(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173723
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】カメラヘッドのためのホルダ構成を備えるカメラ機構およびホルダ構成
(51)【国際特許分類】
H04N 23/50 20230101AFI20241205BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20241205BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20241205BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20241205BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H04N23/50
H04N5/222 100
H04N23/57
G03B17/56 A
B60R11/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024081534
(22)【出願日】2024-05-20
(31)【優先権主張番号】23175923
(32)【優先日】2023-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】502208205
【氏名又は名称】アクシス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン, アンドレアス
【テーマコード(参考)】
2H105
3D020
5C122
【Fターム(参考)】
2H105AA02
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC02
3D020BD02
3D020BD09
5C122DA14
5C122GD01
5C122GE03
5C122GE05
5C122GE11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両搭載カメラのフロントガラスにおける反射問題に対して改良されたホルダ構成を提供する。
【解決手段】カメラ機構は、カメラヘッドと、カメラホルダリングと、カメラホルダベースとを備える。カメラヘッドは、撮像ユニットと、一定の断面を備える相互作用部分とを有する。カメラホルダリングは、カメラヘッドの相互作用部分に嵌合するように構成された内側面を有し、カメラホルダベースは、カメラヘッドの相互作用部分に嵌合したカメラホルダリングを受け入れ、ホルダリングの外側面を把持するように寸法が決められた差し込み口を有する。差し込み口は、カメラホルダリングおよびカメラヘッドをカメラホルダベースに対して定着させ、それにより、カメラの向きをカメラホルダベースに対して定着させるための締め付け機能を有する。カメラホルダリングは、差し込み口の締め付け機能が作動されるまで、相互作用部分の長さに沿って移動可能である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラヘッドと、カメラホルダリングと、カメラホルダベースとを備えるカメラ機構において、
前記カメラヘッドは、撮像ユニットと、一定の断面を備える相互作用部分とを有し、
前記カメラホルダリングは、前記カメラヘッドの前記相互作用部分に嵌合するように構成された内側面を有し、
前記カメラホルダベースは、前記カメラヘッドの前記相互作用部分に嵌合した前記カメラホルダリングを受け入れ、前記ホルダリングの外側面を把持するように寸法が決められた差し込み口を有し、
前記差し込み口は、前記カメラホルダリングおよび前記カメラヘッドを前記カメラホルダベースに対して定着させ、それにより、前記カメラホルダベースに対する前記カメラヘッドの向きを定着させるために、その寸法が縮小され得るように締め付け機能を有する、カメラ機構であって、
前記カメラホルダリングは、前記差し込み口の前記締め付け機能が作動されるまで、前記相互作用部分の長さに沿って移動可能であるように構成されることを特徴とする、カメラ機構。
【請求項2】
前記カメラホルダリングの前記外側面は、軸方向においてドーム形状であり、前記差し込み口は、これもまた軸方向に、前記カメラホルダリングの前記ドーム形状の外側面を受け入れるように構成されたドーム形状の内側面を有する、請求項1に記載のカメラ機構。
【請求項3】
前記カメラホルダリングは、軸方向のスリットを備えた環状形状を有するため、前記カメラホルダリングは、その円周上の一部分において第1の端部と第2の端部の合致点を有する、請求項1に記載のカメラ機構。
【請求項4】
前記第1の端部と前記第2の端部は、相互ロック式に合致し、前記第1の端部の一部分は、前記第2の端部の一部分と周辺方向に重なる、請求項3に記載のカメラ機構。
