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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173655
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】不動産電子契約システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20240101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024030774
(22)【出願日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】P 2023091250
(32)【優先日】2023-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522070639
【氏名又は名称】株式会社PICK
(74)【代理人】
【識別番号】110003650
【氏名又は名称】弁理士法人ブランシェ国際知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100132621
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 孝行
(74)【代理人】
【識別番号】100123364
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 徳子
(72)【発明者】
【氏名】普家 辰哉
(72)【発明者】
【氏名】阿部 幸平
(72)【発明者】
【氏名】藤井 俊成
(72)【発明者】
【氏名】林 憲吾
(57)【要約】
【課題】国土交通省が作成した「重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明実施マニュアル(令和4年4月)」に従って、重要事項説明書の電磁的方法による提供の要件を満たす不動産電子契約システムを提供する。
【解決手段】
宅地建物取引士が契約者に対して電子契約上の重要な事項を説明するために用いられ、改ざん防止措置が施された重要事項説明書を宅地建物取引業法第35条に定める35条書面として契約書データベース310に格納する35条書面格納部380を有する。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産に関する電子契約に関与する不動産業者に使用される不動産業者用端末と、
前記不動産に関する前記電子契約に関与する、複数の契約者にそれぞれ使用される複数の契約者用端末と、
前記複数の契約者用端末と、前記不動産業者用端末とにネットワークを介して接続される不動産契約管理サーバと、を具備し、
宅地建物取引士が前記契約者に対して前記電子契約上の重要な事項を説明するために用いられ、改ざん防止措置が施された重要事項説明書を宅地建物取引業法第35条に定める35条書面として保存し、
前記宅地建物取引士が前記重要事項説明書および前記電子契約の内容を示す電子契約書を確認した後に、前記契約者が前記電子契約書への電子署名に利用する不動産電子契約システムであって、
前記不動産業者用端末は、
前記宅地建物取引士が前記重要事項説明書を確認したことを示す重要事項確認情報および前記電子契約書を確認した旨を示す電子契約確認情報を入力する不動産業者用入力部と、
前記不動産業者用入力部に入力された前記重要事項確認情報および前記電子契約確認情報を前記不動産契約管理サーバに送信する不動産業者用送信部と、
前記重要事項説明書および前記電子契約書に関する情報を表示する不動産業者用表示部と、を有し、
前記契約者用端末は、
前記重要事項説明書および前記電子契約書に関する情報を表示する契約者用表示部と、
前記契約者が、前記宅地建物取引士から前記重要事項説明書の説明を受けた後で、前記電子契約に合意することを示す合意情報を入力する合意情報入力部と、を有し、
前記不動産契約管理サーバは、
前記重要事項説明書、前記電子契約書および前記35条書面を格納する契約書データベースと、
前記宅地建物取引士が前記契約者への説明に用いる前の前記重要事項説明書を、前記35条書面として、前記契約書データベースに格納する35条書面格納部と、
を有することを特徴とする不動産電子契約システム。
【請求項2】
前記不動産契約管理サーバは、
前記不動産業者用入力部に入力された前記重要事項確認情報と、前記重要事項説明書とから確認情報付重要事項説明書を作成する確認情報付重要事項説明書作成部と、
前記確認情報付重要事項説明書を電子署名して電子署名確認情報付重要事項説明書を作成する電子署名確認情報付重要事項説明書作成部と、
前記不動産業者用入力部に入力された前記電子契約確認情報と、前記電子契約書とから確認情報付電子契約書を作成する確認情報付電子契約書作成部と、
前記確認情報付電子契約書を電子署名して電子署名確認情報付電子契約書を作成する電子署名確認情報付電子契約書作成部と、
前記契約者用入力部に入力された前記合意情報と、電子署名確認情報付電子契約書とから合意情報付電子契約書を作成する合意情報付電子契約書作成部と、
前記合意情報付電子契約書を電子署名して電子署名合意情報付電子契約書を作成する電子署名合意情報作成部と、
前記電子署名合意情報付電子契約書を前記電子契約書に置き換えて前記契約書データベースに格納する合意情報付電子契約書格納部と、
前記契約者の全員の前記合意情報を含む前記電子契約書に、新たな情報が追加できない形式で電子署名して完全合意情報付電子契約書を作成する完全電子署名合意情報作成部と、
前記完全電子署名合意情報付電子契約書を前記電子契約書に置き換えて前記契約書データベースに格納する完全合意情報付電子契約書格納部と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の不動産電子契約システム。
【請求項3】
不動産に関する電子契約に関与する不動産業者に使用される不動産業者用端末と、
前記不動産に関する前記電子契約に関与する、複数の契約者にそれぞれ使用される複数の契約者用端末と、
前記複数の契約者用端末と、前記不動産業者用端末とにネットワークを介して接続される不動産契約管理サーバと、を具備し、
宅地建物取引士が前記契約者に対して前記電子契約上の重要な事項を説明するために用いられ、改ざん防止措置が施された重要事項説明書を宅地建物取引業法第35条に定める35条書面として保存し、
前記宅地建物取引士が前記重要事項説明書および前記電子契約の内容を示す電子契約書を確認した後に、前記契約者が前記電子契約書への電子署名に利用する不動産電子契約システムであって、
前記不動産業者用端末は、
前記宅地建物取引士が前記重要事項説明書を確認したことを示す重要事項確認情報および前記電子契約書を確認した旨を示す電子契約確認情報を入力する不動産業者用入力部と、
前記不動産業者用入力部に入力された前記重要事項確認情報および前記電子契約確認情報を前記不動産契約管理サーバに送信する不動産業者用送信部と、
前記重要事項説明書および前記電子契約書に関する情報を表示する不動産業者用表示部と、を有し、
前記契約者用端末の少なくとも1つは、
前記重要事項説明書上に配置される前記重要事項確認情報の位置を示す重要事項確認位置情報を入力する重要事項確認位置情報入力部と、
前記電子契約書上に配置される前記電子契約確認情報の位置を示す電子契約確認位置情報を入力する電子契約確認位置情報入力部と、
前記契約者が前記電子契約に合意したことを示す合意情報の前記電子契約書上の位置を示す合意位置情報を入力する合意位置情報入力部と、を有し、
前記契約者用端末は、
前記重要事項説明書および前記電子契約書に関する情報を表示する契約者用表示部と、
前記契約者が、前記宅地建物取引士から前記重要事項説明書の説明を受けた後で、前記電子契約に合意することを示す合意情報を入力する合意情報入力部と、を有し、
前記不動産契約管理サーバは、
前記重要事項説明書、前記電子契約書、前記重要事項確認位置情報、前記電子契約確認位置情報、前記合意位置情報および前記35条書面を格納する契約書データベースと、
前記宅地建物取引士が前記契約者への説明に用いる前の前記重要事項説明書を、前記35条書面として、前記契約書データベースに格納する35条書面格納部と、
前記契約書データベースから、前記重要事項説明書および前記重要事項確認位置情報を抽出し、前記不動産業者用端末の前記不動産業者用表示部に、前記重要事項説明書および前記重要事項確認位置情報が示す当該重要事項説明書上の位置に前記重要事項確認情報の入力を促す重要事項確認情報催促情報を表示させる重要事項確認情報入手部と、
前記契約書データベースから、前記電子契約書および前記電子契約確認位置情報を抽出し、前記不動産業者用端末の前記不動産業者用表示部に、前記電子契約書と、前記電子契約確認位置情報が示す当該電子契約書上の位置に前記電子契約確認情報の入力を促す電子契約確認情報催促情報を表示させる電子契約確認情報入手部と、
前記契約書データベースから、前記電子契約に関する前記電子契約書および前記合意位置情報を抽出し、前記契約者用端末の前記契約者用表示部に、前記電子契約書と、前記合意位置情報が示す当該電子契約書上の位置に前記合意情報の入力を促す合意情報催促情報を表示させる合意情報入手部と、
前記不動産業者用入力部に入力された前記重要事項確認情報を、前記重要事項説明書の前記重要事項確認位置情報位置に配置した確認情報付重要事項説明書を作成する確認情報付重要事項説明書作成部と、
前記確認情報付重要事項説明書を電子署名して電子署名確認情報付重要事項説明書を作成する電子署名確認情報付重要事項説明書作成部と、
前記電子署名確認情報付重要事項説明書を前記重要事項説明書に置き換えて前記契約書データベースに格納する確認情報付重要事項説明書作成部と、
前記不動産業者用入力部に入力された前記電子契約確認情報を、前記電子契約書の前記電子契約確認位置情報が示す当該電子契約書上の位置に配置した確認情報付電子契約書を作成する確認情報付電子契約書作成部と、
前記確認情報付電子契約書を電子署名して電子署名確認情報付電子契約書を作成する電子署名確認情報付電子契約書作成部と、
前記電子署名確認情報付電子契約書を前記電子契約書に置き換えて前記契約書データベースに格納する確認情報付電子契約書格納部と、
前記契約者用入力部に入力された前記合意情報を、前記電子契約書の合意確認情報位置に配置した合意情報付電子契約書を作成する合意情報付電子契約書作成部と、
前記合意情報付電子契約書を電子署名して電子署名合意情報付電子契約書を作成する電子署名合意情報作成部と、
