、対応する医師から、労働条件通知書情報への同意を得るための処理の流れを示す図である。以下の例では、患者から診療要求を受け付けたタイミングで、医師に対し、労働条件通知書情報を提示する例を説明する。
【0126】
動作例1は、例えば、患者がかかりつけの医療機関を持っており、患者が夜間、休日など医療機関の診療機関外に診療を要求する場合であって、当該医療機関からの依頼として、当該医療機関以外に所属する医師が一時的に当該医療機関に属する医師として診療対応できるように、当該医師に対し、労働条件通知書情報を提示する態様が該当する。
【0127】
ステップS651において、サーバ30は、患者から診療要求を受け付ける。
【0128】
ステップS652において、サーバ30は、患者を担当する医療機関を特定し、当該医療機関に関する情報に基づき診療依頼対象となる医師を抽出する。医師の抽出に際して、当該医療機関が指定医師を登録している場合には、指定医師の中から最も優先度の高い医師を抽出することができる。一方、当該医療機関が指定医師を登録していない場合には、診療対応可能な医師として登録されている対象の中から当該医師が診療対応可能な時間帯の情報等を参照して医師を抽出する。サーバ30により抽出される医師は、1人に限られない。例えば、サーバ30は、一旦複数の医師を抽出し、抽出した医師の中でスケジュールに最も余裕のある医師を選定し、この医師を最終的に抽出される医師とすることもできる。ステップS652の処理を実行する前に、サーバ30は、患者を担当する医療機関が患者の診療に対応できるか否かを判定し、当該医療機関が診療に対応できない場合に、ステップS652の処理を実行することもできる。
【0129】
ステップS653において、サーバ30は、医療機関に関する情報と抽出した医師に関する情報とに基づき労働条件通知書情報を生成する。提示される労働条件通知書情報には、患者の診療に関する情報のほか、依頼する医療機関に一時的に属することの情報が含まれる。
【0130】
ステップS654において、サーバ30は、生成した労働条件通知書情報を、ネットワーク80を介して医師側端末装置20に提示する。
【0131】
ステップS601において、医師側端末装置20は、労働条件通知書情報の提示を受けた医師が当該情報の内容に同意する、すなわち患者の診療に対応することに同意する場合、同意する操作を受け付ける。医師であるユーザは、医師側端末装置20を使用して、労働条件通知書情報に同意するための情報を入力し、サーバ30へ送信する。
【0132】
ステップS655において、サーバ30は、ユーザによる同意する操作に応じ、労働条件通知書情報を記憶する。この場合、サーバ30は、同意された内容に基づき、同意情報管理データベース3026を更新するとともに、労働条件通知書情報を記憶する。
【0133】
ステップS656において、サーバ20は、医師が同意した労働条件通知書情報を、医師であるユーザへ送信する。
【0134】
なお、上記処理では、ステップS652の、サーバ30が診療依頼対象の医師を抽出する処理において、患者からの診療要求が訪問診療などの直接診療であるかオンライン診療であるかを確認し、診療要求に合致する診療方法に対応できる医師を抽出する処理を実行することもできる。
【0135】
<3.2 動作例2>
図11は、サーバ30を介した、対応する医師から、労働条件通知書情報への同意を得るための処理の流れの他の例を示す図である。以下の例では、予め登録された訪問診療等の予定診療の診療日時のタイミングにおいて、医師に対し、労働条件通知書情報を提示する例を説明する。
【0136】
動作例2は、例えば、患者がかかりつけの医療機関を持っており、訪問診療等で予め診療日時が登録されているが、当該医療機関が登録された診療日時に診療対応できない場合であって、当該医療機関からの依頼として、当該医療機関以外に所属する医師が一時的に当該医療機関に属する医師として診療対応できるように、当該医師に対し、労働条件通知書情報を提示する態様が該当する。
【0137】
ステップS6510において、サーバ30は、訪問診療等の予定診療に関する情報を登録する。登録される情報には、診療対象の患者の情報、診療内容、診療日時等の情報が含まれる。
【0138】
