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特開2024-173630単一パッケージのデータ記憶デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173630
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】単一パッケージのデータ記憶デバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/00 20060101AFI20241205BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G06F12/00 550K
H05K3/34 507C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024002393
(22)【出願日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】63/505,639
(32)【優先日】2023-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/361,081
(32)【優先日】2023-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】324010378
【氏名又は名称】サンディスク テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】フェイ ワン
(72)【発明者】
【氏名】タン チョン ウン
(72)【発明者】
【氏名】フイ シュー
(72)【発明者】
【氏名】テン スン
(72)【発明者】
【氏名】ガン リュー
【テーマコード(参考)】
5B160
5E319
【Fターム(参考)】
5B160MB01
5B160MM01
5B160MM10
5E319AA03
5E319AC01
5E319BB04
5E319CC33
5E319GG20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】良好読み出し及び/又は書き込み速度を有するデータ記憶デバイスを提供する。
【解決手段】データ記憶デバイス200は、単一パッケージ内に封入されたコントローラ210、1つ以上のメモリデバイス205及び1つ以上の受動部品250を含む。コントローラ、メモリデバイス及び受動部品は、データ記憶デバイスのプリント回路基板(PCB)220に直接実装される。1つ以上のメモリデバイスに対するコントローラの位置は、データ記憶デバイスがより短い信号トレースを使用することを可能にする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ記憶デバイスであって、
プリント回路基板(PCB)と、
前記PCBの表面に直接搭載されたコントローラと、
前記PCBの前記表面に直接実装され、前記PCBに関連付けられた信号トレースに通信可能に結合されたメモリデバイスであって、前記信号トレースは、前記メモリデバイスと前記コントローラとの間の通信経路を確立する、メモリデバイスと、
前記コントローラ及び前記メモリデバイスを封入するカバーと、を備える、データ記憶デバイス。
【請求項2】
前記PCBの前記表面に直接実装された1つ以上の受動部品を更に備える、請求項1に記載のデータ記憶デバイス。
【請求項3】
前記1つ以上の受動部品は、前記カバーによって封入されている、請求項2に記載のデータ記憶デバイス。
【請求項4】
前記1つ以上の受動部品は、リフローはんだ付けプロセスを使用して前記PCBの前記表面に直接実装されている、請求項2に記載のデータ記憶デバイス。
【請求項5】
前記コントローラは、リフローはんだ付けプロセスを使用して前記PCBの前記表面に直接実装されている、請求項1に記載のデータ記憶デバイス。
【請求項6】
前記カバーは、成形コンパウンドである、請求項1に記載のデータ記憶デバイス。
【請求項7】
前記コントローラは、前記PCBに関連付けられた別の信号トレースを使用して、前記データ記憶デバイスのインターフェースに通信可能に結合されている、請求項1に記載のデータ記憶デバイス。
【請求項8】
前記メモリデバイスは、NANDメモリダイのスタックである、請求項1に記載のデータ記憶デバイス。
【請求項9】
前記メモリデバイスは第1のメモリデバイスであり、前記データ記憶デバイスは、前記第1のメモリデバイスが前記コントローラの第1の側に配置され、前記PCBの前記表面に直接実装された第2のメモリデバイスが前記コントローラの第2の側に配置されるように、前記第2のメモリデバイスを更に備える、請求項1に記載のデータ記憶デバイス。
【請求項10】
データ記憶デバイスを組み立てる方法であって、
