(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173783
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】避難者情報管理補助ソフトウェア及び避難者情報管理補助システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024086842
(22)【出願日】2024-05-29
(31)【優先権主張番号】P 2023090201
(32)【優先日】2023-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2024028493
(32)【優先日】2024-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】506373457
【氏名又は名称】高木建設建材株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】523205441
【氏名又は名称】高木 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】高木 慎
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC35
(57)【要約】 (修正有)
【課題】災害発生時に、避難所において避難者の情報を漏れなく効率よく収集し、迅速な避難所運営、避難所生活におけるトラブルを低減する避難者情報管理補助ソフトウェア及び避難者情報管理補助システムを提供する。
【解決手段】管理補助ソフトウェアAは、情報入力手段20、情報記録手段21、情報生成手段22、情報処理手段23及び情報記録部4を有し、情報記録部4には、スマートフォン端末50の所有者であるユーザのユーザ個別基本情報、家族個別基本情報、ユーザ体調情報及び同時避難家族体調情報が含まれている。また、情報生成手段22は、ユーザと同時避難家族の個人情報及び避難時の体調等の情報を、ひとまとめにした避難所共有用個別情報を生成する。避難所共有用個別情報は、QRコード(登録商標)として生成され、避難所に設置された避難所端末51で読み取られるものとなっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
避難者情報の集約と管理を補助するための避難者情報管理補助ソフトウェアであって、
情報処理機器を、
情報を入力又は選択するための処理を実行する情報入力手段と、
第1のユーザにおける、氏名を含む前記第1のユーザの個人情報を含む第1のユーザ個別基本情報と、災害時に前記第1のユーザと一緒に避難所に避難する可能性がある同第1のユーザと関係のある人員である関連メンバーにおける、氏名を含む関連メンバーの個人情報を含む関連メンバー個別基本情報を記録する情報記録手段と、
前記第1のユーザが避難所に避難する際に、前記情報記録手段に記録された前記関連メンバー個別基本情報の中から、同第1のユーザと一緒に避難する関連メンバーである同時避難関連メンバーの氏名を選択することにより、前記第1のユーザ個別基本情報と、前記同時避難関連メンバーの前記関連メンバー個別基本情報をまとめた情報であり、避難所の管理に利用する情報である避難所共有用情報を生成する情報生成手段と、
を含む手段として機能させるための避難者情報管理補助ソフトウェア。
【請求項2】
前記情報入力手段は、
前記第1のユーザが避難所に避難する際に、前記第1のユーザの避難時の体調に関する情報である第1のユーザ体調情報及び前記同時避難関連メンバーの避難時の体調に関する情報である同時避難関連メンバー体調情報を入力可能に構成され、
前記情報生成手段は、前記第1のユーザ体調情報及び前記同時避難関連メンバー体調情報を含めて前記避難所共有用情報を生成する
請求項1に記載の避難者情報管理補助ソフトウェア。
【請求項3】
前記第1のユーザ個別基本情報及び前記関連メンバー個別基本情報は、少なくとも氏名、生年月日、国籍、血液型、忌避、アレルギー、持病、障害の有無、妊娠の有無の情報を含む
請求項1または請求項2に記載の避難者情報管理補助ソフトウェア。
【請求項4】