ステップS6520において、サーバ30は、登録された予定診療日時の当日となったタイミングにおいて、患者を担当する医療機関を特定し、当該医療機関と提携する医師を診療依頼対象として抽出する。医師の抽出に際して、当該医療機関が指定医師を登録している場合には、指定医師の中から最も優先度の高い医師を抽出することができる。一方、当該医療機関が指定医師を登録していない場合には、診療対応可能な医師として登録されている対象の中から当該医師が診療対応可能な時間帯の情報等を参照して医師を抽出する。ステップS6520の処理を実行する前に、サーバ30は、患者を担当する医療機関が予定された診療日時に患者の診療に対応できるか否かを判定し、当該医療機関が診療に対応できない場合に、ステップS6520の処理を実行することもできる。
【0139】
ステップS6530において、サーバ30は、医療機関に関する情報と抽出した医師に関する情報とに基づき労働条件通知書情報を生成する。提示される労働条件通知書情報には、患者の診療に関する情報のほか、依頼する医療機関に一時的に属することの情報が含まれる。
【0140】
ステップS6540において、サーバ30は、生成した労働条件通知書情報を、ネットワーク80を介して医師側端末装置20に提示する。
【0141】
以降の処理(ステップS601以降の処理)は、動作例1と同じであるため説明を省略する。
【0142】
なお、上記処理では、ステップS6520の、サーバ30が診療依頼対象の医師を抽出する処理において、予定診療が訪問診療などの直接診療であるかオンライン診療であるかを確認し、予定診療に合致する診療方法に対応できる医師を抽出する処理を実行することもできる。
【0143】
<3.3 動作例3>
図11は、サーバ30を介した、対応する医師から、労働条件通知書情報への同意を得るための処理の流れの他の例を示す図である。以下の例では、患者からの診療要求を受け付けた医療機関からの診療依頼に応じて、医師に対し、労働条件通知書情報を提示する例を説明する。
【0144】
動作例3は、例えば、患者の所在地(例えば、福岡県)における医療機関が患者からの診療要求を一旦受け付けたが、当該医療機関では診療時間外であるために診療対応ができない場合であって、当該医療機関からの依頼として、当該医療機関以外であって他県の医療機関(例えば、東京都)に所属する医師が一時的に当該医療機関に属する医師としてオンラインで診療対応ができるように、当該医師に対し、労働条件通知書情報を提示する態様が該当する。
【0145】
ステップS701において、医療機関側端末装置40は、患者から診療要求を受け付ける。
【0146】
ステップS702において、医療機関側端末装置40は、サーバ30に対し、診療依頼に関する情報を送信する。
【0147】
ステップS6521において、サーバ30は、診療依頼に関する情報を受信したときに、診療依頼先である医療機関に関する情報に基づき診療依頼対象となる医師を抽出する。医師の抽出に際して、当該医療機関が指定医師を登録している場合には、指定医師の中から最も優先度の高い医師を抽出することができる。一方、当該医療機関が指定医師を登録していない場合には、診療対応可能な医師として登録されている対象の中から当該医師が診療対応可能な時間帯の情報等を参照して医師を抽出する。
【0148】
ステップS6531において、サーバ30は、医療機関に関する情報と抽出した医師に関する情報とに基づき労働条件通知書情報を生成する。提示される労働条件通知書情報には、患者の診療に関する情報のほか、依頼する医療機関に一時的に属することの情報が含まれる。
【0149】
ステップS6541において、サーバ30は、生成した労働条件通知書情報を、ネットワーク80を介して医師側端末装置20に提示する。
【0150】
以降の処理(ステップS601以降の処理)は、動作例1と同じであるため説明を省略する。
【0151】
なお、上記処理では、ステップS6521の、サーバ30が診療依頼対象の医師を抽出する処理において、患者からの診療要求が訪問診療などの直接診療であるかオンライン診療であるかを確認し、診療要求に合致する診療方法に対応できる医師を抽出する処理を実行することもできる。
【0152】
<4 画面例>
図13は、医師側端末装置宛てに提示される労働条件通知書情報の画面例を示す図である。
【0153】
