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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173739
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
   B22C 9/00 20060101AFI20241205BHJP
   B22C 9/02 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B22C9/00 E
B22C9/02 103A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024083310
(22)【出願日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】P 2023091091
(32)【優先日】2023-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100211052
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中野 裕
(57)【要約】
【課題】鋳物砂の品質評価の精度を向上させる。
【解決手段】
一側面に係る測定装置は、鋳物砂の強熱減量を測定に用いられる。この測定装置は、鋳物砂を収容する容器であり、鋳物砂を排出位置に排出する排出口を有する、該容器と、容器内の鋳物砂を加熱する加熱装置と、排出口から排出された鋳物砂を排出位置から測定位置に搬送する搬送装置と、測定位置に配置された鋳物砂の重量を測定する秤と、鋳物砂を加熱する炉と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳物砂の強熱減量を測定するための測定装置であって、
前記鋳物砂を収容する容器であり、前記鋳物砂を排出位置に排出する排出口を有する、該容器と、
前記容器内の前記鋳物砂を加熱する加熱装置と、
前記排出口から排出された前記鋳物砂を前記排出位置から測定位置に搬送する搬送装置と、
前記測定位置に配置された前記鋳物砂の重量を測定する秤と、
前記鋳物砂を加熱する炉と、
を備える、測定装置。
【請求項2】
前記排出口を閉鎖する閉位置と前記排出口を開放する開位置との間で移動可能なシャッタを更に備える、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記加熱装置は、前記容器に取り付けられた第1ヒータを含む、請求項1に記載の測定装置。
【請求項4】
前記第1ヒータを外側から覆う断熱材を更に備える、請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記加熱装置は、前記シャッタに取り付けられた第2ヒータを含む、請求項2に記載の測定装置。
【請求項6】
前記排出口から排出された前記鋳物砂を前記排出位置に案内するシュートを更に備える、請求項1に記載の測定装置。
【請求項7】
前記容器内の前記鋳物砂の温度を取得するための温度センサと、
取得された前記鋳物砂の温度に応じて前記加熱装置の動作を制御する制御装置と、
を更に備える、請求項1に記載の測定装置。
【請求項8】
前記閉位置と前記開位置との間での前記シャッタの移動に応じて、前記シャッタを清掃する清掃装置を更に備える、請求項2に記載の測定装置。
【請求項9】
前記容器が円筒形状を有する、請求項1に記載の測定装置。
【請求項10】
前記搬送装置は、前記鋳物砂を鉛直方向に移動させる昇降装置と、前記鋳物砂を水平方向に移動させるシリンダ装置とを含む、請求項1に記載の測定装置。
【請求項11】
前記シリンダ装置は、前記昇降装置の動作に応じて前記鉛直方向に移動可能なように前記昇降装置に連結されている、請求項10に記載の測定装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、鋳物砂の強熱減量を測定する測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鋳造用の鋳型として、鋳物砂を造型した砂型が広く利用されている。砂型の一種として、鋳物砂に添加された粘結剤の化学反応によって鋳型を硬化させる自硬性鋳型が知られている。この種の自硬性鋳型では、水ガラス及びセメントといった無機材料、又は、フラン樹脂及びアルカリフェノール樹脂といった有機材料が粘結剤として用いられる。
【0003】
一般的に、鋳造に使用された鋳型は、破砕され、鋳物砂が回収される。回収された鋳物砂は、再生処理によって鋳型造型用の鋳物砂として再生される。再生された鋳物砂の品質は鋳物の精度に影響を与えるため、鋳造工場において鋳物砂の品質は管理されている。再生された鋳物砂の品質は、強熱減量(LOI:Loss on Ignition)によって評価されることがある。LOIは、粘結剤を気化させる焙焼工程の前後での鋳物砂の重量差から取得される。鋳物砂のLOIは、鋳物砂から気化した粘結剤の量に相当するため、測定されたLOIから鋳物砂の品質を評価することができる。
【0004】
