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特開2024-173626基板グリッパ及びこれを用いた基板移送方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173626
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】基板グリッパ及びこれを用いた基板移送方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20241205BHJP
   B25J 15/06 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H01L21/68 B
B25J15/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023223537
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】10-2023-0071033
(32)【優先日】2023-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521560126
【氏名又は名称】アブソリックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Absolics Inc.
【住所又は居所原語表記】3000 SKC Drive,Covington,GA 30014,USA
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】イム、チェムク
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジェウォン
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707DS01
3C707FS01
3C707FT02
3C707FT04
3C707FT11
3C707NS12
5F131CA07
5F131CA09
5F131DA02
5F131DA42
5F131DB22
5F131DB25
5F131DB32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】反り現象が発生した基板を安定的に移送することができる基板グリッパ及び基板移送方法及び基板グリッパを提供する
【解決手段】基板グリッパ1は、フレーム110及びフレームと連結された複数のパッド孔Phと、フレームに配置され、それぞれパッド孔と連結される複数の吸着パッドと、を含む。f区数の吸着パッドは、対象基板の実装時に対象基板の一面と接する接触面を有し、対象基板を支持していない状態で、第1高さに接触面を有する第1吸着パッド122と、対象基板を支持していない状態で、第2高さに接触面を有する第2吸着パッド132と、を含む。フレームを基準として、第1高さは第2高さよりも高い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム、及び前記フレームと連結された複数のパッド孔と、
前記フレームに配置され、前記パッド孔とそれぞれ連結される複数の吸着パッドとを含み、
前記吸着パッドは、対象基板の実装時に前記対象基板の一面と接する接触面を有し、
前記吸着パッドは、
前記対象基板を支持していない状態で、第1高さに第1吸着パッド接触面を有する第1吸着パッドと、
前記対象基板を支持していない状態で、第2高さに第2吸着パッド接触面を有する第2吸着パッドとを含み、
前記フレームを基準として、前記第1高さは前記第2高さよりも高い、基板グリッパ。
【請求項2】
前記第2吸着パッドの水平方向の把持力は、
前記第1吸着パッドの水平方向の把持力よりも大きい、請求項1に記載の基板グリッパ。
【請求項3】
前記第1吸着パッド接触面の面積と前記第2吸着パッド接触面の面積との合計に対する、前記基板グリッパの対象基板に対する水平方向の把持力は10mN/mm以上である、請求項1に記載の基板グリッパ。
【請求項4】
前記基板グリッパに含まれた前記吸着パッドの個数に対する、前記対象基板に対する水平方向の把持力は0.1N/1個以上である、請求項1に記載の基板グリッパ。
【請求項5】
前記第1吸着パッドと連結された前記パッド孔は、第1流路と連結され、
前記第2吸着パッドと連結された前記パッド孔は、第2流路と連結され、
前記第1流路と前記第2流路は、互いに区分されて制御される、請求項1に記載の基板グリッパ。
【請求項6】
前記フレームは、断面形状が多角形であり、断面形状を基準として中心に対して対称形状である、請求項1に記載の基板グリッパ。
【請求項7】
前記第2吸着パッドは、フラットタイプの真空パッドを含み、
前記第1吸着パッドは、ベローズタイプの真空パッドを含む、請求項1に記載の基板グリッパ。
【請求項8】
前記フラットタイプの真空パッドは、サーキュラータイプのパッドまたはオーバルタイプのパッドを含む、請求項7に記載の基板グリッパ。
【請求項9】
前記フレームは、
第1結合部と、
前記第1結合部に着脱可能に結合され、前記フレームの中心を基準として前記フレームの外側に突出した突出フィンガとを含み、
前記第1吸着パッドは前記突出フィンガに配置された、請求項1に記載の基板グリッパ。
【請求項10】
前記フレームは、
第2結合部と、
前記第2結合部に着脱可能に結合され、前記フレームの中心を基準として前記フレームの内側に陥没した陥没フィンガとを含み、
前記第2吸着パッドは前記陥没フィンガに配置された、請求項1に記載の基板グリッパ。
【請求項11】
前記突出フィンガは、前記フレームよりも引張強度が低い、請求項9に記載の基板グリッパ。
【請求項12】
前記陥没フィンガは、前記フレームよりも引張強度が低い、請求項10に記載の基板グリッパ。
【請求項13】
前記フレームを基準として、前記第1高さと前記第2高さとの差は30mm以下である、請求項1に記載の基板グリッパ。