図13の画面例801は、医師側端末装置20に表示する画面である。
図9のステップS653、
図10のステップS6530、
図11のステップS6531の処理に対応する。
【0154】
図13に示すように、医師側端末装置20において、診療を依頼する医師の氏名に関する情報を表示するための領域801Aと、診療を依頼する依頼元に関する情報を表示するための領域801Bと、具体的な就業内容に関する情報を表示するための領域801Cと、提示される労働条件通知書情報への同意の可否を確認するための情報を表示するための領域801Dとを表示させる。
【0155】
領域801Aには、診療を依頼する医師の氏名に関する情報を表示させることができる。画面には、労働条件通知書情報の提示を受けた医師の氏名が表示される。
【0156】
領域801Bには、診療を依頼する依頼元に関する情報を表示させることができる。具体的には、診療を依頼する依頼元である医療機関の事業者名称、医療機関の住所、医療機関の使用者職氏名等に関する情報が表示される。
【0157】
領域801Cには、具体的な就業内容に関する情報を表示させることができる。具体的には、契約期間、診療が予定されている場所である就業場所、従業すべき業務の内容、賃金等の情報が表示される。
【0158】
領域801Dには、提示される労働条件通知書情報への同意の可否を確認するための情報を表示させることができる。具体的には、労働条件通知書情報に同意する処理を行うためのリンク情報(8011D)と、労働条件通知書情報に同意しない処理を行うためのリンク情報(8012D)が表示される。
【0159】
医師は、領域801Aに表示される自身の氏名に関する情報、領域801Bに表示される依頼元である医療機関に関する情報、領域801Cに表示される具体的な就業内容に関する情報を確認した上で、労働条件通知書情報の内容に同意する場合には、「同意する」と表記されるリンク情報8011Dをクリックする操作を行う。同意する操作を行うと、
図13に示す確認画面へと移動する。一方、労働条件通知書情報の内容に同意しない場合には、「同意しない」と表記されるリンク情報8012Dをクリックする操作を行う。
【0160】
図14は、労働条件通知書情報の内容に同意する操作を行うための画面例を示す図である。
【0161】
図14の画面例901は、医師側端末装置20に表示する画面である。
図9等のステップS601の処理に対応する。
【0162】
図14に示すように、医師側端末装置20において、提示された労働条件通知書情報に対する医師の回答に関する情報を表示するための領域901Aと、医師の回答に関する情報の送信の可否を確認する情報を表示するための領域901Bとを表示させる。
【0163】
領域901Aには、提示された労働条件通知書情報に対する医師の回答に関する情報を表示させることができる。具体的には、
図12に示した労働条件通知書情報の表示する画面において、医師が「同意する」操作を行った場合には、「労働条件通知書の内容に同意する」旨の情報が表示される。
【0164】
領域901Bには、領域901Aに表示された医師の回答に関する情報の送信の可否を確認する情報を表示させることができる。具体的には、領域901Aに表示される内容に関する情報を送信する処理を行うためのリンク情報(9011B)と、領域901Aに表示される内容に関する情報を送信しない処理を行うためのリンク情報(9012B)が表示される。
【0165】
医師は、領域901Aに表示される内容、すなわち労働条件通知書の内容に同意する旨の回答を確認した上で、領域901Aに表示される内容に関する情報を送信する場合には、「送信」と表記されるリンク情報9011Bをクリックする操作を行う。送信する操作を行うと、サーバ30へ、労働条件通知書の内容に同意することを示す情報が送信される。一方、領域901Aに表示される内容に関する情報を送信しない場合には、「送信しない」と表記されるリンク情報9012Bをクリックする操作を行う。
【0166】
図15は、労働条件通知書情報の内容に同意しない操作を行うための画面例を示す図である。
【0167】
図15の画面例902は、医師側端末装置20に表示する画面である。
【0168】
