(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173773
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ゲームシステム、制御方法、プログラム、及びゲームサーバ
(51)【国際特許分類】
A63F 13/30 20140101AFI20241205BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20241205BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20241205BHJP
A63F 13/493 20140101ALI20241205BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20241205BHJP
G06F 15/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
A63F13/30
A63F13/35
A63F13/69
A63F13/493
A63F13/79 510
G06F15/00 440Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024086191
(22)【出願日】2024-05-28
(31)【優先権主張番号】P 2023091949
(32)【優先日】2023-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(72)【発明者】
【氏名】大山 周佑輔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 拓実
(72)【発明者】
【氏名】光武 聖悟
(57)【要約】
【課題】ユーザによる意図的な通信切断を抑制することができるゲームシステム等を提供する。
【解決手段】ユーザ端末を操作するユーザが複数参加するマルチモードにおいて、通信状況に基づき、マルチモードにおけるゲーム操作をユーザによるマニュアル操作からコンピュータによるオート操作に切り替える。この切り替え状況に基づき、特定行為を行ったと認定された認定回数が所定の認定条件に達したユーザは、マルチモードへの参加を制限する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ端末と通信回線を介して接続するサーバを含むゲームシステムにおいて、
前記ユーザ端末を操作するユーザが複数参加するマルチモードに参加したユーザに特典を付与する特典付与手段と、
前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記ユーザ端末とサーバとの通信状況に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から制御部によるオート操作に切り替える第1切り替え手段と、
前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記マルチモードに参加しているユーザの指示に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から前記制御部によるオート操作に切り替える第2切り替え手段と、
前記オート操作を、所定条件を満たした場合にマニュアル操作に切り替える復帰手段と、
前記第1切り替え手段による切り替え状況を計測する計測手段と、
前記第2切り替え手段による切り替えを、所定の使用条件を満たした場合に禁止する禁止手段と、
前記計測手段による計測値が所定値に達した場合、前記ユーザが特定行為を行ったと認定し、当該認定をされた認定回数をユーザ毎に記憶する記憶手段と、
前記認定回数が所定の認定条件に達した前記ユーザに対し、前記マルチモードへの参加を制限する参加制限手段と、
を備え、
前記認定条件は、前記ユーザの前記マルチモードへの参加を制限された参加制限回数に基づいて設定することを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記参加制限手段により前記マルチモードへの参加を制限する期間は、参加を制限されたユーザの参加制限回数に基づいて設定する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
所定のリセット条件を満たしたときに、前記認定回数を0にするリセット手段と、
所定の減算条件を満たしたときに、前記参加制限回数を減算する減算手段と、
を含む請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記リセット条件は、ユーザが最後に前記特定行為を行ったと認定された時点から、第一期間が経過することである、請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
複数のユーザ端末と通信回線を介して接続するサーバを含むゲームシステムの制御方法であって、
前記ユーザ端末を操作するユーザが複数参加するマルチモードに参加したユーザに特典を付与する工程と、
前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記ユーザ端末とサーバとの通信状況に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から制御部によるオート操作に切り替える工程と、
前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記マルチモードに参加しているユーザの指示に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から前記制御部によるオート操作に切り替える工程と、
前記オート操作を、所定条件を満たした場合にマニュアル操作に切り替える工程と、
前記第1切り替え手段による切り替え状況を計測する工程と、
前記第2切り替え手段による切り替えを、所定の使用条件を満たした場合に禁止する工程と、
前記計測手段による計測値が所定値に達した場合、前記ユーザが特定行為を行ったと認定し、当該認定をされた認定回数をユーザ毎に記憶する工程と、
前記認定回数が所定の認定条件に達した前記ユーザに対し、前記マルチモードへの参加を制限する工程と、
を備え、
前記認定条件は、前記ユーザの前記マルチモードへの参加を制限された参加制限回数に基づいて設定することを特徴とする、ゲームシステムの制御方法。
【請求項6】
複数のユーザ端末と通信回線を介して接続するサーバを含むゲームシステムを制御するコンピュータを、
前記ユーザ端末を操作するユーザが複数参加するマルチモードに参加したユーザに特典を付与する特典付与手段、
前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記ユーザ端末とサーバとの通信状況に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から制御部によるオート操作に切り替える第1切り替え手段、
前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記マルチモードに参加しているユーザの指示に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から前記制御部によるオート操作に切り替える第2切り替え手段、
前記オート操作を、所定条件を満たした場合にマニュアル操作に切り替える復帰手段、
前記第1切り替え手段による切り替え状況を計測する計測手段、
前記第2切り替え手段による切り替えを、所定の使用条件を満たした場合に禁止する禁止手段、
前記計測手段による計測値が所定値に達した場合、前記ユーザが特定行為を行ったと認定し、当該認定をされた認定回数をユーザ毎に記憶する記憶手段、
前記認定回数が所定の認定条件に達した前記ユーザに対し、前記マルチモードへの参加を制限する参加制限手段、
として機能させるプログラムであって、
前記認定条件は、前記ユーザの前記マルチモードへの参加を制限された参加制限回数に基づいて設定することを特徴とする、プログラム。
【請求項7】
複数のユーザ端末と通信回線を介して接続可能なゲームサーバであって、
前記ユーザ端末を操作するユーザが複数参加するマルチモードに参加したユーザに特典を付与する特典付与手段と、
前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記ユーザ端末とサーバとの通信状況に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から制御部によるオート操作に切り替える第1切り替え手段と、
