(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173698
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】蓋用積層材
(51)【国際特許分類】
B32B 27/06 20060101AFI20241205BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20241205BHJP
B32B 7/022 20190101ALI20241205BHJP
【FI】
B32B27/06
B65D65/40 D
B32B7/022
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024072126
(22)【出願日】2024-04-26
(31)【優先権主張番号】P 2023090054
(32)【優先日】2023-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501428187
【氏名又は名称】株式会社レゾナック・パッケージング
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100199369
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100228175
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 充紀
(72)【発明者】
【氏名】羽野 隆之
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E086AD24
3E086BA04
3E086BA13
3E086BA15
3E086BB01
3E086BB85
3E086CA01
3E086CA05
4F100AB10B
4F100AJ11C
4F100AK04C
4F100AK06D
4F100AK42A
4F100AK69C
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
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4F100EH23
4F100EJ38A
4F100GB18
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4F100JK02A
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4F100JL12C
4F100YY00A
4F100YY00D
(57)【要約】
【課題】封緘強度が優れているとともに、蓋を用いた包装体に異常な外力が作用したり、異常な内圧変化が生じたとしても、蓋としての必要な耐久性の低下を抑制しうる蓋用積層材を提供する。
【解決手段】蓋用積層材1は、保護樹脂層11、基材層12、アンカーコート層13、応力緩和層14およびヒートシール層15が、蓋用積層材1の片面側から順に積層された複合材からなる。基材層12が、基材樹脂層12Aと基材樹脂層12Aの片面に設けられた金属または金属酸化物からなるバリア層12Bとによって形成されている。バリア層12Bの肉厚が0.02~2μmとなっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層と、基材層の片面側に設けられたヒートシール層とを備えており、内容物が入れられた容器の開口を覆うように、前記ヒートシール層を利用して容器の開口周縁部にヒートシールされる蓋を作製する蓋用積層材であって、
前記基材層が、基材樹脂層と、前記基材樹脂層における前記蓋が容器の開口周縁部にヒートシールされた際に外側となる面に設けられた金属または金属酸化物からなるバリア層とによって形成されており、前記バリア層の肉厚が0.02~2μmであり、前記ヒートシール層が前記基材樹脂層における前記バリア層が設けられた面とは反対側の面に設けられている、蓋用積層材。
【請求項2】
前記基材樹脂層の流れ方向(MD)の引張破断強度および幅方向(TD)の引張破断強度がいずれも200MPa以上であり、前記基材樹脂層の流れ方向(MD)の引張破断伸びおよび幅方向(TD)の引張破断伸びがいずれも100%以上である、請求項1記載の蓋用積層材。
【請求項3】
前記基材層の前記基材樹脂層と前記ヒートシール層との間に応力緩和層が介在させられている、請求項1記載の蓋用積層材。
【請求項4】
前記応力緩和層のガラス転移温度が-10℃以下である、請求項3記載の蓋用積層材。
【請求項5】
前記ヒートシール層がホットメルト接着剤からなる、請求項1記載の蓋用積層材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は蓋用積層材に関し、さらに詳しくいえば、牛乳やヨーグルトのような乳および乳製品や、これらを主要原料とする製品(非加工品と加工品)などを密封収納する容器、および氷菓、冷凍食品などの低温輸送を必須とする内容物を密封収納する容器の開口を封止する蓋を作製する蓋用積層材に関する。