前記第1のユーザ体調情報及び前記同時避難関連メンバー体調情報は、少なくとも避難時の体調、負傷の有無、前記第1のユーザ個別基本情報及び前記同時避難関連メンバーの前記関連メンバー個別基本情報として記録された、持病及び妊娠の有無の内容情報からの変更の有無の情報を含む
請求項3に記載の避難者情報管理補助ソフトウェア。
【請求項5】
情報処理機器を、
前記第1のユーザが避難所に避難する際に、同第1のユーザと一緒に避難する避難者である第2のユーザにおける、氏名を含む前記第2のユーザの個人情報を含む第2のユーザ個別基本情報を、前記第2のユーザの携帯端末から受信する情報受信手段
を含む手段として機能させ、
前記情報入力手段は、
前記第1のユーザが避難所に避難する際に、前記第2のユーザの避難時の体調に関する情報である第2のユーザ体調情報を入力可能に構成され、
前記情報生成手段は、前記第2のユーザ個別基本情報及び前記第2のユーザ体調情報を含めて前記避難所共有用情報を生成する
請求項2に記載の避難者情報管理補助ソフトウェア。
【請求項6】
前記第2のユーザ個別基本情報は、少なくとも氏名、生年月日、国籍、血液型、忌避、アレルギー、持病、障害の有無、妊娠の有無の情報を含み、
前記第2のユーザ体調情報は、少なくとも避難時の体調、負傷の有無、前記第2のユーザ個別基本情報として記録された、持病及び妊娠の有無の内容情報からの変更の有無の情報を含む
請求項5に記載の避難者情報管理補助ソフトウェア。
【請求項7】
前記避難所共有用情報は、QRコードまたは短距離無線通信用情報として生成される
請求項1または請求項2に記載の避難者情報管理補助ソフトウェア。
【請求項8】
情報処理機器を、
QRコードまたは短距離無線通信用情報を読み取り可能な情報読取手段
を含む手段として機能させ、
前記情報読取手段は、前記第1のユーザと一緒に避難する同時避難者が有する、氏名を含む前記同時避難者の個人情報を含む同時避難者個別基本情報が反映された同時避難者QRコードまたは同時避難者短距離無線通信用情報を読み取り可能であり、
前記情報生成手段は、前記情報読取手段が読み取った前記同時避難者個別基本情報を含めて前記避難所共有用情報を生成する
請求項1に記載の避難者情報管理補助ソフトウェア。
【請求項9】
情報処理機器を、
QRコードまたは短距離無線通信用情報を読み取り可能な情報読取手段
を含む手段として機能させ、
前記情報読取手段は、避難所の名称または登録名に関する情報、避難所ごとに割り当てられた管理番号の情報、避難所の種類を示す区分情報及び避難所の住所の情報を含む避難所個別情報が反映された避難所QRコードまたは避難所短距離無線通信用情報を読み取り可能であり、
前記情報生成手段は、前記情報読取手段が読み取った前記避難所個別情報を含めて前記避難所共有用情報を生成する
請求項1に記載の避難者情報管理補助ソフトウェア。
【請求項10】
前記情報生成手段は、前記情報読取手段が前記避難所QRコードまたは前記避難所短距離無線通信用情報を読み取った日時の情報を含めて前記避難所共有用情報を生成する
請求項9に記載の避難者情報管理補助ソフトウェア。
【請求項11】
避難所に設けられると共に、避難所の名称または登録名に関する情報、避難所ごとに割り当てられた管理番号の情報、避難所の種類を示す区分情報及び避難所の住所の情報を含む避難所個別情報が反映された避難所QRコードまたは避難所短距離無線通信用情報から構成された避難所個別情報表示手段を備え、
情報処理機器を、
QRコードまたは短距離無線通信用情報を読み取り可能な情報読取手段
を含む手段として機能させ、
前記情報読取手段は、前記避難所個別情報表示手段の前記避難所QRコードまたは前記避難所短距離無線通信用情報を読み取り可能であり、
前記情報生成手段は、前記情報読取手段が読み取った前記避難所個別情報を含めて前記避難所共有用情報を生成する
請求項1に記載の避難者情報管理補助ソフトウェア。
【請求項12】
前記関連メンバーは、前記第1のユーザの家族である
請求項1または請求項2に記載の避難者情報管理補助ソフトウェア。
【請求項13】
前記第1のユーザは、旅行のツアーガイドであり、かつ、前記関連メンバーは、旅行のツアー参加者である、
または
前記第1のユーザは、旅行者であり、かつ、前記関連メンバーは、前記旅行者と一緒に旅行する旅行同行者である
請求項1または請求項2に記載の避難者情報管理補助ソフトウェア。
【請求項14】