【請求項14】
対象基板を請求項1に記載の基板グリッパを適用して移送する方法であって、
前記第1吸着パッドと対象基板が接する第1ステップと、
前記第2吸着パッドと対象基板が接する第2ステップとを含む、基板移送方法。
【請求項15】
前記第1ステップは、前記第1吸着パッドの内部を真空状態にして対象基板を吸着させるステップを含み、
前記第2ステップは、前記第2吸着パッドの内部を真空状態にして対象基板を吸着させるステップを含む、請求項14に記載の基板移送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
具現例は、反り(warpage)のある基板を移送する基板グリッパ(substrate gripper)、及びこれを用いた基板移送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板グリッパは、基板移送装置に適用されて対象基板を固定する役割をする構成である。このとき、対象基板は、半導体ウエハ、表示パネルなどのように物理的接触に敏感な基板である場合が多い。
【0003】
基板グリッパは、対象基板と接触する面積を減少させようと試みたりもする。しかし、基板グリッパは、対象基板の接触面積が減少すると、把持力が弱くなることがあり、基板移送作業の安定性が低下することがある。
【0004】
基板グリッパと対象基板との接触面積が狭い場合、ガラス基板のような大面積の基板は、基板グリッパと接触しない面で基板の反り現象(warpage)の発生が頻繁である。このような場合、真空吸着パッドは、対象基板との未接触部位が生じ、真空漏れ(vacuum leak)が発生する可能性が高い。
【0005】
前述した背景技術は、発明者が本発明の導出のために保有していた、または本発明の導出過程で習得した技術情報であって、必ずしも本発明の出願前に一般公衆に公開された公知技術であるとは限らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2008-0076895号
【特許文献2】韓国登録特許第10-1019948号
【特許文献3】韓国登録特許第10-2298088号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
具現例の目的は、反り現象が発生した基板を安定的に移送することができる基板グリッパ及び基板移送方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための一具現例の基板グリッパは、フレーム、及び前記フレームと連結された複数のパッド孔と;
前記フレームに配置され、前記パッド孔とそれぞれ連結される複数の吸着パッドと;を含み、
前記吸着パッドは、対象基板の実装時に前記対象基板の一面と接する接触面を有し、
前記吸着パッドは、
前記対象基板を支持していない状態で、第1高さに第1吸着パッド接触面を有する第1吸着パッドと;
前記対象基板を支持していない状態で、第2高さに第2吸着パッド接触面を有する第2吸着パッドと;を含み、
前記フレームを基準として、前記第1高さは前記第2高さよりも高くてもよい。
【0009】
前記第2吸着パッドの水平方向の把持力は、前記第1吸着パッドの水平方向の把持力よりも大きくてもよい。
【0010】
前記第1吸着パッド接触面の面積と前記第2吸着パッド接触面の面積との合計に対する、前記基板グリッパの対象基板に対する水平方向の把持力は10mN/mm以上であってもよい。
【0011】
前記基板グリッパに含まれた前記吸着パッドの個数に対する、前記対象基板に対する水平方向の把持力は0.1N/1個以上であってもよい。
【0012】
前記第1吸着パッドと連結された前記パッド孔は、第1流路と連結され、
前記第2吸着パッドと連結された前記パッド孔は、第2流路と連結され、
前記第1流路と前記第2流路は、互いに区分されて制御されてもよい。
【0013】
前記フレームは、断面形状が多角形であり、断面形状を基準として中心に対して対称形状であってもよい。
【0014】
前記第2吸着パッドは、フラットタイプの真空パッドを含んでもよい。
【0015】
前記第1吸着パッドは、ベローズタイプの真空パッドを含んでもよい。
【0016】
前記フラットタイプの真空パッドは、サーキュラータイプのパッドまたはオーバルタイプのパッドを含んでもよい。
【0017】
上記目的を達成するための他の具現例の基板グリッパは、
前記フレームは、
第1結合部と、
前記第1結合部に着脱可能に結合され、前記フレームの中心を基準として前記フレームの外側に突出した突出フィンガとを含み、
前記第1吸着パッドは前記突出フィンガに配置されてもよい。
【0018】
上記目的を達成するための他の具現例の基板グリッパは、
前記フレームは、
第2結合部と、
前記第2結合部に着脱可能に結合され、前記フレームの中心を基準として前記フレームの内側に陥没した陥没フィンガとを含み、
前記第2吸着パッドは前記陥没フィンガに配置されてもよい。
【0019】
前記突出フィンガは、前記フレームよりも引張強度が低くてもよい。
【0020】
前記陥没フィンガは、前記フレームよりも引張強度が低くてもよい。
【0021】
前記フレームを基準として、前記第1高さと前記第2高さとの差は30mm以下であってもよい。
【0022】
上記目的を達成するための他の具現例の基板移送方法は、
対象基板を請求項1に記載の基板グリッパを適用して移送する方法であって、
前記第1吸着パッドと対象基板が接する第1ステップと、
前記第2吸着パッドと対象基板が接する第2ステップとを含んでもよい。
【0023】
前記第1ステップは、前記第1吸着パッドの内部を真空状態にして対象基板を吸着させるステップを含み、
前記第2ステップは、前記第2吸着パッドの内部を真空状態にして対象基板を吸着させるステップを含んでもよい。
【発明の効果】
【0024】
具現例の基板グリッパは、反り現象が発生した対象基板との接触力を高めることができ、対象基板を安定的に移送するのに役立ち得る。
【0025】