前記電子署名合意情報付電子契約書を前記電子契約書に置き換えて前記契約書データベースに格納する合意情報付電子契約書格納部と、
前記契約者の全員の合意情報を含む前記電子契約書に、新たな情報が追加できない形式で電子署名して完全合意情報付電子契約書を作成する完全電子署名合意情報作成部と、
前記完全電子署名合意情報付電子契約書を前記電子契約書に置き換えて前記契約書データベースに格納する完全合意情報付電子契約書格納部と、
を有することを特徴とする不動産電子契約システム。
【請求項4】
前記不動産契約管理サーバは、前記不動産業者用端末または前記契約者用端末に入力された35条書面情報に基づいて、前記契約書データベースから前記35条書面を抽出し、前記不動産業者用端末の前記不動産業者用表示部または前記契約者用端末の前記契約者用表示部に表示させる35条書面抽出部をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の不動産電子契約システム。
【請求項5】
前記契約書データベースは、前記電子契約に固有の契約書IDデータをさらに格納し、
前記不動産管理サーバは、前記不動産業者用送信部により送信された前記電子契約書を受信した際に、前記契約書IDデータを生成し、前記契約書データベースに当該電子契約書に関連付けて契約書IDデータを格納する契約書IDデータ作成部と、
前記電子契約書に、当該電子契約書に関連付けられた前記契約書IDデータを追加する契約書IDデータ追加部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の不動産電子契約システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産物件の売買契約、賃貸借契約等を電子的に行う不動産電子契約システムに関し、宅地建物取引業法第34条の2、第35条及び第37条に基づき交付する書面(以下「重要事項説明書等」という。)の電磁的方法による提供を可能とし、特に国土交通省が作成した「重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明実施マニュアル(令和4年4月)」に記載されている重要事項説明書の電磁的方法による提供の要件を満たす不動産電子契約システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不動産物件の契約では、その契約に関与する複数の契約当事者が、契約書にそれぞれ押印することで締結されている。例えば、売買契約書では、契約当事者である、買主、売主、仲介業者および宅地建物取引士等が複数関与し、宅地建物取引業法に従い、次のような流れで契約を締結している。
【0003】
まず、契約当事者の何れか(主に、宅地建物取引業者)が、重要事項説明書および売買契約書案を作成する。次いで、宅地建物取引業法の規定に基づき、重要事項説明書に宅地建物取引士による記名・押印またはその何れかを付す。なお、買主を始めとする契約関係者に、重要事項説明書を提供する前に、宅地建物取引業者は自らの責任において、宅地建物取引業法の規定に基づいて作成された承諾書を提示し、当該契約が電子的方法を用いて行われることを説明し、事前承諾を得なければならない。
【0004】
契約関係者の承諾を得た後、買主を始めとする契約関係者に、宅地建物取引業者は既に改ざん防止措置が施された状態の重要事項説明書を提供する。そして、重要事項説明書が買主に提供された後、宅地建物取引士は自らの責任において重要事項説明を行い、買主は説明内容を受けて契約進行の可否を判断する。
【0005】
以降、契約が進行する場合には、まず重要事項説明書に契約関係者が承諾の意思表示として署名・押印行為を行う。次いで、重要事項説明書の内容を受けて作成された契約書(売買契約書・賃貸借契約書など)に契約関係者の署名・押印が付され、契約が締結される。
【0006】
このような状況において、不動産取引のための契約締結処理を行うための電子契約サーバと相互にオンライン又はオフラインのネットワークを介してコンピュータを接続するための取引フロー管理システムであって、特定の不動産取引に関連して取引相手への書面又は電磁的方法による提供が必要となる一又は複数種類の情報である提供必須情報について、電磁的方法による提供を承諾する旨の情報である提供承諾情報を当該提供が必要となる一又は複数の対象から取得するための提供承諾情報取得部と、前記提供承諾情報が取得されている場合に限り当該提供承諾情報と紐付けられる提供必須情報を出力するための提供必須情報出力部と、出力された提供必須情報の提供を受けた旨の情報である受領情報を当該受領の日時に関する情報と紐づけて取得する受領情報取得部と、を備える取引フロー管理システムであり、前記受領情報を取得しない限り前記不動産取引契約の締結の処理に移行できないような制御を行うことで前記提供必須情報が出力された場合に限り前記電子契約サーバとの通信を可能とすることを特徴とする取引フロー管理システムが提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
このシステムは、取引当事者の要望に応じた態様を適切に管理し、迅速かつ効率的な不動産取引のための各種処理を実現することができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第7240694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
国土交通省が作成した「重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明実施マニュアル(令和4年4月)」によると、重要事項説明書の電磁的方法による提供の要件として、次の2つの要件を満たす必要があると記載されている。
【0010】
(1)説明の相手方等が出力することにより書面(紙)を作成できるものであること。
【0011】
(2)電子書面が改変されていないかどうかを確認することができる措置を講じていること。
【0012】
なお、35条書面については、提供する時点で改変防止措置(上記(2))を含む全ての要件を満たす電子書面を提供することが必要であるとされている。
【0013】
しかしながら、特許文献1に記載の取引フロー管理システムでは、宅地建物取引業法に定める書面(いわゆる35条書面)の「原本」が宅地建物取引業法に規定された形式で取引関係者(主に買主)に提供されたという証跡を、取引関係者および第三者が確認・閲覧することができず、上記の重要事項説明書の電磁的方法による提供の要件を満たさないという問題点があった。ここで、「原本」とは、電磁的方法による契約および契約関連書面の提供に関する承諾取得後から、買主を始めとする契約関係者に重要事項説明書の提供が行われるまでの間に生成される改ざん防止措置が施された重要事項説明書をいう。
【0014】
具体的には、従来の取引フロー管理システムでは、重要事項説明前に提供された「原本」に取引関係者が署名・押印などの改ざん防止措置を上書きしていく形で取引フローが進行するため、「原本」が消失してしまう問題点がある。
【0015】
すなわち、特許文献1に記載の取引フロー管理システムのような電子契約システムでは、宅地建物取引業法の規定に則り、正しく重要事項説明書の「原本」が提供されたという証跡を確認・閲覧する手段が存在しないことから、宅地建物取引業法の規定を宅地建物取引業者が遵守していると主張し得る材料が存在しない点に問題を抱えている。重要事項説明書の提供および重要事項説明義務に関する違反行為は、宅地建物取引業法上で規定される業務停止処分に相当する可能性があり、重要事項説明義務違反の指摘を受けた宅地建物取引業者が受ける社会的な信用の失墜、および業務停止期間中に被る金銭的な打撃は企業運営に甚大な被害を与えることが予測される。
【0016】
本発明は上述した事情に鑑み、上記マニュアルに記載されている重要事項説明書の電磁的方法による提供の要件を満たす不動産電子契約システムを提供することを目的とする。
【0017】
また、現状では、銀行等で住宅ローン等の申込を行う際に、紙に印刷・押印された契約書の提示が求められることが多い。そして、電子契約の場合には、電子契約書はデータ形式になっているので、それを紙に印刷して「契約書の内容を示す資料」とせざるを得ない。しかしながら、電子契約書を単に印刷したもの(契約参考資料)は、当然押印がないため、その契約参考資料が真正な電子契約の内容を示すものか判断することができないという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の発明者は、上述した問題点に関して鋭意研究を続けた結果、以下のような画期的な不動産電子契約システムを見出した。
【0019】
上記課題を解決するための本発明の第1の態様は、不動産に関する電子契約に関与する不動産業者に使用される不動産業者用端末と、不動産に関する電子契約に関与する、複数の契約者にそれぞれ使用される複数の契約者用端末と、複数の契約者用端末と、不動産業者用端末とにネットワークを介して接続される不動産契約管理サーバと、を具備し、宅地建物取引士が契約者に対して電子契約上の重要な事項を説明するために用いられ、改ざん防止措置が施された重要事項説明書を宅地建物取引業法第35条に定める35条書面として保存し、宅地建物取引士が重要事項説明書および電子契約の内容を示す電子契約書を確認した後に、契約者が電子契約書への電子署名に利用する不動産電子契約システムであって、不動産業者用端末は、宅地建物取引士が重要事項説明書を確認したことを示す重要事項確認情報および電子契約書を確認した旨を示す電子契約確認情報を入力する不動産業者用入力部と、不動産業者用入力部に入力された重要事項確認情報および電子契約確認情報を不動産契約管理サーバに送信する不動産業者用送信部と、重要事項説明書および電子契約書に関する情報を表示する不動産業者用表示部と、を有し、契約者用端末は、重要事項説明書および電子契約書に関する情報を表示する契約者用表示部と、契約者が、宅地建物取引士から重要事項説明書の説明を受けた後で、電子契約に合意することを示す合意情報を入力する合意情報入力部と、を有し、不動産契約管理サーバは、重要事項説明書、電子契約書および35条書面を格納する契約書データベースと、宅地建物取引士が契約者への説明に用いる前の重要事項説明書を、35条書面として、契約書データベースに格納する35条書面格納部と、を有することを特徴とする不動産電子契約システムにある。
【0020】
ここで、「不動産業者」とは、不動産業を行うヒトおよび法人だけでなく、これらに雇用される従業員、宅地建物取引士(従業員として、不動産業を行うヒトおよび法人に雇用される者を含む)等を含む概念である。
