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特開2024-173683調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173683
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック
(51)【国際特許分類】
   A61C 15/04 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
A61C15/04 502
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024064339
(22)【出願日】2024-04-12
(31)【優先権主張番号】63/505,061
(32)【優先日】2023-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】524141197
【氏名又は名称】許書欽
(71)【出願人】
【識別番号】524141201
【氏名又は名称】盧孟函
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】許書欽
(57)【要約】      (修正有)
【課題】調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを提供する。
【解決手段】屈曲機能を伴う屈曲可能部分121が、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック100の保持押圧部分120の中央部に提供され、それによって調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを、中央部の屈曲可能部分を用いて左右に屈曲させることで、デンタルフロス113を湾曲させることができる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックであって、
2本のサイドアーム及び接続部分を有し、前記2本のサイドアームは、前記接続部分から離れた第1の端部、及び前記接続部分に接続された第2の端部をそれぞれ有し、デンタルフロスは前記第1の端部間に接続され、前記第2の端部は、それぞれ前記接続部分の前半部に接続された、デンタルフロスホルダと、
前記接続部分に接続された前端部、及び前記接続部分から離れた後端部を有する、保持押圧部分であって、前記前端部は、前記接続部分の後半部に接続され、屈曲可能部分は前記保持押圧部分の中央部に設けられ、前記屈曲可能部分は、前記保持押圧部分を左側及び右側に向けて屈曲させるために使用され、前記2本のサイドアームを駆動して前記デンタルフロスを湾曲させる、保持押圧部分と、
を備える、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック。
【請求項2】
前記保持押圧部分は中央の中空空間を有し、前記屈曲可能部分は、前記保持押圧部分の前端部及び後端部にそれぞれ設けられる、請求項1に記載の調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック。
【請求項3】
前記接続部分は円弧状の構造であり、それは前記保持押圧部分から前記2本のサイドアームの延長方向へ上方に曲げられ、それによって前記デンタルフロスホルダは、前記保持押圧部分よりも高くなる、請求項1に記載の調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック。
【請求項4】
前記保持押圧部分における前端部及び後端部の底面には、それぞれ突出部分が設けられ、それによって、前記調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックが平坦面上に置かれたときに、前記デンタルフロスホルダは、この平坦面に接触しない、請求項1に記載の調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック。
【請求項5】
前記保持押圧部分の各側における側面は、押圧するため、及び押圧力を適用するために楕円形状である、請求項1に記載の調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック。
【請求項6】
前記保持押圧部分は、前記保持押圧部分の上面、側面、または底面に配置された滑り止め部分をさらに備え、保持及び押圧を容易にする、請求項1に記載の調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック。
【請求項7】
前記保持押圧部分の左側及び右側は、押圧力を提供するための第1の押圧要素にそれぞれ接続される、請求項1に記載の調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック。
【請求項8】
前記2本のサイドアームの各々は、押圧力を提供するために、単一の外側における第2の押圧要素に接続される、請求項7に記載の調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック。
【請求項9】
前記2本のサイドアームにおける前記第1の端部の各々には貫通穴が設けられ、前記デンタルフロスの一方の端部は、前記サイドアームの前記第1の端部における前記貫通穴を通過して周りに巻かれ、前記デンタルフロスの他方の端部は、前記第1の押圧要素または前記第2の押圧要素の周りに巻かれて固定される、請求項8に記載の調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを提供する。それは屈曲機能を伴う屈曲可能部分が、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの保持押圧部分の中央部に設けられ、それによって調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを、中央部の屈曲可能部分を用いて左右に屈曲させることができることで、デンタルフロスが緊張状態または弛緩状態になるよう、デンタルフロスを湾曲させることを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
歯垢は、歯の表面に徐々に堆積されるバイオフィルムであり、歯肉炎または歯周炎など多くの歯周病を引き起こす場合がある。歯垢が形成する主な原因は、日々の不十分な口腔衛生状態、すなわち効果的な口腔洗浄法に従わないことであり、それは次に歯の表面及び歯肉にバクテリアを付着させる。
