(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017369
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】印税配分管理装置、印税配分管理方法、および、印税配分管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20240201BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119954
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 裕太
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】報告を配分する際に契約が未確定のコンテンツの配分をプール管理し、契約確定によりプールしている報告のコンテンツを抽出して配分を行うことができる印税配分管理装置、印税配分管理方法および印税配分管理プログラムを提供する。
【解決手段】印税配分管理装置100は、売上に対する入金があった場合、売上データに基づいて、入金金額を設定した入金消込データを取得し、分配設定データ、および、入金消込データに基づいて、契約未確定のプール対象の印税を設定したプール対象データを取得するプール対象取得部102cと、プール対象の印税の契約が確定した場合、プール対象データ、および、分配設定データに基づいて、印税の権利者、および、配分金額を紐付けて設定した配分報告データを取得する配分報告取得部102dと、を有する制御部を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた印税配分管理装置であって、
前記記憶部は、
原契約、印税の権利者、分配率、および、契約確定有無を紐付けて設定した分配設定データを記憶する分配設定記憶手段と、
前記原契約、および、印税収入の売上金額を紐付けて設定した売上データを記憶する売上記憶手段と、
を備え、
前記制御部は、
売上に対する入金があった場合、前記売上データに基づいて、入金金額を設定した入金消込データを取得する入金取得手段と、
前記分配設定データ、および、前記入金消込データに基づいて、契約未確定のプール対象の前記印税を設定したプール対象データを取得するプール対象取得手段と、
前記プール対象の印税の契約が確定した場合、前記プール対象データ、および、前記分配設定データに基づいて、前記印税の権利者、および、配分金額を紐付けて設定した配分報告データを取得する配分報告取得手段と、
を備えたことを特徴とする印税配分管理装置。
【請求項2】
前記配分報告取得手段は、
前記プール対象の印税の前記契約が確定した場合、前記プール対象データ、および、前記分配設定データに基づいて、前記入金金額と前記分配率とを乗算した値を前記配分金額として計算し、前記印税の権利者、および、当該配分金額を紐付けて設定した前記配分報告データを取得することを特徴とする請求項1に記載の印税配分管理装置。
【請求項3】
前記配分報告取得手段は、
前記プール対象の印税の前記契約が確定した場合、前記プール対象データ、および、前記分配設定データに基づいて、未配分の前記売上を選択可能に設定した配分計算画面を表示させ、選択された前記売上に対応する前記入金金額と前記分配率とを乗算した値を前記配分金額として計算し、前記印税の権利者、および、当該配分金額を紐付けて設定した前記配分報告データを取得することを特徴とする請求項2に記載の印税配分管理装置。
【請求項4】
前記配分報告取得手段は、
更に、前記分配設定データ、前記売上データ、および、前記配分報告データに基づいて、分配済の前記印税を特定する配分結果データを取得することを特徴とする請求項1に記載の印税配分管理装置。
【請求項5】
前記配分報告取得手段は、
更に、前記分配設定データ、および、前記入金消込データに基づいて、前記契約が確定している前記印税の権利者、および、前記配分金額を紐付けて設定した前記配分報告データを取得することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の印税配分管理装置。
【請求項6】
記憶部と制御部とを備えた印税配分管理装置に実行させるための印税配分管理方法であって、
前記記憶部は、
原契約、印税の権利者、分配率、および、契約確定有無を紐付けて設定した分配設定データを記憶する分配設定記憶手段と、
前記原契約、および、印税収入の売上金額を紐付けて設定した売上データを記憶する売上記憶手段と、
を備え、
前記制御部で実行させる、
売上に対する入金があった場合、前記売上データに基づいて、入金金額を設定した入金消込データを取得する入金取得ステップと、
前記分配設定データ、および、前記入金消込データに基づいて、契約未確定のプール対象の前記印税を設定したプール対象データを取得するプール対象取得ステップと、
前記プール対象の印税の契約が確定した場合、前記プール対象データ、および、前記分配設定データに基づいて、前記印税の権利者、および、配分金額を紐付けて設定した配分報告データを取得する配分報告取得ステップと、
を含むことを特徴とする印税配分管理方法。
【請求項7】
記憶部と制御部とを備えた印税配分管理装置に実行させるための印税配分管理プログラムであって、
前記記憶部は、
原契約、印税の権利者、分配率、および、契約確定有無を紐付けて設定した分配設定データを記憶する分配設定記憶手段と、
前記原契約、および、印税収入の売上金額を紐付けて設定した売上データを記憶する売上記憶手段と、
を備え、
