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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173735
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】核変換システム
(51)【国際特許分類】
   G21B 3/00 20060101AFI20241205BHJP
   G21J 3/00 20060101ALI20241205BHJP
   B64G 1/40 20060101ALI20241205BHJP
   B63G 8/08 20060101ALI20241205BHJP
   B63H 21/18 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G21B3/00 A
G21J3/00
B64G1/40 800
B63G8/08 Z
B63H21/18
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024082974
(22)【出願日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】P 2023150635
(32)【優先日】2023-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023174791
(32)【優先日】2023-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023174037
(32)【優先日】2023-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023196029
(32)【優先日】2023-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023196327
(32)【優先日】2023-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2024058388
(32)【優先日】2024-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2024065053
(32)【優先日】2024-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】714009083
【氏名又は名称】西沢 克弥
(72)【発明者】
【氏名】西沢 克弥
(57)【要約】
【課題】ミュオンを用いて水素・重水素やホウ素・窒素・酸素・フッ素・ナトリウムなどの燃料原子核を核変換するシステムを検討する。ミュオン標的に炭素原子を用いた標的を用いると炭素原子が高エネルギーの陽子照射を経て高度に放射化される問題があり、ミュオン標的が放射化しにくくなる系を考案したい。またミュオンは高速のため標的の原料原子と反応しにくい可能性もあった。
【解決手段】レプトンコライダ等装置や宇宙線により生成された粒子衝突により生成した高速なミュオン/宇宙ミュオンを電場・減速手段を用いて減速させ燃料原子に結合させるシステムを考案する。レーザー航跡場を用いた減速器と電場を形成する素子を用いた減速器を提案する。核変換炉の容器を提案する。ミュオン核融合炉を備えた潜水艦、航空機・宇宙船・宇宙構造物・宇宙探査ロボットを提案する。またT1を搭載した飛翔体や隕石の迎撃・発破システムも記載する。
【選択図】図47
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミュオンを原料原子と結合させ、励起した原子核を得て、前記原料原子よりも有効核電荷又は原子番号の小さい原子に核変換する工程を有するミュオンを用いた核変換システム。
【請求項2】
励起した炭素12原子核をヘリウムに変換する工程を有する請求項1に記載のミュオンを用いた核変換システム。
【請求項3】
原料原子に炭素12を用いる核変換システムであって、炭素12を含む炭素材料の炭素12原子核とミュオンを結合させ、励起した炭素12原子核を生成する特徴を有する請求項2に記載のミュオンを用いた核変換システム。
【請求項4】
ホウ素・ホウ素11と水素をミュオン核融合させたのちに、励起した炭素12原子核を生成する特徴を有する請求項2に記載のミュオンを用いた核変換システム。
【請求項5】
請求項4に記載のミュオンを用いた核変換システムを用いるミュオン核融合システムであって、
核融合反応によって生成した原子・粒子の原子核の電荷が核融合燃料物質の原子・粒子の原子核の電荷より小さい特徴を持つ核融合反応系を用いる、ミュオン触媒核融合システムであって、
前記核融合燃料物質は固体ではない水素化ホウ素若しくは気体の水素化ホウ素を用いるミュオン触媒核融合システムであって、前記水素化ホウ素にミュオンを照射・投入する工程を有する、ミュオン触媒核融合システム。
【請求項6】
前記ミュオンを照射・投入された前記水素化ホウ素を圧縮する工程を有する 請求項5に記載のミュオン触媒核融合システム。
【請求項7】
窒素・窒素15と水素をミュオン核融合させたのちに、励起した原子核を生成しその後ヘリウムを生成させる特徴を有する請求項1に記載のミュオンを用いた核変換システム。
【請求項8】
窒素・窒素15と水素を結合させたアザンにミュオンを照射・投入する工程を有する請求項7に記載のミュオンを用いた核変換システム。
【請求項9】
ミュオンを減速可能な加速器又はミュオン減速器を用いてミュオンを減速させたのち、前記ミュオンを、核変換を行う原料物質の原子に投入・結合させる工程を有するミュオンを用いた請求項1に記載の核変換システム。
【請求項10】
請求項9に記載の核変換システムを有する輸送機器。
【請求項11】
請求項10に記載の核変換システムを有する発電装置。
【請求項12】
ミュオンを減速する減速手段として電場又はレーザー航跡場を生成可能な特徴を有する核変換システムであって、ターゲット原子・原料原子にパルスレーザーを照射し電場又はレーザー航跡場を生成可能な特徴を有する請求項9に記載の核変換システム。
【請求項13】
ミュオンを減速する減速手段として焦電体をミュオン減速のための手段に用いる請求項9に記載の核変換システム。
【請求項14】
ミュオンを減速する減速手段としてキャパシタ又はキャパシタ内の電場をミュオン減速のための手段に用いる請求項9に記載の核変換システム。
【請求項15】
電気二重層部・電気二重層キャパシタ・電気二重層内部の電場をミュオン減速のための手段に用いる請求項15に記載の核変換システム。
【請求項16】
請求項9に記載の核変換システムを備えた宇宙構造物であって、
宇宙線を受けて宇宙線由来のミュオンを生成する宇宙ミュオン生成部を備え、
前記宇宙ミュオン生成部より得たミュオンを減速し、原料原子に照射投入し、原料原子と結合させる手段を備えた宇宙構造物核変換システム。
【請求項17】
請求項9に記載の核変換システムであって、磁気容器にミュオンを配置・投入・閉じ込めする特徴を有する核変換システム。
【請求項18】
請求項9に記載の核変換システムを搭載した輸送機器3・潜水艦3SUBMであって、3・3SUBMは3・3SUBM内部の燃料部T1に外部からミュオン又はニュートリノを照射されることによりミュオン核融合・核融合点火されないようにするために、次の甲・乙・丙・丁の特徴・手段を備えている輸送機器・潜水艦。
甲:T1は原料Aと原料Bから合成可能であって、原料Aのタンクと原料BのタンクとしてT1の原料を備え輸送可能な輸送機器・潜水艦。
乙:T1はミュオン触媒核融合のミュオンが核融合を触媒する回数を制限可能な原子(ミュオン触媒核融合の触媒毒となる原子・粒子を含む)・部分(細管MPIPにミュオンが結合しT1へのミュオン結合が停止可能)を有している
丙:T1はミュオン核融合炉として利用するための最小限のサイズを持つ箇所MPIP又は細管MPIP内部に保管・保持可能な特徴を持つ。
丁:T1は丙の特徴を持つ細管MPIP内でミュオンを照射させミュオン核融合させミュオン核融合炉1Rを構成可能な特徴をもつ。
【請求項19】
ミュオン核融合炉とミュオン核融合炉から生じたエネルギーを用いて発電可能な発電部と、発電部より電力を化学物質のエネルギーとして蓄える事の可能な化学電池・化学物質製造部を含む輸送機器・潜水艦であって、ミュオン核融合炉の可動はミュオンを核融合炉に送ることを停止可能な装置部を含む輸送機器・潜水艦。
【請求項20】
ミューニュートリノ・タウニュートリノの照射を受けてミュオンを生成しミュオン核融合可能な核融合システムを含む発破システム。
【請求項21】
ミュオン減速器にて減速されたミュオンを生成しミュオン核融合可能な核融合システムを含む容器・発破システム。
【請求項22】
宇宙船・宇宙機に搭載されたミュオン送信部とミュオン受信部を含み、ミュオン送信部・受信部はミュオンの(加速器・)減速器を有するミュオグラフィ・ミュオン線CTシステム。
【請求項23】
ミュオン核融合炉から生じるミューニュートリノを用いたニュートリノビーコンシステムを有する潜水艦・水中構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<国際特許分類>
G21B
G21B 3/00A
G21C
G21C 19/00034
G21C 19/00
G21G
G21H
G21J 1/00
G21J 3/00
G21K
B63G 8/00
B63G 8/28
B63G 8/30
B63G 8/32
B63G 8/38
B63C 11/48
B63C 7/26
B63G 8/34
B63C 11/00
F42C
F42D
F42D 1/04
F42D 1/22
D07B
B23K
B24C
B64G
B64G 1/68
B64U
F41B 6/00
F41H 3/00
F41H 13/00
F41H 11/02
F02K 7/14
F04C
H01B
H01G
H05H
<技術分野>
本発明は、原子力に関連する考案・発明である。本発明はミューオン触媒核融合システムに関するものである。(アイデアによる出願であって、実証が必要である)
【背景技術】
【0002】
非特許文献1のようにミューオン触媒核融合方式(ミュオン触媒核融合)が公知である。
【0003】
重水素Dや三重水素Tを含む水素分子を液体とし、そこへミューオン(ミュオン)を投入しミュオンが核融合の触媒のようにふるまい核融合反応をさせる。しかし水素分子では核融合後の原子核の電荷が水素原子の+1からヘリウム原子の+2に増え、+2の電荷をもつ核・へリウム核・アルファ粒子核によりミューオンがクーロン力的に捕捉・トラップされて前記ミュオン触媒核融合が停止する(反応しにくくさせる)課題があった。
【0004】
非特許文献2によれば、陽子とホウ素を用いる熱核融合方式が公知である。熱核融合炉ではD-T、D-D反応で核融合炉を放射化させうる高エネルギーの中性子線が問題になっており、その解決の例として中性子を放出しない、しにくい、陽子とホウ素を用いる系(P-11B系、陽子ホウ素系)が検討されている。前記P-11B系を熱核融合炉で行う場合、熱核融合を起こさせる温度がD-T系より10倍高温にする必要がある課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献1】高エネルギー加速器研究機構KEK、ミュオン触媒核融合[インターネット、WEBページ、URL:https://www2.kek.jp/imss/msl/muon-tour/fusion.htmll、令和5年9月18日閲覧]
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献2】核融合科学研究所NIFS、先進的核融合燃料を使った核融合反応の実証- 中性子を生成しない軽水素ホウ素反応を利用したクリーンな核融合炉への第一歩 -[インターネットWEBページ、URL:https://www.nifs.ac.jp/news/researches/230309-01.html、令和5年9月18日閲覧]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、水素原子・水素分子を用いるミューオン触媒核融合の系において、ミューオンがクーロン力的に捕捉・トラップされて前記ミューオン触媒核融合が停止する(反応しにくくさせる)問題である。また、ミューオン核融合において重水素Dや三重水素T等を用いる系では核融合炉や核融合システムの部材を放射化する虞のある中性子が発生するが、中性子の発生しない系があってもよいかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ミューオン触媒核融合において核融合前の燃料物質である水素原子にミューオンを近づけて核融合させたいが、核融合後の原子核のヘリウム原子核は核融合前の水素原子核よりも電荷が増えてミューオンを捕捉しやすくなる。そこで本発明ではその電荷の変化を逆にする系として、陽子とホウ素を用いる系を実施例1として図1に開示する。またそれを搭載した宇宙船3・輸送機器3の想定例を図5に記載する。
【0009】
図5の意図として恒星間惑星間を航行する宇宙船や宇宙探査ロボット3は太陽光・恒星の光の届かない、惑星間・恒星間においても宇宙船に搭載された燃料を用いて発電や推進する事が求められうる。その動力源として、宇宙の真空環境を用い、粒子加速器を稼働させミューオンや陽子を生成させ核融合炉・核融合推進器を構成出来ればと考えた背景がある。
【0010】
また中性子が出る可能性はあるものの、本発明の別の視点での実施例(実施例2)として、陽子ホウ素を用いる系に限定しない例として、陽子とリチウムを用いる系等も開示する。リチウムの系を開示する意図としては、リチウムは融点がホウ素より低く、加熱して液体リチウムにしやすい。他方ホウ素を用いる系はホウ素の融点として摂氏2000度超える高温に加熱する必要がある。
【0011】
本発明は、陽子ホウ素による核融合反応系(P-11B系)において、核融合燃料となるホウ素の原子核の電荷が+5であり、核融合後に生じるヘリウムの電荷が+3であることに着目する。P-11B系はホウ素からヘリウムへと核融合反応する時に原子核の電荷が減少する系である。(*他方、D-T系は先述のように核融合後に電荷が増加する系でありトラップが起きる。)
【0012】
本願の図1では次の反応を想定している。(実証されていない)
1.+1の電荷をもつ陽子がー1の電荷をもつミューオンを補足した+5の電荷をもつホウ素原子核(ホウ素を含むミュオン分子)に入射し核融合反応する・反応を促す。
2.核融合により、1個の陽子と1個ホウ素から+3の電荷をもつ3個のヘリウム・アルファ線とエネルギーが生成される。
3.ミューオンは生成後の+3のヘリウムにトラップされるよりは、ミューオンの周囲に多量にバルクに存在する+5の電荷をもつホウ素にトラップされることを好む(電気的に引き寄せられる)と考える。
4.ミューオンはヘリウムよりはホウ素近傍に留まるようになり、ミュ‐オンをトラップしホウ素は(ミュオン分子化し陽子が電気的に接近しやすく核融合しやすくなり)入射した陽子により核融合してを繰り返し、陽子とホウ素による核融合反応をミューオンが触媒する。
【0013】
本発明又は考案では、陽子ホウ素による核融合反応系(P-11B系)において、核融合燃料となるホウ素が電荷が5(+5)であり、核融合後に生じるヘリウムの電荷が3(+3)であるから、ミューオンと陽子をホウ素のターゲットに照射しミューオン触媒核融合を起させようとする系(図1)を提案する。
*本願はアイデアの段階であり実証はされていないが、P-11B系では燃料はホウ素の+5の電荷をもっており生成後のヘリウムの+2の電荷よりは負電荷のミューオンを強く補足・トラップしやすい系であると仮定して出願を行う。*この逆の系、公知の水素・D-T系ミューオン触媒核融合システムでは負電荷のミューオンはヘリウムに補足されやすい。
【0014】
*本願考案・発明は陽子ホウ素の核融合の系を例として示したが、発明の範囲を限定しないように、より一般的に本発明の条件を開示すると、原子核が融合する際に生成した物質の電荷が核融合燃料となる原子の電荷より小さい系であれば良いかもしれない。*例えば図2に記載のような反応式の系が考えられる。図2の例のようにホウ素BやリチウムLiを用いる系であってもよい。
【0015】
●本願のホウ素やリチウムは常温より加熱し液体として用いてよい。例えば液体リチウムを用いてよい。
既存のミューオン触媒核融合系では冷却された液体水素(融点は摂氏マイナス250度)を用いるが、それに対し液体リチウムは融点が摂氏180度程度であるので、液体水素に比べ液体リチウムのほうが液体化してミューオンのターゲット部に用いたいときに液体化しやすい利点があるかもしれない。
●ホウ素についても融点は摂氏2070度であり、沸点は4000度でリチウムと比べ温度は高いものの液体ホウ素としてミューオンと陽子が照射されるターゲット部に用いることができる。ターゲット部ではミューオン触媒核融合が原子核の電荷が+5のホウ素や+3のリチウムを核融合燃料として用い起きることを期待している。前記ミューオン触媒核融合後に原子核の電荷が+2であるヘリウム・アルファ線が生成され系より放出される。(ホウ素と陽子を用いる系は図1、陽子・中性子とリチウムを用いる系は図3に開示する。)
【0016】
本発明は原子核が前記核融合する際に生成した物質(図1のHe、アルファ線)の電荷が核融合燃料となる原子(図1のB)の電荷より小さい系をミューオン触媒核融合システムに用いることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、P-11B系の持つ中性子を放出しない核融合システムであって、核融合時に放射化された物質が出にくい可能性があるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1はホウ素と陽子を用いたミューオン触媒核融合システム1F-SYSの説明図である。
図2図2は原子核が核融合する際に、核融合により生成した物質の原子核の電荷が、核融合燃料となる原子の原子核の電荷より小さい特徴を持つ、核融合反応系の例である。(図2は説明の資料であって、図2に記載のすべての例が本願発明に用いられるわけではないが、該特徴を持つ反応系の例として記載する。例えば図2のグループAにおいて陽子とリチウム、陽子とホウ素11、陽子と窒素15、陽子と窒素15、陽子と酸素17・酸素18等を用いる系の反応式を記載する。グループBにはリチウム6・リチウム7と陽子・D・中性子・ヘリウム3の反応式を記載する。グループCには炭素に関連する反応式を記載する。炭素については炭素同士が核融合反応する例も記載する。)
図3図3はリチウムと陽子を用いたミューオン触媒核融合システム1F-SYSの説明図である。リチウムに対し陽子・中性子・重水素を照射投入する例を(A)に、リチウム6と重水素を化学的に結合させた(イオン結合させた)重水素化リチウム6を用いた例を(B)に記載する。
図4図4は既存のDやTを持ちいたミューオン触媒核融合方式と本願陽子とBやLiを用いたミューオン触媒核融合方式の比較説明図である。(図4上段D、Tによる方式、図4下段は本願の陽子とB、Liによる方式)
図5図5は本願1F-SYSを含む核融合反応炉1Rや核融合応用推進器1THとその応用例。*例えば、空中・宇宙空間・惑星間・恒星間を推進・移動する宇宙船3・探査ロボット3に1F-SYSが搭載されていてよい。宇宙船3は加速器によりミューオン・陽子・中性子を生成し核燃料のBやLiを採取保管し前記核融合反応させHeアルファ線等を3の後方に放出した反作用により推進させる宇宙船があってもよい。*3は宇宙船に限らず各種輸送機器、航空機・宇宙機、船舶・潜水艦、車両・自動車、ロボット、各種産業機械、宇宙探査ロボットでもよい。
図6図6はジボラン・水素化ホウ素・アルカン・アザンを用いるミューオン触媒核融合システム1F-SYS/1EXP-SYSの説明図・想定図である。(図1における陽子を照射する部分を除き、ターゲットT1をジボラン・アルカン・アザンにしたシステムの説明図である)
図7図7はラムジェット方式で加圧されるジボラン・水素化ホウ素部分を用いるミューオン触媒核融合システム1F-SYSの説明図である。
図8図8は圧縮部でジボラン等水素化ホウ素とミュオニック水素原子を混合し圧縮する系1F-SYS-MP1の説明図である。
図9図9は圧縮部・加熱部を有する系1F-SYSの1つの例である。(レーザー照射系を備えてもよい)
図10】MERIT式加速器・MERITリングに、ミュオン発生用可動ミュオン標的・回転型ミュオン標的を挿入し標的を回転させ可動とし標的に粒子ビームを受けさせてパイオンミュオンを生成させようとする場合の説明図。(回転する円板の断面は薄い、楔形のように外周部が薄くなるものでもよい)
図11】円板型の可動なミュオン標的を機械により交換する際の説明図。
図12】片方取り出し口を休止し可動なミュオン標的部を加速器から抜去・移動させミュオン標的部を別のミュオン標的に取り換える場合の説明図。
図13】可動なミュオン標的を用い、ミュオン標的の交換とミュオン標的への粒子衝突・パイオンミュオン生成を並行して行う装置と、ミュオン核融合・ミュオン核変換システムの説明図。(ミュオンの減速部を含む)
図14】可動なミュオン標的は水素原子・陽子又はヘリウム原子を含む中間子・ミュオンの生成システムの説明図。
図15】円形加速器を移動するヘリウム原子(又は水素原子・正電荷粒子)をミュオン標的として用いる中間子・ミュオンの生成システムの説明図。
図16】中間子生成システムを用いた核融合システム・核変換システム・原子製造システムの説明図。
図17】本願実施形態の一つとして、宇宙ミュオンや高速ミュオンを減速しターゲット部T1原子へ照射・投入・結合し核変換・核融合を試みる説明図。(A)地上側のターゲットT1について、天球側・宇宙側・上空側をカバーするドーム状の減速器アレイで高速宇宙ミュオンを減速しT1へ照射し核変換を試みる例。(B)直接原料原子・分子の標的T1にレーザーを照射しミュオンを減速可能な電場を形成しミュオンを減速させT1のミュオン核融合・ミュオン核変換を試みる例。
図18】直接原料原子・分子の標的T1にパルスレーザーを照射しミュオンを減速可能な電場を形成しミュオンを減速させT1の原子にミュオンを結合させミュオン核融合・ミュオン核変換を試みる例の説明図。
図19】電場形成した素子をミュオンの減速器に用いる構成の説明図。(A)電場形成した素子を用いミュオンを減速する際の説明図。(A)はターゲット部T1に入射したミュオンが磁場Bにより回転しターゲット部の原子内を移動できてもよい構成。(B)焦電体・焦電体のアレイを用い減速用の電場を形成し電場によりミュオンを減速する際の説明図。(B)は焦電体の端を温度変化させ焦電体に電場を生じさせ当該電場をミュオン減速を行う手段として用いる構成。
図20】電場形成を行う素子の説明図。(A)電極と絶縁体・誘電体を用いたキャパシタ素子を用いる場合。(B1)電気二重層キャパシタ型の素子を用いる場合。(B2)電気二重層部分を含む素子の説明図。
図21】宇宙線から中間子・ミュオンを生成する部分を備えた輸送機器・構造物3の説明図。
図22】ミュオン原子核捕獲反応を考慮したミュオンを用いる核変換・核融合システムの想定に関する説明図。(A)炭素材料中の炭素12にミュオンが結合しミュオン原子核捕獲反応を起こし10-20MeVでもよい励起エネルギーを持つホウ素12原子核(12B*)に変化したのち、12B*から隣の炭素12原子核に励起エネルギー移動が起き、励起した炭素12(12C*)が生じてその後ヘリウムに変換され、隣りの炭素12に励起エネルギーが移動してを繰り返して、炭素12の炭素材料中の炭素12原子核がミュオンを用いてヘリウムに変換されることの想定の説明図。(B1)窒素15を含むアザンにミュオンを結合させミュオン原子核捕獲反応させて炭素15に変化しその後炭素15の半減期経過後に窒素15を生成する場合の説明図。(B2)窒素15のミュオン核融合の説明図。(B1では窒素15が炭素15に変換されえうるが、炭素15の有効核電荷・Zは窒素15よりも低く、核融合反応が継続すると考え併せて記載した)
図23】窒素15を含むアンモニアにミュオンを照射投入した際のミュオン原子核捕獲反応を考慮したミュオンを用いる核変換・核融合システムの想定に関する説明図。
図24】ホウ素11を含む水素化ホウ素(水素化ホウ素アニオンとリチウムカチオンの系)にミュオンを照射投入した際のミュオン原子核捕獲反応を考慮したミュオンを用いる核変換・核融合システムの想定に関する説明図。
図25】ニュートリノ通信システム1NUT-COMとミュオン通信システム1MU-COMの説明図。
図26】質量の異なるニュートリノを分離する部分2MS-NUT-GRAVを有するニュートリノ通信システム1NUT-COMの説明図。
図27】ミュオンM1をコイル2COILを備えた容器4D-MUCF・4T-MUCF内のターゲットT1に照射させ磁場により閉じ込め移動させる構成の説明図。
図28図28の左上の図1は深共晶溶媒等を作動液体に用いた真空ポンプ4RFPを用いた系1の説明図である。(ポンプ実施例1としてスプレンゲルポンプ式を用いている例)図28の右上の図2は系1の説明図である。(ポンプ実施例2として食品用ポンプに用いる系1の説明図である。ここでポンプの形式は液封ポンプ、ロータリーポンプ等の作動液体を用いるポンプでよい。)図28の左下の図3は低真空用ポンプRP、高真空ポンプFPを含む真空排気系と本願真空ポンプ4RFP・系1との比較図であって、組合せの説明図である。図28の右下の図4は一般的な液封ポンプ、ロータリーポンプ説明図である。(例えば作動液体・液封・液封環・シール部にNADES、イオン液体ILを利用)
図29図29は環状真空容器4Dのコイルの1つの説明図である。(環状真空容器:ドーナツ・環状の真空槽・プラズマ容器4D、4D-T、4D-ST、4D-Hを含む。コイル4C-EDL)
図30図30は環状真空容器の説明図である。(環状真空容器の回転手段4ROTを備えてよい。)
図31図31はモーターとベアリングを回転手段4ROTに用いた真空容器の説明図(4ROTはモーター・ロケットモータ)
図32図32は推進装置を備えた真空容器の説明図(推進装置4ROT-TH)
図33図33(A)は円柱のチューブ状真空容器(4T、4T-IN)を前記円柱の円周方向・シータ方向へ回転させるときの説明図(磁気ミラー型、磁場反転配位型等に用いる円筒チューブ状真空容器を回転させたときの例)、( B)はシリンダ状容器4T・4T-MUCFの説明図。
図34】重水素と炭素12を化合させた重水素化炭素12とのミュオン核融合・核変換想定例。(A)炭素12と重水素DからなるメタンCD4のミュオン核融合・核変換想定例。(B)重水素と炭素12を化合させた高分子・樹脂の重水素化炭素のミュオン核融合・核変換想定例。具体例:炭化重水素分子(C2D4)n内のミュオン核融合想定例。
図35】ポリフッ化ビニリデンPVDF樹脂内のHとF原子のミュオン核融合の想定例説明図。(或る形態では、PVDF部はターゲット部T1とミュオン減速器2MUDECEを兼ねてよい)
図36】コイル2COIL内にターゲット部T1・減速器2MUDECEが配置されており、コイル内の磁気容器・磁場の籠2MAGC内のT1にミュオンが閉じ込められていてもよい、ミュオン核融合システムの想定例説明図。(ここでT1・減速器2MUDECEはPVDFを用いたキャパシタ素子2FDELE-PVDF・2つの電極を用いた減速器・素子2FDELE-PVDFであってミュオン核融合用のT1部用原子(水素とフッ素19)を含んでいてよい説明図。またコイル2COILや磁場の籠2MAGCはヘリカルコイル2COIL-Helical、ヘリカルな磁場の籠2MAGC-Helicalでもよい説明図)
図37図36の装置を駆動する際の制御部や電源・補機などを含めたシステムの説明図。(キャパシタ素子2FDELE-PVDF、2FDELE-LAM-PVDFへ電源2PWSPより電圧印加可能でもよい)
図38】キャパシタ素子を用いる負ミュオン減速器/正ミュオン加速器。[キャパシタ素子2FDELE-PVDF、2FDELE-LAM-PVDFへ電源2PWSPより電圧印加可能でもよい。負ミュオンを減速し正ミュオンを加速可能(正負ミュオンを分離可能)な構成の説明図。図中では絶縁体・誘電体部はPVDFの例を記載しているがダイヤモンドなど別の絶縁体であっても良い。]
図39】減速素子・キャパシタ素子とT1の配置例。
図40】3次元XYZ方向の速度成分を減速用に絶縁体・誘電体のキューブの6面に電極を取り付けキャパシタ素子・ミュオン減速器・ミュオン加速器として用いるデバイスの説明図。
図41】脅威となる隕石MTOをミュオン核融合システムを用いて爆破・推進剤噴射させ隕石の軌道・姿勢・運動を変更しようとする説明図。脅威となる隕石MTOにミュオン核融合燃料T1を装填した容器4T-MUCFを(隕石探査ロボット5、5WKRを用いて)設置し、容器内に設置されたミュオン生成部・ミュオン減速部にミュオン又はニュートリノ・粒子を(1NUT-TX設置個所から)照射することで、遠隔地(該設置個所)から容器4T-MUCFのT1をミュオン核融合点火し発破・爆破し、その爆発力によりMTOを爆破・迎撃若しくは隕石の軌道や向き・姿勢を変更しようとする説明図。
図42】隕石MTO内部に開けられた孔内に装填されたT1によるミュオン核融合システムを用いて隕石内部から爆破し隕石MTOを分割・粉砕しようとする説明図。脅威となる隕石MTOにボアホール・孔5T-HOLEをあけて、T1を該孔内に装填し封をして、ミュオン核融合燃料T1を装填した容器4T-MUCFを(隕石探査ロボット5、5WKRを用いて)設置し、T1をミュオン核融合点火し発破・爆破し、MTO内部からミュオン核融合爆発させMTOを爆破・発破し爆発力によりMTOを分割・分解しようとする説明図。
図43】電波到達しにくい鉄隕石内部の孔内T1を鉄の壁を透過可能なニュートリノを複数の照射部から1点のT1部に向けて照射し荷電カレント反応等によりミュオンを生成させ遠隔爆破しようとする説明図。
図44】核融合部・アルファ線照射部を有する金属・素材の加熱・蒸発・除去・アブレーション装置5REMV-HEAD等の説明図。
図45】遠心銃による鉄隕石への燃料T1打ち込み、ブラストボール3LOAD打ち込み掘削、T1点火の説明図。
図46】遠心銃の構造体2LPSTの説明図。
図47】ニュートリノミュオン変換部(変換用原子・中性子・粒子)つきミュオン核融合システムの起爆破壊の説明図。
図48】ミュオン核融合炉やミュオン・ニュートリノの送信部・受信部を含む潜水艦3SUBMの説明図。
図49】天体・衛星や隕石MTOのミュオグラフィ・CTを得る為のミュオグラフィシステムの説明図。(ミュオンやニュートリノを用いたCTシステムの説明図。大きい隕石・天体の透過像を得るためミュオン等の送信部や受信部は宇宙船・宇宙機3に搭載されていてもよい説明図。3同士は無線による通信網1NETWORKを介して通信使できてよい。)
図50】人体・オブジェクトのミュオグラフィ・CTを得る為のミュオグラフィシステムの説明図。
図51】ミュオン核融合炉やミュオン・ニュートリノの送信部・受信部を含む航空機・宇宙船3の説明図。
図52】ミュオン核融合炉で生じた運動エネルギー有する荷電アルファ線・粒子・光子のエネルギーを電力や動力として取り出して輸送機器3の推進装置にて用いる時の説明図・想定図。
図53】ミュオン核融合炉で生じた運動エネルギー有する荷電アルファ線・粒子・光子のエネルギーをロケット推進装置にて用いる場合の1つの例の説明図。図上部は固体ロケットの例。図下部は固体型自食式ロケットの例。
図54】レシプロエンジン型の燃料T1部の加圧部を含む装置の説明図。
図55】レプトンコライダー型のミュオン生成装置の説明図。(または粒子衝突型ミュオン生成装置の説明図。レプトン加速用にレーザー・LWFを用いた粒子加速器を用いてよい。)
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は実施例1である。ミューオン触媒核融合の前記トラップ問題に着目し、図1のM1やT1、B1に記載のように、ホウ素を用いるミューオン触媒核融合システムを考案した。図1の実際に利用する形態として太陽光の届かない惑星間・恒星間を移動する宇宙船や探査ロボット3の形態を図5に記載する。
【実施例0020】
図1は、燃料F1やターゲット部T1にホウ素を用いる本発明装置・システムの実施例の説明図である。*本系はミューオンや陽子を用いるため、加速器等設備が必要になる点もある。加速器の駆動には真空を要する。宇宙空間に加速器を配置する場合は宇宙空間の真空を用いてよい。
【実施例0021】
図2は、燃料F1やターゲット部T1にリチウムを用いる本発明装置・システムの実施例の説明図である。リチウムはホウ素より融点が低い。
【産業上の利用可能性】
【0022】
ホウ素やリチウム等の資源を確保する必要はあるものの、核融合による電源を作る事ができるかもしれない。本願発明は真空の必要な加速器などを用い、噴射速度が高くなると想定されるアルファ線を生じるので、図5のように真空である宇宙空間を航行する宇宙船の推進装置に用いてもよいかもしれない。
【符号の説明】
【0023】
図1図3
1F-SYS:ホウ素と陽子を用いる核融合反応を利用したミューオン触媒核融合システムの説明図。
M1:ミューオン生成手段、ミューオンを核融合燃料ターゲットT1に投入照射する手段。例:ミューオン生成可能な粒子加速器を用いた系
P1:陽子生成手段、陽子を核融合燃料ターゲットT1に投入照射する手段。例:陽子を加速しターゲットに打ち込み・照射可能な粒子加速器。ホウ素陽子核融合反応系における核融合燃料の要素。N1:中性子生成手段、中性子を核融合燃料ターゲットT1に投入照射する手段。例:中性子を加速しターゲットに打ち込み・照射可能な粒子加速器。A1:粒子加速器A1。
T1:核融合燃料を含むターゲット部。核融合燃料T1、F1。
B1:T1のうちホウ素を用いる部分。ホウ素ターゲット。ホウ素は溶融していてもよい。
L1:T1のうちリチウムを用いる部分。リチウムターゲット。リチウムは溶融した液体リチウムでもよい。
EX1:核融合後の生成物EX1。図1図3等においては核融合後に生成するヘリウムHe・アルファ線。
図5
3:輸送機器
1R:核融合炉である1F-SYS。1F-SYSを含む核融合炉。アルファ線のエネルギーを電力エネルギーに変換する発電部が備えられていてもよい。
1GENR:発電部(核融合システム1F-SYSや核変換システム1EXP-SYSにより得たエネルギーを電力に変換する部分)
図5には明記されていないが、1EXP-SYS、1F-SYS、1Rにより生じた核融合由来の電力を、ミューオン発生部M1や陽子発生部P1に供給し、ミューオンや陽子を発生させることに用いてよい。該電力を本発明のシステムやシステム各部の駆動に用いてよい。
1TH:1F-SYSを含む核融合応用推進装置、推力発生装置。推進手段。移動手段。(1THは、3が宇宙船の場合アルファ線・ガンマ線・光子・粒子などの粒子ビーム放出部でもよい。3が航空機の場合1GENRで得た電力を用いて推進剤や空気取り込みし加熱・圧縮・3の後方へ噴出を行う推進剤噴出部でもよいし電力駆動のプロペラ部でもよい。3が船舶の場合1GENRで得た電力を用いてプロペラの回転や水流の生成をできる部分。3がアームを持つロボットないしは陸上を移動する車両の場合は1GENRで得た電力で駆動できてもよい車輪・タイヤ・モータ若しくはロボットのモータ・アーム部でよい。)
1TH-NZ:1THのノズル部。核融合後の生成物EX1がエネルギー持つヘリウム、アルファ線であるときに前記アルファ線を放出するノズル部。推力偏向装置・ノズルでもよい。該アルファ線を推進剤に照射し、推進剤を加熱させ噴射してもよい。*1TH-NZとは別に、1Rで生じた電力を用いてイオン推進器や光子レーザーを放出した反動で推進する推進装置を稼働してもよい。
図6>ジボランB2H6を用いた系
BH1:ホウ素を含む物質であって、水素化ホウ素・ジボラン・ボランであるB1。ジボランであるT1、F1。ジボランのターゲット。ジボラン、BH1は気体、液体、流体、(固体)でもよい。(流体を用いた図7の構成も可能である)図6の系では水素・陽子を含むジボランを用いるので図1等に記載の陽子導入部P1が不要になる。
図7
1F-SYS-RAM:核融合システム。(公知のラムジェット部を持つ核融合燃料流体がクローズドループ系にて循環する系に、本願ジボランを用いる系を適用した場合の想定図)
RAM:ラムジェット式で圧縮する際のラム圧発生装置部。
PBH1:圧縮されたBH1部。圧縮されたジボラン流体部を持つミューオンのターゲット部。
FP:核融合反応部、ミューオン照射部。
FEEDC:システム内を循環するジボラン流体内のヘリウムを除去したり、余剰な物質を除去し、必要な物質、燃料となるジボランを追加する部分。フィードのコントロール部。燃料供給系、燃料制御系。ヘリウムHe除去部、ジボラン燃料供給部等
HX:熱交換器
ENEX:図中にはないが、アルファ線・核融合エネルギーを基に発電する装置部、発電部。システム内に含まれていてよい。
PUMP:圧縮機、ポンプ。システム内の流体を加圧し、圧縮し、循環させる。モーターなどで駆動される。(発電部より電力を得て駆動される)
M1:ミュオン発生部、ミュオン照射部。(発電部より電力を得て駆動される)
EX1:核融合後に生成した(除去必要な)ヘリウム。
【0024】
<その他>本願では核燃料物質(例:B、Li)の原子核の正電荷が核融合後生成物(例:He)よりも大きくなっている系を用いることで、負電荷をもつミューオンを核燃料物質の原子の原子核にとどめるようとしている。核融合生成物より核融合燃料にミューオンが位置するほうがクーロン力・電荷・電場・電気的に安定となる意図を持っている。
*例えばホウ素の系に、ホウ素よりも原子番号Zが大きい不純物がある場合、本願の考えに従うならば、ホウ素よりZの大きい不純物はミュオンをトラップし反応を停止させるかもしれない。(例えばジボランの原料にされる水素化ホウ素ナトリウムNaBH4を考えると、ナトリウムはZがホウ素より大きく、本願の考えによればミュオンはNaBH4中のNaにトラップされるはずである。)
【0025】
本願の考案、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。
【0026】
<<優先権を主張した出願による追記部分>>先の出願、特願2023-150635に対し次の項目を追加した。
【0027】
図1において陽子をホウ素に照射しているが、図6に示すように、予めホウ素と陽子・水素原子が結合したボラン、ジボランB2H6、水素化ホウ素をターゲット部T1に利用してよい。例えば液化した、液体のジボランを核融合燃料F1またはターゲットT1部に用いてよい。図6の系では水素・陽子を含むジボランを用いるので図1等に記載の陽子導入部P1が不要になる利点があるかもしれない。
【0028】
図7に、ジボランを加圧・圧縮・循環させミューオンを照射し核融合させようとする系1F-SYS-RAMを記載する。(図7図6の実施例・実施形態の1つである。)図7は公知のラムジェット部を持つ核融合燃料流体がクローズドループ系にて循環する系に、本願ジボランを用いる系を適用した場合の想定図である。
【0029】
図7の1F-SYS-RAM系内にあるジボランは圧縮機PUMPにより加圧、圧縮され循環している。加圧された流体のジボランは圧縮装置部RAMによりさらに圧縮され、圧縮されたBH1部(PBH1部)を形成する。
ミューオン照射部M1よりPBH1にミューオンが照射され、核融合を促す。(ジボランは圧縮されているため密度が高くなり、ミューオンと接触・近接・触れ合いやすくなり、前記触媒核融合反応が起きやすいことを期待している。)
【0030】
図7の系1F-SYS-RAMでは陽子とホウ素を水素とホウ素の結合したジボランとして共にシステムに供給できる利点がある。
陽子導入部P1が不要である上に、系への燃料の追加や系からのHeの除去(デガス)も可能である。(ヘリウムHe除去部、ジボラン燃料供給部等、フィードコントロール部FEEDCを利用)
【0031】
またホウ素より原子番号が大きい不純物の混入しやすさを考慮すると、固体ホウ素よりも、精製可能な気体のジボランのほうがよいかもしれない。(固体ホウ素は固体結晶として生成・精製・精錬が必要。)
本願段落0024で水素化ホウ素ナトリウムNaBH4を例として述べたように、本願は核融合燃料の原子番号より大きな原子番号の原子・核融合後生成物EX1あるいは燃料中不純物の存在を存在を好まないと考えられる。
【0032】
また本願の図1図3図6図7等の系ではミュ‐オンの進む先には核融合燃料の原子番号より大きな原子番号の原子・核融合後生成物EX1・不純物の存在を想定していない。例えばホウ素Bより原子番号の大きな大気分子原子(例えば窒素Nや酸素O)が存在しない前提である。仮に窒素Nが存在する場合、トラップされるかもしれない。本願構成は燃料とするホウ素(あるいはリチウムなどの他の候補元素・原子)よりも大きな原子番号の原子を避けるように配慮する必要があるかもしれない。
【0033】
<書類名>特許請求の範囲
<請求項1>核融合反応によって生成した原子・粒子の原子核の電荷が、核燃料物質の原子の原子核の電荷より小さい特徴を持つ、核融合反応系を用いる、ミューオン触媒核融合システム。
<請求項2>前記核融合燃料はホウ素又はリチウムを含み、前記核融合反応によって生成した原子・粒子はヘリウム・アルファ線である、請求項1に記載のミューオン触媒核融合システム。
<請求項3>前記燃料は液体又は流体の状態である請求項2に記載のミューオン触媒核融合システム。
<請求項4>核融合反応によって中性子を生じにくい特徴を持つ系であって、前記核融合燃料はホウ素・水素化ホウ素を用い、前記核融合反応によって生成した原子・粒子はヘリウム・アルファ線である、請求項1に記載のミュオン触媒核融合システム。
<書類名>要約書
<要約><課題>公知のミューオン触媒核融合において、水素・重水素D・三重水素T等の核融合燃料物質でなく核融合後の生成物質であるヘリウムにミューオンが付着・捕捉・トラップされ触媒核融合が停止する課題があった。ミューオンが核融合燃料物質でなく核融合後の生成物質に補足されミューオン触媒核融合反応が進みにくい問題を解決したいと考えた。また中性子を発生しにくい系も考案したい。
<解決手段>ミューオン触媒核融合において原子核が核融合する際に、核融合により生成した物質の原子核の電荷が、核融合燃料となる原子の原子核の電荷より小さい特徴を持つ、核融合反応系を用いる。具体的には核融合燃料に陽子とホウ素、若しくは陽子を水素分子としてホウ素とともに含むジボランを用いるミューオン触媒核融合系を提案する。
【0034】
<<優先権を主張した出願による追記部分>>先の出願、特願2023-150635及び特願2023-151787に対し次の項目を追加した。
【0035】
図8図5のP1とM1をミュオニック水素として同一の射線・ライン上で併せて・混ぜてターゲット部に導入する場合>
本願では図5のように、陽子P1とミューオンM1を同一の射線・ライン上で併せて・混ぜてターゲット部T1に照射することができる。図5のように粒子加速器A1を用いて、燃料の陽子P1と触媒となるミューオンM1を同一の射線・ライン上で併せて・混ぜてホウ素を含むターゲット部T1に照射することができる。
【0036】
また、本願では図5のように粒子加速器A1若しくは中性ビーム入射装置NBIを用いて、燃料の陽子P1と触媒となるミューオンM1(ミュオンM1)が結合して形成された電気的に中性であるミュオニック水素原子MP1(場合によりミュオニック水素原子2つからなる電気的に中性なミュオニック水素分子MP12も)をターゲット部T1の水素化ホウ素に照射・投入することができる。(又はMP1やMP12を水素化ホウ素と混ぜ込んでターゲット部に吹き込み圧縮することができる。)
そしてミュオニック水素原子MP1をターゲット部T1の加圧された水素化ホウ素に照射・投入している際に、投入中の経路又はターゲット部T1近傍にて、ミュオニック水素原子MP1と水素化ホウ素が加圧され、(さらにガス流体の内部でMP1と水素化ホウ素、MP12と水素化ホウ素は加圧により混ぜられることもでき、)ミュオニック水素原子と水素化ホウ素の混合体MP1-XBHが形成される。
ミュオニック水素原子と水素化ホウ素の混合体MP1-XBHはラム部(RAM)に加圧輸送され、ラム部にてさらに加圧・圧縮され圧縮された混合物PMP1-XMBとなる。ラム部で圧縮されたミュオニック水素原子MP1・MP12と水素化ホウ素の混合体MP1-XBH(圧縮された混合物PMP1-XMB)はミュオン触媒反応時の温度やミュオンと陽子・ホウ素の体積当たりの密度を増加され、ミュオン触媒核融合反応を促す事につながる。
またラムジェット方式でラム部を用いて前記混合体MP1-XMBを加圧・圧縮し高温にすることもできて、ミュオニック水素原子MP1・MP12と水素化ホウ素の混合体MP1-XBHはミュオン触媒反応時の温度やミュオンと陽子・ホウ素の体積当たりの密度を増加する事に加えて、温度の高い、分子や粒子の運動の盛んな条件でミュオン触媒反応を行わせることができる。本願ではミュオニック水素原子を用いミュオン触媒反応時の温度やミュオンと陽子・ホウ素の体積当たりの密度やミュオンと陽子やホウ素の熱運動を増加させ、ミュオン触媒核融合反応を促す。
【0037】
ミューオン単体(ミューオンビーム線)をホウ素の表面やリチウムの表面、あるいは水素化ホウ素のガス・流体の表面に照射した場合、負に帯電し、ミュオン同士で反発してしまい、ミュオンを一点に集めたり圧縮出来なくなる恐れがあるので、本願図8のようにミュオンを陽子ホウ素燃料の陽子と組みわせ電荷を中性子にして、前記圧縮しミュオンと陽子ホウ素燃料を一か所に高密度に集め、より多くのミュオンと燃料を近接させミュオン触媒核融合を促す。
*ミューオンの持つ負電荷の問題でミューオン同士では電気的に反発して一か所に圧縮しにくい虞があるが、ミューオンを(ホウ素陽子核融合にて燃料でもある)陽子・水素原子核と結合させミュオニック水素原子MP1(又はMP12)として電気的に中和することで、前記電気的に反発することなく、圧縮することができるようになる。
【0038】
水素化リチウムは融点が高く、通常は固体または液体で存在する。水素化ホウ素よりは水素化リチウムは気体にしにくい点がある。水素化リチウムや固体のホウ素では前記のように常温常圧では固体の為、常温常圧でガスである水素化ホウ素と比較して混ぜ合わせにくく、ラム部に圧送して圧縮することも難しいかもしれない。他方MP1やガスであるとみられるMP12とガスである水素化ホウ素は加圧等の手段、混合手段を用い、混ぜ合わせ、その後ラム部に向け加圧・圧送しさらに圧縮・断熱加熱することが可能である。
【0039】
公知のD-T反応ではミュオンが最大2個必要であるのに対し、リチウムと陽子では4つ、ホウ素では6つミュオンが必要になり、限られた空間内にミュオンと陽子・ホウ素を圧縮して閉じ込めることが必要かもしれない。公知のD-T反応系より、本願で検討するp-11B反応系のほうがミュオンと核融合燃料を混ぜて一か所に閉じ込めて高密度にして核融合燃料と反応させる必要があるかもしれない。
そこで、本願では電気的に中性な前記ミュオニック水素原子MP1と水素化ホウ素を用い、それらを混合し、圧縮し、一か所に閉じ込めて高密度にしてミュオン触媒核融合(若しくはミュオンによりアシストされた核融合)を起させることを試みる。
【0040】
<飛翔中ミュオン触媒核融合>
ミュオニック水素原子MP1は通常の陽子電子からなる水素原子よりもボーア半径が小さく・クーロン障壁が低く(又は量子力学的にトンネリングしやすく)他の原子に向けて飛翔し、他の原子と衝突・近接した際に核融合(飛翔中ミュオン触媒核融合)反応しやすい事が期待される。速度を持ちホウ素と衝突したミュオニック水素原子はその後エネルギーをもつアルファ線を生成するがそのアルファ線のエネルギーを用いて水素化ホウ素を加熱し、その水素化ホウ素が熱交換器HXを通るときに外部の蒸気発生器等に熱エネルギーを伝えて、該熱エネルギー・運動エネルギーは水を供給した蒸気発生器からタービン発電機1PPに伝達され蒸気タービン発電機1PPを回転・稼働させ電力を生じさせて良い。
【0041】
図8において、ミュオニック水素原子MP1の源になる部分MP1若しくは中性粒子ビーム入射装置NBI・粒子加速器A1から水素化ホウ素(B2H6等)にて満たされた進路又は経路S1を通りノズル部NZを通り、ターゲット部T1・ラム部RAMに向かってMP1やMP1とホウ素の混合物MP1-XMBは進んでいく。その際に、ミュオニック水素原子MP1は進路S1上にある水素化ホウ素と反応してもよい。*固体のホウ素、溶融したホウ素や固体液体の水素化リチウムの表面にMP1を入射した場合、その表面で核融合反応が起きエネルギーが生じることが期待でき本願の一つの例として固体や液体のホウ素や水素化リチウム・リチウムをターゲットT1とした際にミュオン触媒核融合を促進させることができてもよい。(但し図8や上記のようなMP1・MP12と水素化ホウ素の混合体・混合流体・混合気体MP1-XMBを圧縮し高密度・高温にして核融合を促す事はできないかもしれない。)
【0042】
記号等<図8
1F-SYS-MP1、1F-SYS-MP1-RAM:ミュオニック水素原子と燃料の混合物を用いる核融合システム
ミュオニック水素原子MP1:
AMP1:ミュオニック水素原子生成照射部(粒子加速器A1、中性粒子ビーム照射装置NBI等、MP1やMP12を生じ、入射・投入できるもの。)
S1:経路S1 (MP1と水素化ホウ素の混合有)
MP1-XMB:MP1と水素化ホウ素・ジボランの混合物。若しくは水素とホウ素・(炭素・)窒素・酸素・フッ素等の混合物。若しくは核融合に必要な第1の原子番号ZAの原料原子核と第2の原子番号ZAAの原料原子核が化学結合された化合物を含む部分・混合物部分。
PMP1-XMB:RAM等の圧縮手段により圧縮(及び又は加熱)された混合物MP1-XMB 、若しくはRAM等の圧縮手段により圧縮(及び・又は加熱)された混合物MP1-XMB。
RAM:ラム部などの圧縮手段。レーザー照射により(RAM部がレーザー閉じ込め・慣性閉じ込め式の場合、前記レーザーの光の波長は光子の運動量がより大きく取れるように青色・紫外線・X線・ガンマ線側の短波長を用いてよく)核融合位燃料ペレットを照射し閉じ込めを行う慣性閉じ込め型核融合が公知であるが、本願においても圧縮部RAM部にてレーザーでターゲット部・混合物を圧縮してもよい。(レーザー閉じ込め式の慣性閉じ込め核融合にミュオン投入プロセスを加えてもよい。)
ラム部はレーザー、イオンビーム、原料原子を含むイオンビームを複数の発射部から原料原子を含む部分に収束させるよう照射してもよい(図9)。(Zピンチや磁化標的型など慣性型で原料原子を圧縮可能、慣性によりとじ込み可能なものでもよい。)
RAM部にてレーザーないしはラムジェットの機構などを用いて核融合に必要な燃料となる原料原子、原料原子同士を化学結合させた化合物・混合物の部分をレーザー等により圧縮・加熱しつつミューオンを照射することで、化合物分子内若しくは化合物・混合物の分子運動・原子運動は圧縮加熱により大きくでき、その結果、ミュオンと結合した粒子・粒子同士がより熱運動により接近しやすくなり、接近による核融合・ミュオン核融合・ミュオン触媒核融合を起しやすくする意図があるほか、核融合後に触媒となるミュオンが、(リリースされ次の原料原子に近接・捕捉されを繰り返す、)次の触媒反応を起しやすくする狙いもある。
(極低温に冷却された液体の水素・DT・DD・TTにミュオンを照射しても温度が低く熱運動による原料原子の接近効果は低い虞があるが、レーザーやラムジェット部等で圧縮・加熱された部分にミュオン・ミュオニック原子・ミュオニック水素を投入する場合は圧縮や熱運動による近接効果が期待できる。)
NZ:ノズル部
1PP:蒸気タービン発電機
HX:熱交換器、蒸気発生部、蒸気パイプ・冷却パイプ
1BKT:中性子やガンマ線等核融合反応によりエネルギーを持ちつつ飛翔する粒子を受取り熱エネルギー等に変換しエネルギー利用できる部分・ブランケットがあってもよい。核反応を怒る部分の近くにRAM或いは反応容器部、FEEDを詰め込み・ラムする容器部分RAM、反応容器の壁面があるとき、RAM部や容器壁面内にブランケット1BKTが配置されていてもよい。
AEC:アルファ線エネルギー変換装置(アルファ線を受け取って電力に変換する装置。AECには酸化チタンなどのアルファ線を用いてラジカルを生成し水を(光触媒反応のように)分解し水素と酸素を得て水素・化学エネルギーの形で系の外にエネルギーを提供・出力してもよい。*AECはalpha-voltaic-cellでもよい。*AEC部分はアルファ線のエネルギーを受け止め(制動放射の、)シンクトロン放射光の光子を生じさせてもよい。当該放射光の光子のエネルギーを用いて化学物質を化学反応・光化学反応させてもよい。当該光子を加熱したい部分に照射して物質の製造や推進剤・蒸気の加熱・噴射をしてもよい。当該放射光の光子の波長を長波長側に波長変換する手段を用い長波長側の光子に変換し、前記長波長側の光子を光電変換素子にて受光させ光電変換して電力を得て系の外に出力してもよいし、前記長波長側の光子が光触媒にて光触媒反応可能なエネルギーを持つ光子ならば水から水素と酸素を生成させる光触媒反応を起こさせて水素エネルギーに変換してもよい。前記長波長側の光子を二酸化炭素・窒素の分子内の結合を解離可能・光化学反応な光子の波長とすれば二酸化炭素を解離させ炭素・炭素化合物・窒素化合物等の化学物質のエネルギーとして変換し系の外に出力してもよい。
【0043】
<請求項1>核融合燃料は陽子(P1)とホウ素(B1)を含み、前記核融合燃料がミューオンを用いてミューオン触媒核融合反応又はミューオンを用いた核融合反応により核融合したのちに生成した原子・粒子はヘリウム・アルファ線である、ミューオン触媒核融合システムであって、前記核融合燃料は水素化ホウ素を用いる、ミューオン触媒核融合システムであって、ミューオン(M1)と陽子(P1)が結合し電気的に中和されたミュオニック水素原子を前記水素化ホウ素に投入・入射させ、ミュオニック水素原子と水素化ホウ素の混合物(MP1-XMB)を形成する特徴を持つ、ミューオン触媒核融合システムであって、ミュオニック水素原子の照射手段(NBI)を用いて、ミュオニック水素原子を前記水素化ホウ素に投入・入射する特徴を持つ、ミューオン触媒核融合システムであって、前記混合物(MP1-XMB)は第1の加圧手段(PUMP)により加圧される特徴を持つミューオン触媒核融合システムであって、前記混合物(MP1-XMB)は第1の加圧手段(PUMP)により混合される特徴を持つミューオン触媒核融合システムであって、前記混合物(MP1-XMB)は第2の加圧手段(PUMP)により第1の加圧手段による圧力よりも高い圧力になるように圧縮され(圧縮された混合物PMP1-XMBとなって)加熱される特徴を持つミューオン触媒核融合システム(図8、1SYS-MP1)。
<請求項2>第2の加圧手段はラムジェットのラム部(RAM)を用いた圧縮部にて行われる特徴を有する、請求項1に記載のミューオン触媒核融合システム(図8、1SYS-MP1-RAM)。
【0044】
<<優先権を主張した出願による追記部分>>先の出願、特願2023-150635及び特願2023-151787及び特願2023-174791に対し次の項目を追加した。
<<<原子番号Zの減少する系の例>>>
本願ではホウ素11を用いる系の他に、窒素15を用いる系も開示する。(出願時点ではミュオンを用いてホウ素11や窒素15を用いた核融合が起きるかは確認が必要である。前記系は核融合システムの系でもよいし、物理学の原子核に関する実験系・実験システムでもよい。)
以下ホウ素11や窒素15の例は本発明の表現しようとする考案の1つの例である。
本願図2のグループAのように原子番号Zが3(リチウム)から9(フッ素)までの元素について検討している。
<<ホウ素11を用いる系>>
陽子とホウ素11を核融合させ3つのヘリウム4(アルファ線)とエネルギーを生じる核融合反応が公知である。
(p+11B‐>3×4He+8.7MeV)
ホウ素原子と水素原子が化学的に結合している分子を核融合反応をさせる前の原料物質・核融合燃料に用いてよい。例えば水素化ホウ素、ボラン、ジボランを用いてよい。水素とホウ素11の化合した水素化ホウ素を用いた場合、分子内で結合しているため、予め前記原子同士を接近させることができる。
ホウ素と陽子を近接させミュオンを照射する時にホウ素は単体では固体(高温に加熱しても液体)であり、ホウ素に水素原料を吹き込んでもホウ素の固体表面に水素が触れ合うことになりミュオン触媒核融合も固体ホウ素の表面で起こる可能性があった。そこで本願では予め核融合反応の原料となる陽子とホウ素15を化学結合・共有結合により近接させた水素化ホウ素のバルクな流体・気体・液体を原料物質に用いることで、核融合反応に関わる第一の原料原子(陽子)と第二の原料分子(ホウ素11、後述の窒素15のケースも同様)を近接しやすい配置に、若しくは予め2つの原料原子を混合した状態かつ近接した状態で配置できるため好ましくは水素化ホウ素B2H6等・水素化窒素NH3等を用いる。ミューオン又はミュオニック水素を照射投入してもよい。
【0045】
<<窒素15を用いる系>>
陽子と窒素15を核融合させ炭素12とヘリウム4(アルファ線)とエネルギーを生じる核融合反応が公知である(自然界では恒星においてCNOサイクル反応において窒素15と陽子から炭素12とヘリウム4を生じる反応が公知である。)
(p+15N‐>12C+4He+5.0MeV)
本願では水素分子と窒素15のみからなる窒素15分子とを混合させ液状の混合物又は気体状の混合物又は流体の混合物とし、その混合物に前記ミューオンを用いた前記核融合を起そうとしてよく、核融合システムに用いてよい。
また前記水素化ホウ素の例と同じように、アンモニアNH3のような窒素原子と水素原子が化学的に結合している分子を核融合反応をさせる前の原料物質・核融合燃料に用いてよい。例えば窒素化水素、アザン、アンモニアNH3を用いてよい。(アザン、ジアザンを用いてよい。)ミューオン又はミュオニック水素を照射投入してもよい。
<アザン、アンモニア分子の利用、流体・気体のアンモニアの利用>
例えば窒素15と水素から成るアンモニア15NH3にミューオンを照射して、アンモニア15NH3分子内の窒素15原子と水素原子に対し(それら原子の電子に対し)ミュオンが結合置換し、前記原子の半径を短くして・短縮して、窒素15原子と水素原子の原子核を近接させ両原子核を核融合させるよう促して核融合反応を起させようとしてよい。(15NとPを含む気体・液体・流体のアンモニア分子内で、ミュオンを用い、p+15Nから12Cと4Heを生成する核融合反応を起させてよい)
【0046】
<窒素15を含む有機化合物・有機分子の利用>
例えば、炭素と窒素15と水素からなる有機化合物CHN15があり、その化合物は窒素15と水素間での結合している化合物CHN15であってよい。もしくは化合物CHN15分子内で核融合燃料・原料原子の窒素15と水素が近接する特徴を持つ分子構造を有する化合物CHN15であってよい。前記有機化合物CHN15にミュオンを照射し、ミュオンがCHN15内の窒素15と水素を前記近接させた核融合した場合、化合物内で炭素12が生じるが、炭素12より化合物のバルク内で周囲に存在する別の窒素15にミュオンが結合することでミュオンによる触媒反応が継続する事を意図する。(例えば簡単な化合物の例として、窒素15(15N)を含む液体・気体・流体になるメチルアミンCH3-15NH3がある。)
ボラン類やアンモニアはガスであるが毒性や腐食作用があり、ガスをタンクに圧縮する必要もあって、取り扱いに注意する必要があるが、有機化合物であって窒素15に水素を近接して配置可能な化合物・有機化合物、炭素-窒素15-水素化合物CHN15ならば、ボラン・アンモニアよりは腐食性・毒性低く、(ボンベに圧縮・液化して封入せずに)かつ気体・液体状の物質CHN15として、(例えるなら揮発性のオイル、炭化水素燃料のような、液体の原料物質CHN15を)タンクに格納し需要のある地域・発電システム部に燃料物質CHN15を運搬できる。そして、その後核融合システム・リアクター・反応炉に供給する際に、液体の化合物CHN15を加熱し、加熱されることで粘度等物性の変わった液体若しくは加熱されることでガス・蒸気となった物質CHN15を、圧縮部を持つ反応器内部で循環させたり圧縮させることが可能になる。核融合燃料の液体でもよい前記化合物CHN15用いることで毒性や腐食性をボラン・アンモニアより抑えながら揮発油・オイルのように市中運搬できれば発電システム部に輸送しやすいかもしれない。
なお、化合物CHN15は、化合物内の原子について、核融合反応する最も原子番号の大きい原料原子の原子番号ZAと、核融合反応によって生成した原子・粒子のうち最も原子番号の大きい前記生成した原子の原子番号ZBについて、原子番号ZBは原子番号ZA以下の番号の大きさである特徴を有してよく、窒素15を用いるケースでは、原料原子である窒素15は原子番号7(前記原子番号ZAは7)であり、窒素15と陽子が反応し生じる炭素12は原子番号6(前記原子番号ZBは6)であって前記原子番号ZBは原子番号ZA以下の番号の大きさである特徴を有している。
窒素15を用いるケースでは、炭素12が核融合反応により生成しても元の化合物CHN15内に(有機化合物の、例えば炭素骨格部として)含まれる炭素12と原子核の正電荷は同じであり、生成後の炭素12よりは原子核の正電荷がより正である別の窒素15に向けてミュオンが動き回り窒素15に捕捉されて炭素12とヘリウムを生じて窒素15に再捕捉されを繰り返し、ミューオンによる触媒された核融合反応が持続して起きる想定をしている。
【0047】
<断面積>
原子核の反応の断面積の観点(*参考文献B)では、*水素1-H-1:33.22バーンであり、*1-H-2:4.70*リチウム6:942.1*リチウム7:1.22*ベリリウム9:7.33*ホウ素11:5.96*窒素15:5.35バーンである。他にフッ素9:4.23 、炭素12:5.57である。窒素15とホウ素11の断面積は5から6バーンの間である。他方リチウム7の断面積は1程度で前記窒素・ホウ素のケースより断面積が小さいので、断面積の観点ではホウ素11や窒素15を用いることが好ましいかもしれない。
[*参考文献B:日本原子力開発機構WEBページhttps://wwwndc.jaea.go.jp/jendl/j33/J33_J.html、インターネット、閲覧日令和5年11月17日。各表の中性子についてMT1のMaxwellian Averageより引用。実際のミュオンと原子を用いた系では断面積は違う虞はあるものの、同位体間での同一条件でのバーン値の比較よりミュオン核融合時の断面積について考察するために記載する。
〇参考文献B:JENDL-3.3 - JAEA Nuclear Data Center
K. Shibata, T. Kawano, T. Nakagawa, O. Iwamoto, J. Katakura, T. Fukahori, S. Chiba, A. Hasegawa, T. Murata,H. Matsunobu, T. Ohsawa, Y. Nakajima, T. Yoshida, A. Zukeran, M. Kawai, M. Baba, M. Ishikawa, T. Asami, T. Watanabe, Y. Watanabe, M. Igashira, N. Yamamuro, H. Kitazawa, N. Yamano and H. Takano: "Japanese Evaluated Nuclear Data Library Version 3 Revision-3: JENDL-3.3," J. Nucl. Sci. Technol. 39, 1125 (2002).
(Eds.) T. Nakagawa, H. Kawasaki and K. Shibata: "Curves and Tables of Neutron Cross Sections in JENDL-3.3 (Part I and II)," JAERI-Data/Code 2002-020, Part I, Part II (2002).(Ed.) K. Shibata: "Descriptive Data of JENDL-3.3 (Part I and II)," JAERI-Data/Code 2002-026, Part I, Part II (2003).]