【0002】
この明細書において、「アルミニウム」という用語には純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【背景技術】
【0003】
冷蔵、冷凍技術の発達により、低温輸送を必要とする内容物を収納した包装体の長距離輸送が増えている。上述した内容物を密封包装する包装体としては、上方に開口した容器と、容器の開口を覆うように外周縁部が容器の開口周縁部にヒートシールされた蓋とよりなるものが広く用いられている。
【0004】
たとえば、発酵乳などの酸素、水蒸気、光等から保護する必要がある内容物が収納された包装体の蓋としては、従来アルミニウム箔からなるバリア層を有する基材層と、基材層の片面側に設けられたヒートシール層とを備えた蓋用積層材から形成されたものが用いられていた。しかしながら、長距離輸送中に、外力や内圧変化によって、蓋にピンホールが発生して耐久性が低下し、内容物が漏れたり、内容物が急激に劣化するという問題があった。
【0005】
ところで、ヨーグルトや乳酸菌飲料を収納する包装体に用いられる蓋として、特許文献1記載の蓋や、特許文献2記載の蓋が知られている。
【0006】
特許文献1記載の蓋は、高周波誘導発熱層、応力緩和層、アンカーコート層および熱接着剤層がこの順で積層されてなり、高周波誘導加熱によりポリスチレンに対し当該熱接着剤層が融着可能な蓋であって、 高周波誘導発熱層は、20~40μmの厚みを有するアルミニウム箔であり、応力緩和層は、6~60μmの厚みを有するポリオレフィン系またはポリエステル系熱可塑性樹脂層であり、アンカーコート層は、0.1~5μmの厚みを有する変性ポリオレフィン系アンカーコート剤層、ポリエステル系アンカーコート剤層、またはポリウレタン系アンカーコート剤層であり、熱接着剤層は、0.5~7μmの厚みを有するアクリル系熱接着剤層であり、JIS Z1707による高周波誘導発熱層側からの突き刺し強度が3~10Nとなっている。
【0007】
特許文献2記載の蓋は、表面保護層、印刷層、基材層、アンカーコート層、応力緩和層およびヒートシール層がこの順に積層されている。なお、特許文献2の蓋においては、基材層が蓋に初期の機械的強度を付与する主たる層であって、厚みは5~200μmの範囲が好ましく、5~50μmの範囲がより好ましいことが記載されている。また、基材層の材質は特に限定されず、樹脂製フィルム、銅、ステンレス、アルミニウムなどの金属類またはそれらの合金からなる金属薄膜、紙、合成紙、アルミニウムを蒸着させた紙や樹脂フィルムを用いることができるが、アルミニウム箔を使用することが好ましいことが記載されている(段落[0021]~[0022]参照)。また、基材層がアルミニウム箔のみからなる場合、当該アルミニウム箔の厚みを25.0μmとすることが記載されている(段落[0092][実施例1]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第6318926号公報
【特許文献2】特開2022-56285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1記載の蓋においては、20~40μmの厚みを有するアルミニウム箔からなる高周波誘導発熱層が用いられており、このアルミニウム箔がバリア層を兼ねることになるが、この場合、バリア層のフレキシブル性が低下し、外力や内圧変化による蓋の変化に追従しきれず、バリア層が破れて蓋が破れるおそれがある。
【0010】
特許文献2記載の蓋においては、基材層がアルミニウム箔のみからなる場合、このアルミニウム箔がバリア層を兼ねることになる。アルミニウム箔の厚みが5~200μm、好ましくは5~50μm、たとえば25μmの場合、バリア層のフレキシブル性が低下し、外力や内圧変化による蓋の変化に追従しきれず、バリア層が破れて蓋が破れるおそれがある。
【0011】
この発明は、封緘強度が優れているとともに、蓋を用いた包装体に異常な外力が作用したり、異常な内圧変化が生じたとしても、蓋としての必要な耐久性の低下を抑制しうる蓋用積層材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は、上記の目的を達成するために、以下の態様からなる。
【0013】
1)基材層と、基材層の片面側に設けられたヒートシール層とを備えており、内容物が入れられた容器の開口を覆うように、前記ヒートシール層を利用して容器の開口周縁部にヒートシールされる蓋を作製する蓋用積層材であって、
前記基材層が、基材樹脂層と、前記基材樹脂層における前記蓋が容器の開口周縁部にヒートシールされた際に外側となる面に設けられた金属または金属酸化物からなるバリア層とによって形成されており、前記バリア層の肉厚が0.02~2μmであり、前記ヒートシール層が前記基材樹脂層における前記バリア層が設けられた面とは反対側の面に設けられている、蓋用積層材。
【0014】
