(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017378
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】製造支援装置、製造支援方法、及び、製造支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240201BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119971
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天野 舞
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA18
3C100AA38
3C100BB02
3C100BB03
3C100BB04
3C100BB05
3C100BB15
3C100BB39
3C100EE14
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】受注データに対応する商品単体の数量を容易に認識可能とする。
【解決手段】抽出部が、受注した商品に対する、少なくとも出荷日、品目及び受注数を含む複数の受注データから、指定された出荷日及び品目に対応する商品の受注データを抽出する。検出部は、各品目の商品の構成要素が記憶された製造構成パターン展開データから、指定された商品の構成要素の構成要素数を検出する。算出部は、取得された受注データに含まれる受注数に、検出された構成要素数を乗算処理することで、指定された出荷日及び品目に対応する各商品の構成要素の総数である換算受注数を算出する。そして、表示制御部は、算出された換算受注数を表示部に表示する。これにより、受注データに対応する商品単体の数量である換算受注数を表示でき、管理者等に容易に認識させることができる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受注した商品に対する、少なくとも出荷日、品目及び受注数を含む複数の受注データから、指定された出荷日及び品目に対応する商品の受注データを抽出する抽出部と、
各前記品目の商品の構成要素が記憶された製造構成子品目データに基づいて、指定された商品の構成要素の構成要素数を検出する検出部と、
取得された前記受注データに含まれる前記受注数に、検出された前記構成要素数を乗算処理することで、指定された出荷日及び品目に対応する各商品の前記構成要素の総数である換算受注数を算出する算出部と、
算出された前記換算受注数を表示部に表示する表示制御部と、
を有する製造支援装置。
【請求項2】
前記構成要素は、前記品目の商品を構成する子品目の数であり、
前記算出部は、前記品目の商品の受注数に、前記構成要素数である前記子品目の数を乗算処理することで、前記換算受注数である、前記商品の受注数に対応する子品目の総数を算出すること、
を特徴とする請求項1に記載の製造支援装置。
【請求項3】
前記構成要素は、前記品目の商品の製造に用いる材料の重量であり、
前記算出部は、前記品目の商品の受注数に、前記構成要素数である、一つの商品の製造に必要となる前記材料の重量を乗算処理することで、前記換算受注数である、前記受注数の商品の製造に必要となる材料の総重量を算出すること、
を特徴とする請求項1に記載の製造支援装置。
【請求項4】
前記構成要素は、複数の子品目の商品で一つの前記商品となる親品目の商品の数であり、
前記算出部は、前記品目の商品の受注数に、前記構成要素数である前記親品目の数を乗算処理することで、前記換算受注数である、前記商品の受注数に対応する前記親品目の総数を算出すること、
を特徴とする請求項1に記載の製造支援装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記換算受注数の他、各前記商品の前記換算受注数の出荷日別の合計数である日計換算受注数、前記換算受注数に相当する換算出荷数の出荷日別の合計数である日計換算出荷数を算出し、
前記表示制御部は、前記換算受注数と共に、前記日計換算受注数及び前記日計換算出荷数を前記表示部に表示すること、
を特徴とする請求項1から請求項4のうち、いずれか一項に記載の製造支援装置。
【請求項6】
所定期間における担当者毎の売上の目標数量が記憶された記憶部を備え、
前記算出部は、前記売上の目標数量に商品の単価を乗算処理することで目標売上金額を算出し、所定期間における担当者毎の前記換算受注数に相当する換算出荷数の合計数である出荷済数合計を算出し、前記出荷済数合計に商品の単価を乗算処理することで売上済金額を算出し、
前記表示制御部は、所定期間における前記担当者毎の売上目標数、及び、算出された前記目標売上金額、前記出荷済数合計、前記売上済金額を前記表示部に表示すること、
を特徴とする請求項1から請求項4のうち、いずれか一項に記載の製造支援装置。
【請求項7】
前記算出部は、前記目標売上金額に対する前記売上済金額の割合である目標達成率を算出し、
前記表示制御部は、前記目標達成率を前記表示部に表示すること、
を特徴とする請求項6に記載の製造支援装置。
【請求項8】
前記算出部は、記憶部に記憶されている担当者毎の商品の受注済未出荷数に商品の単価を乗算処理することで算出した受注済未売上金額と前記売上済金額とを加算処理した加算金額を算出すると共に、前記目標売上金額に対する前記加算金額の割合である目標達成予定率を算出し、
前記表示制御部は、前記表示部に前記目標達成予定率を表示すること、
を特徴とする請求項7に記載の製造支援装置。
【請求項9】