コントローラをプリント回路基板(PCB)の表面に結合することと、
1つ以上の受動部品を前記PCBの前記表面に結合することと、
リフローはんだ付けプロセスを実行して、前記コントローラ及び前記1つ以上の受動部品を前記PCBの前記表面に固定することと、
メモリデバイスを前記PCBの前記表面に結合することと、
前記メモリデバイスを前記PCBに関連付けられた信号トレースに電気的に結合することと、
前記コントローラ、前記1つ以上の受動部品、及び前記メモリデバイスを単一のカバーを用いて封入することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記信号トレースは、前記メモリデバイスを前記コントローラに通信可能に結合する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記単一のカバーは、成形コンパウンドからなる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記コントローラは、1つ以上のバンプパッド及び1つ以上の銅ピラーを使用して前記PCBの前記表面に結合されている、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記コントローラを前記PCBの前記表面上に設けられた接続インターフェースに通信可能に結合することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記メモリデバイスは、NANDメモリダイのスタックである、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
データ記憶デバイスであって、
プリント回路基板(PCB)と、
前記PCBの表面に直接実装され、前記PCBに関連付けられた第1の信号手段に通信可能に結合された第1の記憶手段と、
前記PCBの前記表面に直接実装され、前記PCBに関連付けられた第2の信号手段に通信可能に結合された第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段との間で前記PCBの前記表面に直接実装され、前記第1の信号手段を使用して前記第1の記憶手段に通信可能に結合されており、前記第2の信号手段を使用して前記第2の記憶手段に通信可能に結合されているコントローラ手段と、
前記第1の記憶手段、前記第2の記憶手段及び前記コントローラ手段を封入するカバー手段と、を備える、データ記憶デバイス。
【請求項17】
前記第1の記憶手段及び前記第2の記憶手段は、NANDメモリダイからなる、請求項16に記載のデータ記憶デバイス。
【請求項18】
前記PCBの前記表面に結合された1つ以上の電子部品を更に備え、前記1つ以上の部品が前記カバー手段によって封入されている、請求項16に記載のデータ記憶デバイス。
【請求項19】
前記コントローラ手段は、前記データ記憶デバイスの接続手段に通信可能に結合されている、請求項16に記載のデータ記憶デバイス。
【請求項20】
前記コントローラ手段は、リフローはんだ付けプロセスを使用して前記PCBの前記表面に直接実装されている、請求項16に記載のデータ記憶デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2023年6月1日に出願された「SINGLE PACKAGE DATA STORAGE DEVICE」と題する米国特許仮出願第63/505,639号の優先権を主張し、その開示全体は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ますます多くの電子デバイスが、データを処理及び記憶するために様々なデータ記憶デバイスを使用している。特に、ソリッドステートドライブ(solid-state drive、SSD)の人気が高まっている。例えば、従来のハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD)と比較した場合、SDDは、より良好な読み出し及び書き込み速度を有し、より信頼性が高く、よりコンパクトである。
【0003】
しかしながら、SDDに対する需要が増大するにつれて、増大した記憶容量及びより速い速度に対する需要も増大する。より大容量でより高速のSSDが生産されるにつれて、SSDはより複雑になる。SSDが複雑になればなるほど、製造プロセスは時間とコストの両方の点でより費用がかかる。
【0004】
例えば、より大容量のSSDは、典型的に、より大容量のメモリデバイスを必要とする。より大容量のメモリデバイスを収容するために、SSDのプリント回路基板(printed circuit board、PCB)は、通常、追加の層を有する必要がある。より多くの層がPCBに追加されるにつれて、追加のビアもPCBに追加され、トレースルーティングはより複雑になる。加えて、SSDの各部品(例えば、コントローラ、及びメモリデバイスの各々)は、別個に試験される必要があり得る。
