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特開2024-173644ノルマルパラフィンのオレフィンへの脱水素化プロセス
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  • 特開-ノルマルパラフィンのオレフィンへの脱水素化プロセス 図1
  • 特開-ノルマルパラフィンのオレフィンへの脱水素化プロセス 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173644
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ノルマルパラフィンのオレフィンへの脱水素化プロセス
(51)【国際特許分類】
   C07C 5/327 20060101AFI20241205BHJP
   C07C 11/02 20060101ALI20241205BHJP
   C07C 11/12 20060101ALI20241205BHJP
   C07C 2/64 20060101ALI20241205BHJP
   C07C 15/107 20060101ALI20241205BHJP
   C07C 7/13 20060101ALI20241205BHJP
   B01D 15/00 20060101ALI20241205BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20241205BHJP
【FI】
C07C5/327
C07C11/02
C07C11/12
C07C2/64
C07C15/107
C07C7/13
B01D15/00 J
C07B61/00 300
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024010212
(22)【出願日】2024-01-26
(31)【優先権主張番号】63/504,884
(32)【優先日】2023-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】598055242
【氏名又は名称】ユーオーピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】エフゲニー ティ.コレフ
(72)【発明者】
【氏名】フォン ティ.エム.ドー
【テーマコード(参考)】
4D017
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4D017AA04
4D017BA04
4D017CA05
4H006AA02
4H006AC23
4H006AD17
4H006BA26
4H006BA55
4H006BA68
4H006DA10
4H039CA19
4H039CA29
4H039CF10
4H039CG90
(57)【要約】      (修正有)
【課題】天然油に由来するノルマルパラフィンをオレフィンに脱水素化する方法を提供する。
【解決手段】供給流を、アルカリ又はアルカリ土類陽イオン交換X-ゼオライトを含む吸着剤床に通して供給流から本質的に全ての酸素化物及び芳香族を除去する。追加の酸素化物及び芳香族、並びに硫黄化合物、窒素化合物、リン化合物、又はこれらの組合せを除去するために、異なる吸着剤を有する1つ以上の追加の吸着剤床を含めることもできる。脱水素化プロセスは、天然油からアルキルベンゼンを製造するためのプロセスの一部とすることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノルマルパラフィンをオレフィンに脱水素化する方法であって、
C9~C14ノルマルパラフィン、イソパラフィン、オレフィン、酸素化物、及び最大10重量%の芳香族を含む天然油に由来する供給流(130)を、アルカリ又はアルカリ土類陽イオン交換X-ゼオライトを含む第1の吸着剤を含有する第1の吸着剤床に通す工程であって、前記吸着剤が、吸着によって前記パラフィン流から前記酸素化物及び芳香族の少なくとも一部を除去して処理流(145)を形成する、工程と、
前記処理流(145)を脱水素化して、前記処理流(145)の少なくとも一部をオレフィンに変換し、モノオレフィン、ジオレフィン、及び芳香族を含む脱水素化流(155)を提供する工程とを含む、方法。
【請求項2】
前記処理流(140)を、5Aゼオライトを含む第2の吸着剤を含有する第2の吸着剤床に通して、追加の酸素化物及び芳香族を除去して第2の処理流を形成する工程、又は、
前記処理流を脱水素化する前に、第3の吸着剤を含有する第3の吸着剤床において前記処理流から汚染物質を除去して汚染除去流(145)を形成する工程であって、前記汚染物質は、硫黄化合物、又は窒素化合物、又はリン化合物、又はこれらの組合せを含み、前記第3の吸着剤は、13Xゼオライト、5Aゼオライト、アルミナ-ゼオライト、又はこれらの組合せを含む、汚染除去流(145)を形成する工程、
又はその両方を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記供給流が、