抽出部が、受注した商品に対する、少なくとも出荷日、品目及び受注数を含む複数の受注データから、指定された出荷日及び品目に対応する商品の受注データを抽出する抽出ステップと、
検出部が、各前記品目の商品の構成要素が記憶された製造構成子品目データに基づいて、指定された商品の構成要素の構成要素数を検出する検出ステップと、
算出部が、取得された前記受注データに含まれる前記受注数に、検出された前記構成要素数を乗算処理することで、指定された出荷日及び品目に対応する各商品の前記構成要素の総数である換算受注数を算出する算出ステップと、
表示制御部が、算出された前記換算受注数を表示部に表示する表示制御ステップと、
を有する製造支援方法。
【請求項10】
コンピュータを、
受注した商品に対する、少なくとも出荷日、品目及び受注数を含む複数の受注データから、指定された出荷日及び品目に対応する商品の受注データを抽出する抽出部と、
各前記品目の商品の構成要素が記憶された製造構成子品目データに基づいて、指定された商品の構成要素の構成要素数を検出する検出部と、
取得された前記受注データに含まれる前記受注数に、検出された前記構成要素数を乗算処理することで、指定された出荷日及び品目に対応する各商品の前記構成要素の総数である換算受注数を算出する算出部と、
算出された前記換算受注数を表示部に表示する表示制御部として機能させること、
を特徴とする製造支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造支援装置、製造支援方法、及び、製造支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、商品の製造を行う場合、需要相当数の製造することが、無駄も生じず、好ましいことである。例えば、特許文献1(特開2022-032437号公報)には、サプライチェーンを構成する各企業が立案すべき需要の計画単位に基づき、各計画単位での需要予測を算出し、各企業が必要十分な需要予測データを採用しうる適切な供給計画を出力可能とした需給計画装置が開示されている。
【0003】
この需給計画装置は、サプライチェーン構造抽出部が、事業主体の異なる拠点間のリードタイムと製品およびその部品の供給パスとを特定し、製品構成抽出部が、製品の部品構成を抽出する。需要予測算出部は、拠点のサプライチェーン構造内の位置と、供給パスと、部品構成の少なくともいずれかまたはこれらの組み合わせを用いて、需要予測の計画単位を算出すると、計画単位ごとに需要予測を算出する。そして、供給計画抽出部は、リードタイムと計画単位に応じて、需要予測から拠点ごとに供給計画を抽出し、供給計画通信部が、供給計画を拠点または事業主体に伝送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、商品の一例として菓子の最中を例にとると、複数の最中が箱詰めされた商品を製造する場合でも、まず、単体の最中が製造される。そして、最中の将来的な製造計画を立てる場合、単体の最中の製造数で製造計画が立てられる。
【0006】
しかし、得意先からの受注は、最中単体の個数で受注する場合、及び、箱詰めされた商品の個数で受注する場合の両方がある。このため、受注データに基づいて、最中単体の製造数を認識することは困難となり、製造計画等に支障を来す問題があった。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、受注データに対応する商品単体の数量を容易に認識可能とした製造支援装置、製造支援方法、及び、製造支援プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る製造支援装置は、受注した商品に対する、少なくとも出荷日、品目及び受注数を含む複数の受注データから、指定された出荷日及び品目に対応する商品の受注データを抽出する抽出部と、各品目の商品の構成要素が記憶された製造構成子品目データに基づいて、指定された商品の構成要素の構成要素数を検出する検出部と、取得された受注データに含まれる受注数に、検出された構成要素数を乗算処理することで、指定された出荷日及び品目に対応する各商品の構成要素の総数である換算受注数を算出する算出部と、算出された換算受注数を表示部に表示する表示制御部と、を有する。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る製造支援方法は、抽出部が、受注した商品に対する、少なくとも出荷日、品目及び受注数を含む複数の受注データから、指定された出荷日及び品目に対応する商品の受注データを抽出する抽出ステップと、検出部が、各品目の商品の構成要素が記憶された製造構成子品目データに基づいて、指定された商品の構成要素の構成要素数を検出する検出ステップと、算出部が、取得された受注データに含まれる受注数に、検出された構成要素数を乗算処理することで、指定された出荷日及び品目に対応する各商品の構成要素の総数である換算受注数を算出する算出ステップと、表示制御部が、算出された換算受注数を表示部に表示する表示制御ステップと、を有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る製造支援プログラムは、コンピュータを、受注した商品に対する、少なくとも出荷日、品目及び受注数を含む複数の受注データから、指定された出荷日及び品目に対応する商品の受注データを抽出する抽出部と、各品目の商品の構成要素が記憶された製造構成子品目データに基づいて、指定された商品の構成要素の構成要素数を検出する検出部と、取得された受注データに含まれる受注数に、検出された構成要素数を乗算処理することで、指定された出荷日及び品目に対応する各商品の構成要素の総数である換算受注数を算出する算出部と、算出された換算受注数を表示部に表示する表示制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、受注データに対応する商品単体の数量を容易に認識可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施の形態の製造支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、製造構成親品目マスタの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、製造構成子品目マスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態の製造支援装置における受注から製造及び出荷までの各処理の流れを示す模式図である。