【0005】
したがって、SSDなどのデータ記憶デバイスが、製造の複雑さを増加させることなく、より大きな容量及びより高い速度を有することは有益であろう。
【発明の概要】
【0006】
本出願は、単一パッケージ内に統合されたコントローラ、1つ以上のメモリデバイス、及び1つ以上の受動部品を有するデータ記憶デバイスについて説明する。コントローラ、1つ以上のメモリデバイス、及び1つ以上の受動部品は、データ記憶デバイスのプリント回路基板(PCB)の表面に直接実装される。1つ以上のメモリデバイスは、PCBに関連付けられた信号トレースを使用してコントローラに通信可能に結合される。同様に、コントローラは、PCBに関連付けられた追加の信号トレースを使用して、PCBのコネクタ又はインターフェースに通信可能に結合される。成形コンパウンドを使用して、コントローラ、1つ以上のメモリデバイス、及び1つ以上の受動部品を封入する。
【0007】
コントローラ及び1つ以上のメモリデバイスが同じPCBの表面に直接実装されるので、ボールグリッドアレイ(ball grid array、BGA)及びはんだボールの必要性が排除される。更に、1つ以上のメモリデバイスに対するコントローラのレイアウトは、コントローラと1つ以上のメモリデバイスとの間のトレースルーティングを改善する。例えば、1つ以上のメモリデバイスに対するコントローラのレイアウトは、現在の解決策と比較して、信号/通信経路を短縮する。より短い信号/通信経路は、データ記憶デバイスの改善された読み出し及び/又は書き込み速度につながる。
【0008】
したがって、本出願は、プリント回路基板(PCB)を含むデータ記憶デバイスについて説明する。コントローラは、PCBの表面に直接実装される。メモリデバイスも、PCBの表面に直接実装され、PCBに関連付けられた信号トレースに通信可能に結合される。信号トレースは、メモリデバイスとコントローラとの間の通信経路を確立する。カバーは、コントローラ及びメモリデバイスを封入する。
【0009】
データ記憶デバイスを組み立てる方法についても説明される。一例では、方法は、コントローラをプリント回路基板(PCB)の表面に結合することを含む。1つ以上の受動部品もまた、PCBの表面に結合される。コントローラ及び1つ以上の受動部品をPCBの表面に固定するために、リフローはんだ付けプロセスが実行される。メモリデバイスは、PCBの表面上に設けられる。メモリデバイスは、PCBに関連付けられた信号トレースに電気的に結合される。コントローラ、1つ以上の受動部品、及びメモリデバイスの周りに単一のカバーが形成される。
【0010】
本出願はまた、データ記憶デバイスについて記載する。一例では、データ記憶デバイスはプリント回路基板(PCB)を含む。PCBの表面に直接実装された第1の記憶手段。第1の記憶手段は、PCBに関連付けられた第1の信号手段に通信可能に結合される。第2の記憶手段も、PCBの表面に直接実装される。第2の記憶手段は、PCBに関連付けられた第2の信号手段に通信可能に結合される。コントローラ手段は、第1の記憶手段と第2の記憶手段との間のPCBの表面に直接実装される。コントローラ手段は、第1の信号手段を使用して第1の記憶手段に通信可能に結合され、第2の信号手段を使用して第2の記憶手段にも通信可能に結合される。カバー手段は、第1の記憶手段、第2の記憶手段及びコントローラ手段を封入する。
【0011】
この概要は、「発明を実施するための形態」において以下で更に説明される概念の選択を簡略化された形態で紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
非限定的かつ非網羅的な例が、以下の図を参照して説明される。
図1】一例による既存のデータ記憶デバイスを示す。
図2】一例による、単一パッケージ内に統合されたメモリデバイス及びコントローラを有するデータ記憶デバイスを示す。
図3A】一例によるデータ記憶デバイスを製造する方法又はプロセスを示す。
図3B】一例によるデータ記憶デバイスを製造する方法又はプロセスを示す。
図3C】一例によるデータ記憶デバイスを製造する方法又はプロセスを示す。
図3D】一例によるデータ記憶デバイスを製造する方法又はプロセスを示す。
図3E】一例によるデータ記憶デバイスを製造する方法又はプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付図面が参照され、添付図面には、特定の実施形態又は例が例示として示される。本開示から逸脱することなく、これらの態様を組み合わせてもよく、他の態様を利用してもよく、構造上の変更を行ってもよい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、本開示の範囲は、添付の「特許請求の範囲」及びそれらの均等物によって定義される。
