(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173713
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】RVE技法を用いた燃料電池スタックのシミュレーション手法
(51)【国際特許分類】
G06F 30/23 20200101AFI20241205BHJP
H01M 8/04992 20160101ALI20241205BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20241205BHJP
H01M 8/1004 20160101ALI20241205BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20241205BHJP
G06F 119/14 20200101ALN20241205BHJP
【FI】
G06F30/23
H01M8/04992
H01M8/04 Z
H01M8/1004
H01M8/10 101
G06F119:14
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024079044
(22)【出願日】2024-05-15
(31)【優先権主張番号】18/326,284
(32)【優先日】2023-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514180812
【氏名又は名称】ダッソー システムズ アメリカス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】パタク,アナンド
(72)【発明者】
【氏名】ダヴァーレ,ニクヒル
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ジェファン
(72)【発明者】
【氏名】クルカルニ,ラシカ
(72)【発明者】
【氏名】ゴービンド,アサーヴ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン,アニトゥ
【テーマコード(参考)】
5B146
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5B146AA10
5B146AA21
5B146DJ02
5B146DJ07
5B146DJ08
5B146DJ11
5B146EA01
5H126AA02
5H126BB06
5H127AA06
5H127AC07
5H127BA02
5H127BB02
(57)【要約】
【課題】 RVE技法を用いた燃料電池スタックのシミュレーション手法を提供する。
【解決手段】 コンピュータ実装方法は、代表体積要素(RVE)ユニット燃料電池モデルの生成を自動化する。プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)のユニットセルの有限要素モデル(FEM)が受信される。FEユニットセルの離散化を有するユニット領域を識別する入力が受信される。ユニット領域に対応するメッシュルールが受信される。FEユニット領域及びメッシュルールに基づいて、FEユニット領域に対応するRVEユニット領域が生成される。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
代表体積要素(RVE)ユニット燃料電池モデルの生成を自動化するためのコンピュータ実装方法であって、
プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)のユニットセルの有限要素モデル(FEM)を受信するステップであって、前記ユニットセルが、第1のバイポーラプレート及び第2のバイポーラプレートを備える、ステップと、
前記ユニットセルの前記第1のバイポーラプレート及び/又は前記第2のバイポーラプレートの幾何学的フィーチャ、前記幾何学的フィーチャにおける繰り返されるフィーチャ、並びに前記幾何学的フィーチャにおける対称領域から成る群のうちの少なくとも1つに基づいて、前記FEユニットセルの離散化を含むユニット領域を識別する入力を受信するステップと、
前記ユニット領域に対応するメッシュルールを受信するステップと、
前記FEユニット領域及び前記メッシュルールに基づいて、前記FEユニット領域に対応するRVEユニット領域を生成するステップと、
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記RVEユニット領域が、前記第1のバイポーラプレートと前記第2のバイポーラプレートとの間に配置されたガスケットの部分を含むFEユニット領域に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユニットセルが、高分子電解質膜、ガス拡散層、カソード、及びアノードをさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記FEユニットセルに適用されるクランプ力に関するシナリオ定義を受信するステップと、
前記シナリオ定義に基づいて、RVEユニット領域シナリオを生成するステップと、
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記シナリオ定義が、前記第2のバイポーラプレートに対する前記第1のバイポーラプレートの平行移動をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記クランプ力の存在下で前記RVEユニット領域の前記ガスケットの挙動をシミュレートするステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記クランプ力の存在下で前記RVEユニット領域の前記シミュレーションの結果を記録するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記クランプ力の存在下での前記RVEユニット領域の前記ガスケット挙動の前記シミュレーションに基づいて、前記RVEユニット領域のコンポーネントの材料プロパティを決定するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
代表体積要素(RVE)燃料電池グローバルモデルの生成を自動化するためのコンピュータ実装方法であって、
RVEユニットセルモデルを受信するステップと、
前記RVEユニットセルモデルの圧力及びクロージャデータを受信するステップと、
前記RVEユニットセルモデルのサーフェスデータを受信するステップと、
前記RVEユニットセルモデルのCAD離散化を生じさせるステップと、
を含み、
前記RVEユニットセルが、バウンディングボックスを含む、コンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記RVEユニットセルモデルの基準平面データを受信するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記基準平面データに対するサーフェス対称性を決定するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記サーフェスデータが、RVEユニットセル中間サーフェスを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記RVEユニットセルモデルが、一意のバウンディングボックス及び繰り返しのバウンディングボックスから成る群のうちの1つであることを示すデータを受信するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記RVE燃料電池グローバルモデルのメッシュパラメータを受信するステップと、
前記RVE燃料電池グローバルモデルの材料を決定するステップと、
前記RVE燃料電池グローバルモデルを作るステップと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
RVEユニット領域のコンポーネントの材料プロパティを受信するステップと、