【
図5】
図5は、実施の形態の製造支援装置における受注から製造及び出荷までの各処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態の製造支援装置における伝票別受注集計数照会処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、伝票別受注集計数照会画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、製造構成パターン展開データの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、製造構成パターン展開データの展開レベルの具体例を説明するための図である。
【
図11】
図11は、実施の形態の製造支援装置における、伝票別受注集計数照会処理で算出した換算受注数に基づく担当者毎の目標達成率等の算出動作の流れを示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、担当者別品目別目標データの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、伝票別受注集計データの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、営業担当者別売上目標管理データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した実施の形態となる製造支援装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、このような実施の形態に本発明が限定されるものではない。
【0014】
(ハードウェア構成)
図1は、実施の形態の製造支援装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この
図1に示す製造支援装置1は、商品の一例である最中の製造支援を行う製造支援装置となっており、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。
【0015】
通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網に接続される。
【0016】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、製造支援動作を可能とする製造支援プログラムが記憶されている他、それぞれ記憶領域である製造構成親品目マスタ11、製造構成子品目マスタ12、及び、担当者別品目別目標マスタ13が設けられている。
【0017】
また、記憶部2には、後述する製造構成パターン展開データ、受注データ、製造指示データ、製造実績データ、出荷データ、伝票別受注集計数照会データ、伝票別受注集計データ、及び、営業担当者別売上目標管理データが記憶されている。
【0018】
図2は、製造構成親品目マスタ11の一例を示す図である。この
図2に示すように、製造構成親品目マスタ11には、商品としての完成品となる親品目の親品目コード、製造構成パターンコード、及び、改定日の各種情報が記憶されている。この
図2の例は、「S001:あずき最中4個入り」、「S002:最中詰め合わせ」、「S101:あずき最中」の親品目コードが記憶された例である。
【0019】
「S001:あずき最中4個入り」は、単体のあずき最中を4個、箱詰めにして形成される一つの商品である。「S002:最中詰め合わせ」は、単体の2個のあずき最中と、単体の2個の抹茶最中を箱詰めにして形成される一つの商品である。「S101:あずき最中」は、あずき最中が単体として商取引されることを示している。
【0020】
図3は、製造構成子品目マスタ12の一例を示す図である。製造構成子品目マスタ12には、一つの商品を構成する構成要素(子品目)を示す製造構成子品目データが記憶されている。すなわち、製造構成子品目マスタ12には、親品目コード、製造構成パターンコード、改定日、構成番号、子品目コード、構成単位分子、構成単位分母の各種情報を含む製造構成子品目データが記憶されている。
【0021】
親品目コードは、上述の「S001:あずき最中4個入り」及び「S002:最中詰め合わせ」等の、商取引される完成品の品目コードである。子品目コードは、親品目を構成する構成要素(子品目)のコードであり、構成単位分子は、子品目の個数、構成単位分母は、その子品目で形成される親品目の個数を示している。構成番号は、子品目毎に付された番号である。製造構成パターンコードは、完成品に対して付されるコードである。
【0022】
具体的に説明すると、
