IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェイディーエス ユニフェイズ コーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173711
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】フォトニック伝送構造
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/01 20060101AFI20241205BHJP
   G02B 6/122 20060101ALI20241205BHJP
   G02B 6/12 20060101ALI20241205BHJP
   G02B 6/132 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G02F1/01 C
G02B6/122
G02B6/12 371
G02B6/132
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024077167
(22)【出願日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】63/505,225
(32)【優先日】2023-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/625,697
(32)【優先日】2024-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502151820
【氏名又は名称】ヴァイアヴィ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Viavi Solutions Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100147692
【弁理士】
【氏名又は名称】下地 健一
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ディー フック
【テーマコード(参考)】
2H147
2K102
【Fターム(参考)】
2H147AB02
2H147AB03
2H147CD12
2H147EA02A
2H147EA10A
2H147EA12A
2H147EA12C
2H147EA13B
2H147EA13C
2H147EA14B
2H147EA14C
2H147EA18B
2H147EA25B
2H147FA09
2K102BA02
2K102BA19
2K102BA31
2K102BC01
2K102CA30
2K102DD03
2K102DD10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電子集積回路が電子を処理及び伝送する方法と同様にして光(例えば、光子)を伝送することができる複雑なフォトニック回路を提供する。
【解決手段】いくつかの実施態様では、フォトニック伝送構造100は、第1クラッド構造104と、第1クラッド構造の上に配置された第1活性構造106と、第1活性構造の上に配置された第2クラッド構造108とを含む。第1活性構造は、チタンであるカチオンを含む酸化物溶液を少なくとも含む。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトニック伝送構造であって、
第1クラッド構造と、
該第1クラッド構造の上に配置された第1活性構造と、
該第1活性構造の上に配置された第2クラッド構造と
を備え、前記第1活性構造は、チタンであるカチオンを含む酸化物溶液を少なくとも含む、フォトニック伝送構造。
【請求項2】
請求項1に記載のフォトニック伝送構造において、前記第1活性構造は、
チタンであるカチオンを含む二元系酸化物溶液、
チタンであるカチオンを含む三元系酸化物溶液、
チタンであるカチオンを含む四元系酸化物溶液、及び
チタンであるカチオンを含む五元系酸化物溶液
の少なくとも1つを含む、フォトニック伝送構造。
【請求項3】
請求項1に記載のフォトニック伝送構造において、前記第1活性構造は、
酸化タンタルチタン溶液、
酸窒化チタン溶液、及び
酸窒化タンタルチタン溶液
の少なくとも1つを含む、フォトニック伝送構造。
【請求項4】
請求項1に記載のフォトニック伝送構造において、前記第1活性構造は、
酸化アルミニウムチタン溶液、
酸化ストロンチウムチタン溶液、
酸化ストロンチウムアルミニウムチタン溶液、
酸化アルミニウムタンタルチタン溶液、
窒化チタン酸化アルミニウム溶液、
酸化ストロンチウムタンタルチタン溶液、
窒化チタン酸化ストロンチウム溶液、
窒化チタン酸化アルミニウムタンタル溶液、
窒化チタン酸化ストロンチウムタンタル溶液、
窒化チタン酸化ストロンチウムアルミニウム溶液、
酸化ストロンチウムアルミニウムタンタルチタン溶液、
窒化チタン酸化ストロンチウムアルミニウムタンタル溶液、及び
酸化バナジウムチタン溶液
の少なくとも1つを含む、フォトニック伝送構造。
【請求項5】
請求項1に記載のフォトニック伝送構造において、
前記第2クラッド構造の上に配置された第2活性構造と、
該第2活性構造の上に配置された第3クラッド構造と
をさらに備えた、フォトニック伝送構造。
【請求項6】
請求項5に記載のフォトニック伝送構造において、前記第2活性構造は、
チタンであるカチオンを含む酸化物溶液、
アモルファスシリコン(a-Si)材料、
水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)材料、
窒化物系材料、
酸化物系材料、
金属材料、及び
半導体材料
の少なくとも1つを含む、フォトニック伝送構造。
【請求項7】
請求項5に記載のフォトニック伝送構造において、前記第2活性構造の少なくとも一部は、前記第1活性構造のエバネッセント場内に位置決めされる、フォトニック伝送構造。
【請求項8】
請求項5に記載のフォトニック伝送構造において、前記第1クラッド構造、前記第2クラッド構造、及び前記第3クラッド構造のそれぞれは、
二酸化ケイ素材料、
高分子材料、及び
空気クラッド
の少なくとも1つを含む、フォトニック伝送構造。
【請求項9】
光学デバイスであって、
複数のフォトニック伝送構造を備え、
該複数のフォトニック伝送構造のうちの第1フォトニック伝送構造が前記複数のフォトニック伝送構造のうちの第2フォトニック伝送構造上に配置され、
前記複数のフォトニック伝送構造の各フォトニック伝送構造が、
第1クラッド構造と、
該第1クラッド構造の上に配置された第1活性構造と、
該第1活性構造の上に配置された第2クラッド構造と、
該第2クラッド構造の上に配置された第2活性構造と、
該第2活性構造の上に配置された第3クラッド構造と
