(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173604
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ルーティング経路の決定方法及びネットワーク装置
(51)【国際特許分類】
H04L 45/128 20220101AFI20241205BHJP
H04L 45/42 20220101ALI20241205BHJP
【FI】
H04L45/128
H04L45/42
【審査請求】有
【請求項の数】35
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023201923
(22)【出願日】2023-11-29
(31)【優先権主張番号】63/469,554
(32)【優先日】2023-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】112143660
(32)【優先日】2023-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】506080739
【氏名又は名称】四零四科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Moxa Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】莊 清智
(72)【発明者】
【氏名】施 淵耀
(72)【発明者】
【氏名】洪 崇凱
(72)【発明者】
【氏名】▲ぱーん▼ 愛君
(72)【発明者】
【氏名】林 忠緯
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA14
5K030LB07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】タイムセンシティブネットワーキング(TSN)において生き残り可能なルーティング経路を決定するルーティング経路の決定方法及びネットワーク装置を提供する。
【解決手段】方法は、ネットワークトポロジに基づいて第1の複数のデータストリームの各データストリームのための第1の複数の互いに素な経路ペア候補を決定し、第1の複数のデータストリーム及び複数のバックグラウンドデータストリーム第1の複数の互いに素な経路ペアのために、候補の第1の複数の長さに基づいて複数の最終ルーティング経路ペアを初期化し、第1の複数のパラメータに基づいて複数の仮ルーティング経路ペアを選択し、複数の仮ルーティング経路ペアに基づいて第1の複数のパラメータを更新し、複数の最終ルーティング経路ペアと複数の仮ルーティング経路ペアとを比較し、後者ペアが前者ペアよりも良い場合、後者ペアで前者ペアを更新する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバックグラウンドデータストリームを含むタイムセンシティブネットワーキング(Time-Sensitive Networking:TSN)システムに適用されるネットワーク装置であって、
プログラムコードを実行する処理部と、
前記処理部に接続され、前記処理部がルーティング経路の決定方法を実行するように指示するための前記プログラムコードが記憶された記憶部と、を含み、
前記ルーティング経路の決定方法は、
(a)第1の複数のデータストリームを割り当てる要求を受信するステップと、
(b)前記タイムセンシティブネットワーキングシステムのネットワークトポロジ(network topology)に基づいて、前記第1の複数のデータストリームの各データストリームのための第1の複数の互いに素な経路ペア(edge-disjoint routing path)候補を決定するステップと、
(c)前記第1の複数の互いに素な経路ペア候補の第1の複数の長さに基づいて、前記第1の複数のデータストリーム及び前記複数のバックグラウンドデータストリームのための複数の最終ルーティング経路ペアを初期化するステップと、
(d)第1の複数のパラメータに基づいて、前記第1の複数のデータストリーム及び前記複数のバックグラウンドデータストリームのための複数の仮ルーティング経路ペアを選択するステップと、
(e)前記複数の仮ルーティング経路ペアに基づいて前記第1の複数のパラメータを更新するステップと、
(f)前記複数の最終ルーティング経路ペアと前記複数の仮ルーティング経路ペアとを比較し、前記複数の仮ルーティング経路ペアが前記複数の最終ルーティング経路ペアよりも良い場合、前記複数の仮ルーティング経路ペアで前記複数の最終ルーティング経路ペアを更新するステップと、を含み、
前記タイムセンシティブネットワーキングシステムは、前記複数の最終ルーティング経路に基づいて前記第1の複数のデータストリーム及び前記複数のバックグラウンドデータストリームを伝送する、ネットワーク装置。
【請求項2】
前記ルーティング経路の決定方法は、
タイマが満了する前に、ステップ(f)を実行した後にステップ(d)に戻るステップ、をさらに含む、請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項3】
前記ルーティング経路の決定方法のステップ(b)は、
k個の互いに素な経路ペアのアルゴリズム(Efficient algorithms for listing k disjoint st-paths in graphs by Grossi)に従って、前記第1の複数のデータストリームの各データストリームのための第1の複数の互いに素な経路ペアを取得するステップと、
前記第1の複数のデータストリームの各データストリームのための前記第1の複数の互いに素な経路ペアの複数の長さに基づいて、前記第1の複数のデータストリームの各データストリームのための前記第1の複数の互いに素な経路ペア候補を決定するステップと、を含む、請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項4】
前記第1の複数のデータストリームの各データストリームの前記第1の複数の互いに素な経路ペアの前記複数の長さのうちの各互いに素な経路ペアの長さは、該互いに素な経路ペアの各径路の経路長の合計である、請求項3に記載のネットワーク装置。
【請求項5】
前記各径路の前記経路長は、該各径路のホップのカウント数(number of hop counts)である、請求項4に記載のネットワーク装置。
【請求項6】
前記ルーティング経路の決定方法は、
前記要求を受信する前に、前記複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームのための第2の複数の互いに素な経路ペア候補から、前記複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームを伝送するための現在の互いに素な経路ペアを選択するステップ、をさらに含む、請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項7】
前記ルーティング経路の決定方法のステップ(c)において、前記第1の複数のデータストリームの各データストリームのための第1の複数の互いに素な経路ペア候補の前記第1の複数の長さと、前記複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームのための前記現在の互いに素な経路ペアとに基づいて、前記複数の最終ルーティング経路ペアを初期化する、請求項6に記載のネットワーク装置。
【請求項8】
前記ルーティング経路の決定方法のステップ(d)において、前記第1の複数のデータストリームの各データストリームの前記第1の複数の互いに素な経路ペア候補と、前記複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームの前記第2の複数の互いに素な経路ペア候補とから前記複数の仮ルーティング経路ペアを選択する、請求項6に記載のネットワーク装置。
【請求項9】