図3に示す製造構成子品目マスタ12の第1行目~第3行目の情報は、「S001:あずき最中4個入り」の親品目に対応する情報である。この場合、同じ「S001:あずき最中4個入り」の親品目であるため、第1行目~第3行目の製造構成パターンコードは、それぞれ例えば「10」が付される。例えば、あずき最中を製造するレシピ等に応じて、この製造構成パターンコードを変更することで、同じ親品目でもレシピが異なる親品目を、それぞれ区分けして登録することができる。
【0023】
また、「S001:あずき最中4個入り」の親品目の商品は、「S101:あずき最中(単体)」を4個、「S102:箱(小)」を1個、及び、「S103:のし紙」を1枚で構成される。このため、これら子品目に対しては、「10」、「20」及び「30」の構成番号がそれぞれ付され、構成単位分子は「4個」、「1個」及び「1枚」とされる。また、これらの子品目で一つの親品目が形成されるため、第1行目~第3行目の構成単位分母は、それぞれ「1個」となる。
【0024】
同様に、
図3に示す製造構成子品目マスタ12の第4行目~第7行目の情報は、「S002:最中詰め合わせ」の親品目に対応する情報である。この場合、同じ「S002:最中詰め合わせ」の親品目であるため、第4行目~第7行目の製造構成パターンコードは、それぞれ例えば「10」が付される。
【0025】
また、「S002:最中詰め合わせ」の親品目の商品は、「S101:あずき最中(単体)」を2個、「S201:抹茶最中(単体)」を2個、「S102:箱(小)」を1個、及び、「S103:のし紙」を1枚で構成される。このため、これら子品目に対しては、「10」、「20」「30」及び「40」の構成番号がそれぞれ付され、構成単位分子は「2個」、「2個」、「1個」及び「1枚」とされる。また、これらの子品目で一つの親品目が形成されるため、第4行目~第7行目の構成単位分母は、それぞれ「1個」となる。
【0026】
図3に示す製造構成子品目マスタ12の第8行目~第10行目の情報は、「S101:あずき最中(単体)」の親品目に対応する情報である。この場合、同じ「S101:あずき最中(単体)」の親品目であるため、第8行目~第10行目の製造構成パターンコードは、それぞれ例えば「10」が付される。
【0027】
また、「S101:あずき最中(単体)」の親品目の商品は、「S301:こしあん」を30g、「S302:もち米」を20g、及び、「S303:砂糖」を50gで生成される。このため、これら子品目に対しては、「10」、「20」及び「30」の構成番号がそれぞれ付され、構成単位分子は「30g」、「20g」及び「50g」とされる。また、これらの子品目で一つの親品目が形成されるため、第8行目~第10行目の構成単位分母は、それぞれ「1個」となる。
【0028】
図3に示す製造構成子品目マスタ12の第11行目~第14行目の情報は、「S102:抹茶最中(単体)」の親品目に対応する情報である。この場合、同じ「S102:抹茶最中(単体)」の親品目であるため、第11行目~第14行目の製造構成パターンコードは、それぞれ例えば「10」が付される。
【0029】
また、「S102:抹茶最中(単体)」の親品目の商品は、「S301:こしあん」を30g、「S302:もち米」を20g、「S303:砂糖」を50g、及び、「S304:抹茶パウダ」を3gで生成される。このため、これら子品目に対しては、「10」、「20」、「30」及び「40」の構成番号がそれぞれ付され、構成単位分子は「30g」、「20g」、「50g」及び「3g」とされる。また、これらの子品目で一つの親品目が形成されるため、第11行目~第14行目の構成単位分母は、それぞれ「1個」となる。
【0030】
このように、製造構成子品目マスタ12には、製造構成子品目データとして、親品目を構成する子品目(親品目を分解(展開)した子品目:最中単体、箱、のし紙及び最中の材料)がそれぞれ関連付けされて記憶されている。
【0031】
(製造支援装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている製造支援プログラムを実行することで、
図1に示すように、抽出部21、検出部22、算出部23、表示制御部24、データ生成部25、及び、記憶制御部26として機能する。
【0032】
抽出部21は、受注した商品に対する、少なくとも出荷日、品目及び受注数を含む複数の受注データから、指定された出荷日及び品目に対応する商品の受注データを抽出する。検出部22は、親品目となる商品を構成する構成要素(子品目)が記憶された製造構成子品目データから、指定された商品の構成要素の構成要素数を検出する。
【0033】
算出部23は、取得された受注データに含まれる受注数に、検出された構成要素数を乗算処理することで、指定された出荷日及び品目に対応する各商品の構成要素の総数である換算受注数を算出する。表示制御部24は、算出された換算受注数を、表示部の一例である出力装置7を介して表示する。
【0034】
また、算出部23は、換算受注数の他、各商品の換算受注数の出荷日別の合計数である日計換算受注数、換算受注数に相当する換算出荷数の出荷日別の合計数である日計換算出荷数を算出する。表示制御部24は、換算受注数と共に、日計換算受注数及び日計換算出荷数を、出力装置7を介して表示する。
【0035】
また、記憶部2の担当者別品目別目標マスタ13には、所定期間における担当者毎の売上の目標数量を示す担当者別品目別目標データが記憶されている。算出部23は、売上の目標数量に商品の単価を乗算処理することで目標売上金額を算出する。また、算出部23は、所定期間における担当者毎の換算受注数に相当する換算出荷数の合計数である出荷済数合計を算出する。さらに、算出部23は、出荷済数合計に商品の単価を乗算処理することで売上済金額を算出する。表示制御部24は、所定期間における担当者毎の売上目標数、及び、算出された目標売上金額、出荷済数合計、売上済金額を、出力装置7を介して表示する。