前記RVE燃料電池グローバルモデルの対応するコンポーネントに材料を割り当てるステップと、
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、燃料電池技術に関し、特に、プロトン交換膜燃料電池の設計及び製造に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)スタック200を
図2Bに示す。PEMFCスタック200は、複数の実質的に同一の燃料電池ユニット100(
図1)から形成される。
図1によって示されるように、各燃料電池ユニット(「ユニットセル」)は、2つのバイポーラプレート(BP)110の間に挟まれた膜/電極アセンブリ130を含む。膜/電極アセンブリ130のプロトン交換膜136は、アノード132とカソード134との間に配置される。水素は、アノード132における第1のバイポーラプレート110を介して供給され、酸素は、カソード134における第2のバイポーラプレート110を介して供給される。膜136は、正の水素原子のみが膜/電極アセンブリ130を通過して酸素と結合して水を形成することを可能にし、それによって、アノード132とカソード134との間の電圧がもたらされる。各燃料電池ユニット100の層は、流体の漏れを防止するために、ガスケット150(
図2A)で封止され得る。単一の燃料電池ユニット100の電圧は比較的小さく、したがって、PEMFCスタック200において複数の燃料電池ユニット100をスタックすることにより、より高い電圧が生じる。
【0003】
図2Aに示されるように、バイポーラプレート110は、ユニット燃料電池アセンブリ100を通るガス及び液体のフローを促進するために、格子状パターンのチャネル220を有する。
【0004】
論文「Mechanical simulation of a Proton Exchange Membrane Fuel Cell stack using representative elementary volumes of stamped metallic bipolar plates」(Willy Charon, Marie-Christine Iltchev, Jean-Francois Blachot, International Journal of Hydrogen Energy no.39 (2014) 12195-13205)において述べられているように、燃料電池の性能の制御のためには、機械的応力の知識が必要とされ、スタックアーキテクチャの初期段階のモデリング及びシミュレーションは、スタックのコストを下げ、コンポーネントの寸法及び形の設計に寄与する。さらに、応答シミュレーションによって、電気的性能を計算するために解析及び手直しが可能な機械的応力を予測することが可能となる。しかしながら、燃料電池スタックの詳細な有限要素(FE)モデル(FEM)は、計算的に解くのは非現実的となる、数十億もの自由度を持つ場合がある。一部の素体積(elementary volume)を代表体積要素(RVE)に置き換えることによって、モデル化されたBPの自由度(DoF)の数を減らすことができるが、そのようなシミュレーションのセットアップは、多大な時間及び労力を要し、所与の用途のために燃料電池を最適化するための後続のすべての反復も同様である。さらに、RVE手法を用いて開発された材料モデルは、等方性、直交異方性、及び異方性(線形弾性モデル)であった。したがって、当業界では、これらの欠点に対処する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明の実施形態は、RVEを使用した燃料電池スタックのシミュレーション手法を提供する。簡単に説明すると、本発明は、代表体積要素(RVE)ユニット燃料電池モデルの生成を自動化するコンピュータ実装方法に向けられている。プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)のユニットセルの有限要素モデル(FEM)が受信される。FEユニットセルの離散化を有するユニット領域を識別する入力が受信される。ユニット領域に対応するメッシュルールが受信される。FEユニット領域及びメッシュルールに基づいて、FEユニット領域に対応するRVEユニット領域が生成される。
【0006】
本発明の他のシステム、方法、及び特徴は、当業者には明らかであるか、又は以下の図面及び詳細な説明を考察することにより、当業者には明らかになるであろう。そのような追加のシステム、方法、及び特徴はすべて、本明細書の記載に含まれ、本発明の範囲内にあり、及び添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0007】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面中のコンポーネントは、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、本発明の原理を明確に図示することに重点が置かれている。図面は、本発明の実施形態を図示するものであり、明細書の記載と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2A】
図1の燃料電池ユニットのバイポーラプレートを示す分解概略図である。
【
図2B】
図1の複数の燃料電池ユニットを組み込んだ例示的な燃料電池スタックの概略図である。
【
図3】FEユニットセルの例示的な離散化パーティショニングを示す概略図である。
【
図4】ユニット領域RVEを作るための自動化プロセスの第1の例示的な実施形態の第1のプラグインのユーザインタフェースを示す概略図である。
【
図5】
図4の第1のプラグインの第1の部分の入力及び出力を描写する概略図である。
【
図6】
図4の第1のプラグインの第2の部分の入力及び出力を描写する概略図である。
【
図7】
図4の第1のプラグインの第3の部分の入力及び出力を描写する概略図である。
【
図8A】
図4の第1のプラグインの第1のステップに入力され、及び
図4の第1のプラグインの第1のステップから出力されるデータ構造を示す概略図である。
【
図8B】
図4の第1のプラグインの第2のステップに入力され、及び
図4の第1のプラグインの第2のステップから出力されるデータ構造を示す概略図である。
【
図8C】
図8Bの「シナリオ」840を展開した概略図である。
【
図8D】
図4の第1のプラグインの使用中の入力及び出力データフローの概略図である。
【
図9】複数のユニット領域RVEからRVEユニットセルを作るための自動化プロセスの第2の例示的な実施形態の第2のプラグインのユーザインタフェースを示す概略図である。
【
図10】
図9の第2のプラグインの入力及び出力を描写する概略図である。
【
図11】第1の実施形態及び第2の実施形態の処理フローを図示するフローチャートである。
【
図12】本発明の機能性を実行するためのシステムの一例を図示する概略図である。
【
図13】第2のプラグインが起動される前、第2のプラグインの第1の部分が起動された後、及び第2のプラグインの第3の部分が起動された後のデータセットを示す概略図である。
【
図14】
図9の第2のプラグインの第1の部分によって行われるCAD離散化の例示的な実施形態における機能フローを図示するフローチャートである。
【
図15】
図9の第2のプラグインの第2の部分によって行われるCAD離散化の例示的な実施形態における機能フローを図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の定義は、本明細書に開示される実施形態の特徴に適用される用語の解釈に役立つものであり、本開示内の要素を定義することのみを意図したものである。
【0010】
本開示内では、「プロトン交換膜燃料電池」(PEMFC)(高分子電解質膜(PEM)燃料電池としても知られる)は、輸送用途のために、並びに定置型燃料電池用途及び携帯型燃料電池用途のために通常使用される燃料電池のタイプを指す。それらは、温度及び/又は圧力範囲(50~100℃)で動作することができ、プロトン伝導性高分子電解質膜を内包する。PEMFCは、電気を生成し、電気を消費するPEM電解とは逆の原理で動作する。PEMFCは、電極、触媒、及びガス拡散層(GDL)を含む膜電極アセンブリ(MEA)から形成され得る。セルは、電解質、触媒、及び反応体が混合する三相境界(TPB)を有する。