前記ルーティング経路の決定方法の前記第1の複数のパラメータは、蟻コロニー最適化(Ant Colony Optimization:ACO)アルゴリズムに基づく、前記複数のバックグラウンドデータストリーム及び前記第1の複数のデータストリームのための複数のフェロモン値(pheromone values)を含む、請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項10】
前記ルーティング経路の決定方法のステップ(d)において、遷移確率(transition probability)に基づいて前記複数の仮ルーティング経路ペアを選択し、前記遷移確率は、前記複数のバックグラウンドデータストリーム及び前記第1の複数のデータストリームのための前記第1の複数のパラメータ及び第2の複数のパラメータに基づいて決定される、請求項9に記載のネットワーク装置。
【請求項11】
前記第2の複数のパラメータは、前記蟻コロニー最適化アルゴリズムに基づく前記複数のバックグラウンドデータストリーム及び前記第1の複数のデータストリームのための複数の可視度値(visibility values)を含む、請求項10に記載のネットワーク装置。
【請求項12】
前記複数の可視度値を計算する際に、
タイムセンシティブネットワーキングデータストリームの互いに素な経路ペアの長さの指数の逆数を該互いに素な経路ペアの可視度値とし、
オーディオビデオブリッジング(Audio video bridging:AVB)データストリームの互いに素な経路ペアの最悪ケース遅延(worst-case delays)の逆数を該互いに素な経路ペアの可視度値とし、
前記複数のバックグラウンドデータストリームの各現在の(current)互いに素な経路ペアの可視度値を好みパラメータに基づいて増加させる、請求項11に記載のネットワーク装置。
【請求項13】
前記ルーティング経路の決定方法のステップ(e)において、前記蟻コロニー最適化アルゴリズムの蒸発係数(evaporation coefficient)に基づいて前記複数のフェロモン値を更新し、前記複数のフェロモン値のうちの前記複数の仮ルーティング経路ペアに対応するフェロモン値を増加させる、請求項9に記載のネットワーク装置。
【請求項14】
前記ルーティング経路の決定方法のステップ(f)において、目的関数に従って比較を行い、
前記複数の仮ルーティング経路ペアが前記複数の最終ルーティング経路ペアよりも良いことは、前記複数の仮ルーティング経路ペアの前記目的関数の数値が前記複数の最終ルーティング経路ペアの前記目的関数の数値よりも小さいことである、請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項15】
前記目的関数は、少なくとも、
スケジューリング不可能なタイムセンシティブネットワーキングデータストリームの数、
スケジューリング不可能なオーディオビデオブリッジングデータストリームの数、
前記複数のバックグラウンドデータストリームのうちの再スケジューリングされたバックグラウンドデータストリームの数、及び
全てのオーディオビデオブリッジングデータストリームの遅延の合計のうちのパラメータの1つを含む、請求項14に記載のネットワーク装置。
【請求項16】
前記ルーティング経路の決定方法は、タイムセンシティブネットワーキングデータストリーム及びオーディオビデオブリッジング(Audio video bridging:AVB)データストリームをサポートするルーティング経路の決定方法である、請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項17】
前記ネットワーク装置は、前記タイムセンシティブネットワーキングの集中型ネットワーク構成(Centralized Network Configuration:CNC)サーバである、請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項18】
前記ルーティング経路の決定方法の前記要求は、前記タイムセンシティブネットワーキングシステムの集中型ユーザ構成(Centralized User Configuration:CUC)サーバから受信される、請求項17に記載のネットワーク装置。
【請求項19】
前記タイムセンシティブネットワーキングシステムが前記複数の最終ルーティング経路に基づいて前記第1の複数のデータストリーム及び前記複数のバックグラウンドデータストリームを伝送するステップは、
前記集中型ネットワーク構成サーバが、前記複数の最終ルーティング経路ペアに基づいて、前記集中型ネットワーク構成サーバに接続された複数のタイムセンシティブネットワーキングブリッジを構成するステップであって、前記複数の最終ルーティング経路ペアは、前記複数のタイムセンシティブネットワーキングブリッジを通過する、ステップ、をさらに含む、請求項17に記載のネットワーク装置。
【請求項20】
複数のバックグラウンドデータストリームを含むタイムセンシティブネットワーキング(Time-Sensitive Networking:TSN)システムに適用されるルーティング経路の決定方法であって、
(a)第1の複数のデータストリームを割り当てる要求を受信するステップと、
(b)前記タイムセンシティブネットワーキングシステムのネットワークトポロジ(network topology)に基づいて、前記第1の複数のデータストリームの各データストリームのための第1の複数の互いに素な経路ペア(edge-disjoint routing path)候補を決定するステップと、
(c)前記第1の複数の互いに素な経路ペア候補の第1の複数の長さに基づいて、前記第1の複数のデータストリーム及び前記複数のバックグラウンドデータストリームのための複数の最終ルーティング経路ペアを初期化するステップと、
(d)第1の複数のパラメータに基づいて、前記第1の複数のデータストリーム及び前記複数のバックグラウンドデータストリームのための複数の仮ルーティング経路ペアを選択するステップと、
(e)前記複数の仮ルーティング経路ペアに基づいて前記第1の複数のパラメータを更新するステップと、
(f)前記複数の最終ルーティング経路ペアと前記複数の仮ルーティング経路ペアとを比較し、前記複数の仮ルーティング経路ペアが前記複数の最終ルーティング経路ペアよりも良い場合、前記複数の仮ルーティング経路ペアで前記複数の最終ルーティング経路ペアを更新するステップと、を含み、
前記タイムセンシティブネットワーキングシステムは、前記複数の最終ルーティング経路に基づいて前記第1の複数のデータストリーム及び前記複数のバックグラウンドデータストリームを伝送する、ルーティング経路の決定方法。
【請求項21】
タイマが満了する前に、ステップ(f)を実行した後にステップ(d)に戻るステップ、をさらに含む、請求項20に記載のルーティング経路の決定方法。
【請求項22】
ステップ(b)は、
k個の互いに素な経路ペアのアルゴリズム(Efficient algorithms for listing k disjoint st-paths in graphs by Grossi)に従って、前記第1の複数のデータストリームの各データストリームのための第1の複数の互いに素な経路ペアを取得するステップと、
前記第1の複数のデータストリームの各データストリームのための前記第1の複数の互いに素な経路ペアの複数の長さに基づいて、前記第1の複数のデータストリームの各データストリームのための前記第1の複数の互いに素な経路ペア候補を決定するステップと、を含む、請求項20に記載のルーティング経路の決定方法。
【請求項23】
前記第1の複数のデータストリームの各データストリームの前記第1の複数の互いに素な経路ペアの前記複数の長さのうちの各互いに素な経路ペアの長さは、該互いに素な経路ペアの各径路の経路長の合計である、請求項22に記載のルーティング経路の決定方法。
【請求項24】
前記各径路の前記経路長は、該各径路のホップのカウント数(number of hop counts)である、請求項23に記載のルーティング経路の決定方法。