【0036】
また、算出部23は、目標売上金額に対する売上済金額の割合である目標達成率を算出し、表示制御部24は、算出された目標達成率を、出力装置7を介して表示する。
【0037】
また、算出部23は、例えば上述の担当者別品目別目標データに含まれて記憶されている、担当者毎の商品の受注済未出荷数に商品の単価を乗算処理することで算出した受注済未売上金額と売上済金額とを加算処理した加算金額を算出すると共に、目標売上金額に対する加算金額の割合である目標達成予定率を算出する。表示制御部24は、算出された目標達成予定率を、出力装置7を介して表示する。
【0038】
(商品の受注から製造及び出荷までの各処理の流れ)
次に、
図4に、実施の形態の製造支援装置1における受注から製造及び出荷までの各処理の流れを示す模式図を示す。また、
図5に、実施の形態の製造支援装置1における受注から製造及び出荷までの各処理のフローチャートを示す。この
図4及び
図5において、まず、ステップS1では、業務オペレータが、得意先から受注した商品の受注データの入力処理を行う(受注入力処理)。データ生成部25は、業務オペレータの入力に基づいて
図6に例示する受注データを生成する。記憶制御部26は、生成された受注データを記憶部2に記憶する。
【0039】
図6に、入力された受注データの一例を示す。この
図6に示すように、受注データとしては、受注日、出荷日、納品日、得意先コード、納入先コード、商品コード、受注数及び単価が入力される。受注番号は、制御部3が自動採番して各レコード(明細)に付加する。
【0040】
この
図6の例は、2021年5月20日に、「TOK01:A百貨店」の「NOU01:A百貨店本店」から「S001:あずき最中4個入り」の商品を「10個」受注した例である。また、この
図6の例は、2021年5月20日に、「TOK01:A百貨店」の「NOU02:A百貨店名古屋駅店」から「S001:あずき最中4個入り」の商品を「20個」受注した例である。また、この
図6の例は、2021年5月20日に、「TOK02:B百貨店」の「NOU03:B百貨店新宿店」から「S002:最中詰め合わせ」の商品を「15個」受注した例である。さらに
図6の例は、2021年5月20日に、「TOK02:B百貨店」の「NOU04:B百貨店新宿店」から「S002:最中詰め合わせ」の商品を「15個」受注した例である。
【0041】
このように受注データの入力を行うことで、受注した商品の履歴が、時系列に沿って蓄積されることとなる(受注データの蓄積)。
【0042】
次に、ステップS2では、後に詳述する伝票別受注集計数照会処理が行われる。すなわち、ステップS2では、検出部22が製造構成子品目マスタ12を参照することで、親品目となる商品を構成する子品目を検出する。算出部23は、受注データに含まれる親品目の受注数に、製造構成子品目マスタ12から検出された子品目数を乗算処理することで、指定された出荷日及び親品目に対応する子品目の総数である換算受注数を算出する。表示制御部24は、算出された換算受注数を、出力装置7を介して表示する。
【0043】
これにより、業務オペレータは、受注された親品目の受注数に対応する子品目の総数である換算受注数を認識できる。換言すれば、受注された親品目の製造に必要な子品目の総数を認識でき、この認識結果に基づいて商品の製造計画を立てることができる。
【0044】
次に、ステップS3では、業務オペレータが、換算受注数等から立案した製造計画に基づいて、商品の製造指示入力を行う(製図指示入力処理)。データ生成部25は、業務オペレータの入力に基づいて、商品の製造を指示する製造指示データを生成する。記憶制御部26は、生成された製造指示データを記憶部2に記憶する。この製造指示データは、商品の製造部門の端末装置に送信される。これにより、製造部門において、製造指示データで示される品種及び個数の商品が製造される。
【0045】
次に、ステップS4では、業務オペレータが、製造された商品の製造実績の入力を行う(製造実績入力処理)。データ生成部25は、業務オペレータの入力に基づいて、製造された商品の製造数及び製造日時等を示す製造実績データを生成する。記憶制御部26は、生成された製造実績データを記憶部2に記憶する。
【0046】
次に、製造部門で製造された商品は、得意先宛てに出荷される。ステップS5では、業務オペレータが、出荷された商品の商品コード、商品名、出荷日、出荷数等の入力を行う(出荷入力処理)。データ生成部25は、業務オペレータの入力に基づいて、出荷された商品の出荷数及び出荷日等を示す出荷データを生成する。記憶制御部26は、生成された出荷データを記憶部2に記憶する。
【0047】
(伝票別受注集計数照会処理の詳細)
次に、ステップS2の伝票別受注集計数照会処理の詳細な動作の流れを
図7のフローチャートに示す。製造支援装置1の制御部3は、記憶部2に記憶されている製造支援プログラムに基づいて、
図7のフローチャートのステップS11から順に処理を実行する。
【0048】
すなわち、上述のように受注データが記憶部2に蓄積されると、例えば1年前の同時期の受注データを参照することで、1年前の同時期の出荷数等を認識でき、将来的な製造計画に役立てることができる。このような場合、業務オペレータは、入力装置6を介して、伝票別受注集計数照会画面の表示指示操作を行う。表示制御部24は、この表示指示操作が行われると、
図8に例示する伝票別受注集計数照会画面を、出力装置7を介して表示する。
【0049】
この
図8に示すように、表示制御部24は、伝票別受注集計数照会画面に、当日の日付(基準日)の表示欄、出荷数等を参照する過去の出荷日の入力欄、換算品目の品目コードの入力欄を表示する。この