【0003】
したがって現在、人は、歯ブラシ、つまようじ、デンタルフロス、デンタルフロスピック、またはマウスウォッシュなどの口腔洗浄ツールを使用して、口腔洗浄行為を実施する。歯間の食物残渣を除去するために、特にデンタルフロスまたはデンタルフロスピックが、洗浄のために一般的に使用される。
【0004】
市場で入手可能なデンタルフロスピックは、大まかにFタイプのデンタルフロスピックと、Yタイプのデンタルフロスピックとに分類される。使用に関して、Fタイプのデンタルフロスピックは、前歯を磨くために、より好適であり、Yタイプのデンタルフロスピックは、奥歯を磨くために、より好適である。しかし、デンタルフロスピック上のデンタルフロスは直線設計であり、すなわちこのデンタルフロスは緊張状態にある。使用者による、不適切な使用または不正確な力の適用のため、デンタルフロスピックは壊れる傾向があり、歯を損傷させ、各歯間及び歯の表面は効果的に磨かれない。したがって、直線タイプのデンタルフロスピックにおける現在の設計は、歯を磨く点で欠点を有する。追加として、現在市場で入手可能な、緊張タイプのデンタルフロスピックは、使用したときに歯肉を刺激するか、さらには損傷させる場合がある。長期間の使用は歯肉の後退をもたらして、別の口腔疾患を生じさせる場合がある。デンタルフロスは、歯科医及び他の専門家から推奨された、口腔洗浄のための標準的なツールである。しかし、一般人は使用前に、教育及び練習を経なければならない。その使用は、特定のスキルを要求し、面倒であり、その促進及び適用を困難にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの不都合により、口腔の衛生状態及び健康管理のために、新しいタイプのデンタルフロスピックを開発して、デンタルフロスまたはデンタルフロスピックをうまく使用できない使用者、及び迅速、効果的、かつ正確に歯を磨く必要がある使用者が、歯間の空隙を容易に磨くのを助けることが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを提供する。それは、2本のサイドアーム及び1つの接続部分を有する、デンタルフロスホルダであって、これら2本のサイドアームは、それぞれが、接続部分から離れた第1の端部、及び接続部分に接続された第2の端部を有し、デンタルフロスは、第1の端部間で接続され、第2の端部はそれぞれ、接続部分の前半分に接続された、デンタルフロスホルダと;接続部分に接続された前端部及び接続部分から離れた後端部を有する、保持押圧部分であって、この前端部は接続部分の後半部に接続され、屈曲可能部分は保持押圧部分の中央部に設けられ、この屈曲可能部分は、保持押圧部分を左側及び右側に向けて屈曲させて、デンタルフロスを湾曲させるために2本のサイドアームを駆動する、保持押圧部分と、を備える。
【0007】
1つの実施形態において、2本のサイドアーム及び接続部分は、U形状構造またはV形状構造を形成する。
【0008】
1つの実施形態において、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの接続部分、2本のサイドアーム、及び保持押圧部分は、一体化で形成される。追加として、保持押圧部分及び2本のサイドアームは、接続部分に対して異なる方向で配置される。例えば2本のサイドアームは接続部分の前半部に配置され、保持押圧部分は接続部分の後半部に配置される。
【0009】
本発明において、デンタルフロスの材料は、当業者によく知られているデンタルフロス材料を、一般に使用することができる。デンタルフロスは、一般的に、ナイロンなどの軟質ポリマー材料、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン、テフロン(登録商標)、植物繊維材料、またはシルクで作られる。1つの実施形態において、デンタルフロスの材料は、ナイロン、テフロン(登録商標)、植物繊維材料、またはシルクで構成される。さらにデンタルフロスは、人工繊維もしくは織布のデンタルフロス、ワックスを含有するか、もしくはワックスを含有しないデンタルフロス、円形もしくは平坦なデンタルフロス、とすることができる。またはデンタルフロスには、ミント、キシリトール、及び他の香味もしくは虫歯予防物質を、追加で加えることができる。いくつかの態様において、デンタルフロスの2つの端部は、2本のサイドアームにおける第1の端部にそれぞれ接続される。
【0010】
本発明において、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの材料(例えば接続部分、2本のサイドアーム、及び保持押圧部分)は、弾性のある軟質材料である。したがって、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの全体に、力が調整可能部分の左側及び右側から左右に適用されたとき、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックは、通常の使用では壊れない。しかし、材料選択及び処理設計を通して、使用者は、二次的使用または他の感染及び汚染を避けるために、デンタルフロスピックを、使用後に屈曲可能部分を通して壊して破壊することができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、デンタルフロスピックの材料は、プラスチック材料で構成される。1つの実施形態において、プラスチック材料は、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂/アクリロニトリルブタジエンスチレンの共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリウレタン(PU)、ポリカーボネート(PC)、または高密度ポリエチレン(HDPE)、から構成される。デンタルフロスピックの材料は、ある程度の弾性を有し、かつ人の健康に害を及ぼす有害物を含まない。デンタルフロスピックの材料は弾性があるので、デンタルフロスピックは適切に屈曲させることができる。
【0012】
いくつかの態様において、保持押圧部分は使用者が保持する部分である。一般的に、保持押圧部分はロッド形状である。しかし本発明が、保持押圧部分の中央部に長い屈曲可能部分(例えば溝)を必要とすることを考慮すると、本発明の保持押圧部分は、屈曲可能部分(例えば溝)を収納するために特定の幅を伴う、長い構成要素である。
【0013】