【請求項25】
前記要求を受信する前に、前記複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームのための第2の複数の互いに素な経路ペア候補から、前記複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームを伝送するための現在の互いに素な経路ペアを選択するステップ、をさらに含む、請求項20に記載のルーティング経路の決定方法。
【請求項26】
ステップ(c)において、前記第1の複数のデータストリームの各データストリームのための第1の複数の互いに素な経路ペア候補の前記第1の複数の長さと、前記複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームのための前記現在の互いに素な経路ペアとに基づいて、前記複数の最終ルーティング経路ペアを初期化する、請求項25に記載のルーティング経路の決定方法。
【請求項27】
ステップ(d)において、前記第1の複数のデータストリームの各データストリームの前記第1の複数の互いに素な経路ペア候補と、前記複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームの前記第2の複数の互いに素な経路ペア候補とから前記複数の仮ルーティング経路ペアを選択する、請求項25に記載のルーティング経路の決定方法。
【請求項28】
前記第1の複数のパラメータは、蟻コロニー最適化(Ant Colony Optimization:ACO)アルゴリズムに基づく、前記複数のバックグラウンドデータストリーム及び前記第1の複数のデータストリームのための複数のフェロモン値(pheromone values)を含む、請求項20に記載のルーティング経路の決定方法。
【請求項29】
ステップ(d)において、遷移確率(transition probability)に基づいて前記複数の仮ルーティング経路ペアを選択し、前記遷移確率は、前記複数のバックグラウンドデータストリーム及び前記第1の複数のデータストリームのための前記第1の複数のパラメータ及び第2の複数のパラメータに基づいて決定される、請求項28に記載のルーティング経路の決定方法。
【請求項30】
前記第2の複数のパラメータは、前記蟻コロニー最適化アルゴリズムに基づく前記複数のバックグラウンドデータストリーム及び前記第1の複数のデータストリームのための複数の可視度値(visibility values)を含む、請求項29に記載のルーティング経路の決定方法。
【請求項31】
前記複数の可視度値を計算する際に、
タイムセンシティブネットワーキングデータストリームの互いに素な経路ペアの長さの指数の逆数を該互いに素な経路ペアの可視度値とし、
オーディオビデオブリッジング(Audio video bridging:AVB)データストリームの互いに素な経路ペアの最悪ケース遅延(worst-case delays)の逆数を該互いに素な経路ペアの可視度値とし、
前記複数のバックグラウンドデータストリームの各現在の(current)互いに素な経路ペアの可視度値を好みパラメータに基づいて増加させる、請求項30に記載のルーティング経路の決定方法。
【請求項32】
ステップ(e)において、前記蟻コロニー最適化アルゴリズムの蒸発係数(evaporation coefficient)に基づいて前記複数のフェロモン値を更新し、前記複数のフェロモン値のうちの前記複数の仮ルーティング経路ペアに対応するフェロモン値を増加させる、請求項28に記載のルーティング経路の決定方法。
【請求項33】
ステップ(f)において、目的関数に従って比較を行い、
前記複数の仮ルーティング経路ペアが前記複数の最終ルーティング経路ペアよりも良いことは、前記複数の仮ルーティング経路ペアの前記目的関数の数値が前記複数の最終ルーティング経路ペアの前記目的関数の数値よりも小さいことである、請求項20に記載のルーティング経路の決定方法。
【請求項34】
前記目的関数は、少なくとも、
スケジューリング不可能なタイムセンシティブネットワーキングデータストリームの数、
スケジューリング不可能なオーディオビデオブリッジングデータストリームの数、
前記複数のバックグラウンドデータストリームのうちの再スケジューリングされたバックグラウンドデータストリームの数、及び
全てのオーディオビデオブリッジングデータストリームの遅延の合計のうちのパラメータの1つを含む、請求項33に記載のルーティング経路の決定方法。
【請求項35】
前記ルーティング経路の決定方法は、タイムセンシティブネットワーキングデータストリーム及びオーディオビデオブリッジング(Audio video bridging:AVB)データストリームをサポートするルーティング経路の決定方法である、請求項20に記載のルーティング経路の決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルーティング経路の決定方法及びネットワーク装置に関し、特にタイムセンシティブネットワーキングにおいて生き残り可能なルーティング経路を決定するルーティング経路の決定方法及びネットワーク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タイムセンシティブネットワーキング(time-sensitive networking:TSN)は、IEEE 802.1ワーキンググループにおけるTSNワーキンググループにより定義された一連の標準であり、産業用ネットワークにおける安全で重要なリアルタイムアプリケーション(safety-critical real-time applications)の決定的な(deterministic)通信を実現する。タイムセンシティブネットワーキングは、様々なトラフィックタイプ(traffic types)のデータストリーム(streams)をサポートすることができるが、データストリームのためのルーティング経路(routing paths)を決定することは、膨大な計算量及び時間コストを必要とするため、データストリームのルーティング経路をどのように決定するか、及びタイムセンシティブネットワーキングの性能をどのように最適化するかは、従来からこの分野における重要なトピックの1つであった。
【0003】
従来技術では、タイムセンシティブネットワーキングでルーティング経路を決定するための様々な方法を提案しているが、従来技術のほとんどは、オフライン状態(off-line)でのルーティング経路の計画アルゴリズムに関連している。従って、従来技術では、インダストリー4.0に必要な相互運用性及び将来の産業自動化のための動的構成要件(例えば、データストリームを動的に増加させる)に対応できない。また、従来技術では、一般に、単一のトラフィックタイプのデータストリームのルーティング経路計画しか考慮しておらず、例えば、TSNデータストリームのみ、又はオーディオビデオブリッジング(Audio video bridging:AVB)データストリームのみについてルーティング経路計画を行う。従って、この場合、従来技術では、タイムセンシティブネットワーキングについて最も包括的、且つ効果的な利用を行うことができない。
【0004】