前記制御部において、
売上に対する入金があった場合、前記売上データに基づいて、入金金額を設定した入金消込データを取得する入金取得ステップと、
前記分配設定データ、および、前記入金消込データに基づいて、契約未確定のプール対象の前記印税を設定したプール対象データを取得するプール対象取得ステップと、
前記プール対象の印税の契約が確定した場合、前記プール対象データ、および、前記分配設定データに基づいて、前記印税の権利者、および、配分金額を紐付けて設定した配分報告データを取得する配分報告取得ステップと、
を実行させるための印税配分管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印税配分管理装置、印税配分管理方法、および、印税配分管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンテンツの利用者からの入金額に対して、予め各権利者に設定された分配率を掛け合わせた配分金額を算出することで、原作者、制作会社、出資者等の権利者への印税の配分処理を実行する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、コンテンツ利用に伴う印税の配分を行う権利処理業務において、報告を配分する際に契約が未確定のコンテンツの配分をプール管理することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、報告を配分する際に契約が未確定のコンテンツの配分をプール管理し、契約確定によりプールしている報告のコンテンツを抽出して配分を行うことができる印税配分管理装置、印税配分管理方法、および、印税配分管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る印税配分管理装置は、記憶部と制御部とを備えた印税配分管理装置であって、前記記憶部は、原契約、印税の権利者、分配率、および、契約確定有無を紐付けて設定した分配設定データを記憶する分配設定記憶手段と、前記原契約、および、印税収入の売上金額を紐付けて設定した売上データを記憶する売上記憶手段と、を備え、前記制御部は、売上に対する入金があった場合、前記売上データに基づいて、入金金額を設定した入金消込データを取得する入金取得手段と、前記分配設定データ、および、前記入金消込データに基づいて、契約未確定のプール対象の前記印税を設定したプール対象データを取得するプール対象取得手段と、前記プール対象の印税の契約が確定した場合、前記プール対象データ、および、前記分配設定データに基づいて、前記印税の権利者、および、配分金額を紐付けて設定した配分報告データを取得する配分報告取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る印税配分管理装置において、前記配分報告取得手段は、前記プール対象の印税の前記契約が確定した場合、前記プール対象データ、および、前記分配設定データに基づいて、前記入金金額と前記分配率とを乗算した値を前記配分金額として計算し、前記印税の権利者、および、当該配分金額を紐付けて設定した前記配分報告データを取得することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る印税配分管理装置において、前記配分報告取得手段は、前記プール対象の印税の前記契約が確定した場合、前記プール対象データ、および、前記分配設定データに基づいて、未配分の前記売上を選択可能に設定した配分計算画面を表示させ、選択された前記売上に対応する前記入金金額と前記分配率とを乗算した値を前記配分金額として計算し、前記印税の権利者、および、当該配分金額を紐付けて設定した前記配分報告データを取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る印税配分管理装置において、前記配分報告取得手段は、更に、前記分配設定データ、前記売上データ、および、前記配分報告データに基づいて、分配済の前記印税を特定する配分結果データを取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る印税配分管理装置において、前記配分報告取得手段は、更に、前記分配設定データ、および、前記入金消込データに基づいて、前記契約が確定している前記印税の権利者、および、前記配分金額を紐付けて設定した前記配分報告データを取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る印税配分管理方法は、記憶部と制御部とを備えた印税配分管理装置に実行させるための印税配分管理方法であって、前記記憶部は、原契約、印税の権利者、分配率、および、契約確定有無を紐付けて設定した分配設定データを記憶する分配設定記憶手段と、前記原契約、および、印税収入の売上金額を紐付けて設定した売上データを記憶する売上記憶手段と、を備え、前記制御部で実行させる、売上に対する入金があった場合、前記売上データに基づいて、入金金額を設定した入金消込データを取得する入金取得ステップと、前記分配設定データ、および、前記入金消込データに基づいて、契約未確定のプール対象の前記印税を設定したプール対象データを取得するプール対象取得ステップと、前記プール対象の印税の契約が確定した場合、前記プール対象データ、および、前記分配設定データに基づいて、前記印税の権利者、および、配分金額を紐付けて設定した配分報告データを取得する配分報告取得ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る印税配分管