図15に示すように、医師側端末装置20において、提示された労働条件通知書情報に対する医師の回答に関する情報を表示するための領域902Aと、労働条件通知書の内容に同意しない理由に関する情報を表示するための領域902Bと、医師の回答に関する情報の送信の可否を確認する情報を表示するための領域902Cとを表示させる。
【0169】
領域902Aには、提示された労働条件通知書情報に対する医師の回答に関する情報を表示させることができる。具体的には、
図12に示した労働条件通知書情報の表示する画面において、医師が「同意しない」操作を行った場合には、「労働条件通知書の内容に同意しない」旨の情報が表示される。
【0170】
領域902Bには、労働条件通知書の内容に同意しない理由に関する情報を表示させることができる。具体的には、例えば、同意しない理由が選択肢として表示され、医師は、「スケジュールが合わないため」、「労働条件に同意できないため」、「その他の理由」のいずれかを選択することができる。「その他の理由」を選択する場合には、具体的な理由を入力することができる。
【0171】
領域901Cには、領域902A、領域902Bに表示された医師の回答に関する情報の送信の可否を確認する情報を表示させることができる。具体的には、領域902A、領域902Bに表示される内容に関する情報を送信する処理を行うためのリンク情報(9021C)と、領域902A、領域902Bに表示される内容に関する情報を送信しない処理を行うためのリンク情報(9022C)が表示される。
【0172】
医師は、領域901Aに表示される内容、すなわち労働条件通知書の内容に同意しない旨の回答に関する情報、領域902Bに表示される労働条件通知書の内容に同意しない理由に関する情報を確認した上で、領域902A、領域902Bに表示される内容に関する情報を送信する場合には、「送信」と表記されるリンク情報9021Bをクリックする操作を行う。送信する操作を行うと、サーバ30へ、労働条件通知書の内容に同意しないことを示す情報が送信される。一方、領域902A、領域902Bに表示される内容に関する情報を送信しない場合には、「送信しない」と表記されるリンク情報9022Bをクリックする操作を行う。
【0173】
これにより、医師は、提示された労働条件通知書情報を確認した後、同意する操作を行うことで速やかに、診療依頼に対する回答を行うことができる。
【0174】
<5 変形例>
本実施形態の変形例について説明する。
【0175】
(1)医師から、労働条件通知書情報に対する同意が得られなかった場合の処理
サーバ30は、依頼先である医療機関と提携する第1の提携医師(第1優先度の医師)から、労働条件通知書情報の内容に同意しない旨の回答を受領した場合、当該医療機関と提携する第2の提携医師(第2優先度の医師)に対し、労働条件通知書情報を提示する処理を実行してもよい。
【0176】
(2)労働条件通知書情報を記憶するタイミングで、依頼先である医療機関にその旨を通知する処理
サーバ30は、医師から、労働条件通知書情報に対する同意する操作を受け付けたときに、労働条件通知書情報を記憶するとともに、依頼先である医療機関に対し、労働条件通知書情報(診療対応)の同意が得られたことを通知する処理を実行してもよい。
【0177】
(3)ユーザが労働条件通知書情報に同意して、所属が一時的に切り替えられたときの処理
サーバ30は、ユーザから、労働条件通知書情報に同意する操作を受け付けたとき、ユーザに対し、依頼先の医療機関に一時的に属する期間において、医療機関が保有する患者の過去の診療履歴に関する医療情報を提示する処理を実行してもよい。これにより、ユーザは、労働条件通知書情報に含まれる労働期間(契約期間)に、患者医療情報管理データベース2023に格納される、患者の過去の診療履歴に関する医療情報を閲覧することができる。
【0178】
(4)労働条件通知書情報の提示に関する他の処理
サーバ30は、ユーザに対して労働条件通知書情報を提示する際に、雇用契約書に関する情報、秘密保持契約書に関する情報などの、ユーザの所属を切り替えるために必要な情報を併せて提示する処理を実行してもよい。これにより、ユーザの所属の切り替えをより円滑に実行することができる。
【0179】