【0014】
本出願は、コントローラ、1つ以上のメモリデバイス、及び1つ以上の受動部品が単一パッケージ内に封入されたデータ記憶デバイスについて説明する。コントローラ及びメモリデバイスが別々にパッケージ化され、ボールグリッドアレイ(ball grid array、BGA)を使用してデータ記憶デバイスのプリント回路基板(PCB)に結合される現在のデータ記憶デバイスとは異なり、本開示のデータ記憶デバイスのコントローラ、1つ以上のメモリデバイス、及び1つ以上の受動部品は、PCBに直接実装される。
【0015】
更に、1つ以上のメモリデバイスに対するコントローラのレイアウトは、現在のデータ記憶デバイスと比較して、コントローラと1つ以上のメモリデバイスとの間のトレースルーティングを改善する。例えば、1つ以上のメモリデバイスに対するコントローラのレイアウトは、現在の解決策と比較して、信号/通信経路を短縮する。より短い信号/通信経路は、データ記憶デバイスの改善された読み出し及び/又は書き込み速度につながる。
【0016】
上に列挙した利点に加えて、より短い信号/通信経路はまた、抵抗の低減、コントローラとメモリデバイスとの間のより良好な信号伝送、及び/又はデータ記憶デバイスの全体的な動作温度の低下を含むがこれらに限定されない、追加の技術的利点を提供し得る。
【0017】
これらの利点は、他の例と共に、図1図3Eに関してより詳細に示され、説明される。
【0018】
図1は、一例による既存のデータ記憶デバイス100を示す。データ記憶デバイス100は、ソリッドステートドライブ(SSD)又はエンタープライズソリッドステートドライブ(enterprise solid-state drive、eSSD)であってもよい。図1に示す例では、データ記憶デバイス100は、コントローラパッケージ110とは別個のメモリデバイスパッケージ105を有する。
【0019】
メモリデバイスパッケージ105は、基板125に実装された1つ以上のNANDダイスタック120を含む。ボンドワイヤ130は、NANDダイスタック120を基板125内に設けられた信号トレース135に通信可能に結合するために使用される。1つ以上のNANDダイスタック120及びボンドワイヤ130は、カバー140によって封入されてもよい。一例では、カバー140は、成形コンパウンド又は他のそのような材料である。
【0020】
メモリデバイスパッケージ105は、データ記憶デバイス100のプリント回路基板(PCB)145に実装される。図示の例では、メモリデバイスパッケージ105は、メモリデバイスパッケージ105のボールグリッドアレイ(BGA)150の一部であるか又はそうでなければBGA150を形成するはんだボールを使用してPCB145に実装される。メモリデバイスパッケージ105のBGA150のはんだボールのうちの1つ以上は、PCB145内に設けられた第1のトレース155(又はトレースの第1のセット)に通信可能に結合される。
【0021】
コントローラデバイスパッケージ110は、コントローラ160を含む。コントローラ160は、1つ以上のバンプパッド及び/又は銅ピラー170を使用して、コントローラデバイスパッケージ110の基板165に実装される。1つ以上のバンプパッド及び/又は銅ピラー170は、コントローラデバイスパッケージ110の基板165内のそれぞれの信号トレース175に通信可能に結合される。コントローラ160並びに1つ以上のバンプパッド及び/又は銅ピラー170は、カバー180によって封入される。一例では、カバー180は、成形コンパウンド又は他のそのような材料である。
【0022】
コントローラデバイスパッケージ110は、コントローラデバイスパッケージ110に関連付けられたBGA185の一部であるか又はそうでなければBGA185を形成するはんだボールを使用して、データ記憶デバイス100のPCB145に実装される。はんだボールのうちの1つ以上は、PCB145内に設けられた第2のトレース190(又はトレースの第2のセット)に通信可能に結合される。
【0023】
例えば、コントローラデバイスパッケージ110に関連付けられたBGA185のはんだボールの第1のセットは、第1のトレース155(又はトレースの第1のセット)に通信可能に結合される。したがって、第1のトレース155は、メモリデバイスパッケージ105の1つ以上のNANDダイスタック120をコントローラパッケージ110のコントローラ160に通信可能に結合するために使用される。
【0024】
例えば、図1の第1のタイプの陰影によって示されるように、NANDダイスタック120は、メモリデバイスパッケージ105の基板125内に設けられた信号トレース135に(ボンドワイヤ130を介して)結合される。信号トレース135は、メモリデバイスパッケージ105に関連付けられたBGA150の1つ以上のはんだボールに電気的に結合される。メモリデバイスパッケージ105に関連付けられたBGA150の1つ以上のはんだボールはまた、データ記憶デバイス100のPCB145内に設けられた第1の信号トレース155(又は信号トレースの第1のセット)に通信可能に結合される。