2)前記基材樹脂層の流れ方向(MD)の引張破断強度および幅方向(TD)の引張破断強度がいずれも200MPa以上であり、前記基材樹脂層の流れ方向(MD)の引張破断伸びおよび幅方向(TD)の引張破断伸びがいずれも100%以上である、上記1)記載の蓋用積層材。
【0015】
3)前記基材層の前記基材樹脂層と前記ヒートシール層との間に応力緩和層が介在させられている、上記1)記載の蓋用積層材。
【0016】
4)前記応力緩和層のガラス転移温度が-10℃以下である、上記3)記載の蓋用積層材。
【0017】
5)前記ヒートシール層がホットメルト接着剤からなる、上記1)記載の蓋用積層材。
【発明の効果】
【0018】
上記1)~5)の蓋用積層材は、基材層のバリア層が金属または金属酸化物からなり、バリア層の厚みが0.02μm以上であるから、蓋用積層材からなる蓋によれば、光、酸素ガス、水蒸気等の透過を効果的に抑制することができる。たとえば、酸素透過度が20℃、0%RH環境下で100.0ml/m2・day・MPa以下となり、水蒸気透過度が40℃、90%RH環境下で10.0g/m2・day以下となる。
【0019】
また、バリア層の厚みが2μm以下であるから、蓋用積層材からなる蓋によれば、バリア層が十分に薄くなって曲げ剛性が下がる。したがって、当該蓋を用いた包装体に異常な外力が作用したり、異常な内圧変化が生じたりすることによりバリア層に割れが発生したとしても、基材樹脂層およびバリア層によって形成された基材層には割れが発生しにくくなって、蓋の耐久性の低下が抑制され、内容物の漏れの発生を防止することができる。
【0020】
さらに、バリア層が、基材樹脂層における蓋が容器の開口周縁部にヒートシールされた際に外側となる面に設けられているので、たとえば上記3)のように、基材層の基材樹脂層とヒートシール層との間に応力緩和層が介在させられる場合であっても、応力緩和層を形成する際にバリア層がダメージを受けることが抑制される。すなわち、基材層の基材樹脂層とヒートシール層との間に、ポリオレフィン系樹脂、エチレン- 酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などからなる応力緩和層を設ける場合、基材層の表面に前記樹脂を溶融押出し、その後に冷却ロールで冷却する方法により行われることがある。したがって、バリア層が、基材層の基材樹脂層における蓋が容器の開口周縁部にヒートシールされた際に内側となる面に設けられていると、応力緩和層を設ける際に、溶融樹脂による加熱や、冷却ロールによる冷却によってバリア層がダメージを受けるおそれがある。しかしながら、バリア層が、基材樹脂層における蓋が容器の開口周縁部にヒートシールされた際に外側となる面に設けられていると、応力緩和層を基材樹脂層におけるバリア層が設けられている面とは反対側の面に形成する際の加熱や冷却によっても、バリア層が大きな影響を受けることはなく、その結果バリア層がダメージを受けることが抑制される。
【0021】
上記2)の蓋用積層材によれば、基材層の基材樹脂層の流れ方向(MD)の引張破断強度および幅方向(TD)の引張破断強度いずれも200MPa以上であり、前記基材樹脂層の流れ方向(MD)の引張破断伸びおよび幅方向(TD)の引張破断伸びがいずれも100%以上であるから、破断しにくい蓋を得ることができる。
【0022】
上記3)の蓋用積層材によれば、基材層とヒートシール層との間に応力緩和層が介在させられているので、蓋用積層材からなりかつ容器の開口周縁部にヒートシールされる蓋が外力を受けた際にも破断しにくくなる。
【0023】
さらに、基材層とヒートシール層との間に応力緩和層が介在させられているので、応力緩和層を形成する際にバリア層がダメージを受けることが抑制される。すなわち、基材層の基材樹脂層とヒートシール層との間に、ポリオレフィン系樹脂、エチレン- 酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などからなる応力緩和層を設ける場合、基材層の表面に前記樹脂を溶融押出し、その後に冷却ロールで冷却する方法により行われることがある。したがって、バリア層が、基材層の基材樹脂層における蓋が容器の開口周縁部にヒートシールされた際に内側となる面に設けられていると、応力緩和層を設ける際に、溶融樹脂による加熱や、冷却ロールによる冷却によってバリア層がダメージを受けるおそれがある。しかしながら、バリア層が、基材樹脂層における蓋が容器の開口周縁部にヒートシールされた際に外側となる面に設けられていると、応力緩和層を基材樹脂層におけるバリア層が設けられている面とは反対側の面に形成する際の加熱や冷却によっても、バリア層が大きな影響を受けることはなく、その結果バリア層がダメージを受けることが抑制される。
【0024】
上記4)の蓋用積層材によれば、応力緩和層のガラス転移温度が-10℃以下であるから、この蓋用積層材からなる蓋を用いた包装体を低温輸送する場合であっても、応力緩和層が固くなりにくくなって蓋の破断を抑制することができる。
【0025】