を含み、前記第1活性構造及び前記第2活性構造の少なくとも一方が、チタンであるカチオンを含む酸化物溶液を少なくとも含む、光学デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載の光学デバイスにおいて、前記第1フォトニック伝送構造の向きが、前記第2フォトニック伝送構造の向きに一致し、且つ
前記第1フォトニック伝送構造の底面が、前記第2フォトニック伝送構造の上面上に配置される、光学デバイス。
【請求項11】
請求項9に記載の光学デバイスにおいて、前記第1活性構造は、
酸化タンタルチタン溶液、
酸窒化チタン溶液、及び
酸窒化タンタルチタン溶液
の少なくとも1つを含む、光学デバイス。
【請求項12】
請求項9に記載の光学デバイスにおいて、前記第2活性構造は、
チタンであるカチオンを含む酸化物溶液、
アモルファスシリコン(a-Si)材料、
水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)材料、
窒化物系材料、
酸化物系材料、
金属材料、及び
半導体材料
の少なくとも1つを含む、光学デバイス。
【請求項13】
請求項9に記載の光学デバイスにおいて、前記第1活性構造の少なくとも一部は、前記第2活性構造のエバネッセント場内に位置決めされる、光学デバイス。
【請求項14】
請求項9に記載の光学デバイスにおいて、前記第1活性構造は、100ナノメートル(nm)~2000nmの範囲の実質的に均一な厚さを有する、光学デバイス。
【請求項15】
光学デバイスを形成する方法であって、
第1クラッド構造を形成するステップと、
前記第1クラッド構造の上に第1活性構造を形成するステップと、
前記第1活性構造の上に第2クラッド構造を形成するステップと、
前記第2クラッド構造の上に第2活性構造を形成するステップと、
前記第2活性構造の上のうえに第3クラッド構造を形成するステップと
を含み、前記第1活性構造は、第1スパッタリングプロセスを用いて形成され、
前記第2活性構造は、第2スパッタリングプロセスを用いて形成され、
前記第1クラッド構造、前記第2クラッド構造、及び第3クラッド構造は、それぞれが第3スパッタリングプロセスを用いて形成され、且つ
前記第1活性構造及び前記第2活性構造の少なくとも一方は、チタンであるカチオンを含む酸化物溶液を少なくとも含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、
前記第1活性構造及び前記第2活性構造の一方は、
酸化タンタルチタン溶液、
酸窒化チタン溶液、及び
酸窒化タンタルチタン溶液
の少なくとも1つを含み、前記第1活性構造及び前記第2活性構造の他方は、
酸化タンタルチタン溶液、
酸窒化チタン溶液、
酸窒化タンタルチタン溶液、
アモルファスシリコン(a-Si)材料、
水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)材料、
窒化物系材料、
酸化物系材料、
金属材料、及び
半導体材料
の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法において、前記第1スパッタリングプロセス及び前記第2スパッタリングプロセスの少なくとも一方に関連する処理温度が、処理温度閾値を満たし、
該処理温度閾値は、摂氏200度以下である、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法において、
前記第3クラッド構造の上に第3活性構造を形成するステップをさらに含み、
前記第3活性構造は、前記第1活性構造と少なくとも同一の材料又は溶液を含み、且つ
前記第3活性構造は、前記第1スパッタリングプロセスを用いて形成される、方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法において、前記第1スパッタリングプロセスに関連する処理温度が、処理温度閾値を満たし、
該処理温度閾値は、前記第1活性構造及び前記第2活性構造の各光学的挙動への影響に関連する温度未満である、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法において、前記第1活性構造及び前記第2活性は第1フォトニック伝送構造に含まれ、前記第3活性構造は第2フォトニック伝送構造に含まれる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、2023年5月31日に出願された「フォトニック伝送構造」と題する米国仮特許出願第63/505,225号の優先権を主張し、その内容の全体を参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
集積フォトニクスは、導波路及び他のフォトニック素子を基板表面上に集積構造として作製するフォトニクスの一分野である。例えば、光集積回路(PIC)は、半導体グレード材料(例えば、ケイ素、リン化インジウム、二酸化ケイ素又は窒化ケイ素等の誘電体等)をプラットフォームとして用いて、アクティブ及びパッシブフォトニック回路を電子コンポーネントと共に単一のチップ上に集積することができる。集積の結果として、複雑なフォトニック回路が、電子集積回路が電子を処理及び伝送する方法と同様にして光(例えば、光子)を伝送することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
いくつかの実施態様では、フォトニック伝送構造が、第1クラッド構造と、第1クラッド構造の上に配置された第1活性構造と、第1活性構造の上に配置された第2クラッド構造とを含み、第1活性構造は、チタンであるカチオンを含む酸化物溶液を少なくとも含む。
【0004】
いくつかの実施態様では、光学デバイスが、複数のフォトニック伝送構造を含み、複数のフォトニック伝送構造のうちの第1フォトニック伝送構造が複数のフォトニック伝送構造のうちの第2フォトニック伝送構造上に配置され、複数のフォトニック伝送構造の各フォトニック伝送構造が、第1クラッド構造と、第1クラッド構造の上に配置された第1活性構造と、第1活性構造の上に配置された第2クラッド構造と、第2クラッド構造の上に配置された第2活性構造と、第2活性構造の上に配置された第3クラッド構造とを含み、第1活性構造及び第2活性構造の少なくとも一方が、チタンであるカチオンを含む酸化物溶液を少なくとも含む。
【0005】
いくつかの実施態様では、光学デバイスを形成する方法が、第1クラッド構造を形成するステップと、第1クラッド構造の上に第1活性構造を形成するステップと、第1活性構造の上に第2クラッド構造を形成するステップと、第2クラッド構造の上に第2活性構造を形成するステップと、第2活性構造の上に第3クラッド構造を形成するステップとを含み、第1活性構造は第1スパッタリングプロセスを用いて形成され、第2活性構造は第2スパッタリングプロセスをも落ちいて形成され、第1クラッド構造、第2クラッド構造、及び第3クラッド構造は、それぞれが第3スパッタリングプロセスを用いて形成され、第1活性構造及び第2活性構造の少なくとも一方が、チタンであるカチオンを含む酸化物溶液を少なくとも含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】本明細書に記載のフォトニック伝送構造例の図である。