【0011】
本開示内では、「膜-電極アセンブリ」(MEA)は、PEMFCのPEM膜並びにカソード及びアノード触媒層を指す。
【0012】
本開示内では、「触媒層」(CL)は、PEMFCのナノメートルスケールの細孔構造を指す。CLは、膜の両側(一方の側のアノード層、及び他方の側のカソード層)に加えられ、PEMを直接取り囲む。
【0013】
本開示内では、「バイポーラプレート」(BP)又はフローフィールドプレートは、ガス及び水のフローの入力及び出力を提供するためのPEMFCの外面層を指す。BPは、流体チャネルを形成するために打ち抜かれた金属プレートであってもよい。複雑で不規則なチャネルパターンは、モデリングに大きな課題を提示する。
【0014】
本開示内では、「トッププレート」は、一軸圧縮のための平行移動が適用されるPEMFCの第1のプレートを指す。対応する固定プレートは、ボトムプレートと呼ばれる。CAD環境においてユニット燃料電池をマニピュレートする際に、ユーザは、ユーザが平行移動を適用したい3Dパーツに対して「トップ」と記述に加え得る。同様に、ユーザは、それぞれの3Dパーツの記述に「ボトム」を加え得る。CAD環境は、z軸がトッププレートに対して法線であると定義されたローカル軸系を作成する。平行移動は、このz軸に対して適用される。
【0015】
本開示内では、「フィールド出力」とは、燃料電池モデル全体にわたって、又はモデルの一部にわたって空間的に分布するデータを指す。
【0016】
本開示内では、「履歴出力」は、燃料電池モデルの特定のポイントにおけるデータ、例えば、異なる荷重条件下でポイントにおいて記録されたデータを指す。
【0017】
本開示内では、「知識工学仕様(Knowledge Engineering Specification)」(K.E.S.)は、物理的アセンブリ(実際の製品)を指定するために使用されるデータ構造を指す。K.E.S.は、例えば、製品を複製するために使用されるエンジニアリングテンプレートを含み得る。エンジニアリングテンプレートは、物理的アセンブリの複数のコンポーネントを含む場合があり、コンポーネントの少なくともいくつかは、FEMによって表される。エンジニアリングテンプレートは、アセンブリ設計のためのリソーステーブルに包含される。K.E.S.について、エンジニアリングテンプレートをインスタンス化するために、反応が使用され、反応は、1つ又は複数のパラメータによってトリガされ得る。
【0018】
本開示内では、「変位」は、アセンブリの2つのコンポーネント間の距離、例えば、第2のバイポーラプレートと平行な第1のバイポーラプレートと、第2のバイポーラプレートとの間の分離を指す。
【0019】
本開示内では、「平行移動」は、例えばmm単位で測定される、アセンブリコンポーネント間の変位の変化を指す。
【0020】
本開示内では、「ユニットセル」又は「ユニットセルアセンブリ」は、幾何学的形状及び機械的特性を有するソリッドから成るPEMFCサブアセンブリを指す。例示的なユニットセルアセンブリは、セルの能動パーツを形成するコンポーネントのスタックを含み得る:
・膜/電極アセンブリ(MEA)、すなわち、プロトン交換膜並びにアノード側及びカソード側の触媒、
・2つのガス拡散層(GDL)、並びに
・ガス及び冷却液を分配する、MEA/GDLを挟む2つの金属バイポーラプレート(BP)。
【0021】
ユニットセルは、能動エリア、並びに水素、空気、及び冷却回路を隔離するシーリングジョイント(ガスケット)も含み得る。
【0022】
本開示内では、「PEMFCスタック」は、複数の類似のユニットセルから形成されたアセンブリである。
【0023】
本開示内では、「FEユニットセル」の「FEセル」は、ユニットセルの有限要素モデルを指す。
【0024】
本開示内では、「素体積」とは、特定の形状を有するユニットセルの繰り返し3次元部分を指す。等価ドメインが各素体積に関連付けられる(例えば、素体積を取り囲む直平行六面体)。
【0025】
本開示内では、代表体積要素(RVE)は、FEセルパーツの素体積を、均質化された特性を有する複合有限要素に置き換えることによってモデルを簡略化する方法を指す。ここで、ユニットセルのサーフェスは、複数のより小さな領域(「ユニット領域」)に分けられる。ユニット領域は、不規則なサイズ及び形状を有していてもよい。同一のジオメトリ及び類似の特性を有するユニット領域は、ユニットノードとしてタグ付けされてもよく、いくつかのユニット領域(素体積)は、同じ体積を有するRVEに置き換えられる。関心のある特性には、弾性率などの機械的特性及び熱的特性が含まれ、これは、物理系を記述するために使用される、どのような平均量であってもよい。
【0026】
本開示内では、「RVEセル」は、FEセルユニット領域の少なくともいくつかが、同じ体積を有するRVEユニット領域と置き換えられたFEセルを指す。
【0027】
RVEは、対応する構造の構成応答を表すユニット材料体積要素である。単一の燃料電池は、ユニット領域と呼ばれるより小さな要素体積に離散化される。ある特定のユニット領域は、線形弾性、超弾性、及び超発泡材料で構成される。これらのすべての材料の複合効果は、ユニット領域を素体積として表すために興味深いものである。したがって、ガスケット厚さ挙動(損傷のタイプ)材料モデルを有するガスケット要素を用いて、異なる燃料電池コンポーネントのジオメトリ及び材料の非線形性を考慮するためにユニット領域を定義する。ユニット領域の一軸圧縮によって生成される圧力対クロージャ荷重曲線(pressure versus closure loading curve)が、ガスケット厚さ挙動を定義するために使用される。
【0028】
本開示内では、「生成的ワイヤフレーム&サーフェス」は、物理的ワイヤフレーム(「サーフェスベースのモデル」)に似たエッジを有する、複数のより小さな幾何学的サーフェスで物理的サーフェスをモデル化する方法を指す。これらのより小さな幾何学的サーフェスは、「メッシュ」と総称される。サーフェスモデルの粒度及び精度は、メッシュ要素の形状及びサイズを指定することによって制御され得る。「分割すること」は、フレームを失うことなく、サーフェスベースのモデルをより小さなセクション(分割)にカットすることを伴う。
【0029】
本開示内では、「分割」は、サーフェス又はソリッドをカットする操作を指し、これらは通常、2つの別々のコマンド、コンピュータ支援3次元インタラクティブアプリケーション(CATIA)として扱われる。例えば、バウンディングボックス内に含まれるジオメトリを再メッシュするためには、ユニット燃料電池のジオメトリが、バウンディングボックスによって分割(カット)される必要がある。BP、MEA、トッププレート、及びボトムプレートの場合、メッシュはサーフェスジオメトリ上に作成されるため、サーフェスジオメトリ分割操作が使用される。GDL、ガスケットの場合、メッシュは、ソリッドジオメトリ上に作成されるため、ソリッドジオメトリ分割操作が使用される。
【0030】
本開示内では、「反応」は一般に、イベントが発生したときに、1つ又は複数のフィーチャ属性を変更するやり方を指定するスクリプトをユーザが作成することを可能にする機能を指す。例えば、イベントは、作成、削除、更新、属性変更、及びパラメータ値変更などのCADオブジェクト上のどのような一般的イベントであってもよい。
【0031】
本開示内では、「エンジニアリングテンプレート」は、(通常)よく使用されるコンポーネントのデータ構造を指す。エンジニアリングテンプレートをインスタンス化することによって、既存のコンポーネントの再利用を、新たな目的のために使用することが可能となる。
【0032】
素体積の選択、及び素体積ごとの関連付けられたRVEの決定のプロセスは、当業者にはよく知られていることに留意されたい。
【0033】
これより、例が添付の図面に図示される、本発明の実施形態について詳細に言及する。可能な限り、同じ参照番号が、同じパーツ又は似ているパーツを指すために図面及び明細書の記載において使用される。
【0034】