また、具現例の基板移送方法は、反り現象が発生した対象基板を安定的に移送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】具現例に係る基板グリッパを説明する概念図である。
図2】具現例に係る基板グリッパを図1のx-z平面から見た平面図である。
図3】具現例に係る基板グリッパを図1のx-y平面から見た平面図である。
図4】他の一具現例に係る基板グリッパを説明する概念図である。
図5】更に他の一具現例に係る基板グリッパを説明する概念図である。
図6】更に他の一具現例に係る基板グリッパを説明する概念図である。
図7】具現例に係る基板グリッパを図6のy-z平面から見た平面図である。
図8】具現例に係る基板グリッパを図6のx-y平面から見た平面図である。
図9】具現例に係る基板グリッパによって対象基板が吸着される第1ステップを説明する概念図である。
図10】具現例に係る基板グリッパによって対象基板が吸着される第2ステップを説明する概念図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、具現例の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、具現例の実施例について添付の図面を参照して詳細に説明する。しかし、具現例は、様々な異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。明細書全体にわたって類似の部分に対しては同一の図面符号を付した。
【0028】
本明細書全体において、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ」という用語は、マーカッシュ形式の表現に記載された構成要素からなる群から選択される1つ以上の混合又は組み合わせを意味するものであって、前記構成要素からなる群から選択される1つ以上を含むことを意味する。
【0029】
本明細書全体において、「A及び/又はB」の記載は、「A、B、または、A及びB」を意味する。
【0030】
本明細書全体において、「第1」、「第2」のような用語は、同一の用語を互いに区別するために使用される。また、単数の表現は、文脈上明らかに別の意味を示すものでない限り、複数の表現を含む。
【0031】
本明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0032】
本明細書全体において、A上にBが配置されるという意味は、A上に直接当接してBが位置するか、またはそれらの間に他の層が位置しながらA上にBが位置することを意味し、Aの表面に当接してBが位置することに限定されて解釈されない。
【0033】
本明細書において、図面は、説明を目的としてその構成を誇張又は省略して提示することができ、これにより具現例の権利範囲が限定されて解釈されない。
【0034】
図1は、具現例に係る基板グリッパを説明する概念図であり、図2は、具現例に係る基板グリッパを図1のx-z平面から見た平面図であり、図3は、具現例に係る基板グリッパを図1のx-y平面から見た平面図であり、図4は、他の一具現例に係る基板グリッパを説明する概念図であり、図5は、更に他の一具現例に係る基板グリッパを説明する概念図であり、図6は、更に他の一具現例に係る基板グリッパを説明する概念図であり、図7は、具現例に係る基板グリッパを図6のy-z平面から見た平面図であり、図8は、具現例に係る基板グリッパを図6のx-y平面から見た平面図であり、図9は、具現例に係る基板グリッパによって対象基板が吸着される第1ステップを説明する概念図であり、図10は、具現例に係る基板グリッパによって対象基板が吸着される第2ステップを説明する概念図である。以下、図面を参照して、具現例を詳細に説明する。
【0035】
図1を参照すると、基板グリッパ1は、x-y平面から見た断面形状が多角形であり、断面形状を基準として中心に対して対称形状であるフレーム110と、複数の吸着パッドとを含んでいる。前記フレーム110は、前記フレームと連結された複数のパッド孔Phを含むことができる。前記複数の吸着パッドは、前記フレームに配置され、前記複数のパッド孔とそれぞれ連結され得る。前記基板グリッパ1上には対象基板Subが吸着され得る。これを通じて、対象基板Subはある程度の反り現象(warpage)が発生しても、基板を安定的に吸着及び支持することができる。また、前記基板グリッパ1は、垂直方向の把持力だけでなく、水平方向の把持力も強いので、対象基板Subを安定的に吸着及び支持することができる。
【0036】
図1を参照すると、前記フレーム110は、フレームと連結された複数のパッド孔Phを含むことができる。
【0037】
前記対象基板Subは、大面積の基板が適用され得る。具体的には、前記対象基板の面積は10,000mm以上であってもよく、30,000mm以上であってもよく、50,000mm以上であってもよく、70,000mm以上であってもよく、100,000mm以上であってもよく、200,000mm以上であってもよく、または250,000mm以上であってもよい。前記対象基板の面積は10,000,000mm以下であってもよく、5,000,000mm以下であってもよく、1,000,000mm以下であってもよく、750,000mm以下であってもよく、500,000mm以下であってもよく、または300,000mm以下であってもよい。
【0038】
前記対象基板Subは、例えば、セラミック基板またはガラス基板であってもよい。セラミック基板は、例示的に、シリコン系セラミック基板、ガラス系セラミック基板などが適用されてもよい。シリコン系セラミック基板は、シリコン基板、シリコンカーバイド基板などを一部又は全部に含む基板であってもよい。ガラス系セラミック基板は、クォーツ基板、サファイア基板などを一部又は全部に含む基板であってもよい。
【0039】
ガラス基板は、例示的に、アルカリホウケイ酸板ガラス、無アルカリアルカリ土ホウケイ酸板ガラスなどが適用されてもよく、電子製品の部品として適用される板ガラスであれば、適用可能である。