本発明において、屈曲可能部分の機能は、デンタルフロスピックを屈曲させるために力を適用するための箇所を提供することである。したがって、屈曲可能部分は、屈曲機能を伴う構成要素である。屈曲可能部分のタイプの1つは、屈曲可能な溝であり、この溝は、保持押圧部分の中央部に設計され、それによって保持押圧部分の左側及び右側(すなわち保持押圧部分の溝における左側及び右側に隣接した部分)は、中央部として溝で屈曲される。1つの実施形態において、溝はV形状またはU形状で設計することができる。溝の屈曲を通して、デンタルフロスピックの2本のサイドアームが相対的に屈曲されると、デンタルフロスはC字またはU字に類似した形状になる。溝の底部分と、その左側及び右側との間の斜めの角度は、必要に応じて非対称に設計することもでき、すなわち溝の左側と右側との間の角度は、非対称角度または夾角である。溝及び溝の中における斜めの角度の設計は、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの最大屈曲角度に影響し、それによってデンタルフロスの緊張に影響し、すなわちデンタルフロスを様々な状態にすることができる。デンタルフロスの様々な状態は、様々な歯の条件に適用可能である。このように本発明は、デンタルフロスが、様々な溝及び屈曲角度を通して様々な緊張を有することを可能にして、様々な歯磨き要件を満たす。
【0014】
本発明において、溝は、保持押圧部分の上面または底面の中央部に設けるか、または両面の中央部に設けることができる。このように、屈曲部分は、保持押圧部分の片面または両面の中央部に配置することができる。1つの実施形態において、屈曲可能部分は、保持押圧部分の上面及び/または底面に設けられる。したがって、本発明の、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの保持押圧部分は、片面または両面に溝を有するように設計することができる。溝は屈曲可能であるので、両面の溝の設計は、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックが、異なる面または方向に向けて屈曲されることを可能にする。
【0015】
本発明において、保持押圧部分を、一方の半分を左、及び他方の半分を右、すなわち保持押圧部分の左半分、及び保持押圧部分の右半分である、2つの独立した構成要素として見做すことができる。保持押圧部分が、左半分及び右半分の独立した構成要素に分割されたとき、保持押圧部分の中央部に位置された屈曲可能部分は、保持押圧部分の左半分及び右半分の接続要素を形成する。このように、屈曲部分を接続要素として使用して、屈曲機能を有しながら、保持押圧部分の左半分と右半分とを接続することができる。1つの実施形態において、保持押圧部分は、左半分及び右半分に分割され、屈曲可能部分は、保持押圧部分の左半分と右半分とを接続するための接続要素を形成する。
【0016】
本発明の、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックにおける保持押圧部分は、様々な設計を有することができる。例えば、保持押圧部分が、中央の中空空間を有するよう設計することができ、屈曲可能部分は、この中央の中空空間の前端部及び後端部にそれぞれ配置される。このような設計により、使用者が調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを、より容易に屈曲させることを可能にする。1つの実施形態において、保持押圧部分は中央の中空空間を有し、屈曲可能部分は、それぞれ保持押圧部分の前端部及び後端部に設けられる。
【0017】
追加として、使用者が、時としてデンタルフロスピックをテーブルまたは他の平坦面上に置くことを考慮すると、そのデンタルフロスはテーブルと接触して、衛生上の問題を引き起こす危険が存在する。したがって本発明は、デンタルフロスホルダの水平高さが、保持押圧部分の水平高さよりも高くなる設計を提案する。この設計は、接続部分を円弧状の構造に変え、それは保持押圧部分から2本のサイドアームの延長方向に、上方に屈曲され、それによってデンタルフロスホルダは、保持押圧部分よりも高い高さとなる。1つの実施形態において、接続部分は円弧状の構造であり、それは保持押圧部分から2本のサイドアームの延長方向に向けて上方に屈曲され、それによってデンタルフロスホルダは、保持押圧部分よりも高くなる。このような設計を通して、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックがテーブル上に置かれたとき、保持押圧部分はテーブル上に接触するが、デンタルフロスホルダの水平高さは、保持押圧部分の水平高さよりも高くなる。その結果、デンタルフロスホルダにおけるデンタルフロスはテーブル上に接触せず、デンタルフロスの衛生状態を確保する。
【0018】
さらに本発明は、保持押圧部分の底面(テーブル上などの平坦面に接触する表面)に、突出部分を追加することができる。例えば突出部分は、保持押圧部分における前端部及び後端部の底面に、それぞれ設けられる。突出部分の機能は、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを持ち上げること、及び平坦面上に置かれたときに、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを安定した状態に維持すること、である。1つの実施形態において、保持押圧部分における前端部及び後端部の底面には、突出部分がそれぞれ設けられ、それによって、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックが平坦面上に置かれたときに、デンタルフロスホルダは、この平坦面に接触しない。したがって、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックが平坦面上に置かれたとき、突出部分のみが平坦面に接触し、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの全体は、この平坦面に接触しないので、デンタルフロスの衛生状態を維持する。
【0019】
いくつかの態様において、保持押圧部分の2つの側における2つの側面は、細長い形状として設計され、その厚さは同じ、または異なるものとすることができる。さらに、保持押圧部分の各側の側面を、増加した接触領域を有するよう設計することができ、例えば楕円形状で設計することができる。両側面における増加した接触領域の利点は、使用者の指が、より大きい、力を適用する領域を用いて、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを保持するのを可能にすることである。1つの実施形態において、保持押圧部分の各側における側面は、押圧力を提供するために楕円形状である。