一方、TSNワーキンググループは、フレームの複製と信頼性の除去(Frame Replication and Elimination for Reliability:FRER)と呼ばれるフォールトトレラントメカニズム、即ち、IEEE 802.1CB標準を策定している。ここで、データストリームのフレームは、送信側で複製され、異なる経路で受信側に同時に伝送されるため、重要なデータの伝送がより即時性と信頼性を有する。IEEE 802.1CB標準は、タイムセンシティブネットワーキングでの冗長伝送メカニズムを実現しているが、このメカニズムでは、データストリームを伝送するために必要なルーティング経路が倍に増加しているため、ルーティング経路計画を行うために必要な計算量と時間複雑度がさらに増加してしまう。従って、この技術分野が直面している問題を解決するために、計算効率と様々なトラフィックタイプとを両立させることができる、接続状態で(online)のルーティング経路計画アルゴリズムが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3869752号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ROBERTO P GROSSI, ANDREA MARINO, LUCA P VERSARI, Efficient Algorithms for Listing k Disjoint st-Paths in Graphs, LATIN 2018 - 13th Latin American Symposium on Theoretical Informatics, April 2018, P. 544-557, Springer International Publishing, Buenos Aires, Argentina.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の主な目的は、従来技術の欠点を改善するために、様々なトラフィックタイプのデータストリームを考慮し、接続状態において限られている時間で生き残り可能なルーティング経路の計画を行うことができる方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例は、複数のバックグラウンドデータストリームを含むタイムセンシティブネットワーキングシステムに適用されるネットワーク装置であって、プログラムコードを実行する処理部と、前記処理部に接続され、前記処理部がルーティング経路の決定方法を実行するように指示するための前記プログラムコードが記憶された記憶部と、を含み、前記ルーティング経路の決定方法は、(a)第1の複数のデータストリームを割り当てる要求を受信するステップと、(b)前記タイムセンシティブネットワーキングシステムのネットワークトポロジ(network topology)に基づいて、前記第1の複数のデータストリームの各データストリームのための第1の複数の互いに素な経路ペア(edge-disjoint routing path)候補を決定するステップと、(c)前記第1の複数の互いに素な経路ペア候補の第1の複数の長さに基づいて、前記第1の複数のデータストリーム及び前記複数のバックグラウンドデータストリームのための複数の最終ルーティング経路ペアを初期化するステップと、(d)第1の複数のパラメータに基づいて、前記第1の複数のデータストリーム及び前記複数のバックグラウンドデータストリームのための複数の仮ルーティング経路ペアを選択するステップと、(e)前記複数の仮ルーティング経路ペアに基づいて前記第1の複数のパラメータを更新するステップと、(f)前記複数の最終ルーティング経路ペアと前記複数の仮ルーティング経路ペアとを比較し、前記複数の仮ルーティング経路ペアが前記複数の最終ルーティング経路ペアよりも良い場合、前記複数の仮ルーティング経路ペアで前記複数の最終ルーティング経路ペアを更新するステップと、を含み、 前記タイムセンシティブネットワーキングシステムは、前記複数の最終ルーティング経路に基づいて前記第1の複数のデータストリーム及び前記複数のバックグラウンドデータストリームを伝送する、ネットワーク装置を提供する。
【0009】
本発明の実施例は、複数のバックグラウンドデータストリームを含むタイムセンシティブネットワーキングシステムに適用されるルーティング経路の決定方法であって、(a)第1の複数のデータストリームを割り当てる要求を受信するステップと、(b)前記タイムセンシティブネットワーキングシステムのネットワークトポロジに基づいて、前記第1の複数のデータストリームの各データストリームのための第1の複数の互いに素な経路ペア候補を決定するステップと、(c)前記第1の複数の互いに素な経路ペア候補の第1の複数の長さに基づいて、前記第1の複数のデータストリーム及び前記複数のバックグラウンドデータストリームのための複数の最終ルーティング経路ペアを初期化するステップと、(d)第1の複数のパラメータに基づいて、前記第1の複数のデータストリーム及び前記複数のバックグラウンドデータストリームのための複数の仮ルーティング経路ペアを選択するステップと、(e)前記複数の仮ルーティング経路ペアに基づいて前記第1の複数のパラメータを更新するステップと、(f)前記複数の最終ルーティング経路ペアと前記複数の仮ルーティング経路ペアとを比較し、前記複数の仮ルーティング経路ペアが前記複数の最終ルーティング経路ペアよりも良い場合、前記複数の仮ルーティング経路ペアで前記複数の最終ルーティング経路ペアを更新するステップと、を含み、 前記タイムセンシティブネットワーキングシステムは、前記複数の最終ルーティング経路に基づいて前記第1の複数のデータストリーム及び前記複数のバックグラウンドデータストリームを伝送する、ルーティング経路の決定方法をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例に係るタイムセンシティブネットワーキングシステムの概略図である。
【
図2】本発明の実施例に係るネットワークトポロジの概略図である。
【
図3】本発明の実施例に係るプロセスの概略図である。
【
図4】本発明の実施例に係るネットワーク装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
明細書及び後続の特許請求の範囲では、特定の要素を指すために特定の用語が使用される。ハードウェア製造業者が同一のコンポーネントを異なる名詞で呼ぶ可能性があることは、当業者であれば理解できるであろう。本明細書及び後続の特許請求の範囲では、要素を区別する基準は、名称の相違ではなく、要素の機能の相違を用いる。本明細書全体及び後続の特許請求の範囲で言及される「含む」は、非限定的な用語であるため、「…を含むが、…に限定されない」と解釈されるべきである。また、「接続」という用語は、直接的及び間接的な電気的な接続手段を含む。従って、明細書では、第1の装置が第2の装置に接続されていることは、第1の装置が第2の装置に直接的に電気的に接続されていてもよく、或いは他の装置又は接続手段を介して間接的に第2の装置に電気的に接続されてもよいことを意味する。
【0012】
図1は、本発明の実施例に係るタイムセンシティブネットワーキングシステム10の概略図である。
図1に示すように、タイムセンシティブネットワーキングシステム10は、タイムセンシティブネットワーキングの完全に集中化されたモデル(fully centralized model)に従って動作し、簡略的に説明すると、集中型ネットワーク構成(central network controller:CNC)サーバ100、集中型ユーザ構成(Centralized User Configuration:CUC)サーバ110、エッジデバイス(end devices)120、122、及びタイムセンシティブネットワーキングブリッジ(TSN bridges)130、132により構成されてもよい。エッジデバイス120、122、及びタイムセンシティブネットワーキングブリッジ130、132は、物理リンク(links)により接続され、エッジデバイス120、122は、決定的な通信を必要とする時間感知アプリケーションを実行してもよい。
【0013】