【0025】
第1のトレース155は、データ記憶デバイス100のPCB145を通って延在し、コントローラデバイスパッケージ110に関連付けられたBGA185の1つ以上のはんだボールに通信可能に結合される。先に示したように、コントローラデバイスパッケージ110に関連付けられたBGA185のはんだボールは、コントローラデバイスパッケージ110の基板165内の信号トレース175に通信可能に結合される。信号トレース175はまた、コントローラデバイスパッケージ110のコントローラ160に通信可能に結合される。
【0026】
コントローラデバイスパッケージ110に関連付けられたBGA185のはんだボールの第2のセットは、PCB145に関連付けられた第2のトレース190(又はトレースの第2のセット)に通信可能に結合される。この例では、第2のトレース190は、コントローラをデータ記憶デバイス100のインターフェース(例えば、コネクタ)に結合するために使用される。
【0027】
1つ以上の受動部品195(例えば、コンデンサ、抵抗器)も、データ記憶デバイス100のPCB145の表面上に実装され得る。示されるように、1つ以上の受動部品195は、メモリデバイスパッケージ105又はコントローラパッケージ110内に含まれない。
【0028】
図1に示すデータ記憶デバイス100は、多数の層を有するPCB145を必要とする。いくつかの層は、メモリデバイスパッケージ105がコントローラパッケージ110から分離されているために必要とされる。例えば、メモリデバイスパッケージ105及びコントローラパッケージ110が異なるBGAに関連付けられるので、追加の層、ビア、及びトレースが必要とされる。追加の層、トレース及びビアが追加されるにつれて、トレースルーティングは、より困難かつ複雑になる。
【0029】
データ記憶デバイス100の別の欠点は、メモリデバイスパッケージ105が、通常、コントローラデバイスパッケージ110とは別個に試験されることである。別個の試験プロセスは、データ記憶デバイス100の製造を遅延させる又は遅くする場合がある。
【0030】
はんだボール及び/又はBGAの使用は、データ記憶デバイス100の別の欠点である。例えば、はんだボールが使用されるときはいつでも、空気ポケット(例えば、はんだボイド)がリフローはんだ付けプロセス中にはんだボール内に形成され得るというリスクがある。はんだボイドは、様々な部品間の接続の信頼性を低下させ、データ記憶デバイス100の性能に悪影響を及ぼし得る。
【0031】
データ記憶デバイス100の別の欠点は、PCB145内のトレースの全長である。トレースの長さが増加するにつれて、抵抗が増加し、信号伝送が劣化し、データ記憶デバイスの動作温度が上昇し得る。これらの要因の全ては、データ記憶デバイス100の性能に悪影響を与える恐れがある。
【0032】
図2は、一例による、単一パッケージ215内に統合されたメモリデバイス205及びコントローラ210を有するデータ記憶デバイス200を示す。データ記憶デバイス200は、SSD、eSSD又は他のデータ記憶デバイスであってもよい。以下に説明するように、データ記憶デバイス200は、図1に関連して示され、上述されたデータ記憶デバイス100の様々な欠点に対処する。
【0033】
先に示したように、データ記憶デバイス200はメモリデバイス205を含む。図2に示す例では、データ記憶デバイス200は、コントローラ210の両側に配置された2つのメモリデバイス205を含む。一例では、各メモリデバイス205は、NANDメモリダイのスタックであり得る。NANDメモリダイのスタックが具体的に言及されるが、メモリデバイス205は、任意の揮発性又は不揮発性メモリデバイスであり得る。
【0034】
各メモリデバイス205は、データ記憶デバイス200のプリント回路基板(PCB)220の表面に結合される。例えば、各メモリデバイス205は、PCB220の表面に直接結合される。メモリデバイス205は、任意の既知の表面実装技術を使用してPCB220の表面に結合されてもよい。しかしながら、メモリデバイス205は、BGA、別個の基板、トレースなどを使用することなくPCB200の表面に結合される。このことは、別個の基板125、信号トレース135、及びBGA150を必要とする図1のデータ記憶デバイス100のメモリデバイス120とは異なる。
【0035】
一例では、ボンドワイヤ225は、メモリデバイス205を、PCB220に関連付けられた第1の信号トレース230(又は信号トレースの第1のセット)に通信可能に結合する。図2に示されるように、第1の信号トレース230(第1のタイプの陰影によって示される)は、メモリデバイス205をコントローラ210に電気的にかつ/又は通信可能に結合する。例えば、第1の信号トレース230は、メモリデバイス205を、コントローラ210に関連付けられた1つ以上の接続点(例えば、コントローラ210をPCB220に表面実装又は他の方法で結合するために使用されるパッド及び/又はピラー)に電気的にかつ/又は通信可能に結合することができる。