【0021】
かかる第1の態様によれば、国土交通省が作成した「重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明実施マニュアル(令和4年4月)」に記載されている重要事項説明書の電磁的方法による提供の要件を満たす不動産電子契約システムを提供することができる。
【0022】
本発明の第2の態様は、不動産契約管理サーバは、不動産業者用入力部に入力された重要事項確認情報と、重要事項説明書とから確認情報付重要事項説明書を作成する確認情報付重要事項説明書作成部と、確認情報付重要事項説明書を電子署名して電子署名確認情報付重要事項説明書を作成する電子署名確認情報付重要事項説明書作成部と、不動産業者用入力部に入力された電子契約確認情報と、電子契約書とから確認情報付電子契約書を作成する確認情報付電子契約書作成部と、確認情報付電子契約書を電子署名して電子署名確認情報付電子契約書を作成する電子署名確認情報付電子契約書作成部と、契約者用入力部に入力された合意情報と、電子署名確認情報付電子契約書とから合意情報付電子契約書を作成する合意情報付電子契約書作成部と、合意情報付電子契約書を電子署名して電子署名合意情報付電子契約書を作成する電子署名合意情報作成部と、電子署名合意情報付電子契約書を電子契約書に置き換えて契約書データベースに格納する合意情報付電子契約書格納部と、契約者の全員の合意情報を含む電子契約書に、新たな情報が追加できない形式で電子署名して完全合意情報付電子契約書を作成する完全電子署名合意情報作成部と、完全電子署名合意情報付電子契約書を電子契約書に置き換えて契約書データベースに格納する完全合意情報付電子契約書格納部と、をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の不動産電子契約システムにある。
【0023】
かかる第2の態様によれば、ある契約当事者の押印が遅れても、それがボトルネックとなることなくスムーズに契約を締結することができ、かつ宅地建物取引業法に従って契約を締結することができる。
【0024】
本発明の第3の態様は、不動産に関する電子契約に関与する不動産業者に使用される不動産業者用端末と、不動産に関する電子契約に関与する、複数の契約者にそれぞれ使用される複数の契約者用端末と、複数の契約者用端末と、不動産業者用端末とにネットワークを介して接続される不動産契約管理サーバと、を具備し、宅地建物取引士が契約者に対して電子契約上の重要な事項を説明するために用いられ、改ざん防止措置が施された重要事項説明書を宅地建物取引業法第35条に定める35条書面として保存し、宅地建物取引士が重要事項説明書および電子契約の内容を示す電子契約書を確認した後に、契約者が電子契約書への電子署名に利用する不動産電子契約システムであって、不動産業者用端末は、宅地建物取引士が重要事項説明書を確認したことを示す重要事項確認情報および電子契約書を確認した旨を示す電子契約確認情報を入力する不動産業者用入力部と、不動産業者用入力部に入力された重要事項確認情報および電子契約確認情報を不動産契約管理サーバに送信する不動産業者用送信部と、重要事項説明書および電子契約書に関する情報を表示する不動産業者用表示部と、を有し、契約者用端末の少なくとも1つは、重要事項説明書上に配置される重要事項確認情報の位置を示す重要事項確認位置情報を入力する重要事項確認位置情報入力部と、電子契約書上に配置される電子契約確認情報の位置を示す電子契約確認位置情報を入力する電子契約確認位置情報入力部と、契約者が電子契約に合意したことを示す合意情報の電子契約書上の位置を示す合意位置情報を入力する合意位置情報入力部と、を有し、契約者用端末は、重要事項説明書および電子契約書に関する情報を表示する契約者用表示部と、契約者が、宅地建物取引士から重要事項説明書の説明を受けた後で、電子契約に合意することを示す合意情報を入力する合意情報入力部と、を有し、不動産契約管理サーバは、重要事項説明書、電子契約書、重要事項確認位置情報、電子契約確認位置情報、合意位置情報および35条書面を格納する契約書データベースと、宅地建物取引士が契約者への説明に用いる前の重要事項説明書を、35条書面として、契約書データベースに格納する35条書面格納部と、契約書データベースから、重要事項説明書および重要事項確認位置情報を抽出し、不動産業者用端末の不動産業者用表示部に、重要事項説明書および重要事項確認位置情報が示す重要事項説明書上の位置に重要事項確認情報の入力を促す重要事項確認情報催促情報を表示させる重要事項確認情報入手部と、契約書データベースから、電子契約書および電子契約確認位置情報を抽出し、不動産業者用端末の不動産業者用表示部に、電子契約書と、電子契約確認位置情報が示す電子契約書上の位置に電子契約確認情報の入力を促す電子契約確認情報催促情報を表示させる電子契約確認情報入手部と、契約書データベースから、電子契約に関する電子契約書および合意位置情報を抽出し、契約者用端末の契約者用表示部に、電子契約書と、合意位置情報が示す電子契約書上の位置に合意情報の入力を促す合意情報催促情報を表示させる合意情報入手部と、不動産業者用入力部に入力された重要事項確認情報を、重要事項説明書の重要事項確認位置情報位置に配置した確認情報付重要事項説明書を作成する確認情報付重要事項説明書作成部と、確認情報付重要事項説明書を電子署名して電子署名確認情報付重要事項説明書を作成する電子署名確認情報付重要事項説明書作成部と、電子署名確認情報付重要事項説明書を重要事項説明書に置き換えて契約書データベースに格納する確認情報付重要事項説明書作成部と、不動産業者用入力部に入力された電子契約確認情報を、電子契約書の電子契約確認位置情報が示す電子契約書上の位置に配置した確認情報付電子契約書を作成する確認情報付電子契約書作成部と、確認情報付電子契約書を電子署名して電子署名確認情報付電子契約書を作成する電子署名確認情報付電子契約書作成部と、電子署名確認情報付電子契約書を電子契約書に置き換えて契約書データベースに格納する確認情報付電子契約書格納部と、契約者用入力部に入力された合意情報を、電子契約書の合意確認情報位置に配置した合意情報付電子契約書を作成する合意情報付電子契約書作成部と、合意情報付電子契約書を電子署名して電子署名合意情報付電子契約書を作成する電子署名合意情報作成部と、電子署名合意情報付電子契約書を電子契約書に置き換えて契約書データベースに格納する合意情報付電子契約書格納部と、契約者の全員の合意情報を含む電子契約書に、新たな情報が追加できない形式で電子署名して完全合意情報付電子契約書を作成する完全電子署名合意情報作成部と、完全電子署名合意情報付電子契約書を電子契約書に置き換えて契約書データベースに格納する完全合意情報付電子契約書格納部と、を有することを特徴とする不動産電子契約システムにある。
【0025】
かかる第3の態様によれば、ある契約当事者の押印が遅れても、それがボトルネックとなることなくスムーズに契約を締結することができ、かつ国土交通省が作成した「重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明実施マニュアル(令和4年4月)」に記載されている重要事項説明書の電磁的方法による提供の要件を満たす不動産電子契約システムを提供することができる。
【0026】
本発明の第4の態様は、不動産契約管理サーバは、不動産業者用端末または契約者用端末に入力された35条書面情報に基づいて、契約書データベースから35条書面を抽出し、不動産業者用端末の不動産業者用表示部または契約者用端末の契約者用表示部に表示させる35条書面抽出部をさらに有する、ことを特徴とする第1~第3の態様の何れか1つに記載の不動産電子契約システムにある。
【0027】
かかる第4の態様によれば、いつでも35条書面を提示することができる。
【0028】
本発明の第5の態様は、契約書データベースは、電子契約に固有の契約書IDデータをさらに格納し、不動産管理サーバは、不動産業者用送信部により送信された電子契約書を受信した際に、契約書IDデータを生成し、契約書データベースに電子契約書に関連付けて契約書IDデータを格納する契約書IDデータ作成部と、電子契約書に、電子契約書に関連付けられた契約書IDデータを追加する契約書IDデータ追加部と、を有する、ことを特徴とする第1~第3の態様の何れか1つに記載の不動産電子契約システムにある。
【0029】
かかる第5の態様によれば、本実施形態の不動産電子契約システムによって締結された電子契約(真正の契約)であることを間接的に証明できる。
【0030】
なお、本発明において、「データベース」、「システム」、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「データベース」、「システム」、「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む概念である。また、1つの「データベース」、「システム」、「部」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「データベース」、「システム」、「部」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は実施形態1に係る不動産電子契約システムの概略図である。
図2図2は実施形態1に係る不動産業者用端末の概略図である。
図3図3は実施形態1に係る契約者用端末の概略図である。
図4図4は重要事項確認位置情報の具体例を示す概略図である。
図5図5は電子契約確認位置情報の具体例を示す概略図である。
図6図6は実施形態1に係る不動産契約管理サーバの概念図である。
図7図7は実施形態1に係る不動産電子契約システムの動作を示すフローチャートである。
図8図8は実施形態5に係る契約書IDデータが追加された電子契約書を印刷した時のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る不動産電子契約システムの実施形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書では、用語に「書」という表記を用いているが、これらは原則として電子データを意味する。
【0033】
(実施形態1)
図1に示すように、本実施形態に係る不動産電子契約システムは、不動産業者用端末10と、複数の契約者用端末20と、不動産契約管理サーバ30とが、ネットワーク40を介して接続されて構成されている。なお、不動産業者用端末10は、この不動産電子契約システム1に複数接続されていてもよい。
【0034】