【0040】
前記吸着パッドは、複数のパッド孔Ph上にそれぞれ配置され得る。前記吸着パッドは、対象基板Subの実装時に対象基板Subの一面と接する接触面を含む。
【0041】
前記吸着パッドと前記対象基板Subとの間の摩擦係数は0.1以上であり得る。具体的には、前記吸着パッドと前記対象基板Subとの間の摩擦係数は0.2以上であってもよく、0.3以上であってもよく、または0.4以上であってもよい。前記範囲を満たす場合、吸着パッドの水平方向の把持力が強いので、対象基板Subを安定的に支持することができる。
【0042】
前記吸着パッドと前記対象基板Subとの間の摩擦係数は0.9以下であり得る。具体的には、前記吸着パッドと前記対象基板Subとの間の摩擦係数は0.8以下であってもよく、0.7以下であってもよく、または0.6以下であってもよい。前記範囲を満たす場合、吸着パッドと対象基板との間の水平方向の把持力の維持に役立ち得、物理的衝撃に弱い対象基板Subの着脱時の損傷発生の抑制に役立ち得る。
【0043】
図3を参照すると、前記基板グリッパ1は、真空ライン、真空バルブ、及び真空ポンプをさらに含むことができる。前記真空ラインは、真空ポンプと複数のパッド孔のそれぞれを連結することができる。真空ポンプは、前記真空ラインを介して複数のパッド孔のそれぞれに真空圧を提供することができる。前記真空圧は10kPa以上であってもよく、20kPa以上であってもよく、30kPa以上であってもよく、40kPa以上であってもよく、または50kPa以上であってもよい。前記真空圧は101.325kPa以下であってもよく、100kPa以下であってもよく、90kPa以下であってもよく、80kPa以下であってもよく、70kPa以下であってもよく、または60kPa以下であってもよい。
【0044】
前記吸着パッドの一断面の面積は5mm以上であってもよく、7mm以上であってもよく、10mm以上であってもよく、14.13mm以上であってもよく、20mm以上であってもよく、25.12mm以上であってもよく、28.26mm以上であってもよく、または30mm以上であってもよい。前記吸着パッドの一断面の面積は1,000mm以下であってもよく、500mm以下であってもよく、250mm以下であってもよく、150mm以下であってもよく、100mm以下であってもよく、50.24mm以下であってもよく、28.26mm以下であってもよく、または25.12mm以下であってもよい。前記範囲を満たす場合、前記吸着パッドの垂直方向の把持力が十分に強いので、対象基板Subを安定的に吸着及び支持することができる。
【0045】
前記吸着パッドの垂直方向の把持力は、前記一断面の面積及び真空圧を考慮して設定され得る。前記吸着パッドの垂直方向の把持力は0.1N以上であり得る。具体的には、前記吸着パッドの垂直方向の把持力は0.2N以上であってもよく、0.28N以上であってもよく、0.5N以上であってもよく、0.56N以上であってもよく、1N以上であってもよく、3N以上であってもよく、または5N以上であってもよい。前記吸着パッドの垂直方向の把持力は20N以下であり得る。具体的には、前記吸着パッドの垂直方向の把持力は15N以下であってもよく、10N以下であってもよく、5N以下であってもよく、2.827N以下であってもよく、1.005N以下であってもよく、0.56N以下であってもよく、または0.51N以下であってもよい。
【0046】
前記吸着パッドの水平方向の把持力は、前記垂直方向の把持力及び前記摩擦係数に比例して決定され得る。前記吸着パッドの水平方向の把持力は0.06N以上であり得る。具体的には、前記吸着パッドの水平方向の把持力は0.084N以上であってもよく、0.1N以上であってもよく、0.22N以上であってもよく、0.3N以上であってもよく、0.401N以上であってもよく、0.45N以上であってもよく、0.9N以上であってもよく、または1.5N以上であってもよい。前記吸着パッドの水平方向の把持力は18N以下であり得る。具体的には、前記吸着パッドの水平方向の把持力は15N以下であってもよく、13.5N以下であってもよく、10N以下であってもよく、5N以下であってもよく、1.6962N以下であってもよく、1N以下であってもよく、0.81N以下であってもよく、0.46N以下であってもよく、または0.402N以下であってもよい。前記基板グリッパ1に含まれる吸着パッドの個数は、図示されている個数に限定されない。具体的には、前記基板グリッパ1は、前記吸着パッドを2個以上含んでいてもよく、4個以上含んでいてもよく、8個以上含んでいてもよい。
【0047】
前記基板グリッパ1に含まれる吸着パッドの個数は、適用される対象基板Subの面積によって決定され得る。具体的には、前記基板グリッパ1は、対象基板Subの面積250,000mm当たり2個以上の吸着パッドを含んでいてもよく、対象基板Subの面積500,000mm当たり4個以上の吸着パッドを含んでいてもよく、対象基板Subの面積1,000,000mm当たり8個以上の吸着パッドを含んでいてもよい。前記範囲を満たす場合、前記基板グリッパ1は、対象基板Subとして大面積の基板が適用されても、対象基板Subを安定的に吸着及び支持することができる。
【0048】
前記吸着パッドは、対象基板を支持していない状態で互いに異なる高さを有する第1吸着パッド122及び/又は第2吸着パッド132を含むことができる。
【0049】
前記基板グリッパ1は、対象基板Subを移送する過程で水平方向に力を受ける場合、対象基板Subの脱落現象が発生することがある。特に、基板グリッパ1が対象基板Subを吸着した後、移送を開始したり、止めるときの加速度が大きい場合、水平方向に受ける力が増加し、対象基板Subの脱落現象が発生する可能性が大きくなる。
【0050】