【0020】
本発明において、滑り止め部分を保持押圧部分に設けることができ、それは保持押圧部分の上面、側面、または底面に設けることができる。滑り止め部分の機能は、使用者が安定して保持できる、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを提供することである。いくつかの態様において、滑り止め部分は、凹凸構造を伴う構成要素である。凹凸構造は、指が接触したときに摩擦を増加させるよう設計される。したがって、使用者の指が、保持押圧部分の滑り止め部分を押圧すると、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを、より便利に、かつより安定して保持することができる。1つの実施形態において、保持押圧部分は、保持を容易にするために、保持押圧部分の上面、側面、または底面に配置された滑り止め部分を、さらに備える。
【0021】
いくつかの態様において、保持押圧部分は、力の適用、ならびに/または形状及び構造の設計のための人間工学に基づくことができ、さらには追加の押圧要素を加えて、使用者が、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを屈曲させて使用するのを促す。本発明は、使用者が、屈曲させるために力を保持押圧部分の左側及び右側から適用したときに、より良好な力の適用をもたらすよう、保持押圧部分の左側及び右側に、それぞれ押圧要素を設計することができる。換言すると、保持押圧部分の左側及び右側における押圧要素を押圧することによって、使用者はデンタルフロスピックを左右に屈曲させる。したがって、使用者の指を用いて押圧要素を押圧させるために、より大きい領域を伴う構成要素として設計することができる。1つの実施形態において、保持押圧部分の左側及び右側は、押圧して押圧力を適用するために使用される、第1の押圧要素にそれぞれ接続される。押圧要素の形状は限定されず、半円形、半楕円形、正方形、または矩形とすることができる。追加として、押圧要素の形状に関わらず、本発明のデンタルフロスピックの屈曲機能には影響を及ぼさない。別の実施形態において、押圧要素及び保持押圧部分は、一体化で形成された構造である。
【0022】
本発明において、押圧要素は、2本のサイドアームの各々における外側の、任意の位置に設計することもできる。例えば、押圧要素は右のサイドアームの外側に接続でき、押圧要素は左のサイドアームの外側に接続できる。このように、2本のサイドアームの外側には、押圧要素をそれぞれ設けることができ、使用者は、これら2つの押圧要素を押圧することによって、デンタルフロスピックを左右に屈曲させることができる。1つの実施形態において、2本のサイドアームの各々は、一方の外側における第2の押圧要素に接続され、それは押圧して押圧力を適用するために使用される。
【0023】
追加として、デンタルフロスが、デンタルフロスピックの2本のサイドアームに、直接かつ固定して接続された場合、使用者は、デンタルフロスピックを使用した後に破棄する。したがって本発明は、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを繰り返し使用可能にする設計を、さらに提案する。この設計において、本発明は、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの2本のサイドアームにおける第1の端部に、貫通穴を設計することができる。この貫通穴の目的は、デンタルフロスが通過して、周りに巻かれて固定されるのを可能にすることである。このようにデンタルフロスの両端部は、2つの貫通穴の周りに巻かれて固定される。さらに、デンタルフロスがこれら2つの貫通穴を通過して巻かれた後、デンタルフロスの一方の端部は貫通穴の一方に固定され、他方の端部は、1つの押圧要素の周りに巻かれて固定される。デンタルフロスは、デンタルフロスピックの2本のサイドアームに直接かつ固定して接続される代わりに、貫通穴または押圧要素を通過して貫通穴の周りに巻くことによって固定されるので、デンタルフロスを調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックから取り外すことができ、新しいデンタルフロスを、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックに再び巻いて固定することができる。このように、デンタルフロスを使用した後、使用者はそのデンタルフロスを調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックから取り外し、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック自体を維持し、次に新しいデンタルフロスを調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックに配置する。この設計は、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック自体が、単にデンタルフロスを交換することによって繰り返し使用することを可能にする。1つの実施形態において、2本のサイドアームにおける第1の端部には、それぞれ貫通穴が設けられる。デンタルフロスの一方の端部は、2本のサイドアームにおける第1の端部における貫通穴を通過して周りに巻かれる。デンタルフロスの他方の端部は、第1の押圧要素または第2の押圧要素の周りに巻かれて固定される。
【0024】
追加として、本発明は、貫通穴を通過してデンタルフロスを固定するためにデンタルフロスを巻く、他の構成要素を提供することもできる。デンタルフロスを巻く構成要素は、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの任意の箇所に設計することができる。デンタルフロスを巻く構成要素の機能は、デンタルフロスを巻いて固定するための箇所を提供するためのみに使用され、押圧を提供するためには使用されない。例えば、保持押圧部分にパンチで穴を開けること、デンタルフロスを巻いて固定する。
【0025】