避難所に避難するユーザが所有するユーザ携帯端末と、避難所に設置され避難者情報を収集する端末である避難所端末を介して、避難者情報の集約と管理を補助するための避難者情報管理補助システムであって、
前記ユーザ携帯端末は、
情報を入力又は選択するための処理を実行する情報入力手段と、
前記ユーザにおける、氏名を含む前記ユーザの個人情報を含むユーザ個別基本情報と、災害時に前記ユーザと一緒に避難所に避難する可能性がある同ユーザと関係のある人員である関連メンバーにおける、氏名を含む関連メンバーの個人情報を含む関連メンバー個別基本情報を記録する情報記録手段と、
前記ユーザが避難所に避難する際に、前記情報記録手段に記録された前記関連メンバー個別基本情報の中から、同ユーザと一緒に避難する関連メンバーである同時避難関連メンバーの氏名を選択することにより、前記ユーザ個別基本情報と、前記同時避難関連メンバーの前記関連メンバー個別基本情報をまとめた情報であり、避難所の管理に利用する情報である避難所共有用情報を生成する情報生成手段を有し、
前記避難所端末は、
前記ユーザ端末から前記避難所共有用情報を受信する避難所共有用情報受信手段を有する
避難者情報管理補助システム。
【請求項15】
前記情報入力手段は、
前記ユーザが避難所に避難する際に、前記ユーザの避難時の体調に関する情報であるユーザ体調情報及び前記同時避難関連メンバーの避難時の体調に関する情報である同時避難関連メンバー体調情報を入力可能に構成され、
前記情報生成手段は、前記ユーザ体調情報及び前記同時避難関連メンバー体調情報を含めて前記避難所共有用情報を生成する
請求項14に記載の避難者情報管理補助システム。
【請求項16】
前記避難所共有用情報は、QRコードまたは短距離無線通信用情報として生成され、
前記避難所共有用情報受信手段は、前記QRコードまたは前記短距離無線通信用情報を読み取り可能に構成された
請求項14または請求項15に記載の避難者情報管理補助システム。
【請求項17】
前記避難所共有用情報受信手段は、前記ユーザと一緒に避難する同時避難者が有する、氏名を含む前記同時避難者の個人情報を含む同時避難者個別基本情報が反映された同時避難者QRコードまたは同時避難者短距離無線通信用情報を読み取り可能である
請求項16に記載の避難者情報管理補助システム。
【請求項18】
避難所に避難するユーザが所有するユーザ携帯端末と、避難者情報を収集及び管理するサーバである避難所サーバを介して、避難者情報の集約と管理を補助するための避難者情報管理補助システムであって、
前記避難所には、避難所の名称または登録名に関する情報、避難所ごとに割り当てられた管理番号の情報、避難所の種類を示す区分情報及び避難所の住所の情報を含む避難所個別情報が反映された避難所QRコードまたは避難所短距離無線通信用情報から構成された避難所個別情報表示手段が設けられ、
前記ユーザ携帯端末は、
情報を入力又は選択するための処理を実行する情報入力手段と、
前記ユーザにおける、氏名を含む前記ユーザの個人情報を含むユーザ個別基本情報と、災害時に前記ユーザと一緒に避難所に避難する可能性がある同ユーザと関係のある人員である関連メンバーにおける、氏名を含む関連メンバーの個人情報を含む関連メンバー個別基本情報を記録する情報記録手段と、
前記ユーザが避難所に避難する際に、前記情報記録手段に記録された前記関連メンバー個別基本情報の中から、同ユーザと一緒に避難する関連メンバーである同時避難関連メンバーの氏名を選択することにより、前記ユーザ個別基本情報と、前記同時避難関連メンバーの前記関連メンバー個別基本情報をまとめた情報であり、避難所の管理に利用する情報である避難所共有用情報を生成する情報生成手段と、
QRコードまたは短距離無線通信用情報を読み取り可能な情報読取手段を有し、
前記情報読取手段は、前記避難所個別情報表示手段の前記避難所QRコードまたは前記避難所短距離無線通信用情報を読み取り可能であり、
前記情報生成手段は、前記情報読取手段が読み取った前記避難所個別情報を含めて前記避難所共有用情報を生成し、
前記避難所サーバは、
前記ユーザ端末から前記避難所共有用情報を受信する避難所共有用情報受信手段を有する
避難者情報管理補助システム。
【請求項19】
前記ユーザ携帯端末は、同ユーザ携帯端末が前記避難所サーバとの間で、インターネットを介した通信が可能となったタイミングで、前記避難所共有用情報を同避難所サーバに送信する