上記5)の蓋用積層材からなる蓋を容器にヒートシールする際に、比較的低温で行うことが可能になり、基材樹脂層およびバリア層に対する熱履歴を小さくすることができ、蓋の変質による破れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】この発明による蓋用積層材を拡大して示す垂直断面図である。
【
図2】この発明による蓋用積層材から形成された蓋を用いた包装体の一具体例を示す垂直断面図である。
【
図3】
図2の包装体の耐内圧性の評価装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。ただし、図面に示す実施形態により本発明の技術範囲が限定されることはない。
【0028】
図1はこの発明による蓋用積層材を示し、
図2は
図1の蓋用積層材から形成された蓋を用いた包装体の一具体例を示す。
【0029】
図1において、蓋用積層材(1)は、保護樹脂層(11)と、基材樹脂層(12A)およびバリア層(12B)からなる基材層(12)と、アンカーコート層(13)と、応力緩和層(14)と、ヒートシール層(15)が、蓋用積層材(1)の片面側から順に積層された複合材からなる。
【0030】
図2は蓋用積層材(1)からなる蓋(2)を用いた包装体の一具体例を示す。
【0031】
図2において、包装体(4)は、上方に開口するとともに内容物(C)が入れられたボトル状の容器(3)と蓋(2)とよりなる。蓋用積層材(1)から作製される蓋(2)は平坦なシート状であり、保護樹脂層(11)が外面に位置するとともに、ヒートシール層(15)が内面に位置している。蓋(2)は、容器(3)の上端部に開口を塞ぐように載せられ、ヒートシール層(15)を利用して容器(3)の開口周縁部(31)にヒートシールされている。
【0032】
図2に示す包装体(4)の封緘強度は、輸送中のヒートシール部の剥離を防止するために15kPa以上であることが好ましい。
【0033】
以下、蓋用積層材(1)の各層(11)~(15)について詳細に説明する。
[保護樹脂層(11)]
保護樹脂層(11)は、蓋用積層材(1)からなる蓋(2)の最外面を構成して蓋(2)の破断を防止するとともに、擦れによるバリア層(12B)への傷付きや結露によるバリア層(12B)の腐食を防止する層であり、その厚みは1~20μmであることが好ましい。
【0034】
保護樹脂層(11)は、各種公知のオーバーコート剤および/または合成樹脂フィルムで構成される。
【0035】
オーバーコート剤としては、たとえば、ポリウレタン樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、アクリルポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などが用いられる。オーバーコート剤は、基材層(12)にアンカーコート層が形成された後に塗工されることが好ましい。
【0036】
合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、フッ素樹脂などからなる無延伸フィルムや2軸延伸フィルムが用いられる。ポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ホモポリプロピレン(hPP)、ポロピレン-エチレンランダムコポリマー(rPP)、プロピレン-エチレンブロックコポリマー(bPP)などが例示される。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)が例示される。合成樹脂フィルムからなる保護樹脂層(11)は、同種または異種の2以上の合成樹脂フィルムが組み合わせて用いられる場合もある。合成樹脂フィルムからなる保護樹脂層(11)は、例えば(共)押出成形法(インフレーション、Tダイ等)や延伸法、ラミネート法等により形成される。
【0037】
また、保護樹脂層(11)は、オーバーコート剤および合成樹脂フィルムが組み合わされて形成されたものであってもよい。その場合には、合成樹脂フィルムの外側にオーバーコート剤を適用し、保護樹脂層(11)の最外表面をオーバーコート層で構成するのが好ましい。
【0038】
保護樹脂層(11)と基材層(12)との間に印刷インキ層が形成されていてもよい。印刷インキ層は、文字、図形、記号および模様のうちの少なくともいずれか1つからなり、蓋用積層材(1)からなる蓋(2)が用いられた包装体(4)の内容物の情報を表示したり、意匠性を向上させたりする。バリア層(12)と保護樹脂層(11)との間に印刷インキ層が形成される場合には、外部から視認しうるように、透明な保護樹脂層(11)が用いられる。
【0039】
[基材層(12)]
