(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173633
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ゲームのライブ配信サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/86 20140101AFI20241205BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20241205BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20241205BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20241205BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20241205BHJP
A63F 13/798 20140101ALI20241205BHJP
A63F 13/87 20140101ALI20241205BHJP
H04L 67/131 20220101ALI20241205BHJP
H04L 67/50 20220101ALI20241205BHJP
H04N 21/235 20110101ALI20241205BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20241205BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/35
A63F13/69 510
A63F13/79 520
A63F13/792
A63F13/798
A63F13/87
H04L67/131
H04L67/50
H04N21/235
H04N21/258
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024003717
(22)【出願日】2024-01-15
(62)【分割の表示】P 2023091414の分割
【原出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】518260552
【氏名又は名称】株式会社ミラティブ
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】栗田 健悟
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA22
5C164SB08P
5C164SC11P
5C164SD12S
5C164YA08
5C164YA11
(57)【要約】
【課題】配信者とまだ親密ではない視聴者が配信者にギフトを贈る際の心理的な抵抗感を
軽減して気軽にギフトを贈ることができると共に、効果的にコミュニケーションを形成す
ることができるゲームのライブ配信サーバを提供する。
【解決手段】配信者によるゲームのプレイ動画を視聴者にライブ配信するゲームのライブ
配信サーバ2であって、視聴者からの、ギフトコンテンツの配信者への贈与を希望する贈
与希望を受け付ける贈与希望受付部227と、贈与希望に応じて複数のギフトコンテンツ
を保持するギフトデータベースDBからいずれかの第1ギフトコンテンツを抽出し配信者
に提供すると共に、視聴者にもギフトデータベースDBからいずれかの第2ギフトコンテ
ンツを抽出し提供するギフト提供部228と、を備える、ゲームのライブ配信サーバ2。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信者によるゲームのプレイ動画を視聴者にライブ配信するゲームのライブ配信サーバ
であって、
前記視聴者からの、ギフトコンテンツの前記配信者への贈与を希望する贈与希望を受け
付ける贈与希望受付部と、
前記贈与希望に応じて複数のギフトコンテンツを保持するギフトデータベースからいず
れかの第1ギフトコンテンツを抽出し前記配信者に提供すると共に、前記視聴者にも前記
ギフトデータベースからいずれかの第2ギフトコンテンツを抽出し提供するギフト提供部
と、を備えるゲームのライブ配信サーバ。
【請求項2】
前記贈与希望には、前記配信者のみに前記第1ギフトコンテンツを贈与することを希望
する通常贈与希望と、前記配信者に前記第1ギフトコンテンツを贈与すると共に前記視聴
者に前記第2ギフトコンテンツを提供することを希望する相互贈与希望があり、
前記ギフト提供部は、前記贈与希望が前記相互贈与希望である場合に、抽出した前記第
1ギフトコンテンツを前記配信者に提供すると共に、前記第2ギフトコンテンツを前記視