またこの場合において、サーバ30は、ユーザによる患者の診療が終了した後に、ユーザから、診療に関するカルテ情報を受け付け、受け付けたカルテ情報に基づき、患者の過去の診療履歴に関する医療情報を更新する処理を実行してもよい。
【0180】
以上説明したように、本開示の診療依頼システム1によれば、医療機関に所属していない医師であるユーザに対し、患者の診療日時が到来するより前に、患者に対する診療行為を行うための労働条件を示す情報であって患者の前記医療機関に一時的に属することを含む労働条件通知書情報を提示し、ユーザから、診療日時が到来するより前に、労働条件通知書情報に同意する操作を受け付け、当該同意する操作を受け付けることにより、労働条件通知書情報を記憶部に記憶させる処理を行う。このため、医師の所属の切り替えを円滑に実現し、必要なタイミングでの患者の診療対応を実現させることができる。
【0181】
また本開示の診療依頼システム1によれば、患者の前記診療日時が到来するより前が、患者からの診療要求を受け付けるタイミングであり、当該タイミングでユーザに対し、労働条件通知書情報を提示する処理を行う。このため、医師の所属の切り替えを円滑に実現し、必要なタイミングでの患者の診療対応を実現させることができる。
【0182】
また本開示の診療依頼システム1によれば、患者からの診療要求を受け付けるタイミングで、医療機関が患者の診療に対応することができない場合に、ユーザに対し、労働条件通知書情報を提示する処理を行う。このため、患者を担当する医療機関が診療に対応できない場合でも、医師の所属の切り替えを円滑に実現し、必要なタイミングでの患者の診療対応を実現させることができる。
【0183】
また本開示の診療依頼システム1によれば、患者の診療日時が到来するより前が、当該診療日時に基づくタイミングであり、当該タイミングでユーザに対し、労働条件通知書情報を提示する処理を行う。このため、予定診療日時が近づいたタイミングで、医師の所属の切り替えを円滑に実現し、患者の診療対応を実現させることができる。
【0184】
また本開示の診療依頼システム1によれば、患者の診療日時が到来するより前が、患者からの診療要求を受け付けた医療機関からの診療依頼を受け付けるタイミングであり、当該タイミングでユーザに対し、労働条件通知書情報を提示する処理を行う。このため、診療要求を受け付けた医療機関から診療依頼を受けたタイミングで、医師の所属の切り替えを円滑に実現し、患者の診療対応を実現させることができる。
【0185】
また本開示の診療依頼システム1によれば、医師でから同意する操作を受け付けたとき、医師に対し、労働条件通知書情報を送信するステップを実行させる処理を行う。このため、医師が同意した労働条件通知書情報の内容を医師の手元に保管することができる。
【0186】
また本開示の診療依頼システム1によれば、医療機関に関する情報とユーザに関する情報とに基づき、医療機関に一時的に属することを含む労働条件通知書情報を生成する処理を行う。このため、労働条件通知書情報を自動的に生成し、円滑に医師に対して提示することができる。
【0187】
また本開示の診療依頼システム1によれば、ユーザが、医療機関からの診療依頼に応じて診療対応可能な医師として登録されている。このため、患者からの診療要求など、診療が必要とされるタイミングにおいて、医師に対して労働条件通知書情報を提示することで、円滑な診療対応を実現することができる。
【0188】
また本開示の診療依頼システム1によれば、ユーザが、医療機関であって特定の医療機関から指定される医師であって、特定の医療機関からの診療依頼に応じて診療対応可能な医師として登録されている。このため、依頼先である医療機関が希望する医師に対して優先的に診療依頼を行うことができる。
【0189】
また本開示の診療依頼システム1によれば、ユーザが、特定の医療機関が診療依頼する医師の優先順位を表す優先度に関する情報とともに登録されている。このため、依頼先である医療機関が希望する医師に対して優先的に診療依頼を行うことができる。また医師から労働条件通知書情報に対して同意しない旨の回答を受信したとしても次の優先度の医師に対して労働条件通知書情報を提示する処理が実行できるので、漏れのない確実な診療依頼を実現することができる。
【0190】