天然油(105)を脱酸素して、C9~C28パラフィンを含むパラフィン流を形成する工程と、
直鎖選択分解ユニット(125)において、直鎖選択分解条件下、直鎖選択分解触媒の存在下で、前記パラフィン流を直鎖選択分解して、ノルマル又は軽度分岐C9~C14パラフィンを含む第1流(130)及びイソパラフィンを含む第2流(135)を形成する工程と、
前記脱水素化流(155)中の前記ジオレフィンを選択的に水素化して追加のモノオレフィンを形成し、前記モノオレフィンから前記芳香族を分離及び除去して、前記芳香族を含む芳香族流(165)及び前記モノオレフィンを含むモノオレフィン流(170)を形成する工程と、
アルキル化条件下でベンゼン(180)を前記モノオレフィンでアルキル化して、アルキルベンゼン及びベンゼンを含むアルキル化流出物(185)を提供する工程と、
前記アルキルベンゼンを単離して、前記天然油に由来する前記アルキルベンゼン生成物(205)を提供する工程と
によって形成される、請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の記載)
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2023年5月30日出願の米国仮特許出願第63/504,884号への優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
直鎖アルキルベンゼンは、式C2n+1を有する有機化合物である。アルキル炭素数「n」は任意の実用的な値を有することができるが、洗剤製造業者は、アルキルベンゼンが9~16の範囲、好ましくは9~14の範囲のアルキル炭素数を有することを望む。これらの特定の範囲は、アルキルベンゼンを洗剤用界面活性剤の製造における中間体として使用する場合に必要とされることが多い。9~14の範囲のアルキル炭素数は、洗剤業界の仕様に沿っている。
【0003】
アルキルベンゼンから生成される界面活性剤は生分解性なので、アルキルベンゼンの製造は、1960年代の洗剤製造における最初の使用以来急速に増えてきた。アルキルベンゼン中のパラフィン鎖の直線性は、材料の生分解性及び洗剤としての有効性にとって重要である。アルキルベンゼンの最終直線性における主要因子は、パラフィン成分の直線性である。
【0004】
アルキルベンゼン系界面活性剤を利用して作製された洗剤は生分解性であるが、アルキルベンゼンを生成するための従来のプロセスは、再生可能な供給源に基づいていない。具体的には、アルキルベンゼンは現在、土から抽出された原油から精製された灯油から製造されている。化石燃料の抽出に対する環境的偏見の高まり及び化石燃料鉱床の枯渇に対する経済的懸念により、洗剤及び他の産業において生分解性界面活性剤の代替供給源を使用する支持があり得る。
【0005】
植物油又は動物性脂肪に基づく供給原料から生成されるC9~C14パラフィンは、脱水素化触媒を被毒することができる汚染物質を含有する。汚染物質はまた、直鎖アルキルベンゼン及び直鎖アルキルベンゼンスルホネートの変色を引き起こす可能性がある。汚染物質は、芳香族、軽質酸素化物、脂肪酸、脂肪エステルなどを含むことができる。これらの汚染物質は、C9~C14パラフィンを脱水素化する前に除去する必要がある。
【0006】
したがって、植物油、動物油、ナッツ油、及び/又は種子油からの再生可能で容易に処理されるトリグリセリド及び脂肪酸から汚染除去されたC9~C14パラフィンを脱水素化ユニットに提供することが望ましい。パーム核油、ココナッツ油及びババス油は、洗剤産業で望まれるアルキル炭素数範囲と一致する望ましい範囲のC9~C14 n-パラフィンが高い組成を有する。このような再生可能供給源はまた、大量のnC16~nC18供給物を有し、これらの供給物を高い1パス収率でnC9~nC14供給物に変換することが望ましい。これらのnC9~nC14中間生成物は、追加のプロセス工程を経て直鎖アルキルベンゼン型の洗剤を最終的に作製するのに有用である。更に、得られるnC9~nC14パラフィンは、分岐異性体生成物が最小限の直鎖生成物であることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明によるトリグリセリドからアルキルベンゼンを製造するためのプロセスの一実施形態の概略図である。
図2】実施例2による、ノルマルパラフィン質量%対脱酸素化温度のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、ノルマルパラフィンをオレフィンへ脱水素化する方法に関する。パラフィンは、植物油、動物性脂肪、ナッツ油、及び/又は種子油、並びにトリグリセリド含有油などの天然油を含む再生可能な供給原料に由来する。再生可能なバイオパラフィン流の精製プロセスは、吸着剤を含む1つ以上の吸着剤床に流を通すことを含む。
【0009】