図10を参照すると、前記基板グリッパ1の第1吸着パッド122及び第2吸着パッド132が対象基板Subに接しているとき、前記基板グリッパ1の対象基板Subに対する水平方向の把持力は0.1N以上であり得る。具体的には、前記基板グリッパ1の対象基板Subに対する水平方向の把持力は0.2N以上であってもよく、0.3N以上であってもよく、0.336N以上であってもよく、1N以上であってもよく、1.5N以上であってもよく、1.608N以上であってもよく、1.81N以上であってもよく、2N以上であってもよく、2.129N以上であってもよく、3N以上であってもよく、3.22N以上であってもよく、または3.62N以上であってもよい。前記基板グリッパ1の第1吸着パッド122及び第2吸着パッド132が対象基板Subに接しているとき、前記基板グリッパ1の対象基板Subに対する水平方向の把持力は54N以下であり得る。具体的には、前記基板グリッパ1の対象基板Subに対する水平方向の把持力は25N以下であってもよく、10N以下であってもよく、7.5N以下であってもよく、6.7848N以下であってもよく、6.43N以下であってもよく、5N以下であってもよく、3.62N以下であってもよく、3.22N以下であってもよく、または3N以下であってもよい。前記範囲を満たす場合、対象基板Subを吸着した後、移送を開始したり、止めるときの加速度を高めても、対象基板Subの脱落現象を最小化することができる。
【0051】
前記基板グリッパ1に含まれる第1吸着パッド接触面123全体及び第2吸着パッド接触面133全体の合計は20mm以上であり得る。具体的には、第1吸着パッド接触面123全体及び第2吸着パッド接触面133全体の合計は28mm以上であってもよく、50mm以上であってもよく、56.5mm以上であってもよく、100mm以上であってもよく、100.48mm以上であってもよく、113.04mm以上であってもよく、または150mm以上であってもよい。前記基板グリッパ1に含まれる第1吸着パッド接触面123全体及び第2吸着パッド接触面133全体の合計は1000mm以下であり得る。具体的には、第1吸着パッド接触面123全体及び第2吸着パッド接触面133全体の合計は600mm以下であってもよく、300mm以下であってもよく、201mm以下であってもよく、113.08mm以下であってもよく、または100.5mm以下であってもよい。前記範囲を満たす場合、基板グリッパ1と対象基板Subとの接触面積を調節して、対象基板Subの汚染を最小化しながら、水平方向の把持力を適切に調節することができる。
【0052】
図10を参照すると、前記基板グリッパ1の第1吸着パッド122及び第2吸着パッド132が対象基板Subに接しているとき、前記第1吸着パッド接触面123の面積と前記第2吸着パッド接触面133の面積との合計に対する、前記基板グリッパ1の対象基板Subに対する水平方向の把持力は10mN/mm以上であり得る。具体的には、14.22mN/mm以上であってもよく、15mN/mm以上であってもよく、18.83mN/mm以上であってもよく、または20mN/mm以上であってもよい。前記基板グリッパ1の第1吸着パッド122及び第2吸着パッド132が対象基板Subに接しているとき、前記第1吸着パッド接触面123の面積と前記第2吸着パッド接触面133の面積との合計に対する、前記基板グリッパ1の対象基板Subに対する水平方向の把持力は2000mN/mm以下であり得る。具体的には、1928.57mN/mm以下であってもよく、1000mN/mm以下であってもよく、100mN/mm以下であってもよく、67.49mN/mm以下であってもよく、50mN/mm以下であってもよく、37.8mN/mm以下であってもよく、25mN/mm以下であってもよく、21.19mN/mm以下であってもよく、または20mN/mm以下であってもよい。前記範囲を満たす場合、基板グリッパ1と対象基板Subが接する面を最小化しながらも、基板グリッパ1が対象基板Subを吸着した後、移送を開始したり、止めるときに対象基板Subの脱落現象が発生する可能性を低減することができる。
【0053】
前記基板グリッパに含まれた前記吸着パッドの個数に対する、前記対象基板に対する水平方向の把持力は0.1N/1個以上であり得る。具体的には、前記基板グリッパに含まれた前記吸着パッドの個数に対する、前記対象基板に対する水平方向の把持力は0.22N/1個以上であってもよく、0.3N/1個以上であってもよく、0.401N/1個以上であってもよく、0.45N/1個以上であってもよく、0.9N/1個以上であってもよく、または1.5N/1個以上であってもよい。前記基板グリッパに含まれた前記吸着パッドの個数に対する、前記対象基板に対する水平方向の把持力は18N/1個以下であり得る。具体的には、前記基板グリッパに含まれた前記吸着パッドの個数に対する、前記対象基板に対する水平方向の把持力は15N/1個以下であってもよく、13.5N/1個以下であってもよく、10N/1個以下であってもよく、5N/1個以下であってもよく、1.6962N/1個以下であってもよく、1N/1個以下であってもよく、0.81N/1個以下であってもよく、0.46N/1個以下であってもよく、または0.402N/1個以下であってもよい。
【0054】
前記第1吸着パッド122は、フレーム110を基準として、第1高さh1に第1吸着パッド接触面123を有することができる。前記第2吸着パッド132は、フレーム110を基準として、第2高さh2に第2吸着パッド接触面133を有することができる。前記第1高さh1は、第2高さh2よりも高くすることができる。この場合、基板グリッパ1上に対象基板Subが吸着される際に、前記第1吸着パッド122が前記第2吸着パッド132よりも先に対象基板Subに接触することができ、さらに安定した基板の載置を誘導することができる。
【0055】
前記第1吸着パッド122と前記第2吸着パッド132は0.5~30mmの高さの差を有することができる。具体的には、前記第1吸着パッド122と前記第2吸着パッド132は30mm以下の高さの差を有してもよく、1~20mmの高さの差を有してもよく、または5~15mmの高さの差を有してもよい。前記範囲を満たす場合、対象基板Subに反りが発生しても、第1吸着パッド122が第2吸着パッド132よりも先に対象基板Subに接触することができる。