本発明において、屈曲可能部分は、保持押圧部分の中央部に配置される。その結果、使用者が力を保持押圧部分の左側及び右側に適用したとき、屈曲可能部分を中央部として左右に、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの全体を屈曲させることができる。すなわち、保持押圧部分を左側及び右側に屈曲させることに加えて、接続部分の2本のサイドアームも左右に屈曲される。2本のサイドアームが左右に屈曲されるため、2本のサイドアームの間に接続されたデンタルフロスは、それに伴って湾曲される。したがって、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックが屈曲されていない状態のとき、デンタルフロスは緊張状態にあり、例えばデンタルフロスは直線である。調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックが屈曲された後、デンタルフロスはC形状またはU形状になり、すなわちデンタルフロスの緊張/ストレスは低くなる。使用者が調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを屈曲させたとき、デンタルフロスはC形状、またはさらにはU形状になり、その時デンタルフロスのストレスは減少される。その結果、ストレスによって生じる、歯磨き中における歯または歯肉への損傷は軽減される。したがって、デンタルフロスがC形状またはU形状であるとき、歯間の空隙、及び歯と歯肉との間の空隙は、最も適切に網羅され、効果的な歯磨き目的を実現する。このように本発明は、デンタルフロスピックが左右に屈曲されるのを可能にする設計によって、デンタルフロスピックにおけるデンタルフロスが、C形状またはU形状に調整されることを可能にする。それは、デンタルフロスピックの使用及び動作を便利にして、安全かつ効果的に使用できることで、効果的に歯を磨く目的を実現する。
【0026】
したがって、本発明の中心的概念は、鏡像または非鏡像のように屈曲できるデンタルフロスピックにある。追加として、鏡像/非鏡像の屈曲方向、及びデンタルフロス方向の様々な角度を、使用者の要望を満たすため設計することができ、特に平行な角度は、最良の結果を提供する。このように、鏡像/非鏡像の屈曲は、デンタルフロスピックにおけるデンタルフロスを、緊張状態から弛緩状態にする。
【0027】
一般的に、デンタルフロスが緊張状態にあるとき、デンタルフロスを歯間の空隙を通過させて使用することができる。デンタルフロスが弛緩状態にあるとき、デンタルフロスは、デンタルフロスピックの屈曲角度の設計に従ってC形状を、さらにはU形状を自然に形成して、歯及び歯肉を損傷することなく、安全かつ効果的に歯を磨く目的を実現する。したがって、デンタルフロスがC形状、さらにはU形状であるとき、歯間の空隙、及び歯と歯肉との間の空隙は、最も適切に網羅される。現在のデンタルフロスの使用は、いかにして使用者が、デンタルフロスがC形状またはU形状になって歯及び口腔を洗浄するよう、指の周りにデンタルフロスを巻くかを学習し得る前に、多くの練習、及びさらには訓練が必要である。本発明は、使用者がデンタルフロスピックを、ほとんど訓練を必要とせずに、その本質的な設計を通して、デンタルフロスピックを屈曲させることでデンタルフロスのC形状またはU形状を実現するのを可能にする。このデンタルフロスは、C形状またはU形状に調整できるので、現在の一般的なデンタルフロスピックのように、緊張状態のストレスによって、歯または歯肉を傷つけることはない。
【0028】
屈曲可能部分は、デンタルフロスピックの中央部に設計される。それは一般的な金型設計またはプラスチック射出処理を使用して生成することができる。デンタルフロスピックの主本体には、人間工学的ハンドル、または指によって力を適用するために好適な固定点、を装着することができ、関連の屈曲または伸張を容易にする。しかし本発明は、他の人間工学的ハンドルまたは固定点をさらに装着するかどうかについて、には影響されず、または限定されない。本発明の概念及び実施は、デンタルフロスピック本来の本体を屈曲させ、それによってデンタルフロスが緊張するよう、及びC形状またはU形状の形態に調整されることで、デンタルフロス/デンタルフロスピックの、正確な使用及び便利な動作、ならびに安全かつ効果的な使用などの目的を、自然に実現することである。この設計は、歯科医が治療する患者の口腔及び歯構造に従ってカスタマイズされた角度を伴う、デンタルフロスピック及びデンタルフロスのための要件も満たす。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1A】屈曲されていない状態の、V形状の溝を伴う調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを示す図である。
図1B】屈曲された状態の、V形状の溝を伴う調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを示す図である。
図2A】屈曲されていない状態の、U形状の溝を伴う調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを示す図である。
図2B】屈曲された状態の、U形状の溝を伴う調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを示す図である。
図3】フロスを交換する機能を伴う、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを示す図である。
図4】両側に溝を伴う、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを示す図である。
図5】第1のタイプの保持押圧部分の設計を伴う、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを示す図である。
図6】第2のタイプの保持押圧部分の設計を伴う、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを示す図である。
図7】第3のタイプの保持押圧部分の設計を伴う、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の例は非限定であり、単に本発明の態様及び特徴を表わすものである。
【0031】
本発明の設計は、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックであり、この調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックは、左右に屈曲される。この方法でデンタルフロスピックを屈曲させることによって、デンタルフロスピックにおけるデンタルフロスは変形され得る。すなわちデンタルフロスは緊張状態及び弛緩状態となる。デンタルフロスの変形は、様々な歯磨き条件に適用することができる。
【0032】