【0036】
コントローラ210の位置に対するPCB220上の各メモリデバイス205の位置に基づいて、第1の信号トレース230は、図1に関して示され、説明されたデータ記憶デバイス100のPCB145内に設けられた第1のトレース155と比較すると、実質的に短い。コントローラ210とメモリデバイス205との間のより短い通信経路は、データ記憶デバイス200の読み出し速度及び/又は書き込み速度を改善し、抵抗を低減させ、コントローラ210とメモリデバイス205との間のより良好な信号伝送を可能にし、及び/又はデータ記憶デバイス200の全体的な動作温度を低下させる。
【0037】
コントローラ210はまた、PCB220の表面に直接実装される。一例では、コントローラ210は、表面実装技術及び/又はリフローはんだ付けプロセスを使用してPCB220の表面に直接実装される。例えば、1つ以上のパッド(例えば、バンプパッド)及び/又はピラー235(例えば、銅ピラー)を使用して、コントローラ210をPCB220に表面実装することができる。パッド及び/又はピラー235が具体的に述べられているが、他の表面実装技術が使用されてもよい。しかしながら、この例では、コントローラ210は、別個の基板165、信号トレース175、及びBGA185を必要とする図1のデータ記憶デバイス100のコントローラ160とは異なり、BGA、別個の基板、トレースなどを使用することなくPCB220の表面に結合される。
【0038】
一例では、パッド及び/又はピラー235の第1のサブセットは、コントローラ210をメモリデバイス205に電気的にかつ/又は通信可能に結合するために使用される。パッド及び/又はピラー235の第2のサブセットは、PCB220に関連付けられた第2の信号トレース240(又は信号トレースの第2のセット)に電気的にかつ/又は通信可能に結合され得る。第2の信号トレース240を使用して、コントローラ210をデータ記憶デバイス200のインターフェース245に通信可能に結合してもよい。一例では、インターフェース245は、PCB220から延在するコネクタ(例えば、エッジコネクタ)のピンであってもよい。説明のために、コントローラ210と、第2の信号トレース240と、インターフェース245との間の接続経路は、(例えば、第1の信号トレース230に関して示された第1のタイプの陰影と比較した場合に)第2のタイプの陰影で示されている。
【0039】
一例では、PCB220上のコントローラ210の位置に起因して、第2の信号トレース240(又は信号トレースの第2のセット)の長さは、図1に関して示され、説明されたデータ記憶デバイス100のPCB145に関連付けられた第2のトレース190の長さよりも短くてもよい。一例では、コントローラ210とインターフェース245との間のより短い通信経路は、データ記憶デバイス200の読み出し速度及び/又は書込み速度を改善し、抵抗を低減させ、コントローラ210とインターフェース245との間のより良好な信号伝送を可能にし、及び/又はデータ記憶デバイス200の全体的な動作温度を低下させる。
【0040】
データ記憶デバイス200はまた、1つ以上の受動部品250を含む。1つ以上の受動部品250は、コンデンサ、抵抗器、又は他の電子部品であり得る。1つ以上の受動部品250もまた、PCB220の表面上に実装される。一例では、1つ以上の受動部品250は、リフローはんだ付けプロセスを使用してPCB220の表面に実装される。1つ以上の受動部品250をPCB220上に実装するために使用されるリフローはんだ付けプロセスは、コントローラ210をPCB220に電気的にかつ/又は通信可能に結合するために使用されるリフローはんだ付けプロセスと同じであってもよい。
【0041】
データ記憶デバイス200は、カバー255も含む。一例では、カバーは成形コンパウンド又は他の材料である。成形コンパウンドは、任意の好適な成形材料(例えば、エポキシ成形コンパウンド)であってもよい。一例では、成形材料は、放熱特性を有してもよい。カバー255は、メモリデバイス205、コントローラ210、ボンドワイヤ225、及び/又は1つ以上の受動部品250を封入し得る。
【0042】
図3A図3Eは、一例によるデータ記憶デバイスを製造するための方法又はプロセス300を示す。一例では、図3A図3Eに関して示され、説明された方法又はプロセス300を使用して、図2に関して示され、説明されたデータ記憶デバイス200を製造することができる。
【0043】