天然油は、灯油又は他の化石燃料に基づかない。天然油には、植物若しくは藻類材料又は動物性脂肪、ナッツ、及び/又は種子油、並びにトリグリセリド含有油に由来するものが含まれ、再生可能油と呼ばれることが多い。天然油は典型的には、トリグリセリド、遊離脂肪酸、又はこれらの組合せを含む。天然油としては、落花生油(ピーナツ油(peanut oil)、ピーナツ油(groundnut oil))、ババス油、ココナッツ油、綿実油、グレープシード油、トウモロコシ油(コーン油)、からし油、パーム核油、パーム油、パームオレイン(パーム油の分画に由来する液体画分)、パームステアリン(パーム油の分画に由来する高融点画分)、ナタネ油、ナタネ油-低エルカ酸(低エルカ酸セイヨウアブラナ油(low erucic acid turnip rape oil)、低エルカ酸セイヨウアブラナ油(low erucic acid colza oil)、キャノーラ油)、ベニバナ種子油(ベニバナ油(safflower oil)、ベニバナ油(carthamus oil)、ベニバナ油(kurdee oil))、ベニバナ種子油-高オレイン酸(高オレイン酸ベニバナ油(high oleic acid safflower oil)、高オレイン酸ベニバナ油(high oleic acid carthamus oil)、高オレイン酸ベニバナ油(high oleic acid kurdee oil)、ゴマ種子油(ゴマ油(sesame oil)、ゴマ油(gingelly oil)、ゴマ油(benne oil)、ゴマ油(ben oil)、ゴマ油(till oil)、ゴマ油(tillie oil))、大豆油(ダイズ油)、ヒマワリ種子油(ヒマワリ油)、及びヒマワリ種子油-高オレイン酸(高オレイン酸ヒマワリ油)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0010】
天然油に由来する供給流は、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、オレフィン、酸素化物、及び最大10重量%の芳香族を含む。
【0011】
供給流中の汚染物質は、酸素化物及び/又は芳香族及び/又は脂肪酸及びエステルを含み得る。アルカリ又はアルカリ土類陽イオン交換X-ゼオライトは、天然油に由来するパラフィン流中の酸素化物、芳香族、並びに脂肪酸及びエステルの少なくとも一部を除去するために使用することができる。酸素化物及び芳香族を除去するのに適した吸着剤としては、アルカリ又はアルカリ土類陽イオン交換X-ゼオライトが挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
汚染物質の除去後、処理流は、6000ppm以下の芳香族及び100ppm以下の酸素化物を含む。
【0013】
処理流中の酸素化物、芳香族、並びに脂肪酸及びエステルのレベルを更に低減するために、任意選択で第2の吸着剤床を含めることができる。第2の吸着剤としては、5Aゼオライトが挙げられるが、これに限定されない。
【0014】
第1及び/又は第2の吸着剤床は、所定の時間に再生して第1及び/又は第2の吸着剤上に吸着された酸素化物、若しくは芳香族、又はその両方の少なくとも一部を除去することができる。
【0015】
1つ以上の第1の吸着剤床及び1つ以上の第2の吸着剤床が存在することができる。
【0016】
植物油及び動物性脂肪を含む再生可能な供給原料からのパラフィン流はまた、硫黄化合物、又は窒素化合物、又はリン化合物、又はこれらの組合せなどの他の汚染物質を含有し得る。これらの汚染物質は、処理流を、第3の吸着剤を含有する第3の吸着剤床に通すことによって除去してもよい。第3の吸着剤としては、13Xゼオライト、5Aゼオライト、アルミナ-ゼオライト、又はこれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0017】
天然油に由来する供給流を第1の吸着剤床、並びに任意選択で第2及び/又は第3の吸着床に通した後、処理流を脱水素化して処理流中のパラフィンの少なくとも一部をオレフィンに変換する。脱水素化流は、モノオレフィン、ジオレフィン、及び芳香族を含む。
【0018】
汚染物質除去プロセスを、天然油からアルキルベンゼンを作製するプロセスに組み込むことができる。このプロセスは、天然油を脱酸素してパラフィンを形成することを含む。パラフィンを、(分留又は蒸留などによって)C9~C14パラフィンを含むC9~C14流及びC14+パラフィンを含むC14+流に分離する。C14+流は、C14+パラフィンを分解するために別の直鎖選択分解ユニットに送られ、分解されたパラフィンは、C9~C14ノルマル及び軽度分岐パラフィンを含む第1流と、イソパラフィンを含む第2流とに分留される。酸素化物及び/又は芳香族及び/又は脂肪酸及びエステル、及び/又は硫黄化合物、及び/又は窒素化合物、及び/又はリン化合物、又はこれらの組合せを含むが、これらに限定されない、汚染物質を、C9~C14流及び第1流から除去する。汚染除去流を脱水素化して、オレフィン、ジオレフィン、及び芳香族を形成する。ジオレフィンを選択的に水素化して追加のオレフィンを形成し、芳香族を分離及び除去して、芳香族を含む芳香族流及びモノオレフィンを含むモノオレフィン流を形成する。ベンゼンをオレフィンでアルキル化し、アルキル化流出物はアルキルベンゼン及びベンゼンを含む。次いで、アルキルベンゼンを単離する。
【0019】