鋳物砂のLOIを測定する装置として、下記特許文献1に記載の装置が知られている。特許文献1に記載の装置は、測定対象物を支持する支持体と、測定対象物を加熱する炉と、炉を移動させる昇降機構と、測定対象物の重量を測定する電子秤と、を備え、昇降機構は、支持体に支持された測定対象物を炉内に収容するように炉を移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2023-6773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
鋳物砂の品質を評価するためには、鋳物砂の水分を十分に除去してからLOIを測定することが重要である。鋳物砂に水分が残っていると、測定されるLOIが変化するため、鋳物砂中の粘結剤の量を正確に測定することができず、鋳物砂の品質を正確に評価することが困難となる。
【0007】
そこで本開示は、鋳物砂の品質評価の精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一側面に係る測定装置は、鋳物砂の強熱減量の測定に用いられる。この測定装置は、鋳物砂を収容する容器であり、鋳物砂を排出位置に排出する排出口を有する、該容器と、容器内の鋳物砂を加熱する加熱装置と、排出口から排出された鋳物砂を排出位置から測定位置に搬送する搬送装置と、測定位置に配置された鋳物砂の重量を測定する秤と、鋳物砂を加熱する炉と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、鋳物砂の品質評価の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る測定装置の外観を示す斜視図である。
図2】測定装置の内部構造を概略的に示す図である。
図3】容器の排出口付近の断面図である。
図4】シャッタの動作を示す図である。
図5】測定装置の動作を示すフローチャートである。
図6】測定装置の動作を示す図である。
図7】測定装置の動作を示す図である。
図8】測定装置の動作を示す図である。
図9】別の実施形態に係る測定装置の外観を示す斜視図である。
図10】測定装置の例示的な内部構成を示す斜視図である。。
図11】測定装置の動作を示す図である。
図12】測定装置の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において同一要素には同一符号が付され、重複する説明は省略される。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率及び角度等は図面に記載のものに限定されない。
【0012】
図1は、一実施形態に係る測定装置1の外観を示す斜視図である。図2は、測定装置1の内部構成を概略的に示す図である。なお、以下の説明では、互いに直交する三軸方向をそれぞれ「X方向」、「Y方向」及び「Z方向」として説明する。X方向及びY方向は互いに垂直な水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。以下の説明では、X方向の一方側を「手前側」といい、X方向の他方側を「奥側」ということがある。
【0013】
測定装置1は、鋳物砂2の強熱減量(LOI:Loss on Ignition)を測定するための装置である。鋳物砂2は、自硬性鋳型の原料であり、鋳型に強度を付与する粘結剤を含んでいる。粘結剤は、例えばフラン樹脂及びアルカリフェノール樹脂といった有機性樹脂であり、時間の経過に応じて鋳型を硬化させる。鋳物砂の品質は鋳物の精度に影響を与えるため、鋳型の造型前に鋳物砂2の一部を採取して当該鋳物砂2に含まれる粘結剤の量が測定される。粘結剤の量の測定は、鋳物砂2のLOIを測定するLOI試験により行われる。
【0014】
LOIは、焙焼前後での鋳物砂2の重量差から求められる。鋳物砂2のLOIは、鋳物砂2から気化した粘結剤の量に相当するため、測定されたLOIから鋳物砂2の品質を評価することができる。LOI試験の対象となる鋳物砂2に水分が含まれていると、水分の気化量がLOI試験に反映されるため、粘結剤の気化量を正確に測定することができなくなる。測定装置1は、鋳物砂2の品質を正確に評価することができるように、鋳物砂2の水分を除去する機能を有する。
【0015】
図1及び図2を参照して、一実施形態に係る測定装置1について説明する。図2に示す通り、測定装置1は、供給装置10、支持体20、秤30、炉40及び搬送装置50を備えている。支持体20、秤30、炉40及び搬送装置50は、測定装置1の筐体4内に収容されている。
【0016】
供給装置10は、LOI試験の対象となる鋳物砂2を供給する装置であり、筐体4の外部に配置されている。図1及び図2に示すように、供給装置10は、容器11、シャッタ12及び加熱装置13を備えている。容器11は、円筒形状を有する金属性の筒体であり、LOIの対象となる鋳物砂2を収容する。容器11は、Z方向に延在し、金具で筐体4に固定されている。なお、容器11の断面形状は、円形に限定されず、楕円形又は多角形であってもよい。
【0017】