請求項18に記載の避難所情報管理補助システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は避難者情報管理補助ソフトウェア及び避難者情報管理補助システムに関する。詳しくは、災害発生時に、避難所において避難者の情報を漏れなく、かつ、効率よく収集できると共に、迅速な避難所運営や、避難所生活におけるトラブル低減に寄与する避難者情報管理補助ソフトウェア及び避難者情報管理補助システムに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、災害の発生時や、災害が発生する恐れがある場合に、災害の危険から身を守るため、または、家屋が倒壊する等して一時的な生活空間を確保するために、各市区町村には指定緊急避難場所や指定避難場所等の避難所が設置される。
【0003】
また、実際に災害が発生した際、避難所には多くの避難者が訪れ、収容規模が大きな施設等では、数千人規模の避難者が集まることになる。
【0004】
この際、災害発生地域の各市区町村において、避難所の開設準備は勿論、いかに避難者を受け入れ、迅速な避難所運営を開始できるかが課題となる。
【0005】
また、避難所での避難者の受入れ時には、各避難者について、氏名、住所等の個人情報や、負傷の有無、家屋の倒壊等の被災状況等の情報を確認し、避難所ごとに集計して避難者名簿を作成する。
【0006】
また、各自治体の担当者等が、避難所ごとの避難者名簿の情報を取りまとめて、避難者がどこの避難所に避難しているか、または、避難所内のどこにいるかを把握し、必要な救援物資等を、避難者に的確に届ける必要がある。
【0007】
ところが、従前の方法では、避難者名簿を作成する際に、紙ベースの記入用紙を避難者に配布し、避難者自身に各種情報を記載してもらう方法をとっていた。
【0008】
そのため、避難所への受入れに時間がかかるだけでなく、受け入れ後に改めて情報精査を行う作業が発生し、迅速に避難所の運営を開始することの大きな障害となっていた。
【0009】
また、避難者情報の管理にあたっては、避難所への入所だけでなく、避難所から出ていく際や、別の避難所に移動する際にも、避難者の情報を把握し、管理する情報を更新する必要があり、この確認についても紙ベースの作業で行われていた。
【0010】
こうしたなか、端末を介して避難者の情報を入力し、避難者の移動等を管理するチェックシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0011】
ここで、特許文献1に記載されたチェックシステムでは、避難者の個人情報を端末に入力し、印字装置にて、個人情報に基づき出力される読み取り用専用コードを発行し印刷するものとなっている。
【0012】
また、各避難者は、発行された読み取り専用コードをコードリーダに読み取らせることで、端末側に読み取り情報が送信され、避難所における避難者の入退所を管理することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ここで、特許文献1に記載されたチェックシステムでは、避難所の管理者が、避難者の個人情報を聞き取り、管理者の携帯端末にて避難者の情報を入力し、かつ、印字装置で、読み取り用専用コードを発行するため、多大な時間や労力を要していた。
【0015】
また、避難所に入力用の端末を複数設置して、避難者自身が個人情報を入力する態様をとるとしても、災害発生直後の、多数の避難者が避難してくる状態で、避難者に入力作業を順次行わせることは、現実的に運用が困難である。
【0016】
また、避難所において、情報を入力する端末だけでなく、印字装置、印刷用紙、または、延長コード等の接続物が増えると、これらの準備時間だけでなく、機器トラブルが発生した際の復旧時間や、停電時等の施設で使用できる電気量にも影響を与える恐れが大きい。
【0017】
また、従前の避難者情報の管理方法や管理システムでは、多様な避難者に対して、柔軟な対応を取ることが難しかった。
【0018】
例えば、避難者が、乳幼児や後期高齢者の場合、避難所の管理者との情報共有に難を抱く可能性が高い。また、避難者が、近年増加している外国人労働者や技能実習生である場合、日本語での情報入力や、情報収集の際の質問への受け答えが難しく、正確な情報が取得できない懸念もある。