本開示は、燃料電池アセンブリのモデル次数削減を達成するために使用される代表体積要素(RVE)手法の例示的な実施形態を提供する。RVEは、対応する構造の構成応答を表すユニット材料体積要素である。単一の燃料電池は、ユニット領域と呼ばれるより小さな要素体積に離散化される。ある特定のユニット領域は、線形弾性、超弾性、及び/又は超発泡材料を含み得る。これらのすべての材料の複合効果は、ユニット領域を素体積として表すために組み込まれる。したがって、例えば、ガスケット厚さ挙動(損傷のタイプ)材料モデルを有するガスケット要素を用いて、異なる燃料電池コンポーネントのジオメトリ及び材料の非線形性を考慮するためにユニット領域を定義し得る。ユニット領域の一軸圧縮によって生成される圧力対クロージャ荷重曲線が、ガスケット厚さ挙動を定義するために使用され得る。
【0035】
第1の実施形態の下で自動化のためにPEMFCをシミュレートする戦略は、以下の概要によって要約され得る:
1.PEMFCの初期設計を受信する。
2.PEMFCのFEユニットセルの準備。これは、バイポーラプレートの幾何学的フィーチャを含む、シミュレーションで利用されるユニットセルの解析、例えば、繰り返されるフィーチャ及び対称領域を識別することを含む。
3.RVEの生成。これは、FEユニットセルの離散化(複数のユニット領域へのFEユニットセルのパーティショニング)、繰り返されるユニット領域を識別すること、各繰り返されるユニット領域をモデル化すること、各ユニット領域のシミュレーションを行うことを含む。
図3によって示される例示的な離散化戦略は、サーフェスジオメトリを作成するために、ユニットセルFEM310の矩形パターンを選択することを含む。デモンストレーション目的のためだけに、
図3は、ユニットセルFEM310のジオメトリに対応しない、均一な大きさのユニット領域510を示していることに留意されたい。ガスケットの挙動に対処することもできる(例えば、初期条件として事前ロードされる体積要素としてガスケットを作成する)。
4.(RVEを有する)グローバルモデル。これは、クランプ力が存在する場合の(ガスケット挙動を有する)グローバルモデルを作成することと、グローバルモデルのシミュレーション結果を記録することとを含む。
5.サブモデル。ここで、サブモデルとは、フルモデルの局所的な一部であり、この場合、改良されたメッシュを有する詳細なFEモデル(ユニット領域に類似)である。サブモデルは、初期グローバルRVEモデルからの解の補間によって駆動される。
【0036】
このシミュレーションのさらに詳細な記述は、Charonの参考文献に見つけることができることに留意されたい。
【0037】
第1の例示的な実施形態の下では、第1のアプリケーション(「第1のプラグイン」)は、FEユニットセルのセクションに関するパラメータを受け付け、対応するRVEユニット領域を自動的に作る。
図4は、第1のプラグイン400のためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の第1の例示的な実施形態を示す。インタフェースは、選択されたユニット領域(「ボックス」)510に関するユーザ入力を受信するための第1のユニット部分410(第1のステップに対応)と、モデルシナリオに関するユーザ入力を受信するための第2の部分450(第2のステップに対応)と、プラグインによって生成されたRVEのパスを出力として受信するための第3の部分460(第3のステップに対応)と、プログレスステータスインジケータを表示する第4の部分470とを含む。
【0038】
第1の部分410は、ユニット領域モデルのカッティング及びユニット領域メッシュ接続作成の第1のステップに使用される。
図5は、第1のプラグインユーザインタフェース400の第1の部分410の集団(population)に対する入力及び出力の表現を描写している。ユーザは、ユニットセルFEM310からユニット領域510を選択する。例えば、ボックス422をクリックすることによって、ホストCADプログラムは、ユーザに対して、ユニットセルFEM310の複数のユニット領域をグラフィカルに表示することができる。ユーザは、ホストCADプログラムによって、例えば、プラグインが選択を受信するように、ユニットセルFEM310の特定のユニット領域を(例えば、マウス又はトラックパッドを用いて)クリックすることによって、ユニットセルFEM310のグラフィック表現内のユニット領域510を選択することができる。「ボックス番号」フィールド411は、選択されたユニット領域510の番号をユニット領域(「ボックス」)識別子フィールド411に表示し、ユニットセルFEM310の対応するFEM識別子を第1の部分410のFEM識別子フィールド412に表示する。ある代替実施形態では、ユーザは、ボックス番号をボックス識別子フィールド411に投入し、FEM識別子をFEM識別子フィールド412に投入することによって、ユニット領域を選択することができる。
【0039】
次に、ユーザは、ユニット領域メッシュルールボックス413を使用して、識別されたユニット領域の異なる部分に関するルール、この例では、バイポーラプレート414、ガスケット415、プロトン交換膜(PEM)416、及びガス拡散層(GDL)417に関するユニット領域メッシュルールを指定することができる。
【0040】
ここで、ユーザは、例えば、
図8Cを参照して、表1によって示されるように、ユニット領域のコンポーネントに応じて、要素890をユニット領域メッシュに割り当てる。
【0041】
【0042】
代替実施形態は、他の要素タイプを同様に使用し得る。
【0043】
FEMボックス424は、ユニットセルのFEM表現がユニット領域モデルにおいて複製されているか否かを検証するために使用される。場合によっては、複製は失敗し得る。FEM表現の複製がユニット領域において達成されていない、そのような失敗シナリオでは、プラグインは、それ以上ステップを実行せず、代わりに、エラーメッセージ、例えば、「ユーザが選んだFEMは、製品にはありません」を表示する。
【0044】
第1のステップを完了するために、例えば「ステップ1」ボタン418を介してユーザによってトリガされると、第1のプラグインは、以下にさらに説明するように、受信したフィールドを使用して、ユニット領域モデル500を生成する。
図8Aは、第1のプラグイン400の第1のステップの入力及び出力を示す概略図である。第1のステップへの入力は、ユニット燃料電池モデル810であり、これは、例えばK.E.S.812、RVEバウンディングボックスを包含する3Dパーツ814、及び/又はユニット領域モデルを生成するために複製される3D製品816(ユニットセルFEMを包含する)を含み得る。3D製品は、例えば、製品のCAD表現、又はFEM表現であってもよい。
【0045】
実行時に、第1のプラグインの第1のステップは、第1のRVE821を作る。第1のステップは、再度実行されてもよく、2回目の実行は、ユニット燃料電池FEM810の第2のユニット領域822の定義を受信し、対応する第2のRVE822を作る。第1のプラグイン400は、複数n回、すなわち、n個のユニット体積の各々に対して1回ずつ起動されてもよく、その結果、複数n個のRVE821、822、…、82nが得られる。
【0046】
第1のプラグイン400が第1のステップにおいてユニット領域モデル500を生成すると、第2のステップ(第2の部分450に対応)は、ユニット領域モデルに作用し得る力を定義するモデルシナリオ840に関するユーザ入力を受信する。
【0047】
第2のステップのシナリオ450の目的は、実行時に力対変位データを生成する一軸圧縮シミュレーション荷重ケースを設定することである。力対変位データは、以下にさらに説明するように、第3のステップ460において、圧力-クロージャデータにさらに変換される。
【0048】
例えば、ユーザは、トッププレートの平行移動値(例えば、mm単位の距離)をトッププレート平行移動フィールド452(
図4)に投入することができる。この平行移動値は、シナリオ840を記述するために使用され、プラグインは、平行移動値をアプリケーション、例えば「Mechanical Scenario App」に渡して、外力の存在下でのユニット領域のダイナミクスを決定する。第1のプラグインの第2のステップ450は、シナリオ840に関するデータをユニット領域モデル500に適用して、ユニット領域シナリオ600を作る。