【請求項5】
前記第1の端部と前記第2の端部が重なる部分は、前記カメラヘッドの前記相互作用部分上に前記ホルダリングを配置するときに必要とされる長さの伸張を超える長さを有する、請求項4に記載のカメラ機構。
【請求項6】
前記カメラヘッドは、前記相互作用部分の前記長さの一部に沿って延びるガイド機構を有し、前記ホルダリングを前記相互作用部分上に維持するために、前記ホルダリングは、前記ガイド機構と相互作用するように構成されるガイド手段を有する、請求項1に記載のカメラ機構。
【請求項7】
前記ガイド機構は溝または隆起であり、前記ガイド手段は、前記ホルダリングの半径方向内側面の突起または刻み目である、請求項6に記載のカメラ機構。
【請求項8】
前記ホルダリングに使用される材料は、熱可塑性プラスチックまたは硬化プラスチックなどのプラスチックなどのポリマー、強化ポリマーおよび金属、あるいはそれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項1に記載のカメラ機構。
【請求項9】
前記ホルダリングの前記外側面は、前記ホルダリングと前記差し込み口との間の把持を高めるために、表面模様付きの表面またはコーティングを有する、請求項8に記載のカメラ機構。
【請求項10】
前記ホルダリングの前記外側面は、対称的な球面セグメントの形状を有し、前記ホルダリングの前記内側面は、その上、またはその中に任意のガイド手段が配置されることを除いて基本的に一定の断面を有する、請求項1に記載の機構。
【請求項11】
前記ホルダベースは、2つの機能部分を有し、第1の部分は、差し込み口を備え、第2の部分は、前記第1の部分から一定の角度のところに形成され、傾斜した装着面を備えており、前記ホルダベースは、熱可塑性プラスチックまたは硬化プラスチックなどのプラスチックなどのポリマー、強化ポリマーおよび金属、あるいはそれらの組み合わせを含む群からの材料で作製される、請求項1に記載のカメラ機構。
【請求項12】
前記第2の部分は、ケーブルガイドまたはケーブル張力緩和のための締結点を有する、請求項11に記載のカメラ機構。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の、ホルダリングと、差し込み口を有するホルダベースとを備えるカメラのためのホルダ構成であって、前記ホルダリングは、前記差し込み口の締め付け機能が作動されるまで、前記カメラの相互作用部分の長さに沿って移動可動であるように構成されることを特徴とする、ホルダ構成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ機構に関し、詳細には、カメラ機構におけるカメラのためのホルダ構成に関する。
【背景技術】
【0002】
ホスト車両に関わる事象をモニタするように配置されたダッシュボードカメラシステムならびに他のカメラシステムは、ますます一般的になってきている。そのような種類の車両搭載カメラは、環境から保護し、同時に車両の外部の周辺物を見ることを可能にするために、フロントガラス(または他の透明な面、サイドウィンドウまたはバックウィンドウなど)の内側に設置されることが多い。
【0003】
カメラは、(任意のかなりの範囲まで)ドライバーの視界を妨げないように設置されるべきであり、またその理由のために、ウィンドスクリーンの縁部に沿って、例えば、バックミラーの背後の領域において、または前方の助手席側でウィンドスクリーンの側縁部に沿ったどこかに設置されることが多い。
【0004】
車両搭載カメラは、望ましい視界を獲得するために適切に配向するべきであり、ひとたび適切に配向されると、カメラは、車両が移動する際に、その向きを変えないように所定の場所にロックされるべきである。
【0005】
これを解決するための共通の方法は、ある種のボールソケット取り付け台であり、ボール(またはソケット)を備えるホルダが、真空クランプ(吸引カップ)または接着剤を利用してウィンドスクリーンに装着され、カメラヘッドは、ソケット(またはボール)を利用してホルダに装着される。
【0006】
このタイプのそのようなボールソケット取り付け台の改良版が、米国特許出願第2021/368074号に提示されており、ここでは、カメラハウジング自体が、フロントガラスに装着され得る取り付け台の開口と合致して嵌合するボール形状の構造物を備える。ボール形状の構造物は、カメラハウジングと一体式に形成されてもよいし、締め具または接着剤を利用してハウジングに固定された別個の構成要素として形成されてもよい。この文献は、この改良版の有利な点が、ボール形状の構造物が、カメラの撮像ユニットに対して所定の位置で形成され得ることで、撮像ユニットと意図される視覚対象との間の距離が一定に維持され得ることであることを開示している。
【0007】