図1において、集中型ネットワーク構成サーバ100、集中型ユーザ構成サーバ110、エッジデバイス120、122、及びタイムセンシティブネットワーキングブリッジ130、132は、単にタイムセンシティブネットワーキングシステム10のアーキテクチャを説明するために使用される。実際には、エッジデバイス120、122は、ロボット、センサ、機器又はプログラマブルロジックコントローラ(Programmable Logical Controller:PLC)などの装置であってもよく、他のエンドデバイスとエンドツーエンド(end-to-end)通信を行うことができるが、これらに限定されない。言い換えれば、エッジデバイス120、122は、複数のパラメータによって定義されるデータストリームの送信者(talker)又は受信者(listener)であってもよい。なお、エッジデバイス120、122は、一方のデータストリームの送信者であり、且つ他方のストリームの受信者であってもよく、エンドツーエンド通信において、タイムセンシティブネットワーキングにおける異なるデータストリームの異なる伝送サービス品質(Quality of Service:QoS)の要求を満たすべきである。一般に、データストリームの様々なQoS要求は、データストリームのスケジューリング及びルーティングの基礎として、エッジデバイス120、122に記憶されてもよい。
【0014】
集中型ユーザ構成サーバ110は、集中型ネットワーク構成サーバ100及びエッジデバイス120、122と通信を行い、エッジデバイス120、122からデータストリームに必要なQoS要求を取得してもよい。これによって、集中型ネットワーク構成サーバ100にスケジューリングとルーティング構成を要求し、最後にデータストリームの構成結果をエッジデバイス120、122に再び伝送する。
【0015】
集中型ネットワーク構成サーバ100は、ネットワークのルーティング、スケジューリング、及び構成されるネットワークリソースを計算するネットワーク装置である。集中型ネットワーク構成サーバ100は、集中型ユーザ構成サーバ110及びタイムセンシティブネットワーキングブリッジ130、132と通信を行い、集中型ユーザ構成サーバ110からのデータストリームのQoS要求を取得し、タイムセンシティブネットワーキングブリッジ130、132を構成してもよい。言い換えれば、集中型ネットワーク構成サーバ100は、集中型ユーザ構成サーバ110から取得されたQoS要求に従って、データストリームのスケジューリング及びルーティング経路の計算を実行してネットワーク構成を決定し、ネットワーク構成の結果をタイムセンシティブネットワーキングブリッジ130、132に展開して、データストリームのエンドツーエンド通信を実行する。
【0016】
タイムセンシティブネットワーキングブリッジ130、132は、集中型ネットワーク構成サーバ100からネットワーク構成を受信し、データストリームのトラフィックタイプを識別するイーサネットスイッチ(Ethernet switch)であってもよい。タイムセンシティブネットワーキングブリッジ130、132は、集中型ネットワーク構成サーバ100により決定されたゲート制御リスト(Gate Control List:GCL)に基づいて、データストリームを一方のエンドデバイスから他方のエンドデバイスに伝送し、タイムセンシティブネットワーキングシステム10における決定的な通信を実現する。
【0017】
タイムセンシティブネットワーキングの仕様に応じて、データストリームのトラフィックタイプは、優先度の高い順に、タイムセンシティブネットワーキング、オーディオビデオブリッジング(audio video bridging:AVB)、及びベストエフォート(best effort:BE)という3種類がある。言い換えれば、タイムセンシティブネットワーキングデータストリームのフレームは、オーディオビデオブリッジングデータストリームのフレーム及びベストエフォートデータストリームのフレームよりも先に(preempt)、タイムセンシティブネットワーキングシステム10において優先的に伝送されてもよい。本発明の実施例では、タイムセンシティブネットワーキングシステム10は、タイムセンシティブネットワーキングデータストリーム及びオーディオビデオブリッジングデータストリームの経路決定をサポートすることができる。
【0018】
タイムセンシティブネットワーキングデータストリームλkは、ソースノード(送信者)Ik、宛先ノード(受信者)Jk、サイズ(size)Sk、期間(period)Pk、オフセット(offset)Fk、及び期限(deadline)Dkを含む複数のパラメータに従って定義されてもよい。言い換えれば、サイズSkを有するデータは、時点{Fk,Fk+Pk,Fk+2Pk,…}においてソースノードIkから宛先ノードJkに周期的に送信され、時間単位Dk内で宛先ノードJkに到着する必要がある。
【0019】
オーディオビデオブリッジングデータストリームλkは、例えばソースノードIk、宛先ノードJk、サイズSk、期間Pk、タイプ(例えば、高優先順位レベルA又は低優先順位レベルB)Tk、及び期限Dkなどの複数のパラメータに従って定義されてもよい。言い換えれば、サイズSk及びタイプTkを有するデータは、各時間単位PkにおいてソースノードIkから宛先ノードJkに周期的に送信され、期限Dkの時間単位内で宛先ノードJkに到着する必要がある。
【0020】
図2は、本発明の実施例に係るネットワークトポロジ20の概略図である。
図2に示すように、ネットワークトポロジ20は、物理リンクにより接続された2つのエッジデバイスED1、ED2、及び7つのタイムセンシティブネットワーキングブリッジBR1~BR7を含む。物理リンクは、それぞれ、対応する帯域幅容量(bandwidth capacities)を有する。また、ネットワークトポロジ20は、有向グラフ(directed-graph)としてシミュレートされてもよく、エッジデバイスED1、ED2、及びタイムセンシティブネットワーキングブリッジBR1~BR7は、グラフの頂点(vertices)としてシミュレートされてもよく、物理リンクは、グラフの辺(edges)としてシミュレートされてもよい。なお、
図2は、単なる本発明の概念を説明するためのものであり、実際の応用では、エッジデバイスの数、タイムセンシティブネットワーキングブリッジの数、及び連結方式はこれに限定されない。
【0021】
図2に示すように、エッジデバイスED1からエッジデバイスED2への複数の経路は、例えば、経路{ED1、BR1、BR5、BR3、BR4、ED2}又は経路{ED1、BR1、BR2、BR3、BR6、BR4、ED2}などは、何れもデータストリームST1をソースノードED1から宛先ノードED2へ伝送するために使用されてもよい。1つの態様では、経路P1{ED1、BR1、BR2、BR3、BR4、ED2}及び経路P2{ED1、BR1、BR5、BR6、BR4、ED2}は、生き残り可能な(survivable)ルーティング経路に利用可能な互いに素な経路ペア(edge-disjoint routing path)である。そのうちの経路P1、P2では、エッジデバイスED1、ED2と、エッジデバイスED1、ED2に接続されたタイムセンシティブネットワーキングブリッジBR1、BR4との間のリンク{ED1、BR1}、{BR4、ED2}以外のリンク、何れも異なる(互いに素な)リンクである。データストリームST1のフレームは、タイムセンシティブネットワーキングブリッジBR1で複製され、異なる経路P1、P2で同時に伝送され、タイムセンシティブネットワーキングブリッジBR4で後続のフレームを削除してもよい。これによって、タイムセンシティブネットワーキングでのデータストリームの冗長伝送メカニズムを実現する。このメカニズムでは、単一のネットワークノード又はリンク障害による伝送中断の状況を回避し、データ伝送の信頼性(reliability)を向上させることができる。
【0022】
図2において、経路P1と経路P2に加えて、経路P1とP3{ED1、BR7、ED2}、及び経路P2と経路P3なども、生き残り可能なルーティング経路に利用可能な互いに素な経路ペアである。なお、例えば経路{ED1、BR1、BR5、BR3、BR4、ED2}及び経路{ED1、BR1、BR7、BR6、BR4、ED2}など(図示せず)は、何れもエッジデバイスED1とエッジデバイスED2との間のエンドツーエンドの生き残り可能なルーティング経路に利用可能な互いに素な経路ペアである。従って、実際の応用では、より大規模なネットワークトポロジと膨大な量のデータストリームについて、データストリームを伝送するためにより多くの互いに素な経路ペアを利用する可能性がある。この場合、ルーティング経路の全体的な計画は非常に複雑で時間のかかる問題である。