【0049】
ユーザがステップ2ボタン458をクリックすると、ユーザインタフェーススクリプトは、ユニット領域シナリオ610を作る第2のステップを実行するためのアプリケーションを呼び出し、例えば、Dassault Systemesの3DS Mechanical Scenario Creationアプリケーションは、瞬間的又は動的荷重イベントを組み込む解析を含む、機械的モデルに対する任意のタイプのシミュレーションを定義して行うためのツールを提供する。ここで、スクリプトは、ステップ1の結果に加えて、ユーザによって投入されたデータをアプリケーションに渡す。
【0050】
図8Bは、シナリオ840が複数のRVE831、832、…、83nに適用される、第1のプラグイン400の第2のステップ450の出力を図示する。各シナリオ840は、対応するRVE831、832、…、83nに関する特定解析ケース841、842、…、84nに対応し得る。ユーザは、特定解析ケース841、842、…、84nを使用して、それぞれのシナリオ特定解析ケース841、842、…、84nを組み込んだ対応する結果RVE861、862、…、86nを決定することができる。
【0051】
図8Cは、
図8Bのシナリオ処理に対する追加の詳細を提供する。静的ステップ870が荷重ケースに対して定義されてもよく、静的ステップは、慣性効果が無視される安定問題の応力解析を行う。ここで、ユニット領域コンポーネント間の相互作用871、872は、摩擦係数を定義する接触プロパティを有する「一般接触」872であると仮定する。トッププレートは、第2のステップ450においてユーザによって手動で投入された値によってユニット領域の厚さ方向に平行移動される。ボトムプレートは、固定され、3軸すべてにおいて平行移動及び回転を持たない。ユニット領域の境界ノードには、対称境界条件873が割り当てられ得る。出力要求874は、変位U、反力RF、及び接触圧力CPRESSのフィールド出力875を含んでもよく、平行移動方向におけるトッププレート剛体の基準点における変位及び反力の履歴出力876は、スクリプトによって要求されている。このシミュレーションシナリオ全体のセットアップは、ユーザがステップ2ボタン458をクリックしたときに生成され、次に、さらなる後処理のためにシナリオが実行される。
【0052】
第1のプラグインの第3の部分460は、第1のプラグインの第2のステップ450においてユーザによって投入されたシナリオ下で、RVEユニット領域に対して起動されたシミュレーション結果の抽出及び処理のために使用される。第3の部分460は、プラグインがユニット領域圧力-クロージャデータ720の結果の宛先として使用するパスを入力としてユーザから受信する。
【0053】
第1の実施形態は、ユニット領域圧力-クロージャデータ720を作るが、ある代替実施形態では、第1のプラグイン400は、プラグインインタフェースを介して受信したデータ及び/又はRVEユニット領域に関する追加データ/パラメータを外部モジュールに提供して、第1のプラグイン400の出力として追加データセットを作る追加シナリオをシミュレートすることができる。そのような追加出力は、第2のプラグイン900(下記で説明する
図9)への入力として提供されてもよい。
【0054】
各ユニット領域解析841、842、…、84nについて、変位、反力、及び接触圧力のフィールド出力875が、第2のステップ450の結果から組み込まれる。
【0055】
同様に各ユニット領域について、剛体「トッププレート」で要求された変位及び反力の履歴出力876が、第2のステップ450の結果から組み込まれる。x-yデータの形式の履歴出力プロットは、特定のユニット領域の圧力クロージャデータ点を抽出するために使用される。例えば、第1のプラグインは、ユニット圧力-クロージャデータ720の結果及び/又は他の導出若しくは受信データ(例えば、変位シナリオ)を外部モジュールに提供して、実際の燃料電池のコンポーネントに適切な材料プロパティのセットを決定する。
【0056】
ユニット領域のシミュレーション実行後、第3のステップ460は、反力対変位の履歴プロット710をデータベースファイル(例えば、xslsファイル)にエクスポートする。クロージャ(変位)データに対する圧力データを得るために、反力データが、「トッププレート」の面積で除算される。
【0057】
第1のプラグインの第4の部分470は、グラフィックプログレスインジケータを表示することができる。
【0058】
図8Dは、第1のプラグイン400によって行われる3つのステップの各々の入力及び出力を描写している。第1のプラグインの第1のステップ410への入力は、前提条件情報(破線の上)と、プラグインテキストボックス411~412及び414~417(
図4)に入力されたユーザパラメータを含む追加の入力(破線の下)との両方を含む。特定の入力機構及びフィールドは、代替実施形態においては異なり得ることに留意されたい。前提条件データは一般に、ユニット燃料電池モデル810に関するものであり、例えば、数ある例の中でも、エンジニアリングルール(例えば、反応及び式)、アセンブリ設計、並びにエンジニアリングテンプレートである。前提条件データは、式、ルール、及びチェックなどの知識を設計に埋め込み、それを利用して、エンジニアリング上の決断を支援し、エラーを低減し、又は設計を自動化するために使用されるEngineering Rules Captureアプリを介して、ホストCAD環境によって収集され得る。同じように、Engineering Templatesアプリは、データベースコンポーネント(製品、シミュレーション、又はパーツなど)の複製及び参照を行う操作の効率的な作成を支援する。
【0059】
入力データは、生成的ワイヤフレーム及びサーフェスパラメータ、並びに構造モデル作成804に関するデータを含む。構造モデル作成804は、例えば、FEM816及びユニット領域メッシングルールエディタ806を含む、シミュレーションの構造応答に影響を与えるモデルフィーチャを追加及び編集するためのCAD環境にネイティブなアプリケーションによって促進され得る。
【0060】
第1のプラグインの第1のステップ410は、前提条件及び入力を使用して、FEM816を、例えば、複数の分割802を含むパーツ(ユニット領域)に離散化する。上記のように、第1のプラグイン400は、
図4に示すプラグイングラフィカルユーザインタフェース(GUI)を介して受信したユーザ定義ユニット領域及びユニット領域メッシュルールパラメータ414~417に基づいて、ユニット領域RVEモデル500を作成する。ユーザは、例えば、適切なフィールド411~412、414~417に手動でデータを追加した後に、ステップ1ボタン418を選択することによって、第1のプラグインGUIを介してRVEモデル500の生成をトリガすることができる。
【0061】
図6によって示されるように、第1のプラグインの第2のステップ450は、第1のプラグインの第1のステップ410によって作成されたRVEユニットモデル500を使用して、ユニット領域メッシュを作成し、一軸圧縮解析ケースを作成する。第1のプラグインの第2のステップ450は、第1のプラグインGUIを介して機械的シナリオ840、例えば、トッププレート平行移動452(
図4)を受信する。ユーザは、例えばステップ2ボタン458(
図4)を選択することによって、第1のプラグインGUIを介してユニット領域シナリオ600の生成をトリガすることができる。ここで、第1のプラグインの第2のステップは、Mechanical Scenario Creationアプリケーション、又は類似の既存のユーティリティを呼び出して、瞬間的又は動的荷重イベントを組み込む解析を含む、ユニット領域モデル500に対するシミュレーションを定義して行うための適切なツールを提供する。
【0062】
図7によって示されるように、第1のプラグインの第3のステップ460は、第1のプラグインの第2のステップ450によって作成されたユニット領域シナリオ600を使用する。第1のプラグインの第3のステップ460は、(例えば、パステキストボックス462(