図3Aに示すように、方法又はプロセス300は、コントローラ305がプリント回路基板(PCB)310の表面に直接実装されるときに開始することができる。一例では、コントローラ305は、1つ以上のパッド315(例えば、バンプパッド)及び/又は1つ以上のピラー320(例えば、銅ピラー)を使用して、PCB310の表面に直接実装される。
【0044】
一例では、1つ以上のパッド315及び/又は1つ以上のピラー320は、PCB310内に設けられるか又はそうでなければPCB310に関連付けられた第1の信号トレース325(又は信号トレースの第1のセット)と、PCB310内に設けられるか又はそうでなければPCB310に関連付けられた第2の信号トレース330(又は信号トレースの第2のセット)との間に通信経路を確立するために使用される。例えば、パッド315及び/又はピラー320の第1のサブセットは、コントローラ305と第1の信号トレース325(又は信号トレースの第1のセット)との間に第1の通信経路を確立するために使用されてもよく、パッド315及び/又はピラー320の第2のサブセットは、コントローラ305と第2の信号トレース330(又は信号トレースの第2のセット)との間に第2の通信経路を確立するために使用されてもよい。
【0045】
図3Bは、1つ以上の受動部品335がPCB310に表面実装される方法又はプロセス300における別のステップを示す。1つ以上の受動部品は、任意の好適な実装技術を使用してPCBに表面実装されてもよい。受動部品335及びコントローラがPCB310に表面実装されると、リフローはんだ付けプロセスを使用して、コントローラ305及び1つ以上の受動部品をPCB310に固定することができる。一例では、1つ以上の受動部品335は、コントローラ305の前又は後でPCB310に実装され得る。
【0046】
図3Cは、方法又はプロセス300における更に別のステップを示す。この例では、1つ以上のメモリデバイス340が、PCB310の表面に直接結合される。一例では、1つのメモリデバイス340がコントローラ305の第1の側に設けられ、別のメモリデバイス340がコントローラ305の第2の側に配置されてもよい。2つのメモリデバイス340が示されているが、追加のメモリデバイス340が、コントローラ320の様々な側でPCB310に表面実装されてもよい。
【0047】
図3Dに示されるように、プロセス300は、ボンドワイヤ345が各メモリデバイス340をPCB310に電気的に結合するために使用されるときに継続する。例えば、ボンドワイヤ345は、各メモリデバイス340をPCB310に関連付けられた第1の信号トレース325(又は信号トレースの第1のセット)に電気的にかつ/又は通信可能に結合するために使用される。
【0048】
図3Eに示すように、プロセス300は、データ記憶デバイス上にカバー350を設けることによって継続する。一例では、カバー350は、コントローラ305、メモリデバイス340、ボンドワイヤ345、及び1つ以上の受動部品335を取り囲むか又は封入する成形コンパウンドである。
【0049】
本明細書で説明される様々な例に基づいて、本開示の例は、プリント回路基板(PCB)と、PCBの表面に直接実装されたコントローラと、PCBの表面に直接実装され、PCBに関連付けられた信号トレースに通信可能に結合されたメモリデバイスであって、この信号トレースは、メモリデバイスとコントローラとの間の通信経路を確立する、メモリデバイスと、コントローラ及びメモリデバイスを封入するカバーと、を備える、データ記憶デバイスを説明する。一例では、データ記憶デバイスは、PCBの表面に直接実装された1つ以上の受動部品を更に含む。一例では、1つ以上の受動部品は、カバーによって封入される。一例では、1つ以上の受動部品は、リフローはんだ付けプロセスを使用してPCBの表面に直接実装される。一例では、コントローラは、リフローはんだ付けプロセスを使用してPCBの表面に直接実装される。一例では、カバーは成形コンパウンドである。一例では、コントローラは、PCBに関連付けられた別の信号トレースを使用して、データ記憶デバイスのインターフェースに通信可能に結合される。一例では、メモリデバイスは、NANDメモリダイのスタックである。一例では、メモリデバイスは第1のメモリデバイスであり、データ記憶デバイスは、第1のメモリデバイスがコントローラの第1の側に配置され、PCBの表面に直接実装された第2のメモリデバイスがコントローラの第2の側に配置されるように、第2のメモリデバイスを更に備える。
【0050】