【0023】
本発明の実施例では、集中型ネットワーク構成サーバ100は、集中型ユーザ構成サーバ110により取得された各データストリームの複数のパラメータに基づいて、各データストリームの生き残り可能なルーティング経路及びスケジューリングを決定し、決定されたルーティング経路及びスケジューリングに基づいて、タイムセンシティブネットワーキングブリッジを構成する。ここで、集中型ネットワーク構成サーバ100は、動的に追加する必要がある第1の複数のデータストリームのためにルーティング経路を決定することに加えて、スケジューリング可能なデータストリームの数を最大化するために、複数のバックグラウンドデータストリームのルーティング経路を考慮する。生き残り可能なルーティング経路及びスケジューリングを決定する方法は、
図3に示すように、プロセス30としてまとめられてもよい。プロセス30は、以下のステップを含む。
【0024】
ステップ300:プロセスを開始する。
【0025】
ステップ302:第1の複数のデータストリームを割り当てる要求を受信する。
【0026】
ステップ304:タイムセンシティブネットワーキングシステムのネットワークトポロジに基づいて、第1の複数のデータストリームの各データストリームのための第1の複数の互いに素な経路ペア候補を決定する。
【0027】
ステップ306:第1の複数の互いに素な経路ペア候補の第1の複数の長さに基づいて、第1の複数のデータストリーム及び複数のバックグラウンドデータストリームのための複数の最終ルーティング経路ペアを初期化する。
【0028】
ステップ308:第1の複数のパラメータに基づいて、第1の複数のデータストリーム及び複数のバックグラウンドデータストリームのための複数の仮ルーティング経路ペアを選択する。
【0029】
ステップ310:複数の仮ルーティング経路ペアに基づいて第1の複数のパラメータを更新する。
【0030】
ステップ312:複数の最終ルーティング経路ペアと複数の仮ルーティング経路ペアとを比較し、複数の仮ルーティング経路ペアが複数の最終ルーティング経路ペアよりも良い場合、複数の仮ルーティング経路ペアで複数の最終ルーティング経路ペアを更新する。
【0031】
ステップ314:タイマが満了したか否かを判断する。YESの場合、ステップ316を実行し、NOの場合、ステップ308を実行し続ける。
【0032】
ステップ316:タイムセンシティブネットワーキングシステムは、複数の最終ルーティング経路に基づいて第1の複数のデータストリーム及び複数のバックグラウンドデータストリームを伝送する。
【0033】
ステップ318:プロセスを終了する。
【0034】
プロセス30によれば、集中型ネットワーク構成サーバ100は、タイムセンシティブネットワーキングシステム10に動的に参加する必要がある第1の複数のデータストリームを割り当てる要求を受信し(ステップ302)、要求の内容及びタイムセンシティブネットワーキングシステム10のネットワークトポロジに基づいて、第1の複数のデータストリームの各データストリームのための第1の複数の互いに素な経路ペア候補を決定する(ステップ304)。集中型ネットワーク構成サーバ100は、第1の複数の互いに素な経路ペア候補の第1の複数の長さに基づいて、第1の複数のデータストリーム及び複数のバックグラウンドデータストリームのための複数の最終ルーティング経路ペアを初期化する(ステップ306)。次に、集中型ネットワーク構成サーバ100は、第1の複数のパラメータに基づいて、第1の複数のデータストリーム及び複数のバックグラウンドデータストリームのための複数の仮ルーティング経路ペアを選択し(ステップ308)、複数の仮ルーティング経路ペアに基づいて、第1の複数のパラメータを更新する(ステップ310)。集中型ネットワーク構成サーバ100は、複数の最終ルーティング経路ペアと複数の仮ルーティング経路ペアとを比較し、その中から最適な仮ルーティング経路ペアを選択して複数の最終ルーティング経路ペアを更新する(ステップ312)。集中型ネットワーク構成サーバ100は、タイマが満了する前に、最適な複数の最終ルーティング経路ペアを継続的に探索するように、ステップ308~ステップ312を繰り返す(ステップ314)。最後に、タイムセンシティブネットワーキングシステム10は、タイマが満了した後、その時点で見つかった最適な複数の最終ルーティング経路ペアに基づいて、第1の複数のデータストリーム及び複数のバックグラウンドデータストリームを構成して伝送する(ステップ316)。これによって、タイムセンシティブネットワーキングシステム10は、データストリームを動的に新たに追加することができ、新たに追加されたデータストリーム及びバックグラウンドデータストリームの両方を考慮して、全てのデータストリームのためにルーティング経路、スケジューリング及び構成を効率的に決定することができる。
【0035】
具体的には、ステップ302において、集中型ネットワーク構成サーバ100は、第1の複数のストリームを割り当てる要求を受信する。本発明の実施例は、タイムセンシティブネットワーキングの完全集中モードを一例として説明する。集中型ユーザ構成サーバ110は、エッジデバイス120、122からデータストリームを構成するための要求を取得し、この要求に従って、第1の複数のデータストリームを割り当てる要求を集中型ネットワーク構成サーバ100に送信するが、これに限定されない。例えば、集中型ネットワーク/分散型ユーザモデル(centralized network/distributed user model)などのタイムセンシティブネットワーキングの異なるモデルに応じて、集中型ネットワーク構成サーバ100は、タイムセンシティブネットワーキングブリッジ130、132から第1の複数のデータストリームを割り当てる要求を受信してもよい。
【0036】
ステップ304において、集中型ネットワーク構成サーバ100は、タイムセンシティブネットワーキングシステム10のネットワークトポロジに基づいて、第1の複数のデータストリームの各データストリームのための第1の複数の互いに素な経路ペア候補を決定する。上述したように、より大規模なタイムセンシティブネットワーキングシステムでは、各データストリームについて、データを伝送するために利用可能な複数の互いに素な経路ペアを有する可能性がある。従って、第1の複数のデータストリームの各データストリームに利用可能な第1の複数の互いに素な経路ペアの全てに基づいてルーティング経路を決定する方法に比べて、本発明の実施例は、第1の複数の互いに素な経路ペアから第1の複数の互いに素な経路ペア候補を決定することによって、ルーティング経路の決定の複雑さを低減させることができる。
【0037】
具体的には、本発明の実施例では、k個の互いに素な経路ペアのアルゴリズム(Efficient algorithms for listing k disjoint st-paths in graphs by Grossi et al.)に従って、該第1の複数のデータストリームの各データストリームのための第1の複数の互いに素な経路ペアを取得する。k個の互いに素な経路ペアのアルゴリズムは、唯一(unique)と網羅的(exhaustive)の特性を有し、k個の互いに素な経路ペアのアルゴリズムにより得られた互いに素な経路ペアは全て生き残り可能な経路に適した経路である。しかし、k個の互いに素な経路ペアのアルゴリズムは、k個の最短の経路長の互いに素な経路ペアを取得することを保証できない。タイムセンシティブネットワーキングでは、短い経路長を有する経路伝送を使用することによって、スケジューリングの競合を低減させ、ネットワーク全体のスケジューリング能力(schedulability)を向上させることができる。従って、本発明の実施例は、偏差パーティショニング(deviation partitioning)の技術により、k個の互いに素な経路ペアのアルゴリズムは、互いに素な経路ペアの長さに基づいて、最短の経路長を有するk個の互いに素な経路ペアを、互いに素な経路ペア候補として昇順(ascending order)に出力する。これによって、第1の複数のデータストリームの各データストリームのための第1の複数の互いに素な経路ペアの複数の長さに基づいて、第1の複数のデータストリームの各データストリームのための第1の複数の互いに素な経路ペア候補を決定することができる。互いに素な経路ペアは、2つのリンクが重複しない、互いに素な経路により構成され、互いに素な経路ペアの長さは、この2つのリンクが重複しない、互いに素な経路の長さの合計である。本発明の実施例では、経路の長さは、該経路のホップのカウント数(number of hop counts)を使用して計算されてもよいが、これに限定されない。
