(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173662
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】端末装置および制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 7/15 20060101AFI20241205BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20241205BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20241205BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20241205BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20241205BHJP
【FI】
H04N7/15
G09G5/00 510A
G09G5/00 530D
G09G5/00 550C
G09G5/37 600
G06F3/01 510
G06F3/01 570
H04N21/442
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024038899
(22)【出願日】2024-03-13
(31)【優先権主張番号】P 2023088933
(32)【優先日】2023-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】清水 裕介
【テーマコード(参考)】
5C164
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164UB41P
5C164VA37P
5C164YA12
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB02
5C182AB03
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA14
5C182BA66
5C182CB44
5C182CB47
5C182DA65
5C182DA68
5E555AA46
5E555AA52
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA13
5E555BB02
5E555BB04
5E555BB05
5E555CA12
5E555CA42
5E555CA46
5E555CB12
5E555CB66
5E555CC05
5E555DA01
5E555DB57
5E555DC11
5E555DC73
5E555DD06
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】オンライン会議中の共有画面などに含まれる秘密情報を容易に秘匿する端末装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】複数の端末装置がネットワークを介して通信可能に接続されている発表システムにおいて、端末装置は、情報を表示する表示部と、情報を表示する表示部に対する人物の動作を示す動作情報を取得する動作情報取得部と、動作情報取得部が取得した動作情報に基づいて、人物の表示部に対する動作が秘匿動作か否かを検知する秘匿動作検知部と、秘匿動作検知部が秘匿動作を検知した場合に、動作情報取得部が取得した動作情報に基づいて秘匿領域を決定し秘匿領域に基づいて秘匿映像を生成する秘匿領域処理部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示部と、
前記情報を表示する前記表示部に対する人物の動作を示す動作情報を取得する動作情報取得部と、
前記動作情報に基づいて、前記人物の前記表示部に対する動作が秘匿動作か否かを検知する秘匿動作検知部と、
前記秘匿動作検知部が前記秘匿動作を検知した場合に、前記動作情報取得部が取得した前記動作情報に基づいて秘匿領域を決定し前記秘匿領域に基づいて秘匿映像を生成する秘匿領域処理部と、
を備える、端末装置。
【請求項2】
前記動作情報取得部が取得する動作情報は、前記表示部に対する前記人物の手の動作を示す情報を含み、
前記秘匿動作検知部は、前記表示部に対する前記人物の手の位置に基づいて、前記秘匿動作を検知する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記秘匿動作検知部は、前記動作情報取得部が取得した動作情報において、前記表示部の少なくとも一部が前記人物の手によって所定時間以上覆われている場合に、前記秘匿動作であることを検知する、
請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記秘匿領域処理部は、前記動作情報取得部が取得した動作情報において、前記表示部を覆う手の数または手の位置に基づいて、前記秘匿領域を決定する、
請求項2または3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記動作情報取得部は、前記ユーザの視点位置の近傍から前記表示部の表示面を撮影するカメラから前記動作情報を取得する