容器11は、当該容器11の内部空間に連通する供給口11a及び排出口11bを有している。図1に示すように、供給口11aは、容器11の上端に形成され、筐体4の上面に開口している。供給口11aから供給された鋳物砂2は容器11内に貯えられる。排出口11bは容器11の下端に形成されている。
【0018】
図3は、容器11の排出口11b付近を示す断面図である。図3に示すように、容器11の排出口11b付近には、シャッタ12が設けられている。シャッタ12は、例えば金属プレートであり、排出口11bを閉鎖する閉位置と、排出口11bを開放する開位置との間で移動可能である。例えば、図4(a)は、閉位置に配置されたシャッタ12を示しており、図4(b)は、開位置に配置されたシャッタ12を示している。
【0019】
図4(a),(b)では、シャッタ12には、当該シャッタ12を駆動するシリンダ14が接続されている。図4(a)に示すように、シリンダ14のロッドが伸長すると、シャッタ12が閉位置に配置され、排出口11bが閉鎖される。一方、図4(b)に示すように、シリンダ14のロッドが収縮すると、シャッタ12が開位置に配置され、排出口11bが開放される。排出口11bが開放されると、容器11に収容された鋳物砂2が排出口11bから排出される。シリンダ14の動作は、後述する制御装置60によって制御される。
【0020】
加熱装置13は、容器11内に収容された鋳物砂2を加熱する。図3に示すように、加熱装置13は、第1ヒータ13a及び第2ヒータ13bを含んでいる。第1ヒータ13aは、例えばパイプヒータ、ノズルヒータ又はバンドヒータであり、容器11の外周を囲むように当該容器11に取り付けられている。第2ヒータは、例えば、ラバーヒータ及びプレートヒータ等の面状ヒータであり、シャッタ12の下面に取り付けられている。
【0021】
第1ヒータ13a及び第2ヒータ13bは、不図示の電源から電力を受けて発熱する。第1ヒータ13a及び第2ヒータ13bの発熱により、容器11内の鋳物砂2が加熱され、鋳物砂2に含まれる水分が蒸発する。なお、蒸発した水分は、容器11に形成された隙間又は供給口11aから容器11の外部に放出される。鋳物砂2中の水分が蒸発することにより、鋳物砂2が乾燥する。なお、測定装置1は、加熱装置13として、第1ヒータ13a及び第2ヒータ13bの一方のみを備えていてもよい。
【0022】
なお、図3に示すように、第1ヒータ13aは、その外側から断熱材16によって覆われていてもよい。断熱材16としては、セラミック断熱テープ又はマフラーサーモバンテージ等の耐熱性を有する断熱材が使用される。第1ヒータ13aが断熱材16によって覆われることにより、第1ヒータ13aからの熱損失が低減される。
【0023】
供給装置10は、容器11内に収容された鋳物砂2の温度を取得するための温度センサ17を含んでいてもよい。例えば、温度センサ17は、容器11に取り付けられ、計測された容器11の温度を鋳物砂2の温度として取得する。なお、図3では、温度センサ17が容器11の外面に設けられているが、温度センサ17は、容器11内に設けられ、容器11の内部温度を計測し、当該容器11の内部温度を鋳物砂2の温度として取得してもよい。また、温度センサ17は、容器11内の鋳物砂2に接触して、鋳物砂2の温度を直接計測する熱電対であってもよい。第1ヒータ13a及び第2ヒータ13bの動作は、鋳物砂2中の水分が蒸発するように、温度センサ17によって取得された鋳物砂2の温度に応じて制御装置60によって制御される。
【0024】
図3に示すように、供給装置10は、シュート15を更に含んでいてもよい。シュート15は、排出口11bから排出された鋳物砂2を排出位置P1に案内する。排出位置P1は、容器11の下方に位置し、鋳物砂2を試料皿3で受ける位置である。試料皿3は、鋳物砂2を載置するための耐熱皿である。試料皿3は、例えば浅型のセラミック皿である。シュート15は、容器11の下方に設けられ、排出位置P1に近づくにつれて窄まるテーパ形状を有していてもよい。シュート15により、排出口11bから排出された鋳物砂2が排出位置P1に案内されることにより、鋳物砂2の飛散が抑制される。なお、シュート15の下端は、鋳物砂2の飛散をより抑制するために、排出位置P1に配置された試料皿3に近接した位置に配置されていてもよい。
【0025】
供給装置10は、シャッタ12を清掃する清掃装置18を更に備えていてもよい。清掃装置18は、例えば清掃用の刷毛、ブラシ又はヘラである。清掃装置18は、例えば筐体4に固定され、閉位置と開位置との間でシャッタ12が移動したときにシャッタ12の上面を掃いて、シャッタ12に付着した鋳物砂2を除去する。シャッタ12が清掃されることにより、前のサイクルのLOI試験の際にシャッタ12に付着した鋳物砂2が、次のサイクルのLOI試験のために容器11内に投入された鋳物砂2に混入することが防止される。したがって、鋳物砂2の品質評価の正確性を向上させることができる。なお、シャッタ12を清掃することができれば、清掃装置18は、刷毛、ブラシ又はヘラでなくてもよい。例えば、清掃装置18は、空気を噴射してシャッタ12上の鋳物砂2を除去するブロア、シャッタ12上の鋳物砂2を吸引して除去する吸引装置、又は、シャッタ12に振動を加えて鋳物砂2を除去する振動装置であってもよい。