図1B】本明細書に記載のフォトニック伝送構造例の図である。
図1C】本明細書に記載のフォトニック伝送構造例の図である。
図2A】本明細書に記載の光学デバイス例の図である。
図2B】本明細書に記載の光学デバイス例の図である。
図2C】本明細書に記載の光学デバイス例の図である。
図3】本明細書に記載の光学デバイスの形成に関するプロセス例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の例示的な実施態様例の詳細な説明は、添付図面を参照する。異なる図で同じ参照符号は、同一又は同様の要素を特定し得る。
【0008】
多くの場合、従来のPICの光学構造は、窒化ケイ素層(例えば、屈折率2~2.5)、ケイ素層(例えば、屈折率3.9)、及び/又は1つ又は複数の二酸化ケイ素層(例えば、屈折率1.5未満)を含む。通常、窒化ケイ素層、ケイ素層、及び/又は1つ又は複数の二酸化ケイ素層は、処理温度が高い(例えば、摂氏300度(℃)を超える処理温度の)プラズマ化学気相成長(PECVD)等の従来の堆積プロセスを用いて形成される。その結果、処理温度が高いので、従来の堆積プロセスを用いて既に形成されている光学構造の上に追加の光学構造を形成すると、既に形成されている光学構造の窒化ケイ素層及び/又はケイ素層の光学的挙動が影響を受ける可能性がある(例えば、高い処理温度が窒化ケイ素層及び/又はケイ素層に損傷を与え得る)。したがって、従来の堆積プロセスを用いてロバストな3次元PIC(例えば、垂直方向に積層された光学構造を含む)を形成することができない。
【0009】
本明細書に記載のいくつかの実施態様は、チタンであるカチオンを含む酸化物溶液を少なくとも含む活性構造を含むフォトニック伝送構造を提供する。チタンであるカチオンを少なくとも含む酸化物溶液は、チタンであるカチオンを含む二元系酸化物溶液、チタンであるカチオンを含む三元系酸化物溶液、チタンであるカチオンを含む四元系酸化物溶液、及びチタンであるカチオンを含む五元系酸化物溶液(等)の少なくとも1つを含み得る。例えば、活性構造は、屈折率が2.5以下で消衰係数が約0であり得る酸化タンタルチタン溶液及び酸窒化チタン溶液の少なくとも一方を含み得る。したがって、チタンであるカチオンを含む酸化物溶液は、窒化ケイ素と同様の屈折率を提供し且つ光損失を抑えつつも窒化ケイ素層の代わりに用いることができる。チタンであるカチオンを含む酸化物溶液は、窒化ケイ素よりもアドレス可能な波長空間を大きくすることもできる。
【0010】
いくつかの実施態様では、活性構造は、低い動作温度(例えば、200℃以下の動作温度及び/又は従来の堆積プロセスに関連する動作温度)でのスパッタリングプロセスを用いて形成され得る。さらに、いくつかの実施態様では、フォトニック伝送構造は、それぞれ低い動作温度でのスパッタリングプロセス及び/又は1つ又は複数の追加のスパッタリングプロセスを用いて形成され得る、1つ又は複数のクラッド構造及び/又は追加の活性構造を含み得る。したがって、スパッタリングプロセス及び/又は1つ又は複数の追加のスパッタリングプロセスを用いて、既に形成されているフォトニック伝送構造の上に追加のフォトニック伝送構造を形成する(例えば、PIC等の光学デバイスを形成する)ことで、高い動作温度での従来の堆積プロセスを用いた場合に可能となるよりも、既に形成されている光学構造の活性構造の光学的挙動に影響が及ぶ可能性が低くなる(例えば、低い処理温度は活性構造に損傷を与える可能性が低い)。
【0011】
さらに、スパッタリングプロセスは、活性構造のためのチタンであるカチオンを含む高品質の酸化物溶液の形成を可能にするので、安定化材(例えば、ニオブを含む材料)を活性構造に含める必要がない。したがって、チタンであるカチオンを含む酸化物溶液を少なくとも含む(安定化材を含まない)活性構造の場合、フォトニック伝送構造では、(例えば、安定化材を含む活性構造と同様のフォトニック伝送構造に比べて)性能の向上が得られる。このように、ニオブであるカチオンを含む無アルカリ酸化物溶液等の材料を、活性構造に含める必要がない。さらに、活性構造は、捕捉された水素又はダングリングボンドがない等の十分に反応した酸化物溶液(例えば、チタンであるカチオンを含む)を含むことができるので、活性構造が環境水又は酸素に曝されることにより影響を受ける可能性が低くなる。
【0012】
したがって、スパッタリングプロセス及び/又は1つ又は複数の追加のスパッタリングプロセスを用いて、ロバストな三次元光学デバイス(例えば、垂直方向に積層されたフォトニック伝送構造を備える)を形成することができる。さらに、スパッタリングプロセス及び/又は1つ又は複数の追加のスパッタリングプロセスを用いると、フォトニック伝送構造の活性構造、1つ又は複数のクラッド構造、及び/又は追加の活性構造が実質的に均一な厚さを有するようになることで、フォトニック伝送構造の性能及び/又は信頼性が向上する。
【0013】
図1A図1Cは、本明細書に記載のフォトニック伝送構造例100、120、及び150の図である。フォトニック伝送構造は、例えば、光論理ゲート、周波数コム、光増幅器、及び/又は光変調器であり得る。図1A図1Cに示すように、各フォトニック伝送構造は、基板と、基板の上に形成された活性構造及び/又はクラッド構造の特定の構成とを含み得る。本明細書に記載の実施態様は、フォトニック伝送構造を対象とするが、考えられる実施態様には、非線形光学に関連して用いることができる任意の光学構造も含まれる。
【0014】
図1Aに示すように、フォトニック伝送構造100は、基板102、第1クラッド構造104、活性構造106、及び/又は第2クラッド構造108を含み得る。基板102は、図1Aに示す他の層及び/又は構造がその上に形成される基板を含み得る。基板102は、ガラス基板、ケイ素(Si)基板、又はゲルマニウム(Ge)基板等の透過性基板であり得る。いくつかの実施態様では、基板102は、屈折率閾値を満たす(例えば、屈折率閾値以下の)屈折率を有し得る。例えば、屈折率閾値は1.6以下であり得る。
【0015】
第1クラッド構造104は、基板102の上に配置され得る。例えば、第1クラッド構造104は、基板102の表面(例えば、基板102の上面)上に(例えば直接)、又は基板102と第1クラッド構造104との間の1つ又は複数の介在層又は構造上に配置され得る。第1クラッド構造104は、光を(例えば、活性構造106内に)閉じ込めるよう構成され得る。いくつかの実施態様では、第1クラッド構造は、例として特に、酸化物材料(例えば、二酸化ケイ素(SiO)材料)、高分子材料(例えば、シロキサンポリマー材料)、又は空気クラッドを少なくとも含み得る。
【0016】