【0019】
また、近年の訪日客の著しい増加等を考慮すると、旅行先で旅行客が被災した場合にも、旅行者が適切に、かつ、支障が少なく避難できる仕組みが構築されることが望まれている。
【0020】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、災害発生時に、避難所において避難者の情報を漏れなく、かつ、効率よく収集できると共に、迅速な避難所運営や、避難所生活におけるトラブル低減に寄与する避難者情報管理補助ソフトウェア及び避難者情報管理補助システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の目的を達成するために、本発明の避難者情報管理補助ソフトウェアは、避難者情報の集約と管理を補助するための避難者情報管理補助ソフトウェアであって、情報処理機器を、情報を入力又は選択するための処理を実行する情報入力手段と、第1のユーザにおける、氏名を含む前記第1のユーザの個人情報を含む第1のユーザ個別基本情報と、災害時に前記第1のユーザと一緒に避難所に避難する可能性がある同第1のユーザと関係のある人員である関連メンバーにおける、氏名を含む関連メンバーの個人情報を含む関連メンバー個別基本情報を記録する情報記録手段と、前記第1のユーザが避難所に避難する際に、前記情報記録手段に記録された前記関連メンバー個別基本情報の中から、同第1のユーザと一緒に避難する関連メンバーである同時避難関連メンバーの氏名を選択することにより、前記第1のユーザ個別基本情報と、前記同時避難関連メンバーの前記関連メンバー個別基本情報をまとめた情報であり、避難所の管理に利用する情報である避難所共有用情報を生成する情報生成手段と、を含む手段として機能させるための避難者情報管理補助ソフトウェアとして構成されている。
なお、本明細書において、ソフトウェアとは、コンピュータの動作に関するプログラムのことである。また、プログラムとは、コンピュータによる処理に適した命令の順番付けられた列からなるものをいう。
【0022】
ここで、情報入力手段で情報を入力又は選択するための処理を実行することによって、避難者に関する情報を入力することが可能となる。
【0023】
また、情報記録手段が、第1のユーザにおける、氏名を含む第1のユーザの個人情報を含む第1のユーザ個別基本情報と、災害時に第1のユーザと一緒に避難所に避難する可能性がある第1のユーザと関係のある人員である関連メンバーにおける、氏名を含む関連メンバーの個人情報を含む関連メンバー個別基本情報を記録することによって、第1のユーザと、第1のユーザと一緒に避難する可能性のある関連メンバーについて、氏名を含む個人情報を記録しておくことができる。また、予め、第1のユーザと、その関連メンバーの情報を記録しておくことで、避難時に慌てて情報を入力する必要がなくなり、正確で漏れのない情報を準備することが可能となる。
【0024】
また、第1のユーザが避難所に避難する際に、情報記録手段に記録された関連メンバー個別基本情報の中から、第1のユーザと一緒に避難する関連メンバーである同時避難関連メンバーの氏名を選択することにより、情報生成手段が、第1のユーザ個別基本情報と、同時避難関連メンバーの関連メンバー個別基本情報をまとめた情報であり、避難所の管理に利用する情報である避難所共有用情報を生成することによって、第1のユーザ及び第1のユーザと一緒に避難している関連メンバーについて、一緒に避難中の一グループの単位として個人情報をまとめて、避難所で集約及び管理する情報として利用することができる。これにより、避難所の管理者側で、効率良く情報を収集することができる。また、関連メンバー個別基本情報の中に、複数人の関連メンバーの情報が記録されていたとしても、一緒に避難中の関連メンバーに限定して、第1のユーザと限定した関連メンバーのみの個人情報をまとめることが可能となる。また、第1のユーザのみが情報処理機器を操作すればよく、例えば、スマートフォン端末等の情報処理機器の操作が苦手な、または、操作ができない高齢者や幼児、被災及び避難時に携帯端末等に破損や不備が生じたり、充電不足であったりする状況の避難者等についても、その人たちの個人情報を避難所共有用情報に含めて、情報を集約することが可能となる。
【0025】