触媒の失活を制限するために、供給物を処理して硫黄汚染物を除去した後で水素化脱酸素する。そうでなければ、硫黄が触媒上に蓄積し、失活させる。高温水素処理により、失われた活性の一部が回復することが示された。水素化脱酸素の程度は、9~14個の炭素範囲のノルマルパラフィンの各々に対する選択性に影響を及ぼすことができる。水素化脱酸素の程度が大きいと、水素化脱酸素された組成物の大部分がノルマルドデカン及びノルマルデカンになり、ノルマルウンデカン及びノルマルトリデカンが少なくなるよう偏ることができる。水素化脱酸素の程度が小さいと、水素化脱酸素された組成物はノルマルウンデカン及びノルマルトリデカンが多くなり、ノルマルドデカン及びノルマルデカンが少なくなるよう偏ることができる。
【0020】
水素化脱酸素反応器の温度は低く保たれ、典型的なバイオ再生可能供給原料では343℃(650°F)未満、遊離脂肪酸(FFA)濃度がより高い供給原料では、FFA中に見られるオレフィンの重合を回避するために、304℃(580°F)未満である。一般に、水素化脱酸素反応器圧力は、700kPa(100psig)~21MPa(3000psig)が好適である。
【0021】
アルキルベンゼン生成物の直線性は、主にベンゼンをアルキル化するために使用されるパラフィンの直線性に依存する。当業者による一般的な経験則では、パラフィン供給物の直線性が、脱水素化及びアルキル化後には5~7質量%低下する。したがって、直線性が97質量%のパラフィン(あるいは3質量%のイソパラフィン)では、直線性が約90~92質量%のアルキルベンゼン生成物を生じる。これは、パラフィン直線性の要件を、アルキルベンゼン生成物の仕様よりも5~7質量%高く設定する。典型的には、パラフィン生成物の直線性は、ASTMから入手可能なUOP621、UOP411、又はUOP732標準試験法によって測定され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。直鎖アルキルベンゼンは、全体が参照により本明細書に組み込まれるASTM標準試験法D4337を使用して分析してもよい。
【0022】
図には、特定のトリグリセリド供給物からアルキルベンゼン生成物を製造するための例示的なシステム100が示されている。
【0023】
図示の実施形態では、選択されたトリグリセリド供給物105は、水素供給物(図示せず)も受け取る脱酸素ユニット110に送達される。脱酸素ユニット110では、選択されたトリグリセリド供給物105中の脂肪酸を脱酸素し、ノルマルパラフィンに変換する。構造的に、トリグリセリドは、グリセロール架橋で一緒に結合された3つの、典型的には異なる脂肪酸分子によって形成される。グリセロール分子は3個のヒドロキシル基(HO-)を含み、各脂肪酸分子はカルボキシル基(COOH)を有する。トリグリセリドでは、グリセロールのヒドロキシル基が脂肪酸のカルボキシル基と結合してエステル結合を形成する。したがって、脱酸素の間に、脂肪酸はトリグリセリド構造から遊離し、ノルマルパラフィンに変換される。グリセロールはプロパンに変換され、ヒドロキシル基及びカルボキシル基中の酸素は水、二酸化炭素、又は一酸化炭素に変換される。脂肪酸及びトリグリセリドの脱酸素反応は、それぞれ以下のように示される。
【0024】
【化1】
【0025】
脱酸素反応中、生成するパラフィン鎖Rの長さは、正確な反応経路に応じて1の値だけ変化する。脱酸素は、水素化脱酸素、脱炭酸、及び脱カルボニルのうちの少なくとも1つ、又はこれらの任意の組合せを含むことが理解される。例えば、二酸化炭素が形成される場合、鎖は、脂肪酸源よりも1つ少ない炭素を有する。水が形成される場合、鎖は脂肪酸源の長さと一致する。
【0026】
脱酸素ユニットの動作条件は、ある実施形態では250~800psig(1724~5516kPa)の範囲の圧力及び274℃~371℃(525°F~700°F)、別の実施形態では274℃~338℃(525°F~640°F)、及び別の実施形態では274℃~310℃(525°F~590°F)の範囲の温度を含む。触媒は、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの混合物上に、Ni-Mo、Ni-Mo-P、Ni-Co-Mo、又はCo-MoなどのNi、Mo、Co、Pの1つ以上を含有するものを含んでもよい。好適な水素対炭化水素モル比としては、1500~10,000、4000~9000、及び5000~8000標準立方フィート/供給原料バレル(scf/B)が挙げられる。好適な空間速度は、0.2~3.0hr-1LHSVを含む。条件は、パラフィンの分解又は異性化を最小限に抑えるように選択される。
【0027】
ノルマルパラフィン、水、二酸化炭素、一酸化炭素、及びプロパンを含有する脱酸素された生成物は、C9~C14流115及びC14+流120に分留される。分離は、多段分留ユニット、蒸留システム又は同様の公知の装置で行ってもよい。いずれの場合でも、分離器は、脱酸素された生成物から水、二酸化炭素、一酸化炭素、及びプロパンを除去する。炭素鎖長がC~Cのパラフィンのナフサ流(図示せず)も形成されてもよい。
【0028】