聴者に提供する、請求項1に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項3】
前記ギフト提供部は、前記ギフトデータベースの中からランダムに前記第1ギフトコン
テンツおよび前記第2ギフトコンテンツを抽出する請求項1に記載のゲームのライブ配信
サーバ。
【請求項4】
前記ギフト提供部は、ランダムな前記ギフトコンテンツの抽出において、前記視聴者の
前記ゲームへの課金額に応じて抽出する前記第1ギフトコンテンツおよび前記第2ギフト
コンテンツのうち少なくとも一方を変化させる請求項3に記載のゲームのライブ配信サー
バ。
【請求項5】
前記配信者と前記視聴者のそれぞれに対応するアバターを前記配信者と前記視聴者とに
それぞれ提供するアバター管理部をさらに備え、前記第1ギフトコンテンツおよび前記第
2ギフトコンテンツのうち少なくとも一方は、前記アバターに使用可能な装飾品である、
請求項1乃至4の何れか1項に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項6】
前記第1ギフトコンテンツおよび前記第2ギフトコンテンツのうち少なくとも一方は、
前記ゲーム内で使用可能なアイテムである、請求項1乃至4の何れか1項に記載のゲーム
のライブ配信サーバ。
【請求項7】
前記第1ギフトコンテンツおよび前記第2ギフトコンテンツのうち少なくとも一方は、
前記ギフト提供部に対して前記ギフトコンテンツをランダムに抽出する処理を実行させる
、ギフトコンテンツ抽選要求オブジェクトである、請求項1乃至4の何れか1項に記載の
ゲームのライブ配信サーバ。
【請求項8】
前記第1ギフトコンテンツおよび前記第2ギフトコンテンツのうち少なくとも一方は、
前記ゲームのライブ配信サーバにより提供される全てのゲームに共通するプレイヤーの序
列を決定する指標となるスコアである序列スコアである、請求項1乃至4の何れか1項に
記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項9】
前記第1ギフトコンテンツおよび前記第2ギフトコンテンツのうち少なくとも一方は、
前記ゲームのライブ配信サーバにより提供される特定のゲーム内において所定の条件を満
たすと獲得されるスコアであるゲームスコアである、請求項1乃至4の何れか1項に記載
のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項10】
前記第1ギフトコンテンツと前記第2ギフトコンテンツは同一のギフトコンテンツであ
る、請求項1に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項11】
配信者によるゲームのプレイ動画を視聴者にライブ配信するゲームのライブ配信用のプ
ログラムであって、
前記視聴者からの、ギフトコンテンツの前記配信者への贈与を希望する贈与希望を受け
付ける贈与希望受付工程と、
前記贈与希望に応じて複数のギフトコンテンツを保持するギフトデータベースからいず
れかの第1ギフトコンテンツを抽出し前記配信者に提供すると共に、前記視聴者にも前記
ギフトデータベースからいずれかの第2ギフトコンテンツを抽出し提供するギフト提供工
程と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームのライブ配信サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の各種デバイスの高性能化、高機能化と、インターネットによ
る通信の高速化とに伴い、各種の動画配信サービスが普及している(特許文献1参照)。
特に、配信者がゲームをプレイする様子をリアルタイムで多数の視聴者の端末に配信する
、ゲームのライブ配信サービスが行われるようになっている。
【0003】
そして、こうしたゲームのライブ配信を行う種々の配信システムでは、ゲームの配信者
と視聴者との間でコミュニケーションを可能とすべく、種々のコミュニケーション機能が
実装されている。
【0004】
例えば、ゲームのライブ配信システムでは、端末にゲームのプレイ動画が表示される動
画ウィンドウと共にチャットウィンドウが表示されるようになっていて、配信者と視聴者
とが文字によりコミュニケーションを行うことが可能になっている。また、こうしたチャ
ットと共に、音声通話機能も実装され、通話によるコミュニケーションを行うことができ
るゲームのライブ配信システムも広く普及している。
【0005】
さらに、近年、視聴者から配信者に対して、ゲームのライブ配信システム内で使用する
ことで特定の機能を発揮することができるギフトを贈ることが可能になっている。このよ
うなギフトを贈ることにより、視聴者が好みの配信者を応援したり、コミュニケーション