図1Aに示されるように、本発明はV形状の屈曲可能部分を伴う調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック100を提供する。それは、2本のサイドアーム111及び1つの接続部分112を伴う、デンタルフロスホルダ110であって、2本のサイドアーム111は、それぞれが、接続部分112から離れた第1の端部、及び接続部分112に接続された第2の端部を有し、デンタルフロス113は、第1の端部間に接続され、第2の端部は、それぞれ接続部分112の前半部に接続された、デンタルフロスホルダ110と;接続部分112に接続された前端部、及び接続部分112から離れた後端部を有する、保持押圧部分120であって、この前端部は接続部分112の後半部に接続され、屈曲可能部分121は保持押圧部分120の中央部に設けられ、屈曲可能部分121はV形状の溝であり、屈曲可能部分121は、保持押圧部分120を左側及び右側に屈曲させて、デンタルフロス113を湾曲させるために2本のサイドアーム111を駆動するために使用される、保持押圧部分120と、を有する。
【0033】
追加として、第1の押圧要素122は、使用者が力を適用して押圧要素122から押圧するために、保持押圧部分120の左側及び右側に設計され、それによって、第1の押圧要素122に接続された保持押圧部分120の左側及び右側は左右に屈曲され、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック100の全体を屈曲させる。このように、第1の押圧要素122の設計目的は、向上した、力を適用する部分を使用者に提供して、デンタルフロスピックを屈曲させることによって、デンタルフロスを湾曲させることである。
【0034】
追加として、第1の押圧要素122は、保持押圧部分120の左側及び右側における任意の箇所に設計することができ、2本のサイドアーム111の外側にも設計することができる。したがって、第2の押圧要素は、2本のサイドアーム111の各々における単一の外側に接続し、力を適用して押圧する部分を提供する。押圧要素は、使用者が便利に力を適用できるよう設計されるので、押圧要素は、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック自体の左側及び右側における任意の箇所に配置することができる。
【0035】
図1Bは、図1Aにおける調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック100の屈曲状態を示す。使用者が第1の押圧要素122を押圧して、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック100を屈曲させたとき、保持押圧部分120の左側及び右側は、屈曲可能部分121に向けて屈曲されて、2本のサイドアーム111が屈曲されるよう駆動する。このように、2本のサイドアーム111に接続されたデンタルフロス113は、湾曲させることで緊張状態から弛緩状態に変化する。湾曲角度によって、デンタルフロス113はC形状またはU形状になる。
【0036】
追加として、本発明は、U形状の屈曲可能部分を有する、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック200の設計をさらに提供する。U形状の屈曲可能部分はU形状の溝であり、斜めの角度が、溝の底部分、ならびにその左側及び右側に、それぞれ設けられる。図2Aに示されるように、U形状の溝を伴う調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック200は、2本のサイドアーム211及び1つの接続部分212を伴う、デンタルフロスホルダ210であって、2本のサイドアーム211は、それぞれが、接続部分212から離れた第1の端部、及び接続部分212に接続された第2の端部を有し、デンタルフロス213は、第1の端部間に接続され、第2の端部は、それぞれ接続部分212の前半部に接続された、デンタルフロスホルダ210と;接続部分212に接続された前端部、及び接続部分212から離れた後端部を有する、保持押圧部分220であって、この前端部は接続部分212の後半部に接続され、屈曲可能部分221は、保持押圧部分220の中央部に設けられ、屈曲可能部分221はU形状の溝であり、屈曲可能部分221は、保持押圧部分220を左側及び右側に向けて屈曲させて、デンタルフロス213を湾曲させるよう2本のサイドアーム211を駆動するために使用される、保持押圧部分220と、を有する。追加として、第1の押圧要素222は、使用者が力を適用して第1の押圧要素222から押圧するために、保持押圧部分220の左側及び右側に設計される。
【0037】
図2Aに示されるように、斜めの角度が、U形状の溝の底部分、ならびにその左側及び右側に、それぞれ設けられる。U形状の溝の底部分、ならびにその左側及び右側における斜めの角度は、10°で設計することができ、それによって、左側と右側との間の角度は20°とすることができる。この屈曲状態において、デンタルフロスは、U形状と同様の最大曲線を有し得る。それは、より小さいサイズ、かつより大きい曲率を伴う歯に好適である。さらに、U形状の溝の底部分、ならびにその左側及び右側における斜めの角度は、80°で設計することができ、それによって、左側と右側との間の角度は160°に達し得る。この状態において、デンタルフロスは僅かに湾曲し、それは、より大きいサイズ、かつより小さい曲率を伴う歯に好適である。
【0038】
図3及び図4は、本発明における調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの、改善された設計である。図3は、フロス交換機能を伴う、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック300を示す。フロス交換機能を伴う、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックのU形状のデンタルフロスホルダにおける、2本のサイドアーム310は、貫通穴311を有する。貫通穴311の機能は、デンタルフロス320が通過して、貫通穴311の周りに巻かれるのを可能にすることである。デンタルフロス320が、それら2つの貫通穴311を通過した後、デンタルフロス320の一方の端部は、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの保持押圧部分330における第1の押圧要素331の周りに、固定のために巻かれる。屈曲可能なデンタルフロスピックの貫通穴、及び押圧要素の設計を通して、デンタルフロスは、これらの要素の周りに固定されるよう巻かれる。同時に、デンタルフロスは、デンタルフロスピックから取り外して、新しいデンタルフロスに交換することもできる。このように、デンタルフロスは取り外し可能な設計となり、デンタルフロスピック自体との一体化設計ではない。この設計の利点は、デンタルフロスをデンタルフロスピックから取り外して新しいものに交換できることであり、その結果、デンタルフロスピック自体を繰り返し使用し、デンタルフロスのみを交換することができる。