【0026】
図2に示すように、支持体20は、シャフト21及び測定台22を含んでいる。シャフト21は、筐体4内でZ方向に立設され、その上端で測定台22を支持している。シャフト21の下端は、秤30に接続されている。測定台22は、試料皿3を載置するための台座である。測定台22は、鋳物砂2の重量を測定するための測定位置P2を提供する。
【0027】
秤30は、高精度の電子秤であり、測定台22上、すなわち測定位置P2に配置された鋳物砂2の重量を測定する。なお、筐体4内には、炉40を収容する上部空間と秤30を収容する下部空間とに筐体4の内部空間を区画する区画壁6が設けられていてもよい。区画壁6には、上部空間と下部空間とを連通する貫通孔が形成されている。支持体20のシャフト21は、区画壁6の貫通孔を通って下部空間から上部空間に延在しており、測定台22は上部空間に配置されている。下部空間と上部空間とが区画壁6により区画されることにより、炉40の熱から秤30が保護される。その結果、熱による秤30の測定精度の低下を抑制することができる。
【0028】
炉40は、鋳物砂2を加熱する。例えば、炉40は、鋳物砂2を設定温度で焙焼する電気炉である。焙焼とは、鋳物砂2の主体である砂を融解させることなく、鋳物砂2に含まれる粘結剤が気化する温度で鋳物砂2を加熱することをいう。例えば、鋳物砂2に粘結剤としてアルカリフェノール樹脂が含まれている場合には、鋳物砂2を焙焼するための設定温度は、700℃~1000℃に設定される。
【0029】
なお、炉40は、当該炉40内の温度を検知する温度センサを備えていてもよい。炉40の温度は、当該温度センサによって検知された温度に応じて、制御装置60によって制御される。また、図2に示すように、炉40は、鋳物砂2を炉40内に収容するための開口を有している。図2では、炉40は下向きの開口を有している。炉40の開口は、測定位置P2に配置された試料皿3を出し入れするための出入口として機能する。
【0030】
搬送装置50は、供給装置10から供給された鋳物砂2を排出位置P1から測定位置P2まで搬送する装置である。図2に示すように、搬送装置50は、可動フレーム51及び昇降装置52を備えている。可動フレーム51は、例えば、アウタレール51aと、当該アウタレール51aに対してスライド可能なインナレール51bとを含むスライドレールであり、鋳物砂2をX方向に移動させる機能を有する。アウタレール51aは、昇降装置52に連結されている。インナレール51bは、係合部53を介して引き出し部54に脱着可能に連結されている。
【0031】
図1に示すように、引き出し部54は、取っ手54aを有している。係合部53によって可動フレーム51及び引き出し部54が連結された状態で、取っ手54aを掴んで引き出し部54をX方向に出し入れすると、可動フレーム51のインナレール51bがアウタレール51aに対してスライドする。
【0032】
図1に示すように、インナレール51bには、支持台55が支持されている。支持台55には、開口55aが形成されている。開口55aの径は、支持体20の測定台22の径よりも大きく、試料皿3の径よりも小さくなっている。LOI試験の際に、試料皿3は支持台55の開口55aに嵌め込まれ、保持される。
【0033】
図2に示すように、昇降装置52は、アクチュエータ56及び連結フレーム57を含み、鋳物砂2及び炉40をZ方向に移動させる機能を有する。アクチュエータ56は、例えば油圧シリンダ、エアシリンダ又は電動シリンダであり、連結フレーム57をZ方向に移動させる。連結フレーム57は、炉40及び可動フレーム51に連結されている。アクチュエータ56の駆動によって連結フレーム57がZ方向に移動すると、連結フレーム57の移動に伴って炉40及び可動フレーム51がZ方向に移動する。
【0034】
一実施形態では、測定装置1は、制御装置60を更に備えている。制御装置60は、プロセッサ、記憶部、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータであり、測定装置1の全体の動作を制御する。制御装置60の記憶部には、制御装置60で実行される各種処理をプロセッサにより制御するための制御プログラムが格納されている。制御装置60は、供給装置10、秤30、炉40及び搬送装置50と通信可能に接続され、例えば、温度センサ17によって検知された容器11の内部温度を示す情報、及び、秤30によって計測された鋳物砂2の重量を示す情報を取得する。また、制御装置60は、制御信号を加熱装置13、シリンダ14、炉40及び昇降装置52に送出して、これらの装置の動作を制御する。さらに、制御装置60は、焙焼前後の鋳物砂2の重量に基づいて、鋳物砂2のLOIを測定する。なお、図2では、制御装置60が筐体4の外部に配置されるように図示されているが、制御装置60は筐体4内に配置されていてもよい。
【0035】
制御装置60では、入力装置を用いてオペレータが測定装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うことができてもよい。例えば、図1に示すように、制御装置60は、入力装置及び表示装置として機能するタッチパネルディスプレイ62を備え、タッチパネルディスプレイ62を操作して、鋳物砂2の水分除去、鋳物砂2の排出、LOI測定といった処理の開始を測定装置1に指示することができる。