【0056】
水平方向の把持力は、吸着パッド接触面の面積、真空圧、吸着パッドと対象基板との間の摩擦係数などによって調節され得る。一方、前記第1吸着パッドが、反り現象が発生した対象基板の変位を固定した後、対象基板の安定した移送のために、水平方向の把持力を強化させる必要がある。前記第2吸着パッドの水平方向の把持力は、前記第1吸着パッドの水平方向の把持力よりも大きくすることができる。この場合、基板グリッパの水平方向の把持力を強化することで、基板と基板グリッパが共に移動する際に発生し得る衝撃にも安定的に対象基板を固定することができる。
【0057】
前記第1吸着パッド122と連結された前記パッド孔は、第1流路VL1と連結され得る。前記第2吸着パッド132と連結された前記パッド孔は、第2流路VL2と連結され得る。
【0058】
前記第1流路VL1と前記第2流路VL2は、互いに区分されて制御され得る。この場合、吸着パッドに応じて吸着力の程度、吸着の開始及び終了時間の制御などが有利である。
【0059】
前記第1吸着パッド122はベローズタイプの真空パッドであり得、前記第2吸着パッド132はフラットタイプの真空パッドであり得る。
【0060】
前記ベローズタイプの真空パッド122は、高さの差があり、屈曲した表面を含む対象基板Subに適する。具体的には、ベローズタイプの真空パッド122は、対象基板が載置される面の傾きが、対象基板の背面形状に沿って弾力的に変形可能である。すなわち、ベローズタイプの真空パッド122は、対象基板Subが載置される面が、基板の反りの程度によって反ることができる。したがって、ベローズタイプの真空パッド122は、真空ポンプPから提供される真空圧を用いて、反った対象基板Subの変位を吸収することができる。これを通じて、対象基板Subは、反り現象(warpage)が発生しても、基板を安定的に吸着及び支持することができる。
【0061】
前記フラットタイプの真空パッド132は、比較的屈曲の少ない表面を含む対象基板Subに適する。具体的には、フラットタイプの真空パッド132の高さに対する接触面の面積の比率は、前記ベローズタイプの真空パッド122の高さに対する接触面の面積の比率よりも大きいので、水平方向の外力にも、変形なしに安定的に対象基板Subを支持することができる。
【0062】
前記フラットタイプの真空パッド132の一断面の面積は、前記ベローズタイプの真空パッド122の一断面の面積よりも大きくすることができる。具体的には、前記フラットタイプの真空パッド132の一断面の面積は、前記ベローズタイプの真空パッド122の一断面の面積の1.1倍以上であってもよく、1.2倍以上であってもよく、好ましくは1.25倍以上であってもよい。前記フラットタイプの真空パッド132の一断面の面積は、前記ベローズタイプの真空パッド122の一断面の面積の5倍以下であってもよく、3倍以下であってもよく、または2倍以下であってもよい。前記範囲を満たす場合、前記フラットタイプの真空パッド132の垂直方向の把持力が強いので、対象基板Subを安定的に吸着及び支持することができる。
【0063】
前記フラットタイプの真空パッド132は、前記ベローズタイプの真空パッド122と比較して、水平方向への把持力が大きい。具体的には、フラットタイプの真空パッド132は、前記ベローズタイプの真空パッド122と比較して、水平方向の把持力が1.1倍以上であってもよく、1.2倍以上であってもよく、好ましくは1.25倍以上であってもよい。前記フラットタイプの真空パッド132は、前記ベローズタイプの真空パッド122と比較して、水平方向の把持力が5倍以下であってもよく、3倍以下であってもよく、または2倍以下であってもよい。前記範囲を満たす場合、前記基板グリッパ1は、垂直方向の把持力及び水平方向の把持力が強いので、対象基板Subを安定的に吸着及び支持することができる。
【0064】
前記フラットタイプの真空パッド132は、サーキュラータイプのパッドを含むことができる。サーキュラータイプのパッドは、接触面が実質的に円形であり得る。この場合、少ない数の真空パッドでも対象基板の水平を維持し易い。
【0065】
前記フラットタイプの真空パッド132は、オーバルタイプのパッドを含むことができる。オーバルタイプのパッドは、接触面が実質的に楕円形であり得る。この場合、狭い面積に多数の真空パッドを含むのに容易であり得る。
【0066】
前記ベローズタイプの真空パッド122の個数は、前記フラットタイプの真空パッド132の個数よりも多くてもよい。この場合、対象基板Subは、反り現象(warpage)が発生しても、基板を安定的に吸着及び支持することができる。前記ベローズタイプの真空パッド122の個数は、前記フラットタイプの真空パッド132の個数よりも少なくてもよい。この場合、前記基板グリッパ1は、垂直方向の把持力及び水平方向の把持力が強いので、対象基板Subを安定的に吸着及び支持することができる。
【0067】
複数のベローズタイプの真空パッド122及び複数のフラットタイプの真空パッド132は、前記フレーム110の中央を通る一軸に対して実質的に対称になるように配置され得る。この場合、対象基板Subは、基板移送過程で実質的に水平を維持することができる。
【0068】
前記第1流路VL1は、前記第1吸着パッド122と連結されるパッド孔Phと連結され得る。前記第2流路VL2は、前記第2吸着パッド132と連結されるパッド孔Phと連結され得る。
【0069】
具現例に係る一実施例は、前記第1流路VL1と連結された第1真空ポンプ、及び前記第2流路VL2と連結された第2真空ポンプを含むことができる(図示せず)。この場合、ベローズタイプの真空パッド122にのみ真空圧を提供するために、第1真空ポンプのみを作動させることができる。または、フラットタイプの真空パッド132にのみ真空圧を提供するために、第2真空ポンプのみを作動させることができる。この場合、フラットタイプの真空パッド132が対象基板Subと接触する前に、フラットタイプの真空パッド132と連結されたパッド孔Phに提供される真空圧を遮断して、真空漏れを最小化することができる。