請求項1に記載の端末装置。
【請求項6】
情報を表示する表示部に対する人物の動作を示す動作情報を取得するステップと、
前記動作情報に基づいて、前記人物の前記表示部に対する動作が秘匿動作か否かを検知するステップと、
前記秘匿動作を検知した場合に、前記動作情報に基づいて秘匿領域を決定し前記秘匿領域に基づいて秘匿映像を生成するステップと、
を含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オンライン会議などにおいて、自身の画面を他者へ画面共有する際に、画面内に含まれる秘匿情報を秘匿する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような技術では、秘匿にする情報をあらかじめ設定する必要が有る。そのため、特許文献1に記載の技術では、共有する画面に秘匿にしたい情報が含まれており、咄嗟に秘匿したい場合には、適切に秘匿することができない可能性がある。
【0005】
本発明は、オンライン会議中の共有画面などに含まれる秘密情報を容易に秘匿することのできる端末装置および制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の端末装置は、情報を表示する表示部と、前記情報を表示する前記表示部に対する人物の動作を示す動作情報を取得する動作情報取得部と、前記動作情報に基づいて、前記人物の前記表示部に対する動作が秘匿動作か否かを検知する秘匿動作検知部と、前記秘匿動作検知部が前記秘匿動作を検知した場合に、前記動作情報取得部が取得した前記動作情報に基づいて秘匿領域を決定し前記秘匿領域に基づいて秘匿映像を生成する秘匿領域処理部と、を備える。
【0007】
本発明の制御方法は、情報を表示する表示部に対する人物の動作を示す動作情報を取得するステップと、前記動作情報に基づいて、前記人物の前記表示部に対する動作が秘匿動作か否かを検知するステップと、前記秘匿動作を検知した場合に、前記動作情報に基づいて秘匿領域を決定し前記秘匿領域に基づいて秘匿映像を生成するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、オンライン会議中の共有画面などに含まれる秘密情報を容易に秘匿することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る発表システムを説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る秘匿動作および秘匿処理を説明するための図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る秘匿処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る秘匿領域情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る秘匿領域の座標を説明するための図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る他の端末装置で表示される秘匿映像を説明するための図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る秘匿領域を更新する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
[実施形態]
(発表システム)
図1を用いて、実施形態に係る発表システムについて説明する。
図1は、実施形態に係る発表システムを説明するための図である。
【0011】
図1に示すように、発表システム1は、端末装置10-1と、端末装置10-2とを含む。端末装置10-1と、端末装置10-2とは、ネットワークNを介して通信可能に接続されている。発表システム1は、端末装置10-1と、端末装置10-2とを用いて、オンライン会議を行うことが可能なシステムである。端末装置10-1と、端末装置10-2とを区別する必要のない場合には、端末装置10と総称することもある。発表システム1は、2台の端末装置10を含んでいるが、本発明はこれに限定されない。発表システム1に含まれる端末装置10の数は、3台以上であってもよい。また、以下の例においては、発表システムとして説明するが、発表を伴わずに情報共有を行うようなオンライン会議システムや、端末装置10-1の表示画面に表示されている内容を端末装置10-2の表示画面に表示させるようなシステムであってもよい。この場合、端末装置10-2は、外部モニタやプロジェクタであってもよい。
【0012】
例えば、オンライン会議中に資料を共有して発表しているときに、共有している資料にパスワードなどの秘密情報が含まれていた場合には、発表者は画面の共有を停止するのが一般的である。発表システム1においては、共有する資料に秘密情報が含まれていた場合には、発表者は、端末装置10の表示画面を手で覆うなどの咄嗟の動作を行うことにより、他の端末装置10の表示画面に秘密情報が表示されてしまうことを防止することができる。
(端末装置)
図2を用いて、実施形態に係る端末装置の構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【0013】