【0036】
例えば、オペレータから鋳物砂2の水分除去を行う指示を受け付けると、制御装置60は、加熱装置13によって容器11内の鋳物砂2を加熱する。このとき、制御装置60は、鋳物砂2中の水分が十分に蒸発するように、温度センサ17の温度に応じて加熱装置13の動作を制御して、容器11の内部温度を調整する。例えば、制御装置60は、容器11内の鋳物砂2が140℃で5分間加熱されるように、加熱装置13を制御する。なお、測定装置1は、当該測定装置1の起動時、又は、初回に水分除去を行う指示を受け付けたときに加熱装置13を作動させ、その後は、容器11の内部が一定の温度になるように加熱装置13を制御してもよい。
【0037】
オペレータから鋳物砂2を排出する指示を受け付けると、制御装置60は、シリンダ14を制御して、シャッタ12を閉位置から開位置に移動させる。シャッタ12が開位置に配置されることにより、容器11の排出口11bから鋳物砂2が排出される。容器11から排出された鋳物砂2は、排出位置P1に配置された試料皿3に供給される。
【0038】
オペレータからLOIを測定する指示を受け付けると、制御装置60は、昇降装置52を用いて炉40を下方に移動し、測定位置P2に配置された鋳物砂2を炉40内に収容する。次に、炉40内で鋳物砂2を焙焼すると共に、焙焼前後の鋳物砂2の重量を取得する。そして、制御装置60は、焙焼前後の鋳物砂2の重量に基づいて、鋳物砂2のLOIを測定し、測定したLOIをタッチパネルディスプレイ62に表示する。なお、測定装置1は、当該測定装置1の起動時、又は、初回の加熱指示を受け付けたときに炉40を加熱してもよい。
【0039】
次に、図5図8を参照して、測定装置1の動作についてより詳細に説明する。図5は、測定装置1を使用して鋳物砂2のLOIを測定する方法を示すフローチャートである。
【0040】
この方法では、まず炉40が設定温度まで予熱される(ステップST1)。設定温度は、オペレータによって設定可能である。例えば、制御装置60は、炉40内の温度を鋳物砂2中の粘結剤が気化する温度、例えば1000℃まで加熱する。なお、制御装置60は、炉40内の温度が設定温度まで上昇したときに、炉40の予熱が完了したことを示す情報をタッチパネルディスプレイ62に表示してもよい。また、制御装置60は、昇降装置52を制御して炉40及び可動フレーム51を下方に移動させる。炉40が下方に移動することにより、支持体20の測定台22が炉40内に収容される。
【0041】
次に、LOIの測定対象である鋳物砂2が供給口11aから容器11内に供給される(ステップST2)。次に、加熱装置13が作動し、容器11内で鋳物砂2が加熱される(ステップST3)。例えば、制御装置60は、第1ヒータ13a及び第2ヒータ13bを作動して容器11の温度を140℃まで上昇させ、容器11内の鋳物砂2を5分間加熱して鋳物砂2の水分を除去する。なお、制御装置60は、炉40を予熱と鋳物砂2の水分除去とを同時に行ってもよい。
【0042】
次に、秤30のゼロ点調整が行われる(ステップST4)。この時点では、支持体20の測定台22上には、何も載置されていないため、秤30で計測される重量はゼロになるはずである。計測される重量がゼロではない場合には、秤30は、この時点の重量をゼロに設定する。秤30のゼロ点調整後に、昇降装置52によって炉40が上方に移動される。
【0043】
次に、試料皿3が支持台55に載置される(ステップST5)。具体的には、図6(a)に示すように、オペレータは、引き出し部54を手前側にスライドし、筐体4内から引き出された支持台55の開口55a上に試料皿3を載置する。
【0044】
次に、搬送装置50によって、支持台55にセットされた試料皿3が測定位置P2に移動される(ステップST6)。例えば、図6(b)に示すように、オペレータは、引き出し部54を筐体4内に押し込んで、インナレール51bを奥側にスライドさせ、試料皿3を測定台22の上方に配置する。そして、制御装置60が、昇降装置52を制御して炉40及び可動フレーム51を下方に移動させる。可動フレーム51が下方に移動すると、図7(a)に示すように、支持体20の測定台22が支持台55の開口55aを通過して、支持体20上の試料皿3が測定台22に移載される。
【0045】
一方、可動フレーム51は、測定台22の下方まで下降する。また、可動フレーム51と共に炉40が下方に移動することにより、試料皿3は、炉40の内部に収容される。試料皿3が炉40の内部に収容されてから所定時間が経過すると、秤30によって試料皿3の重量が測定される(ステップST7)。ステップST7で測定される重量は、空の試料皿3の重量である。測定された試料皿3の重量を示す情報は、制御装置60に送られる。
【0046】