【0070】
図3を参照すると、具現例に係る一実施例は、前記第1流路VL1及び前記第2流路VL2と連結される真空ポンプPを含むことができる。また、前記第1流路VL1及び/又は前記第2流路VL2は真空バルブVを含むことができる。この場合、フラットタイプの真空パッド132が対象基板Subと接触する前に、前記真空バルブVを用いてフラットタイプの真空パッド132と連結されたパッド孔Phに提供される真空圧を遮断して、真空漏れを最小化することができる。
【0071】
図4を参照すると、具現例の他の実施例に係る基板グリッパ1は、フレーム110が、第1結合部121を含み、前記第1結合部121に着脱可能であり、前記フレーム110の中心を基準として前記フレーム110の外側に突出した突出フィンガ120を含むことができる。前記複数のパッド孔Phの全部又は一部は、突出フィンガ120に配置され得る。前記基板グリッパ1の他の構成は、上述した基板グリッパ1と同一であるので、重複説明は省略する。
【0072】
前記突出フィンガ120は、前記フレーム110と異なる素材を含むことができる。
【0073】
前記突出フィンガ120は、引張強度が500N/mm以下である素材を含むことができる。具体的には、前記突出フィンガ120は、引張強度が400N/mm以下である素材を含んでもよく、300N/mm以下である素材を含んでもよく、200N/mm以下である素材を含んでもよく、または100N/mm以下である素材を含んでもよい。前記突出フィンガ120は、引張強度が10N/mm以上である素材を含むことができる。前記範囲を満たす場合、前記突出フィンガ120の成形性が向上することができる。この場合、フレーム110上に直接パッド孔Phを形成するより、成形性の良い突出フィンガ120にパッド孔Phを形成することが容易であるので、工程性が向上することができる。
【0074】
前記突出フィンガ120は、Al、Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Ti及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つを含むAl合金素材を含むことができるが、これに限定されるものではない。前記Al合金素材は、例示的に、A6061アルミニウム合金などを含むことができる。
【0075】
前記突出フィンガ120は、前記フレーム110との着脱が可能な構造を有することができる。例示的に、前記突出フィンガ120は、第1結合部121に付着され得、前記第1結合部121は、前記突出フィンガ120と前記フレーム110をボルト締結して固定させることができる。
【0076】
対象基板Subは、接触に敏感な場合が多いため、面積に対して最小限の吸着パッドのみを使用することが、対象基板の汚染を防止し、品質を向上させることができる方法である。具現例は、突出フィンガ120とフレーム110との間の着脱が容易であるので、対象基板の面積に応じて、フレームに配置される吸着パッドの個数を容易に調節することができる。
【0077】
前記フレーム110は、引張強度が100N/mm以上である素材を含むことができる。具体的には、前記フレーム110は、引張強度が200N/mm以上である素材を含んでもよく、300N/mm以上である素材を含んでもよく、400N/mm以上である素材を含んでもよく、500N/mm以上である素材を含んでもよく、または600N/mm以上である素材を含んでもよい。
【0078】
前記フレーム110は、硬度が100HBW以上である素材を含むことができる。具体的には、前記フレーム110は、硬度が150HBW以上である素材を含んでもよく、200HBW以上である素材を含んでもよく、250HBW以上である素材を含んでもよく、または300HBW以上である素材を含んでもよい。前記範囲を満たす場合、前記フレーム110は、基板グリッパ1の全体的な形態を保持するので、基板グリッパ1の全体的な耐久性を高めることができる。
【0079】
前記フレーム110は、C、Si、Mn、P、S、Cu、Ni、Cr及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つを含む炭素鋼材を含むことができるが、これに限定されるものではない。前記炭素鋼材は、例示的に、SM45C鋼材などを含むことができる。
【0080】
図5を参照すると、具現例の更に他の一実施例に係る基板グリッパ1は、フレーム110が、第2結合部131を含み、前記第2結合部131に着脱可能であり、前記フレーム110の中心を基準として前記フレーム110の内側に陥没した陥没フィンガ130を含むことができる。前記複数のパッド孔Phの全部又は一部は、陥没フィンガ130に配置され得る。前記基板グリッパ1の他の構成は、上述した基板グリッパ1と同一であるので、重複説明は省略する。
【0081】
前記陥没フィンガ130は、前記フレーム110と異なる材料を含むことができる。
【0082】
前記陥没フィンガ130は、引張強度が500N/mm以下である素材を含むことができる。具体的には、前記陥没フィンガ130は、引張強度が400N/mm以下である素材を含んでもよく、300N/mm以下である素材を含んでもよく、200N/mm以下である素材を含んでもよく、または100N/mm以下である素材を含んでもよい。前記陥没フィンガ130は、引張強度が10N/mm以上である素材を含むことができる。前記範囲を満たす場合、前記陥没フィンガ130の成形性が向上することができる。この場合、フレーム110上に直接パッド孔Phを形成するより、成形性の良い陥没フィンガ130にパッド孔Phを形成することが容易であるので、工程性が向上することができる。
【0083】
前記陥没フィンガ130は、Al、Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Ti及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つを含むAl合金素材を含むことができるが、これに限定されるものではない。前記Al合金素材は、例示的に、A6061アルミニウム合金などを含むことができる。