図8の例は、基準日として、この例の当日である2022年5月1日が表示制御部24により自動入力されて表示された例である。また、業務オペレータは、この伝票別受注集計数照会画面に対して、参照する過去の出荷日を入力する。この
図8の例は、2021年5月21日~2021年5月22日の期間が、参照する過去の出荷日として入力された例である。
【0050】
また、「換算品目」は、業務オペレータが指定した出荷日の受注数の商品の製造に必要となる子品目(材料を含む)の必要数の確認を行う品目である。この「換算品目」としては、
図3を用いて説明した親品目の親品目コード又は子品目コードの入力が可能となっている。親品目コードとしては、例えば「S001:あずき最中4個入り」、「S002:最中詰め合わせ」、「S101:あずき最中(単品)」又は「S102:抹茶最中(単品)」等が入力可能となっている。子品目コードとしては、例えば「S101:あずき最中(単品)」、「S102:箱(小)」、「S103:のし紙」、「S201:抹茶最中(単品)」、「S301:こしあん」、「S301:もち米」、「S303:砂糖」、又は、「S304:抹茶パウダ」等が入力可能となっている。
【0051】
すなわち、業務オペレータは、「換算品目」を指定することで、あずき最中(単品)で一つの商品となるセット商品の受注数に対するあずき最中(単品)の総数の確認、あずき最中(単品)の受注数の総数の確認、又は、受注数のあずき最中(単品)の製造に必要な材料のグラム数の確認を選択的に行うことができる。
【0052】
図8の例は、換算品目として、「S101:あずき最中(単品)」が指定された例である。この場合、検出部22は、「S101」の子品目コードに基づいて、
図3に示す製造構成子品目マスタ12を参照し、「あずき最中(単品)」の子品目名を検出する。表示制御部24は、検出された子品目名である「あずき最中」の子品目名を、「S101」の子品目コードに隣接させて表示する。
【0053】
次に、ステップS12では、データ生成部25が、
図3に示した製造構成子品目マスタ12を参照し、
図9に例示するような、親品目コード、子品目コード、展開レベル、構成分子及び構成分母を含む清掃構成パターン展開データを生成する。このうち、「展開レベル」は、
図10に例示するように、レベル0~レベル2に分かれている。「レベル0(最終製品」は、例えば4個のあずき最中(単品)が箱付けされた商品のような最終製品のレベルを示している。「レベル1」は、単品のあずき最中、単品の抹茶最中、箱、のし紙等の最終製品の構成要素のレベルを示している。「レベル2」は、あずき最中又は抹茶最中の材料となる、こしあん、もち米、砂糖、抹茶パウダ等のレベルを示している。
【0054】
次に、ステップS13では、抽出部21が、指定された出荷日に対応する明細を、
図6に示した受注データから抽出する。ステップS14では、検出部22が、抽出された受注データのうち、受注データの明細の品目コードが製造構成パターン展開データの親品目コードに存在し、かつ、入力された換算品目コードが製造構成パターン展開データの子品目コードに存在する受注データの明細を検出する。
【0055】
換言すると、検出部22は、受注データの明細の品目コードが製造構成パターン展開データの親品目コードに存在し、かつ、入力された換算品目コードが製造構成パターン展開データの子品目コードに存在する受注データの明細を検出する。これにより、
図6に例示するように、出荷日が2021年5月21日及び2021年5月22日で、受注番号が「JUC001~JUC003」の受注データの明細、及び、受注番号が「JUC004」の受注データの明細がそれぞれ検出される。
【0056】
データ生成部25は、検出された受注データの明細に基づいて、
図8に示すように出荷日、得意先コード、得意先名、納入先コード、納入先名、受注番号、品目コード、品目名及び受注数を含む伝票別受注集計数照会データを生成する。表示制御部24は、生成された伝票別受注集計数照会データを、伝票別受注集計数照会画面に一覧表示する。
【0057】
次に、ステップS15において、算出部23が、指定された換算品目(バラ数、原材料、製品)に対応する換算受注数等を、製造構成パターン展開データに基づいて算出する。具体的には、算出部23は、「受注数×換算品目の構成分子」の演算を行うことで、換算受注数を算出する。換算受注数は、受注商品に対する換算品目の必要数である。
【0058】
例えば、換算品目が「S101:あずき最中(受注番号:JUC001)」の場合、算出部23は、下記の演算を行い、「S101:あずき最中(単品)」の換算受注数を算出する。
【0059】
「S001:あずき最中4個入り」の受注数である10個×「S101:あずき最中(単品)」の構成分子である4個=40個(
図9「A」参照)。
【0060】
また、例えば換算品目が「S301:こしあん(受注番号:JUC001」の場合、算出部23は、下記の演算を行い、「S301:こしあん」の換算受注数(グラム数)を算出する。
【0061】
「S001:あずき最中4個入り」の受注数である10個×「S301:こしあん」の構成分子120g=1200g(
図9「C」参照)。
【0062】
なお、この場合の120gの「こしあん」は、4つの単品のあずき最中の製造に必要となるグラム数である(一つのあずき最中(単品)の製造に30gのこしあんが必要)。
【0063】
また、例えば換算品目が「S001:あずき最中4個入り(受注番号:JUC001)」の場合、算出部23は、下記の演算を行い、「S001:あずき最中4個入り」の換算受注数を算出する。
【0064】
「S001:あずき最中4個入り」の受注数である10個×「S001:あずき最中4個入り」の構成分子1個=10個(
図9「B」参照)。
【0065】