【0048】
<リチウムを用いる系>
<リチウム7>
リチウム7と陽子を用いる系は断面積が低い特徴があり、気体分子にしにくい・固体液体で存在する特徴があり、リチウムイオン電池等の材料に用いられ資源量が限られているものの、本願の1つの例として開示する。リチウムを用いる場合、リチウム7と水素から成る水素化リチウムが利用されうる。液体の水素化リチウム表面にミューオンを照射する。
p+7Li‐>2×4He+17.2MeV
<リチウム6>
リチウム6(6Liと本願では表記)と重水素Dを用いる場合(重水素化リチウム6、6LiDを用いる場合)は、リチウム6の核融合反応の断面積がリチウム7よりも大きく核融合反応に有利であると推測する。この場合、原料物質FEEDであるリチウム6と重水素Dの化合物は加熱手段RAMHにより加熱されてよく、例えばレーザー・電波・電磁波により加熱されていてもよい。もしくは混合物・FEED及び・又はその格納容器(反応システム内でFEEDを保持する容器・部分)は電気抵抗式ヒータ・電気による加熱手段等の加熱手段により加熱されて、混合物FEEDはバルクの液体の状態になっていてもよい。*ミューオン照射可能なバルクの液体である重水素化リチウム6(6LiD)でもよい。なお下記のように重水素Dとリチウム6を用いる場合はアルファ線・ヘリウム4や陽子・中性子などを生じる反応が起きうる。(図2のグループBにリチウムに関連する反応式を記載する。)
D+6Li‐>2×4He(アルファ線)+22.4MeV
D+6Li‐>7Li+p+5.0MeV
D+6Li‐>4He(アルファ線)+p+2.6MeV
D+6Li‐>3He(ヘリウム3)+4He+n+1.8MeV
*リチウム7よりも断面積の大きいリチウム6と重水素を化学結合(イオン結合)させ原料物質FEEDとし、前記原料物質FEEDを加熱手段RAMHにより加熱されてもよい、ターゲット部 T1、FP、PBH1、PMP1-XMBに配置し、ミューオン(・ミュオニック原子)を前記配置された前記FEEDに照射・投入することにより、ミューオンを用いた核融合を促すこと(そして核融合システム・核融合炉・核融合反応器につなげる事)はできうるかもしれない。前記のように、断面積の大きいリチウム6と重水素を化学結合させ原料物質FEEDとした発明・考案の場合、断面積はリチウム7やホウ素11、窒素15、酸素18と水素・重水素を核融合・ミュオン核融合に用いる場合よりも大きくでき、より核融合しやすくできる利点がある。
【0049】
<ベリリウムを用いる系>
本願の1つの例として開示する。ベリリウム9と陽子を核融合反応させる系を用いてよい。ミューオンを照射するときに照射される原料物質として水素化ベリリウムBeH2を用いてよい。水素化ベリリウムは固体であり融点近くで分離するため核融合システムにて流体として用いにくい、用いることのできない点がある。
p+9Be‐>4He+6Li+2.1MeV
p+9Be‐>d+2×4He+0.6MeV
ベリリウム9は天然のベリリウムの安定な同位体でありベリリウムの100パーセントを占めているので同位体の分離工程は不要にできうる。ベリリウム9は(天然に多くの比率で存在するリチウム同位体の)リチウム7に比べ(他にホウ素11、窒素15に比べ)断面積が大きい特徴を持ち、断面積の観点では本願システム利用時に優位であるかもしれない。
ベリリウムボロンハイドライドBe(BH4)2はホウ素とベリリウムと水素・陽子からなる化合物であり、ホウ素11やベリリウム9と水素原子とを化学結合させ近接させた状態で配置可能な化合物・無機化合物・無機ポリマー化合物であり、本願の一つの形態として用いることもできる。該物質は液体固体などで利用されうる。
ホウ素11(Z=5)の反応ではヘリウム(Z=2)、ベリリウム9(Z=4)の反応ではリチウム(Z=3)とヘリウム・重水素が生じるが、その二つの反応で生じた最終生成物ZB群(ヘリウム、リチウム、重水素、ZBは3)は核融合原料原子ZA群(ホウ素11、ベリリウム9、水素、ZAは11や9)であるので、最終生成物の正電荷3のリチウム6よりは核融合原料原子ZA群の原子により正電荷の大きい原子核があるので負ミュオンは核融合原料原子に捕捉されやすくなると推測でき、利用されうる。
【0050】
<資源量など>
宇宙や地球圏の資源量の観点では魔法数8の酸素の酸素18・酸素17が優位かもしれない。他に窒素15やホウ素11が優位である。酸素18・窒素15は大気中窒素に含まれ、酸素や窒素蒸留プロセスにより大気中の酸素・窒素より他の同位体と分離できる。炭素も資源量は多い。
原子番号が大きくなるほどミューオンが弱い相互作用により電子とニュートリノに崩壊する(負ミュオンの寿命が減少する)などの作用もあり、リチウム(Z=3)よりもZの大きくなる窒素15(Z=7)ではその影響を考慮したいため、本願ではリチウムを用いない事に制限しない。
(Z=1からZ=10程度であれば負ミュオンの寿命はマイクロ秒近くで済むため、前記核融合反応で触媒として働く時間もマイクロ秒程度を保持できるならば、Z=10までの原子を本願システムの原料原子の候補に用いられうる。あるいはZ=20まで等。負ミュオンの寿命が考慮されうる。)
本願で好ましくはZ=9から3までの元素を検討し、リチウム6、酸素18、窒素15やホウ素11を例として開示し、それらと第2の原料となる陽子・重水素を化学結合させた化合物を用いた例を開示した。
【0051】
<フッ素を用いる系>
実験系において、フッ素19(Z=9)と陽子から酸素16(Z=8)とヘリウムを生成する核融合系を用いてよい。フッ素19と陽子の結合したフッ化水素にミュオンを照射する事もできる。(フッ化水素は毒性が高い点がある。)
【0052】
<酸素を用いる系>
酸素18と陽子から窒素15とヘリウムを生成する核融合系を用いてよい。酸素18と陽子の結合した酸化水素、水H2O(液体、気体、蒸気、流体の水H2O)にミュオンを照射する事もできる。該ケースでは窒素15が得られるが(反応式は本願図2のグループA)、この後に窒素15と陽子を前記のように反応させ炭素12とヘリウムを生じる核融合反応に用いてもよい。
酸素18は0.2パーセント存在する。例えば金星においては二酸化炭素の大気として存在し、月や火星金星小惑星の岩石(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄等を含みうる)には金属元素(珪素、アルミニウム、鉄等)と化合した酸素原子が含まれており、資源として得やすい可能性があり、宇宙空間を航行する際に採取できるかもしれない。酸素の同位体についても公知の分離プロセスにより望みの酸素同位体を大気中酸素や天体の酸素と化合した物質(酸化珪素等を含む岩石等を還元し得られた酸素)から分離してよい。酸素17と陽子を用いてもよい。
【0053】
<<原子番号Zは減少しないが原料原子が他の原料原子と化学結合している例>>
本願の一つの例として、核融合反応する前記原子番号ZBは原子番号ZA以上の場合・大きい場合であって、原料となる第一の原料原子ZAと第二の原料原子ZBを同一の化合物分子に備えさせた例を開示する。
<炭素を用いる系>
実験系において、陽子と炭素を含む炭化水素にミュオンを照射してもよい。炭素原子と水素原子が化学的に結合している分子を核融合反応をさせる前の原料物質・核融合燃料に用いてよい。例えば炭化水素、メタン等炭素と水素を含む有機化合物を用いてよい。ミューオン又はミュオニック水素をメタン等炭素と水素を含む有機化合物にミューオンを照射・投入してもよい。
前記炭素を用いる系、前記メタン等炭化水素・有機物を用いる系は図7図8のような圧縮部PUMP・RAMにて(気体・流体の)前記メタン等炭化水素・有機物を圧縮してよく、前記圧縮された箇所(ターゲット部 T1、FP、PBH1、PMP1-XMB)にミューオン又はミュオニック水素原子等のミューオンを投入し前記箇所にてミューオン核融合を促すようにしてよい。
メタン・プロパン等の炭化水素ガスを用いる場合、既存のガスの運搬・輸送・貯蔵インフラを用いることができる。ガスの配管・パイプライン・バルブ・ポンプなどを流用できる。(他方、アンモニア、水素化ホウ素等ガスは専用のインフラ・配管・ポンプが必要にある恐れがある。)
(負ミュオンが原子核に接近すると負ミュオンは原子核中の陽子と弱い相互作用を起こし、原子核中の陽子が中性子に変わり、原子番号が一つ小さい原子核へと変換される。炭素12にミュオンを照射するとホウ素11となり、その後再度到達したミュオンによりホウ素11と水素原子・陽子との反応も期待できる。)
<炭素炭素同士の核融合、炭素燃焼、Zが炭素以上の原子との核融合反応>
図9等のように炭素原子同士が結合した有機化合物の原料物質FEEDについて、RAMやRAMH等の加熱・圧縮手段を用いてFEEDを加熱(・圧縮)しつつ、FEEDにミュオン・ミュオニック原子を照射投入し、炭素原子同士をミュオンを用いて前記核融合反応させるように促してもよい。また実験の目的で、若しくは核変換・より原子番号Zの大きい元素を人工的に合成する目的で、ミュオニック原子の内炭素原子をもちいたミュオニック炭素原子を別の原子に衝突させて核融合を促してもよい。
炭素同士の核融合の他に、酸素燃焼過程の酸素同士の核融合、ケイ素燃焼過程、より原子番号Zが大きい元素同士の核融合反応を本願の系で試みてもよい。
【0054】
<原料物質FEEDを加熱若しくは圧縮可能な系>
図8の構成よりもさらにRAM部(RAMH部)で圧縮・加熱可能な構成として図9に(複数の)レーザー・イオンビーム・マイクロ波等の発射元より、ターゲット部に照射を行いターゲット部にあるFEEDを加熱可能な系を開示する。(レーザーやイオンビームにより圧縮出来てもよい。)
図9は原料物質FEEDの圧縮部・加熱部を有する系1F-SYSの例である。(図は例であって図に記載された実験系・反応系・装置・構造・配置に限定されない。例えば図8図9ではクローズドサイクル内をFEEDが循環する構成であるが、閉じた容器・バッチ式の容器にFEEDを格納してよく、加熱部RAMHをFEEDを格納した容器・反応部に備えており、FEEDを加熱部RAMHにて加熱しながらFEEDに対しミュオン・ミュオニック原子を照射投入してよい。レーザー閉じ込め慣性型核融合のようにFEEDを格納した容器に(複数光源部でもよい光源部から)レーザーを照射し、レーザーにて閉じ込め・レーザーにより加熱してよい。電磁波であるレーザー・ミリ波・マイクロ波、電磁誘導、粒子ベースのイオンビーム、粒子ビームをFEEDが格納された容器に照射しFEEDを加熱してよい。)
例えば図9の圧縮部RAMはレーザ照射・イオンビーム照射できてよい。レーザー圧縮できてもよい。またレーザー・光子・電磁波・電場磁場・電波・ビームによる加熱ができてもよい。
【実施例0055】
本願の1つの形態として、図7図8図9は分子内に原料原子を含む原料物質FEEDを用いた核融合システムであって、前記原料物質にミューオンを照射・投入する工程を有する核融合システムであって、原料原子は第1の原子番号ZAの原料原子を2つ以上含む、または、第1の原子番号ZAの原子と第2の原子番号ZAAの原料原子をそれぞれ1つ以上含む原料原子であって、核融合する第1の原子番号ZAの原料原子と第2の原子番号ZAAの原料原子は化学結合・共有結合・イオン結合して前記原料物質に含まれている特徴を持つ核融合システムの説明図である。
【実施例0056】
本願の1つの形態として、図9は原料物質FEEDの加熱手段RAMHや圧縮手段RAMを備えた、ミューオン・ミュオニック原子をFEEDに照射投入する工程を含む核融合システムの説明図である。前記加熱手段RAMHは例えばレーザ加熱やイオンビーム加熱やマイクロ波・ミリ波、電場磁場、電磁誘導による加熱手段を用いてよい。
図9は例えば(複数光源部でもよい光源部から)レーザーを照射し、レーザーにて閉じ込めする慣性核融合システム、或いはレーザーにより加熱してよい核融合システムであって、ミューオン・ミュオニック原子をFEEDに照射投入する工程を含む核融合システムの説明図である。
もしくは、図9は、電磁波であるレーザー・ミリ波・マイクロ波、電磁誘導、粒子ベースのイオンビーム、粒子ビーム、ミリ波をFEEDが格納された容器に照射しFEEDを加熱する(場合により、例えばイオンビームを一点に向け放つことでイオンビームがFEEDのある一点FP、T1、に向けて複数照射されており、一点に向けて進むイオンビームがFEEDを圧縮する・詰め込む・ラムする形になることで圧縮する、圧縮と加熱を行う)核融合システムであって、ミューオン・ミュオニック原子をFEEDに照射投入する工程を含む核融合システムの説明図である。
【実施例0057】
本願の1つの形態として、本願図3の下部分の(B)は原料物質FEEDに重水素化リチウム6を固体又は液体・溶融した状態で(原料原子が熱により運動でき原料原子同士が接近しやすくなると考える場合、好ましくは液体・溶融状態とし、)ターゲット部T1に配置し、前記重水素化リチウム6にミューオン(・ミュオニック原子)を照射・投入する系の説明図である。図3の(B)において重水素化リチウム6はT1・FEED部は加熱手段RAMHを用いて加熱されていてもよい。(加熱手段RAMHを用いてFEEDを溶融させ、液体にするよう加温されていてもよい。)
*リチウム7よりも断面積の大きいリチウム6と重水素を化学結合させ原料物質FEEDとし、前記原料物質FEEDを加熱手段RAMHにより加熱されてもよい、ターゲット部 T1、FP、PBH1、PMP1-XMBに配置し、ミューオン(・ミュオニック原子)を前記配置された前記FEEDに照射・投入することにより、ミューオンを用いた核融合を促し、核融合システム・核融合炉・核融合反応器につなげる意図がある。
断面積の大きいリチウム6と重水素を化学結合させ原料物質FEEDとした場合、断面積はリチウム7やホウ素11、窒素15、酸素18と水素・重水素を核融合・ミュオン核融合に用いる場合よりも大きくでき、より核融合しやすくできる利点がある。
リチウム7とリチウム6では断面積の観点でリチウム6のほうが好ましく、リチウム6と重水素を用いる事が好ましい。リチウム7を用いる場合断面積が小さい課題があるので、本願の一つの例ではリチウム6と重水素に利用を限定して断面積を大きくし、断面積が小さい課題を解決するように試みてもよい。
【0058】
記号等
図9
PMP1-XMB:RAM等の圧縮手段により圧縮(及び又は加熱)された混合物MP1-XMB、若しくはRAM等の圧縮手段により圧縮(及び・又は加熱)された混合物MP1-XMB。
RAM:ラム部などの圧縮手段。レーザー照射により(RAM部がレーザー閉じ込め・慣性閉じ込め式の場合、前記レーザーの光の波長は光子の運動量がより大きく取れるように青色・紫外線・X線・ガンマ線側の短波長を用いてよく)核融合位燃料ペレットを照射し閉じ込めを行う慣性閉じ込め型核融合が公知であるが、本願においても圧縮部RAM部にてレーザーでターゲット部・混合物を圧縮してもよい。(レーザー閉じ込め式の慣性閉じ込め核融合にミュオン投入プロセスを加えてもよい。)
ラム部はレーザー、イオンビーム、原料原子を含むイオンビームを複数の発射部から原料原子を含む部分に収束させるよう照射してもよい(図9)。(Zピンチや磁化標的型など慣性型で原料原子を圧縮可能、慣性によりとじ込め可能なものでもよい。)
RAM部にてレーザーないしはラムジェットの機構などを用いて核融合に必要な燃料となる原料原子、原料原子同士を化学結合させた化合物・混合物の部分をレーザー等により圧縮・加熱しつつミューオンを照射することで、化合物分子内若しくは化合物・混合物の分子運動・原子運動は圧縮加熱により大きくでき、その結果、ミュオンと結合した粒子・粒子同士がより熱運動により接近しやすくなり、接近による核融合・ミュオン核融合・ミュオン触媒核融合を起しやすくする意図があるほか、核融合後に触媒となるミュオンが、(リリースされ次の原料原子に近接・捕捉されを繰り返す、)次の触媒反応を起しやすくする狙いもある。
(数ケルビンの極低温に冷却された液体の水素・DT・DD・TTにミュオンを照射しても温度が低く熱運動による原料原子の接近効果は低い虞があるが、レーザーやラムジェット部等で圧縮・加熱された部分にミュオン・ミュオニック原子・ミュオニック水素を投入する場合は圧縮や熱運動による近接効果が期待できる。)
RAMH:加熱手段。(ラム部に含まれてもよい。例えばレーザーやマイクロ波などの、遠隔で電磁波・光子により物質に照射可能であり物質を加熱可能な手段。例えば水・酸化水素とミュオンを用いる系では水はマイクロ波加熱可能である。他に物質は電磁気的に誘導加熱されてもよい。)
例えば炭化水素を原料物質に用いて図8図9の構成でミュオンを用いて炭化水素内の化学結合して近接している炭素原子と水素原子に核融合を促す場合、図8より図9のほうが、レーザー等による原料加熱が可能なので原料物質中の原子・粒子の運動がレーザー等加熱手段により高温になるにつれ盛んになりミュオン触媒核融合を促進する効果があるかもしれない。(レーザー加熱、もしくはイオンビームもしくは中性粒子ビーム・NBI、原料原子を含むイオンビームもしくは中性粒子ビーム・NBI、ミュオンとイオン・原料原子を結合した粒子ビーム、ミリ波、マイクロ波等の加熱手段でもよい。)
RAM、RAMHはレーザ照射・イオンビーム照射できてよい。レーザー圧縮できてもよい。またレーザー加熱できてもよい。
PUMP:圧縮機、ポンプ、モーター
FEED:原料物質(例:水素化ホウ素、(炭化水素)、窒素化水素、酸化水素等。)(重水素化リチウムなど液体・固体のターゲットでもよい。核融合反応させる原料となる物質。)
FEEDC:フィードのコントロール部。フィード・原料物質供給部、燃料供給部等、ヘリウム等核融合後の生成物の除去部も含んでよい。
FP:核融合(促進)部
【0059】
<請求の範囲>
<請求項NB1>
原料原子を含む原料物質を用いた核融合システムであって、
前記原料物質は流体・気体・液体の原料物質を用いる核融合システムであって、
前記原料物質にミューオンを照射・投入する工程を有する核融合システムであって、
原料原子は第1の原子番号ZAの原料原子を2つ以上含む、または、第1の原子番号ZAの原子と第2の原子番号ZAAの原料原子をそれぞれ1つ以上含む原料原子であって、
核融合反応する最も原子番号の大きい原料原子の原子番号ZAと、核融合反応によって生成した原子・粒子のうち最も原子番号の大きい前記生成した原子の原子番号ZBについて、原子番号ZBは原子番号ZA以下の番号の大きさである特徴を持つ核融合システム。
<請求項NB2>核融合する第1の原子番号ZAの原子と第2の原子番号ZAAの原料原子は化学結合・共有結合・イオン結合して前記原料物質に含まれている特徴を持つ請求項NB1に記載の核融合システム。
<請求項NB3>第1の原子番号ZAの原子はホウ素11・窒素15であって、第2の原子番号ZAAの原料原子は水素・陽子である請求項NB1に記載の核融合システム。
<請求項NB4>原子核にミュオンが結合・付加した原子・粒子若しくはミュオニック原子を前記核融合燃料物質に投入・入射させる特徴を持つ、ミューオン触媒核融合システム。
<請求項NB5>ミューオンまたはミュオニック原子を前記核融合燃料物質に投入・入射させた後、前記核融合燃料物質は加圧手段により加圧される特徴を持つミューオン触媒核融合システム。
<請求項NB6>
ミューオンまたはミュオニック原子を前記核融合燃料物質に投入・入射させた後、前記核融合燃料物質は加圧手段により混合される特徴を持つ請求項NB1に記載のミューオン触媒核融合システム。
<請求項MMF1>
原料原子を含む原料物質を用いた核融合システムであって、
前記原料物質にミューオンを照射・投入する工程を有する核融合システムであって、
(原料原子は第1の原子番号ZAの原料原子を2つ以上含む、または、第1の原子番号ZAの原子と第2の原子番号ZAAの原料原子をそれぞれ1つ以上含む原料原子であって、)
核融合する原料原子は(又は第1の原子番号ZAの原料原子と第2の原子番号ZAAの原料原子は)化学結合・共有結合・イオン結合して前記原料物質に含まれている特徴を持つ核融合システム。
<請求項MMF2>
前記第1の原子番号ZAの原子はホウ素11・窒素15であって、第2の原子番号ZAAの原料原子は水素・陽子である、若しくは、前記第1の原子番号ZAの原子はリチウム6であって、第2の原子番号ZAAの原料原子は重水素である、請求項MMF1に記載の記載の核融合システム。
<請求項MMF3>
前記第1の原子番号ZAの原子は炭素であって、第2の原子番号ZAAの原料原子は水素・陽子である、(前記原料物質はメタン・炭化水素・炭素と水素の結合を含む有機化合物である、)請求項MMF1に記載の記載の核融合システム。
<請求項MMF4>
原料原子を含む原料物質を用いた核融合システムであって、
前記原料物質にミューオンを照射・投入する工程を有する核融合システムであって、原料物質はリチウム6と重水素の化学結合した(液体の)重水素化リチウムを用いる核融合システム。
<請求項MHF1>
原料物質FEEDの加熱手段RAMHを備えた核融合システムであって、ミューオン・ミュオニック原子を原料物質FEEDに照射・投入する工程を含む核融合システム。
<請求項MHF2>
加熱手段RAMHはレーザー・イオンビーム・粒子ビーム・中性粒子ビーム・原料原子を含むイオンビームもしくは中性粒子ビーム・ミュオンとイオン・原料原子を結合した粒子ビームを原料物質FEEDに照射する事で行う加熱を用いる、
若しくは、電波・ミリ波・マイクロ波・電場地場による加熱・電磁誘導による加熱を原料物質FEEDに用いる、特徴を有する請求項MHF1に記載の核融合システム。
<書類名>要約書
<要約><課題>公知のミューオン触媒核融合において、水素・重水素D・三重水素T等の核融合燃料物質では核融合後の生成物質であるヘリウムにミューオン(ミュオン)が付着・捕捉・トラップされ触媒核融合が停止する課題があった。ミューオンが核融合燃料物質でなく核融合後の生成物質に補足されミューオン触媒核融合反応が進みにくい問題を解決したいと考えた。
<解決手段>ミューオンを用いた核融合において核融合燃料物質・原料物質に第1の原子番号ZAの原料原子と第2の原子番号ZAAの原料原子を化学結合させて含む系を開示する。リチウム6と重水素を含む水素化リチウム、若しくは陽子とホウ素11を含むジボラン、陽子と窒素15を含むアンモニアを用いるミューオン触媒核融合系を提案する。また加熱手段・圧縮手段を備えたミューオンを用いる核融合系を提案する。
【0060】
<<優先権を主張した出願による追記部分>>先の出願、特願2023-150635及び特願2023-151787及び特願2023-174791及び特願2023-196029に対し次の項目を追加した。
<書類名>要約書
<要約><課題>ミューオン核融合炉を停止せずにミュオン標的を取り換えやすくしたい。(標的交換時のダウンタイムを減らしたい。標的寿命を増やしたい。)またミュオン生成部・加速器を小型化したい。
<解決手段>円形加速器(固定磁場強収束加速器FFAG加速器、MERITリング・MERIT加速器*MERIT:多重エネルギー回復内部標的法、Multiplex Energy Recovery Internal Target)において楔形又は薄い円板・板の(挿入可能な)可動な標的を用いる。
可動な標的は取り換え装置により交換可能でもよいし、可動な標的部とミュオン捕獲用ソレノイド・ミュオン取り出し部を2つ以上備えさせ可動な標的部を加速器の外周から内周側に向けて出し入れ・前後移動(図12のMOVEの箇所)できてよい。可動標的に陽子粒子ビームを照射させパイオンミュオンを生成させてよい。
<発明を実施するための形態>
【0061】
<課題>発明が解決しようとする課題
<ミュオン標的の放射化と取り換え保守やミュオン生成できないダウンタイム低減の課題>
ミュオンを発生させる際に加速された高エネルギー陽子ビームを炭素やリチウムのミュオン発生用ターゲット部に照射し、パイオン・パイ中間子、ミュオンを生成させる。この際に陽子ビーム照射を受けるパイオン・ミュオン発生用ターゲット部・ミュオン標的は使用するにつれ劣化・放射化し交換が必要である。標的はヒトの接近しにくいレベルに高度に放射化する。
ミュオン標的の交換はミュオン発生装置やミューオン核融合システムを停止させる課題があった。そこで標的部が回転することで照射された時間を回転可能なディスクの他の部分に分散・平均化させる回転型ミュオン標的が開発されている。
ミューオン核融合システムにおいてもミュオン標的の取り換えや保守をミューオン核融合システム駆動時にミュオン生成部を停止しないで行えると(・ミュオン生成できないダウンタイム低減できると)商業的に(ミューオン核融合発電所が例えばミュオン標的交換の為、半年に一回、三週間等スパンで発電停止せずに済み)好ましいかもしれない。
【0062】
<解決手段> 課題を解決するための手段、発明を実施するための形態
<回転ミュオン標的MU-DISK-TGTによるミュオン標的長寿命化、ダウンタイム低減>
円形加速器2MU-ACC-RING(FFAG加速器2MU-FFAG、MERITリング・MERIT加速器2MU-MERIT-RING)において、(特にMERIT型リングにおいて、)楔型に飛び出るよう配置されたミュオン標的部であって、外周の細い・鋭利な(鋭利な形で・楔形に飛び出た)薬研車型の回転標的部、若しくは外周部が細く・薄く・鋭い回転鋸のようになったレコード盤・ディスク形状の回転標的部MU-DISK-TGT(図10図11図12の、外周の先端が鋭利になった細く薄い円板、或いは、楔形になった楔形回転ミュオン標的MU-WEDGE-DISK-TGT)とすることでMERIT式の楔形ミュオン標的(固定式のミュオン標的)の放射化を抑える・平均化させミュオン標的の寿命を延ばし、放射化を遅らせ、ミュオン標的を利用可能な時間を増加させる事を試みる。
※例えば、図10図11図12の、円板の片側の断面が外周方向に向けて薄くなる楔形・三角形でもよい(薄い円板でもよい)回転ミュオン標的MU-WEDGE-DISK-TGT・MU-DISK-TGTと、回転ミュオン標的を回転させるモータなど回転手段・ベアリングなど回転支持手段を備えた可動ミュオン標的ユニット(2MU-GEN-ROT-TGT)を構成してよく、加速器の外周部の粒子の軌道に向けて前記ミュオン標的部MU-MOVABLE-TGT・MU-DISK-TGTを加速器(2MU-FFAG、2MU-ACC-RING、2MU-MERIT-RING)の粒子ビームの軌道部に挿入(・引き抜き)できてもよい回転ミュオン標的部2MU-GEN-ROT-TGTをミュオン生成装置2MUの標的部・パイオンミュオン生成部に備えさせて良い。
(※円状加速器をドーナツ形状に見立てて、ドーナツの外周側の粒子の循環する部分・MERITリングの楔の飛び出し部にポロイダル方向に回転鋸のような回転ミュオン標的を挿入・引き抜き・MOVE可能な、リングに回転鋸にて切れ込みをいれ、若しくは引き抜きするような動作を行える回転標的が図10図12の2MU-MERIT-RINGに挿入・抜き差しできてよい。)
図10のように、楔形回転ミュオン標的MU-WEDGE-DISK-TGT、若しくは薄型の板状の可動部を持つ回転ミュオン標的MU-WEDGE-DISK-TGT(標的MU-WEDGE-DISK-TGTは回転可能でよく、標的の形状はMERIT方式の粒子ビームが標的に命中したのちに粒子がMERITリング・円形加速器内部で再度エネルギー回復できる形状・楔形・リング部に飛び出た部分が薄い形状・薄板形状でもよい。
図10では真空にした粒子加速器・円状加速器・FFAG・MERITリングの円状・ドーナツ状のトロイダル方向に垂直になるように粒子の通過する外周側を切断する回転鋸のように前記(楔形形状・薄くなる部分を持つ形状の)回転ミュオン標的MU-WEDGE-DISK-TGTが加速器断面の外周側一部に(加速され外周部を周回する粒子ビームの軌道に衝突するように)挿入され回転可能になっている。図10図11図12図13において真空を維持しながら粒子加速器の動作と回転または可動なミュオン標的の挿入・移動(MOVE)ができてよく、可動なミュオン標的の取り換え(EXCHANGE・SET)ができてよい。
回転にはモータ(MU-TGT-MOT)やベアリング(MU-TGT-BRG)を用いる。軸(AXIS-TGT-BRG)に取り付けられた楔形回転ミュオン標的MU-WEDGE-DISK-TGTは円状加速器・FFAG・MERITリングの外周部(リングドーナッツの外周側の一部を横切るように回転している。*図10の断面図CS部、点CSP1からCSP2までの断面部CS。)
<ミュオン標的の放射化時の取り換え・放射化部の除去>
また、楔形回転ミュオン標的図11の右図のように放射化した際にその放射化された先端を切除・切削・切断して放射化された部分を取り除き、放射化の弱い部分を再度リサイクルして利用してよい。また無人化の為機械・ロボットを用いてよい。
回転ミュオン標的の場合、固定標的・厚さのある回転標的よりも、楔形・薄くなった部分近くを放射化することになり、陽子イオンビームが照射される箇所の厚さ・ボリュームを小さくでき、放射化された放射性廃棄物の低減につながることを期待する。
<ミュオン生成動作時・加速器動作中に、ミュオン標的放射化の進もうとする回転ミュオン標的のビーム照射される部分の切削・メンテナンス、放射化される部分を砥石研磨除去するシステム。高度に標的が放射化する前にミュオン生成動作時・加速器動作中・装置稼働中に切削・研磨・除去するシステム。>楔形回転ミュオン標的図11の右図のように回転標的部はミュオン生成部・加速器・MERITリングの動作中に回転中に砥石・又は標的の一部を研磨・切除可能な装置を円板の照射部に近づけて照射部を研磨・切除してよい。また切削除去装置により放射化した部分を研磨・切除・除去されてもよい。(研磨をし尽くして削れない場合、ディスクの面が稼働中に研磨して形成できない場合、ディスク交換機械・ロボットアームにて新品のディスクに交換してよい。)
<宇宙下での利用>
本願では宇宙船の動力部として用いることも想定している。加速器システムについて、真空が必要な部分は宇宙の真空環境を用いてよい。
【0063】
<可動なミュオン標的の取り換えの自動化>
ミュオン発生用楔形回転ミュオン標的の陽子照射放射化後の取り換え、交替システム、ミュオンターゲット取り出し口1か所固定時にターゲットを取り換える場合の例として、図10にミュオン標的を取り換え可能な系を開示する。
【0064】
例えばジュークボックスのようにレコード盤・ディスク(楔形回転ミュオン標的MU-WEDGE-DISK-TGT)をロボットアーム等により取り換え可能な装置・ロボット部(TGT EXCANGE ROBOT/ARM (JUKE BOX MACHINE LIKE))と、楔形回転ミュオン標的MU-WEDGE-DISK-TGTを複数(回転式拳銃・リボルバーの回転式弾倉のように)モータ等(2TGT-EXCHANGE-MOT)で回転可能な軸(2TGT-EXCHANGE-AXIS)と回転手段2TGT-EXCHANGE-MOTにて回転できる弾倉部・ディスクホルダー・アーム(2TGT-EXCHANGE-ARM)に搭載し、アームを回転させ楔形回転ミュオン標的の取り換えをしてよい。取り換えの自動化をしてよい。
【0065】
図12に、ミュオン発生用楔形回転ターゲットの陽子照射放射化後の取り換え、交替システム、(2か所ミュオン取り出し口とソレノイド配置し、片方取り出し口休止しそのターゲットを取り換える場合)を記載する。ミュオン取り出し口とソレノイド・核融合燃料へのミューオン照射系が2系統必要になるが、前記交換用回転機構なく、また照射系や核融合反応部のターゲットT1も2系統にでき、発電できないダウンタイムを減らそうとする意図がある。(図12では2系統あるが、複数系統でもよい)
図12では楔形回転標的部とミュオン捕獲用ソレノイド・ミュオン取り出し部を2つ以上備えさせ可動なミュオン標的部・楔形回転標的部MU-WEDGE-DISK-TGTを加速器の外周から内周側に向けて出し入れ・前後移動・挿入(図12のMOVEの箇所)可能である。MERITリング内に可動標的部を移動(MOVE)・押出・挿入・引出・引き戻して、楔形回転標的部に陽子ビームが衝突する・しないを前記MOVEステップ・挿入抜去ステップにより制御し、片方の取り出し口のパイオンミュオン生成をオンオフ制御可能である。図12の標的部の交換時はMERITリングより完全に引出・引き戻して保守取り換えをする。取り換え等は機械・ロボット(TGT EXCANGE ROBOT/ARM)を用いて自動化してもよい。
【0066】
<課題>
<ミュオンを生じる装置の小型化、小型加速器・小型ミュオン発生器の必要性>
ミュオンを発生させるシステム(加速器・加速空洞・偏向磁石)を小型化する事が好ましい。輸送機器・宇宙機・宇宙船・航空機・車両・船舶・潜水艦や各種設備・ロボット類に前記核融合システムを搭載したい場合、加速器・ミュオン生成装置を含むシステムの大きさを小さくできると好ましい。
【0067】
<解決手段>課題を解決するための手段、発明を実施するための形態
〇ミュオン生成部について、大強度ミュオン源として、円形加速器である固定磁場強収束加速器(FFAG加速器、FFAG:Fixed Field Alternating Gradient。一定磁場(静磁場)で勾配磁場形状をもち,その勾配方向を交互に変える磁場形状を有した加速器)を用いた多重エネルギー回復内部標的法:Multiplex Energy Recovery Internal Target方式(MERIT方式)が公知である。リング内部で陽子などビーム軌道上に楔型の標的を設置し、ビームを周回・貯蔵・蓄積させ、加速させるのと同時に、ビームを標的に照射することで二次粒子を生成する。そして一度標的に照射したビームのうち、標的と反応を起こさなかったものに対しても、(再度加速し、)エネルギーを回復させ、何度も標的に当て続ける事で、高効率で二次粒子を生成することが可能とされるが、その方式を本願のミュオン生成部M1・粒子加速器に用いてよい。
【0068】
MERIT方式ではMERITのリングのリング中心に入射された陽子が内部を加速回転するうちに外側の軌道に遷移し、外側に楔上・薄い板状に飛び出たミュオン標的部に入射しパイオン・ミュオンを生成しつつ、再度加速・エネルギー回復し再度標的衝突、パイオン・ミュオン生成を行う。
生成したパイオン・ミュオンはミュオン捕獲・輸送用のソレノイド(図10図11図12図13のMUON CAPTURE TRANSPORT SOLENOID)に導入・投入しその後前記部分から(必要に応じて加速部・偏向部、或いは各種機器等経てもよく、ミュオンのままでもよく、中性粒子ビームになってもよく、ミュオニック原子にされてもよく)ミュオンを含むものは、ミュオン核融合システム1F-SYSのターゲット部T1(同位体の選択された、水素化リチウム(重水素化リチウム6)、水素化ホウ素、窒素化水素、酸化水素、フッ化水素等、炭化水素等、原料物質)・核融合反応部FPに照射投入する。なお上記のように本願ではミュオン標的に可動なミュオン標的部MU-MOVABLE-TGT、楔形回転標的部MU-WEDGE-DISK-TGTを用いてよい。楔形回転標的部とすることで固定型の楔形標的よりも標的が長寿命化できうる。図10図11図12図13のような構成にすることでミュオン生成装置の小型化と標的・装置の(放射化する時間を伸ばし、)長寿命化を行う意図がある。
【0069】
<加速空洞>
ミュオンを生じるシンクロトロン・円形加速器について、加速を行う加速空洞と、加速された粒子・陽子の軌道を制御する・収束する・曲げる偏向磁石(四重極磁石等)が含まれうる。
加速空洞に関しては銅の空洞にニオブをめっき・コートさせ超伝導体とし、超伝導加速空洞を用いることが公知であり、消費電力低減できるので用いてよい。
また高強度レーザーによるプラズマ利用の陽子・イオン・粒子加速方法(レーザープラズマ駆動によるイオン・電子加速、レーザー航跡場加速(Laser Wake Field Acceleration、LWFA)、レーザーの持つポンデロモーティブ力を用いるもの)は公知であってレーザー粒子加速可能な空洞を用いることで加速空洞部分を小型にでき、(輸送機器・宇宙機・航空機・車両・船舶・潜水艦・探査ロボット等移動する機器であって小型できると好ましいものに搭載するミュオン核融合炉のミュオン生成部の加速空洞部に用いるときに好ましいと考えられるので、)前記レーザーによるプラズマ利用の陽子加速方法・LWFA等を用い、レーザー利用型の加速器やミュオン発生部を構成してよい。
【0070】
<偏向磁石>
<ミュオン捕獲輸送ソレノイド・本願システム内の導体・電線>
〇偏向磁石・四重極電磁石・ミュオン捕獲ソレノイド部に、超伝導体を用いてもよい。偏向磁石・四重極電磁石・ミュオン捕獲ソレノイド部に、超伝導体を用いてもよい。
●本願システムの導線部・偏向磁石・四重極電磁石・ミュオン捕獲ソレノイド部に、(炭素材料等に導電性を高めて、もしくは導線を銅から炭素系材料にして軽量にしたり、銅の使用量を減らしたり、超伝導の冷却手順・冷却機器を無くしたり、超伝導体のニオブ等の放射化すると半減期の長い物質の使用を控えつつ導電性のある電線を用いたいの問題を回避する目的で、)特願2022-123161に開示のゲート電極に印加される電圧によりトランジスタの絶縁体と材料部分とゲート電極より構成されるキャパシタ部分が充電可能な導線1WIREであって、第1電極(106)と第2電極(102)の間に電圧(VGS)を印加する事によりキャリア導入部(104)を材料部分(101)に形成させ、前記キャリア導入部(104)を含む前記材料部分(101)の導電性を変化可能な素子であって、前記素子の前記材料部分(101)はトランジスタのチャネル部分を含み前記キャリア導入部(104)は前記チャネル部分を含んでおり前記素子の前記第1電極(106)はトランジスタのゲート電極(106)であって、前記素子の前記第2電極(102)はトランジスタのソース電極(102)であって、前記素子は前記ゲート電極(106)に印加される前記電圧(VGS)により前記トランジスタの絶縁体(105)と前記材料部分(101)と前記ゲート電極(106)より構成されるキャパシタ部分が充電可能な特徴を持つ、前記素子を用いた導線1WIRE、若しくは、ゲート電極に印加される電圧によりトランジスタの絶縁体と材料部分とゲート電極より構成されるキャパシタ部分が充電可能な導線であって、前記材料部分は、多孔質膜又は前記材料部分の全体積に対して隙間となる空間を持つ又は前記材料部分と前記絶縁体の接触する界面の表面積が前記材料部分の全面積よりも大きい導線1WIREからなる、導線を含む偏向電磁石を本願のミュオン生成部・粒子加速器に用いてもよい。前記1WIREを含む電気回路を本願の粒子加速器・ミュオン生成部・核融合システムは備えてよい。
【0071】
<ベアリングの磁気浮上方式>
可動ミュオン標的部を動かすときに支持する部分として公知のベアリング・支持手段を用いてよい。もしくはベアリングは寿命を増加させるために磁気浮上式のものを用いてもよい。
本願システムは宇宙空間・宇宙機・宇宙船への利用も検討しているが、宇宙空間では真空・無重力とできる場合があり、前記無重力で(若しくは宇宙空間の無重力を利用しつつも磁気浮上・磁気による搬送・移動・浮上制御・浮上機構を備え、)真空中を回転させる回転ミュオン標的部分を宇宙空間の宇宙機に構成し、図10のようにMERITリングの外周部をポロイダル方向にカットした断面の一部を通過するように挿入され前記回転ミュオン標的部分は回転してよい。
<宇宙空間の真空・無重力の利用>
本願システム、本願ミュオン生成部、図10から図13のMERITリング型粒子加速器及び可動なミュオン標的とミュオン捕獲ソレノイド、核融合システム部1F-SYSは宇宙空間の真空・無重力の環境を動作に利用してよく、例えば加速器の加速管・空洞内部は真空引きされ大気圧により押される力に耐えるよう強度を持たせて構築されうるが、その結果鋼材等強度確保の為に用いる重量のある加速器になるかもしれない。
他方宇宙空間では予め高真空であり、大気・大気圧がないので加速器を真空に保つ為の強度確保部や真空ポンプが少ない・部品数強度少なく軽量ですみ、宇宙空間に地球から部材を持ち上げる際の部品点数・打上重量を減らしコストダウンできうる。
その為、本願核融合システム・粒子加速器・パイオンミュオン生成システム等装置・システムは宇宙空間にて利用されてもよい。また宇宙空間の輸送機器・宇宙機・宇宙基地・宇宙船・探査ロボットの移動・動作の為の電力源・動力源や粒子実験用粒子利用等の為に本願システムが搭載されていてもよい。
【0072】
<回転可能・可動なミュオン標的部分の別の形態>
図10ー12では回転ミュオン標的は円板状としたが、形状はそれに制限されず、図13のように、例えばチェーンソーの回転するチップ部分・ソーチェーン部に標的部をつけて可動なミュオン標的部とし、図10のようにMERITリングの外周部をポロイダル方向にカットした断面の一部を通過するようにソーチェーン部が加速器に挿入・循環しチェーンキャッチャー部に戻るようにして、前記ミュオン標的部分は回転してよく、チップ上の前記ミュオン標的部はエネルギーを有するイオン・陽子・粒子の衝突によりパイオン・ミュオンを生じてもよい。
放射化の観点で標的部は軽い元素であると好ましくリチウムや炭素などZの低い元素を用いる。(大きいZの元素であると放射化した際に半減期が長い等で管理コストが懸念される)チップ部は放射化したとき・放射化の度合いが強くなる前に取り外して、新しい楔形又は薄いチップ状ミュオン標的に取り換えてよい。ミュオン標的は本願粒子加速器・FFAG・MERITリング中の粒子の照射部を通過可能・可動であってよい。
【実施例0073】
<実施例MT1>図10図11図12図13は、パイオンミュオンを生成し捕獲しミュオン利用システム・ミュオン核融合システムに対しミュオンを照射投入する粒子加速器・MERITリングと、可動な飛び出た・挿入された楔形・薄型の可動ミュオン標的・回転ミュオン標的と、標的にエネルギーを有する粒子・粒子ビームが衝突することで生じるパイオンミュオンの発生部、パイオンミュオン生成部、パイオンミュオンを捕獲して目的部に向け輸送するミュオン捕捉ソレノイドの説明図。
●本願ではミュオンを用いた核融合システムの大きさを前記輸送機器に搭載できるよう小型化したいと考えており、円形加速器の加速空洞は超伝導体やレーザー航跡場加速式の加速空洞・レーザーを用いた加速空洞をもちいてよい。
●また可動ミュオン標的・回転ミュオン標的は機械・ロボットアームにより高度に放射化された標的や部材にヒトが接近しないように無人・機械にて交換できてよい。
●標的の放射化・劣化によるミュオン標的取り換えにより粒子加速器や核融合システム・発電システムを止めないよう(前記のダウンタイムを減らすように)ミュオン標的は可動であり一点に長期にわたり粒子ビームが照射され続けるのを避け、標的の他の面に粒子ビーム照射が行われ照射部が分散し長く標的が利用可能にする。
<実施例MT2>
図12は2つの可動標的とミュオン捕獲ソレノイド・ミュオン取り出し口を2つ備えさせ、その後2つ・2基の核融合システム・核融合反応炉に向けミュオンをを投入し、前記核融合システム内のターゲットT1・核融合反応点FPに照射投入しミュオン核融合を促す(あるいは各種のミュオン関連実験やとミュオンを物質に照射し放射性廃棄物などの核変換や核融合、ミュオン応用実験可能な)システムの例が記載されている。前記2つの内1つの取り出し口を休止させその箇所の可動標的を交換・メンテナンスする。図13では可動標的をキャッチする部分にて可動標的を交換・メンテナンス可能にする。
【0074】
記号など
図10
MU-MOVABLE-TGT:粒子ビームを受ける部分が可動である(ミュオン)標的部
MU-DISK-TGT:粒子ビームを受ける部分が回転可能・可動である円板型でもよい標的部ミュオン標的部
MU-WEDGE-DISK-TGT:・可動で前記円板型でもよい標的部ミュオン標的部であって、ビーム照射を受ける部の厚さは薄い・断面形状は円板の外周に向かうほど薄くなる・楔形であるミュオン標的部。
MU-TGT-BRG:可動時・回転時に可動する部分を支持するためのベアリング等支持手段、AXIS-TGT-BRG:可動するとき、回転運動する場合はその回転軸
2MU-GEN-ROT-TGT:ミュオン標的部とミュオン標的を可動にする手段・モーターとベアリングを備えた標的ユニット部。
2MU:ミュオン生成部M1の例。(標的・加速器・荷電変換ビーム入射部・電荷を調整する部分・陽子粒子ビーム入射部・陽子粒子ビーム加速器部分・ミュオン捕獲ソレノイドなど含んでよい)M1でのミュオンを陽子・原子核に結合させ(中性粒子ビーム・)ミュオニック原子MP1を生成できてもよい。
2MU-ACC-RING:円状加速器、粒子加速器
2MU-FFAG:FFAG加速器
2MU-MERIT-RING:MERITリング型加速器(楔形部分の標的が可動で挿入されてよい。挿入された先端部になるにつれて薄くなる可動なミュオン標的が挿入されてよい。回転可能なディスクの外周部やチェーンソーのチップにミュオン標的部が形成され可動になっていてもよい。円の円周の内周側に陽子粒子ビームを照射しその後該加速器・該リングにより円形加速・螺旋形加速し、外周側に高エネルギー・高速になり遷移し、その後前記可動でもよいミュオン標的に衝突しつつ減速してもエネルギー回復して再度標的に衝突可能でもよい。(粒子は標的衝突により減速して内周方向に移動しても再度加速して外周に遷移し再衝突してよい加速器、粒子がリング内に貯蔵・蓄積・再加速される加速器。)
2MU-FFAG-CS・2MU-ACC-RING-CS・2MU-MERIT-RING-CS:前記加速器をドーナツに見立てた時トロイダル方向に垂直な断面、ポロイダル方向切断した断面であって、点CSP1と点CSP2間で切断したときの加速器の断面。
円形加速器・MERITリングの外周側の高エネルギーに加速された粒子ビームが断面CSに挿入された可動な標的(例えば薄い円板状のミュオン標的)が加速器断面の円の外周方向に挿入され可動できる。
CS:点CSP1と点CSP2間の断面部CS
図12
・ミュオン発生用回転ターゲットの陽子照射放射化後の取り換え、交替システム
2か所の、加速器内部に挿入・抜去・移動可能な可動ミュオン標的部とミュオン取り出し口とミュオン捕獲ソレノイドを配置し、片方取り出し口を休止しミュオン標的部を加速器から抜去・交替させミュオン標的部を取り換える場合の説明図。
2MU-GEN-ROT-TGT:加速器内にMOVE、INSERT、EJECT可能な可動ミュオン標的部ユニット・システム。
MUON CAPTURE TRANSPORT SOLENOID:ミュオン捕獲運搬ソレノイド
図11
2TGT-EXCHANGE:を備えた可動なミュオン標的を機械ロボットにより取り換える装置、ターゲット交換部
2TGT-EXCHANGE-ARM:交換部のアーム部・ロボットアーム
2TGT-EXCHANGE-AXIS:交換部の回転軸
2TGT-EXCHANGE-MOT:交換部のモータ
*ジュークボックスのレコード取り換え部のような装置でもよい。TGT EXCANGE ROBOT/ARM:(JUKE BOX MACHINE LIKE)
図13
可動なミュオン標的の例、チェーンソーライクな(又は索道風・ロープウェーとリフト風の)標的を可動にする部分を持つ例。
CHAIN-CATCHER:チェーンソーのチェーンキャッチャー部でもありソーチェーン上のミュオン標的部MU-MOVABLE-TGTをロボットアームなど機械により取り換え可能な部分。
Chain-Sow-and-TGT:チェーンソーのミュオン標的TGTの取り付けられたソーチェイン部をガイドするガイドバー部分。(図13において、ミュオンの減速器MUDECEでミュオンを減速できてもよい。)
【0075】
<請求の範囲>
<請求項MT1>
回転可能な円板型のミュオン標的、若しくは、回転可能な・可動可能な標的部MU-MOVABLE-TGT ・MU-WEDGE-DISK-TGTを備えたミュオン生成部・ミュオン標的部・ミュオン標的・標的であって、
(例えば前記円板の内周部から外周部までの断面部は外周部が厚く・太く、外周部が薄く・細い・鋭利である、もしくは円板の厚さについて円板の中央部は厚く、円板の外周部は薄い特徴を持つ、円板型のミュオン標的を備えたミュオン生成部であって、(円板・車輪の外周部は薄く・尖っている・楔形様に尖っている円板又は薬研車又は回転鋸形状であって)
前記円板状のミュオン標的は円状加速器の円の外周部の一点又はその周辺部に陽子ビーム・粒子ビームが照射され、パイオン・パイ中間子やミュオンを生じる事が可能であるミュオン生成部。
<請求項MT2>
パイオンミュオンを生成可能な、リチウム・炭素(原子番号Zの低い材質)を用いた標的部を有する、請求項MT1に記載のミュオン生成部。
<請求項MT3>
ミュオン標的部が動的・可動であるミュオン生成部、もしくはミュオン標的部となり放射化する箇所を前記可動させ、放射化する部分を円板・板上で分散可能なミュオン生成部(・ミュオン標的)。
<請求項MTEX1>
ミュオン標的を機械器具により交換可能なミュオン生成部であって、回転可能な円板型のミュオン標的、若しくは、回転可能な・可動可能な標的部(MU-MOVABLE-TGT・MU-WEDGE-DISK-TGT)を前記交換可能な加速器(・ミュオン生成部・ミューオン核融合システム)。
<請求項MERMT1>
請求項MT1に記載の回転可能な・可動可能な標的部MU-MOVABLE-TGTの標的部を、MERITリング・FFAGリング・円状加速器・ドーナツ状加速器の円周方向・トロイダル方向に対し、円の外周に対し垂直になるよう外周部を一部切断する断面(・ポロイダル方向に切断した断面・ポロイダル断面)であって、陽子ビーム・粒子ビームの通過する軌道の通過する部分に、前記ミュオン標的を挿入・抜去・配置可能な、加速器(・標的・ミュオン生成部・ミューオン核融合システム・ミューオン核融合システムを搭載した輸送機器)。
<請求項MERLSR1>
(加速器の加速空洞の小型化の目的で、)レーザーによるプラズマ利用の陽子加速方法・レーザープラズマ駆動によるイオン・電子加速・レーザー航跡場加速(LWFA)・レーザーの持つポンデロモーティブ力を用いた加速器(・ミュオン生成部・ミューオン核融合システム・ミューオン核融合システムを搭載した輸送機器)。
【0076】
<<優先権を主張した出願による追記部分>>先の出願、特願2023-150635、特願2023-151787、特願2023-174791、特願2023-196029、特願2023-196327に対し次の項目を追加した。(本願は考案であって実証が必要である)
<<<ミュオン核融合システム・ミュオン核変換システムの原料・燃料物質に関する記載>>>
<発明を実施するための形態>
<電気陰性度:原子が電子を引き寄せる強さの相対的な尺度の視点>
原子核が電子・負電荷をひきつける尺度に電気陰性度がある。アレンの電気陰性度によれば、ヘリウム原子と比較してフッ素電子のほうが電気陰性度が高く、より電子やミュオンをひきつけやすい事が期待できる。そのため、アレンの電気陰性度によればフッ化水素にミュオンを照射し核融合してヘリウムが生成される場合は電気陰性度の面からミュオンは核融合後に生成されたヘリウムよりはフッ化水素のフッ素に引き寄せられやすい可能性があり、その観点でフッ化水素(液体・気体の流体のフッ化水素でももよい)にミュオンを投入し核融合を促すことも本願発明では実施できる。
<有効核電荷の視点>
有効核電荷について、1S軌道の感じる有効核電荷・電荷は、[ヘリウムHe:1.688 、水素H:1.000 、リチウムLi:2.691、ベリリウムBe:3.685、ホウ素B:4.680、炭素C:5.673、窒素N:6.665、酸素:7.658、フッ素F:8.650、ネオンNe:9.642、ナトリウムNa:10.626、カリウムK:18.490、ルビジウムRb:36.208、セシウムCs:Rb以上の大きさ]である。
有効核電荷の点ではホウ素や窒素(と水素)を含む系にミュオンを投じてヘリウムを生成する核融合反応が起きる場合は、核融合燃料のホウ素や窒素の有効核電荷が核融合生成物のヘリウムの有効核電荷よりも大きい特徴を持ち、ミュオンはヘリウムよりは有効核電荷の大きいホウ素や窒素に引き寄せられると期待できるので、本願核融合システムで用いてよい。
核融合反応系について、本願発明では核融合燃料の原子核の有効核電荷が核融合後生成物の原子核の有効核電荷より大きい核融合反応系を用いてよい。(核融合により生成する原子核の有効核電荷よりも大きい有効核電荷を持つ核融合に用いる原料原子を有する核融合反応系を用いてよい。)
<鎖状や高分子構造をもつ分子でのミュオン核融合の視点>
<鎖状や高分子の水素化ホウ素>
ホウ素原子は水素化物として鎖状・高分子の構造をとるかもしれない。また水素とベリリウムとホウ素の化合物があることは上記で述べており用いてよい。ボラン・水素化ホウ素は本願発明においてミュオン核融合燃料に用いてよい。(ボラン・水素化ホウ素の例:BH3、B2H6、B2H2、B2H4、B4H10、B5H9、B5H11、B6H10、B6H12、B10H14、B18H22)
ミュオン触媒核融合において、触媒反応を持続させ、一つあたりのミュオンに対してのホウ素と水素のミュオン触媒核融合回数を大きくする必要があると考えられ、一つの分子内で多くの核融合回数を稼げたほうが有利と考えるので、本願発明では好ましくはホウ素の連結数の長い鎖状・高分子の水素化ホウ素をミュオン触媒核融合に用いることができる。
*ホウ素には水素化ホウ素のアニオン(例:ドデカボーレートdodecaborate、化学式[B12H12]2‐)が存在する。他方当該ドデカボーレートのアニオンの対になるカチオンはリチウムやナトリウムやセシウムなどであろうが、有効核電荷の観点では、ホウ素の有効核電荷より大きなセシウムやナトリウムカチオンを用いてしまうとホウ素ではなくナトリウムにトラップされてミュオン核融合が停止してしまう恐れがあるので、水素化ホウ素アニオンに例えばリチウムカチオンを結合させて良い。
当該物質の製造について、以下の2LiB3H8やLi2[B12H12]の反応式を想定する。
5NaBH4+BF3->2NaB3H8+3NaF+2H2、2NaB3H8->NA2[B12H12](Naを用いた既存の製造例)
5LiBH4+BF3->2LiB3H8+3LiF+2H2、2LiB3H8->Li2[B12H12](Liを用いる例。実証・検討が必要)
また水素化ホウ素リチウムLiBH4を本願発明のミュオン核融合燃料に用いてよい。
<鎖状や高分子の水素化窒素・アザン>
窒素原子は水素化物として鎖状・高分子の構造をとるかもしれない。本願発明ではアザンをミュオン核融合の燃料物質に用いてよい。(アザンの例:NH3、N2H4、N3H5、N4H6、N5H7、N6H8、N7H9、N8H10、N9H11、N10H12、及びそれ以上の窒素数のアザン)
*水素分子H2(H2の融点は摂氏マイナス259度、沸点は摂氏マイナス252.7度)と窒素分子N2(N2の融点は摂氏マイナス209度、沸点は摂氏マイナス195度)では摂氏209以下では窒素分子は固体であって水素分子は気体となりN2とH2が混合しにくい恐れがある。(窒素分子と水素分子を共に液体の状態で互いを近接させて核融合促す構成をとりにくいかもしれない。)他方本願では水素と窒素の化合物を用いることができ、化合物分子内で窒素原子と水素原子が結合・混合されているので、窒素原子と水素原子とミュオンを用いた核融合反応を化合物・アザン分子内で起こすことが可能になる利点がある。
ホウ素の場合もホウ素単体の融点は摂氏2076度であるため、摂氏2076度では気体である水素分子とは混合させて共存させられない。そこで本願では水素とホウ素が化学結合した水素化ホウ素としてそこへミュオンを投入することで水素とホウ素を分子内で近接させ核融合反応を起こさせる意図がある。
<炭化水素のミュオン核融合の視点>
12Cと1HからなるメタンCH4にミュオンを照射すると炭素12に結合している水素が核融合して窒素13となり、次いで水素が融合して酸素14となり次いで水素が核融合してフッ素15となりフッ素15は短い寿命(1.1zsec、10の‐21乗秒、ゼプト秒)の後に陽子を一つ放出(陽子放出)して酸素14へ崩壊しうる。*酸素14は再度水素と核融合可能であれば、酸素14とフッ素15まで前記のように核融合し、フッ素15は前記のように陽子を放出しての酸素14に戻るサイクル反応を起こせる可能性があるので、炭素12と水素を用いる核融合燃料を本願ミュオン核融合システムに用いてもよい。
13Cと1Hからなるメタンにミュオンを照射すると炭素13に水素が核融合して窒素14となり、次いで水素が融合して酸素15となり次いで水素が核融合してフッ素16となる。フッ素16は短い寿命(21 zsec、10の‐21乗秒)にて陽子を放出して酸素15となるので再度水素原子と核融合して陽子放出・崩壊してを繰り返させることができる。
メタンは液化する事も可能であり、液化することでメタン分子が気体の場合よりは近接できるのでミュオン触媒反応をより起こしやすくする事が期待できる。例えば12Cと1Hからなる液化したメタンCH4にミュオンを照射する核融合システムを検討してもよい。(同位体の核種の表において、炭素12に水素を結合させて横方向・Zが1増える方向に元素の種類を変えていくと不安定な核種であるフッ素15に到達し、フッ素15から酸素14へ崩壊しては水素と核融合してを繰り返す系になると想定し、その系をミュオン核融合に用いてよい。)
*水素分子にミュオンを照射すると安定で寿命の長く有効核電荷が燃料の水素よりも大きなヘリウム・アルファ線が生成し、ヘリウムにミュオンがトラップされることによりミュオン触媒核融合反応が停止する。
他方、本願では例えば水素とホウ素や窒素の燃料からヘリウムを核融合にて生成させるときに、有効核電荷はホウ素や窒素の燃料のほうがヘリウムよりも大きくミュオンを燃料であるホウ素や窒素にトラップさせ触媒反応を持続させようとする意図がある。
そして水素と炭素12を燃料にミュオン核融合させる場合も炭素12に水素原子を2回核融合させ酸素14とし、酸素14と水素をミュオン核融合させてフッ素15を生成させ、フッ素15は崩壊して酸素14よりも有効核電荷が小さい水素を陽子として放出させることで、酸素14と水素原子とのミュオン触媒核融合反応を持続させようとする意図がある。
<炭素の利用>
炭素12にミュオンを照射して核融合反応・核破砕反応・核変換を促してもよい。
炭素12は3つのアルファ線・ヘリウム原子核(ベリリウム8とヘリウム)から生成されるが、ミュオン・素粒子を照射することでその逆である炭素12から3つのアルファ線への分解反応を起こさせることができうるなら前記反応を用いてよい。本願において炭素とミュオンを用いた核融合反応を用いて核融合システムもしくは原子炉システムを構成してよい。本願において鎖状や高分子の炭素化合物をミュオン核融合燃料に含んでいてもよい。炭素12からなるグラファイトなどである。
<ミュオンを炭素12に照射した際の視点>
〇炭素12にミュオンを照射するとミュオンと炭素12中の陽子が弱い相互作用により中性子に代わり原子番号Zが一つ減ってホウ素12になりうる。
ホウ素12は2つの崩壊モードがあり主流(99.4%)の負のベータ崩壊では炭素12を生じて、(0.6%)の負のベータ崩壊でアルファ線1つとベリリウム8を生じ、ベリリウム8は短い半減期で2つのアルファ線を生じる。そのため炭素12にミュオンを照射すると正のベータ崩壊によりベリリウム8を経由して2つのアルファ線を生成しつつエネルギーを放出しうるので、本願では炭素12にミュオンを投入する核融合システム又は核変換システム・実験システムを実施・構成してよい。
〇ベリリウム8はその原子核に2つのヘリウム粒子の構造があるかもしれず、(崩壊して)ヘリウム粒子になることで安定化する。炭素12はその原子核に3つのヘリウム粒子の構造があるかもしれず、何らかのエネルギー・手段を加えて3つのヘリウム粒子とエネルギーを放出させることで安定化するために崩壊するかもしれない。(陽子とホウ素の核融合後にヘリウムを放出してヘリウムに崩壊しつつエネルギーを放出するのと同様に炭素が崩壊して結合エネルギーを出す)というイメージである。
*ヘリウム3から(ベリリウム8を経由し)炭素12を生成するにはホイル状態となる必要がある。ホイル状態とは炭素12原子核の励起エネルギー7.65MeVに存在する状態である。
*負ミュオンは原子核のクーロン場に捕捉されミュオニック原子を形成する。原子番号Z、質量数Aをもつ原子核N(Z、A)において負ミュオンが原子核に捕獲されると、原子核内の素過程としてミュオンが陽子と結びつき中性子とニュートリノ・電子ニュートリノ・ミューニュートリノが形成される。
*ミュオンの静止質量エネルギー106MeVの殆どはニュートリノが運動エネルギーとして持ち去って、原子核励起エネルギーとして10-20MeV程度が残されると考えられている。
*原子番号Zの原子核のミュオニック原子核の捕獲反応では、Z-1の原子核の複合核励起状態(20から10MeV)から複数個の中性子放出が起こり,Z-1原子核の同位体が生成する。
炭素12原子にミュオンが捕捉・捕獲された場合、ホウ素12となり、ホウ素12の原子核を20から10MeV励起しうる。もしくは炭素原子を20から10MeV励起しうる。
(ホウ素12は20ミリ秒で炭素12になるかベリリウム8を経て2つのアルファ線に崩壊する。)
ここでミュオンが炭素12に捕捉され炭素12がミュオンの静止質量エネルギーをもとに10MeV以上励起された場合、炭素12のホイル状態への励起エネルギー7.65MeVを超えるエネルギーが炭素原子核に与えられる。そして励起した炭素12は、(その後3つのヘリウムに分解する方向に進むならば、)炭素原子核は結合していた時のエネルギーとガンマ線、そして3つのアルファ線・ヘリウム原子核を生成し出力するかもしれない。*ホウ素11と陽子を核融合させた場合、高エネルギー化した・励起した炭素12を経て3つのヘリウム4と8.7MeVのエネルギーを生じうる。本願において炭素12にミュオンを照射し炭素12をホイル状態へと励起したのち励起した炭素は3つのヘリウム4と8.7MeV(3.76+2*2.26[MeV])のエネルギーを生じうる。
上記の想定から、本発明では、ミュオンを核融合燃料・核変換燃料である炭素原子核(炭素12)に照射すると3つのアルファ線とエネルギー(ガンマ線)が生じうるミュオン核融合システム・ミュオン核変換システムを構成・実施してよい。
<炭素13の視点>
自然界の炭素には炭素12と炭素13・炭素14が含まれる。炭素13にミュオンを照射するとミュオンと炭素13中の陽子が弱い相互作用により中性子に代わり原子番号Zが一つ減ってホウ素13になりうる。ホウ素13は2つの崩壊モードがあり主流(99.7%)の負のベータ崩壊では炭素13を生じて、(0.2%)の正のベータ崩壊で炭素12を生じる。炭素12については前述の通り。
〇炭素13に陽子を結合した炭化水素化合物にミュオンを照射し炭素13に陽子を核融合させ窒素14と ガンマ線と7.54 MeVのエネルギーを生じうるので本願核融合システム・核変換システムに用いてよい。*炭素同士の核融合工程において、起きにくいかもしれないが、2個の炭素12をミュオン核融合させ マグネシウム24とガンマ線とエネルギー13.3MeVを生じうる。そして13.3 MeVは炭素12のホイル状態への励起エネルギー7.65MeVを超えるので、そのエネルギーを励起に用いられるなら、炭素12をホイル状態としミュオンが存在する状態とでき、そして励起した炭素12は、(その後3つのヘリウムに分解する方向に進むならば、)炭素原子核は結合していた時のエネルギーとガンマ線、そして3つのアルファ線・ヘリウム原子核を生成し出力するかもしれない。
(しかし、この炭素同士の反応ではマグネシウム等の炭素よりZの大きい原子が生じてミュオンをトラップしそうに感じられる。ここでマグネシウム等の炭素よりもZの大きい原子が生じにくければ、ミュオン照射されてミュオニック炭素原子になり励起した炭素12は、(その後3つのヘリウムに分解する方向に進むならば、)炭素原子核は結合していた時のエネルギーとガンマ線、そして3つのアルファ線・ヘリウム原子核を生成し出力するかもしれない。炭素12からなる炭素同素体・黒鉛・グラフェン・ダイヤモンドと炭素12を窒素14に置換された六方晶窒化炭素と炭素を含まない窒化ホウ素BNそれぞれにミュオンを照射した場合、炭素12の有無や炭素12の近接有無に由来するに違いが起きるかもしれない。)
<近接した炭素原子と励起した炭素原子との視点>
ミュオンを照射された炭素12は励起した炭素原子12C*となり3つのアルファ線に崩壊した場合には、その励起エネルギー(又はミュオンと励起エネルギー)を次の・隣り合う炭素12原子に移していくことで励起した炭素12原子(12C*)を次々・連続して励起・生成しては12C*をヘリウム4へ崩壊させてを繰り返すことで、炭素12のヘリウムへの核変換によるエネルギーを取り出し続けられるかもしれない。
例えば、炭素12の炭素鎖を含み水素を含む炭化水素分子(アルカン・パラフィン、アルケン・オレフィン、ポリアセチレン)の高分子があって、その高分子にミュオンを照射した場合、炭素12とミュオンが結合し基底状態より励起したミュオニック炭素12原子が生じてその後、ホイル状態以上のエネルギーを持つことで3つのヘリウム4を生成することで核変換しエネルギーを生じうるので本願の核変換システム及びそれを応用したエネルギー生成システム・発電システムに用いてよい。
炭素12の炭素鎖を含む炭化水素分子高分子はミュオン照射を受け分子内の炭素12はミュオンと結合し励起された炭素12*を生成しヘリウムに崩壊した時、当該高分子内の隣り合う炭素12原子にミュオンや炭素原子励起のためのエネルギーを移せるならば、(ミュオンを核変換のための触媒のように用いて)当該高分子内の隣り合う炭素12を次々とヘリウムに核変換する反応(分子内でのミュオン触媒核変換反応)を行わせることができうる。〇例えばボラン・メタン等気体分子の代わりに当該高分子を用いたとき、物理的距離の離れた他の(メタン等)気体分子・液体分子間でミュオンを移動させるよりも、当該高分子内で炭素原子が結合して近接しているためミュオン(又はミュオンと炭素原子の励起エネルギー)を次の原子に移動させる距離を減らせる構成となるメリットがあり、本願発明では一つの分子内で多くの核変換回数を稼げたほうが有利と考えるので、炭素12を含む、炭素鎖・水素を含む炭化水素分子の高分子にミュオンを照射して核変換を促してもよい。
仮に励起した炭素12(12C*)が励起子のようなものであるとすれば、(光合成での励起子の分子間・分子内のエネルギー移動のように、共鳴エネルギー移動(フェルスター機構)又は電荷移動(デクスター機構)における励起子の励起エネルギー移動のように)近接した励起原子と基底原子間で共鳴・エネルギー交換により励起した状態を伝え移動(・量子力学的にトンネル)させるように、隣り合う炭素原子へ励起エネルギーと励起した炭素12の状態を伝えていき、炭素12をヘリウム4に核変換していくかもしれない。(例えばフェルスター機構ではドナーとアクセプターの原子間・分子間の距離6乗に反比例してフェルスター共鳴エネルギー移動効率・FRET効率が変わり、距離が小さいほどFRET効率は増加する。本願のミュオンを受けて励起したドナーの炭素12(の12C*)が他のアクセプターの炭素12に励起エネルギーを移動させるとすれば、その距離は小さいほど効率が良くなる期待がある。)本願の一つの実施形態として、前記距離を短くするため、炭素12同士を結合させ分子として炭素12間の距離を短くし、前記分子にミュオンを照射してもよい。
<炭素と水素を用いる構成>
例えば、(以下反応ができるかどうか不明であり、単純に核融合して原子核内の中性子と陽子の数が増えるという仮定であるが、)炭素13(13C6)に重水素D(2H1)を結合させ、ミュオン核融合できた場合、窒素15(15N7)を生じうる。窒素15もまた水素と反応し核融合させることが期待でき、本願発明の核融合システムに利用してよい。
炭素12(12C6)に三重水素T(3H1)を結合させ、ミュオン核融合できた場合、窒素15(15N7)を生じるので用いられてもよい。例えば化合物としてメタン・脂肪族飽和炭化水素 (CnH2n+2,nは炭素数)の炭素原子に炭素13を用いており、水素原子に重水素を用いているミュオン核融合燃料(炭素13と重水素からなる脂肪族飽和炭化水素)[(13C6)n(2H1)2n+2]、[(13C6)n(2H1+1H1)2n+2]を本願ミュオン核融合システムに用いてよい。
炭素13と重水素からなるメタン・脂肪族飽和炭化水素は分子内のn個の炭素13とミュオン核融合して窒素15を生じえて、その後窒素15が分子内に残る水素原子と核融合しうるから、本願ミュオン核融合システムに用いてよい。窒素15と陽子は核融合して炭素12とヘリウム4とエネルギーを生じうる。
炭素14と水素・陽子からなるメタン・脂肪族飽和炭化水素[(14C6)n(1H1)2n+2]は分子内のn個の炭素14と水素がミュオン核融合して窒素15を生じえて、その後窒素15が分子内に残る水素原子と核融合しうるから、本願ミュオン核融合システムに用いてよい。
<請求の範囲の例>
<請求項NCT1>
炭素12にミュオンを投入・照射しヘリウム4に変換する特徴を有する核変換システム。
<請求項NCT2>
請求項NCT1に記載の核変換システムにて生じるエネルギーを用いた発電システム。
<請求項NCT3>
炭素原子にミュオンを投入する特徴を有する核変換システム。
<請求項NCT4>
ミュオンを用いた核変換システムであって、核変換するときに核変換の原料となる原子Aの原子番号Zまたは(1S軌道の)有効核電荷は、前記原子の核変換後に生成される原子Xの原子番号Zまたは(1S軌道の)有効核電荷よりも大きい特徴を有する核変換システム。
<請求項CMF1>
炭素原子にミュオンを投入する特徴を有する核融合システム。
<請求項CMF2>
炭素と水素の化合物または分子にミュオンを投入する特徴を有するミュオン核融合システム。
<請求項CMF3>
炭素と水素の化合物または分子にミュオンを投入し炭素原子核を他の原子核に変換する特徴を有するミュオン核変換システム。
<請求項ACM1>ミュオンを用いて原子Aと原子Bを核融合させ、原子Xを生じるミュオン核変換システム。<請求項ACM2>ガリウム68、銅63、銀107、金197、白金195(など)を前記原子Aと原子Bとミュオンを用いて原子Xを生成したのちに原子Xから得る、または原子Xを崩壊させて得られた原子Yから得る、特徴を有する請求項ACM1に記載の核変換システム。<請求項ACM3>請求項ACM2に記載の核変換システムを用いて製造された原子。
【0077】
<<<ミュオン標的、中間子生成装置に関する記載>>>
<課題>ミュオン標的に炭素原子を用いた炭素素材・バルクの炭素からなる標的を用いると炭素原子が高エネルギーの陽子照射を経て高度に放射化される問題がある。またベリリウムやリチウムを前記標的に用いた場合も同様に問題があるかもしれない。ミュオン標的が放射化しにくくなる系を考案したい。またミュオン標的がノックアウト反応し標的内の原子核が変換されアルファ線等になって抜けていき空隙が増えてもろくなり利用できなくなり標的の交換が必要であるが、標的の交換の負荷・工数を減らすシステムを考案したい。
<解決手段1><発明を実施するための形態><実施例>
<ミュオン標的を構成する同位体の選別>
ミュオンを生成するために標的となる原子番号Zの原子核に陽子(又はアルファ線やヘリウム等の原子核・粒子)を入射・衝突させる。この際に、原子核は衝撃を与えられて原子核から構成要素である陽子や中性子が飛び出してくるはずである。その後は何らかの放射性のある同位体になることで標的もしくは標的となる原子核を含む部分は(高度に)放射化されうる。(ミュオン生成時のミュオン標的の放射化、ノックアウト反応)
例えばミュオン標的に炭素を用いた場合、単一の同位体を選別するプロセスを経ていない場合は、標的は炭素12と炭素13と炭素14を含みうる。炭素12(自然界存在比およそ98.9%)に加速された陽子を打ち込むことでノックアウトされ、(原子核のノックアウト反応によりアルファ粒子が叩き出されて、)ベリリウム8とアルファ線が生じうる。ベリリウム8は8.19×10のマイナス17乗秒の半減期で2つのアルファ線に崩壊しうる。また炭素13(自然価存在比1.1%)は同様に陽子を打ち込むことで核が破砕され、ベリリウム9とアルファ線が生じうる。ベリリウム9はミュオン標的上に生成された場合、引き続き標的に照射された陽子と衝突しノックアウト反応がおきうる。さらに炭素14が含まれている場合、陽子を打ち込むことで核が破砕され、ベリリウム10とアルファ線が生じうる。ベリリウム10は半減期100万年以上の同位体である。
炭素14を含むミュオン標的に陽子を衝突させ、ミュオンを生成させつつ、炭素14原子核が陽子によりノックアウトされ1つのヘリウム原子核・アルファ線とベリリウム10が生成するとした場合、ミュオン標的は長期にわたり放射化されうると想定される。もし前記想定が実際にミュオン標的にて起きるのならば、炭素を用いるミュオン標的において、ベリリウム10のような放射性の同位体が生じないように、ミュオン標的を構成する同位体の比率や原子核の種類を人工的に制御する必要がある。例えば前記想定が実際に起きるならば炭素を用いたミュオン標的について、炭素12のみ(あるいはノックアウト後に放射性同位体の生じない炭素同位体のみ)とすることで、炭素を用いたミュオン標的の放射化の度合いを低減できるかもしれない。
炭素12のみからなるミュオン標的は炭素12と炭素13と炭素14を含むミュオン標的と比べ放射化される度合いに違いが出るかもしれないので、ミュオン標的の同位体を単一の種類になるよう同位体を選別する事が必要かもしれない。*例えば炭素を用いたミュオン標的は炭素12のみから構成されるグラファイトや炭素同素体による標的でもよい。炭素を用いたミュオン標的は炭素14を含まないミュオン標的であってもよい。*また標的は陽子が照射される部分が可動であってもよく、陽子線が照射される部分が図10の円軌道に沿って回転可能な薄い円板の標的部のように、可動な標的であってもよい。(本願の上記考案によれば、炭素を用いたミュオン標的について、半減期が100万年を超えるベリリウム10を陽子衝突による核破砕反応により生じさせないようにするためには、炭素14を分離し炭素12のみからなるミュオン標的を用いる事が有用であると推測され、本発明では炭素12のみを用いるミュオン標的を用いることができる。)
<ミュオン標的上での核変換>
ノックアウト反応の他に、核融合を起こしうる高エネルギーの陽子(或いはアルファ線、その他原子核のビームライン)を標的部の原子核と衝突させた時に衝突による核融合反応が起きた場合、核融合により新たな核種・同位体がミュオン標的部に生成されうる。
例えば炭素13よりノックアウト反応によりベリリウム9が生じて、その後ベリリウム9(断面積大きい)が照射された陽子と衝突し核融合しアルファ線とリチウム6を生じたり重水素とアルファ線を生じえる。リチウム6はさらに次に到達する陽子により同核融合しうる。
例えば炭素12が照射された陽子と衝突し核融合し、窒素13生じたり重水素とアルファ線を生じえる。リチウム6はさらに次に到達する陽子により同核融合しうる。
炭素やベリリウム・ホウ素・リチウム等を含むバルクな塊上の固体の標的を用いるとノックアウト反応により核破砕が起きアルファ線を放出しながら固体部分が抜け落ちてもろくなる虞がある。
<解決手段2><発明を実施するための形態><実施例>
炭素標的などの場合、その固体部分が陽子の衝突により叩き出されて抜け落ちうる。そこで炭素ではなく、より原子番号Zが小さい原子(本願の一つの形態では水素原子・陽子。他の形態ではヘリウム原子・アルファ線)をミュオン標的に用いる系を考案する。
<陽子・陽子ビーム・水素原子やヘリウム原子をミュオン標的の原子核に用いる系>
上記固体標的の有するノックアウト反応により固体部分が抜け落ちる(そしてもろくなり・機械強度が下がり、標的の交換が必要である)課題を解決することと、標的が放射化する問題を解決するため、陽子と炭素原子ではなく陽子と水素原子(陽子)若しくはヘリウム原子を衝突点2CLPにて衝突させる系を図14等に記載する。
陽子・ヘリウムのような原子番号Zが小さく軽い原子同士の為、核破砕反応しない期待を持つ粒子の衝突系であって、衝突による核融合をしても陽子同士がヘリウム原子核になる系で(ヘリウム同士の場合はベリリウム8に核融合して短い半減期で崩壊しヘリウムに戻る系で、)炭素を用いたミュオン標的のように標的上でノックアウト反応や衝突による核融合を経て元の原子核(炭素12)から別の原子核を生じない系であって、なおかつターゲット部がノックアウト反応により叩き出されて空隙を生じて機械的・物理的にもろくなって壊れる事のない期待をする標的MU-P-HE-ORBIT-TGTを図14に記載する。ヘリウム標的・陽子標的へ、加速されたヘリウム・陽子が衝突した後に生成した・残っているヘリウム原子核は加速器を通じて再利用・回収可能(固定磁場強集束FFAG方式・MERITリング方式の場合、エネルギーを回復・再加速可能)である標的MU-P-HE-ORBIT-TGTを有するミュオン生成システム2MUを図14に記載する。)
図14では第1の加速器2MU-ACC-RINGにて陽子線を加速・循環させており、第2の加速器2HE-ACC-RINGにて(イオン化された)水素又はヘリウムを粒子加速器でもよい部分内で加速・循環・ループさせ、2MU-ACC-RINGと2HE-ACC-RINGの粒子軌道の交差点2CLPにて交差させ衝突させ、ミュオンを生成させようとしている。