基材層(12)の基材樹脂層(12A)は、蓋用積層材(1)からなる蓋(2)を用いた包装体(4)を輸送する場合に、破断しにくい蓋(2)を得るために、流れ方向(MD)の引張破断強度および幅方向(TD)の引張破断強度がいずれも200MPa以上であり、流れ方向(MD)の引張破断伸びおよび幅方向(TD)の引張破断伸びがいずれも100%以上であることが好ましい。基材樹脂層(12A)としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などからなるポリエステルフィルムや、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系フィルムや、フッ素樹脂フィルムなどからなる厚みが8~30μのものが用いられることが好ましい。特に、強度やシール時にかかる温度を考慮すると結晶性の高い2軸延伸フィルムを用いることが好ましい。
【0040】
基材層(12)のバリア層(12B)は、蓋用積層材(1)から作製された蓋(2)を用いた包装体(4)の内容物をガス、水蒸気、光等から保護する層であり、厚みは0.02~2μm、好ましくは0.03~0.3μmである。バリア層(12B)は、アルミニウム、金、銀、銅、チタンなどの金属や、半金属であるケイ素や、前記金属や半金属の酸化物が用いられる。バリア層は、基剤樹脂層(12A)における蓋(2)が容器(3)の開口周縁部にヒートシールされた際に外側となる面に、PVD法やCVD法により蒸着膜を形成すること、または基剤樹脂層(12A)の片面に、上述した材料のペーストを塗工することにより作製される。
【0041】
なお、基材層(12)において、基材樹脂層(12A)が保護樹脂層(11)側に配置され、バリア層(12B)が応力緩和層(14)側に配置されることがある。しかしながら、基材樹脂層(12A)が応力緩和層(14)側に配置され、バリア層(12B)が保護樹脂層(11)側に配置されることが好ましい。
【0042】
[アンカーコート層(13)]
アンカーコート層(13)は、基材層(12)と応力緩和層(14)との間に介在させられて両層(12)(14)間の密着性を高め、デラミネーションを防ぐものである。アンカーコート層(13)は、ニトロセルロース、エチルセルロースなどのセルロース樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂により形成される。ポリウレタン樹脂としては、各種公知のポリウレタン樹脂系接着剤が使用でき、特に、2液硬化型ポリエーテルポリウレタン樹脂系接着剤、2液硬化型ポリエステルポリウレタン樹脂系接着剤を使用することが好ましい。アンカーコート層(13)の厚みは特に限定されないが、0.1~5μmであることが好ましい。
【0043】
[応力緩和層(14)]
応力緩和層(14)はバリア層(12)に作用する応力を緩和するものであり、厚みは10μm~50μmであることが好ましく、15~40μmであることがより好ましい。また、応力緩和層(14)は、蓋用積層材(1)からなる蓋(2)を用いた包装体(4)を低温輸送する場合に、応力緩和層(14)の固化を防止して蓋(2)の破断を抑制するために、ガラス転移温度が-10℃以下であることが好ましい。応力緩和層(14)としては、ポリエチレン、エチレン-αオレフィン共重合体、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、エチレン- 酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などからなることが好ましい。特に、LDPEや、LLDPEや、LDPEとLLDPE2つの混合樹脂を用いることが好ましい。応力緩和層(14)は、たとえばアンカーコート層(13)の表面に上述した樹脂を溶融押出し、その後に冷却ロールで冷却する方法により形成される。
【0044】
[ヒートシール層(15)]
ヒートシール層(15)は、蓋用積層材(1)からなる蓋(2)を、容器(3)の開口周縁部(31)にヒートシールするための層であり、エチレン- 酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、オレフィン系ポリマー、ワックス、粘着付与材、その他添加剤を成分とするホットメルト接着剤によって形成されることが好ましい。使用するホットメルト接着剤の量は10~25g/m2であることが好ましい。ホットメルト接着剤の組成の1つの具体例を挙げると、
エチレン酢酸ビニル共重合体:2~25質量%
オレフィン系ポリマー :10~40質量%
ワックス :35~65質量%
粘着付与剤 :3~25質量%
である。
【0045】
次に、本発明の実施例および比較例ついて説明する。
[実施例1]
基材樹脂層(12A)として、流れ方向(MD)の引張破断強度230MPa、幅方向(TD)の引張破断強度220MPa、流れ方向(MD)の引張破断伸び110%、幅方向(TD)の引張破断伸び120%である厚みが12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用し、基材樹脂層(12A)の片面に、プラズマ処理電極を用いた真空蒸着法により、処理時間、電圧、圧力等を調整することによって、厚みが0.05μmのアルミニウム蒸着膜からなるバリア層(12B)を形成し、基材層(12)を得た。
【0046】