前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記マルチモードに参加しているユーザの指示に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から前記制御部によるオート操作に切り替える第2切り替え手段と、
前記オート操作を、所定条件を満たした場合にマニュアル操作に切り替える復帰手段と、
前記第1切り替え手段による切り替え状況を計測する計測手段と、
前記第2切り替え手段による切り替えを、所定の使用条件を満たした場合に禁止する禁止手段と、
前記計測手段による計測値が所定値に達した場合、前記ユーザが特定行為を行ったと認定し、当該認定をされた認定回数をユーザ毎に記憶する記憶手段と、
前記認定回数が所定の認定条件に達した前記ユーザに対し、前記マルチモードへの参加を制限する参加制限手段と、
を備え、
前記認定条件は、前記ユーザの前記マルチモードへの参加を制限された参加制限回数に基づいて設定することを特徴とする、ゲームサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、制御方法、プログラム及びゲームサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、サーバと通信回線を介して接続された複数の端末装置を用いて行うオンライン対戦ゲームが知られている。
【0003】
このようなオンライン対戦ゲームにおいては、サーバと、ある端末装置との間で通信が切断された場合に、通信が切断された端末装置に対応するゲーム操作をサーバ側のCPUによって制御することで、他のユーザがゲームを継続できるようにするゲームシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のゲームシステムでは、オンライン対戦ゲームに参加しているユーザが意図的に通信を切断する場合があり、このような場合にゲームの興趣性が低下することがあった。
【0006】
本発明は、ゲームに参加するユーザの意図的な通信切断を抑制することのできるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様に係るゲームシステムは、複数のユーザ端末と通信回線を介して接続するサーバを含み、前記ユーザ端末を操作するユーザが複数参加するマルチモードに参加したユーザに特典を付与する特典付与手段と、前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記ユーザ端末とサーバとの通信状況に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から制御部によるオート操作に切り替える第1切り替え手段と、前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記マルチモードに参加しているユーザの指示に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から前記制御部によるオート操作に切り替える第2切り替え手段と、前記オート操作を、所定条件を満たした場合にマニュアル操作に切り替える復帰手段と、前記第1切り替え手段による切り替え状況を計測する計測手段と、前記第2切り替え手段による切り替えを、所定の使用条件を満たした場合に禁止する禁止手段と、前記計測手段による計測値が所定値に達した場合、前記ユーザが特定行為を行ったと認定し、当該認定をされた認定回数をユーザ毎に記憶する記憶手段と、前記認定回数が所定の認定条件に達した前記ユーザに対し、前記マルチモードへの参加を制限する参加制限手段と、を備え、前記認定条件は、前記ユーザの前記マルチモードへの参加を制限された参加制限回数に基づいて設定することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】マニュアル操作とオート操作の切り替え手順を示すフロー図である。
【
図3】対人戦への参加を制限する手順を示するフロー図である。
【
図4】参加制限回数、認定回数、参加制限期間の関係性を示す説明図である。
【
図5】ユーザID、認定回数、参加制限回数等の関係性を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0010】
[ゲームシステムの構成]
図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ10と、複数のユーザ端末30-1,30-2と、データベース14とを含む。
各ユーザ端末30-1,30-2は、サーバ10とネットワークNを介して接続され、相互にデータ通信を行うことが可能になっている。また、複数のユーザ端末30-1,30-2同士も、ネットワークNを介して相互にデータ通信を行うことが可能になっている。
以下では、ユーザ端末30-1,30-2を総称して「ユーザ端末30」と記載することがある。
【0011】
サーバ10は、例えばサーバコンピュータであり、制御部11、記憶部12、通信部13を含む。
制御部11は、少なくとも一つのマイクロプロセッサを含み、記憶部12に記憶されたプログラムに従ってゲームの処理を実行する。
記憶部12は、ゲームのプログラムやデータを記憶するためのものであり、主記憶部(例えばRAM)及び補助記憶部(例えば、不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ、又はソリッドステートドライブ)を含む。
通信部13は、ネットワークNを介してユーザ端末30とデータ通信するためのものである。
【0012】
サーバ10は、データベース14にアクセスできるようになっている。データベース14には、後述するユーザ情報やゲーム情報等を記憶している。
なお、データベース14は、サーバ10内に構築されていてもよいし、サーバ10とは別のコンピュータ内に構築されていてもよい。
【0013】
ユーザ端末30は、ユーザがゲームをプレイするために使用するコンピュータであり、例えば、携帯電話機(スマートフォンを含む)、携帯情報端末(タブレット型コンピュータを含む)、携帯用ゲーム機、業務用ゲーム機(遊戯施設等に設置されるゲーム機)、家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、デスクトップ型コンピュータ、又はラップトップ型コンピュータである。ユーザ端末30は、同じ種類のコンピュータでなくてもよく、異なる種類のコンピュータによってゲームシステム1が構成されてもよい。
【0014】
ユーザ端末30は、制御部31、記憶部32、通信部33、操作部34、表示部35、及び音声出力部36を含む。
制御部31、記憶部32、及び通信部33の構成は、上記説明したサーバ10の制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様である。
【0015】
操作部34は、ユーザがゲーム操作を行うためのものであり、例えば、ボタン(キー)、レバー(スティック)、タッチパネル、又はマウス等を含む。また、操作部34は、ユーザが音声又はジェスチャによってゲーム操作を行うためのものであってもよい。
表示部35は、各種画面画像を表示するためのものであり、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等である。
音声出力部36は、音声データを出力するためのものであり、例えばスピーカ又はヘッドホン等である。
操作部34、表示部35、及び音声出力部36は、ユーザ端末30自体に設けられていてもよいし、ユーザ端末30に接続された外部装置として設けられてもよい。
【0016】
サーバ10又はユーザ端末30には、ネットワークNを介してプログラムやデータが供給されて、記憶部12又は記憶部32に記憶される。なお、光ディスク等の情報記憶媒体に記憶されたプログラムやデータを読み取る装置を利用して、プログラムやデータが、サーバ10又はユーザ端末30に供給されるようにしてもよい。
【0017】
[麻雀ゲーム]
次に、本実施形態におけるゲームシステム1で実行される麻雀ゲームについて説明する。
麻雀ゲームは、テーブルゲームである麻雀のルールを電子的に模したゲームである。麻雀ゲームでは、1人の親と3人の子の4人で行う麻雀(四麻)や、1人の親と2人の子の3人で行う麻雀(三麻)といった遊び方があり、1人の親が終了すると次の人が親になり、それを2回で繰り返す。つまり1人が2回の親を経験する。この1人の親が終了するまでの単位を「局」と呼ぶ。また、局を繰り返し親が一周する単位を「場」を呼ぶ。例えば、四麻の場合は対戦の開始から4局終えた状態が「1本場」である。