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた印税配分管理装置に実行させるための印税配分管理プログラムであって、前記記憶部は、原契約、印税の権利者、分配率、および、契約確定有無を紐付けて設定した分配設定データを記憶する分配設定記憶手段と、前記原契約、および、印税収入の売上金額を紐付けて設定した売上データを記憶する売上記憶手段と、を備え、前記制御部において、売上に対する入金があった場合、前記売上データに基づいて、入金金額を設定した入金消込データを取得する入金取得ステップと、前記分配設定データ、および、前記入金消込データに基づいて、契約未確定のプール対象の前記印税を設定したプール対象データを取得するプール対象取得ステップと、前記プール対象の印税の契約が確定した場合、前記プール対象データ、および、前記分配設定データに基づいて、前記印税の権利者、および、配分金額を紐付けて設定した配分報告データを取得する配分報告取得ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、配分漏れの削減ができるようになることで、Excel(登録商標)での手作業の管理がなくなり、配分業務の効率化を図ることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、未確定を除き確定済みの契約に対しては先に配分計算を行い、その上で未確定から確定済みに振り替わったものに対して、配分計算を行うことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、コンテンツの中の一部の権利者のみプール管理することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施形態における印税配分管理処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における印税配分管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における印税配分管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本実施形態における印税配分管理処理の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における印税配分管理処理の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における印税配分管理処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における印税配分管理処理の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態における印税配分管理処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
まず、
図1を参照して、本発明の概要を説明する。
図1は、本実施形態における印税配分管理処理の一例を示す図である。
【0017】
コンテンツ制作業界では、コンテンツ利用に伴う印税の配分を行う権利処理業務がある。従来の権利処理業務においては、各コンテンツの権利利用者から毎月報告があり、その結果を権利者・印税者に配分していたが、各権利者(印税者・出資会社)への契約内容(配分率)が確定する前にコンテンツの利用報告があるケースがあったため、報告の中で未確定の契約の一部のコンテンツの権利者のみ配分をせずに、契約が確定するまでプール管理が必要であった。ここで、従来の権利処理業務においては、プールする配分をExcel(登録商標)で管理していたが、管理が煩雑になり、配分漏れが発生するという問題があった。
【0018】
そこで、
図1に示すように、本実施形態における権利処理業務においては、報告を配分する際に、契約が未確定のコンテンツの配分をプール管理し、プールしている報告のコンテンツを抽出して、配分を行う仕組みを提供している。
【0019】
[2.構成]
本実施形態に係る印税配分管理装置100の構成の一例について、
図2を参照して説明する。
図2は、本実施形態における印税配分管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、印税配分管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、印税配分管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0021】
印税配分管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。印税配分管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、印税配分管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、印税配分管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0023】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0024】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、印税配分管理データベース106aを備えている。
【0025】