ついで、基材層(12)のバリア層(12B)の表面に、エステル系の2液硬化型接着剤を介して厚みが12μmの2軸延伸PETを重ね合せ、ゴムニップロールとラミネートロールとの間に挟み込んで圧着することによりドライラミネートした後、40℃で3日間エージング処理を行って保護層(11)を形成した。
【0047】
ついで、基材層(12)の基材樹脂層(12A)の表面にウレタン系のアンカーコート剤を塗布量が0.1g/m2となるように塗布してアンカーコート層(13)を形成した後、低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂を厚みが20μmになるようにTダイにより押出ラミネートすることによって、ガラス転移温度が-120℃である応力緩衝層(14)を形成した。
【0048】
その後、応力緩衝層(14)の表面に、EVA45wt% ポリエチレンワックス45wt% タッキファイヤー(テルペンモノマーとフェノールを共重合した樹脂)10wt%の塑性を有するホットメルト接着剤を、厚みが20μmとなるようにグラビコートすることによりヒートシール層(15)を形成した。こうして、蓋用積層材(1)を作成した。
【0049】
[実施例2]
バリア層(12B)の厚みを0.02μmにしたことを除いては、実施例1と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0050】
[実施例3]
バリア層(12B)の厚みを0.1μmにしたことを除いては、実施例1と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0051】
[実施例4]
基材樹脂層(12A)として、流れ方向(MD)の引張破断強度240MPa、幅方向(TD)の引張破断強度235MPa、流れ方向(MD)の引張破断伸び105%、幅方向(TD)の引張破断伸び105%である厚みが12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用したこと、ならびにバリア層(12B)の厚みを0.5μmにしたことを除いては、実施例1と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0052】
[実施例5]
バリア層(12B)の厚みを1.0μmにしたことを除いては、実施例4と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0053】
[実施例6]
基材樹脂層(12A)として、流れ方向(MD)の引張破断強度240MPa、幅方向(TD)の引張破断強度240MPa、流れ方向(MD)の引張破断伸び130%、幅方向(TD)の引張破断伸び120%である厚みが12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用したこと、ならびにバリア層(12B)をアルミニウムペーストからなる厚み2.0μmのアルミニウム塗膜で形成したことを除いては、実施例1と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0054】
[実施例7]
基材樹脂層(12A)として、流れ方向(MD)の引張破断強度80MPa、幅方向(TD)の引張破断強度50MPa、流れ方向(MD)の引張破断伸び550%、幅方向(TD)の引張破断伸び850%である厚みが25μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)を使用したこと、ならびにバリア層(12B)の厚みを0.2μmにしたことを除いては、実施例1と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0055】
[実施例8]
基材樹脂層(12A)として、流れ方向(MD)の引張破断強度240MPa、幅方向(TD)の引張破断強度240MPa、流れ方向(MD)の引張破断伸び100%、幅方向(TD)の引張破断伸び100%である厚みが15μmのナイロンフィルム(Ny)を使用したこと、ならびにバリア層(12B)の厚みを0.3μmにしたことを除いては、実施例1と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0056】
[実施例9]
基材樹脂層(12A)として、流れ方向(MD)の引張破断強度190MPa、幅方向(TD)の引張破断強度240MPa、流れ方向(MD)の引張破断伸び120%、幅方向(TD)の引張破断伸び90%である厚みが15μmのナイロンフィルム(Ny)を使用したことを除いては、実施例8と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0057】
[実施例10]
応力緩和層(14)を、アンカーコート層(13)の表面に、ポリプロピレン樹脂を厚みが40μmになるように共押出ラミネートすることによって形成したこと、および応力緩和層(14)のガラス転移温度が-20℃であること、ならびにヒートシール層(15)がシーラントフィルムからなることを除いては、実施例1と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0058】