図2に示すように、端末装置10は、入力部20と、音声入力部22と、表示部24と、音声出力部26と、記憶部28と、通信部30と、センサ部32と、制御部34と、を備える。端末装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、HMD(Head Mounted Display)、HUD(Head Up Display)などであるが、これらに限定されない。
【0014】
入力部20は、端末装置10に対する各種の操作を受け付ける。入力部20は、例えば、スイッチ、ボタン、タッチパネルなどの各種の入力装置で実現される。
【0015】
音声入力部22は、端末装置10を使用しているユーザの音声を検出する。音声入力部22は、検出した音声を音声信号に変換する。音声入力部22は、マイクロフォンで実現される。
【0016】
表示部24は、各種の画像の情報を表示する表示面を備える。表示部24は、例えば、オンライン会議において共有されている資料を表示する。表示部24は、例えば、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイで実現される。入力部20がタッチパネルである場合には、入力部20と、表示部24とは一体に構成されている。ここで、端末装置10がHUDなど画像の情報を投射または投影することで表示する機器の場合は、表示部24は表示面を備えなくともよい。
【0017】
音声出力部26は、各種の音声を出力するスピーカである。音声出力部26は、例えば、オンライン会議に参加している他の端末装置10のユーザの音声を出力する。
【0018】
記憶部28は、各種の情報を記憶している。記憶部28は、制御部34の演算内容、およびプログラム等の情報を記憶する。記憶部28は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0019】
通信部30は、端末装置10と、外部装置との間の通信を行う通信インタフェースである。通信部30は、例えば、端末装置10と、外部のセンサとの間の通信を実行する。通信部30は、例えば、端末装置10-1と、端末装置10-2との間の通信を実行する。通信部30は、例えば、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、Wi-Fi(登録商標)などにより通信可能に構成されている。
【0020】
センサ部32は、端末装置10を使用しているユーザの動作を検出するセンサである。センサ部32は、例えば、表示部24に対するユーザの動作を検出する。より具体的にはセンサ部32は、表示部24の表示面に対するユーザの体の一部の動作を検出する。センサ部32は、例えば、表示部24の表示面に対するユーザの手の動作を検出する。センサ部32は、端末装置10と一体に構成されていてもよいし、別体に構成されていてもよい。センサ部32は、検出した動作を示す動作情報を動作情報取得部40に出力する。
【0021】
センサ部32は、例えば、端末装置10と一体に構成されたカメラであってよい。この場合、センサ部32は、端末装置10を使用しているユーザの手の動作を撮影した動画を表示部24に対するユーザの動作として検出する。ここでセンサ部32としてのカメラは、表示部24の表示面と、ユーザの手とを含む画角となるように設置されることが望ましい。
【0022】
センサ部32は、例えば、端末装置10と一体に構成された距離センサであってよい。この場合、センサ部32は、端末装置10を使用しているユーザの手と表示部24の表示面との間の距離を表示部24に対するユーザの動作として検出する。センサ部32としての距離センサは、例えば表示部24の表示面近傍に配置されるがこれに限られない。センサ部32が、マトリクス状に分布した距離の情報を得ることができるLiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)などである場合、マトリクス状に分布したユーザの手と表示部24の表示面との距離の情報を表示部24に対するユーザの動作として検出してもよい。
【0023】
センサ部32は、例えば、端末装置10と一体に構成された圧力センサなどから成るタッチセンサであってよい。この場合、センサ部32は、表示部24と一体に構成され、表示部24の表示面においてユーザの手が触れた位置の情報を、表示部24に対するユーザの動作として検出する。センサ部32が表示部24に手が触れなくとも反応する光学方式などのタッチセンサである場合、表示部24に手が近づいたか否かの情報を表示部24に対するユーザの動作として検出してもよい。センサ部32が、表示部24の表示面の複数点のタッチを検出できる静電容量方式などのタッチセンサである場合、表示部24の表示面においてユーザの手が触れた複数の位置の情報を、表示部24に対するユーザの動作として検出してもよい。
【0024】
センサ部32は、たとえば、モーションキャプチャであってよい。センサ部32となるモーションキャプチャは、図示しない1つ以上のマーカーを配置し、マーカーの位置に基づいてキャプチャする方式でもよいし、マーカーを使用しない方式でもよい。例えばマーカーはユーザの手に複数配置する。センサ部32は、例えば3次元の位置情報などのモーションキャプチャデータを表示部24に対するユーザの動作として検出する。
【0025】