活性構造106は、第1クラッド構造104及び/又は基板102の上に配置され得る。例えば、活性構造106は、第1クラッド構造104の表面(例えば、第1クラッド構造104の上面)上に(例えば直接)、又は第1クラッド構造104と活性構造106との間の1つ又は複数の介在層又は構造上に配置され得る。フォトニック伝送構造100が第1クラッド構造104を含まない場合、活性構造106は、基板102の表面(例えば、基板102の上面)上に(例えば直接)、又は基板102と活性構造106との間の1つ又は複数の介在層又は構造上に配置される。活性構造106は、光を透過及び/又は発生するよう構成され得る。いくつかの実施態様では、活性構造106は、チタンであるカチオンを含む酸化物溶液を少なくとも含み得る。チタンであるカチオンを含む無アルカリ酸化物溶液は、チタンであるカチオンを含む二元系酸化物溶液、チタンであるカチオンを含む三元系酸化物溶液、チタンであるカチオンを含む四元系酸化物溶液、及びチタンであるカチオンを含む五元系酸化物溶液(等)の少なくとも1つを含み得る。例えば、活性構造106は、酸化タンタルチタン溶液、酸窒化チタン溶液、及び酸窒化タンタルチタンの少なくとも1つを含み得る。別の例として、活性構造106は、酸化アルミニウムチタン溶液、酸化ストロンチウムチタン溶液、酸化ストロンチウムアルミニウムチタン溶液、酸化アルミニウムタンタルチタン溶液、窒化チタン酸化アルミニウム溶液、酸化ストロンチウムタンタルチタン溶液、窒化チタン酸化ストロンチウム溶液、窒化チタン酸化アルミニウムタンタル溶液、窒化チタン酸化ストロンチウムタンタル溶液、窒化チタン酸化ストロンチウムアルミニウム溶液、酸化ストロンチウムアルミニウムタンタルチタン溶液、窒化チタン酸化ストロンチウムアルミニウムタンタル溶液、及び酸化バナジウムチタン溶液の少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施態様では、活性構造106は、例として特に、チタンであるカチオンを含む酸化物溶液、アモルファスシリコン(a-Si)材料、水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)材料、窒化物系材料、酸化物系材料、金属材料、及び半導体材料の少なくとも1つを含み得る。
【0017】
図1Aに示すように、活性構造106は、基板102の幅112以下であり得る幅110を有する平面構造を含み得る。図1Aにさらに示すように、活性構造106は、厚さ114(例えば、100ナノメートル(nm)~2000nmの範囲)を有し得る。いくつかの実施態様では、厚さ114は実質的に均一であり得る。例えば、厚さ114は、活性構造106の表面(例えば、活性構造106の上面)にわたって閾値パーセンテージ未満の変動があり得る。閾値パーセンテージは、1%以下であり得る。
【0018】
第2クラッド構造108は、活性構造106の上に配置され得る。例えば、第2クラッド構造108は、活性構造106の表面(例えば、活性構造106の上面)上に(例えば直接)、又は活性構造106と第2クラッド構造108との間の1つ又は複数の介在層又は構造上に配置され得る。いくつかの実施態様では、活性構造106の幅110が基板102の幅112未満である場合、第1クラッド構造104は、第1クラッド構造104の表面の1つ又は複数の部分(例えば、第1クラッド構造104の上面の1つ又は複数の部分)上にも配置され得る。代替として、フォトニック伝送構造100が第1クラッド構造10を含まない場合、第2クラッド構造108は、基板102の表面(例えば、基板102の上面)の1つ又は複数の部分上に配置される。第2クラッド構造108は、光を(例えば、活性構造106内に)閉じ込めるよう構成され得る。いくつかの実施態様では、第2クラッド構造108は、例として特に、酸化物材料(例えば、SiO材料)、高分子材料(例えば、シロキサンポリマー材料)、又は空気クラッドを含み得る。
【0019】
いくつかの実施態様では、フォトニック伝送構造100は、1つ又は複数のマグネトロンスパッタリングプロセス、1つ又は複数のイオンビームスパッタリングプロセス、1つ又は複数の反応性スパッタリングプロセス、1つ又は複数の交流(AC)スパッタリングプロセス、又は1つ又は複数の直流(DC)スパッタリングプロセス等、1つ又は複数のスパッタリングプロセスを用いて形成され得る。例えば、第1クラッド構造104は、第1スパッタリングプロセスを用いて基板102の上に形成することができ、活性構造106は、第2スパッタリングプロセスを用いて第1クラッド構造104の上に形成することができ、第2クラッド構造108は、第1スパッタリングプロセスを用いて活性構造106の上に形成することができる。第1スパッタリングプロセス及び/又は第2スパッタリングプロセスに関連する処理温度は、処理温度閾値を満たし得る(例えば、処理温度閾値以下であり得る)。例えば、処理温度閾値は摂氏200度(℃)以下であり得る。いくつかの実施態様では、処理温度閾値は、活性構造106の光学的挙動への影響に関連する温度(例えば、活性構造106に損傷を与え得る温度)未満であり得る。フォトニック伝送構造の形成に関するさらなる詳細は、図3に関して本明細書に記載される。
【0020】
図1Bに示すように、フォトニック伝送構造120は、基板122、第1クラッド構造124、第1活性構造126、第2クラッド構造128、第2活性構造130、及び/又は第3クラッド構造132を含み得る。基板122、第1クラッド構造124、第1活性構造126、及び/又は第2クラッド構造128は、図1Aに関して本明細書に記載した対応する構造と同一又は同様であり得る。例えば、第1クラッド構造124、第1活性構造126、及び/又は第2クラッド構造128はそれぞれ、基板102、第1クラッド構造104、活性構造106、及び/又は第2クラッド構造108と同一又は同様であり得る。追加として又は代替として、基板122、第1クラッド構造124、第1活性構造126、及び/又は第2クラッド構造128は、図1Aに関して本明細書に記載した対応する構造のものと同一又は同様の構成で形成され得る。例えば、第1クラッド構造124は基板122の上に配置することができ、第1活性構造126は第1クラッド構造124及び/又は基板122の上に配置することができ、且つ/又は第2クラッド構造128は第1活性構造126の上に形成することができる。
【0021】