[実施例11]
ポリプロピレン樹脂からなる応力緩和層(14)のガラス転移温度が0℃であることを除いては、実施例10と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0059】
[実施例12]
応力緩和層(14)を、アンカーコート層(13)の表面に、ポリウレタン樹脂を厚みが30μmになるように共押出ラミネートすることによって形成したこと、および応力緩和層(14)のガラス転移温度が-20℃であることを除いては、実施例10と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0060】
[実施例13]
応力緩和層(14)を形成しなかったことを除いては、実施例1と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0061】
[比較例1]
バリア層(12B)の厚みを0.01μmにしたことを除いては、実施例1と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0062】
[比較例2]
基材樹脂層(12A)として、流れ方向(MD)の引張破断強度240MPa、幅方向(TD)の引張破断強度235MPa、流れ方向(MD)の引張破断伸び100%、幅方向(TD)の引張破断伸び105%である厚みが12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用したこと、ならびにバリア層(12B)の厚みを3.0μmにしたことを除いては、比較例1と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0063】
[比較例3]
バリア層(12B)として、JIS H4160で規定されたJIS H4160:1994で規定されたA1N30-O材からなる厚みが6μmのアルミニウム箔を使用し、バリア層(12B)の片面に、ウレタン系接着剤を用いて基材樹脂層(12A)となる厚みが12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を積層し、基材層(12)を得た。基材樹脂層(12A)となる2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの引張破断強度240MPa、幅方向(TD)の引張破断強度240MPa、流れ方向(MD)の引張破断伸び110%、幅方向(TD)の引張破断伸び120%である。
【0064】
基材層(12)が上述した構成であることを除いては、実施例1と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0065】
[比較例4]
バリア層(12B)が、厚みが2μmのアルミニウム蒸着膜からなるとともに、基材樹脂層(12A)の応力緩和層(14)側の面に設けられていることを除いては、実施例1と同様にして蓋用積層材(1)を作成した。
【0066】
実施例1~13および比較例1~4の蓋用積層材の構成を下記の表1に示す。
【0067】
【表1】
[評価試験]
封緘強度
実施例1~13の蓋用積層材および比較例1~4の蓋用積層材を切断して縦80mm×横80mmの大きさの平坦なシート状の蓋(2)を作製した。
【0068】
また、開口周縁部(31)の内径が69mm、同じく外径が71mm、同じく厚さが2mm、高さが80mmのポリスチレン製容器(3)を用意した。
【0069】
ついで、蓋(2)を容器(3)の上端部に載せ、温度180℃、圧力0.05MPa、時間1.4秒の条件で、熱盤により蓋(2)を容器(3)の開口周縁部(31)にヒートシールして包装体(4)を得た。
【0070】
ついで、蓋(2)に穴を開け、株式会社サン化学社製FKT-100を使用して、穴の箇所から空気漏れの無いように昇圧速度13.3kPa/10秒で包装体(4)の内圧が上昇するよう一定の流量で空気を流入して、破裂したときの内圧を測定し、この値を封緘強度とした。
【0071】
その結果を下記の表2に示す。表2において、○:封緘強度(内圧)が20kPa以上でも破裂しなかったもの、△:封緘強度(内圧)が14kPa以上、20kPa未満で破裂したもの、×:封緘強度(内圧)が14kPa未満で破裂したものである。
耐内圧試験
実施例1~13の蓋用積層材および比較例1~4の蓋用積層材を切断して縦80mm×横80mmの大きさの平坦なシート状の蓋(2)を作製した。
【0072】
また、開口周縁部(31)の内径が69mm、同じく外径が71mm、同じく厚さが2mm、高さが80mmのポリスチレン製容器(3)を用意した。
【0073】
ついで、容器(3)に60ccの水を入れた後、蓋(2)を容器(3)の上端部に載せ、温度180℃、圧力0.05MPa、時間1.4秒の条件で、熱盤により蓋(2)を容器(3)の開口周縁部(31)にヒートシールして包装体(4)を得た。
【0074】
ついで、