【0018】
四麻の場合は2本場、つまり、4局を2回、計8局を行い、最後の局の終了時点で最も多くの点を持っている人が勝利となる。これが、四麻における半荘という対戦のルールである。親を1人1回経験する、つまり四麻の場合は4局を行う東風という対戦ルールも存在する。
つまり、麻雀は1度の対戦に「場」をというゲーム単位を含み、更に「場」は「局」というゲーム単位を含んでいる。1回の対戦において「局」は原則的に複数回行われるが、「場」は東風戦を行う際など、複数回行われない場合もある。麻雀ゲームにおいて対戦は、対局と呼ばれる。
【0019】
[ゲームモード]
ゲームシステム1では、各種ゲームの処理を実行できるようになっている。また、このゲームシステム1では複数のゲームモード(以下モードと呼ぶ)を有しており、1人のユーザがユーザ端末30を用いて対局に参加するシングルモードと、複数のユーザがそれぞれユーザ端末30を用いて対局に参加するマルチモードとの処理が実行できるようになっている。
なお、本実施形態ではユーザ端末30の表示部35にモードを選択するための選択肢を表示することで、いずれのゲームモードを実行するかをユーザが選択できるようにしている。
【0020】
シングルモードでは、1つのユーザ端末30がネットワークNを介してサーバ10に接続された状態で、相互にデータ通信を行うことにより、ゲームの処理が進行する。
本実施形態ではシングルモードを選択すると、1人のユーザとCPUによる対局が実行可能である。言い換えると、シングルモードではCPUとのみマッチングするゲームがプレイ可能である。本実施形態の麻雀ゲームにおけるCPUとはユーザ端末30のユーザの操作によらず、制御部11によって制御される対局相手である。
つまり三麻であれば1人のユーザと2人のCPUによる対局がプレイ出来、四麻であれば1人のユーザと3人のCPUによる対局がプレイ出来る。このように対戦ゲームにおいて対戦相手がCPUのみであるような対戦はCPU戦(麻雀ゲームである場合にはCPU対局)と呼ばれる。本実施形態における麻雀ゲームでは、シングルモードはCPU対局モードとも呼ばれる。
【0021】
マルチモードでは、複数のユーザの各々が使用するユーザ端末30がネットワークを介してサーバ10に接続された状態で、相互にデータ通信を行うことにより、ゲームの処理が進行する。
本実施形態ではマルチモードを選択すると、マッチング処理を伴うマルチプレイのゲームが実行可能である。本実施形態の麻雀ゲームにおけるマッチング処理とは、他のユーザを対局相手として紐づける(マッチングする)為の処理である。マッチングはどのような方法で実現しても良い。
例えば、サーバは対局への参加リクエストをユーザ端末30からネットワークNを介して受信したことに応じて、当該参加リクエストを送信したユーザ端末30のユーザを特定する。そして、特定したユーザと参加リクエストを送信した他のユーザ端末30のユーザとをデータベース14に記録されるユーザ情報(ユーザランク等)に基づく所定の定義により対戦相手として紐づける事でマッチングが実現可能である。
このようにネットワークNを介して他のユーザとマッチングすることは対戦ゲームにおいてオンライン対戦(麻雀ゲームである場合にはオンライン対局)や対人戦と呼ばれる。本実施形態における麻雀ゲームでは、マルチモードはオンライン対局モードとも呼ばれる。
【0022】
麻雀ゲームをマルチモードでプレイする場合、対局相手の一部にCPUが含まれていても良い。麻雀ゲームに参加するユーザの一部にCPUを含んでも良いようにすることで、例えば四麻での対局を行うといった際に、ユーザが3人しかマッチングしなかった場合においても対局を開始することが可能になる。
つまり、所定数のユーザの参加が必要なマルチモードのゲームにおいて、所定数未満のユーザとしかマッチング出来ない場合であっても、マルチモードにおけるゲームを実行することが可能になる。
なお、マルチモードでプレイ可能な対戦ゲームには、ユーザが互いに敵対する対戦や、ユーザ同士が協力して共通の敵と戦う共闘や、複数のユーザによって構成されたグループ同士が戦うグループ戦等も含まれる。
【0023】
また、ゲームシステム1では、上記シングルモード及びマルチモードの他に、実施期間を限定した期間限定イベントモードの処理を実行できるようになっている。
期間限定イベントモードとは、例えば1週間といった所定期間を限定し、その所定期間内に期間限定イベントモードで実行される対局に参加したユーザに対し、対局結果や対局への参加情報に基づいて特典を付与したり、通常とは異なるルールでの対局が行われたりするモードである。
【0024】
本実施形態におけるゲームシステム1では、各モードでゲームをプレイしたユーザの戦績等が確認できるようになっている。戦績とは、例えば、ユーザの終局時の順位や点数、対局により獲得したポイント、ユーザのランキング、ランキングの推移といった情報であり、これらの情報は、ユーザ毎に、データベース14に記録されている。
【0025】
[参加特典]
本実施形態における麻雀ゲームでは、期間限定イベントで実行される対局に参加したユーザには、特典として参加ポイントが付与されるようになっている。ユーザに付与された参加ポイントは、各ユーザのユーザIDと対応付けられてデータベース14に記憶される。ユーザは参加ポイントを溜めることによって、ゲーム内で使用できるアイテム等の更なる特典と交換できるようになっている。期間限定イベントに参加したユーザに特典を付与することにより、ユーザの期間限定イベントへの参加意欲を高めることを可能にしている。
【0026】
なお、本実施形態では、期間限定イベントで実行される対局に参加することにより参加ポイントが付与されるようになっているが、対局に参加することで特典としてゲーム内で利用可能なアイテムなどが、ユーザに直接付与されるようにしてもよい。
期間限定イベントに参加することによりユーザに付与される特典は、ゲームの種類に応じて、適宜特典を設定すればよい。例えば、戦争をテーマにした対戦ゲーム等の場合には、対戦に用いると有利になる、武器や防具などのアイテムを特典とすればよい。
【0027】
また、特典は、期間限定イベントに限らず実施期間が特に限定されていないシングルモードやマルチモードに参加することによってもユーザに付与されるようにしてもよい。
ただし、実施期間が限定されていないシングルモードやマルチモードに参加することで付与される特典は、期間限定イベントに参加することで付与される特典よりも価値の低いものにすることが好ましい。
言い換えると、期間限定イベントにおける参加特典は、実施期間が限定されていないシングルモードやマルチモードにおける参加特典よりも、数量、レアリティやレベルといった質、ゲーム内における有利な効果の発生期間などが、優れていることが好ましい。また、期間限定イベントに参加することでのみ、付与される特典でもよい。
このようにすることで、期間限定イベントに参加することのユーザの意欲をより高めることができるようにしている。
【0028】
本実施形態におけるゲームシステム1は、上記マルチモードにおけるゲーム操作を、ユーザによるマニュアル操作からサーバ10の制御部11によるオート操作に切り替える機能と、オート操作をユーザによるマニュアル操作に切り替える機能とを有する。更にゲームシステム1は、オート操作に切り替える機能の使用を禁止する機能と、オート操作に切り替わった状況に基づき発動する、マルチモードへのユーザの参加を制限する機能とを有している。これら4つの機能は、サーバ10における制御部11、記憶部12、通信部13と、データベース14に記憶されているユーザ情報とを、適宜利用することによって実現されている。
【0029】
[通信切断等によりオート操作に切り替える機能]
本実施形態におけるゲームシステム1では、マルチモードにおいて、ユーザ端末30を用いたゲーム操作を前記ユーザ端末30とサーバ10との通信状況に基づき、ユーザによるマニュアル操作から制御部11によるオート操作に切り替える機能を有している。
ゲーム操作とは、実行されているゲームの種類に応じて異なり、例えば、麻雀ゲームにおいては、どの牌を捨てるかの選択や鳴き等の操作が該当する。
ユーザ端末30とサーバ10との通信状況とは、両者間の通信が切断された場合や通信速度が著しく低下した場合など、通信状況に何らかの問題(不良)があることでゲームが進行できなくなるような状況である。
例えばサーバ10とユーザ端末30とが、ネットワークNを介してゲームの進行に必要なデータを所定時間送受信できない状況などを指す。