図14では第1の加速器(2MU-FFAG、2MU-ACC-RING、2MU-MERIT-RING、図15の2HE-FFAG-1ST)に陽子(・ヘリウム・粒子)を投入し円軌道・螺旋軌道を描かせながら外周側に陽子(・ヘリウム・粒子)が加速されながら循環しており、第2の加速器(2HE-ACC-RING、2HE-FFAG、図15の2HE-FFAG-2ND)には標的部MU-P-HE-ORBIT-TGTとして陽子又はヘリウムイオンを投入し加速循環させており、円軌道・ループした軌道を描きながら 第2の加速器内を循環している。そして第1の加速器と第2の加速器の軌道が交差させる部分2CLPにて2MU-ACC-RINGの陽子と2HE-ACC-RINGの陽子・ヘリウムとを衝突させ中間子(パイオン、K中間子)を生成させ、その後パイオンからミュオンを生成させようとしている。)
図14の系では水素原子又はヘリウム原子にミュオンを生成可能なレベルに加速された陽子線(orヘリウム・粒子)を衝突させる。図14では陽子と陽子の衝突により核融合が起きるか、若しくは水素とヘリウム原子核の衝突による核融合が起きて、水素同士では核破砕反応による新たな核破砕由来原子核が生成しなくても済み、また水素とヘリウムではヘリウム原子核は魔法数2の安定な原子核であり核破砕されにくい期待があり、新たな核破砕由来原子核生成しなくても済むかもしれない。
(水素やヘリウムをミュオン標的に用いる場合、炭素をミュオン標的に用いる場合のように核破砕反応後・陽子による核融合後に生成したベリリウム10のような半減期の長い放射性同位体が生じにくくなり、その結果放射化しにくくなることを水素やヘリウムをミュオン標的に対して期待している。また固体の標的ではなく加速器で加速された陽子・ヘリウムのビームであるためノックアウト反応により叩き出された標的がもろくなる事が起きない可能性がある。)
図15ではターゲットになるリング2HE-FFAG-2NDにイオン除去部(イオン取り出し部。イオン取入れ部兼ねてもよい)2EXTEJを備えさせている。イオン除去部2EXTEJは加速器内で意図しない重元素のイオンが生じている場合に除去する部分である。例えば水素とヘリウムが存在するべき加速器の軌道に炭素等の原子番号Zの大きな原子が生成された場合にそれを原子番号Z・電荷ZCや質量の大きさMSにより分離可能・除去可能な装置2EXTEJを備えさせて良い。例えば2HE-FFAG-2NDの軌道に沿って移動するイオンに電場や磁場をかけて質量や正電荷Zの大きさによってイオンを分離してよい。(2EXTEJはイオン化して電場磁場により質量を分離・分析する質量分析装置の質量分離機能部を持っていてよい。)装置2EXTEJにより加速器内の粒子の交換や不純物管理を行い、固体ディスクミュオン標的で必要な交換工程を減らしたい意図があり、本願の中間子生成装置を連続稼働させたい意図がある)
<ヘリウム・ヘリウムビーム・ヘリウム4をミュオン標的の原子核に用いる系(核破砕反応しにくいと期待する安定なへリウム原子核をターゲットに用いる例)>
ヘリウム4(アルファ線粒子)は魔法数2の安定同位体である。図14図15では第1の加速器2MU-ACC-RING・2HE-FFAG-1STにて陽子線・粒子線を加速循環させており、第2の加速器2HE-ACC-RING・2HE-FFAG-2NDにて水素又はヘリウム・粒子線を粒子加速器でもよい部分内で加速させ、2MU-ACC-RINGと2HE-ACC-RING(2HE-FFAG-1STと2HE-FFAG-2ND)の粒子軌道の交差点2CLPにて衝突させ、中間子・ミュオン(・素粒子・粒子)を生成させようとしているが、この際に2MU-ACC-RINGは陽子の他にヘリウムを用いてもよく、ヘリウム4を2MU-ACC-RINGと2HE-ACC-RING内で循環させ交差点部2CLPにて交差・衝突させミュオンを生成させることを試みてもよい。(前記交差する際の角度は本願では指定しないが、例えば直角・直交して衝突させる事も想定される)
ヘリウム4を2つ衝突させると不安定なベリリウム8が生成されうるが、その後、短い半減期(10のマイナス17乗秒)を経過したのち、2つのヘリウム4(アルファ線)となりえて、2つのヘリウム4が衝突による核融合を起こしたとしても(ベリリウム8は)短い時間(10のマイナス17乗秒)で再度アルファ線に戻ろうとするため新たな核種が生じにくい期待がある。
ヘリウム4そのものが安定な粒子であり、それら同士を1対1で衝突させても核破砕破砕や核融合により新たな核種が生じにくいのではないかという視点から、本願の1つの形態ではヘリウム原子核、ヘリウム4同士を(粒子加速器をもちいて)加速させ衝突させメソン・中間子・パイ中間子・K中間子を生成しその後ミュオン等の粒子を生成させてよく、そのミュオンをミュオン核融合や放射性核種の核変換(長寿命の放射性同位体の核変換)に用いてよい。
〇本願の一つの実施形態によれば第1のMERIT方式でもよい加速器2MU-ACC-RINGにヘリウム4を加速・循環させており、第2のMERIT方式でもよい加速器2HE-ACC-RINGにヘリウム4を加速・循環させており、2MU-ACC-RINGと2HE-ACC-RINGの粒子軌道の交差点2CLPにて衝突させ、中間子・ミュオンを生成させてもよい。(2つの粒子の軌道は交差してもよい。一つの実施形態では2つの粒子軌道は直交してもよい。)この場合ヘリウム4とヘリウム4が衝突型の核融合を起こす場合であっても生成する原子は半減期・寿命の短いベリリウム8であり、ベリリウム8は崩壊して再度2つのヘリウム4となると考えると、新たな元素(放射性を持つ元素)が生じにくい可能性があり、本願ではヘリウム4を用い、ヘリウム4同士を衝突させベリリウム8となるような粒子衝突系を用いる中間子・素粒子の生成装置を提案する。*中間子を含む素粒子の生成に本願の2CLPと2HE-FFAG-1STと2HE-FFAG-2NDと陽子・ヘリウムを含む粒子衝突型の装置を用いてよい。(中間子のほか、ターゲットに粒子を衝突させ何らかの素粒子を生成する実験系に本願衝突系を含む装置を用いてよい。)
図14図15の構成ではヘリウム同士を加速器内でイオン化させて衝突させる構成のため固体物質のターゲットの場合でみられるターゲットの機械的高度の低下・寸法変化などの問題(固体ディスク標的の場合に見られた標的の交換問題)は生じにくい効果も期待する。*ミュオン核融合において核融合後にヘリウムを生成する場合は当該ヘリウムをミュオン標的原子に用いてよい。
<<リチウムの同位体を制御したターゲット部>>
リチウム7と陽子の核融合により生成するベリリウム8の半減期寿命の短さに着目した場合、リチウム7と陽子を衝突させる系も候補となりうるかもしれない。例えばリチウム7と陽子を衝突させベリリウム8を衝突型の核融合により生成したとき、ベリリウム8は半減期が短く(10のマイナス17乗秒)、2つのアルファ線・ヘリウム4を生成することはコッククロフト-ウォルトンらによって行われており公知である。この反応に注目し、天然のリチウム(リチウム7を92.5%、リチウム6は7.5%である)のうちリチウム7の存在比を増したターゲット部、(もしくはリチウム6を取り除いて/リチウム7を取り出して)リチウム7のみからなるターゲット部をミュオン・中間子生成装置に用いてもよい。(例えば図10のように可動可能なディスク型MU-DISK-TGTでもよいリチウム7のみからなるミュオン標的を用いてもよい。図14図15の加速器2HE-FFAG-1STと2HE-FFAG-2NDのイオンを陽子とリチウム7イオンとし両者を2CLPにて衝突させてもよい)
*リチウム6のみをミュオン標的に用いリチウム6に陽子を照射し衝突により核融合した場合、半減期が53日と長いベリリウム7が生じうる。ベリリウム7は次の陽子の衝突が可能な時間内に標的部に残るため、陽子とベリリウム7は衝突しうる。ベリリウム7を含む標的部が再度陽子の照射を受けた場合、ホウ素8が生じたり、炭素9等へ(寿命の長い生成物が徐々に陽子と核融合を進めて)重元素側の放射性の生成物を生成し標的に蓄積しうるかもしれない。他方リチウム7のみを含む標的の場合は陽子と核融合しベリリウム8を生じてその後短時間(10のマイナス17乗秒)でアルファ線になることで、(リチウム7ミュオン標的からヘリウムの形で揮発・離脱して除去されて残らなければ)上記の寿命の長いベリリウム7等の生成物が生じにくいかもしれない。
<<衝突による核融合で生成した原子核の寿命が短い(例:10のマイナス17乗秒)ミュオン標的原子の利用>>
〇本願の一つの実施形態では、原子番号Zが4のベリリウム8(8Be4)を生み出すパターンとしてヘリウム4を2つ衝突させる場合(4He2+4He2->8Be4)とリチウム7(7Li3)に陽子(1H1)を衝突させる場合(7Li3+1H1->8Be4)が考えられ、本願ではベリリウム8の寿命に着目した場合その2つのパターンを用いて2つの粒子同士を衝突させ、ミュオン生成や核融合に用いてよい。
〇本願の一つの実施形態では、陽子とヘリウムを衝突させる系を用いてもよい。陽子とヘリウム4を衝突し仮に単純に核融合したとするとリチウム5が生成するがその半減期は短く、崩壊後はヘリウム4と陽子を生成するので再度それをリサイクルして中間子・ミュオン生成装置の衝突に用いることができる。
陽子とヘリウム3を用いた場合もリチウム4が生じるがその半減期は短く、崩壊後はヘリウム3と陽子を生成するので再度それをリサイクルして中間子・ミュオン生成装置の衝突に用いることができる。
<請求の範囲の例><請求項PHE1>
第1の加速器2MU-ACC-RINGにて陽子線を加速循環させており、第2の加速器2HE-ACC-RINGにて水素又はヘリウムを粒子加速器でもよい部分内で加速させ、2MU-ACC-RINGと2HE-ACC-RINGの粒子軌道の交差点2CLPにて衝突させ、中間子・ミュオンを生成させる特徴を有する粒子生成システム。
<請求項PHE2>
陽子と陽子又は陽子とヘリウム又はへリウムとヘリウムを衝突させてミュオンを生成し、前記ミュオンを用いてミュオン核融合させる特徴を有する、請求項PHE1 に記載の中間子の粒子生成システムを用いたミュオン核融合システム。
<請求項PHE3>
リチウム7からなるミュオン標的若しくは粒子の衝突標的を用いた、中間子・ミュオンを生成させる特徴を有する粒子生成システム。
【実施例0078】
本願の実施例・実施形態の想定図として図14から図17に説明図を記載する。
<図の説明>
図14
第1の加速器2MU-ACC-RINGにて陽子線・ヘリウムを加速循環させており、第2の加速器2HE-ACC-RINGにて水素又はヘリウムを粒子加速器でもよい部分内で加速させ、2MU-ACC-RINGと2HE-ACC-RINGの粒子軌道の交差点2CLPにて衝突させ、中間子・ミュオンを生成させる特徴を有する粒子生成システムの説明図。陽子と陽子又は陽子とヘリウム又はへリウムとヘリウムを衝突させてもよい。(第1の加速器2MU-ACC-RINGにて陽子線を加速循環させており、第2の加速器2HE-ACC-RINGにて水素又はヘリウムを粒子加速器でもよい部分内で加速させ、2MU-ACC-RINGと2HE-ACC-RINGの粒子軌道の交差点2CLPにて衝突させ、中間子・ミュオンを生成させる特徴を有する粒子生成システムの説明図。陽子と陽子又は陽子とヘリウム又はへリウムとヘリウムを衝突させてもよい。)
図15
本願実施形態の一つとして、ヘリウム・陽子をターゲット部とする中間子生成のための衝突実験系の説明図。(B)にループした2つの経路2HE-FFAG-1STと2HE-FFAG-2NDを備えた中間子生成のための衝突実験系。
*2つの経路2HE-FFAG-1STと2HE-FFAG-2NDはFFAG若しくはMERIT方式の加速器や加速器内の粒子の軌道でもよい。MERIT方式の場合、2つの加速器の経路内をヘリウム・水素の原子が衝突したのちエネルギー低下した場合であっても再度加速器内でエネルギー再生し・再加速し、再度の中間子生成(若しくは何らかの粒子、素粒子、原子核)の生成を行わせたい意図がある。
図16
本願実施形態の一つとして、ミュオン核融合や核種の変換に用いる例(A)と、元素の変換・核変換後の製品原子核製造に用いる例(B)の説明図。
図17
本願実施形態の一つとして、宇宙ミュオンSM1や高速ミュオンを減速しターゲット部原子に照射投入結合する工程を含む例。
(A)天球・上空をカバーするドーム状の減速器アレイ・減速器2MUDECEで高速宇宙ミュオンを減速し、捕獲部2CAPにて捕獲し、減速したミュオンをT1へ照射し核変換を試みる例。(B)直接原料原子・分子の標的T1にレーザーを照射し宇宙ミュオンの減速用の強度を持つ電場2LASER-EF・レーザー航跡場を形成し、前記電場を用いて宇宙ミュオンを減速させ、減速したミュオンを原料原子と結合させミュオン核融合・ミュオン核変換を試みる例。
【0079】
<符号の説明>
図13
(A)可動なミュオン標的の例(負ミュオン減速部含む)
MU-MOVABLE-TGT:可動なミュオン標的
2MUCAP:ミュオンを捕獲し移動させるデバイス。ミュオンの加速部、ソレノイドなど。
MUDECE-ELEMENT:速度を持つ負ミュオンを減速する向きに配置した減速部・減速素子(レーザー航跡場応用加速器を用いた減速部でもよい。)
MUDECE(MDC): MUDECE-ELEMENTを含む減速器。ミュオンの減速器(レーザー航跡場を用いる加速器でもよい加速器2ACや加速器A1を減速用に用いてもよい)
図14
2MU:ミュオン生成装置
2MESON:中間子生成装置
2PARTICLE-COLLIDER:粒子衝突装置、粒子衝突による中間子・素粒子生成装置
2MU-ACC-RING:陽子・水素(又はヘリウム)をイオン・ビームとして加速・循環・移動する加速器。第1の加速器。
2MU-FFAG:FFAG式の2MU-ACC-RING。
2MU-MERIT-RING:MERITリング式の2MU-ACC-RING。
2HE-ACC-RING:ヘリウム(又は陽子・水素)をイオン・ビームとして加速・循環・移動する加速器。及び加速器の軌道。第2の加速器。
2HE-FFAG:FFAG式の2HE-ACC-RING。
2MU-FFAG-CS、2MU-ACC-RING-CS、2MU-MERIT-RING-CS:第1の加速器の断面部
MU-MOVABLE-TGT:可動標的。ミュオン標的の原子は可動。
MU-P-HE-ORBIT-TGT:可動である、水素やヘリウム(のイオン・ビーム・加速器中の軌道)からなるミュオン標的。加速器を加速・循環・移動するヘリウムや水素である中間子や素粒子ミュオンを生成させるための標的。
2CLP:加速された粒子イオン・ビームの軌道の交差点・衝突点、又は交差部分・衝突部分。
ヘリウムと水素、ヘリウムとヘリウム、水素と水素の衝突する部分(2CCP)。衝突により中間子・素粒子が生成されうる箇所。*第1の加速器2MU-ACC-RING・2HE-FFAG-1STにて陽子線・粒子線(ヘリウム)を加速循環させており、第2の加速器2HE-ACC-RING・2HE-FFAG-2NDにて水素又はヘリウム・粒子線を粒子加速器でもよい部分内で加速させ、2MU-ACC-RINGと2HE-ACC-RING(2HE-FFAG-1STと2HE-FFAG-2ND)の粒子軌道の交差点2CLPにて衝突させ、中間子・ミュオン(・素粒子・粒子)を生成させようとする時の前記交差・衝突させる部分。
図15
2AC:加速空洞、加速手段。
*レーザー航跡場の加速空洞を用いてもよく、レーザーはレーザーデバイスや粒子加速器・アルファ線を用いたシンクロトロン放射光(放射光)の光子・レーザーを用いてもよい。
2MGF:磁石、イオン・ビーム・荷電粒子の偏向手段・収束手段。偏向電磁石等の偏向磁石、ビームを飛び散らぬよう絞り収束する四重極電磁石などの収束磁石。
2ISRC:イオン源He(or、H/p)。イオン入射部。イオン化する装置やイオンを加速して入射する装置を含んでよい。
2EXTEJ:イオン除去部。イオン取入れ部、イオン取り出し部であってもよい。
EX-ION:2HE-FFAG-2ND(加速器の軌道)を移動・循環するイオンのうち、2EXTEJで取り除くイオン。質量分析で用いるイオンの質量の違いによる分離方法を用いてよい。イオンを電荷・磁場によりイオンの電荷に対して質量の違いがあることを利用して異なる質量のイオンを分離してよい。
2HE-FFAG-1ST:第1の加速器。FFAG型のヘリウムを加速循環する円形加速器等。
2HE-FFAG-2ND:第2の加速器。FFAG型のヘリウムを加速循環する円形加速器等。
2CLP:2つのHe・粒子・ビームが衝突する部分
図16
2MU、2MESON-GENERATOR、2PARTICLE-COLLIDER:ミュオン生成手段、中間子生成手段、粒子衝突手段。
MUON-CAPTURE-TRANSPORT-SOLENOID:パイオンやK中間子等の中間子よりミュオンを捕捉し輸送する手段。パイオンを磁場により捕捉し、パイオンを移動させ、パイオンがミュオンに変化しつつミュオンを輸送するソレノイド。
MUDECE:ミュオンを減速する手段。負ミュオン減速器。低速ミュオン生成部。MUDECEをMUON-CAPTURE-TRANSPORT-SOLENOID部分に備えさせてもよい。パルス電源と減速セルを組み合わせた負ミュオンの減速器は検討されており公知でありそれを用いてもよい。より低速に減速できる負ミュオン減速器を用いると好ましい。加速器・中間子生成部を用いて生成した負ミュオンのエネルギーは約300keV(=8MeV/c)以上で例えばそれを30keV以下に減速できると好ましい。レーザー航跡場とそれを用いた加速空洞・加速部を逆向き・減速する向きに配置可能ならば配置して負ミュオンの減速に用いてもよい。
1F-SYS:ミュオンを用いた核融合システム
1EXP-SYS:ミュオンを用いた実験システム、核変換システム(LLFP・MAの核変換システム)
FP:核融合部、ミュオン核融合部、核融合部炉心の一部。
NCTP:核変換部、ミュオン核変換部、核変換炉心の一部。
Muonic-Atom-Generator:原子核A(or、B)に負ミュオンを結合させミュオニック原子A(or、B)を生成する部分。
MA1:ミュオニック原子A(or、B)。(ターゲットに照射される原子A/B)
FUSIONED-T1-AB-X:原子X。原子核AとBがミュオンによる核融合・核変換して生成された原子X。
T1-AB :原子核AとBの結合した化合物・混合物からなるミュオンのターゲットT1部。
原子Aと原子BはZの異なるものでもいい。Zの同じものでもいい。例えば原子Aと原子Bが同一の炭素12であってもよい。T1-ABは原子核AとBの結合した化合物・混合物。T1-ABは原子Bに原子Aを衝突させ原子Aと原子Bの混合物・もしくはAとBを近傍に配置したものでもよい。
FUSIONED-T1-MA1B-X:原子X。ミュオニック原子Aと原子Bをミュオンによる核融合・核変換させて生じた原子X。原子Xから原子Yを放射性崩壊工程を経て生じさせても良い。
T1-B:原子核B(orA)のターゲット。T1-Bはミュオン・ミュオニック原子照射部は移動可能なT1・T1-B。(T1-Bは移動可能なT1のフィルム面や固体液体面でもよい。元素によっては気体やプラズマ・ビームでもよい)T1-Bは原子X除去工程で表面を除去可能でもよい。
図11の固体の可動なディスク型でもよいミュオン標的MU-DISK-TGTを砥石MU-DISK-GRINDING-DEVICEで研磨するように、ミュオン核変換で標的T1上で原子Aと原子Bから原子Xを製造したのちに原子Xを砥石や研磨・切削手段により除去・回収できてよい。)
T1-IN:原子供給工程・手段。原子AとBの供給部。
T1-OUT:原子除去工程・手段。原子Xの除去部。
図17
(A)地上側に配置されたT1から見て、天球・上空側をカバーするドーム状の減速器アレイで高速宇宙ミュオンを減速しT1へ照射し核変換試みる例。
SM1:上空から飛来する宇宙ミュオン(宇宙線ミュオン、宇宙線ミュオン粒子)。高速宇宙ミュオンSM1。地球大気(大気圏)に宇宙線が衝突し大気分子と宇宙船粒子の衝突により宇宙線パイオン・中間子が発生し、その中間子から宇宙線ミュオンが生じる。宇宙線パイオンは高度20km程度で生じえて、高度5km以下ではミュオンが降り注ぐ。(図17(A)のシステムを有する航空機の輸送機器3は宇宙ミュオンを受け取る高度にある。宇宙ミュオンを航空機3は核変換に利用できる。他に地上付近・海上の輸送機器3も宇宙ミュオンを受け取る事はできる。)
宇宙線:宇宙空間を高エネルギーで飛び交っている粒子。
MDC-LASER:ミュオン減速器がレーザー航跡場を用いる加速器を減速器に用いる場合に前記加速器のレーザー光源・レーザー生成部。光源は既存のレーザーデバイスを用いてよい。光源は放射光を用いてもよい。
MDC:減速器。
2MUDECE:減速器。ミュオンの減速器(加速器を減速用に用いてもよい)(レーザー航跡場を用いる加速器でもよい加速器2ACやA1を減速用に用いてもよい)
2MUDECE-ARRAY:2MUDECEのアレイ。2MUDECEに光子・レーザーを分配していてもよい。また2MUDECE駆動のための電気・電力・信号やレーザー等の回路を含んでもよい。
2MUCAP:MUON CAPTURE TRANSPORT Device、ミュオンを捕獲し移動させるデバイス。ソレノイドなど。
T1:ターゲット、FEED。一つの実施形態によれば、システム1F-SYS/1EXP-SYSは、既存公知の水素H・重水素D・三重水素Tやリチウム6等のミュオン触媒核融合用の核燃料原子・原料原子を(又は原料原子同士を)減速器2MUDECEにて減速したミュオンを結合させて用いる構成においてミュオン触媒核融合・核変換させようとしてもよい。また本願記載の水素・ホウ素・炭素・窒素等の核融合・核変換の原料原子・燃料原子を図13(B)や(A)等のシステム1F-SYS/1EXP-SYSで用いてもよい。
図17の宇宙ミュオンを減速する構成・システム・装置は輸送機器3に搭載されていてもよい。宇宙ミュオンを用いてミュオン核変換できる場合、大型の加速器を不要にできるので、輸送機器3に搭載する際も輸送機器3の大きさをミュオン生成用の大型加速器をなくすことができればコンパクトにできる利点がある。なお宇宙ミュオンのミュオン減速器をコンパクトにするためレーザー航跡場を用いる加速器でもよい加速器2ACやA1を減速用に用いてもよい。(電子・負電荷の粒子をレーザー航跡場でGeV級に加速する構成が公知であり、その応用として同負電荷の粒子である負ミュオンの減速用途を本願は想定する。)
また、輸送機器3にコンパクトにミュオン・中間子の生成部や高速なミュオンの減速部を搭載する目的で レーザー航跡場を用いる加速器でもよい加速器2ACやA1にて中間子生成用の装置2MUや2MESON-GENERATOR、2PARTICLE-COLLIDERを構成してもよい。
(B)直接原料原子・分子の標的T1にレーザーを照射しミュオンを減速させT1のミュオン核融合・ミュオン核変換を試みる例
2LASER-PLASMA:T1をプラズマ化させレーザー航跡場を形成する際のレーザーとT1により生成されたプラズマ部。
2LASER-EF:レーザーとT1による電場、T1内に形成したレーザー航跡場。
T1,FEED:核変換・核融合させたいターゲット原子、原料原子・燃料原子。
2LASER:レーザー源。
MDC-LASER:レーザー利用型の減速器に用いるレーザ(当該図ではレーザーは外部からのエネルギーによりレーザーを生成してもよいし、核融合・核変換によるアルファ線やガンマ線などのもつエネルギーを用いて光子・ガンマ線を生成しそれをレーザー生成に用いてよい。AECはアルファ線エネルギーの変換部で、当該図では電力ではなくアルファ線の制動放射による光子のエネルギーとして取り出す事可能)
【0080】
<ミュオンの速度>
宇宙線にミュオンが含まれており、そのエネルギーはGeV領域で宇宙ミュオンの速度は高速である。(光速度に近い)(地上・公知の加速器・ミュオン生成部にて生成するミュオンより宇宙ミュオンは高速であると思われる。ミュオン粒子が光速度cで運動するとして単純に計算すると、2.2マイクロ秒の時間におよそ660m進むとされる。宇宙ミュオンはエネルギーが高すぎて物質を通り抜けてしまう。)
本願で用いるミュオンは原料原子と結合させたいため、原料原子を高速で素通りさせてしまう構成よりは低速で結合させる構成とすることが好ましい。例えば本願で用いるミュオンは宇宙ミュオンよりは低速である必要があるかもしれない。ミュオンは炭素12等のミュオンを照射し結合させ核変換させたい原子に低速で・結合できる速度で照射・投入してよい。
地表では、1秒間に1m2の面積をおよそ170個程度の宇宙由来の高速なミュオン粒子が通過している。高速なミュオンは(想定であるが、)ミュオン触媒核融合でミュオンが触媒となってホウ素や炭素や窒素等の本願の核変換対象の原子核を核変換・核融合させたくとも宇宙ミュオンは高速で通り抜けてしまうので、自然な・高速な宇宙ミュオンでは本願にて意図するミュオン触媒核融合・ミュオン触媒核変換が起きにくいかもしれない。そこで本願ではミュオン触媒核変換・ミュオン触媒核融合を起こせるほどに低速な(公知の中間子生成可能な地上の装置で生成可能な中間子・パイオン等から得た)減速されてもよいミュオンを用いてよい。
<宇宙ミュオン減速器によるミュオン核変換システム>本願ではミュオンを中間子生成装置から得るが、その後ミュオンを減速する装置部MUDECE(2MUDECE、2MUDECE-ARRAY)を用いて減速してミュオン触媒核変換・核融合を行わせたい原子に投入してよい。)そして宇宙ミュオンをもし減速可能であれば、本願発明のミュオン触媒核変換・核融合システムに用いてもよい。
〇負ミュオンをパルス電源と減速セルを組み合わせたミュオン減速器は検討されており公知である。飛行船のような巨大な(ミュオン減速のための物理的な距離の取りやすい)航空機・飛行船を空中に浮かべて、その航空機内に規模の大きなミュオン減速機を構成・搭載してミュオンを減速させ、ミュオンをソレノイドなどで捕獲・輸送してミュオン触媒核変換のターゲット部に照射し、前記核変換を促してもよく、その核変換により生じたエネルギーで航空機を推進させ、航空機のエネルギー・電力を発電部(アルファ線のエネルギーを熱に変換し水を沸かして蒸気タービンを動かす形式の発電部1PPやアルファ線のエネルギーを電力・エネルギーに変換する部分AEC)を用いて生成供給してもよい。
<ミュオン減速用のレーザー航跡場とそれを用いた加速空洞・加速部の要件>
〇レーザー航跡場とそれを用いた加速空洞・加速部により電子(負ミュオン)を加速可能だが、その加速部を(可能ならば進行する負ミュオンを減速する向きに配置し)負ミュオンの減速部(MUDECE(2MUDECE、2MUDECE-ARRAY)に用いてもよい。レーザー航跡場を用いた加速器はヘリウムのレーザー標的等をプラズマ化しレーザー照射による電場を生成するプラズマデバイス部を有する。当該レーザー航跡場加速器の電場強度は既存の磁石や高周波による電場・磁場を生成する加速器よりも高くなり、既存の高周波や電磁石を粒子加速に用いた加速器よりも加速器を小型にできうると期待されている。
図17の(A)のように、2MUDECEを小型化にすることで地上から見て空中の全方向・天球をカバーする宇宙ミュオン減速器アレイ2MUDECE-ARRAYを構成できるかもしれない。そして2MUDECE-ARRAYを含む核変換システム1EXP-SYSやそれを含む発電部1GENRを含む輸送機器3を構成してもよい。ターゲット部T1をドーム状に覆うようなミュオン減速器アレイを構成することでランダムに空中から地上側に向けて様々な角度で2MUDECE-ARRAYやT1に向かって飛翔・飛来(例:図17の(A)の2つの宇宙ミュオン)する宇宙ミュオンを予め設置された前記減速器アレイにより減速し、減速したミュオンを回収しターゲット部T1に投入・照射することが本願発明では可能になりうる。)
〇ミュオンは重元素・Zの大きい原子に弱い相互作用でトラップされ核と反応・崩壊しうるので、レーザー航跡場とそれを用いた加速空洞・加速器部のプラズマの原子元素はZが低いものが好ましく考えられ、例えばヘリウムを用いてもよい。(レーザー航跡場を用いた加速器のプラズマに鉄等の重元素を用いると鉄はZが大きくミュオンがトラップされる弱い相互作用で鉄などの重元素のZを減らす反応に負ミュオンが消費されて減速できない・目的とする核変換の用途に使えない恐れがあるかもしれない。そのため本願の一つの形態ではヘリウムなどのミュオンと弱い相互作用しにくい原子のプラズマを用いるレーザー航跡場とそれを用いた加速空洞・加速部、あるいはミュオン減速部2MUDECE-を用いてよい。)
<Zの低い原料原子(例:Z=B,C,N,O,F,Ne...)へのレーザー照射によるレーザー航跡場の生成と、レーザー航跡場を生成したその場での高速宇宙ミュオン又は加速器原子衝突由来の高速ミュオンの低速化と、当該低速化されたミュオンを用いたミュオン核変換反応の促進の視点>レーザー航跡場のレーザーデバイスに用いるレーザーを照射するレーザー標的の気体のリソース(プラズマのリソース、プラズマの原子)に前記ヘリウムのレーザー標的の代わりに、本願で主張するホウ素や炭素や窒素等のミュオン核変換を起こす原子であってZが小さい・弱い相互作用を起こしにくいと期待されるZの原子を含む物質(例:Z=B,C,N,O,F,Ne...さらにはH,He,Li,Be。例えばボラン、アザン、メタン、炭素12)を用いてよい。さらにレーザーデバイス内で原子(例:Z=B,C,N,O,F,Ne...)のプラズマを生んでプラズマ波そして高強度電場のレーザー航跡場が生まれ、当該レーザー航跡場が宇宙から大気・地上側へと飛来する高速の宇宙ミュオンを減速できれば、前記レーザー航跡場を生じるプラズマの原子(例:Z=B,C,N,O,F,Ne...)に減速されたミュオンを結合させミュオン核融合・ミュオン核変換を起こせるかもしれないので当該の特徴を有する構成を本願のミュオン核変換システムに用いてよい。
図9ではレーザーをレーザー標的及び核融合・核変換の原料原子を含むターゲットT1(T1は本願で主張するホウ素や炭素や窒素等のミュオン核変換を起こす原子であってZが小さい・弱い相互作用を起こしにくいと期待されるZの原子を含む物質、例えばZ=B,C,N,O,F,Ne...さらにはH,He,Li,Be。例えばボラン・ジボラン、アザン、メタン、炭素12)に照射してよい構成であり、図9のように、T1にレーザー航跡場を起こせるレーザーをレーザー源・レーザー生成装置(2LASER)から照射してT1にてT1に飛来する宇宙ミュオンを(レーザーと原子・プラズマによる電場で)減速して低速ミュオンとして、当該低速ミュオンを当該T1部の原料原子に結合させT1の原料原子を核融合・核変換するように促してもよい。
図17の(B)のように、ターゲットT1にレーザー源2LASER・MDC-LASERからレーザーを照射して、T1にプラズマ(2LASER-PLASMA)を生成し、高強度の電場2LASER-EF、レーザー航跡場2LASER-EFを生成・形成し、前記電場2LASER-EFにより、T1に入射し2LASER-EFに入射した高速ミュオン又は高速宇宙ミュオンSM1を減速し、(T1の2LASER-EF内部又は近傍にて)低速ミュオン・減速ミュオンとし、前記減速ミュオンをT1に含まれるミュオンを結合させたい原料原子に結合させ、ミュオンが結合したことによりT1の原料原子はミュオン核変換反応やミュオン核融合を引き起こしうるので、本願発明では当該の構成を用いてよい。
ターゲット原子T1にレーザーを照射し高速ミュオン・高速宇宙ミュオンSM1やミュオンM1を減速させる電場を形成し、高速ミュオンを減速させ低速ミュオンに変えて、低速ミュオンをターゲット原子T1の核変換・核融合に用いてよい。
<請求の範囲の例>
<請求項MUDEC1>
ミュオンを減速する工程を備え、ミュオンを核変換させるターゲット原子・原料原子に結合可能とする特徴を有する、ターゲット原子・原料原子の核変換システム。
<請求項MUDEC2>
ターゲット原子・原料原子にレーザーを照射し電場又はレーザー航跡場を生成する特徴を有するターゲット原子・原料原子の核融合又は核変換を行う請求項MUDEC1に記載の核変換システム。
<請求項MUDEC3>
ミュオンを前記電場又はレーザー航跡場にて減速可能な請求項MUDEC2に記載の核変換システム。
<請求項MUDEC4>
核変換させたいターゲット原子・原料原子にレーザーを照射し電場又はレーザー航跡場を生成し、宇宙ミュオン・宇宙線ミュオン若しくは宇宙側から地上側に飛来する宇宙線により生じたミュオンを減速させ、前記減速されたミュオンを核変換させたいターゲット原子・原料原子に結合可能な特徴を有する、請求項MUDEC2に記載の核変換システム。
<請求項DLAL1>
ミュオンを減速する工程又は減速手段を備え、ミュオンを核変換させるターゲット原子・原料原子に結合可能とする特徴を有する、ターゲット原子・原料原子の核変換システム。
<請求項DLAL2>
ミュオンを電場又はレーザー航跡場又は加速器にて減速可能な請求項DLAL1に記載の核変換システム。
<請求項DLAL3>
ターゲット原子・原料原子にレーザーを照射し電場又はレーザー航跡場を生成する特徴を有するターゲット原子・原料原子の核融合又は核変換を行う請求項DLAL1に記載の核変換システム。
<請求項DLAL4>
核変換させたいターゲット原子・原料原子にレーザーを照射し電場又はレーザー航跡場を生成し、宇宙ミュオン若しくは宇宙側から地上側に飛来する宇宙線に由来するミュオンを減速させ、前記減速されたミュオンを核変換させたいターゲット原子・原料原子に結合可能な特徴を有する、請求項DLAL1 に記載の核変換システム。
<請求項DLAL5>
ミュオンを用いた核変換システムであって、核変換するときに核変換の原料となる原子Aの原子番号Zまたは(1S軌道の)有効核電荷は、前記原子の核変換後に生成される原子Xの原子番号Zまたは(1S軌道の)有効核電荷よりも大きい特徴を有する請求項DLAL1(又は請求項DLAL2)に記載の核変換システム。
<請求項DLAL6>
炭素・炭素12を含むターゲット原子にミュオンを投入・照射する特徴を有する請求項DLAL2に記載の核変換システム。
<請求項DLAL7>
窒素・窒素15を含むターゲット原子にミュオンを投入・照射する特徴を有する請求項DLAL2に記載の核変換システム。
<請求項DLAL8>ホウ素を含むターゲット原子にミュオンを投入・照射する特徴を有する請求項DLAL2に記載の核変換システム。
<請求項DLAL9>請求項DLAL5に記載の核変換システムにて生じるエネルギーを用いた発電システム。
<請求項DLAL10>第1の加速器(2MU-ACC-RING)にて水素又はヘリウムを加速循環させており、第2の加速器(2HE-ACC-RING)にて水素又はヘリウムを加速循環させており、第1の加速器と第2の加速器の粒子軌道の交差点2CLPにて水素又はヘリウムを衝突させ中間子生成させる特徴を有する粒子生成システムを用いミュオンを生成し前記核変換に用いる請求項DLAL1に記載の核変換システム。
<請求項DLAL11>核分裂生成物を核変換する特徴を有する請求項請求項DLAL1(又は請求項DLAL2)に記載の核変換システム。
<請求項DLAL12>核分裂生成物を核変換する請求項1・請求項DLAL10に記載の核変換システムであって、核分裂生成物を有する建物の区画に向けてミュオンのビームを照射する特徴を有する核変換システム。
【0081】
<<ミュオンを用いた核種・原子核の変換装置>>
<課題>
或る原子Xの資源量が限られている場合に人工的に原子X(例えばガリウム等の産業で用いる原子や11族原子)を製造したいかもしれない。原子Xの製造には核融合が用いられうるが核融合のうち磁気閉じ込め式などでは高温のプラズマに原子を閉じ込めて熱により核融合させる必要があり、よりZが大きく重い原子核同士を核融合するにはより過酷な高温にする事が必要かもしれない。
<解決手段>
他方、ミュオン核融合ではZの大きな原子核であってもミュオンが原子核に結合し衝突や近接する事による核融合を起こしやすくなる可能性がある。そこで本願ではミュオン生成装置やミュオンの減速手段や原子A・Bや原子Aと原子Bが結合した化合物とミュオンを結合させてミュオン核融合させ原子Xを製造することを考案する。
<発明を実施するための形態><実施例>
<望みの原子核を作る例として周期表の11族原子やガリウム原子核を生成しようとする例>実証はされていないが、例えば、図16の(B)のように、原子Aと原子Bを核融合反応させ別の原子核Xを生成させることや、原子核Xが変化・崩壊することで別の原子核Yを生成することが可能かもしれない。
(前記のように陽子やヘリウムを中間子生成のターゲットに用いるなどして、ミュオンの生成時にターゲットが放射化されにくい等が可能になると、ミュオン標的のターゲットが核の廃棄物になりづらくなり、ミュオン生成を行う環境負荷・コストを低減でき、その結果ミュオン核融合のほかに、放射性廃棄物へミュオン照射を行い放射性でない原子への変換を行う実験や、既存の元素同士とミュオンを組み合わせての核融合・核分裂・核破砕等を行わせて原子核の変換も可能になるかもしれない。
*、ミュオン生成装置・加速器の駆動には電力エネルギーが必要であり、例えばその電力は再生可能エネルギー(太陽光発電所)や核融合発電所の電力を用いる想定である。以下の例はアイデアであって、実証はされていない。
<金Au>●例えば、炭素12や炭素13にタングステン184を結合させた炭化タングステン(具体的にはフィルム状の、ミュオン照射される部分がフィルム・シートを送り出すように移動できて可動である炭化タングステンターゲット)にミュオンを照射し、タングステンと炭素のミュオン核融合・核変換が起きるかどうか実験し、その後、核融合・核変換で生じうる水銀(水銀196・水銀197)原子や金原子を生成することを試みてよい。*なお炭化タングステンのほかに窒素15とタンタル181を用いた窒化タンタルを用いてもよい。
*その後水銀196に中性子を照射させ水銀197としたのち、水銀197の電子捕獲のステップを経て金197を合成することを試みてもよい。*もしくはタングステン184と炭素13からなる炭化タングステン(他に窒素15とタンタル181からなる窒化タンタル等)をターゲット部T1-AB とし、そこへミュオンを照射し水銀197の生成を試みてその後水銀197が電子捕獲ECにより金197に変化するかを試す系(実験系)を実施してもよい。
(以下の式の反応。12C6:炭素12、13C6:炭素13、196Hg80:水銀196、197Hg80:水銀197、184W74:タングステン184、15N7:窒素15、181Ta73:タンタル181、n:中性子、197Au79:金197、EC:電子捕獲反応の工程。ECは原子核内の陽子が軌道電子を吸収して中性子となり、同時に電子・ミューニュートリノを放出する反応・現象)
12C6+184W74->196Hg80
13C6+184W74->197Hg80
15N7+181Ta73->196Hg80
196Hg80+n->197Hg80
197Hg80->EC->197Au79+電子・ミューニュートリノ
●また炭素原子や窒素原子(原子A)にミュオンを結合させミュオニック炭素原子として当該原子Aを加速させタングステン原子に衝突させ核融合を促してもよい。(もしくはタングステンにミュオンを照射してミュオニックタングステン原子とし、そこに炭素原子を加速衝突させてもいい。ミュオンに炭素12に照射して炭素が崩壊する場合は、タングステン側に照射してよい。炭素とタングステンの代わりに窒素とタンタルを用いてもよい。)
(12C6+負ミュオン)+184W74->196Hg80
12C6+(184W74+負ミュオン)->196Hg80
13C6+(184W74+負ミュオン)->197Hg80
196Hg80+n->197Hg80
197Hg80->EC->197Au+電子・ミューニュートリノ
●粒子衝突後に原子核Xを生じ、その後原子BやAが原子核Xに衝突して望みではない原子Dを生じないようにするために、衝突部は可動式・フロー式の原材料供給部・製品原子の回収部となるよう、ターゲット原子のフィルム材・液体などにミュオンを含む粒子を衝突させる図16の(B)のような構成でもよい。ターゲット表面に生成された原子Xを除去する(砥石・レーザー照射による表面の加熱・弾き飛ばし・除去工程等)工程を用いて原子Xを回収できてもよい。
<銀Agの生成>Auの場合と同様に、原子AとBに、炭素12(12C6)とモリブデン95(95Mo42)をミュオンを用いて核融合させカドミウム107を生成し、その後カドミウム107を半減期6.5時間を目安に保持して電子捕捉させるか、又はミュオンと陽子の反応によりZを1つ減らしてカドミウムから銀107(107Ag47)にする事が考えられる。
同様に銀109を炭素12とモリブデン97をミュオンを用いて核融合させカドミウム109を生成し、その後カドミウム109を半減期を目安に保持して電子捕捉させるか、又はミュオンと陽子の反応によりZを1つ減らしてカドミウムから銀109にする事が考えられる。(炭素12を用いる時、金の場合タングステンと水銀であったが銀の場合元素周期表の周期・族が一つ下のモリブデンとカドミウムを用いる。ニオブ93(93Nb41)と窒素14(14N7)を用いてカドミウム107(107Cd48)生成を試みてもよい。)
<銅Cuの生成>Auの場合と同様に、原子AとBに、炭素12とクロム53をミュオンを用いて核融合させ亜鉛65を生成し、その後亜鉛65を半減期243日を目安に保持して陽電子を放出する正のベータ崩壊をさせるか、又はミュオンと陽子の反応によりZを1つ減らして亜鉛から銅63にする事が考えられる。*他の例としてホウ素10とマンガン55をミュオンを用いて核融合させ亜鉛65を生成し、その後亜鉛65を半減期を目安に保持して正のベータ崩壊させるか、又はミュオンと陽子の反応によりZを1つ減らして亜鉛から銅にする事が考えられる。
<ガリウムGa>原子AとBに、炭素13と鉄58を用いてミュオン核融合させゲルマニウム71を生成させ、その後ゲルマニウム71を(半減期270.8日の)電子捕獲ECプロセスによりガリウム71に変換することを試みてよい。(ガリウム71はニュートリノ検出にも用いられた原子)
原子AとBに、窒素14とマンガン55を用いてミュオン核融合させゲルマニウム69を生成させ、その後ゲルマニウム69を(半減期39.05時間の正のベータ崩壊プロセスによりガリウム71に変換することを試みてよい。
<白金Ptの生成>原子AとBに、ホウ素11とタングステン184を用いてミュオン核融合させ金195を生成し、その後金195を半減期186.01日を目安に保持して電子捕捉させるか、又はミュオンと陽子の反応によりZを1つ減らして金195を白金195(195Pt78)にする事が考えられる。(なお白金195(195Pt78)に水素2・重水素(2H1)をミュオン核融合させ金197(197Au79)となるかもしれない)
<放射性元素の変換例>
本願システムの一つの実施形態では、核分裂型原子炉等の駆動により生じた高レベルの廃棄物廃棄物・原子をより低レベルの放射性原子に変換する用途に利用してもよい。本願システムを用いて、79Se、93Zrなど、数千年以上の長寿命を持つ核分裂生成物(Long-Lived-Fission-Product:LLFP)、Am、Cm、Npというマイナーアクチノイド(Minor-Actinide:MA)にミュオンを照射してよい。
〇高エネルギー廃棄物による立ち入り困難区画・廃炉処理中の原子炉内・原子炉・核燃料デブリを含む原子炉へミュオン照射を行い廃棄物内の原子核を核変換してよい。本願・本考案はアイデアであり実際に実施できるか否かは不明であるが、ミュオン生成部を用いてミュオンを生じさせ、前記ミュオンを事故などで放射性廃棄物が堆積し立ち入りのできない原子炉や燃料デブリを含む建物区画(・原子炉内の核燃料デブリ部・建屋)に向けて(前記区画より遠隔地でもよい中間子生成発射場より)照射して、燃料デブリのLLFP等を核変換することを試みてもよい。*廃炉・LLFP類の放射性レベルを核の変換により下げたいときにミュオンを用いたいが、ミュオン生成によりミュオン標的部が放射化される問題があるかもしれない。そこでヘリウム(ほかに水素、リチウム7)を標的とすることで本願装置のミュオン標的部は放射化されずらくなり、ミュオンを用いたLLFP・MA等の変換やミュオン核融合を行う際のミュオン標的の放射化問題を解決できるかもしれない。本願はミュオン標的の放射化問題解決のために、粒子の衝突時に水素・ヘリウムを標的にする方式を提案する。またリチウム7を標的にする方式を提案する。
【0082】
<<優先権を主張した出願による追記部分>>先の出願、特願2023-150635、特願2023-151787、特願2023-174791、特願2023-196029、特願2023-196327、特願2024-058388に対し次の項目を追加した。(本願は考案であって実証が必要である)
<課題><発明が解決しようとする課題>
ミュオンを減速する装置を検討する。天然の宇宙線由来の宇宙ミュオンを減速する構成を大面積に減速したい。加速器により加速された粒子を衝突させる等の人工的な装置手段で得た中間子から得たミュオンを減速したい。
<解決手段><課題を解決するための手段>
本願明細書及び及び図18から図20に解決手段に関する考案を記載する。また宇宙線や宇宙ミュオンを減速して核変換に用い、前記核変換によるエネルギーを推進や発電のエネルギー源に用いる輸送機器3・構造物3を図21記載する。
【0083】
<発明を実施するための形態、図面の説明>
<実施の想定例1>
<イオン化冷却>イオン化冷却を用いて負ミュオンを減速してよい。イオン化冷却は、適切に準備されたミュオンビームが適切な材料(吸収体)を通過し、イオン化によって運動量を失う・減速することに基づく。原子番号Zが低い原子である水素やリチウムを用いた吸収体の利用が好ましい。液体水素と水素化リチウムの両方の吸収体による冷却が次の文献1によれば公知である。(文献1:国際ミュオンイオン化冷却実験MICE collaboration、Nature volume 578, pages53-59 (2020))
ソレノイド冷却・減速チャネルの一部を構築して運用し、液体水素と水素化リチウム吸収体の両方を使用したミューオンのイオン化冷却・減速を行う。
*吸収体に原子番号Zが低い原子であって本願でミュオンを結合させて核変換を促す窒素15と水素を含むアザンやホウ素と水素を含むボラン等(炭素12等)のミュオン核融合・核変換させたいターゲット部T1を用いてもよいかもしれない。
*ミュオンを水素イオンと結合させミュオニック原子にして減速させて良い。ミュオンを水素よりも重いホウ素や窒素等の原子に結合させてミュオニックホウ素原子・ミュオニック窒素原子MP1・MA1等とし(MP1・MA1を減速させ)、その後水素を含む燃料物質ターゲット部T1に投入してもよい。(図16のBの構成で原子Aのミュオニック原子MA1を形成し・何らかの電場(磁場)による手段によりMA1を減速してよく、その後MA1を核融合・核変換用の原子Bを含んでもよいターゲット部T1-Bに照射・投入・衝突させミュオン核融合・核変換させてよい。
<摩擦冷却>*負のミュオンの照射を受けるターゲット部T1にカーボン膜を配置し、そのカーボン膜をミュオンが速度を持って通り抜ける際に摩擦により減速(摩擦減速・摩擦冷却)されてもよい。摩擦冷却用(摩擦減速用)の、炭素12を含むカーボン膜(又は、炭素12からなる摩擦冷却用のカーボン膜)で減衰させて良いし、そのカーボン膜内で減速されたミュオンが炭素12と結合してよく、その後炭素12がミュオン核変換されてもよい。
*カーボン膜のほかに水素化ホウ素等の低ZでT1・FEEDとなりうる固体・液体部も検討されうる。Zの低い水素等元素を含み イオン化冷却効果も併用されうる。
<減速空洞を用いた減速器>
粒子加速器・線形加速器をミュオン減速に用いてよい。次の参考文献に記載のパルス電源と減速セルを用いる構成は公知であり本願でミュオン減速部に利用してもよい。(参考文献:物性研究のための負ミュオン減速器、大森千広、下村浩一郎,大谷将司,河村成肇,高柳智弘Proceedings of the 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan July 31 - August 3,2019, Kyoto,Japan、PASJ2019 FRPI008)
<パルスレーザーを用いるミュオン減速器>
パルスレーザーを用いたレーザー航跡場を用いるミュオン減速器2MUDECEと核変換システム1EXP-SYSを図18に示す。
図18は慣性閉じ込め方式のレーザー照射による慣性とじ込め式核融合炉の構成と類似している。
ただし、図18では宇宙から降り注ぐミュオンや加速器・パイオン生成部由来のミュオンを受け減速させるために、慣性閉じ込め方式の全方位(対照的な方位)からのレーザー照射ではなく、高速なミュオンを受け止める方向となるようターゲット部にレーザー照射する構成でもよい。
例えば図18(A)は宇宙・空中・上空から地上側へ高速宇宙ミュオンが入射する際に、レーザー航跡場で負ミュオン減速するために、地上部に配置した半球ドーム型のレーザー照射部よりパルスレーザーを中央ターゲット部T1に照射しミュオンを減速するように、((B)の飛来するミュオンと向かい合うように)レーザー照射し・レーザー航跡場形成・ミュオン減速を試みる構成である。
また図18の例は宇宙ミュオンの使用に限定しているわけではない。図18では加速器・加速粒子衝突の工程を用いて生成された人工的なミュオンM1を減速してターゲットT1に投入してもよい。人工的なミュオンをターゲット部に照射できるようにしつつ、前記ミュオンが減速できるようにターゲット部にレーザーを照射してよい。)
*本願の一つの形態ではレーザー航跡場若しくは電場を形成可能なパルスレーザーをターゲット部T1に照射可能な構成を実施できれば良い。前記T1は核融合・核変換可能なターゲットでもよい。一つの形態によれば原子番号Zの小さい原子、例えば炭素・窒素・ホウ素・水素をT1に用いた核融合・核変換システムでもよい。
*例えば水素原子(H、D、T)同士のミュオン触媒核融合反応では、ヘリウムが生じてミュオンがヘリウムにトラップされ触媒核融合反応が停止するものの、自然界の宇宙線・宇宙ミュオンを手に入れて利用するエネルギーに対して水素同士の核融合にて生じるエネルギーが上回る・収支がペイする場合にはエネルギー源としての利用ができうるかもしれないので、図18等の宇宙ミュオンを減速する部分を有するシステム1EXP-SYSやそれを含む構造物3・輸送機器3において水素原子同士の核融合を試みる事も本願では実施してもよい。
(*電場にて減速する構成を述べているが、磁場により高速ミュオンの軌道を変えることができるならば変えてもいい。減速用の電場と減速・軌道変更用の磁場を組み合わせてターゲット部T1にミュオンを投入してよい。)
図18(A):宇宙・空中・上空側から地上側へ高速宇宙ミュオンが入射する際に、地上部に配置した半球ドーム型のレーザー照射部よりパルスレーザーを宇宙・空中・上空側の中央ターゲット部T1に照射し、ターゲット部をプラズマ化させ、宇宙・空中・上空側に向いているレーザー航跡場・電場を生成しミュオンの減速に用いる減速器2MUDECEの説明図。またミュオン生成装置M1にて生成された高速なミュオンM1FがT1に入射しT1にてレーザー航跡場・電場を形成しM1Fを減速しM1LとしたのちT1の原子と結合させてもよい。
図18(B):当該図18(A)のターゲット部T1へのレーザー照射部MDCLからのパルスレーザー入射の説明図と、ミュオンの入射・減速の図及びプラズマ2LASER-PLASMA及びレーザー航跡場LWF・電場2LASER-EF形成の説明図。
図18(C):当該図18(A)の減速器2MUDECEを連続して横方向に配置し減速器のアレイとして構成した場合の説明図。*宇宙ミュオンは60cm2あたり1秒に1個空中・地上に到達し、例えば1km×1kmの面積には毎秒1.6×10の8乗個のミュオンが到達しうる。そこで当該面積をカバーするように減速器2MUDECEを配置した構成を想定した。*当該アレイは地上・海上や空中・宇宙の輸送機器3に備えさせてもよい。水深の浅い箇所ではミュオンが到達しうるから潜水艦や水中の3に搭載できてもよい。
*本願の一つの実施形態では、システムはパルスレーザーを照射可能なシステムであって宇宙ミュオン・高速なミュオンが照射されるシステムであればよい。
<電場を生成する素子を用いたミュオン減速器>
電場を用いる例としてZの小さい原子から構成された電場生成可能な素子(電気二重層生成部を含んでよい)を図20に示す。図20のデバイスは、電場をパルス的に生成できるよう電源部にて電極2ER間にパルス電圧・電位差を印加できてもよい。本願の1つの実施形態として図19(A)の構成は図20のデバイスを用いて行ってもよい。
図20に電場形成した素子の例を示す。図20に記載のシステムにおいて、電極や絶縁体層等にミュオンが入射する場合、入射する箇所にはミュオンをトラップしにくい・弱い相互作用しにくい、原子番号Zの小さい原子からなる減速器・減速用の素子を用いてよい。
A:一つの形態として、絶縁性の高いダイヤモンド等絶縁体2LZIとカーボン電極2ER(又は金属リチウム、又は金属リチウムの網目状・グリッド状の電極・金属リチウム集電体と炭素電極を組み合わせたもの)を交互に積層し電圧を印加して構成された減速素子2FDELE。又はパルス電源とシート型の減速セル素子を用いた構成。(例1:電極に炭素電極やリチウム金属電極を用い、絶縁体部に絶縁体圧の高いダイヤモンドを(数百ナノメートル、数マイクロメートルの厚みで堆積し)用いてよい。そして前記の絶縁体をはさんだ前記電極からなるキャパシタ部を直列に接続した素子2FDELE-LAM(直列接続したキャパシタ部、直列接続の積層キャパシタ)を構成してもよい。前記素子2FDELE-LAMの上下電極にパルス電圧を印加してもよい。又は素子2FDELE-LAMの各素子2FDELEの電極に個別に電圧を印加してもよい。例2:絶縁体2LZIはガスないしは液体であって、前記Zの低い炭素・水素等の原子からなる絶縁性のある溶媒・流体(当該液体の例として、例えば炭素と水素から成る絶縁耐圧がヘリウムや空気より高いベンゼンが例として挙げられる)。例3:絶縁体はポリエチレン等の前記Zの低い原子からなる高分子。)(例:絶縁体は真空。*ダイヤモンドより絶縁体圧が低く、素子が大きくなる虞有)
前記2FDELE、前記素子2FDELE-LAMは減速部でもよいし、ミュオン減速部であって減速したミュオンM1・M1Lを結合させるターゲット部を兼ねてもよい。ミュオンを減速させつつミュオンが結合しうるために核変換させたいターゲットT1・FEEDとなる原子やその化合物分子を前記2FDELE、前記素子2FDELE-LAMに含ませて良く、例えば絶縁体の層は炭素12や水素や窒素15等の本願主張の核融合・核変換を起こしうる原子を含んでいてよい。
(また以下Bではアザン等の溶媒、アザンなどの溶媒に電解質を含ませた溶媒を絶縁部兼減速器兼ターゲットT1・FEEDとするために、電気二重層と電気二重層電場を用いるキャパシタ素子を用い前記素子の電気二重層部や電解液・電極を構成する原子分子はT1・FEEDとなってもよい構成である)
B:一つの形態として、図20の(B1)に記載の電気二重層キャパシタのような電気二重層を用いるキャパシタ素子2FDELE-EDLを用いてよい。(イオン化冷却の箇所では吸収体にミュオンを吸収通過させているが、該項目Bでは電気二重層を形成するイオン部・電場部にミュオンを吸収又は通過させミュオンを減速させようとしている。該項目Bでは吸収体を電気二重層を形成するデバイスまたは電気二重層まわりのイオンや原子分子としている。)
例えば活性炭等の多孔質な炭素微粒子を分散させたペーストを塗布し製膜して得た多孔質膜2ER-MPIを電極2ER上に形成し、当該多孔質膜2ER-MPIに電解液2ELYTを含ませて図20の(B2)のような電気二重層キャパシタ型の素子2FDELE-EDLを構成してよい。当該素子2FDELE-EDLの2つの電極2ER間に電位差をかけて多孔質膜2ER-MPIに電気二重層2EDLを形成される。電気二重層の部分は絶縁体でありキャパシタの誘電体層に相当する。電気二重層2EDLの部分は電場が形成されうるためミュオン減速の電場に用いることを試みてよい。
<電解質>2EDLには電解液2ELYTに含まれる電解質のイオンが配列しており、(2EDLの該電場にてミュオンが減速できると仮定した場合には、)前記イオンの原子と該電場で減速されたミュオンが結合し前記イオンの原子が核変換・核融合しうるので、電解質のイオンは本願記載のミュオン核融合・ミュオン核変換を行うと想定する原子分子から構成されていてよい。例えば電解質に窒素15と水素を含むイオンを用いてよいし、ホウ素と水素を含むイオンを用いてよい。
窒素15と水素を含むアンモニアや窒素15と水素と炭素12を含むアンモニウムカチオンとフッ素アニオンを含む塩を電解質にも用いてもよい。
(フッ素とホウ素からなるテトラフルオロボーレートBF4アニオンを用いた場合に、前記アニオンのホウ素とフッ素を核融合させフッ素よりZの大きい原子ができた場合には当該Zの大きい原子によりミュオンがトラップされかねないので、アニオンについてZの大きくならない原料原子・分子を用いてよい。またカチオンについてもZの大きくならない原料原子・分子を用いてよい。他方、BF4アニオンを用いてもミュオンが負イオンのBF4アニオンにトラップされにくい場合も想定され、その場合はBF4アニオンはZの小さいBとFからなるアニオンでありミュオンをトラップしにくい可能性もあり、電解質のアニオンに利用できるかもしれないので本願では利用できてもよい。電解質にZの低いアニオンとカチオンからなる塩、例:テトラエチルアンモニウムとテトラフルオロボーレートBF4等を用いてよい。)*電解液2ELYTはイオン液体に用いられるカチオン・イオンを含んでもよい。
*2ELYTの電解質に単純な塩としてフッ化リチウムLiFを用いてもよい。水素化リチウムLiHを溶かせる溶媒には水素化リチウムを溶かして電解質に用いてよい。
*核融合・核変換前後で原料原子よりも生成する原子の原子番号Zが低下する系(水素同士の核融合によりヘリウムが生じるZが増加する系の逆、窒素15と水素やホウ素と水素が核融合してヘリウムを生成する系、炭素12がヘリウムへ核変換する系)について考慮すると、素子2FDELE-EDLは多孔質電極2ER-MPIに炭素12を用い、電解液2ELYT側に水素と窒素15を含むアザンの溶媒にLiFを溶解させた系が想定される。(リチウムとフッ素はイオンの形でアザン溶媒中を分散しており、フッ素はアザン中の水素と核融合してアルファ線となりうる。)電解液に水素化リチウムを溶かせるジエチルエーテル等の場合、リチウムカチオンとヒドリドアニオンの状態で溶媒内にイオンとして存在できうる。水素化リチウムをアンモニアに反応させるとリチウムアミドを生成する。
*リチウムアミドLiNH2は液体アンモニアに可溶であり、LiNH2はリチウムカチオンLi+とアミノアニオンNH2-からなる。液体のアンモニア(・液体のアザン)にリチウムアミドLiNH2を溶解させたものを絶縁体・電解液2ELYTに用いてもよい。
炭素電極とアザン溶媒を用いる素子系(2FDELE-EDL)について、アザン溶媒の電解質にLiFを用いるとき、(金属リチウムや炭素の集電体を用いる場合であって)炭素電極の炭素やアザン溶媒側の水素と窒素の原子よりも電解質LiFのフッ素原子はZや有効核電荷が大きいのでミュオンがトラップされる虞がある(素子系の最も大きいZの原子はフッ素となり、フッ素が水素と核融合しヘリウムに変換されない場合にはミュオンがフッ素にとどまり核変換反応が停止する虞がある)。他方、本願の一つの形態として、電解質にLiFの代わりにLiNH2を用いた場合、素子系内には窒素よりもZの大きい原子を用いないのでミュオンがトラップされにくい・核変換が継続して起きることを期待する。(当該LiNH2のアニオン部NH2のNにミュオンが結合してもNとHの間で核融合させることを期待できる。)
<電極>2EDLは多孔質膜2ER-MPIと電解液2ELYTに接しており、2EDLにてミュオンを減速したのち炭素12で構成された多孔質膜2ER-MPIにミュオンが到達すれば炭素12をミュオン核変換できるかもしれないので本願で多孔質膜2ER-MPIは炭素12からなる炭素電極を用いてよい。
電極2ERは集電体として作動させる目的で金属リチウムのグリッド電極や導電性の高い炭素材料(例:カーボンナノチューブ)を含んでよい。(2ERには弱い相互作用によりミュオンをトラップしやすいZの大きい鉄・銅・銀・金などは利用しにくい虞がある。本願の実施形態の一つではZの低い集電体として金属リチウム・炭素材料を用いている。ただし、電極を細線かつグリッド状に備えさせ素子に飛来・入射する宇宙ミュオンSM1・高速でもよいミュオンM1・M1Fと確率的に接触・トラップしにくい構造であれば2ERの集電体に銅・銀等を用いることも可能かもしれないので本願の別の実施形態では集電体・グリッド電極部は金属リチウム・炭素材料に限定しているわけではない。)
<電解液>2EDLは電解液2ELYTに接しており、2EDLにてミュオンを減速したのち電解液や2EDL近傍の分子原子の原子に減速したミュオンM1Lが到達し結合できれば、当該原子や原子同士をミュオン核変換・核融合できるかもしれない。そこで例えば電解液2ELYTは窒素15や水素を含むアザン・ヒドラジンを含んでいてもよい。また電解液2ELYTは窒素15と水素や炭素12からなる有機溶媒を用いてもよい。
*水素原子と酸素原子のミュオン核融合が起きうる場合には2ELYTは水を用いてよいし、2ELYTは酸素を含む溶媒を用いてよい。(2ELYTはアザンなどの核融合反応を起こしやすい期待のある溶媒を用いてよい)
(他の例としてZの小さい原子からなる有機分子を用いた有機電解液・有機溶媒)
2ER-MPIの機能部として、前記多孔質膜の上下に電極を配置し前記電極間に電圧を印加して構成された減速素子。
核変換後の生成物が核変換前の生成物よりも小さいZを持つ材料で素子を構成。(例:(B)のデバイスにおいて、H、Li、B、C、N、O、F、Ne。炭素電極、アザン溶媒、LiF電解質を溶かした溶媒、電解質溶かした溶媒に浸した多孔質膜電極に電圧印加して電気二重層を生成。前記電気二重層生成した多孔質膜をさらにレイヤー上に重ねてミュオン減速部とする)
(絶縁体2FDELE-EDL-MPI。多孔質炭素電極2ER・2ER-MPIに電解液電解質添加したもの。2FDELE-EDL-MPIの例として窒素・窒素15や水素等の前記ミュオン核融合・核変換の原料原子となる原子を含む電解液2ELYTを含んでよい。)
例:LiF・LiNH2等の電解質を溶解させた水・アザン等のZの小さい原子分子からなる電解液2ELYTを2つの炭素12多孔質電極部2ER-MPIではさみ、多孔質電極内に電解液を浸し、キャパシタ素子2FDELE-EDLを構成し、当該素子2FDELE-EDLの2つの多孔質電極間に電源部を用い電圧を印加し、該多孔質電極膜と電解液の界面に電気二重層を形成し、該電気二重層部に生じる電場をミュオン減速用の電場に用いることを試みてよい。
前記素子2FDELE-EDLを直列に層状・多段式に積層・接続し素子積層体2FDELE-EDL-LAMを構成してよい。
素子積層体2FDELE-EDL-LAMの前記積層方向に横断・横切る・入射する高速なミュオンM1を素子積層体2FDELE-EDL-LAMを横切るときに減速させるように構成してよい・試みてよい。*電気二重層型の素子2FDELE-EDL-LAMは一つの例であり、単純に減速用の電場が減速セル・素子により形成できるならばそれを用いてよい。
図20は電場形成した素子の例(太陽電池風な面型素子の例)(図20の多孔質電極2ER-MPIは炭素粒子を固めた電極でもよい。2ER-MPIは活性炭のような多孔質・表面積の大きい電極。2ER-MPIは電気二重層キャパシタの電極のようなもの)
●C:そのほかに、焦電体を温度変化させ電場を生じさせ核融合用の燃料原子・イオンをターゲットに加速させ衝突核融合させる焦電核融合に関連して、(若しくはX線を得るために焦電体で電子(負ミュオン)を加速させX線発生用のターゲット部に衝突させ制動放射によりX線や粒子線を生じさせうるX線源のデバイスに関連して)焦電体を加熱・冷却することで高温側と低温側に電圧差・分極(・電場)を生じるがその分極P・電場2PYR-EFをミュオンの減速電場として用いて減速器2MUDECEを得ることを試みることもできる。(図19の(B)の焦電体デバイス2FDELE-PYR箇所。)
(公知例ではポリフッ化ビニリデンPVDF等がZの小さい炭素・水素・フッ素から構成できる焦電体である。)
図19(B):冷却時-Z面は負に帯電し電子・ミュオンをT1部に加速。*焦電体2PYR内部で+Zと-Zの間で温度変化による電場を形成し、2PYR内部の前記電場を用いて2PYRに入射するミュオンを減速することを試みてもよく、その際に2PYRは減速したミュオンと結合するT1、FEEDとなりえる。
*2PYRはZの低い物質でできた焦電体でもよい。(例:ポリフッ化ビニリデン)
図19(A):電場形成した素子を用いる構成。パルスレーザーとプラズマ・レーザー航跡場を用いた減速器をアレイ・面型に配列してよい。または加速器をミュオンの減速させる方向にアレイ・面型に配列して減速器アレイとしてよい。
電場形成した素子は、電場を生じる減速セル、絶縁体・誘電体・焦電体(・強誘電体・圧電体)と電場を生じる手段(絶縁体・誘電体のキャパシタ素子の場合の絶縁体・誘電体と電極・電位の変化制御手段、焦電体デバイスの場合の温度変化制御手段、電極・電位の変化制御手段)を有していてよい。
T1-2BMU:磁場Bに巻きつくような回転運動(サイクロトロン運動)するミュオンとそれの触れ合うT1の箇所(ミュオンとT1の反応面積を増やすためミュオンを磁場Bを印加して回転させT1内でミュオンをかき混ぜる)
例えばミュオンが一定の箇所に入射・静止し(その後電子が熱運動で動くように熱運動などで)ミュオンが拡散して周囲の核変換材料を核変換させる場合、周囲の原料と反応しつくしてしまうとミュオンは反応可能な原子と接触できなくなり核変換が停止・減速する虞がある。そこで磁場Bを2COILにてターゲットT1やT1に照射中のミュオンに印加してミュオンをサイクロトロン運動(回転運動)をさせ、(T1に照射する前から回転させてもよく)T1内でミュオンを磁場により回転させることで、ミュオンはT1-2BMU部のようにT1内を回転・移動しながら核変換の原料となる原子と結合し核変換反応を持続してさせる。
【0084】
<宇宙線からミュオンを得ることの可能な輸送機器3・宇宙船3・宇宙構造物・居住区3>
図21に宇宙線を受けて中間子・ミュオンを生成し利用可能な輸送機器3・宇宙船3・宇宙構造物3の説明図を記載する。前記機器3・構造物3は図18から図20に記載のミュオンの減速器アレイを備えていてよい。
*輸送機器3に加速器を搭載し、当該加速器を用いて粒子を加速・衝突させ中間子・パイオン・ミュオンを生成してミュオンを用いた核変換システムに用いてもよい。
*他方、当該加速器は宇宙空間で建造する際に精密な加速器の部品を部材打ち上げする際に精密な構造を守りつつ(地上から宇宙へ)輸送するためコストがかかるかもしれない。
そこで本願の一つの実施形態では宇宙線を用いて宇宙船内にてミュオンを生成させミュオンを減速回収しターゲットT1に投入する核変換システム1EXP-SYSを構成することを試みてよい。
この時1EXP-SYSは(例えば月面の太陽光の届かない箇所でも駆動する動力源であって、)宇宙線を用いた原子力電池・ミュオン核融合電池・ミュオン核変換電池の動作を想定する。
当該宇宙線(COSRAY1)を輸送機器又は構造物3において宇宙線受部にて受けて宇宙線ミュオン変換部2MU-COSRAYにて中間子・パイオン・ミュオンを生成させ、前記ミュオンを(減速器2MUDECEにて減速して)回収し、前記ミュオンをターゲットT1に輸送・照射してよい。
*イメージとしては、(太陽光発電で用いる自然の日光を大面積の太陽電池・光電変換素子で受け止めて電気回路で集めて電力として用いるように、)例えば大型の宇宙居住区に、大面積でもよい天然の宇宙線を受け止める宇宙線ミュオン変換部2MU-COSRAYと、当該変換部より生じたミュオンを減速する減速器アレイ部を備えさせて、(大面積の宇宙線・ミュオンを捕まえる網のようなものと、ミュオンを減速して回収する回路のようなものを用いて、)宇宙線より低速なミュオンをハーベストしてターゲットT1に照射し核変換や発電に用い、構造物3の電力供給・推進に用いる。
*公知の加速器を用いたミュオン生成装置については数センチメートルのビームあたりに毎秒1千から1億個のミュオンを生成しうる。他方地上・上空では宇宙線由来のミュオンは掌に毎秒1つ降り注いでおり、手のひら1千個分の面積・ゾーンにわたりミュオンの減速部アレイとミュオンの捕獲部・捕獲回路とターゲットへのミュオン投入部を構成できれば毎秒1千個のミュオンを加速器を用いずに核変換に利用できるかもしれないので、本願では宇宙線や宇宙ミュオンを大面積に利用・減速・捕獲する系を提案する。当該ミュオンを本願の核変換システム(核融合・核変換による発電用途、LLFPの核変換用途)に利用してよい。
*宇宙線と衝突する標的部・ミュオン標的部(SMR1、2MU-COSRAY)を宇宙線・人工衛星・宇宙探査機・宇宙構造物等の輸送機器3に備えさせて良く、当該標的部は気体(ヘリウム・水素原子、大気の酸素・窒素原子を含む)を含んでもよい。当該標的部は水等の液体を含んでよい。
<宇宙線源>宇宙線(加速された陽子・ヘリウムイオン等)の源として太陽系外・太陽系内から飛来する宇宙線を用いてよい。(現在高エネルギー・高速の宇宙線の一部の起源については超新星衝撃波又は超新星爆発、超新星残骸等に起因すると考えられている。太陽系外の超新星などの天体の活動により生成し飛来する宇宙線を用いてよい。)
太陽系の外であってもミュオン・中間子を生成できうる高エネルギーな天然の宇宙線が得られるならば、太陽系外を航行可能な探査ロボット・探査船3に図21に記載の宇宙線COSRAY1を宇宙線中間子パイオンミュオン生成部SMR1にて受けて粒子衝突させ中間子ミュオンを生成し、高速でもよい前記ミュオンM1・M1Fを減速器2MUDECEにて減速し、減速されてもよいミュオンM1・M1L得て、前記ミュオンM1・M1Lをミュオン核融合・ミュオン核変換用のターゲット部T1に照射・投入しターゲット部原子・分子をミュオン核融合・ミュオン核変換させる核変換システム1EXP-SYS・核融合システム1F-SYSを構成・実施してよい。
この時、太陽や恒星の日光の届かない太陽系外宇宙空間であっても、当該核変換システム1EXP-SYS・核融合システム1F-SYSは宇宙線を用いた原子力電池・ミュオン核融合電池・ミュオン核変換電池として動作することを想定する。
前記システム1EXP-SYSを搭載した太陽系外をゆく探査ロボット3の動作時間を延長できるようにする。探査ロボット3は図21図5のように例えば炭素や窒素等を有する地球型惑星・天王星型惑星・氷型惑星・ガス型惑星等天然天体や小惑星より燃料となる窒素や水素・炭素・ホウ素などの核融合・核変換に必要な原子・T1・FEEDを採取してもよい。
(MERITリングを用いて負ミュオン1個を生成にするに必要なエネルギーは5GeV/1負ミュオン以上とされる。*バンアレン帯内に5GeV以上の加速された陽子・宇宙線が存在する場合には、宇宙ミュオン生成に用いることができる。バンアレン帯(ヴァン・アレン帯)の内側の陽子の多い帯に何らかの陽子衝突ミュオン標的を備えた電子計算機・制御部などは放射線に対し遮蔽された人工衛星的なものを配置して、ヴァン・アレン帯の内側の陽子を宇宙線として衝突させ得た宇宙ミュオンSM1を当該人工衛星でのミュオン核変換・核融合に用いてよいし、当該宇宙船から他の宇宙空間や地上側に向けて当該宇宙ミュオンをビームなどの形態で照射・利活用できてもよい。)
*バンアレン帯の内側・内帯に陽子が多いとすれば、バンアレン帯の陽子をミュオン標的とし、バンアレン帯の陽子に人工的に加速された陽子やヘリウムを加速衝突可能な加速器部分を搭載した人工衛星・宇宙構造物をバンアレン帯の宇宙空間に配置し、バンアレン帯の陽子をミュオン標的として用い粒子衝突により中間子・ミュオンを生成してもよい。
【0085】
<ミュオン・宇宙線の取り除かれた容器の利用>
宇宙線・ミュオンを取り除いた・減衰させた箇所で計算機や処理装置・記憶装置を動作させて良い。減速器2MUDECEを用いて宇宙線・ミュオンを減速させ減少させた箇所・取り除いた箇所(LM1Z:ミュオン減衰・除去区画)で計算機や処理装置・記憶装置を動作させて良い。
(*宇宙ミュオンの到達を防ぐよう地中の原子によりミュオンをトラップさせうる、地中に、若しくは地下660m以下の地中に計算機を配置することで計算機の素子へのミュオンの影響を低減できるかもしれない。地中を取り囲む地球の地面は高Zな原子(ケイ素や鉄など)を含んでおりミュオンを減衰させうるので高Zな物質・地面でできた地下の区画に計算機・電子計算機・量子計算機を設置して動作させて良い。)
トランジスタ等半導体素子で構成された処理部と記憶部、電子計算機はミュオンの影響を受けうるのでミュオンを減少させてよい。(量子状態にある素子・量子ゲートを含む計算回路を用い演算する量子計算機もミュオンの影響を受けうるのでミュオンを減少させてよい。)ミュオン・宇宙線の取り除かれた箇所LM1Zに計算機計算・処理部・記憶部を配置することによりミュオンが計算機素子や計算機計算・処理部や記憶部に干渉・破壊することを防ぐ)
<3次元若しくは大型化した処理部・計算部へのLM1Zの利用>
半導体素子や量子ゲート素子を3次元に積層した場合、半導体・量子ゲートデバイスがミュオンの衝突ターゲットになる領域が高さ方向に増大することで、当該3次元積層素子を含むコンピュータシステム(サーバー)は、ミュオン等の宇宙線によるエラーを受けやすくなる虞がある。そこで、ミュオンを遮蔽・減少させるために、ミュオンを減少させたLM1Zに素子を3次元に積層した処理部や記憶部を含むコンピュータシステムを配置して動作させて良い。
<ミュオンを用いない実験環境>
(*宇宙ミュオンの到達を防ぐようカミオカンデのように大深度、地下660m以下の地中に配置されたレーザーによる慣性核融合発電部は宇宙ミュオンが到達しにくく用いにくい事が予想できる。他方地上・空中に配置したレーザーによる慣性核融合発電部は宇宙ミュオンが到達できミュオンを核融合に用いることが可能かもしれない。ミュオンを減速・減衰させミュオンの到達を防ぐように、地球や月等天体の地中・Zの大きな原子から構成された地面の地中660mないし当該地殻の地中にて計算機・電子計算機・量子計算機を設置し稼働させて良い。)
【0086】
<炭素12の核変換の補足事項、炭素13等の炭素12の核変換を阻害しうる原子核による反応減速>
*地球上の天然の炭素は約98.9%の炭素12と1.07%の炭素13と微量の炭素14を含む。本願の一つの形態では天然の炭素に含まれる同位体存在比と比べて或る同位体の存在比が高く他の同位体の存在比が低いターゲットT1を用いてよい。
(例:炭素材料のT1について炭素12・炭素13の存在比が大きく炭素12・炭素13の存在比が少ないT1。炭素13が天然存在比1.07%よりも多い・少ない比率で含まれる炭素材料等。)
<ミュオンと弱い相互作用して炭素原子核内の陽子が中性子に代わる場合>
炭素12・炭素13・炭素14は弱い相互作用で核内の陽子がミュオンと結びつき中性子に変わり、ミュオンの寿命よりも長い同位体の半減期・寿命を有するホウ素12原子核(12B、半減期20.20ミリ秒)、ホウ素13(13B、半減期17.16ミリ秒)やホウ素14(14B、半減期12.36ミリ秒)を生成する可能性がある。
ホウ素13は17.16ミリ秒で約99.74%の確率で炭素13に崩壊し、約0.26%の確率で炭素12に崩壊する。ホウ素14は12.36ミリ秒で約99.74%の確率で炭素13に崩壊し、約0.26%の確率で炭素12に崩壊する。
炭素12についてもミュオンと炭素12原子核の相互作用によりミュオンが炭素12原子核内の陽子と結びつき中性子とニュートリノが形成され、炭素12原子核はホウ素12原子核になりうる。ホウ素12は20.20ミリ秒の半減期で約99.4%の確率で炭素12となり、約0.60%の確率でベリリウム8(その後2つのヘリウム4)となり崩壊・変換される。
<ミュオンと結合し励起した炭素原子核が崩壊するとき>
ミュオンが炭素12原子核と結合し励起した炭素12C*になりその後3つのヘリウムに核変換されうる。本願の一つの形態では、炭素12原子からなる炭素材料にミュオンを照射・結合させて炭素12原子核をミュオンに変換することを試みてよい。
炭素12と炭素13は基底状態では安定な原子核である。炭素14は半減期約5700年でベータ崩壊して窒素14原子に崩壊する。
ミュオンが炭素12原子核と結合したとき、炭素原子核はミュオン原子核捕獲反応により炭素12原子核はホウ素12原子核に変わり、さらにミュオンが寿命を迎えた場合、ミュオンの静止質量エネルギー106MeV(若しくは静止質量エネルギーの一部10-20MeV)をホウ素12原子核・炭素12原子核に与え、(前記励起した原子核に隣接する炭素原子核にも励起エネルギーを移動させ、)炭素12原子核を励起してヘリウム(・他の原子核)に変換できるので、ミュオンを炭素12原子核に照射・結合させて炭素12原子核をミュオン核変換させてもよい。
