(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173606
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】サイリスタ用のサージ抑制回路
(51)【国際特許分類】
H02M 1/00 20070101AFI20241205BHJP
【FI】
H02M1/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023202576
(22)【出願日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】112120417
(32)【優先日】2023-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523433790
【氏名又は名称】台亞半導體股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan-Asia Semiconductor Corporation
【住所又は居所原語表記】No. 1, Li-Hsin 5th Rd., Hsinchu Science Park, Hsinchu City 30078, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】▲ヂャン▼詠舜
(72)【発明者】
【氏名】王地寶
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼信銘
【テーマコード(参考)】
5H740
【Fターム(参考)】
5H740BA01
5H740BA12
5H740BB01
5H740BC01
5H740BC02
5H740KK01
5H740MM01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】サージ電流を吸収して部品の誤動作を防止することができるサージ抑制回路を提供する。
【解決手段】サイリスタ300は、は、第1交流電圧端子AC1と第2交流電圧端子AC2との間に接続される。サージ抑制回路100は、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)110、抵抗130、ツェナーダイオード150及びコンデンサ構造170を備える。MOSFETは、サイリスタのベースと第2交流電圧端子との間に電気的に接続されている。抵抗は、MOSFETのゲートと第2交流電圧端子との間に電気的に接続されている。ツェナーダイオードは、MOSFETのゲートと第2交流電圧端子との間に電気的に接続されている。コンデンサ構造は、MOSFETのゲートと基板端子との間に位置する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイリスタ用のサージ抑制回路であって、前記サイリスタは、第1交流電圧端子と第2交流電圧端子との間に接続され、第1バイポーラトランジスタ(bipolar junction transistor,BJT)及び第2バイポーラトランジスタを有し、
前記サージ抑制回路は、
前記第2バイポーラトランジスタのベースと前記第2交流電圧端子との間に電気的に接続されている金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor,MOSFET)と、
前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタのゲートと前記第2交流電圧端子との間に電気的に接続されている抵抗と、
前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタの前記ゲートと前記第2交流電圧端子との間に電気的に接続されているツェナーダイオードと、
前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタの前記ゲートと基板端子との間に位置するコンデンサ構造と、を備えるサージ抑制回路。
【請求項2】
前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタは、ドレインとソースを有し、前記ドレインは、前記第2バイポーラトランジスタの前記ベースに電気的に接続され、前記ソースは、前記第2交流電圧端子に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のサージ抑制回路。
【請求項3】
前記抵抗は、前記ツェナーダイオードと並列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のサージ抑制回路。
【請求項4】
前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタは、エンハンスメント型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載のサージ抑制回路。
【請求項5】
前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタは、N型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(NMOSFET)であることを特徴とする請求項1に記載のサージ抑制回路。
【請求項6】
前記コンデンサ構造は、寄生コンデンサであり、前記寄生コンデンサは、回路レイアウトによって前記サージ抑制回路内に形成されることを特徴とする請求項1に記載のサージ抑制回路。
【請求項7】
前記コンデンサ構造は、P型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(PMOSFET)構造で前記回路レイアウトによって形成されることを特徴とする請求項6に記載のサージ抑制回路。
【請求項8】
前記コンデンサ構造は、金属層、第1酸化物層、第2酸化物層、及びN型基板で構成されることを特徴とする請求項6に記載のサージ抑制回路。
【請求項9】
前記コンデンサ構造は、金属層、酸化物層、及びN型ドープ領域で構成されることを特徴とする請求項6に記載のサージ抑制回路。
【請求項10】
前記抵抗は、前記コンデンサ構造によって生成される誘導電流に応じて、前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを駆動することを特徴とする請求項1に記載のサージ抑制回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイリスタ用のサージ抑制回路に関し、特にサージ電流を吸収して部品の誤動作を防止することができるサージ抑制回路に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な双方向フォトトライアック(Photo Triac)は、マイクロコントローラーの低電圧側で駆動されるIR-LED光信号で、高電圧AC負荷の電力密度を制御する。サージが発生すると、場合によっては双方向フォトトライアック(Photo Triac)のdv/dtの許容範囲を超え、チップや他の接続部品に損傷や故障が生じることがある。