したがって、ユーザの操作によりサーバ10とユーザ端末30との通信が切断されてしまった場合であっても、そのユーザのゲーム操作はオート操作に切り替わる。ユーザの操作による通信の切断とは、例えばゲームアプリをバックグラウンド状態にしたり終了させたりする操作により、サーバ10とユーザ端末30がネットワークNを介してゲームの進行に必要なデータを所定時間送受信できない状況になったことを指す。
本実施形態における麻雀ゲームでは、対局中にサーバ10とユーザ端末30との通信が継続して行われており、所定時間サーバ10がユーザ端末30からの通信を受信していない場合に通信が切断されたと判断する。また、ユーザ端末30で一定時間ゲーム操作が行われない場合にはサーバ10との通信のやり取りが行われない「タイトル画面」に遷移する。その為、上述のアプリをバックグラウンド状態にしたり終了したりする他、対局中にユーザ端末30を放置する等でゲーム操作を行わない場合にも通信が切断されたと判断される。
【0030】
制御部11によるオート操作とは、ユーザ端末30を使用するユーザによるゲーム操作(マニュアル操作)を、サーバ10の制御部11が代わりに行うことである。
制御部11によるオート操作に切り替えることで、ユーザ端末30とサーバ10とが互いにデータを送受信できない状況においても、ゲーム処理を進行することができるようにしている。したがって、複数のユーザが参加するマルチモードにおいて、通信切断により、あるユーザがゲーム操作をできなくなったとしても、他のユーザは、継続してゲームをプレイすることができる。
【0031】
[ユーザ指示によりオート操作に切り替える機能(代走機能)]
また、本実施形態におけるゲームシステム1は、マルチモードにおいて、当該マルチモードに参加しているユーザの指示に基づき、前記ユーザ端末30を用いたユーザによるマニュアル操作から、制御部11によるオート操作に切り替える機能を有している。
ゲーム操作とは、上記と同様に、実行されているゲームの種類に応じて異なり、例えば、麻雀ゲームにおいては、どの牌を捨てるかの選択や鳴き等の操作が該当する。
マルチモードに参加しているユーザの指示とは、マルチモードに参加しているユーザが、当該ユーザの使用するユーザ端末30の操作部34を用いて、オートモードに切り替える旨の意思表示をした場合である。
ユーザが所用により、ゲームを継続してプレイできなくなった場合や、一時的にゲーム操作をできなくなった場合に、この機能を利用する。例えば、本実施形態における麻雀ゲームではユーザ指示によりオート操作に切り替える機能を代走機能と称し、ユーザ端末30の操作部34に表示される「代走」ボタンをユーザが選択することによって、マニュアル操作からオート操作に切り替えることができるようにしている。
【0032】
制御部11によるオート操作とは、ゲーム操作を、ユーザ端末30のユーザに代わりサーバ10の制御部11が代わりに行うことである。
制御部11によるオート操作に切り替えることで、ユーザがユーザ端末30を操作しなくてもゲーム処理が進行するので、マルチモードでゲームをプレイしている最中に、あるユーザがゲーム操作をできなくなったとしても他のユーザは継続してゲームをプレイすることができる。これにより、マルチモードにおいて、ゲームを円滑に進行することが可能になる。
【0033】
[オート操作をマニュアル操作に切り替える機能]
本実施形態におけるゲームシステム1では通信状況やユーザの指示により切り替わったサーバ10の制御部11によるゲーム操作(オート操作)を、所定条件を満たした場合に、ユーザ端末30を用いたユーザによるゲーム操作(マニュアル操作)に切り替える機能を有している。
所定条件とは、例えば、通信状況が改善したことによりユーザ端末30とサーバ10との間でゲームの進行に必要なデータの送受信が再開された場合や、サーバ10がユーザ端末30のユーザからマニュアル操作に切り替える旨の意思表示を受信した場合である。
これら条件を満たした場合に、サーバ10の制御部11は、操作方法をオート操作からユーザ端末30を使用するユーザによるマニュアル操作に切り替える。
マニュアル操作に切り替える(復帰する)ことで、ユーザはユーザ端末30を用いて自らのゲーム操作を再開することができる。
【0034】
マニュアル操作に切り替えるユーザの意思表示は、例えば、ユーザ端末30の操作部34に表示される「再開」ボタンをユーザが選択することによって実現可能にしている。
また、ユーザの指示によってオート操作に切り替わった場合には、所定時間(例えば5分)を経過することによって、マニュアル操作に自動的に切り替わるようにしてもよい。
つまり、ユーザの指示によってオート操作に切り替えた場合には、オート操作の開始から所定時間経過する、という条件を満たした場合に、オート操作をマニュアル操作に切り替えるようにしてもよい。
【0035】
[ユーザ指示によりオート操作に切り替える機能の使用を禁止する機能]
本実施形態におけるゲームシステム1は、マルチモードに参加しているユーザの指示に基づきユーザによるマニュアル操作を制御部11によるオート操作に切り替える機能を有しているが、この機能を使用状況により使用禁止とする機能も有している。
使用状況とは、例えば、1回のゲーム(対局)開始からゲーム終了までの間に、ユーザ指示によりオート操作に切り替える機能の使用回数(言い換えるとマニュアル操作からオート操作へ切り替わった回数)や、オート操作の累積使用時間等である。使用回数や累積使用時間が所定回数、所定時間を超えた場合には、ユーザ指示によりオート操作に切り替える機能を使えないようにする。
例えば、本実施形態における麻雀ゲームでは、一度の対局中に「代走」ボタンを所定回使用したり、「代走」ボタンを押してから所定時間マニュアル操作に復帰しなかったりした場合には、以降その対局においてユーザ端末30の操作部34に表示される「代走」ボタンを選択できなくすることで、オート操作への切り替えを禁止する。
ユーザ指示によるオート操作への切り替えを禁止することにより、本機能のユーザによる乱用を防ぐようにしている。
【0036】
すなわち、本来ユーザ指示によりオート操作に切り替える機能は、ゲーム中にユーザが所用によりゲームを継続してプレイできなくなった場合や一時的にゲーム操作をできなくなった場合等を想定した機能であるが、この機能を多用するユーザがいる場合には、マルチモードでプレイする他のユーザに不快な思いを与える恐れがある。例えば麻雀ゲームにおいて、対局相手のユーザが代走を多用している(オート操作でゲームを進行させている)場面が続いた場合に、対局相手がCPUでなく実際のユーザであるというオンライン対局特有の興趣性に魅力を感じているユーザにとってその興趣性が削がれてしまう。このような興趣性を削がれる場面が続いてしまった場合にオンライン対局に魅力を感じていたユーザはゲームに魅力を感じなくなり、以降の麻雀ゲームそのものプレイを辞めてしまう可能性がある。
ユーザ指示によりオート操作に切り替える機能の使用を禁止する機能(禁止手段)を備える事でこのような問題を防止することが出来る。
【0037】
[マルチモードへのユーザの参加を制限する機能]
本実施形態におけるゲームシステム1は、通信切断等によりオート操作に切り替える機能を有しているが、この機能によりオート操作に切り替わった状況に基づきマルチモードへのユーザの参加を制限する機能も有している。
ユーザ端末30とサーバ10との通信状況に基づき、ユーザによるマニュアル操作を制御部11によるオート操作に切り替えた(通信切断等によりオート操作に切り替える機能が使用された)場合、その状況を計測する機能(計測手段)を有している。
状況を計測するとは例えば、ユーザ端末30とサーバ10との間でデータを送受信できない期間や回数等を計測することを含む。
この機能は、サーバ10の制御部11と通信部13などによって構成される。具体的には、ゲーム(対局)の開始から終了までの間に、サーバ10及びユーザ端末30間でデータを送信または受信できない期間(切断時間)や回数(計測値)が、所定の期間や回数(所定値)に達した場合に、ユーザが意図的に通信の切断等の行為を行ったとみなして、特定行為が行われたと認定する。本実施形態における麻雀ゲームでは、1度の対局中に60秒以上復帰しない、つまり切断時間が60秒に達した時、または1度の対局中にゲームアプリを3回以上バックグラウンド等の状態にした、つまりデータを送信または受信できない切断回数が3回に達した時に特定行為が行われたと認定する。