図3に示すような、包装体(4)をセットする断面凹状の収容部(51)と、収容部(51)の低壁周縁より起立状に立ち上がった側壁部(52)と、左右の側壁部(52)の高さ中間に設けられた一対の当接部材(53)とを備えた評価装置を用意した。当該評価装置(5)は、収容部(51)が図示外の駆動モーターに接続されており、このモーターを始動させると、収容部(51)の当接部材(53)は一分間に所定回数(例えば120回/分)で、包装体(4)を、図示の左右方向に6.5mm押圧するようになっている。
【0075】
そして、包装体(4)を評価装置(5)の収容部(51)内に入れ、当接部材(53)により120回/分の回数で、押圧量が6.5mmとなるように、包装体(4)を図示の左右方向に押圧して耐内圧試験を行った。耐内圧試験は、3つの包装体(4)を5セット用意し、各セットについて12000回行い、漏れの有無を調べた。その結果も下記の表2に示す。
【0076】
表2において、◎:12000回まで全ての包装体(4)に漏れが見られないもの、○:8000回まで全ての包装体(4)に漏れが見られないもの、△:6000回まで全ての包装体(4)に漏れが見られないもの、×:6000回までに15本の包装体のうちの1本以上で漏れが見られたものである。
酸素透過度
JIS K7126-1で規定される差圧法により、20℃、0%RH環境下での酸素透過度を調べた。その結果を下記の表2に示す。
水蒸気透過度
JIS k7129-2で規定される赤外線センサ法により、40℃、90%RH環境下での水蒸気透過度を調べた。その結果を下記の表2に示す。
【0077】
【産業上の利用可能性】
【0078】
この発明による蓋用積層材は、乳製品、氷菓、冷凍食品を内容物として密封包装する包装体の蓋に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0079】
(1):蓋用積層材
(2):蓋
(3):容器
(31):開口周縁部
(4):包装体
(11):保護樹脂層
(12):基材層
(12A):基材樹脂層
(12B):バリア層
(13):アンカーコート層
(14):応力緩和層
(15):ヒートシール層
【手続補正書】
【提出日】2024-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
基材層(12)のバリア層(12B)は、蓋用積層材(1)から作製された蓋(2)を用いた包装体(4)の内容物をガス、水蒸気、光等から保護する層であり、厚みは0.02~2μm、好ましくは0.03~0.3μmである。バリア層(12B)は、アルミニウム、金、銀、銅、チタンなどの金属や、半金属であるケイ素や、前記金属や半金属の酸化物が用いられる。バリア層は、基材樹脂層(12A)における蓋(2)が容器(3)の開口周縁部にヒートシールされた際に外側となる面に、PVD法やCVD法により蒸着膜を形成すること、または基材樹脂層(12A)の片面に、上述した材料のペーストを塗工することにより作製される。
【手続補正書】
【提出日】2024-11-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、フッ素樹脂などからなる無延伸フィルムや2軸延伸フィルムが用いられる。ポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ホモポリプロピレン(hPP)、プロピレン-エチレンランダムコポリマー(rPP)、プロピレン-エチレンブロックコポリマー(bPP)などが例示される。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)が例示される。合成樹脂フィルムからなる保護樹脂層(11)は、同種または異種の2以上の合成樹脂フィルムが組み合わせて用いられる場合もある。合成樹脂フィルムからなる保護樹脂層(11)は、例えば(共)押出成形法(インフレーション、Tダイ等)や延伸法、ラミネート法等により形成される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
その後、応力緩衝層(14)の表面に、EVA45wt% ポリエチレンワックス45wt% タッキファイヤー(テルペンモノマーとフェノールを共重合した樹脂)10wt%の組成を有するホットメルト接着剤を、厚みが20μmとなるようにグラビアコートすることによりヒートシール層(15)を形成した。こうして、蓋用積層材(1)を作成した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
ついで、
図3に示すような、包装体(4)をセットする断面凹状の収容部(51)と、収容部(51)の
底壁周縁より起立状に立ち上がった側壁部(52)と、左右の側壁部(52)の高さ中間に設けられた一対の当接部材(53)とを備えた評価装置を用意した。当該評価装置(5)は、収容部(51)が図示外の駆動モーターに接続されており、このモーターを始動させると、収容部(51)の当接部材(53)は一分間に所定回数(例えば120回/分)で、包装体(4)を、図示の左右方向に6.5mm押圧するようになっている。