【0038】
プロセス30によれば、ステップ306において、集中型ネットワーク構成サーバ100は、第1の複数の互いに素な経路ペア候補の第1の複数の長さに基づいて、第1の複数のデータストリーム及び複数のバックグラウンドデータストリームのための複数の最終ルーティング経路ペアを初期化する。上述したように、タイムセンシティブネットワーキングシステム10のネットワークトポロジは、有向グラフとしてシミュレートされてもよく、ネットワークトポロジに基づいて各データストリームのためにルーティング経路を決定するプロセスは、有向グラフにおいて最適な利用可能な経路について解を求めるプロセスであり、本発明の実施例における第1の複数のデータストリーム及び複数のバックグラウンドデータストリームのための複数の最終ルーティング経路ペアは、問題の解である。本発明の実施例では、第1の複数のデータストリームの各データストリームのために、第1の複数の互いに素な経路ペア候補のうちの最短の経路長を有する互いに素な経路ペアを、複数の最終ルーティング経路ペアにおける第1の複数のデータストリームのルーティング経路として選択し、また、複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームのために各データストリームの現在の互いに素な経路ペアを、複数の最終ルーティング経路ペアにおける複数のバックグラウンドデータストリームのルーティング経路として選択し、これによって、複数の最終ルーティング経路ペアを初期化する。複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームの現在の互いに素な経路ペアは、集中型ネットワーク構成サーバ100が第1の複数のデータストリームを割り当てる要求を受信する前に、複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームのための第2の複数の互いに素な経路ペア候補から、プロセス30により選択された、該複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームを伝送するための現在の互いに素な経路ペアである。
【0039】
本実施例では、集中型ネットワーク構成サーバ100は、複数の最終ルーティング経路ペアを初期化することに加えて、第1の複数のパラメータ及び第2の複数のパラメータを初期化する必要がある。第1の複数のパラメータは、蟻コロニー最適化(Ant Colony Optimization:ACO)アルゴリズムに基づく、複数のバックグラウンドデータストリーム及び第1の複数のデータストリームのための複数のフェロモン値(pheromone values)を含む。具体的には、複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームの第2の複数の互いに素な経路ペア候補の各互いに素な経路ペアのフェロモン値は既知の数値であり、第1の複数のデータストリームの各データストリームの第1の複数の互いに素な経路ペア候補の各互いに素な経路ペアのフェロモン値は1に初期化されてもよいが、これに限定されない。
【0040】
第2の複数のパラメータは、蟻コロニー最適化アルゴリズムに基づく複数のバックグラウンドデータストリーム及び第1の複数のデータストリームのための複数の可視度値(visibility values)を含む。具体的には、データストリームがオーディオビデオブリッジングデータストリームに属する場合、対応する互いに素な経路ペア候補の各互いに素な経路ペアの可視度値は、該互いに素な経路ペアの最悪ケース遅延(worst-case delays)の逆数であってもよい。データストリームがタイムセンシティブネットワーキングデータストリーム又は他のトラフィックタイプに属する場合、対応する互いに素な経路ペア候補の各互いに素な経路ペアの可視度値は、該互いに素な経路ペアの経路長の指数の逆数であってもよい。また、複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームの現在の互いに素な経路ペアの可視度値を好みパラメータに乗算してもよい。ここで、好みパラメータは、経験則により予め決定されてもよく、これによって、複数のバックグラウンドデータストリームの現在使用されている互いに素な経路ペアの可視度値を向上させ、現在使用されている互いに素な経路ペアが蟻コロニー最適化アルゴリズムにより再び選択される機会を向上させることができる。このメカニズムによれば、複数のバックグラウンドデータストリームのルーティング経路が置き換えられることを低減させることができる。1つの態様では、複数のバックグラウンドデータストリームのルーティング経路が置き換えられる確率を調整するように、複数のバックグラウンドデータストリームが再びルーティングされるコストに基づいて、好みパラメータを決定してもよい。
【0041】
プロセス30によれば、ステップ308において、集中型ネットワーク構成サーバ100は、第1の複数のパラメータに基づいて、第1の複数のデータストリーム及び複数のバックグラウンドデータストリームのための複数の仮ルーティング経路のペアを選択する。本発明の実施例では、複数の仮ルーティング経路ペアの選択は、第1の複数のデータストリームの各データストリームの第1の複数の互いに素な経路ペア及び複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームの第2の複数の互いに素な経路ペアから、各データストリームのために互いに素な経路ペアを複数の仮ルーティング経路として選択することである。ここで、各データストリームの互いに素な経路ペアは、遷移確率(transition probability)に基づいて選択され、遷移確率は、複数のバックグラウンドデータストリーム及び第1の複数のデータストリームのための第1の複数のパラメータ及び第2の複数のパラメータに基づいて決定される。遷移確率は、以下の式に従って計算されてもよい。
【0042】
【数1】
ここで、χ[λ
k]はデータストリームλ
kの複数の互いに素な経路ペア候補を表し、ψ[λ
k][z]はデータストリームλ
kのz番目の互いに素な経路ペア候補の可視度値を表し、φ[λ
k][z]はデータストリームλ
kのz番目の互いに素な経路ペア候補のフェロモン値を表し、Probabilityはデータストリームλ
kのz番目の互いに素な経路ペア候補の遷移確率を表す。集中型ネットワーク構成サーバ100は、第1の複数のデータストリーム及び複数のバックグラウンドデータストリームの各データストリームに基づいて、遷移確率が最大の互いに素な経路ペア候補を複数の仮ルーティング経路ペアとして選択する。
【0043】
プロセス30によれば、ステップ310において、集中型ネットワーク構成サーバ100は、複数の仮ルーティング経路ペアに基づいて第1の複数のパラメータを更新する。ここで、該複数のフェロモン値は、蟻コロニー最適化アルゴリズムの蒸発係数(evaporation coefficient)に基づいて更新される。蒸発係数は、予め決められた値であり、その値は0~1の間の値であってもよく、蟻コロニー最適化アルゴリズムの各反復において複数のバックグラウンドデータストリーム及び第1の複数のデータストリームの各データストリームの全ての互いに素な経路ペア候補のフェロモン値を減少させるために用いられる。データストリームλ