図5)を介して)ユーザによって入力されたファイルパスを受信し、アプリケーション、例えば、ユニット領域シナリオ600を受け付け、モデル応答のグラフィック出力及び/又はアニメーションを作成するネイティブアプリであるPhysics Results Explorerを呼び出す。例えば、第1のプラグインの第3のステップの出力は、ユニット領域シナリオ600のクロージャ(バイポーラプレート間の距離)に対する圧力をプロットするグラフ710であってもよい。
【0063】
上記のように、第1のプラグイン400は、複数のRVEユニット領域の作成を自動化するために使用することができ、RVEユニット領域は、モデルにおいてFEユニット領域を効果的に置き換える。第1のプラグイン400の出力は、すべてのユニット領域に対して生成される圧力クロージャデータである。第2の例示的な実施形態の下では、圧力クロージャデータは、RVEユニットセルを作るための第2のプラグイン800に入力される。
【0064】
図9によって示されるように、第2の例示的な実施形態の下では、第2のアプリケーション(「第2のプラグイン」)900が、FEユニットセルのRVEユニットに関するパラメータを受け付けて、対応するRVEユニットセルを自動的に作る。
図9は、第2のプラグイン900のユーザインタフェースの第2の例示的な実施形態を示す。
【0065】
インタフェースは、CAD離散化に関するユーザ入力を受信するための第1の部分910(第1のステップに対応)と、RVEユニットセルメッシュ及びプロパティに関するユーザ入力を受信するための第2の部分950と、プログレスステータスインジケータを表示する第3の部分970とを含む。
【0066】
第1の部分(CAD離散化)910は、RVEユニットセルモデルを生成するために、ジオメトリ準備に取り組む。このセクションへの入力は、(上記の第1のプラグイン400の第1の部分410及び第2の部分450のように)離散化ステップで生成されたバウンディングボックス、燃料電池の中間サーフェス、及び任意選択的に対称平面である。第2のプラグイン900は、入力された中間サーフェスを、バウンディングボックス内に囲まれたエリアである、より小さなサーフェスにカットする。ユーザが対称平面に関する入力を与えた場合、これらの分割を使用して、平面に関して対称なサーフェスを作成する。例えば、モデルは4分の1の対称を有する場合があり、したがって、サーフェスの4分の1領域に対して分割が生成され、残りの4分の3の分割は、対称操作によって生成される。このようにして、ユーザは、ジオメトリ全体についてバウンディングボックスを作成する時間を節約する。これらの分割(及びもしあれば対称サーフェス)は、RVE要素のサーフェスメッシュを生成するための幾何学的サポートとして機能する。
【0067】
第2のプラグインの第1の部分910は、RVEユニットセル(「RVEモデル」)を作るためにFEユニットセルに組み込まれるRVEユニット領域の選択に使用される。第2のプラグインの第2の部分950は、RVEユニットセルに組み込まれるRVEユニット領域のRVEユニットセルメッシュ及びプロパティを定義するために使用される。第2のプラグイン900は、入力として、例えば生成的ワイヤフレーム及びサーフェスアプリケーションからのワイヤフレームサーフェス、第1のプラグイン400によって作られたデータ、例えば、RVEユニットモデル及び圧力(MPa)対クロージャ(データ)を受信する。第2のプラグイン900は、第2のプラグインのGUIを介してユーザによって手動で投入されたパラメータも受信する。
【0068】
第2のプラグインユーザインタフェースの第1の部分910は、以下の制御を含む。RVEボタン921は、(上記の第1のプラグイン400の第1の部分410及び第2の部分450のように)離散化ステップで作成されたすべてのバウンディングボックス(繰り返し及び一意)のユーザ選択を可能にする。「RVEの総数」フィールド911は、ユーザが選択したバウンディングボックスの総数を表示する。
【0069】
「サーフェス」ボタン922は、ユニット燃料電池の厚さの中間レベルにあるサーフェスのユーザ選択を可能にし、バウンディングボックスは、このサーフェスを、RVEサーフェスメッシュを作成するために使用されるより小さなサーフェスに分割する。「名称」フィールド912は、選択された中間レベルのサーフェスの名称を表示する。
【0070】
平面ボタン924は、ユーザが、もしあれば対称平面を選択することを可能にする(対称平面がない場合は、ユーザは、このボタンをスキップすることができる)。「平面数」フィールド914は、ユーザによって選択された対称平面の数を表示する。第1の部分の起動ボタン916は、第2のプラグインに、選択されたサーフェスに対する分割を生成させる。ユーザが対称平面を提供した場合、分割の対称サーフェスが作成される。
【0071】
第2の部分(メッシュ及びプロパティ)950は、RVE要素の厚さ値、及び第1のプラグインによって生成された圧力-クロージャデータを包含するフォルダのパスを入力として受信する。FEM表現が、RVEユニットセルモデルに挿入される。分割(及びもしあれば対称サーフェス)を使用して2次元サーフェスメッシュが作成され、これらの2Dサーフェスメッシュは、厚さ/2の値だけ両側で法線方向に押し出される。すべての3Dメッシュに対してガスケット断面プロパティが作成される。第1のプラグインによって生成された圧力クロージャデータ720は、材料定義の荷重曲線セクションに圧力クロージャデータ720を挿入することによって、ガスケット厚さ挙動(損傷のタイプ)モデルに使用される。次に、この材料は、ガスケットプロパティに割り当てられる。
【0072】
第2のプラグインユーザインタフェースの第2の部分950は、以下の制御を含む。ユーザは、「RVE厚さ(mm)」フィールド952にRVE要素の厚さ(mm単位)をキー入力することができる。RVEサーフェスメッシュは、サーフェスメッシュに対して法線方向に、サーフェスの両側で「厚さ」/2だけ押し出される。フォルダボタン954により、ユニット領域の圧力クロージャデータの出力(データベース、例えばExcel)ファイルが保存されるフォルダをユーザが選択することが可能となる。「パス」フィールド956は、選択されたフォルダパスを表示する。第2の部分の起動ボタン966をクリックすることにより、第2のプラグインが、分割及び対称性(第1の部分の起動ボタン916のプロセスの出力)を使用してRVEサーフェスメッシュを生成する。次に、RVEの3D要素を形成するために、これらのメッシュを押し出すことができる。データベースファイルからの圧力クロージャデータを使用して、ガスケット挙動材料を作成し、この材料は、すべてのRVE要素に対してガスケットプロパティを定義する間に使用される。第3の部分のプログレスバー970は、起動ボタン916、966のいずれかを選択した後の完了ステータスを表示する。
【0073】
第2のプラグインは、ユニット燃料電池モデルをRVEユニットセルモデルに変換する。第2のプラグイン900は、燃料電池の中間サーフェスを分割することと、対称サーフェスを生成することと(燃料電池に対称性が存在する場合)、RVEガスケット厚さ挙動材料を作成することと、断面をそれぞれのRVE要素に割り当てることとによって、RVE要素を作成する。
【0074】
このRVEユニットセルモデルは、RVEユニットセルだけに対してメッシュ、材料、及び断面の割り当てを提供する。Material Definitionアプリを使用して、材料を定義し、オブジェクトに材料を適用する。適当な境界条件及び荷重状況(ケースごとに異なるシナリオを設定するために最低限必要な境界条件)を使用することによって、燃料電池モデル全体の圧縮がシミュレートされる。
【0075】
「n」個の燃料電池スタックを有するアセンブリパターンを作るために、第2のプラグインは、RVEユニットセルメッシュを生成する。次に、このRVEユニットセルモデルを使用して、燃料電池スタックを手動で作成して、さらなるアセンブリ荷重ケースシミュレーションを実施することができる。燃料電池スタックを生成するためのアセンブリパターンの作成行為、及び燃料電池スタックのシナリオ設定の行為は、手動である。このアセンブリパターンは、この時点で、燃料電池スタック全体を反映している。「n」個の燃料電池スタックを有するアセンブリパターンを作るために、第2のプラグインは、RVEユニットセルメッシュを生成する。