また本開示の診療依頼システム1によれば、医療機関に関する情報に基づき、登録された診療対応可能な医師の中からユーザを抽出し、医療機関に関する情報と抽出されたユーザに関する情報とに基づき、医療機関に一時的に属することを含む労働条件通知書情報を生成し、生成した労働条件通知書情報をユーザに対し提示する処理を行う。このため、労働条件通知書情報を自動的に生成し、円滑に医師に対して提示することができる。
【0191】
また本開示の診療依頼システム1によれば、労働条件通知書情報が、患者に対する遠隔による診療行為を行うための労働条件を示す情報であって医療機関に一時的に属することを含む情報である。このため、オンラインでの診療にも対応することができ、患者であるユーザの利便性を高めることができる。
【0192】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態およびその変形は、発明の範囲、要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0193】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
プロセッサ(39)と、記憶部(37)とを備えるコンピュータに実行させるためのコンピュータであって、記憶部には、医療機関の患者に対し、当該医療機関が診療を行う診療日時の情報を記憶させており、プログラムは、プロセッサに、医療機関に所属していない医師である第1のユーザに対し、患者の診療日時が到来するより前に、患者に対する診療行為を行うための労働条件を示す第1の情報であって患者の医療機関に一時的に属することを含む第1の情報を提示するステップ(S654)と、第1のユーザから、診療日時が到来するより前に、第1の情報に同意する操作を受け付けるステップ(S601)と、同意する操作を受け付けることにより、第1の情報を記憶部に記憶させるステップ(S655)と、を実行させる、プログラム。
【0194】
(付記2)
前記第1の情報を記憶させるステップにおいて、前記第1の情報を前記第1のユーザに関する情報とともに前記記憶部に記憶させる、付記1に記載のプログラム。
【0195】
(付記3)
患者の診療日時が到来するより前が、患者からの診療要求を受け付けるタイミングである、付記1又は2に記載のプログラム。
【0196】
(付記4)
第1の情報を提示するステップにおいて、患者からの診療要求を受け付けるタイミングで、医療機関が患者の診療に対応することができない場合に、第1のユーザに対し、第1の情報を提示する、付記3に記載のプログラム
【0197】
(付記5)
患者の診療日時が到来するより前が、診療日時に基づくタイミングである、付記1又は2に記載のプログラム。
【0198】
(付記6)
患者の診療日時が到来するより前が、患者からの診療要求を受け付けた医療機関からの診療依頼を受け付けるタイミングである、付記1又は2に記載のプログラム。
【0199】
(付記7)
第1のユーザから同意する操作を受け付けたとき、第1のユーザに対し、第1の情報を送信するステップ(S656)を実行させる、付記1から6のいずれか1つに記載のプログラム。
【0200】
(付記8)
第1の情報を提示するステップにおいて、医療機関に関する情報と第1のユーザに関する情報とに基づき、医療機関に一時的に属することを含む第1の情報を生成するステップと、生成した第1の情報を第1のユーザに対し提示するステップと、を実行させる付記1から7のいずれか1つに記載のプログラム。
【0201】
(付記9)
第1のユーザが、医療機関からの診療依頼に応じて診療対応可能な医師として登録されている、付記1から8のいずれか1つに記載のプログラム。
【0202】
(付記10)
第1のユーザが、医療機関であって特定の医療機関から指定される医師であって、特定の医療機関からの診療依頼に応じて診療対応可能な医師として登録されている、付記9に記載のプログラム。
【0203】
(付記11)
第1のユーザが、特定の医療機関が診療依頼する医師の優先順位を表す優先度に関する情報とともに登録されている、付記10に記載のプログラム。
【0204】
(付記12)