一例では、本出願はまた、データ記憶デバイスを組み立てるための方法であって、コントローラをプリント回路基板(PCB)の表面に結合することと、1つ以上の受動部品をPCBの表面に結合することと、リフローはんだ付けプロセスを実行して、コントローラ及び1つ以上の受動部品をPCBの表面に固定することと、メモリデバイスをPCBの表面に結合することと、メモリデバイスをPCBに関連付けられた信号トレースに電気的に結合することと、コントローラ、1つ以上の受動部品、及びメモリデバイスを単一のカバーを用いて封入することと、を含む、方法を説明する。一例では、信号トレースは、メモリデバイスをコントローラに通信可能に結合する。一例では、単一のカバーは成形コンパウンドからなる。一例では、コントローラは、1つ以上のバンプパッド及び1つ以上の銅ピラーを使用してPCBの表面に結合される。一例では、方法は、コントローラをPCBの表面上に設けられた接続インターフェースに通信可能に結合することを含む。一例では、メモリデバイスは、NANDメモリダイのスタックである。
【0051】
更に別の例では、本出願は、プリント回路基板(PCB)と、PCBの表面に直接実装され、PCBに関連付けられた第1の信号手段に通信可能に結合された第1の記憶手段と、PCBの表面に直接実装され、PCBに関連付けられた第2の信号手段に通信可能に結合された第2の記憶手段と、第1の記憶手段と第2の記憶手段との間でPCBの表面に直接実装され、第1の信号手段を使用して第1の記憶手段に通信可能に結合されており、第2の信号手段を使用して第2の記憶手段に通信可能に結合されているコントローラ手段と、第1の記憶手段、第2の記憶手段、及びコントローラ手段を封入するカバー手段と、を備える、データ記憶デバイスを説明する。一例では、第1の記憶手段及び第2の記憶手段は、NANDメモリダイからなる。一例では、データ記憶デバイスはまた、PCBの表面に結合された1つ以上の電子部品を含み、1つ以上の部品は、カバー手段によって封入される。一例では、コントローラ手段は、データ記憶デバイスの接続手段に通信可能に結合される。一例では、コントローラ手段は、リフローはんだ付けプロセスを使用してPCBの表面に直接実装される。
【0052】
本開示において提供される1つ以上の態様の説明及び例示は、本開示の範囲を限定又は制限することを決して意図していない。本開示で提供される態様、例、及び詳細は、所有を伝え、他者が特許請求される開示の最良の形態を作成及び使用することを可能にするのに十分であると考えられる。
【0053】
特許請求される開示は、本開示において提供される任意の態様、例、又は詳細に限定されるものとして解釈されるべきではない。組み合わせて、又は別々に示され、説明されるかどうかにかかわらず、様々な特徴は、特定の特徴のセットを有する様々な実施形態を生成するために、選択的に再配置され、含まれ、又は省略されることが意図される。本出願の説明及び例示が提供されてきたが、当業者は、特許請求される開示のより広い範囲から逸脱しない、本出願において具現化される一般的な発明概念のより広い態様の趣旨の範囲内に入る変形形態、修正形態、及び代替態様を想定することができる。
【0054】
「第1の」、「第2の」など、指定を使用する、本明細書における要素への言及は、一般に、それらの要素の量又は順序を限定しない。むしろ、これらの指定は、2つ以上の要素、又は要素の事例を区別する方法として使用され得る。したがって、第1の要素及び第2の要素への言及は、2つの要素のみが使用され得ること、又は、第1の要素が、第2の要素に先行することを意味しない。加えて、特に明記しない限り、要素のセットは、1つ以上の要素を含み得る。
【0055】
説明又は請求項で使用される「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」、又は「A、B、C、又はそれらの任意の組み合わせ」の形式の用語は、「A又はB又はC又はこれらの要素の任意の組み合わせ」を意味する。例えば、この用語は、A、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はA及びB及びC、又は2A、又は2B、又は2C、又は2A及びBなどを含み得る。更なる例として、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、A-B、A-C、B-C、及びA-B-C、並びに同じメンバーのうちの複数を包含することが意図される。同様に、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、A-B、A-C、B-C、及びA-B-C、並びに同じメンバーのうちの複数を包含することが意図される。
【0056】
同様に、本明細書で使用される場合、「及び/又は」とリンクされた項目のリストを指す句は、項目の任意の組み合わせを指す。例として、「A及び/又はB」は、Aのみ、Bのみ、又はA及びBの組み合わせを包含することが意図されている。別の例として、「A、B、及び/又はC」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの組み合わせ、A及びCの組み合わせ、B及びCの組み合わせ、又はA、B、及びCの組み合わせを包含することが意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
【外国語明細書】