C14+流120は、直鎖選択分解ユニット125に送られ、そこで選択的に分解されて、ノルマル又は軽度分岐C9~C14パラフィンを含む第1流130及びイソパラフィンを含む第2流135を形成する。直鎖選択分解は、第1段階の硫黄及び窒素汚染物質が金属系水素化分解触媒を被毒する可能性があるので、第1段階水素化分解反応器の底部床よりむしろ別のユニットで行われる。C14+パラフィンは、吸収エネルギーがより高いため、C9~C14よりも選択的に分解される。
【0029】
貴金属(例えば、ルテニウム及び白金)及びニッケルを含む特定の金属触媒の選択は、以前のプロセスよりもはるかに高い収率で9~14個の炭素を有するノルマルパラフィンを製造することができる。好適な触媒としては、Ru/ZrO、Pt-Al、Ni-アルミナ、又はNiOx/粘土が挙げられるが、これらに限定されない。これらの触媒を用いると、C14+流は、大した量の分岐異性体を製造することなく、直鎖分解生成物を生成することができる。
【0030】
好ましい触媒のうち、Ru触媒は、他の触媒よりもはるかに高い活性及び1パスあたりのnC9~nC14収率を示す。最適化された反応条件下では、Ru触媒は非常に少量のメタン及び異性化生成物も生成する。これは、そのような化学変換プロセスのための最良の触媒であることが分かった。Pt-Al2O3触媒は、Ruベースの触媒よりも更に低いメタン収率を、わずかに低い直鎖生成物収率でもたらすことができる。
【0031】
脱酸素ユニット110からのC9~C14流115及び直鎖選択分解ユニット125からの第1流130は、上述のように汚染除去ユニット140に送られる。汚染除去ユニット140は、C9~C14流115及び第1流130中のC9~C14パラフィンから汚染物質を除去する。汚染物質としては、酸素化物及び/又は芳香族及び/又は脂肪酸及びエステル、及び/又は硫黄化合物、及び/又は窒素化合物、及び/又はリン化合物、又はこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
汚染除去流145は、脱水素化ユニット150に送られ、そこで水素が除去されて、モノオレフィン、ジオレフィン、及び芳香族を含む脱水素化流155が生成される。脱水素化ユニット150では、パラフィンは、パラフィンと同じ炭素数のモノオレフィンに脱水素化される。典型的には、脱水素化は、商業的に普及しているPacolプロセスなどの既知の触媒プロセスによって行われる。ジオレフィン(すなわち、ジエン)及び芳香族も、以下の式で表される脱水素化反応の望ましくない結果として製造される。
モノ-オレフィン形成:C2x+2→C2x+H
ジ-オレフィン形成:C2x→C2x-2+H
芳香族形成:C2x-2→C2x-6+2H
【0033】
脱水素化ユニット150の動作条件は、5~50LHSV及び20~32LHSVの空間速度、34kPa(g)~345kPa(g)(5psig~50psig)及び103kPa(g)~172kPa(g)(15psig~25psig)の圧力、400℃~500℃及び440℃~490℃の温度、並びに1~12及び3~7の水素対炭化水素モル比である。適切な触媒の例は、白金が減衰金属で減衰されているアルミナ上のPtである。別の好適な触媒は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,177,381号に記載されている。脱水素化ユニット150は、乾燥状態で、又は最大2000質量ppmの水を注入して動作させてもよい。水素は、上流の脱酸素ユニットに再循環することができる。
【0034】
脱水素化流155は、DeFine反応器などの選択的水素化ユニット160に送られ、ここでジオレフィンの少なくとも一部が水素化されて追加のモノオレフィンを形成する。結果として、モノオレフィン流170は、脱水素化流155と比較して増加したモノオレフィン濃度を有する。芳香族は分離され、芳香族流165として除去される。上流処理中の分解又は他の反応から生じた、ブタン、プロパン、エタン及びメタンなどの任意の軽質を含有する軽質端流167も、必要に応じて除去することができる。
【0035】
モノオレフィンを含むモノオレフィン流170は、ベンゼン流180と共にアルキル化ユニット175に送られる。ベンゼンをモノオレフィンでアルキル化してアルキルベンゼンを形成する。アルキル化ユニット175は、モノオレフィンによるベンゼンのアルキル化を支持する固体酸触媒などの触媒を含有する。フッ素化シリカ-アルミナ、フッ化水素(HF)、塩化アルミニウム(AlCl)、ゼオライト、及びイオン液体触媒は、直鎖モノオレフィンによるベンゼンのアルキル化のための商業的使用における主要な触媒の例であり、アルキル化ユニット175で使用されてもよい。アルキル化の結果として、典型的には直鎖アルキルベンゼン(LAB)と呼ばれるアルキルベンゼンが、以下の反応に従って形成される。
+C2x→C2x+1
【0036】
アルキル化ユニット175の好適な動作条件には、1~10LHSVの空間速度、2068kPa(g)~4137kPa(g)(300psig~600psig)などの液相動作を維持するための圧力、80℃~180℃及び120℃~170℃の範囲の温度、3~40及び8~35のベンゼン対オレフィンモル比が含まれる。
【0037】