次に、各構成について詳説する。不動産業者用端末10は、不動産業者に使用される端末で、図2に示すように、不動産業者用入力部110と、不動産業者用送信部120と、不動産業者用表示部130とを有している。
【0035】
不動産業者用入力部110は、宅地建物取引士が、重要事項説明書を確認したことを示す重要事項確認情報、後述する電子契約書312を確認した旨を示す電子契約確認情報および後述する35条書面情報を入力することができるものであれば特に限定されない。不動産業者用入力部110としては、例えば、キーボードやタッチパネル等が挙げられる。
【0036】
ここで、重要事項説明書とは、不動産取引において、宅地建物取引業法にもとづき、物件の内容や、取引の条件などについて、必要な情報が記載された書面(宅地建物取引業法第35条に規定された事項が記載された書面)を電子化したものであって、改ざん防止措置が施されたものをいう。改ざん防止措置は、改ざんを防止することができる電子的な処理が行われたものであれば特に限定されず、例えば電子署名やタイムスタンプが付されたものが挙げられる。なお、改ざん防止措置が施された重要事項説明書は、不動産に関する電子契約に関与する者であれば誰が作成してもよく、例えば、宅地建物取引士、不動産業者およびその従業員、契約者であってもよい。
【0037】
不動産取引に関する電子契約書312とは、契約書を電子化したものをいう。電子化の形式(ファイル形式)は特に限定されず、例えば、BMP、JPEG、GIF、PDF等が挙げられる。
【0038】
重要事項確認情報としては、具体的には、宅地建物取引士が重要事項説明書を確認したことを示す、その宅地建物取引士の氏名、印鑑データ(例えば印鑑の画像)等の情報が挙げられる。また、電子契約確認情報としては、宅地建物取引士が電子契約書312を確認した旨を示す、その宅地建物取引士の氏名、印鑑データ(例えば印鑑の画像)等の情報が挙げられる。なお、同じ印鑑データ(印鑑の画像)を、重要事項確認情報および電子契約確認情報として使用してもよい。
【0039】
不動産業者用送信部120は、不動産業者用入力部110に入力された重要事項確認情報および電子契約確認情報を不動産契約管理サーバ30に送信することができるものであれば特に限定されない。不動産業者用送信部120としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。
【0040】
不動産業者用表示部130は、電子契約書312を表示することができるものであれば特に限定されない。不動産業者用表示部130としては、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等が挙げられる。
【0041】
なお、不動産業者用端末10としては、市販されているパーソナルコンピューター等が挙げられる。
【0042】
次に、契約者用端末20について説明する。契約者用端末20は、不動産に関する電子契約に関与する複数の契約者にそれぞれ使用される端末で、図3に示すように、重要事項確認位置情報入力部210と、電子契約確認位置情報入力部220と、合意位置情報入力部230と、合意情報入力部240と、契約者用表示部250とを有している。
【0043】
重要事項確認位置情報入力部210は、重要事項確認位置情報313を入力することができるものであれば、特に限定されない。重要事項確認位置情報入力部210としては、例えば、キーボード、マウスやタッチパネル等が挙げられる。
【0044】
ここで、重要事項確認位置情報313とは、重要事項確認情報の重要事項説明書上の位置を示す情報である。重要事項確認位置情報313としては、例えば、図4に示すように、後述する重要事項確認情報の入力を促す重要事項確認情報催促情報(宅地建物取引士の氏名の入力を促す四角の欄Aやその印鑑データの入力を促す円B)の重要事項説明書の任意の座標系(例えばXY座標等)上における座標(位置)等の情報が挙げられる。なお、印鑑データとは、紙面の契約書における印鑑(押印)と同様に、その契約に関係する者の意思表示の1つとして押印したことを表すデータ(例えば所定の押印(印鑑)の画像データ等)である。
【0045】
電子契約確認位置情報入力部220は、電子契約確認情報の電子契約書上の位置を示す電子契約確認位置情報314を入力することができるものであれば、特に限定されない。電子契約確認位置情報入力部220としては、例えば、キーボードやタッチパネル等が挙げられる。
【0046】
ここで、電子契約確認位置情報314とは、電子契約確認情報の電子契約書上の位置を示す情報である。電子契約確認情報314としては、例えば、図5に示すように、後述する電子契約確認情報催促情報(売主の氏名の入力を促す四角の欄C、その印鑑データの入力を促す円D、買主の氏名の入力を促す四角の欄E、その印鑑データの入力を促す円F)の電子契約書312上の任意の座標系(例えばXY座標等)上における座標(位置)等の情報が挙げられる。
【0047】
合意位置情報入力部230は、契約者が電子契約に合意したことを示す合意情報の電子契約書312上の位置を示す合意位置情報315を入力することができるものであれば特に限定されない。合意位置情報入力部230としては、例えば、キーボードやタッチパネル等が挙げられる。
【0048】
ここで、合意情報としては、具体的には、契約者が電子契約に合意したことを示す印鑑データ(印鑑の画像)等の情報が挙げられる。また、合意位置情報315としては、重要事項確認位置情報313と同様に、電子契約書312上の任意の座標系(例えばXY座標等)における座標等の情報が挙げられる。
【0049】
合意情報入力部240は、宅地建物取引士から重要事項説明書311の説明を受けた後で、電子契約に合意することを示す合意情報および後述する35条書面情報を入力することができるものであれば特に限定されない。合意情報入力部240としては、例えば、キーボードやタッチパネル等が挙げられる。なお、同一のキーボードやタッチパネル等を、重要事項確認位置情報入力部210、電子契約確認位置情報入力部220、合意位置情報入力部230および合意情報入力部240として使用してもよい。
【0050】
契約者用表示部250は、少なくとも重要事項説明書311および電子契約書312に関する情報を表示することができるものであれば特に限定されない。契約者用表示部250としては、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等が挙げられる。
【0051】
ここで、契約者用端末20は、重要事項確認位置情報入力部210と、電子契約確認位置情報入力部220と、合意位置情報入力部230と、合意情報入力部240と、契約者用表示部250とを有していると説明したが、すべての契約者用端末20がこれらの構成要素を有していなくてもよい。少なくとも1つの契約者用端末20がこれらのすべての構成要素を有していればよく、他の契約者用端末20は、合意情報入力部240および契約者用表示部250を有していればよい。
【0052】
さらに、不動産契約管理サーバ30について説明する。不動産契約管理サーバ30は、図6に示すように、契約書データベース310と、重要事項確認情報入手部320と、電子契約確認情報入手部321と、合意情報入手部322と、確認情報付重要事項説明書作成部330と、電子署名確認情報付重要事項説明書作成部331と、確認情報付重要事項説明書格納部332と、確認情報付電子契約書作成部333と、電子署名確認情報付電子契約書作成部334と、確認情報付電子契約書格納部340と、合意情報付電子契約書作成部360と、電子署名合意情報作成部361と、合意情報付電子契約書格納部370と、完全電子署名合意情報作成部371と、完全合意情報付電子契約書格納部372と、35条書面格納部380と、35条書面抽出部390とを有する。
【0053】
契約書データベース310は、重要事項説明書311、電子契約書312、重要事項確認位置情報313、電子契約確認位置情報314、合意位置情報315および35条書面316を格納することができるものであれば特に限定されない。契約書データベース310としては、例えば、市販のリレーショナルデータベースソフトウェア等が挙げられる。
【0054】
ここで、35条書面316とは、改ざん防止措置が施された重要事項説明書であって、後述するように、宅地建物取引士が契約者に説明する際に使われる前のものである。
【0055】
重要事項確認情報入手部320は、契約書データベース310から、重要事項説明書311および重要事項確認位置情報313を抽出し、不動産業者用端末10の不動産業者用表示部130に、重要事項説明書311および重要事項確認位置情報313が示す重要事項説明書311上の位置に重要事項確認情報の入力を促す重要事項確認情報催促情報を表示させることができるものであれば特に限定されない。重要事項確認情報入手部320としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。
【0056】
ここで、重要事項確認情報催促情報は、重要事項確認情報の入力を促す情報であれば特に限定されない。重要事項確認情報催促情報としては、上述したように、図4に示す宅地建物取引士の氏名の入力を促す四角の欄A、その印鑑データの入力を促す円Bや、「ここに電子印鑑を押してください」という情報、情報の入力を促す入力欄の情報等が挙げられる。
【0057】
電子契約確認情報入手部321は、契約書データベース310から、電子契約書312および電子契約確認位置情報314を抽出し、不動産業者用端末10の不動産業者用表示部130に、電子契約書312と、電子契約確認位置情報314が示す電子契約書312上の位置に電子契約確認情報の入力を促す電子契約確認情報催促情報を表示させることができるものであれば特に限定されない。電子契約確認情報入手部321としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。
【0058】
ここで、電子契約確認情報催促情報は、電子契約確認情報の入力を促す情報であれば特に限定されない。電子契約確認情報催促情報としては、上述したように、図5に示す売主の氏名の入力を促す四角の欄C、その印鑑データの入力を促す円D、買主の氏名の入力を促す四角の欄E、その印鑑データの入力を促す円Fや、「ここに電子印鑑を押してください」という情報、情報の入力を促す入力欄の情報等が挙げられる。
【0059】
合意情報入手部322は、契約書データベース310から、電子契約書312および合意位置情報315を抽出し、契約者用端末20の契約者用表示部250に、電子契約書312と、合意位置情報315が示す電子契約書312上の位置に合意情報の入力を促す合意情報催促情報を表示させることができるものであれば特に限定されない。合意情報入手部322としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。