炭素原子は励起され複数のヘリウム原子核(3つの原子核)に核変換される事を本願では想定している。
*炭素12原子核は3つのボーズ粒子であるアルファ粒子からなるスピン整数倍のボーズ粒子であり、炭素12原子核は基底状態から7.5MeV付近にホイル状態を持つとされる。(基底状態より9.93MeVの箇所にも励起状態を持つ)ホイル状態は3つのアルファ粒子がボーズ・アインシュタイン凝縮した状態であると考えられている。*本願ではミュオンと結合した励起された炭素12原子核(12C*)はホイル状態かそれよりもエネルギーの高い励起状態に励起されており、前記励起後に3つのヘリウム原子に核変換される想定である。
*炭素13原子核はスピン0の3つのアルファ粒子にスピン1/2のフェルミ粒子の中性子が一つ不純物として含まれており、炭素13原子核をホイル状態かそれよりもエネルギーの高い励起状態に励起するために必要な励起エネルギーは炭素12の場合と比べ大きくなる可能性がある。ただし、炭素13は炭素12よりも炭素からアルファ線に変換するときにエネルギーを生じる可能性もあり本願は炭素13を用いないことに限定するわけではない。
本願の一つの形態では、所定の炭素同位体原子からなる炭素材料にミュオンを照射・結合させて所定の炭素同位体原子核をミュオンに変換することを試みてよい。
炭素13の量は自然界では炭素12より少ない。炭素13をヘリウムを単位として分割できたとするとヘリウム4が2つとヘリウム5となる。(ヘリウム5は中性子を放出してヘリウム4に崩壊する。)中性子は炭素等減速材にて減速されえて、中性子はベータ崩壊する。炭素13にミュオンを結合させる実験を行う場合、炭素13を自然の炭素材中の炭素13の存在比より高めた炭素材料をT1用いてよい。
*炭素14原子核は3つのアルファ粒子とスピン1/2の中性子2つを含む粒子である。
本願は炭素14についても利用をしないことに限定するわけではない。例えば放射化した炭素材料中の放射性原子に炭素14が含まれている場合にその炭素14をミュオンを照射し炭素14を励起してアルファ線・粒子に核変換・分解できれば放射性原子炭素14を炭素材料中より減らすことができ、炭素14の放射性廃棄物の削減を試みることができるかもしれない。そこで本願の一つの形態では、ミュオンを炭素14に照射してもよい。本願ではミュオンを炭素・炭素同位体に照射してもよい。
*本願の一つの形態では、炭素12(炭素12・炭素13等炭素同位体)からなってもよい、核変換原料原子のターゲットT1にごく微量のミュオン触媒核融合・ミュオン触媒核変換の反応の触媒毒となる原子をドープしてもよいかもしれない。
例えば炭素同位体からなるターゲット(炭素同位体からなる炭素材料のターゲットT1に)にZの大きいトラップポイントとして有効核電荷の大きい鉄FeやタングステンWや鉛Pb、ビスマスBiのようなZの大きい原子核を意図的に・ごくごく微量ドープする等も想定される。
*炭素同位体(炭素12・炭素13・炭素14)のいずれかの(核変換され易い)同位体原子の割合を炭素材料のターゲットT1で高めつつ、前記触媒毒のような原子(ミュオン照射により核変換されにくい炭素同位体でもよい)をブレンドして炭素材料を製造してもよい。
*ミュオン照射により核変換されにくい炭素同位体の割合を減少させ(触媒毒となる量は残しつつ、又は触媒毒となる高Zの原子をドープし)、ミュオン照射により核変換されやすい同位体の割合を増加させた炭素材料ターゲットT1を構成してよい。
**本願の一つの形態・想定では、炭素12(又は所定の核変換されやすい炭素同位体A)のみではミュオンが炭素12(又は炭素同位体A)に結合しヘリウムに変換される反応が連鎖されうるが、炭素13(所定の炭素同位体と別の核変換されにくい炭素同位体B)をそこにブレンドすることにより反応が減速・停止されるかもしれない。
炭素13(前記同位体B)とミュオンは結合しても励起エネルギーが高いなどの観点で炭素からヘリウムへの変換が起きにくいかもしれない。
例えば炭素12(又は炭素同位体A)が99%で炭素13(前記同位体B)が1%の炭素ターゲットT1にミュオンを照射投入した場合に炭素12(又は炭素同位体A)が99個に対し炭素13(前記同位体B)が1個の割合でT1にはあって、(炭素12(又は炭素同位体A)が99個と炭素13(前記同位体B)が1個の計100個の集団について、)ミュオン触媒核変換反応は運よく炭素13(前記同位体B)に最後に到達するとき炭素12(又は炭素同位体A)を99個だけヘリウムに崩壊させうる。
同様に炭素12(又は炭素同位体A)が99.9%で炭素13(前記同位体B)が0.1%の場合、ミュオン触媒核変換反応は運よくミュオンが炭素13(前記同位体B)に最後に到達するとき炭素12(又は炭素同位体A)を999個だけヘリウムに崩壊させうる。(同様に炭素12(又は炭素同位体A)が99.99%で炭素13が0.01%の場合、炭素12(又は炭素同位体A)を9999個だけヘリウムに崩壊させうる。)
炭素ターゲットT1に含まれるミュオン核変換(ミュオン触媒核変換)の原料原子・核変換燃料原子である炭素12(又は炭素同位体A)と、ミュオン核変換(ミュオン触媒核変換)の触媒毒原子の炭素13(前記同位体B)の割合を制御することで炭素T1内でのミュオン核変換(ミュオン触媒核変換)の触媒反応数・反応のサイクル数を変えることができるかもしれないので、本願では炭素ターゲットに含まれる炭素12(又は炭素同位体A)の割合と炭素13(前記同位体B)の割合を制御できてよい。
天然の炭素12(又は炭素同位体A)と炭素13(前記同位体B)の存在比に対し炭素12(又は炭素同位体A)の存在比を増加させたものをターゲット部T1に用いてもよい。例えば炭素12(又は炭素同位体A)が98.9%以上含まれる(例:炭素12(又は炭素同位体A)が99.9%以上、99.99%以上含まれる)ターゲットT1を用いてよい。
炭素12をヘリウムで分割すると3つのヘリウム4
炭素13をヘリウムで分割すると2つのヘリウム4と1つのヘリウム5、ヘリウム5はごく短時間に中性子とヘリウム4に崩壊。
炭素14をヘリウムで分割すると2つのヘリウム4と1つのヘリウム6(又はヘリウム4とヘリウム5が2つ)、806ミリ秒後にヘリウム6は99.999%リチウム6に崩壊し残りの%はヘリウム4に崩壊。
**本願の一つの形態・想定では、炭素14は崩壊してZの大きい窒素14に変化し、窒素14はミュオンをトラップしうるので、炭素を用いるターゲット部T1において、含まれていない又は含まれる量が少ないことが好ましい。
地球上での自然界に存在する炭素14は超微量で、その存在比率は炭素12のわずか10億分の1程度である。 しかし炭素14はミュオントラップ後に何らかの形でベータ崩壊する方向に向かうと安定同位体の窒素14となり、窒素14は有効核電荷が炭素より大きいのでミュオンをトラップしミュオン触媒核変換・核融合反応を停止させうるので、好ましくは炭素14を取り除いた炭素12を含むターゲット部T1を用いることが好ましい。
*他方、炭素から炭素14を完全に取り除いてしまうと炭素12(前記同位体A)のミュオンを用いた核変換反応(ミュオン核変換反応)が起こりすぎてしまう場合も考えられる。そこで炭素12(前記同位体A)に意図的に炭素13(前記同位体B)や炭素14をごく微量(・自然界に存在比率よりは少ない量を)含ませてターゲットT1部を構成してよい。炭素12(前記同位体A)を含むT1部に炭素13(前記同位体B)や炭素14をごく微量含ませて、炭素13(前記同位体B)や炭素14を核変換反応をしすぎないように途中で止めるような触媒反応の連鎖反応停止用原子(・触媒毒的な原子)として用いてもよい。
仮にターゲットT1は炭素12(前記同位体A)のみからなる場合は(炭素12(前記同位体A)がミュオンと結合しヘリウムに変換されるならば、)T1のすべての炭素12(前記同位体A)が核変換反応しエネルギーを放出しうるかもしれない。他方、T1の炭素12(前記同位体A)に炭素13(前記同位体B)・炭素14を所定の割合ブレンドすることで核変換反応のサイクル数を大きくなりすぎないように制御できるのかもしれない。
【0087】
<他の核融合方式との組み合わせ>
*レーザーによる慣性閉じ込め核融合炉や磁気閉じ込め式の核融合炉等他の核融合の方式に、本願記載の電場(・レーザー航跡場・レーザー)を用いミュオンを減速させ核融合燃料原子部に投入可能とした構成を組み合わせて核融合・核変換を行えるようにしてもよい。
<LLFP等の物質の核変換に用いる場合>
核変換によりエネルギーを生じさせる場合、前述のように手のひらに1秒1つミュオンは到達しておりそれを利用して核変換を試みる。他方、核分裂路の廃棄物LLFPの核変換やミュオンを用い何らかの原子核同士を核融合して別の原子核に変換する場合、必要となるミュオン数が増大する。宇宙空間や地上において宇宙線や宇宙ミュオンを用いて広大な土地・面積にかけて核変換のプラントを備え核変換してもよい。
他方、地上・宇宙において天然の宇宙線・宇宙ミュオンを得るだけでは原子核変換する量が少なすぎる懸念もある。例えば地上において1km四方の宇宙ミュオン捕獲装置を用いて毎秒10の8乗個のミュオンを得てもそれを1年(365*24*3600秒)かけても1モル(6.02*10の23乗個)の原子を核変換する個数には届かない。そのため地上ないし宇宙空間で宇宙ミュオンに頼らず宇宙ミュオンよりも多いミュオンを単位時間・面積当たりに生成できるミュオン生成装置があると好ましい。例えば図15の構成で2HE-FFAG-1STと2HE-FFAG-2NDの粒子加速部について、円形加速器の他にレーザー航跡場を用いる粒子加速器・加速空洞部を用いてプロトン・ヘリウムを加速してミュオン標的に衝突させ中間子・ミュオンを生成してもよい。
【0088】
<発明の効果>上記で述べた事に加え次のように記載する。
*炭素12にミュオンが結合し核変換反応が起きうる場合に、炭素12のみであれば効率的(爆発的・連鎖反応的)に炭素12の核変換反応が起きうるが、本願の考案によれば爆発的に核変換することを防ぎ発電用に制御して反応をさせたいときに、反応の制御停止点となる原子の導入・ドープを行うことができるようになる。
仮に炭素12や窒素15と水素原子にミュオンを投入した場合に核変換反応が起きてその反応が置きすぎてしまう場合に備えて、その反応を制御する手段として反応を停止させる原子(核変換しにくい又は高Zでミュオンをトラップできる原子)を導入できるようになり、安全に核変換システムを運用できるようになる。(原子核分裂炉における核燃料と制御棒の関係のように、核変換原料原子の核変換を核変換を阻害する原子のドープにより制御できうる)
*レーザー航跡場・レーザー又はレーザーとプラズマを用いたミュオン減速器とそれを用いた核変換システムを提案する。
*宇宙ミュオンを用いてミュオン核変換システムを駆動させたいときに宇宙ミュオンを大面積にわたり減速して捕獲しターゲット部に照射する減速素子として、日光を大面積に受け電力を得る太陽電池のような2次元の面上にわたり電子部品に注目し、宇宙ミュオンを大面積に減速し得る面型デバイスを生産する意図で絶縁体キャパシタ素子や電気二重層部を持つキャパシタ素子、焦電体・誘電体によりミュオン減速電場を形成する素子を提案する。
*宇宙線や宇宙ミュオンを用いる宇宙船・航空機や輸送機器は加速器を搭載しなくとミュオンを用いることが可能かもしれない。加速器と人工的にミュオンを生成するエネルギーを消費せずとも宇宙ミュオンを減速して利用できるならミュオン核融合・核変換のエネルギー収支を大幅に改善できるかもしれない。
*他方、LLFP等の放射性廃棄物の核変換の用途では人工的なミュオン生成装置は必要であり、例えば10の16乗個のミュオンを毎秒生成しうるMERITリング方式が開発されている。
本願は宇宙ミュオンのみを利用する発明ではない。本願は人工的に生じさせたミュオンを用いてもよい。宇宙ミュオンが自然現象で増減し利用できない場合や宇宙ミュオンの到達しない場所でも核変換システムを稼働させるためにミュオン生成装置を用いることも重要である。
そして宇宙ミュオン及びミュオン生成装置のミュオンはどちらも高速なミュオンであり、ミュオンを減速し薄い領域・限られたターゲットT1の領域にてターゲット原子とミュオンを結合させるために、本願の考案する減速器を用いミュオンを減速しミュオン核変換に用いる事を試みてもよいかもしれない。
<産業上の利用可能性>上記で述べた事に加え次のように記載する。
本願の考案を用いた炭素12を用いたミュオン核変換システムや、窒素15等と水素を用いたミュオン核融合・核変換システムは、太陽や恒星のような星の日光の届かない恒星間の暗闇の中でも、宇宙空間の宇宙船からミュオンを得てミュオン核変換に用いたり宇宙船内部に搭載されたミュオン生成部とミュオン減速器を用いてミュオン核変換によりエネルギーを得ることができ、恒星間を航行する宇宙船や探査ロボットの動力源にすることができるかもしれない。(宇宙太陽光発電ではエネルギーを得難い日光の届かない箇所でのエネルギー源になりうるかもしれない。)
また宇宙空間の天体に比較的多く存在してもよい炭素や窒素等の低Z原子の資源を探し出し、該原子を採取・回収し、該原子の核変換を行い、宇宙船・構造物の動力源・電力や推進装置の動力源にできるかもしれない。
アルファ線を推進剤に用いて宇宙船3は推進してよい。またアルファ線をAEC部(図21のアルファ線のエネルギーを光子ガンマ線エネルギーに変換する部分AEC)を用いガンマ線・光子を生成し、当該光子を宇宙船3の後方に放出しその反作用・反動により宇宙船3を推進させることで宇宙船3を光子を推進剤とする場合の速度・高い速度まで加速推進できる可能性もあり、宇宙船の動力源及び推進の動力として用いられるかもしれない。
恒星間を宇宙船3が移動すると仮定したとき、アルファ線や光子を推進剤に用いて目的の宇宙空間に推進・移動し到着する。目的の宇宙空間に近づき宇宙船3は減速する必要が生じたときにも宇宙船3のアルファ線や光子を放出する推進装置部を宇宙船3の前方に放出しその反作用・反動により宇宙船3を減速させるよう推進させることで宇宙船3を減速させブレーキングする際の動力や推進減として本願のシステムは用いられうるかもしれない。
目的地までの宇宙船3の加速と減速に必要な核変換原料・燃料を計算し、目的地の中継点近傍で一度減速し核変換用の原料原子を現地の天体から採取し、再度加速しを繰り返して、目的の宇宙空間へ推進する宇宙船や探査ロボットの形態も想定されうる。
【0089】
<図面の簡単な説明><符号の説明>
図18>*レーザーによる慣性閉じ込め型核融合炉について、ミュオン減速をレーザーパルスを用いたレーザー航跡場によるミュオン減速とかけ合わせる構成(パルス式レーザー慣性閉じ込め核融合炉のターゲット部をBやCやN等のZの小さい原子核として用いる系)*MDC-LASER(MDCL)レーザー源、パルスレーザー源*公知のレーザー航跡場加速器用レーザー源
(A)1F-SYS:核融合システム。1EXP-SYS:核変換システム。
MDCL:ターゲット部T1へのレーザー照射部
T1・FEED:ターゲット部T1、原料原子。(図18の場合、レーザー航跡場を形成するためのプラズマのもとになるガス・分子・原子を兼ねてよい)
2MUDECE:ミュオン減速器、粒子の減速器
(B)2LASER-EF:レーザーにより形成されたレーザー航跡場LWF・電場2LASER-EF形成。ミュオンを減速する電場。
2LASER-PLASMA:レーザをT1に照射することにより生じたプラズマ。T1を含んでよく、プラズマでもあるT1にミュオンが減速後に結合してもよい。
SM1:宇宙ミュオン、宇宙ミュオン源
M1:ミュオン、ミュオン源
M1F:高速なミュオン
M1L:減速されたミュオン
(C)広い面積にわたりレーザー航跡場を用いた減速器のアレイによりミュオンを減速し(捕獲し)T1に照射結合させる説明図。
M1、SM1、M1F:高速ミュオン源 (SM1を用いる場合、手のひら1千個分面積などにわたる)
2MUDECE-ARRAY:減速器のアレイ。M1L:減速されたミュオン。T1:ターゲット
(パルス式レーザー慣性閉じ込め核融合炉のターゲットT1部がミュオンが到達可能なT1部であるとき、パルス式レーザによりミュオン減速を行う電場形成されミュオンが電場により減速された場合には、ミュオンとT1部原子が結合することによりT1部原子間のミュオン核融合も併せて行われる可能性がある)
図19
(A)2MDCE-2DFD:2MUDECEの一つの形態として電場形成した面型素子(大面積アレイも可)。当該部分は電場や磁場を形成できてもよい。
2MUDECE:減速器。ミュオン減速器
PWSP:電源部。2MDCE-2DFDへ電圧・電位差を印加する。又は電場をかける手段。(電場や磁場を形成させるときの電源)(焦電体の場合のように温度変化で電場を形成させる場合も温度を起こさせるための電源。温度変化源)
2MUCAP:ミュオンの捕獲部。
LM1Z:ミュオン減衰・除去された区画。2MUDECEにてミュオン減衰させ2MUCAPでミュオンを捕獲除去回収され、宇宙線・ミュオンが到達しない・しにくい箇所。(LM1Zはミュオン減速器と捕獲部から形成してもよいし、天然には高Zの原子を含む地面内部の地中深くの区画でもよい)
T1:ターゲット
T1-2COILB:T1にコイルで磁場を印加する場合の箇所。
2COIL:ターゲット部T1やミュオンに磁場Bを印加させる手段。コイル。
T1-2BMU:T1-2BMU:磁場Bに巻きつくような回転運動(サイクロトロン運動)するミュオンとそれの触れ合うT1の箇所(ミュオンとT1の反応面積を増やすためミュオンを磁場Bを印加して回転させT1ないでミュオンをかき混ぜる)
(B)2FDELE-PYR:焦電体デバイス(焦電体を温度変化させて焦電体に電場を生じさせ、電場をミュオン減速に用いる時の素子。1つの実施形態では、電極にて焦電体・誘電体ではさんだキャパシタ素子の一つの形態ともいえるかもしれない。該2FDELE-PYRは面型・大面積に配置可能な素子でもよい。)
VOLT-C:GND/電圧制御部
T1:ターゲット。FEED。(VOLT-Cで制御されたターゲットT1の電極部2ERでもよい。)
2PYR-EF:焦電体による電場。当該部でミュオン減速されてもよい。
2PYR:焦電体。*2PYRはミュオンのターゲットT1になる場合もある。P:分極。
2PYR-PEF:焦電体内部電場。当該部でミュオン減速されてもよい。
2ER:電極部
TEMP-C:温度変化手段、ヒーター・クーラー部
-Z面:焦電体の厚み・高さz方向について、ターゲット方向、図面上方向。+Z面:ヒーター側方向・図面下方向のZ。
図20
2MUDECE:当該図でキャパシタ素子を用いて構成したミュオン減速器
(A)絶縁体キャパシタに電圧印加し絶縁体に電場形成(ミュオンをトラップしにくい低Z原子で構成された)
2ER:電極(例)低Z原子からなる電極。炭素電極、リチウム金属電極
2LZI:絶縁体(例)低Z原子からなる絶縁体。炭素絶縁体、ダイヤモンド、炭化水素溶媒等
2ERや2LZIはミュオンをトラップしにくい低Z原子でできていてよい。また2ERや2LZIはキャパシタ素子となり電場を形成してミュオンを減速させたときに減速したミュオンと結合するターゲットT1部にもなりうるので、例えば炭素12や窒素15と水素などのミュオン核変換・ミュオン核融合を起こしうる原料原子を2ERや2LZIに含ませていてよい。(例えば2LZIは炭素12を含む絶縁体、2ERは金属リチウムを集電体やメッシュ電極・ブスバー・母線として含む炭素12よりなる炭素系電極)
*2ERは他の回路に接続できてよい。例えば2ERはミュオン減速や利用の支障とならないよう減速部から引き出されて(減速器機能部より離れた)銅やアルミニウムの電線・回路・ブスバーと接続されていてもよい。
2FDELE:電場形成した素子、2LZIを2ERではさんで形成されるキャパシタ素子。*当該キャパシタ素子を複数用いる場合は該素子を電気回路的に直列に接続してよい。
*キャパシタ素子を大面積に配置し宇宙ミュオンを減速する説明図。素子がキャパシタ型シート状デバイスであり、太陽電池風な面型素子となることを期待する構成。
2FDELE-LAM:素子2FDELEの積層体。(2FDELEを電気的に直列に高さ方向・積層方向に接続)
PWSP:電源部。キャパシタ素子2FDELEや2FDELE-LAMに電位差・電圧をかけてキャパシタ素子内に電場を形成する電源部。
(B1)電気二重層キャパシタEDLCに電圧印加し電場形成(ミュオンをトラップしにくい低Z原子で構成された)
2ER:電極
2FDELE-EDL-MPI:電気二重層部を含む部分。多孔質な膜の界面に電気二重層を形成し該電気二重層部を絶縁体・誘電体(に相当する部分)とする部分。多孔質電極。
PWSP:電源部。パルス電源部。
2ERや2FDELE-EDL-MPはミュオンをトラップしにくい低Z原子でできていてよい。また2ERや2FDELE-EDL-MPはキャパシタ素子となり電場を形成してミュオンを減速させたときに減速したミュオンと結合するターゲットT1部にもなりうるので、例えば炭素12や窒素15と水素などのミュオン核変換・ミュオン核融合を起こしうる原料原子を2ERや2FDELE-EDL-MPに含ませていてよい。
2FDELE-EDL:電場形成した素子、2FDELE-EDL-MPIを2ERではさんで形成されるキャパシタ素子・電気二重層キャパシタ素子。
2FDELE-EDL-LAM:素子2FDELE-EDLの積層体(2FDELE-EDLを電気的に直列に高さ方向・積層方向に接続)。
(B2)EDLC部の拡大図
2ER-MPI:多孔質膜、多孔質電極(EG:多孔質炭素電極)、電気二重層キャパシタの多孔質電極。
2EDL:電極部に形成された電気二重層
2ER-MPI-MICRO;2ER-MPIの拡大部、多孔質電極部。
2ELYT:電解液(電解質含)
図21>宇宙線からミュオンを生成しミュオンを減速して核変換及び輸送機器駆動エネルギーに用いる宇宙船・宇宙構造物の説明図。
3:輸送機器3、エネルギー供給対象3(航空機、宇宙船、宇宙構造物、人工衛星、宇宙基地、宇宙居住区、月面基地・月面裏側基地、日光到達しない箇所の構造物を含む)
COSRAY1:宇宙線
2MU-COSRAY:宇宙線を受けて中間子・パイオン・ミュオン生成する部分。ミュオン生成源。SMR1。アレイ状の2MU-COSRAYでもよく、2MUDECEにミュオンが投入できる構成でもよい。
SM1:宇宙ミュオン。宇宙線により生成されたミュオン。
A1:粒子加速器。粒子生成器・照射器M1:ミューオン系、P1:陽子系。
MA1:ミュオニック原子生成部。人工的なミュオン(ミュオニック原子)をミュオニック原子にして減速してもよい。
M1F:高速なミュオン(SM1や高速なM1)
2MUDECE:*MUDECEミュオン減速器、減速器アレイ2MUDECE-ARRAYでもよい。
(2MUDECEはミュオンを捕獲して移動させる部分2MUCAPを含んでもよい。)
M1L:減速されたミュオン
T1-HARVESTER:T1を他の惑星・衛星・天体から収穫する手段、T1の入手先。外部からの燃料採取手段(小惑星、天然天体)
FEEDC1:燃料F1(FEED)、ターゲットT1の供給部。*T1・F1の格納容器・燃料貯蔵部、ターゲット自動取り換え装置、T1・核融合/核変換燃料の供給系。
1R:核変換・核融合の反応炉。1F-SYS:核融合システム。1EXP-SYS:核変換システム。
T1、F1:核変換させたい原子のターゲット部。フィード部。核変換燃料部。核変換の反応部・炉心部。
T1部ではミュオンとT1を結合させミュオン核変換を促す。
HE1:T1にて核変換が起き生成された生成物。例として高エネルギーのヘリウム・アルファ線。
AEC:アルファ線エネルギー変換部。アルファ線のエネルギーを他のエネルギーに変換する部分。AECは進行波型直接エネルギー変換器TWDEC/Traveling-Wave Direct Energy Converterでもよい。AECは発生する粒子の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する直接エネルギー変換器でもよい。
例:高エネルギー(高い運動エネルギー)を持つアルファ線の進行方向を(曲げる手段、コイル2COILの磁場などで)曲げてシンクロトロン放射光・制動放射を起こさせ、放射光・ガンマ線・光子(光エネルギー)に変換する部分。(*アルファ線は薄い紙でもその進行を止められる。そこで紙・シートのようなアルファ線を止める部分で止めて制動放射を起こさせてもよい。低Zの原子からなるシート部分でアルファ線を止めて光子を生成させてもよい。アルファ線を停止させたときにガンマ線を生成しそれが炉を放射化させることを防ぎたいので放射化しにくい原子(低Z原子)を用いてアルファ線を止めてもよい。)
*アルファ線と物質原子の相互採用により、原子をアルファ線衝突の励起作用により励起してよいし電離作用(イオン化作用) により原子の電子をはじき出して原子をイオン化させて良い。アルファ線が原子によって散乱される現象を起こしてもよい。
*ガンマ線と物質の相互作用にて光子エネルギーが1.022MeV以上の時電子対生成が起きうる(陽電子と電子の対を生成しうる)ので電子対生成・陽電子生成をAEC部でできてもよい。
AEC部で光電効果を用いてエネルギー変換させてもよい・高速電子(光電子)を生成してもよい。
コンプトン効果を起こして、物質内電子にガンマ線がぶつかって電子が散乱される結果コンプトン電子を生成してもよい。
*光核反応によりAEC部や反応路1R構成する材料の核種が放射性元素に変換されることは避けたいが、高Zの原子核は光核反応で中性子を出して放射性原子核になるパスが多くできうるので使用を控えて低Zの原子核を用いてもよいかもしれない。(ただし、高Z原子のほうがガンマ線の吸収・遮蔽能力は高くできるので高Zの原子を利用しないことに限定するわけではない。)
*T1で核変換が起きアルファ線が生成するときにコイル2COIL磁場にてアルファ線の進行方向をまげて放射光・ガンマ線・光子の生成を促してもよい。
1PRPLT:推進剤。加速推進時に3の後方に噴射放出される推進剤。光子やアルファ線等。また電気推進時やロケット推進を行う場合はその推進剤。(大気中を推進する場合は1THがジェット推進器やプロペラモータが噴出する大気・空気)
1TH:推進手段。(アルファ線を放出する推進機、光子を噴出する推進機、電気推進器等。プロペラモータ、ジェットエンジン等)1TH-NZ:ノズル(1THや1TH-ZLは推進剤を噴出するときの噴出方向をかえることができてもよい。例えば3の加速時は3の後方に推進剤を噴出させ、3の減速時は3の前方に噴射させる)
1GENR:発電部。HE1のヘリウムのエネルギーを用いて発電する部分。
3SYS:3のシステム(電力電気系統、制御系統、3の制御部含んでよい)。1GENRから電力供給を受けてよい。3SYSから3に属する装置・箇所に電力を供給してよい。
図6図6にはジボランを(B)用いた核融合反応系(A)と炭素(C)や窒素(D)を用いたを用いた核変換系の想定図を記載している。
M1:ミュオン生成投入・導入手段(適切な速度の負ミュオン)
(A)において水素とホウ素11からなるジボランに負ミュオンを照射しジボラン中のホウ素11と水素をミュオン核融合させ励起した炭素12原子核(12C*)に核変換したのち、炭素12が3つのヘリウムに変換される。
(C)の(C1)において、炭素12からなるグラファイト・黒鉛やダイヤモンドなどの炭素材料について、ミュオンが炭素材料中の炭素12と結合し励起した炭素12原子核(12C*)を生じた後3つのヘリウムに変換される工程を示している。
(D)においては、窒素15と水素を含むアザン・ヒドラジンに負ミュオンを照射しアザン中の窒素15と水素をミュオン核融合させ炭素原子核(12C*)と1つのアルファ線に核変換する。(その後残された炭素12C*は炭素とミュオンの核変換で3つのヘリウムに変換される。)
(C2)と(C3)はアルカン分子内でミュオンを照射した際の想定図であり、実際にどのように反応が起きるかは確認できていないが、アルカン内の炭素12と水素がミュオン核融合しうる。炭素12原子にミュオンが結合した場合3つのヘリウム原子に核変換されうる。水素原子と炭素原子では有効核電荷・Zは炭素原子のほうが大きい。
*メタンでの炭素-水素の核融合反応例ではガンマ線と窒素13や窒素14を生じえて、窒素13・窒素14は炭素より有効核電荷・Zが大きく、ミュオンを炭素より窒素13・窒素14のほうがトラップしやすく、炭素-水素の核融合反応例ではミュオン核融合反応を阻害しうる虞がある。*他方、ホウ素11と水素や窒素15と水素をミュオン核融合させる場合や、炭素12原子核を励起した3つのヘリウムにミュオン核変換する場合は反応式ではガンマ線の放出はなく、(窒素15の場合に炭素12を生成するが炭素12が励起して3つのヘリウムに変換されるならば)ヘリウムを生成し放出する特徴があり、ミュオン核融合・核変換反応が持続して起きる可能性があり、本願で用いてよい。
【0090】
<<請求の範囲の例>>
<請求項12C1>
励起した炭素12原子核をヘリウムに変換する工程を有するミュオンを用いた核変換システム。
<請求項12C2>
炭素12原子核とミュオンを結合させ、励起した炭素12原子核を生成する特徴を有する請求項12C1に記載のミュオンを用いた核変換システム。
<請求項12C3>
ホウ素と水素をミュオン核融合させたのちに、励起した炭素12原子核を生成する特徴を有する請求項12C1に記載のミュオンを用いた核変換システム。
<請求項12C4>
請求項12C3に記載のミュオンを用いた核変換システムを用いるミュオン核融合システムであって、
核融合反応によって生成した原子・粒子の原子核の電荷が核融合燃料物質の原子・粒子の原子核の電荷より小さい特徴を持つ核融合反応系を用いる、ミュオン触媒核融合システムであって、
前記核融合燃料物質は固体ではない水素化ホウ素若しくは気体の水素化ホウ素を用いるミュオン触媒核融合システムであって、前記水素化ホウ素にミュオンを照射・投入する工程を有する、ミュオン触媒核融合システム。
<請求項12C5>前記ミューオンを照射・投入された前記水素化ホウ素を圧縮する工程を有する 請求項12C4に記載のミュオン触媒核融合システム。
<請求項DECE1>
ミュオンを減速する工程又は減速手段を備え、ミュオンを核変換させるターゲット原子・原料原子に結合可能とする特徴を有する、ターゲット原子・原料原子の核変換システム。
<請求項DECE2>ミュオンを電場・磁場又は電磁場・光子・レーザー航跡場又は加速器にて減速可能な請求項DECE1に記載の核変換システム。<請求項DECE3>ターゲット原子・原料原子にパルスレーザーを照射し電場又はレーザー航跡場を生成可能な特徴を有するターゲット原子・原料原子の核融合又は核変換を行う請求項DECE1に記載の核変換システム。
<請求項DECE4>焦電体をミュオン減速のための手段に用いる請求項DECE1に記載の核変換システム。<請求項DECE5>キャパシタ・キャパシタ内の電場をミュオン減速のための手段に用いる請求項DECE1に記載の核変換システム。<請求項DECE6>電気二重層部・電気二重層キャパシタ・電気二重層内部の電場をミュオン減速のための手段に用いる請求項DECE1に記載の核変換システム。
<請求項DECE7>宇宙ミュオン若しくは宇宙側から地上側に飛来する宇宙線に由来するミュオンを減速させ、前記減速されたミュオンを核変換させたいターゲット原子・原料原子に結合可能な特徴を有する、請求項1に記載の核変換システム。
<請求項MUCYCB1>
減速したミュオンをターゲット部T1にて磁場で回転運動・サイクロトロン運動させT1部でミュオンとT1部の原子を移動・混合する特徴を有する核変換システム。
<請求項MULCP1>ミュオンを減速・減衰させた箇所で電子計算機及び量子計算機・処理装置・記憶装置を稼働させる特徴を持つコンピュータシステム。<請求項MULCP2>ミュオン減速器・ミュオン減速器のアレイを用いてミュオンを減速し除去・減衰させた箇所で電子計算機及び量子計算機・処理装置・記憶装置を稼働させる特徴を持つコンピュータシステム。<請求項MULCP3>鉄やケイ素を含む高Z・高い有効核電荷を有する原子を含む地面を用いてミュオンを遮蔽した地下空間において電子計算機・量子計算機・処理装置・記憶装置を稼働させる特徴を持つコンピュータシステム。
<請求項CSMUSP1>
宇宙線よりミュオンを生成し、前記ミュオンを減速させてターゲット部T1に投入する特徴を持つ核変換システムを搭載した輸送機器であって、宇宙線を輸送機器にて受けることで宇宙線よりミュオンを生成する特徴を有する輸送機器。
<請求項MTPSP1>
ミュオンを用いた核融合又は核変換により生じたアルファ線から光子を得て、前記光子を推進剤として、宇宙輸送機器の加速、減速を行う輸送機器。
<請求項1>
ミュオンを原料原子と結合させ、励起した原子核を得て、前記原料原子よりも有効核電荷又は原子番号の小さい原子に核変換する工程を有するミュオンを用いた核変換システム。
<請求項2>励起した炭素12原子核をヘリウムに変換する工程を有する請求項1に記載のミュオンを用いた核変換システム。
<請求項3>原料原子に炭素12を用いる核変換システムであって、炭素12を含む炭素材料の炭素12原子核とミュオンを結合させ、励起した炭素12原子核を生成する特徴を有する請求項2に記載のミュオンを用いた核変換システム。
<請求項4>ホウ素・ホウ素11と水素をミュオン核融合させたのちに、励起した炭素12原子核を生成する特徴を有する請求項2に記載のミュオンを用いた核変換システム。
<請求項5>請求項4に記載のミュオンを用いた核変換システムを用いるミュオン核融合システムであって、核融合反応によって生成した原子・粒子の原子核の電荷が核融合燃料物質の原子・粒子の原子核の電荷より小さい特徴を持つ核融合反応系を用いる、ミュオン触媒核融合システムであって、前記核融合燃料物質は固体ではない水素化ホウ素若しくは気体の水素化ホウ素を用いるミュオン触媒核融合システムであって、前記水素化ホウ素にミュオンを照射・投入する工程を有する、ミュオン触媒核融合システム。
<請求項6>前記ミュオンを照射・投入された前記水素化ホウ素を圧縮する工程を有する 請求項5に記載のミュオン触媒核融合システム。
<請求項7>窒素・窒素15と水素をミュオン核融合させたのちに、励起した原子核を生成しその後ヘリウムを生成させる特徴を有する請求項1に記載のミュオンを用いた核変換システム。
<請求項8>窒素・窒素15と水素を結合させたアザンにミュオンを照射・投入する工程を有する請求項7に記載のミュオンを用いた核変換システム。
<請求項9>ミュオンを減速可能な加速器又はミュオン減速器を用いてミュオンを減速させたのち、前記ミュオンを、核変換を行う原料物質の原子に投入・結合させる工程を有するミュオンを用いた請求項1に記載の核変換システム。
<請求項10>請求項9に記載の核変換システムを有する輸送機器。
<請求項11>請求項10に記載の核変換システムを有する発電装置。
<請求項12>ミュオンを減速する減速手段として電場又はレーザー航跡場を生成可能な特徴を有する核変換システムであって、ターゲット原子・原料原子にパルスレーザーを照射し電場又はレーザー航跡場を生成可能な特徴を有する請求項9に記載の核変換システム。
<請求項13>ミュオンを減速する減速手段として焦電体をミュオン減速のための手段に用いる請求項9に記載の核変換システム。
<請求項14>ミュオンを減速する減速手段としてキャパシタ又はキャパシタ内の電場をミュオン減速のための手段に用いる請求項9に記載の核変換システム。
<請求項15>電気二重層部・電気二重層キャパシタ・電気二重層内部の電場をミュオン減速のための手段に用いる請求項15に記載の核変換システム。
<請求項16>請求項9に記載の核変換システムを備えた宇宙構造物であって、宇宙線を受けて宇宙線由来のミュオンを生成する宇宙ミュオン生成部を備え、前記宇宙ミュオン生成部より得たミュオンを減速し、原料原子に照射投入し、原料原子と結合させる手段を備えた宇宙構造物。
<請求項17>炭素12からなる炭素材料にミュオンを結合させることでミュオンが触媒となって核変換反応を連鎖的に発生可能である際に、ミュオンを用いた核変換反応が炭素12よりは起きにくい原子、又は炭素13原子、又は炭素よりも有効核電荷・原子番号Zが高くミュオンをトラップ可能な原子を前記炭素材料にドープしている特徴を有する請求項3に記載の核変換システム。
【0091】
<<優先権を主張した出願による追記部分>>先の出願、特願2023-150635、特願2023-151787、特願2023-174791、特願2023-196029、特願2023-196327、特願2024-058388、特願2024-065053に対し次の項目を追加した。(本願は考案であって実証が必要である)
図22にミュオン原子核捕獲反応を考慮したミュオンを用いる核変換・核融合システムの想定に関する説明図を記載する。
本願では炭素12からなる炭素材料にミュオンを照射させ、励起した炭素12原子核を得てヘリウムに核変換させる想定であるが、図22はその説明図である。
(A)炭素材料中の炭素12にミュオンが結合しミュオン原子核捕獲反応を起こし10-20MeVでもよい励起エネルギーを持つホウ素12原子核(12B*)に変化したのち、12B*から隣の炭素12原子核に励起エネルギー移動が起き、励起した炭素12(12C*)が生じてその後ヘリウムに変換され、隣りの炭素12に励起エネルギーが移動してを繰り返して、炭素12の炭素材料中の炭素12原子核がミュオンを用いてヘリウムに変換されることの想定の説明図。
炭素12にミュオンが結合し原子核捕獲反応し励起したホウ素12原子核を生成し、その後隣り合う炭素12原子に励起エネルギーを伝えながらヘリウムに変換する事があるかもしれないので、炭素12を含む炭素材料にミュオンを照射投入してヘリウムに変換する核変換システム1EXP-SYSを構成してよい。
(B1)窒素15を含むアザンにミュオンを結合させミュオン原子核捕獲反応させて炭素15に変化しその後炭素15の半減期経過後に窒素15を生成する場合の説明図。
(B2)窒素15のミュオン核融合の説明図。(B1では窒素15が炭素15に変換されえうるが、炭素15の有効核電荷・Zは窒素15よりも低く、核融合反応が継続すると考え併せて記載した)
注:本願明細書の段落番号0076の<炭素の利用>、<ミュオンを炭素12に照射した際の視点>、<近接した炭素原子と励起した炭素原子との視点>の箇所にて炭素12原子核とミュオンが結合して炭素12原子が励起され隣りの炭素12原子に励起エネルギーを励起エネルギー移動により移動させ炭素12をヘリウムに変換する(図22)ことを記載している。図6の(C1)では励起した炭素12の状態・励起エネルギーが隣の炭素12に移動していく事を記載しているが、その具体的な例として図22を記載した。図6では炭素12にミュオンが結合してホウ素12となることは書かれていないが図6では少なくともミュオンにより炭素12原子が励起され、その後隣の炭素12原子に励起エネルギーが移動して当該隣の炭素12原子が励起されヘリウム原子に変換されていることが図示されている。図22では図6に記載のメカニズムの1つの例を図22の(A)に記載している。)
<請求の範囲の例>
<請求項MUFRET1>炭素12原子からなる炭素材料にミュオンを結合させ炭素12をヘリウム・アルファ線に核変換する核変換システム。
<請求項MUFRET2>炭素12原子をミュオンと結合させてミュオン原子核捕獲反応を起こし、炭素12原子内の陽子を中性子に変換しつつミュオンの静止エネルギーの一部を原子核励起エネルギーとした励起したホウ素12原子核を得て、前記励起したホウ素12原子核の励起エネルギーを前記励起したホウ素12原子の隣に位置する前記炭素材料内の炭素12原子核に移動させ炭素12原子核を励起しヘリウムに変換する請求項MUFRET1に記載の核変換システム。
<請求項MUFRET3>励起した炭素12原子核から隣の炭素12原子核へ励起エネルギーの移動又は励起状態の移動・連鎖を伴う、請求項MUFRET1に記載の核変換システム。
窒素・ホウ素と水素によるミュオン核融合の場合についても、図22と同様にミュオン原子核捕獲反応を考慮して、本願の1つの実施形態・想定例として図23に窒素15を含むアンモニアにおける系のミュオン核融合・ミュオン核変換の想定図を記載し、図24にホウ素11を含む水素化ホウ素・水素化ホウ素アニオン(LiBH4)を含む系のミュオン核融合・ミュオン核変換の想定図を記載する。
【0092】
<ミュオン除去部LM1Zを用いた中性微子・ニュートリノ検出器部>
減速器2MUDECEを用いて宇宙線・ミュオンを減速させ減少させた箇所・取り除いた箇所(LM1Z:ミュオン減衰・除去区画)でニュートリノ検出器2NUTDETを配置してよい。
本願のミュオンを用いる核融合・核変換システムはミュオンの元になる中間子・パイオンをシステム近くにて生成する場合はパイオン生成・崩壊によるミューニュートリノを生じうる。パイ中間子はすぐに崩壊してミューオンとミューオンニュートリノになる。
また核融合・核変換システムはミュオンをターゲット部T1の原子に投入しその後T1の原子がミュオン原子核捕獲反応を起こすことにより、ニュートリノを生じうる。
ミュオンの静止質量エネルギー106MeVのエネルギーをミュオンを捕獲する原子核に与えうる。そして一般には10-20MeVを原子核の励起エネルギーに用い、残りのエネルギー(約80MeV)を持つ高エネルギー方向なニュートリノを生じうる。)
本願のシステムも含むミュオンを用いるシステムはニュートリノを人工的に発生させる。本願ミュオン発生装置・中間子発生装置やミュオンと原子核の結合可能な標的部T1が稼働する場合、自然環境よりも偏った電子ニュートリノやミューニュートリノの発生源となりえて、T1を含む輸送機器や発電部を含む構造物3はニュートリノの発生源になりうる。
*本願ではT1含むシステムの応用例として恒星間の暗闇を移動可能な宇宙探査ロボット3を想定しているが、宇宙探査についてロボットとの通信が必要である。遠方にはなれるほど電波は電磁波・光子で減衰するかもしれない。
他方ニュートリノは弱い力や重力と作用して減衰するゆえに大規模な検出器で検出するべき粒子であるが、当該ニュートリノを生成する3はニュートリノで遠隔地と通信できるかもしれないのでニュートリノ通信機部を持つ3について記載する。
遠方の宇宙空間の構造物・探査ロボット3と地球(・太陽系内の構造物)との間で、ニュートリノを用いた通信システム1NUT-COMを構成してよい。
ニュートリノを用いた通信1NUT-COMに関して、1NUT-COMのニュートリノ送信部1NUT-TXは中間子やミューオンの発生と崩壊によるニュートリノ発生部でよく、ニュートリノが振動する質量を持つ粒子であれば、波に振動を持たせるように、1NUT-TXはニュートリノの振動やニュートリノの粒子のオンオフに情報を内包させて良い。
1NUT-COMのニュートリノ受信部1NUT-RXはミュオン減速器2MUDECEで減速させミュオンを除去・減衰したLM1Zに配置したニュートリノ検出器2NUTDETを用いてニュートリノを検出してよい。
<公知の例1チェレンコフ検出器>
世界最大の水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置であるカミオカンデ・スーパーカミオカンデのように、地中又は宇宙線やミュオンの減衰・除去された箇所に超純水タンクと光電子増倍管を含む検出器を設置し、ニュートリノの衝突の標的とし、当該標的により生じるチェレンコフ光を光電子増倍管で検出してよい。(スーパーカミオカンデのガドリニウム塩を前記純水標的にドープして超新星爆発に由来する高エネルギーなニュートリノについて分離する機構・ニュートリノエネルギーフィルタ機構(電波通信におけるフィルタ回路のようなものか)を搭載してもよい。
例えば送信部1NUT-TXで生じさせるニュートリノのエネルギーを予め指定しておき、受信部1NUT-RXで受け取るニュートリノのエネルギーレベルを(前記ガドリニウムのドープで受け取るエネルギーレベルを限定できるように)限定・セレクト・フィルタし送信部で設定されたエネルギーレベルのニュートリノを受信部にて受信してよい。
エネルギーレベルの分解能を持たせることで通信情報のチャネルを増やせるので用いてもよい。光ファイバー通信において異なる波長の光を1本の光ファイバで伝送する波長多重伝送方式と同様に、ニュートリノを用いた通信方式において、異なるエネルギーレベルのニュートリノを同一のニュートリノの飛翔・通信する経路において伝送し、前記異なるエネルギーレベルを(例えば図25のように、高エネルギーのニュートリノを検出する外殻のガドリニウムドープ純水検出部2NUDET-HIEにて光電子増倍管PMTの2PMT-HIEにて光・チェレンコフ光を検出し、その後残されて飛翔する低エネルギーニュートリノを純水検出部2NUDET-LOWEにてPMTの2PMT-LOWEにて光を検出してもよい。)
<公知の例2:ラジオケミカル法>
ガリウムを用いたニュートリノ検出器2NUTDET(塩化ガリウム水溶液の大容積タンクを用いるGALLEX、GNO:Gallium Neutrino Observatory、液体ガリウムを用いるSAGE:Soviet-American Gallium Experiment)は公知であり当該ガリウム利用型2NUTDETを(減速器で宇宙線やミュオンが減速されてよい、半導体素子や検出器に王エネルギー粒子の入射することを防ぐようにした箇所でもよい) LM1Zに配置して検出してよい。
71Ga+反ニュートリノ->71Ge+電子の反応により71Geを得て、71Geを別途化学的分析器等により検出してニュートリノ検出。(ただし原子の変換を行いその変換された原子の個数をカウントするため情報通信で情報を多く扱うには公知の例2のままでは処理速度が遅い虞があり、公知の例1のほうが情報処理速度面では良いかもしれない)
図25ではニュートリノを用いた通信システム1NUT-COMは送信部1NUT-TXは宇宙船・探査ロボット3でもよいし、潜水艦3でもよい。海中深くをゆく潜水艦3にミュオンを生成し崩壊させニュートリノを生じる部分(加速器を用いて中間子・ミュオンを生成する部分)やミュオン核融合・核変換システムを搭載しミュオン発生・崩壊をさせニュートリノを生成する部分を送信部1NUT-TXとしてよい。潜水艦3(潜水ロボット3)が日本海溝など深い箇所を航行しつつ潜水艦から発せられた情報・信号(暗号化されていてもよい)を含むニュートリノを近傍の受信機1NUT-RXにて受信することで潜水艦からの情報を得ることができる。*本願の送信部1NUT-TXと受信部1NUT-RXは宇宙・空中・海上・海中・地上・地中に配置してよい。
また、地中内部の(・LM1Zの・)海中の潜水艦3・輸送機器3・構造物3側にニュートリノ送信機1NUT-TXに加え受信機1NUT-RXを搭載できれば、地上側の送信機と受信機に対しニュートリノを用いた通信ができるようになり、遠い宇宙や海中での通信や地中での通信が可能になりうる。
図25>ニュートリノを用いた通信システム1NUT-COMの説明図
符号説明、
1NUT-COM:ニュートリノ通信システム
1NUT-TX:ニュートリノ送信部。1NUT-COMのTX部。
1NUT-High:高エネルギーニュートリノ
1NUT-Low:低エネルギーニュートリノ
2MUDECE:減速器
2MUCAP:ミュオン捕獲部
2MUTRAP:ミュオンのトラップ部。宇宙線のトラップ部、除去部。
LM1Z:ミュオン減衰・除去区画。(構造物3や輸送機器3内で宇宙線やミュオンの侵入により記憶装置や処理装置などのコンピュータ・制御部を妨害する・誤動作させる・破壊することを避ける意図で輸送機器3LM1Z内にコンピュータ・記憶装置・処理装置をLM1Zに配置してよい。また3の通信装置や検出装置を宇宙線やミュオンの影響による誤動作・停止・破壊を避けるために3のLM1Z内に通信装置・入力装置・出力装置・センサ・検出器・電波検出器・粒子検出器・ニュートリノ検出器を配置してよい。)
1COMPUTER:コンピュータ、計算機、電子計算機、量子コンピュータ
1MEMORY:記憶装置
1PROCESSOR:処理装置
1NETWORK:通信網
1NUT-RX:ニュートリノ受信部。1NUT-COMのRX部。
2PMT-HIE:高エネルギー粒子、高エネルギーニュートリノ検出部
2PMT-LOWE:低エネルギー粒子、低エネルギーニュートリノ検出部
2SENSE:センサ。粒子検出用センサ
2PMT-CNT:信号カウンタ部、信号検出部
2PMT-CON:PMT制御部
2NUTDET-CON:制御部。検出器制御部
1NUT:ニュートリノ・中性微子
1NUT-BEAM:ニュートリノビーム
1NUT-TX:ビームでもよい中性微子送信部
1NUT-RX:中性微子受信部
2MU-BY-NUT:ニュートリノをミュオンに変換する部分。2MU:ミュオン生成部
1MU-TX:ミュオン送信部
1MU-RX:ミュオン受信部。
2MUDECE:ミュオン減速器
2PMT:光電子増倍管。
2SENSE:センサ。粒子検出用センサ。
T1:ミュオンや粒子の標的。粒子を衝突又は結合等作用させる標的部。(ミュオンによる原子の核変換をできてもよい。核変換や粒子の崩壊により生じたエネルギーを2SENSEで検出できてよい。)
図25ではニュートリノ振動を考慮していないが、前記振動を考慮して、ニュートリノのエネルギーのほかにユートリの振動で生じる・(フレーバーが入れ替わりした)電子・ミュー・タウのニュートリノの種類に分けてニュートリノ検出可能な検出器2NUDET-ELEN、2NUDET-MUN、2NUDET-TAUNを2NUDET-HIEや2NUDET-LOWEの箇所に備えていてもよい。例えばカナダのサドベリーニュートリノ天文台SNOの重水素を含む水をニュートリノと衝突させる標的に用いたニュートリノ検出器は公知であり、重水素の中性子をニュートリノが陽子に変換しそれを検出することで、電子ニュートリノを選択的に検出できうるのでそれを電子ニュートリノ検出部に用いてよい。
[*例えば、荷電カレント相互作用では重水素原子核の中性子を陽子に置換する。ニュートリノは該反応により吸収され電子が発生する。例えば太陽ニュートリノのエネルギーはミュオンやタウレプトンの質量より小さく、そのため電子ニュートリノのみがこの反応に寄与する。放出される電子はニュートリノのエネルギー5-15 MeV程度のほとんどを持ち出して検出器部にて検出可能である。(荷電カレント相互作用は2NUDET-ELEN、2NUDET-LOWEに用いられうる。)*他方、中性カレント相互作用では重水素の重水素原子核を陽子と中性子に分解させる。陽子と中性子を検出する。ニュートリノは少しエネルギーを失いつつ維持され、すべて・3種(電子・ミュー・タウ)のフレーバーのニュートリノが同じようこの相互作用に寄与する。重水の中性子に対する反応断面積は小さく、中性子が重水素の原子核に捕獲されるときには約6MeVのエネルギーのガンマ線・光子が発生する。一部の中性子はSNOのアクリル容器を通過して軽水に入り、軽水の中性子捕獲反応断面積は非常に大きいため直ちに捕獲される。この反応で約2MeVのエネルギーのガンマ線が発生するが、これは検出器のエネルギー閾値以下なので観測できない。コンプトン散乱し加速された電子はチェレンコフ放射を通じて検出することができる。(中性カレント相互作用は2NUDET-MUN、2NUDET-TAUN、2NUDET-HIEに用いられうる。)(中性カレント相互作用で重水とニュートリノが反応し生じる中性子を軽水式のカミオカンデのようなチェレンコフ検出器似て検出可能である)]
*公知文献によれば、弾性散乱相互作用では、ニュートリノは原子中の電子と衝突し、エネルギーを電子に分け与える。3種類すべてのニュートリノが中性のZボゾンの交換を通じてこの相互作用に寄与することができ、電子ニュートリノは電荷を持つWボソンの交換によっても寄与することができる。 このため弾性散乱相互作用は電子ニュートリノによるものが支配的であり、スーパーカミオカンデ検出器ではこのチャネルを通じて太陽ニュートリノの観測が可能になっている。
弾性散乱相互作用は相対論的なビリヤードに相当し、このため生成された電子は通常、ニュートリノが(太陽又はニュートリノの発生源から)進行してきた方向を指し示す。この相互作用は原子中の電子で起こるため、重水と軽水の両方で同じ割合で発生する。本願ではニュートリノの発生源にミュオンを標的T1と結合させる核変換システムを用いるが、弾性散乱相互作用を用いて、ニュートリノが宇宙空間や地球上のどの方向から来たかを検出する事に役立てられうるのでニュートリノ検出器やニュートリノ通信装置において用いてよい。
<SNO+システムでのシンチレータ>
重水素の代わりに直鎖アルキルベンゼン・テルル130(2重ベータ崩壊する原子核)を標的又はシンチレータとして用いるニュートリノ検出器部を用いてよい。
<ミューオンを用いた通信システム>
上記1NUT-COMではニュートリノを通信に用いているが、その代わりにミュオンとミュオン受信部1MU-RX(ミュオン減速器2MUDECE・ミュオン捕獲部2MUCAP・ターゲット部T1)とミュオン発信部1MU-TX(ミュオン生成器2MU)を用いたミュオン通信システム1MU-COMを構成してもよい。
<重元素を用いた検出器・トラップ部>
現在シリコンSiや鉄Feよりも高Zな鉛Pbやヨウ素Iを含んでよいペロブスカイト半導体材料がペロブスカイト太陽電池(光電変換素子)の分野で研究・開発されている。
当該ペロブスカイト半導体の高Zな鉛原子は負ミュオンを強くトラップしたり、ニュートリノ・高質量のニュートリノ・粒子等と衝突しうる可能性やガンマ線など光子を高Zな原子により吸収しやすい可能性があり、本願の一つの形態ではミュオンやニュートリノや粒子光子をトラップ・吸収して検出する検出器に用いてよい。本願の一つの形態ではLM1Zを形成したい目的で(ミュオン・宇宙線の侵入を阻む目的で)高Zな原子から構成されていてもよい、(絶縁体・半導体・金属の部分を有してもよい)ミュオン捕獲遮断部2MUTRAPを用いてよい。
<ニュートリノ・中性微子に質量がある場合の質量・重力・万有引力によるニュートリノ検出器>
図26のように、質量の大きな点とニュートリノ粒子との質量・重力による相互作用を用いたニュートリノ検出器を(可能ならば)構成してよい。
電子・ミュー・タウの3種ニュートリノは重力により分離されうる(何らかの変化をしうる)と考え、本願では太陽や中性子星やブラックホールのような天体近傍を電子・ミュー・タウの3種が混合したニュートリノビームが直進するときに、(さながらマススペクトル質量分析装置のように)天体近傍にて質量の重さに応じてニュートリノ軌道・ビーム軌道が段階的に変わり、軌道の代わり方から(2種類以上の)ニュートリノを分離する装置も記載する。
(以下記載の検出器はニュートリノと同じく、仮説上粒子のニュートラリーノのような重力と弱い相互作用を行い電磁気力と作用しない粒子の検出実験についても同様である)
タウニュートリノ(振動で生じてもよい)は電子・ミューニュートリノよりも質量が大きい予想がされている。ニュートリノの作用しうる重力と弱い力のうち、重力の作用に注目し、タウニュートリノの質量による重力を検出しニュートリノの通信システムに用いてもよい。(タウニュートリノの質量・重力を検出できるか否か実証が必要である。)
*1NUT-RX-GRAVを用いて遠方の宇宙探査ロボット3とニュートリノ通信(探査信号の受信、ニュートリノ放送の受信)を行う装置・システムを構成してよい。
図26のように、宇宙構造物・探査ロボット3のニュートリノ送信部1NUT-TXにて(自然界で生じる強度より高い・人為的な電子・ミュー・タウの中性微子混合でもよい、)ニュートリノを送信し、受信部箇所にてニュートリノを重力を用いる分離部2MS-NUT-GRAVを用いて質量ごとにニュートリノを分離し、該分離後にニュートリノが進行すると期待する軌道に沿って配置した個別の検出器によりニュートリノ検出・受信する。
*ニュートリノ通信では広大な宇宙空間に3NRXを移動・配置して3NRXのニュートリノ検出部2NUDET-TAUN等にてニュートリノ・粒子を検出する必要がある。広大な宇宙空間で遠方の3からヒント無しに送られるニュートリノを検出するのは難しい可能性がある。
そこでニュートリノ検出のヒントになりうる情報(大まかなニュートリノ到来箇所を見積もる情報)を3は3NRXや地球・宇宙の基地に電波にて知らせることができてもよい。
例えば3はニュートリノ送信部・通信部のほかに電波送信部・通信部を備えてよく、3の電波通信部からの電波ないしは3からの情報を3NRX・3NRX-ELEN・3NRX-MUN・3NRX-TAUNは受信できてよい。3は3の姿勢や航行の状態、ニュートリノ送信部の向いている方向・3の座標、3の軌道等の情報を、3NRXへ送信・通信・放送できてよい。*3の放出する通信用ニュートリノを受信部の3NRXにて検出するときに役立つ情報を送信・通信・放送できてよい。)
太陽・恒星・中性子星・ブラックホールのような大質量部1MSSTAR(質量を持つ点1MASS-POINT)を用い3種の質量の異なるニュートリノを1MSSTAR間で働く重力の大きさの違いにより進行する軌道の違い。距離の違い・差分(dEM・dET))を生じさせ、ニュートリノを質量ごとに分離し、分離後の各質量のニュートリノについて分離後の進行する軌道の先に配置した検出器(2NUDET-ELEN、2NUDET-MUN、2NUDET-TAUN)を用いてニュートリノを検出することにより、電子・ミュー・タウのニュートリノを検出してもよい。
*例えば図26のように、宇宙空間において太陽系最大の質量を持つ太陽(1MSSTAR)の近傍を通るように人工的に3種のニュートリノを生成可能なニュートリノ送信部(1NUT-TX)を設置し、前記送信部1NUT-TXから太陽の近傍を通る際に質量を持つ3種のニュートリノがニュートリノ分離部2MS-NUT-GRAVにて重力・引力を受け質量の違いに応じてその進行する軌道を変え(軌道の差分dET・dEMを生じて)ニュートリノの種類ごとに分離されうるのでその仕組みを用いて質量の異なるニュートリノを検出してよい。*電子は負電荷1とスピン 1/2 を持つフェルミ粒子であり、加速された電子の軌道を曲げた場合には制動放射光・光子を生じる。ニュートリノはスピン 1/2 を持つフェルミ粒子である。加速されたニュートリノが軌道を曲げられる事を用いてニュートリノを検出してよい。ニュートリノはスピン 1/2 を持つフェルミ粒子である。ニュートリノは重力により影響されうるビリヤードの球のようにふるまうとするとき、重力の強い点の方向に引き寄せられニュートリノの軌道が変わりうる。軌道を変えたニュートリノを検出するよう検出器を配置してよい。
大質量の天体・恒星1MSSTARを用いる代わりに、可能ならば、慣性閉じ込めレーザー核融合において物質を一点に高密度に圧縮するように、(さながら太陽の中心を作る、中性子星の中心をつくるように)密度・質量の大きい点1MASS-POINTを作り(点1MASS-POINTをレーザーや加速粒子による慣性閉じ込めにて作り、又は加速された粒子の衝突点を用いて作り)、当該1MASS-POINTとニュートリノの質量との間での万有引力を生じさせニュートリノ検出(・ニュートリノ分離・ニュートリノの質量ごとに異なる物理的応答の生成・検出)に用いてもよい。ニュートリノ送信部はニュートリノを生成する為の加速器等の装置を駆動する電力・動力源として核融合炉・核変換システム・宇宙太陽光発電システムを備えていてもよい。
図26>記号説明、
3NTX-LEMT:ニュートリノ送信部を備えた宇宙構造物3NTX(ニュートリノは質量の異なるものを送信できてもよい。)2MS-NUT-GRAVや3NRXにてニュートリノ振動と重力・引力の影響を考慮して通信に好ましい質量・エネルギー・種類のニュートリノ(又は複数種類のニュートリノの集団)を送信できてよい。3NRXでは3NTXから送信されたニュートリノが振動により変わりつつ、かつ2MS-NUT-GRAVの重力を受けることも考慮して、ニュートリノの質量やエネルギーを測定しうる。(ニュートリノが重力・引力を受け・振動しているときのニュートリノを3NRXで測定してよい。)3NTXから放出されるニュートリノはニュートリノビーム1NUT-BEAMであってもよい。3NTXからレプトン・ミュートリノが放出されてもよい。
1NUT-EMT-MIX:質量の違う・数タイプ・3タイプのニュートリノが含まれていてもよいニュートリノの集団部・軌道部。
1NUT-BEAM:ビームの1NUT。
1NUT-LEPTON:レプトンの1NUT。
2MS-NUT-GRAV:重力・引力(力)により質量の異なるニュートリノを分離する部分。
1NUTE-ORBIT・1NUTM-ORBIT・1NUTT-ORBIT:2MS-NUT-GRAVにて重力・引力(力)により軌道に違いが生じた電子(1NUTE)・ミュー(1NUTM)・タウ(1NUTT)のニュートリノ1NUTの軌道。
3NRX-ELEN/-MUN/-TAUN:ニュートリノ検出器つき宇宙構造物3(-ELEN:電子、-MUN:ミュー、-TAUN:タウのニュートリノを表す添字。)
*2MS-NUT-GRAVから離れるほどに2MS-NUT-GRAVでニュートリノが軌道変化し分離されていく時の軌道・距離の変動dEM・dETが大きくとれる可能性があり(電子ニュートリノの軌道1NUTE-ORBITに対するミューニュートリノの軌道1NUTM-ORBIT の距離差分dEM・タウニュートリノの軌道1NUTT-ORBIT の差分dET)、広大な宇宙空間内を用いて差分を大きくとる目的で宇宙空間を移動可能な輸送機器3に検出器を備えさせニュートリノ観測宇宙船・人工衛星・構造物3NRXとし、距離差分を稼いで電子・ミュー・タウのニュートリノを(位置距離の差分を大きくとって)分解して検出してよい。)
3NRXはニュートリノ検出のため、宇宙線やミュオンを減衰させる箇所LM1Zや粒子の減速器を備えてよく3NRXのLM1Z内にセンサ・検出器を配置してニュートリノ検出試みてよい。
<請求の範囲の例>重力(又は引力又は力により)質量の異なるニュートリノを検出する特徴を備えたニュートリノ検出器を用いるニュートリノ通信システム。
<粒子を衝突させる特徴を有する中間子・粒子の生成装置>
正ミュオンは正電荷の粒子である。本願の1つの形態では、ミュオン標的に衝突させる粒子やミュオン標的に正ミュオンを用いてよい。(2CLPにて粒子衝突後に寿命により崩壊しうる)正ミュオンをミュオン標的に用いることで炭素ミュオン標的で問題となったミュオン標的の放射化リスクを低減したい意図がある。(図14図15の、2HE-FFAG-1STと2HE-FFAG-2NDの加速された粒子の軌道の交差する箇所でもよい粒子衝突部2CLPにて衝突させる粒子や標的に正ミュオン・ミュオン・レプトンを用いてよい。)
正電荷の粒子同士を衝突させて良い。例えば標的の陽子・原子核に高エネルギーの陽電子を衝突させてもよい。
(ホウ素11や窒素15と水素の核融合や励起された炭素12原子核のヘリウムへの核変換時に、ヘリウムアルファ線はエネルギーを持ちアルファ線より陽電子と電子対を生成可能なレベルのガンマ線を放出するので陽電子生成に前記アルファ線を用いてよい。陽電子と電子を加速器・加速手段により加速させ粒子衝突させクォーク中間子ミュオン)
レーザ航跡場にて加速された電子と、加速された陽電子を衝突させ中間子・ミュオンを生成試みてもよい。
例えば正ミュオンと負ミュオンを加速し衝突させるミューオンコライダーを用いて粒子・中間子・ミュオンを生成できてもよい。
レプトンを加速し衝突させて高エネルギーな粒子・Z/Wボソン・ボソン・中間子を生成できてもよい。
*逆運動学法により水素やミュオン・正ミュオンを標的として、衝突原子・粒子を照射し粒子衝突を起こして中間子・粒子を生成し、又は核破砕反応を起こそうとしてもよい。ミュオン中間子生成用のミュオン標的に水素標的を用いてよい。
<正ミュオンによる核破砕による核変換>
放射性廃棄物の原子核やLLFPに正ミュオン(又は陽電子・正の粒子)を加速して照射して核の破砕を促してLLFPよりも質量・原子番号Z・中性子数Nの小さい原子核を製造してよい。LLFPに陽電子を加速して照射して核の破砕を促してLLFPよりも質量・原子番号Z・中性子数Nの小さい原子核を製造してよい。
正の電荷をもつ粒子として陽子・アルファ線・陽電子・正ミュオンがあげられる。静止質量は陽子938MeV、アルファ線3.72GeV、陽電子0.511MeV、正ミュオン105.6MeVで、正ミュオンは陽電子よりも質量は大きく正ミュオンを寿命になる前に加速させ炭素や窒素、酸素原子核の標的に投入・衝突させることで前記原子核が核破砕され中性子数が減少したりZが減少した(リチウム等の)原子が生じつつ中間子・ミュオンが生じるかもしれない。*例えば窒素や酸素原子は宇宙線により核破砕されてベリリウム7(7Be、7Beは半減期53日後に電子捕獲ECによりリチウム7となる)やベリリウム10(10Be、10Beは半減期10の6乗年後にホウ素10となる)に核変換される。
(*負ミュオンと正ミュオンは加速器粒子衝突や宇宙線宇宙ミュオンに同じ割合含まれうるが負ミュオンだけでなく正ミュオンも何らかの利用用途があれば好ましいと考える。そこで例えば正ミュオンを核破砕やミュオンパイオン生成用の衝突粒子・標的粒子に用いてもよい。
*放射化された炭素材料ミュオン標的(炭素12・炭素13・炭素14に加えて放射性廃棄物の原子核を含みうる)に、加速された正ミュオンを入射衝突させた場合、正ミュオンが放射性廃棄物の原子核を核破砕する事で、放射化された標的内の放射性原子核を低減させる可能性がある。
例えば寿命の長い放射性同位体のベリリウム10に正電荷の陽子を衝突させようとすると陽子とベリリウムが衝突型核融合してより重い原子核となり炭素14等を生じるうるかもしれない。他方、ベリリウム10原子核と衝突しても核融合しないとみられる正ミュオンを加速して原子核に衝突させることでベリリウム10のような高寿命の放射性同位体を物理的に破砕し低Zな・安定な・放射性のない原子核に核破砕することを試みてよい。*例えば正ミュオンを放射性同位体の(炭素ミュオン標的に生成されたものでもよい)炭素14・ベリリウム10原子核に衝突させ前記原子核より1つの中性子を放出できた場合、安定同位体の炭素13やベリリウム9原子核に変換できうる。ミュオン標的が放射化されたとしても当該核破砕反応を用いて放射化された標的を安定同位体へ変換することもできるかもしれない。
*炭素12原子核にミュオンを照射して(原子核を励起して)ヘリウムに変えることを試みてよい。
<酸素原子核の核破砕>
炭素原子核のほか例えば酸素原子核についても粒子・ミュオンを照射してヘリウム(や陽子・中性子等粒子)を生成させる核変換を行ってもよい。
酸素原子核にミュオンを照射して酸素原子核に負ミュオンを結合させ負ミュオンの静止質量エネルギーを酸素原子核(・負ミュオン捕獲反応後Zが減少した窒素原子核)に与えて原子核を励起させ励起した原子核からヘリウムを生成させる核変換システムを構成してよい。
酸素原子核に加速されていてもよい粒子・正ミュオンを照射し衝突させ(酸素原子核を励起させ)核破砕反応させ、酸素原子核からヘリウム(や陽子・中性子等粒子、電子・中間子も生成されうる)を生成させる核変換システムを構成してよい。
(公知の現象として宇宙線の陽子など粒子が大気中の酸素分子・窒素分子の酸素原子O・窒素原子N等に衝突して核破砕反応を起こしリチウムLiやベリリウム・ホウ素、ヘリウム等が生成される元素生成プロセス・Xプロセスは公知である。ホウ素ベリリウムはXプロセス由来とされる。本願においてホウ素・ベリリウム・リチウムを核破砕反応で製造してよい。)
大気中・酸化物岩石中(地球・月・衛星・金星・惑星・小惑星等の天体)に含まれる酸素に加え同じく大気中に含まれる窒素についても同様に粒子・ミュオンを照射して核破砕・核変換させヘリウムやホウ素・ベリリウム・リチウムを製造してよい。核破砕用のターゲット部に酸素Oや窒素Nを用いる場合、OやNは大気中から得られるメリットがある。
<CのほかOやNを持つミュオン標的、ミュオン核変換システム>
*前記のように炭素・窒素・酸素の原子核にミュオンを照射・結合・衝突させヘリウムを得るミュオン核変換システムを構成してよい。
*負ミュオンが結合し崩壊し負ミュオンの静止質量エネルギー105MeVを与えられた酸素原子は励起されヘリウムに変換される可能性もあるので負ミュオンを酸素原子に結合させヘリウムに核変換できてもよい。
*可能ならば、ミュオン標的に酸素原子・窒素原子を用いてもよい。例えば窒化ホウ素BNは(Bが貴重である可能性があるが)Nを含む化合物であって、耐熱性や熱伝導性に優れており、陽子ビーム・正ミュオンビーム照射されて加熱されても耐えうる・放熱しやすい可能性があり、ミュオン標的に用いてもよいかもしれないので用いてよい。
<含窒素ミュオン標的>
*BN内のNが正ミュオンや陽子と衝突して核破砕が起きた場合、窒素14と中性子衝突により炭素14と陽子が生じうる。又は窒素14を核破砕してZ=2のヘリウム4・ヘリウム3とZ=5のホウ素10・ホウ素11を、又は窒素14を核破砕してZ=2のヘリウムとZ=4のベリリウム9とZ=1の陽子と場合により中性子を、又は窒素14を核破砕してZ=2のヘリウム、Z=3のリチウム、Z=1の陽子や中性子を生じうる。このように窒素原子からミュオンを用いて・核破砕反応を用いて低Zな原子He、Li、Be、Bを得ることができるので窒素原子に正ミュオン(陽子)を照射してHe・Li・Be・B等の低Zに原子に核変換してもよい。
(本願の一つの考案では窒素14と正ミュオンと電子が結合したミュオニウムを電荷中性の中性子に見立ててを衝突させたとき、炭素14と正ミュオンとヘリウムが生じうる可能性がある。炭素14は正ミュオンと衝突し核破砕されヘリウムやリチウムを生成しうる。(窒素14に宇宙線由来の中性子が衝突したとき炭素14と陽子が生成する核破砕反応が公知かもしれないがそれと類似して電荷的に中性なミュオニウムであって加速されていてもよいミュオニウムを窒素14等の原子核に打ち込んで核破砕反応試みてもよい)
<含酸素ミュオン標的>
酸化ホウ素B2O3は(融点が低い、問題となりうるが)酸素とホウ素を含み、固体であり、酸素を含む固体のミュオン標的部に用いる事も検討できうる。
酸素16を核破砕してZ=2のヘリウム4・ヘリウム3を生じたり、ヘリウムとZ=6の炭素、Z=4のベリリウム、Z=3のリチウム、Z=1の陽子や中性子(条件によっては中間子)を生じる可能性があり(窒素原子の場合と同様に)酸素原子から低Zな原子He、Li、Be、B等を得ることができるので酸素原子を正ミュオン(陽子)を照射して核変換してもよい。
酸素は月の岩石・金属酸化物のように衛星・惑星に含まれており魔法数8の原子・元素で宇宙内での存在比が多い期待があり資源量が多いと期待でき、その酸素をミュオン・正ミュオン等で核破砕・核変換させ酸素よりも低Zな原子(He、Li、Be、B等)を得てその原子を燃料T1として用いたりLiなどはリチウムイオン電池の原材料(あるいは場合により核燃料の候補材料・T1部用原子であり)核燃料やリチウムイオン電池に用いる等してよい。
放熱用にBNの基板・標的基板を用い、BN表面に酸化ホウ素の標的プレート・粒子衝突部2CLPを持つミュオン標的を構成してよい。酸化ホウ素は融点が摂氏450度程度でBNや黒鉛カーボン材と比べると融点が低い。陽子ではなく正ミュオンを衝突させたとき粒子衝突部2CLPの温度がどれくらいに上昇するかによるが、温度上昇が高く酸化ホウ素単体の標的では酸化ホウ素が溶融する可能性がある場合に備え、BNで構成されたミュオン標的部・ミュオン標的ベース部に2CLP部ともなる酸化ホウ素の層をコート・製膜・積層・配置し陽子やミュオンを酸化ホウ素の2CLPに衝突させ中間子・ミュオン生成をしつつ、酸化ホウ素部のホウ素や酸素をミュオン(・陽子)を用いて前記核変換・前記核破砕反応させ中間子・ミュオンと低Z原子(He、Li、Be、B)を製造することを試みてもよい。このように酸素原子からミュオンを用いて・核破砕反応を用いて低Zな原子He、Li、Be、Bを得ることができるので酸素原子に正ミュオン(陽子)を照射してHe・Li・Be・B等の低Zに原子に核変換してもよい。
また酸化ホウ素のほかに酸化リチウムLi2Oも用いてよい。酸化リチウムは融点が摂氏1438度程度で酸化ホウ素より融点の高い酸化物であり、酸化ホウ素と同様にBNの標的基板の表面に酸化リチウム層を配置して酸化リチウム層を粒子衝突部2CLPとすれば酸素をミュオン標的原子に利用できるため用いてよい。酸化リチウムを炭素ミュオン標的やBNミュオン標的の表面に配置して2CLP部となった酸化リチウム部を冷却する放熱部にしてもよい。(機械的強度や放熱などの問題が無ければ、可能ならば、酸化リチウム単体をミュオン標的に用いることを試みてもよい。)
<中間子・ミュオンやホウ素を増殖する燃料原子の核変換サイクル、核燃料増殖サイクル>
炭素ミュオン標的やBNミュオン標的にB2O3やLi2Oの2CLP用層を組み合わせてOの核破砕を行い中間子とホウ素・リチウムとヘリウムを得て、NやOは惑星・衛星・小惑星から得ることでホウ素・リチウムを増産しホウ素は水素とホウ素のミュオン核融合に利用できればホウ素燃料が天体の酸素から得られるようなる可能性がある(ホウ素核燃料の窒素・酸素資源からの核燃料増殖サイクルが可能になる)。*OやNに加え炭素Cも核破砕して低Zな原子He、Li、Be、B等を得ることができうる。
<炭素・炭素化合物の核破砕>炭素に正ミュオンを衝突させ炭素を核破砕しヘリウム等の低Z原子(陽子HやHe、Li、Be、B)に核変換することを試みてもよい。(なお酸素や窒素を核破砕したいときに炭素と組みわせようとしたとき、炭素の酸化物は気体の二酸化炭素CO2やCOとなって固体のミュオン標的としにくい。窒素の酸化物もNO・NO2・NOx、窒素酸化物はガス状物質や低温でないと固体で存在しない・解離してNO・NO2・O2を生成する・酸化剤・不安定である等で加熱される固体ミュオン標的としては扱いにくいかもしれない。 *また炭素の窒化物アニオンCN(低ZなLiと組み合わせたLiCNは融点は摂氏160度で加熱により溶融)は毒性(NaCN等CN化合物)がある。酸化ベリリウムBeOは融点が摂氏2570度と高いが毒性がある。
*他方、炭素ベースの樹脂・高分子・分子に酸素や窒素を含ませる事は可能である。ポリエチレンテレフタラートPET樹脂やポリイミドPI樹脂のように酸素・窒素を含む炭素ベース樹脂も存在しそれらで加熱放熱の問題を解決できる場合にはミュオン標的に用いることもできる可能性があり用いてもよい。
例えばポリイミドPIは300度まで安定で耐熱温度は450℃以上とされ真空環境・宇宙機の保護用フィルムなどに用いられている。宇宙用の用途では安定であるが原子状酸素AOの衝突・反応により劣化しうる(そして原子状の水素・水素原子・陽子を衝突させたときもポリイミドは反応・劣化するかもしれない)。
他方、(正ミュオン・ミュオニウムを照射した場合劣化が少ない可能性を期待し、)正ミュオン・核破砕用の粒子を衝突可能なミュオン標的の標的部に用いてよい。なお放熱用に炭素ミュオン標的やBNミュオン標的の表面にポリイミド層を配置し粒子衝突により加熱されたポリイミドの熱をBN・炭素のミュオン標的基板に伝えて放熱させつつ、ポリイミド高分子内部のCやNやOを正ミュオン・粒子と衝突させてヘリウムやLi・B等の原子へと前記核変換してよい。
<核破砕による原子製造>
炭素Cや酸素O等の原子核に正ミュオン・ミュオンを照射して他の原子核に変えることを試みてよい。また或る原子核Aに加速された高エネルギーの正ミュオン・ミュオンを照射し原子核Aと正ミュオンを衝突させて核破砕反応を行い製品となる原子核Xを製造してよい。
加速器等を用い100MeV以上の高エネルギーにまで加速した陽子を標的原子(水銀、鉛ビスマス、鉛、タングステン、タンタル、ウラン、炭素等)に入射すると、高エネルギー陽子が標的中の原子核と衝突し、そのエネルギーで標的の原子核をばらばらにする。当該原子核より中性子、中間子などの2次粒子が放出される反応を核破砕反応と呼ぶ。
本願の一つの実施の例では、陽子の代わりに正ミュオンをビスマスや鉛、水銀等核破砕ターゲットに加速・照射・衝突させて原子核Aを核破砕反応させを原子核Xに変換することを試みてよい。*陽子衝突による核破砕と比べ正ミュオン衝突による核破砕が起きる場合、原子核に陽子が衝突しての核融合反応(原子核に衝突用の陽子を追加・置き去りにする反応)が起きない期待がある。正ミュオンにより衝突される原子核Aの陽子や中性子を衝突により破砕しばらばらにして飛ばす時は該原子核A内に正ミュオンが追加・置き去りになっても正ミュオンはその後陽電子とニュートリノに崩壊するのみで(陽電子・レプトンが原子核Aに置き去りになりその後陽電子は原子の電子と結合し光子を放って対消滅する特徴があり)原子核Aに陽子・中性子が残らない特徴・利点がある。
*例えばある陽子数Z・原子番号Zで中性数Nの原子核AのNを核破砕反応にて1又は数個減らしたいときに陽子Pを原子Aに照射したとき、原子核から中性子1つが叩き出されて高速中性子として出た場合、原子Aには陽子Pが残り原子AのZは1増えてNは1減る事になり、Zが1増えた原子核に変換しうる(例えば水銀HgがタリウムTl、亜鉛ZnがガリウムGa、スズSnがアンチモンSb、ヒ素AsがセレンSeに変わる)。他方、陽子の代わりに正ミュオンを用いたとき、陽子の時のように原子AのZが増えないならば、水銀やヒ素は中性子数を1個・数個減らした水銀原子核になりうる。)