【0076】
図10は、第2のプラグインユーザインタフェース900の集団に対する入力及び出力のグラフィック表現を描写している。
【0077】
図13は、第2のプラグイン900が起動される前のデータセット901(左)、第2のプラグインの第1の部分910が起動された後のデータセット902(中央)、及び第2のプラグインの第2の部分950が起動された後のデータセット903(右)を示す概略図である。特に、第2のプラグインの第1の部分910は、RVEユニット領域バウンディングボックスサーフェスジオメトリ1310を受信し、対応するRVE幾何学的セット1315を作る。ここで、「幾何学的セット」は、サーフェス及びワイヤフレームジオメトリを格納するコンテナを指し、RVE幾何学的セットは、繰り返しのバウンディングボックス又は一意のバウンディングボックスの分解されたパターンを格納するために第2のプラグイン900によって生成される幾何学的セットを指す。
【0078】
第2のプラグインの第1の部分910は、燃料電池中間サーフェス1320及び対称平面1322に関するデータを受信し、幾何学的分割セット1325(分割及び分割の対称性を格納する幾何学的セット)を作る。第2のプラグインの第2の部分950は、幾何学的分割セット1325を使用して、対応するRVEサーフェスメッシュ1352、及びRVEガスケット断面1354、及び材料1356を有するユニットセルのFEM表現1350を作る。
【0079】
図14は、第2のプラグインの第1の部分910によって行われるCAD離散化の例示的な実施形態における機能フローを図示するフローチャート1400である。
【0080】
ブロック1420によって示されるように、入力が受信される。ここで、ユーザは、第2のプラグインの第1の部分910のGUIを介して、燃料電池中間サーフェス1422、一意及び繰り返しのバウンディングボックス1424の定義、及び/又は対称性のための基準平面1426を含む入力を提供する。ボックス1430によって示されるような各バウンディングボックス(i)について、ブロック1440によって示されるように、サーフェス分割が受信される。(ブロック1450によって示されるように)基準平面が現在のバウンディングボックスの入力として受信される場合、ブロック1460によって示されるように、その平面に関する分割のサーフェス対称性も生成される。ブロック1470によって示されるように、このプロセスは、各バウンディングボックスについて反復される。
【0081】
図15は、第2のプラグインの第2の部分950によって行われるCAD離散化の例示的な実施形態における機能フローを図示するフローチャート1500である。
【0082】
ブロック1510によって示されるように、入力が受信される。ここで、ユーザは、第2のプラグインの第2の部分950のGUIを介して、RVE厚さ1511、及び出力ファイルのためのフォルダパスを含む入力を提供する。ボックス1520によって示されるような各分割(i)について、ブロック1525によって示されるように、サーフェスメッシュが作成され、ブロック1530によって示されるように、押し出しオフセットメッシュが作成される。材料データの各ファイル(例えば、ブロック1550によって示されるようなExcelデータファイル(j))について、ガスケットプロパティが作成され(ブロック1560)、ガスケットプロパティサポートが割り当てられ(ブロック1562)、並びにガスケット材料の作成及び割り当てが行われる(ブロック1564)。このプロセスは、ブロック1570によって示されるように、すべての材料データファイルが処理されるまで反復される。ブロック1580によって示されるように、サポートが欠落したプロパティは除去される。
【0083】
図11は、第1のプラグイン(1110~1150)及び第2のプラグイン(1160~1190)両方のプロセスの高レベルフローチャートである。フローチャートにおけるいずれのプロセスの記述又はブロックも、プロセスにおける特定の論理機能を実装するための1つ又は複数の命令を含むモジュール、セグメント、コードの部分、又はステップを表すものとして理解されるべきであり、本発明の当業者によって理解されるように、関与する機能性に応じて、実質的に同時又は逆の順序を含む、示された又は論じられた順序とは違う順序で機能が実行され得る代替実装形態が、本発明の範囲内に含まれることに留意されたい。
【0084】
ブロック1120によって示されるように、第1のプラグイン400(
図4)のステップ1及び2は、ユーザ指定の離散化スキームのように、ユニット燃料電池モデル(ブロック1110)をユニット領域に離散化し、ユニット領域のメッシュを作成し、ブロック1130によって示されるように、一軸圧縮解析ケースを作成する。ブロック1140によって示されるように、ステップ3は、ユニット領域解析モデルを受信し、ユニット領域解析の力対変位の出力を決定し、データベースファイルにおいてそれを公開し、データベースを介してデータを圧力対クロージャに変換する。
【0085】
ブロック1160によって示されるように、第2のプラグイン900(
図9)は、圧力対クロージャデータ及びRVEモデル1155を受信して、修正RVEモデル(1170)を生成する。
【0086】
第2のプラグイン900に入力されるRVEモデルは、燃料電池の中間サーフェス、バウンディングボックス(一意+繰り返し)、及びもしあれば対称平面を包含する。対照的に、第2のプラグイン900によって出力されるRVEモデルは、バウンディングボックスのように、燃料電池の中間サーフェスの分割を包含する。これらの分割を使用して、RVE要素に対して定義された断面及び材料プロパティを有するRVEユニットセルメッシュが作成される。第2のプラグインは、ブロック1180によって示されるようにアセンブリ操作を行って、ブロック1190によって示されるように燃料電池のグローバルモデルを作る。
【0087】
先述のように、上記で詳細に説明した機能性を実行するための本システムは、コンピュータであってもよく、その一例が、
図12の概略図に示されている。システム1200は、プロセッサ1202、ストレージデバイス1204、上述の機能性を定義するソフトウェア1208を中に格納したメモリ1206、入出力(I/O)デバイス1210(又は周辺機器)、及びシステム1200内の通信を可能にするローカルバス又はローカルインタフェース1212を包含する。ローカルインタフェース1212は、例えば、当該分野で知られているように、1つ又は複数のバス又は他の有線若しくは無線接続であってもよいが、これらに限定されない。ローカルインタフェース1212は、通信を可能にするために、コントローラ、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、リピータ、及びレシーバなどの追加の要素(これらは、簡略化のために省略されている)を有し得る。さらに、ローカルインタフェース1212は、先に述べたコンポーネント間の適切な通信を可能にするために、アドレス、制御、及び/又はデータ接続を含み得る。
【0088】
プロセッサ1202は、ソフトウェア、特にメモリ1206に格納されたソフトウェアを実行するためのハードウェアデバイスである。プロセッサ1202は、任意のオーダーメイド若しくは市販のシングルコア若しくはマルチコアプロセッサ、中央処理装置(CPU)、本システム1200に関連するいくつかのプロセッサのうちの補助プロセッサ、半導体ベースのマイクロプロセッサ(マイクロチップ若しくはチップセットの形式)、マクロプロセッサ、又は一般にソフトウェア命令を実行するための任意のデバイスであってもよい。
【0089】
メモリ1206は、揮発性メモリ要素(例えば、ランダムアクセスメモリ(DRAM、SRAM、SDRAMなどのRAM))及び不揮発性メモリ要素(例えば、ROM、ハードドライブ、テープ、CDROMなど)のうちのいずれか1つ又は組み合わせを含み得る。また、メモリ1206は、電子的、磁気的、光学的、及び/又は他のタイプのストレージ媒体を組み込んでもよい。メモリ1206は、様々なコンポーネントが互いに遠隔地にあるが、プロセッサ1202によってアクセス可能である分散アーキテクチャを有し得ることに留意されたい。