表示制御部24は、このように算出された換算受注数を、
図8に示すように伝票別受注集計数照会データに含めて表示する(ステップS15)。業務オペレータは、この換算受注数により、受注形態が「あずき最中4個入り」等のセットの品目で受注した場合、及び、「あずき最中(単品)」等の単品の品目で受注した場合の、いずれの場合でも、指定した過去の出荷日に出荷された商品の単品の出荷数を容易に認識することができる。また、換算品目で材料の子品目コードを指定した場合には、指定した過去の出荷日に出荷された商品の製造に使用された材料の総グラム数を容易に認識できる。
【0066】
また、算出部23は、出荷日別の換算受注数の合計である日計換算受注数を算出する。
図8の例の場合、2021年5月21日の受注換算数は、40個、80個、30個である。このため、算出部23は、40個+80個+30個の演算を行うことで算出した150個を、2021年5月21日の日計換算受注数として算出する。表示制御部24は、
図8に示すように、この150個の日計換算受注数を、2021年5月21日の日計換算受注数として伝票別受注集計数照会データに含めて表示する。同様に、2021年5月22日の受注換算数は30個である。このため、算出部23は、この30個を、2021年5月22日の日計換算受注数として算出する。表示制御部24は、
図8に示すように、この30個の日計換算受注数を、2021年5月22日の日計換算受注数として伝票別受注集計数照会データに含めて表示する。
【0067】
また、表示制御部24は、
図8に示すように、実際に注文を受けた商品の出荷済数量である出荷数を表示すると共に、出荷商品の換算品目の出荷数であり、上述の換算受注数に相当する換算出荷数を伝票別受注集計数照会データに含めて表示する。
【0068】
また、算出部23は、出荷日別の換算出荷数の合計である日計換算出荷数を算出する。
図8の例の場合、2021年5月21日の換算出荷数は、40個、80個、30個である。このため、算出部23は、40個+80個+30個の演算を行うことで算出した150個を、2021年5月21日の日計換算出荷数として算出する。表示制御部24は、
図8に示すように、この150個の日計換算出荷数を、2021年5月21日の日計換算出荷数として伝票別受注集計数照会データに含めて表示する。同様に、2021年5月22日の換算出荷数は30個である。このため、算出部23は、この30個を、2021年5月22日の日計換算出荷数として算出する。表示制御部24は、
図8に示すように、この30個の日計換算出荷数を、2021年5月22日の日計換算出荷数として伝票別受注集計数照会データに含めて表示する。
【0069】
このように換算受注数と共に、日系換算受注数、出荷数、換算出荷数、及び、日計換算出荷数を表示することで、商品の将来的な製造計画を立てやすくすることができる。
【0070】
(担当者毎の目標達成率の表示動作)
次に、上述の換算受注数等に基づいて、担当者毎の目標達成率等を表示することができる。
図11は、担当者毎の目標達成率等の表示動作の流れを示すフローチャートである。業務オペレータは、入力装置6を介して、担当者毎の目標達成率等の表示を指定操作する。この指定操作が行われると、制御部3は、記憶部2に記憶されている製造支援プログラムに基づいて、
図11のフローチャートの処理をスタートさせ、ステップS21から順に各処理を実行する。
【0071】
まず、ステップS21では、抽出部21が、
図6に示す受注データ、
図8に示す伝票別受注集計数照会データ、及び、
図1に示す担当者別品目別目標マスタ13に記憶されている担当者別品目別目標データを、担当者毎に抽出する。
【0072】
図12は、担当者別品目別目標マスタ13に記憶されている担当者別品目別目標データの一例を示す図である。この
図12に示すように、担当者別品目別目標データは、各担当者の担当者コード、担当者名に対して、売り上げた商品の会計年月、売り上げた商品の品目コード及び品目名、売上目標とされた目標数量、目標数量に相当する目標売上金額、受注済であるが未出荷となっている商品の数量を示す受注済未出荷数、受注済未出荷となっている商品の売上予定日である最終売上予定日等が関連付けされて構成されている。
【0073】
ステップS22では、データ生成部25が、担当者毎に抽出された受注データ、伝票別受注集計数照会データ、及び、担当者別品目別目標データに基づいて、
図13に示す伝票別受注集計データを生成する。この伝票別受注集計データは、制御部3により受注番号、受注日、出荷日、納品日、得意先、納入先、担当者、品目、受注数、換算受注数、日計換算受注数、出荷数、換算出荷数、日計換算出荷数、及び、受注済未出荷数を含んで構成される。
【0074】
ステップS23では、算出部23が、生成された伝票別受注集計データに基づいて、担当者毎に目標達成率等を算出する。具体的には、算出部23は、担当者別品目別目標データに含まれる売上の目標数量に(
図12参照)、受注データに含まれる商品の単価(
図6参照)を乗算処理することで、目標売上金額を算出する。
【0075】
また、算出部23は、例えば月間、四半期、上半期、下半期等の所定期間における担当者毎の換算受注数を合計することで、担当者毎の換算受注数に相当する換算出荷数の合計数である出荷済数合計を算出する。
【0076】
また、算出部23は、上述の担当者毎の出荷済数合計に商品の単価を乗算処理することで売上済金額を算出する。
【0077】
また、算出部23は、担当者毎の目標売上金額に対する売上済金額の割合である目標達成率を算出する。
【0078】
また、算出部23は、担当者毎の商品の受注済未出荷数(
図12及び