WO2022/046883は、付属品を支持体に結合する球面継ぎ手を開示する。球面継ぎ手は、鍔、カップおよびボールヘッドを備え、鍔は、ボールヘッドを収容するように構成され、ボールヘッドは、取り付けインターフェースを介して付属品または支持体の一方に結合するように構成される。
【0008】
FR2906780は、自動車の安定性の動的制御のための電子デバイスを開示する。デバイスは、支持体およびハウジングを備え、各々が、装着点を有しており、装着点は、ボール継ぎ手のボールが配置されるケージによって一緒に接続される。ケージは、装着点の一方と一体であり、ボール継ぎ手は、他方の装着点と一体である。調節可能な位置決め手段は、支持体に関して固定された位置にハウジングをロックするためにボール継ぎ手の周りにケージをクランプ留めする手段を備える。
【0009】
本発明は、従来技術に対して、詳細にはフロントガラスにおける反射によって誘発される干渉グレアの問題に対してさらに改良されたホルダ構成を提供することを目的としており、この問題は、引用される文献においては余分な構成要素、すなわち反射防止の覆いによって緩和されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願第2021/368074号
【特許文献2】WO2022/046883
【特許文献3】FR2906780
【発明の概要】
【0011】
本発明は、カメラ機構の提供によって従来技術におけるいくつかの問題をなくす、または緩和することを目的としている。カメラ機構は、カメラヘッドと、カメラホルダリングと、カメラホルダベースとを備える。カメラヘッドは、撮像ユニットと、規定された、好ましくは一定の、または基本的に一定の断面を備える相互作用部分とを有し、撮像ユニットは、相互作用部分の一部を形成してよい。カメラホルダリングは、カメラヘッドの相互作用部分に嵌合するように構成された内側面を有し、カメラホルダベースは、カメラヘッドの相互作用部分に嵌合したカメラホルダリングを受け入れ、ホルダリングの外側面を把持するように寸法が決められた差し込み口を有する。さらに、差し込み口は、カメラホルダリングおよびカメラヘッドをカメラホルダベースに対して定着させ、それにより、カメラホルダベースに対するカメラの向きを定着させるためにその寸法が縮小されるように締め付け機能を有する。カメラ機構は、カメラホルダリングが、差し込み口の締め付け機能が作動されるまで、相互作用部分の長さに沿って移動可能であるように構成される点において特徴付けられる。
【0012】
相互作用部分とホルダリングとの協働は、カメラヘッドの軸方向の並進を可能にし、これは、グレアの回避を可能にしてよい。さらに、本発明は、設置された位置にあるときに向きと軸方向の位置の両方が変更され得るという点において、異なる勾配の表面にも適合可能な応用の利く解決法を可能にする。
【0013】
1つまたは複数の実施形態では、カメラホルダリングの外側面は、軸方向においてドーム形状であり、差し込み口は、カメラホルダリングのドーム形状の外側面を受け入れるように構成されたドーム形状の内側面を有する。他の形状も不可能ではないが、ドーム形状の表面は、ホルダリングが設置されたカメラヘッドが差し込み口において傾けられたときに、より最適な接触を保証する。以下に開示されるように、球面が最適な形状であるように思われるが、とりわけ構成要素に使用される材料の特性が適合するならば(材料が柔らかくなるほど成形するのに許容範囲が大きくなる)、この最適な形状からの逸脱もまた可能である。
【0014】
いくつかの実施形態では、カメラホルダリングは、軸方向のスリットを備えた環状形状を有するため、カメラホルダリングは、その円周上の一部分において第1の端部と第2の端部の合致点を有する。軸方向のスリットは、カメラホルダリングの形状に関わらず、ホルダリングのより大きな可撓性を可能にする。このことは、リングがどのような材料で作製されても事実であり、したがって、ホルダリングが、カメラヘッドに嵌合し、カメラヘッドを所定の場所にしっかりと保持するように圧縮されることをなおも可能にしつつ、より堅い材料が使用されてもよい。リングの内側面は、相互作用部分の形状に応じて、円形とは異なる形状を有してもよい。スリットは、ホルダリングが相互作用部分の上に配置される際に拡張されてよく(すなわち、リングが開かれてよい)、ホルダリングが相互作用部分に係合する際、締め付け中にサイズのわずかなさらなる縮小を可能にするために、小さいスリットがなおも存在してもよい。
【0015】
先の実施形態に関連する一実施形態では、第1の端部と第2の端部は、相互ロック式に合致し、第1の端部の一部分は、第2の端部の一部分と周辺方向に重なる。スリットのところに2つの自由端の合致点を有することは、ホルダリングが、形状が崩れてゆがみ、リング形状かららせん形状になりやすくする可能性がある。物理的に相互ロックする端部を有することで、このようなことが発生するのを阻止する。