【0090】
ソフトウェア1208は、本発明に従って、システム1200によって行われる機能性を定義する。メモリ1206内のソフトウェア1208は、1つ又は複数の別々のプログラムを含んでもよく、各プログラムは、下記のような、システム1200の論理機能を実装するための実行可能命令の順序付けられたリストを包含する。メモリ1206は、オペレーティングシステム(O/S)1220を包含し得る。オペレーティングシステムは、基本的に、システム1200内のプログラムの実行を制御し、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、並びに通信制御及び関連サービスを提供する。
【0091】
I/Oデバイス1210は、例えば、キーボード、マウス、スキャナ、マイクロフォンなどの入力デバイスを含み得るが、これらに限定されない。さらに、I/Oデバイス1210は、例えば、プリンタ、ディスプレイなどの出力デバイスも含み得るが、これらに限定されない。最後に、I/Oデバイス1210は、入力及び出力の両方を介して通信するデバイス、例えば、変調器/復調器(別のデバイス、システム、若しくはネットワークにアクセスするためのモデム)、無線周波数(RF)若しくは他のトランシーバ、電話インタフェース、ブリッジ、ルータ、又は他のデバイスをさらに含み得るが、これらに限定されない。
【0092】
システム1200の動作中に、プロセッサ1202は、上記で説明したように、メモリ1206内に格納されたソフトウェア1208を実行し、メモリ1206との間でデータを通信し、及びソフトウェア1208に準じてシステム1200の動作を一般に制御するように構成される。
【0093】
システム1200の機能性の動作中に、プロセッサ1202は、メモリ1206内に格納されたソフトウェア1208を実行し、メモリ1206との間でデータを通信し、及びソフトウェア1208に準じてシステム1200の動作を一般に制御するように構成される。オペレーティングシステム1220は、プロセッサ1202によって読み出され、おそらくプロセッサ1202内にバッファリングされ、その後、実行される。
【0094】
システム1200がソフトウェア1208で実装される場合、システム1200を実装するための命令は、任意のコンピュータ関連デバイス、システム、若しくは方法によって使用するため、又は任意のコンピュータ関連デバイス、システム、若しくは方法に関連して使用するために、任意のコンピュータ可読媒体に格納することができることに留意されたい。このようなコンピュータ可読媒体は、いくつかの実施形態では、メモリ1206又はストレージデバイス1204のいずれか一方又は両方に対応し得る。本文書の文脈では、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ関連デバイス、システム、若しくは方法によって使用するため、又はコンピュータ関連デバイス、システム、若しくは方法に関連して使用するためにコンピュータプログラムを包含又は格納することができる、電子的、磁気的、光学的、又は他の物理的デバイス若しくは手段である。システムを実装するための命令は、プロセッサ若しくは他のそのような命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって使用するため、又はプロセッサ若しくは他のそのような命令実行システム、装置、若しくはデバイスに関連して使用するために任意のコンピュータ可読媒体において具現化することができる。例としてプロセッサ1202に言及してきたが、そのような命令実行システム、装置、又はデバイスは、いくつかの実施形態では、命令実行システム、装置、又はデバイスから命令をフェッチし、及び命令を実行することができる任意のコンピュータベースのシステム、プロセッサを包含するシステム、又は他のシステムであってもよい。本文書の文脈では、「コンピュータ可読媒体」は、プロセッサ若しくは他のそのような命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって使用するため、又はプロセッサ若しくは他のそのような命令実行システム、装置、若しくはデバイスに関連して使用するためにプログラムを格納すること、通信すること、伝搬すること、又は搬送することができる任意の手段であってもよい。
【0095】
このようなコンピュータ可読媒体は、例えば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線、又は半導体のシステム、装置、デバイス、又は伝搬媒体であってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的リスト)は、以下:1つ又は複数のワイヤを有する電気接続(電子的)、携帯型コンピュータディスケット(磁気的)、ランダムアクセスメモリ(RAM)(電子的)、読み出し専用メモリ(ROM)(電子的)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM、EEPROM、又はフラッシュメモリ)(電子的)、光ファイバ(光学的)、及び携帯型コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)(光学的)を含むだろう。コンピュータ可読媒体は、プログラムが印刷された紙又は別の適した媒体である可能性さえあることに留意されたい(プログラムは、例えば紙又は他の媒体の光学式走査によって電子的に捕捉され、その後、コンパイルされ、解釈され、又は必要であれば適した様式で処理され、その後、コンピュータメモリに格納することができるため)。
【0096】
システム1200がハードウェアで実装される代替実施形態では、システム1200は、それぞれ当該分野でよく知られている以下の技術:データ信号に対して論理関数を実装するための論理ゲートを有する1つ又は複数のディスクリート論理回路、適切な組み合わせ論理ゲートを有する特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ又は複数のプログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのうちのいずれか又は組み合わせで実装することができる。
【0097】
RVEユニット領域を作ること(第1の実施形態)及び複数のRVEユニット領域をFEユニットセルに組み込むこと(第2の実施形態)の自動化は、コンピュータリソースのスケールを少なくとも1桁有利に削減する。さらに、これらの実施形態は、FEユニット領域を定義及び選択すること、各選択されたFE領域からRVEユニット領域を作ること、並びに複数のRVEユニット領域をFEユニットセルに組み込むことに必要とされる手動ステップの数を低減するという人間工学的利点を提供する。
【0098】
複数(n個)のユニット領域モデルを手動で開発するのは面倒であり、その後、これらのユニット領域モデルは、複数の解析ケースを作成するために利用され、2×n個のファイルの状況を常に把握しておく必要がある。ユニットセルモデルは、メッシュ構築、接続定義、及び解析作成の前にバウンディングボックス内でカットされなければならないため、「n個」のユニット領域モデルを作成することは、以前は、時間がかかり、且つ誤りを犯しやすい作業であった。
【0099】
上記の実施形態は、MSR(モデリング、シミュレーション、及び結果)アプローチに基づいている。これらの実施形態(プラグイン)の出力は、集合データの単一のリポジトリとして機能する、1つのコンテナ、すなわちユニット領域解析モデル内のすべてのデータ(ジオメトリ、FE表現、解析、及び結果)を連結させる。
【0100】
本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明の構造に様々な修正及び変形を加え得ることは、当業者には明らかであろう。上記を鑑みて、本発明は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内に入るという条件で、本発明の修正及び変形を対象とすることが意図される。
【外国語明細書】