を図る際のきっかけにしたりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ゲームのライブ配信システムにおいて配信者とチャット等でコミュニケーシ
ョンを行ったことがほとんどまたは全くなく、配信者とまだ親密になれていない視聴者が
唐突に配信者にギフトを贈る際には、気恥ずかしさ等といった心理的な抵抗感が生じ、ま
た、ギフトを贈ることによるコミュニケーションの形成効果も十分なものとは言い難かっ
た。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、配信者とまだ親密で
はない視聴者が配信者にギフトを贈る際の心理的な抵抗感を軽減して気軽にギフトを贈る
ことができると共に、効果的にコミュニケーションを形成することができるゲームのライ
ブ配信サーバおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、配信者によるゲームのプレイ動画を視聴者にライブ配信するゲームのライブ
配信サーバであって、前記視聴者からの、ギフトコンテンツの前記配信者への贈与を希望
する贈与希望を受け付ける贈与希望受付部と、前記贈与希望に応じて複数のギフトコンテ
ンツを保持するギフトデータベースからいずれかの第1ギフトコンテンツを抽出し前記配
信者に提供すると共に、前記視聴者にも前記ギフトデータベースからいずれかの第2ギフ
トコンテンツを抽出し提供するギフト提供部と、を備えるゲームのライブ配信サーバであ
ることを特徴とする。
【0010】
上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記贈与希望には、前記配信者のみに前記第
1ギフトコンテンツを贈与することを希望する通常贈与希望と、前記配信者に前記第1ギ
フトコンテンツを贈与すると共に前記視聴者に前記第2ギフトコンテンツを提供すること
を希望する相互贈与希望があり、前記ギフト提供部は、前記贈与希望が前記相互贈与希望
である場合に、抽出した前記第1ギフトコンテンツを前記配信者に提供すると共に、前記
第2ギフトコンテンツを前記視聴者に提供することが好ましい。
【0011】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記ギフト提供部は、前記ギフトデー
タベースの中からランダムに前記第1ギフトコンテンツおよび前記第2ギフトコンテンツ
を抽出することが好ましい。
【0012】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記ギフト提供部は、ランダムな前記
ギフトコンテンツの抽出において、前記視聴者の前記ゲームへの課金額に応じて抽出する
前記第1ギフトコンテンツおよび前記第2コンテンツのうち少なくとも一方を変化させる
ことが好ましい。
【0013】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記配信者と前記視聴者のそれぞれに
対応するアバターを前記配信者と前記視聴者とにそれぞれ提供するアバター管理部をさら
に備え、前記第1ギフトコンテンツおよび前記第2ギフトコンテンツのうち少なくとも一
方は、前記アバターに使用可能な装飾品であることが好ましい。
【0014】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記第1ギフトコンテンツおよび前記
第2ギフトコンテンツのうち少なくとも一方は、前記ゲーム内で使用可能なアイテムであ
ることが好ましい。
【0015】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記第1ギフトコンテンツおよび前記
第2ギフトコンテンツのうち少なくとも一方は、前記ギフトコンテンツをランダムに抽出
する処理を実行させる、ギフトコンテンツ抽選要求オブジェクトであることが好ましい。
【0016】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記第1ギフトコンテンツおよび前記
第2ギフトコンテンツのうち少なくとも一方は、前記ゲームのライブ配信サーバにより提
供される全てのゲームに共通するプレイヤーの序列を決定する指標となるスコアである序
列スコアであるであることが好ましい。
【0017】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記第1ギフトコンテンツおよび前記
第2ギフトコンテンツのうち少なくとも一方は、前記ゲームのライブ配信サーバにより提
供される特定のゲーム内において所定の条件を満たすと獲得されるゲームスコアであるこ
とが好ましい。