【0039】
図4は、両側に溝を伴う、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックである。図2Aに示された調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの設計と比較すると、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック400の、保持押圧部分410における2つの表面には、U形状の溝である屈曲可能部分411がそれぞれ設けられる。U形状の溝は屈曲可能要素であるので、保持押圧部分410の両面におけるU形状の溝の設計は、使用者がU形状の溝を使用して、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック400を、2つのそれぞれの面から屈曲させることを可能にする。これによって、両面から屈曲可能な、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの設計は、使用者にとって、より便利である。
【0040】
さらに、本発明は図5図7に示されるように、デンタルフロスピックの保持押圧部分における、様々な改善された設計も有する。図5は第1のタイプの保持押圧部分の設計を伴う、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックである。図5に示されるように、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック500は、2本のサイドアーム511、接続部分512、及びデンタルフロス513、を有するデンタルフロスホルダ510と、保持押圧部分520と、を有する。接続部分512は円弧状の構造であり、それは保持押圧部分520から2本のサイドアーム511の延長方向に向けて上方に曲げられ、それによってデンタルフロスホルダ510は、保持押圧部分520よりも高くなる。この設計は、デンタルフロスホルダ510の水平高を、保持押圧部分520の水平高よりも高くして、それによって調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック500が平坦面に置かれたとき、保持押圧部分520は平坦面に近付くか、または隣接するがデンタルフロスホルダ510は、この平坦面に接触しない。このように、デンタルフロスホルダ510のデンタルフロス513は、清潔及び衛生状態を保つよう、この平坦面には接触しない。
【0041】
追加として、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック500の保持押圧部分520は、中央の中空空間を有し、屈曲可能部分521は、保持押圧部分520の前端部及び後端部に設けられる。屈曲可能部分521は、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック500を屈曲させる機能を提供するために使用される。同時に、突出部分522は、保持押圧部分520の前端部及び後端部における底面に設けられ、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック500の全体を持ち上げる。その目的も、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック500が平坦面に置かれたとき、突出部分522がこの平坦面に接触するのを可能にすることである。突出部分522の上方に位置されたデンタルフロスホルダ510は、平坦面に接触せず、その結果デンタルフロス513はこの平坦面に接触しない。
【0042】
図6は、第2のタイプの保持押圧部分の設計を伴う、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを示す。図6に示されるように、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック600は、2本のサイドアーム611、接続部分612、及びデンタルフロス613、を有するデンタルフロスホルダ610と、保持押圧部分620と、を有する。接続部分612は円弧状の構造であり、それは保持押圧部分620から2本のサイドアーム611の延長方向に向けて上方に曲げられ、それによってデンタルフロスホルダ610の水平高は、保持部分620の水平高よりも高くなる。調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック600の全体的な設計は、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック600が平坦面に置かれたとき、デンタルフロス613がその平坦面に接触するのを防止するためのものである。さらに、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック600の保持押圧部分620は、中央の中空空間を有し、屈曲可能部分621は、保持押圧部分620の前端部及び後端部に設けられる。
【0043】
追加として、保持押圧部分620には滑り止め部分622が設けられる。滑り止め部分622の機能は、指との摩擦領域を増加させて、使用者が、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック600を容易に保持して力を適用するのを可能にすることである。このように、滑り止め部分622の設計は、凹凸構造を伴う構成要素であり、それによって、使用者が調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック600を使用するときに、デンタルフロスピックは、簡単には滑って離れない。
【0044】
図7は、第3のタイプの保持押圧部分の設計を伴う、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックを示す。図7に示されるように、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック700の保持押圧部分710は、中央の中空空間を有し、この中央の中空空間における2つの外側は楕円形状であり、使用者の指の接触領域を増加させる。さらに、滑り止め部分711が外側にさらに設計され、使用者が、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピック700を容易に保持して力を適用するのを可能にする。さらに、屈曲可能部分712は、保持押圧部分710の前端部及び後端部に設けられる。