本実施形態においては1度の対局中に切断時間または切断回数の少なくともいずれか一方が条件に達した際にそのユーザの認定回数を1加算し、1度の対局中に加算する認定回数の上限は1としている。つまり、1度の対局中に切断時間及び切断回数のどちらの条件にも達していた場合であっても認定回数の加算は1である。しかし、認定回数の加算の上限はこれに限らず適宜に設定されてよい。
そして、特定行為が行われたと認定された回数をユーザ毎に記憶する。具体的には、
図5に示すように、ユーザ端末30を操作するユーザID(L1)と、認定回数(L2)とを関連付けたユーザ情報を、データベース14に記憶する。
なお、データベース14に記憶されるユーザ情報には、ユーザID(L1)と後述する参加制限回数(L3)や切断時期(L4)も対応づけた情報も含まれる。その他、データベース14は、種々のデータをユーザID(L1)と対応付けて記憶している。
【0038】
マルチモードへのユーザの参加を制限する機能により認定回数が所定の条件に達したユーザ、言い換えると意図的に通信の切断等の行為を繰り返していると考えられるユーザは、一定の期間マルチモードへの参加をできないようにしている。
マルチモードへの参加の制限には、マルチプレイのゲーム(例えばオンライン対戦)への参加は禁止されるが、オンライン対戦のユーザランキングは閲覧できる等、マルチモードにおいて実行可能なゲーム処理の一部を実行できなくすることを含む。
本実施形態における麻雀ゲームでは、ゲームモードの選択画面にあたる卓選択画面にて、マルチモードにおけるオンライン対戦を実行する為の各種ボタン(どのユーザもプレイ可能な通常卓、一定のゲーム内ランクに達していないとプレイできない上級卓等)を選択できないよう表示部35の表示を制御する。
また、サーバ10の制御部11においてもマルチモードへの参加が制限されているユーザの参加リクエストを受付けないよう制御する。この時、期間限定イベントモードにあたる限定卓に関しては、特典の付与条件となるミッション内容の確認ボタンや、ランキングの確認ボタンは選択可能にする。期間限定イベントモードにてオンライン対戦が実行可能な場合は、期間限定イベントモードにおけるオンライン対戦を実行する為のボタンもマルチモードと同様に選択できないように表示部35の表示を制御する。
マルチモードへの参加が制限される所定条件は、例えば、認定回数が所定回数に達した事を指す。この所定回数は全ユーザに対して画一的に設定されるものではなく、過去マルチモードへの参加を制限された回数(参加制限回数)に基づいて、ユーザ毎に設定されている。また、過去マルチモードへの参加を制限された回数(参加制限回数)に基づいて、マルチモードへの参加が制限される期間(参加制限期間)もユーザ毎に設定される。
図4は、参加制限回数T1に対応する、認定回数T2とマルチモードへの参加制限期間T3との関係を示したものである。例えば、マルチモードへの参加が制限された参加制限回数が0回(T1=0)の場合、認定回数は10回、マルチモードへの参加制限期間は10分である。ユーザがゲームを開始してから終了するまでの間に、データを送受信できない回数が10回以下であれば、マルチモードへの参加は制限されないが、10回を超えると、マルチモードへの参加が制限される。この場合の制限期間は10分である。
【0039】
また、マルチモードへの参加が制限された参加制限回数が2回(T1=2)の場合、認定回数は7回、マルチモードへの参加制限期間は12時間である。ユーザがゲームを開始してから終了するまでの間に、データを送受信できない回数が7回以下であればマルチモードへの参加は制限されないが、7回を超えるとマルチモードへの参加が制限される。この場合の制限期間は12時間である。
認定条件は、ユーザの過去のマルチモードの参加を制限された参加制限回数が多いほど、認定回数は少なくなり、マルチモードへの参加制限期間が長くなるようにしている。つまり、過去に何度もマルチモードへの参加を制限されたユーザは、少ない認定回数で、マルチモードへの参加を禁止できるようにしている。
頻繁にマルチモードへの参加を制限されているユーザは、悪意が強い悪質なユーザであると考えられる。このような悪質だと考えられるユーザについては、マルチモードへの参加を長期間制限することによって、マルチモードでゲームをプレイする他のユーザの興趣性の低下を防止している。また、過去の参加制限回数が多くなるほど、少ない認定回数でマルチモードへの参加が制限されるため、特定行為と認定されるような通信切断を行うことへの抑止力も期待できる。
【0040】
[認定回数のリセット制御]
本実施形態におけるゲームシステム1は、認定回数を0にリセットする機能を有している。具体的には、所定のリセット条件を満たしたときに、認定回数を0にリセットする。リセット条件とは例えば、ユーザが最後に特定行為を行ったと認定された時点から、所定期間が経過することである。
本実施形態においては、ゲームにログインしたときに、最後に特定行為を行ったと認定された日時から3日経過していれば認定回数を0にリセットする。なお、認定回数を0にリセットする処理は、ゲームにログインしたタイミングでなくてもよい。例えば、特定行為を行ったと最後に認定された日時から3日経った時点で、ユーザのゲームへのログインの有無にかかわらず認定回数が0にリセットされても良い。
また、所定の期間とは現実時間の経過だけでなく、ユーザがゲームシステム1を起動させている時間に関するものも含む。例えば、所定の期間の経過したことの判定を現実時間の経過ではなくログイン日数が所定値を超えたことで判定してもよい。つまりこのような場合、最後に特定行為を行ったと認定された日時から現実時間で3日経過していても、3日間の内2日しかログインしていない場合には所定の期間はまだ経過していない為、認定回数はリセットされない。
【0041】
意図的に通信を切断していないユーザであっても、通信状況の悪い場所でマルチモードに参加している場合には一時的に通信の切断を繰り返してしまい結果的にその切断行為が特定行為であると認定されてしまう可能性がある。このような場合、ユーザが通信状況の良好な場所で対戦に参加するようになれば、特定行為は行われなくなる。
つまり、最後に特定行為を行った時点から所定の期間の間、特定行為を行わない場合に認定回数をリセットすることで、例えば通信状態が安定しない場所でゲームをプレイしている場合等意図的に切断行為を行った訳ではない悪意のないユーザがマルチモードの参加を制限されてしまう可能性を減らすことができる。
認定回数を0にリセットする条件は、ユーザが所定のアイテムをゲーム内で使用、または、課金を行う、ということでもよい。なお、認定回数の最小値は0である。
【0042】
[参加制限回数の減算制御]
本実施形態におけるゲームシステム1は、上記参加制限回数を減算する機能も有している。具体的には、所定の減算条件を満たしたときに、ユーザの参加制限回数を減算する。
所定の減算条件とは、例えばマルチモードへの参加制限期間が終了しマルチモードに再度参加できるようになった時点から、所定の期間の間特定行為を行わない事である。本実施形態においては、マルチモードへの参加の制限が解除された時点から、特定行為を行わない日数が3日に到達するごとに、参加制限回数を1減算する。また、減算条件が所定の期間の間特定行為を行わない事である場合、所定期間の起算日はマルチモードへの参加の制限が解除された時点でなくてもよい。
なお、参加制限回数の最小値は0である。
【0043】
[認定回数のリセット制御や参加制限回数の減算制御による効果]
本実施形態における認定回数のリセット処理や、参加制限回数の減算処理は、悪意なく切断等の行為を行ってしまったユーザや、意図的に切断等の行為を行っていたが反省したというようなユーザ等に対して特に効果的である。リセット処理や減算処理といった救済措置を設けることで、ユーザが再度マルチモードへの参加を制限される事を恐れて、マルチモードそのものに参加しなくなる、といったことを抑制している。
なお、マルチモードへの参加が制限される認定回数に近づいたユーザのユーザ端末30に対して、警告を出力してもよい。警告として、例えばどのような行為が特定行為と認定されるか、あと何回特定行為を行うとマルチモードへの参加が制限されるか等をユーザ端末30の表示部35に表示する。このようにすれば、特定行為とみなされるようなユーザの行為を、事前に抑制することができる。
【0044】
[通信切断等によりオート操作に切り替える機能の切り替え処理の流れ]
次に、通信切断等によりオート操作に切り替える機能に関し、
図2を用いてユーザによるマニュアル操作から制御部11によるオート操作に切り替わる処理について説明する。ここでは、麻雀ゲームを例にして説明する。