【0018】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記第1ギフトコンテンツと前記第2
ギフトコンテンツは同一のギフトコンテンツであることが好ましい。
【0019】
また、本発明は、配信者によるゲームのプレイ動画を視聴者にライブ配信するゲームの
ライブ配信用のプログラムであって、前記視聴者からの、ギフトコンテンツの前記配信者
への贈与を希望する贈与希望を受け付ける贈与希望受付工程と、前記贈与希望に応じて複
数のギフトコンテンツを保持するギフトデータベースからいずれかの第1ギフトコンテン
ツを抽出し前記配信者に提供すると共に、前記視聴者にも前記ギフトデータベースからい
ずれかの第2ギフトコンテンツを抽出し提供するギフト提供工程と、をコンピュータに実
行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
上述した構成からなる本発明によれば、配信者とまだ親密ではない視聴者が配信者にギ
フトを贈る際の心理的な抵抗感を軽減して気軽にギフトを贈ることができると共に、効果
的にコミュニケーションを形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバが適用されるゲームのライブ配信システムを示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバの構成ブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバの機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバの記憶手段に記憶されているギフトデータベースの具体例を示す模式図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバと通信を行う視聴者端末に表示される画面の具体例を示す模式図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバによる処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバが適用
されるゲームのライブ配信システムについて説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2が適用されるゲームのラ
イブ配信システム1を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係るゲームの
ライブ配信システム1は、ゲームのライブ配信サーバ2(以下、単に「サーバ2」ともい
う)と、サーバ2にネットワークNを介して接続された配信者端末3と、複数の視聴者端
末4(4A、4B、…、4N)を備えて構成されている。
【0024】
ゲームのライブ配信システム1は、本実施形態においては配信者となるユーザが配信す
るゲームのプレイ動画を、視聴者となる1人以上のユーザにリアルタイムで提供すること
を可能にするシステムである。
【0025】
具体的には、ゲームのライブ配信システム1では、サーバ2は1つ以上のゲームを提供
し、各ユーザは自身が所有する端末(配信者端末3や視聴者端末4)からサーバ2にアク
セスすることにより、端末からゲームの操作情報をサーバ2に送信し、サーバ2は当該操
作情報に基づきゲーム内の各種の情報処理を行い当該情報処理の結果をユーザの端末に送
信し、ユーザの端末は当該情報処理の結果に基づきプレイ動画を表示する。すなわち、ユ
ーザの端末は、ゲームの操作情報の生成、送信およびプレイ動画の描画のみを行い、その
他のゲームに関する情報処理は全てサーバ2により行われる。
【0026】
また、当該ゲームをプレイするユーザが自身のプレイ動画をライブ配信することを希望
した場合には、サーバ2は、当該プレイ動画を、配信を希望する視聴者の視聴者端末4に
提供する。
【0027】
配信者端末3および視聴者端末4は、通信機能、音声通話機能、録音録画機能、操作機
能及び表示機能等を備える端末であり、例えばスマートフォン、タブレット型端末および
PC等、インストールされたプログラムを介してサーバ2にアクセスすることにより、各
種のゲームをプレイすることができると共に、当該プレイ動画を配信または視聴すること
ができる端末である。また、配信者端末3および視聴者端末4は、チャット機能や通話機
能を備えている。配信者端末3と視聴者端末4は基本的に同一の端末であり、配信を行い
たいユーザが端末を介してゲームのライブ配信の開始操作を行うことにより当該端末が配
信者端末3として機能する一方、配信されている動画を視聴したいユーザが端末を介して
視聴開始操作を行うことにより当該端末が視聴者端末4として機能する。
【0028】