図1に示す電流dv/dt保護回路は、シーメンス社によって提案され、米国特許第4,578,569号の明細書に開示されている。
【0003】
図1の回路は、デプレッション型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ510、エンハンスメント型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ520、ツェナーダイオード530、及びコンデンサ540を組み合わせたdv/dt抑制回路である。しかし、デプレッション型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを使用する場合、製造プロセスにフォトマスクを追加する必要があるため、回路全体の製造コストが増加する。
【0004】
上記事情に鑑みて、本発明は、デプレッション型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタに代わり、コンデンサの構造を改善できるサージ抑制回路を提案する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、既存のdv/dt抑制回路で使用されているデプレッション型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタの代わりに抵抗を使用し、フォトマスクを削減し、製造プロセスを簡略化することが可能なサージ抑制回路を提供することにある。なお、本発明では、コンデンサの代わりにP型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを使用するため、コンデンサの面積を小さくし、チップサイズを縮小することができる。それによって、本発明に係るサージ抑制回路は、製造プロセスを簡略化し、コンデンサの面積を小さくし、全体の製造コストを低減することができる。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、サイリスタ用のサージ抑制回路を開示する。前記サイリスタは、第1交流電圧端子と第2交流電圧端子との間に接続され、第1バイポーラトランジスタ(bipolar junction transistor,BJT)及び第2バイポーラトランジスタを有する。前記サージ抑制回路は、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor,MOSFET)、抵抗、ツェナーダイオード、及びコンデンサ構造を備える。前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタは、前記第2バイポーラトランジスタのベースと前記第2交流電圧端子との間に電気的に接続されている。前記抵抗は、前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタのゲートと前記第2交流電圧端子との間に電気的に接続されている。前記ツェナーダイオードは、前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタの前記ゲートと前記第2交流電圧端子との間に電気的に接続されている。前記コンデンサ構造は、前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタの前記ゲートと基板端子との間に位置する。
【0007】
本発明の実施例において、前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタは、ドレインとソースを有し、前記ドレインは、前記第2バイポーラトランジスタの前記ベースに電気的に接続され、前記ソースは、前記第2交流電圧端子に電気的に接続されている。
【0008】
本発明の実施例において、前記抵抗は、前記ツェナーダイオードと並列に接続されている。
【0009】
本発明の実施例において、前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタは、エンハンスメント型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタである。
【0010】
本発明の実施例において、前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタは、N型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(NMOSFET)である。
【0011】
本発明の実施例において、前記コンデンサ構造は、寄生コンデンサであり、前記寄生コンデンサは、回路レイアウトによって前記サージ抑制回路内に形成される。
【0012】
本発明の実施例において、前記コンデンサ構造は、P型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(PMOSFET)構造で前記回路レイアウトによって形成される。
【0013】
本発明の実施例において、前記コンデンサ構造は、金属層、第1酸化物層、第2酸化物層、及びN型基板で構成される。
【0014】
本発明の実施例において、前記コンデンサ構造は、金属層、酸化物層、及びN型ドープ領域で構成される。
【0015】
本発明の実施例において、前記抵抗は、前記コンデンサ構造によって生成される誘導電流に応じて、前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを駆動する。
【0016】
当業者は、図面および後述する実施態様を参照すれば、本発明の他の目的、および本発明の技術的手段と実施態様を理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の内容を実施例を通じて説明する。本発明の実施例は、実施例で説明したような環境、用途、または特定の態様に限定することを意図するものではない。従って、実施例の説明は、本発明を説明するためのものであるが、本発明を限定するものではない。なお、実施形態及び図面において、本発明と直接関係のない構成要素は省略され、図示されていない。図面における各構成要素の寸法の関係は、理解を容易にするためのものであり、実際の寸法を限定するものではない。
【0019】
本発明の第1実施例を
図2及び
図3に示す。
図2は、本発明に係るサージ抑制回路100を示す模式図である。サージ抑制回路100は、フォトトライアック(Photo Triac)などのサイリスタ300を、サージによって発生するベース電流による部品の誤動作から保護するために使用される。サイリスタ300は、第1交流電圧端子AC1と第2交流電圧端子AC2との間に接続され、第1バイポーラトランジスタ(bipolar junction transistor,BJT)310及び第2バイポーラトランジスタ330を有する。
【0020】
具体的に、サイリスタ300は、第1ピンT1と第2ピンT2を有する。第1ピンT1は、第1交流電圧端子AC1に接続される。第2ピンT2は、第2交流電圧端子AC2に接続される。サイリスタ300は、