第1の情報を提示するステップにおいて、医療機関に関する情報に基づき、登録された診療対応可能な医師の中から第1のユーザを抽出するステップと、医療機関に関する情報と抽出された第1のユーザに関する情報とに基づき、医療機関に一時的に属することを含む第1の情報を生成するステップと、生成した第1の情報を第1のユーザに対し提示するステップと、を実行させる付記9から11のいずれか1つに記載のプログラム。
【0205】
(付記13)
第1の情報が、患者に対する遠隔による診療行為を行うための労働条件を示す情報であって医療機関に一時的に属することを含む情報である、付記1から12のいずれか1つに記載のプログラム。
【0206】
(付記14)
前記第1のユーザから、前記第1の情報に同意する操作を受け付けたとき、前記第1のユーザに対し、前記医療機関に一時的に属する期間において、前記医療機関が保有する患者の過去の診療履歴に関する医療情報を提示する、付記1から13のいずれか1つに記載のプログラム。
【0207】
(付記15)
前記第1のユーザによる前記患者の診療が終了した後に、前記第1のユーザから、前記診療に関するカルテ情報を受け付け、受け付けたカルテ情報に基づき、前記患者の過去の診療履歴に関する医療情報を更新する、付記14に記載のプログラム。
【0208】
(付記16)
プロセッサ(39)と、記憶部(37)とを備えるコンピュータに実行させるための方法であって、記憶部には、医療機関の患者に対し、当該医療機関が診療を行う診療日時の情報を記憶させており、プロセッサが、医療機関に所属していない医師である第1のユーザに対し、患者の診療日時が到来するより前に、患者に対する診療行為を行うための労働条件を示す第1の情報であって患者の医療機関に一時的に属することを含む第1の情報を提示するステップ(S654)と、第1のユーザから、診療日時が到来するより前に、第1の情報に同意する操作を受け付けるステップ(S601)と、同意する操作を受け付けることにより、第1の情報を記憶部に記憶させるステップ(S655)と、を実行する方法。
【0209】
(付記17)
制御部(39)と、記憶部(37)とを備える情報処理装置であって、記憶部には、医療機関の患者に対し、当該医療機関が診療を行う診療日時の情報を記憶させており、制御部が、医療機関に所属していない医師である第1のユーザに対し、患者の診療日時が到来するより前に、患者に対する診療行為を行うための労働条件を示す第1の情報であって患者の医療機関に一時的に属することを含む第1の情報を提示するステップ(S654)と、第1のユーザから、診療日時が到来するより前に、第1の情報に同意する操作を受け付けるステップ(S601)と、同意する操作を受け付けることにより、第1の情報を記憶部に記憶させるステップ(S655)と、を実行する情報処理装置。
【符号の説明】
【0210】
1:診療依頼システム、10:患者側端末装置、20:医師側端末装置、22:通信IF、23:入力装置、24:出力装置、27:メモリ、28:記憶部、29:プロセッサ、30:サーバ、32:通信IF、33:入出力IF、35:メモリ、36:ストレージ、39:プロセッサ、40:医療機関側端末装置、42:通信IF、43:入力装置、44:出力装置、45:メモリ、46:記憶部、49:プロセッサ、80:ネットワーク、211:アンテナ、212:アンテナ、221:第1無線通信部、222:第2無線通信部、230:操作受付部、231:タッチ・センシティブ・デバイス、232:ディスプレイ、240:音声処理部、241:マイク、242:スピーカ、250:位置情報センサ、260:カメラ、270:記憶部、271:ユーザ情報、272:労働条件通知書情報、281:入力操作受付部、282:送受信部、283:通知制御部、284:データ処理部、301:通信部、302:記憶部、303:制御部、3021:診療要求情報管理データベース、3022:予定診療情報管理データベース、3023:患者医療情報管理データベース、3024:医療機関情報管理データベース、3025:医師情報管理データベース、3026:同意情報管理データベース、3027:労働条件通知書情報、3031:受信制御モジュール、3032:送信制御モジュール、3033:診療要求情報取得モジュール、3034:予定診療情報取得モジュール、3035:患者医療情報取得モジュール、3036:医療機関情報取得モジュール、3037:医師情報取得モジュール、3038:労働条件通知書情報生成モジュール、3039:同意情報取得モジュール