図2は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2の構成ブロック図である
。
図2に示すように、サーバ2は、サーバ2の全体を制御する制御部21と、記憶手段2
5と、通信部26とを備えている。
【0029】
制御部21は、制御部21全体を制御するCPU22と、CPU22上で動作する制御
プログラム等を格納したROM23と、各種データを一時的に格納するためのRAM24
とを備えて構成されている。
【0030】
図3は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2の機能ブロック図である
。
図3に示すように、制御部21は、CPU22がROM23に格納されているプログラ
ムをRAM24に展開して実行することにより、ゲーム提供部221、動画配信部222
、アバター管理部223、チャット管理部224、通話管理部225、ギフト管理部22
6、贈与希望受付部227およびギフト提供部228として機能する。
【0031】
ゲーム提供部221は、記憶手段25に保存されている1つ以上のゲームデータに基づ
き、配信者端末3と視聴者端末4にゲームを提供する。上述したように配信者端末3と視
聴者端末4はゲームの操作情報の生成、送信およびプレイ動画の描画のみを行い、その他
のゲームに関する情報処理は全てゲーム提供部221により行われる。すなわち、ゲーム
提供部221は、配信者端末3と視聴者端末4から送信される操作情報に基づきゲーム内
の各種の情報処理を行い、当該情報処理の結果を配信者端末3と視聴者端末4に送信する
。そして、配信者端末3と視聴者端末4は、受信したゲーム提供部221による情報処理
の結果に基づいてプレイ動画を表示する。
【0032】
動画配信部222は、配信者端末3からゲームのライブ配信を開始する旨の情報を受信
すると、サーバ2にアクセスする配信者端末3のうち当該ゲームのプレイ動画の視聴を希
望するものに対して、プレイ動画を配信する。このプレイ動画の配信に際して、動画配信
部222は、動画データをそのまま配信する他、動画に所定の加工を加えて配信してもよ
い。
【0033】
アバター管理部223は、配信者と視聴者のそれぞれに対応するアバターa(
図5参照
)を示すアバターデータを生成して配信者端末3と視聴者端末4とにそれぞれ送信する。
アバターaは種々の装飾品を装備可能になっていて、当該装飾品に関するデータもアバタ
ー管理部223により管理される。
【0034】
チャット管理部224は、配信者端末3と視聴者端末4とを介して配信者と視聴者とが
行うチャットの管理を行う。チャット管理部224は、配信者端末3により動画配信が行
われる場合に、配信者端末3と視聴者端末4とに、共通のチャットウィンドウC(
図5参
照)を提供し、当該チャットウィンドウCを介して視聴者と配信者とにより行われるチャ
ットの内容を、配信者端末3と視聴者端末4との双方に表示する。
【0035】
通話管理部225は、配信者端末3による動画配信中に、配信者端末3と視聴者端末4
との音声通話機能を介して、配信者から視聴者への会話等の音声の伝達を実現する。
【0036】
ギフト管理部226は、視聴者から配信者に贈与されるギフトコンテンツを、複数のギ
フトコンテンツを保持するギフトデータベースを用いて管理する。ギフトコンテンツは、
例えばアバターに使用可能な装飾品、ゲーム内で使用可能なアイテム、ギフト提供部22
8に対してゲーム内で使用可能なアイテムをランダムに抽出する処理(いわゆるガチャ)
を実行させるアイテム抽選要求オブジェクト、ゲームのライブ配信サーバを介してゲーム
を行うプレイヤーの序列を決定する序列スコア、ゲームのライブ配信サーバにより提供さ
れる特定のゲーム内において所定の条件を満たすと獲得されるゲームスコア等である。
【0037】
図4は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2の記憶手段25に記憶さ
れているギフトデータベースDBの具体例を示す模式図である。ギフトデータベースDB
には、各ギフトコンテンツに対応するギフトID、ギフト名、使用箇所およびギフトコン
テンツを入手するための対価ポイントに関する情報が保持されていて、ギフト管理部22
6はこれらの情報を更新可能に管理する。
【0038】
ギフト名は、
図4に示すギフトデータベースDBでは、「バッグ」、「靴1」、「靴2
」、「ギフトガチャ」、「分裂球」、「素早いシューズ」、「鎧」、「鉄の剣」、「序列
スコア」および「ゲームスコア」が挙げられている。ここで、「ギフトガチャ」とは、そ
れぞれの使用箇所において選択可能なギフトコンテンツからランダムなギフトコンテンツ
が選ばれるというギフトである。
【0039】
ギフトコンテンツの使用箇所とは、ギフトコンテンツが使用される対象を示し、本実施