【0016】
この実施形態のさらなる改善点において、第1の端部と第2の端部が重なる部分は、カメラヘッドの相互作用部分上にホルダリングを配置するときに必要とされる長さの伸張を超える長さを有する。このような特性を備えた重なりを有することは、この機構を組み立てる手順の任意の一部の間に端部の変位が全く生じないことを保証する。このことは、組み立てプロセスの全てのステップを簡素化する。
【0017】
1つまたは複数の実施形態では、カメラヘッドは、相互作用部分の長さの一部に沿って延びるガイド機構を有し、ホルダリングを相互作用部分上に維持するために、ホルダリングは、ガイド機構と相互作用するように構成されるガイド手段を有する。ガイドが可能になることは、機構の組み立てを簡素化し、また組み立て後の位置にあるときのカメラヘッドの方向付けも簡素化する。ガイド機構はまた、差し込み口が締め付けられる前ですら、組み立て後の位置にカメラ機構を維持してよい。このことは、組み立てプロセス中に、とりわけ機構が、手が届きにくい場所に位置決めされるときに手助けをする。この特徴部はまた、ホルダリングがその上に配置されたカメラヘッドをある程度の力で差し込み口と係合するように押し込むことを可能にする、例えば、カメラヘッドは、係合が解除されることなく、所定の場所に基本的にスナップ嵌めされてよく、このことは組み立てを簡素化する。
【0018】
これを提供する1つの方法は、ガイド機構が溝または隆起であり、ガイド手段が、ホルダリングの半径方向内側面の突起または刻み目であることである。
【0019】
構成要素、主にホルダリングおよびホルダベースは、熱可塑性プラスチックまたは硬化プラスチックなどのプラスチックなどのポリマー、強化ポリマーおよび金属、あるいはそれらの組み合わせを含む群から選択される材料で作製されてよい。材料のリストは、網羅的ではなく、異なる材料が異なる利点を有する場合がある。材料の正確な選択は、用途からして当業者に一任されてよいことは別として、機構は全体として寸法的に安定しているべきである。
【0020】
材料の固有の特性が十分な把持を提供しない場合、または把持を高めるという要望がある場合、ホルダリングの外側面は、ホルダリングと差し込み口との間の把持を高めるために、表面模様付きの表面が与えられる、またはコーティングが備わっていてもよい。これは、ホルダリングと差し込み口との間の把持を強化するために適用されるだけではない場合があり、これは、機構を向きから外れるように位置を変えようとする力が最も強くなり得る(または相互作用面が最も小さい)場所でもある。
【0021】
1つまたはいくつかの実施形態では、ホルダリングの外側面は、対称的な球面セグメントの形状を有する、すなわちホルダリングの外側面は、中心線としての大きな円に沿って切り取られた球体の1つのセグメントの形状をたどるのに対して、ホルダリングの内側面は、その上、またはその中に任意のガイド手段が配置されることを除いて基本的に一定の直径を有する。この実施形態は、外側面が、完全に対称的であり、よって、差し込み口の中でたやすく配向され、回転されるという点において、最適な形状を提供すると考えられており、「対称的な球面セグメント」は、「球体の1つのセグメントの形態を有する」として定義されるべきである。対称的な球面セグメント形状を使用することで、明らかに、構成要素の物理的制約の中での(同じ形状を有する)ホルダリングと差し込み口との一定の接触を保証する。ホルダリングおよび差し込み口の寸法は結果として、可能な向きの所望される変更に基づくことになる。
【0022】
ホルダベースは、1つまたは複数の実施形態では、2つの機能部分を有することが望ましい。第1の部分は、差し込み口を備え、第2の部分は、第1の部分から一定の角度のところに形成され、傾斜した装着面を備える。装着面は、例えば両面テープまたは同様のものなどを貼り付けるのに使用されてよい。ホルダリングの場合でのように、ホルダベースは、熱可塑性プラスチックまたは硬化プラスチックなどのプラスチックなどのポリマー、強化ポリマーおよび金属、あるいはそれらの組み合わせを含む群からの材料で作製されてよい。ケーブルガイドおよび/またはケーブル張力緩和のための締結点がホルダベースの第2の部分の上に、またはその中に配置されてもよい。
【0023】
別の態様によると、本発明は、上記または以下に記載されるようなホルダリングと、ホルダベースとを備えるカメラのためのホルダ構成に関する。ホルダリングおよびホルダベースは、部品のキットとして提供されてもよく、ホルダリングの内部形状は、カメラヘッドの外部形状に適合されてよい。この方法において、(コストおよび製造の点において)簡素な構成要素、すなわちホルダリングの内部形状を調節することによって、同一のホルダベースが、いくつかの異なるカメラヘッドを収容するように使用されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の1つの実施形態によるカメラ機構において使用され得るカメラヘッドの図である。