第2活性構造130は、第2クラッド構造128の上に配置され得る。例えば、第2活性構造130は、第2クラッド構造128の表面(例えば、第2クラッド構造128の上面)上に(例えば直接)、又は第2クラッド構造128と第2活性構造130との間の1つ又は複数の介在層又は構造上に配置され得る。第2活性構造130は、光を透過及び/又は発生するよう構成され得る。いくつかの実施態様では、第2活性構造130は、チタンであるカチオンを含む酸化物溶液を少なくとも含み得る。チタンであるカチオンを含む酸化物溶液は、チタンであるカチオンを含む二元系酸化物溶液、チタンであるカチオンを含む三元系酸化物溶液、チタンであるカチオンを含む四元系酸化物溶液、及びチタンであるカチオンを含む五元系酸化物溶液(等)の少なくとも1つを含み得る。例えば、第2活性構造130は、酸化タンタルチタン溶液、酸窒化チタン溶液、及び酸窒化タンタルチタン溶液の少なくとも1つを含み得る。別の例として、第2活性構造130は、酸化アルミニウムチタン溶液、酸化ストロンチウムチタン溶液、酸化ストロンチウムアルミニウムチタン溶液、酸化アルミニウムタンタルチタン溶液、窒化チタン酸化アルミニウム溶液、チタンタンタルストロンチウム溶液、窒化チタン酸化ストロンチウム溶液、窒化チタン酸化アルミニウムタンタル溶液、窒化チタン酸化ストロンチウムタンタル溶液、窒化チタン酸化ストロンチウムアルミニウム溶液、酸化ストロンチウムアルミニウムタンタルチタン溶液、窒化チタン酸化ストロンチウムアルミニウムタンタル溶液、及び酸化バナジウムチタン溶液の少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施態様では、第2活性構造130は、例として特に、チタンであるカチオンを含む酸化物溶液、アモルファスシリコン(a-Si)材料、水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)材料、窒化物系材料、酸化物系材料、金属材料、及び半導体材料の少なくとも1つを含み得る。
【0022】
図1Bに示すように、第1活性構造126は、幅134を有する平面構造を含むことができ、第2活性構造130は、幅136を有する平面構造を含むことができ、各幅は基板122の幅138以下であり得る。いくつかの実施態様では、第1活性構造126の幅134は、第2活性構造130の幅136と同じであっても異なっていてもよい。例えば、いくつかの実施態様では、幅134を幅146以上とすることができ、又はいくつかの他の実施態様では、幅134を幅136未満とすることができる。
【0023】
図1Bにさらに示すように、第1活性構造126は厚さ145(例えば、100nm~2000nmの範囲)を有することができ、第2活性構造130は厚さ142(例えば、100nm~2000nmの範囲)を有することができる。いくつかの実施態様では、厚さ140及び厚さ142の少なくとも一方は実質的に均一であり得る。例えば、厚さ140は、第1活性構造126の表面(例えば、第1活性構造126の上面)にわたって閾値パーセンテージ未満の変動があってもよく、且つ/又は厚さ142は、第2活性構造130の表面(例えば、第2活性構造130の上面)にわたって閾値パーセンテージ未満の変動があってもよい。閾値パーセンテージは、1%以下であり得る。
【0024】
いくつかの実施態様では、第1活性構造126の少なくとも一部は、第2活性構造130のエバネッセント場内に位置決めされ得る。例えば、第1活性構造126は、第1活性構造126の1つ又は複数の部分が第2活性構造130のエバネッセント場内にあるように(例えば、光が第2活性構造130から第1活性構造126に結合できるように)、第2活性構造130から特定の距離にあり得る。追加として又は代替として、第2活性構造130の少なくとも一部は、第1活性構造126のエバネッセント場内に位置決めされ得る。例えば、第2活性構造130は、第2活性構造130の1つ又は複数の部分が第1活性構造126のエバネッセント場内にあるように(例えば、光が第1活性構造126から第2活性構造130に結合できるように)、第1活性構造126から特定の距離にあり得る。
【0025】
第3クラッド構造132は、第2活性構造130の上に配置され得る。例えば、第3クラッド構造132は、第2活性構造130の表面(例えば、第2活性構造130の上面)上に(例えば直接)、又は第2活性構造130と第3クラッド構造132との間の1つ又は複数の介在層又は構造上に配置され得る。いくつかの実施態様では、第2活性構造130の幅136が基板122の幅138未満である場合、第3クラッド構造132は、第2クラッド構造128の表面の1つ又は複数の部分(例えば、第2クラッド構造128の上面の1つ又は複数の部分)上にも配置され得る。第3クラッド構造132は、光を(例えば、第1活性構造126及び/又は第2活性構造130内に)閉じ込めるよう構成され得る。いくつかの実施態様では、第3クラッド構造132は、例として特に、酸化物材料(例えば、SiO材料)、高分子材料(例えば、シロキサンポリマー材料)、又は空気クラッドを含み得る。
【0026】
いくつかの実施態様では、フォトニック伝送構造120は、1つ又は複数のマグネトロンスパッタリングプロセス、1つ又は複数のイオンビームスパッタリングプロセス、1つ又は複数の反応性スパッタリングプロセス、1つ又は複数のACスパッタリングプロセス、又は1つ又は複数のDCスパッタリングプロセス等、1つ又は複数のスパッタリングプロセスを用いて形成され得る。例えば、第1クラッド構造124は、第1スパッタリングプロセスを用いて基板122の上に形成することができ、第1活性構造126は、第2スパッタリングプロセスを用いて第1クラッド構造124の上に形成することができ、第2クラッド構造128は、第1スパッタリングプロセスを用いて第1活性構造126の上に形成することができ、第2活性構造130は、第3スパッタリングプロセスを用いて第2クラッド構造128の上に形成することができ、且つ/又は第3クラッド構造132は、第1スパッタリングプロセスを用いて第2活性構造130の上に形成することができる。第1スパッタリングプロセス、第2スパッタリングプロセス、及び/又は第3スパッタリングプロセスに関連する処理温度は、処理温度閾値を満たし得る(例えば、処理温度閾値以下であり得る)。例えば、処理温度閾値は200℃以下であり得る。いくつかの実施態様では、処理温度閾値は、第1活性構造126又は第2活性構造130等の活性構造の各光学的挙動への影響に関連する温度未満である。フォトニック伝送構造の形成に関するさらなる詳細は、図3に関して本明細書に記載される。
【0027】
図1Cに示すように、フォトニック伝送構造150は、図1Bに示すフォトニック伝送構造120の、但しフォトニック伝送構造120の構成とは異なる構成の基板122、第1クラッド構造124、第1活性構造126、第2クラッド構造128、第2活性構造130、及び/又は第3クラッド構造132を含み得る。例えば、図1Cに示すように、第2活性構造130は、別個の部分構造(第2活性構造130a及び第2活性構造130bとして示す)に分割され得る。
【0028】
したがって、第2活性構造130の別個の部分構造のそれぞれが、第2クラッド構造128の上に配置され得る。例えば、第2活性構造130a及び第2活性構造130bのそれぞれが、第2クラッド構造128の表面(例えば、第2クラッド構造128の上面)上に(例えば直接)、又は第2クラッド構造128と第2活性構造130a及び第2活性構造130bとの間の1つ又は複数の介在層又は構造上に配置され得る。
【0029】