kのz番目の互いに素な経路ペア候補の更新されたフェロモン値はρ・φ[λ
k][z]であってもよく、ここで、ρは蒸発係数であってもよい。また、ステップ308において選択された複数の仮ルーティング経路ペアに対応するフェロモン値は、例えば、
(外1)
などの所定の値に基づいてさらに増加してもよく、ここで、costは増分パラメータである。
【0044】
次に、ステップ312において、集中型ネットワーク構成サーバ100は、複数の最終ルーティング経路ペアと複数の仮ルーティング経路ペアとを比較し、複数の仮ルーティング経路ペアが複数の最終ルーティング経路ペアよりも良い場合、複数の仮ルーティング経路ペアで複数の最終ルーティング経路ペアを更新する。ここで、目的関数に従って複数の最終ルーティング経路ペアと複数の仮ルーティング経路ペアとを比較し、複数の仮ルーティング経路ペアが複数の最終ルーティング経路ペアよりも良いことは、複数の仮ルーティング経路ペアの目的関数の数値が複数の最終ルーティング経路ペアの目的関数の数値よりも小さいことである。
【0045】
具体的には、本発明の実施例の目的関数は、以下のように表されてもよい。
【0046】
Objective( )=W1O1+W2O2+W3O3+W4O4 (式2)
ここで、Objective( )は目的関数を表し、O1、O2、O3及びO4は、それぞれ、スケジューリング不可能なタイムセンシティブネットワーキングデータストリームの数、スケジューリング不可能なオーディオビデオブリッジングデータストリームの数、該複数のバックグラウンドデータストリームのうちの再スケジューリングされたバックグラウンドデータストリームの数、及び全てのオーディオビデオブリッジングデータストリームの遅延の合計を表すが、これらに限定されない。なお、データストリームのスケジューリング能力は、データストリームの最悪ケースの遅延及びデータストリームの期限Dkにより決定される。最悪の場合の遅延が期限Dk以下である場合、データストリームはスケジューリング可能なデータストリームである。最悪の場合の遅延が期限Dkよりも大きい場合、データストリームはスケジューリング不可能なデータストリームである。なお、最悪の場合の遅延は、タイムセンシティブネットワーキングのタイミングモデル(timing model)に依存する。また、W1、W2、W3及びW4は、それぞれ、O1、O2、O3及びO4に対応する重み値を表し、以下のように制限される。
【0047】
【数2】
ここで、
(外2)
は第1の複数のデータストリームのうちのオーディオビデオブリッジングデータストリームの集合を表し、
(外3)
は複数のバックグラウンドデータストリームのうちのオーディオビデオブリッジングストリームの集合を表し、
(外4)
は複数のバックグラウンドデータストリームの集合を表す。
【0048】
集中型ネットワーク構成サーバ100は、式2及び式3で定義される目的関数に従って複数の仮ルーティング経路ペア及び複数の最終ルーティング経路ペアの目的関数の値をそれぞれ計算し、複数の仮ルーティング経路ペアの目的関数の値が複数の最終ルーティング経路ペアの目的関数の値よりも小さい場合、複数の仮ルーティング経路ペアが複数の最終ルーティング経路ペアよりも良いことを意味するため、複数の最終ルーティング経路ペアを複数の仮ルーティング経路ペアで更新する。
【0049】
プロセス30によれば、ステップ314において、集中型ネットワーク構成サーバ100は、所定のタイマが満了したか否かに基づいて、反復を継続するか否かを決定する。タイマが満了する前に、集中型ネットワーク構成サーバ100は、より良い複数の最終ルーティング経路ペアを取得するために、ステップ308~ステップ312を実行し続ける。タイマが満了すると、タイムセンシティブネットワーキングシステム10は、ステップ316において、複数の最終ルーティング経路ペアに基づいてネットワーク構成を行ってもよい。具体的には、集中型ネットワーク構成サーバ100は、複数の最終ルーティング経路ペアのルーティング経路及びスケジューリングに基づいて、集中型ユーザ構成サーバ110により送信された第1の複数のデータストリームを割り当てる要求に応答し、集中型ユーザ構成サーバ110は、関連するネットワーク構成をエッジデバイス120、122に伝送する。また、集中型ネットワーク構成サーバ100は、複数の最終ルーティング経路ペアのルーティング経路及びスケジューリング構成に基づいて、タイムセンシティブネットワーキングブリッジ130、132に展開する。なお、集中型ネットワーク構成サーバ100は、動的に追加された複数の第1の複数のデータストリームと、ルーティング経路が変更されたバックグラウンドデータストリームとが通過したタイムセンシティブネットワーキングブリッジのみに対して構成を行ってもよい。
【0050】
これによって、タイムセンシティブネットワーキングシステム10は、データストリームを動的に新たに追加することができ、新たに追加されたデータストリーム及びバックグラウンドデータストリームの両方を考慮して、限られた時間内に全てのデータストリームのためにルーティング経路、スケジューリング及び構成を決定することができる。
【0051】
図4は、本発明の実施例に係るネットワーク装置40の概略図である。ネットワーク装置40は、本発明の実施例に係る集中型ネットワーク構成サーバ100を実現するために使用されてもよい。
図4に示すように、ネットワーク装置40は、処理部400及び記憶部410を含んでもよい。処理部400は、汎用プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)など又はそれらの組み合わせであってもよい。記憶部410は、処理部400に接続され、プログラムコード412を記憶し、処理部400によりプログラムコード412を読み取り、実行するための任意のデータ記憶装置であってもよい。例えば、記憶部410は、読出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ(flash memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスク及び光データ記憶装置(optical data storage device)、及び不揮発性記憶部等であってもよいが、これらに限定されない。
【0052】
ネットワーク装置40は、本発明の実施例を実現するために必要な要素を表すために使用され、当業者は様々な修飾、調整を行ってもよいが、これに限定されない。例えば、集中型ネットワーク構成サーバ100がネットワーク装置40で実現される場合、プロセス30は、プログラムコード412にコンパイルされ、記憶部410に記憶され、ルーティング経路の決定方法は、処理部400によって実行されてもよい。また、記憶部410は、ルーティング経路の決定方法の実行に必要なデータ及びパラメータを記憶するためにも使用され、これに限定されない。
【0053】
以上のことから、本発明に係るルーティング経路の決定方法及び装置によれば、様々なトラフィックタイプのデータストリームを考慮し、接続状態において限られている時間で生き残り可能なルーティング経路の計画を行うことができる。これによって、本発明は、従来技術の問題点を解決することができる。
【0054】
以上は本発明の好ましい実施例を説明しているが、本発明の特許請求の範囲に基づいて均等的に変更、変形されたものは全て本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0055】
10:タイムセンシティブネットワーキングシステム
100:集中型ネットワーク構成サーバ
110:集中型ユーザ構成サーバ
120、122:エッジデバイス
130、132:タイムセンシティブネットワーキングブリッジ
20:ネットワークトポロジ
ED1、ED2:エッジデバイス
BR1~BR7:タイムセンシティブネットワーキングブリッジ
ST1:データストリーム
P1~P3:経路
30:プロセス
300~314:ステップ
40:ネットワーク装置
400:処理部
410:記憶部
412:プログラムコード