【
図2A】本発明の1つの実施形態によるホルダ構成において使用され得るホルダリングの図である。
【
図2B】
図2Aのホルダリングの幾何学的特性を明確にする概略図である。
【
図3】
図2のホルダリングが上に配置された、
図1のカメラヘッドの図である。
【
図4】発明の1つの実施形態によるホルダベースの図である。
【
図5】発明の1つの実施形態によるホルダベース内に配置された、
図3の構成の図である。
【
図6】車両の斜めのウィンドスクリーン上に配置された、発明の1つの実施形態によるカメラ機構の概略図である。
【
図7】わずかに変更された向きで配置された、
図6のカメラ機構の図である。
【
図8】本発明の一実施形態による、
図7の向きで配置されているが、軸方向にさらに位置が変えられた、
図6および
図7のカメラ機構の図である。
【
図9】種々の条件下で設置された、本発明の1つの実施形態によるカメラ機構の図である。
【
図10】種々の条件下で設置された、本発明の1つの実施形態によるカメラ機構の図である。
【
図11】種々の条件下で設置された、本発明の1つの実施形態によるカメラ機構の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、カメラヘッド100の分離した状態の斜視図である。カメラヘッド100は、本実施形態では、撮像センサ(見ることはできない)上にシーンを撮像するのに使用される撮像光学素子102(
図1ではフロントレンズのみを見ることができる)と、規則的なやり方で、ハードウェアまたはソフトウェアソリューションによって提供される撮像処理能力とが備わった撮像ユニットを包含する。撮像処理能力は、通常のカメラのものであってよく、エンコードされた画像ストリームが、カメラヘッドによって提供されるが、この画像ストリームは、より未発達なものである可能性があり、この場合、部分的に、または完全に未処理の画像ストリームは、別の場所での処理へと伝送される。描かれる製品に関して、状況は、後者であり、ストリームは、ケーブルを介して中央処理装置に伝送されるが、本発明の目的のために、その制限は、少しも重要ではない。
【0026】
カメラヘッドは、ガイド溝106が中に配置され得る、基本的に一定の断面を有する(例えば、円形または楕円形の断面を備えた円筒形、あるいは立方形のプリズム、多角形プリズムなど)相互作用部分104を備える。ホルダリングに使用される材料に応じて、カメラヘッドは、一定である方がより適してはいるが、相互作用部分の軸方向の長さにわたる断面においていくらかの変動を取り入れることができる。
図1において、相互作用部分104の形状は、円形断面を備えた円筒形であり、これは、最も確実な形状とみなされる。相互作用部分は、カメラ本体として具現化されてよく、すなわち画像センサ、ならびに画像処理ハードウェアおよび通信ハードウェアなどの他の電子機器を包含するカメラヘッドの部品として具現化されてよい。相互作用部分はまた、形状の点において物理的特性を満たすという条件で、カメラの任意の他の部分であってもよい。撮像ユニットおよび相互作用部分は、2つ以上の識別可能な部品から形成される必要はなく、一例が本実施形態であり、撮像ユニットの部品(画像センサ)は、カメラハウジングの内部に位置決めされ、その外側面が相互作用部分を提供し、光学素子ユニットのみがカメラハウジングから延びている。カメラは常に画像センサを包含し、これにより撮像ユニットも包含するが、レンズは、別個に提供され、入れ替え可能であってよい。他の実施形態では、固定されたレンズシステムが使用され、その場合、撮像ユニットは、光学素子ユニットも包含する。
【0027】
図2Aは、ホルダリング108を例示する。ホルダリングは、カメラヘッドの相互作用部分104のものと合致する半径方向の内側面110と、ドーム形状の半径方向外側面112とを備えた環状の構築物である。ドーム形状の外側面112は基本的に、各軸方向位置について基本的に一定の周辺部で軸方向にアーチをたどる。平滑な動作のために、外側面は、
図2Bに例証されるように、対称的な球面セグメントのものである。
図2Bにおいて、「対称的な球面セグメント」202の意味は明確にされ、対称的な球面セグメントがどのようにして、球体200の大きな円204の周りに対称的な帯を構成し、全ての方向にそれを均等にするかが明確にされている。これは、ホルダリングを全ての方向に調節することを可能にするために有益な特徴である。有益性が低い形状も可能である。
【0028】