また、情報入力手段が、第1のユーザが避難所に避難する際に、第1のユーザの避難時の体調に関する情報である第1のユーザ体調情報及び同時避難関連メンバーの避難時の体調に関する情報である同時避難関連メンバー体調情報を入力可能に構成され、情報生成手段は、第1のユーザ体調情報及び同時避難関連メンバー体調情報を含めて避難所共有用情報を生成する場合には、第1のユーザ及び第1のユーザと一緒に避難している関連メンバーについて、個人情報だけでなく、避難する際のそのタイミングでの体調に関する情報を、避難所で集約及び管理する情報に反映させることができる。これにより、避難所の管理者側の方で、避難者の体調に合わせた受け入れ時の迅速な準備や対応、避難所生活時のケア、または、避難受け入れ後の対策の立案に避難所共有用情報を活用することが可能となる。
【0026】
また、第1のユーザ個別基本情報及び関連メンバー個別基本情報が、少なくとも氏名、生年月日、国籍、血液型、忌避、アレルギー、持病、障害の有無、妊娠の有無の情報を含む場合には、第1のユーザ及び第1のユーザと一緒に避難している関連メンバーについて、氏名、生年月日、国籍、血液型の個人の属性に関する情報と共に、個人の習慣や文化に関する情報や、個人の健康・体調に関わる情報を、各人の個人情報として予め記録しておくことができる。
なお、ここでいう忌避とは、例えば、ヴィーガンであることや、宗教的な礼拝の習慣等の情報であり、生活様式の多様化に合わせて、避難者の避難生活で、習慣や文化で考慮すべき情報を反映する部分を意味する。
【0027】
また、第1のユーザ体調情報及び同時避難関連メンバー体調情報は、少なくとも避難時の体調、負傷の有無、第1のユーザ個別基本情報及び同時避難関連メンバーの関連メンバー個別基本情報として記録された、持病及び妊娠の有無の内容情報からの変更の有無の情報を含む場合には、避難時に、そのタイミングでの体調の情報に加えて、災害時や避難時にケガを負っていないかという点の情報や、個人情報として予め記録していた持病及び妊娠の有無の内容からの変更があるかどうかという点の情報を収集して、避難所で集約及び管理する情報に反映させることができる。
【0028】
また、情報処理機器を、第1のユーザが避難所に避難する際に、第1のユーザと一緒に避難する避難者である第2のユーザにおける、氏名を含む第2のユーザの個人情報を含む第2のユーザ個別基本情報を、第2のユーザの携帯端末から受信する情報受信手段を含む手段として機能させる場合には、第1のユーザとその関連メンバーだけでなく、一緒に避難する第三者であり、自身の携帯端末で氏名を含む個人情報を記録していた第2のユーザについても、第2のユーザの個人情報を受信して、情報を処理することが可能となる。
【0029】
また、情報入力手段が、第1のユーザが避難所に避難する際に、第2のユーザの避難時の体調に関する情報である第2のユーザ体調情報を入力可能に構成され、情報生成手段が、第2のユーザ個別基本情報及び第2のユーザ体調情報を含めて避難所共有用情報を生成する場合には、第2のユーザについても、その人の個人情報や体調情報を、第1のユーザ及び第1のユーザと一緒に避難している関連メンバーの情報と一緒に、一つの情報にまとめて、避難所で集約及び管理する情報として利用することができる。これにより、より一層、避難所の管理者側で、効率良く、避難者の情報を収集することが可能となる。また、基本的に、第1のユーザが情報処理機器を操作すればよく、第2のユーザの携帯端末を使用する必要がなくなり、第2のユーザの携帯端末で、徒に電池が消費されることを抑止できる。
【0030】
また、第2のユーザ個別基本情報が、少なくとも氏名、生年月日、国籍、血液型、忌避、アレルギー、持病、障害の有無、妊娠の有無の情報を含む場合には、第1のユーザと一緒に避難している第2のユーザについて、氏名、生年月日、国籍、血液型の個人の属性に関する情報と共に、個人の習慣や文化に関する情報や、個人の健康・体調に関わる情報を、第2のユーザの個人情報として予め準備しておくことができる。
【0031】
また、第2のユーザ体調情報が、少なくとも避難時の体調、負傷の有無、第2のユーザ個別基本情報として記録された、持病及び妊娠の有無の内容情報からの変更の有無の情報を含む場合には、第2のユーザについても避難時に、そのタイミングでの体調の情報に加えて、災害時や避難時にケガを負っていないかという点の情報や、個人情報として予め記録していた持病及び妊娠の有無の内容からの変更があるかどうかという点の情報を収集して、避難所で集約及び管理する情報に反映させることができる。