過剰量のベンゼンをアルキル化ユニット175に供給して、高度の所望のアルキル化を達成する。従って、アルキル化ユニット175を出るアルキル化流出物185は、アルキルベンゼン及び未反応ベンゼンを含有する。更に、アルキル化流出物185はまた、いくらかの未反応パラフィンを含んでもよい。アルキル化流出物185は、アルキル化流出物185から未反応ベンゼン及びパラフィンを分離するために、分留カラムなどのベンゼン分離ユニット190に送られる。未反応ベンゼンは、所望のベンゼン/オレフィン比(例えば、1~50)を維持して必要とされる新鮮なベンゼンの体積を減少させるために、ベンゼン分離ユニット190を出てアルキル化ユニット175に戻してもよいベンゼン再循環流195となる。新鮮なベンゼンの必要量(すなわち、正味のベンゼン)は、アルキル化ユニットへの正味のオレフィンによって決まる。パラフィン流200を分離し、脱水素化ユニット150に再循環させることもできる。
【0038】
アルキル化後分離プロセスの結果として、直鎖アルキルベンゼン生成物205が単離される。このような分離プロセスは、直鎖アルキルベンゼン生成物205を単離するために、全ての実施形態において必要ではないことに留意されたい。
【0039】
直鎖アルキルベンゼン生成物205は、式C2n+1(式中、nは9~14である)を有するアルキルベンゼンを含む直鎖アルキルベンゼン生成物である。いくつかの実施形態では、アルキルベンゼンの少なくとも80質量%、又は少なくとも90質量%が直鎖アルキル基を有する。
【0040】
直鎖アルキルベンゼンをスルホン化して、式C2n+1SOH(式中、nは10~14であるか、又はnは11~13である)を有するアルキルベンゼンスルホネート化合物を含む直鎖アルキルベンゼンスルホネート生成物を提供してもよい。
【0041】
「カラム」という用語は、異なる揮発性の1つ以上の成分を分離するための1つ又は複数の蒸留カラムを意味する。別途記載のない限り、各カラムは、カラムの頂部に戻る塔頂流の一部を凝縮かつ還流させるためにカラムの塔頂に凝縮器と、底部流の一部を、気化させ、カラムの底部へと返送するためにカラムの底部に再沸器と、を含む。カラムへの供給物は、予熱され得る。頂部圧力は、カラムの蒸気出口における塔頂蒸気の圧力である。底部温度は、液体底部出口温度である。別途記載のない限り、塔頂ライン及び底部ラインは、カラムへの任意の還流又は再沸騰の下流のカラムからの正味のラインを指す。ストリッパカラムは、カラムの底部にあるリボイラーを省略し、代わりに、水蒸気などの流動化不活性媒体から所要熱量及び分離の推進力を提供し得る。
【0042】
本明細書で使用される場合、用語「成分リッチ流」又は「成分流」は、容器から出てくる流が、容器への供給物よりも高濃度の成分を有することを意味する。本明細書で使用される場合、用語「成分希薄流」は、容器から出てくる希薄流が、容器への供給物よりも低い濃度の成分を有することを意味する。
【実施例0043】
実施例1
ココナッツ油供給物を脱酸素してパラフィンを形成し、脱水素化してモノオレフィンを形成し、ベンゼンをモノオレフィンでアルキル化して、理論的現代炭素含有量66.4質量%と比較して、ASTM D6866によって測定して62質量96現代炭素の現代炭素含有量、UOP標準試験法304によって測定して1gBr/グラム試料の臭素数、及び92質量%の直線性を有するアルキルベンゼン生成物を形成した。
【0044】
実施例2
圧力480psig、H対バイオオイル比7200scf/B及び1hr-1のLHSVで触媒を使用して油を脱酸素した。動作中、脱酸素反応温度を315℃(600°F)から34.9°C(660°F)へ、次いで377℃(710°F)及び404℃(760°F)へ段階的に上昇させて反応温度に対する最終生成物の直線性の応答を監視した。結果を図2に示し、これはノルマルC10~C13パラフィンの質量%での濃度対反応温度のプロットである。図2は、脱酸素反応温度が上昇するにつれて、直鎖パラフィンの濃度が減少することを明確に示している。温度を404℃(760°F)未満に制御すると、92質量パーセントを超える直鎖パラフィンが得られた。
【0045】
注:実施例1及び2は、実施例3及び4として米国特許第9,079,814号に以前に含まれていた。
【0046】
特定の実施形態
以下を特定の実施形態と併せて説明するが、この説明は、前述の記載及び添付の特許請求の範囲の範囲を例示することを意図しており、限定することを意図するものではないことが理解される。
【0047】