図1Cは、2つの別個の部分構造に分割された第2活性構造130を示すが、他の構成も考えられる。例えば、第2活性構造130は、3つ以上の別個の部分構造に分割することができる。別の例として、第1活性構造126は、2つ以上の別個の部分構造(例えば、第1活性構造126a、第1活性構造126b等)に分割することができる。
【0030】
いくつかの実施態様では、フォトニック伝送構造150は、1つ又は複数のマグネトロンスパッタリングプロセス、1つ又は複数のイオンビームスパッタリングプロセス、1つ又は複数の反応性スパッタリングプロセス、1つ又は複数のACスパッタリングプロセス、又は1つ又は複数のDCスパッタリングプロセス等、1つ又は複数のスパッタリングプロセスを用いて形成され得る。例えば、第1クラッド構造124は、第1スパッタリングプロセスを用いて基板122の上に形成することができ、第1活性構造126は、第2スパッタリングプロセスを用いて第1クラッド構造124の上に形成することができ、第2クラッド構造128は、第1スパッタリングプロセスを用いて第1活性構造126の上に形成することができ、第2活性構造130は、第3スパッタリングプロセス及び(例えば、第2活性構造130を2つ以上の別個の部分構造に分割するために)1つ又は複数のエッチングプロセスを用いて第2クラッド構造128の上に形成することができ、且つ/又は第3クラッド構造132は、第1スパッタリングプロセスを用いて第2活性構造130の上に形成することができる。第1スパッタリングプロセス、第2スパッタリングプロセス、及び/又は第3スパッタリングプロセスに関連する処理温度は、処理温度閾値を満たし得る(例えば、処理温度閾値以下であり得る)。例えば、処理温度閾値は200℃以下であり得る。いくつかの実施態様では、処理温度閾値は、第1活性構造126又は第2活性構造130等の活性構造の各光学的挙動への影響に関連する温度未満であり得る。フォトニック伝送構造の形成に関するさらなる詳細は、図3に関して本明細書に記載される。
【0031】
前述のように、図1A図1Cは一例として提供される。他の例は、図1A図1Cに関して記載したものとは異なり得る。実際には、フォトニック伝送構造100、120、及び/又は150は、図1A図1Cに示すものに対して追加の層及び/又は構造、より少ない層及び/又は構造、異なる層及び/又は構造、又は異なる配置の層及び/又は構造を含むことができる。
【0032】
図2A図2Cは、本明細書に記載の光学デバイス例200、220、及び250の図である。光学デバイスとして、例えばPIC又は同様の光学デバイスを挙げることができる。図2A図2Cに示すように、各光学デバイスは、複数のフォトニック伝送構造(例えば、2つ以上のフォトニック伝送構造)を含み得る。
【0033】
図2Aに示すように、光学デバイス200は、複数のフォトニック伝送構造100(例えば、図1Aに関して本明細書に記載したフォトニック伝送構造100の2つ以上)を含み得る。例えば、図2Aに示すように、光学デバイス200は、第1フォトニック伝送構造100-1及び第2フォトニック伝送構造100-2を含み得る。複数のフォトニック伝送構造100の各フォトニック伝送構造100が、同一又は同様の構造(例えば、図1Aに関して本明細書に記載した構造)を含み得る。例えば、図2Aに示すように、第1フォトニック伝送構造100-1は、第1クラッド構造104-1、活性構造106-1、及び/又は第2クラッド構造108-1を含むことができ、第2フォトニック伝送構造100-2は、活性構造106-2及び/又は第2クラッド構造108-2を含むことができる。
【0034】
複数のフォトニック伝送構造100は、重ねて(例えば、積層及び/又は垂直構成で)配置され得る。例えば、図2Aに示すように、第2フォトニック伝送構造100-2は、第1フォトニック伝送構造100-1上に配置され得る。換言すれば、図2Aに示すように、第1フォトニック伝送構造100-1の向きが、第2フォトニック伝送構造100-2の向きに一致する場合があり(例えば、第1フォトニック伝送構造100-1及び第2フォトニック伝送構造100-2の各構造が同じボトムアップの順で積層される)、第2フォトニック伝送構造100-2の底面を、第1フォトニック伝送構造100-1の上面上に配置することができる。図2Aにさらに示すように、複数のフォトニック伝送構造100は、基板(例えば、図1Aに関して本明細書に記載したような基板102)の上に配置され得る。
【0035】
図2Bに示すように、光学デバイス220は、複数のフォトニック伝送構造120(例えば、図1Bに関して本明細書に記載したフォトニック伝送構造120の2つ以上)を含み得る。例えば、図2Bに示すように、光学デバイス220は、第1フォトニック伝送構造120-1及び第2フォトニック伝送構造120-2を含み得る。複数のフォトニック伝送構造120の各フォトニック伝送構造120が、同一又は同様の構造(例えば、図1A及び図1Bに関して本明細書に記載した構造)を含み得る。例えば、図2Bに示すように、第1フォトニック伝送構造120-1は、第1クラッド構造124-1、第1活性構造126-1、第2クラッド構造128-1、第2活性構造130-1、及び/又は第3クラッド構造132-1を含むことができ、第2フォトニック伝送構造120-2は、第1活性構造126-2、第2クラッド構造128-2、第2活性構造130-2、及び/又は第3クラッド構造132-2を含むことができる。
【0036】
複数のフォトニック伝送構造120は、重ねて(例えば、積層及び/又は垂直構成で)配置され得る。例えば、図2Bに示すように、第2フォトニック伝送構造120-2は、第1フォトニック伝送構造120-1上に配置され得る。換言すれば、図2Bに示すように、第1フォトニック伝送構造120-1の向きが、第2フォトニック伝送構造120-2の向きに一致する場合があり(例えば、第1フォトニック伝送構造120-1及び第2フォトニック伝送構造120-2の各構造が同じボトムアップの順で積層される)、第2フォトニック伝送構造120-2の底面を、第1フォトニック伝送構造120-1の上面上に配置することができる。図2Bにさらに示すように、複数のフォトニック伝送構造120は、基板(例えば、図1Bに関して本明細書に記載したような基板122)の上に配置され得る。
【0037】
図2Cに示すように、光学デバイス250は、複数のフォトニック伝送構造150(例えば、図1Cに関して本明細書に記載したフォトニック伝送構造150の2つ以上)を含み得る。例えば、図2Cに示すように、光学デバイス250は、第1フォトニック伝送構造150-1及び第2フォトニック伝送構造150-2を含み得る。複数のフォトニック伝送構造150の各フォトニック伝送構造150が、同一又は同様の構造(例えば、図1A図1Cに関して本明細書に記載した構造)を含み得る。例えば、図2Cに示すように、第1フォトニック伝送構造150-1は、第1クラッド構造124-1、第1活性構造126-1、第2クラッド構造128-1、第2活性構造130-1(例えば、第2活性構造130-1a及び第2活性構造130-1bを含む)、及び/又は第3クラッド構造132-1を含むことができ、第2フォトニック伝送構造150-2は、第1活性構造126-2、第2クラッド構造128-2、第2活性構造130-2(例えば、第2活性構造130-2a及び第2活性構造130-2bを含む)、及び/又は第3クラッド構造132-2を含むことができる。