次に、試料皿3が排出位置P1に移動される(ステップST8)。具体的には、制御装置60が、昇降装置52を制御して炉40及び可動フレーム51を上方に移動させる。可動フレーム51が上方に移動すると、測定台22上に載置された試料皿3が、開口55aに嵌め込まれ、支持台55によって持ち上げられる。また、可動フレーム51と共に炉40が上方に移動することにより、試料皿3が炉40から取り出される。そして、オペレータが、引き出し部54を手前側に引き出すことにより、測定台22がX方向の手前側に移動し、試料皿3が排出位置P1に配置される。なお、排出位置P1は、容器11の排出口11bの下方の位置である。
【0047】
次に、図7(b)に示すように、容器11から鋳物砂2が排出され、試料皿3に供給される(ステップST9)。具体的には、制御装置60が、シャッタ12を開位置に移動させて、排出口11bから鋳物砂2をシュート15に沿って試料皿3に向けて排出する。容器11から供給される鋳物砂2は、加熱装置13によって加熱され、水分が除去されている。
【0048】
次に、鋳物砂2入りの試料皿3が排出位置P1から測定位置P2に移動される(ステップST10)。具体的には、図8(a)に示すように、オペレータが引き出し部54を筐体4内に押し込んで、支持台55をX方向の奥側にスライドさせ、試料皿3を測定台22の上方に配置する。そして、制御装置60が、昇降装置52を制御して炉40及び可動フレーム51を下方に移動させる。可動フレーム51が下方に移動すると、図8(b)に示すように、支持体20の測定台22が支持台55の開口55aを通過して、支持台55上の試料皿3が測定台22に移載される。一方、可動フレーム51は、測定台22の下方まで下降する。また、可動フレーム51と共に炉40が下方に移動することにより、試料皿3は、炉40の内部に収容される。
【0049】
鋳物砂2入りの試料皿3が炉40の内部に収容されてから所定時間が経過すると、秤30によって鋳物砂2入りの試料皿3の重量が測定される(ステップST11)。ステップST11で測定される重量は、焙焼前の鋳物砂2入りの試料皿3の重量である。測定された重量を示す情報は、制御装置60に送られる。
【0050】
次に、炉40内で鋳物砂2入りの試料皿3が焙焼される(ステップST12)。鋳物砂2が炉40内で焙焼されることにより、鋳物砂2中の粘結剤が気化する。鋳物砂2が設定時間に亘って焙焼されると、秤30によって鋳物砂2入りの試料皿3の重量が再び測定される(ステップST13)。ステップST13で測定される重量は、焙焼後の鋳物砂2入りの試料皿3の重量である。測定された重量を示す情報は、制御装置60に送られる。
【0051】
次に、昇降装置52によって炉40及び可動フレーム51が上方に移動される。そして、オペレータが、引き出し部54を手前側に引き出すことで、試料皿3が筐体4から取り出される。次に、引き出し部54が筐体4内に再び押し込まれる共に、昇降装置52によって炉40が下方に移動される。これにより、支持体20の測定台22が炉40内に収容される。次に、測定台22に何も載置されていない状態で秤30によって重量が測定される(ステップST14)。測定された重量を示す情報は、制御装置60に送られる。
【0052】
次に、制御装置60によって鋳物砂2のLOIが測定される(ステップST15)。鋳物砂2のLOIは、例えば以下の式(1)により求められる。
【0053】
LOI(%)={(ステップST11で測定された重量-ステップST13で測定された重量-ステップST14で測定された重量)/(ステップST11で測定された重量-ステップST7で測定された重量)}×100 ・・・(1)
【0054】
制御装置60は、測定されたLOIをタッチパネルディスプレイ62に表示する。なお、制御装置60は、LOIを記憶装置に記憶してもよいし、外部装置に送信してもよい。
【0055】
他の鋳物砂のLOIを測定する場合には、他の鋳物砂が試料皿3に供給され、ステップST1~ST15の処理が再び行われる。
【0056】
以上説明したように、測定装置1では、容器11内の鋳物砂2を加熱する加熱装置13を備えているので、容器11からは水分が除去された鋳物砂2が排出される。そして、鋳物砂2を排出位置P1から測定位置P2まで搬送し、鋳物砂2を炉40で加熱しながら鋳物砂2の重量を秤30で測定することにより、鋳物砂2のLOIを測定することができる。この測定装置1では、水分が除去された鋳物砂2のLOIを測定することができるので、鋳物砂2中の粘結剤の量を正確に測定することができる。したがって、鋳物砂2の品質を高い精度で評価することができる。
【0057】
鋳物砂2の水分の除去時間が追加されると、LOIの測定結果を得るためにかかる時間が長くなり、リアルタイムで鋳物砂2の品質を評価することが困難となる。これに対し、この測定装置1では、炉40の加熱と加熱装置13による鋳物砂2の水分除去を同時に行うことができるので、LOIの測定時間の長期化を抑制することができる。その結果、リアルタイムで鋳物砂の品質を評価することが可能となる。
【0058】
次に、別の実施形態に係る測定装置について説明する。図9は、別の実施形態に係る測定装置1Aの外観を示す斜視図である。図10は、測定装置1Aの例示的な内部構成を示す斜視図である。以下の説明では、上述した測定装置1との相違点について主に説明し、重複する説明は省略する。
【0059】