*スズ114は仮に核破砕反応により中性子を1つ除くことができればスズ113となり、その後半減期113日の正のベータ崩壊でインジウム115を得うる。
ヒ素75は仮に核破砕反応により中性子を1つ除くことができればヒ素74になり、その後半減期17.7日で66%は正のベータ崩壊でゲルマニウム74となり、残りは負のベータ崩壊でセレン74となる。ヒ素75は仮に核破砕反応により中性子を2個除ければヒ素73となり半減期80日で電子捕獲によりゲルマニウム73を生成しうる。
このほか、ミュオン照射による核破砕反応で水銀198の中性子を一つ減らして水銀197とするなども想定される。*加速されたミュオン(又はレプトン・陽電子の形態もあるが)を用いた核破砕反応により原子核Aの中性子数を減らして(その後ゲルマニウムなどの希少な)原子核Xを得ることを試みてよい。さらに、原子核AはLLFPの原子核であってもよく、LLFP原子核Aをより放射線を出す能力(放射能)の低い原子核Xに変換することを試みてもよい。LLFPのパラジウム107にミュオンを衝突させ核破砕反応させパラジウム106等に変換することを試みてよい。(LLFP例:107Pd、135Cs、93Zr、79Se、126Sn)*同位体は同位体分離技術(レーザー同位体分離技術)により分離されうる。
(*また(減速されてもよい)ミュオンを原子核Aに結合させミュオン原子核捕獲反応させ原子核Aを核変換してよい。ミュオン原子核捕獲反応時にミュオンの静止質量エネルギーを原子核Aに与えて原子核Aを励起させて原子核Aの励起や崩壊を促してもよい。)
<ミューニュートリノや他の粒子の崩壊からミュオンを得る構成、1NUT-COMの1NUT-RXにニュートリノとミュオンの変換部を備える構成>
*高エネルギーの粒子ビーム・ニュートリノビームをニュートリノからミュオンを生成させうる部分2MU-BY-NUT(図25)に照射し、その後2MU-BY-NUTからミュオンを生じさせ、前記ミュオンをT1に照射し、T1にてニュートリノからミュオンを発生させそのミュオンをミュオンを用いた核変換システム・核融合システムに用いてよい。
*ミューニュートリノを送信部1NUT-TXから受信部1NUT-RXの検出器2MU-BY-NUTに送信させる実験は公知である。DUNEという米国の実験装置ではミューニュートリノを送信し送信先の検出部で電子・ミュー・タウのニュートリノを検出している。引用文献:Deep Underground Neutrino Experiment ( DUNE ), PIP-II Cutaway of Earth Illustration、Image Number:19-0078-01、米国エネルギー省、Fermi Research Alliance, LLC)他の公知の例として、レオン・レーダーマンらにより米国ニューヨーク近郊にあるブルックヘブン研究所BNLのAGS加速器を用いて行ったニュートリノビームを用いて2種のニュートリノがあることを調べた「2種ニュートリノ実験」とよばれた実験があり、前記実験では送信部1NUT-TXにてニュートリノビームを生成しニュートリノビームより受信部1NUT-RXにて中間子・ミュオンを生成させているが、本願システムでもニュートリノビーム1NUT-BEAMからミュオンを生成し該ミュオンをターゲット部T1に照射・投入・結合させミュオン核融合・ミュオン核変換を起こすよう促してもよい。 [2種ニュートリノ実験:AGS加速器により150億電子ボルトに加速された陽子の塊を、ベリリウムの標的に打ち込み、打ち込まれた陽子は、ベリリウム原子核をバラバラにし、それを構成していた陽子や中性子を飛び出させるだけでなく、パイオン・中間子を作り出す。パイオンは高エネルギーで飛びながらミューオンとニュートリノに崩壊する。ベリリウムとその原子核崩壊による中性子とパイオンとミュオンとニュートリノの集団からなるビームからニュートリノだけを取り出すため、該ビームを厚さ10メートルに及ぶ鋼鉄の塊に照射しBeの陽子・中性子、パイオン・ミュオン等を鉄内でブロックさせ、ニュートリノだけを鋼鉄壁部からすり抜けさせ高エネルギーのニュートリノビームを得る。鋼鉄壁を超えたところにスパークチェンバーの標的部2MU-BY-NUT(放電箱2MU-BY-NUT、チャンバー部2MU-BY-NUT)をおき、(ごくまれにニュートリノは反応し)、スパークチェンバーとスパークチェンバー間に挟んだアルミニウムの板と反応したニュートリノが、スパークチェンバーに記録された。ニュートリノからは逆に電子や陽電子がつくられることも知られ、AGS加速器による高エネルギーニュートリノビームからはアルミの原子核と反応した時に実験でミューオンと反ミューオンが生成された。]
本願においてもパイオンからミュオンを得る場合にミューニュートリノが生成されえて、該ミューニュートリノをビーム1NUT-BEAMとして受信部(2MU-BY-NUT、1NUT-RX)まで送信し、ミューニュートリノをニュートリノからミュオンへ変換する標的部2MU-BY-NUTに照射し2MU-BY-NUTにてミュオンを生成させミュオンをターゲット部T1に(減速して)投入結合できるようにしてよい。
1NUT-TXのニュートリノビーム1NUT-BEAMを2MU-BY-NUTにてミュオンに変換し、2MU-BY-NUTから得たミュオンを1NUT-RXのT1やミュオン検出部・センサ2SENSE・2PMTを用いてニュートリノに基づくミュオンを検出し、ニュートリノ送信部1NUT-TXからのニュートリノ信号検出・受信し、通信系1NUT-COMに用いてよい。
(ミューニュートリノビーム、タウニュートリノビーム等のニュートリノビーム1NUT-BEAMを1NUT-TXから放出してよく、1NUT-TXから2MU-BY-NUTへ1NUT-BEAMを照射・投入してよい。)
*放電箱内(又は2MU-BY-NUT内)におかれたホウ素(11B)や窒素(15N)と水素等原子(若しくは低Z・Zが大きすぎない原子)のT1に前記ニュートリノ・ニュートリノビーム1NUT-BEAMから得た負ミュオン(ミュオン)を照射してもよい。
【0093】
<結び>本願では次に記載する事項の実施を試みてよい・行ってよい。
<ミュオン核融合、ミュオン核変換>
○本願ではミュオン・負ミュオンをターゲットT1部であるホウ素11と水素からなる水素化ホウ素や窒素15と水素からなるアンモニア(アザン)に照射・投入しミュオン核融合させる系について開示した。(核融合に用いる燃料原子・原料原子よりも有効核電荷又は原子番号Zの小さい原子に核変換する工程を有するミュオンを用いた核変換システムとして窒素15・ホウ素11と水素の核融合例を開示した。)
T1である流体でもよいホウ素11と水素を含む原料物質にミュオンを照射・投入し3つのアルファ線とエネルギーを得る系を開示した。T1である流体・固体でもよい窒素15と水素から成る原料物質・アンモニアにミュオンを照射・投入し1つの炭素12原子核と1つのアルファ線とエネルギーを得る系を開示した。本願の1つの形態によれば、本願の核融合システム1F-SYSでは窒素15やホウ素11と水素をミュオンを照射・投入しミュオン核融合させることを試みてよい。(本願図1図23図24等)
<P-11B・PB>*例えばT1に水素とホウ素11からなる水素化ホウ素を用いてよい。
*T1に水素化ホウ素リチウムLiBH4(図24。NH4BH4のアンモニウムの代わりにリチウムを用いる)を用いてよく、用いる場合はホウ素11Bにミュオンが引き寄せられ水素とホウ素のミュオン核融合が起き、その後ヘリウムが生成される。その後ヘリウムやカチオンのLiよりは隣接する他のLiBH4のBがZが大きいので、ミュオンはBにトラップされミュオン触媒核融合が進むことを期待する。
*T1に水素化ホウ素ベリリウム・ベリリウムボロハイドライドBe(BH4)2を用いてよく、用いる場合はホウ素11Bにミュオンが引き寄せられ水素とホウ素のミュオン核融合が起き、その後ヘリウムが生成され、ミュオンはヘリウムやBeよりは隣接する他のBe(BH4)2のBにトラップされミュオン触媒核融合が進むことを期待する。(BeにトラップされBeと水素のミュオン核融合が起きリチウム6とHeを生じる可能性もある。またリチウム6とHのミュオン核融合が起きる可能性もある。リチウム6と水素が単純に結合した場合ベリリウム7となり7Beは半減期53.22日でリチウム7に崩壊しうる)
<P-15N・PN>*T1に水素と窒素15からなるアンモニア・アザンやリチウムアミドLiNH2を用いた場合、水素と窒素のミュオン核融合が起きる事を期待できるのでミュオン核融合システムに用いてよい。(NH4BH4も同様)(水素と窒素15にミュオンを照射投入して窒素15と水素を核融合させ、励起した酸素16原子核を経てその後ヘリウムに核変換してよい。)
*水素化ホウ素アンモニウム・アンモニウムボロハイドライドNH4BH4を用いてよい。NH4BH4の場合該NH4BH4分子内で内で最もZや有効核電荷の大きな窒素15に負ミュオンが引き寄せられ窒素15と水素のミュオン核融合が起きることを期待する。その後炭素12とヘリウムを生じて、負ミュオンは隣接するNH4BH4分子の窒素15にトラップされ窒素15と水素で再度ミュオン触媒核融合する可能性がありT1に用いてもよい。
(NH4BH4分子内を用いる場合、窒素15にミュオンがトラップされる想定でありNよりZの大きなホウ素にトラップされにくい想定である。NH4BH4では窒素と水素の核融合燃料としての利用を期待でき用いてもよい。窒素15やホウ素11は水素と核融合しうる。)
<P-18O、CNO、P-19F>本願ではT1に酸素17・酸素18・フッ素19と水素を用いてT1にミュオンを投入して核融合を起こすことを試みて良い。(水素と酸素17、水素と酸素18、水素とフッ素19を原料・T1部としたミュオン核融合を試みてよい)(CNOサイクル反応において核融合後にヘリウムを放出しうる反応、例えば窒素15・酸素17・酸素18・フッ素19と水素の反応を用いてミュオン核融合を試みてよい。)
*本願発明では水素とリチウム・ベリリウムのほかに、水素とホウ素11・窒素15・酸素17・酸素18・フッ素19をターゲットT1に用いてミュオン核融合・ミュオン核変換することを試みてよい。
<P-18O、P-15N>例えば、仮に、本願考案が実際に動作する場合、酸素18と水素からなる水H2Oについてミュオンを照射した場合、2つある水素のうち1つの水素と酸素18がミュオン核融合して窒素15とヘリウムと3.98 MeVを生じうる。その後窒素15が水素とミュオン核融合反応した場合、炭素12とヘリウムと4.96 MeVを生じうる。(合計で1つの水分子から炭素12と2つのヘリウムと8.94MeVのエネルギーが生じうる。1分子内のOとHからNを経由して核融合反応を多く稼げて高出力になりうる可能性がある)
<D-14N>例えば、窒素14と重水素(D 、水素2)からなるアンモニアND3にミュオンを照射・投入しミュオン核融合させて(励起した酸素16原子核を経て)ヘリウムと炭素12とエネルギーを得る事を試みてよい。(なお窒素14と重水素・D-14Nの核融合にてヘリウムと炭素が生じるか否かは実証していない。*水素とホウ素11が核融合して励起した炭素12原子核を経てアルファ線となることや、水素と窒素15が核融合して励起した酸素16の状態を取り炭素12とアルファ線を生成しているように見えるので、中性子数と陽子数をP-15Nと同様にP=8とN=8にそろえることでP-15Nと同様に核融合すると想定して記載している。D-14Nは1つの例である)
*水素・重水素や酸素18は海水より得られる。また酸素18や窒素15、窒素14は大気より得る想定である。
*例えば重水素からなるリチウムアミドLiND2のターゲットT1にミュオンを照射してミュオン核融合を促してもよい。窒素14と重水素からなるリチウムアミドLiND2にミュオンを照射・投入し窒素14と重水素のミュオン核融合により炭素12とアルファ線を得てその後炭素12と重水素の核融合により窒素14を得てもよい。このLiND2の反応ではLIND2のND2アニオン内で最初に14NがDと核融合し炭素12を生成しその後炭素12はアニオン内の残りのDと核融合し無害で大気中に返せる窒素14を生成できるメリットがある。(なお炭素12よりは窒素14のほうがミュオンが引き寄せられる場合、炭素12とDの核融合を起こす前によりZの大きいT1部のLiND2のNにミュオンがトラップされ、NとDのミュオン触媒核融合反応が連鎖して起きる期待もある。Zや有効核電荷はLiやBよりもNやOやFのほうが大きい特徴もある。)
*重水素と窒素14(及び水素・陽子と酸素18や窒素15)は地球や宇宙内で存在比が多いので自然より採取しやすい期待があり核融合燃料FEEDの候補として記載する。
<T-16O>例えば、三重水素Tは重水素と比べ入手しずらく、Tは半減期も短いので参考ではあるが、三重水素と酸素16からなる水T2Oにミュオンを照射して、(酸素18と水素からなる水H2Oと同様に)ミュオン核融合させ、1つの水分子T2Oから炭素12と2つのヘリウムと8.94MeVのエネルギー生成を試みてもよい。
<D-10B>例えば重水素とホウ素10をミュオン核融合させてヘリウムを得る事を試みてよい。
○本願の1つの実施形態では原料原子としてB・N・O・F等原子と水素・D・Tを含む(・結合させた)核変換原料部T1・FEED又はターゲットT1にミュオンを照射・投入し、該原料原子よりも有効核電荷・Zの小さいヘリウム等の原子を生成する核融合・核変換反応系を用いてよい。
*ミュオンを気体分子(H2、分子DT、NH3等)に照射したとき、気体分子内の隣り合う原子同士をミュオン核融合させうる。
【0094】
<他の核変換>
○本願の1つの実施形態では炭素に水素をミュオン核融合させてもよい。炭素13に重水素を結合させ窒素15を得てもよい。(窒素15は次いで水素と反応し炭素12を生成する可能性がある)
酸素に水素をミュオン核融合させて良い。トリプルアルファサイクルにてヘリウムから炭素を生成してよく、炭素とヘリウムから酸素を生成してよい。
○本願の1つの実施形態では原子を生成する1つの形態では、ネオンNeよりもZの大きい原子をミュオンを用いて他の原子核と結合・核融合させてもよい。
*本願の1つの実施形態では、Zが大きくなりミュオンがトラップされることやZが多くくクーロン障壁がより大きい可能性があり実現するか不明ではあるが、(Li、B、N、Fの核融合例からの類推で)例えばナトリウム23(23Na)についてナトリウム23に水素を結合させて、水素化ナトリウムNaHとし、前記NaHをターゲットT1とし、ミュオンをT1に照射し水素とナトリウムを核融合・核変換させることを試みてもよいし、アルミニウム27に水素を結合させた水素化アルミニウムAlH3のT1にミュオンを照射しアルミニウム27と水素をミュオン核融合させてもよい。
(Zが奇数の原子である)リチウム・ホウ素・窒素・フッ素・ナトリウム・アルミニウムや、リン・塩素・カリウム・スカンジウム・バナジウム・マンガン・コバルト・銅の原子と水素原子(1つの形態では重水素DやT)をミュオンを用いて核融合・核変換させてよい。
次に想定の反応例を記載する。(注:4Heはヘリウム4)
<核融合の想定例。Zが大きいほどクーロン障壁大きい>
Proton-Lithium-7:1p+7Li->4He+17.2 MeV、
Proton-Boron-11:1p+11B->3×4He(=8Be +4 He)+ 8.7 MeV、
Proton-Nitrogen-15:1p+15N->12C+4He+ 5.0 MeV、
Proton-Fluorine-19:1p+19N->16O+4He+8.114 MeV、
<核変換の想定例(原子核を核融合させる場合)>
注:上記LiからFまでの反応を手本に、単純にヘリウム1個分ずつスライドするようにした反応の想定例であり以下NaからCuまでは起きうるか実証していない。核子1つ当たりの結合エネルギーはFeやNiで最大であること考慮し、以下ではNiを超える銅までの組み合わせを記載した。
Proton-Sodium-23:1p+23Na->20Ne+4He、
Proton-Aluminum-27:1p+27Al->24Mg+4He、
Proton-Phosphorus-31:1p+31P->28Si+4He、
Proton-Chlorine-35:1p+35Cl->32S+4He、
Proton-Potassium-39:1p+39K->36Ar+4He、
Proton-Scandium-43:1p+43Sc->40Ca+4He、
Proton-Vanadium-47:1p+47V->44Ti+4He、
Proton-Manganese-51:1p+Mn51->48Cr+4He、
Proton-Cobalt-55:1p+Co55->52Fe+4He、
Proton-Copper-59:1p+Cu59->56Ni+4He
*負ミュオンの場合、Zが大きくなる程弱い相互作用で核と結合し寿命を迎える恐れがある。*Zが大きいほどクーロン障壁大きい。
*Zが奇数の原子に限らず、酸素18等の原子と水素の核融合についてもアルファ線を放出させる核融合反応を前の段落で述べており、偶数のZの原子でも核融合反応例があるので、本願の1つの実施形態ではZが奇数の原子番号を用いることに限定しない。
*本願ではある原子番号Zの原子A(例:ホウ素11や窒素15や窒素14等)に別の原子B(例:水素原子、D等)をミュオン核融合させて原子Aの原子番号ZよりもZが低い原子X(例:アルファ線や原子AよりもZの小さい原子。窒素15と水素の場合のアルファ線と炭素12)の生じるミュオン核融合反応系を用いてよい。
<炭素原子の核変換>
○ホウ素11と水素原子核が核融合し励起した炭素12の原子核(12C*)となりその後12C*から3つのアルファ線となる。
本願の1つの形態によれば、図22の(A)のように、炭素原子核同士が結合して得られた炭素材料(-C-C-C-C-)について、ミュオンがミュオン原子核捕獲反応により炭素材料の炭素原子核に結合し、ミュオン原子核捕獲反応により炭素原子核をホウ素原子核に変換したときに、ミュオンの静止質量エネルギー(静止エネルギー)106MeVの一部10-20MeVをホウ素原子核(もとは炭素原子核)に与えて前記励起したホウ素原子核B*を作り、該ホウ素原子核B*に隣接する炭素原子核がある場合には、隣接する炭素原子核に該ホウ素原子B*の励起エネルギー(原子核を励起させるエネルギー)が移動・伝達して隣接する炭素原子核を励起し、励起した隣接する炭素原子核C*を形成した場合には励起した炭素C*をヘリウム・アルファ線に崩壊させうるので、核変換システム1EXP-SYSにおいて炭素原子同士が結合した炭素材料にミュオンを照射・投入し炭素原子をヘリウム原子へ変換するミュオン核変換を起こすことを試みてよい。(本願図22(A)等)
*本願の1つの形態によれば、炭素12原子核にミュオンを照射・結合させて、ミュオンがミュオン原子核捕獲反応により炭素12原子核に結合し、ミュオンの静止質量エネルギー(静止エネルギー)106MeVの一部を前記原子核に与えて励起した原子核を作り、前記励起した原子核から前記励起した原子核よりも原子番号の小さい原子(ヘリウム)に核変換してよい。
*本願の1つの形態によれば、(例えば炭素13でもよい)炭素原子核同士が結合して得られた炭素材料のT1にミュオンを照射・投入し、ミュオンがミュオン原子核捕獲反応により炭素材料の炭素原子核に結合し、ミュオン原子核捕獲反応により炭素原子核をホウ素原子核に変換したときに、ホウ素原子核が励起してホウ素原子に隣接する炭素原子核内の(3つの)アルファ線の構造が解き放たれアルファ線・ヘリウムに核変換する反応を起こすよう試みてもよい。(例えば炭素13からなる炭素材料にミュオンを照射して炭素13がアルファ線に核変換されてよい)
*本願の1つの形態によれば、炭素原子核(炭素13等炭素同位体を含んでもよい)同士が結合して得られた炭素材料のT1に正ミュオンを照射・投入し、(その後、例えば正ミュオンの崩壊により正ミュオンから高エネルギーの陽電子を生成し、前記陽電子を炭素原子核・炭素13原子核に衝突させ)炭素原子核・炭素13原子核を励起させ、炭素原子核をアルファ線(及び粒子・中性子)に核変換させてよい。(例えば励起した該炭素13原子核をアルファ線と中性子に核変換させ、その後該中性子はベータ崩壊を起こした場合には、該中性子は陽子と電子と中性微子とエネルギーを放出しうるので当該核変換を起こすことを核変換システムは試みてよい。)
*本願の1つの形態によれば、炭素原子核(炭素13等の炭素同位体を含んでもよい)同士が結合して得られた炭素材料について、ミュオンを照射しミュオンの静止エネルギーを炭素原子核に与え、原子核を励起して、炭素原子核をアルファ線・粒子(・中性子)に核変換させ、その後中性子はベータ崩壊を起こした場合には粒子・陽子・電子・中性微子とエネルギーを放出しうるので核変換システム1EXP-SYSは炭素材料・炭素原子核にミュオンを照射し核変換を試みてよい。
(*原料原子よりも有効核電荷又は原子番号の小さい原子に核変換する工程を有するミュオンを用いた核変換システムとして炭素12原子核・炭素13原子核・炭素原子核が複数化学結合され含まれる炭素材料の核変換・核のヘリウムへの崩壊の考案を開示した。なお炭素12・炭素13等炭素原子の核変換は実証されていない。*ホウ素11と陽子の核融合やCNOサイクル反応にて出現しえる窒素15と水素の核融合反応式等は公知である。)
*本願では炭素原子からなる材料・炭素材料・炭素原子核にミュオンを照射し炭素原子核にミュオンを結合させ炭素原子核を核変換してよい。炭素12・炭素13等炭素原子核にミュオンを照射・結合させて前記炭素原子核よりも有効核電荷又は原子番号の小さい原子に核変換してよい。
*なお正ミュオンを炭素12原子・炭素13原子に結合させ、(又は炭素原子核周りの電子に結合させ、)ミュオンの寿命中にミュオン持つエネルギーや、ミュオン寿命後に生じる正ミュオンの静止エネルギーを炭素原子核に与えて、炭素原子核を励起させ、その後の炭素原子核を核変換等に用いることを試みてよい。正ミュオンが静止して崩壊した際に50から数十MeVのエネルギーを陽電子のエネルギーとして放出しうる。そのエネルギーを陽電子と原子核の衝突に用い、陽電子のエネルギーにて原子核を励起して、核破砕・核変換に用いてもよい。
*正ミュオンでは高エネルギーの陽電子が生成され、前記陽電子が原子核を核破砕するとした時、原子核内の中性子を弾き飛ばす可能性がある。*負ミュオンの場合は原子核を励起し中性子とアルファ線に核変換しうる。
*正ミュオンを用いて高エネルギーの陽電子を得て該陽電子にて炭素13を励起しアルファ線と中性子・陽子・粒子に核変換できれば、(核変換後の中性子のベータ崩壊、)質量欠損によりエネルギーを得られるかもしれない。
ミュオンを照射するターゲットT1部の炭素材料内の炭素13(又は炭素12等炭素同位体等のようなミュオン照射によりヘリウムに変換される原子核)の割合を自然界に存在する炭素13(又は炭素12等炭素同位体等のようなミュオン照射によりヘリウムに変換される原子核)の存在比利率よりも多くすることで炭素13(又は炭素12等炭素同位体等のようなミュオン照射によりヘリウムに変換される原子核)を含む炭素材料の前記核変換・質量欠損・エネルギー生成が多く起きるかもしれない。(中性子はベータ崩壊しうる。また中性子はホウ素のような中性子を吸収しやすい原子により吸収されうる。)
*ミュオンを炭素材料中の炭素原子に照射結合させて炭素13が反応する場合には炭素13の割合を増加させて良く、炭素12等の同位体が反応する場合には炭素12の割合を増加させて良い。(例えば炭素12等の炭素原子は3つのアルファ線の構造を持ち、該原子核が励起されたときにヘリウム原子に変換されうる)
*正ミュオンは例えばミュオニオメタンCH3Mu等の化合物を形成でき、その後寿命後に崩壊し炭素原子(炭素12原子)や水素原子に原子核励起のエネルギーを与えうるかもしれない。
*正ミュオンには公知の減速方法も存在する。高速でもよい正ミュオン(宇宙ミュオンにも含まれる)は、熱したタングステンWや酸化ケイ素・ケイ酸粉末・シリカエアロゲル(正ミュオン用の減速部・冷却部)に照射・経由することで、正ミュオンを減速可能であることは公知である。正ミュオンを減速・捕獲後にターゲット部T1にある原子に正ミュオンを照射してT1にて核変換が起きるか否か実験してよい。
(例えば中間子生成装置から生成された高速な正ミュオン、又は正の宇宙ミュオンを、シリカエアロゲルにより構成された減速器アレイ(図19の(A)の2MDCE-2DFDを例えばシリカエアロゲルシートとしたもの)にて減速捕獲し、ミュオニウムとしたのち、正ミュオンをT1部に照射・投入してよい。)(なお宇宙ミュオンには正負ミュオンが含まれている。正/負のミュオンを宇宙ミュオンより分離できてもよい。)
[*注:ばらばらの核子・陽子・中性子を原子核に集め核融合させると質量欠損しエネルギー(E=mc2)を放出するという核融合の基本概念によれば、ホウ素11と水素や窒素15と水素のミュオン核融合については核融合エネルギーを生じえると発明者は考えている。他方、実証できていないが、炭素同位体・炭素13・炭素14のような原子核においても励起した炭素の原子核を経てヘリウム・中性子・粒子に崩壊又は核変換して、場合によっては質量欠損しうるかもしれないので、この工程も本願の1つの形態では利用してよい。)]
○本願の1つの実施形態では炭素原子(・炭素の同位体)にミュオンを投入照射しヘリウムに変換するミュオンを用いた核変換を試みてよい。
○炭素(3つのヘリウムの構造含む)や酸素(4つのヘリウムの構造含む)の同位体を含むターゲットにミュオン・正ミュオンを照射投入してよい。ミュオンを結合させ原子核を励起させヘリウム又は原子番号Zの小さい原子核に変換することを試みてよい。
(炭素13の)炭素の例で記載した内容に類似して、酸素17等の酸素同位体にミュオンを照射した際に、4つのヘリウム単位と中性子・粒子に変換される可能性がある。
(類似して、同位体について炭素は3つ、酸素は4つ、ネオンは5つ、マグネシウムは6つ、ケイ素は7つ、硫黄は8つ、アルゴンは9つ、カルシウムは10、チタンは11、クロムは12、鉄は13、ニッケルは14、亜鉛は15のヘリウムの構造を含むのでそれら原子について正ミュオン・ミュオンを照射して核変換の有無を調べる実験をしてよい。
(アルファ反応においてヘリウムとの核融合で形成されるZ=6からZ=28までの原子核についてミュオンを照射投入し核変換するか調べる実験システムを構成してよい。)
核子1つあたりの結合エネルギー・核結合エネルギーは鉄・ニッケル(56 Fe-62Ni)付近で最大である。ニッケルより高Zの原子では核子1つあたりの結合エネルギーが低下する。正ミュオンを照射してNiより高Z側の原子に正ミュオンを衝突させた場合、核破砕・核分裂反応により高Zの原子核がより低Zの原子核に分割・核変換され、核変換後に質量欠損があるなどした場合にはエネルギー生成起きる事も期待する。)
*本願の1つの形態によれば、Zが偶数の原子核であってアルファ線の単位に分割可能な炭素や酸素やそれ以上のZの原子核(例:炭素、酸素)へミュオンを照射・結合させ励起し他のZの低い原子核(炭素の場合のアルファ線や、酸素の時の炭素12とアルファ線)に核変換させる事を(変換可能な原子核について)試みて良い。
*負ミュオンの場合、原子核のZが大きいほど負ミュオンが弱い相互作用を受け寿命が短くなり原子核の陽子と結合しミュオン原子核捕獲反応しやすいはずである。
他方、正ミュオンの場合、正電荷のため(T1が高Zな原子であっても)原子核内の陽子とは結合しにくいかもしれない。
○パイオンより正ミュオンが生成される。加速器よりパイオン・ミュオンを生成しタングステン・酸化ケイ素の正ミュオン減速器部にて正ミュオンを減速した後正ミュオンビームとして取り出して炭素ターゲット部T1に照射してよい。
<LLFPの変換、原子Aの原子Xへの変換>
○LLPF等の高Zの原子を核変換してもよい。原子Aに原子Bをミュオン投入しミュオン核融合させ原子Xを製造してよい。
○LLFP・放射性原子等の核変換において負ミュオン・正ミュオンをLLFPに照射して核変換を促してよい。
例えばミュオンは放射化した炭素ミュオン標的に結合しミュオン原子核捕獲反応により炭素ミュオン標的内の原子核を1つZの低い原子核に変換しつつ、ミュオン静止エネルギーを原子核に与え原子核を励起し、原子核によっては励起後に別の原子核に変換できるかもしれないので(放射化されたミュオン標的の放射性原子核・炭素原子核などをヘリウムに変換できるかもしれないので)ミュオン照射してよい。
○また減速されてもよい正ミュオンは寿命により崩壊し高エネルギーの陽電子を生成し、陽電子は炭素ミュオン標的内の原子核に衝突し原子核を励起させヘリウムなどに核変換できる可能性があり本願にて放射化されたミュオン標的の放射性廃棄物の核変換・放射性廃棄物の除去システムに用いてよい。*他に加速された正ミュオンは中間子ミュオンを生成しうるかもしれないので正ミュオンをミュオン標的に照射してよい。
(正ミュオンは炭素ミュオン標的内の原子核を核破砕反応しZの小さい原子核・中性子・陽子・粒子に変換したり、中間子の生成もできうるのでミュオン標的又は核変換用のT1部に用いてよい。)
○正ミュオン(正のレプトン)を亜鉛・カドミウム・鉛・ビスマス・水銀などの高Zの原子核に照射し、核破砕して、Zが小さい原子核へ変換してよい。(循環する水銀蒸気に正ミュオンを照射し中性子をひとつづつ飛ばして行くことで水銀原子核の中性子数を減少・制御し、197Hgを得ることができればその後197Hgを197Auに電子捕獲で変換することを試みてよい。水銀198等から水銀197を得て金197を、カドミウム110等からカドミウム109を得て銀109を、亜鉛64から亜鉛63を得て銅63を得ることを試みてもよい。)
【0095】
<ミュオン・中間子の生成装置>
○ミュオンを生成するためにFFAG・MERITリングなどの方式でもよい粒子加速器を用いて可動なミュオン標的(標的粒子・標的原子)に衝突用の陽子・粒子を照射・衝突させ中間子・ミュオンを生成する系を開示した。
○例えば薄い円盤や薄いチェーンソーの刃・チップ部分でもよい可動なミュオン標的を開示した。
(またチェーンソーの刃・ソーチェイン・チップ部分をミュオン標的として前記ミュオン標的をチェーンソーの刃・チップのようにチェーンで送り出してはチェーンキャッチャー部で回収し刃部分のミュオン標的を回収したりミュオン標的メンテナンスする方式を開示した。チェーンソー方式では陽子など照射を受け高温になりうる箇所2CLPからベアリング部を離れさせるようにすることもできるかもしれない。(図13の(C)のようにソーチェインの刃・チップ部にミュオン標的をつける事で、陽子ビームがチップ部標的に衝突しミュオン生成しつつ加熱される箇所2CLP・MU-MOVABLE-TGT部をソーチェーンの両端ベアリングから離れた箇所に設置できる。)
○なお前記ミュオン標的メンテナンス中の、陽子・ヘリウム・陽電子・正ミュオン等の照射を受け中間子ミュオンを生成していない標的部は、前記のミュオンを用いた核破砕・変換されるT1となってミュオン標的上の放射性物質を核変換・除去するようにしてよい。例えば中間子を生成し中間子(正パイオン、負パイオン)から正ミュオンと負ミュオンを生成可能なミュオン生成装置について、正ミュオンと負ミュオンを分離できてよく、核融合用に負ミュオンを取り出して核融合用T1に照射してよく、並列して正ミュオンを前記ミュオン標的部に照射しミュオン標的部の放射性同位体の核変換してよい。負ミュオン核融合発電と放射化物質核変換を併せて行うシステムであってもよい。
○また該ミュオン標的は炭素を用いた場合に、放射化による高寿命高レベルの放射化されたミュオン標的となり放射化された廃棄物の出る恐れがあったが、それを防ぐため、リチウム7のみからなるミュオン標的や水素・ヘリウム・正ミュオン・陽電子・粒子を用いたミュオン標的(若しくはそれらを衝突粒子・標的に用いる系)を開示した。
○また陽電子と電子又は負ミュオン・ミュオンと正ミュオン・反ミュオンを粒子衝突させて(レプトンを衝突させて)粒子・中間子・ミュオンを生成してよい。
○正ミュオン・陽電子を加速して標的に衝突させて中間子・ミュオンを生成させて良い。また正ミュオン・陽電子を加速して原子核に衝突させて核破砕反応を行ってよい。
例えば炭素を用いたミュオン標的が陽子照射により炭素と陽子で核融合する可能性があるとき、陽子の代わりに炭素原子核と結合しないレプトンの正ミュオン(陽電子)を照射衝突させ中間子ミュオンを生成試みてよい。ミュオン標的をT1に用いて放射性物質生成したT1の核変換を行ってもよい。
【0096】
<ミュオン減速器、ミュオン減衰部>
○さらに、天然の宇宙線や宇宙線由来の宇宙ミュオンを用いる場合について検討し、宇宙ミュオンや加速器応用粒子衝突由来の高速なミュオンを減速する減速器2MUDECE(焦電体利用型・キャパシタ型、電気二重層キャパシタ型、レーザー航跡場型、パルスレーザー・プラズマ型)についても検討を行い考案を開示した。
○*宇宙ミュオンを減速して水素分子・水素に照射し、水素同士のミュオン触媒核融合に用いてよい。(水素、D、Tを含むプラズマを磁場により閉じ込め、ミュオンを照射し磁気閉じ込め核融合を促してもよい)宇宙線や宇宙ミュオンを利用できる場合、水素原子同士で問題であったヘリウムが生成し反応が止まる場合であっても、ミュオン生成にエネルギーは不要となりミュオンを減速し水素燃料に照射し核融合させられるエネルギー収支がペイする場合には宇宙ミュオン触媒核融合発電に用いることができるかもしれない。
【0097】
<ミューオンとニュートリノに関する宇宙構造物、通信システム、電子・量子計算機>
○さらに減速器を用いてもよいミュオン・粒子・宇宙線を減衰させた箇所・容器について開示し、電子計算機・量子計算機1COMPUTERの記憶装置1MEMORYや処理装置1PROCESSORのエラーを低減させる宇宙線・ミュオンを減衰させる容器LM1Zとして開示した。ニュートリノ測定時に前記ミュオン減速器を用いることでニュートリノ検出器を地上のみでなく減速器をもちいてミュオン減速した箇所で検出することを開示した。
○ニュートリノビームを用いてミュオン・粒子を生成可能な箇所2MU-BY-NUTにニュートリノビームを照射し、2MU-BY-NUTにてミュオンを生成しミュオンをターゲット部に結合させミュオン核融合・核変換に用いることを開示した。
○ニュートリノをミュオン・中間子生成時に発生させ、それを質量の大きい点や天体を用いてニュートリノを質量又はフレーバー(電子・ミュー・タウの質量違いの3種)毎に質量の違いを重力で振り分けて分離することと、当該分離後にニュートリノ検出することでエネルギー・ニュートリノ質量の分割型の通信を行うことを開示した。
○宇宙や加速器で生成させたミュオンを用いて動力や電力やアルファ線噴射型推進部及び光子を放射する反動で推進する宇宙船3・宇宙構造物3・宇宙探査ロボット3を開示した。
また3はニュートリノ通信を行えてもよい。
【0098】
本願の考案、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。
【0099】
<他の核融合方式との組み合わせ>
*レーザーによる慣性閉じ込め核融合炉や磁気閉じ込め式の核融合炉等他の核融合の方式に、本願のシステムを組み合わせて核融合・核変換を行えるようにしてもよい。
<磁場閉じ込め型核融合炉のトカマク型・ヘリカル型・ミラー型・スフェマロック型・FRC型容器にT1を搭載しT1へミュオン照射しミュオン核融合させる構成>
例えば図27ではトロイダル方向に複数配置したTFコイルでもよいコイル2COIL若しくはステラレータ・ヘリカル型のコイル2COILを備えた容器4D-MUCF内のターゲットT1にミュオン生成部M1からミュオンを照射する構成の説明図である。
容器4D-MUCFの容器やコイルについては、国際熱核融合実験炉ITERのTFコイルを備えたドーナツ・環状容器やステラレータ型のヴェンデルシュタイン7-X(ドイツ)又は大型ヘリカル装置LHD(日本)のドーナツ・環状の容器と同じ容器やコイルを備える容器4D-MUCFでもよい。
例えばプラズマのT1部を持つ4D-MUCFはITERの装置と同様に、
炉・炉壁・容器には、炉壁、ブランケット、ダイバータ、容器・真空容器・圧力容器を備えてよい。(真空や圧力を保てるよう設計されたポート部。開口部・窓部を備えて良い。例えば炉壁にはミュオンを容器外部や容器に取り付けたミュオン生成照射部M1より容器内のT1に導入できてよい。)4D-MUCFはITERの装置と同様に、磁場閉じ込め関連部として、センターソレノイドコイルCSコイル、トロイダルフィールドコイルTFコイル、ポロイダルフィールドコイル、コイル・電線・導線(超電導線等でもよい)を備えてよい。4D-MUCFはITERの装置と同様に、プラズマ加熱装置、高周波加熱装置、中性粒子入射装置、イオンビーム入射装置を備えてよい。4D-MUCFは電力供給系、冷却系(炉壁関連やコイル)、T1燃料供給系、燃料回収系、核融合生成物回収系、真空排気装置、ポンプ、圧力調整装置、バルブ類、各種センサー類 および 制御機器類、コンピュータ、電源、遠隔操作炉壁交換装置又はロボットを備えてよい。
また、4D-MUCFは回転可能な容器4D-MUCF-ROTの場合は図31のような軸受4B・支持部を備えてよいし容器回転部4ROTを備えてもよい。容器回転のため推進させる回転部・推進部4ROT・4ROT-THは重量のある容器を十分な推進力にて推せるように化学ロケット推進部・水素燃焼ロケット部や、レーザーを用いた固体燃料の加熱蒸発アブレーションによる推進機の4ROT・4ROT-THを用いてよい。)
容器4D-MUCFを含む核融合・核変換システムは容器4D-MUCFのT1にミュオンを照射可能な手段を備えて良い。4D-MUCF含むシステムはミュオン減速部や捕獲部を備えてもよい。
容器4D-MUCF内のT1が流体の場合、流体の圧力調整部や容器を介した冷却部・温度調整部、T1の循環ポンプ、T1の供給部と核融合生成物EX1の回収部を設けてよい。
容器4D-MUCF内のT1がプラズマの場合はプラズマの加熱装置、中性粒子入射装置、イオンビーム入射装置を備えてよい。
*4D-MUCFの炉壁4D-IN(あるいは容器4D-MUCF)は継ぎ目のない、金属の板や塊を叩き出して・打ち出して・鍛造して作り出した継ぎ目のない容器や炉壁を用いてよい。(流体の1が加熱され膨張する圧力に耐えたり、T1がプラズマの場合プラズマ保持のための真空の圧力に耐えたり、容器が回転・内部T1膨張・加圧させられても引張に耐えるよう金属の打ち出し・鍛造による継ぎ目のない鍛造品により作られてもよい。)
4D-MUCFは、その容器や炉壁に、T1の核融合で生じたアルファ線のエネルギーを変換できるAECを備えていてもよい。
*プラズマを用いる磁場閉じ込め核融合炉においてFEEDの水素とホウ素11をプラズマ化して熱により運動させ衝突させ核融合させようとすると、DT燃料を用いた核融合と比較してクーロン障壁が高く反応しにくくなり、より高温での核融合を行う必要が生じるが、該プラズマの11BとPを含むFEEDに(P-11B反応、P-15N反応、D-14N反応、CNOサイクル反応内の核融合反応、そのほかに中性子やガンマ線が出るものもあるが、D-T反応、D-D反応、D-3He反応、D-6Li反応、陽子-陽子反応、アルファ反応、トリプルアルファ反応、炭素燃焼過程、ケイ素燃焼過程、高Z原子同士の核融合反応など核融合を起こせる可能性がある核燃料FEEDに)ミュオンを照射しプラズマとミュオンをドーナツ環状真空容器4D内(容器内の磁場の籠)に閉じ込めることで原子同士(11BとP)の核融合を促そうとすることもできる。
またすでに述べたようにミュオン核融合はプラズマより低温であるFEEDであってもミュオン核融合を試みることができ、アンモニアや水素化ホウ素を流体として容器内部に充填した環状の4Dや4D-MUCFにミュオンを照射してミュオン核融合反応を促してもよい。
*ドーナツ状真空容器4Dにイオンであるホウ素とプロトンをプラズマの形態で磁場にて容器内に閉じ込め4Dのトロイダル方向に循環させてよい。
*液体アンモニア・液体水素化ホウ素の入ったドーナツ状容器は内部で核融合反応起きたときに加熱され高圧になりうる。4Dや4D-MUCFは高圧に耐える強度のいる・継ぎ目のない金属、圧力容器であってもよい。例えば金属板や金属塊を打ち出して・鍛造して容器4Dや4Tや4D-MUCFや4T-MUCFを作り出してよい。
*ミュオン核融合において、プラズマよりも低温の気体・液体・固体の温度でのミュオン核融合も試みてよい。
そして気体・液体・固体の温度域ではミュオン核融合しにくいとなった場合には核融合させたい(高Z側の・クーロン障壁大きい)原子同士をプラズマ温度で核融合可能な真空容器内に投入し、ミュオンを照射し(他にプラズマ加熱のためCSコイルや中性粒子ビームなどでプラズマ加熱・プラズマに点火して)より反応しやすい条件でミュオン核融合させることを試みてよい。
*しかし、プラズマでもミュオンでも接近可能な距離を狭まることはできるうるがさらに近接させたい場合があるかもしれない。
そこでミュオンをT1原子核に結合させ原子同士を近接しやすくした上で、該T1にレーザー又はイオンビームを照射し(慣性閉じ込め手段2ICF)によりFEED部分を圧縮し慣性閉じ込めして、FEED内の核融合させたい原子を高密度に閉じ込め原子核同士を接近させ核融合させて良い。
<筒状容器>
例えば、図34(C)はシータ方向に回転可能な容器4T-MUCFに減速器2MUDECEを取り付けて減速器部でミュオンを受け取り減速しミラー型・タンデムミラー型・FRC型(スフェマロック型)等の筒状・チューブ状の容器4T-MUCFの炉心部・ターゲットT1部にミュオンを投入照射しT1部の原子をミュオン核融合・ミュオン核変換させるシステム1EXP-SYSの説明図であり該システムはT1で核融合後に生じた荷電粒子・アルファ線等をAEC部にてエネルギー変換し電磁波や電気磁気のエネルギーとして取り出したり、荷電粒子をそのままシステム外に噴射し推進する説明図である。
*磁場によりミュオンを閉じこめ、ミュオンを磁場内・磁場内のT1部で移動・回転させ又はそのバイアスをかけて良い。
<荷電粒子による直接発電部AEC>
4D-MUCFでP-11BやP-15N等のアルファ線を生じる反応(またはD-3Heのアルファ線とプロトンの生じる反応)が起きる場合に、アルファ線・プロトン・荷電粒子のエネルギーを回収できてよく例えばアルファ線の運動エネルギーを回収するために静電場を用いたビーム直接発電機・プラズマ直接発電機、変動電磁場を用いるペニオトロン型コンバータ・ジャイロトロン型コンバータ・進行波型コンバータ、磁場・電磁誘導を用いるピックアップコイル・誘導型MHD発電に用いてよい。
図27(C)のミラー型・プラズマを電位の壁で閉じ込めるタンデムミラー型・FRC型・開放単型磁気閉じ込め装置の筒状容器部4T-MUCF(又は回転可能容器4T-MUCF-ROT)にて進行波型直接エネルギー変換器(TWDEC)・プラズマ直接発電機・ぺニオトロン型(ベニオトロン)・ジャイロトロン型コンバータのAECを用いてもよい。
AECより生じた電磁波エネルギー・光子を光電変換素子や発電部・発電装置1GENRで受けて電力に変換してよい。またアルファ線を光触媒あるいはアルファ線の照射を受けて光電変換作用により起電力や光触媒作用を生じる素子・材料部を用いてもよい。
アルファ線を直接酸化チタンに入射させ光触媒反応にて水から水素を得ようとしたり、アルファ線エネルギーから化学反応用の熱や光を得てもよい。例えば、結合エネルギーを超える波長の短い光子をAEC経由で生成し該光子を窒素や酸素や二酸化炭素、金属酸化物に照射し、化学反応を経て製品となる物質・化学燃料に変換してもよい)
ガスタービン式の火力発電と同様に、AECより得たエネルギーをボイラーに投入し水蒸気を得て蒸気タービンを回転させ発電に用いてよい。
4D-MUCFは、T1の核融合で生じたアルファ線を荷電粒子をTFコイル等の磁場により閉じ込めてサイクロトロン円運動させT1内でミュオン核融合が生じつつあるミュオンを磁場により動かしたり撹拌したり円運動により撹拌したりしてよい。
*本願図19の磁場を印加したT1内でミュオンが磁場・磁力線に沿って円運動することを記載している。(図19ではミュオン触媒核融合させるT1部について磁気を使って磁場T1-2BMUに沿ってミュオンを保持し・磁場で閉じ込め・移動させ、T1にミュオンが静止せずに磁場によって移動させかき混ぜる構成を記載している。)
*トカマク型においてプラズマやプラズマ電流はトーラス状・ドーナツ・環状構造のトロイダル方向に向けて流れたり移動・回転することができ、また中心コイルにより導体であるプラズマに電磁誘導によりプラズマ電流を流したり、TFコイルによりトロイダル方向に一周してもいプラズマやミュオンを保持する事ができるので4D-MUCFのコイルにトカマク型のTFコイル・CSコイル・ポロイダルコイルを用いてよい。
*CSコイルを含む4Dの形態を持つ4D-MUCFはプラズマ電流を流しT1・FEED部を加熱しうるので1つの形態では用いてよい。
<ステラレータ型磁気容器>
*ヘリカル型・ステラレータ型ではトロイダル磁界とヘリカル磁界とによって螺旋状(ヘリカル)の磁気容器にプラズマないしは荷電粒子(電子・イオン・ミュオン)を閉じ込める事ができるので4D-MUCFのコイルにヘリカル型・ステラレータ型にも用いられる螺旋状の磁気容器を形成しうるコイル2COILを備えさせて良い。
*ステラレータ型コイルを用いることで、ステラレータ型コイルにより形成された磁気容器以内にプラズマのT1や液体・気体・流体(固体)のターゲットT1を配置しT1内を含む磁気容器の磁場の向き(2MFC、2MCF-ORBIT、4MU-ORBIT)にミュオンを保持しミュオンをトロイダル方向(2MFC-ORBITの矢印方向)に移動・回転・循環させうる(図27の(C)や(A)のミュオンが矢方向に回転する図のように)ので用いてよい。ヘリカル型の4D-MUCFである容器4D-MUCF-HにT1・FEEDを装填して磁場を形成し磁気嘔気を形成しミュオンをFEEDに照射してよい。ミュオンをステラレータの磁場容器・磁気の籠にて保持してよい。
*ヘリカル型のコイルと磁気容器が好ましい場合もあるかもしれない。トカマク型で単純トロイダル磁場のみでは、プラズマ閉じ込め時に、外側で磁界が弱くなるため、粒子ドリフトによる上下方向の荷電分離が生じ、それによって出来る垂直方向の電界が本来のトロイダル磁界に加わり、荷電粒子に外向きの運動を行わせ、その結果として粒子が系外に飛び出す。それを防ぐ手だてとして、中心コイルに電流を流しプラズマ電流で磁場をひねって螺旋状の磁気容器を形成し電子イオン・プラズマを磁気容器内に保持する。他方、ヘリカル・ステラレータ型では(磁気容器を生成するコイルを用いて)螺旋状(ヘリカル)の磁気容器にプラズマを閉じ込めることが考えられた。前記ステラレータ型ではCSコイル不要・電流不要で螺旋状磁気容器が形成できその中にミュオンを閉じ込め可能となり、閉じ込めに必要な電流のうちCSコイルの分は減らせる利点があるのでステラレータ型・ヘリカル型の磁気閉じ込め核融合炉の容器とコイルを本願ミュオン核融合のターゲットT1・FEED部の容器に用いてよく、そこへミュオンを照射しミュオン核融合・核変換を試みてもよい。)
*ミュオンを減速してT1へ照射投入してもT1から拡散する等して他の場所に逃げてしまう可能性がないとは言えないので、ミュオンがT1を含む容器から逃げ出ないようにするために磁気容器にてミュオンを保持してもよい。磁気容器内にはプラズマのT1・FEEDほかに固体・流体・液体・気体のT1・FEEDを内包してよい。
<T1を含む磁気容器内にそって・磁場にそってミュオンを移動させる構成>
プラズマは中性分子・イオン・電子の荷電粒子の流体である。前記プラズマに電子・イオンの代わりに負ミュオンや正ミュオンを照射投入しTFコイルが作るトロイダル方向への磁場内に保持し1周・循環できる可能性があり、前記循環させる途中でT1・FEEDと接触衝突させ核融合反応を促すことが可能かもしれないので、4Dのようなドーナツ・環状・トーラス上の容器のTFコイルの作る磁場・磁力線に沿ってミュオンを投入し磁力線の軌道にのせてトーラスのトロイダル方向に一周・回転・循環させつつ核融合燃料FEEDと接触させて良い。
例えば、ターゲットT1部の液体アンモニア(15NとH)等の燃料FEEDにミュオンを照射してミュオン容器4D-MUCFのコイル2COIL(ステラレータのコイル2COIL-STR)の磁気容器内で保持しトロイダル方向に移動・回転させつつミュオンをT1に触れさせる構成としてよい。その場合4D-MUCFは核融合反応により加熱され加圧されても圧力に耐えてよい、圧力容器でもよい磁場閉じ込めミュオン触媒核融合炉容器となる。(例えば11Bと陽子又は15Nと陽子を含むプラズマをT1としてもよい。その場合4D-MUCFは真空容器の磁場閉じ込めミュオン触媒核融合炉容器となる。)(なお、15Nと陽子による核融合をした場合、ヘリウムと炭素12が生じそれを除去する部分が必要である。液体のアンモニアの容器が回転している場合(4D-MUCF-ROT)、ヘリウムや炭素12が生じた場合に液体アンモニアと固体と推定される炭素12と気体のヘリウムが得られそれが回転する容器内で遠心分離されて除去されやすくなる恐れがありその機構を核融合反応後生成物の除去回収機構に用いてよい。図7から図9のように公知の例でループ内をFEED循環させFEED内のHeを除去してよい。)
*4D-MUCFの構成では核融合の触媒であるミュオンをT1の中で磁場により回転・移動させ、未反応のT1の方向に動かすことで触媒であるミュオンを核変換生成物のヘリウム等(例えばP-15N反応の場合ヘリウムに加え炭素12)に埋もれさせないようにする(未反応のT1により触れさせ反応させようとする)意図を持つ。
*もしミュオンがT1に照射された後動かない場合、ミュオンは核融合で生成したヘリウムなどに囲まれ触媒核融合が減速停止する恐れがあるが、TFコイル等の磁場の中にミュオンが閉じ込められ磁場Bにより円運動移動できるときはミュオンがT1をヘリウム等にミュオン核変換核融合しつつ未反応・フレッシュなT1に向けて磁場により動かされ、ミュオンが排ガスのヘリウム等に覆われる事を防ぐ。
(LiBH4やNH3の場合のように有効核電荷が大きい原子を含むT1のいる方向に磁場の力でミュオンを回転移動させ動かして、有効核電荷が大きい原子(LIBH4のBやNH3のN)にミュオンがトラップされ触媒核融合反応し、その反応が続くようにしたい意図がある。)
*また容器が回転できる構成では容器内の流体は遠心力を受け、もしくは回転により容器内の流体が撹拌されうる。
*容器内のT1を混合撹拌するように、容器に燃料を入力し回収するポートと燃料供給加圧経路を備えさせポンプにて加圧してT1にFEED流体を圧送しつつポンプ圧力で撹拌混合も試みてよい(液体や気体のT1を含む容器の壁面にバッフル板/邪魔板を配置し乱流を発生させるよう試みてもよい。なおプラズマ容器の場合プラズマ面に飛び出るような邪魔板はプラズマと接触して利用しにくいので利用しなくともよい。)
【0100】
*また、容器4D-MUCFや4D-MUCFの炉壁4D-INは高Zな鉄等含む高強度・安価な素材を用いうる。負ミュオンは高Zな素材にトラップされうる。他方容器4D-MUCFのコイルによる磁気容器内に負ミュオン・ミュオンを保持させればT1・FEED部より高Zな炉壁4D-IN部にミュオンが拡散し4D-INの高Z原子にミュオンがトラップされT1と接触せずに崩壊・消失することを防げるかもしれない。そこで本願では(ミュオンが炉壁など高Zな素材に到達しないように)磁気容器にてミュオンを閉じ込めT1と結合させることを試みてよい。
【0101】
<実施の想定例>
図27において、*例えば固体や流体の水素化ホウ素化合物、液体アンモニア、LiNH2、LiBH4等の核融合燃料や炭素材料の核変換原料をFEEDをT1として、FEED・T1を4D-MUCF内部に充填・配置して、M1にてミュオンをT1・FEEDに照射しミュオン核融合試みてよい。*4D-MUCFは流体や固体のT1を搭載したT1が加熱され蒸気圧を生じてもよい圧力変化にも耐えうる容器であってもよい。
図27(C)は回転している容器にミュオン減速器2MUDECEを取り付けて置き、回転する容器の減速器部に高速でもよいミュオンを照射し、容器は減速器にて入射してきたミュオンを減速し捕獲し容器内のT1に照射移動させる構成の説明図であって、ドーナツ・環状容器4Dや筒状容器4Tについて、ドーナツのトロイダル方向に回転した容器4D-MUCF-ROTや筒のシータ方向に回転した容器4T-ROTであってもよい。*2MUDECEを容器4D-MUCFや4Tに取付配置することで回転する容器4Dや4Tはミュオンを受け取って減速可能。*図27(A)・(B)はドーナツ状容器4Dにミュオン照射部M1とその容器4Dとの接続部を取り付けた際の説明図。
*4D-MUCFは真空容器であってもよく4D-MUCFはプラズマのT1を格納し磁場により閉じ込めし保持してもよい。
(先の出願の容器4D、4D-T、4D-ST、4D-ST、4D-H、4D-SH、回転可能な4D-ST-ROT、4D-SH-ROT、ヘリカル型4D-H、筒状4D-Tであってもよい。)
圧力容器4D-MUCFの容器内部に固体・液体流体のターゲットT1部を充填または配置してミュオンをターゲットT1部に照射してよい。(例えば液体アンモニア、水素化ホウ素、NH4BH4やLiND2等のFEED)
4D-MUCFは磁気閉じ込め式核融合炉と同じく、磁場により荷電粒子をドーナツ状容器4D-MUCF内に閉じ込めてプラズマ4PZのように容器4D-MUCFに保持しうる。
水素とホウ素の核融合で生じうるアルファ線やミュオンのような荷電粒子をドーナツ状容器内のコイルの磁場によりトロイダル方向に回転させるように保持可能である。
*アルファ線のエネルギーをコイル・磁場(又は容器内に設置した電場磁場によるアルファ線の運動エネルギーを電磁場により電気エネルギーに変える変換機)により構成されたAECにより回収できてもよい。
図27は磁気閉じ込め型の核融合炉においてプラズマのほかに水素化ホウ素やアンモニア等のT1・FEEDとなる素材で満たしミュオンを当該T1部に照射可能とし、4D-MUCF内に照射されたミュオンが2COILの磁場により4D-MUCFのドーナツのトロイダル方向に閉じ込め可能で、核融合により称したアルファ線もコイルにより閉じ込め可能であり、AECの一部要素であるコイルによりアルファ線のエネルギーを回生し発電に用いても良い構成の説明図である)
【0102】
<<以下の項目では、プラズマの核融合燃料を磁気閉じ込めする核融合炉とその容器4D、4T等に関する以下の出願を引用し説明する>>
磁気閉じ込め用のコイル2COIL(・4C-EDL)や真空容器4D及び容器壁面4D-INは回転可能でもよい構成である)
<<優先権を主張した出願による追記部分>>先の出願、特許出願、特願2023-174037を以下のように引用し援用する。また特許出願特願2023-174037について追加の記載を優先権を主張して行う。
<書類名>特願2023-174037の明細書
<発明の名称>真空装置、真空容器
<技術分野>
<0001>
本考案・本願は真空装置、真空機器、真空ポンプ、真空容器に関する。作動液体を用いたポンプと真空容器を開示する。(本願は実証が必要である)
<背景技術>
<0002>
(1)<真空ポンプ>真空ポンプにはスプレンゲルポンプ(水銀を用いて大気を排出するポンプ)、水銀拡散ポンプ、拡散ポンプ、油回転ポンプ(作動液体に油を用いるもの、ローター・シリンダー・カム・ベーンの摺動部を油・流体にて潤滑・シーリングする物)、液封式ポンプ(液封式圧縮機、水封式ポンプ、羽根車をモータ等動力で駆動し作動液体による液体リングを形成する物)、渦巻ポンプ(渦巻ポンプを用いてスプレンゲルポンプの様に液体を循環させ真空槽内部の大気を取り込んで排出するポンプでもよい)が存在する。(図4
<0003>
液封ポンプ・液封真空ポンプの作動液・作動流体は前記ポンプの到達可能な真空度・圧力(Torr・Pa)の上限を決定する。特許文献1に記載のように、液封真空ポンプでは回転する流体環が互いに相対する羽根室同士を密封し、ガスに必要な圧力エネルギーを伝達するために必要であって、前記環の液体の蒸気圧が、達成し得る吸引圧力レベルの最低値を制限する。例えば水や油を用いるときはその液体の蒸気圧に制限される。また同様に、スプレンゲルポンプ等においても用いる液体金属・水銀の蒸気圧により到達可能な(真空の)圧力が決定される。作動液体として水銀を用いたポンプが古くから公知であり白熱電球の製造等で用いられている。
<0004>
真空ポンプの作動液・作動流体の蒸気圧は低いことが好ましいかもしれない。公知の方法として、特許文献1のように、(出願時点では高価であるが、)蒸気圧が低い特徴を持つイオン液体を用いた液封ポンプが公知である。
<先行技術文献>
<特許文献>
<0005>
<特許文献1>特表2008-530441
<非特許文献>
<0006>
<非特許文献1>インジウムコーポレーション社、「ガリウムの特徴と利点」各金属の温度と蒸気圧関係。インターネット、令和5年4月12日閲覧、https://www.indium.com/products/metals/gallium/#image-4
<非特許文献2>「Vapor Pressure Mapping of Ionic Liquids and Low-Volatility Fluids Using Graded Isothermal Thermogravimetric Analysis」2019, 3(2), 42; https://doi.org/10.3390/chemengineering3020042
<発明の概要>
<発明が解決しようとする課題>
<0007>
本願において解決しようとする問題点は、(実用的又は安価な、)蒸気圧の低い、前記真空ポンプの作動液体を考案することである。
<0008>
(2)本願は水・油・水銀の代わりに天然深共晶溶媒NADESやガリウム・ガリウム合金・溶融した錫・溶融金属を用いた真空ポンプ・スプレンゲルポンプ(ガイスラー・スプレンゲルポンプの水銀をガリウムやDES・NADES等別の物質に置き換えたもの)を開示する。
また水を含む内容物Nを真空引きする際にポンプ4RFPに水分が取り込まれる恐れがある。そこで水分を除去する部分や水分を取り込みにくい・取り込んだ水分を分離しやすい作動流体の提案(DES利用時の疎水性DES利用、或いは同様にイオン液体利用時の疎水性イオン液体の利用)を記載する。
<課題を解決するための手段>
<0009>
(3)<解決手段としての液体金属の作動流体への利用>本願はガリウム・ガリウム合金・溶融した錫・溶融金属を前記作動液体に用いた真空ポンプを開示する。例えば図1のスプレンゲルポンプ式の真空ポンプ4RFPに前記ガリウム・ガリウム合金・ガリウムインジウム錫GaInSn・溶融した錫・溶融金属を用いてよい。
非特許文献1においてもガリウム及びインジウムの蒸気圧は水銀より低い。水銀を用いたポンプでは水銀の蒸気圧より高い真空に到達できないが、ガリウムの場合その蒸気圧は水銀より低く、前記ガリウムをポンプに用いることでより高い真空に到達させることを意図している。前記ガリウム・ガリウム合金・ガリウムインジウム錫GaInSn・溶融した錫・溶融金属を用いた液封ポンプ・ロータリーポンプでもよい。
<0010>
水銀と液体のガリウム・金属ガリウムを比較すると金属ガリウムは溶融時に蒸気圧が低く、ガリウムを作動流体に用いた真空ポンプは水銀を用いた場合よりも高真空に真空引きできうる。そこで本願では作動流体に液体ガリウムを用いたスプレンゲルポンプや、その他作動流体を用いる真空ポンプを含む、真空ポンプ4RFPを開示する。(*ただし、公知のようにガリウム資源量の制約があるため、本願ではこの開示とは別にイオン液体やDESを用いたポンプ4RFPも開示している。)
<0011>
(4)<解決手段としてのイオン液体並びに深共晶溶媒の利用>また前記作動液体にイオン液体・深共晶溶媒を用いた場合も開示する。液封ポンプ、ロータリーポンプにおいては真空ポンプ用オイルを用いるが、そのオイルをイオン液体・深共晶溶媒に置き換えた系(1、1IL、1DES)を開示する。
●イオン液体はオイルよりも蒸気圧が低い場合(10のマイナス2から3乗パスカルクラスの場合)、イオン液体を用いた前記ポンプは所謂ロータリーポンプ用の合成油・真空用オイルを用いた場合(0.1パスカル)より高い真空度への到達をできる事を期待する。
●DESのうちNADESは合成油・合成真空用オイルより生物・環境への影響が小さくなることを期待して食品用途の真空ポンプへの利用を開示する。
<0012>
液封ポンプ等で作動流体に用いる水をイオン液体・深共晶溶媒に置き換え真空度を向上させた前記ポンプにつながる可能性がある。またスプレンゲルポンプ等の真空ポンプにおいて作動流体に用いる水銀をガリウム合金系、ガリウムに置き換えることで蒸気圧が低下し、真空度を向上させた前記ポンプにつながる可能性がある。
<0013>
<イオン液体の利用>
非特許文献2によればイオン液体の蒸気圧は373から523ケルビンで10の-3乗から27パスカルの範囲にある。この値は水による液封ポンプの水の蒸気圧( 水温摂氏15度で10の3乗パスカル )やロータリーポンプのオイルの蒸気圧(10の-1乗、0.1パスカル)よりは低くできる範囲にある。そのため、イオン液体をロータリーポンプ・液封ポンプの作動流体に用いることで到達可能な圧力を低減できうる。本願では図1図3等の真空ポンプ4RFPにイオン液体を用いる系を開示する。
(注:水が作動液体である液封ポンプは到達圧力が10の3乗パスカル程度である。水が作動液体である液封ポンプは水の蒸気圧による制限がある。水温摂氏15度で10の3乗パスカルである。)(注:ロータリーポンプの作動流体は潤滑油部分。図4のシール部等)
<0014>
<深共晶溶媒DES、天然深共晶溶媒NADESの利用>
本願では前記作動液体に深共晶溶媒DES・天然深共晶溶媒NADESを用いてよい。非特許文献2によれば深共晶溶媒の蒸気圧は液封ポンプの到達可能な圧力よりは低いかもしれない。非特許文献2にはNADESなCholine chloride:urea (1:2) Relineの他に、NADESではないが人工なDESのCholine chloride:ethylene glycol (1:2) Ethaline、Choline chloride:glycerol (1:2)がある。それらNADES、DESの蒸気圧は313-433ケルビンの範囲で2-161パスカルであり、上記水の蒸気圧(10の3乗パスカル)より低いといえる。その為、本願で開示する1DESの4RFPポンプが液封ポンプ、ロータリーポンプ等であって、その作動液体に水の代わりにNADES・DES用いたとき、水より低い圧力・高い真空(2.12-161.95 パスカル)に到達可能である効果を期待する。
<0015>
*イオン液体にはイミダゾリウムカチオン等の人工的な有機カチオンと、[BF4-]、[TfO-]、[Tf2N-(TFSIアニオン)]、[PF6-]等のアニオンは人体になじみのない物質であることは考慮する。イオン液体の製造コストが高い可能性があることも考慮すると図2の食品用の用途で、液封ポンプやロータリーポンプの作動流体に用いるにはイオン液体より、人体に関わりのある物質、(天然に存在しうる、)塩化コリン・尿素等の系を用いるNADESのほうが好ましいと考えるため、本願ではNADESを用いたポンプ4RFPを用いる図2の系を開示する。
<0016>
本願では食品の用途に水を用いた液封ポンプ・ロータリーポンプより低い圧力に到達できるようにしつつ、人造油を用いたロータリーポンプの可食できない・人体に適合しないオイルミストの発生をさせない系として、塩化コリン(ビタミンB2複合体の一つ)と尿素(尿中に含まれる有機物)の混合物Choline chloride:urea (1:2) Relineを本願で開示する1DESの4RFPポンプが液封ポンプ、ロータリーポンプ等であって、その作動液体に水の代わりにNADES・DES用いてよい。
<0017>
前記作動液体に用いる場合、ポンプが大型になるほど大量の作動液体を要することが推定され、作動液体のコストを低減することが必要になる。金属ガリウムを作動液体に用いる場合資源量に制限があるガリウムに利用が必要になる。またイオン液体・DESも低コストであると好ましい。前記イオン液体はカチオンとアニオンからなる塩であり、極性が高く、合成時に副生物の塩や水分などを取り込むなどでそれらを分離する等により高価になる虞がある。
一方で深共晶溶媒DESは水素結合ドナー性の物質Dとアクセプター性の物質Aを混合・加熱することで形成出来、前記物質DとAをあらかじめ生成・精製しておき混合することで溶媒にして前記作動流体として利用する。
<0018>
(5)そのためDESは前記イオン液体よりも精製や不純物・水分の混入を抑えられるならば低価格化につながり、前記DESを作動液体に用いた真空ポンプは低価格・低環境負荷・作動液体の蒸気圧が非特許文献2図4のように水銀などより低く、到達可能な真空度を水銀を用いたポンプ、拡散ポンプ、油回転ポンプ、水を用いた液封式ポンプ、水を用いた渦巻ポンプよりも低くできるかもしれない。
<0019>
(6)環境負荷を低くし、大量生産にも貢献するかもしれない天然深共晶溶媒NADESが存在する。(例:塩化コリン・クエン酸の系)前記DES・NADESを真空ポンプの作動液体として用いてよい。例えば尿素と塩化コリンのDES(共晶温度12℃、モル比で尿素2:塩化コリン1)が存在し、温度12℃以上の環境では真空ポンプの前記作動流体に用いてよい。
<0020>
*深共晶溶媒(Deep Eutectic Solvent:DES):水素結合ドナー性の化合物と水素結合アクセプター性の化合物を一定比率で混ぜ合わせ室温で液体となる溶媒。蒸気圧が低い・難燃性・熱安定性・電気化学的安定性が高い・電位窓が広い・任意の物質を溶かしやすい等の特徴を有しイオン液体より安価な場合もある。天然に得られ環境負荷が低いとみられる天然深共晶溶媒も存在する。それらを用いてよい。
<0021>
(7)また水分や二酸化炭素など大気等気体を含む容器から真空ポンプにて排気するときに、前記作動流体・DES・NADESが取り込みした・吸収した・含んだ前記水分・二酸化炭素等を除去する部分4RFP-REFIを真空ポンプ・真空排気システムに備えさせて良い。例えば水分を吸収しやすいイオン液体・NADESを乾燥させる部分を装置・真空ポンプ・真空排気システムに備えてよい。
<0022>
(8)本願図2のように、食品用途で食品FDの乾燥・フリーズドライ・フリーズドライ食品製造に前記NADESを作動液体に用いた真空ポンプを用いてよい。冷凍・凍結された食品FDFを真空ポンプを動作させフリーズドライ食品FDFDRYを製造してよい。前記NADESは天然に得られうる物質であって、食品用(若しくは医療用・生物へ提供されるサービス用の)真空ポンプの作動流体に適しているかもしれない。フリーズドライにおいては水分を含む食品FDを凍結し凍結した食品FDFを得て、前記FDFを減圧下・真空下に置き水分を昇華・除去することで乾燥させ製品となる食品FDFDRYを製造する。(喫食時は水分を与え用いる)
<0023>
(9)前記フリーズドライ時、作動流体(NADES等。イオン液体でも同様)は食品から昇華・除去された水分を含むことが想定され、水分除去のために作動流体中の水分など不純物除去部分4RFP-REFIを作動流体の流路(真空ポンプ4、真空排気システム4P)に備えてよい。また作動流体がポンプや真空容器内に漏洩しないよう防止する手段を備えてよい。(例えば逆流を防止する弁・作動流体のトラップ部。)
<0024>
(10)作動流体が水分を吸収しやすい時、前記フリーズドライ時は作動流体が水分を含みやすくなり水分など不純物除去部分4RFP-REFIが必要になりうる。他方、作動流体は水分を取り込みやすい場合、前記フリーズドライ時の様に水分を除去する際に作動流体への水分吸収と真空・減圧による水分除去の双方を行い、フリーズドライすることが可能かもしれない。
<0025>
食品用ポンプでは作動流体に水を用いる渦巻ポンプやゴム・インペラ・ベーン・ピストン・ギヤによるポンプ・容積式ポンプが用いられる。他方油回転ポンプ・ロータリーポンプは動作時に食用ではない・真空用途に合成された油のミストを放出しミストを嫌う製造装置・製造ラインでは利用を避ける。また真空容器内も油の蒸気混入の恐れがある(例えば別の油を用いる方式の油拡散ポンプにおいても、真空容器内への油蒸気の影響を考え、有機半導体デバイス製造用にはターボ分子ポンプなどのドライポンプが利用される)ので、前記油・油蒸気は食品用途に利用しにくいかもしれない。
他方本願の(特に栄養強化剤に用いられる、一般に安全であると認められる塩化コリンと、柑橘類など果実・食品に含まれうるクエン酸を用いる)NADESは真空容器に到達しうる作動流体の蒸気(非特許文献2図4のようにNADES・DES・イオン液体は低い蒸気であり、例えば真空容器中に存在するNADESは微量となりうる)が前記の様に安全・又は食用のものであり、真空容器内に食品を配置し食品の加工・製造に用いる用途では体内に微量に取り込んでもよい(少量ならば食べても問題ない)作動流体の蒸気を発する真空ポンプとして提供できるかもしれない。
<0026>
(11)食用の化学物質であっても食塩等は過剰に製品に混入すると有害であるのと同様に、定期メンテナンスされていない等で装置の破損しNADESが真空容器や製造ライン・製品に大量に混入することは好ましくない・避けなければいけない。
例えば急性毒性について、塩化コリンはLD50 = 3400 mg/kg (ラット)であり、NADESのうち非特許文献2に記載のReline塩化コリン尿素混合物に含まれる尿素はLD50=14300 mg/kg(経口 ラット)である。NADESの他の構成例としてクエン酸水和物は LD50=5,040 mg/kg(経口 マウス)である。身の回りにある物質の例として食塩はLD50=4.0g/kg(経口 マウス)である。食塩と同等にNADESも急性毒性を有しており、塩化コリン・尿素からなるNADESを用いた真空ポンプ4Pも食塩と同程度に大量摂取しないようにする事が望まれる。例えば(真空容器内での作動流体の蒸気での今夕ではなくて)製造ラインにて塩化コリン・尿素からなるNADESを用いた真空ポンプ4Pが何らかの事故により破損・NADESが漏洩し食品に混入する事は避けるべきである。
<0027>
本願の真空ポンプ4Pにおいて作動流体量を監視するセンサ4RFP-SENとコンピュータ又は制御部4PCONを備えさせ、作動流体・NADESのポンプ内の残存量・溶液量の監視・モニタリングや作動流体中の水分を検出するセンサ手段として用いてよい。また前記作動流体・NADESのポンプ内の残存量・溶液量・水分の含有状態等センシングデータは4PCONに備えさせた出力装置・無線通信装置にて外部に出力・通信・伝達してよく、例えば漏洩時・液量の継続的減少検知したとき・水分異常時はブザーで通知する・無線ビーコンで周囲に知らせる・無線通信を介してインターネット・社内ネットワーク経由で管理者にモニタリング情報や漏洩・異常の発生・疑いを伝達するなどしてよい)
<0028>
(12)食品分野に限らず、金属製品・部品の真空焼き入れなど製品の加工用途や半導体・電子部品製造分野のポンプに用いてよいし、製造ラインでの搬送用の吸引・減圧ポンプ(製品を吸引し持ち運ぶ・チャックする)や家電・ロボット・機械装置・医療機器を駆動する用途に用いてよい。
<0029>
図3は本願のポンプを単体で真空槽・真空容器・真空引きする部分に接続して用いた例や他のポンプを組み合わせて用いた場合の説明図である。
<発明の効果>
<0030>
本願のポンプ・真空排気系について、実施例の1つの例として、天然に(安価に)存在する環境負荷・蒸気圧が低いNADES溶媒を真空ポンプの作動流体に用いた場合、真空蒸着・電子部品製造・理化学機械器具に加え、食品用途に利用可能な真空ポンプが提供可能な利点がある。
<図面の簡単な説明>
<0031>
図1図28の左上の図1は深共晶溶媒等を作動液体に用いた真空ポンプ4RFPを用いた系1の説明図である。(実施例1、ポンプの例としてスプレンゲルポンプ式を用いている例)
図2図28の右上の図2は系1の説明図である。(実施例2、例として食品用ポンプに用いる系1の説明図である。ここでポンプの形式は液封ポンプ、ロータリーポンプ等の作動液体を用いるポンプでよい。)
図3図28の左下の図3は低真空用ポンプRP、高真空ポンプFPを含む真空排気系と本願真空ポンプ4RFP・系1との比較図であって、組合せの説明図である。
図4図28の右下の図4は一般的な液封ポンプ、ロータリーポンプ説明図である。(本願では例えば作動液体・液封・液封環・シール部にNADES、イオン液体ILを利用)
図5図29は環状真空容器のコイル4C-EDLの説明図である。(環状真空容器:ドーナツ・環状の真空槽・プラズマ容器4D、4D-T、4D-ST、4D-Hを含む)
図6図30は環状真空容器の説明図である。(環状真空容器の回転手段4ROTを備えてよい。)
図7図31はモーターとベアリングを回転手段に用いた真空容器の説明図
図8図32は推進装置を備えた真空容器の説明図(推進装置4ROT-TH)
図9図33は円柱のチューブ状真空容器4T-INを前記円柱の円周方向・シータ方向へ回転させるときの説明図(磁気ミラー型、磁場反転配位型等に用いる円筒チューブ状真空容器を回転させたときの例)
<発明を実施するための形態>
<0032>
<DESを用いる系>作動流体にDES、NADESを用いることで公知の元素・資源量の限られる液体金属を用いる場合と比べ、低コスト・低環境負荷に構成・提供する。(図1図2の4RFP)<イオン液体を用いる系>作動流体にDES、NADESと比べ蒸気圧の低いイオン液体を用いた真空ポンプを構成・提供する。(図1図3の4RFP)
<ガリウムを用いる系>イオン液体よりも蒸気圧が低く高真空化可能であると期待できる作動流体としてガリウムを用いる。その例としてスプレンゲルポンプでの例を開示する。(図1図3の4RFP)
<0033>
作動流体のガリウムを溶融させるために作動流体を用いる4RFPにはガリウムを加熱するヒータ・加温手段・溶融手段を内蔵してよい。作動流体のイオン液体・DESにおいても液の温度を制御し、温度・粘度を制御するため、作動流体を用いる4RFPには作動流体を加熱するヒータ・加温手段・溶融手段を内蔵してよい。また加熱後に冷却し温度調整する目的で冷却フィン・ヒートシンク・ラジエータ・熱交換機、ファン、ペルチェ素子、温度調節用装置があってもよい。
<0034>
ガリウムはアルミニウム製のヒートシンク・配管・冷却部を脆弱化させるため、銅やその他ガリウムによる腐食又は合金化・溶融に耐性のある金属を用いる事が好ましい。
<実施例1>
<0035>
図1図2図3は本願の実施例である。
<0036>
図1のポンプ例>図1はスプレンゲルポンプにおいて本考案を適用したときのポンプ4RFPと真空排気系1の説明図・説明例である。作動流体を水銀からDES、NADES溶媒(或いは本願の別の実施形態ではガリウム、ガリウムを含む流体金属)に置き換えた系(1,NADES時:1DES、ガリウム含有液体金属時:1LM)の例である。
<0037>
真空排気される真空容器4はスプレンゲルポンプ型の4RFPと接続され、4RFPは液体タンクFTよりB部分において容器4の気体を巻き込みながら流れ落ち・移動して、真空排気を行う。流れ落ちた・移動した作動流体は流体受けで受け止め、(4RFP-REFIにて作動流体中の水分・不純物を除去し、)ポンプ・動力にてタンクFTに戻され再度流れ落ちてを繰り返し容器4を真空排気する。
<0038>
図2の食品ポンプ例>図2は各種作動液を用いる真空ポンプ(油回転ポンプ・ロータリーポンプ、液封式ポンプ、渦巻ポンプ、他に拡散ポンプ)において作動液体を油類からをDES、NADES溶媒に置き換えた系(1,1DES)の説明図であって、その利用例の一つとしてフリーズドライ食品を製造する際に食品の内容物Nを真空凍結乾燥機にて冷凍し真空引きを行って水分を除去しているときの真空排気系(1、1DES)の説明図である。用途としてはフリーズドライの味噌汁、インスタント(ソリュブル・粉末)コーヒー・飲料類、凍み豆腐・寒天、米飯・おかず・弁当の類、レーション類、宇宙食の製造、医薬品用・医療用などである。例えば図4の液封ポンプの液封環にDES・NADESを用いる。
<0039>
食品用に用いる時、作動液体のDES、NADESの食品製造ラインへの漏洩やポンプの動作異常を察知するため、入力装置・センサ4RFP-SENを持つコントローラ部4PCONを前記ポンプ4RFPは備えていてもよい。また4RFPはRFP-REFIを備え、該部分にて作動流体中の水分・不純物を除去できてよい。
<0040>
上記凍結真空乾燥、真空乾燥の他に、蒸留(ウイスキー・焼酎蒸留酒、各種食品薬品、化学薬品)、真空濃縮、調理や乾燥、保温、冷却、脱臭用途、吸引・吸着・ガス収集、に用いてよく、成型(パック成型)、液体充填、ガスの置換、脱気・脱泡、真空蒸着・スパッタリング・化学蒸着CVD、真空断熱容器の真空引き、酸化防止等用いてよい。
<0041>
図3の例>図3は粗びきポンプ、フォアポンプを含む真空排気系と本考案を適用したときの真空ポンプ4RFP・真空排気系1との比較図であって、組合せの説明図である。4RFPは各種作動液を用いる真空ポンプ(油回転ポンプ・ロータリーポンプ、液封式ポンプ、渦巻ポンプ、他に拡散ポンプ)において作動液体を油類からをDES、NADES溶媒に置き換えたポンプ(4RFP)である。