対局のスタート時は、ユーザによるマニュアル操作でゲームが進行する(S100)。対戦中、ユーザ端末30とサーバ10とが通信しているか否かの判定が行われている(S102)。この時、例えば30秒や1分といった所定時間、サーバ10に対しネットワークNを介してユーザ端末30から通信の送信が無い場合には、通信が切断されたと判断し(S102:YES)、マニュアル操作(S100)から通信切断によるオート操作(S104)に移行する。具体的には、制御部11が、ユーザ端末30とサーバ10との通信状況を監視し、その通信状況に基づいて、ユーザによるマニュアル操作から制御部11によるオート操作に切り替える。言い換えると、通信状況に基づきゲーム操作がマニュアル操作S100からオート操作に切り替わる。
【0045】
ユーザ端末30とサーバ10との通信状況が良好等で、通信が切断されたと判断されなかった場合(S102:NO)、つまり、通信状況に問題が無いと判断される場合、ユーザ指示によりオート操作に切り替える機能(代走機能)の設定の有無を判定する(S106)。
ユーザ指示によりオート操作に切り替える設定がONになっている場合、つまり、ユーザの意思によりオート操作による処理を開始する設定になっている場合(S106:YES)、ゲーム操作はマニュアル操作からオート操作に移行する(S108)。具体的には、ユーザ端末30の表示部35に表示される「代走」と表示されたボタンをユーザが選択した場合、オート操作による処理を開始する設定になる。つまり、ユーザの指示に基づき(S106:YES)、ゲーム操作をユーザによるマニュアル操作から制御部11によるオート操作に切り替える(S108)。
【0046】
ユーザ指示によりオート操作に切り替える機能の設定がOFFの場合(S106:NO)、マニュアル操作を続行する(S110)。
S102及びS106の判定は、所定期間、例えば対局が終了(S112:YES)するまで繰り返される(S112:NO)。つまり、対戦中に一度オート操作に切り替わっても、S102及びS106の判定がNOであれば、マニュアルモードに再度切り替わる。言い換えれば、ゲームシステム1は所定条件を満たした場合に、オート操作をマニュアル操作に切り替える。
なお、S102及びS106の判定の順序はこの通りでなくてもよい。
【0047】
「S104の通信切断によるオート操作中に対局が終わらず、その後、S102でNOと判定される場合」には、例えば、通信状況が改善した場合や、ユーザ端末30からサーバ10へ信号の送信が行われた場合が含まれる。このような場合には、ゲーム操作は制御部11によるオート操作からユーザによるマニュアル操作に復帰する。
【0048】
「S108のユーザ指示によりオート操作に切り替える機能がONになっている間に対局が終わらず(S112:NO)、その後、S106でNOと判定される場合」には、例えば、ユーザ端末30のユーザが、表示部35に表示される「代走機能の解除」を示す表示を選択して、代走機能をOFFにした場合が含まれる。このような場合には、ゲーム操作は制御部11によるオート操作からユーザによるマニュアル操作に復帰する。
【0049】
また、ユーザ指示によりオート操作に切り替える機能を使用できる時間に制限がある場合、オート操作機能の設定ONに伴うオート操作S108の開始から所定の時間(例えば、60秒、3分等の制限時間)が経過するとオート操作機能の設定がOFFになる。このような場合も「S108のユーザ指示によりオート操作に切り替える機能がONになっている間に対局が終わらず(S112:NO)、その後、S106でNOと判定される場合」に含まれる。このようにオート操作機能に使用時間の制限がある場合、ユーザがオート操作機能の設定をOFFにしなくても、自動的にオート操作機能の設定がOFF(S106:NO)になる。これにより自動的にオート操作機能の設定がOFFになるので、オート操作機能の設定をOFFにすることを忘れるといった不都合を回避できる。
【0050】
[マルチモードへの参加制限処理の流れ]
図3を用いて、通信切断等によりオート操作に切り替える機能の使用により、マルチモードへの参加が制限される処理の流れを説明する。
図3では、対局の終了(S200)後、通信切断等によるオート操作への切り替え状況が所定値に達したかをS202及びS204にて判定する。
例えば、一回の対局中に、通信切断等によるオート操作が所定時間を超えているか否かを判定し(S202)、超えていない場合は(S202:YES)、一回の対局中に、オート操作の切り替えが、所定回数を超えているかを判定し(S204)、超えてない場合は(S204:YES)、エンドとなる。
【0051】
S202及びS204のいずれかでNOと判定された場合、つまり切り替え状況が所定値に達している場合は、ユーザが意図的に通信切断等の特定行為を行ったと認定し、認定回数を1加算する(S206)。
その後、ユーザごとに記憶される認定回数を確認し、認定回数が所定の認定条件に達しているかを判定(S208)する。認定条件に達している場合は(S208:YES)、そのユーザはマルチモードへの参加が制限される(S212)。
認定条件とは、例えばマルチモードへの参加が制限される認定回数T2(
図4)に達することを指す。
また、認定条件に達していない場合は(S208:NO)、そのユーザのユーザ端末30に警告が報知される(S210)。
なお、S202及びS204の判定の順序はこの通りでなくてもよい。
【0052】
本実施形態によるゲームシステム1によれば、通信切断などの特定行為を行ったと認定された回数が所定の認定条件に達したユーザに対してマルチモードへの参加を制限する構成にしたので、ゲームに参加するユーザの意図的な通信切断を抑制することができる。
また、意図的な通信切断をするようなユーザのマルチモードへの参加を禁止することで、マルチモードでゲームをプレイする際の興趣性を維持することができる。
また、例えば期間限定イベントのように、参加することによって特別な特典がもらえるようなマルチプレイのゲームが実行可能なモードにおいては、マルチプレイのゲーム(対局)に参加後、通信切断等により対局そのものはオート操作でゲームを進行させることがある。このように特典の獲得のみを目的としたユーザが存在する場合、上記のような参加制限があることで上記の効果に加えて特典の獲得のみを目的としたユーザの意図的な切断行為等を抑制することができる。
【0053】
なお、本実施形態ではマルチモードの参加が制限されるが、マルチモードへの参加の制限には、マルチモードの全ての機能が使用できなくなるという制限や、マルチモードの一部の機能が利用できなくなる、といった制限を含んでも良い。
少なくとも、意図的な通信切断をするようなユーザが、マルチプレイのゲームに参加した場合に、何等かの制限が加わればよい。例えば、マルチプレイで麻雀ゲームをプレイする場合、ツモ切りしかできなくなるといった制限でも良い。また、例えば、「相手の捨て牌からアタリ牌を推測して積極的に振り込むオートプレイ」が実行されるとしても良い。つまり、ユーザの操作に制限がなされることにより、同じ対戦に参加する他のユーザが有利になるようにすればよい。
【0054】
[マルチモードへのユーザの参加を制限する機能の例外]
本実施形態におけるゲームシステム1はマルチモードへのユーザの参加を制限する機能を有しているが、この機能における認定回数の加算について例外を設けても良い。
例えば、サーバ10に何らかの障害が発生している時等、ユーザが原因ではない理由によりオート操作に切り替える機能が働いてしまう場合がある。
このようなユーザが防止出来ない通信切断等の場合にも意図的に通信切断を行っているユーザと同様にマルチモードへの参加を制限してしまうと、悪意のないユーザまでマルチプレイのゲームを遊ぶことが出来なくなってしまう。
また、責がないにも関わらずマルチモードへの参加を制限されてしまったユーザはゲームそのものに対する悪印象を持ってしまう可能性がある。
そこで、サーバ障害などユーザが原因ではない通信切断が行われた場合については認定回数を付与しないようにしても良い。
例えば、本実施形態における麻雀ゲームでは、サーバ10に何らかの障害が発生し通信状況が安定していなかった時間帯に対局に参加していたユーザに対しては、特定行為が行われたと認定されるような通信の切断が行われていたとしても認定回数を加算しない。
「認定回数を加算しない」とは、サーバ10の障害発生中の特定行為について認定回数を一旦加算するが、サーバ10の障害解消後にそのサーバ10の障害発生中に加算した認定回数を除算する、つまり認定回数をサーバ10の障害発生前まで遡及させるような場合も含む。
また、サーバ10の障害発生中の特定行為についても認定回数を加算する場合に、認定回数の加算によってマルチモードへの参加が制限された際にはサーバ10の障害解消後に認定回数をサーバ10の障害発生前まで遡及させると共に、参加制限回数についても遡及させる。