図10に示すように、測定装置1Aは、搬送装置50に代えて、搬送装置50Aを備えている。搬送装置50Aは、上述した昇降装置52に加え、シリンダ装置70を含んでいる。シリンダ装置70は、例えば油圧シリンダ、エアシリンダ又は電動シリンダであり、供給装置10から供給された鋳物砂2をX方向(水平方向)に移動させる。
【0060】
一実施形態では、図10に示すように、シリンダ装置70は、本体部71及びスライダ72を含んでいる。本体部71は、X方向に延在している。スライダ72は、不図示の駆動源からの駆動力によって、X方向に沿って手前側又は奥側に本体部71に対してスライド可能である。スライダ72の動作は、制御装置60によって制御される。
【0061】
スライダ72には、スライドプレート73が連結されている。スライドプレート73は、例えば金属製のプレートであり、スライダ72と共にX方向に移動する。スライドプレート73は、支持台55を支持している。したがって、スライダ72のX方向への移動に伴って、支持台55及びその上に載置された試料皿3又は鋳物砂2入りの試料皿3はX方向に移動する。
【0062】
測定装置1Aは、ブラケット75を更に備えている。シリンダ装置70の本体部71は、ブラケット75を介して昇降装置52の連結フレーム57に連結されている。昇降装置52の駆動により連結フレーム57がZ方向に移動すると、シリンダ装置70は連結フレーム57と共にZ方向に移動する。支持台55及びその上に載置された試料皿3又は鋳物砂2入りの試料皿3は、シリンダ装置70のZ方向への移動に伴って、Z方向に移動する。上記のように、X方向及びZ方向における支持台55の位置は、昇降装置52及びシリンダ装置70の動作によって調整される。
【0063】
図11及び図12を参照して、測定装置1Aの動作について説明する。測定装置1Aの搬送装置50Aは、支持台55を排出位置P1と測定位置P2との間で移動させる機能を有する。
【0064】
例えば、所定の操作が行われると、制御装置60が、シリンダ装置70を制御して、スライダ72をX方向にスライドさせ、スライドプレート73を手前側に移動させる。これにより、図11(a)に示すように、支持台55がスライドプレート73と共にX方向の手前側に移動され、排出位置P1に配置される。支持台55が排出位置P1に配置されると、タッチパネルディスプレイ62に引き出し部54を開いて(引き出して)試料皿3をセットすることを促すメッセージが表示される。なお、支持台55が排出位置P1に配置される前に引き出し部54が開かれた場合には、測定装置1Aの全てのアクチュエータ又はシャッタ12を除く全てのアクチュエータの動作が停止されてもよい。引き出し部54の開閉は、例えばマグネットスイッチによって検知することができる。
【0065】
次に、オペレータによって引き出し部54が開かれ、排出位置P1に配置された支持台55上に試料皿3が載置される。その後、引き出し部54が閉じられ、鋳物砂2を排出するための操作が行われると、図11(b)に示すように、制御装置60が昇降装置52を制御して連結フレーム57が上方に移動される。これにより、ブラケット75を介して連結フレーム57に連結されたシリンダ装置70が連結フレーム57と共に上方に移動する。その後、容器11の排出口11bから鋳物砂2が排出され、試料皿3に鋳物砂2が供給される。このとき、シリンダ装置70が上方に移動されることにより、支持台55上の試料皿3が容器11の排出口11bに近づけられるので、排出時の鋳物砂2の飛散がより抑制される。
【0066】
次に、制御装置60が、シリンダ装置70を制御して、スライダ72をスライドさせ、スライドプレート73を奥側に移動させる。これにより、図12(a)に示すように、支持台55がスライドプレート73と共に奥側に移動され、試料皿3が測定台22の上方に配置される。次に、制御装置60が、昇降装置52を制御して連結フレーム57を下方に移動させる。これにより、図12(b)に示すように、支持台55がシリンダ装置70と共に下方に移動し、支持台55上の試料皿3が測定台22に移載される。以上のようにして、鋳物砂2入りの試料皿3が排出位置P1から測定位置P2に移動される。搬送装置50Aは、上述した手順とは反対の手順で鋳物砂2入りの試料皿3を測定位置P2から排出位置P1に移動させることも可能である。
【0067】
以上説明したように、測定装置1Aでは、X方向及びZ方向における支持台55の位置が、昇降装置52及びシリンダ装置70の動作に応じて制御される。したがって、試料皿3への鋳物砂2の投入後に支持台55の位置を制御して、鋳物砂2のLOIを自動的に測定することができる。また、昇降装置52及びシリンダ装置70を用いることにより、引き出し部54を手動で出し入れして支持台55の位置を調整する場合に比べて、高い精度で支持台55の位置を調整することができる。したがって、試料皿3又は鋳物砂2入りの試料皿3を排出位置P1及び測定位置P2に高い精度で配置することができる。
【0068】
以上、種々の実施形態に係る測定装置1,1Aについて説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形態様を構成可能である。すなわち、上述した実施形態は例示説明を目的とするものであり、本発明の範囲を制限するものではないことに留意すべきである。