<産業上の利用可能性>
<0042>
本願のNADESを用いる真空ポンプ4RFPは食品や医薬品の用途に利用できる。
<符号の説明>
<0043>
図1等>
1:深共晶溶媒DES・天然深共晶溶媒NADES等を作動液体として用いる真空ポンプ4RFPを含む真空排気系。
1LM:1のうちガリウムを含む作動液体を作動液体として用いる真空ポンプ4RFPを含む真空排気系。
1IL:1のうちイオン液体を作動液体として用いる真空ポンプ4RFPを含む真空排気系。
1DES:1のうち深共晶溶媒DES・天然深共晶溶媒NADESを作動液体として用いる真空ポンプ4RFPを含む真空排気系。
4:真空容器、(4D:ドーナツ状真空容器、4D-T:トカマク核融合炉に用いられる様な、ドーナツ状・トーラス型の真空容器、4T:チューブ・円筒状真空容器。)
*核融合炉用・実験用の真空容器は真空排気すべき容積が大きく、真空排気するためのポンプの廃棄速度が大きく、到達可能な蒸気圧が低い方が良いかもしれない。そこで本願では公知のオーソドックスなロータリーポンプ+油拡散ポンプやターボ分子ポンプの構成に加えて、イオン液体IL、DES・NADES、ガリウム・ガリウム合金、流体金属LMを作動流体に用いた真空排気ポンプ4P、4RFPを開示する。
4P:真空ポンプ。(真空容器4又は真空排気したい部分に対し真空引きするポンプ)
4RP:低真空ポンプ、粗びきポンプ(RP:油回転ポンプ等。この箇所は次の4RFPでもよい。)
4FP:高真空ポンプ、主ポンプ(DP:拡散ポンプ、TMP:ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、チタンゲッターポンプ等。この箇所は次の4RFPでもよい。)
4RFP:作動流体を用いるポンプ。スプレンゲルポンプ、油回転、液封、渦巻ポンプ。4RFPの作動流体は流体・流体金属(例:ガリウムを含む)・イオン液体・深共晶溶媒・天然深共晶溶媒。
4RFP-LM:液体ガリウム、又は液体のガリウム含有合金・金属を用いた高真空ポンプ4FP又はポンプ4RFP。本願実施例の1つ。
液体金属LM:ガリウム・ガリウム含有金属・ガリウム合金の他に、公知にはやリチウムLi、スズSn、リチウム鉛合金等があり核融合炉の内壁・ブランケットの液体金属ブランケットに用いられるものもある。冷却に用いられるナトリウムNaや、ガリウムGaより低融点だが水分大気との接触で発火の恐れのあるナトリウムカリウム合金NaK等もある。リチウム鉛は核融合炉において生じた中性子をリチウムに捕捉させトリチウムTを生じさせる。
4RFP-IL:(蒸気圧が10のー3乗であってもよい、)イオン液体の作動流体を用いた高真空ポンプ4FP又はポンプ4RFP。本願実施例の1つ。
4RFP-DES:DES又はNADESを作動流体に用いた真空ポンプ。本願実施例の1つ。
4RFP-REFI:イオン液体・深共晶溶媒の精製部・水分除去部または液入れ替え部。作動流体の品質を保つ部分。
4RFP-REFI-DES:DESの精製部・水分除去部または液入れ替え部。
DESの精製部・水分除去部または液入れ替え部に関連して、DESは親水性DESと疎水性DESがあり、本願では双方用いてよい。例えば疎水性DESは水相と接触すると相分離する(参考文献:J.Phys.Chem.B2022,126,2,513-527)ので、ポンプ作動中に内部に取り込んだ水分を疎水性DESと分離できうる。ポンプ4RFPで吸引したい物質の特性(親水性物質、疎水性物質、表面張力等)に合わせて親水DES、疎水DESを作動流体に用いてよい。
(DESは混合物を液化するまで加熱して室温に戻すか、混合物に水を加えて凍結乾燥するか、または混合物を粉砕して時間の経過とともに液化するペーストを形成することによって調製される。DESは前記のように精製・乾燥されてよい。)
イオン液体・高分子化イオン液体やDESには加熱等温度変化により含んでいた水を吐き出し・除去してよい。
4AOS: 4を大気開放する場合の接続先大気・空間。(4AOSは外部でよく、大気であったり、宇宙空間であるかもしれない。)
4MP:圧力計、真空計。ブルドン管圧力計、(マノメータ、)ダイヤフラム真空計、ベローズ真空計、マクラウド真空計、半導体技術を用いた圧力センサ素子、ピラニ真空計、電離真空計等の測定装置・素子。
図2
4RFP:作動流体を用いるポンプ。スプレンゲルポンプ、油回転、液封、渦巻ポンプ。作動流体:流体・流体金属・イオン液体・深共晶溶媒
4RFP-REFI:イオン液体・深共晶溶媒の生成部・水分除去部。作動流体の物質としての性能・性質・状態維持するための手段、作動流体のメンテナンス部。
4PCON:ポンプ制御部・コンピュータ(センサ等入力装置・記憶装置・処理装置・出力装置・通信装置など備えてよい。例えばスマートフォン・無線接続式コンピュータでもよい)
4RFP-SEN:センサ。作動流体の水分量・不純物量・液体の濁り具合等を測定する手段・センサを備えてよい。
N、FD、FDF、FDFDRY:真空引きされる内容物N、その例としてフリーズドライ食品・内容物
4AOS: 4を大気開放する場合の接続先大気Air、または、接続先が宇宙空間Outer Spaceの真空である場合の宇宙空間Space。
4MP:圧力計、真空計
図3
1:真空ポンプを用いた系。深共晶溶媒DES・天然深共晶溶媒NADES・イオン液体・ガリウムを含む流体金属を用いた真空ポンプ、真空排気系。
4:容器、真空容器。真空蒸着機・スパッタ装置の真空槽や、真空管、各種理化学機械器具、電子顕微鏡など真空応用測定機器、各種真空機器の真空槽・真空引きされる部分でもよい。
4D:環状の真空容器。4D-T:ドーナツ状真空容器、4D-Tは粒子加速器やプラズマを用いる核融合炉などの大型実験装置のの容器でもよい。ダイバータ4P-DVに排気ポートと4Pを連結してよい。例えば容積の大きい加速器やトカマク系核融合炉の真空容器の真空引きに用いてよい。本願ポンプ4RFP、4RFP-NADESは(本願の考案が実際に可能である場合には)作動流体により、液封ポンプ、ロータリーポンプ風に(安価かつ)大流量にて真空排気可能になるかもしれない。
4P:真空ポンプ・真空排気システム、
4RP:ラフポンプ。4FP:フォアポンプ。
4RFP:流体金属・イオン液体・深共晶溶媒を用いるポンプ(本願ポンプ)
4AOS: 外部大気・宇宙空間への開放先、
4MP:圧力計、真空計
VALV:バルブVALVE
<0044>
本願の考案、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。
<0045>
<書類名>要約書
<要約><課題>真空ポンプの作動流体を考案する。作動流体には水銀のように蒸気圧の高い液体金属や、生体に適合しない合成油等の作動流体があり、蒸気圧が低い作動流体や生体に適合し環境負荷の低い作動流体を検討した。
<解決手段>作動流体にガリウム・ガリウムを含む液体金属を提案する。またイオン液体、深共晶溶媒DES・天然深共晶溶媒NADESを作動流体に用いた真空ポンプを開示する。
<選択図>図2
<書類名>図面
図1図2図3図4
<請求の範囲>
<請求項PDES1>作動流体に深共晶溶媒DESを含む真空ポンプ。
<請求項PDES2>作動流体に天然深共晶溶媒NADESを含む請求項PDES1に記載の真空ポンプ。
<請求項PDES3>ロータリーポンプの作動流体に天然深共晶溶媒NADESを含む請求項PDES2に記載の真空ポンプ。
<請求項PDES4>液封ポンプの作動流体に天然深共晶溶媒NADESを含む請求項PDES2に記載の真空ポンプ。
<請求項PDES5>請求項PDES2に記載の真空ポンプを用いた真空引き・減圧工程を経て製造・加工された食品・医薬品・化学物質・包装・容器。
<請求項PIL1>ロータリーポンプの作動流体にイオン液体を用いる真空ポンプ。
(<請求項PIL2>液封ポンプの作動流体にイオン液体を用いるの真空ポンプ。)
<請求項PLM1>作動流体にガリウム・ガリウム合金を含む真空ポンプ。
<請求項PLM2>スプレンゲルポンプの作動流体・液体金属部にガリウム・ガリウム合金を含む請求項PLM1に記載の真空ポンプ。
<請求項PLM1>請求項PLM1に記載の真空ポンプを用いる半導体製造装置・真空容器。
<0046>
以下に真空容器(4D、4T等)に関連する考案を記載する。
<書類整理番号>R5F-RYU-S-E
<発明の名称>真空容器、プラズマ容器、熱核融合炉
<技術分野>
<F0001>
本願発明は真空容器、プラズマを保持する容器に関する。本願は、原子力に関連する考案・発明である。(アイデアによる出願であって、実証が必要である)
<背景技術>
<F0002>
真空は食品の加工、真空蒸着等の分野に用いられ利用がされている。真空容器内で加工や操作を行いたい物質・物体を配置して利用する。あるいは大気による酸化防止や電子・イオン・荷電粒子の利用の為、ガラス製真空管・白熱電球・理化学機器のように真空そのものをつくりたい場合もある。蒸着装置等で、地上において真空引きを行った真空容器・真空槽は地上の大気圧に耐えるよう設計され金属製の重量感のある容器が多い。(他方、後述の核融合が天然に起きている太陽・恒星の位置する宇宙空間は高真空である。)
<F0003>
真空容器内は真空ポンプ(4P、4RP+4FP、4RFP)により真空引きされ利用される。(本願の形態では、ガリウムなど金属、イオン液体など作動流体を用いたものが4Pに用いられうる。油拡散ポンプ、ロータリーポンプも用いてよい。また真空容器内への不純物混入を防ぐ目的でターボ分子ポンプ等ドライな高真空用ポンプを用いてよい。)
<F0004>
真空容器、真空ポンプ、真空機器の1つの分野として真空管や粒子加速器、プラズマの容器がある。
プラズマ4PZに核融合燃料となる重水素D・三重水素T等を含ませて磁気・磁場により閉じ込め核融合を起こそうという試みは公知である。核融合反応の為、核燃料になる原子核を含むプラズマの形で加熱し、原子核同士を熱運動させ、原子核同士のクーロン力による反発に打ち勝って接近させ、核融合させる熱核融合方式(熱核反応方式)がある。(なお熱核融合の他に、レーザーによる慣性閉じ込め核融合や、ミュオン触媒核融合がある。)
<F0005>
熱核融合方式では原子核同士を熱運動で近接させるために高温を必要とする。前記高温は1億度以上の温度が必要で、その温度ではプラズマ状態の物質を非接触に容器の中に閉じ込め続けることが必要である。
(例えば、資源量の豊富であるとみられるDとTを核融合させる場合1から数億度、ホウ素と水素イオン・陽子を用いた場合その10倍の温度とされる)
<F0006>
前記非接触で容器内にプラズマ4PZを閉じ込める場合に、超伝導体を用い磁場の籠を用い、導体でもあるプラズマを閉じ込める方式が公知であり、閉じた環の、ドーナツ状のトロイダル方向(TF方向に)にコイル(4C、超伝導体コイル4C-SC、本願提示のコイル4C-EDL)を並べ配列させ、その内部に環状のプラズマが保持される。そして該閉じ込め方式にはトカマク型とヘリカル型がある。(トロイダル方向にコイルを並べドーナツ状に連なるTFコイルTF-COILとして、TFコイル内にプラズマを保持させる。)
トカマク型については、中央コイルCS-COILにより前記プラズマに電流を流して保持しようとする特徴を持つ物(国際熱核融合実験炉ITERやJT-60SA、非特許文献1)が公知である。ヘリカル型では、中央コイル・プラズマ電流が不要であってトロイダル方向にねじれた・らせんのコイル(4C、4C-SC、4C-EDL)を配置し、ヘリカルなプラズマ4PZ(ヘリカル・螺旋状にねじれたプラズマ4PZ-H)を用いるヘリカル型(非特許文献2、LHD)あるいはステラレータ型(非特許文献3、W7-X)が公知である。
<F0007>
ヘリカル・ステラレータ型はコイルをねじる或いはプラズマ4PZにねじれた磁場をかけることでプラズマ内の高速なイオン・荷電粒子が磁場のねじれ・磁場の弱い所から逃げてしまいがちであるかもしれない。同様にトカマク型もトロイダル方向に並べられたコイルはドーナツの中心内周方向はコイルの半円部分が集まるが外周方向に行くほどコイルの半円部分が開いており(図6の4C-EDL、4C-EDL-1から4C-EDL-5のようにドーナツ外周部では隣り合うコイル間での隙間が開き、磁場の籠に隙間ができ、)イオン・粒子が逃げやすいかもしれない。磁気により閉じ込める場合、前記高速なイオン・粒子が逃げやすい事を解決する必要がある。
<F0008>
そして前記磁場を生じるコイル4Cは強い磁場を生じるコイル4Cが望ましいかもしれない、公知の例では超伝導体を用いている。超伝導体は(実用を考えるとピン止めなど考慮したり銅などの安定化部材が必要であって)冷却が必要であるものの、高磁場を生じることができる。
非特許文献4によれば、既存の方式ではニオブNb(ニオブスズ等)を含む超伝導体・コイルが用いられており、ニオブの放射化による保管期間が長いことや高速な中性子のスパッタリングによる性能低下が起きる。そのため超伝導体の線材からなるコイル4C-SCを前記中性子から保護しなければいけない。(この点は高温超伝導体において放射化しにくい期待のあるバナジウムV系線材やマグネシウムホウ素MgB2線材がある。ただ、高温超電導体の場合、安定化材に放射化後の半減期が100年程度の銅を用いるため、銅の半減期より上限が決まるかもしれない。)
<F0009>
コイル4Cは小型軽量可能であると好ましい。また強い磁場であっても使えるもの、例えば超伝導状態では磁場の強度が高いと超伝導体は磁場を通さない性質から、実用上磁場を通すためにピン止め点となるドーパントを材料中に添加配置するなどして磁場を通せる点を作るなどし、冷却や常伝導体に戻るときなど考慮し、超伝導体に固有の要求性能をクリアするように電線・コイル4C・4C-SCが設計・製造される。可能であれば、好ましくは、複雑でなくシンプルな系で低抵抗の電線、かつ放射化せず軽量化出来て資源も豊富な元素からなる線材・コイル4C・4C-EDLがよい。(小型軽量であると、コンパクトでコイルや真空容器・真空槽の分解整備、部品交換、コイル交換がしやすくなる利点が生まれる)
<先行技術文献>
<非特許文献>
<F0010>
<非特許文献1>量子科学技術研究開発機構QST[「JT-60/JT-60SA概説図」、インターネット、令和5年10月1日閲覧、URL、https://www.qst.go.jp/site/jt60/4903.html]
<非特許文献2>核融合科学研究所NIFS[「ヘリカル核融合炉設計研究」、インターネット、令和5年10月1日閲覧、URL、https://ferp.nifs.ac.jp/intro/pg28.html]
<非特許文献3>マックス プランク ゲゼルシャフトIPP[「Wendelstein 7-X」、インターネット、令和5年10月1日閲覧、URL、https://www.ipp.mpg.de/w7x]
<非特許文献4>西村新、西嶋茂宏「5.中性子環境下における課題」J. Plasma Fusion Res. Vol.83, No.1 (2007)50‐54
<発明の概要>
<発明が解決しようとする課題>
<F0011>
次に複数の課題とその解決案・考案を記載する。
<発明が解決しようとする課題1:磁場を生じるコイル・電線材>
解決しようとする問題点は、球状トカマク型核融合炉(及びヘリカル型・ステラレータ型の炉、環状の真空容器にプラズマ4PZを閉じ込める核融合炉)において中性子遮蔽がなくとも核融合用プラズマ4PZを保持させるコイル4C(4C-EDL)を考案することである。(参考資料として内閣府資料https://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu13/siryo5-2.pdfによれば、球状トカマク炉はコイル部の中性子遮蔽が難しく、超伝導コイルが利用しにくいという課題があった。)
<F0012>
超電導コイルあるいは4C-EDLは中性子にさらされ、中性子の衝突を受ける。高エネルギーの中性子が一つの原子に衝突したとき、該原子はスパッタされ・弾き出されその後原子空孔が残る。常温などの温度の高い場合、(4C-EDLのように冷却をせず常温で駆動する場合)は、常温下の熱エネルギーで分子原子が振動したり結晶・材料内を動くことができ、原子空孔が集合しクラスター(原子サイズのボイド)を形成し、熱により原子空孔が集まり、原子配列の乱れが回復し、電線材・コイルをバルクで見ると抵抗率は或る程度回復しうる。(参考文献1・非特許文献4 :J. Plasma Fusion Res. Vol.83, No.1 (2007)50‐54)
<F0013>
超伝導コイルはニオブスズNb3Sn、ニオブチタンNbTi、Nb3Al等の超伝導材とアルミニウム、銅等の安定化材と絶縁材・樹脂を用いているが、それらは4Kケルビン程度の極低温下に冷却されている。4Kの低温下では、熱エネルギーにより原子空孔が自由に動けないので、欠損部が癒えない(金属原子が熱運動により移動し欠損部を埋めるように動けない)。そのため冷却された超電導コイル内部に用いるアルミや銅の部分は中性子照射により高抵抗化し、回復しにくい。
<F0014>
超伝導コイルのニオブスズなど超伝導材についても中性子により結晶格子の一部が弾き飛ばされていき長範囲規則性が壊され始め大きく劣化する。最終的には当初の超伝導体の機能を失う。(参考文献1の図5のように中性子放射継続により臨界電流Icが低下し、図6によれば臨界温度Tcが低下していく。)*参考文献1によればJT‐60SA では,超伝導マグネットへの中性子負荷を低減することを目的として,中性子を吸収しやすいホウ素を添加した樹脂で厚さ10cmで覆うことが検討されている。
<F0015>
鉄よりも重い重元素のNb を含む超伝導線材が放射化された場合、その保管・管理時間が長いことも問題である。(放射化後の減衰にNbは10万年、銅Cuは約100年必要。)
<発明が解決しようとする課題1に対する課題を解決するための手段1>(図5の4C-EDL)
<F0016><放射化に耐え低抵抗になる期待を持つコイル4C-EDL>
それら課題に対して、本願は特許第7157892号(特願2022-123161号)に記載の導線・電線(1WIRE)を用いたコイル4C-EDL(本願図5)を用いる。4C-EDLは鉄よりも軽い元素、炭素やアルミニウムで構成可能であれば、放射化しにくくできうるかもしれない。(また、4C-EDLは前記減衰が100年で済む可能性がある銅Cuを用いてもよい)
<F0017>
4C-EDLはカーボンナノチューブCNTや銅・アルミニウムが利用されうる。<F>核融合反応に重水素Dと三重水素Tを用いる場合高エネルギー・高速の中性子が発生し、前記中性子はカーボンナノチューブやアルミニウムなどの電気導体材料の結晶に欠陥を生じかねない。そこで真空容器内部に中性子を軽減する仕組みがあると好ましい。例えば4D-Tや4D-Hの真空槽の壁、炉壁に液体金属をめぐらすことは公知であるが、本願でも液体金属を炉壁に配置してよい。<F>真空容器のプラズマに接する側の炉壁4D-INに導体を張り巡らせて(全面を覆ったり)もよい、液体金属を張り巡らせてよい。<F>導体面を持つ前記4D-INはプラズマに対し回転可能でもよい。
<F0018>
特許第7157892号(特願2022-123161号)においては、材料部分101(特願2022-123161号の図1、或いは本願図5に示す材料部分101)にCNTや銅の他に鉄を用いてもよいとの記載があるが、本願の核融合炉、中性子により放射化されうる用途では、中性子にさらされ寿命の長い放射性廃棄物につながる鉄等の重元素の利用は好ましくない可能性がある。そこで本願では例えば4C-EDLの材料部分101にCNT等の炭素材料、アルミニウム、銅を用いてよい。(他に、例えば鉄よりも軽い金属又は導電体になりうる元素としてリチウム、(ベリリウム)、炭素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、(珪素)、アルミニウム、カリウム、カルシウム、チタン、バナジウム等があり、本願では4C-EDLに用いる材料部分は放射化しやすさや放射後の保存期間を考慮して前記元素から選択できる。)
<F>さらには、前記核融合後に生じた高速な中性子により導線材料の原子がスパッタされる問題を考慮すると、銅やアルミニウム等の金属製の材料部分101を4C-EDLに用いてよい。ゲート部106もスパッタされうるので銅アルミなどを持ちいてよい。絶縁体部分はイオン液体やイオン液体を含む絶縁体・スペーサ層でもよい。<F>(炭素材料、CNT等の場合、共有結合性の炭素の配列に中性子が衝突しスパッタされ、材料のキャリア導電性、キャリア移動度等が低下する場合には、別途コイルを取り換えやすい真空容器・核融合炉としてもよい。コイル交換時は、コイルが小型であれば取り換えやすい・整備しやすいので小型な核融合炉が望まれる)
<F0019>
(核融合燃料にDやTの他に陽子とホウ素等を用いてよい。陽子とホウ素からなる核融合反応系では、資源に限りの無いD-T系よりも高い温度が必要だが、中性子を考慮しなくてよいので炉やコイルの材料の放射化、放射線による材料の原子分子スパッタリング、結晶や分子構造の欠落発生による、電気導体・絶縁体等電気的物性低下や強度機械的性能低下が小さくなる期待がある。)
<F0020>
本願は特許第7157892号(特願2022-123161)または本願図5に記載のトランジスタの絶縁体105と、材料部分101(銅、銅膜、カーボンナノチューブや多孔質膜等)とゲート部分106( 銅、銅膜、カーボンナノチューブ、多孔質膜に堆積した銅膜等 )により構成されるキャパシタ部分が、ゲート電極106に印加される電圧VGSにより、充電可能な導線・電線(1WIRE)をコイル4C-EDLに用いる。<F>前記キャパシタが充電されることにより、105と101の部分(106と105と101の部分)に電気二重層が形成され、電気二重層の電荷を打ち消すように前記材料部分101にキャリアが導入されキャリア導入部分104が形成される。<F>104は101よりもキャリアが増加しており電気伝導性が向上する。そして104を含む導線1WIREの導電性が向上する。
<F>前記導電性の向上は超伝導現象ではなくトランジスタのキャリア導入・キャリア増幅を用いており、コイルの電線材料を超伝導体にするための極低温への冷却が不要になる。<F>1WIREの101部・104部に銅(銅の膜、多孔質膜に銅膜を堆積したもの)を用いている場合、(トランジスタのキャリア導入は常温においても行うことができて、)常温では前記中性子の照射によるスパッタリングが101・104部に起きても、 熱エネルギーにより原子空孔が自由に動けるので、中性子の照射による原子配列の欠損部が常温下での熱により回復可能になり、導線コイル4C-EDLが中性子にさらされたとしても性能低下を抑えることができる利点が生じる。そのため本願考案では超伝導体のコイル4C-SCの代わりに、前記4C-EDLを用いる。<F>本願は特許第7157892号(特願2022-123161号)を引用して参照する。
<F0021><複雑な形の為のコイル4C-EDL>
複雑な形状・ねじれた形状を持つコイルを用いるヘリカル型・ステラレータ型の核融合炉においてもコイル4C-EDLを用いてよい。
<F0022><回転手段4ROTによりトロイダル方向に回転可能なTFコイル4C-EDL又はヘリカルコイル4C-EDL>
ヘリカル型・ステラレータ型ではコイルのねじれ(それによるヘリカルプラズマ・ねじられプラズマ内の高速粒子・高速イオンが飛び出やすい、磁場の籠の磁力の弱い部分の発生する等)により粒子(高速イオン)が逃げやすい課題があるかもしれない。高速イオンの逃げやすさの問題はトカマク型のCSコイルのリングとリングの間においても問題であるかもしれない。(本願図6左図(A)の4C-EDL、4C-EDL-1から4C-EDL-5のドーナッツ外周側に向けてコイル間の間隔と磁場の間隔が開く問題)そこで本願では真空容器及び/又はコイル4C-EDL及び/又はコイル4C-EDLにより作られる磁場の籠を回転手段4ROTにより回転させ、磁気・磁場による籠を静止したものでなく動的・回転する磁場の籠として、高速イオンを逃がさないようにしようと試みる。また後述のように、4D-INが導体であり前記回転するとき、プラズマの変形を制御・抑制することも試みる。
<F0023>
●超伝導材にはニオブスズのようなタイプの他に、それらと比べ高温で動く、高温超伝導体が存在する。例えば銅酸化物系の特殊なセラミックからなるもの(イットリウム-バリウム-酸素-銅の系)が公知である。超高磁場中でも既存ニオブスズなどより高温で動作する事が求められる。
<F0024>
●超伝導体は高磁場に耐える物を選ぶ必要がある。他方、特許第7157892号に記載の導線・導体・導体素子によるコイル4C-EDLはトランジスタを電線としても用いており、トランジスタのキャリア導入効果を用い(冷却・ピン止め・中性子による耐性・超伝導から常伝導になったときの銅などの安定化材等の考慮が必要な)超伝導現象を用いていない事で、高磁場においても超伝導由来の制約なく低抵抗な電線を構成出来うるかもしれない。(しかし前記コイルの冷却については、本願では銅線2WIREやコイル4C-EDLの冷却をしないことに限定しているわけではない。4C-EDLには明確に図示・指定されていないが、必要に応じて、銅線の冷却と同様に4C-EDLの冷却システムが備えられていてもよい。もし必要ならば水冷或いは何らかの冷却液体・流体を用いてコイルを冷却できてもよい。)
<F0025>
またMOSFET・MISFETトランジスタの形態の為、絶縁層に電荷を蓄えて稼働し、電流を常に流し続けるわけでなく、消費電力も限定的であるかもしれない。
<F0026>
コイルの冷却も4ケルビン或いは液体窒素までの冷却は必要ないので、冷却関連部分を無くしたり冷却しなければいけない温度を高温にすることができ、熱核融合炉のプラズマを真空容器(4D-T、4D-H)等の内部に保持する電線・コイルを小型化することに貢献しうる。
<F0027>
例えば4C-EDLは小型でも導電性高く高磁場を生じることができれば装置を小型化でき、装置をトロイダル方向に広がったドーナツ状の形から、球形・樽型・林檎形状(本願図5図6)の球状のトカマク型又は球状のヘリカル型・ステラレータ・ヘリオトロン型、あるいは小型で球形に近い形状・配置の真空容器・(プラズマを磁気で閉じ込める)核融合炉を構築するときに役立つかもしれない。
<F0028>
<発明が解決しようとする課題2:熱核融合用のプラズマの磁気閉込、高速イオンの漏れの防止>
解決しようとする問題点は、熱核融合用のプラズマの磁気閉込を安定に行うことを見つける事である。高速イオンの漏れを防ぐ方法をみつけることである。
<4D-INに対し4PZが回転することで4PZの変形を抑える事>
<F>参考文献(https://www.jaea.go.jp/02/press2006/p07012601/hosoku.htmlの図2-2)によればトカマク型核融合炉・球状トカマク型核融合炉について真空容器のプラズマ側の内壁面4D-INが導体であってプラズマ4PZが回転する際に、プラズマの変形を抑制しプラズマを容器内に安定に保持できうる事が公知である。
<F>公知の方法ではプラズマ4PZの回転は中性子ビームによりプラズマ4PZを推して4PZを回転させる方法が公知である。本願では中性子ビームで推す方法とは別にプラズマ4PZを回転させる方法を考案したいと考えた。
<磁場を生じるTFコイル・4C-EDLの間では磁場強度が低く、コイルのあるところとないところで磁場強弱が生じて、高速イオンの漏洩を防ぐ手段>
磁場を生じるTFコイル・4C-EDLの間では磁場強度が低く、高速イオンが逃げうる。そこでコイルよりも内径側・内部に強磁性体部品・フェライト鋼を配置して磁場の強弱を軽減し磁力線をまっすぐにしてイオンを逃げにくくすることが公知である。(参考文献https://www.jaea.go.jp/02/press2006/p07012601/hosoku.htmlの図3-1、図3-2)
<F0029>
<発明が解決しようとする課題2に対する課題を解決するための手段2>
(4PZの変形を抑える手段:図6の4ROTと4ROTによる4D-INの回転)
その課題に対して、本願は炉である容器4D-T・4D-Hが回転する方式を提案する。
4D-INを回転手段4ROTを用いてを回転させ、4D-INからみたプラズマ4PZの回転・移動を導体の炉壁4D-IN(実施例として4D-INを持つ真空容器4D・4D-ST・4D-H等)の回転で制御・実現する事を試みる・行う。
<F>(4D-INは例えば真空容器4D・4D-ST・4D-H等の真空容器のプラズマ4PZに向かい合う導体の内壁面4D-IN。4D-INは真空容器4Dのボディに設置・配置・一体化・付属しており真空容器4D等が回転することで4D-INも回転する。4D-INは4PZに対し相対的に動くため、回転する4D-INからみると4PZは回転しているに見える)
<F0030>
(高速イオンの漏洩を防ぐ手段:図6の4ROTと4ROTによる4C-EDLの回転、回転する磁気の籠による高速イオン漏洩防止)
本願ではトカマク型・ヘリカル型・ステラレータ型(4D、4D-T、4D-ST、4D-H)において、 図6の4ROTにより4C-EDL(4C-EDLによるTF方向にドーナツ状に連なるコイル・トカマク型のTFコイル、あるいはヘリカル型・ステラレータ型のTF方向に配置されているコイル4C-EDL)が(トロイダル方向、TF方向に)回転できてよい。4C-EDLが生じる磁気・磁場・磁場の籠が回転可能でもよい。
<F>ヘリカル型(ステラレータ・ヘリオトロン)においては(ねじれたコイルを用い)プラズマ電流が不要であるが、ねじれたコイル部・ねじれたヘリカルプラズマよりヘリウム粒子・高速イオン等が飛散しやすい。本願では容器・コイル4C-EDL(磁場の籠)を回転させ、ヘリカル・トカマク双方の方式でプラズマ・イオンを安定して保持しようとする。
<F>静止したTFコイルによる磁場の籠では磁場の強弱のある箇所が生じやすい。他方、本願では、実証は必要なものの、磁場の強弱部分が(動的であって一箇所にとどまらず)回転でき、強弱部分が時間平均でみると均一にならされ、磁場の強弱を軽減し高速イオンの漏洩を防止できるのでないかという考案である。(※高速イオンの漏れの原理について発明者は把握できていない。コイルの回転による時間変化よりも短い時間内のメカニズムにてイオンの漏れが起きる・イオンの漏れが支配される場合はコイル回転による方法は適用できないかもしれない。)<F>(また4PZ変形防止目的で4D-INを回転させるときに、4Dには4D-INと4C-EDLが固定されていれば4D-INと4C-EDLは同じく回転できる。4D-INの回転でプラズマ変形抑制を試みるが、それに付随してコイル4C-EDLも回転できてもよい。本願の一つの実施形態によれば4C-EDLを回転させるかどうか、4D-INを回転させるかどうかは限定されない。4D-INを回転させることで核融合炉の4PZの変形抑制ができるならば4D-INの回転をまず行ってよい。)
<F0031>
4ROTによる4C-EDLの回転は、トカマク型のTFコイルのリング間やヘリカル型のヘリカルコイル・ステラレータコイルにおいて高速イオンがコイル間の隙間・磁気の籠の弱い部分より漏洩することを防ぐ為、磁気の籠であるコイル側を回転させ、内部プラズマを保持しようとする目的がある。
<F0032>
(プラズマを制御・操作する部分)
なお容器側を回転させる方法に加えて、公知のように、中性子ビームによりプラズマ4PZを推す方法と組み合わせてもよい。またプラズマの加熱に関しても公知の方法・手段を用いてよい。図7のプラズマ系補器4P-DEVICEにはプラズマを目的の条件にする装置・手段が搭載されてよく、例えばプラズマ4PZの回転手段(例:中性子ビーム照射部)、4PZの加熱手段(例:電波利用等のプラズマ加熱手段RF)、4PZへの燃料供給手段(DやTやBや陽子を核融合燃料として導入する)、4PZを加熱するコイル等、4PZの状態を計測する測定装置でもよい。(4P-DEVICEは広義にはプラズマを維持する装置でよく、真空装置を真空に維持する装置も含んでよく、真空容器内の真空度を測定する測定部や真空排気系・真空ポンプ4P・4FP・4RP等を含んでもよい。)
<F0033>
<発明が解決しようとする課題3:熱核融合用のプラズマの磁気閉込についてCSコイル不要な方法>
(例:図6の4ROTにヘリカル型・ステラレータ型磁場を用いる場合。*ヘリカルプラズマをとる回転するコイル4C-EDLと回転する4D-INの併用。)
解決しようとする問題点は、球状トカマク型核融合炉について中央コイルCSコイルがない場合でも炉をスタートさせるプラズマの電流ないしプラズマの動きを生じさせることである。CSコイルがない場合トカマク型ではプラズマ電流が流せずプラズマの制御・スタートに課題があるかもしれない。球状トカマク型に加えヘリカル型・ステラレータ型核融合炉についてもプラズマを(電磁誘導にて)加熱する事の出来るCSコイルを用いないのでプラズマを制御・スタートさせることが必要である。
<F0034>
その課題に対して、球状トカマク型核融合炉容器4D-STやヘリカル型容器4D-Hについて、本願は4ROTでコイル4C-EDLが回転する方式を提案する。(プラズマの変形防止・変形制御には回転する4D-INを用いてよい。)
*本願の1つの形態では、4C-EDLは図5のようにトランジスタのキャリア導入を用いて導電性を向上させたものでよく、超伝導タイのように冷却不要であって導電性を高く取れコイルや真空容器を小型化できる(ベータの大きい装置にできる・容易な)ことを意図している。
<F0035>
プラズマの加熱には公知のようにプラズマ加熱用のビーム装置・加熱用ビーム等を(4P-DEVICE部に配置して4PZを加熱するように)利用してよい。(*公知のように、電波RFを炉内のプラズマに照射してプラズマ電流を起こす事を併用してもよい。)
<F>さらに、トカマク型でなくヘリカル型・ステラレータ型の磁場・コイルを用い、それらを回転させてよい。トカマク型に比べ、ヘリカル型においては(ねじれたコイルを用い、プラズマにひねりが加えられるので)プラズマ電流が不要であるが、プラズマの閉じ込めがしにくい虞がある。それに対して本願ではプラズマが炉に対して(トロイダル方向へ)回転することで安定に保持させようとする。
<F0036>
●通常トカマク型核融合炉では中央コイルCSコイルを用いてTFコイルのドーナッツ型のトロイダル磁場中に保持されたプラズマに環状に1方向に巡るプラズマ電流を生じさせ、核融合炉をスタートし、磁場によりプラズマを閉じ込め支持する。そしてプラズマを高温に加熱し核融合を起そうとする。
<F>他方、球状トカマク炉は中央コイルがない分、小型化しプラズマも高圧・高温にできる。しかし炉のプラズマに電流や動く向きを与え(プラズマに磁場を生じさせ)プラズマを炉に磁気的に閉じ込めて支持させるという運転開始時のステップ(スタートさせるステップ)の時にプラズマに電流を与える中央コイルCS-COILがないので、核融合炉をスタートできない虞があった。<F>その課題に対して、本願は球状トカマク型の炉、ヘリカル型・ステラレータ型のコイル・容器がトロイダル方向に回転する方式を提案する。
<F0037>
*真空容器4D-STを回転させると、内部プラズマは静止しつつ、装置がドーナツ環状のプラズマ4Pを囲むように回転する。この時、装置から見てプラズマ4Pは相対的に一方向に流れ回転しているように見える。この流れているように見える状態をトカマク式(或いはヘリカル式・ステラレータ式)の4Pの磁気閉じ込めに用いる。
<F0038>
図8について、宇宙空間の場合、地上より容器を回転させやすいことを狙う意図がある。
核融合炉及びその容器4D-Tについて、真空容器は地上で用いる場合大気圧に耐える必要があり強度を保つため炉や容器、装置は大型、重くなりがちである。その炉・容器・装置を回転させようとする場合、特に本考案実証の為試験炉を用いて我々が取れる最大の速度まで回転させたくなる時、地上ではベアリングを用いて回したり、回転で到達させたい速度が超伝導ベアリングを用いて容器を浮上させ真空内で空気抵抗少なく回転させるなども想定されるが、それでは炉が重く回しにくい。
<F0039>
他方、本願発明は必ずしも宇宙空間で用いるわけではない。
例えば図7のベアリングとモータにより回転させる構成で、コイルや真空容器が小型軽量化できる場合、容器・コイルを回転させやすくなる事が期待できその場合、地上等地球圏出会っても利用しやすいかもしれない。
(4C-EDLは超伝導体でなく軽量な導線を用いたとしても、地上の大気圧に耐える真空容器の要求の為容器が重量大きいかもしれない)
<F0039>
また、トカマク型核融合炉内部で加熱されたプラズマ・荷電粒子はトロイダル方向に加速し(例えば秒速100km~の速度で)移動し、プラズマの荷電分離・電荷分離が起きる(https://www.qst.go.jp/site/jt60/5248.html)。そのときに回転する導体を持つ4D-INがあることでプラズマの変形を抑制できる(https://www.jaea.go.jp/02/press2006/p07012601/hosoku.htmlの図1-2の変形は、図2-2のように環状の容器4D-T・4D-ST・4D-Hの壁面が導体で覆われているときに図2-3のろくろと手を使って粘土の器にたとえたプラズマを成型しプラズマ変形を抑えようとする図のように)プラズマの変形を抑制できるかもしれない。
<F0040>
回転する容器4D-Tの真空槽・内壁4D-INに導体を張り巡らせて回転している場合、移動する4D-INの導体壁面に対しプラズマの電荷分離部が相互作用しうる。前記相互作用(電磁誘導・電気磁気的プラズマと回転する炉の内壁導体との相互作用)によりプラズマに生じた電荷分離を吸収・中和・打ち消す電磁誘導電流を生じさせ)、プラズマの変形を電気・磁気の相互作用により抑制しようとする。
<F>この電荷分離・プラズマ変形を4D-INで抑制するという点では、導体面を持つ前記4D-INはプラズマに対し回転可能でもよい。例えば容器に固定された、容器壁面であって導体(金属板等導体)の4D-INをプラズマに対し回転可能でもよい。<F>あるいは真空容器真空槽4D-Tは固定だが、導体の面4D-INが(4D-INが液体金属であって壁面を流れることができて)プラズマに対し回転可能でもよい。
<F0041>本願の1つの実施形態ではコイル・磁場の籠の回転と、4D-INの回転の両方を4ROT(モータギヤ、軸受けなど用いて)を図7のように実施出来うる。ただし、4D-INのみ回転させたい、4C-EDLを回転させたい、若しくは4D-INと4C-EDLの回転速度差を持たせて回転させたい場合、それぞれ別に回転させる機構を備えてもよい。
<発明の効果>
<F0042>
本発明の核融合炉は、コイル4C-EDLを持ちいることでカーボンナノチューブCNTなどのキャリア密度の低い高いキャリア移動度の炭素系材料であってもキャリアをMISFETや電気二重層トランジスタのキャリア導入メカニズムを用いてキャリア導入しコイルを用いてコイルを低抵抗にして大電流・高磁場を生成し、4C-EDLは超伝導を用いないので超伝導が起きる低温まで冷却が要らず、超伝導を壊さないようなピン止めなど不要であって、高磁場小型軽量なプラズマを保持するコイル4C-EDLを構成することができる。
<F0043>
またコイル4C-EDLや導体を持つ容器の壁面4D-INをプラズマ4PZに対し(トロイダル方向に)回転させることでプラズマの形状を制御し、プラズマの変形を抑制する事を試みる。
<図面の簡単な説明>
<F0044>
図5図5は環状真空容器のコイル4C-EDLの説明図である。(環状真空容器:ドーナツ・環状の真空槽・プラズマ容器4D、4D-T、4D-ST、4D-Hを含む)
図6図6は環状真空容器の説明図である。(環状真空容器の回転手段4ROTを備えてよい。)
図7図7はモーターとベアリングを回転手段に用いた真空容器の説明図
図8図8は推進装置を備えた真空容器の説明図(推進装置4ROT-TH)
図9図9は円柱のチューブ状真空容器を前記円柱の円周方向・シータ方向へ回転させるときの説明図(磁気ミラー型、磁場反転配位型等に用いる円筒チューブ状真空容器4Tを回転させたときの例。図9において磁気閉じ込めのコイルは4C-EDLを用いてよい。)
<発明を実施するための形態>
<F0045>
例えば図7において、小型で回転可能なコイル4C-EDLを用いた磁気閉じ込めプラズマ容器(トカマク型4D-T・4D-ST及びヘリカル・ステラレータ型4D-Hの核融合炉)を軸受け4Bや回転用モータ4ROTにより容器コイルを回転させプラズマの変形や高速イオンの漏洩防止を試みる。<F>図7の構成、本発明の1つの形態では回転するコイルへのスリップリング・接触式給電部SLR・ワイヤレスな給電部SLRを備えさせる。またスリップリングSLRに接続された前記電気二重層トランジスタ・MISFETトランジスタによるキャリア導入によりキャリア増幅可能な電線によるコイル4C-EDLのゲート駆動回路EXC1と前記4C-EDLを備えた、トロイダル方向に回転可能な、図6の左図(A)のようにコイルがトロイダル方向に配置されたドーナツ・環状の真空槽(及び磁気の籠、ドーナツ型プラズマ4PZ)を持つ。<F>このような構成とすることで、核融合炉・プラズマ容器(トカマク型、ヘリカル型。4D-T、4D-H、4D-ST、4D-SH)をコンパクトに実現し、地上・空中・水上海中・宇宙空間での建物・構造物・発電所・輸送機械・人工衛星・宇宙船の核融合炉・発電部に使用する想定である。
<実施例1>
<F0046>
図5のように核融合目的のプラズマを磁気閉じ込めで保持する真空容器(トカマク型:4D-T,球状トカマク型:4D-ST、ヘリカル型:4D-H、球状ヘリカル型4D-SH)は図5に示すゲート106や絶縁体105と材料部分101やキャリア導入部104を含むコイル4C-EDLを備えていてよい。
<F0047>
図5には特願2022-123161号図面に記載のように、材料部分101(例:カーボンナノチューブ等炭素を含む材料、あるいは多孔質膜などに金属膜、銅膜を堆積させた部分)と、材料部分101に電気二重層トランジスタ・MISFET(金属-絶縁体-半導体-電界効果トランジスタ)のゲート電圧が印加された時のキャリア導入部104と、ソース電極102、ドレイン電極103と、ゲート電極106と、絶縁体105(電気二重層トランジスタではイオン液体含む層)が記載されており、前記101から106までの各部によりMISFETを構成し、前記にMISFETそのものを導線1WIREとして用い、かつ前記導線1WIREを核融合炉或いはプラズマを磁気で閉じ込める際のコイル4C-EDLに用いることを図示した説明図である。
<F0047>
図5のように4C-EDLはトランジスタ部分を含む為、ソース102-ドレイン103間の電圧印加部VDSの他にゲート106を駆動する回路・電圧印加部VGが必要である。4C-EDLは例えばVDSやVGSを含んでもよい外部回路EXC1に接続されている。
<F0048>
図6図7のように図5の容器はトロイダル方向に回転できてよい。回転する方法は限定されないが、例えば図7のようにベアリングとモータを用いて回転させてもよいし、図8のようにイオン推進・光子セイル・レーザ推進・光子を放出する反動による推進を行える推進装置4ROT-THを容器4D等に備えさせ、推進装置を動作させ容器を推進回転させてよい。
<F0049>
図7は軸受け4Bと回転手段4ROTを用いて(地上空中宇宙空間に限定せず)容器・コイル4C-EDLを回転させる場合の説明図である。回転の回転手段4ROTにモータと軸受けベアリング4B・ギヤなど伝達部4ROTGを用いる例である。図7図6の1つの具体例である。
<F0050>
図6において真空容器・真空槽のプラズマ側の内壁4D-INは導体の面でもよく、導体を用いた4D-INが回転する事で(例えば前記電荷分離を起こし変形しようとする4PZに対し、回転する導体である面4D-INとが電気的・電気及び磁気的に相互作用し、あるいは電磁誘導により)プラズマ4PZの変形を抑制・制御できてもよい。
<実施例2>
<F0051>
例えば本願の1つの実施形態として、ベアリング不要に回転できる(宇宙空間の真空により回転時の空気抵抗による回転速度の限界・減少が生じにくい)人工衛星兼プラズマ容器(核融合炉部分)を含む真空容器の実施例を図8に示す。図8において容器の回転はロケット推進器・イオン推進器により推進剤PHNUを噴射させその反動で推進させ回転させてもよいし、光子セイルにて光子PHNUを反射させたり・光子PHNUの噴射の反動により推進する。<F>該衛星は図示はしていないが副電源として宇宙用の太陽電池や、他の人工衛星からのエネルギー供給手段、例えばミリ波やレーザー等によりワイヤレス電力伝送でエネルギーを受け取り核融合炉を起動させる電力としてよいし、該人工衛星の核融合炉で発電して得られた電力をミリ波やレーザー等によりワイヤレス電力伝送で別の宇宙機や宇宙構造物、あるいは公知の宇宙太陽光発電と同様に電波レーザーを用いて地球等へ送電してもよい。<F>地上での地面と固定される核融合炉・真空容器の場合、地震対策で耐震性を考慮する必要がある。他方宇宙空間の人工衛星ではその考慮は不要である。他方、太陽風等宇宙固有の障害に備える必要はある。
<F0052>
(該例は例えば太陽光、恒星からの光により宇宙太陽光発電等ができない、月・衛星・惑星の夜間の部分、或いは惑星間・恒星間を航行する宇宙船の発電部・エネルギープラント・宇宙船の原動機・発電機部分・動力炉に用いる事も想定している。<F>地上の海中や月面・ガス型惑星(木星型惑星)に含まれるかもしれない重水素Dや三重水素Tを採取して真空容器4D・4D-T・4D-ST・4D-Hに投入加熱し核融合を起こすことを試みてもよい。高エネルギーの中性子の発生を回避するためホウ素陽子を持ちいた核融合反応系を用いてもよい。)
<F0053>
容器4D-STは、高真空宇宙空間に浮かぶドーナツ型のプラズマを保持する真空槽・真空容器4Dには導体を張り巡らした壁面4D-INが備えられており、前記容器4D-ST(4D-IN)はモーター、ロケット推進、光子セイル・レーザー推進器やイオン推進器、光子を放射してその反動で推進する機構により(プラズマ4PZに対し相対的に)回転してよい。
<F0054>
*例えば4D-STをその容器の強度の許す限りロケットやレールガン推進を超える速度でトロイダル方向に回転させるため、光子セイル・レーザー推進器や光子を放射してその反動で推進する機構により回転してよい。
<F0055>
*4D-STの内部のコイル4C-EDLが作る磁場はトカマク型又はステラレータ・ヘリカル型でよい。
<F0056>
*4D-INは導体を含んでよい。4D-INはプラズマの変形を回転により抑えるため、導体を含んでよい4D-INが導体であるとき、容器4D-T(4D-ST等)が回転する時真空容器内部に閉じ込められたプラズマの変形を抑える意図も持つ。
<F0057>
*4D-STが回転する時であって内部プラズマ4Pを回転させていない場合、回転する容器4D-STからみてプラズマ4Pは回転しているように見ることができ、本願ではその回転を(核融合炉動作時のプラズマが変形する問題に対して)プラズマの変形抑制に用いる。<F>具体的には前記回転により、導体を張り巡らされていてもよい容器の壁面4D-INはプラズマの周りを回転し、導体がプラズマの周りを回転することでプラズマの変形が回転する導体の変形でならされ、抑制され、プラズマの形が制御されうる。
<F0058>
<産業上の利用可能性>本願は地上においても、あるいは宇宙開発時・太陽光の届かない遠方の宇宙空間用宇宙船・探査船・探査ロボットにおいても核融合を促すプラズマ容器に用いることができるかもしれない。
<F0059>
<符号の説明>
図5
<コイル>
101:材料部分(導体、半導体などの電気の導体になる部分。104が形成される部分)
102:ソース電極
103:ドレイン電極
104:MISFET・金属絶縁体半導体トランジスタ構造の素子において絶縁体105を挟むゲート電極106と材料部分101にからなるキャパシタ部分にゲート電圧(VGS)を印加された時に材料部分101にキャリア導入された部分104が形成され、ソース102とドレイン103の間に存在する104の導電性が101よりも高くなる事を電線・導線・コイル4C-EDLに用いる。
105:絶縁体
106:ゲート電極、ゲート部
EXC1:102と103と106の接続先である外部回路・電源回路・電圧印加回路。ゲート・ソース間に印加するゲート電圧VGSやソース・ドレイン間に印加するソースドレイン電圧VDSの電圧印加部が含まれる。EXC1の電圧VGSやVDSはコンピュータ式などの制御部とインバータ回路・電力ドライバ回路により制御され、電線1WIREや1WIREからなるコイル4C-EDLに電流を導通させ磁場を生じさせる。
1WIRE:104と101と102と103と106等のトランジスタ部を含む電線
1COVER:1WIREが被覆電線である場合の電線被覆部。中性子遮蔽の為、ホウ素B10を含有してもよい。
4C-EDL:1WIREからなるコイル。
<容器>
4D、4D-T、4D-H、4T:真空容器。4C-EDL:1WIREからなるコイルを備え、前記コイルによって磁場(の籠)を作りプラズマ4PZを真空容器内に閉じ込め・保持する。
4D-IN:真空容器内の壁面4D-IN・プラズマに向かいあう部分4D-IN。公知の例では4D-INは例えば大気圧に耐えるステンレス鋼真空容器の金属面や、流体金属ブランケット(流体のリチウム鉛合金)の面。本願では導体であることが要求される。(図8のように宇宙空間の真空を用いる場合、真空容器内面4D-INは重量・厚さのある金属厚板・隔壁の面でなくともよいかもしれない。)
4PZ:プラズマ。核融合燃料となるD、Tやヘリウム、陽子ホウ素等を含んでよい。
※本願図5には記載していないが、特許第7157892号(特願2022-123161)の図8に記載のように、上記104を含む102と103と106を持つ3端子素子(1-3TER)である1WIREについて、VGSを印加する部分(ゲート電圧の印加を可能にする抵抗等各種素子・あるいは制御部)を3端子の1WIREに内蔵し、ソース102とドレイン103のみが電線1WIREの両端に現れる2端子素子1-2TERとしてコイル4C-EDLに用いてもよい。真空容器・核融合炉用のコイルを交換する際に1-2TERのほうがゲート電極の取り外し不要で(あついはゲートの取り扱いの考慮が不要)ため、コイルや電線部の交換時の労力を低減する。
図7等>
<<4D-INが4PZに対して回転可能な真空容器及び核融合炉と核融合炉による発電システム>>
<真空容器>
4D:真空容器、ドーナツ状又は環状真空容器
4D-T:トカマク型核融合炉の環状・トーラス型真空容器
4D-ST:球状トカマク型核融合炉の環状・トーラス型真空容器
4D-H:ヘリカル型・ステラレータ型の環状・トーラス型真空容器
4D-SH:球状に近いヘリカル型・ステラレータ型の環状・トーラス型真空容器4D-H
4D-ST-ROT:回転する4D-ST
4D-SH-ROT:回転する4D-SH
4D-IN:プラズマに向かい合う、導体を含んでよい内壁、内壁の面。4D-INは公知ではステンレス鋼を用いた内壁は公知である。また流体金属で覆う場合はその面が4D-INに該当しうる。プラズマと向かい合う、非接触に最近接する金属の面。環状のプラズマ4PZを非接触にかつ最近接して囲む環状・トーラス状の金属面4D-INでもよい。*考案者の想定では薄い金属板や金属箔からなるトーラス面持つ炉壁・構造物等を想定する。スパッタリング影響を考慮し原子番号Zの大きい導体金属(高いZのWやPbか、液体金属LiPb等をまとう4D-IN)を搭載してもよい
*容器はクライオスタット部備えてよい。
<発電部、電力>
4D-B:核融合炉のブランケット等。回転可能な4D-INとは異なり、プラズマ(或いはプラズマから照射される中性子)から見て4D-INの背後に固定・静止されたブランケット4D-Bでもよい。4D-Bは熱交換器HXや外部の発電機4PPと冷却流体の流路・パイプのループで結ばれており4D-Bを4D-INのように回転させる場合、複雑な形状・機構になる恐れがあり、4D-INの後方に4D-Bを配置する恒星を図7に記載している。4D-Bは図では一部しか記載されていないが、4PZを含む4D-INの背後を取り囲むトーラス型の部分でもよい。
ブランケットは高速中性子のエネルギーを受けとめて(リチウム等からTの製造を行う反応をさせつつ)熱エネルギーに変換し、熱エネルギーを熱交換器HX部で冷却水・流体等で熱交換・冷却し、冷却水を加熱して蒸気を生成し蒸気タービン発電機を駆動するなどして、核融合炉の中性子・粒子の持つエネルギーを熱エネルギーそして電力に変換する。)
*本願はプラズマの変形抑制や磁気閉じ込めのコイルに関する出願のため、ブランケットで行われるリチウムやベリリウム等と中性子によるトリチウムTの増殖などに関する系の詳細は省略する。
STEAM:蒸気発生部
4PP:発電部等POWER-PLANT。公知の核融合発電・火力発電・核分裂型原子力発電所のボイラや原子炉・炉・ブランケットなど、熱源のエネルギにて冷却水を加熱しHXで熱交換し蒸気を蒸気発生部で発生させ、蒸気を蒸気タービンに送り、蒸気タービンを回転させ、蒸気タービンに連動する発電機・タービン発電機を回転・駆動させ、電力を得る部分。
PWGRID:電力網、回路
<回転手段>
4ROT:4D-IN・真空容器の回転手段
4ROTG:4ROTがモータである時、モータで駆動される動力を4D-INや容器の回転させた部分に伝達する為のベルトやギアなどの動力伝達部品
4B:軸受け、ベアリング
4AXS(4AXS-D):回転軸、環状構造物・トーラス体のトロイダル方向への回転軸。ドーナツの中心軸、回転軸。
<プラズマ系>
4P-DEVICE:プラズマ系補器4P-DEVICE。(プラズマ回転手段として中性子ビーム発射・照射部分。プラズマ加熱手段としてプラズマへの電波照射部RF等。4PZへの核燃料・イオンの供給部、プラズマを制御・維持するための手段を備えてよい。例えばプラズマの為の真空を維持するための真空ポンプ、プラズマの状態を測定したり容器内の真空度・環境を測定する測定器部分含んでよい。)
NBI:中性子粒子入射装置。4P-DEVICEに含まれてよい。
4HEAT:プラズマ4P、4PAを加熱する部分。4P-DEVICEに含まれてよい。例えば公知の核融合分野での加熱装置、レーザ装置、粒子ビーム(中性粒子入射加熱用イオンビーム)、高周波加熱・マイクロ波加熱・ミリ波電波による加熱装置・手段。
4PZ:プラズマ(4PMF含む)
4PMF:プラズマイオン(ヘリウムHe3、重水素D、3重水素T、リチウム、ホウ素等、4Dのフィード4FEED)プラズマの元である元素・原子・イオン。核燃料、核反応・核融合を起こすための燃料物質(ヘリウムHe3、リチウム、重水素D、3重水素T、陽子、ホウ素等)であってよい。
<排気系(4P-DEVICEに含む)>
4P:真空排気ポンプ。
4P-DV:ダイバータ。ダイバータ板を備えてよい。4P-DVは真空容器に備えられる。プラズマに向かい合い(対向し)プラズマから核融合後生成物(ヘリウム)を容器外に排出・排気する。真空排気ポンプで真空引きされる真空容器の排気ポートを含んでよい。導体の4D-INと同じく導体であってもよい。
<コイル系等>
4C-EDL:コイル。例えば電気二重層トランジスタ等のトランジスタを用いた導線・電線を用いてもよいコイルであって、MISFETトランジスタにおいてキャリア導入される材料部分101はカーボンナノチューブCNT、炭素系材料、銅・アルミでもよい導線を用いたコイル。(図7ではトーラス型容器のトロイダル方向に4C-EDL、4C-EDL-1、4C-EDL-2、4C-EDL-3、4C-EDL-4、4C-EDL-5の6つのコイルが例として記載されている。しかし実際の例ではコイルの個数は限定されず配置される。)*図7では4D-INを図示する部分は4C-EDLが配置されてもよい記載になっているが、それは例であって、4D-INを回転させコイル4C-EDLを固定し回転させない場合は例えば固定されたブランケット部4D-Bの近傍にコイル4C-EDLを配置してよい。
EXC1:外部回路、2端子の線1WIREやコイルにVDSやVGSを印加する部分。
EXC1-SOTODUKE:コイルドライバ、コイルオンオフ部、ゲートドライバなど可。
SRL:スリップリング部。カップリング部。回転部へのワイヤレス給電、スリップリング等の電力伝達部。*回転する4C-EDLに静止した回路からの電力等を伝達する部分。*4D-Bや4D-INを流体パイプや熱交換器で冷却する場合には流体のカップリング部・スリップリング部が必要になりえる。また4D-Bと4D-INが回転する場合4D-Bに冷却流体・冷却水蒸気を通すスリンプリング・カップリングやパイプが必要になりえる。*図7では4D-INは回転可能で、4D-Bは固定された構成を記載している。
TF-COIL:トロイダルコイル。(主にトカマク型の物)トーラス型容器のトロイダル方向に配置されたコイル。4C-EDLによる。軽量であると好ましい。TF-COILはプラズマを取り囲んで回転できてよい。球状トカマクの場合装置が小型軽量化され装置回転させやすくなる。
TF-COIL-H:ヘリカル型の(トロイダル方向に磁場を形成する)コイル。
PF-COIL:ポロイダルコイル。ポロイダル方向の磁場を作るコイル。トカマク型やヘリカル型において用いる。
CS-COIL:中央コイル。トカマク型において用い、4PZにプラズマ電流を生成し、またプラズマを加熱する際に用いる。
図6
図6左図(a)はトーラスまたは球状トカマク型の真空容器を真上から見た図(トロイダル方向が円周方向の図)であり、右図(b)は左図のA-Aダッシュ面の断面図であって、八角形樽型・林檎型の容器が記載されている。
図6中コイル(4C-EDL、4C-EDL-1から4C-EDL-5)は6つ図示されているが、コイルは複数個、トロイダル方向に敷き詰めるように配置してよい。*図6中コイル4C-EDLはトカマク型のTFコイルや、ヘリカル・ヘリオトロン・ステラレータ型のコイルの配置のように、複数又はねじれたコイル4C-EDLを配置して構成されてよい。
図8
図8は、回転時のベアリングの不要な点・大気圧に耐える真空容器やシンクポンプの不要な点から、人工衛星3(または宇宙船3、宇宙機3)に本願の真空容器、プラズマの磁気閉じ込め容器4D(4D-T、4D-ST、4D-H、4D-SH。あるいは4T)を搭載し、(または前記容器が宇宙機を兼ねていてもよい)
3:宇宙機、宇宙船、人工衛星、宇宙構造物(空中構造物)
3SAT:宇宙機のシステム部、宇宙機の制御部(及びその付属動力炉でもある核融合炉4D、4Tの制御部)、人工衛星として機能させるための諸設備を備えてよい。例:コンピュータ、原子時計、無線通信装置、姿勢制御装置(スラスタ・リアクションホイール)、電池、電気回路等備えてよい。
4CON:核融合炉4D、4Tの制御部、通信部など
4ROT-TH:ロケット推進、電気推進、イオン推進・光子セイル推進・レーザ推進・光子を放出する反動による推進を行える推進装置。例えば4ROT-THは粒子加速器を用い生じさせた放射光(運動量の高い光子、紫外線・X線・ガンマ線)を放出できる装置でもよい。またはアルファ線(ヘリウム)・荷電粒子・粒子を放出する反動により推進する装置でもよい。
4POWER-IN:外部受電部。人工衛星の3において、補助電源用として太陽電池部、あるいはレーザーによる信号やエネルギー伝送を行うときの受光部、マイクロ波・ミリ波など電波でエネルギー・信号をやり取りする時のアンテナ・レクテナ部、ワイヤレス電力伝送システムの受電部。核融合を起すためのスタートアップ電力をこの部分で受け取る。核融合燃料も受け取ってよい。人工衛星の回転を外部からレーザ推進・電磁力で止めたい場合もこの部分にレーザ照射したり、コイルによる電磁誘導式ワイヤレス電力伝送又は電気的回生ブレーキにて回転停止を促してもよい。
4POWER-OUT:外部への電力伝送部。レーザー、マイクロ波・ミリ波、電磁誘導等の非接触・ ワイヤレス電力伝送システムの送電部。(例えば紫外線等を放出できてよい。該衛星3は回転部があり、例えばマイクロ波送信部などは面積が大きくなりがちである。他方レーザーは小型化できるので、3は出力制限されたレーザーによるワイヤレス電力伝送システムの送電部を有してもよい。また本願の3は例えば惑星恒星間を航行する船に含まれる又は隣接してもよく、3と外部の船の受電部EX-3との間で電力のやり取り、送電を行うため電磁誘導式の非接触なワイヤレス電力伝送システムの送電部を有してもよい。)
EX-3:外部の受電部、Ex-Planet:外部の惑星、EX-Sat:外部の衛星
図9
図9はチューブ・円筒状真空容器4Tの導体内壁4T-INをシータ方向に回転可能な時の説明図。
4T-IN:回転手段4ROTにより回転可能な導体によるプラズマに対向可能な内壁
4PZ-FRC:FRC型における(中空ソーセージ状の・中空ソーセージ状であってトーラス状でもある)プラズマ4PZ。図において左右2つの4PZが作り出された後4PZ-FRCの部分まで加速・移動させられ、2つの4PZが1つのより高温の4PZ-FRCになり、そこにはNBIにより粒子が注入され核融合を起す。しかし4PZ-FRCは容器内で回転し不安定になる課題がある。本願は4D-INと同様に4T-INを回転できてよい。
X-POINT:セパラトリクス長は2つのX-POINTの間にある。
4AXS-4T-TH:円柱のチューブ容器4Tの円柱の円方向の回転軸(シータ方向)
トカマク式:ドーナツ状のプラズマを形成、ドーナツの軸に沿ってプラズマ中に電流を流し(その方向に流れを作り)、そのプラズマ電流が生成する磁場を作って閉じ込め磁場を作る方式。
<FEX001>
本願の考案、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。
<FEX002>
*例えば本願では環状の真空容器4D、4D-T等について記載しているが、コイル4C-EDLの磁気閉じ込め式の核融合炉・真空容器での利用は環状真空容器(4D、4D-T、4D-H)にとどまらず、磁気閉じ込め型MCF(トカマク型、球状トカマク型、ヘリカル型、トロイダルマシンの他に、スフェロマック型・逆転磁場配位型FRC、磁気ミラー型等)に用いる真空容器に設置するコイルに用いてもよい。<F>核融合燃料にD-Tを用いる反応系では、コイルの材料は高速な中性子にさらされスパッタリングとコイルの伝導体としての性能低下(超伝導体の劣化)・放射化が起きうるので、それに対抗すべく上記で述べた前記4C-EDLを用いてもよい。
<FEX003>
*超伝導体コイル4C-SCは超伝導体の状態が何らかのストレスにより解除され超伝導体でなくなる場合がある。そして超伝導体の時に磁場を作りプラズマを保持していた時から超伝導体状態が解除されるとコイルに負荷がかかる。<F>他方、前記コイル4C-EDLは超伝導を用いない(トランジスタのキャリア増幅現象を用いる)ので、4C-EDLはトランジスタ動作ができていれば、プラズマを保持していた時から超伝導体状態が解除された時にコイルに負荷がかかるということはなく、(よりシンプルな、より制御しやすい、ごく低温や超伝導体固有のマネジメントが要らないので)ソースドレイン部に電圧VDSを印加しゲート部にVGSを印加・オンにするだけでコイルを動作させ、磁気閉じ込めを行える利点がある。<F>(超伝導に由来する冷却や超伝導が解除された時の制御が不要となり、トランジスタのオンオフにより駆動できる(シンプルな)磁気閉じ込めコイルを提供できる利点があるかもしれない。)
<FEX004>
*FRC型において、プラズマがシータ方向へ回転する事で不安定になるとされる。他方、本願のドーナツ・環状の真空容器4Dに関連し、スフェマロック型、逆転磁場配位FRC型や磁気ミラー型のように(環状でない)チューブ・円筒容器4Tを用いるタイプ・核融合炉において、本願の一つの形態として、容器4Tの導体の内壁面4T-IN(4D-INと同様に導体を含む、導体を張り巡らせてもよい容器内壁)を回転・移動可能であってもよい。<FE>図9の4Tように、4Tは円筒容器であって円筒容器が前記シータ方向(又は円筒容器の円筒の円の底面の円周方向)に回転又は移動できてもよい。<FE>●●但し、本願では導体壁4D-INがトロイダルな遠心力により荷電分離するプラズマ4PZに対し回転することで4PZの変形を抑制・制御し閉じ込めようとするが、FRC型の場合もトカマク型と同じくプラズマに遠心力が生じ(トカマク型と同様とすれば荷電分離が起きるのか、)プラズマが回転し変形する課題がある。<FE>●●FRC型は円筒容器内に一方向に向かう磁場中に図9のように中空のソーセージ・煙の輪のようなプラズマ4PZ-FRC(プラズマ柱、柱型ではあるがトロイダル方向に電流が生じるトーラス型、トカマクと同じくトーラス型プラズマ)が閉じ込められるようになりベータ値が1に近い利点がある。しかし、その代わりに本願のトカマク型のように回転可能な導体4D-INで覆うことができない点がある。FRCでは4D-INでなく円筒容器面4T-INをシータ方向へを回転させるなどしてもプラズマ変形を抑制できない虞がある。しかし回転可能な導体面を持つ4T-INがFRC型のプラズマと電気磁気的に作用することも出願時点では否定しないので、本願ではFRC・スフェロマック型等の円筒容器の導体含む壁面4T-INを円筒の底面の円の円周の方向又はシータ方向に回転できるものとする。<FE>*本願はトカマク型・ヘリカルステラレータ型等の磁気閉じ込め装置に用いられうる。
<請求の範囲>
<請求項FA1>プラズマ(4PZ)を磁気により閉じ込める真空容器において、前記真空容器のプラズマに向かい合う部分(4D-IN、4T-IN等容器内壁)がプラズマに対し回転可能な真空容器であって、前記回転を行う回転手段(4ROT)を備えた真空容器であって、前記内壁若しくは前記内壁の面は導体を含む・導体を張り巡らせる・敷き詰めている特徴を有する、真空容器。
<請求項FA2>
環状・ドーナツ状・トーラス型の真空容器である真空容器(4D、4D-T、4D-ST、4D-H、4D-SH)であって、前記真空容器のプラズマに向かい合う環状・ドーナツ状・トーラス型の部分・内壁(4D-IN)がプラズマ(4PZ)に対し回転可能な真空容器であって、前記回転を行う回転手段(4ROT)を備えた真空容器であって、前記部分・内壁は導体を含む・導体を張り巡らせる・導体を敷き詰めている特徴を有する、請求項FA1に記載の真空容器。
<請求項FB1>プラズマ(4PZ)を取り囲む真空容器(トーラス型4D、4D-T、4D-ST、4D-H、4D-SH、円筒型4T)において、プラズマ4PZを磁気により閉じ込めるための磁気の発生手段に、トランジスタの絶縁体105と、材料部分101(銅、銅膜、カーボンナノチューブ)とゲート部分106(銅膜、カーボンナノチューブ等)により構成されるキャパシタ部分が、ゲート電極106に印加される電圧VGSにより、充電可能な導線・電線(1WIRE)をコイル4C-EDLを用いた特徴を持つ、真空容器。
<請求項FC1>
ヘリカル型・ステラレータ型の核融合炉用いられるコイルが、プラズマに対し回転可能な、核融合炉。
<請求項F1>プラズマを磁気により閉じ込める真空容器において、プラズマを磁気により閉じ込めるための磁気の発生手段にコイルを用いている真空容器であって、前記コイルはトランジスタの絶縁体(105)と、材料部分(101)とゲート部分(106)により構成されるキャパシタ部分が充電可能な導線・電線(1WIRE)をコイルに用いる特徴を持つ、真空容器。
<請求項F2>プラズマを磁気により閉じ込める真空容器において、前記プラズマに向かい合う真空容器の内壁部がプラズマに対し回転可能な請求項F1に記載の真空容器。
<請求項F3>環状・ドーナツ状・トーラス型の前記内壁若しくは前記内壁の面を有する、請求項F2に記載の真空容器。
<請求項F4>前記コイルが前記プラズマに対して回転可能な真空容器である、請求項F3に記載の真空容器。
<書類名>要約書<要約><課題> 高エネルギー中性子を放射する核融合反応(D-T反応等)を起そうとする熱核融合炉のうちコイルなど磁気発生手段を用いた磁気閉じ込め核融合炉に用いられる真空容器において、前記中性子による超伝導体コイルの放射化や性能低下の問題があった。またプラズマの荷電分離による変形の問題がある。
<解決手段>超伝導体コイルの放射化や性能低下の問題についてはトランジスタのキャリア導入の原理を用いたコイル(4C-EDL)を用いる。またプラズマの荷電分離による変形問題についてはプラズマに向かい合う回転可能な導体部(導体で構成された環状の真空容器の内壁部4D-IN)を備えさせ、内壁部4D-INをプラズマに対し相対的に回転させプラズマ変形を抑制しようとする。<選択図>図7図6図5
<書類名>図面<図5図6図7図8図9
<F0060>
先の出願、特願2023-174037に対して優先権主張を行い、先の出願を引用して援用する。また次の引用文献を引用する。
追加引用文献1:米国特許出願公開第2015/0380113号明細書
追加引用文献2:特開昭62-284288号公報
追加引用文献3:特開昭58-060283号公報
追加引用文献4:特許第7157892号公報
<F0061>
*本願の真空容器は前記回転させる際に回転に耐えうる構造とするため、(継ぎ目の少ない・溶接などで継ぎ目のない箇所を含む)打ち出し加工による導体・金属の容器の壁面4D-INを用いてよい。(例えば鉄の鋳物(中華鍋・フライパン、強度のあるもの)は鋳物で作られたり、プレスした板材を打ち延ばして作られ強度を持っているのでその製法による叩かれ打ち延ばされ鉄原子配列をより強くした鉄の容器を用いてよい。鉄の板材をプレスして打ち抜き、打ちぬかれた板をハンマーにて打ち叩いて・打ち出して伸ばして鍋・ボウル上にくぼんだ形に成型する・薄くして軽量化する事が行われている。)4D-IN(4D)を前記プレス板材からの打ち出しによる継ぎ目のない一体品として4D-INが回転した際の力に耐えるようにしてよい。また4C-EDL(当該4C-EDLの炭素材料カーボンナノチューブ等CNTは継ぎ目がある線材であり得てプラズマを保持する磁場生成のために電流を流しその結果応力に耐える必要があるが、その応力を耐える部分に前記継ぎ目のない鉄の打ち延ばししたコイル保持容器を用いてよい。
<F0062>
4D-INは(打ち延ばしで形成された後でも)4D-INの表面にめっきを施して(その後表面荒さをなくすために)研磨してもよい。4D-INは鉄のほか他の素材・合金(鋼)・金属・チタンなどから打ち出して作り出してもよい。(チタンを用いて4D-INを打ち出しにより強度持たせて作り出せる場合、鉄より軽量である可能性がある。チタンは磁性材料ではない場合がある。ステンレスなど合金も磁性はない・少ない場合があり、磁性を考慮して金属・合金を打ち出して成形した容器4Dや容器壁面部4D-INを形成・製造して本願真空容器・核融合装置に用いてもよい。例えば磁性材料を含まない炉の構造材や炉の圧力容器壁・炉壁4D-INでもよいし、鉄など磁性材料の壁・炉壁材料でもよい)
*4D-INは打ち延ばしで作られたのちに、その打ち出し面の一部を打ちくりぬいて開けてもよい。4D-INは打ち出しした鍋・カップ部を穴杓子・ジャーレンのように鍋面に多数の穴を或る距離毎に開けていてもよい。(くりぬき部には燃料の投入用の穴や燃料をターゲット部T1にして粒子やレーザーを打ち込んだりミュオンなどのT1の原子の核融合反応・核変換反応を促す粒子やシステムを導入可能な穴とできるので強度を考慮しつつ穴を打ち出し部に開けてもよい。)
*いったん打ち出し・鍛造で形成されたリング状の部品を梁の部品として、回転に適した球型の梁・フレーム部品にしてよく、その際に、梁・フレームと別の梁・フレームや他の部品を接合・溶接・締結・組合せして真空容器4D・壁面4D・コイルを応力より保持するコイルホルダ4D-COIL-HOLDERを形成してよい。
*本願のT1や4D・4T等を含む核融合炉・核変換炉・核破砕炉において、(公知では核分裂炉の圧力上昇も耐える原子炉の格納容器・圧力容器のように、核融合核変換部は高温になり圧力の上がる系がありえるので、)製造可能な箇所において系の圧力変化に耐えうる打ち出し成形し容器を製造する事も想定する。T1を含む容器あるいは4Tや4Dはプラズマや加速器用の真空容器や流体固体を格納できる圧力容器でもよい。
*4Dは回転時の強度を持たせるため打ち出して鍛造された継ぎ目のない金属容器でもよい。
<F0063>
<真空容器回転手段4ROT>
図31(先の出願の図7)について、
*プラズマを磁場により閉じ込める熱核融合炉容器4D、4D-ST、4D-SH、4D-T、4D-Hのプラズマ部4Pの核融合燃料部FEEDにミュオンを4P-MU部・M1部より照射可能であってもよい。
*4Dは回転手段4ROTにより回転可能でもよい。*回転手段4ROTには磁気浮上、ロケット推進等を用いてよい。
<4Dや4D-INの強度>
*地上において重量の大きい4D-INとなった場合、4D-INを回転させにくいことは依然として残る虞がある。追加引用文献3によればトカマク型核融合炉4Dの故障したモジュール(4DのうちD型でもよいTFコイルや容器部含むモジュール)の修理のために、トーラス方向に設けた軌道上(レール上)をモジュール移動出来るようにし、移動機構をトーラス方向の移動のため球体及び円筒コロ等で支持する方式は公知である。
地上では可能であれば磁気浮上方式で4Dや4D-INを浮上させレールに沿って回転させる方法もあるかもしれない。
*地上では4Dや4Dを回転させにくいとしても、宇宙空間内で4Dや4D-INがトーラス方向に回転手段4ROTにて自転・回転させてよい。トーラス方向に自転・回転させるために、重量物でもよい4Dや4D-INにロケット推進機4ROT-THの4ROTや固体燃料部にレーザーを照射し固体燃料を気化・プラズマ化させ噴出させ推進に用いる固体燃料レーザー推進式の推進機4ROT-THを4ROTを用いてよい。もしくはアルファ線を後方に噴射する推進機4ROT-TH(又はイオン推進機・電気推進器4ROT-TH)を4ROTに用いてよい。(4ROT-THはガンマ線など運動量の高い光子の照射を受け推進する光子セイル部であってもよい)
<容器4Dを浮上させて回転する場合・宇宙空間にて自転させる場合>
*重量物の4Dを例えば化学ロケット回転させその後レーザー推進や高運動量のガンマ線光子セイル等で加速回転させるとしても、軸受け部は加速後の速度に対し軸受けできるものである必要がある。磁気浮上部や磁気軸受を用いて回転軸を軸受けすることを試みてよい。また宇宙空間にて自転する場合は軸受け不要になりうる。*例えば4Dや4D-INが回転可能な機器3・(4Dやプラズマが回転する核融合用人工衛星3SPINFSAT・)人工衛星3・衛星内のモジュール3・構造物3として図32の4ROT-THを備えた3を記載する。4ROT-THは3の電力で推進動作・稼働してもよいし、外部からレーザー光子等の粒子照射を受けて推進動作しもよい。核融合が起きた場合その結果生成される中性子・陽子・アルファ線を噴出させその反動で3を推進してもよい。
3はレーザーや粒子(光子やミュオン等含む)を粒子やエネルギーの受取部(4POWER-IN、4PIRTICLE-IN、4ROT-TH)にて受け取り、利用し、又は粒子やエネルギーの送信部(4POWER-OUT、4PIRTICLE-OUT、粒子放射型の4ROT-TH)から3の外部に送信してよい。
*3の回転する部分や回転する4D・4D-INは高速回転に耐えられるよう強度を持つ構造材で構成されてよく例えば鉄や金属の板・塊を打ち出して・鍛造して継ぎ目のない容器・構造物・フレームを構成し前記フレームに各部品・コイルを搭載し、回転の動作をさせてよい。
*4Dや4D-INの最大の回転速度は回転に用いる推進剤の速度と4D等の遠心力に耐える限界により決まりうる。推進部は光子や高速なアルファ線を放出してよい。4Dや4D-INは金属打ち出し品にて構成されてよい。4Dや4Tは継ぎ目のない材料であってよい。
(@例えば継ぎ目のないひとつながりの原子結合体である材料、両端の閉じたカーボンナノチューブや窒化ホウ素ナノチューブのような繊維素材を実現できる場合にはそれを用いてよい。若しくは、ループ・輪型・環状の両端の閉じたカーボンナノチューブや窒化ホウ素ナノチューブのような繊維素材部品2NTLOOPを複数製造し、2NTLOOPは形容するならば家紋の組合角の紋様ように、角・ループを複数組み合わせて始点のループと終点のループを組合させたひとつながりの2LPSTを形成し2LPSTを3SPINFSATの回転する際の遠心力に耐えるフレーム・ケーブル・構造部に用いてよい)
前記回転する3や4Dは自転速度を高くできる場合、その速度を生かして、マスドライバのように3から搭載物3LOADを放り投げることも可能かもしれない。4ROT-THにより加速され自転する3から、3の表面に連結部3LINKを用いて連結された搭載物3LOADを連結制御部3LINKにて連結を解いて3LOADを3・3SPINFSAT切り離して遠心力により切り離した搭載物3LOADを遠方へ放り投げ・放出・発射してよい。4Dや3は物体3LOADをハンマー投げのハンマーのように振り回して遠心力をつけて放り投げる装置・物体投射装置でよく、所謂遠心力で3LOADを放り投げて発射するマスドライバ・投石機・カタパルト・物体投射装置3MDの部品でもよい。(例えば真空容器内にてカーボンファイバー製のアームに放り投げる物体を連結させ、該物体を持つアームは回転し、該物体を持つアームが回転したのちに連結を解いてアームから物体をリリースして物体を宇宙・上空に向け放り投げる米国スピンローンチ社の打ち上げ装置・投石機・物体投射装置3MDは公知である。また遠心銃・遠心機関銃という遠心力を用いて物体を投射する物体投射装置3MDは公知である。)