【0038】
複数のフォトニック伝送構造150は、重ねて(例えば、積層及び/又は垂直構成で)配置され得る。例えば、図2Cに示すように、第2フォトニック伝送構造150-2は、第1フォトニック伝送構造150-1上に配置され得る。換言すれば、図2Cに示すように、第1フォトニック伝送構造150-1の向きが、第2フォトニック伝送構造150-2の向きに一致する場合があり(例えば、第1フォトニック伝送構造150-1及び第2フォトニック伝送構造150-2の各構造が同じボトムアップの順で積層される)、第2フォトニック伝送構造150-2の底面を、第1フォトニック伝送構造150-1の上面上に配置することができる。図2Cにさらに示すように、複数のフォトニック伝送構造150は、基板(例えば、図1B及び図1Cに関して本明細書に記載したような基板122)の上に配置され得る。
【0039】
前述のように、図2A図2Cは一例として提供される。他の例は、図2A図2Cに関して記載したものとは異なり得る。実際には、光学デバイス200、220、及び/又は250は、図2A図2Cに示すものに対して追加の層及び/又は構造、より少ない層及び/又は構造、異なる層及び/又は構造、又は異なる配置の層及び/又は構造を含むことができる。
【0040】
図3は、光学デバイス(例えば、本明細書に記載の光学デバイス200、220、又は250)の形成に関するプロセス例300のフローチャートである。いくつかの実施態様では、図3の1つ又は複数のプロセスブロックは、1つ又は複数のマグネトロンスパッタリングプロセス、1つ又は複数のイオンビームスパッタリングプロセス、1つ又は複数の反応性スパッタリングプロセス、1つ又は複数のACスパッタリングプロセス、又は1つ又は複数のDCスパッタリングプロセス等、1つ又は複数のスパッタリングプロセスを用いて実行することができる。
【0041】
図3に示すように、プロセス300は、第1クラッド構造を形成するステップを含み得る(ブロック305)。例えば、スパッタリングシステムは、第1スパッタリングプロセスを用いて第1クラッド構造を(例えば、基板の上に)形成し得る。
【0042】
図3にさらに示すように、プロセス300は、第1活性構造を形成するステップを含み得る(ブロック310)。例えば、スパッタリングシステムは、第2スパッタリングプロセス(例えば、第1スパッタリングプロセスとは異なる)を用いて第1クラッド構造の上に第1活性構造を形成し得る。
【0043】
図3にさらに示すように、プロセス300は、第2クラッド構造を形成するステップを含み得る(ブロック315)。例えば、スパッタリングシステムは、(例えば、第1クラッド構造及び第2クラッド構造が同一又は同様の材料を含む場合)第1スパッタリングプロセスを用いて第1活性構造の上に第2クラッド構造を形成し得る。いくつかの実施態様では、第1クラッド構造、第1活性構造、及び第2クラッド構造は、フォトニック伝送構造(例えば、図2Aに関して本明細書に記載した第1フォトニック伝送構造100-1)を形成し得る。
【0044】
図3にさらに示すように、プロセス300は、第2活性構造を形成するステップを含み得る(ブロック320)。例えば、スパッタリングシステムは、第3スパッタリングプロセス(例えば、第1スパッタリングプロセス及び第2スパッタリングプロセスとは異なる)を用いて第2クラッド構造の上に第2活性構造を形成し得る。代替として、スパッタリングシステムは、(例えば、第1活性構造及び第2活性構造が同一又は同様の材料又は溶液を含む場合)第2スパッタリングプロセスを用いて第2クラッド構造の上に第2活性構造を形成し得る。いくつかの実施態様では、プロセス300は、1つ又は複数のエッチングプロセス(例えば、1つ又は複数の化学エッチングプロセス)を用いて第2活性構造を2つ以上の別個の部分構造に分割するステップを含み得る。
【0045】
図3にさらに示すように、プロセス300は、第3クラッド構造を形成するステップを含み得る(ブロック325)。例えば、スパッタリングシステムは、(例えば、第1クラッド構造及び第3クラッド構造が同一又は同様の材料を含む場合)第1スパッタリングプロセスを用いて第2活性構造の上に第3クラッド構造を形成し得る。いくつかの実施態様では、第1クラッド構造、第1活性構造、第2クラッド構造、第2活性構造、及び第3クラッド構造は、フォトニック伝送構造(例えば、図2B図2Cに関して本明細書に記載した第1フォトニック伝送構造120-1又は第1フォトニック伝送構造150-1)を形成し得る。代替として、第2活性構造及び第3クラッド構造は、フォトニック伝送構造(例えば、図2Aに関して本明細書に記載した第2フォトニック伝送構造100-2を形成し得る。
【0046】
図3にさらに示すように、プロセス300は、第3活性構造を形成するステップを含み得る(ブロック330)。例えば、スパッタリングシステムは、(例えば、第3活性構造及び第1活性構造が同一又は同様の材料又は溶液を含む場合)第2スパッタリングプロセスを用いて第3クラッド構造の上に第3活性構造を形成し得る。
【0047】
図3にさらに示すように、プロセス300は、第4クラッド構造を形成するステップを含み得る(ブロック335)。例えば、スパッタリングシステムは、(例えば、第1クラッド構造及び第4クラッド構造が同一又は同様の材料を含む場合)第1スパッタリングプロセスを用いて第3活性構造の上に第4クラッド構造を形成し得る。
【0048】
図3にさらに示すように、プロセス300は、第4活性構造を形成するステップを含み得る(ブロック340)。例えば、スパッタリングシステムは、(例えば、第4活性構造及び第2活性構造が同一又は同様の材料又は溶液を含む場合)第3スパッタリングプロセスを用いて第4クラッド構造の上に第4活性構造を形成し得る。代替として、スパッタリングシステムは、(例えば、第3活性構造及び第4活性構造が同一又は同様の材料又は溶液を含む場合)第2スパッタリングプロセスを用いて第4クラッド構造の上に第4活性構造を形成し得る。
【0049】
図3にさらに示すように、プロセス300は、第5クラッド構造を形成するステップを含み得る(ブロック345)。例えば、スパッタリングシステムは、(例えば、第1クラッド構造及び第5クラッド構造が同一又は同様の材料を含む場合)第1スパッタリングプロセスを用いて第4活性構造の上に第5クラッド構造を形成し得る。いくつかの実施態様では、第3活性構造、第4クラッド構造、第4活性構造、及び第5クラッド構造は、フォトニック伝送構造(例えば、図2B及び図2Cに関して本明細書に記載した第2フォトニック伝送構造120-2又は第2フォトニック伝送構造150-2)を形成し得る。