センサ部32は、例えば、端末装置10と別体に構成されたカメラであってよい。この場合、センサ部32としてのカメラは、例えば、端末装置10を使用するユーザが装着しているスマートグラスやヘッドセットなどにおいて、ユーザの視線方向、またはユーザの目の近傍など、ユーザの視点位置の近傍から端末装置10の表示部24の表示面を撮影するように設けられていればよい。このようにユーザの目の近傍に配置されたカメラをセンサ部32とすることで、ユーザの視界と近似した画像を取得することができるため精度よく表示部24の表示面に対するユーザの手の動作を検出することができ、秘密情報を容易に秘匿することができる。また、センサ部32が端末装置10と別体に構成されたカメラである場合には、センサ部32としてのカメラは、端末装置10の表示部24の表示面を撮影するように、室内の天井や壁に取り付けられていてもよい。これらの場合、端末装置10は、通信部30を介して、センサ部32から撮影した映像を取得するようにすればよい。
【0026】
センサ部32は、これまで挙げたセンサ及び他のセンサの2つ以上の組み合わせによって構成されてもよい。例えば、センサ部32を、ユーザが装着しているスマートグラスに設けられたカメラと、端末装置10と一体に構成された距離センサの組み合わせとすると、精度よく表示部24の表示面に対するユーザの手の動作を検出することができ、秘密情報を容易に秘匿することができる。
【0027】
制御部34は、端末装置10の各部を制御する。制御部34は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの情報処理装置と、RAM又はROMなどの記憶装置とを有する。制御部34は、本発明に係る端末装置10の動作を制御するプログラムを実行する。制御部34は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部34は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0028】
制御部34は、動作情報取得部40と、秘匿動作検知部42と、秘匿領域処理部44と、を備える。
【0029】
動作情報取得部40は、センサ部32を制御して、端末装置10を用いて情報を発表する発表者の動作を検出させる。動作情報取得部40は、センサ部32が検出した発表者の動作を示す動作情報をセンサ部32から取得する。具体的には、動作情報取得部40は、センサ部32が検出した発表者の表示部24に対する動作を示す動作情報をセンサ部32から取得する。例えば、動作情報取得部40の取得する動作情報には、表示部24に対する発表者の手の動作を示す情報が含まれる。
【0030】
より具体的には、センサ部32がカメラである場合、動作情報取得部40の取得する動作情報はユーザの手の動作を撮影した動画である。センサ部32が距離センサである場合、動作情報取得部40の取得する動作情報はユーザの手と表示部24の表示面との1つ以上の距離の情報である。センサ部32がタッチセンサである場合、動作情報取得部40の取得する動作情報は表示部24の表示面においてユーザの手が触れた位置の情報である。センサ部32がモーションキャプチャである場合、動作情報取得部40の取得する動作情報は3次元の位置情報である。
【0031】
ここで、動作情報取得部40が取得する動作情報は発表者のものでなくてもよく、例えば発表者が端末装置10―1を利用して共有する画面を、端末装置10-2を利用して見ている人物の動作情報を取得してもよい。つまり動作情報取得部40は、表示部24に対する人物の動作を示す動作情報を取得する。
【0032】
秘匿動作検知部42は、動作情報取得部40が取得した動作情報に基づいて、発表者の表示部24に対する動作が秘匿動作であるか否かを検知する。例えば秘匿動作検知部42は、発表者の表示部24に対する手の位置に基づいて、秘匿動作であるか否かを検知する。秘匿動作とは、共有画面に含まれている秘密情報を秘匿するための動作をいう。本実施形態においては、秘匿動作は予め定められた動作である。秘匿動作については、後述する。
【0033】
ここで、端末装置10の表示部24が表示面を備えず、HUDなど画像の情報を投射または投影することで表示する機器である場合において秘匿動作検知部42は、投影面、つまり発表者が見ている表示範囲に対する発表者の動作が秘匿動作であるか否かを検知してもよい。この場合、センサ部32は例えばユーザが装着しているスマートグラスに設けられたカメラであり、秘匿動作検知部42は、投影面とユーザの手の動作との関係に基づいて秘匿動作を検知する。
【0034】
また、動作情報取得部40が、発表者以外の人物の動作情報も取得する場合、秘匿動作検知部42は、動作情報取得部40が動作情報を取得した人物の表示部24に対する動作が秘匿動作であるか否かを検知する。秘匿動作検知部42は、発表者が組織に属している場合、発表者の上長にあたる人物の動作情報に基づいて、秘匿動作であるか否かを検知してもよい。秘匿動作検知部42は、端末装置10を使用するすべての人物に対して予め、秘匿動作を検知するべきか否かを設定しておいてもよい。
【0035】
具体的には、秘匿動作検知部42は、動作情報がユーザの手の動作を撮影した動画である場合、動画に基づいて発表者の動作が秘匿動作であるか否かを検知する。ここで、センサ部32がユーザの目の近傍に配置されたカメラである場合に秘匿動作検知部42は、動画を解析し表示部24の少なくとも一部がユーザの手で重畳され見ることができないか否かに基づき、発表者の動作が秘匿動作であると検知する。一方、センサ部32がユーザの目の近傍以外に配置されたカメラである場合に秘匿動作検知部42は、カメラの設置位置を考慮した画像補正をした上で画像認識をすることで秘匿動作を検知してもよい。秘匿動作検知部42は、動画に映るユーザの手の面積が予め設定された閾値よりも大きい場合は、表示面から所定距離以上であると判定し秘匿動作ではないとするなど、ユーザの手の大きさを考慮して秘匿動作を検知してもよい。
【0036】
秘匿動作検知部42は、動作情報がユーザの手と表示部24の表示面との1つ以上の距離の情報である場合、距離の情報に基づいて発表者の動作が秘匿動作であると検知する。例えば秘匿動作検知部42は、ユーザの手と表示部24の表示面との距離の情報が予め設定された閾値よりも小さいか否かに基づいて、発表者の動作が秘匿動作であると検知する。
【0037】
秘匿動作検知部42は、動作情報が表示部24の表示面においてユーザの手が触れた位置の情報である場合、位置の情報に基づいて発表者の動作が秘匿動作であると検知する。例えば秘匿動作検知部42は、表示部24の表示面においてユーザの手が触れた位置の情報が予め設定された閾値以上あるか否かに基づいて、発表者の動作が秘匿動作であると検知する。
【0038】
秘匿動作検知部42は、動作情報が3次元の位置情報である場合、3次元の位置情報に基づいて発表者の動作が秘匿動作であると検知する。例えば秘匿動作検知部42は、表示部24の3次元の位置情報とユーザの手の3次元の位置情報との距離が予め設定された閾値より小さいか否かに基づいて、発表者の動作が秘匿動作であると検知する。
【0039】
秘匿領域処理部44は、秘匿動作検知部42が秘匿動作を検知した場合に、動作情報取得部40が取得した動作情報に基づいて秘匿領域を決定する。秘匿領域処理部44は、秘匿領域に対して秘匿処理を実行し、秘匿映像を生成する。
【0040】
具体的には、秘匿領域処理部44は、動作情報がユーザの手の動作を撮影した動画である場合、動画に基づいて秘匿領域を決定する。ここで、センサ部32がユーザの目の近傍に配置されたカメラである場合に秘匿領域処理部44は、動画を解析し、表示部24の少なくとも一部がユーザの手で重畳されることにより見ることができない領域に基づき、秘匿領域を決定する。
【0041】
秘匿領域処理部44は、動作情報がユーザの手と表示部24の表示面との1つ以上の距離の情報である場合、距離の情報に基づいて秘匿領域を決定する。例えば秘匿領域処理部44は、ユーザの手と表示部24の表示面との距離の情報が予め設定された閾値よりも小さいとされた、表示部24が表示する画像の座標に基づいて、秘匿領域を決定する。
【0042】
秘匿領域処理部44は、動作情報が表示部24の表示面においてユーザの手が触れた位置の情報である場合、位置の情報に基づいて秘匿領域を決定する。例えば秘匿領域処理部44は、表示部24の表示面においてユーザの手が触れた位置の情報に対応する、表示部24が表示する画像の座標に基づいて、秘匿領域を決定する。
【0043】
秘匿領域処理部44は、動作情報が3次元の位置情報である場合、3次元の位置情報に基づいて秘匿領域を決定する。例えば秘匿領域処理部44は、ユーザの手の3次元の位置情報との距離が小さい表示部24の3次元の位置情報に対応する、表示部24が表示する画像の座標に基づいて、秘匿領域を決定する。
(秘匿動作および秘匿処理)
図3を用いて、実施形態に係る秘匿動作および秘匿処理について説明する。
図3は、実施形態に係る秘匿動作および秘匿処理を説明するための図である。
【0044】
実施形態においては、ユーザは、画面を共有して発表している際に、画面に他のユーザに秘密にする必要のある秘密情報が含まれていた場合に、咄嗟に行うことのできる秘匿動作により秘密情報を秘匿することができる。具体的には、ユーザが秘匿動作を行うことにより、端末装置10は秘密情報を秘匿にする秘匿処理を実行する。
図3に示すように、実施形態においては、秘匿動作および秘匿処理には3つのケースがあり得る。なお、本発明に係る秘匿動作および秘匿処理は以下の3つのケースに限定されない。
【0045】
1つ目のケースは、発表者が手で覆った部分のみを秘匿するケースである。このケースでは、秘匿動作検知部42は、例えば、表示部24の表示面に対して発表者が右手および左手のいずれか一方の手H1で所定の動作を行った場合に、発表者の動作が秘匿動作であると検知する。手H1は、例えば、発表者の手の平または手の甲である。秘匿動作検知部42は、例えば手H1が
図3に示すように、手指が開いている状態のときに、発表者の動作が秘匿動作であると検知する。ただし、秘匿動作を検知する場合の手H1の状態はこれに限らず、指を伸ばしているかつ揃えているような挙手をするときのような手の状態でもよいし、指差しをするときのように任意の指だけを伸ばしその他の指は握られている状態でもよい。具体的には、秘匿動作検知部42は、片手が表示部24の表示面から垂直方向の所定距離以内で表示部24の少なくとも一部を覆い、かつ表示部24内の同一位置で1秒以上停止した場合に、発表者の動作が秘匿動作であると検知する。表示部24を覆うとは、発表者の手が表示部24の表示面に触れていてもよいし、触れていなくてもよく、発表者の視線方向から見て表示部24が覆われていればよい。