これにより、悪意があり通信の切断等を行うユーザのマルチモードへの参加は制限しつつ、悪意がないユーザであるにも関わらずマルチモードへの参加が制限されてしまう事を防止できるため、よりユーザの興趣性を維持することが可能になる。
【0055】
[変形例]
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。
【0056】
上述の実施形態では、「シングル」「マルチ」「期間限定イベント」のようにモードという大分類があり、各モードを選択する事で対応する各種ゲーム(シングルプレイのゲーム、マルチプレイのゲーム)をプレイしたり、その他の情報を閲覧したりできるようにしている。しかし、大分類を設けず直接各種ゲームを選択出来るようにしても良い。また、大分類の分類方法もプレイの内容ではなく機能で分類しても良い。具体的には「対局」「ランキング」のように大分類を設け、「対局」モードを選択するとCPU対局かオンライン対局かを選択できるといったようにしてもよい。
【0057】
通信切断等によりオート操作に切り替える機能やユーザ指示によりオート操作に切り替える機能において、サーバ10の制御部によるゲーム操作はどのような定義で行われてもよい。
例えば、麻雀ゲームの場合、和了る事を優先したゲーム操作をするか得点の高い役の成立を目指したゲーム操作をするかをユーザに設定させておいても良いし、ユーザのゲーム内のランク(段位)の高さに比例するようにCPUもより高度な思考でゲーム操作をするようにしても良い。
【0058】
上述の実施形態では、ユーザ指示によりオート操作に切り替える機能(代走機能)はその使用状況により使用が禁止される。
しかし、ユーザ指示によりオート操作に切り替える機能の使用を禁止する機能について一部のモードではユーザ指示によりオート操作に切り替える機能を禁止しないようにしても良い。
また、一部のモードでは、ユーザ指示によりオート操作に切り替える機能を設けないようにしてもよい。
具体的には、シングルモードのようにCPUとのみマッチングするゲームでは他のユーザが存在せず「他のユーザの興趣性を削ぐ」ということがない為、ユーザ指示によりオート操作に切り替える機能やその機能の仕様を禁止する機能を設けなくても良い。
【0059】
警告の出力について、表示部に表示した警告画面を一定時間消去することが出来ないようにしても良い。これにより、ユーザに警告内容を理解されないまま警告画面を消去されてしまう事を抑制できる。
また、警告の出力に限らず特定行為とみなされるようなユーザの行為を事前に抑制することができる表示を表示部35に表示しても良い。例えば、ゲームのプレイに関するガイドラインを閲覧可能な表示(ガイドラインへのリンク機能をもつボタン等)をゲーム内に表示しておき、ガイドライン内で特定行為の対象となるユーザの行為を説明しても良い。
また警告画面やゲーム(特にマルチプレイのゲーム)の結果の表示画面にも同様にガイドラインを閲覧可能な表示をしても良い。
また、通信状況が安定しない場所でゲームをプレイした場合等、悪意なくゲーム(特にマルチプレイのゲーム)中に通信切断を行ってしまう場合がある。このような偶然の1回の通信切断にも警告の出力を行った場合に、ユーザから「意図的な切断でないのに注意された」と不満を持たれる可能性がある。そこで、初回の通信切断時は警告の出力をしないようにしても良い。このようにすることで、意図的でなく通信切断を行ってしまったユーザから悪印象を持たれる可能性を低減することができる。
【0060】
上述の実施形態では所定の切断時間または切断回数のいずれか一方に達することによりと認定していたが、特定行為が行われたと認定する条件(認定条件)はこれに限らず適宜に設定されてよい。例えば認定条件の設定は、切断回数による判断を含めず所定の切断時間に達した場合にのみ特定行為が行われたと認定する、または切断時間による判断を含めず所定の切断回数に達した場合にのみ特定行為が行われたと認定するといったように設定しても良い。
【0061】
また、特定行為が行われたと認定する条件(認定条件)はユーザ毎に異なる値を設定しても良い。
通信状況が安定しない場所でプレイしているユーザに対しても、通信状況が安定しているユーザと認定条件を同様にしていた場合、頻繁に通信の切断等が行われてしまい認定条件に達しやすくなってしまう可能性がある。これによりマルチモードへの参加が制限されてしまうと、意図的でないにも関わらず認定回数や参加制限回数が増加してしまい満足なゲームのプレイを提供出来なくなってしまう。
そこでユーザ毎の通信状況によって、特定行為が行われたと認定する条件(認定条件)を設定する。
【0062】
例えば、PING値やキープアライブ情報を用いた計測により通信状況の計測値を求め、各ユーザ端末30の計測値に基づいて各ユーザ端末30のユーザ毎の通信状況スコアを特定し、データベース14に記憶する。
そして各ユーザの通信状況スコアをランク付けし、ランク付けされた通信状況ランクに応じて特定行為が行われたと認定される切断時間や切断回数といった値(認定条件の閾値)を設定するようにしても良い。
具体的には、例えば通信状況スコアを範囲ごとにランク分けし、認定条件の閾値を通信状況ランク毎に定義し記憶部32に記憶しておく。
そして、各ユーザの通信状況スコアがどの通信状況ランクに属するかを判定し、判定結果に応じて記憶部32に記憶された認定条件の閾値を制御部31が設定する。
通信状況スコア毎に定義される認定条件の閾値は、通信状況の良好な場所でプレイしているユーザよりも通信状況が安定しない場所でプレイしているユーザの方が高くなるように定義される。つまり、通信状況が安定しない場所でプレイしているユーザに対しては、通信状況の良好な場所でプレイしているユーザより特定行為が行われたと認定される切断時間を長く設定したり切断回数を多く設定したりする。
これにより、通信状況が安定しないユーザが、意図的でないにもかかわらず、ゲームをプレイできなくなるといった不都合を回避することができる。
【0063】
一方で、ユーザ毎の通信状況によって認定条件を設定することで通信状況が安定しないユーザもマルチプレイのゲームに参加できる為、通信状況が良好な(安定している)場所でプレイしているユーザにとっては円滑なゲーム進行が阻害されると感じる可能性がある。
特に麻雀ゲームを始めとしたターン制のゲームのようにゲームに参加する各ユーザが順にゲーム操作を行うような場合には、通信状況が安定しないユーザのゲーム操作をサーバ10が受付けるまでに時間を要してしまう。このような場合、ゲームに参加するユーザ間で通信状況の安定度に差があると各ユーザのターン終了までに要する時間に差が出てしまいゲームの進行速度が一定とならなくなる。
そこで、マルチプレイのマッチング条件を通信状況ランクに応じて設定しても良い。例えば、通信状況ランクが同程度のユーザ同士をマッチングさせる等する事で通信状況が安定しないユーザ同士がマッチングしやすくなるようにする。
これにより、通信状況が安定しているユーザのプレイを阻害しないまま、通信状況が安定しないユーザもマルチプレイのゲームに参加する事が可能になる。
【0064】
上述の実施形態では認定回数が所定回数に達すると、マルチモードへの参加が制限される。しかし、認定回数が所定回数に達した場合の制限として、マルチモードだけでなくシングルモードへの参加も制限されるようにしても良い。このようにすることで、意図的に通信切断等を繰り返す悪質なユーザにより強い制限を与えることが出来る為、悪質なゲームプレーに対してより抑止力とすることが出来る。
【0065】
上述の実施形態では麻雀ゲームを例に説明したが、本実施形態におけるゲームシステム1で実行されるゲームは、麻雀ゲームでなくてもよい。
例えば、カードゲーム、将棋ゲームといったターン制で進行するような対戦ゲームでも良い。ターン制で進行するような対戦ゲームとは、対戦ゲームに参加する複数のユーザのそれぞれにゲーム操作をする番である手番が存在するゲームである。
このようなターン制で進行するようなゲームにオート操作の機能があると、オート操作からマニュアル操作に復帰するときの状況把握は容易である。
【0066】
また、ゲームシステム1で実行されるゲームは、ターン制ではない格闘ゲーム、レースゲームといった対戦ゲームでも良い。
さらに、対戦ゲームに限らず、協力ゲームでも良い。協力ゲームとは、他のユーザと共にクエストのクリアといった共通の目標を達成する事を目指すゲームである。
さらにまた、サッカー、野球といった、複数のユーザによってチームを結成し、そのチーム同士が対戦するといったゲームでも良い。
【0067】