図2に示す回路と等価である。第1バイポーラトランジスタ310のベースは、第2バイポーラトランジスタ330のコレクタに接続される。第1バイポーラトランジスタ310のコレクタは、第2バイポーラトランジスタ330のベースに接続される。
【0021】
サージ抑制回路100は、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor,MOSFET)110、抵抗130、ツェナーダイオード150、及びコンデンサ構造170を備える。金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ110は、第2バイポーラトランジスタ330のベースと第2交流電圧端子AC2との間に電気的に接続されている。
【0022】
詳しくは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ110は、ドレインとソースを有する。ドレインは、第2バイポーラトランジスタ330のベースに電気的に接続されている。ソースは、第2交流電圧端子AC2に電気的に接続されている。金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ110は、N型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(NMOSFET)である。なお、本発明において、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ110は、エンハンスメント型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(enhancement type MOSFET)である。
【0023】
ツェナーダイオード150は、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ110のゲートと第2交流電圧端子AC2との間に電気的に接続されている。ツェナーダイオード150は、抵抗130と並列に接続されているため、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ110のゲートの絶縁破壊を防止することが可能である。
【0024】
コンデンサ構造170は、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ110のゲートと基板端子との間に位置し、dv/dtの変化を感知し、対応する感知電流を生成する。
図2に示すように、コンデンサ構造170の一端は、第1バイポーラトランジスタ310のベースに接続されている。第1バイポーラトランジスタ310のベースの電位は、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ110のN型基板190の電位と同じであるため、N型基板190(すなわち基板端子)に接続されているとみなすことができる。
【0025】
抵抗130は、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ110のゲートと第2交流電圧端子AC2との間に電気的に接続されているため、コンデンサ構造170によって生成される誘導電流に応じて、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ110に電圧を提供することで、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ110を駆動することが可能である。
【0026】
本発明において、コンデンサ構造170は、外部コンデンサではない。即ち、本発明に係るコンデンサ構造170は、寄生コンデンサである。寄生コンデンサは、回路レイアウトによってサージ抑制回路100内に形成される。
【0027】
本実施例において、コンデンサ構造170は、P型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(PMOSFET)構造で回路レイアウトによって形成される。詳しくは、
図3に示すように、点線範囲内の回路レイアウトの断面は、右側のNMOSFETと類似していることがわかる。コンデンサ構造170は、2つのPウェル(P-well)191の間に形成されている。コンデンサ構造170の上部は、PMOSFETに似ており、ゲート、ドレイン、ソースが互いに接続されているため、ゲートが高い電位差によって絶縁破壊することはない。空乏領域(図示せず)は、N型基板190と2つのPウェル191との間に位置する領域である。
【0028】
本発明の第2実施例を
図4に示す。PMOSFETと類似する構造でレイアウトされた第1実施例のコンデンサ構造170と異なり、本実施例では、コンデンサ構造170は、金属層192、第1酸化物層193、第2酸化物層194、及びN型基板190で構成される。金属層192は上部電極であり、N型基板190は下部電極である。第1酸化物層193及び第2酸化物層194は、金属層192とN型基板190との間に位置する。本実施例のコンデンサ構造170において、第1酸化物層193及び第2酸化物層194は、主にサージを吸収する部分である。
【0029】
本発明の第3実施例を
図5に示す。コンデンサ構造170は、金属層192、第1酸化物層193、及びN型ドープ領域195で構成される。2つの酸化物層を有する第2実施例のコンデンサ構造170と異なり、本実施例では、コンデンサ構造170は、N型ドープ領域195を有し、第2酸化物層194が除去される。そのため、第2実施例のコンデンサ構造170に比べて、本実施例のコンデンサ構造170の厚さは薄くなっている。この場合、1つの酸化物層(第1酸化物層193)のみが存在し、酸化物層の厚さを規定することができるため、コンデンサ構造170の静電容量値は指定可能である。なお、N型ドープ領域195をコンデンサ構造170の下部電極として使用することにより、空乏領域を除去して干渉を回避することができる。
【0030】
第1実施例、第2実施例、及び第3実施例のコンデンサ構造170を見ると、サージ抑制回路100は、3つの異なるコンデンサ構造170を使用したが、同じ絶縁破壊電圧に耐えることができる。
【0031】
集積回路全体のサイズに関しては、第3実施例のサージ抑制回路100の面積は、第2実施例のサージ抑制回路100の面積よりも大きい。第2実施例のサージ抑制回路100の面積は、第1実施例のサージ抑制回路100の面積よりも大きい。
【0032】
なお、3つのコンデンサ構造170の静電容量値の精度に関しては、第3実施例のコンデンサ構造170の静電容量値の精度は、第2実施例のコンデンサ構造170の静電容量値の精度よりも高い。第2実施例のコンデンサ構造170の静電容量値の精度は、第1実施例のコンデンサ構造170の静電容量値の精度よりも高い。
【0033】
上述のように、本発明に係るサージ抑制回路は、既存のdv/dt抑制回路で使用されているデプレッション型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタの代わりに抵抗を使用し、フォトマスクを削減し、製造プロセスを簡略化することが可能である。なお、本発明では、コンデンサの代わりにP型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを使用するため、コンデンサの面積を小さくし、チップサイズを縮小することができる。それによって、本発明に係るサージ抑制回路は、製造プロセスを簡略化し、コンデンサの面積を小さくし、全体の製造コストを低減することができる。