印税配分管理データベース106aは、印税配分管理データを記憶する。ここで、印税配分管理データベース106aは、原契約権利テーブル、分配設定テーブル、売上テーブル、配分報告テーブル、および、配分結果テーブル等を記憶していてもよい。また、分配設定テーブルは、原契約、印税の権利者、分配率、および、契約確定有無を紐付けて設定した分配設定データが含まれていてもよい。また、売上テーブルは、原契約、および、印税収入の売上金額を紐付けて設定した売上データが含まれていてもよい。また、印税配分管理データベース106aは、未配分の売上を選択可能に設定した配分計算画面を記憶していてもよい。
【0026】
制御部102は、印税配分管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、売上取得部102aと入金取得部102bとプール対象取得部102cと配分報告取得部102dとを備えている。
【0027】
売上取得部102aは、印税収入の売上金額を設定した売上データを取得する。ここで、売上取得部102aは、売上データを売上テーブルに登録してもよい。
【0028】
入金取得部102bは、印税収入の入金金額を設定した入金データを取得する。ここで、入金取得部102bは、印税収入の入金金額を設定した入金消込データを取得してもよい。また、入金取得部102bは、売上に対する入金があった場合、売上データに基づいて、入金金額を設定した入金消込データを取得してもよい。
【0029】
プール対象取得部102cは、契約未確定のプール対象の印税を設定したプール対象データを取得する。ここで、プール対象取得部102cは、分配設定データ、および、入金消込データに基づいて、契約未確定のプール対象の印税を設定したプール対象データを取得してもよい。
【0030】
配分報告取得部102dは、印税の権利者、および、配分金額を紐付けて設定した配分報告データを取得する。ここで、配分報告取得部102dは、プール対象の印税の契約が確定した場合、プール対象データ、および、分配設定データに基づいて、印税の権利者、および、配分金額を紐付けて設定した配分報告データを取得してもよい。また、配分報告取得部102dは、プール対象の印税の契約が確定した場合、プール対象データ、および、分配設定データに基づいて、入金金額と分配率とを乗算した値を配分金額として計算し、印税の権利者、および、当該配分金額を紐付けて設定した配分報告データを取得してもよい。また、配分報告取得部102dは、プール対象の印税の契約が確定した場合、プール対象データ、および、分配設定データに基づいて、未配分の売上を選択可能に設定した配分計算画面を表示させ、選択された売上に対応する入金金額と分配率とを乗算した値を配分金額として計算し、印税の権利者、および、当該配分金額を紐付けて設定した配分報告データを取得してもよい。また、配分報告取得部102dは、分配設定データ、売上データ、および、配分報告データに基づいて、分配済の印税を特定する配分結果データを取得してもよい。また、配分報告取得部102dは、分配設定データ、および、入金消込データに基づいて、契約が確定している印税の権利者、および、配分金額を紐付けて設定した配分報告データを取得してもよい。
【0031】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図3から
図8を参照して説明する。
【0032】
[印税配分管理処理]
ここで、
図3を参照して、本実施形態における印税配分管理処理の一例について説明する。
図3は、本実施形態における印税配分管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0033】
図3に示すように、入金取得部102bは、売上に対する入金があった場合、印税収入の入金金額を設定した入金データを取得し、売上テーブルに基づいて、印税収入の入金金額を設定した入金消込データを取得する(ステップSA-1)。
【0034】
そして、プール対象取得部102cは、分配設定テーブル、および、入金消込データに基づいて、契約未確定のプール対象の印税があるか否かを判定する(ステップSA-2)。
【0035】
そして、プール対象取得部102cは、契約未確定のプール対象の印税がないと判定した場合(ステップSA-2:No)、処理をステップSA-3に移行させる。
【0036】
そして、配分報告取得部102dは、分配設定テーブル、および、入金消込データに基づいて、契約が確定している印税の権利者、および、配分金額を紐付けて設定した配分報告データを取得し(ステップSA-3)、処理を終了する。
【0037】
一方、プール対象取得部102cは、契約未確定のプール対象の印税があると判定した場合(ステップSA-2:Yes)、処理をステップSA-4に移行させる。
【0038】
そして、配分報告取得部102dは、分配設定テーブル、および、入金消込データに基づいて、契約が確定している印税の権利者、および、配分金額を紐付けて設定した配分報告データを取得する(ステップSA-4)。
【0039】
そして、プール対象取得部102cは、分配設定テーブル、および、入金消込データに基づいて、契約未確定のプール対象の印税を設定したプール対象データを取得する(ステップSA-5)。
【0040】
そして、配分報告取得部102dは、プール対象データ、および、分配設定テーブルに基づいて、プール対象の印税の契約が確定したか否かを判定する(ステップSA-6)。
【0041】
そして、配分報告取得部102dは、プール対象の印税の契約が確定していないと判定した場合(ステップSA-6:No)、所定時間経過後、処理を再度ステップSA-6に移行させる。
【0042】