【0046】
具体的には秘匿動作検知部42は、動画を解析し表示部24の少なくとも一部がユーザの手H1で重畳され見ることができないときに片手が表示面から垂直方向の所定距離以内で表示部24の少なくとも一部を覆っていると判断する。秘匿動作検知部42は、手H1と表示部24の表示面との距離の情報が予め設定された閾値よりも小さいときに片手が表示面から垂直方向の所定距離以内で表示部24の少なくとも一部を覆っていると判断してもよい。秘匿動作検知部42は、表示部24の表示面において手H1が触れた位置の情報があったときに片手が表示面から垂直方向の所定距離以内で表示部24の少なくとも一部を覆っていると判断してもよい。秘匿動作検知部42は、表示部24の3次元の位置情報と手H1の3次元の位置情報との距離が予め設定された閾値より小さいときに片手が表示面から垂直方向の所定距離以内で表示部24の少なくとも一部を覆っていると判断してもよい。
【0047】
また、秘匿動作検知部42が秘匿動作と検知する条件の一つである同一位置で停止する時間は1秒でなくてもよく、予め設定された所定時間であればよい。さらに、秘匿動作と検知するために同一位置で所定時間以上停止しているか否かという条件は、所定時間以上任意の動作を継続しているか否かという条件に置き換えられてもよい。例えば、秘匿動作検知部42が所定時間以上に渡って、手を振る動作、つまり一定の範囲内でいずれかの方向に手を振っていると判断した場合に、発表者の動作が秘匿動作であると検知してもよい。
【0048】
秘匿領域処理部44は、秘匿動作検知部42が手Hによる秘匿動作を検知した場合に、手Hの外周領域を秘匿領域51であると決定する。ここで手Hの外周領域とは、手Hが表示部24の表示面を覆っている領域よりも大きい領域であり、例えば、矩形の領域である。秘匿領域処理部44は、秘匿領域51に対して、マスキング処理などの秘匿処理を実行し、秘匿映像を生成する。この場合、秘匿領域処理部44は、秘匿領域51がマスキングされ、文字列「ABCDEFG」から成り秘密情報の一種であるパスワード241が秘匿された、秘匿映像を生成する。また秘匿領域処理部44は、秘匿動作検知部42が所定時間以上に渡って手を振る動作をしていると判断する場合、手が同一位置で停止しているか判断する場合と比較して、手を振る方向に広い範囲を秘匿領域51として設定可能であってもよい。
【0049】
具体的には秘匿領域処理部44は、動画を解析し、手Hで重畳されることにより見ることができない表示部24の領域の外周領域を、秘匿領域51であると決定する。秘匿領域処理部44は、手Hと表示部24の表示面との距離の情報が予め設定された閾値よりも小さいとされた、表示部24が表示する画像の座標の外周領域を、秘匿領域51であると決定してもよい。秘匿領域処理部44は、表示部24の表示面において手Hが触れた位置の情報に対応する、表示部24が表示する画像の座標の外周領域を、秘匿領域51であると決定してもよい。秘匿動作検知部42は、手Hの3次元の位置情報との距離が小さい表示部24の3次元の位置情報に対応する、表示部24が表示する画像の座標の外周領域を、秘匿領域51であると決定してもよい。
【0050】
2つ目のケースは、発表者が手で覆った部分のセグメントを秘匿するケースである。このケースでは、表示部24の表示画面は、予め上部領域の第1セグメント61と、下部領域の第2セグメント62とに区分けされている。2つ目のケースでは、1つ目のケースに加えて、秘匿領域処理部44は、秘匿領域51と第1セグメント61との重複部分の割合が例えば秘匿領域51の80%以上である場合に、第1セグメント61を秘匿領域であると決定する。秘匿領域処理部44は、第1セグメント61に対して、マスキング処理などの秘匿処理を実行し、秘匿映像を生成する。この場合、秘匿領域処理部44は、第1セグメント61がマスキングされ、秘密情報の一種であるパスワード241が秘匿された、秘匿映像を生成する。ただし、セグメント領域と秘匿領域51とを比較して、秘匿領域51の方が、面積が大きい場合には、秘匿領域51に対して秘匿処理を実行してもよい、つまり1つ目のケースでの秘匿処理を行ってもよい。
【0051】
3つ目のケースは、表示部24の表示画面の全体を秘匿するケースである。このケースでは、秘匿動作検知部42は、例えば、表示部24に対して発表者が手H1と手H2との両手で動作を行った場合に、発表者の動作が秘匿動作であると検知する。具体的には、秘匿動作検知部42は、両手が表示部24内の同一位置で1秒以上停止した場合に、発表者の動作が秘匿動作であると検知する。秘匿領域処理部44は、秘匿動作検知部42が両手による秘匿動作を検知した場合に、画面全体を秘匿領域であると決定する。秘匿領域処理部44は、画面全体に対して、マスキング処理などの秘匿処理を実行し、秘匿映像を生成する。この場合、共有されている資料の表示ページの全体がマスキングされる。すなわち、秘匿領域処理部44は、表示部24を覆う手の平または手の甲の数に基づいて、秘匿領域を決定する。
【0052】
図3に示す例では、秘匿動作は表示部24に対する手の動作であるものとして、説明したが本発明はこれに限定されない。秘匿動作は、例えば、ユーザの指で表示部24の一部部を覆う動作であってもよい。この場合、例えば、秘匿領域処理部44は、指の外周の領域を秘匿領域として決定し、マスキング処理を実行してよい。
【0053】