【0034】
上述の実施例は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明の特徴構成を説明するものである。本発明は、上記実施例に限定されるものではない。当業者が容易になし得る変更または均等配置も本発明の範囲内にある。本発明の権利の保護範囲は、特許請求の範囲に基づく。
【符号の説明】
【0035】
100 サージ抑制回路
110 金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ
130 抵抗
150 ツェナーダイオード
170 コンデンサ構造
190 N型基板
191 Pウェル
192 金属層
193 第1酸化物層
194 第2酸化物層
195 N型ドープ領域
300 サイリスタ
310 第1バイポーラトランジスタ
330 第2バイポーラトランジスタ
510 デプレッション型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ
520 エンハンスメント型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ
530 ツェナーダイオード
540 コンデンサ
T1 第1ピン
T2 第2ピン
AC1 第1交流電圧端子
AC2 第2交流電圧端子
【手続補正書】
【提出日】2024-11-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイリスタ用のサージ抑制回路であって、前記サイリスタは、第1交流電圧端子と第2交流電圧端子との間に接続され、第1バイポーラトランジスタ(bipolar junction transistor,BJT)及び第2バイポーラトランジスタを有し、前記第1バイポーラトランジスタのベースは、前記第2バイポーラトランジスタのコレクタに接続され、前記第1バイポーラトランジスタのコレクタは、前記第2バイポーラトランジスタのベースに接続され、
前記サージ抑制回路は、
前記第1バイポーラトランジスタのベースの電位と同じ電位であるN型基板上に形成され、前記第2バイポーラトランジスタのベースと前記第2交流電圧端子との間に電気的に接続されている金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor,MOSFET)と、
前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタのゲートと前記第2交流電圧端子との間に電気的に接続されている抵抗と、
前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタの前記ゲートと前記第2交流電圧端子との間に電気的に接続されているツェナーダイオードと、
前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタの前記ゲートと前記N型基板との間に位置するコンデンサ構造とを備え、
前記コンデンサ構造は、金属層、第1酸化物層、第2酸化物層及び前記N型基板の一部で構成され、前記第1酸化物層及び前記第2酸化物層が前記金属層と前記N型基板の前記一部との間に挟まれていることを特徴とするサージ抑制回路。
【請求項2】
前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタは、ドレインとソースを有し、前記ドレインは、前記第2バイポーラトランジスタの前記ベースに電気的に接続され、前記ソースは、前記第2交流電圧端子に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のサージ抑制回路。
【請求項3】
前記抵抗は、前記ツェナーダイオードと並列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のサージ抑制回路。
【請求項4】
前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタは、エンハンスメント型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載のサージ抑制回路。
【請求項5】
前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタは、N型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(NMOSFET)であることを特徴とする請求項1に記載のサージ抑制回路。
【請求項6】
前記抵抗は、前記コンデンサ構造によって生成される誘導電流に応じて、前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを駆動することを特徴とする請求項1に記載のサージ抑制回路。
【請求項7】
サイリスタ用のサージ抑制回路であって、前記サイリスタは、第1交流電圧端子と第2交流電圧端子との間に接続され、第1バイポーラトランジスタ及び第2バイポーラトランジスタを有し、前記第1バイポーラトランジスタのベースは、前記第2バイポーラトランジスタのコレクタに接続され、前記第1バイポーラトランジスタのコレクタは、前記第2バイポーラトランジスタのベースに接続され、
前記サージ抑制回路は、
前記第1バイポーラトランジスタのベースの電位と同じ電位であるN型基板上に形成され、前記第2バイポーラトランジスタのベースと前記第2交流電圧端子との間に電気的に接続されている金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と、
前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタのゲートと前記第2交流電圧端子との間に電気的に接続されている抵抗と、
前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタの前記ゲートと前記第2交流電圧端子との間に電気的に接続されているツェナーダイオードと、
前記金属酸化膜半導体電界効果トランジスタの前記ゲートと前記N型基板との間に位置するコンデンサ構造とを備え、
前記コンデンサ構造は、金属層、酸化物層及びN型ドープ領域で構成され、前記酸化物層が前記金属層と前記N型ドープ領域との間に挟まれていることを特徴とするサージ抑制回路。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
典型的な双方向フォトトライアック(Photo Triac)は、マイクロコントローラーの低電圧側で駆動されるIR-LED光信号で、高電圧AC負荷の電力密度を制御する。サージが発生すると、場合によっては双方向フォトトライアック(Photo Triac)のdv/dtの許容範囲を超え、チップや他の接続部品に損傷や故障が生じることがある。
図1に示す電流dv/dt保護回路は、シーメンス社によって提案され、米国特許第4,578,5
96号の明細書に開示されている。