【0032】
また、避難所共有用情報が、QRコード(登録商標)または短距離無線通信用情報として生成される場合には、避難所共有用情報を、インターネットやサーバ等を介することなく、避難所の管理者に伝達することが可能となる。即ち、避難所の管理者側が、QRコードまたは短距離無線通信用情報の読み取り機能を有する装置や端末等を準備すれば、避難者からオフラインで避難所共有用情報を受け取ることが可能となる。これにより、個人情報が外部に漏洩しにくくすることができる。また、QRコードまたは短距離無線通信用情報として生成された情報は、そのままでは、第1のユーザや管理者側も内容を把握することができないため、この点でも個人情報を保護しやすくなる。
【0033】
また、情報処理機器を、QRコードまたは短距離無線通信用情報を読み取り可能な情報読取手段を含む手段として機能させ、情報読取手段は、第1のユーザと一緒に避難する同時避難者が有する、氏名を含む同時避難者の個人情報を含む同時避難者個別基本情報が反映された同時避難者QRコードまたは同時避難者短距離無線通信用情報を読み取り可能であり、情報生成手段が、情報読取手段が読み取った同時避難者個別基本情報を含めて避難所共有用情報を生成する場合には、同時避難者QRコードまたは同時避難者短距離無線通信用情報に、個人情報が含まれた同時避難者について、その情報を読み取って、その同時避難者の個人情報を、第1のユーザ及び第1のユーザと一緒に避難している関連メンバーの情報と一緒に、一つの情報にまとめて、避難所で集約及び管理する情報として利用することができる。これにより、より一層、避難所の管理者側で、効率良く、避難者の情報を収集することが可能となる。即ち、例えば、同時避難者が、紙ベースでのQRコードとして、その人の個人情報が反映された同時避難者QRコードを発行され、所有していた場合に、その紙ベースのQRコードを利用して、避難者共有用情報に、同時避難者の情報もまとめることができる。
【0034】
また、情報処理機器を、QRコードまたは短距離無線通信用情報を読み取り可能な情報読取手段を含む手段として機能させ、情報読取手段は、避難所の名称または登録名に関する情報、避難所ごとに割り当てられた管理番号の情報、避難所の種類を示す区分情報及び避難所の住所の情報を含む避難所個別情報が反映された避難所QRコードまたは避難所短距離無線通信用情報を読み取り可能であり、情報生成手段が、情報読取手段が読み取った避難所個別情報を含めて避難所共有用情報を生成する場合には、避難所において、QRコードまたは短距離無線通信用情報の読み取り機能を有する装置や端末等を準備することなく、個別の避難所の情報も含めて、避難所共有用情報として一つの情報にまとめて、これを利用することができる。即ち、第1のユーザが、どこの避難所に避難したかという情報を加えた形で避難所共有用情報を生成することができる。また、生成した避難所共有用情報は、第1のユーザが、インターネットを介した通信が可能となったタイミングで、外部のサーバ等に送信して利用することができる。このことによれば、QRコードまたは短距離無線通信用情報の読み取り機能を有する装置や端末等の準備が困難な避難所においても、QRコードまたは短距離無線通信用情報を含む紙媒体や金属プレート等を避難所に設置しておくだけで、避難所の名称や住所等の避難所の情報を含めて、第1のユーザに関する避難所共有用情報を容易に生成することができる。
【0035】
また、情報生成手段は、情報読取手段が避難所QRコードまたは避難所短距離無線通信用情報を読み取った日時の情報を含めて避難所共有用情報を生成する場合には、個別の避難所の情報だけでなく、第1のユーザが避難所に到着した日時等の情報も含めて、避難所共有用情報として一つの情報にまとめて、利用することができる。このことによれば、第1のユーザが最初に避難所に移動してきたタイミングも避難所共有用情報から把握することが可能となる。
【0036】
また、避難所に設けられると共に、避難所の名称または登録名に関する情報、避難所ごとに割り当てられた管理番号の情報、避難所の種類を示す区分情報及び避難所の住所の情報を含む避難所個別情報が反映された避難所QRコードまたは避難所短距離無線通信用情報から構成された避難所個別情報表示手段を備える場合には、避難所ごとの個別の情報を、避難所個別情報表示手段としてまとめておき、これを表示することができる。