【0084】
前記陥没フィンガ130は、前記フレーム110との着脱が可能な構造を有することができる。例示的に、前記陥没フィンガ130は、第2結合部131に付着され得、前記第2結合部131は、前記陥没フィンガ130と前記フレーム110をボルト締結して固定させることができる。
【0085】
対象基板Subは、接触に敏感な場合が多いため、面積に対して最小限の吸着パッドのみを使用することが、対象基板の汚染を防止し、品質を向上させることができる方法である。具現例は、陥没フィンガ130とフレーム110との間の着脱が容易であるので、対象基板の面積に応じて、フレームに配置される吸着パッドの個数を容易に調節することができる。
【0086】
図6を参照すると、具現例の他の実施例に係る基板グリッパ1は、フレーム110が、第1結合部121を含み、前記第1結合部121に着脱可能であり、前記フレーム110の中心を基準として前記フレーム110の外側に突出した突出フィンガ120を含むことができる。前記基板グリッパ1は、フレーム110が、第2結合部131を含み、前記第2結合部131に着脱可能であり、前記フレーム110の中心を基準として前記フレーム110の内側に陥没した陥没フィンガ130を含むことができる。前記複数のパッド孔Phの全部又は一部は、突出フィンガ120及び陥没フィンガ130に配置され得る。前記基板グリッパ1の他の構成は、上述した基板グリッパ1と同一であるので、重複説明は省略する。
【0087】
前記ベローズタイプの真空パッド122は前記突出フィンガ120上に配置され得る。前記ベローズタイプの真空パッド122は前記パッド孔Phと連結され得る。前記フラットタイプの真空パッド132は前記陥没フィンガ130上に配置され得る。前記フラットタイプの真空パッド132は前記パッド孔Phと連結され得る。前記ベローズタイプの真空パッド122は、前記フラットタイプの真空パッド132よりも、前記フレーム110の中央からの距離が遠くてもよい。この場合、対象基板Subに先に接触するベローズタイプの真空パッド122が対象基板Subの変位を吸収して、反り現象(warpage)が発生しても基板を安定的に吸着及び支持することで、対象基板Subの水平を実質的に維持することができる。
【0088】
図8を参照すると、真空ラインは、第1流路VL1及び第2流路VL2を含むことができる。前記第1流路VL1と第2流路VL2は、互いに区分されて制御され得る。前記第1流路VL1は、前記突出フィンガ120に配置されるパッド孔Phと連結され得る。前記第2流路VL2は、前記陥没フィンガ130に配置されるパッド孔Phと連結され得る。前記第1流路VL1と第2流路VL2を区分して制御して真空漏れを最小化する方法は、上述した基板グリッパ1と同一であるので、重複説明は省略する。
【0089】
以下では、具現例の一実施例に係る前記基板グリッパ1を用いた基板移送方法に関して説明する。基板グリッパ1の構成は、上述した基板グリッパ1と同一であるので、重複説明は省略する。
【0090】
図9及び図10を参照すると、具現例の一実施例に係る前記基板グリッパ1を用いた基板移送方法は、対象基板が第1吸着パッド上に載置される第1ステップと、前記第1吸着パッドが収縮し、前記対象基板が第2吸着パッド上に載置される第2ステップとを含む。
【0091】
前記第1ステップは、前記第1吸着パッドの内部を真空状態にして対象基板を吸着させるステップを含むことができる。前記第2吸着パッドに関する説明は、上述したものと同一であるので、重複説明は省略する。真空ポンプを用いて吸着パッドの内部を真空状態にすることは、上述したものと同一であるので、重複説明は省略する。具現例の一実施例に係る前記第1ステップは、ベローズタイプの真空パッドが対象基板に先に接し、反り現象が発生した対象基板の変位を吸収することで、反った基板を安定的に吸着して移送することができる。
【0092】
前記第1ステップは、前記ベローズタイプの真空パッドの内部には真空圧を提供して真空状態にするが、前記フラットタイプの真空パッドの内部には真空圧を提供しないことができる。これを通じて、フラットタイプの真空パッドが対象基板に接する前に真空状態になることを防止し、真空漏れ現象が発生することを防止することができる。
【0093】
前記第2ステップは、前記フラットタイプの真空パッドの内部を真空状態にして対象基板を吸着させるステップを含むことができる。前記フラットタイプの真空パッドに関する説明は、上述したものと同一であるので、重複説明は省略する。
【0094】
具現例の一実施例に係る第2ステップは、第1ステップによって反った基板を安定的に吸着した後、ベローズタイプの真空パッドよりも相対的に水平方向の把持力が強いフラットタイプの真空パッドを対象基板に吸着させ、基板グリッパと対象基板との間の把持力をさらに強化することができる。
【0095】
以上、具現例の好ましい実施例について詳細に説明したが、具現例の権利範囲は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲で定義している具現例の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態もまた具現例の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0096】
1 基板グリッパ
110 フレーム
120 突出フィンガ
121 第1結合部
122 第1吸着パッド
123 第1吸着パッド接触面
130 陥没フィンガ
131 第2結合部
132 第2吸着パッド
133 第2吸着パッド接触面
Ph パッド孔
VL1 第1流路
VL2 第2流路
V 真空バルブ
P 真空ポンプ
Sub 対象基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】