一方、配分報告取得部102dは、プール対象の印税の契約が確定したと判定した場合(ステップSA-6:Yes)、処理をステップSA-7に移行させる。
【0043】
そして、配分報告取得部102dは、プール対象データ、および、分配設定テーブルに基づいて、未配分の売上を選択可能に設定した配分計算画面を出力装置114に表示させ、ユーザにより入力装置112を介して選択された売上に対応する入金金額と分配率とを乗算した値を配分金額として計算し、印税の権利者、および、当該配分金額を紐付けて設定した配分報告データを取得し、分配設定データ、売上データ、および、配分報告データに基づいて、分配済の印税を特定する配分結果データを取得し(ステップSA-7)、処理を終了する。
【0044】
ここで、
図4から
図8を参照して、本実施形態における印税配分管理処理の一例について説明する。
図4から
図8は、本実施形態における印税配分管理処理の一例を示す図である。
【0045】
図4に示すように、本実施形態においては、原契約登録処理として、原契約、作品、および、許諾権利を紐付けて設定した原契約権利データが原契約権利テーブルに登録され、原契約、印税の権利者、分配率、および、契約確定有無を紐付けて設定した分配設定データが分配設定テーブルに登録される。
【0046】
そして、
図5に示すように、本実施形態においては、商品化権の2次利用収入の売上データが売上テーブルに登録され、入金後に入金登録処理として、印税収入の入金金額を設定した入金消込データが登録される。
【0047】
そして、
図6に示すように、本実施形態においては、入金金額に基づいて、各権利者の売上伝票単位の配分が計算され、印税の権利者、および、配分金額を紐付けて設定した配分報告データが取得され、分配済の印税を特定する配分結果データが取得され、プール対象のアウトプットとして、プールされている対象の作品、許諾権利、および、配分先を抽出可能でプールとなっているデータをチェック可能なプール対象データが取得される。
【0048】
そして、
図7から
図8に示すように、本実施形態においては、未確定の原契約確定後の配分処理として、未配分がある売上伝票が抽出され、売上伝票が設定された配分計算画面が表示され、ユーザにより選択された場合、再度配分計算がされる。すなわち、本実施形態においては、
図7に示すように、プール対象のアウトプットと同様の抽出ロジックでプール対象の売上番号および行番号が特定され、その原契約番号>許諾権利>行NOが抽出され、計算が必要な行(計算対象)が特定され、
図8に示すように、配分計算が実施される。
【0049】
このように、本実施形態においては、プールしていた報告を再度配分することが可能であり、配分対象の検索条件で未配分の報告が抽出できる。また、本実施形態においては、配分結果テーブルに存在しない売上が抽出され、未配分の原契約>許諾権利CD>行NOの順で特定されて配分計算が行われてもよい。
【0050】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0052】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0053】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0054】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0055】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0056】
また、印税配分管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0057】
例えば、印税配分管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて印税配分管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0058】
また、このコンピュータプログラムは、印税配分管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0059】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0060】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0061】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0062】
また、印税配分管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、印税配分管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0063】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、出版業界、メディア業界、ゲーム業界、アニメ業界、音楽業界、または、映画業界等のコンテンツ制作・版権業務を行う業界において有用である。
【符号の説明】
【0065】
100 印税配分管理装置
102 制御部
102a 売上取得部
102b 入金取得部
102c プール対象取得部
102d 配分報告取得部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 印税配分管理データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク