(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173707
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ボンディングヘッドを含む装置、およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20241205BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20241205BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H01L21/52 F
H01L21/68 A
H01L21/60 311T
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024076682
(22)【出願日】2024-05-09
(31)【優先権主張番号】18/326,473
(32)【優先日】2023-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビュン-ジン チョイ
(72)【発明者】
【氏名】アンシュマン チェララ
(72)【発明者】
【氏名】マリオ ヨハネス マイスル
(72)【発明者】
【氏名】ニラブ ケー ロイ
【テーマコード(参考)】
5F044
5F047
5F131
【Fターム(参考)】
5F044KK00
5F044PP16
5F044QQ00
5F047AA00
5F047CA00
5F047FA08
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5F047FA90
5F131AA04
5F131BA54
5F131CA23
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5F131DA22
5F131DB22
5F131DB23
5F131DB25
5F131DB32
5F131DB43
5F131DB62
5F131DB72
5F131KA22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ボイド形成のリスクを低減しつつオーバーレイ誤差が少なくするボンディングヘッドを含む装置及びその装置の使用方法を提供する。
【解決手段】ボンディングヘッドを含む装置において、ボンディングヘッド424は、ボンディングヘッド本体4412、ダイチャック4430及びランド4452を含む。前記ボンディングヘッド本体は、ダイチャックに連結され、ランドは、ゾーン4465を画定し、ランド及びゾーンは、外側ゾーンがダイを保持するための真空下にあり、一方、内側ゾーンが加圧されて、ボンディングヘッドから離れるようにダイを湾曲させる。湾曲したダイは、ピン、ランド又はその両方を有するダイチャックを湾曲させることによって湾曲したダイと比較して、比較的滑らかな曲率を有する。新規な前記ボンディングを用いて前記ダイが基板に接触すると、ボンディング動作中に空気が閉じ込められてボイドが生じる可能性が大幅に減少する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンディングヘッド本体と、
前記ボンディングヘッド本体に連結されるとともに近位側面および遠位側面を有するダイチャック本体であって、前記ボンディングヘッド本体は前記遠位側面よりも前記近位側面に近い、ダイチャック本体と、
前記近位側面よりも前記遠位側面に近い第1ランドと、
前記近位側面よりも前記遠位側面に近く、前記第1ランドから離隔され且つ前記第1ランドによって横方向に囲まれている第2ランドと、
前記第1ランドと前記第2ランドとの間に配置されている第1ゾーンに、ダイを保持するのに十分である第1真空を提供するように構成された第1圧力アクチュエータと、
前記第2ランドによって横方向に囲まれている第2ゾーンに、前記ダイが前記第1真空によって保持されている間に前記ダイを湾曲させるのに十分である圧力を提供するように構成された第2圧力アクチュエータと、
を含むボンディングヘッドを備える装置。
【請求項2】
前記ダイチャック本体は、100nm~1000nmの範囲内の放射の9%未満を透過するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ダイチャック本体は、電荷を消散させるのに十分な量で存在する材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、前記ダイチャック本体の前記近位側面に沿って放射を射出するように構成された放射源を有しておらず、前記放射は100nm~1000nmの範囲内にある、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ダイチャック本体は、前記ボンディングヘッド本体に取り外し可能に連結されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ボンディングヘッド本体および前記ダイチャック本体をともに保持する保持手段を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1ランドを横方向に囲む第3ランドを更に備え、前記第1ランドと前記第3ランドとの間に第3ゾーンが配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第3ゾーンの状態を感知するセンサを更に備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ボンディングヘッド本体および前記ダイチャック本体をともに保持する保持手段を更に備え、前記保持手段は、前記第3ゾーンに連結された第3圧力アクチュエータを含み、前記第1圧力アクチュエータと前記第3圧力アクチュエータとの組み合わせは、前記ダイチャック本体および前記ボンディングヘッド本体をともに保持するのに十分な第2真空を提供するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、前記ボンディングヘッドの前記第1ランドと物体とが互いに接触している間において前記ボンディングヘッドの前記第1ランドと前記物体との間に0.5N/cm2~20N/cm2の範囲内の圧力を生成するように構成された第1駆動手段を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ダイチャック本体と前記第1ランドおよび前記第2ランドの各々との間に配置されたメサを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第2ゾーンにピンを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記ピン、前記第1ランド、および前記第2ランドは、前記ダイチャック本体の前記遠位側面から実質的に同じ高さに位置する表面を有する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
第1ボンディングヘッドと、第2ボンディングヘッドと、コントローラとを備え、
前記第1ボンディングヘッドは、
第1ボンディングヘッド本体と、
前記第1ボンディングヘッド本体に連結されるとともに第1近位側面および第1遠位側面を有する第1ダイチャック本体であって、前記第1ボンディングヘッド本体は前記第1遠位側面よりも前記第1近位側面に近い、第1ダイチャック本体と、
前記第1近位側面よりも前記第1遠位側面に近い第1ランドと、
前記第1近位側面よりも前記第1遠位側面に近く、前記第1ランドから離隔され且つ前記第1ランドによって横方向に囲まれている第2ランドと、
前記第1ランドと前記第2ランドとの間に配置されている第1ゾーンに、第1ダイを保持するのに十分である第1真空を提供するように構成された第1圧力アクチュエータと、
前記第2ランドによって横方向に囲まれている第2ゾーンに、前記第1ダイが前記第1ゾーンの前記第1真空によって保持されている間に前記第1ダイを湾曲させるのに十分である第1圧力を提供するように構成された第2圧力アクチュエータと、を備え、
前記第2ボンディングヘッドは、
第2ボンディングヘッド本体と、
前記第2ボンディングヘッド本体に連結されるとともに第2近位側面および第2遠位側面を有する第2ダイチャック本体であって、前記第2ボンディングヘッド本体は前記第2遠位側面よりも前記第2近位側面に近い、第2ダイチャック本体と、
前記第2近位側面よりも前記第2遠位側面に近い第3ランドと、
前記第2近位側面よりも前記第2遠位側面に近く、前記第3ランドから離隔され且つ前記第3ランドによって横方向に囲まれている第4ランドと、
前記第3ランドと前記第4ランドとの間に配置されている第3ゾーンに、第2ダイを保持するのに十分である第2真空を提供するように構成された第3圧力アクチュエータと、
第4ゾーンが前記第4ランドによって横方向に囲まれている第4ゾーンに、前記第2ダイが前記第3ゾーンの前記第2真空によって保持されている間に前記第2ダイを湾曲させるのに十分である第2圧力を提供するように構成された第4圧力アクチュエータと、を備え、
前記コントローラは、同じ時点の間において、前記第1ボンディングヘッドが前記第1ダイを移送先基板にボンディングし、前記第2ボンディングヘッドが前記第2ダイを前記移送先基板にボンディングすることができるように構成されている、装置。
【請求項15】
ボンディングヘッドでダイを保持することと、
前記ボンディングヘッドによって前記ダイが保持されている間に前記ダイを湾曲させることと、を含み、
前記ボンディングヘッドは、
ボンディングヘッド本体と、
前記ボンディングヘッド本体に連結されるとともに近位側面および遠位側面を有するダイチャック本体であって、前記ボンディングヘッド本体は前記遠位側面よりも前記近位側面に近い、ダイチャック本体と、
前記近位側面よりも前記遠位側面に近い第1ランドと、
前記近位側面よりも前記遠位側面に近く、前記第1ランドから離隔され且つ前記第1ランドによって横方向に囲まれている第2ランドと、
前記第1ランドと前記第2ランドとの間に配置されている第1ゾーンに、ダイを保持するのに十分である第1真空を提供するように構成された第1圧力アクチュエータと、
前記第2ランドによって横方向に囲まれている第2ゾーンに、前記ダイが前記第1ゾーン内の前記第1真空によって保持されている間に前記ダイを湾曲させるのに十分である圧力を提供するように構成された第2圧力アクチュエータと、を備える、方法。
【請求項16】
前記ダイが湾曲している間に前記ダイと移送先基板のボンディングサイトとを接触させることを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ボンディングヘッドで前記ダイを保持することは、前記ボンディングヘッドで前記ダイを保持することを含み、前記ボンディングヘッドは、前記第1ランドを横方向に囲む第3ランドを含み、前記第1ランドと前記第3ランドとの間に第3ゾーンが配置されている、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ボンディングヘッドで前記ダイを保持することは、前記ボンディングヘッドで前記ダイを保持することを含み、
前記第3ゾーンの一部は、前記ダイによって十分に覆われておらず、
前記ボンディングヘッドは、前記第3ゾーンに第3真空を提供するように構成された第3圧力アクチュエータを含み、
前記第3圧力アクチュエータは、前記ダイを保持している間に作動しない、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ボンディングヘッドで前記ダイを保持することは、前記ボンディングヘッドで前記ダイを保持することを含み、
前記ボンディングヘッドは、前記第3ゾーンの状態を感知するセンサを含み、
前記方法は、前記第3ゾーンが前記ダイによって十分に覆われていないことを感知することを更に含み、当該感知は、前記センサを使用して実行される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法の少なくとも一部を実行するための指示を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ボンディングヘッドを含む装置、およびその装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高度なパッケージング技術には、ダイを的確に且つ正確に配置することが要求される。ハイブリッドボンディングは、ダイのフィーチャおよび移送先基板の表面に沿ったフィーチャの寸法が縮小し続けるにつれて、ますます普及してきている。ダイは、基板の表面に沿ってダイを配置できるように曲げることができる。
図1は、ダイ122、ボンディングヘッドのダイチャックの一部、および基板148の図を含み、ダイチャックは、メサ134と、ピンおよびランド152とを含む。ダイ122がボンディングヘッドに移送されるとき、ダイチャックは湾曲しておらず、ピンおよびランド152の間のゾーンは、ピンおよびランド152に対してダイ122を保持するために排気されうる。ダイ122がダイチャックによって保持されている間、
図1に示されるように、ダイチャックを湾曲させることによってダイ122を曲げることができる。ダイ122はピンおよびランド152の形状に適合することができ、その結果、基板148に面するダイ122の側に沿ってギザギザの表面が生じる。ダイ122と基板148との最初の接触において、空気が閉じ込められ、ダイ122と基板148との間にボイドが形成されうる。ボイドは、ダイ122と基板148との間の適切な相互接続の形成を妨げうる。さらに、ダイチャックを湾曲させることは、ダイの表面に沿った剪断力を発生させうる。ダイ122は、1以上のピンおよびランド152において伸びたり滑ったりしうる。オーバーレイ誤差の可能性は、
図1に対応する方法を使用すると大幅に増加しうる。ボイド形成のリスクを低減しつつオーバーレイ誤差が少なくして基板上にダイを配置する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、装置はボンディングヘッドを含みうる。前記ボンディングヘッドは、ボンディングヘッド本体と、前記ボンディングヘッド本体に結合されるとともに近位側面および遠位側面を有するダイチャック本体とを含むことができ、前記ボンディングヘッド本体は前記遠位側面よりも前記近位側面に近い。前記ボンディングヘッドはまた、前記近位側面よりも前記遠位側面に近い第1ランドと、前記近位側面よりも前記遠位側面に近い第2ランドとを含むことができ、前記第2ランドは、前記第1ランドから離隔され且つ前記第1ランドによって横方向に囲まれ、第1のゾーンが前記第1ランドと前記第2ランドとの間に配置されており、第2ゾーンが前記第2ランドによって横方向に囲まれている。前記ボンディングヘッドは、前記第1ゾーン内に第1真空を提供するように構成された第1圧力アクチュエータであって、前記第1真空はダイを保持するのに十分である、第1圧力アクチュエータと、前記第2ゾーンに圧力を提供するように構成された第2圧力アクチュエータであって、前記圧力は、前記ダイが前記第1ゾーン内の前記第1真空によって保持されている間に前記ダイを湾曲させるのに十分である、第2圧力アクチュエータと、を更に含むことができる。
【0004】
一実施形態において、前記ダイチャック本体は、100nm~1000nmの範囲内の放射の9%未満を透過するように構成される。
【0005】
別の実施形態において、前記ダイチャック本体は、電荷を消散させるのに十分な量で存在する材料を含む。
【0006】
更なる別の実施形態において、前記装置は、前記ダイチャック本体の前記近位側面に沿って放射を射出するように構成された放射源を有しておらず、前記放射は100nm~1000nmの範囲内にある。
【0007】
更なる別の実施形態において、前記ダイチャック本体は、前記ボンディングヘッド本体に取り外し可能に連結されている。
【0008】
更なる実施形態において、前記装置は、前記ボンディングヘッド本体および前記ダイチャック本体をともに保持する保持手段を更に備える。
【0009】
別の実施形態において、前記装置は、前記第1ランドを横方向に囲む第3ランドを更に備え、前記第1ランドと前記第3ランドとの間に第3ゾーンが配置されている。
【0010】
特定の実施形態において、前記装置は、前記第3ゾーンの状態を感知するセンサを更に備える。
【0011】
別の特定の実施形態において、前記装置は、前記ボンディングヘッド本体および前記ダイチャック本体をともに保持する保持手段を更に備え、前記保持手段は、前記第3ゾーンに連結された第3圧力アクチュエータを含み、前記第1圧力アクチュエータと前記第3圧力アクチュエータとの組合せは、前記ダイチャック本体および前記ボンディングヘッド本体をともに保持するのに十分な第2真空を提供するように構成されている。
【0012】
更なる別の実施形態において、前記装置は、前記ボンディングヘッドの前記第1ランドと物体とが互いに接触している間において前記ボンディングヘッドの前記第1ランドと前記物体との間に0.5N/cm2~20N/cm2の範囲内の圧力を生成するように構成された第1駆動手段を更に備える。
【0013】
更なる別の実施形態において、前記装置は、前記ダイチャック本体と前記第1ランドおよび前記第2ランドの各々との間に配置されたメサを更に備える。
【0014】
更なる実施形態において、前記装置は、前記第2ゾーン内にピンを更に備える。
【0015】
特定の実施形態において、前記ピン、前記第1ランド、および前記第2ランドは、前記ダイチャック本体の前記遠位側面から実質的に同じ高さに位置する表面を有する。
【0016】
別の態様では、装置は、第1のボンディングヘッドと、第2のボンディングヘッドと、コントローラとを含むことができる。前記第1ボンディングヘッドは、第1ボンディングヘッド本体と、前記第1ボンディングヘッド本体に連結されるとともに第1近位側面および第1遠位側面を有する第1ダイチャック本体とを含むことができ、前記第1ボンディングヘッド本体は前記第1遠位側面よりも前記第1近位側面に近い。前記第1ボンディングヘッドはまた、前記第1近位側面よりも前記第1遠位側面に近い第1ランドと、前記第1近位側面よりも第1遠位側面に近い第2ランドとを含むことができ、前記第2ランドは、前記第1ランドから離隔され且つ前記第1ランドによって横方向に囲まれており、第1ゾーンが前記第1ランドと前記第2ランドとの間に配置されており、第2ゾーンが前記第2ランドによって横方向に囲まれている。前記第1ボンディングヘッドは、前記第1ゾーン内に第1真空を提供するように構成された第1圧力アクチュエータであって、前記第1真空は前記第1ダイを保持するのに十分である、第1圧力アクチュエータと、前記第2ゾーンに第1圧力を提供するように構成された第2圧力アクチュエータであって、前記第1圧力は、前記第1ダイが前記第1ゾーン内の前記第1真空によって保持されている間に前記第1ダイを湾曲させるのに十分である、第2圧力アクチュエータとを更に含むことができる。
【0017】
前記第2ボンディングヘッドは、第2ボンディングヘッド本体と、前記第2ボンディングヘッド本体に連結されるとともに第2近位側面および第2遠位側面を有する第2ダイチャック本体とを含むことができ、前記第2ボンディングヘッド本体は前記第2遠位側面よりも前記第2近位側面に近い。前記第2ボンディングヘッドはまた、前記第2近位側面よりも前記第2遠位側面に近い第3のランドと、前記第2近位側面よりも前記第2遠位側面に近い第4ランドとを含むことができ、前記第4ランドは、前記第3ランドから離隔され且つ前記第3ランドによって横方向に囲まれており、第3ゾーンが前記第3ランドと前記第4ランドとの間に配置されており、第4ゾーンが前記第4ランドによって横方向に囲まれて配置されている。前記第2ボンディングヘッドは、前記第3ゾーン内に第2真空を提供するように構成された第3圧力アクチュエータであって、前記第2真空は第2ダイを保持するのに十分である、第3圧力アクチュエータと、前記第4ゾーンに第2圧力を提供するように構成された第4圧力アクチュエータであって、前記第2圧力は、前記第2ダイが前記第3ゾーン内の前記第2真空によって保持されている間に前記第2ダイを湾曲させるのに十分である、第4圧力アクチュエータとを更に含むことができる。
【0018】
前記コントローラは、同じ時点の間において、前記第1ボンディングヘッドが前記第1ダイを移送先基板にボンディングすることができ、前記第2ボンディングヘッドが前記第2ダイを前記移送先基板にボンディングすることができるように構成されうる。
【0019】
更なる態様では、方法は、ボンディングヘッドでダイを保持することを含むことができる。前記ボンディングヘッドは、ボンディングヘッド本体と、前記ボンディングヘッド本体に連結されるとともに近位側面および遠位側面を有するダイチャック本体とを含むことができ、前記ボンディングヘッド本体は前記遠位側面よりも前記近位側面に近い。前記ボンディングヘッドはまた、前記近位側面よりも前記遠位側面に近い第1ランドと、前記近位側面よりも前記遠位側面に近い第2ランドとを含むことができ、前記第2ランドは、前記第1ランドから離隔され且つ前記第1ランドによって横方向に囲まれており、第1ゾーンが前記第1ランドと前記第2ランドとの間に配置されており、第2ゾーンが前記第2ランドによって横方向に囲まれている。前記ボンディングヘッドは、前記第1ゾーン内に第1真空を提供するように構成された第1圧力アクチュエータであって、前記第1真空はダイを保持するのに十分である、第1ある直アクチュエータと、前記第2ゾーンに圧力を提供するように構成された第2アクチュエータであって、前記圧力は、前記ダイが前記第1ゾーン内の前記第1真空によって保持されている間に前記ダイを湾曲させるのに十分である、第2アクチュエータとを更に含むことができる。前記方法は、前記ボンディングヘッドによって前記ダイが保持されている間に前記ダイを湾曲させることを更に含むことができる。
【0020】
一実施形態において、前記方法は、前記ダイが湾曲している間に前記ダイと移送先基板のボンディングサイトとを接触させることを更に含む。
【0021】
別の実施形態において、前記ボンディングヘッドで前記ダイを保持することは、前記ボンディングヘッドで前記ダイを保持することを含み、前記ボンディングヘッドは、前記第1ランドを横方向に囲む第3ランドを含み、前記第1ランドと前記第3ランドとの間に第3ゾーンが配置されている。
【0022】
特定の実施形態において、前記ボンディングヘッドで前記ダイを保持することは、前記ボンディングヘッドで前記ダイを保持することを含み、前記第3ゾーンの一部分は、前記ダイによって十分に覆われておらず、前記ボンディングヘッドは、前記第3ゾーン内に第3真空を提供するように構成された第3圧力アクチュエータを含み、前記第3圧力アクチュエータは、前記ダイを保持している間に作動しない。
【0023】
別の特定の実施形態において、前記ボンディングヘッドで前記ダイを保持することは、前記ボンディングヘッドで前記ダイを保持することを含み、前記ボンディングヘッドは、前記第3ゾーンの状態を感知するセンサを含み、前記方法は、前記第3ゾーンが前記ダイによって十分に覆われていないことを感知することを更に含み、当該感知は、前記センサを使用して実行される。
【0024】
別の態様において、非一時的コンピュータ可読媒体は、請求項15に記載の方法の少なくとも一部を実行するための指示を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
実施形態は例として示されており、添付の図面に限定されるものではない。
【0026】
【
図1】
図1は、ダイチャックを湾曲させてダイをダイチャックの表面に沿ってピンまたはランドで湾曲させるときの、ダイチャック、ダイおよび基板の一部の断面図を含む。
【0027】
【
図2】
図2は、ソース基板から移送先基板にダイを移送する際に使用されうる装置の概念図を含む。
【0028】
【
図3】
図3は、一実施形態で使用されうるピックアップヘッドの断面図を含む。
【0029】
【
図4】
図4は、一実施形態によるボンディングヘッドの一部の分解断面図を含む。
【0030】
【
図5】
図5は、ボンディングヘッドが組み立てられた後の
図4のボンディングヘッドの断面図を含む。
【0031】
【
図6】
図6は、メサ、ランド、ゾーン、および流路を含むダイチャックの一部の底面図を含む。
【0032】
【
図7】
図7は、他の実施形態によるボンディングヘッドの断面図を含む。
【0033】
【
図8】
図8は、他の実施形態による、メサ、ランド、ゾーン、および流路を含むダイチャックの一部の底面図を含む。
【0034】
【
図9】
図9は、更なる実施形態による、メサ、ランド、ゾーン、ピン、および流路を含むダイチャックの一部の底面図を含む。
【0035】
【
図10】
図10は、ソース基板から移送先基板の移送先ボンディングサイトにダイを移送する方法のプロセスフロー図を含む。
【
図11】
図11は、ソース基板から移送先基板の移送先ボンディングサイトにダイを移送する方法のプロセスフロー図を含む。
【0036】
【
図12】
図12は、複数のダイがソースチャックに連結され、且つ移送先基板が移送先チャックに連結された後の装置の断面図を含む。
【0037】
【
図13】
図13は、ピックアップヘッドのアレイがソース基板から1組のダイをピックアップした後の、
図12の装置の断面図を含む。
【0038】
【
図14】
図14は、ピックアップヘッドのアレイからボンディングヘッドのアレイに1組のダイを移送した後の、
図13の装置の断面図を含む。
【0039】
【
図15】
図15は、ダイが弛緩状態(湾曲していない)にあるときの、ダイチャックの一部および特定のダイの断面図を含む。
【0040】
【
図16】
図16は、特定のダイが湾曲しているときの、
図15のダイチャックの一部および特定のダイの断面図を含む。
【0041】
【
図17】
図17は、特定のダイが湾曲して移送先基板と最初に接触するときの、
図16のダイチャックの一部、移送先基板の一部、および特定のダイの断面図を含む。
【0042】
【
図18】
図18は、特定のダイを移送先基板にボンディングしている間の、
図17のダイチャックの一部、移送先基板の一部、および特定のダイの断面図を含む。
【0043】
【
図19】
図19は、1組のダイと移送先基板とを接合した後の装置の断面図を含む。
【0044】
【
図20】
図20は、ダイが弛緩状態(湾曲していない)にあるときの、
図8のデザインに対応するダイチャックの一部分と、ボンディングヘッドによって保持された特定のダイとの断面図を含む。
【0045】
【
図21】
図21は、特定のダイが湾曲して移送先基板と最初に接触するときの、
図20のダイチャックの一部、移送先基板の一部、および特定のダイの断面図を含む。
【0046】
【
図22】
図22は、特定のダイと移送先基板とをボンディングしている間の、
図21のダイチャックの一部、移送先基板の一部、および特定のダイの断面図を含む。
【0047】
【
図23】
図23は、特定のダイが湾曲して移送先基板と最初に接触するときの、
図9のデザインに対応するダイチャックの一部分と、移送先基板の一部と、ボンディングヘッドによって保持された特定のダイとの断面図を含む。
【0048】
【
図24】
図24は、特定のダイと移送先基板とをボンディングしているの、
図23のダイチャックの一部、移送先基板の一部、および特定のダイの断面図を含む。
【0049】
当業者であれば、図中の要素は簡略化および明瞭化のために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解するのであろう。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、本発明の実施形態の理解を助けるために他の要素と比較して誇張されうる。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図面と組み合わせた以下の説明は、本明細書に開示される教示の理解を助けるために提供される。以下の議論は、特定の実施形態および教示の実施形態に焦点を当てる。この焦点は、教示を説明するのを助けるために提供され、教示の範囲または適用性に対する限定として解釈されるべきではない。
【0051】
別途定義されないかぎり、本明細書に用いられる全ての技術的および科学的な用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、限定することを意図するものではない。本明細書に記載されていない範囲で、特定の材料および処理行為に関する多くの詳細は、従来のものであり、本技術分野における教科書および他の情報源に見出すことができる。
【0052】
装置は、ボンディングヘッドを含みうる。ボンディングヘッドは、ボンディングヘッド本体と、ダイチャック本体と、ランドとを含みうる。ボンディングヘッド本体は、ダイチャックに連結されうる。ランドは、ゾーンを画定しうる。ランドおよびゾーンは、ボンディングヘッドから離れるようにダイを湾曲させる(撓ませる)ために内側ゾーンが加圧されている間、外側ゾーンがダイを保持するための真空下にあることができるように構成されうる。加圧ガスによって湾曲されるダイは、移送先基板と最初に接触するダイの表面に沿った、より緩やかな曲率を可能にする。本明細書で説明される装置および方法のいずれかを使用すると、
図1のダイ122で見られるように、ダイの表面は、ギザギザの表面を有する可能性が低くなる。したがって、装置および方法は、ダイと移送先基板との間に空気が閉じ込められ、望ましくないボイドが生じる可能性が低い。ダイと移送先基板との間のオーバーレイ誤差が低減される。
【0053】
ボンディングヘッド本体に連結されたダイチャックのためのメサ、ランド、およびピン(ピンが存在する場合)のために、様々なデザインを使用することができる。
図5および
図6に示されるデザインは、同様の領域を占める異なるタイプのダイに対して良好に機能する比較的単純なデザインを可能にする。
図8に示されるデザインは、異なるサイズを有する異なるタイプのダイに使用することができる複数のゾーンを有する。したがって、
図8に対応するデザインを有するダイチャックは、
図5および
図6のデザインと比較して、頻繁に変更する必要がない可能性がある。
図9に示されるデザインは、ランドに加えてピンを有する。ピンは、ピンのない同じデザインと比較して、ゾーンが排気されるときに、ダイがゾーン内に引き込まれることを防ぐのを助けることができる。さらに、ピンは、ボンディング動作を助けるために、ダイの側面への接触を提供するのを助けることができる。
【0054】
装置および方法は、図面と併せて本明細書を読んだ後に、より良く理解される。以下に記載される実施形態は、例示的なものであり、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲を限定するものではない。いくつかのダイチャックは主にピックアップヘッドのアレイに関して説明され、他のダイチャックは主にボンディングヘッドのアレイに関して説明されるが、ピックアップヘッドのアレイのダイチャックはボンディングヘッドのアレイに使用され、ボンディングヘッドのアレイのダイチャックはピックアップヘッドのアレイに使用されうる。
【0055】
図2は、ソースチャック222に連結されたダイを、移送先チャック248に連結された移送先基板に移送するために使用されうる装置200の概念図を含む。
図2は、装置200の機器構成を含み、ダイおよび移送先基板を含まない。装置200は、ブリッジ220と、ベース240と、ブリッジ220、ベース240、或いは、ブリッジ220またはベース240に連結された1以上の構成要素に連結されたコントローラ260とを含む。ブリッジ220は、ソースチャック222と、ボンディングヘッド224のアレイと、1以上のアライメントマークを有する基準226と、登録ハードウェア228とに連結されうる。ベース240は、ピックアップヘッドキャリッジ242と移送先キャリッジ246に連結されうる。
【0056】
図2および他の図では、ブリッジ220、ベース240、および、ブリッジ220またはベース240の間に物理的に連結された構成要素は、X方向、Y方向、Z方向、またはそれらの組合せに沿って編成されうる。断面図または側面図に関して、X方向は図面の左側と右側との間にあり、Z方向は図面の上と下との間にあり、Y方向は図面シートの内外にある。特に反対の記載がない限り、回転は、X方向およびY方向によって画定されるX-Y平面に沿って生じる。
【0057】
装置200内の構成要素は、一般に、1組のダイが、ソースチャック222に連結されたソース基板から、移送先チャック248に連結された移送先基板に移送される順序で説明される。動作が類似しているため、ピックアップヘッドキャリッジ242および移送先キャリッジ246は、本明細書において後に同じ通路で説明される。
【0058】
用語「移送動作」および「移送サイクル」は、本明細書に記載された実施形態の理解を助けるために言及される。移送動作は、ソース基板から1組のダイをピックアップするまでに開始し、その1組のダイが、移送先基板に移送される最初の1組のダイとなり、最後の1組のダイが移送先基板に移送されたときに終了する。移送サイクルは、ソース基板から特定の1組のダイをピックアップするまでに開始し、同じ特定の1組のダイが移送先基板に移送されるまで続く。移送動作は、1以上の移送サイクルを含みうる。
【0059】
ソースチャック222は、真空チャック、ピン型チャック、溝型チャック、静電チャック、電磁チャックなどでありうる。ソースチャック222は、ブリッジに直接取り付けられることによってブリッジ220に連結されてもよいし、或いは、キャリッジ(図示せず)を介してブリッジに連結されてもよい。ソースチャック222は、ベース240に面するソース保持面、或いは、ベース240に連結された構成要素を有する。キャリッジは、ピックアップヘッドキャリッジ242および移送先キャリッジ246に関して以下でより詳細に説明するように、並進運動を提供することができる。
【0060】
ピックアップヘッドキャリッジ242および移送先キャリッジ246は、ベース240に連結され、X方向、Y方向、またはZ方向へのベース240に沿った並進運動、或いは、X方向およびY方向に沿った平面に沿ったZ軸周りの回転など、1以上の軸周りの回転運動を提供することができる。ピックアップヘッドキャリッジ242および移送先ャリッジ246は、一緒に、または互いに独立して移動することができる。ピックアップヘッドキャリッジ242および移送先キャリッジ246は、同じタイプのキャリッジであってもよいし、異なるタイプのキャリッジであってもよい。
【0061】
ピックアップヘッド244のアレイは、ピックアップヘッドキャリッジ242に連結され、ブリッジ220またはブリッジ220に連結された構成要素に面するピックアップ面を有する。ピックアップヘッド244のアレイは、ベクトル(ピックアップヘッドの行または列)として、或いは、マトリクス(ピックアップヘッドの少なくとも2つの行および少なくとも2つの列)として構成されうる。マトリクスに関して、ピックアップヘッド244のアレイ内のボンディングヘッドの個数は、行間、列間、または、行と列との間で異なりうる。いくつかのアレイ構成は、3×1、6×1、2×2、2×3、2×4、4×2、10×10、または別の矩形形状を含むことができ、第1の個数は、行または列に沿ったピックアップヘッドの個数に対応し、第2の個数は、行または列の他方に沿ったピックアップヘッドの個数に対応する。理論的には、ソースウェハ全体からのダイが一括して全て移送されうる。そのような構成では、上面図から見て、ピックアップヘッド244のアレイは、アレイの中心に最も近い行または一対の行と比較して、アレイの上部および底部により近い行に沿ってより少ないピックアップヘッドを有してもよく、ピックアップヘッド244のアレイは、アレイの中心に最も近い列または一対の列と比較して、アレイの左側および右側により近い列に沿ってより少ないピックアップヘッドを有してもよい。本明細書を読んだ後、当業者であれば、特定の用途のニーズまたは要望を満たすピックアップヘッド244のアレイのアレイ構成を決定することができるであろう。
【0062】
図3は、ピックアップヘッド244のアレイ内のピックアップヘッド344の例示的なデザインを含む。
図3において、ピックアップヘッド344は、本体3442とダイチャック3444とを含む。ピックアップヘッド344が設置されると、本体3442は、ピックアップヘッドキャリッジ242とダイチャック3444との間に配置される。
【0063】
ピックアップヘッド344は、
図2に示されるソースチャック222に面するピックアップ面3446を有する。ダイは、ピックアップ面3446に接触しても接触しなくてもよい。例えば、ダイは、ハイブリッドボンディングを支援するために活性化表面を有していてもよい。ピックアップヘッド344は、ダイの活性化表面がピックアップ面3446に接触することなくダイの主表面間の側面に沿ってダイを保持することができるように、ダイチャック3444から延在されうるダイ保持突起3448を含むことができる。ダイが薄すぎる場合、バッキングプレートとピックアップ面3446との間にダイが配置されるように、バッキングプレートをダイに取り付けることができる。ダイ保持突起3448は、ダイがソースチャック222からボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッドに移動するとき、バッキングプレートに接触することができる。ピックアップヘッドの別の構成は、ダイの活性化表面がピックアップヘッドのピックアップ面に接触することなく、ダイチャックによってダイが保持されることを可能にしうる。したがって、
図3のピックアップヘッド344は例示的なものであり、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲を限定するものではない。代替の実施形態では、ピックアップヘッドは、真空チャック、ピン型チャック、溝型チャック、静電チャック、ベルヌーイチャック、または電磁チャックであるチャックを使用して、ピックアップキャリッジ242によって保持されてもよい。
【0064】
ピックアップヘッド244のアレイは、ソースマッチングピッチとボンディングヘッドマッチングピッチとの間で可逆的に変更することができる調整可能なピッチを有するように構成されうる。ピックアップヘッド244のアレイまたはピックアップヘッドキャリッジ242は、所望のピッチを達成するためにピックアップヘッドを移動させるように作動させることができるモータ、電気部品などを含むことができる。装置200は、移送サイクルごとに少なくとも1つのピッチの変更を可能にするように構成されうる。平均して、ピックアップヘッド244のアレイのピッチは、移送サイクル中に2回変更することができる。本明細書で使用される場合、ピッチは、フィーチャの幅または長さと、フィーチャとすぐ隣のフィーチャとの間の空間との合計である。フィーチャは、ソース基板のダイ、ピックアップヘッド244のアレイ内のピックアップヘッド、ボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッド、或いは、移送先基板のボンディングサイトでありうる。X方向に沿ったピッチは、Y方向のピッチと同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0065】
一実施形態では、ピックアップヘッド244のアレイは、ソースチャック222から1組のダイをピックアップするときにはソースマッチングピッチであり、ダイをボンディングヘッド224のアレイに移送するときにはボンディングヘッドマッチングピッチでありうる。ピックアップヘッド244のアレイのソースマッチングピッチは、ソースチャック222に連結されたソース基板からピックアップされるべきダイのソースピッチと同じであるべきであり、ピックアップヘッド244のアレイのボンディングヘッドマッチングピッチは、ボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッドのためのボンディングヘッドピッチと同じであるべきである。実際には、ソースマッチングピッチは、通常、ソースピッチとわずかに異なり、ボンディングヘッドマッチングピッチは、通常、ボンディングヘッドピッチとわずかに異なる。ソースマッチングピッチとソースピッチとの間の差、ボンディングヘッドマッチングピッチとボンディングヘッドピッチとの間の差、またはその両方は、ダイの適切なピックアップおよび移送を可能にする許容公差内にある場合に、ダイの移送が成功しうる。公差は、装置または装置を使用するときの方法に関連する製造仕様の形成であってもよい。ソースピッチ、ソースマッチングピッチ、ボンディングヘッドピッチ、ボンディングヘッドマッチングピッチ、またはそれらの組合せは、メモリ262または装置200の外部の別メモリ内に記憶されうる。
【0066】
ダイがボンディングヘッド224のアレイに移送された後、ピックアップヘッド244のアレイのピッチは、次の移送サイクルのために次の1組のダイをピックアップする前に、ボンディングヘッドマッチングピッチからソースマッチングピッチに変更されうる。ピッチの変更は、人間の介入の有無に関わらずに実行されうる。一実施形態では、ブリッジ220、ベース240、或いは、ブリッジ220またはベース240に連結された任意の1以上の構成要素からの信号は、動作が完了したことをコントローラ260またはローカルコントローラに送信され、そのようなコントローラは、ピックアップヘッド244のアレイのピッチを変更するための信号を送信しうる。例えば、ピックアップヘッド244のアレイがソース基板から1組のダイをピックアップした後、1組のダイのピックアップが完了したとの信号がコントローラ260またはローカルコントローラに送信されうる。この信号に応答して、コントローラ260またはローカルコントローラは、ピックアップヘッド244のアレイのピッチをソースマッチングピッチからボンディングヘッドマッチングピッチに変更するための信号を送信することができる。ピックアップヘッド244のアレイが1組のダイをボンディングヘッド224のアレイに移送した後、ピックアップヘッド244のアレイからボンディングヘッド224のアレイへの移送が完了したとの信号がコントローラ260またはローカルコントローラに送信されうる。この信号に応答して、コントローラ260またはローカルコントローラは、ピックアップヘッド244のアレイのピッチをボンディングヘッドマッチングピッチからソースマッチングピッチに変更するために信号を送信することができる。
【0067】
ピックアップヘッド244のアレイと同様に、ボンディングヘッド224のアレイは、ベクトル(ボンディングヘッドの行または列)として、或いは、マトリクス(ボンディングヘッドの少なくとも2つの行および少なくとも2つの列)として構成されうる。マトリクスに関して、ボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッドの個数は、行間、列間、または、行と列との間で異なりうる。いくつかのアレイ構成は、3×1、6×1、2×2、2×3、2×4、4×2、10×10、または別の矩形形状を含むことができ、第1の個数は、行または列に沿ったボンディングヘッドの個数に対応し、第2の個数は、行または列の他方に沿ったボンディングヘッドの個数に対応する。理論的には、ウェハ全体からのダイが一括して全て移送されうる。そのような構成では、底面図から見て、ボンディングヘッド224のアレイは、アレイの中心に最も近い行と比較して、アレイの上部および底部により近い行に沿ってより少ないボンディングヘッドを有してもよく、ボンディングヘッド224のアレイは、アレイの中心に最も近い列と比較して、アレイの左側および右側により近い列に沿ってより少ないボンディングヘッドを有してもよい。本明細書を読んだ後、当業者であれば、特定の用途のニーズまたは要望を満たすボンディングヘッド224のアレイのアレイ構成を決定することができるであろう。一実施形態では、ボンディングヘッド224のアレイは、ピックアップヘッド244のアレイと比較して、同じ数の行および列を有する。
【0068】
ボンディングヘッド224のアレイは、ブリッジ220に連結される。
図4~
図6を参照すると、ボンディングヘッド424は、ボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッドのいずれか又は全てに使用されうる。
図4は、ボンディングヘッド424の一部の分解断面図を含み、
図5は、組み立てられたときのボンディングヘッド424の一部の断面図を含み、
図6は、メサ4434、ランド4452および4454、ゾーン4465および4469、並びに、ゾーン4465に連結された流路4435およびゾーン4469に連結された流路4439のためのポートの底面図を含む。
【0069】
ボンディングヘッド424は、ボンディングヘッド本体4412と、シール部材4422と、ダイチャック4430とを含む。ダイチャック4430とボンディングヘッド本体4412とは、真空、静電荷、電磁引力などを用いて連結されうる。以下の説明は、真空ベースのシステムについて説明する。静電システムおよび電磁システムは、本明細書の後半で説明する。
【0070】
ボンディングヘッド本体4412は、真空によってボンディングヘッド本体4412とダイチャック4430とを一緒に保持することを可能にする流路4413を有する。ボンディングヘッド本体4412は、真空によってダイをダイチャック4430に保持することを可能にする流路4415を更に含む。ボンディングヘッド本体4412はまた、ダイチャック4430とボンディングヘッド本体4412とが互いに連結されたときに、加圧ガスがダイチャック4430を湾曲させることを可能にする流路4417を含む。ボンディングヘッド本体4412は、ダイとダイチャック4430とが互いに連結されたときに、加圧ガスがダイを湾曲させることを可能にする流路4419を更に含む。
【0071】
ボンディングヘッド本体4412は、金属、金属合金、ガラス、セラミック、プラスチック、複合材料、または別の適切な材料から作製されうる。複合材料は、2以上の材料から作製される材料である。典型的な複合材料は、繊維状材料(ガラス繊維、炭素繊維など)およびマトリックス(セラミック、ポリマーなど)を含むことができる。流路4413、4415、4417、および4419は、穿孔、切断、エッチング、または別の適切な技法によってボンディングヘッド本体4412の一部を除去することによって画定されうる。或いは、ボンディングヘッド本体4412の材料を成形し、流路4413、4415、4417、および4419に対応するロッドなどの固体物体を横方向に囲むことができる。ボンディングヘッド本体4412の形状が達成された後、流路4413、4415、4417、および4419を残してロッドを除去することができる。より多くの又はより少ない流路を使用することができる。
【0072】
組み立てられると、
図5に示されるように、ボンディングヘッド本体4412の周縁に沿ってシール部材4422が配置されうる。シール部材4422は、ガスケットと同様の機能を果たすことができる。したがって、シール部材4422は、流路4417に連結される加圧領域5447(
図5)を画定することを助ける比較的大きな開口部を中央に有する。シール部材4422は、流路4423および4425と、流路4429とを含む。流路4423は、真空によってダイチャック4430をボンディングヘッド本体4412に対して所定の位置に保持することを可能にする。流路4425は、複数のダイ(
図2、
図4、または
図5では図示せず)からのダイを保持するために、真空がダイチャック4430の側面に到達することを可能にする。流路4429は、ダイがダイチャック4430によって保持されている間に、加圧ガスがダイチャック4430の側面に到達してダイを湾曲させることを可能にする。
【0073】
図4および
図5を参照すると、シール部材4422は、ボンディングヘッド本体4412に関して前述した材料のいずれかを含むことができる。シール部材4422は、エラストマー材料(例えば、シリコーン、ポリブチレン材料、またはゴム材料)を含むことができる。シール部材4422の材料は、ボンディングヘッド本体4412と同じであってもよいし異なっていてもよい。シール部材4422の材料に応じて、ボンディングヘッド本体4412の成形に関して前述した技術のうち1以上を、
図4~
図5に示されるシール部材4422の形状を達成するのに使用することができる。シール部材4422を成形する技法は、ボンディングヘッド本体4412を成形するために使用される技法と同じであってもよいし異なっていてもよい。一実施形態では、シール部材4422は、単一の環状構成要素であってもよいし、或いは、一組の構成要素、例えば一組のOリングであってもよい。
【0074】
ダイチャック4430は、ダイチャック本体4432と、メサ4434と、ランド4452および4454とを含む。ダイチャック本体4432は、ボンディングヘッド本体4412に取り外し可能に連結されうる。ダイチャック本体4432は、近位側面と、近位側面の反対側の遠位側面とを有し、ダイチャック本体4432の近位側面は、ボンディングヘッド本体4412とダイチャック本体4432の遠位側面との間に配置される。メサ4434は、近位側面と、近位側面の反対側の遠位側面とを有し、メサ4434の近位側面は、ダイチャック本体4432とメサ4434の遠位側面との間に配置される。
【0075】
図4~
図6を参照すると、ランド4452および4454は、メサ4434を介してダイチャック本体4432に連結される。同じまたは異なる実施形態では、ランド4452および4454は、メサ4434の遠位側面から延在し、ダイチャック本体4432に連結される。メサ4434の周縁側は、ランド4454よりもランド4452に近い。ランド4454は、ランド4452から離隔している。ランド4452および4454の各々は、近位側面と、近位側面と反対側の遠位側面とを有し、ランド4452および4454の各々の近位側面は、メサ4434と対応するランドの遠位側面との間に配置される。ゾーン4465は、ランド4452とランド4454との間に配置され、ゾーン4469は、ランド4454によって横方向に囲まれる。ダイチャックは、ダイ1522が最外のランド4452間の幅よりも大きくなるように選択されうる。
【0076】
ランド4452および4454の遠位側面に沿った表面は、実質的に同一平面上にある。一実施形態では、ランド4452および4454の遠位側面に沿った表面は、同一平面から5°以内の平面に沿って位置することができる。ランド4452および4454は、ランド4452の遠位表面が、Z方向で測定したときに、ランド4454の遠位表面の高さの9ミクロン以内の高さにあるように、Z軸においてオフセットされうる。
【0077】
流路4435は、ダイチャック本体4432の近位側面から、ランド4452とランド4454との間に配置されたゾーン4465まで延在することができる。流路4435は、シール部材4422の流路4425およびボンディングヘッド本体4412の流路4415に連結されうる。流路4439は、ダイチャック本体4432の近位側面からゾーン4469まで延在することができる。流路4439は、シール部材4422の流路4429およびボンディングヘッド本体4412の流路4419に連結されうる。ダイ(
図4~
図6では図示せず)がランド4452および4454に沿って位置するとき、ゾーン4465内の真空がランド4452および4454に対してダイを保持している間、加圧ガスがゾーン4469に導入されてダイを湾曲させうる。
【0078】
ダイチャック4430は、単一の材料片から形成されることができ、或いは、少なくとも2つの異なる材料片から形成されてもよい。後者に関して、ダイチャック本体4432は、1つの材料片から形成されてもよく、メサ4434、並びに、ランド4452および4454は、別の材料片から形成されてもよい。ダイチャック本体4432、メサ4434、並びに、ランド4452および4454のいずれか又は全ての材料組成は、ボンディングヘッド本体4412に関して前述した材料のいずれかであってもよい。ボンディングヘッド本体4412は、ダイチャック本体4432、メサ4434、および、ランド4452および4454のいずれか又は全てと比較して、同じまたは異なる材料を含むことができる。同じまたは異なる実施形態では、本体4432、メサ4434、並びに、ランド4452および4454は、互いに比較して同じ材料または異なる材料を含むことができる。
【0079】
同じまたは更なる実施形態では、100nm~1000nmの範囲の放射について、ダイチャック本体4432、メサ4434、並びに、ランド4452および4454のいずれか又は全て、或いは、ダイチャック本体4432とメサ4434との組合せは、ダイチャック本体4432の近位側面がそのような放射によって照射されるとき、そのような放射の9%未満、5%未満、1%未満を透過することができ、或いは、そのような放射を透過しないことができる。ボンディングヘッド424は、ダイチャック本体4432の近位側面に沿ってそのような放射を放出するように構成された放射源を含まない。
【0080】
ボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッドは、ダイとともに使用され、ダイは、トランジスタまたはキャパシタなどの電気部品、或いは、静電気放電に敏感な回路を含む。電気部品または回路は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィック処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、メモリダイ(例えば、レベル2またはレベル3キャッシュ、フラッシュメモリなど)、パワートランジスタダイ、パワー回路ダイなどの中にあってもよい。ダイチャック本体4432、メサ4434、並びに、ランド4452および4454、またはそれらの任意の組合せを含む、ボンディングヘッド本体4412、シール部材4422、およびダイチャック4430は、導電性または静電気散逸性材料を含むことができる。
【0081】
材料は、電荷を消散させるのに十分な量で存在することができる。一実施形態では、そのような材料は、ダイチャック本体4432、メサ4434、並びに、ランド4452および4454を含む、ボンディングヘッド本体4412、シール部材4422、およびダイチャック4430のいずれか又は全てが、最大で1×1012Ω/スクエア、最大で1×109Ω/スクエア、または最大で1×106Ω/スクエアの抵抗率を有することを可能にしうる。同じまたは異なる実施形態では、そのような材料は、ダイチャック本体4432、メサ4434、並びに、ランド4452および4454を含む、ボンディングヘッド本体4412、シール部材4422、およびダイチャック4430のいずれか又は全てが、少なくとも1×10-3Ω/スクエア、少なくとも1×101Ω/スクエア、または少なくとも1×106Ω/スクエアの抵抗率を有することを可能にしうる。特定の実施形態では、そのような材料は、ダイチャック本体4432、メサ4434、並びに、ランド4452および4454を含む、ボンディングヘッド本体4412、シール部材4422、およびダイチャック4430のいずれか又は全てが、1×10-3Ω/スクエア~1×1012Ω/スクエアの範囲、1×103Ω/スクエア~1×106Ω/スクエアの範囲、または1×106Ω/スクエア~1×109Ω/スクエアの範囲における抵抗率を有することを可能にしうる。例えば、ボンディングヘッド本体4412は、金属であってもよく、ダイチャック4430は、絶縁性ポリマーと炭素との混合物が前述の抵抗率を有するように、十分な量の炭素と混合された導電性ポリマーまたは絶縁性ポリマーであってもよい。
【0082】
図5は、組み立てられたボンディングヘッド424と、ボンディングヘッド424の一部内の圧力を変更するために使用されうる構成要素への接続部との図を含む。
図4および
図5を参照すると、流路4413および4423は、流路5423の一部であるマニホールドに連結される。圧力アクチュエータ5433は、流路5423を排気するために使用されうる。一実施形態では、圧力アクチュエータ5433は、流路5423が逆充填されて周囲圧力に達することを可能にし、同じまたは異なる実施形態では、圧力アクチュエータ5433は、流路5423が陽圧に達することを可能にしうる。周囲圧力(ゼロゲージ圧力)は、ボンディングヘッド424の外側および近くの装置200内の圧力である。真空圧力は、周囲圧力よりも低く且つ負のゲージ圧力であり、陽圧は、周囲圧力よりも高く且つ正のゲージ圧力である。圧力が周囲圧力またはその付近であるとき、圧力は、周囲圧力+/-0.5N/cm
2でありうる。
【0083】
流路4415、4425、4435は、流路5425の一部である。圧力アクチュエータ5435は、流路5425およびゾーン4465を排気するために使用されうる。一実施形態では、圧力アクチュエータ5435は、流路5425およびゾーン4465が逆充填されて周囲圧力に達することを可能し、同じまたは異なる実施形態では、圧力アクチュエータ5435は、流路5425およびゾーン4465が陽圧に達することを可能にしうる。圧力アクチュエータ5437は、流路5427および加圧領域5447を加圧するために使用されうる。一実施形態では、圧力アクチュエータ5437は、圧力を解放し、流路5427および加圧領域5447が周囲圧力に達することを可能にしうる。圧力アクチュエータ5439は、流路5429およびゾーン4469を加圧するために使用されうる。一実施形態では、圧力アクチュエータ5439は、圧力を解放し、流路5429およびゾーン4469が周囲圧力に達することを可能にし、同じまたは異なる実施形態では、圧力アクチュエータ5439は、流路5429およびゾーン4469が真空下にあることを可能にしうる。
【0084】
ボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッドは、ブリッジ220に沿ってボンディングヘッドピッチを有するように配置されうる。ボンディングヘッド224のアレイのボンディングヘッドピッチは、移送先基板上のボンディングサイトのピッチである移送先ピッチと同じであるべきである。実際には、ボンディングヘッドピッチは、通常、移送先ピッチとは異なる。ボンディングヘッドピッチと移送先ピッチとの間の差が許容公差内にある場合に、ダイの移送が成功しうる。
【0085】
ボンディングヘッド224のアレイのボンディングヘッドピッチと移送先基板の移送先ピッチとの間の差についての最大許容公差は、ボンディングヘッド224のアレイのボンディングヘッドピッチとピックアップヘッド244のアレイのボンディングヘッドマッチングピッチとの間の差についての最大許容公差よりも小さい。ボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッドは、ピックアップヘッド244のアレイ内のピックアップヘッドと比較して、より的確にかつ正確に配置される。ボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッドの本体の位置は、典型的には移送動作中に変更されず、移送動作間で変更されてもよいし変更されなくてもよい。
【0086】
図2を参照すると、移送先チャック248は、移送先キャリッジ246に連結されるとともに、ブリッジ220に面する基板保持面、またはブリッジ220に連結された構成要素を有する。一実施形態では、移送先チャック248は、移送先キャリッジ246に取り付けられる。移送先チャック248は、ボンディングサイトを有する移送先基板を保持しうる。移送先チャック248は、真空チャック、ピン型チャック、溝型チャック、静電チャック、電磁チャック等であってもよい。移送先チャック248は、加熱、冷却、または、加熱および冷却の両方が可能である。移送先チャック248は、ヒータを含みうる。同じまたは異なる実施形態では、流体(図示せず)が移送先チャック248を通って流れて、移送先チャック248の温度を上昇または低下させることができる。
【0087】
アライメントハードウェア250は、移送先キャリッジ246に連結され、基準226は、ブリッジ220に連結されるとともに1以上のアライメントマークを含む。アライメントハードウェア250は、光学構成要素を含むとともに、アライメントハードウェア250、移送先キャリッジ246、ベース240、またはそれらの組合せ内に位置するコントローラ260またはローカルコントローラに情報を提供することができる。アライメントハードウェア250は、移送先キャリッジ246を基準226の1以上のアライメントマークにアライメントするため、移送先キャリッジ246をボンディングヘッド224のアレイにアライメントするため、または、その両方のために使用されうる。
【0088】
登録ハードウェア228および258は、それぞれ、ブリッジ220およびピックアップヘッドキャリッジ242に連結される。登録ハードウェア228および258は、光学構成要素を含むとともに、登録ハードウェア228または258、ブリッジ220、ピックアップヘッドキャリッジ242、ベース240、またはそれらの組み合わせ内に位置するコントローラ260またはローカルコントローラに情報を提供することができる。ソース基板、ソース基板に連結されたダイ、移送先基板、または、これらの全ては、ダイがソース基板から移送先基板に移送される前に、それぞれのステージ座標に登録されうる。登録ハードウェア258からの情報は、(
図12に示される)複数のダイ1222のソースピッチを決定するために使用されうる。さらに、当該情報は、複数のダイ1222が移送される正しいダイであることを識別または確認するために使用されうる。登録ハードウェア228からの情報は、(
図12に示される)移送先基板1248のボンディングサイトの移送先ピッチを決定するために使用されうる。さらに、当該情報は、移送先基板1248がダイが移送される正しい基板であることを識別または確認するために使用されうる。
【0089】
図2に戻り、装置200は、ブリッジ220、ブリッジ220に連結された任意の構成要素、ベース240、ベース240に連結された任意の構成要素、またはそれらの組合せと通信するコントローラ260によって制御されうる。コントローラ260は、任意選択でメモリ262に記憶されたコンピュータ可読プログラムを使用して動作することができる。コントローラ260は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラの中央処理装置)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含むことができる。コントローラ260は、装置200内にあってもよい。別の実施形態(図示せず)では、コントローラ260は、装置200の外部のコンピュータの少なくとも一部であってもよく、そのようなコンピュータは装置200に双方向に連結される。
【0090】
メモリ262は、移送動作に関連する動作を実行するための命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。別の実施形態では、ブリッジ220、ブリッジ220に連結された構成要素、ベース240、または、ベース240に連結された構成要素は、コントローラ260によって提供される機能の一部を提供するローカルコントローラを含むことができる。
【0091】
装置200は、変形することができ、それでも本明細書に記載される利点の多くを達成することができる。前述したように、ダイチャック4430は、真空を使用することによって保持されうる。
図7は、ダイチャック7430をボンディングヘッド本体7412に取り外し可能に連結することができる他の実施形態を示しており、取り外し可能な連結は、電荷または電磁気を関与させることができる。ダイチャック7430は、ダイチャック本体4432と同様のダイチャック本体7432を含む。ボンディングヘッド本体7412は、前述したボンディングヘッド本体4412と同様である。流路4423を含む流路5432、並びに、(
図5に示される)圧力アクチュエータ5433は、
図7に示される実施形態では使用されない。ボンディングヘッド本体7412とダイチャック7430との間には、シール部材が配置されていてもよいし、配置されていなくてもよい。
【0092】
連結構成要素7422および7424は、それぞれ、ボンディングヘッド本体7412およびダイチャック本体7432の表面に沿って、またはその近くにありうる。連結構成要素7422および7424のいずれか又は全てがボンディングヘッド本体7412とダイチャック本体7432との間の接触面から離隔している場合、そのような連結構成要素は、ボンディングヘッド本体7412とダイチャック本体7432とが一緒に保持されることを可能にするために十分に近い。
【0093】
連結構成要素7422は、連結構成要素7422に電流が流れることを可能にする回路によって作動されうる。当該回路は、コントローラ260またはローカルコントローラによって制御されうる。回路は、作動すると、連結構成要素7422に電流が流れて電荷または磁場を生成することを可能にし、連結構成要素7424は、ダイチャック7430に引き付けられ、電荷または磁場によって保持されうる。連結構成要素7422は、金属または金属を含む合金などの導電性材料を含むことができる。連結構成要素7424は、金属または金属を含む合金を含むことができる。ダイチャック7430を保持するために磁場が使用される場合、連結構成要素7424は強磁性材料を含むことができる。
【0094】
別の実施形態では、より多くのランドおよびゾーンが使用されうる。ランドおよびゾーンの個数が増加するにつれて、ボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッドとともに、より多様なダイサイズが使用されうる。移送動作中に移送されうるダイは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィック処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、メモリダイ(たとえば、レベル2またはレベル3キャッシュ、フラッシュメモリなど)、パワートランジスタダイ、パワー回路ダイ、キャパシタ、インダクタなどを含みうる。これらの異なるタイプのダイは、それらのX方向およびY方向の寸法が大きく異なりうる。例えば、マイクロプロセッサは、少なくとも3.5cmのX方向寸法またはY方向寸法を有し、チップレットは、それぞれ最大で0.5cmのX方向寸法およびY方向寸法を有し、メモリダイは、それぞれ0.6cm~3.4cmの範囲のX方向寸法およびY方向寸法を有しうる。
【0095】
チップレットは、かなりの量の面積を占有し、導電経路のレイアウトを複雑にし、過剰な容量性結合または誘導性結合を引き起こし、或いは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィック処理ユニット、デジタル信号プロセッサなど、異なる主要機能を果たすダイに構成要素または回路が集積された場合に追加の相互接続(配線)レベルを追加する構成要素または回路を有するダイである可能性がある。チップレットは、別のダイのためのサポート機能を提供することができ、タイミングの観点から、静的であるか、或いは、他のダイ上のプロセッサよりも少なくとも1桁小さい周波数で動作する構成要素または回路を有する。チップレットは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィック処理ユニット、デジタル信号プロセッサなどのために、サイズを低減し、レイアウトを単純化し、寄生容量結合または寄生誘導結合を低減し、相互接続レベルの個数を低減し、またはそれらの組合せを助けることができる。一実施形態では、チップレットは、他のダイ(例えば、マイクロプロセッサ)の電源端子(例えば、VDDおよびVSS)に電気的に連結された電極を有するキャパシタでありってもよい。別の実施形態では、チップレットは、より高い直流電圧(例えば、12VDC)をより低い直流電圧(例えば、1VDC)に降圧するために使用されるバックコンバータなどのエネルギーコンバータであってもよく、エネルギーコンバータの出力は他のダイ(例えば、マイクロプロセッサ)によって使用される。
【0096】
より多くのランドおよびゾーンは、比較的小さい面積を占めるダイと比較的大きい面積を占める別のダイとに同じダイチャックが使用されることを可能にしうる。
【0097】
図8は、
図6のメサ4434と比較してより多くのランドに連結されたメサ8434の底面図を含む。メサ8434は、ランド8452、8454、8456を含み、ゾーン8463、8465、8467、および8469は、一対のランドの間に配置される。各ゾーンは、ゾーンが加圧ガスで加圧される、排気される、または戻される、または周囲圧力に維持されることを可能にするために、流路に連結されうる。流路8433はゾーン8463に連結され、流路8435はゾーン8465に連結され、流路8437はゾーン8467に連結され、流路8439はゾーン8469に連結される。ランドおよびゾーンの個数が増加するにつれて、ポートに連結された流路のルーティングは、ボンディングヘッド424内の1以上の構成要素のデザインを複雑にしうる。
【0098】
一実施形態では、流路8433は、
図8の左側部分に最も近いメサ8434の側部の中および当該側部に延在する流路の一部とすることができ、流路8435は、
図8の右側部分に最も近いメサ8434の側部の中および当該側部に延在する流路の一部とすることができ、流路8437は、
図8の底部に最も近いメサ8434の側部の中および当該側部に延在する流路の一部とすることができ、流路8439は、
図8の上部に最も近いメサ8434の側部の中および当該側部に延在する流路の一部とすることができる。別の実施形態では、流路8433、8435、8437、および8439の全ては、
図8の左側または右側に最も近い側部など、メサ8434の同じ側部の中および当該側部に延在する流路の一部とすることができる。更なる実施形態では、全てではないが、いくつかの流路を同じ側部に通すことができる。例えば、流路8433および8437は、
図8の底部に最も近いメサ8434の側部の中および当該側部に延在する流路の一部とすることができ、流路8435および8439は、
図8の上部に最も近いメサ8434の側部の中および当該側部に延在する流路の一部とすることができる。流路は特定の位置に示されているが、本明細書を読んだ後、当業者であれば、特定の用途のニーズまたは要望を満たすために流路をどこに配置すべきかを決定することができる。
【0099】
センサは、センサに対応するゾーンをダイが覆っているか否かを判断するために使用されうる。
図8は、ゾーン8463内のセンサ8473、ゾーン8465内のセンサ8475、およびゾーン8467内のセンサ8477を含む。センサ8473、8475、および8477の各々は、光センサ、圧力センサ、近接センサなどでありうる。ゾーン8463、8465、および8467のいずれか又は全てに、2以上のセンサが使用されてもよい。必要に応じて、ゾーン8469内でセンサを使用することができる。
【0100】
ゾーンがダイによって覆われている場合、ゾーンに光がほとんどまたは全く入らくなり、ゾーン内の真空は、真空ゲージによって、または、対応する流路と真空源との間のレギュレータで測定される真空圧力に十分に近くなり、並びに、ダイはセンサに近くなる。ゾーンがダイによって十分に覆われていない場合、かなりの量の光がゾーンに入り、ゾーン内の真空は、真空ゲージによって、または、対応する流路と真空源との間のレギュレータで測定される真空圧力と比較して大幅に弱くなり(周囲圧力に近くなる)、或いは、ダイは、近接センサによって検出されると考えられる閾値を超えない。1以上のセンサは、コントローラ260またはローカルコントローラに電気的に連結されうる。
【0101】
ダイがピックアップヘッド244のアレイ内のピックアップヘッドからボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッドに移送されているとき、ダイは、ゾーン8465、8467、および8469を覆い、ゾーン8463を覆わないことがある。センサ8475および8477は、ゾーン8465および8467が覆われているという信号を生成することができ、センサ8473は、ゾーン8463が覆われていないという信号を生成してもよいし生成しなくてもよい。コントローラ260またはローカルコントローラは、ゾーン8463がダイによって覆われていないため、ゾーン8463に対応する圧力アクチュエータを作動させない、或いは、以前に作動させていた場合には停止しうることを決定することができる。コントローラ260またはローカルコントローラは、ボンディングヘッドによってダイを保持することができるように、ゾーン8465のための圧力アクチュエータを作動させるか、ゾーン8467および8469のための圧力アクチュエータのいずれも作動させない或いは一方または両方を作動させかを決定することができる。
【0102】
ダイが移送先基板のボンディングサイトにボンディングされる前に、コントローラ260またはローカルコントローラは、ゾーン8469内に加圧ガスを導入してダイをボンディングヘッド424から離れるように湾曲させるために、ゾーン8469の圧力アクチュエータに信号を送信する。ゾーン8467内の圧力は、ゾーン8465または8469内の圧力、または、ゾーン8465とゾーン8469との間の圧力(例えば、周囲圧力)と実質的に同じ圧力でありうる。
【0103】
同じまたは異なる実施形態では、ゾーン8467は、フロート(float)にすることが可能でありうる。「フロート」という用語は、ゾーン内の圧力が、少なくともある時点の間において、その対応する圧力アクチュエータによって制御されず、そのような圧力が別の状態または動作に応じて変化しうることを意味する。非限定的な例は、フロートの概念を理解するのに役立つ。ダイがピックアップヘッドからボンディングヘッドに移送されると、コントローラ260またはローカルコントローラは、ゾーン8465および8467用の圧力アクチュエータに信号を送信して、ゾーン8465および8467を作動させて真空下に配置することができる。湾曲させる直前に、コントローラ260またはローカルコントローラは、ゾーン8467が周囲圧力またはその近傍になるように、ゾーン8467の圧力アクチュエータに信号を送信してゾーン8467を逆充填しうる。ゾーン8467が周囲圧力またはその近傍になった後、コントローラ260またはローカルコントローラは、ゾーン8467の圧力アクチュエータを非作動にする信号を送信しうる。この時点で、ゾーン8467はフロートしている。
【0104】
コントローラ260またはローカルコントローラは、ゾーン8469(最も内側のゾーン)の圧力アクチュエータに信号を送信し、加圧ガスがゾーン8469に流れてダイを湾曲させることを可能にしうる。ダイが湾曲すると、ダイは、もはやランド8458(最も内側のランド)と接触しなくなり、ゾーン8467および8469は、もはや互いに密閉されずに互いに流体連通する。ゾーン8467はフロートしているため、ゾーン8467内の圧力は、ゾーン8469内の圧力に近づきうる。ゾーン8467をフロートさせることは、ダイの表面に沿った応力が、ダイの中心と、ダイを保持するために排気ゾーン8465に隣り合うランド8456に接触するダイの部分との間でより均一に分散されることを可能にする。ゾーン8467の圧力アクチュエータがゾーン8467を周囲圧力に維持しようとした場合、ゾーン8469からの加圧ガスは、ゾーン8467に連結された流路に流入し、ゾーン8467に連結されたポンプまたは他の真空/圧力源にダメージを与える可能性がある。
【0105】
十分な数のランドおよびゾーンがあれば、装置を使用するときに、移送先基板にボンディングされうる全てのダイに対して単一のダイチャックを使用することができる。ゾーンの数が増加するにつれて、各ゾーンのサイズは小さくなり、単一のゾーンを排気するだけでは、湾曲させいる間においてダイを保持するのに不十分でありうる。したがって、湾曲させている間においてダイを保持するために、2以上のゾーンが排気されうる。さらに、ランドおよびゾーンの個数が増加するにつれて、ダイチャックおよびボンディングヘッド本体のデザインは、ゾーンを排気または加圧するために必要とされる流路の個数に少なくとも部分的に起因して、複雑になり且つ製造を困難にしうる。理論的には、ランドおよびゾーンの個数は限定されるものではないが、実際的な考慮事項により、ダイチャックに使用されるランドおよびゾーンの個数が限定されることがある。したがって、比較的大型および中型のダイにダイチャックが使用され、中型および比較的小型のダイに別のダイチャックが使用されうる。本明細書を読んだ後、当業者であれば、特定の用途のニーズまたは要望を満たすために、ダイチャックのランドおよびゾーンのレイアウトを決定することができるであろう。
【0106】
図9は、ピンが使用される別の実施形態を示している。メサ9434は、
図9に見られるメサ9434から遠位表面まで延在するピン9461をゾーン9469が含むことを除いて、
図6に示されるメサ4434と同一である。ピン9461は、ダイがゾーン9469内に引き込まれ過ぎるのを防ぐことができる。例えば、ゾーン4465および9469は、ダイがボンディングヘッドに移送されているときに排気されうる。ピン9461は、ダイがゾーン9469内に移動できる距離を制限するのを助けることができる。同じまたは異なる実施形態では、ピン9461は、ダイが移送先基板にボンディングされているときにダイに加えられる下向きの力をより均一に分配するのを助けることができる。
【0107】
ピン9461、並びに、ランド4452および4454の遠位表面は、実質的に同一平面上にありうる。一実施形態では、ピン9461の遠位表面に沿った表面、並びに、ランド4452および4454の遠位側面は、同一平面から5°以内にある平面に沿って位置しうる。ピン9461、並びに、ランド4542および4454は、ビン9461のいずれか又は全ての遠位表面が、Z方向で計測したときに、ランド4452および4454の遠位表面の高さの9ミクロン以内の高さにあるように、Z軸においてオフセットされうる。別の実施形態では、ピン9461は、メサ9434から延在することができるが、ランド4452および4454の遠位表面の高さまで完全には延在しなくてもよい。
【0108】
図示されていないが、
図6および
図8に対応するダイチャックにおいてピンを使用することができる。
【0109】
本明細書に記載の実施形態では、各ゾーンは、それ自体に対応する流路を有することができる。流路は、真空、周囲圧力、または陽圧(周囲圧力よりも大きい)などの圧力を制御することができる関連する圧力アクチュエータを有しうる。圧力アクチュエータは、バルブまたはレギュレータとすることができる。一実施形態では、圧力アクチュエータは、ゾーンが真空源および加圧源に連結されることを可能にするバルブの組合せを含むことができる。例えば、
図8のゾーン8467は、本方法中のある時点で排気され、本方法中の別の時点で周囲圧力になり、そして、本方法中の更なる時点で陽圧になりうる。ゾーン8467の圧力アクチュエータは、3つの異なる圧力状態(真空、周囲圧力、および陽圧)を達成するために少なくとも2つのバルブを有するように構成されうる。装置内における任意の1以上の圧力アクチュエータは、コントローラ260によって、またはローカルコントローラによって制御されうる。圧力センサからの圧力情報は、コントローラ260またはローカルコントローラによって受信され、コントローラ260またはローカルコントローラは、対応する圧力アクチュエータに信号を提供して流路またはゾーン内の圧力を制御しうる。
【0110】
ゾーンが排気される場合には真空源をゾーンに連結させることができ、ゾーンが陽圧に加圧される場合には加圧源をゾーンに連結されることができる。加圧源は、加圧されるゾーンにガスを供給することができる。ガスは、空気、窒素、アルゴン、またはボンディングヘッド内の材料に対して比較的不活性である別のガスを含むことができる。
【0111】
メサ4434、8434、および9434の形状は、メサの底面図から見ると正方形であるものとして
図6、
図8および
図9に示されている。別の実施形態では、メサは、長方形(正方形を含まない)、五角形、六角形、八角形などの別の多角形形状を有してもよい。差更なる実施形態では、メサは、円形または楕円形を有してもよい。
【0112】
最も外側のランドは、それらに対応するメサの側面と同一の側面を有するものとして示されている。別の実施形態では、最も外側のランドは、その対応するメサの1以上の側面からオフセットされうる。
【0113】
装置200を使用してソース基板から移送先基板上のボンディングサイトに1組のダイを移送する方法が注目される。
図10および
図11は、
図12~
図19に関して説明した方法のプロセスフロー図を含む。図のいくつかは、方法の理解を容易にするために、1組のダイ内の特定のダイと、ボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッドとに関して説明される。このような説明は、1組のダイ内の他のダイ、およびボンディングヘッド224のアレイ内の他のボンディングヘッドにも適用される。この方法は、明示的に反対の記載がない限り、
図2~
図6に示される装置200およびその構成要素を参照して説明される。本明細書を読んだ後、当業者であれば、本方法をほとんど又は全く変更せずに、本明細書に記載されるような他のボンディングヘッドを有する他の装置に関して本方法を使用することができることを理解するのであろう。
【0114】
図12~
図19において、(1)ブリッジ220、およびブリッジ220に連結された構成要素と、(2)ベース240、およびベース240に連結された構成要素と、の間の空間は、参照番号および対応するリード線を見やすくするために大幅に誇張されている。実際には、ブリッジ220およびベース240は、図示よりも互いにかなり接近していることがある。さらに、基準226、登録ハードウェア228および258、並びに、アライメントハードウェア250は、本方法の理解を容易にするために
図12~
図19には図示されていない。
【0115】
本方法を開始する前に、ボンディングを補助するための活性化表面をダイ、移送先基板、またはその両方が有するように、ダイおよび移送先基板が準備されうる。クリーニング後、表面をプラズマ処理に曝し、脱イオン水でリンスして表面を水和させることにより、表面を活性化することができる。合理的に現実的であれば、活性化表面との接触は避けるべきである。
図12~
図19において、ダイおよび移送先基板の活性化表面は、ボンディングが行われる暗い帯として示されている。
【0116】
本方法は、
図10において、ブロック1022でソース基板をソースチャック上に搭載することと、ブロック1024で移送先基板を移送先チャック上に搭載することとを含みうる。
図12に示されるように、ピックアップヘッドキャリッジ242および移送先キャリッジ246は、ソースチャック222および移送先チャック248へのアクセスをより容易にするために移動されうる。ブロック1022および1024における動作は、どちらの順序で実行されてもよい。
【0117】
図12を参照すると、ブリッジ220に連結されたソースチャック222に連結されたソース基板(図示せず)に複数のダイ1222が取り付けられうる。ソース基板は、複数のダイ1222を保持することができ、複数のダイの全て又は一部のみが、移送先基板1248に移送される。ソース基板は、テープフレームまたはテープリールの形態であってもよい接着テープや、複数のダイ1222を保持することができる領域のマトリクスを画定する格子を有する容器などであってもよい。複数のダイは、ベース240またはベース240に連結された構成要素に面するボンディング面を有することができる。
【0118】
複数のダイ1222内の任意のダイは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィック処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、メモリダイ(例えば、レベル2またはレベル3キャッシュ、フラッシュメモリなど)、パワートランジスタダイ、パワー回路ダイ、キャパシタ、インダクタなどを含みうる。ダイは、ダイの電気回路素子の大部分または全てを有するデバイス面と、デバイス面とは反対側の裏面とを有する。
図12に示される実施形態では、複数のダイ1222内のダイの裏面が、ソースチャック222とダイのデバイス面との間に配置される。別の実装形態では、複数のダイ1222内のダイのデバイス面が、ソースチャック222とダイの裏面との間に配置される。ベース240に面するダイの面は、移送先基板1248へのハイブリッドボンディングのために活性化される。
【0119】
移送先基板1248は、ソース基板に関して説明した基板のいずれかを含むことができ、半導体ウェハ、パッケージ基板、プリント配線基板、回路基板、インターポーザなどを含みうる。マイクロ電子デバイスは、半導体ウェハなどの移送先基板1248の一部であってもよい。パッケージ基板、プリント配線基板、回路基板、またはインターポーザには、ダイが搭載されていてもよいし、搭載されていなくてもよい。移送先基板1248の面の一部または全部は、ハイブリッドボンディングのために活性化されうる。
【0120】
本方法は、
図10において、ブロック1042で複数のダイおよびピックアップヘッドのアレイに対して登録および計測を実行することを含みうる。
図2および
図12を参照すると、登録ハードウェア258は、ソース基板および複数のダイ1222がソースチャック222に連結されている間に、ソースチャック222の下を通過することができる。登録ハードウェア258からの情報は、コントローラ260またはローカルコントローラに送信され、複数のダイ1222のソースピッチを決定するために使用されうる。登録ハードウェア228は、移送先基板1248が移送先チャック248に連結されている間に、移送先チャック248の上を通過することができる。登録ハードウェア228からの情報は、コントローラ260またはローカルコントローラに送信され、移送先基板1248の移送先ピッチを決定し、移送先基板1248のボンディングサイトの移送先ピッチおよびボンディングサイトの位置を決定するために使用されうる。必要または所望であれば、当該情報は、複数のダイ1222および移送先基板1248が、ボンディングのための正しいダイおよび移送先基板であることを識別または確認するために使用されうる。
【0121】
同じまたは異なる実施形態では、本方法は、移送先基板ピッチに一致するピッチでダイを有するソースを準備することを更に含みうる。ピックアップヘッド244のアレイは、複数のダイをピックアップするように予め構成され、ボンディングヘッド224のアレイは、複数のダイを並列にボンディングするように予め構成される。したがって、ピックアップヘッドおよびボンディングヘッドのピッチを頻繁に調整する必要はない。
図10において、ピックアップヘッドのピッチがボンディングヘッドのピッチと一致する場合、ブロック1062およびブロック1066はスキップされうる。
【0122】
ピックアップヘッド244のアレイのピッチが移送サイクル中に変更される特定の実施形態では、本方法は、
図10において、ブロック1062でピックアップヘッドのアレイのピッチをソースマッチングピッチに変更することを更に含みうる。コントローラ260またはローカルコントローラは、ピックアップヘッドのアレイ244内のピックアップヘッドが調整されてソースマッチングピッチを有するように信号を送信しうる。ソースマッチングピッチは、ソースピッチと同じであってもよいし、ソースピッチの許容公差内であってもよい。
【0123】
本方法は、
図10において、ブロック1064で複数のダイから1組のダイをピックアップすることを含みうる。コントローラ260またはローカルコントローラは、
図13に示されるように、ピックアップヘッド244のアレイのピックアップヘッドがZ方向に延伸されて1組のダイ1322をピックアップするように信号を送信しうる。ピックアップされるダイは、互いに最も近いダイであってもよいし、或いは、
図13に示されるように、ピックアップされたダイの間に1以上のダイが存在していてもよい。ピックアップされなかったダイは、
図13に示されるように、ソースチャック222に連結されたままとなる。
【0124】
一実施形態では、ピックアップヘッド244のアレイは、移送されるダイの活性化表面に接触しない。ピックアップヘッド244のアレイのダイチャックは、ダイの側面に沿ってダイがピックアップされることを可能にするデザインを有することができ、当該側面は、ダイのデバイス面と裏面との間にある。
図3を参照すると、突起3448を有するダイチャック3444は、ダイの活性化表面がピックアップ面3446に接触しないように、ダイが側面によってピックアップされることを可能にしうる。別の実施形態では、ピックアップヘッド244のアレイは、ベルヌーイチャックを含んでもよい。
【0125】
本方法は、
図10において、ブロック1066でピックアップヘッドのアレイのピッチをソースマッチングピッチからボンディングヘッドマッチングピッチに変更することを更に含みうる。
図13および
図14を参照すると、ピックアップヘッド244のアレイのピッチは、ソースマッチングピッチからボンディングヘッドマッチングピッチに変更される。コントローラ260またはローカルコントローラは、ピックアップヘッド244のアレイ内のピックアップヘッドが移動して所望のピッチを達成するように信号を送信しうる。1組のダイ1322は、ピックアップヘッド244のアレイのピッチが変更されたとき、ピックアップヘッド244のアレイに連結される。ピックアップヘッド244のアレイのボンディングヘッドマッチングピッチは、ボンディングヘッド224のアレイのボンディングヘッドピッチと同じであるってもよいし、或いは、ボンディングヘッドピッチの許容公差内であってもよい。
【0126】
本方法は、
図11において、ブロック1122で1組のダイをボンディングヘッドのアレイに移送することを含みうる。
図13および
図14を参照すると、ピックアップヘッドキャリッジ242および移送先キャリッジ246は右側に移動される。ピックアップヘッドキャリッジ242は、ボンディングヘッド224のアレイがピックアップヘッド244のアレイの上にあるように移動される。
図2および
図14を参照すると、必要または所望に応じて、登録ハードウェア228、258、またはその両方は、ピックアップヘッド244のアレイがボンディングヘッド224のアレイに対して適切に位置決めされていることを確認するために使用されうる。コントローラまたはローカルコントローラは、ピックアップヘッド244のアレイ内のピックアップヘッドがボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッドに向かって延伸されるように、ボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッドがピックアップヘッド244のアレイ内のピックアップヘッドに向かって延伸されるように、または、その両方が行われるように、信号を送信しうる。
【0127】
図2、
図5、および
図6を参照すると、コントローラ260またはローカルコントローラは、ボンディングヘッド424の圧力アクチュエータ5435が圧力アクチュエータ5435を作動させて流路5425およびゾーン4465を排気するように信号を送信しうる。ゾーン4465内の真空は、1組のダイ1322内のダイを保持するのに十分でありうる。ゾーン4469は、周囲圧力またはその近傍にあってもよいし、または、ゾーン4465と同様に排気されてもよい。コントローラ260またはローカルコントローラは、圧力アクチュエータ5439を作動させてゾーン4469の所望の圧力(真空、或いは、周囲圧力またはその近傍)を達成するように信号を送信しうる。
【0128】
図14は、1組のダイ1322がピックアップヘッドのアレイ244からボンディングヘッドのアレイ224に移送された後の1組のダイ1322を含む。
図15は、ボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッドによって保持される1組のダイ1322内の特定のダイ1522を含む。
図15は、前述の特徴の多くを含む。ダイチャック本体4432、シール部材4422、ボンディングヘッド本体4412、およびボンディングヘッド424のそれらに対応する流路およびアクチュエータが存在するが、本明細書で説明する概念の理解を容易にするために
図15~
図17には図示されていない。
【0129】
本方法は、
図11において、ブロック1142でボンディングヘッドのアレイによって保持されている間に1組のダイを湾曲させることを更に含みうる。データは、どの程度の加圧が使用されるべきかを決定するのに有用でありうる。例えば、ダイがより大きな面積(X方向およびY方向の寸法)を占め且つより薄い(Z方向の寸法)場合、より小さな面積を占め且つより厚いダイと比較して、ダイを湾曲させるために必要な圧力はより少なくなる。ダイがバッキングプレートに取り付けられる場合、ダイとバッキングプレートの合計厚さが使用されうる。ダイ単独、或いは、ダイとそれらの対応するバッキングプレートとの組合せの厚さは、20ミクロン~700ミクロンの範囲、または、20ミクロン~300ミクロンの範囲にありうる。本明細書に記載された方法は、最大で100ミクロンの厚さによく適している。データは、多くの異なるダイの面積および厚さについて得られうる。メモリ162、或いは、装置200の外部のテーブルまたはデータベースは、ダイの異なる面積および厚さと、ダイの十分な湾曲を可能にするために使用する陽圧または陽圧の範囲とを相関させるデータを有することができる。情報は、生産にデータを使用する前に収集された経験的データとすることができる。
【0130】
図2、
図5、
図6、および
図16を参照すると、コントローラ260またはローカルコントローラは、圧力アクチュエータ5439が作動されて加圧ガスが流路5429およびゾーン4469内の圧力を増加させることを可能にするように信号を送信する。圧力センサ5459は、コントローラ260またはローカルコントローラが圧力を目標圧力に又はその許容公差内にあるように制御することができるように、流路5429内の圧力を感知してコントローラ260またはローカルコントローラに信号を送信することができる。ゾーン4469内の圧力が増加するにつれて、ダイは、ボンディングヘッド424から離れて、ベース240、或いは、ベース240に連結された構成要素または移送先基板1248(
図14参照)に向かって湾曲する。
図16は、1組のダイ1322からの特定のダイ1522を示す。1組のダイ1322内の他のダイは、特定のダイ1522と同様の湾曲形状を有することができる。
【0131】
本方法は、
図11において、ブロック1144でダイが湾曲している間にダイとボンディングサイトとを接触させることを含みうる。
図2、
図4、
図5、および
図17を参照すると、ボンディングヘッド224のアレイ内のボンディングヘッドは移送先基板1248に向かって延伸され、移送先チャック248はボンディングヘッド224のアレイに向かって延伸され、または、その両方が行われうる。
図17に示されるように、特定のダイ1522の外面は、
図1に示されるダイ122の外面と比較して、より滑らかでギザギザが少ない。したがって、ボンディング中に特定のダイ1522と移送先基板1248との間に空気が閉じ込められる可能性は、
図1においてダイ122と基板148との間に空気が閉じ込められる可能性よりも実質的に低い。
【0132】
本方法は、
図11において、ブロック1146で1組のダイを移送先基板の対応するボンディングサイトにボンディングすることを更に含みうる。
図2、
図4、
図5、および
図18を参照すると、ボンディングヘッド224のアレイのボンディングヘッドは移送先基板1248に向かって更に延伸され、移送先チャック248はボンディングヘッド224のアレイに向かって延伸され、または、その両方が行われうる。圧力は、1組のダイ1322を移送先基板1248の対応するボンディングサイトにボンディングするために加えられる。一実施形態では、ボンディングは、酸化物-酸化物接合でありうる。ボンディング中の圧力は、0.5N/cm
2~20N/cm
2の範囲内でありうる。コントローラ260またはローカルコントローラは、ボンディングヘッド224、移送先チャック248、またはその両方のアレイをZ方向に駆動してボンディング圧力を達成するために使用されうるモータ、油圧、または別の機械的構成要素に信号を送信しうる。ボンディング中、必要または所望に応じて、ゾーン4469内の圧力は、ボンディング中に、
図18に示される特定のダイ1522を含む1組のダイ1322の表面に沿ってより均一な圧力を可能にするために、モータ、液圧、または他の機械的構成要素によって加えられる圧力またはその公差内にある陽圧になりうる。別の実施形態では、ゾーン4469内の圧力は、周囲圧力またはその近傍でありうる。同じまたは異なる実施形態では、ゾーン4465内の圧力は、真空圧力に留まっていてもよいし、周囲圧力またはその近傍、或いは、ゾーン4469内と実質的に同じ圧力であってもよい。
【0133】
ボンディングは、室温(例えば、20℃~25℃の範囲の温度)以上で行われうる。ボンディングは、ダイ内およびボンディングサイトで導電性金属を膨張させるために、後続のアニールよりも低い温度で行われる。温度は、ボンディング中に存在するフィルムまたは装置200内の構成要素に応じて制限されうる。例えば、温度は、約200℃以下であってもよい。本明細書を読んだ後、当業者であれば、ボンディングのために使用される圧力および温度を決定することができるであろう。
図19は、1組のダイ1322が移送先基板1248の対応するボンディングサイトにボンディングされた後の装置200の断面図を含む。本方法におけるこの時点で、1つの移送サイクルが完了する。
【0134】
図11において、判定ダイヤモンド1162で、追加のダイをソース基板から移送先基板に移送するか否かの判定が行われる。追加のダイを移送する場合(「YES」分岐)、本方法は、別の移送サイクル中において次の1組のダイを移送することを伴う
図10のブロック1062で開始し続ける。本方法は、移送先基板1248が所望の数のダイを有するために必要な回数だけ繰り返される。それ以上移送されるダイがない場合(
図11の決定ダイヤモンド1162からの「NO」分岐)には、移送動作が完了し、ダイを移送する本方法が終了する。
【0135】
ハイブリッドボンディングプロセスは、ボンディング動作と、ダイ内および移送先のボンディングサイトの金属を互いに膨張および接触させる第1アニールと、金属原子を金属-金属界面を横断させて接触抵抗を低減させる任意の第2アニールとを含む3つのステップを含みうる。前述の方法は、ボンディング動作に対応する。
【0136】
全ての移送サイクルが実行されて移送動作が完了した後、移送先基板1248および対応するボンディングされたダイは、180℃~400℃の範囲の温度でアニールされうる。一実施形態では、アニールは、1以上の温度で実行されうる。導電性金属の温度が増加すると、導電性金属は膨張する。移送先基板1248内の電気構成要素内の導電性金属は、ボンディングされたダイ内の導電性金属と接触して、導電性材料間の物理的および電気的結合を形成する。必要または所望に応じて、導電性金属からの原子が移送先基板1248内の電気構成要素とボンディングされたダイとの間の界面を横断して接触抵抗を低減させることができるように、アニール温度を更に上昇させることができる。一実施形態では、物理的および電気的結合は、物理的および電気的接続とすることができる。したがって、ボンディングされたダイおよび移送先基板1248内の1組の電気構成要素は、ボンディングされたダイと1組の電気構成要素との間を電圧が通過して電流が流れることを可能にしうる。移送先基板1248は、アニール動作を実行するために、装置200から取り外され、または、装置200の異なる部分または異なるツールに移動されうる。
【0137】
前述した方法は、他のダイチャックでも使用することができる。
図6、
図8、および
図9は、ボンディングヘッド224のアレイを有するボンディングヘッドに異なるダイチャックが使用されうることを示している。前述した方法は、
図6のダイチャック4430に適用可能であり、
図8のメサ8434および他の特徴を有するダイチャック、並びに、
図9のメサ9434および他の特徴を有するダイチャックに使用されうる。他の方法がダイチャックに使用されてもよい。
【0138】
図8および
図20を参照すると、ダイチャックは、ゾーン8463、8465、8467、および8469を画定するランド8452、8454、8456、および8458に連結されたメサ8434を有することができる。ゾーン8463、8465、8467、および8469の各々は、対応する流路8433、8435、8437、または8439を有する。ゾーン8463、8465、および8467は、それぞれ、対応するセンサ8473、8475、および8477を有する。ゾーン8469は、対応するセンサを有していても有していなくてもよいし、ボンディングヘッド内の別の位置にあってもよい。
図8と比較して、
図20の特徴のいくつかは、ダイチャックを使用するときの方法の理解を向上させるために、異なる位置で示されている。
図20は、マルチゾーンデザインを含むダイチャックを有するボンディングヘッドによって特定のダイ1522が保持されているときの特定のダイ1522を含む。各ゾーンのセンサの数は、特に光または近接センサが使用されるとき、
図8および
図20に示されるものよりも多くなりうる。
【0139】
前述したように、装置200で使用されうるダイに関する情報は、メモリ262内に、或いは、装置の外部のテーブルまたはデータベース内に記憶されうる。ソース基板から移送先基板に移送されるダイの部品番号または他の識別子またはX方向およびY方向の寸法は、コントローラ260またはローカルコントローラによって、または、そこへの入力によって取得されうる。そのような情報は、どのゾーンがダイによってカバーされ、どのゾーンがダイによってカバーされないかを決定するために、コントローラ260またはローカルコントローラによって使用されうる。
図20を参照すると、特定のダイ1522がボンディングヘッドによって保持される前であっても、コントローラ260またはローカルコントローラは、ゾーン8463が特定のダイ1522によって覆われず、ゾーン8465、8467、および8469が特定のダイ1522によって覆われるという情報を有することができる。
【0140】
或いは、装置200は、特定のゾーンがダイによって覆われているか否かを自動的に決定することができる。センサ8473、8475、および8477は、ゾーン8463、8465、および8467のいずれが覆われているかを感知するために使用されうる。
図20を参照すると、センサが光を感知する場合、センサ8473は、かなりの量の光が感知されたという信号をコントローラ260またはローカルコントローラに送信することができ、センサ8475および8477は、光が感知されないか、または僅かな量の光が感知されたという信号をコントローラ260またはローカルコントローラに送信することができる。センサが近接センサである場合、センサ8473は、物体が存在しないという信号をコントローラ260またはローカルコントローラに送信することができ、センサ8475および8477は、物体が検出されたという信号をコントローラ260またはローカルコントローラに送信することができる。
【0141】
センサが圧力センサである場合、コントローラまたはローカルコントローラは、流路8433、8435、および8437内に連結された圧力アクチュエータを作動させて流路8433、8435、および8437内に真空を引き込むように信号を送信しうる。センサ8473は、ゾーン8463内の圧力が周囲圧力またはその近傍にあることを感知することができ、センサ8475および8477は、ゾーン8465および8467内の圧力が周囲圧力よりも実質的に低いことを感知することができる。センサ8473、8475、および8477は、ゾーン8463、8465、および8467内の圧力に関する信号をコントローラ260またはローカルコントローラに送信することができる。別の実施形態では、センサは、ダイチャックの外側にあり、流路に沿った更に上流で使用されうる。例えば、
図5を参照すると、圧力センサ5459は、流路4439およびゾーン4469に対応する圧力を感知するために使用されうる。同様の圧力センサは、流路8433、8435、および8437内の圧力を感知するために使用されうる。
【0142】
コントローラ260またはローカルコントローラは、センサ8473、8475、および8477から情報を受信し、特定のダイ1522がゾーン8463を覆わず且つゾーン8465および8467を覆うことを判断することができる。本方法の感知段階中に流路8433の圧力アクチュエータが作動した場合、コントローラ260またはローカルコントローラは、特定のダイ1522を移送先基板1248にボンディングし続ける前に、ゾーン8463に対応する圧力アクチュエータを非作動にするための信号を送信することができる。
【0143】
図21を参照すると、特定のダイ1522は、以前の実装と同様に湾曲されうる。ゾーン8465は、特定のダイ1522を保持するために真空下に留まりうる。コントローラ260またはローカルコントローラは、流路8437がもはや真空源に連結されないように、流路8437に連結された圧力アクチュエータを非作動にするための信号を送信しうる。コントローラ260またはローカルコントローラは、圧力アクチュエータ5439(
図5)が流路8439を加圧してゾーン8469内の圧力を増加させ、特定のダイ1522を湾曲させるように信号を送信しうる。特定のダイ1522が湾曲するにつれて、特定のダイ1522はもはやランド8458と接触しなくなり、ゾーン8467はゾーン8469と流体連通する。
【0144】
一実装形態では、コントローラ260またはローカルコントローラは、流路8437および8439に連結された圧力アクチュエータが作動してゾーン8467および8469を加圧するように信号を送信しうる。別の実装形態では、ゾーン8467はフロートすることができ、これは、ゾーン8467が流路8437の上流の圧力アクチュエータによって制御されないが、特定のダイ1522がもはやランド8458に接触しなくなった後にゾーン8469からのガスがゾーン8467に流入するにつれて、ゾーン8467がゾーン8469内の圧力またはそれぞれに近い圧力になることを意味する。フロートを伴う別の特定の実施形態では、コントローラ260またはローカルコントローラは、湾曲が開始する前にゾーン8467が周囲圧力に達するかまたは近づくことを可能にするために、流路8437に連結された圧力アクチュエータを起動することができる。これは、湾曲の開始中、および、特定のダイ1522がもはやランド8458に接触しなくなる前に、ゾーン8467とゾーン8469との間の圧力差を低減するのを助けることができる。ゾーン8467をフロートさせることは、流路8437および8439内の圧力を保つことが困難でありうるため、流路8437の上流の圧力アクチュエータを使用することよりも有利でありうる。
【0145】
本方法は、前述したように、特定のダイ1522をボンディング圧力で移送先基板1248にボンディングすることを更に含みうる。
図22は、移送先基板1248への特定のダイ1522のボンディング中の図を含む。ゾーン8465、8467、および8469は、
図18に関してボンディングについて説明した圧力のいずれかでありうる。ゾーン8465、8467、および8469は、ボンディング中に互いに比較して同じまたは異なる圧力を有しうる。
【0146】
図23および
図24は、
図9に図示および説明したように、メサ9434およびピン9461を使用したダイチャックを使用したボンディングを示す。一実施形態では、ランド4452および4454、並びにピン9461の遠位表面が同じ高さにありりる。
図4~
図6に示されるように、メサ9434およびピン9461がメサ4434に置き換わることを除いて、本方法は装置200に関して説明される。
図2、
図4~
図6、および
図23において、コントローラ260またはローカルコントローラは、圧力アクチュエータ5435が作動して流路4415、4425、および4435、並びにゾーン4465を含む流路5425を排気するように信号を送信しうる。コントローラ260またはローカルコントローラは、圧力アクチュエータ5439が作動して流路4419、4429、および4439、並びにゾーン4469を含む流路5429に加圧ガス流すように信号を送信しうる。ゾーン4469は、陽圧であり、特定のダイ1522を湾曲させてピン9461から離隔させる。他の実施形態と同様に、特定のダイ1522の中心が最初に移送先基板1248に接触する。
【0147】
本方法は、前述したように、特定のダイ1522をボンディング圧力で移送先基板1248にボンディングすることを更に含みうる。
図24を参照すると、ボンディング中、ランド4452および4454の遠位表面、並びに、ピン9461の遠位表面は、特定のダイ1522に接触する。ランド4452および4454とピン9461との組合せは、特定のダイ1522の表面に沿って圧力をより均一に分配することができる。ゾーン4465および4469のいずれかまたは両方は、周囲圧力、ランド4452および4454並びにピン9461によって特定のダイ1522に加えられる圧力に対応する陽圧、またはそのような圧力の間の圧力でありうる。
【0148】
図8または
図9のデザインに対応するダイチャックを使用する移送動作に続いて、ボンディングされたダイと移送先基板内の1組の電気構成要素との間の電気的結合を完了させるように、前述したようなアニール動作が実行されうる。
【0149】
装置および装置を使用する方法は、ハイブリッドボンディング技術を使用するときに移送先基板と移送先基板にボンディングされたダイとの間の界面に沿ってボイドが形成される可能性を低減するのを助けることができる。移送先基板にボンディングされているダイは、加圧ガスによって湾曲し、移送先基板と最初に接触するダイの表面に沿って、より緩やかな曲率を可能にする。ダイの表面は、
図1に見られるように、ギザギザの表面を有する可能性が低い。したがって、装置および方法は、ダイと移送先基板との間に空気が閉じ込められる可能性を低くする。ダイと移送先基板との間のオーバーレイ誤差が低減される。
【0150】
ボンディングヘッド本体に連結されたダイチャックのメサ、ランド、およびピンには、様々なデザインを使用することができる。
図5および
図6に示されるデザインは、同様の領域を占めるダイに対して良好に機能する比較的単純なデザインを可能にする。
図8に示されるデザインは、異なるサイズを有するダイに使用するされうる複数のゾーンを有する。したがって、ダイチャックは、
図5および
図6のデザインと比較して、頻繁に変更する必要がない可能性がある。
図9に示されるデザインは、ランドに加えてピンを有する。ピンは、ピンのない同じデザインと比較して、ゾーンが排気されるときにダイがゾーン内に引き込まれるのを防ぐのを助けることができる。さらに、ピンは、ボンディング動作を助けるために、ダイの側面への接触を提供するのを助けることができる。
【0151】
一般的な説明において上述した動作または実施例の全てが必要とされるわけではなく、特定の動作の一部が必要でない場合があること、および、説明したものに加えて1以上の更なる動作が実行されうることに留意されたい。さらに、動作が列挙される順序は、必ずしもそれらが実行される順序ではない。
【0152】
利益、他の利点、および問題に対する解決策は、特定の実装に関して上述されている。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、並びに、任意の利益、利点、または解決策を生じさせるか、またはより顕著にしたりしうる任意の特徴は、特許請求の範囲のいずれかまたは全ての重要な、必要な、または本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0153】
本明細書で説明される実施形態の明細書および図面は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を与えることを意図している。本明細書および図面は、本明細書に記載された構造または方法を使用する装置およびシステムの要素および特徴の全てを網羅的かつ包括的に説明するものではない。別個の実施形態は、単一の実施形態において組み合わせて提供することもでき、逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は、別個に、または任意のサブコンビネーションで提供することもできる。さらに、範囲で記載された値への言及は、その範囲内の各々および全ての値を含む。当業者には、本明細書を読んだ後で初めて、多くの他の実施形態が明らかになりうる。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的置換、論理的置換、または別の変更が行われうるように、他の実施形態が使用され、本開示から導出されうる。したがって、本開示は、限定的ではなく例示的であると見なされるべきである。