*回転する3や4D・4Tには非接触にミュオンを照射できてよい。3は高速回転可能であるが、3に図27の(A)のようにミュオン生成用の加速器部分を直接取り付けて回転させようとすると、容器4Dと加速器・ミュオン導入部部分M1の継ぎ手部LM14Dが回転による力に耐えきれず破断する(あるいは4Dと照射部M1の連結体が回転時アンバランスになり崩壊する)恐れがあり、3は回転してもバランスの取れる対称形・トーラス・輪・円環状とし、その3の4Dにミュオンを遠隔非接触に照射し投入してよい。4Dや4D-INの内部プラズマ・核融合燃料に粒子やミュオンを照射してよく、その照射のための開口部(ポート)を前記打ち出し鍛造の4D-IN部に備えさせて良く、前記開口部は回転しているので開口部に向けてミュオン・粒子を射出投入できるようミュオンや粒子投入部は制御部・コンピュータやセンサにて粒子投入を制御してよい。
<4Dや4TにプラズマのT1を用い、T1をプラズマ化させ加熱・点火する工程の例>中心コイルのない構成の4D(球状トカマク型4D-STやヘリカル型4D-Hでもよい)や4Tについて、FEED・プラズマになる部分に中性粒子ビームやミュオン・粒子投入をして、中性粒子ビームによる加熱やミュオン核融合を起こして、容器4D内のプラズマ4Pをミュオン核融合によるエネルギーで加熱する。加熱後点火に導いてもよい。
点火後は磁場閉じ込めの磁気容器内でT1にて核融合反応が持続するようにミュオンを照射してよいし、核融合反応生成物(燃えた残り・ヘリウム)をプラズマの場合は真空排気装置・ダイバータから取り除いてよい。(T1・FEEDを2EXTEJのようなイオンの質量差により分離可能な箇所に通じさせ、該箇所でヘリウムと燃料を分離できてもよい。)
*DとT又はヘリウム3(又は無中性子系の水素・ホウ素)等の核燃料ターゲットを容器4D・4T内に導入しミュオンを当該部DT部に照射しミュオン核融合を促し核融合によりプラズマ化又は燃料加熱させる。(必要に応じて、プラズマを加熱したい場合はミュオニック原子でもある中性粒子を中性粒子ビーム照射部よりT1に照射し加熱・プラズマ化・ミュオン核融合促進させプラズマ形成・昇温・点火へと導いてよい)その後加熱された燃料を磁気閉じ込め方式で保持する。
*本図装置でミュオンはミュオン生成装置2MUのミュオンや宇宙ミュオンを減速器で減速して得て当該燃料部に照射してよい。また3が宇宙空間にある場合は宇宙線を宇宙空間で受けて該宇宙線からミュオンを得てミュオンを減速器で減速し(正負のミュオンは分離できてよく分離して)望みのミュオンを低速にしてT1部に投入・照射してよい。ミュオンを宇宙の天然の宇宙線から得ることで核融合システムの入力した電力に対する発電できた電力のエネルギー収支が改良する可能性はある。
<F0064>
ホウ素や窒素と水素をターゲット部T1とした部分にミュオンを照射し核融合を促してもよい。
水素とホウ素11の核融合反応系は核融合反応後に高エネルギーのアルファ線を放出し中性子は生じにくいので炉心・容器4Dや炉壁4D-INを放射化させうる中性子の影響を減らせる可能性がある。
<F0065>
ミラー型・タンデムミラー型・スフェマロック型・FRC型の磁場・磁場容器を形成可能な筒状・シリンダ容器4Tについて、4Tはシータ方向に回転可能でもよい。
そして4Tはプラズマのほかに水素化ホウ素(B2H6)、LiBH4やアンモニア・フッ化水素等の燃料の固体液体気体流体を充填格納してよく、例えば液体アンモニアを加圧して格納できる圧力容器4Tであってよい。
<F0066>
<プラズマの閉じ込めについて、点火、加熱、荷電粒子・ミュオンアルファ線の容器内への保持>
プラズマの閉じ込めについて、例えばヘリカル型のコイルや磁気容器を用いた容器4D-H・4D-SHについて、プラズマ加熱用のCSコイルは不要でありつつ、プラズマやミュオンを保持する式容器が形成できる可能性があるので、4D-Hや4D-SHを用いてよく、それら4D-H・4D-SHを前記回転手段4ROTにて回転させて良く、さらには4D-H・4D-SHのFEEDを含むプラズマ部に向けて(もしくはプラズマではなくアンモニアや水素化ホウ素などのミュオン核融合液体・気体・流体燃料物質T1・FEEDに向けて)燃料加熱点火用の中性粒子ビーム・中性粒子ビーム入射加熱NBIの粒子や(電気的に中性な粒子でもあるミュオニック原子の粒子ビームや)加熱用の高周波加熱RF・電磁波・光子やミュオン核融合時のミュオン核融合反応点火用のミュオンビームを照射してFEED部を核融合点火状態まで導くよう試みてよい。*4D-H・4D-SHに水素化ホウ素を格納しヘリカルコイル・ステラレータ型コイルによる磁気容器を形成し前記磁気容器内でミュオンを閉じ込めミュオンをT1・FEEDと反応させつづけミュオン核融合させ、仮にミュオン核融合しアルファ線・エネルギー放出した場合でもアルファ線は磁気容器内に閉じ込められえて、アルファ線のエネルギーによりT1・FEED部が加熱されミュオン照射と前記アルファ線による加熱により磁気容器容器内のT1・FEEDは核融合を持続することを期待する。*なお、仮に、前記アルファ線の加熱にて、磁気容器内FEED部が熱核融合できるほど高温に達している場合、ミュオン照射しなくとも核融合が持続する状態、(燃料に点火できた状態)になる可能性もあるので、例えばヘリカル型の装置において、ミュオンや粒子照射型加熱部を用いてFEEDを加熱したりミュオン核融合させてよく、その後のアルファ線を磁気容器にて保持しFEEDを核融合後のアルファ線エネルギーで加熱する意味でも磁気容器を用いてよい。
*例えばプラズマと真空容器を用いる構成として、中性なミュオニック原子としてミュオニック水素/ホウ素11を生成し、前記ミュオニック水素/ホウ素を4D・4Tや4D-H・4D-SH内のプラズマのホウ素11/水素に照射し、プラズマでもありミュオンやミュオニック原子とFEEDを閉じ込めた磁気容器を構成してもよい。仮に水素とホウ素の核融合が起きアルファ線が生じた場合にはアルファ線は磁気容器内で閉じ込められうる。
他方、(プラズマ・真空容器の構成ではダイバータでヘリウムを回収するが)磁気容器内のプラズマ4PZにヘリウムが閉じ込められて取り出せない・排出できないとFEED部がヘリウムで閉塞してしまい核融合しにくくなる恐れがあるので、他の構成として、圧力容器ないし流体容器の4D-HにFEEDの水素化ホウ素を満たし、FEEDにミュオンを結合させミュオン核融合させアルファ線は水素化ホウ素FEED内に排出されその後水素化ホウ素をヘリウムの脱ガス装置に通してヘリウムを除去する構成が好ましいかもしれない。回転する4D-SHでは磁気容器・磁気籠が回転可能で荷電粒子閉じ込めやすくなったり、ガスのヘリウムと液体の水素化ホウ素・FEEDを遠心分離し又はFEEDを遠心回転させ混合させフレッシュなFEEDを磁気容器・磁気籠の磁力線強い部分に供給できる、FEEDを遠心力で循環させたり動かしたり気液分離できる可能性があり、回転する容器4Dや4D-H等や4Tに液体流体のFEEDを格納しコイル2COILで磁気容器を形成しミュオンをT1・FEED部に投入し核融合させることを促してよい。(ミュオン閉じ込め用磁気容器はコイルにて形成され、磁気容器回転してよい。磁気容器4MU-MF・4MU-ORBIT)
<F0067>
<金属シリンダ内へミュオンを導入する場合>
前記圧力容器は所謂ガスボンベのような厚みのある金属壁を持つ鉄・チタンなど高Zの金属のシリンダ容器とすれば、シリンダ側面やシリンダの底部、シリンダの蓋部・上部バルブ部等は金属部で封じられており、容器壁面にミュオン入射用窓部を開けにくい虞があり、減速された負ミュオンは厚い金属壁にトラップされ4T内のT1に到達できない虞がある。
そこで図33の(B)のように、4Tの容器内又は壁面4T-INからみてT1・FEEDで満たされるべき部分にミュオン減速器2MUDECEを備えさせて、4Tの金属壁部4T-INを超えたところにある減速器部2MUDECEに向けてミュオン生成・照射部2MUより(金属壁を通過可能な速度の)高速ミュオン(M1L)を照射し、その後容器4T内部の減速器部で該高速ミュオンを受取・減速し、その後減速した低速なミュオン(M1L)を容器4T内部のターゲット部T1に照射・投入・結合させ、ミュオン核融合・核変換を試みてもよい。(4Tの金属壁を超えて4T内に入り込んだところで高速ミュオンを減速器にて減速して低速ミュオンを得て、その後容器内のT1に結合させミュオン核融合・核変換を試みてもよい。なお4Tに限らず4D等他の容器においても同様にミュオンをT1に導入してもよい。)
2MUDECEの駆動電力は4Tの外部から内部に電線を引くなどし接触・非接触の電力伝送により供給してもよい。4Tのミュオンを磁場により閉じ込めるコイルは容器内または容器外に配置されてよい。
*また、図33の(B)のように、4Tの容器内又は壁面4T-INからみてT1・FEEDで満たされるべき部分にニュートリノを受け取りミュオンを生成する部分2MU-BY-NUTとミュオン減速器を配置してニュートリノを容器内でミュオンに変換しミュオンを容器内のT1に結合させミュオン核融合を促してよい。(なお4Tに限らず4D等他の容器においても同様に容器内にニュートリノを投入しニュートリノからミュオンを得て該ミュオンをT1に導入してもよい。)
この構成の場合、容器4Tや壁面4T-INは高Zな金属、例えば鉄・チタン・ニッケル・さびにくいステンレスや高融点材のタングステンW、WC等を用いる事ができる。
タングステンWや鉛Pb、ビスマスBi、アクチノイド等の重元素であれば容器内部でアルファ線等由来のガンマ線を高Z原子が吸収・遮蔽されうる。)
また高Zな金属に限らず炭素材料でできた圧力容器の4Tを用いてもよい。(例えば液体アンモニア(P-15NやD-14Nを含むNH3・ND3)のボンベを核融合炉の圧力容器とし、その圧力容器内にミュオン減速器やミュオン生成部、ニュートリノなど他の粒子からのミュオン変換部を配置し、高Zな容器内にミュオンを導入することを試みてもよい。)
*筒状・開放端の4Tに限らず4Dのようなトーラス・環状・ループ構造の容器や球形・箱型の容器(金属にてT1を密閉したタンクやボンベ状の容器)においても減速器やミュオン生成部を容器内に配置してT1に減速したミュオンを投入・結合させて良い。
<F0068>
<書類名>請求の範囲の例
<請求項1>プラズマを磁気により閉じ込める真空容器において、プラズマを磁気により閉じ込めるための磁気の発生手段にコイルを用いている真空容器。
<請求項2>プラズマを磁気により閉じ込める真空容器において、前記プラズマに向かい合う真空容器の内壁部がプラズマに対し回転可能な請求項1に記載の真空容器。
<請求項3>環状・ドーナツ状・トーラス型の前記内壁若しくは前記内壁の面を有する、請求項2に記載の真空容器。
<請求項4>前記コイルが前記プラズマに対して回転可能な真空容器である、請求項3に記載の真空容器。
<請求項5>プラズマを磁気により閉じ込める真空容器において、前記プラズマに向かい合う真空容器の内壁部がプラズマに対し回転可能な真空容器。
<請求項6>前記回転可能な、環状・ドーナツ状・トーラス型の前記内壁を有する、請求項5に記載の真空容器。
<請求項7>前記内壁は継ぎ目のない金属又は導体により構成されている請求項6に記載の真空容器(であって、前記内壁は金属板・金属塊を打ち出し・鍛造し伸ばして、継ぎ目のない内壁構造物4D-INを形成している特徴を有する真空容器)。
<請求項8>ミュオン生成部・ミュオン減速器とミュオン核融合燃料を格納し、前記燃料T1に減速されたミュオンを照射・結合・投入可能な容器・圧力容器・金属容器・高Z原子からなる容器。
<請求項9>
ミュオンを減速可能な加速器又はミュオン減速器を用いてミュオンを減速させたのち、前記ミュオンを核変換を行う原料物質の原子に投入・結合させる工程を有するミュオンを用いた核変換システムであって、磁気容器にミュオンを配置・投入・閉じ込めする特徴を有する核変換システム。
<書類名>要約書<要約><課題>高エネルギー中性子を放射する核融合反応(D-T反応等)を起そうとする熱核融合炉のうちコイルなど磁気発生手段を用いた磁気閉じ込め核融合炉に用いられる真空容器において、前記中性子による超伝導体コイルの放射化や性能低下の問題があった。またプラズマの荷電分離による変形の問題がある。
<解決手段>プラズマの荷電分離による変形問題についてはプラズマに向かい合う回転可能な導体部(導体で構成された環状の真空容器の内壁部4D-IN)を備えさせ、内壁部4D-INをプラズマに対し相対的に回転させプラズマ変形を抑制しようとする。 (超伝導体コイルの放射化や性能低下の問題についてはトランジスタのキャリア導入の原理を用いたコイル(4C-EDL)を用いる。)<選択図>図30<書類名>図面<図1
<F0069>本願の考案、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。
【0103】
図27
4D-MUCF:トーラス状・環状の容器(プラズマ容器・真空容器でもよいし、固体液体気体の容器・圧力容器でもよい)ドーナツ状容器でもよい。
4T-MUCF:チューブ状・円筒状の容器(プラズマ容器・真空容器でもよいし、固体液体気体の容器・圧力容器でもよい)シリンダ型容器・箱型容器・筒状容器でもよい。
1F-SYS:核融合システム、1EXP-SYS:核変換システム、1R:核融合炉・核変換炉・炉
図27ではITERの核融合炉の核融合炉に必要な装置類を付属させて良い。ミュオン核融合炉について図10から図7図21のようなT1・FEEDの供給系、発電部、熱交換器、AEC、核融合生成物・ヘリウムの除去部のように核融合炉に必要な装置類を容器4D-MUCF・4T-MUCFに付属させて良い。
(A)環状容器、真上からみた図
T1・FEED:核変換させる原料原子のターゲット、核変換原料。
M1:ミュオン、ミュオン源、ミュオン生成部・照射部・T1への投入部
MA1:ミュオニック原子、ミュオニック原子の生成部・照射部・T1への投入部
(4P-DEVICE:プラズマであるT1・FEEDへ4D・容器・FEED部へ原料を投入するデバイス、燃料供給部、核融合炉1Rを補助する機器)
(4D-DEVICE:液体気体等T1・FEEDへ4D・容器・FEED部へ原料を投入するデバイス、燃料供給部、1Rを補助する機器、)
4D-IGNIS:点火装置(CSコイル等熱核融合炉でFEEDを加熱し最初の核融合に導くする部分、又は、ミュオン核融合でのミュオン核融合を最初に導くためのミュオン照射部。核融合開始のためのデバイス、点火部。*ミュオン核融合の場合ミュオン照射部、又はミュオン照射時FEEDを慣性閉じ込めしたり磁気閉じ込めして加熱する部分。中性粒子入射装置やRF・光子によるFEED加熱部でもよい)
4P-2MU:プラズマへのミュオン照射部。ミュオンを結合させ電荷中性にしたミュオニック原子・粒子の投入部・中性粒子入射装置でもよい。(ミュオン減速器含んでもよい)
4D-2MU:液体・気体や固体のT1・FEEDへのミュオン照射部。ミュオンやミュオニック原子・粒子の投入部・中性粒子入射装置でもよい。(ミュオン減速器含んでもよい)
LM14D:M1導入部、容器への接続部
4D-MUCF:容器。4D-MUCF-ROT:回転可能な容器。
4D-IN:容器壁・容器壁面。容器内のFEED・T1・核融合部に向かい合う・対向する部分。
4AXS:容器のトロイダル方向への回転軸。トロイダル方向に回転させる容器4D-MUCF-ROTの場合はトロイダル方向への回転させる際の中心軸。
2COIL:磁気容器形成のためのコイル。ステラレータ型・ヘリカル型でもよい。トロイダル方向に磁場を形成するコイル。(トカマク型のコイル、TFコイルを含んでよく、広くは容器内にミュオン等荷電粒子やプラズマを閉じ込める磁場生成手段)ステラレータ・ヘリカルコイル2COIL-STR、トカマク型用コイル2COIL-TOK、TFコイル、CSコイル、PFコイル等コイル)
FEED-MF:磁気容器内のFEED・T1
T1-2BMU:磁場、ターゲットT1内を通過する磁場。
4MFC-ORBIT:磁気容器、4AXSを中心にトロイダル方向へ形成された磁気容器・磁気容器の軌道。
4MU-ORBIT:ミュオンが磁気容器に保持されて回転する様子、又はミュオン保持している磁気容器、磁気容器に保持されたミュオン。
*4D-MUCFは磁気容器内でミュオンや荷電粒子・プラズマを4MFC-ORBIT・T1-2BMU
・4MU-ORBITにて4AXISを中心軸として回転させたり当該部にミュオンを閉じ込めしてよい。(cf:また図10から図15のようにミュオン標的部・粒子標的部を挿入し4MU-ORBITを4AXSを中心に周回するプラズマや粒子・ミュオンと標的部を衝突させる部分2CLPを形成し、前記粒子同士を衝突させてよく衝突により粒子生成してよい)
(B)環状容器、横図[A-A´区間の断面図]
(CS-COIL:必要な場合のCS-COIL)
4D-MUCF:環状容器。4D-IN:容器壁面。(導体でもよい)
2COIL:コイル、TF-COIL, Helical-COIL。
T1-2BMU、4MU-ORBIT(磁気容器、磁気容器内のミュオン)
4D-MUCF-ROT:回転可能な容器。
(C)シリンダ容器(筒状容器)
1F-SYS、1EXP-SYS、1R
4T-MUCF:容器、筒状容器
4T-MUCF-ROT:回転可能な容器。
M1、MA1、M1F:高速なミュオン、又はミュオニック原子
2MUDECE:ミュオン減速器、ミュオニック原子の減速器
M1L:減速されたミュオン(・ミュオニック原子)
4STAT:容器の支持部、固定部
(回転させる場合軸受4B、容器回転部4ROT)
2COILs-FOR-4T:筒状容器内に磁場容器を形成するためのコイル群(なおコイルは筒状容器内に磁気容器を形成できる配置や容器の材質であればよい。)
(2ICF:T1部の慣性閉じ込めを行う場合の慣性閉じ込め手段部。レーザーやイオンビームによりT1部を圧縮させる部分)
AEC:アルファ線エネルギー変換部、荷電粒子直接発電機(コンバータ)
(必要な場合、1TH-NZノズル、1TH:推進機)
1GENR:発電部。光電変換素子等AECで生じた光や電磁波を用いて発電する部分でもよい。(また可動部は増えるものの、火力発電部のように水を沸騰させ蒸気を生成しタービンを回転させるタービン式発電部でもよい。)
1PRPLT:推進剤(核融合後に生成された粒子・アルファ線、または核融合エネルギーにより生じた光子や粒子やそのエネルギー投入を得て噴射された推進剤)
(A*)環状容器の磁場とミュオン軌道
4MU-ORBIT:ミュオンを閉じ込める磁場の軌道(・磁気容器)
2MUDECE:減速器(回転する4D-MUCF-ROT容器に高速ミュオンM1Fを遠隔・非接触にて入射させ、当該部で減速し減速したミュオンM1Lを得ることが可能でもよい)
M1-CYCLB:T1内で磁場により回転・移動・円運動・螺旋運動・サイクロトロン運動しているミュオン。
4D-MUCF-H:ヘリカル型・ステラレータ型の磁気容器を生成可能な容器・4D-MUCF。
4D-MUCF:ヘリカル型・トカマク型等磁気容器を生成可能な容器。(トカマク型の場合などではCSコイルを用いてT1・FEED・プラズマ部を加熱可能であってもよい)
図33
(B)シリンダ状容器4T・4T-MUCFの説明図
4T、4T-MUCF、4T-MUCF-ROT:容器。(該図ではシリンダ容器。*形状に制限はなく金属製でもよい圧力容器、4D、4D-MUCFでもよい)
4T-IN:金属でもよい壁面。該図では厚みのある圧力容器金属壁面想定。
2COILs-FOR-4T:コイル。磁気容器形成用。
1NUT-TX:ニュートリノ送信部、ニュートリノビーム送信部
2MU-BY-NUT:ニュートリノからミュオンを生成する部分(例:ニュートリノを受ける放電箱)
2MU:ミュオン生成部、M1F:高速ミュオン
2MUDECE:ミュオン減速器
T1・FEED:核変換原料、ターゲット部
【0104】
<<優先権を主張した出願による追記部分>>
先の出願特願2023-150635、特願2023-151787、特願2023-174791、特願2023-174037、特願2023-196029、特願2023-196327、特願2024-058388、特願2024-065053、国際出願番号PCT/JP2024/016620に対し次の項目を追加した。
図34
図34は重水素Dと炭素12からなるメタン(炭化重水素、CD4)に負ミュオンを照射し前記メタン内の炭素12に負ミュオンを結合させ、前記メタンCD4内の炭素12にDが核融合して窒素14となったのち、前記窒素14に重水素Dが結合して励起した酸素原子核16O*となり、前記16O*が炭素12とアルファ線に核変換される反応例「CD4+ミュオン->12C+D->14N+D->16O*->12C+4He」の想定図。
図34では、「CD4+ミュオン->12C+D+ミュオン->14N+D+ミュオン->16O*->12C+4He+ミュオン」をCD4の中で2回繰り返して全体の反応式がCD4+ミュオン->C(炭素12)+2×He(ヘリウム4)+ミュオン」となる場合の説明図を含む。CD4内で2つDを12Cに結合させ励起した酸素原子核を経て再度炭素12原子核に戻るため、図34に記載のメタンCD4に負ミュオンを結合させる反応式は「ミュオンを原料原子と結合させ、励起した原子核を得て、前記原料原子よりも有効核電荷又は原子番号の小さい原子に核変換する工程を有するミュオンを用いた核変換システム」であって、原料原子は炭素12と重水素Dからなるメタン分子内の炭素12と重水素である。
<D-12C、D-14N系>
図34の例では炭素12にDが2つ結合して励起した酸素16原子核を経て炭素12とアルファ線を生成する想定であり、炭素12にミュオンを結合させ前記炭素12に化学結合する重水素Dを2つ核融合させヘリウムに変換している。
*発明者は「CD4+ミュオン->12C+D->14N+D->16O*->12C+4He」の反応が起きるかもしれないと考えている。このCD4をミュオン核融合の核融合燃料物質に用いる場合は、自然界で得やすい炭素12と重水素(海水より得る。又はガス型惑星や氷型惑星より得る)を用いてメタンCD4(12CD4)を合成しメタン・アルカン用のガスボンベに前記CD4を格納して持ち運びし核融合燃料として用いる事ができるメリットがあると考えている。
(注:なお図34では「CD4にミュオンが結合してCにDが2つ続けて核融合して励起した酸素原子核16O*となったのち、1つのヘリウムを放出するはずだが、放出しない場合に関して、酸素原子核16O*に再び2つ続けてDが核融合して励起したネオン原子核20Ne*となった場合には、前記20Ne*から1つヘリウムを放出して酸素原子核16O*となり酸素原子核16O*はもう一つヘリウムを放出して炭素12原子核12Cとなる反応」についても記載している。)
メタン分子内の炭素12原子核にミュオンを結合させ、炭素12原子核に共有結合して近接している重水素D原子核を炭素12に結合させていき最終生成物として2つのヘリウムを得ることができ図34の当該反応例では炭素12とミュオンがCD4内の4つの重水素をアルファ線に変換する触媒部のようにふるうかもしれない。
メタン分子1つにつき2つのアルファ線(窒素15と水素の核融合時は5.0 MeVを生成する事を踏まえDと14Nが核融合する場合も5MeV生成を仮定するとCD4の1分子内の4つのDと1つのCから2つのヘリウムと1つのCに核変換する場合、10MeVのエネルギーが得られる。
水素化ホウ素とメタンを比較した場合、メタンは水素化ホウ素のような生物への毒性はなく、都市ガス等で用いられておりメタンの供給網・パイプライン・ガスタンク・ガスボンベ・ガスホルダー・メタン輸送船舶の設備を用いる事が可能であるメリットもある。
図34(B)はアルカン等の炭素数の多い・高分子である炭化水素材料の例であって、炭化水素内の炭素原子同士はミュオンにより核融合していない場合であって炭化水素内の炭素と重水素部はミュオン核融合する想定図である。
<P-14C系>
D-12Cの系では炭素12に重水素Dをミュオン核融合させ窒素14を得て窒素14を続いて同核融合させ励起した酸素16原子核を得て炭素12とヘリウム4を得る想定であるが、励起した酸素16を得るために水素Pと炭素14からなるメタン・アルカン・ハイドロカーボン14 にミュオンを照射して核融合させてもよい。数千年と長い半減期の放射性同位体炭素14を核燃料として軽水素と核融合させ無害な炭素12に核変換させるメリットがありハイドロカーボン14 にミュオンを照射して核融合を試みてよい。)(ハイドロカーボン14+ミュオン->14C+1H(P)->15N+1H(P)->16O*->12C+4He)
*炭素材料でできたミュオン標的に高エネルギー陽子を照射すると陽子が炭素原子を射貫いて核破砕反応し、中間子・パイオン・カオンやアルファ線やリチウム原子核、中性子・陽子等を生じえて、該中性子は炭素材料内の別の炭素原子(あるいはミュオン標的周りの部材)により中性子捕獲されて中性子数の高い炭素13や炭素14原子核を生成しうる。
炭素材料ミュオン標的上にて陽子照射により炭素原子核が核破砕され中性子を生じて、該中性子は隣り合う炭素に供給・捕獲していくと炭素は炭素12から中性数を増して炭素14に富んだ炭素ミュオン標的となる。炭素14を多く含むことでミュオン標的は強く放射化される・又は長い半減期にわたり放射性崩壊をする廃棄物になる虞がある。そのようにして得られた炭素14は半減期が長く蓄積すると放射性廃棄物になりうるところ、炭素14をミュオン標的から分離させ(レーザーアブレーションしてプラズマ・ガス化し同位体分離して炭素14を分離して取り除き、ケミカルプロセスで炭素14と水素からメタン・アルカン・気体・液体(石油)・樹脂の炭化水素を生成し)炭素14と水素pを結合させた炭化水素材料を合成し、前記14CH4にミュオンを照射させ、炭素14と水素を核融合させ窒素15を得て窒素15に水素を核融合させ励起した酸素16原子核を得て炭素12とヘリウム4に変換試みてよい。
*炭素14については、そのほかの生成例として、窒素14に宇宙線を衝突させ(中間子・ミュオンを生成しうる)窒素14原子核は宇宙線の中性子を捕捉することで炭素14に変換されるため、自然界・地球上に微量存在する。また核分裂炉(沸騰水型原子炉(BWR) および加圧水型原子炉(PWR))内で放出される中性子を原子炉内の原子が中性子補足する事でも生じうる。
<ミュオン標的の核破砕による重水素D・トリチウムT生成と燃料への利用>
炭素のミュオン標的は陽子照射を受けて核破砕され別の粒子を生成する。
炭素12を破砕してアルファ線やリチウム原子核、中性子・陽子等を生じえて、中性子は先述のように炭素原子に捕捉され炭素原子内の中性子数を増加させうるが、そのほかにリチウム原子核や陽子と中性子からなる重水素D・三重水素Tを生成する虞もある。
リチウムの場合リチウム8になったのちベリリウム8になりアルファ線になる可能性がある。
他方、DやT、特にTは寿命は短いが放射性崩壊するためT回収部にてT回収できると好ましい。
重水にミュオンを照射してミュオン核融合させヘリウムや炭素原子を得てもよい。
核燃料にDTを用いる核融合用のTを得てもよい。(ヘリウム4・アルファ線1つが重水素2つと釣り合う。他方水素1つとトリチウム1つでヘリウム4と釣り合う。)
*Tは中性子過剰である。ミューやタウのニュートリノ検出時に重水素や3重水素からなるニュートリノ受け部・標的部を構成してよい。例えば炭化重水素の樹脂よりも炭化3重水素の樹脂のほうが中性子が多くニュートリノを受け安いかもしれない。
*本願の一つの形態では核変換後の生成物のZが核変換前の原料原子のZよりも小さくなる系を記載している。
本願の別・違う側面からの形態では、トリチウムTの消費も兼ねてT由来のヘリウム3同士をミュオン核融合させヘリウム4と陽子とエネルギーを得てもよい。ヘリウム3同士からヘリウム4と中性子を得る場合、水素同士からヘリウムを得るときに起きうる電荷+2のヘリウムへの負ミュオンのトラップは起きにくくなるかもしれない。*三重水素は半減期後にヘリウム3を生成する。
<T2O、T-16O系>
酸素16に3重水素Tをミュオン核融合させ窒素19原子核を得て1その後窒素15とヘリウムとエネルギーを得てよく、その後窒素15とTを結合させ酸素18を得てもよい。酸素16とTをミュオン核融合させて(特に安定同位体のTを核融合で消耗させ)安定同位体の酸素18へ変換試みてよい。
<D-16O系>
酸素16に重水素を二つ化合させ重水素D2OとしてD2OをターゲットT1として、ミュオンをD2Oターゲットに照射して重水素を酸素16とミュオン核融合させてフッ素18を得て、続いてフッ素18と重水素をミュオン核融合させて励起したネオン20原子核を得て、励起したネオン20原子核からアルファ線とネオン20よりZの小さい酸素16原子核などの原子核・粒子を得る、ミュオン核融合・ミュオン核変換を試みてよい。
(*本願出願時に、Dと酸素16及びフッ素18と重水素が核融合する場合の反応式についての文献は得ていないが、3つのアルファ線単位を含む炭素12原子に重水素を1つづミュオン核融合させて励起した酸素原子核を得たヘリウムと炭素12原子核を得るケースを踏まえ、次のように推定する:4つのアルファ線単位を含む酸素16原子に重水素を2つ続けてミュオン核融合させ、アルファ線5つ分の単位からなる励起したネオン20原子核を得てその後アルファ線と酸素16原子核・炭素12原子核を得うる)
<D-Mg24系、P-Mg26系>
核変換を試みる実験系の例(ミュオンが触媒となり複数回の核融合・核変換を促すかどうかは考慮しないでおいて、)マグネシウム24に重水素を結合させた重水素化マグネシウムに負ミュオンを照射してミュオン核変換が起きるかどうか試みてよい。
ただし、MgはZ=12と大きくクーロン障壁が大きくMgとH・Dが接近しにくく核融合しにくい可能性がある。MgとDを接近させやすくするために例えばMgとDのイオン結晶であるMgD2をT1として図9図18のようにレーザーによりT1を加圧可能な部分を備えさせて良く、MgD2にレーザー照射とミュオン照射を行って核融合させることを試みてよい。
<熱など運動の効果、閉じ込めの効果>
レーザー・加熱手段・閉じ込め手段により加熱・加圧・圧縮・閉じ込めされた燃料原子同士を近接させてもよい。本願では燃料原子を近づける手段を用いて燃料原子を近づけつつミュオンを燃料原子に結合させてよい。
【0105】
図35><分子内のフッ素原子と水素原子を核融合させる系、PVDF樹脂内の隣り合うHとFを核融合させる場合 P-19F系>
図35図20のミュオン減速器2MUDECEの電場形成した素子2FDELEの誘電体(圧電体)2LZIにポリフッ化ビニリデンPVDF(水素とフッ素19と炭素からなるPVDFでよい)をターゲット部T1及びミュオン減速器2MUDECEとして用いターゲット兼減速器部T1-With-PVDF-2MUDECEとした場合の説明図。
ターゲット兼減速器部T1-With-PVDF-2MUDECEは樹脂内・分子内に炭素とフッ素と水素を含み、前記フッ素と前記水素はPVDFが外部電位差・電場を印加されて分極しPVDFの分子の鎖部の間でフッ素と水素が接近している部分(図35のFとHを丸の破線の枠で囲った部分T1-Hu19F)を持ってよい。(またはPVDF樹脂内にフッ素と水素の分子間力による結合部を持っていてよい。)
ターゲット兼減速器部T1-With-PVDF-2MUDECE(シートB)のPVDFを用いた誘電体(圧電体)部2LZI両端には電極2ER(シートA)を取り付けてられていてよい。
ターゲット兼減速器部T1-With-PVDF-2MUDECEは外部から電位差・電圧を印加されてもよく、ミュオン源M1から照射されたミュオンをT1-With-PVDF-2MUDECEに生じた電場により減速し、減速されたミュオンをT1-With-PVDF-2MUDECE内の前記水素とフッ素の近接した部分(T1-Hu19F)(又はフッ素と水素の分子間力による結合部のフッ素・水素の原子部)に結合させ前記水素とフッ素の間でミュオン核融合を起こすように促す核融合システム1F-SYSを構成してよい。
図35の構成ではフッ素と水素の核融合をフッ化水素のように腐食性や毒性のない、固体のPVDF樹脂内の隣り合うフッ素と水素同士で起こすことを試みることができる構成である。PVDFをターゲット部T1に用いた場合ミュオン減速器用の電場形成素子2FDELE・キャパシタ素子とターゲット・燃料部T1を兼ねることができる。
*なお、図35では電場形成にPVDFをキャパシタ素子・電場形成素子2FDELEの絶縁部・誘電体部・圧電体部(又は焦電体)として用いる構成を記載しているが、例えば、図18のレーザー航跡場LWFで材料部にレーザ航跡場の電場2LASER-EFを形成し、前記電場2LASER-EFにてミュオンを減速させ、その後T1にミュオンを結合させたい場合であって、T1にPVDFを用いた場合、T1にフッ化水素HFを用いる場合と比べると、PVDFはフッ化水素のような毒性がなく、無毒で、加圧・ガスとしての圧力や容器管理不要で、ミュオン照射部兼レーザー航跡場生成用のレーザー照射部のターゲット部T1として設置・配置・保持しやすい固体のPVDFが用いること可能である。
そのため、本願ではPVDF内のフッ素と水素をミュオンを用いて核融合させる核融合システム1F-SYSや核変換システムを構成して良い。
(*図35図36ではT1-With-PVDF-2MUDECE部にてミュオンを減速しPVDF内のHとFにミュオン導いて結合させミュオン核融合させることを試みる。*図36ではコイル2COILはT1-With-PVDF-2MUDECE部にて減速されたミュオンを磁気容器2MAGCに閉じ込める。T1は磁気容器2MAGCに入っていてミュオンはT1から逃げないようにコイル2COILにより生成された磁気容器2MAGC内部のT1を拡散し続けるよう仕向ける。コイルでミュオンをT1部に閉じ込めてT1部に留める・拡散させ続けるよう促す。コイル2COILはコイル電源部2PWSP-COILやその制御部にて磁場生成用の電流をコイルに流している)
<コイル・磁気容器・磁場内に配置する場合>
図36ではPVDFを用いたT1でもある2MUDECE、T1-With-PVDF-2MUDECEをコイル2COILにより形成された磁気容器2MAGC内に格納している。
*1つの形態として磁気容器はチューブ型でもよいヘリカル型のコイル2COIL、2COIL-Helicalにより形成されていてもよい。(例えばチューブ型の容器4Tや回転可能なチューブ型容器4T-ROTに図36に記載のヘリカル型のコイル2COIL-Helicalを備えさせ容器4T-H、4T-H-ROTとし、ねじれた磁気容器部、ヘリカル型の磁気容器にターゲット部T1を格納し、磁気容器内のT1部にミュオンを照射してT1にミュオンを結合させて良い。)
<フッ素と水素と炭素を含む樹脂・化合物>本願の一つの形態では、フッ素と水素と炭素を含む樹脂・化合物を用いてよい。(その例としてPVDFがあげられる。PVDFは誘電体・絶縁体・圧電体・焦電体としても利用できうる)
*例えばPVDFのモノマーであるフッ化ビニリデンVDF(常温常圧で気体、毒性あり、分子内で水素とフッ素の化学結合部はない、)はVDF分子の液体・固体では、VDF単体では水素とフッ素はフッ化水素のように化学結合して近接しているわけではないので近接していない。他方複数VDF分子の存在する液体・固体の場合隣り合うVDF分子間の水素とフッ素部分が近接できる場合には水素とフッ素の近接部にミュオンが結合し水素とフッ素のミュオン核融合につながることを否定はしない。(水素とフッ素を含む物質・原子分子集団の分子間でのミュオン核融合を試みてよい)VDFとPVDFを比較するとPVDFは気体のVDFが重合することで固体の高分子・樹脂とできて固体高分子内で水素とフッ素原子を近接させることできHFのような毒性はない利点はある。
*フルオロメタン・ジフルオロメタン(常温常圧で気体)を液体・固体として該フルオロメタン分子間の水素とフッ素を近接させミュオンを近接部に結合させミュオン核融合を促すことを試みてもよい。(例えば冷媒にも用いられるHFC・ハイドロフルオロカーボン、単純なものとしてCH2F2やCH3F。なおCH2F2の液体・固体内でCH2F2分子間の隣り合う水素とフッ素がミュオン核融合可能な距離まで近接可能であれば良いが近接しきれていない場合はミュオン核融合しない恐れもある。*CH2F2を単にフッ素と水素の燃料を含む物質として考えた場合(フッ化水素のような毒性のない水素フッ素の核融合燃料ガスCH2F2として考えた場合)、例えば図18のようなレーザー航跡場生成・あるいはレーザーによる慣性閉じ込め核融合炉のためのレーザー照射されるターゲットT1部に用いて、CH2F2分子をレーザー加熱し分子・分子内原子を運動させつつミュオンも減速させ結合させミュオン核融合・レーザー閉じ込め核融合させることを試みてもよい)
<PVDFを用いた減速器兼ターゲットの例>
PVDFは焦電体でもある為、例えば図19の(B)の焦電圧部分2PYRであってミュオン減速器兼ミュオン結合ターゲット部T1となる部分2PYRにポリフッ化ビニリデンPVDF(CH2CF2)nを用いてもよい。さらにその2PYRを2COILにより形成されたミュオン閉じ込め用の磁場B・磁気容器内部に配置してもよい。
*例えば宇宙ミュオンについては3次元方向XYZのうち一方向に減速器・減速電場により減速されたとしても、残りの方向の速度成分を残している虞がある。宇宙から地球に降り注ぐ高さ方向・Z方向のミュオンの速度を減速器で減速し止めたとしてもXY方向にミュオンは動き続け、T1の部分からXY方向に拡散・ドリフト・逃げてしまうかもしれない。そこで磁気容器にてミュオンをT1内に閉じ込めるように促してよい。
@XYZ方向の速度成分を減速するように減速器を構成してよい
<XYZ3次元方向へ電場の形成方向を変えたり電場生成可能な素子例、キューブ素子>
@例えば、図40(A)のように、箱型6面体の(膜厚サブミクロンでもよい)PVDF・ダイヤモンド等減速素子用材料のキューブ・ブロックの各面に(例えば半導体製造プロセスで素子のPVDF・絶縁体や電極を加工・形成して)電極・電極面を取り付けて微小な6面電極を持つブロック素子2MUDECE-3Dを形成し減速器2MUDECEに用いることも試みてよい。そのブロック素子2MUDECE-3Dを三次元に積層・配列し登録商標第1635953号の名称で公知のキューブ状の玩具RBCBのように小さいブロック部を正方形など立体上に並べて大きなキューブとなるよう)配置してよい。キューブにXYZ方向の電場を打ち消すように電場・電位を印加してよい。電場は直流またはパルス・交流にて印加されてよい。素子は一次元方向に電場形成可能なものに限らず3次元方向に電場形成可能なブロック積層体素子2MUDECE-R3Dでもよい。図40(B)はそのブロックのキューブ上に積層・組み立て・連結したキューブデバイス2MUDECE-R3Dの例である。(2MUDECE-3D、2MUDECE-R3Dは先述のように負ミュオンの減速や正ミュオン加速器や正負レプトン粒子の分離装置としての利用を想定する)
[PVDFは(そのベータ結晶でFとHが上向きの磁気方向に分極可能なように、)軸によって非対称で、分極のしやすさ、誘電体・絶縁体の観点ではXYZ方向・6面の各対面電極から見て等価な電気的特性を持たないかもしれない。他方ダイヤモンドは立方晶で対照的かもしれない。ダイヤを絶縁体に用いダイヤのキューブの6面に電極を形成しそのダイヤのキューブをRBCBのように各素子間を電気的に接続しつつ積み上げてRBCB型減速器2MUDECE-R3Dを構成しその減速器の6面の電極に電源を接続し電極間に電位差をかけて電場を形成してもよい。(各面の電極間で電圧印加時に電極間でショートしないように電極の大きさ・配置やダイヤのキューブの構成を決定してよい。)2MUDECE-3Dや2MUDECE-R3Dは半導体製造プロセス・製膜・露光リソグラフィ・アッシング除去工程・電極製膜工程・パッシベーション処理、配線形成等をして製造されてもよい ]
<宇宙ミュオンの軌跡観測と観測結果による減速器電場の駆動>
*難しいかもしれないが、霧箱のようなミュオンの飛来・軌跡を観測できるが測定手段・ミュオンの入射する角度・速度ベクトルをミュオンが減速器に入射する前に事前に察知可能ならば飛来するミュオンの飛跡を別の場所で霧箱のような軌跡確認手段で確認できた後に飛跡に応じて減速素子部に印加する電場のXYZ成分のかけ方を制御できてもよい。
霧箱は高速なミュオンがエタノールなど蒸気内(または減圧により生じる霧部、ウィルソン霧箱)を通過すると軌跡観測できる。(*また例えば荷電粒子やニュートリノは通過したことの確認に磁場を印加可能な過熱状態でよい液体水素にニュートリノやミュオン・パイオン・素粒子が通過するときの泡の発生を用いる泡箱が用いられる、スパークチャンバー、ワイヤチャンバー、ドリフトチャンバー、シリコン・半導体検出器なども用いられうる。)
例えば半導体素子の面型検出器で宇宙ミュオン(そのままの宇宙ミュオン・1段目減速後の宇宙ミュオン)を検知し宇宙ミュオンの速度・向きを測定・察知できてもよい。
*光速に近い宇宙ミュオンの軌跡を観測しその後軌跡に従って(制御部で処理後に、光速より低速な電気信号で)減速器内の電場を変える事は難しいかもしれない。
そこでいったん大型の1段目減速器のパルス電場で減速する減速空洞に通してミュオンを軽く減速・冷却しておき、減速された(光速近くあった速度を何割か減速済みの)ミュオンを霧箱のような軌跡・速度測定部に通して速度と軌跡をカメラなどで測定し測定結果に従ってミュオンが入射する予定の2段目減速器(キャパシタ素子、PVDF利用素子)に測定結果に応じた減速電場を生成させ、2段目減速器に入射したミュオンを減速する事も考えられる。この構成では霧箱のようなミュオンの軌跡観測手段と、軌跡撮影可能なカメラ部・センサ部(高速な撮影可能なカメラとカメラ画像の処理部好ましい)とカメラ部で撮影した軌跡の画像からミュオンの軌道・速度のXYZ成分を観測可能な処理部・記憶部と、速度成分に応じて減速器に減速用電場を生成する制御部及び電源・電場生成部分と、電場生成を行う減速器を持っていてもよい。
<宇宙ミュオンの来る傾向の多い方向への減速器配置>
*宇宙ミュオンは(地磁気と宇宙線を考慮した)東西効果により西からくるミュオンと東からくるミュオンの量に違いがあることは公知である。例えば宇宙正ミュオンは西側からきやすい。正ミュオンと電荷が逆の宇宙負ミュオンは東から来やすい。
もし観測手段を用いることができない場合でも確率上望みの電荷のミュオンを多く得たい時は、ミュオンが入射しやすい方角(東/西方向)に向けてミュオン減速器を配置し減速用の電場を形成してミュオン減速(用途によっては加速)してよい。
(@例えば、太陽光のように空から降り注ぐ天然資源の宇宙ミュオンを利用すべく、太陽光発電所のように敷地を確保し、その敷地に減速器を東からきやすい宇宙負ミュオンを減速するよう減速器を配置し減速器内に負ミュオン減速用電場を生成させ負ミュオンを減速しT1に結合しミュオン核融合が起きるか実験できてもよい。)(正ミュオンを受け取って正ミュオンを加速し核破砕や衝突等に利用した場合は減速器又は加速器を西向きに設置してよい)
*或る形態では、(核反応の制御・安全確保のため)T1にはミュオン核融合のうちミュオン触媒核融合するときのミュオンが触媒する回数を意図的に低下させるための原子・触媒回数制御部(例えば意図的にT1に微量ドープしたFeやNi、Sn、Pb等の高Z原子)を含ませても良い。
<加速器によるミュオンの軌道調整部>
*@加速器などで人工的に生成したミュオンM1Fについては予めどの方向に照射・入射するかは粒子の軌道や軌跡の測定手段・察知手段部を配置し観測・察知が可能である。例えば実用上、M1Fをミュオン生成部から減速器や容器のT1に入射できているか保守時に調べる必要はあるはずであり(ミュオンの軌道が地震に被災したり事故などで衝撃印加されずれた場合再度軌道を測定し直して、場合によっては、装置の再構築・修理を要することも想定され)、保守時も考えるとミュオンM1Fについては予めどの方向に照射・入射するかは測定手段・察知手段部を本願尾核融合システム・核変換システムに配置できてもよい。
<減速器・ターゲットのPVDF>
*PVDFの絶縁耐力は樹脂の作り方、厚さや温度、電圧のかけ方・パルスにより変わることが次の文献PF1によれば公知である。(文献PF1:電学論A, 109巻1号,平成元年、T. IEE Japan, Vol. 109-A, No. 1 ,'89「ポリフッ化ビニリデン薄膜の絶縁破壊とその厚さおよび温度依存性」大阪大学、三菱油化株式会社)文献では厚さ0.4-4マイクロメートルのPVDFフィルムにて絶縁耐圧を測定しており、たとえば室温300K付近で厚さ1マイクロメートルのPVDFフィルムは7から5MV/cmの絶縁耐力を持つかもしれない。文献中では0.5マイクロメートル以下の極めて薄いフィルムでは、低温77Kで絶縁破壊の強さが20MV/cm(2000MV/m)以上と極めて高い値となる事も記載されている。(他の物質、ダイヤモンドでは絶縁耐圧3.5MV/cmとされている。)
PVDFはミュオン減速用の電場形成時に絶縁耐圧を高く取りつつ、分子内にフッ素と水素を含みフッ素と水素のミュオン核融合ターゲット部を兼ねるキャパシタ型のミュオン減速器2MUDECEを構成できる可能性があるかもしれないので本願のシステム・減速器・ターゲット部に用いてよい。
サブミクロン、0.4マイクロメートル以下の厚さのPVDFに電極(低Z材料の金属リチウム・炭素導電材)を蒸着等で付けて積層フィルムコンデンサ・キャパシタのように電極で挟んだPVDFキャパシタ2FDELE-PVDFや積層したPVDFフィルムキャパシタ2FDELE-LAM-PVDFを形成し、該/前記キャパシタに電場を印加してミュオン減速器かつミュオン結合用ターゲット部T1としてもよい。
*サブミクロンのPVDFフィルムキャパシタを積層し1メートルのキャパシタ積層体デバイス2FDELE-LAM-PVDF-1Mで2GVの耐圧のあるキャパシタ兼ミュオン減速器兼ミュオン触媒核融合燃料ターゲット部T1を構成できうる可能性がある。宇宙ミュオンはGeVクラスの運動エネルギー・速度を持つが、キャパシタ積層体デバイス2FDELE-LAM-PVDF-1Mが2ギガボルトの電場を該デバイス内に形成できていればGeVクラスの負ミュオンを減速できる可能性がある。またデバイス2FDELE-LAM-PVDF-1M内で電荷の異なる宇宙ミュオン内の正ミュオンと負ミュオンを分離できる可能性もある。正ミュオンはデバイス2FDELE-LAM-PVDF-1M中で加速若しくは該デバイスを通過し、負ミュオンはデバイス2FDELE-LAM-PVDF-1M内で減速される想定である。
*デバイス2FDELE-LAM-PVDF-1Mは冷却されていてもよい。(低Zな溶媒(例:液体ヘリウム)に浸漬されていてもよい。低温では熱交換器HX・蒸気タービン等で核融合後に生じたアルファ線エネルギーを電力に変換したくても液体ヘリウムをアルファ線にて加熱すると高温・高圧・PVDF冷却に適さなくなり、好ましくない可能性があり、該場合はアルファ線をAECによりガンマ線・光子エネルギーに変えて光電変換する事が好ましいかもしれない。PVDFのフッ素よりもZが小さい溶媒、例えば液体窒素N2を検討できうる。原子番号ZはHeのほうがN2のNより小さくミュオンがトラップされにくい期待ある。低Zな原子からなる冷却用の冷媒も想定される。)
<トンネル効果>
量子力学で、粒子が自分のもつ運動エネルギーよりも高いエネルギー障壁を、ある確率をもって突き抜けるトンネル効果が知られている。粒子・原子(T1内の燃料原子)は量子力学的には波動性を持ちある確率でトンネルしうるかもしれない。T1のミュオン核融合しうる原子同士はトンネル効果によりある確率でしみだして近接しあい当該部にミュオンが存在し結合・作用した際にミュオン核融合・ミュオン核変換が起きるうるかもしれないので、本願ではT1内のミュオン核融合させようとする原子同士をトンネル効果にて接近させるよう促す構成をとってもよい。*例えば(低温であってもトンネル効果は起きうることから)低温に冷却されたデバイス2FDELE-LAM-PVDF-1Mについて、そのデバイス2FDELE-LAM-PVDF-1M内のPVDFの高分子鎖間に存在する水素とフッ素の隣り合う部分で水素・フッ素はトンネル効果により近づきあっている近接部を形成してよく前記近接部にミュオンが配置・結合・作用し近接部の水素原子とフッ素原子をミュオン核融合・ミュオン核変換させるよう試みてもよい。
*物質中の電子・ミュオンはトンネル効果しうる。*なおPVDFについては例えばベータ型結晶が知られている(PVDFベータ型結晶の格子の定数はa=0.858nm、b=0.491nm、c=0.256nm)
*公知の水素分子の原子核・陽子間の距離は0.074nmである。フッ化水素分子の原子核の結合距離は0.0917nmである。PVDFやフッ化水素分子内の水素原子とフッ素原子は1nmよりも短い距離に配置されている。
*トンネル効果に関連しトンネルダイオードでのトンネル電流はポテンシャル障壁の高さが低いほど、そしてトンネル障壁の壁の厚さが薄い・短い程、粒子・電子・レプトンは障壁をトンネルして障壁の先にしみだす確率は増加しうる事を踏まえると、原子・粒子がトンネルするとすればその距離は短いほどよいと考えられ、例えばPVDF樹脂内ではベータ型結晶では(a=0.858nm、b=0.491nm、c=0.256nmのデータから)少なくとも1nm以下の距離内でフッ素と水素原子は取り合わせとなって配置されており、フッ化水素の場合は0.0917nmの距離で近接して配置されている。前記のようにFとHを近接させ配置し、さらにミュオンをFやHに結合させ(ミュオンは電子より重いことで)FやHの原子核をより近接させミュオン核融合を行うことを試みる。
*本願ではT1で核融合させたい原子同士を近接させる原子近接手段を2段階に分けて行っていると表現できるかもしれない。1段階目の原子近接手段ではHF分子のように原子同士を結合させておく事やPVDFの分子間のHとFのように分子間で近接させておく原子近接手段を利用でき、2段階目の原子近接手段として1段階目にて近接している原子に電子の代わりにミュオンを結合させ、ミュオンは電子の約200倍というミュオンの重さのため、ミュオン分子の中の2つの原子核は、容易に近づくことができようにし、核融合を起こすことを試みる。)*本願の表現の他の例では、原子同士を核融合させるためにまず原子同士を分子・分子間の距離まで接近させるため分子内・分子間に核融合させる原子を含ませて、前記原子同士は分子内または分子間で近接している原子の配置を持たせ、前記近接している原子の配置部分にミュオンを結合させ原子同士をミュオン核融合させることを試みる。
【0106】
図36
図36はシリンダ型容器4Tであって磁気閉じ込め用コイル2COILが前記ヘリカルなコイルを用いヘリカルな磁気容器2MAGCを容器内に形成可能なシリンダ型容器4T-H(又はシータ方向に回転可能なシリンダ型容器4T-ROT-H)の説明図である。
*コイル2COILや減速器・T1は例えばシリンダ容器4Tに格納されていてもよい。
*2COILはヘリカルコイル2COIL-Helicals(Helical-COILs)でもよい。
*ソレノイドのコイルが長尺方向軸に対し斜め・傾いてヘリカル・螺旋のコイル(ヘリカルソレノイド)になっていてもよい。通常のソレノイドコイルではコイルの輪は図33(A)のCOILは長手尺方向(4AXS-4T-THの軸の長さ方向)に対して垂直に交わるよう図示するように、一般にソレノイドといえば前記垂直に交わるようにコイルを巻いていく事が多いが、そのコイルの長手方向に対するコイルの巻き方は生目になりソレノイドがヘリカルな巻き方になるよう角度を持っていてよい。(@ドーナツ・環状のヘリカル型核融合炉(日本国LHC・ドイツ国W7-X)のトロイダル方向のループの一部を切り出して開放端・チューブ状に切り出した物について両端を閉じる手段を組み合わせている。)(ヘリカル型のドーナツ状容器4D-THはトロイダル方向・ドーナツの長手方向への磁場とドーナツのポロイダル方向にねじる磁場を組み合わせたものを含む。トカマク型ではTFコイルにてトロイダル方向磁場を形成しCSコイルによりドーナツ内プラズマにプラズマ電流を流してポロイダル方向への磁場を生成させヘリカルな磁気容器を形成している)
*本願ではドーナツ・環状の容器4Dやチューブ・シリンダ状容器4Tにおいてヘリカルなコイルやヘリカルな磁場の籠・磁気容器を形成しその中に荷電粒子・正負ミュオン・プラズマを閉じ込めてよいし、該容器内にT1を配置してよい。
*コイル・磁気容器は図33のように、回転手段4ROTと軸受け部4B・回転するコイルや減速器に電力供給する継ぎ手部(例:スリップリング)などの該装置の回転手段を備えさせて、コイル・容器・磁気容器部(・容器壁)がシータ方向に回転可能でもよい。
(*ヘリカルソレノイドコイル部の両端は巻貝・法螺貝・クロワッサンの両端のように両端に向かうほど巻きの半径を狭めていきその後外部コイル電源回路側にソレノイドの電線を取り出すように配置されていてもよい)*ヘリカルソレノイドコイルはタンデムミラー型装置のように磁場と電場で荷電粒子・ミュオンを閉じ込め図ってもよい。
シリンダ型容器4Tであって磁気閉じ込め用コイル2COILが前記ヘリカルなコイルを用いヘリカルな磁気容器2MAGCを容器内に形成可能なシリンダ型容器4T-H(ヘリカルなソレノイド
・コイル・磁気容器・磁場の籠部2MAGCを含むミュオン核融合用・炉用のシリンダ容器4T-MUCF-H)を構成してもよい。
【0107】
図37
<PVDFでもよい材料を用いたキャパシタ素子による減速器と燃料T1の配置例>
図37に減速器の配置例を記載する。図37(A)は1mクラスの大きさでもよいキャパシタ素子・減速素子2FDELE-LAM-PVDF-1Mに電圧印加用電源2PWSPを接続した場合の説明図であり、2PWSPは電気回路2ELECIRやコンピュータ・制御部2CONに接続され、2CONより制御されて直流DC又はパルス動作・交流ACの電圧を生成し素子2FDELE-LAM-PVDF-1MにDC・パルス・ACの電圧を印加可能である。(2PWSPはギガボルトの電圧を生成し印加可能であってもよい)
宇宙ミュオンSM1でもよいミュオンM1・高速ミュオンM1Fは電圧を印加された2FDELE-LAM-PVDF-1Mに入射し、素子2FDELE-LAM-PVDF-1M内部の電場によりM1Fは減速され減速されたミュオンM1Lとなり、M1Lは素子2FDELE-LAM-PVDF-1M内の原子・例えばフッ素原子に結合させうる。そして該フッ素原子と隣り合う水素原子との間でミュオン核融合・核変換を起こすことを試みてもよい。
【0108】
図38
図38のように、負ミュオン減速器として2FDELE-LAM-PVDF-1Mを用いてよい。正ミュオン加速器として素子2FDELE-LAM-PVDF-1Mを用いてよい。高速な負ミュオンM1Fは前記・該素子により減速された負ミュオンM1LとなりターゲットT1に結合させるよう導いてもよい。
高速な正ミュオンM1Fは前記・該素子2FDELE-LAM-PVDF-1Mにより加速された正ミュオンM1FAとなり素子内を通り素子外に放出されてもよい。加速された正ミュオンM1FAはその後ミュオン標的2MUのTGT部・粒子衝突部2CLPに衝突させ、ミュオン・レプトン・粒子を生成させて良い。正ミュオンの該M1FAは例えば原子中の電子と衝突しレプトンコライダーで生じるような正負電子や正負ミュオン・レプトンの対を生成しうる。また正ミュオンが陽子に衝突した場合は核破砕や中間子・パイオン・カオン等生成しうる。
*電圧印加され電場を形成した素子2FDELE-LAM-PVDF-1Mは入射してきた速度を持つ負ミュオンを減速するように配置されてよく、その配置では正ミュオンは負ミュオンとは逆方向に加速されうる。素子2FDELE-LAM-PVDF-1Mは正負ミュオン(用途によっては電子陽電子・正負ミュオン・正負タウオン・レプトン・荷電粒子)の加速器・減速器である。素子2FDELE-LAM-PVDF-1Mは正負ミュオン(用途によっては正負レプトン、正負粒子)の分離装置でもある。
*素子2FDELE-LAM-PVDF-1Mは配置や電場の形成の仕方により正ミュオン(帯電した粒子)を加速しうる。例えば宇宙ミュオンの正負ミュオンうち負ミュオンを素子2FDELE-LAM-PVDF-1Mにて減速しT1に結合させようとしつつ、正ミュオンを加速させ正ミュオンを電子や原子・粒子等の粒子衝突標的・ミュオン標的に衝突させる加速器としても運用されうる。
【0109】
図39
図39は、減速器として2FDELE-LAM-PVDFを複数設置し各減速器2FDELE-LAM-PVDFを通過するごとにミュオンを減速させつつ、減速されていくミュオンは減速器とは別のターゲット部T1・FEED(T1、水素と酸素18含むT1-H2O、重水素と酸素16を含むT1-D2O、窒素15と水素を含むT1-NH4、窒素14と重水素を含むT1-ND4等の燃料物質)に結合可能な構成の説明図である。
図39(A)では高速ミュオンは複数の2FDELE-LAM-PVDFにて減速されその後T1に結合させる。なおその時T1と複数2FDELE-LAM-PVDFの間にミュオンを捕獲するミュオン捕獲部2MUCAPを配置して2FDELE-LAM-PVDFにて減速されたM1Lを2MUCAPにて捕獲輸送して(2MUCAPはコイル2COILやソレノイドのような磁場生成手段で磁場を生成しミュオンを捕獲し輸送できてよく)T1へ輸送してT1とM1Lを結合させて良い。
図39(B)では素子2FDELE-LAM-PVDFの配列の間に(例えばT1をPVDFではなく別の物質、アンモニアNH4・ND4や水H2O・D2O、後述のNaH・AlH3等、T1-NaH、T1-AlH3も想定する)ターゲットT1・FEEDを挿入した構成の説明図である。図34F(B)では例えば素子2FDELE-LAM-PVDFとT1は交互に配置され、負ミュオン・ミュオンは左側から素子2FDELE-LAM-PVDFとT1の交互配列部2FDELE-T1-ARRAYに入射し前記配列部を横切っていき、素子2FDELE-LAM-PVDFを横切る途中で負ミュオンは減速され減速された途中にあってもよいT1部(T1、T1-NH4、T1-H2O、T1-NaH、T1-AlH3等燃料)に結合させようとする構成の説明図である。
なお図中では交互配列部2FDELE-T1-ARRAYは4つの素子の間に計3つのT1が挿入されているが、素子とT1の繰り返し数は図中の表現に限定されなくともよく、例えばサブミクロンの素子と1ミクロンの燃料T1部を交互に2メートルの長さにわたって配置して(2メートルに対し2ミクロン厚の素子とT1のセットが例えば10の6乗・100万層等配置されてもよい)交互配列部2FDELE-T1-ARRAYを得て、該交互配列部の各素子に電場を印加させ負ミュオン・ミュオンを素子部で減速しつつ素子の隣に配置されたT1部に減速されたミュオンを結合させて良い。
図39(B)について、Zの大きさの点で、例えば2FDELE-LAM-PVDFが(Z=6の炭素からなるダイヤモンド等の絶縁体を用いた素子ではなく)フッ素を含むPVDFからなるとき、T1部が例えば窒素が最もZが大きい(窒素15と水素から成る燃料T1-NH4・窒素14と重水素からなる燃料T1-ND4等の)構成の場合、減速器とT1を含む系内でZはFの9が最大となり、負ミュオンはZ=7の窒素部よりZ=9のフッ素部に電気・電荷的に接近しトラップされうるかもしれない。そこで、本願の他の形態では、フッ素よりZの大きい燃料で(Zが大きいことで弱い相互作用によりミュオンの寿命が短くなりにくいものとして)ナトリウム23と水素が結合した水素化ナトリウム23をT1に用い、例えば素子と素子の間に水素化ナトリウムを挿入し交互配列部を形成してもよい。ナトリウム23のほかにアルミニウム27等も候補となりアルミニウム27と水素を結合させた水素化アルミニウム27もT1に用いられうる。
*次の反応例を再度記載する。
Proton-Sodium-23:1p+23Na->20Ne+4He、
Proton-Aluminum-27:1p+27Al->24Mg+4He、
Proton-Phosphorus-31:1p+31P->28Si+4He、
Proton-Chlorine-35:1p+35Cl->32S+4He、
Proton-Potassium-39:1p+39K->36Ar+4He、
*Zが大きくなるほどミュオンは弱い相互作用によって、より短い時間で原子番号Zの原子核に捕獲されるのでその兼ね合いを考えてT1を構成する原子は選択されてよい(Zが12や13付近ではミュオンはマイクロ秒の寿命を持つかもしれない。Zが14以上となるほどミュオン寿命はサブマイクロ秒・ナノ秒の寿命に低下していくかもしれない。またZが大きいほどクーロン障壁は大きく成りうる)
*なお、水素の代わりに重水素を用い重水素(D/np、水素に対し中性子を1つ加えたもの)と前記原子核(例:ナトリウム23の代わりに中性子を一つ減らしたナトリウム22)をミュオン核融合させ励起した原子を作り前記ヘリウム(ヘリウム4)と変換後の原子(例:ネオン20)を生成する事を試みる系でもよい。例えば重水素とナトリウム22を用いる系について、ナトリウム22と重水素を結合させた重水素化ナトリウム22をT1に用いる事も考えられるが、実際はナトリウム22は地球上には自然の資源としては存在しておらず、安定同位体としてナトリウム23が地球上に存在しており、ナトリウムを地球上で核融合燃料として用いる場合、ナトリウム23を用いる事になり、ナトリウム23と水素を結合させた物質の例として水素化ナトリウム23があげられる。*ミュオンをプラズマ化したナトリウム23と水素のイオンの存在する磁気閉じ込め型核融合炉内のT1に照射し(さらにレーザーでT1を慣性閉じ込め・圧縮をしてもよく)ナトリウム23と水素の間での核融合を促してもよい。
【0110】
図40
図40はキューブデバイス2MUDECE-R3Dの説明図。電極に電位を印加して宇宙ミュオンを減速する3次元XYZ方向の減速電場を形成しミュオン減速を試みる。なお電荷が逆のミュオン・電子等レプトンを加速する事にも用いられうる。
<負ミュオン照射によるミュオン標的の核変換>*負ミュオンを炭素12に照射結合し原子核はミュオンを捕獲してZが一つ小さくミュオンの静止質量由来のエネルギーにより励起されたホウ素12原子核となる。この後ホウ素12原子核はヘリウムや陽子・中性子・トリチウム等の炭素・ホウ素よりも陽子数Zや中性子数Nや質量数の小さい粒子に変換されうる。例えば炭素12原子核が陽子衝突やガンマ線照射により励起され放射化されているときに、ミュオンを照射結合することで励起した炭素12原子核・炭素原子核(放射性廃棄物化した炭素製ミュオン標的の炭素原子でもよい)を放射性の少ない・ない、ヘリウム4原子核に変換できたり、トリチウムを得ることができうるので炭素をミュオンを結合させホウ素に変換させたのちアルファ線や中性子・陽子・水素同位体に核変換してよい。
<ニュートリノを受けてミュオン・タウオンを生成する部分2MU-BY-NUT>
*ミューニュートリノを原子核に照射しミューニュートリノから負ミュオンと陽子・正パイオンを得てもよい。(図45の2MU-BY-NUT-BY-W、2MU-GEN-ATOM)
例えば図47右図枠内の荷電カレント反応図のように、中性子n(クォークの表記ではudd)にミューニュートリノを照射し弱い相互作用にて中性子n中のダウンクォークdクォークとニュートリノ間でW-ボソンを放出・やり取りしダウンクォークdをアップクォークuに変換して陽子p(クォーク表記udu)と負ミュオンを生成する反応(荷電カレント反応)を起こすことを試みてよい。(d:ダウンクォーク、u:アップクォーク)
*dからuへはW-ボソンを放出し質量を減らす形でミューニュートリノをミュオンに変換しうる。
例えば中性子uddに(人為的に生成した遠隔地からのビームでもよい)タウニュートリノを照射し弱い相互作用にて中性子中のdクォークとニュートリノ間でW-ボソンを放出・やり取りし陽子uduと負タウオンを生成する反応を起こすことを試みてよい。中性子の多い原子DやT等で荷電カレント反応しやすい可能性があるかもしれない。負タウオンからミュオンを得てよい。
(また正ミュオンが必要な場合について、例えば陽子uduに反ミューニュートリノを照射・衝突・作用させ正ミュオンと中性子を生成してもよい。)
前記負ミュオン・正ミュオン・レプトンは電場・磁場を用いて分離・回収・移動・加速・減速を行いターゲット部T1へ導き投入結合させてよい。
*ニュートリノ対消滅を用いて電子(・ミュオン・タウオン)・レプトンを生成させることを試みてよい。*ニュートリノ+反ニュートリノ->電子+陽電子が生成するとされ、陽電子と電子は運動エネルギーを持って生成されるならばそれらが再度衝突(レプトンコライダするならばミュオンも生成されうるかもしれない)
【0111】
図41
<ミュオン核融合システムのエネルギーを用いた隕石の軌道変更装置>
図41のように、地球に落下しうる隕石MTOに対して、前記隕石MTOに前記メタンCD4・B2H6・ND3・などのミュオン核融合燃料を搭載した容器4T-MUCFをSET・取り付ける隕石迎撃用の輸送機械5やロボット5・5WKRを構成してよい。
前記5は通信網を用いて地球の脅威となる隕石MTOを探査し観測し、観測結果を通信システムにより地球に伝える。
地球より前記探査ロボット3に隕石の軌道を変えるよう指令を出す。前記ロボット5は通信データ・指令に従って隕石に着陸し、隕石MTOに核融合燃料を充填した容器4T-MUCFを設置する。
MTOに設置された容器4T-MUCFは遠隔地の通信部と通信を行いミュオンをT1に結合させミュオン核融合を起こさせそのエネルギーでMTOの軌道を変更する(隕石を迎撃する)ように試みてよい。
*MTOに設置された容器4T-MUCFは遠隔地のニュートリノ送信部1NUT-TXよりニュートリノを受けて、その後ミュオンを(2MU-BY-NUT部にて)生成し、続いて前記ミュオンを容器内の燃料T1にミュオンを結合させミュオン核融合点火させる装置部(図33の(B))を持ってよい。
ミュオン生成のもととなるニュートリノを遠隔地の3の1NUT-TXよりMTOの容器4T-MUCFの1NUT-RX・2MU-BY-NUT部に照射し、ミュオンを生成し、前記容器内のT1にミュオンを結合させT1部をミュオン核融合させ、核融合エネルギーを容器内で生じさせ、容器と連結されたMTOに核融合エネルギーを照射させ、MTO表面を高温高圧にし、MTO表面からMTOの構成物質をジェット化させMTO推進用の推進剤として噴射させ、MTOの軌道を変える推進装置・爆破装置を構成することを試みてよい。この構成の場合、遠隔地から(鉄隕石内の電波の届かない)T1部にミュオンを生成・伝送・配置させることによりT1の燃料にミュオンを結合させミュオン核融合させ(ミュオン核融合を点火し)核融合エネルギーを生じさせることが可能となりうる。(1NUT-TXと2MU-BY-NUT部を用いたニュートリノ通信方式の容器内でのミュオン生成方法のほかに、加速されたミュオンを容器に向けて放って、容器部でミュオンを減速しT1に結合させる方式でもよい。)
核分裂は臨界の制約によりある一か所に搭載できる核燃料の量に制限があるかもしれない。他方本装置では配置可能な核燃料の量に制約はない。また核融合燃料の熱核融合点火・起爆装置に核分裂装置を用いる場合と比べると、容器内にミュオン減速器やニュートリノからミュオンを生成する部分のみとすることができ、複雑な起爆部を必要とせず遠隔地からニュートリノ送信という形式で点火を試みることが可能かもしれない。(既存の核分裂部と核融合部を併せ持つ隕石迎撃用発破装置に対して、本願図41のMTOの発破装置は、起爆装置を低速なミュオンを生成する部分(容器内の2MU-BY-NUTとミュオン減速部2MUDECE)とし、核燃料T1・FEEDに前記生成する部分で生じさせたミュオンを結合させる方式の核融合のみの起爆装置とすることで、シンプルな構成とし、隕石MTOに取り付けた核燃料が起爆できないことを防ごうとする)
【0112】
図42
<隕石を掘削し隕石内部にて核融合させ隕石内部にエネルギーを生成させる構成>
図42に隕石MTOを掘削手段5REMVを用いて掘削し、隕石の材料を隕石の内部から外部側へ掘削時の掘削済み残土・資源(MINED-METAL)移動し除去してT1FEEDを充填する事の可能なボアホール・孔5T-HOLEを形成し、孔5T-HOLEに核融合燃料T1・FEEDを充填し、5T-HOLEにミュオンを生成する部分2MU-BY-NUTを含む発破信号受信部5BRXを配置し、封5SEALをして、隕石内部にT1・FEEDを配置し、発破信号受信部は発破信号送信部より発破用のニュートリノ等の粒子照射を受けミュオンを形成しミュオンはT1に結合しT1はミュオン核融合を行い、T1を含む隕石MTO内部に核融合エネルギーを生成させ、核融合エネルギーにより隕石を発破する(隕石をT1部爆発により分割・割る)構成の説明図を記載する。*図42の5WKRは(例えば太陽系より遠方の、人の生存しにくい放射線のある宇宙域で)探査活動や脅威隕石の発破工事を行おうとするロボット5WKR・ロボット3である。
○南アフリカのフレデフォート、カナダのサドベリー、メキシコのチクシュルーブには大型(直径10kmクラスの)隕石の衝突跡が残されており、公知文献では恐竜の絶滅に隕石衝突が関与したとする説がある。(また数百kmクラスの大きさの隕石は地殻をえぐる程の威力を持ち、地球上を焼き払い、地球生命体の存続に深刻な影響を与えるかもしれない。)(大きくない隕石であっても空中で爆発し・地上に影響し、地上に被害を与えうる。例えば2013年にはロシア、チェリャビンスク州にて隕石の飛来・空中爆発が起きており隕石の接近は定期的に起きうる。過去中国・隋の時代より隕石衝突の記録が残されている。)
地球に飛来する隕石に宇宙船や人工衛星を着陸・フライバイ・スイングバイ(天体重力推進)・衝突等させて隕石の軌道を変える試みをしてもよく、隕石にマスドライバ3・遠心銃(・質量をぶつける装置)により質量をぶつけて隕石の軌道を変えることを試みてよい。(NASAによる宇宙船を隕石にぶつけて隕石軌道を変えるDARTというミッションは公知であり実施されている。)
そして、地球に飛来する隕石について核分裂又は核融合によるエネルギーを用いて爆破する事も検討されている。衝突を回避するまでの時間が少ない(10年以下)場合、隕石を核兵器により爆破し質量を分割し隕石のかけらを地球からそらしたり、地球に飛来した隕石分割体の質量を小さくして致命的なダメージを受けないように試みることが検討される場合もあるかもしれない。
地球に飛来する隕石のうち、大気圏突入による摩擦熱を受けても空中で燃え尽き難い鉄隕石(鉄とニッケルを含む)について、鉄隕石は電波を透過しにくく(導体内では電波が遮蔽されうるので)遠隔地から鉄隕石の内部(あるいは鉄隕石の裏側・影部の電波の届きにくいところ)に電波を用いて爆破・発破の信号を送ることは難しいかもしれない。
他方、本願の1つの形態では鉄の壁を透過可能なニュートリノを用いてニュートリノからミュオンへの変換部(2MU-BY-NUT部)を用いミュオンを生成し、当該ミュオンを核融合燃料部T1に導いて結合させミュオン核融合に用いる形態(図33の(B)の容器4T-MUCF)を記載しており、その具体的な利用想定例として鉄隕石内部でのミュオン核融合による鉄隕石爆破・発破のシステムを記載する。
*ニュートリノを鉄の壁を透過する粒子として用いミュオンを生成する事を記載しているが、ニュートリノのほかに、高速なミュオンないしは宇宙線・陽子・ヘリウム・中間子・ミュオンレプトン粒子を容器内の粒子受け部2MU-BY-NUTにめがけて加速・照射し鉄を透過させ受け部(例:2MU-BY-NUT部)に到達させ、受け部にて粒子同士を衝突させ、中間子・ミュオンを生成できればよい。(そしてミュオンは減速され容器内T1に導いて結合させミュオン核融合を促してよい)
<爆破用核融合燃料の隕石内への配置>
鉄隕石の表面をダイス・ドリル・ショベル・掘削装置5REMV・掘削部・トンネルシールドマシン・トンネルボーリングマシンを用いて掘削して鉄隕石内部・中央部へ向かう穴・トンネルを開けてよい。
鉄を鋼や合金でできた掘削部のほかに、レーザー照射部や加熱部を用いた掘削部5REMVを用いてよい。(地球であれば掘削用のダイス・素子は再製造できるが、資源や労働力の限られた遠方の宇宙空間の隕石のその場で掘削をする際はより掘削を継続できる方法を取りたいかもしれない)
岩石隕石では削岩可能な想定であればよいが(または電気的に割れやすい正負イオン結晶の岩石に複数箇所孔をあけて爆薬を複数装填し爆破し岩を割る、楔で岩を割る)、鉄隕石では鉄・金属(イオン結晶性ではなく金属結合していて粘りのある物)の切削・除去が可能な装置が必要と考えられ、本願では切削工具・除去工具5REMVを用いて隕石の材質を切削・除去・冷却(・冷却による鉄の脆弱化、鉄を割れやすくする処理)・化学反応(例:鉄を酸にて酸化・溶解し鉄イオンの解けた溶液として除去する)・加熱・溶融・加工してよい。(5REMVは隕石の切削除去及び除去後に生じる隕石破砕屑・ズリ(・採掘された金属資源#METAL)の搬送機構、建設機械部、重機部、ロボット部を含んでよい。)*本願では鉄隕石に穴をあけて金属を採掘しており金属鉱山の採掘部を含んでいてもよい。
*隕石の材料部・鉄部を光子・レーザーにより加熱・蒸発・アブレーションさせて取り除く事を試みてよい。
*隕石の材料部・鉄部を(メタンやアンモニアなど核融合燃料T1を供給し、ミュオンを投入し掘削胴体部5REMV-BODYにて減速などして)ミュオン核融合部を掘削ヘッド部5REMV-HEADの鉄近傍に形成し(図48のFP部、MLTFE)、鉄を核融合エネルギーにより加熱・溶融・溶断させ、溶融した鉄MLTFEを引き抜く(吸い上げる・ポンプなどで吸い上げる、溶融した金属をヘリウムなど高圧ガスでブロー・吹いて細切れハッシュな金属ダストとしてポンプ・搬送機構で回収する)ことで鉄・金属を切削除去試みてよい。*アルファ線を生じる核融合において高エネルギー高速のアルファ線を鉄・金属部に向けて照射し(図48のT1部、FP部、MLTFE)、金属の加熱溶融や金属のアブレーション、ヘリウムイオンを金属にぶつけて金属原子を叩き出したり、金属を局所的に加熱しプラズマ化・気体化・流体化させアブレーション・除去することを試みてよい。(金属の塊の一点を局所加熱し溶融除去しようとしても金属は熱伝導しやすく冷却されて局所加熱しにくいと考えられるので、レーザーや高エネルギー粒子を局所的に除去部に照射し、除去したい金属・材料部を除去することを試みてよい。アルファ線を生成する核融合・核変換システムを用いてアルファ線・荷電粒子を生成し、前記粒子を除去したい箇所に照射する除去装置を構成してよい。
(アルファ線を生成する核融合・核変換システムを用いてアルファ線・荷電粒子を生成し、プラズマ切断機・トーチ部5REMVTを構成してよい。プラズマ切断機ではプラズマにより金属を加熱・溶融したのちガス等を吹き付けて溶融した金属を吹き飛ばして除去する。)
<<溶解した金属の吸い取り部・移動部・回収部>>
半田を溶融させ負圧により溶融した半田を取り除く装置は公知である。
溶けた鉄にサンドブラスト・何らかの粉体を加速・噴射し粉体の運動エネルギー・衝突により除去してよい。溶けた鉄にボールミルのセラミックボールのブラスト(耐熱ボール)を加速衝突させボールの運動エネルギー・衝突により溶融金属を溶融金属溜まりからボールで押し出して移動させ除去してよい。ボールは金属を押し出しつつ除去回収する。溶融金属押し出し後にボール表面に金属が冷えて残っている場合に備えてボール同士をミキサー部で回転・ミルしてボール表面を摩擦・研磨してもよい。セラミックボール・耐熱ボールは溶融金属・冷却固化金属に対し濡れにくいよう表面エネルギーないし表面の状態を制御していてよい。又は、プラズマやガス等の流体を(核融合にて得やすいヘリウム等の不活性なガスでもよい)を、(大きな)圧力をかけて溶融金属部に吹き付けて溶融金属を溶融金属溜まりからその外部へと除去・押し出し移動させることを試みてよい。
(MTOが地球に衝突する前の、限られた時間内・労働力・資源で、鉄隕石に穴を開けるため、核分裂・核融合・核反応により生じさせたエネルギーを用いて鉄を切削・溶解・除去してよい。例えば、鉄に穴をあけるため、小型核融合爆弾による発破部を用いて鉄隕石部を徐々に爆破し鉄隕石表面側から鉄隕石中央側へ向かうトンネル・坑道を掘ること試みてもよい。*小型のダイナマイト等の化学反応による発破部も用いてよい。)
<爆破用核融合燃料容器の形成>
鉄隕石の場合、(あるいは岩石隕石の場合も)隕石表面から隕石内側へ穴を堀りトンネル部を形成することで隕石そのものを容器(隕石材質によっては天然の圧力に耐える容器(例えばトンネル状、筒状の空洞を持つ容器4T)とする。
仮に宇宙空間で容器を製造して隕石に挿入する事も可能ではあるが、容器製造のステップを減らしたい場合は隕石そのものを燃料容器の壁部材に用いてよい。
(ただ、隕石は天然の亀裂などがあって核燃料の漏洩可能な部分・抜け道があることも想定される。前記亀裂より液化したメタンやアンモニア等の核融合燃料が漏れ出たり揮発して抜けていく虞もある。)