ホルダリング108の円筒形の内側面110は、基本的にカメラヘッド100の相互作用部分に直接または間接的に嵌合するように寸法が決められ、内側面は、カメラヘッド100の相互作用部分104の一部を取り囲む。ホルダリング108は、本実施形態では、連続するリング構造物ではなく、むしろホルダリングは、一体型で形成されるが、リングを形成する帯の2つの端部114、116は互いに装着されていない。しかしながら、それらは、リング形状を維持するのを助けるために、緩やかに相互ロックしてもよい。これは、
図2Aにおいて、ホルダリングの形状を維持するのを補助する(その結果、端部がずれていない)簡素化されたフィンガー継ぎ手118によって例証される。
【0029】
示されていない代替の一実施形態では、ホルダリングは、いかなるスリットも持たない1つの連続する(相互作用部分の断面と合致するいかなる内側断面も備えた)環状形状として一体型で形成される。そのような一実施形態では、ホルダリングは、ホルダリングが相互作用部分104に嵌合され、ホルダベース120のクランプ留めの力を伝えることを可能にする1つの材料または材料の組み合わせで作製され(記載されるように)、ホルダリングがいくらかの弾性を有することを意味する。しかしながら、ホルダリングはまた、その指定された向きを維持するために、ホルダベースによって提供される把持の中に留まるように十分な堅さがある必要もある。1つの好適な材料は、ゴムなどのポリマーであるが、多数の代替物も利用可能である。
【0030】
ホルダリングの開示される実施形態は、簡素化および利用可能性の点で最適なものの一部であると考えられている。多数の相互作用部分を備えるヒンジ機能性などを備えた変形形態など、より複雑な解決法も同様に実現されてよい。
【0031】
図2Aの実施形態に戻ると、ホルダリング108が、カメラヘッド100の相互作用部分104に嵌合される際、ホルダリングは、摩擦およびその固有の弾性によって、わずかに拡張し、好ましくは一時的にその位置を維持する。
【0032】
図3において、ホルダリング108は、カメラヘッド100の上に配置されて示される。
【0033】
図4は、リングが中に配置された状態の、ホルダベース120を例示する。
【0034】
ホルダベースは、緩んだ状態にあるとき、ホルダリング108(およびカメラヘッド100)を受け入れるように寸法が決められた差し込み口122を有する。ホルダベースはまた、スリット124およびねじ126によって提供される締め付けの機能性を有し、その結果、差し込み口122の直径または円周は、締め付けの機能性の利用によって、すなわちねじ126の締め付けおよびスリット124の縮小によって縮小されてよい。差し込み口122の内側面は、ホルダリング108の外側面のものと合致するドーム形状の、または球面の湾曲を有する。
【0035】
差し込み口の締め付けは、いくつかの異なる方法で実施されてよく、1つは、本実施形態において使用されるようなねじであり、他は、他のタイプのねじを含む、または当分野で既知であるような偏心アクチュエータなどの手動作動式の締め付けメカニズムなどである。
【0036】
締め付けの方法に関わらず、生成される圧力は、ホルダリング108を小さくし、ホルダリングにその内側面でカメラヘッド100を押圧させる。機構がさらに締め付けられると、差し込み口は、押圧し、それによりホルダリング108およびカメラヘッド100をホルダベース120に対してロックする。この方法では、カメラヘッド100の向きと軸方向の位置の両方が定着される。
【0037】
ホルダベース120はまた、フロントガラス(または他の構造物)への直接の、または間接的な装着のために構成され、カメラヘッドが所望の領域を観察することができるようなカメラヘッドの配置を可能にする傾いた面128を備える。差し込み口122を含むホルダベース120の部分に対する傾いた面128の角度は、異なるホルダベースについて変化してもよく、基本的には、所望の撮像方向に対するフロントガラスの傾斜角度に左右される。
【0038】
最後に、
図5では、
図3の構成は、
図4のホルダベース内に配置されているように示されており、その傾いた面は、フロントガラス(あるいは、サイドウィンドウ、後方に面する窓、またはこれらの窓のそばの面など、その事柄に対して車両の別の面)に直接または間接的に装着されるように適合されている。
【0039】
従来技術の解決法と比べたこの解決法での利点は、
図6~
図8を参照して明確にされてよい。これらの図面は、概略的であり、任意の実施形態によるホルダリング108およびホルダベース120を使用する、ウィンドスクリーン132上に配置されたカメラヘッド100を例示する。
【0040】
図6および
図7から、
図6のカメラヘッド位置と