【0060】
ここで、合意情報催促情報は、合意情報の入力を促す情報であれば特に限定されない。重要事項確認情報催促情報としては、「ここに電子印鑑を押してください」という情報、情報の入力を促す入力欄の情報等が挙げられる。
【0061】
確認情報付重要事項説明書作成部330は、不動産業者用入力部110に入力された重要事項確認情報を、重要事項説明書311上の重要事項確認位置情報313に配置した確認情報付重要事項説明書を作成することができるものであれば特に限定されない。すなわち、重要事項確認情報と、重要事項説明書とから確認情報付重要事項説明書を作成することができるものであれば特に限定されない。確認情報付重要事項説明書作成部330としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。
【0062】
電子署名確認情報付重要事項説明書作成部331は、確認情報付重要事項説明書を電子署名して電子署名確認情報付重要事項説明書を作成することができるものであれば特に限定されない。ここで、電子署名は、不動産契約管理サーバ30で行うようにしてもよいが、ネットワーク40を介して接続された外部システムを用いて電子署名を行ってもよい。具体的には、外部システムに確認情報付重要事項説明書を送信し、その外部システムで確認情報付重要事項説明書に電子署名を行って電子署名確認情報付重要事項説明書を作成し、それを不動産契約管理サーバ30に送信するようにしてもよい。電子署名確認情報付重要事項説明書作成部331としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。
【0063】
なお、電子署名とは、電磁的記録に記録された情報について作成者を示す目的で行う暗号化等の措置で、改変があれば検証可能な方法により行うものをいう。電子署名としては、具体的には、サイバートラスト株式会社が提供するiTrust(登録商標)リモート署名サービス等が挙げられる。
【0064】
確認情報付重要事項説明書格納部332は、電子署名確認情報付重要事項説明書を重要事項説明書311に置き換えて契約書データベース310に格納することができるものであれば特に限定されない。確認情報付重要事項説明書格納部332としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。電子署名確認情報付重要事項説明書を重要事項説明書311に置き換えることにより、重要事項説明書311が電子署名されたものとなる。その結果、改ざんされたか否かを容易に識別できる。
【0065】
確認情報付電子契約書作成部333は、不動産業者用入力部110に入力された電子契約確認情報を、電子契約書312の電子契約確認位置情報314が示す電子契約書312上の位置に配置した確認情報付電子契約書を作成することができるものであれば特に限定されない。すなわち、電子契約確認情報と、電子契約書とから確認情報付電子契約書を作成することができるものであれば特に限定されない。確認情報付電子契約書作成部333としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。
【0066】
電子署名確認情報付電子契約書作成部334は、確認情報付電子契約書を電子署名して電子署名確認情報付電子契約書を作成することができるものであれば特に限定されない。ここで、電子署名確認情報付重要事項説明書作成部331と同様に、電子署名は、不動産契約管理サーバ30で行うようにしてもよいが、ネットワーク40を介して接続された外部システムを用いて電子署名を行ってもよい。具体的には、外部システムに確認情報付電子契約書を送信し、その外部システムで確認情報付電子契約書に電子署名を行って電子署名確認情報付電子契約書を作成し、それを不動産契約管理サーバ30に送信するようにしてもよい。電子署名確認情報付電子契約書作成部334としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。
【0067】
確認情報付電子契約書格納部340は、電子署名確認情報付電子契約書を電子契約書312に置き換えて契約書データベース310に格納することができるものであれば特に限定されない。確認情報付電子契約書格納部340としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。電子署名確認情報付電子契約書を電子契約書312に置き換えることにより、電子契約書312が電子署名されたものとなる。その結果、改ざんされたか否かを容易に識別できる。
【0068】
なお、契約者用表示部250に、すべての合意情報催促情報を表示させてもよいし、契約者が使用する契約者用端末20ごとに、その契約者用の合意情報催促情報のみを表示させるようにしてもよい。契約者ごとに、その契約者用の合意情報催促情報のみを表示させた場合には、電子契約書312上の誤った位置に合意情報が入力されるのを防止することができる。
【0069】
合意情報付電子契約書作成部360は、合意情報入力部240に入力された合意情報を、電子契約書312上の合意位置情報が示す位置に配置した合意情報付電子契約書を作成することができるものであれば特に限定されない。すなわち、合意情報と、電子署名確認情報付電子契約書とから合意情報付電子契約書を作成することができるものであれば特に限定されない。合意情報付電子契約書作成部360としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。
【0070】
電子署名合意情報作成部361は、合意情報付電子契約書を電子署名して電子署名合意情報付電子契約書を作成することができるものであれば特に限定されない。ここで、電子署名確認情報付重要事項説明書作成部331と同様に、電子署名は、不動産契約管理サーバ30で行うようにしてもよいが、ネットワーク40を介して接続された外部システムを用いて電子署名を行ってもよい。具体的には、外部システムに合意情報付電子契約書を送信し、その外部システムで合意情報付電子契約書に電子署名を行って電子署名合意情報付電子契約書を作成し、それを不動産契約管理サーバ30に送信するようにしてもよい。電子署名合意情報作成部361としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。
【0071】
合意情報付電子契約書格納部370は、電子署名合意情報付電子契約書を電子契約書312に置き換えて契約書データベース310に格納することができるものであれば特に限定されない。合意情報付電子契約書格納部370としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。電子署名合意情報付電子契約書を電子契約書312に置き換えることにより、合意情報が含まれた電子契約書312が電子署名されたものとなる。その結果、改ざんされたか否かを容易に識別することができる。
【0072】
完全電子署名合意情報作成部371は、契約者の全員の合意情報を含む電子契約書312に、新たな情報が追加できない形式で電子署名して完全合意情報付電子契約書を作成することができるものであれば特に限定されない。ここで、電子署名確認情報付重要事項説明書作成部331と同様に、電子署名は、不動産契約管理サーバ30で行うようにしてもよいが、ネットワーク40を介して接続された外部システムを用いて電子署名を行ってもよい。具体的には、外部システムに契約者の全員の合意情報を含む電子契約書312を送信し、その外部システムで契約者の全員の合意情報を含む電子契約書312に電子署名を行って完全合意情報付電子契約書を作成し、それを不動産契約管理サーバ30に送信するようにしてもよい。完全電子署名合意情報作成部371としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。なお、新たな情報が追加できない形式とは、例えばISO 32000に準拠した署名済みのPDF等が挙げられる。
【0073】
完全合意情報付電子契約書格納部372は、完全電子署名合意情報付電子契約書を電子契約書312に置き換えて契約書データベース310に格納することができるものであれば特に限定されない。完全合意情報付電子契約書格納部372としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。完全電子署名合意情報付電子契約書を電子契約書312に置き換えることにより、宅建士の確認および契約者全員の合意に関する情報が含まれ、かつ電子署名された電子契約書312となる。
【0074】
35条書面格納部380は、宅地建物取引士が契約者への説明に用いる前の、改ざん防止措置が施された重要事項説明書を、35条書面316として、契約書データベース310に格納することができるものであれば特に限定されない。35条書面格納部380としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。
【0075】
35条書面抽出部390は、不動産業者用端末10または契約者用端末20に入力された35条書面情報に基づいて、契約書データベース310から35条書面を抽出し、不動産業者用端末10の不動産業者用表示部130または契約者用端末20の契約者用表示部250に表示させることができるものであれば特に限定されない。
【0076】
ここで、35条書面情報とは、対象となる35条書面316を特定するための情報であって、契約者(買主、売主)の氏名・住所・電話番号、宅地建物取引業者の商号・名称・代表者名・所在地・電話番号・宅地建物取引業免許証番号、宅建士の氏名・住所・電話番号・登録番号、事業所名・事務所所在地、契約締結日、取引の対象となった不動産を特定するための情報(例えば、土地の所在、地番、地目、登記簿面積、持分、権利の種別、実測面積や、建物の所在、家屋番号、登記簿面積、持分、権利の種別、実測面積等)・取引形態(売買契約、賃貸契約)・媒介契約形態(都道府県、市区町村、番地、建物名称)、不動産電子契約システム1により付与された固有の番号、その他公的記録(登記簿謄本No.、土地家屋証明書No.、公図No.、地積測量図No.、不動産番号)等が挙げられる。
【0077】
35条書面抽出部390としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。35条書面抽出部390により、任意の35条書面を不動産業者用端末10の不動産業者用表示部130または契約者用端末20の契約者用表示部250に表示させることができる。