[付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために、適宜図面に記載された符号を括弧書きで記載するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0068】
(A1)本発明の一態様に係るゲームシステムは、複数のユーザ端末(30)と通信回線(N)を介して接続するサーバ(10)を含み、前記ユーザ端末(30)を操作するユーザが複数参加するマルチモードに参加したユーザに特典を付与する特典付与手段と、前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記ユーザ端末(30)とサーバ(10)との通信状況に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から制御部(11)によるオート操作に切り替える第1切り替え手段と、前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記マルチモードに参加しているユーザの指示に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から前記制御部(11)によるオート操作に切り替える第2切り替え手段と、前記オート操作を、所定条件を満たした場合にマニュアル操作に切り替える復帰手段と、前記第1切り替え手段による切り替え状況を計測する計測手段と、前記第2切り替え手段による切り替えを、所定の使用条件を満たした場合に禁止する禁止手段と、前記計測手段による計測値が所定値に達した場合、前記ユーザが特定行為を行ったと認定し、当該認定をされた認定回数をユーザ毎に記憶する記憶手段と、前記認定回数が所定の認定条件に達した前記ユーザに対し、前記マルチモードへの参加を制限する参加制限手段と、を備え、前記認定条件は、前記ユーザの前記マルチモードへの参加を制限された参加制限回数に基づいて設定することを特徴とする。
【0069】
(A5)本発明の一態様に係るゲームシステムの制御方法は、複数のユーザ端末と通信回線を介して接続するサーバを含むゲームシステムの制御方法であって、前記ユーザ端末を操作するユーザが複数参加するマルチモードに参加したユーザに特典を付与する工程と、前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記ユーザ端末とサーバとの通信状況に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から制御部によるオート操作に切り替える工程と、前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記マルチモードに参加しているユーザの指示に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から前記制御部によるオート操作に切り替える工程と、前記オート操作を、所定条件を満たした場合にマニュアル操作に切り替える工程と、前記第1切り替え手段による切り替え状況を計測する工程と、前記第2切り替え手段による切り替えを、所定の使用条件を満たした場合に禁止する工程と、前記計測手段による計測値が所定値に達した場合、前記ユーザが特定行為を行ったと認定し、当該認定をされた認定回数をユーザ毎に記憶する工程と、前記認定回数が所定の認定条件に達した前記ユーザに対し、前記マルチモードへの参加を制限する工程と、を備え、前記認定条件は、前記ユーザの前記マルチモードへの参加を制限された参加制限回数に基づいて設定することを特徴とする。
【0070】
(A6)本発明の一態様に係るプログラムは、複数のユーザ端末と通信回線を介して接続するサーバを含むゲームシステムを制御するコンピュータを、前記ユーザ端末を操作するユーザが複数参加するマルチモードに参加したユーザに特典を付与する特典付与手段、前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記ユーザ端末とサーバとの通信状況に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から制御部によるオート操作に切り替える第1切り替え手段、前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記マルチモードに参加しているユーザの指示に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から前記制御部によるオート操作に切り替える第2切り替え手段、前記オート操作を、所定条件を満たした場合にマニュアル操作に切り替える復帰手段、前記第1切り替え手段による切り替え状況を計測する計測手段、前記第2切り替え手段による切り替えを、所定の使用条件を満たした場合に禁止する禁止手段、前記計測手段による計測値が所定値に達した場合、前記ユーザが特定行為を行ったと認定し、当該認定をされた認定回数をユーザ毎に記憶する記憶手段、前記認定回数が所定の認定条件に達した前記ユーザに対し、前記マルチモードへの参加を制限する参加制限手段、として機能させるプログラムであって、前記認定条件は、前記ユーザの前記マルチモードへの参加を制限された参加制限回数に基づいて設定することを特徴とする。
【0071】
(A7)本発明の一態様に係るゲームサーバは、複数のユーザ端末と通信回線を介して接続可能なゲームサーバであって、前記ユーザ端末を操作するユーザが複数参加するマルチモードに参加したユーザに特典を付与する特典付与手段と、前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記ユーザ端末とサーバとの通信状況に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から制御部によるオート操作に切り替える第1切り替え手段と、前記マルチモードにおけるゲーム操作を、前記マルチモードに参加しているユーザの指示に基づき、前記ユーザによるマニュアル操作から前記制御部によるオート操作に切り替える第2切り替え手段と、前記オート操作を、所定条件を満たした場合にマニュアル操作に切り替える復帰手段と、前記第1切り替え手段による切り替え状況を計測する計測手段と、前記第2切り替え手段による切り替えを、所定の使用条件を満たした場合に禁止する禁止手段と、前記計測手段による計測値が所定値に達した場合、前記ユーザが特定行為を行ったと認定し、当該認定をされた認定回数をユーザ毎に記憶する記憶手段と、前記認定回数が所定の認定条件に達した前記ユーザに対し、前記マルチモードへの参加を制限する参加制限手段と、を備え、前記認定条件は、前記ユーザの前記マルチモードへの参加を制限された参加制限回数に基づいて設定することを特徴とする。
【0072】
(A1)、(A5)~(A7)に記載の発明によれば、認定回数が所定の認定条件に達したユーザに対し、前記マルチモードへの参加を制限するため、マルチモードのゲームに参加するユーザの意図的な通信切断等を抑制することができる。
【0073】
(A2)発明の一様態では、前記制限手段により前記マルチモードへの参加を制限する期間は、参加を制限されたユーザの参加制限回数に基づいて設定されるようにしてもよい。
【0074】
(A2)記載の発明によれば、例えば、参加制限回数が多いほどマルチモードへの参加を制限する期間も長くなることができ、このようにすれば、意図的に通信切断などを行うユーザの、マルチモードにへの参加を防止できる。
【0075】
(A3)発明の一様態では、所定のリセット条件を満たしたときに、認定回数を0にするリセット手段と、所定の減算条件を満たしたときに、前記参加制限回数を減算する減算手段と、を含むようにしてもよい。
【0076】
(A3)記載の発明によれば、認定回数を0にするリセット手段や、参加制限回数を減算する減算手段を含むことで、例えば、認定回数や参加制限回数が加算されたしまったユーザが、対人戦への参加を制限されることを恐れ、ゲーム自体をやらなくなってしまうとことを回避することができる。
【0077】
(A4)発明の一様態では、前記リセット条件は、ユーザが最後に特定行為を行ったと認定された時点から第1期間が経過することとしてもよい。
【0078】
(A4)記載の発明によれば、例えば、悪意等ないユーザが、マルチモードへの参加を制限されてしまうといった不都合を防止することができる。
【0079】
[符号の説明]
1 ゲームシステム
10 サーバ
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 データベース
N ネットワーク
30 ユーザ端末
31 制御部
32 記憶部
33 通信部