【0050】
プロセス300は、以下に記載される、且つ/又は本明細書の他所に記載の1つ又は複数の他のプロセスに関連して記載される任意の単一の実施態様又は任意の実施態様の組み合わせ等、さらなる実施態様を含むことができる。
【0051】
第1実施態様において、第1活性構造及び第2活性構造の一方は、酸化タンタルチタン溶液、酸窒化チタン溶液、及び酸窒化タンタルチタン溶液の少なくとも1つを少なくとも含み、第1活性構造及び第2活性構造の他方は、酸化タンタルチタン溶液、酸窒化チタン溶液、又は酸窒化タンタルチタン溶液、アモルファスシリコン(a-Si)材料、水素化アモルファスシリコン(a-SiH)材料、窒化物系材料、酸化物系材料、金属材料、及び半導体材料の少なくとも1つを含む。追加として又は代替として、第3活性構造及び第4活性構造の一方は、酸化タンタルチタン溶液、酸窒化チタン溶液、及び酸窒化タンタルチタン溶液の少なくとも1つを少なくとも含み、第3活性構造及び第4活性構造の他方は、酸化タンタルチタン溶液、酸窒化チタン溶液、又は酸窒化タンタルチタン溶液、アモルファスシリコン(a-Si)材料、水素化アモルファスシリコン(a-SiH)材料、窒化物系材料、酸化物系材料、金属材料、及び半導体材料の少なくとも1つを含む。
【0052】
単独の又は第1実施態様と組み合わせた第2実施態様において、第1クラッド構造、第2クラッド構造、第3クラッド構造、第4クラッド構造、及び第5クラッド構造のそれぞれは、二酸化ケイ素(SiO)材料、高分子材料、及び空気クラッドの少なくとも1つを含む。
【0053】
単独の又は第1及び第2実施態様の一方又は両方と組み合わせた第3実施態様において、第2スパッタリングプロセス及び第3スパッタリングプロセスの少なくとも一方に関連する処理温度は、摂氏200度以下である処理温度閾値を満たす。
【0054】
単独の又は第1~第3実施態様の1つ又は複数と組み合わせた第4実施態様において、第2スパッタリングプロセスに関連する処理温度及び/又は第3スパッタリングプロセスに関連する処理温度は、第1活性構造、第2活性構造、第3活性構造、及び第4活性構造の少なくとも1つの各光学的挙動への影響に関連する温度未満である処理温度閾値を満たす。
【0055】
図3は、プロセス300のブロック例を示すが、いくつかの実施態様では、プロセス300は、図3に示すものに対して追加のブロック、より少ないブロック、異なるブロック、又は異なる配置のブロックを含むことができる。追加として又は代替として、プロセス300のブロックの2つ以上を並行して実行することができる。
【0056】
上記開示は、図示及び説明を提供するが、網羅的であることも実施態様を開示の形態そのままに限定することも意図していない。上記開示に鑑みて変更及び変形を加えることができるか、又は実施態様の実施から得ることができる。
【0057】
本明細書では、溶液又は材料が特定の化学名又は化学式で呼ばれる場合、その溶液又は材料は、その化学名で特定される化学量論的に正確な式の比化学量論的な変形を含み得る。
【0058】
本明細書では、閾値を満たすとは、文脈に応じて、値が閾値を超えること、閾値以上であること、閾値未満であること、閾値以下であること、閾値に等しいこと、閾値に等しくないこと等を指し得る。
【0059】
特徴の特定の組み合わせが特許請求の範囲に記載され且つ/又は本明細書に開示されているが、これらの組み合わせが様々な実施態様の開示を限定することは意図されない。実際には、これらの特徴の多くは、具体的に特許請求の範囲に記載されてない方法且つ/又は本明細書に開示されていない方法で組み合わせることができる。添付の各従属請求項は、1つの請求項のみに直接従属している場合があるが、様々な実施態様の開示には、各従属請求項をその請求項群の他の全ての請求項と組み合わせたものが含まれる。本明細書では、列挙した事項のうち「少なくとも1つ」に言及する語句は、単一の構成要素を含むそれらの事項の任意の組み合わせを指す。例として、「a、b、及びcの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、及びa-b-c、並びに複数の同じ事項との任意の組み合わせを包含することが意図される。
【0060】
本明細書で使用される要素、行為、又は指示はいずれも、そのように明記されない限り、重要であるとも必須であるとも解釈されないものとする。また、本明細書では、不定冠詞「a」及び「an」は、1つ又は複数の事項を含むことが意図され、「1つ又は複数の」と交換可能に用いることができる。さらに、本明細書では、定冠詞「the」は、定冠詞「the」に関連して参照される1つ又は複数の事項を含むことが意図され、「1つ又は複数の」と交換可能に用いることができる。さらに、本明細書では、「セット」という用語は、1つ又は複数の事項(例えば、関連事項、非関連事項、関連事項と非関連事項の組み合わせ等)を含むことが意図され、「1つ又は複数の」と交換可能に用いることができる。1つの事項のみを意図する場合、「1つのみ」という語句又は同様の文言が用いられる。また、本明細書では、「有する」等という用語はオープンエンドな用語であることが意図される。さらに、「基づく」という語句は、別段に明記されない限り「少なくとも部分的に基づく」を意味することが意図される。また、本明細書では、「又は」という用語は、連続するものにおいて用いられる場合に包含的であることが意図され、別段に明記されない限り(例えば、「いずれか」又は「一方のみ」と組み合わせて用いられる場合)「及び/又は」と交換可能に用いることができる。さらに、「下方」、「下側」、「底」、「上方」、「上側」、「上」等の空間的な相対用語を本明細書では記載の簡単のために用いて、図示されている1つの要素又は特徴の別の要素(単数又は複数)又は特徴(単数又は複数)に対する関係を説明することができる。空間的な相対用語は、図示の向きに加えて使用又は動作中の装置、デバイス、及び/又は素子の異なる向きを包含することが意図される。装置は、それ以外の向き(90°回転又は他の向き)であってもよく、本明細書で用いる空間的な相対記述子も同様にそれに従って解釈され得る。
【0061】
本明細書では、用語「X材料」又は「X溶液」は、Xが酸化タンタルチタン、酸窒化チタン、又は酸窒化タンタルチタン等の化学組成物である場合、少なくとも閾値パーセンテージのXがX材料又はX溶液中に含まれることを示す。閾値パーセンテージは、例えば、1%、5%、10%、25%、50%、75%、85%、90%、95%、及び/又は99%以上であり得る。本明細書では、材料又は溶液が特定の化学名又は化学式で呼ばれる場合、その溶液又は材料は、その化学名で特定される化学量論的に正確な式の比化学量論的な変形を含み得る。さらに、溶液又は材料は、三元系化合物、四元系化合物、及びより高次の化合物を含み得る。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3
【外国語明細書】