図7のカメラヘッド位置の比較によって、カメラヘッド100の向きの変化が、表面の傾いた性質(またはむしろ、表面の垂線が、差し込み口の垂線と平行ではないという事実)に起因して、所望の向きのみならず、カメラヘッド100とウィンドスクリーン(すなわち、カメラヘッドが装着される面、またはそこを通してカメラヘッドが環境を観察する面)との間の距離も変化させることは明白である。距離のこのような変化は、グレアまたは他の干渉反射がカメラセンサに到達するリスクを増大させる可能性がある。一般に、ウィンドスクリーンに近づくほどより望ましく、それが、グレアをカメラ内に反射するのに利用可能なウィンドスクリーンの領域を縮小させ、いかなる残っているグレアまたは反射も撮像を妨害しないように焦点から十分に離れる可能性を高めるためである。
【0041】
この発明を利用することで、一人の人間がホルダベース内に配置されたカメラヘッドの向きを調節し、その後、カメラヘッドに対するカメラヘッドの軸方向の位置を調節し、その後、差し込み口を締め付け、カメラヘッドの最終位置を示す
図8に例示されるように、
図7の向きで、但し
図6のウィンドスクリーンまでの距離で、全てのものを所定の場所にロックすることが可能である。
【0042】
図9~
図11は、本発明の実施形態が有益である別の状況を例示する。
図9は、カメラヘッドが傾いたウィンドスクリーン132上に水平に向けられた機構を示しており、これは、カメラを使用しているときの共通の向きである。
図10は、同じ機構であるが、異なる傾いた角度でウィンドスクリーン132’上にある機構を示しており、カメラヘッドを上向きに傾斜させる際、同じ設定は、カメラヘッドの不適当な向きにさせることは明らかである。
図11は、本発明の任意の特徴部を利用することによって、
図10の状況がどのように改善され得るかを例示しており、まずカメラヘッドは、容易に水平に配向されてよく、次にカメラヘッドは、ウィンドスクリーン132’に近い所望の位置(または当面その状況に適当であるように思われるどんな軸方向の位置)まで軸方向に並進されてよい。
【0043】
図1および
図2Aは実際に、本発明の実施形態において使用され得るさらなる特徴部を例示している。カメラヘッドには、既に言及したような(ガイド溝106)、カメラヘッドの相互作用部分に沿って軸方向に延びる軸方向の溝が備わっていてよい。さらに、ホルダリング108は、その内側面に、軸方向の溝106に嵌合する突起128が備わっていてよい。この方法では、ホルダリング108は、カメラヘッド100によりしっかりと装着される。ホルダリング108の固有の構造上の弾性は、突起128を溝106の中に維持し、溝106の半径方向の伸張は、ホルダリング108が不注意にカメラヘッドから滑り落ちるのを阻止する。
【0044】
さらなる作用は、カメラヘッド100が、一部の領域において、材料または中に配置される構成要素の厚さに起因して、特別に傷つきやすくなり得ることである。連続していても、連続しなくてもよい溝106の適切な軸方向の伸張によって、溝は、リングを適切に局所化するのを補助することができる、すなわちホルダリング108が特定の領域内に位置決めされるのを阻止することができる。構造上の問題に加えて、熱放散または同様のものに対する好ましくない作用に起因して回避されるべきカメラヘッド100の領域が存在する場合もある。溝106の伸張はまた、この場合、これらの領域が回避されること、およびホルダベース120からのホルダリング108の圧力が、何らかの不都合なやり方でカメラヘッド100に悪影響を与えることがないことを保証する。
【0045】
代替の実施形態では、これらのガイド手段は、本発明の趣旨から逸脱することなく、他の構築上の特徴部によって提供されてもよい。溝/突起は、逆になってもよく、その結果、溝は、ホルダリング上に存在し、逆もまた同様である。相互作用部分上でのリングの進行の範囲を決める溝の伸張を有する代わりに、構造的なブロックが設けられる場合がある。相互作用部分は、ホルダリングの進行の範囲を決める円周方向の隆起を有することができ、これに対して、ホルダリングは単に、相互作用のいかなるさらなる手段の措置もなしに、その縁部でこれらの円周方向の隆起と相互作用することができる。簡潔にすると、ひとたびこの作用を達成したいという要望が表現されると、作用を獲得する多くの方法があるのは明白である。
【0046】
ホルダリング108は、装飾溝130(
図3を参照)を有してもよく、これは、カメラヘッドを正確にホルダベース内に位置決めする手順の手助けする必要がある場合に、ガイド溝106が配置される場所をユーザに伝える目的を果たす。同様に、およびさらなる支援のために、ホルダベースは、物理的マークを、例えば(設置された状態での)垂直の上方位置に有する場合があり、そのため、物理的マークと装飾溝との位置合わせは、カメラの特定の位置を保証する。これらのガイド支援具は、両側から見る、および/または感じるために利用可能であるために、触覚要素として形成され得ることで、要素(ホルダリングおよびホルダベース)の両側で、ガイド支援具を見ることで、および/または感じることで観察することができる。
【0047】
フェールセーフ対応のために、突起128の半径方向の伸張は、突起128がガイド溝106の中にない場合、ホルダリング108が差し込み口に嵌合しないような方法で寸法が決められてよい。