図13参照)に、商品の単価を乗算処理することで受注済未売上金額を算出する。そして、算出部23は、担当者毎に、算出した受注済未売上金額と上述の売上済金額とを加算処理した加算金額を算出すると共に、目標売上金額に対する加算金額の割合である目標達成予定率を算出する。
【0079】
データ生成部25は、
図14に示すように、目標達成率等の算出結果を反映した営業担当者別売上目標管理データを生成する。記憶制御部26は、生成された営業担当者別売上目標管理データを記憶部2に記憶し、表示制御部24は、生成された営業担当者別売上目標管理データを、出力装置7を介して表示する。
【0080】
図14の例は、担当者コードが「TAN001」の担当者の場合、6月の月間における「S101:あずき最中」の売上の目標数量は「5000個」であり、売上目標金額は「5000個×200円=100万円」であることを示している。このような目標に対して、出荷済合計数は「4200個」であり、売上済金額は「84万円」であった。このため、目標達成率は「84%」であることが、
図14では示されている。
【0081】
また、
図14の例は、担当者コードが「TAN001」の担当者の場合、受注しているが未出荷のため、売上となっていない商品の商品数である受注済未売上額が「18万円」であり、この受注済未売上額は、最終売上予定日となる2022年6月24日に、実際の売上となる予定であることを示している。このため、「18万円」の受注済未売上額が、「84万円」の売上済金額に加算されれば、売上済金額は「84万円+18万円=102万円」となり、目標達成率を上回ることが予想される。
図14に示す「102%」の目標達成予定率は、「18万円」の受注済未売上額が、実際の売上済金額となった際に達成されることが予想される目標達成率を示している。
【0082】
実施の形態の業務支援装置1は、このように、担当者毎の売上目標に対する売上結果を表示できる。このため、担当者は、自己の成績を認識したうえで業務に反映させることができる。また、管理者は、各担当者の仕事の結果を正確に評価することができる。
【0083】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の製造支援装置1は、得意先から単品(バラ)又は箱詰めされたセット品等の様々な形態の品目で受注を行う場合でも、受注した品目に関連する商品の単品の数量を計算して確認することができる。このため、単品(バラ)単位及びケース単位で製造計画を行う場合でも、受注データに基づいて実際の出荷予定数を各単位で正確に予測でき、正確な製造計画を立てることができる。
【0084】
また、各担当者の単品毎の売上目標数及び最終売上予定日等を担当者別品目別目標マスタ13に保持しているため、目標達成率及び目標達成予定日を担当者毎に認識できる。このため、担当者は、出荷実績又は売上実績等に基づいて自身の目標達成率等を把握することができる。また、管理者は、各担当者の仕事の結果を正確に評価することができる。
【0085】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0086】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0087】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0088】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0089】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0090】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0091】
また、製造支援装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0092】
例えば、製造支援装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて製造支援装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0093】
また、この製造支援装置1の製造支援プログラムは、製造支援装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0094】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための製造支援プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0095】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した製造支援装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0096】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0097】
また、製造支援装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0098】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、例えば食品製造業等の商品の製造業等に適用して好適である。
【符号の説明】
【0100】
1 製造支援装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 製造構成親品目マスタ
12 製造構成子品目マスタ
13 担当者別品目別目標マスタ
21 抽出部
22 検出部
23 算出部
24 表示制御部
25 データ生成部
26 記憶制御部