形態においては当該ゲームのプレイ動画と同時に表示される、配信者や視聴者に対応する
アバターa(
図5参照)、特定のゲーム(テニス、アドベンチャー)、およびサーバ2が
提供するゲーム全体(全ゲーム)が含まれている。
【0040】
使用箇所がアバターaである場合、ゲームで使用されるギフトコンテンツとしては、ゲ
ームを有利にするアイテムや特殊効果が含まれている。また、アバターaに使用されるギ
フトコンテンツとしては、アバターaが装着可能な装飾品が含まれている。さらに、アバ
ターaに使用されるギフトコンテンツの中には、サーバ2により提供される全てのゲーム
に共通するプレイヤーの序列(例えばサーバ2により提供される全てのゲームを通じたプ
レイヤーのランキングやレベル)を決定する序列スコアや、サーバ2が提供する特定のゲ
ーム(
図4の例ではテニス、アドベンチャー)内において所定の条件(例えばゲーム内で
敵を倒す、農作物を収穫する、迷路を攻略する等)を満たすと獲得されるゲームスコアが
含まれている。
【0041】
贈与希望受付部227は、視聴者端末4から送信される、視聴者からの、ギフトコンテ
ンツの配信者への贈与を希望する贈与希望を受信する。贈与希望は、視聴者が保有するポ
イントを対価として視聴者端末4を介してギフトコンテンツを選択することで行うことが
できる。このポイントは、視聴者が有償で購入することが可能であると共に、例えばゲー
ムのライブ配信システム1内のゲーム内で行われるイベントで所定の条件を満たすことに
より付与される。
【0042】
ここで、贈与希望には、単に視聴者からギフトコンテンツの配信者への贈与を希望する
通常贈与希望と、配信者と共に視聴者にも同一のギフトコンテンツの贈与を希望する相互
贈与希望の2種類があり、それぞれ異なるギフトコンテンツとして視聴者により選択可能
に用意されている。視聴者はこの2種類の贈与希望のうち任意のものを選択することがで
き、選択された贈与希望が視聴者端末4からサーバ2に送信され、贈与希望受付部227
がこれを受信する。なお、相互贈与希望時に必要となる対価としてのポイントは、例えば
通常贈与希望時のポイントの2倍のポイントになっている。
【0043】
ギフト提供部228は、贈与希望に応じてギフトデータベースDBからギフトコンテン
ツを抽出し、配信者に提供する。贈与希望が相互贈与希望である場合には、ギフト提供部
228は、抽出したギフトコンテンツを、配信者に加えて、ギフト贈与を希望した視聴者
にも提供する。
【0044】
また、ギフト提供部228は、視聴者がギフトコンテンツとして「ギフトガチャ」を選
択している場合、ギフトデータベースDBの中から、ランダムにギフトコンテンツを抽出
する。なお、ギフト提供部228は、ランダムなギフトコンテンツの抽出において、視聴
者のゲームへの課金額に応じて抽出するギフトコンテンツを変化させてもよい。これによ
り、視聴者に対してゲームに課金する動機付けを行うことができる。ここで、視聴者によ
るゲームへの課金としては、例えば特定の配信者に対して贈与したギフトコンテンツの合
計金額や、視聴者が過去に行った自身のアバターaやゲームアイテムのための課金の合計
金額等が含まれる。また、抽出するギフトコンテンツの変化とは、例えば視聴者のゲーム
への課金額が所定の閾値以上になった場合にのみ抽出候補となるギフトコンテンツ(スペ
シャルギフトコンテンツ)があり、課金額が所定の閾値を超えたことに伴い、当該スペシ
ャルギフトコンテンツが抽出候補に加わることが挙げられる。この課金額の閾値は複数設
けてもよく、それぞれの閾値以上になったときに抽出候補に挙がるスペシャルギフトコン
テンツを用意してもよい。
【0045】
なお、本実施形態においては贈与希望が相互贈与希望である場合には、ギフト提供部2
28により配信者と視聴者に同一のギフトコンテンツがギフトデータベースGBから抽出
されて提供されるが、本発明においてはこれに限らず、配信者と視聴者に異なるギフトコ
ンテンツが提供される態様であってもよい。このように配信者と視聴者に異なるギフトコ
ンテンツが提供される場合、贈与希望に際して配信者への贈与を希望するギフトコンテン
ツ(第1ギフトコンテンツ)に加えて、配信者に提供されるギフトコンテンツ(第2ギフ
トコンテンツ)を配信者自身により任意に選択可能である態様であってもよい。また、所
定の第1ギフトコンテンツと所定の第2ギフトコンテンツがあらかじめセットになってい
て、視聴者はそれぞれのセットの中から任意のセットを選択することにより、第1ギフト
コンテンツと第2ギフトコンテンツの提供を行う態様でもよい。さらに、第1ギフトコン
テンツと第2ギフトコンテンツとがそれぞれギフト提供部228によりランダムに抽出さ
れて提供される態様であってもよい。また、第1ギフトコンテンツは視聴者により選択可