【0069】
例えば、測定装置1では、可動フレーム51及び昇降装置52を用いて試料皿3上の鋳物砂2を排出位置P1から測定位置P2まで搬送しているが、鋳物砂2を搬送する装置は可動フレーム51及び昇降装置52に限定されるものではない。例えば、ロボットアーム等を用いて鋳物砂2を排出位置P1から測定位置P2まで搬送してもよい。
【0070】
また、供給装置10は、シャッタ12に代えて、手動で開閉可能な蓋を備えていてもよい。上述した種々の実施形態は、矛盾のない範囲で組み合わせることが可能である。
【0071】
本開示は以下の内容を含む。
【0072】
[条項1] 一側面に係る測定装置は、鋳物砂の強熱減量の測定に用いられる。この測定装置は、鋳物砂を収容する容器であり、鋳物砂を排出位置に排出する排出口を有する、該容器と、容器内の鋳物砂を加熱する加熱装置と、排出口から排出された鋳物砂を排出位置から測定位置に搬送する搬送装置と、測定位置に配置された鋳物砂の重量を測定する秤と、鋳物砂を加熱する炉と、を備える。
【0073】
上記測定装置では、容器内の鋳物砂を加熱する加熱装置を備えているので、容器からは水分が除去された鋳物砂が排出される。そして、鋳物砂を排出位置から測定位置まで搬送し、鋳物砂を炉で加熱しながら鋳物砂の重量を秤で測定することにより、鋳物砂の強熱減量を測定することができる。この測定装置では、水分が除去された鋳物砂の強熱減量を得ることができるので、鋳物砂中の粘結剤の量を正確に測定することができる。したがって、鋳物砂の品質を高い精度で評価することができる。また、この測定装置では、炉の加熱と鋳物砂の水分除去を同時に行うことができるので、強熱減量の測定時間の長期化を抑制することができる。その結果、リアルタイムで鋳物砂の品質を評価することが可能となる。
【0074】
[条項2]
条項1に記載の測定装置は、排出口を閉鎖する閉位置と排出口を開放する開位置との間で移動可能なシャッタを更に備えていてもよい。本態様では、シャッタが開位置に配置されると容器から鋳物砂が排出され、シャッタが閉位置に配置されると容器からの鋳物砂の排出が停止される。したがって、シャッタを備えることにより、鋳物砂の供給又は供給停止を切り替えることができる。
【0075】
[条項3]
条項1又は2に記載の測定装置は、加熱装置は、容器に取り付けられた第1ヒータを含んでいてもよい。容器に取り付けられた第1ヒータで容器内の鋳物砂を加熱することにより、鋳物砂の水分を効率的に除去することができる。
【0076】
[条項4]
条項3に記載の測定装置は、第1ヒータを外側から覆う断熱材を更に備えていてもよい。断熱材で第1ヒータを外側から覆うことにより、第1ヒータからの熱損失を低減することができる。
【0077】
[条項5]
条項1~4の何れか一項に記載の測定装置において、加熱装置は、シャッタに取り付けられた第2ヒータを含んでいてもよい。シャッタに取り付けられた第2ヒータで容器内の鋳物砂を加熱することにより、鋳物砂の水分を効率的に除去することができる。
【0078】
[条項6]
条項1~5の何れか一項に記載の測定装置は、排出口から排出された鋳物砂を排出位置に案内するシュートを更に備えていてもよい。シュートを備えることにより、排出口から排出位置に鋳物砂が確実に案内され、鋳物砂の飛散が抑制される。
【0079】
[条項7]
条項1~6の何れか一項に記載の測定装置は、容器内の鋳物砂の温度を取得するための温度センサと、取得された鋳物砂の温度に応じて加熱装置の動作を制御する制御装置と、を更に備えてもよい。容器の内部温度に応じて加熱装置の動作を制御することにより、容器内の鋳物砂の水分を確実に除去することができる。
【0080】
[条項8]
条項1~7の何れか一項に記載の測定装置は、閉位置と開位置との間でのシャッタの移動に応じて、シャッタを清掃する清掃装置を更に備えてもよい。強熱減量試験の対象でない鋳物砂がシャッタに付着していると、その鋳物砂が強熱減量試験の対象となる鋳物砂に混入する恐れがある。清掃装置を用いてシャッタを清掃することにより、試験対象でない鋳物砂の混入が防止され、鋳物砂の品質評価の劣化を抑制することができる。
【0081】
[条項9]
条項1~8の何れか一項に記載の測定装置において、容器が円筒形状を有していてもよい。鋳物砂を容器内に残さずに排出口からスムーズに排出することができる。
【0082】
[条項10]
搬送装置は、鋳物砂を鉛直方向に移動させる昇降装置と、鋳物砂を水平方向に移動させるシリンダ装置とを含む、条項1~9の何れか一項に記載の測定装置。
【0083】
[条項11]
シリンダ装置は、昇降装置の動作に応じて鉛直方向に移動可能なように昇降装置に連結されている、条項10に記載の測定装置。
【符号の説明】
【0084】
1…測定装置、2…鋳物砂、11…容器、11b…排出口、12…シャッタ、13…加熱装置、13a…第1ヒータ、13b…第2ヒータ、15…シュート、16…断熱材、17…温度センサ、18…清掃装置、30…秤、40…炉、50…搬送装置、60…制御装置、P1…排出位置、P2…測定位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12