【0078】
次に、不動産電子契約システム1の動作について説明する。図7は、不動産電子契約システム1の動作を示すフローチャートである。この図に示すように、不動産電子契約システム1が稼働すると、まず契約者用端末20の1つから、改ざん措置が施された重要事項説明書311および電子契約書312並びに、重要事項確認位置情報入力部210により入力された重要事項確認位置情報313および電子契約確認位置情報入力部220に入力された電子契約確認位置情報314が不動産契約管理サーバ30に送信される(S1)。
【0079】
それらを受領した不動産契約管理サーバ30は、契約書データベース310にそれらを格納する。その際に、不動産契約管理サーバ30は、重要事項説明書311を35条書面としても契約書データベース310に格納する。そして、不動産契約管理サーバ30は、重要事項説明書311および電子契約書312を不動産業者用端末10送信すると共に、重要事項確認情報入手部320および電子契約確認情報入手部321により、不動産業者用端末10の不動産業者用表示部130に、重要事項確認情報催促情報および電子契約確認情報催促情報を表示させる(S2)。
【0080】
不動産業者用入力部110に、重要事項確認情報および電子契約確認情報が入力されると、不動産契約管理サーバ30に送信される(S3)。不動産契約管理サーバ30の確認情報付重要事項説明書作成部330によって確認情報付重要事項説明書が作成されると共に、確認情報付電子契約書作成部333によって確認情報付電子契約書が作成される。
【0081】
その後、電子署名確認情報付重要事項説明書作成部331によって電子署名確認情報付重要事項説明書が作成された後、電子署名確認情報付電子契約書作成部334によって電子署名確認情報付電子契約書が作成される。
【0082】
このように、不動産電子契約システム1では、宅地建物取引士が重要事項説明書および電子契約書を確認した上で、契約手続が進むことになる。その結果、不動産電子契約システム1を用いることにより、宅地建物取引業法に従った手続(手順)となっていることを保証することができる。
【0083】
そして、電子署名確認情報付重要事項説明書は、確認情報付重要事項説明書格納部332によって、重要事項説明書311に置き換えられて契約書データベース310に格納されると共に、電子署名確認情報付電子契約書は、確認情報付電子契約書格納部340によって電子契約書に置き換えられて、契約書データベース310に格納される。
【0084】
その後、不動産契約管理サーバ30は、合意情報入手部322によって、各契約者用端末20の契約者用表示部250に合意情報催促情報を表示させる(S4)。なお、合意情報催促情報は、各契約者用端末20の契約者用表示部250に同時に表示されてもよいし、非同時に表示されるようにしてもよい。具体的には、各契約者が不動産電子契約システム1にそれぞれアクセスした際に表示されることになるので、非同時に表示されることが多い。
【0085】
次に、各契約者用端末20の合意情報入力部240に合意情報が入力されると、不動産契約管理サーバ30に送信され(S5)、不動産契約管理サーバ30は、合意情報付電子契約書作成部360により、合意情報付電子契約書を作成する。なお、合意情報が入力される順番(各契約者が合意情報を入力する順番)は特に限定されない。したがって、従来の契約手続のように、契約書を郵送などによりリレー方式で多数の契約当事者間を回覧させて行うため、ある契約当事者の押印が遅れてしまうというボトルネックを解消することができる。
【0086】
なお、合意情報付電子契約書作成部360は、各契約者用端末20に合意情報が入力される都度、合意情報付電子契約書を作成するようにしてもよいし(ある契約者用端末20から合意情報が入力されると、合意情報付電子契約書を作成し、さらに別の契約者用端末20から合意情報が入力されると、合意情報付電子契約書を作成し、これらをすべての契約者の合意情報が入力されるまで行う)、すべての契約者用端末20に合意情報が入力された場合に合意情報付電子契約書を作成するようにしてもよい。
【0087】
その後、合意情報付電子契約書格納部370および電子署名合意情報作成部361によって電子署名合意情報付電子契約書が作成される。さらに、完全電子署名合意情報作成部371により、完全合意情報付電子契約書が作成された後、完全合意情報付電子契約書格納部372により、完全電子署名合意情報付電子契約書を電子契約書に置き換えて契約書データベース310に格納される。
【0088】
また、不動産業者用端末10または契約者用端末20に、35条書面情報が入力されると、35条書面抽出部390は、その35条書面情報に基づいて、契約書データベース310から35条書面316を抽出し、不動産業者用端末10の不動産業者用表示部130または契約者用端末20の契約者用表示部250に表示させる。
【0089】
以上説明したような不動産電子契約システム1を構成することにより、ある契約当事者の押印が遅れても、それがボトルネックとなることなくスムーズに契約を締結することができ、かつ宅地建物取引業法に従って契約を締結することができる。また、不動産電子契約システム1を構成することにより、ある契約当事者の押印が遅れても、それがボトルネックとなることなくスムーズに契約を締結することができ、かつ国土交通省が作成した「重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明実施マニュアル(令和4年4月)」に記載されている重要事項説明書の電磁的方法による提供の要件を満たす不動産電子契約システムを提供することができる。
【0090】
(実施形態2)
実施形態1では、重要事項説明書および電子契約書は、予め契約書データベースに格納されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、重要事項説明書および電子契約書を、不動産業者用端末および契約者用端末の少なくとも1つから入力できるように、不動産電子契約システムを構成してもよい。
【0091】
具体的には、不動産業者用端末および契約者用端末の少なくとも1つに、重要事項説明書および電子契約書を入力して、それらを契約書データベースに格納する電子契約書入力部を有するように、不動産電子契約システムを構成してもよい。なお、不動産業者用端末および契約者用端末のすべてが電子契約書入力部を有するように、不動産電子契約システムを構成してもよいのは言うまでもない。
【0092】
(実施形態3)
上述した実施形態では、すべての契約者用端末が、重要事項確認位置情報入力部と、電子契約確認位置情報入力部と、合意位置情報入力部とを有するように、不動産電子契約システムを構成したが、本発明はこれに限定されない。
【0093】
これら3つの入力部は、少なくとも1つの契約者用端末が有するように不動産電子契約システムを構成すればよい。例えば、これら3つの入力部を、1つの特定の契約者用端末(具体的には、不動産管理業者または不動産仲介業者が使用する契約者用端末)が有するように不動産電子契約システムを構成してもよい。
【0094】
このように不動産電子契約システムを構成することにより、不動産に関する電子契約に精通した不動産管理業者または不動産仲介業者が、重要事項確認位置情報、電子契約確認位置情報および合意位置情報を入力することになるので、電子契約の不備を防止することができる。その結果、スムーズに不動産に関する契約を締結することができる。
【0095】
(実施形態4)
実施形態1の不動産電子契約システムでは、契約書データベースに、重要事項確認位置情報、電子契約確認位置情報、合意位置情報をそれぞれ格納し、それらに用いて、重要事項確認情報が配置された重要事項説明書や、電子契約確認情報が配置された電子契約書を作成するようにしたが、本発明はこれに限定されない。
【0096】
重要事項確認位置情報、電子契約確認位置情報および合意位置情報を用いず、重要事項確認情報が配置された重要事項説明書を作成したり、電子契約確認情報が配置された電子契約書を作成するようにしてもよい。すなわち、例えば、所定の位置に重要事項確認情報が配置された重要事項説明書を作成したり、所定の位置に電子契約確認情報が配置された電子契約書を作成するように不動産電子契約システムを構成してもよい。
【0097】
このように不動産電子契約システムを構成しても、実施形態1の不動産電子契約システムと同様の効果が得られる。
【0098】
(実施形態5)
実施形態1では、完全電子署名合意情報付電子契約書である電子契約書を印刷したとしても、それが電子契約書の内容を正確に示す資料であるか否かを判断することはできない。しかしながら、電子契約書を印刷する際に、本発明に係る不動産電子契約システムによって発行された固有の契約書IDデータを電子契約書に追加した上で、契約参考資料として印刷することによって、その契約参考資料が、本発明に係る不動産電子契約システムによって締結された電子契約(真正の契約)の内容を示すものであることを間接的に証明することができる。すなわち、契約参考資料の契約書IDデータを確認することによって、その契約参考資料が、本発明に係る不動産電子契約システムによって締結された電子契約(真正の契約)の内容を示すものであることを間接的に証明することができる。このような機能は、次のように不動産電子契約システムを構成することにより達成できる。
【0099】
まず、契約書データベースが、電子契約に固有の契約書IDデータをさらに格納できるように構成する。
【0100】
次に、不動産管理サーバは、不動産業者用送信部により送信された電子契約書を受信した際に、契約書IDデータ400を生成し、契約書データベースにその電子契約書に関連付けて、その契約書IDデータ400を格納する契約書IDデータ作成部と、電子契約書に、その電子契約書に関連付けられた契約書IDデータ400を追加する契約書IDデータ追加部と、をさらに有するように構成する。
【0101】
このように不動産電子契約システムを構成することによって、電子契約書には、その電子契約書固有の契約書IDデータ400が追加されるので、その電子契約書を契約参考資料として印刷すると、図8に示すように、当然契約書IDデータ400も印刷されることになる。すなわち、契約書IDデータ400が表示された契約参考資料が印刷されることになる。
【0102】
なお、電子契約書上の契約書IDデータが追加される位置は特に限定されず、例えば、図8に示すように、電子契約書の右上の位置のように予め決められた位置であってもよい。
【0103】