能である一方、第2ギフトコンテンツはギフト提供部228によりギフトデータベースD
Bからランダムに抽出されて視聴者に提供される態様であってもよい。そして、第1ギフ
トコンテンツと第2ギフトコンテンツが異なる場合であっても、ランダムな抽出時には、
上述したように視聴者のゲームへの課金額に応じて抽出するギフトコンテンツを変化させ
る態様であってもよい。
【0046】
図2に戻り、サーバ2は、制御部21に加えて、記憶手段25と、通信部26とを備え
ている。
【0047】
記憶手段25は、磁気ハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成され
ている。記憶手段25は、サーバ2が機能するために必要になる、各種のゲームに関する
データや、ギフトデータベースDB等の各種のデータベースを記憶する。
【0048】
通信部26は、ネットワークインターフェースであり、ネットワークNを介して配信者
端末3および視聴者端末4と通信する。通信部26は、配信者端末3や視聴者端末4から
受信した各種データを制御部21に渡すと共に、制御部21が生成したデータを配信者端
末3や視聴者端末4に送信する。
【0049】
次に、上述した構成を備えるゲームのライブ配信システム1によるライブ配信の様子に
ついて説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2と通信を
行う視聴者端末4に表示される画面の具体例を示す模式図である。
図5に示すように、ゲ
ームのライブ配信時、視聴者端末4には、動画ウィンドウVと、チャットウィンドウCと
、チャット入力ウィンドウIと、アバターウィンドウAと、ギフトアイコンGと、各種操
作メニューを呼び出すメニューボタンMとが表示される。
【0050】
動画ウィンドウVは、動画配信部222から配信される、配信者によるゲームのプレイ
動画が表示されるウィンドウである。
【0051】
チャットウィンドウCは、チャット管理部224により管理されるチャットが表示され
るウィンドウであり、発言者である視聴者の名前(「ひなた」、「ねこねこ」)と、各発
言者による発言(「はじめまして!」や「いまがチャンス!」)が表示される。
【0052】
チャット入力ウィンドウIは、チャットウィンドウCに表示される発言を入力するため
のウィンドウである。発言を希望する視聴者は、このチャット入力ウィンドウI内に視聴
者端末4の文字入力機能を用いて文字を入力して当該文字データをサーバ2に送信するこ
とにより、チャット管理部224が視聴者端末4のチャットウィンドウCに当該文字を表
示するように機能する。なお、チャットの内容は、配信者端末3にも表示されるようにな
っている。
【0053】
アバターウィンドウAは、アバター管理部223により管理されるアバターaが表示さ
れるウィンドウである。アバターaは、配信者または視聴者にそれぞれ対応するアバター
aである。
【0054】
ギフトアイコンGは、視聴者が配信者にギフトコンテンツの贈与を行う際に選択される
アイコンであり、当該アイコンを選択することにより、視聴者端末4に、ギフトデータベ
ースDBに基づき贈与可能なギフトコンテンツの一覧が表示される。そして、視聴者が保
有するポイントを対価として、ギフトコンテンツの一覧の中から贈与したいギフトコンテ
ンツを選択すると、視聴者端末4からサーバ2に贈与希望が送信され、サーバ2の贈与希
望受付部227が受信すると共に、ギフト提供部228が贈与希望に応じてギフトデータ
ベースDBから所定のギフトコンテンツを抽出し、配信者に提供する。
【0055】
また、ギフト提供部228は、視聴者が相互ギフトコンテンツを希望する場合には、抽
出したギフトコンテンツを、配信者に加えて、視聴者にも提供する。
【0056】
次に、上述した構成及び機能を有するサーバ2の動作についてフローチャートを用いて
説明する。
図6は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2による処理を示
すフローチャートである。
【0057】
図6に示すように、まず、視聴者が視聴者端末4を操作して、サーバ2に対して所定の
配信者によるゲームのライブ配信を視聴する旨のリクエストを送信する(ステップS1)
。
【0058】
次に、動画配信部222が、視聴者端末4に対して配信者のプレイ動画を配信する(ス
テップS2)。配信された動画データは、
図5に示すように視聴者端末4の動画ウィンド
ウVに表示される。
【0059】
次に、贈与希望受付部227が、視聴者端末4から送信される贈与希望を受信する(ス
テップS3)。上述したように、贈与希望には、配信者のみにギフトコンテンツを贈与す
ることを希望する通常贈与希望と、配信者と視聴者の双方に同一のギフトコンテンツを贈