秘匿動作は、例えば、端末装置10のユーザの周りにあるノートなどのモノで表示部24を覆う動作であってもよい。なお、咄嗟の動作で秘密情報を秘匿にできるという観点や、誤動作の防止という観点からは手の平または手の甲の動作であることが好ましい。また、手の平の動作、手の甲の動作、指の動作、ノートなどのモノの動作のうち、いずれの動作を秘匿動作とするかは、ユーザが任意に設定可能であってよい。例えば、ユーザは、手の平の動作、手の甲の動作、指の動作、ノートなどのモノの動作のうち少なくとも1つを秘匿動作として設定可能であってよい。
【0054】
また、本開示では、秘匿領域は、矩形であるものして説明するが、本発明はこれに限定されない。秘匿領域は、例えば、円形、楕円形、矩形以外の多角形であってもよい。
(秘匿処理)
図4を用いて、実施形態に係る秘匿処理について説明する。
図4は、実施形態に係る秘匿処理の流れを示すフローチャートである。
【0055】
図4に示す処理は、オンライン会議において発表者が使用する端末装置10の処理の流れを示している。
【0056】
制御部34は、オンライン会議に参加しているユーザの端末装置10間で画面の共有を開始する(ステップS10)。制御部34が、複数の端末装置10間で画面の共有を開始することで、端末装置10間で同一の資料が共有される。そして、ステップS12に進む。
【0057】
動作情報取得部40は、センサ部32を制御して、端末装置10を使用しているユーザの動作を検出させる(ステップS12)。動作情報取得部40は、例えば、オンライン会議が開催されている間は、常時、ユーザの動作をセンサ部32に検出させてよい。以下では、センサ部32はユーザが装着しているスマートグラスに設けられたカメラであり、動作情報取得部40は、表示部24を撮影することで、表示部24に対するユーザの手の動作を撮影させるものとする。動作情報取得部40は、センサ部32に撮影させた映像を動作情報として取得する。そして、ステップS14に進む。
【0058】
秘匿動作検知部42は、動作情報取得部40が取得した動作情報に基づいて、秘匿動作が検知されたか否かを判定する(ステップS14)。秘匿動作が検知された場合(ステップS14;Yes)、ステップS16に進む。秘匿動作が検知されない場合(ステップS14;No)、ステップS24に進み、後述するステップS24の秘匿領域が更新されたか否かの処理を実行する。
【0059】
ステップS14でYesと判定された場合、秘匿領域処理部44は、動作情報取得部40が取得した動作情報に基づいて秘匿領域を決定する(ステップS16)。具体的には、秘匿領域処理部44は、動作情報取得部40が取得した映像に基づいて、端末装置10のユーザが手で表示部24を覆った領域を特定し、特定した領域を秘匿領域とする。そして、ステップS18に進む。
【0060】
秘匿領域処理部44は、特定した秘匿領域を示す秘匿領域情報を記憶部28に記憶させる(ステップS18)。
図5は、実施形態に係る秘匿領域情報の一例を示す図である。
図5に示すように、テーブルTB1は、秘匿領域情報を管理するテーブルである。テーブルTB1は、「ドキュメント種別」と、「ドキュメント名」と、「ページ」と、「位置」と、「状態」といった項目を含む。ここで前述した発表者が手で覆った部分のセグメントを秘匿するケースの場合、秘匿領域情報にどのセグメントかを示す「セグメント」の項目が含まれてもよい。
【0061】
「ドキュメント種別」は、共有する資料を作成したアプリケーションの名称を示す。「ドキュメント種別」は、例えば、「A01」と概念的に示しているが、実際には具体的にはアプリケーションの名称を示す。「ドキュメント種別」は、ウェブブラウザであってもよい。
【0062】
「ドキュメント名」は、共有する資料のファイル名を示す。「ドキュメント名」は、例えば、「AAA」と概念的に示しているが、実際には具体的なファイル名、拡張子、URL(Uniform Resource Locator)を示す。
【0063】
「ページ」は、供給している資料において、秘匿領域が含まれているページ数を含む。例えば、「ページ」は、「ページ1」、「スライド1」、および「シート1」などのように共有する資料を作成したアプリケーションに応じた名称を示す。また、共有する資料がウェブページである場合には、「ページ」には、例えば、URLのサブディレクトリが示されてよい。
【0064】
「位置」は、秘匿領域の位置を示す。例えば、「位置」は、共有する資料における秘匿領域の座標を示す。
図6は、実施形態に係る秘匿領域の座標を説明するための図である。
図6に示すように、矩形の秘匿領域51は、2つの点の位置座標により、位置が特定される、例えば、秘匿領域51は、左上の頂点P1と、右下の頂点P2との2つの頂点の座標により位置が特定される。例えば、
図5に示す、「ドキュメント名」が「AAA」の資料の秘匿領域の「位置」は、「(Xa1,Ya1;Xa2,Ya2)」と示されている。この場合、前の座標(Xa1,Ya1)が
図6に示す頂点P1の座標を示し、後ろの座標(Xa2,Ya2)が
図6に示す頂点P2の座標を示す。
【0065】
「状態」は、秘匿領域の現在の状態を示す。例えば、「UNVISIBLE」は秘匿領域が他の端末装置10では見えていない状態であることを示す。秘匿領域が他の端末装置10では見えている状態であれば「状態」には「VISIBLE」と記載されてもよい。
【0066】