そして、その契約IDデータと、不動産電子契約システムの契約書データベースに格納されている、対象電子契約書に関連付けられた契約IDデータとを照合することによって、契約参考資料が、不動産電子契約システムによって締結された電子契約(真正の契約)の内容を示すものであることを間接的に証明することができる。
【0104】
なお、照合の際には、不動産電子契約システムに格納されている契約書IDデータを電子取引証明書等の書面に予め印刷しておいてもよいし、ネットワークを介して、不動産電子契約システムにアクセスし、対応する契約書IDデータを検索して表示等できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 不動産電子契約システム
10 不動産業者用端末
110 不動産業者用入力部
120 不動産業者用送信部
130 不動産業者用表示部
20 契約者用端末
210 重要事項確認位置情報入力部
220 電子契約確認位置情報入力部
230 合意位置情報入力部
240 合意情報入力部
250 契約者用表示部
30 不動産契約管理サーバ
310 契約書データベース
311 重要事項説明書
312 電子契約書
313 重要事項確認位置情報
314 電子契約確認位置情報
315 合意位置情報
316 35条書面
320 重要事項確認情報入手部
321 電子契約確認情報入手部
322 合意情報入手部
330 確認情報付重要事項説明書作成部
331 電子署名確認情報付重要事項説明書作成部
332 確認情報付重要事項説明書格納部
333 確認情報付電子契約書作成部
334 電子署名確認情報付電子契約書作成部
340 確認情報付電子契約書格納部
360 合意情報付電子契約書作成部
361 電子署名合意情報作成部
370 合意情報付電子契約書格納部
371 完全電子署名合意情報作成部
372 完全合意情報付電子契約書格納部
380 35条書面格納部
390 35条書面抽出部
40 ネットワーク
400 契約書IDデータ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-10-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産に関する電子契約に関与する不動産業者に使用される不動産業者用端末と、
前記不動産に関する前記電子契約に関与する、複数の契約者にそれぞれ使用される複数の契約者用端末と、
前記複数の契約者用端末と、前記不動産業者用端末とにネットワークを介して接続される不動産契約管理サーバと、を具備し、
宅地建物取引士が前記契約者に対して前記電子契約上の重要な事項を説明するために用いられ、改ざん防止措置が施された重要事項説明書を宅地建物取引業法第35条に定める35条書面として保存し、
前記宅地建物取引士が前記重要事項説明書および前記電子契約の内容を示す電子契約書を確認した後に、前記契約者が前記電子契約書への電子署名に利用する不動産電子契約システムであって、
前記不動産業者用端末は、
前記宅地建物取引士が前記重要事項説明書を確認したことを示す重要事項確認情報および前記電子契約書を確認した旨を示す電子契約確認情報を入力する不動産業者用入力部と、
前記不動産業者用入力部に入力された前記重要事項確認情報および前記電子契約確認情報を前記不動産契約管理サーバに送信する不動産業者用送信部と、
前記重要事項説明書および前記電子契約書に関する情報を表示する不動産業者用表示部と、を有し、
前記契約者用端末は、
前記重要事項説明書および前記電子契約書に関する情報を表示する契約者用表示部と、
前記契約者が、前記宅地建物取引士から前記重要事項説明書の説明を受けた後で、前記電子契約に合意することを示す合意情報を入力する合意情報入力部と、を有し、
前記不動産契約管理サーバは、
前記重要事項説明書、前記電子契約書および前記35条書面を格納する契約書データベースと、
前記宅地建物取引士が前記契約者への説明に用いる前の前記重要事項説明書を、前記35条書面として、前記契約書データベースに格納する35条書面格納部と、
前記契約者用端末に入力された35条書面情報に基づいて、前記契約書データベースから前記35条書面を抽出し、前記契約者用端末の前記契約者用表示部に表示させる35条書面抽出部と、
を有することを特徴とする不動産電子契約システム。
【請求項2】
前記不動産契約管理サーバは、
前記不動産業者用入力部に入力された前記重要事項確認情報と、前記重要事項説明書とから確認情報付重要事項説明書を作成する確認情報付重要事項説明書作成部と、
前記確認情報付重要事項説明書を電子署名して電子署名確認情報付重要事項説明書を作成する電子署名確認情報付重要事項説明書作成部と、
前記不動産業者用入力部に入力された前記電子契約確認情報と、前記電子契約書とから確認情報付電子契約書を作成する確認情報付電子契約書作成部と、
前記確認情報付電子契約書を電子署名して電子署名確認情報付電子契約書を作成する電子署名確認情報付電子契約書作成部と、
前記合意情報入力部に入力された前記合意情報と、電子署名確認情報付電子契約書とから合意情報付電子契約書を作成する合意情報付電子契約書作成部と、
前記合意情報付電子契約書を電子署名して電子署名合意情報付電子契約書を作成する電子署名合意情報作成部と、
前記電子署名合意情報付電子契約書を前記電子契約書に置き換えて前記契約書データベースに格納する合意情報付電子契約書格納部と、
前記契約者の全員の前記合意情報を含む前記電子契約書に、新たな情報が追加できない形式で電子署名して完全電子署名合意情報付電子契約書を作成する完全電子署名合意情報作成部と、
前記完全電子署名合意情報付電子契約書を前記電子契約書に置き換えて前記契約書データベースに格納する完全合意情報付電子契約書格納部と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の不動産電子契約システム。
【請求項3】
不動産に関する電子契約に関与する不動産業者に使用される不動産業者用端末と、
前記不動産に関する前記電子契約に関与する、複数の契約者にそれぞれ使用される複数の契約者用端末と、
前記複数の契約者用端末と、前記不動産業者用端末とにネットワークを介して接続される不動産契約管理サーバと、を具備し、
宅地建物取引士が前記契約者に対して前記電子契約上の重要な事項を説明するために用いられ、改ざん防止措置が施された重要事項説明書を宅地建物取引業法第35条に定める35条書面として保存し、
前記宅地建物取引士が前記重要事項説明書および前記電子契約の内容を示す電子契約書を確認した後に、前記契約者が前記電子契約書への電子署名に利用する不動産電子契約システムであって、
前記不動産業者用端末は、
前記宅地建物取引士が前記重要事項説明書を確認したことを示す重要事項確認情報および前記電子契約書を確認した旨を示す電子契約確認情報を入力する不動産業者用入力部と、
前記不動産業者用入力部に入力された前記重要事項確認情報および前記電子契約確認情報を前記不動産契約管理サーバに送信する不動産業者用送信部と、
前記重要事項説明書および前記電子契約書に関する情報を表示する不動産業者用表示部と、を有し、
前記契約者用端末の少なくとも1つは、
前記重要事項説明書上に配置される前記重要事項確認情報の位置を示す重要事項確認位置情報を入力する重要事項確認位置情報入力部と、
前記電子契約書上に配置される前記電子契約確認情報の位置を示す電子契約確認位置情報を入力する電子契約確認位置情報入力部と、
前記契約者が前記電子契約に合意したことを示す合意情報の前記電子契約書上の位置を示す合意位置情報を入力する合意位置情報入力部と、を有し、
前記契約者用端末は、
前記重要事項説明書および前記電子契約書に関する情報を表示する契約者用表示部と、
前記契約者が、前記宅地建物取引士から前記重要事項説明書の説明を受けた後で、前記電子契約に合意することを示す合意情報を入力する合意情報入力部と、を有し、
前記不動産契約管理サーバは、
前記重要事項説明書、前記電子契約書、前記重要事項確認位置情報、前記電子契約確認位置情報、前記合意位置情報および前記35条書面を格納する契約書データベースと、
前記宅地建物取引士が前記契約者への説明に用いる前の前記重要事項説明書を、前記35条書面として、前記契約書データベースに格納する35条書面格納部と、
前記契約書データベースから、前記重要事項説明書および前記重要事項確認位置情報を抽出し、前記不動産業者用端末の前記不動産業者用表示部に、前記重要事項説明書および前記重要事項確認位置情報が示す当該重要事項説明書上の位置に前記重要事項確認情報の入力を促す重要事項確認情報催促情報を表示させる重要事項確認情報入手部と、
前記契約書データベースから、前記電子契約書および前記電子契約確認位置情報を抽出し、前記不動産業者用端末の前記不動産業者用表示部に、前記電子契約書と、前記電子契約確認位置情報が示す当該電子契約書上の位置に前記電子契約確認情報の入力を促す電子契約確認情報催促情報を表示させる電子契約確認情報入手部と、
前記契約書データベースから、前記電子契約に関する前記電子契約書および前記合意位置情報を抽出し、前記契約者用端末の前記契約者用表示部に、前記電子契約書と、前記合意位置情報が示す当該電子契約書上の位置に前記合意情報の入力を促す合意情報催促情報を表示させる合意情報入手部と、
前記不動産業者用入力部に入力された前記重要事項確認情報を、前記重要事項説明書の前記重要事項確認位置情報が示す位置に配置した確認情報付重要事項説明書を作成する確認情報付重要事項説明書作成部と、
前記確認情報付重要事項説明書を電子署名して電子署名確認情報付重要事項説明書を作成する電子署名確認情報付重要事項説明書作成部と、
前記電子署名確認情報付重要事項説明書を前記重要事項説明書に置き換えて前記契約書データベースに格納する確認情報付重要事項説明書作成部と、
前記不動産業者用入力部に入力された前記電子契約確認情報を、前記電子契約書の前記電子契約確認位置情報が示す当該電子契約書上の位置に配置した確認情報付電子契約書を作成する確認情報付電子契約書作成部と、
前記確認情報付電子契約書を電子署名して電子署名確認情報付電子契約書を作成する電子署名確認情報付電子契約書作成部と、
前記電子署名確認情報付電子契約書を前記電子契約書に置き換えて前記契約書データベースに格納する確認情報付電子契約書格納部と、
前記合意情報入力部に入力された前記合意情報を、前記電子契約書の合意確認情報位置に配置した合意情報付電子契約書を作成する合意情報付電子契約書作成部と、
前記合意情報付電子契約書を電子署名して電子署名合意情報付電子契約書を作成する電子署名合意情報作成部と、
前記電子署名合意情報付電子契約書を前記電子契約書に置き換えて前記契約書データベースに格納する合意情報付電子契約書格納部と、