【0045】
追加として、本発明の保持押圧部分の設計は、左の半分及び右の半分を独立した構成要素として見做し得る。したがって、屈曲部分を、保持押圧部分の左の半分と右の半分との間の接続要素として使用して、屈曲機能を提供し得る。このように、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの様々な設計において、屈曲可能部分は屈曲可能要素として設計され、その形態は、保持押圧部分の左の半分及び右の半分を接続するための溝、または接続要素とし得る。
【0046】
本発明の調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックは、歯の表面及び歯間の空隙を磨く有効性と、歯肉を防護する安全性と、人間工学的に便利な使用と、を実証するための3つの試験を受けた。
【0047】
第1の試験は、デンタルフロスピックのデンタルフロスにおける張力の、最新の国際規格である、ISO28158:2018に基づいている。この国際規格によると、デンタルフロスは、10N(概ね1kgf)の張力に耐えて、いずれの端部も壊れないことが想定される。本発明は、緊張状態にあるデンタルフロスを伴う、15個の調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックのサンプルと、試験のために湾曲状態にあるデンタルフロスを伴う、別の15個の調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックのサンプルと、を使用した。較正された張力測定機械を用いて試験した後、結果は、継続した10Nの力を10秒間要求する国際規格を満たした。別の10個の、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックのサンプルは、破壊試験を受け、その結果は、国際規格の要求の3倍である、張力30N(概ね3.0kgf)以上で、デンタルフロスがデンタルフロスピックから離れたことを示した。
【0048】
第2の試験は歯磨き試験であり、そこで歯磨き剤が、汚れとして歯のモデルに適用された。シミュレートされた歯磨き試験は、緊張状態のデンタルフロスを有する調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックと、湾曲状態のデンタルフロスを有する調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックと、を歯のモデルにおける歯間の空隙に挿入し、コーティングされた歯磨き剤を擦り取ることで行われた。各試験は、15人の参加者によって実施された。市販のOral-B及び3Mのデンタルフロスピックが、対照群として選択された。結果は、湾曲状態にあるデンタルフロスを有する、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの歯磨き効果は、46.47%、緊張状態にあるデンタルフロスを有する、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの歯磨き効果は、31.27%であり、Oral-Bのデンタルフロスピックで27.53%、及び3Mのデンタルフロスピックで21.13%である対照群よりも、大幅に高かった。結果は、湾曲状態にあるデンタルフロスを有する、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの歯磨き効果が、緊張状態にあるデンタルフロスを有する、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの歯磨き効果よりも、高いことを示した。それは、より良好な歯磨き効果を実現するために、デンタルフロスピックを、デンタルフロスが湾曲可能に設計することが必要であることを証明した。
【0049】
第3の試験は、医療デバイスの国際規格であるIEC62366-1:2015を採用して、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの、使用者の人間工学的試験を行った。この試験において、調査アンケートが、この国際規格の方法に基づいて設計され、使用者自身が、彼ら/彼女らの実際の感覚に基づいて点数を提供し、製品のフィードバックとして実環境データを獲得した。検査は、3つの側面:使用の利便性、歯磨き効果、及び歯肉の防護、に焦点を当てた。結果は、それら3つの側面における使用者のフィードバックに基づいて、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックは、使用者に受け入れ可能であること、及び得られた平均点数は、参照群のものよりも高いこと、が示された。これらの臨床的な人間工学的試験を通して、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックは、従来のデンタルフロスピック製品と比較したとき、使用の利便性、歯磨き効果、及び歯肉の安全防護について利点を有することが証明された。
【0050】
このように、本発明の調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックの主な特徴は、保持押圧部分の中央部における屈曲可能部分の設計である。屈曲可能部分の機能は、調整可能かつ屈曲可能なデンタルフロスピックが左右に屈曲されるのを可能にし、それによって、使用者が歯磨きをするために便利なように、デンタルフロスが様々な緊張状態を有するように湾曲できることである。
【0051】
適切に説明した本発明は、本明細書で具体的に開示されない条件または制限を伴って、実施され得る。本明細書で使用される用語は例示のみであり、限定することを意図しない。これらの用語と、それらに対する任意の同等物との間には区別はないが、本発明の権利が変更され得ることを理解するべきである。したがって、本発明を実施形態及び他の態様に関して説明してきたが、本明細書で開示した内容は、当業者によって変更及び変化させられ得る。このような変更及び変化は、本発明の権利の範囲内にあるものとする。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】