燃料容器はミュオン核融合により生じたエネルギー(アルファ線、アルファ線制動放射光、ガンマ線)を隕石の高Z(Fe・Niの)金属容器壁部で閉じ込めし、燃料にエネルギーを与えてもよいし、MTO内部で核融合したのちに、核融合で燃料を加圧しMTO内部の容器部を高圧にさせ破裂させ隕石を分割し分割体を得つつ、燃料を推進剤として破裂部より噴出させその反動で隕石・隕石分割体を推進させ隕石たちの進行する軌道を変えてもよい。(図42図43等の発破システムは隕石の軌道を変える発破装置兼推進装置であってもよい。)
<固体燃料、炭化水素燃料、炭化水素樹脂燃料>
*高分子、例えばポリエチレン(C2H4)nは(-CH2-)の繰り返し構造を持つ樹脂固体(又は温度により液体)である。本願の1つの形態では、ポリエチレンの水素を重水素Dに置き換えた重水素型ポリエチレン(C2D4)nをT1に用いてよいかもしれない。(前記真空の宇宙空間に存在する隕石の亀裂部から液体燃料が漏れ出る可能性を考慮し固体のメタン・アルカン・炭化水素系燃料を用いてよい)
*ここでポリエチレンの炭素・炭素間でのミュオン核融合が炭素重水素間でのミュオン核融合より起きにくい場合、ポリエチレンの(-CD2-)にて炭素12と重水素のミュオン核融合が起き最終的には炭素12とヘリウムを生成しうるので炭化重水素(炭素12と重水素)の気体・液体・固体・樹脂にミュオンを照射しミュオン核融合を促してもよい。固体・粉体の核融合燃料を充填したい場合に前記炭化重水素からなる核融合燃料であって気体(例:メタンCD4・プロパン等)や液体(例:液化メタン、ヘキサン等)や固体又は樹脂(例:パラフィン、ポリエチレン、(C2D4)n)のミュオン核融合燃料をT1部に用いてよい。
固体・粉末の核燃料であれば隕石内部に充填でき粉末燃料は隕石の亀裂部より逃げ出ることは起きにくい可能性もある。そこで爆破に必要な量を容器に格納して隕石穴内に格納してもよい。好ましくは核燃料を隕石トンネル内の容器部から抜け出ないよう封をする部分があってよいし、抜け出にくい固体の燃料を用いてよい。)
鉄隕石の鉄塊に穴をあけ鉄壁を持つ容器として、前記容器に核燃料を充填し核融合を起こす場合、核融合後に生じたアルファ線やガンマ線のエネルギーを鉄隕石鉄壁の高Zな鉄原子部で閉じ込めて容器内の核融合燃料をエネルギーにより加熱・圧縮し熱核融合させる可能性もあり鉄容器を鉄隕石の鉄材から形成してもよい。
<爆破用ミュオン核融合点火の信号・エネルギー・粒子の伝送>
有線式の信管を隕石の地上から地下まで配線することで隕石内部に爆破信号を送ることは用いてもよい。200kmの球形の鉄隕石について地下100kmにわたり配線する。送電中に電線への電力供給が途絶えないように二次電池・原子力電池や核融合・原子力発電部を配置してよいし、宇宙太陽光発電部で水素などの化学燃料を製造し化学物質・還元剤・酸化剤のパイプラインにて配線のリレー部に配置した火力発電部を備えさせてよい。
*配線の設置に時間がかかる恐れがある。そこで、地球に衝突する可能性のある隕石を予め調べる目的で(宇宙開発を行い、)隕石探査ロボット5を宇宙空間にて(5に搭載した宇宙太陽光発電部や核融合・核変換部のエネルギーにより)動かして地球に被害を与えうる隕石を探してよいし隕石の透過像・CTを得ること試みてよい。
*隕石の探査結果を電波やニュートリノや粒子を用いた通信システムを用いて通信経路を介して地球やその他の通信相手に伝達してよい。
*地球に飛来する隕石表面を(宇宙太陽光発電衛星を用いて)レーザー照射し隕石正面を蒸発させ表面から蒸発した蒸気・粒子を隕石の外部に噴射・放出・アブレーションさせ隕石の軌道を変えることを試みてよい。*ドリルで隕石の表面を掘削し隕石内部に核燃料を充填した容器を配置してよい。レーザー加熱、レーザ切削を用いて隕石の表面を掘削し、隕石(鉄隕石)内部に穴を掘って前記穴を形成してよい。(レーザー加熱しても動かない恐れはある)
*容器に核燃料を充填し遠隔爆破してよい。もし、大きすぎる(関東平野一個分、200km超える、衝突による致命的影響のある)鉄隕石を爆破する必要が生じた場合、例えば数百kmクラスの鉄隕石において、隕石を十分に爆破するための容器を製造する事が難しい(巨大な容器・宇宙構造物を建造しにくい)ときに、鉄隕石の鉄のコアを核燃料の圧力容器にしてもよいと考える。
*隕石の軌道変更にて地球からそらす場合であっても、推進部・推進剤の噴射部ノズル孔を形成したほうが隕石表面で発破用の爆弾容器を炸裂させるよりも推進の力を隕石にかけることができうるかもしれにないので、隕石に孔をあけ隕石内で核融合を起こしエネルギーを生成し隕石を分割したり隕石を推進・移動させて良い。
*鉄塊の、大質量の鉄隕石を推進させるには核融合燃料を多く取れる構成が良く、例えばガス型・氷型惑星の水素・重水素・窒素・炭素等を隕石の近傍天体より調達できてもいいかもしれない。(*大質量になるほど軌道変更は難しくなる虞もある。例えば月の回転を変えるだけでも大きなエネルギーがいることから、場合によっては単に隕石軌道を変えられず隕石を自転・回転させるだけに終わる可能性もある)
<核燃料の深部への配置・打ち込み>
*遠心銃(例えば3、3SPINFSATのような遠心銃部・マスドライバ部を含む構造物)からハンマー若しくはハンマー部を持つ核燃料とミュオン生成部付き荷物(3LOAD)を投射・発射しハンマーを隕石部に打ち付けて杭打機のように隕石へハンマーを打って孔を開けることを試みてよい。ハンマーで打突後に隕石内部に3LOADが侵入し内部まで突き進んだところで、外部からニュートリノ通信等機構用いて鉄隕石内に取り残されたミュオン生成部と核燃料に向けてニュートリノないしは点火用粒子を照射し点火用粒子はミュオンを生成しミュオンは該燃料T1に結合しミュオン核融合を起こさせ、隕石内部で発破・爆破を起こさせる。(燃料が隕石のどこに打ち込まれているか調べるためミュオグラフィやニュートリノ等粒子を用いて燃料打ち込み後隕石のCT等を得て打ち込まれた燃料の分布を確認できてもいい)
*本願のミュオン核融合・ミュオン核変換系1F-SYS/1EXP-SYSを構成するミュオン生成装置・ミュオン減速装置と核燃料T1は遠心銃3SPINFSAT等の投射手段により投射された荷物3LOAD(ミサイル・ロケット・弾頭)に搭載されていてよい。
金属やセラミックの装甲を打ちぬく戦車砲・砲弾・翼安定装弾筒付徹甲弾APFSDS(armor-piercing fin-stabilized discarding sabot)の侵徹性でもよい弾(例:杭・釘のような長尺弾)を含む3LOADを隕石の表面側から隕石内部側へ遠心銃にて加速後投射して打ち込み突入させてよい。(弾3LOADの運動エネルギーKはK=1/2×弾の速度vの2乗である)
地中貫通爆弾のように、高速に加速された貫通爆弾・貫通弾頭である3LOADに核融合システムを構成する核融合燃料部T1やミュオン生成部2MU・2MU-BY-NUT、ミュオン減速部・ミュオンを燃料に減速結合可能な部分を搭載してもよい。
本願の装置において、固体の核融合燃料T1(例・炭化重水素樹脂(C2D4)n、水素化ホウ素酸リチウムLiBH4)を記載している。
鉄隕石MTO内部に侵徹性でもよい弾3LOADを打ち込む時、弾(遠心銃3SPINFSATにより加速され、可能ならば光速のX%等と形容される速度でもよい)の素材は例えば炭化重水素樹脂としてもよいかもしれない。
徹甲弾内部に固体の核融合燃料とミュオン生成部(ニュートリノによりミュオンを生成する原子核)を搭載し徹甲弾を鉄隕石に入射させ進行する徹甲弾の慣性・圧力で鉄隕石表面を押し込んで徹甲弾を押し入れようとする。
MTOの表面・装甲を貫くタイプの弾の素材を燃料・T1として、弾に核融合燃料とニュートリノ・ミュオン生成部があれば、金属内に打ち込まれ残っている弾型のT1部分にニュートリノ照射してミュオン核融合させる事が可能かもしれない。(図45の(B)のように、金属隕石内にT1核燃料の弾3LOADT1(balls)を打ち込んだ後にミュオン生成用の部分・原子核・粒子2MU-GEN-ATOMを持つ弾を打ち込んでもよい)
少なくとも、隕石の金属体の中に加速された核融合燃料の弾を打ち込んで弾・核融合燃料を金属内に置き去り・燃料T1を配置することは可能かもしれず、(金属内の為、金属透過可能なミュオン生成用の粒子をT1部やミュオン生成部に伝送し)配置された燃料にミュオンを結合できればミュオン核融合を起こす事ができるかもしれない。
*表面は弾のケースの強度を稼ぐため例えば炭素12ダイヤや炭素繊維、BN・BNNTのケースで囲うことも想定される。
<タウやミューニュートリノを受けてミュオンを生じる荷電カレント反応部分>
*核子の中性子uudはミューニュートリノやタウニュートリノの入射を受けW-ボソンを放出・作用して、中性子uudはミューニュートリノやタウニュートリノにより陽子uduとミュオン・タウオンに変換されうることはありうる。そしてその作用は水素より重水素のほうが大きいと考えられる。例えば水素(p)よりは重水素(np)のほうが中性子を含み中性子とミューニュートリノ・タウニュートリノとの前記W-ボソン(・荷電カレント相互作用)によるミュオン・タウオン生成しやすい可能性があり(例えばサドベリー・ニュートリノ天文台(SNO)では重水を用いミュオンやタウオンのニュートリノ検出に用いている)、T1でありつつ2MU-BY-NUTを兼ねるニュートリノをミュオン(タウオン)に変えるコンバータ部(重水素の中性子をコンバータ部2MU-BY-NUT-BY-Wや原子核型のニュートリノからミュオンへのコンバータ部2MU-GEN-ATOM)として用いうると考えるので本願で利用してよい。
T1が重水素と炭素12を含む炭化重水素ではミュー・タウのニュートリノによるミュオン・タウオン生成が起こる可能性があり用いてよい。(窒素15と水素及び窒素14と重水素では分子内での中性子陽子数は変わらないように感じるが、窒素15と水素では水素の部分は中性子がないのでニュートリノを受け取らない空白部になりそうであるが、窒素14と重水素では窒素14と重水素のどちらも中性子を含んでおり分子でニュートリノを受け取れる中性子は窒素15と水素のアンモニア分子よりも重水素と窒素14からなるアンモニア分子のほうが大きいと考えられる。窒素・アンモニア分子で水素と重水素の利用時のニュートリノを受け止めやすい事の説明をしたが、メタン分子・アルカン・高分子においても、炭素12と重水素を用いたほうが炭素14と軽水素を用いるよりもニュートリノを受け取る部分が増やせるので重水素を含む分子型・結晶型の核融合燃料をニュートリノからミュオンへ変換する部分2MU-BY-NUT、2MU-BY-NUT-BY-W、2MU-GEN-ATOMに用いてよい。炭化水素樹脂の場合、軽水素と炭素原子からなる樹脂材は炭素鎖部分に炭素由来の中性子があり前記ニュートリノを受けてミュオン等に変えうるところ、軽水素を重水素に置き換えることで炭素鎖に加え炭素鎖に結合した水素原子部分も重水素・中性子入りのニュートリノをミュオンに変えるアンテナ部として利用・拡張でき、ミュオン・タウオンニュートリノをミュオン・タウオンに変える感度を向上させる期待をしている。)
<遠心銃から射出したボールや杭を隕石表面に打ち付けて表面をブラスト・掘削する構成>
*遠心銃・マスドライバより射出された弾を杭打ちのハンマー・杭のように(またはサンドブラストの砂の代わりにハンマーボールとして)弾を金属表面に連続して打突・杭打ちし金属表面部を破壊・破砕・除去加工し、掘り進めることも試みてよい。
<金属隕石の陰になる箇所>
電波の波長や電波の到達の仕方により地球側や宇宙船から発射された電波が届くこともあれば届かないことも想定される。
確実に金属隕石内部の核燃料に点火させるため(有線式も用いてよく)、隕石内部や周囲の宇宙空間・天体に設置したニュートリノビーム送信部から核燃料の存在するポイントまでニュートリノを集中するように照射させてよい。
*金属隕石の内部を見るために、ミュオグラフィ(規模の大きい隕石向けに正ミュオンだけを用いたり、ミュオンを加速してもよい、ミュオンの透過具合により構造物のトモグラフィーを得てよい。(脅威隕石MTOが発見された際やMTOに弾丸や燃料を装填した際にMTOの構造・状態を確認する透過図が必要となるはずであるが、透過図はミュオグラフィを用いてよく例えば正ミュオンのミュオグラフィも用いてよい。
公知のミュオグラフィでは宇宙線・中間子から得た宇宙ミュオンを用い撮像している。
<点火機構>
*隕石の孔内5T-HOLEの容器内燃料T1をミュオン核融合を用いて点火(核融合開始)する。
点火後にミュオン核融合によりT1にて核融合させT1を高温にできればそのT1のエネルギーを用いて核融合燃料を加熱させ熱により高温核融合させてもよい。
例えば、(起きるかは実証していないが)重水素と炭素12から構成されたメタンCD4にミュオンを照射することで炭素12に重水素がミュオン核融合して窒素14を得て窒素14と重水素が核融合して励起した酸素16原子核を得てその後励起した酸素16原子核は炭素12とアルファ線・ヘリウム4に核変換されるミュオン核融合をT1で試みて、その後T1にてミュオン核融合のエネルギーをアルファ線エネルギーとして生成させる。
(その後アルファ線は容器内に配置したアルファ線をガンマ線に変換するAEC部にてガンマ線に変換し、ガンマ線により核融合燃料CD4が加熱されてよく、CD4内のD同士が加熱高温により熱核融合できてもよい。)
*容器内に充填された核燃料は一種だけでなく複数種(若しくは構造化された燃料装填部)配置してよく、ミュオンが最初に結合する部分のT1に例えば密度・モル当たりミュオン核融合反応エネルギー出力の高い核燃料を配置してよい。
例えばフッ化水素のフッ素と水素の核融合では1つのアルファ線と8MeVのエネルギーを出し、水素化ホウ素の核融合では3つのアルファ線で8MeV、1つのアルファ線当たり2-3MeVを出し、フッ素とホウ素ではフッ素のほうがアルファ線1つのエネルギーは高く、アルファ線のエネルギー制動放射でガンマ線を生成するとき、フッ素は8MeVのガンマ線を作りフッ素は3MeV程度のガンマ線を作るとすればガンマ線1光子あたりの出力はフッ素のほうが高い可能性がある。
(炭化重水素メタン・樹脂部にミュオンを結合させミュオン核融合させ点火部でいったん着火して、その後炭化重水素燃料部を全量をミュオン核融合させてもよいし、さらに炭化重水素内の重水素同士の熱核融合を促して大規模な核融合部を形成するよう設計されてもよい)
【0113】
図43
図43は輸送機器5SHIPや鉄隕石MTOに取り付けられた起爆用の(複数機でもよい)ニュートリノ送信部・粒子送信部5BTXから孔5T-HOLE内の粒子受信部5BRXに向けてニュートリノ・ミュオン・粒子を送信する説明図である。
鉄隕石MTOに取り付けられた起爆用の(複数機でもよい)ニュートリノ送信部・粒子送信部5BTXは無線・電波による通信部・電波受信部5TX-RADを備えていてよく、5SHIP等からの起爆用の信号を電波・無線により5TX-RADで送受信し、その後電波無線の信号から5BTXのニュートリノ送信部1NUT-TXを動作させニュートリノを5BRX(2MU-BY-NUT)に送信できてもよい。
【0114】
図44
図44は隕石の材料部・鉄部を(メタンやアンモニアなど核融合燃料T1を供給し、ミュオンを投入し掘削胴体部5REMV-BODYにて減速などして)ミュオン核融合部を掘削ヘッド部5REMV-HEADの鉄近傍に形成する説明図(図48のFP部、MLTFE)
【0115】
図45
図45は遠心銃(例えば3SPINFSATのような遠心銃部・マスドライバ部を含む構造物)からハンマー若しくはハンマー部を持つ核燃料とミュオン生成部付き荷物(3LOAD)を投射・発射しハンマーを隕石部に打ち付けて杭打機のように隕石へハンマーを打って孔を開ける説明図。並びに、遠心銃等の荷物の加速投射手段により核燃料T1(・2MU-GEN-ATOM)とミュオン生成部付き荷物(3LOAD)を鉄隕石に打ち込み、打ち込まれたT1・2MU-GEN-ATOMにニュートリノを照射しミュオンをT1部に生成結合させミュオン核融合を隕石内で起こそうとする説明図。
【0116】
図46
図46では、例えばループ・輪型・環状の両端の閉じたカーボンナノチューブCNTや窒化ホウ素ナノチューブBNNTのような繊維素材部品2NTLPを複数製造し2NTLPからなる鎖2LPSTを形成することを試みてよい。2LPSTは形容するならば家紋の「違い角、違い隅切り角、違い丸」の紋様のように、角・丸・円環・ループを複数鎖状に組み合わせて始点のループ2LPSTと終点のループ2LPSTを組合させたひとつながりの2LPSTを形成し2LPSTを3SPINFSATの回転する際の遠心力に耐えるフレーム・ケーブル・構造部2LPSTに用いてよい。
2NTLPは別の材料(例えば金属・合金)からなるワイヤ・チューブ・ループ・輪部2NTLP-I2を内包してよい。2NTLP・2NTLP-CHAINは別の材料からなるワイヤ・チューブ2NTLP-I2や原子分子部を内包してよい。
2NTLPは別の材料からなるワイヤ・チューブ・ループ・輪部2NTLP-I2を含む遠心力に耐えるようなハイブリッド素材としてもよい。前記構成とすることで遠心銃や軌道エレベータワイヤ部のような強度の必要な部分のフレーム・構造材とする事を試みる。
2NTLPは別の材料(例えば金属・合金)からなる金属・合金のひとつながりのワイヤ・チューブ・ループ・輪部2NTLP-I2を内包しており、その材料はワイヤ・チューブ・ループ・輪部2NTLP-I2であることにより2NTLP-I2を内包する2NTLP部のチューブ部が劣化などで破断しても内部のワイヤチューブ部が残ることで連結を金属ナノチューブ輪部が残ることで維持できる。2NTLPからなる鎖2NTLP-CHAINは遠心銃や軌道エレベータ等での実使用では複数本の鎖群2NTLP-CHAINsを用い・束ねて遠心力や重量・機械的な力に耐える(ナノチューブ鎖からなるマクロな)ロープ・ケーブル・リボン・ストリング・フレーム部2LPSTを構成するが、宇宙線や原子状酸素AOなどで2NTLPのBNNT・CNT部の原子がスパッタされたり化学反応するなどして強度が下がり破断する可能性もあり、1本の2NTLP・2NTLP-CHAINが破断してもその鎖がワイヤ・チューブ・ループ・輪部を離れないようにする・絡んだままにするため、2NTLPに金属・合金のワイヤ部を含んでいるハイブリッドな輪2NTLPや鎖2NTLP-CHAINとしてもよい。
或る鎖2NTLP-CHAIN(C)内の或る1つの輪2NTLP(A)が破断・チューブ破れが起きても、2NTLP(A)の内包する2NTLP-I2(A)は破断していなければ、内包された2NTLP-I2(A)は隣り合う・組み合う別の2NTLP(B)と鎖として組み合うのでそれらを含む鎖(C)は鎖群2NTLP-CHAINs内に直ちに破断せず絡んだ状態・移動しない状態で配置でき、例えば保守時に鎖群を巻き取りをしたり、そのチェーン部・鎖群を観察するカメラ部・エックス線観察部2LPST-MEASがあれば金属部2NTLP-I2の鎖構造2NTLP-I2-CHAINが維持されていてBNNT等の高強度チューブ部2NTLPが破断したり実使用で破損傾向にあるか見ることができるメリットもある。(鎖2NTLP-CHAIN保守時に鎖2NTLP-CHAINの構成要素の輪部2NTLP内部に金属ワイヤ2NTLP-I2を入れることで、エックス線観察時にエックス線観察画像に2NTLP-I2に金属原子の高Zな事を用いたことにより、X線をBNNTやCNTよりも金属ワイヤ2NTLP-I2は強く吸収できてX線CE画像に濃淡を出して金属ワイヤ部2NTLP-I2の破断が起きているのかそれを内包するループ・チューブ2NTLPの破断損傷が起きているのか調べる事に用いることができ、鎖部・鎖群部2NTLP-CHAINsの保守時・状態観察時・品質確認時・鎖交換時目安把握に有利となりうるので本願の1つの形態では金属ワイヤを内包していてよい。)
なお、低Z原子からなるBNNTやCNTの透過像CTを得てその構造・劣化状態を観察したいときに、X線・X線CT・X線応用測定手段のほかにミュオンを用いたミュオグラフィ・ミュオン顕微鏡・ミュオン応用測定手段を用いてもよい。光子のガンマ線・X線では金属など高Zな元素に吸収されやすいが低Z原子には吸収されにくい。他方ミュオン、例えば正電荷を持つ正ミュオンは質量を持つレプトン・粒子であって、ミュオグラフィで観察したいオブジェクトの低Zな原子核や高Zな原子核(・その核内の陽子中性子)と照射されたミュオンレプトンの粒子衝突等でミュオンレプトンは軌道を変えその様子を検出器で検知しオブジェクト観察できうるのでオブジェクト(前記輪部2NTLP・鎖部2NTLP-CHAIN・鎖群部2NTLP-CHAINs、フレーム部2LPST)の観察に用いてよい。
*遠心銃や軌道エレベータなど強度の必要なケーブル・チェーン・ワイヤ・ロープ・リボン部に2NTLP-CHAIN、2NTLP-CHAINsを用いてよい。
*単一の繋ぎ目のないCNTやBNNTを遠心銃の回転する1周分・ループとなるよう合成できれば好ましい(軌道エレベータ等に用いる場合も広大な距離にわたり繋ぎ目のないチューブを構成できれば好ましい)。しかし合成できない場合に備え、繋ぎ目のない輪状のBNNTのチューブ・輪の部分2NTLPを鎖状に組合させて鎖2NTLP-CHAINとできれば、鎖を構成する2NTLPそれぞれは繋ぎ目のないCNTやBNNTの強度を発揮可能となり、その鎖もまた(鎖状でない、直線状のチューブであればもっと強度はあるはずだが、妥協点として)CNTやBNNTの強度を鎖デバイスとして発揮可能となる可能性がある。そこで本願では図46のような輪2NTLPからなる鎖2NTLP-CHAINを構成し遠心銃等の強度の必要な構造材・システムのフレーム部に用いてよい。
*2NTLP-CHAINは別のナノチューブに内包されていてもよい。
*2NTLP-CHAIN、2NTLP-CHAINsは原子状酸素との反応防止や宇宙線衝突からの保護のため別の材料で被覆されていてもよい。例えば絶縁の為セラミックス・絶縁体のチューブで覆われていてもよいし原子状酸素・宇宙線衝突保護のため金属膜・チューブで覆われていてもよい。
*2NTLP、2NTLP-CHAIN、2NTLP-CHAINsは電線(例:軌道エレベータの送電部電線)の構成要素となってもよい。
[*2NTLP(・2NTLP-I2含んでよい2NTLP)を軌道エレベータや遠心銃3SPINFSATのサイズのようなマクロな長さにわたり大型にできるならば、ひとつながりの輪部である2NTLP(・2NTLP-I2含んでよい2NTLP)を輪状フレーム部2LPSTに含ませて・用いてよい。*しかし軌道エレベータや遠心銃のサイズのようなマクロな長さ(例えばループの半径がナノレベル・ミクロレベルではなくマクロな・メートル・キロメートル・地上から宇宙空間までの長さ100キロメートル以上の規模)にわたる長さのナノチューブループを作りにくい時に備え2NTLP-CHAINを用いたフレームを検討してよい。]
【0117】
図47
図47はニュートリノミュオン変換部つきのシステムを遠隔地から起爆しする説明図である。しかしミューニュートリノ等により起爆できるかは不明であって考案のみの記載である。
飛翔体MX-T1D:重水素(D)を含む燃料T1含む飛翔体。ニュートリノ受けミュオン点火可能な飛翔体。MX-T1DはDを分子内でもつ分だけ、ニュートリノ受けてミュオン変換しやすいならば、その燃料部をタウやミュオンの人工的な高強度高エネルギーニュートリノビームで狙撃されると爆破されかねないかもしれない。
(Dの代わりにトリチウムを用いた部分があると中性子過剰になりDよりさらにTはミューニュートリノ等と衝突して弱い相互作用でミュオン・タウオンを生じる可能性がある。)
*高フレーバーのニュートリノ(例:ミューニュートリノビーム)を燃料中原子(水素・重水素D・三重水素T・炭素・窒素・ホウ素・フッ素等)の中性子に作用させ該中性子を陽子とミュオン・タウオンに変え、ミュオンを生成し、ミュオンは燃料T1部したときT1部はミュオン核融合を行う可能性があるかもしれない。
例えば飛行中のミュオン核融合炉・核融合可能な燃料タンクを持つ航空機3や船舶3・潜水艦3宇宙機3あるいは飛翔体中のミサイル・ロケット等に搭載された核融合炉・エンジン用の燃料や核融合爆弾用のミュオン核融合系燃料をミュオン核融合させ(意図せずミュオン核融合点火させ)爆破させる事も無いとはいないのかもしれない。
*重水素Dや三重水素T、あるいは中性過剰な原子核を持つ核融合燃料は中性子がニュートリノと出会って荷電カレント変換されるとしたときの出会う部分を大きくすることでミューニュートリノからミュオンを生成する感度を高くできうるかもしれない。
(T1にDやTを持たせたT1はミューニュートリノからミュオンを生成する反応の頻度が大きく成りうるかもしれない。)
*しかし、Dについては、Dと窒素や酸素等を用いたD2OやND4等の燃料T1を用いたミュオン核融合の系を利用できる可能性もあってDを核融合燃料に用いたい。そこでミューニュートリノビームなどが核融合システムやそれを搭載する3の燃料タンク部に通過したとしてもミュオン核融合点火しにくい安全な構成を検討したいと考える。
飛翔体MX-T1H:例えば燃料に炭素14を軽水素(H)用いる炭化水素燃料や水素化ホウ素・アンモニア用いる場合。ニュートリノと作用する重水素部のない時場合。飛翔体MX-T1D:DやTを含む・中性子過剰な原子核を含み中性子とミューニュートリノによる荷電カレント反応が起こりやすくミュオンが生成・T1起爆されやすいかもしれない構成。
【0118】
図48
輸送機器3への動力・電力源用のミュオン核融合システム・炉1Rの搭載も想定される。3は航空機・宇宙船・宇宙機のほか、車両・ロボットや船舶や潜水艦3SUBMであることも想定される。船舶・潜水艦に炉1Rを搭載できれば航続距離の増大が期待できる。(また小規模の1Rはミュオン核融合電池のように微小又は小型の原子力電池のようになってパワードスーツ・ウェアラブル・デバイス・携帯機器・通信端末・通信機器・コンピュータ電源・入出力装置・電気製品・産業用機械に搭載されそれらの電力源となるかもしれない)
*輸送機器3と3が備えるT1について、T1を格納した3のタンク部にめがけてミューニュートリノのビームを受けたとき、T1の入ったタンクではT1部でミュオンが生成されミュオン核融合が起きうるかもしれず、もしそれが起きるならばそれを防ぐ手段を備えさせる必要があると考える。
そこで、図48のTANKA部とTANKB部とT1-MPIP-AB(TANKAとTANKBの原料AとBからT1となる物質ABを生成しミュオン核融合部T1とする微小・細かいT1部、AB合成部)のようにT1を合成するための原料Aと原料B(原料Aと原料Bはニュートリノビームを受けてミュオンを生じてもミュオン核融合しにくい分子・物質とする)のタンクとして分けて輸送機器3に燃料原子を搭載し、必要に応じて3内部のミクロ反応器・T1合成部にてタンクAとタンクBの物質を化合して燃料物質T1を3の小さい量・小さい区画で(ミューニュートリノビームで狙われにくいよう小さい区画にし、また仮にミューニュートリノビームが直撃してT1-MPIP-ABにてミュオン生成しT1とミュオンのミュオン核融合が起きてもT1-MPIP-ABは小さく、マイクロなパイプで、反応できる量を少量とし3内で大型のミュオン核融合・爆発を抑える構成として)得て3のミュオン核融合炉1Rに該T1・T1-MPIP-ABを導入・配置しミュオン核融合させてエネルギー電力を得て3に電気エネルギーを供給させ3を動かす。
*三重水素のような中性子過剰な原子を用いた燃料はミューニュートリノを遠隔地から照射されミュオンをT1部で生成させられミュオン核融合点火・起爆され爆破されるかもしれないので、例えば三重水素よりは重水素Dや水素Hを用いるT1を用いたほうが良い場合もあるかもしれない。
@例えば、図41のように脅威隕石MTO・脅威物体の迎撃・発破用の爆弾装置4T-MUCFとしてミュオン核融合や燃料T1を用いようとする場合、(脅威隕石をあえて破壊しないようにしたい団体などの)攻撃者は、ニュートリノビームを核融合燃料輸送中の3のT1部や核融合弾頭・ミサイル形態の4T-MUCFのT1部に照射し、T1を起爆させて脅威隕石の爆破を妨害しようとしてくるかもしれない。それに対して前記 図48のTANKA部とTANKB部とT1となる物質AB剤の合成可能な箇所や合成部であって微小なターゲット部T1-MPIP-ABを用いることで燃料へのミューニュートリノ照射によるミュオン生成・ミュオン核融合点火・起爆の可能性・懸念を低下できうるかもしれないので本願では用いてよい。
*また、ミューニュートリノ等により中性子を用いミュオン生成させようとする攻撃に備え、T1やT1の原料AやB剤のうち水素・重水素・三重水素が利用可能な系において、軽水素を選択することでDやTよりも中性子を少なくしてニュートリノ感受性を低減させ起爆されにくい構成とできうる。(送信部1NUT-TXからのニュートリノ照射によりT1をミュオン核融合点火されにくいようにするため防衛用・発破装置などの或る形態ではT・D燃料利用を避けてもよいし、核融合してもヘリウムとなって触媒核融合の停止する機体のある重水素分子のA剤と他の原子含む原料B剤に分けて運用してよい。)
*ミュオン核融合炉を稼働させミュオンが寿命により崩壊(またはミュオン原子捕獲反応)すると反電子ニュートリノとミューニュートリノを生じる。(なお核分裂炉では核分裂生成物のベータ崩壊等で反電子ニュートリノが生じる。)ミューニュートリノを検出する部分を配置することでミュオン核融合炉1R(あるいは1Rを搭載する3、潜水艦の3)の稼働を察知できうるかもしれない。
ミュオン核融合炉をミューニュートリノの送信部1NUT-TXとし、ミューニュートリノ受信部1NUT-RXを設置することでミューニュートリノの送信部1NUT-TXから送信されたミューニュートリノの信号を受信するニュートリノ通信装置やニュートリノ検出装置を構成してもよい。
*ニュートリノビーム掃射でミュオンを生じる事可能なシステムとすれば、地中や鉄容器内・脅威隕石・鉄隕石MTO内部でもミュオンを生成させミュオン核融合可能になる。
本願ではニュートリノ生成可能な加速器部を用い、ニュートリノを生成し海中・地中・天体・隕石・鉄隕石の核融合燃料T1に照射可能な構成を構成してもよい。
その例として図42図43のように鉄隕石に孔5T-HOLEを開けて燃料T1をいれ封をしてシリンダ容器5T-MUCF(該容器の内壁5T-INは隕鉄でもよい)とし、発破する信号の送信部5BTX(ニュートリノ送信部1NUT-TX)からミューニュートリノ・タウニュートリノ等のミュオン生成可能なニュートリノを受信部5BRX(1NUT-RX、2MU2MU-BY-NUT-BY-W、2MU-GEN-ATOM、燃料部T1)に送信し5T-MUCF内部の5BRX・T1にてミュオンを生成しミュオンをT1に結合させミュオン核融合させ、脅威隕石を内部からミュオン核融合(爆弾)により発破・爆破試みてよい。
なおニュートリノの場合のほかに、発破する信号の送信部5BTXは高速なミュオン送信部1MU-TXでよく、発破する信号の受信部5BRXは高速なミュオンを減速器で減速しT1に結合させるミュオン受信部1MU-RXでもよい。
<核融合炉1R・原子炉のニュートリノの検知、稼働する1Rを搭載する潜水艦などの索敵>
・核分裂を用いる加圧水型系等の潜水艦用原子炉では加圧のためのポンプ駆動などで核分裂炉の動作を続けることが前提で加圧水型原子炉動作に伴うポンプ音発生や反電子ニュートリノ生成等が起きるので静穏性(ポンプ音起因)・ステルス性(ポンプ音、ニュートリノ放出起因)を損ないがちかもしれない。
*ミュオン核融合炉1Rを搭載した潜水艦はミュオンをT1に照射することを(ミュオンを移動させたりミュオン減速する装置部をオンオフするなどして)停止させ1Rを停止させることが(加圧水型核分裂原子炉よりも)容易な可能性があるので3や潜水艦3SUBMに1Rを用いてよい。
図48の潜水艦3SUBMは、核融合炉1Rのオンオフができうる。そして海中の同位体から燃料原子を採取し(燃料原子はA剤とB剤で保管でき)、必要時にA剤とB剤を化学反応させT1を得てT1をミュオン核融合させる。その後T1・1Rで核融合エネルギー・電力を得て、該電力は二次電池3BATT等の(利用時に音やニュートリノを放出しない静穏性・ステルス性を持つ)蓄電部(蓄エネルギー部)に蓄電し、水中移動時は核融合炉1Rをオフにしてミュオンニュートリノの生成を止めニュートリノ索敵を避けつつ、電池電力で移動可能な静穏性・ステルス性を持つ潜水艦3SUBM(あるいは潜水ロボット3、無人機3、船舶3に限らなければ航空機3等)が構成されうるので3BATTと1Rを輸送機器3に搭載していてもよい。
1RはAEC・1GENRを備え核融合で生じる荷電アルファ線のエネルギーを直接電力に変換したり、光子に変換した後光電変換素子にて電力に変換してよい(3SUBMは蒸気タービン発電部1PP等の稼働時に音を出す方式を避けてAEC・1GENRを用いてもよい。)
*2MUDECEはオンオフ可能な減速器好ましい(攻撃者のミュオン・ニュートリノによる索敵・トモグラフィに対し減速器をオフにしてミューニュートリノをオフにしてニュートリノ面で透明化することで探されにくくする。)
*潜水艦との通信システムはミュオンやニュートリノを用いた外部との通信システム(ミュオンやニュートリノを用いた送信部・受信部1NUT-TX、1NUT-RX、1MU-TX、1MU-RX)を備えていてもよい。
3SUBM:ミュオン核融合駆動潜水艦の例。3SUBM内でミュオンを人工的に生成してもよい。また宇宙ミュオンを減速してT1に結合させ用いてもよい。タービンでなく光電変換により電力得て推進する、静音・静ニュートリノ型ステルス潜水艦でもよい。移動時は3BATTの電力で移動することできてミュオンニュートリノ生成なくニュートリノ索敵されても見つかりにくい事を期待する。
3SUBMはミュオン生成部2MUを備えてよい。例えば通常はミュオン送信部・ミュオン通信装置として備えて2MUを置き、ミュオン核融合炉を通常は減速宇宙ミュオンで稼働させつつ、電力必要時・緊急時に機関・炉1Rのミュオン核融合出力を上げるために2MUにてミュオンを生成させ減速させT1に照射結合させ(宇宙ミュオン駆動時よりもミュオンを増やして)1Rの出力を増加させる駆動も想定する。
*3SUBMは平和利用時は浅い海中を旅する物資補給の回数が少ない潜水艦・遊覧船・ホテルのように機能するかもしれない。
<燃料T1にニュートリノビーム照射されミュオン核融合点火されること防ぐための構成として、前駆体のA剤とB剤からT1を合成して使う系統の説明>
重水素D2タンクは重水素分子であるときにニュートリノによる外部からのミュオン生成・ミュオン結合による点火攻撃を受けても、D2からHe生成してアルファスタックを起こさせ点火攻撃を止める狙いある。
O2ボンベではミュオン生成されてもO2同士の核融合しにくいこと期待する。(酸素燃料タンクは酸素分子はミュオン核融合しにくいという仮定)
D2とO2を重水にしたときニュートリノ点火攻撃受ける可能性がある。そこでT1の重水部はニュートリノビーム被弾しにくいように小型・細かい配管でも良い。
<潜水艦に搭載されたミュオン核融合炉動作に伴うミューニュートリノの発生と、ミューニュートリノ索敵回避のためミュオン核融合停止しても活動可能とする電池・ガス燃料生成部付き潜水艦の説明部>
ミュオン核融合システムはミュオンをT1に結合させミュオン核融合させる。ミュオンはミュオン核融合後寿命により崩壊したり原子核捕獲により電子と電子ニュートリノを生成する事が原理上避けがたい。またミュオン崩壊時のミューニュートリノを検出する事で稼働中のミュオン核融合炉1Rや潜水艦3SUBM・航空機3の存在を索敵されうる。そこで、本発明では潜水艦3SUBMや航空機3は索敵されないようにするために二次電池に電力を充電したり核融合炉のエネルギーで化学燃料を合成するなどしてミュオンニュートリノを生じない蓄電・蓄エネルギー部3BATTにエネルギーを蓄え、蓄えたの後はその蓄電部3BATTの電力・化学物質を使い潜水艦3SUBM・航空機3等の輸送機器を駆動できてよい。
*ミュオン核融合システムではミューニュートリノ生じるのでそれを索敵する事が想定される。(通常核分裂原子炉では反電子ニュートリノが生成する。ミュオン核融合炉では反電子ニュートリノとミューニュートリノを生じる)*もし、核融合炉1Rが世界中で動く場合、ミューニュートリノ発信源が増える事になり、(木を隠すなら森の中という諺のように)ミューニュートリノ発信源/ノイズがふえてノイズの中に未登録で建造された1Rを隠しやすくなるかもしれない。そこでミュオン核融合を指定・登録した場所(所定の電力会社・事業会社の事業所等)で行ったり、登録された輸送機器3(例えば登録されたタンカー、海運用船舶、鉄道用車両、バス車両、機械装置)で行うようにすると好ましいかもしれない。もし無造作に1Rが各地で複数稼働すると民生用の輸送機器3用の1Rの発するミュオンニュートリノの信号・ノイズだらけの中に兵器用の潜水艦3SUBMの1Rが隠せることになる可能性も考えられる。
T1-AB:AとB剤を化学反応させて得たT1部に用いる物質AB
T1-MPIP-AB:ターゲット部。(例えば微小・細かい・細管でもよいT1部。細管であるが限定された出力でミュオン核融合も可能なT1部。ミュオン核融合動作中はミューニュートリノの送信部1NUT-TX・ビーコン部MUNUTBCON、ビーコン送信部MUNUTBCON-TXとなりうる)
*細管MPIPの壁材が高Zの金属などの場合該細管内のT1で負ミュオンが生じた場合でもT1からその周りの高Zな細管壁面の高Z・金属原子により負ミュオンがトラップされてMPIP内のT1部でのミュオンの触媒核融合反応を防ぐことにつながる可能性があり、(起爆攻撃に対して有利となりえて)高Z原子からなる壁面持つ細管・マイクロパイプMPIPのチューブ容器4T-MPIPにT1を保管・格納・圧送・輸送できてよい。
TANKA、TANKB:A剤、B剤の燃料タンク。例:A剤は水素分子・重水素分子のタンク。水素からヘリウムを生成するときHe生成してアルファスタックを起こさせ点火攻撃を止める狙いある。B剤は例えば窒素分子、酸素分子のタンク。
MUON ON/OFFTransport coil:ミュオンを輸送するコイル。(T1への輸送をオンオフ可能でもよい)
1PROP:プロペラ・スクリュー
MUNUTBCON/MUBCON:ミューニュートリノビーコン・ミュオンビーコン、潜水艦3SUBMの1Rや2MUではミュオン・ミューニュートリノを生成可能であり前記粒子は海水を透過し地上等に届く可能性があり通信手段や緊急時(沈没時救助求めるなどで)に3SUBMの居場所を外部へ知らせるビーコンの用途にも利用できうる。(MUNUTBCON-TX:ミュオンニュートリノビーコン送信部、MUNUTBCON-RX:ミュオンニュートリノビーコン受信部)
1SONR:ソナー。ニュートリノ・ミュオン粒子によるソナー含む(ミュオントモグラフィ部と同様にミュオンの加減速器やミュオン検出部・ミュオン生成部2MU含んでよい。)
3SUBMD:潜水機・潜水ドローン・核爆発型魚雷、T1が核爆弾量・T1多量の核魚雷も含む、無人機も含む。3SUBMDが細管でない部分・大型円筒容器4T等にT1を大量に装填・配置・合成している場合、T1をミューニュートリノにより起爆でき迎撃できうるかもしれない。
[MTO内にT1を大量に配置してMTOを核融合点火し爆破試みるように、輸送機器3に大量にT1を配置した場合遠隔爆破される可能性は否定できないので、遠隔爆破に対する防御手段を炉1Rやミュオン核融合系・エンジン・炉1Rを搭載する輸送機器3は備えてよい。]
<酸素原子>
*炭素材料を核破砕する件に関連して、海中・天体の酸化物から酸素を得て、酸素に正ミュオンを照射して核破砕反応にてヘリウムや中性子や陽子(重水素・トリチウム)・中間子に核変換してもよい。
炭素ミュオン標的に陽子を打ち込んで正負ミュオンを生成し負ミュオンを炭化重水素や重水のミュオン核融合に用いることを試みてよいし、正ミュオンを酸素原子核に衝突させ酸素原子核を核破砕しヘリウム等の他の原子核に核変換してもよい。
*酸素をミュオン標的としてよい。加速器内に酸素イオンの循環させ、加速器内の酸素原子にミュオンを衝突させ中間子やヘリウムや中性子や陽子(重水素・トリチウム)に変換してよい。
*酸素原子核は魔法数を満たす原子核で安定であり、酸素原子同士の核融合は炭素原子同士の核融合よりも起きにくいと想定している。
【0119】
図49
図49は脅威隕石MTOの透過図をとる為にミュオン(やニュートリノ)の送信部1MUGRP-TXと受信部1MUGRP-RXを用いてミュオグラフィ・コンピュータトモグラフィを得ようとする説明図である。MTOの爆破を試みる際にMTOの内部構造を知りたい時があると考えその内部図・透過図を得るために図49のようなCTを用いようとする。(宇宙船3や人工衛星3の編隊・コンステレーションを用いて受信部・受け部1MUGRP-RXとしてもよい。3や3のコンステレーションを用いて送信部1MUGRP-TXに用いてもよい)*バックグランドの宇宙線・ミュオンの影響を引く必要があるかもしれない。*人為的に加速器等で生成した正ミュオンを送信部から受信部に向けて照射してよい。バックグラウンドよりも有意に高い正ミュオン検出結果を得うる。*受信部はミュオン減速器・冷却器備えてよい
2MU:ミュオン生成部
1MUGRP-TX:ミュオグラフィ装置・ミュオントモグラフィ装置のミュオン照射部。ミュオン送信部。
2MUDECE、A1:ミュオンの加速器・減速器。加減速器。
2SEN-REF・BASE:必要時に、測定に用いるオブジェクトに入射する前のミュオンの速度向きなどを測定する部分。リファレンス測定部・リファレンスセル(なおこの2SEN-REF・BASEは図中の場所だけの置き方やサイズ配置に限定されない。オブジェクト・1MUGRP-USERがミュオンの射線上にいない場合に2SEN-REFをオブジェクト測定箇所・位置に設置してリファレンスデータを取り装置の校正処理を行ってもよい)
1MUGRP-USER:測定されるユーザ・オブジェクト
1MUGRP-RX:ミュオグラフィ装置・ミュオントモグラフィ装置のミュオン検出部、ミュオン受信部。
2SEN-DET:粒子検出部、ミュオン検出部、ミュオン受信部。粒子の速度・エネルギーや方向等の粒子軌道の情報を検出できてよい。
2SEN:粒子検出器
CTORBIT:点線の円軌道等の送信部受信部を動かす方向・軌道・スキャン用軌道。例えば点線の円のシータ方向に沿って向かい合っていてもよい1MUGRP-TX・1MUGRP-RXを移動・スキャンさせ1MUGRP-TX・1MUGRP-RXの間に位置する1MUDRF-OBJのコンピュータトモグラフィを得る。(該図でコンピュータは記載が省略されているが、X線CT等と同じくオブジェクトを撮影後に測定結果からトモグラフィを得るコンピュータを要する)
なおX線や陽電子などの粒子線などを利用し、多方向からの投影量を(軌道などに沿って)測定・撮影し、その後コンピュータにより断面像を得るトモグラフィは公知である。
【0120】
図50
<ミュオン減速器・加速器・ミュオンの軌道観測部を含む測定装置、トモグラフィシステム>
*ミュオンを用いた医療用やブレインマシンインターフェースBMI用の測定システム・トモグラフィシステムを構成してよい(図50)。例えば、正ミュオンは宇宙ミュオンとして地上に降り注いでいる。正ミュオンを減速しその後加速しカウンタ部・粒子の運動エネルギー・速度・軌道等の測定部(減速器つき半導体検出器など)でカウント・測定しX線コンピュータ断層撮影(X線CT))や核磁気共鳴画像法MRIのように、ミュオン(例えば負ミュオンは人体の原子に結合し核変換する恐れがありそれを回避する目的では速度を持つ正ミュオンを)を人体に照射し透過させ透過させたミュオンを減速器で減速させ又は粒子測定部で測定しX線CT撮影のように撮影対象を撮影してよい。(ミュオン線は高エネルギー粒子で放射能・放射性のある物の為人工的に正ミュオンを人体に向けてそのCT・イメージ撮影をする際は放射線量などを考慮しなければいけない虞が高い。宇宙ミュオンとして降り注いで入るがその宇宙ミュオンや人工のミュオンを減速して集めて再加速してトモグラフィに用いる場合被ばく量は自然状態よりは高くなると考える。)
X線撮影では高Zな原子は検出しやすいが低Zな人体(例えば神経・脳・脊髄部あるいは細胞一般)を構成する炭素・水素・酸素・リン等の原子はX線では撮影しにくい可能性がある。そしてMRIでは高磁場が必要でMRIは水素原子の磁気共鳴を用いる関係で水素は見えても他の原子は見えにくいかもしれない。そこでミュオンを用いたトモグラフィであれば低Zな原子について高精細・多種原子と原子からなる人体部を撮影できるかもしれない。(X線CTやMRIでは測定しにくい人体の全種・高Z/低Zな多くの種類の原子からなる人体組織を、微小な素粒子であるミュオンを用い人体を(ミュオンの小ささと対象可能な原子の多い期待から)高精細に撮影する事を試みてよい。
撮影時にミュオンは加速や減速をされうるので本願の記載の加速器・減速器を用いてミュオントモグラフィ装置部を構成してよい。
*ミュオン顕微鏡を構成してよい。ミュオンを用いて微小な箇所を撮影したり微小な箇所の物質の透過イメージを撮影する顕微鏡・トモグラフィ装置を構成してよい。
<BMIへの展開>
*難病等で体が動かせなくなり脳で考えていることを声帯・口・顔や手足などの人体の出力部を用いて外部に伝えにくい人がいるかもしれない。
既存のブレインマシンインターフェース・脳機能イメージングにはfMRIやMEG等があるが、(人工ミュオン生成部2MUは建物・病院内に設置しミュオンを得る)ミュオントモグラフィデバイスを例えばベッドに設置し患者の人体の撮影に用いて患者の状態(脳・神経系、臓器、骨・歯、体内物質・組織)を測定できるかもしれない。
脳血流状態測定を試みるMRI・fMRIや陽電子を崩壊により生成する薬剤原子投与後に体内で崩壊した陽電子を観測する陽電子放射断層撮影(フッ素18を用いる糖を造影剤に用い体内での糖の代謝を観察できる)は公知である。ミュオントモグラフィはX線CTと同様に光子・ミュオン粒子を測定対象に照射透過させて人体の解剖学的な情報を得られうる。
*ベッド・シート・座席にミュオントモグラフィ部を備えさせ、毎日ベッドユーザをスキャン可能とし癌や脳神経等組織の病変を検出し病気の発生を察知しやすくできるかもしれない。
*戦闘機や重機等を操縦したいときに低Zな原子で構成されがちな頭部の脳神経・脊髄をミュオグラフィにて測定し、被測定者の神経状態を検出し、コンピュータ・輸送機器・重機・戦闘機等のマシンの操作を行う際に役立つ情報としてもよい。
*ミュオントモグラフィ画像を用いて生体認証を行ってもよい。例えば戦闘機・潜水艦等セキュリティが必要な装置で、搭乗時にBMI部を兼ねる生体認証装置を構成してもよい。(X線撮影によりユーザの歯の歯列や顎周りの骨格を測定し予めコンピュータ装置やデータベース上に記録さたれユーザの生体的特徴と比較検証しトモグラフィ装置により測定されているユーザを生体認証できうるが、それをX線撮影でなくミュオントモグラフィ装置により行って断層画像を得て測定された断層画像と測定器側に記憶された断層画像・生体的特徴と比較をして、被測定者は測定器側で記憶されているユーザであるか調べる・認証する装置であってもよい。)
2MU:ミュオン生成部
1MUGRP-TX:ミュオグラフィ装置・ミュオントモグラフィ装置のミュオン照射部。ミュオン送信部。
2MUDECE、A1:ミュオンの加速器・減速器。加減速器。
2SEN-REF・BASE:必要時に、測定に用いるオブジェクトに入射する前のミュオンの速度向きなどを測定する部分。リファレンス測定部・リファレンスセル(なおこの2SEN-REF・BASEは図中の場所だけの置き方やサイズ配置に限定されない。オブジェクト・1MUGRP-USERがミュオンの射線上にいない場合に2SEN-REFをオブジェクト測定箇所・位置に設置してリファレンスデータを取り装置の校正処理を行ってもよい)
1MUGRP-USER:測定されるユーザ・オブジェクト
1MUGRP-RX:ミュオグラフィ装置・ミュオントモグラフィ装置のミュオン検出部、ミュオン受信部。
2SEN-DET:粒子検出部、ミュオン検出部、ミュオン受信部。粒子の速度・エネルギーや方向等の粒子軌道の情報を検出できてよい。
2SEN:粒子検出器
【0121】
図51
<航空機・宇宙機>
図51は飛行する航空機・飛翔体・宇宙機・宇宙船・輸送機器3が例えば攻撃者よりニュートリノビーム照射されることで3内の燃料T1が起爆される可能性・攻撃を避けるため核融合燃料T1(例:ND4・D2O)をその原料AやBのタンクFEED-A・FEED-BとT1を作るための反応器部FEED-SYNTHを備えさせ必要に応じてT1を得て核融合システム・炉1R・1F-SYSにT1を供給し核融合させ3の動力・電力を得る構成の説明図である。
重水素がT1の場合は重水素タンクのFEED-A重水素と酸素タンクのFEED-B酸素を燃焼室にて燃焼させ重水を得て重水をT1として1Rに送りミュオン核融合させる説明図である。
*大気中の窒素のうち窒素15と大気雨雲の水から核融合用の同位体燃料T1を得る航空機3を構成してよい。大気中より核融合燃料を航空機3は得ることができれば飛行可能な時間を増大できうる。
図51において、3が脅威隕石発破装置の宇宙機・宇宙船・輸送機械3の場合であって、脅威隕石破壊用の爆弾であってテロ等で輸送中にニュートリノ起爆されたくない場合は、例えば重水素タンクのFEED-A重水素と酸素タンクのFEED-B酸素を備えさせて脅威隕石MTOまで輸送し、脅威隕石近傍・内部に3を設置できた場合は3は3の内部燃焼室FEED-SYNTH部で水素と酸素を混合燃焼させ重水を得た後重水にミュオン核融合のためのミュオンやニュートリノ由来のミュオンを得てミュオンを重水に結合させ重水をミュオン核融合させるという想定もできうる。
FEED-A・FEED-B:T1を合成するための原料AやBのタンク。
FEED-SYNTH:反応器部。3SUBMと同じく反応器で材料AとBからT1を生成した後はT1がニュートリノビームで狙われた場合起爆しないようにT1-MPIP-ABと同じく微小な細管・パイプに沿ってT1をミュオンと結合させる箇所・炉1Rまで導いてT1をミュオンと結合させミュオン核融合させる。(記号ニュー:ニュートリノ・中性微子、5BTX:ニュートリノ・ミュオンなどのT1を遠隔から点火・爆破しうる粒子の送信部)
[太陽活動(コロナ活動、CME、太陽風)・超新星・他の天体が活発になり天体由来の高エネルギー宇宙線・ニュートリノ・宇宙ミュオンが生成され船舶3・航空機3・宇宙船3・宇宙機/宇宙構造物3のT1部に降り注いでT1部でミュオンを生じるイベントも起きないとは言い切れない。そこで攻撃者や天体活動等の不慮のイベントからT1の遠隔点火・爆破を防ぐため、T1はT1の原料AとB剤を分けて保管したりT1をMPIP等の細管・制御されたサイズの部分(ミュオン核融合が起きたとしてもその反応の規模を制御可能な容器・配管・経路・ミュオン核融合炉反応容器)に保管・利用できてよい。]
(*何らかの装置に内蔵された装置電源用1RのT1や、陸上を移動する車両3やロボットの3に搭載されたT1を収める部分もMPIP等に格納されてよい。)
【0122】
図52
図52は航空機3・宇宙船3・宇宙機3を想定したミュオン核融合システム1F-SYSやその炉1Rで駆動される推進機1TH・アクチュエータ/モータ1EMOTAR、ロケット1FROCKET、ジェット推進機1JETの説明図である。
<ジェット推進部>
*ミュオン核融合システム1F-SYSから生じる核融合由来のエネルギーを用いて化学物質・航空燃料を製造し化学物質・航空燃料を航空機のジェットエンジンに投入しジェットエンジンを駆動してよい。例えば核融合炉1Rとその発電機1GENRを用いて水を電気分解・化学的に分解して水素と酸素を得て、水素を航空機のジェットエンジンの化学的燃焼室にて燃焼させる燃料に用いてよい。
<大気を核融合炉のエネルギーにて加熱する方法の例>大気中に存在する窒素分子を光化学反応可能な波長のレーザーを照射し光分解し窒素化合物を得て前記窒素化合物を大気中の酸素と反応させてジェットエンジンの燃焼室部で化学燃焼させジェットエンジンの駆動に用いてよい。*例えば窒素分子の結合を解離させる事の可能な波長(例:紫外線10-400nmのうち真空紫外線・深紫外線UVC等の窒素分子や酸素分子の化学結合のエネルギーを超える光子エネルギーを持つ高エネルギーな紫外線の波長の光子)のレーザー又は光子を大気分子(窒素分子・酸素分子)・原子に照射し、分子はその光子を受け結合を解離し又はエネルギーを吸収しその後解離した分子が再度結合・化学反応するときに化学反応による熱エネルギーの放出・吸収をさせ、それをジェットエンジンの燃焼室にて行わせ、核融合により生じた光のエネルギを大気分子・圧縮大気分子に伝え加熱してもよい。(核融合から電力を得て電力から光子・レーザーを得てレーザーにより圧縮大気を光化学反応させ光化学反応により生じた熱として大気分子を加熱してよい。)
*(電力よりレーザーを発生させる装置が高価な可能性に備えて、)核融合で生じたアルファ線のエネルギーから光子(記号エイチニュー)・ガンマ線を得て光子・ガンマ線を(ジェットエンジン、ジェットエンジン構造の空気圧縮部・)圧縮空気部CAIR・空気圧縮部CAIR(・圧縮空気CAIRと触れ合う・熱交換可能なガンマ線吸収して加熱される容器部・空気加熱部1PHEATER)に照射し圧縮空気を加熱する事を試みてよい(レジストジェット方式)。
*ミュオン核融合を用いて駆動可能な航空機3(図7の用にラムジェット型・ジェットエンジン型のT1加圧・圧縮機構を持つ核融合システム1F-SYS-MP1-RAMについて、T1は(有害なジボランに限らず)ミュオン核融合用の同位体を含むメタンCH4・CD4や水H2O・D2Oを利用可能であってよい。T1をミュオン核融合させ高エネルギの荷電アルファ線を生じさせ未反応のT1をアルファ線エネルギーで加熱しラムジェットエンジン風に機体後方に推進剤として排出しその反動で3を推進させることを試みてよい。)
*T1を核融合させアルファ線を生成しアルファ線のエネルギーを圧縮空気に伝えて圧縮空気を加熱しその後機体後方に圧縮空気を噴出するジェットエンジン部を構成してもよい。
*大気中には酸素分子O2や窒素分子N2などがありミュオンはN2やO2と結合してもミュオン核融合しない想定であり、NやOよりもZの大きな原子からなるT1(例:メタンCD4)にN2・O2を含む大気を吹き込んで混合して圧縮してしまうとT1部でCD4のミュオン核融合が連鎖して起きない・ミュオン核融合しにくい虞があるので、核融合用のT1の圧縮部と、大気取り込みして大気圧縮する部分は混合しないように別系統にしてよいかもしれない。
核融合炉1R・核融合発電部1GENRから電力を得て電力を用いてモーター・プロペラを回転させ駆動する航空機3・ロボット3・ドローン3を構成してよい。
(電気モータは銅やレアメタル・ネオジムNd、磁石・磁気的材料を含み値段・コストが高くなる可能性を踏まえ、)鉄など安価な材料で形成できうる遠心ポンプ・ターボチャージャー・タービン・ガスタービンエンジンやレシプロエンジンの機構を用い(熱機関を用い)プロペラやタービン1TBを回転させ空気を圧縮したり風流を起こして航空機3を推進させて良い。
例えば、核融合炉1Rのアルファ線エネルギーを熱交換手段HXを用い熱に変換し熱を用いて液体を加熱しガスを生成しガスをタービン1TBに吹き付けてタービン1TBを回転させガスタービンエンジンを構成し、タービン1TBの回転を用いて空気を取り込んで圧縮して噴出してもよい。
<レシプロ機風の構成>
システム1F-SYS-RECIを用いて航空機3のプロペラ推進部を回転させてもよい。固定翼と回転翼・プロペラとレシプロ型エンジン部を搭載する航空機3を構成してもよい。<@飛行船の構成>飛行船型の航空機3については気球部のガス(浮力生成手段)を核融合より生じたエネルギーで加熱し空中に飛行船3を浮上させ、3の推進のために1GENR・発電部を用いて発電した電力を用い電気モータプロペラを用いてプロペラ推進してもよい。イオンを3の後方に放つイオン推進・電気推進を用いてもよい。
*1F-SYS-RECIから生じる動力をクラッチやトランスミッション・ギアを用いて望みの回転数・トルクの回転力を生じさせプロペラを回転させプロペラ推進させてもよい。またクラッチオンオフによりプロペラへの動力供給を開始・停止できてよい。
*平和的な航空機3の利用法として常時飛行し続ける高高度通信プラットフォームHAPSや飛行船ホテル・飛行する住居構造物(飛行するトレーラーハウス)・遊覧船などを想定する。またドローン無人航空機、あるいは人型で荷物ピッキングなどでき飛行できる作業ロボット・運輸ロボットを構成したいときに、ロボット3の動力が二次電池では充電が必要であるが、もし、ミュオン核融合システム・炉1R・1F-SYSをそれら飛行可能な輸送機器3に搭載し利用させ航続距離・稼働時間を増大できれば充電・燃料供給の回数を減らすことが期待できるので、航空機3・無人機3・飛行機械3に核融合システム1F-SYSを搭載してよい。1Rは減速器2MUDECEを用いて宇宙ミュオンを利用できてもよい。(大型の加速器搭載可能な航空機3ではミュオンを人工的に生成させる粒子加速器を搭載しミュオン生成して1Rに用いてもよい。)
<ロケット推進部>
*3・1Rは核融合により生じたアルファ線のエネルギーにて推進剤1PRPLTを加熱・噴射するロケット1FROCKETを構成してよい。
1MOTOR:モーター・原動機
1EMOTOR:電気モータ(プロペラモータ・ファンモータ)、アクチュエータ
1TH:推進部(電気推進部、イオンエンジンなど用いて・含んでよい)
1FROCKET:ロケット推進部・ロケット
1JET:ジェットエンジンの例。
1PHEATER:圧縮空気加熱体。例:ガンマ線吸収し加熱された耐熱性のある金属部・セラミック部ヒータコア又は加熱チャンバー1PHEATER。
1TB:タービン(遠心タービン、軸流タービン等)
PUMP:圧縮機・ポンプ(遠心ポンプ・軸流ポンプ)
1TB-SHAFT:タービンのシャフト部(軸受けで支持されうる)
INAIR:大気取り込み部、AIR:大気、CAIR:圧縮大気、1PHEATER:圧縮空気加熱体・チャンバー、CHAIR:加熱された圧縮空気、EXAIR:大気排気部
【0123】
図53
*例えば或る形態では図53のように、PVDFをT1及びミュオン減速器として用いた場合、PVDF樹脂内のFとHがミュオン核融合したならばアルファ線と酸素原子とPVDF内の炭素原子が残る。そしてその炭素原子や酸素原子を推進剤1PRPLTとし、アルファ線エネルギーで加熱し航空機3の後方に推進剤として噴出できれば宇宙線3・航空機3はロケット推進可能となりうる。固体の核融合燃料であり3の機体の一部である減速器を兼ねるPVDFを用いて、機体の一部のミュオン減速部でもある固体推進剤PVDFを自食しロケット推進する核融合式の固体ロケット・自食式ロケットを構成でき航空機3・宇宙機3・ローンチビークル3の推進部1THを用いた推進の重量効率・比推力を(例えば化学ロケットより)向上できうるかもしれない。
図53のように、PVDFを用いたターゲットT1兼ミュオン減速器をロケットの筒内にペレット状に直列に配置し、電源部2PWSPと接続可能にしつつロケット後部のノズル部よりT1部でミュオン核融合により生じたアルファ線をAEC部にて光子・ガンマ線に変換し前記光子ガンマ線を核融合し終わっていてもよいT1部に照射しT1をガンマ線光子レーザーにより加熱しレーザーアブレーション(1TH-LA)させT1を蒸気・プラズマにしてロケット3の機体後方にノズルを通じて排出させ、その反動で3を推進させる推進部1THとしてもよい。
ノズルに近いT1兼減速器について順次2PWSPにて減速器駆動用の電圧を印加し(減速器をオンにして)減速器内でT1を減速しミュオン核融合させアルファ線生成しアルファ線を電力やガンマ線にしてガンマ線を核融合後のT1に照射しレーザー照射部1TH-LA形成しT1をレーザー加熱して機体3の後方に放出させて良い。
1TH-LA:T1をガンマ線光子レーザーにより加熱しレーザーアブレーション・加熱させている個所。推進装置1THの推進剤加熱箇所。推進剤を加熱して噴射させようとする推進剤のソース部。
【0124】
図54
図54図7等のラム部(・ラムジェットエンジンやジェットエンジン・ガスタービンエンジン・ターボ式圧縮機部を持つエンジンの圧縮部)を持つT1を加圧・圧縮を試みる物とは別タイプの燃料T1(図中はメタンCD4ガス)を加圧可能な構成1F-SYS-RECIの例であって、車両・自動車・船舶・潜水艦などに搭載されるレシプロエンジンのシリンダ(T1を圧縮するピストン部を持つシリンダ状容器4T)とレシプロ・往復運動の機関・ピストン式の圧縮機構を用いたT1圧縮部や、反応後生成物の排気系と装置燃料の冷却・熱交換部HXを持つシステム1F-SYS-RECIの例である。
(メタン・CNG・圧縮天然ガスを燃料とし酸素と混合しスパークプラグにて火花点火し化学燃焼させる事で回転運動を取り出すレシプロエンジンとそのエンジンで駆動する車両・バス・タクシー及びガス供給パイプラインなどは公知で稼働しており図53のメタン利用レシプロエンジン型装置はその既存設備との互換性も考えている。図53では2ストローク機関ライクなピストン・シリンダ・吸気排気のポートを記載しているが、2ストローク機関に限定するわけではなく4ストローク機関であってもよい。なお核融合後にヘリウムに加え固体の炭素12などを生じる場合、その炭素がエンジン内で堆積し既存のガソリンエンジンのスラッジのように堆積しピストンを往復不可能にしたりT1・EX1の循環路・排気路をふさいだりして機関の動作を停止させうる可能性がある。そこで炭素等(ガスでなく固体の)EX1を除去するべく低Zな原子からなってもよいエンジンオイルOILEを機関内にクランクシャフトの回転やピストンの上下運動・オイルポンプにより加圧され噴射するオイルジェット部など機関に備えてオイルを循環・めぐるようにしてよい。例えば既存の4ストロークエンジンは2スト式よりもエンジンオイルOILEの循環可能な構造であり4ストロークエンジン式のオイル循環系や燃料ガス圧縮工程を持つシステム1F-SYS-RECIを利用してもよい。オイルフィルタOFTによりエンジンオイル内に含まれた核融合生成物EX1を取り除いて系の外に排出・移動してよい)
加圧されてもよい天然ガス(・メタンなどガス)からメタン・窒素などのガスの群とヘリウム・水素ガス等の群を分離し回収する分離プロセス用のガスの膜分離部(例:ポリイミド樹脂膜)・ガス分離部は公知であるが、その膜分離部DEGASを図54のメタンガスとヘリウムを混合しうる排ガスの流路に設置し排ガス中のヘリウムを除去する手段DEGASとして用いる事を試みてもよい。
T1含むガス・燃料の加圧にはターボチャージャーやポンプを用いてよい。往復部・レシプロ部・ピストン部やターボやポンプは核融合により生じたヘリウムの運動エネルギーを熱に変換し熱交換器HX(例:エンジン用ラジエータ)熱交換し、水・冷却用の媒体を沸かしてその蒸気を得て蒸気タービン発電機1PPのタービンを回し(熱機関を用いて)発電した電力・動力から得てもよい。(あるいは熱機関でなく、発電部1GENRやAECにより荷電アルファ線エネルギーを電気エネルギーに変換してもよい。)
(*減速器部2MUDECEはPVDFを用いたキャパシタ素子の減速器であって前記PVDFを含む減速器部でミュオン減速を行い素子PVDF内原子のミュオン核融合を行えてもよい。)
*1F-SYS-RECIは核融合装置であって、ディーゼルエンジンのように圧縮させて化学燃料と酸素を断熱圧縮し発火させる(又はガソリンエンジンのように火花点火させる)わけではないので(核融合燃料T1のガスを加圧・圧縮する装置としてレシプロエンジン機構を用いているので)、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンのように化学燃料の燃焼(ノッキングにより圧縮比が限定される)を考慮しなくともよく、シリンダとピストンで加圧・押し込みできる(最大の)圧力までT1を圧縮可能にできうる。
[*遠隔地からのニュートリノ起爆攻撃を避けるため、細管でないシリンダ型容器4T内のT1内にミュオン触媒核融合を一定の触媒回数に抑える物質・部分(ミュオン触媒毒部。Zが大きめの原子。例えば不活性な高Z原子の例として分子内に含ませた高Zな原子)を含ませて触媒回数が増えすぎない用にすること試みてよい。]
【0125】
図55
<レプトン衝突によるミュオン生成>
<レーザー航跡場加速器利用したレプトン衝突システムの利用>
図55のように、正ミュオンと電子・負ミュオンを衝突させ中間子・ミュオン・粒子を生成してよい。炭素原子や酸素原子をミュオン標的とすることで核破砕によりアルファ線と中性子・陽子と中間子が得られ前記中性子・陽子・重水素は核融合用の重水素に用いる。他方核破砕により中性子を生じてミュオン生成部の構造材に中性子が照射され構造材が放射化する恐れもある。そこで中性子の生じにくい(例えばクオークが標的ではなくレプトン同士が標的である系)ミュオン・レプトン・粒子の生成部が必要かもしれない。正ミュオンと電子や正ミュオンと負ミュオンを衝突させる電子コライダー・ミュオンコライダー・レプトンコライダーが公知であり本願の核融合システムにおいても前記正ミュオンと電子・負ミュオンを衝突させる装置を用いてミュオンを生成させて良い。
炭素ミュオン標的に陽子照射をして正ミュオンを得て、正ミュオンを電子と衝突させ負ミュオンと正ミュオン又は正負タウオンを得て、正負タウオンの崩壊より正負ミュオンを得てもよい。(炭素ミュオン標的は放射化したときは正ミュオン照射により炭素ミュオン標的を破砕して放射化した炭素14原子核などを中性子・陽子・重水素の核燃料物質・有価物に変換したい意図がある)
*ミュオンコライダー・レプトンコライダーにより生成されるミュオンは低速ミュオンできるためミュオン減速を不要とできる可能性もある。
*電子やミュオン・レプトンの減速(場合により加速)にはレーザー航跡場LWFの加速器又は減速器を用いることができ加速器・減速器部の小型化に寄与するメリットもある。例えば水素と炭素・酸素のミュオン核融合燃料をレーザー航跡場デバイスのプラズマ生成用原子核として用い、電子と陽電子を何らかの生成手段により得て(例えば陽電子電子対を生成しうるガンマ線の原子核への照射などで)得て、前記電子・陽電子をレーザー航跡場(レーザー航跡場加速ではレプトンの加速例は公知である)で加速させ、電子陽電子・レプトン同士を衝突させ正負ミュオンを得て、正負ミュオンをさらにレーザー航跡場にて加速させ正負ミュオン同士や正ミュオンと電子の衝突により負ミュオンを生成し、その後正ミュオンを炭素・酸素原子核に衝突させ核破砕し陽子・中性子・重水素・ヘリウム等の粒子を得て重水素を得て重水素を炭素・酸素原子とミュオン核融合させてエネルギー生産を行うことを試みてもよい。この場合レプトンコライダーを用い正負ミュオンを得て正ミュオンを酸素・炭素原子核からの重水素燃料製造に用いつつ、重水素と炭素・酸素原子核でのミュオン核融合を試みる、ミュオン生成に中間子を用いない装置である。
<電子・レプトンと陽子を衝突させる場合>
ミュオン・レプトンと陽子を衝突させてもよい。電子・陽電子・レプトンと陽子を衝突させてもよい。
【0126】
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<銅の合成>
銅の使用量を減らす方法・装置・素子・電線のほかに鉄などの原子核を核変換し銅を製造する事も将来試みられるかもしれない。あるいは小惑星・隕石・惑星・天体を探査して銅などの金属鉱石を探して採掘することも必要になるかもしれない。(例えば金星は地球と類似組成ならば銅や重金属が含まれているかもしれない)
銅は電気回路の銅線として盛んに用いられており重要とされている。(本願においても、粒子加速器やミュオン減速器2MUDECE用の制御部配線やコイル、コンピュータ回路等で利用されうる。)本項目では、(実現性は置いておいて、)銅を原子核の核変換により形成するために以下の工程を想定する。
<銅Cuの生成>Auの場合と同様に、原子AとBに、炭素12とクロム53をミュオンを用いて核融合させ亜鉛65を生成し、その後亜鉛65を半減期243日を目安に保持して陽電子を放出する正のベータ崩壊をさせるか、又はミュオンと陽子の反応によりZを1つ減らして亜鉛から銅63にする事が考えられる。*ホウ素10とマンガン55をミュオンを用いて核融合させ亜鉛65を生成し、その後亜鉛65を半減期を目安に保持して正のベータ崩壊させるか、又はミュオンと陽子の反応によりZを1つ減らして亜鉛から銅にする事が考えられる。
55Mn+10B->65Zn、65Zn->65Cu。
*他の例として次のミュオン核融合・核変換用の原子AとBの組み合わせを想定する。(1)から(3)はチタンTiと酸素Oの同位体利用例、(4)は硫黄Sとケイ素Siの同位体利用例。
(1)49Ti+16O->65Zn、65Zn->65Cu(正ベータ崩壊、半減期243日)、
(2)48Ti+17O->65Zn、65Zn->65Cu、
(3)47Ti+18O->65Zn、65Zn->65Cu。
(4)34S+29Si->63Zn、63Zn->63Cu(正ベータ崩壊、半減期38分)
(原料に資源量の多い酸素・ケイ素・ナトリウム・硫黄・チタン・鉄等を用いたいので鉄について次の核変換反応を行う事を試みるなおヘリウム4は核融合炉で放出されたアルファ線・排ガスから得る想定である。56Fe+4He->60Ni、60Ni+4He->64Zn、64Zn+中性子n->65Zn->65Cu、65Zn->65Cu。56Fe+陽子->57Co、57Co->57Fe、57Fe+4He->61Ni、61Ni+4He->65Cu。nとZの数を合わせる場合、37Cl+26Mg->63Cu等もある)
*ミュオン核融合・核破砕反応を用いて(電気回路用にも使える)銅の原子製造を試みてよい。
【0127】
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<酸素17と水素のミュオン核融合反応>
酸素17と水素をミュオン核融合させるとフッ素18を得てフッ素18は108分の半減期で酸素18に正のベータ崩壊する。(自然界で酸素17が存在しても多量の軽水素と結合し酸素17の海水に含まれてもよい軽水H2(17O)となり、軽水H2(17O)は宇宙ミュオンを受け止めたなら水素と酸素17のミュオン核融合によりフッ素18を生成しうるので酸素17が天然にあったとしても宇宙ミュオンで核変換されうるかもしれない。
【0128】
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<中性子の多い同位体の採取>
天体からT1に用いる同位体を得てよい。例えば(地磁気がなく)恒星等の中性子照射を天体の大気や地殻部に受ける天体(例:太陽系内では金星等)において、その大気・地殻部の(水素・軽水素・炭素12・酸素16等)の中性子過剰ではない同位体が前記中性子放射を受けて中性子捕獲して生成されてもよい中性子過剰な同位体(重水素・炭素13・炭素14や酸素17や酸素18等の同位体)を採取してT1部の核融合燃料に用いてよい。
*太陽風・太陽フレア・太陽放出物・太陽からの粒子には陽子や中性子、ヘリウム等粒子・宇宙線が含まれうる。宇宙線について超新星爆発などを由来とする高エネルギー宇宙線が星の大気原子と衝突し宇宙ミュオンが生じる。
*金星は地磁気がなく、地球は地磁気がある。宇宙線・宇宙ミュオンは地球では地磁気により粒子の軌道は曲げられうる。宇宙ミュオンについて地球では東から負ミュオン、西から正ミュオンが多く到達する傾向・東西効果がある。*地磁気により磁性・スピンを持つ中性子もその軌道を曲げられうる。*上記のように地球では宇宙線・太陽中性子等の粒子は地磁気がバリアとなって地球に多く降り注ぐことを防いでいる。(地磁気があるほうが中性子は曲げられて地表に到達しにくい。)そして(核分裂炉・中性子源から中性子照射を水素・水が受けて中性子捕獲により製造される重水素・重水のように)地磁気のない星・金星では太陽由来の中性子は星の表面の物質に到達し中性子捕獲され、中性子の多い同位体を生産しうる。
[中性子は原子炉・中性子発生源で中性子が生成されその後原子炉の水の水素に中性子捕獲され重水素・重水が製造されうる。水素のほか酸素や炭素、窒素等の原子核と反応して中性子捕獲され前記原子は中性子数を増やす。金星では地磁気がなく、例えば金星の初期に軽水や酸素原子があってもその軽水は太陽からの中性子を捕捉し重水素になり、酸素原子も中性子を受取り酸素17や酸素17等を生成しうる。そして宇宙ミュオンは地磁気のない金星大気・地表にも生成され宇宙ミュオンは金星の水・海水部に降り注ぎ、その水素と酸素17や酸素18とミュオン核融合を起こし金星の水素をヘリウムや水素以外の高Z原子に核変換しうる。(*金星は公知のモデルのように高温にてスパッタリングで水素原子が金星より外部へと離脱・消失しうる。また地球では大気中・大気上層のへリウムガスは毎秒地球外へ放出され失われているとされる。
*酸素16原子核に中性子を1つ追加した酸素17は水素Hとミュオン核融合しフッ素18を経て酸素18となり水素Hが酸素18に変換されて無くなる。酸素18は水素と宇宙ミュオンを用い核融合するならば酸素18と水素から窒素15とヘリウムを得る。]窒素15と水素Hはミュオン核融合し炭素12とヘリウムHeを生成しうる。
*このように、金星等地磁気がない他の天体であって、地磁気がなく中性子を天体の表面の大気・地殻・原子分子部にて捕獲しやすい惑星・小惑星・天体は、中性子の多い同位体原子核を多く地表・大気・地殻表面に持つかもしれない。*(金星における宇宙ミュオンによる核変換による原子核変換の効果はどれほどの量になるか定量的には計算していないが、定性的には起きうるとすれば、)金星に過去水素・水があったが現在水素・水が存在していない理由の仮説として、地磁気がない金星であって太陽中性子降り注ぐ金星において、太陽中性子を金星表面の酸素が捕獲し酸素17や酸素18を生成し、その酸素17や酸素18と金星の水素が結合した水分子等がミュオン核融合を起こし水素はヘリウムに核変換され水素原子が金星からなくなった可能性は排除しない。(そして地球よりも金星のほうが酸素16よりも中性子に富んだ酸素17や酸素18が多く含まれているかもしれない)*また金星大気の多くを占めるとする二酸化炭素の炭素原子・炭素12は太陽中性子を捕獲して炭素13や炭素14となる場合もあるかもしれない。)
<T1となる原子を複数天体から得る場合。例:T1をH2O・D2Oとし、そのH・DとOについて酸素同位体を金星から得ようとし水素同位体を天王星等ガス氷惑星から得ようとする場合>
本願の構成は、水素原子・重水素等の第1の原子に第2の原子(ホウ素11、窒素15、フッ素19、酸素18、ナトリウム23等)をミュオン核融合させヘリウムを生成し(第2の原子や水素・重水素をヘリウムに変換した前後の質量欠損エネルギーを)核融合エネルギーとして取り出そうとしている。そのため、有限資源の水素・重水素の第1の原子や第2の原子を消費してエネルギーを得る系であり、第1の原子や第2の原子を地球外の惑星・天体から手に入れたいときもあると考えられる。*金星の酸素・炭素は太陽由来の中性子などを捕獲し酸素17や酸素18や炭素13等のミュオン核融合用同位体(T1の原料)を含みうるからそれを採取して用いてもよい。水素について(金星では「水素」は少ないので)天王星等のガス・氷型惑星から採取すること試みてよい。
(核融合燃料は有限資源・非常用電源の燃料であることを踏まえ、宇宙太陽光発電所なども併せて開発し、天然の核融合炉・核変換システムたる太陽のエネルギーを利用することも大いに行ってよい。)
本願ミュオン核融合システムは一部の形態では水素を(ミュオンとホウ素11・窒素15・酸素18・フッ素19・ナトリウム23等用いて)ヘリウムに変える工程を含む装置の為、エネルギーの使い過ぎをして核燃料の水素及びペアになる前記原子を人類・ユーザが使い尽くしてしまうと前記水素等原子が地球上から枯渇する可能性がある。(金星では「水素」は少ない)前記水素等前記原子の獲得のため宇宙開発・惑星探査されてもよい。輸送機器3は燃料T1用の同位体を天体から採取してよい。
<地磁気>*もし地球の地磁気が宇宙線・ミュオンから地球の原子を守る手段であるならば地磁気にダメージを与える手段を取らないことが好ましいかもしれない。
*地熱・マグマの活動、ダイナモ効果等で地磁気生成すると考えられているが地磁気の生成は未解明であるとされる。宇宙ミュオンは宇宙より地上・地殻に降り注ぐ。そして負ミュオンは地球内部に進行し電子とミューニュートリノに崩壊し負電荷を生じていて、正ミュオンもどこかで崩壊し陽電子と反ミューニュートリノを生じていると思われる。そして地殻や地球圏でミュオン崩壊に伴う電子・陽電子、それらの電荷の分離・電流発生などもあるかもしれない。地面・地殻・マントルコア部に負ミュオンが侵入し崩壊して電子を生成すれば地面は負に帯電しそうである。(公知事実で電気回路では地球地面GNDは負に帯電している)しかしこれは発明者が本願考案を通じて感じていることであり理論上正しくないかもしれない。
もし人為的・大量に正負の宇宙ミュオンのうち片方のミュオン(崩壊後電荷生成源)を取り出して利用し始めると悪い傾向が起きうる場合は、レーザー航跡場など加速器・粒子衝突を駆使した人工的なミュオン生成装置(図55等)を利用検討してよい。
【0129】
本願の考案、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。
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