前記契約者の全員の合意情報を含む前記電子契約書に、新たな情報が追加できない形式で電子署名して完全電子署名合意情報付電子契約書を作成する完全電子署名合意情報作成部と、
前記完全電子署名合意情報付電子契約書を前記電子契約書に置き換えて前記契約書データベースに格納する完全合意情報付電子契約書格納部と、
を有することを特徴とする不動産電子契約システム。
【請求項4】
前記不動産契約管理サーバは、前記不動産業者用端末または前記契約者用端末に入力された35条書面情報に基づいて、前記契約書データベースから前記35条書面を抽出し、前記不動産業者用端末の前記不動産業者用表示部または前記契約者用端末の前記契約者用表示部に表示させる35条書面抽出部をさらに有する、
ことを特徴とする請求項に記載の不動産電子契約システム。
【請求項5】
前記契約書データベースは、前記電子契約に固有の契約書IDデータをさらに格納し、
前記不動産契約管理サーバは、前記不動産業者用送信部により送信された前記電子契約書を受信した際に、前記契約書IDデータを生成し、前記契約書データベースに当該電子契約書に関連付けて契約書IDデータを格納する契約書IDデータ作成部と、
前記電子契約書に、当該電子契約書に関連付けられた前記契約書IDデータを追加する契約書IDデータ追加部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の不動産電子契約システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本発明の第2の態様は、不動産契約管理サーバは、不動産業者用入力部に入力された重要事項確認情報と、重要事項説明書とから確認情報付重要事項説明書を作成する確認情報付重要事項説明書作成部と、確認情報付重要事項説明書を電子署名して電子署名確認情報付重要事項説明書を作成する電子署名確認情報付重要事項説明書作成部と、不動産業者用入力部に入力された電子契約確認情報と、電子契約書とから確認情報付電子契約書を作成する確認情報付電子契約書作成部と、確認情報付電子契約書を電子署名して電子署名確認情報付電子契約書を作成する電子署名確認情報付電子契約書作成部と、契約者用入力部に入力された合意情報と、電子署名確認情報付電子契約書とから合意情報付電子契約書を作成する合意情報付電子契約書作成部と、合意情報付電子契約書を電子署名して電子署名合意情報付電子契約書を作成する電子署名合意情報作成部と、電子署名合意情報付電子契約書を電子契約書に置き換えて契約書データベースに格納する合意情報付電子契約書格納部と、契約者の全員の合意情報を含む電子契約書に、新たな情報が追加できない形式で電子署名して完全電子署名合意情報付電子契約書を作成する完全電子署名合意情報作成部と、完全電子署名合意情報付電子契約書を電子契約書に置き換えて契約書データベースに格納する完全合意情報付電子契約書格納部と、をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の不動産電子契約システムにある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
本発明の第3の態様は、不動産に関する電子契約に関与する不動産業者に使用される不動産業者用端末と、不動産に関する電子契約に関与する、複数の契約者にそれぞれ使用される複数の契約者用端末と、複数の契約者用端末と、不動産業者用端末とにネットワークを介して接続される不動産契約管理サーバと、を具備し、宅地建物取引士が契約者に対して電子契約上の重要な事項を説明するために用いられ、改ざん防止措置が施された重要事項説明書を宅地建物取引業法第35条に定める35条書面として保存し、宅地建物取引士が重要事項説明書および電子契約の内容を示す電子契約書を確認した後に、契約者が電子契約書への電子署名に利用する不動産電子契約システムであって、不動産業者用端末は、宅地建物取引士が重要事項説明書を確認したことを示す重要事項確認情報および電子契約書を確認した旨を示す電子契約確認情報を入力する不動産業者用入力部と、不動産業者用入力部に入力された重要事項確認情報および電子契約確認情報を不動産契約管理サーバに送信する不動産業者用送信部と、重要事項説明書および電子契約書に関する情報を表示する不動産業者用表示部と、を有し、契約者用端末の少なくとも1つは、重要事項説明書上に配置される重要事項確認情報の位置を示す重要事項確認位置情報を入力する重要事項確認位置情報入力部と、電子契約書上に配置される電子契約確認情報の位置を示す電子契約確認位置情報を入力する電子契約確認位置情報入力部と、契約者が電子契約に合意したことを示す合意情報の電子契約書上の位置を示す合意位置情報を入力する合意位置情報入力部と、を有し、契約者用端末は、重要事項説明書および電子契約書に関する情報を表示する契約者用表示部と、契約者が、宅地建物取引士から重要事項説明書の説明を受けた後で、電子契約に合意することを示す合意情報を入力する合意情報入力部と、を有し、不動産契約管理サーバは、重要事項説明書、電子契約書、重要事項確認位置情報、電子契約確認位置情報、合意位置情報および35条書面を格納する契約書データベースと、宅地建物取引士が契約者への説明に用いる前の重要事項説明書を、35条書面として、契約書データベースに格納する35条書面格納部と、契約書データベースから、重要事項説明書および重要事項確認位置情報を抽出し、不動産業者用端末の不動産業者用表示部に、重要事項説明書および重要事項確認位置情報が示す重要事項説明書上の位置に重要事項確認情報の入力を促す重要事項確認情報催促情報を表示させる重要事項確認情報入手部と、契約書データベースから、電子契約書および電子契約確認位置情報を抽出し、不動産業者用端末の不動産業者用表示部に、電子契約書と、電子契約確認位置情報が示す電子契約書上の位置に電子契約確認情報の入力を促す電子契約確認情報催促情報を表示させる電子契約確認情報入手部と、契約書データベースから、電子契約に関する電子契約書および合意位置情報を抽出し、契約者用端末の契約者用表示部に、電子契約書と、合意位置情報が示す電子契約書上の位置に合意情報の入力を促す合意情報催促情報を表示させる合意情報入手部と、不動産業者用入力部に入力された重要事項確認情報を、重要事項説明書の重要事項確認位置情報が示す位置に配置した確認情報付重要事項説明書を作成する確認情報付重要事項説明書作成部と、確認情報付重要事項説明書を電子署名して電子署名確認情報付重要事項説明書を作成する電子署名確認情報付重要事項説明書作成部と、電子署名確認情報付重要事項説明書を重要事項説明書に置き換えて契約書データベースに格納する確認情報付重要事項説明書作成部と、不動産業者用入力部に入力された電子契約確認情報を、電子契約書の電子契約確認位置情報が示す電子契約書上の位置に配置した確認情報付電子契約書を作成する確認情報付電子契約書作成部と、確認情報付電子契約書を電子署名して電子署名確認情報付電子契約書を作成する電子署名確認情報付電子契約書作成部と、電子署名確認情報付電子契約書を電子契約書に置き換えて契約書データベースに格納する確認情報付電子契約書格納部と、合意情報入力部に入力された合意情報を、電子契約書の合意確認情報位置に配置した合意情報付電子契約書を作成する合意情報付電子契約書作成部と、合意情報付電子契約書を電子署名して電子署名合意情報付電子契約書を作成する電子署名合意情報作成部と、電子署名合意情報付電子契約書を電子契約書に置き換えて契約書データベースに格納する合意情報付電子契約書格納部と、契約者の全員の合意情報を含む電子契約書に、新たな情報が追加できない形式で電子署名して完全前肢署名合意情報付電子契約書を作成する完全電子署名合意情報作成部と、完全電子署名合意情報付電子契約書を電子契約書に置き換えて契約書データベースに格納する完全合意情報付電子契約書格納部と、を有することを特徴とする不動産電子契約システムにある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
本発明の第5の態様は、契約書データベースは、電子契約に固有の契約書IDデータをさらに格納し、不動産契約管理サーバは、不動産業者用送信部により送信された電子契約書を受信した際に、契約書IDデータを生成し、契約書データベースに電子契約書に関連付けて契約書IDデータを格納する契約書IDデータ作成部と、電子契約書に、電子契約書に関連付けられた契約書IDデータを追加する契約書IDデータ追加部と、を有する、ことを特徴とする第1~第3の態様の何れか1つに記載の不動産電子契約システムにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
完全電子署名合意情報作成部371は、契約者の全員の合意情報を含む電子契約書312に、新たな情報が追加できない形式で電子署名して完全電子署名合意情報付電子契約書を作成することができるものであれば特に限定されない。ここで、電子署名確認情報付重要事項説明書作成部331と同様に、電子署名は、不動産契約管理サーバ30で行うようにしてもよいが、ネットワーク40を介して接続された外部システムを用いて電子署名を行ってもよい。具体的には、外部システムに契約者の全員の合意情報を含む電子契約書312を送信し、その外部システムで契約者の全員の合意情報を含む電子契約書312に電子署名を行って完全電子署名合意情報付電子契約書を作成し、それを不動産契約管理サーバ30に送信するようにしてもよい。完全電子署名合意情報作成部371としては、例えば、このような機能を有するプログラム等が挙げられる。なお、新たな情報が追加できない形式とは、例えばISO 32000に準拠した署名済みのPDF等が挙げられる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
その後、合意情報付電子契約書格納部370および電子署名合意情報作成部361によって電子署名合意情報付電子契約書が作成される。さらに、完全電子署名合意情報作成部371により、完全電子署名合意情報付電子契約書が作成された後、完全合意情報付電子契約書格納部372により、完全電子署名合意情報付電子契約書を電子契約書に置き換えて契約書データベース310に格納される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0100】
次に、不動産契約管理サーバは、不動産業者用送信部により送信された電子契約書を受信した際に、契約書IDデータ400を生成し、契約書データベースにその電子契約書に関連付けて、その契約書IDデータ400を格納する契約書IDデータ作成部と、電子契約書に、その電子契約書に関連付けられた契約書IDデータ400を追加する契約書IDデータ追加部と、をさらに有するように構成する。