再び
図4を参照する。秘匿領域処理部44は、特定した秘匿領域に対して秘匿処理を実行して秘匿映像を生成する(ステップS20)。そして、ステップS22に進む。
【0067】
秘匿領域処理部44は、通信部30を介して、他の端末装置10に秘匿映像を送信する(ステップS22)。
図7は、実施形態に係る他の端末装置10で表示される秘匿映像を説明するための図である。
図7に示すように、他の端末装置10では、秘匿情報が含まれている秘匿領域51にはマスキング処理が施されている。このため、他の端末装置10のユーザは、パスワードなどの秘匿情報を視認できなくなる。また、秘匿領域を示す秘匿領域情報は、記憶部28に記憶されている。そのため、秘匿領域51は、例えば、共有資料のページが切り替わり、再び、秘匿情報が含まれているページに戻った場合でも、秘匿領域51にはマスキング処理が施されたままである。そのため、実施形態は、より適切に秘密情報を秘匿にすることができる。そして、ステップS24に進む。
【0068】
秘匿領域処理部44は、秘匿領域が更新されたか否かを判定する(ステップS24)。
図8は、実施形態に係る秘匿領域を更新する方法を説明するための図である。
図8は、発表者の端末装置10の表示部24に表示される表示画面を示している。
図8に示すように、発表者の端末装置10では、秘匿領域51に含まれるパスワード241の文字列を視認できるよう、例えば透過度50%の画像レイヤを合成して表示されている。このため、ユーザは、表示画面のうち秘匿されている領域を容易に把握することができる。ユーザは、例えば、マウスなどを操作してポインタ71を秘匿領域51の端部に合わせてドラッグ操作することで、秘匿領域51を広くしたり狭くしたりすることができる。また、ユーザは、例えば、マウスなどを操作して秘匿領域51の所定領域にポインタ71を合わせてドラッグ操作することで、秘匿領域51の位置を変更することができる。秘匿領域処理部44は、秘匿領域51の大きさが変更されたり、位置が変更されたりした場合に秘匿領域が更新されたと判定する。また、マウスなどを操作して秘匿領域51の所定領域にポインタ71を合わせて長押しをしてからでないと秘匿領域51の更新ができないようにしてもよい、つまり、秘匿領域51を長押しすることでアクティブ状態にすることができてもよい。秘匿領域が更新されたと判定された場合(ステップS24;Yes)、ステップS26に進む。秘匿領域が更新されたと判定されない場合(ステップS24;No)、ステップS28に進む。
【0069】
ステップS24でYesと判定された場合、秘匿領域処理部44は、秘匿映像を更新する(ステップS26)。具体的には、秘匿領域処理部44は、ユーザの操作に応じて秘匿領域を変更することで、秘匿映像を更新する。そして、ステップS22に進む。すなわち、秘匿映像が更新されることで、他の端末装置10で表示される秘匿映像も更新される。
【0070】
ステップS24でNoと判定された場合、秘匿領域処理部44は、秘匿領域が解除されたか否かを判定する(ステップS28)。
図7に示すように、秘匿領域51の右上の端部には、ボタン72が設けられている。ユーザは、例えば、マウスなどを操作してポインタ71をボタン72に合わせてクリック操作することで秘匿領域51を解除することができる。秘匿領域処理部44は、ユーザにより秘匿領域51が解除された場合に、秘匿領域が解除されたと判定する。秘匿領域が解除されたと判定された場合(ステップS28;Yes)、ステップS30に進む。秘匿領域が解除されたと判定されない場合(ステップS28;No)、ステップS34に進む。
【0071】
ステップS28でYesと判定された場合、秘匿領域処理部44は、秘匿領域を解除する(ステップS30)。そして、ステップS32に進む。
【0072】
秘匿領域処理部44は、秘匿領域が解除された共有映像を他の端末装置10に送信する(ステップS32)。これにより、他の端末装置10は、秘匿領域が解除された共有映像を表示部24に表示する。そして、ステップS34に進む。
【0073】
制御部34は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS34)。例えば、制御部34は、オンライン会議が終了した場合に処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合(ステップS34;Yes)、
図4の処理を終了する。処理を終了すると判定されない場合(ステップS34;No)、ステップS12に戻り処理を繰り返す。
【0074】
上述のとおり、本実施形態は、オンライン会議で共有する資料に秘密情報が含まれていた場合に、発表者は、咄嗟にできる簡単の動作で、秘密情報を秘匿にすることができる。これにより、本実施形態は、簡単な動作で秘密情報が漏れてしまうことを防止することができる。
【0075】
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0076】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0077】
1 発表システム
10 端末装置
20 入力部
22 音声入力部
24 表示部
26 音声出力部
28 記憶部
30 通信部
32 センサ部
34 制御部
40 動作情報取得部
42 秘匿動作検知部
44 秘匿領域処理部