【0048】
ホルダリング108のさらなる特徴は、その側縁部136が、ホルダリング108が差し込み口との係合から滑り出すのを阻止するように寸法が決められてよく、その一方で十分に大きな配向範囲をなおも許容していることである。このことの意味は、
図5から最も容易に理解される。カメラヘッドが、そこに提示される位置から一方向に、または他方向に外れて配向された場合、ホルダリングはなお一層、差し込み口の外側に露出されることになる。1つ地点において、ホルダリングの多すぎる部分が差し込み口の外側になる可能性があり、これは、把持するのに好ましくない。しかしながら好適な寸法決めにより、相互作用部分自体が差し込み口の縁部に係合し、向きのさらなる変更を不可能にし、係合の解除を阻止する。ホルダリングが薄くなるほど、向きの間隔は小さくなる。
【0049】
記載される実施形態のいくつかでは、カメラヘッドは、ホルダリングとの相互作用のために意図される部分に沿って円筒形の形状、または少なくとも一定の断面を有してよい。この部分が長くなるほど、可能な調節量が大きくなる。本発明の機構において使用するのに適した製品は、AXIS F2115-R可変焦点センサであり、これは、円形断面を有する。しかしながら、この製品区分においては、丸められた角を備えた、または備えていない正方形の断面も例外的ではなく、この場合には、ホルダリング108の内側面は、合致する断面を有する必要があり、その一方で外側面は、先に記載される通りである。本機構の有利な点は、生産および有用性の点で相対的に簡素な部品、すなわちホルダリング108が、異なるように成形されたカメラヘッドと一緒に機能するために同じ機構に対して合わせる必要がある唯一の構成要素である点である。これは有用性および保管を簡素化する。先に述べたように、相互作用部分の断面は、完璧に一定である必要はない。
【0050】
ホルダベースはまた、例えばケーブル留め具(または対応する手段)などのための締結点132を備えてもよく、これは、信号および電力をカメラヘッドから搬送する、またはカメラヘッドに搬送する1つのケーブル(または複数のケーブル)を固定するのに使用することができる。そのようなケーブルのための1つのコネクタ(または複数のコネクタ)は通常、カメラヘッドの後部、すなわち光学素子の反対側の端部に位置決めされ、締結点に適した場所は故に、傾いた面128から離れるように面する側での、ホルダベースの自由端である。ひとたび設置されると、ケーブル留め具は、ケーブルガイドおよび張力緩和の両方として機能し、より繊細なコネクタを過度な負荷から保護する。本実施形態の締結点132は、中央が橋でつながれ、ホルダベースと共に一体型で形成された単なる溝であり、そのため、ケーブル留め具を直接的な方法でホルダベースに固定することができる。
【0051】
ホルダ機構のための材料は、共に様々な種類のホルダに共通して使用される熱可塑性プラスチックまたは熱硬化性プラスチックなどの例えばプラスチックなどのポリマーであってよい。追加の強度が必要な場合、ポリマーは繊維または金属で強化されてもよい。さらなる強度のために、ホルダ機構の一部は、アルミニウムなどの金属から作製されてもよい。ホルダリングと隣接する構成要素(カメラヘッドおよびホルダベース)との間の把持を強化するために、ホルダ機構は、より柔らかいポリマーから作製されてもよい、および/または、表面模様付きの表面またはコーティングなどの把持力を高めるための表面を有してもよい。ねじ126は、従来のやり方で金属から作製される、またはポリマーから作製され、合致するねじ山が、ホルダベース120内に直接配置されてもよい。さらにより簡素な実施形態では、穴のみが設けられてもよい、またはさらには穴すらない場合もあり、ねじは、セルフタッピングねじであってもよい。より複雑な実施形態では、ねじと協働して差し込み口122を締め付けることを可能にするために、ナット(示されない)が、ホルダベース120内に成型される、またはスロット(見ることはできない)を介して挿入されるかのいずれかである。後者は、より複雑になり、考慮中の製品の寸法が小さくなる可能性があるが、ねじ山の不具合を受けにくくなる可能性があり、そのような不具合が生じた場合でも、修理しやすくなり得る。
【0052】
当業者は、上記に記載した実施形態を多くの方法で変更することができ、なおも上記の実施形態において示されるような本発明の利点をなおも利用することを理解されたい。例えば、相互作用部分の1つの形状のみが示されているが、本発明を、円以外の他の断面形状を有するカメラヘッドに適合させることは当業者にとって明白である。よって、本発明は、示される実施形態に限定されるべきではないが、添付の特許請求の範囲によってのみ定義されるべきである。加えて、当業者が理解するように、示される実施形態は組み合わされてもよい。
【外国語明細書】