与することを希望する相互贈与希望の2つの種類の態様がある。
【0060】
次に、ギフト提供部228が、贈与希望に応じてギフトデータベースから所定のギフト
コンテンツを抽出する(ステップS4)。この際、ギフトコンテンツとして「ギフトガチ
ャ」が選択されている場合には、ギフト提供部228は、ギフトデータベースDBの中か
ら、ランダムにギフトコンテンツを抽出する。
【0061】
そして、ギフト提供部228は、贈与希望が相互贈与希望である場合(ステップS5:
YES)、抽出したギフトコンテンツを、配信者と視聴者とに提供し(ステップS6)、
ギフトコンテンツの贈与に関する処理を終了する。なお、この相互ギフトコンテンツであ
る旨は、配信者端末3に任意の方法で通知される。
【0062】
一方、ギフト提供部228は、贈与希望が相互贈与希望でない場合(ステップS5:N
O)、抽出したギフトコンテンツを、配信者のみに提供し(ステップS7)、ギフトコン
テンツの贈与に関する処理を終了する。
【0063】
上述した本実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2によれば、配信者とまだ親密で
はない視聴者が配信者にギフトを贈る際に、相互ギフトコンテンツを選択することにより
、配信者だけでなく視聴者自身もギフトコンテンツを提供されることになり、プレゼント
よりも心理的な抵抗感が少ない「お裾分け」や「自身がギフトコンテンツを受け取るつい
でに」という感覚でギフトコンテンツを贈与することができ、気恥ずかしさ等の抵抗感を
軽減することができる。
【0064】
また、視聴者と配信者が同じギフトコンテンツを獲得することにより、視聴者と配信者
との間に当該ギフトコンテンツに関する話題が生まれるため、効果的にコミュニケーショ
ンを形成することが可能になる。特に、ギフトコンテンツが「ギフトガチャ」である場合
には、ギフトコンテンツの抽出結果に関する話題(ギフトコンテンツの良し悪しや抽選運
に関する話題等)が生まれるため、さらに効果的にコミュニケーションを形成することが
可能になる。
【0065】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、種々の変形を採用することができる。
【0066】
例えば、上述した実施形態においては配信者端末3および視聴者端末4は、ゲームの操
作情報の生成、送信およびプレイ動画の描画のみを行い、その他のゲームに関する情報処
理は全てサーバ2により行われていたが、本発明においてはこれに限らず、配信者端末3
および視聴者端末4が、ゲームの操作情報の生成、送信およびプレイ動画の描画以外の、
上述した実施形態においてサーバ2が担っていた情報処理の少なくとも一部を行ってもよ
い。
【0067】
また、上述したギフトコンテンツは上述した実施形態に含まれているものに限定されず
、他のギフトコンテンツであってもよい。例えば、提供にランダム性が付与されたギフト
コンテンツとして、視聴者による贈与希望に応じてギフトコンテンツをランダムに抽出し
て配信者と視聴者に提供する上記「ギフトガチャ」を挙げた。しかし、本発明では視聴者
から配信者に対して、ギフトコンテンツそのものをランダムに付与するのではなく、ギフ
トコンテンツのランダムな抽出処理の開始権限を付与してもよい。具体的には、視聴者か
ら配信者に贈与されるギフトコンテンツが、ギフト提供部228に対してギフトコンテン
ツをランダムに抽出する処理を実行させる、ギフトコンテンツ抽選要求オブジェクト(ガ
チャチケット)であってもよい。この場合、視聴者から配信者に対してギフトコンテンツ
としてガチャチケットを贈与され、配信者がこのガチャチケットを使用することにより、
ギフト提供部228がギフトデータベースDBからギフトコンテンツをランダムに抽出し
、配信者に提供する。このように、配信者にギフトコンテンツとしてガチャチケットを提
供することにより、配信者により多くの楽しみを与えることができると共に、このランダ
ムな抽出結果に関する話題が生じて、効果的にコミュニケーションを形成することが可能
になる。
【符号の説明】
【0068】
1:ゲームのライブ配信システム
2:ゲームのライブ配信サーバ
3:配信者端末
4:視聴者端末
21:制御部
22:CPU
23:ROM
24:RAM
25:記憶手段
26:通信部
221:ゲーム提供部
222:動画配信部
223:アバター管理部
224:チャット管理部
225:通話管理部
226:ギフト管理部
227:贈与希望受付部
228:ギフト提供部
A:アバターウィンドウ
a:アバター
C:チャットウィンドウ
DB:ギフトデータベース
G:ギフトアイコン
I:チャット入力ウィンドウ
M:メニューボタン
V:動画ウィンドウ