本発明の第1の実施形態は、C9~C14ノルマルパラフィン、イソパラフィン、オレフィン、酸素化物、及び最大10重量%の芳香族を含む天然油に由来する供給流を、アルカリ又はアルカリ土類陽イオン交換X-ゼオライトを含む第1の吸着剤を含む第1の吸着剤床を通す工程であって、吸着剤がパラフィン流から酸素化物及び芳香族の少なくとも一部を吸着によって除去して処理流を形成する、通す工程と、処理流を脱水素化して処理流の少なくとも一部をオレフィンに変換し、モノオレフィン、ジオレフィン、及び芳香族を含む脱水素化流を提供する工程とを含む、ノルマルパラフィンのオレフィンへの脱水素化方法である。本発明の一実施形態は、所定の時間に吸着剤床を再生して、吸着剤上に吸着された酸素化物若しくは芳香族又はその両方の少なくとも一部を除去することを更に含む、本段落の第1の実施形態に至るまでの本段落の先行する実施形態のうちの1つ、いずれか又は全てである。本発明の一実施形態は、処理流を、5Aゼオライトを含む第2の吸着剤を含有する第2の吸着剤床に通して、追加の酸素化物及び芳香族を除去して、第2の処理流を形成する工程を更に含む、本段落の第1の実施形態に至るまでの本段落の先行する実施形態のうちの1つ、いずれか又は全てである。本発明の一実施形態は、第2の吸着剤床を所定の時間に再生して、第2の吸着剤上に吸着された酸素化物、若しくは芳香族、又はその両方の少なくとも一部を除去する工程を更に含む、本段落の第1の実施形態に至るまでの本段落の先行する実施形態の1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、供給流が、天然油を脱酸素してC9~C28パラフィンを含むパラフィン流を形成する工程と、直鎖選択分解条件下で直鎖選択分解触媒の存在下直鎖選択分解ユニットにおいてパラフィン流を直鎖選択分解して、ノルマル又は軽度分岐C9~C14パラフィンを含む第1流及びイソパラフィンを含む第2流を形成する工程と、によって形成される、本段落の第1の実施形態に至るまでの本段落の先行する実施形態の1つ、いずれか又は全てである。本発明の一実施形態は、処理流を脱水素化する前に、第3の吸着剤を含む第3の吸着剤床において処理流から汚染物質を除去して汚染除去流を形成することを更に含み、汚染物質は、硫黄化合物、又は窒素化合物、又はリン化合物、又はこれらの組合せを含み、第3の吸着剤は、13Xゼオライト、5Aゼオライト、アルミナ-ゼオライト、又はこれらの組合せを含む、本段落の第1の実施形態に至るまでの本段落の先行する実施形態の1つ、いずれか、又は全てである。7本発明の一実施形態は、脱水素化流中のジオレフィンを選択的に水素化して追加のモノオレフィンを形成する工程と、芳香族をモノオレフィンから分離及び除去して芳香族を含む芳香族流及びモノオレフィンを含むモノオレフィン流を形成する工程と、アルキル化条件下でベンゼンをモノオレフィンでアルキル化して、アルキルベンゼン及びベンゼンを含むアルキル化流出物を提供する工程と、アルキルベンゼンを単離して、天然油に由来するアルキルベンゼン生成物を提供する工程とを更に含む、本段落の第1の実施形態に至るまでの本段落の先行する実施形態の1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、処理流が、6000ppm以下の芳香族及び100ppm以下の酸素化物を含む、本段落の第1の実施形態に至るまでの本段落の先行する実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てである。
【0048】
本発明の第2の実施形態は、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、オレフィン、最大10重量%の芳香族、及び酸素化物を含む供給流を、アルカリ又はアルカリ土類陽イオン交換X-ゼオライトを含む吸着剤を含有する吸着剤床に通す工程であって、吸着剤が、パラフィン流から酸素化物及び芳香族の少なくとも一部を吸着によって除去して処理流を形成する、通す工程と、第3の吸着剤を含む第3の吸着剤床において処理流から汚染物質を除去して汚染除去流を形成する工程であって、汚染物質は、硫黄化合物、又は窒素化合物、又はリン化合物、又はこれらの組合せを含み、吸着剤は、13Xゼオライト、5Aゼオライト、アルミナ-ゼオライト、又はこれらの組合せを含む、形成する工程と、汚染除去流を脱水素化して汚染除去流の少なくとも一部をオレフィンに変換し、モノオレフィン、ジオレフィン、及び芳香族を含む脱水素化流を提供する工程と、所定の時間に吸着剤床を再生して、吸着剤上に吸着された酸素化物、若しくは芳香族、又はその両方の少なくとも一部を除去する工程とを含む、ノルマルパラフィンのオレフィンへの脱水素化方法である。本発明の一実施形態は、処理流を、5Aゼオライトを含む第2の吸着剤を含有する第2の吸着剤床に通して追加の酸素化物及び芳香族を除去して、第2の処理流を形成し、その後第3の吸着剤床の汚染物質を除去する工程を更に含む、本段落の第2の実施形態に至るまでの本段落の先行する実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、第2の吸着剤床を所定の時間に再生して、第2の吸着剤上に吸着された酸素化物、若しくは芳香族、又はその両方の少なくとも一部を除去する工程を更に含む、本段落の第2の実施形態に至るまでを含む本段落の先行する実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、供給流が、天然油を脱酸素してC9~C28パラフィンを含むパラフィン流を形成する工程と、ノルマル又は軽度分岐C9~C14パラフィンを含む第1流及びイソパラフィンを含む第2流を形成するための、直鎖選択分解条件下で直鎖選択分解触媒の存在下直鎖選択分解ユニットにおいてパラフィン流を直鎖選択分解して、ノルマル又は軽度分岐C9~C14パラフィンを含む第1流及びイソパラフィンを含む第2流を形成する工程と、によって形成される、本段落の第2の実施形態に至るまでの本段落の先行する実施形態の1つ、いずれか又は全てである。本発明の一実施形態は、脱水素化流中のジオレフィンを選択的に水素化して追加のモノオレフィンを形成する工程と、芳香族をモノオレフィンから分離及び除去して芳香族を含む芳香族流及びモノオレフィンを含むモノオレフィン流を形成する工程と、アルキル化条件下でベンゼンをモノオレフィンでアルキル化してアルキルベンゼン及びベンゼンを含むアルキル化流出物を提供する工程と、アルキルベンゼンを単離して、天然油に由来するアルキルベンゼン生成物を提供する工程とを更に含む、本段落の第2の実施形態に至るまでの本段落の先行する実施形態の1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、処理流が、6000ppm以下の芳香族及び100ppm以下の酸素化物を含む、本段落の第2の実施形態に至るまでの本段落の先行する実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てである。
【0049】
本発明の第3の実施形態は、天然油を脱酸素してC9~C28パラフィンを含むパラフィン流を形成する工程と、直鎖選択分解条件下、直鎖選択分解触媒の存在下で直鎖選択分解ユニットにおいてパラフィン流を直鎖選択分解して、ノルマル又は軽度分岐C9~C14パラフィンを含む第1流及びイソパラフィンを含む第2流を形成する工程と、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、オレフィン、酸素化物、及び最大10重量%の芳香族を含む第1流を、アルカリ又はアルカリ土類陽イオン交換X-ゼオライトを含む第1の吸着剤を含有する第1の吸着剤床に通す工程であって、吸着剤が、吸着によって酸素化物及び芳香族の少なくとも一部を第1流から除去して処理流を形成する、通す工程と処理流を脱水素化する前に、第3の吸着剤床内で処理流から汚染物質を除去する工程であって、第3の吸着剤床が処理流を形成するための第3の吸着剤を含み、汚染物質が、硫黄化合物、又は窒素化合物、又はリン化合物、又はこれらの組合せを含み、第3の吸着剤が13Xゼオライト、5Aゼオライト、アルミナ-ゼオライト、又はこれらの組合せを含む、除去する工程と、汚染除去流を脱水素化して、汚染除去流の少なくとも一部をオレフィンに変換し、モノオレフィン、ジオレフィン、及び芳香族を含む脱水素化流を提供する工程と、脱水素化流中のジオレフィンを選択的に水素化して追加のモノオレフィンを形成する工程、芳香族をモノオレフィンから分離及び除去して、芳香族を含む芳香族流及びモノオレフィンを含むモノオレフィン流を形成する工程、アルキル化条件下でベンゼンをモノオレフィンでアルキル化して、アルキルベンゼン及びベンゼンを含むアルキル化流出物を提供する工程、アルキルベンゼンを単離して、天然油に由来するアルキルベンゼン生成物を提供する工程とを含む、ノルマルパラフィンのオレフィンへの脱水素化方法である。本発明の一実施形態は、第1の吸着剤床を所定の時間に再生して、第1の吸着剤上に吸着された酸素化物、若しくは芳香族、又はその両方の少なくとも一部を除去する工程を更に含む、本段落の第3の実施形態に至るまでの本段落の先行する実施形態の1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、処理流を、5Aゼオライトを含む第2の吸着剤を含有する第2の吸着剤床に通して、追加の酸素化物及び芳香族を除去して、第2の処理流を形成する工程を更に含む、本段落の第3の実施形態に至るまでの本段落の先行する実施形態のうちの1つ、いずれか又は全てである。本発明の一実施形態は、第2の吸着剤床を所定の時間に再生して、第2の吸着剤上に吸着された酸素化物、若しくは芳香族、又はその両方の少なくとも一部を除去する工程を更に含む、本段落の第3の実施形態に至るまでの本段落の先行する実施形態のうちの1つ、いずれか又は全てである。本発明の一実施形態は、処理流が、6000ppm以下の芳香族及び100ppm以下の酸素化物を含む、本段落の第3の実施形態に至るまでの本段落の先行する実施形態の1つ、いずれか、又は全てである。
【0050】
更に詳述することなく、前述の説明を使用して、当業者が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明を最大限まで利用し、かつ本発明の本質的な特性を容易に確認することができ、本発明の様々な変更及び修正を行い、様々な使用及び条件に適合させることができると考えられる。したがって、先行する好ましい特定の実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、いかなるようにも本開示の残りを限定するものではなく、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれる様々な修正及び同等の構成を網羅することを意図するものである。
【0051】
上記では、全ての温度は摂氏度で記載され、全ての部及び百分率は、別途記載のない限り、重量基準である。
図1
図2
【外国語明細書】