【0037】
また、情報処理機器を、QRコードまたは短距離無線通信用情報を読み取り可能な情報読取手段を含む手段として機能させ、情報読取手段は、避難所個別情報表示手段の避難所QRコードまたは避難所短距離無線通信用情報を読み取り可能であり、情報生成手段が、情報読取手段が読み取った避難所個別情報を含めて避難所共有用情報を生成する場合には、避難所において、QRコードまたは短距離無線通信用情報の読み取り機能を有する装置や端末等を準備することなく、避難所個別情報表示手段に含まれる情報も含めて、避難所共有用情報として一つの情報にまとめて、これを利用することができる。即ち、第1のユーザが、どこの避難所に避難したかという情報を加えた形で避難所共有用情報を生成することができる。また、生成した避難所共有用情報は、第1のユーザが、インターネットを介した通信が可能となったタイミングで、外部のサーバ等に送信して利用することができる。このことによれば、QRコードまたは短距離無線通信用情報の読み取り機能を有する装置や端末等の準備が困難な避難所においても、避難所個別情報表示手段として、QRコードまたは短距離無線通信用情報を含む紙媒体や金属プレート等を避難所に設置しておくだけで、避難所の名称や住所等の避難所の情報を含めて、第1のユーザに関する避難所共有用情報を容易に生成することができる。
【0038】
また、関連メンバーが、第1のユーザの家族である場合には、第1のユーザ及び第1のユーザと一緒に避難している家族について、一緒に避難中の一家族の単位として個人情報をまとめて、避難所で集約及び管理する情報として利用することができる。これにより、避難所の管理者側で、効率良く情報を収集することができる。
【0039】
また、第1のユーザが、旅行のツアーガイドであり、かつ、関連メンバーが、旅行のツアー参加者である場合には、旅行のツアーガイド及び旅行のツアーガイドと一緒に避難しているツアー参加者について、一緒に避難中の旅行のツアーのグループ単位として個人情報をまとめて、避難所で集約及び管理する情報として利用することができる。これにより、避難所の管理者側で、効率良く情報を収集することができる。
【0040】
また、第1のユーザが、旅行者であり、かつ、関連メンバーが、旅行者と一緒に旅行する旅行同行者である場合には、旅行者及びその旅行者と一緒に避難している旅行同行者について、一緒に避難中の旅行者のグループ単位として個人情報をまとめて、避難所で集約及び管理する情報として利用することができる。これにより、避難所の管理者側で、効率良く情報を収集することができる。
【0041】
また、上記の目的を達成するために、本発明の避難者情報管理補助システムは、避難所に避難するユーザが所有するユーザ携帯端末と、避難所に設置され避難者情報を収集する端末である避難所端末を介して、避難者情報の集約と管理を補助するための避難者情報管理補助システムであって、前記ユーザ携帯端末は、情報を入力又は選択するための処理を実行する情報入力手段と、前記ユーザにおける、氏名を含む前記ユーザの個人情報を含むユーザ個別基本情報と、災害時に前記ユーザと一緒に避難所に避難する可能性がある同ユーザと関係のある人員である関連メンバーにおける、氏名を含む関連メンバーの個人情報を含む関連メンバー個別基本情報を記録する情報記録手段と、前記ユーザが避難所に避難する際に、前記情報記録手段に記録された前記関連メンバー個別基本情報の中から、同ユーザと一緒に避難する関連メンバーである同時避難関連メンバーの氏名を選択することにより、前記ユーザ個別基本情報と、前記同時避難関連メンバーの前記関連メンバー個別基本情報をまとめた情報であり、避難所の管理に利用する情報である避難所共有用情報を生成する情報生成手段を有し、前記避難所端末は、前記ユーザ端末から前記避難所共有用情報を受信する避難所共有用情報受信手段を有する。
【0042】
ここで、ユーザが避難所に避難する際に、情報記録手段に記録された関連メンバー個別基本情報の中から、ユーザと一緒に避難する関連メンバーである同時避難関連メンバーの氏名を選択することにより、ユーザ携帯端末における情報生成手段が、ユーザ個別基本情報と、同時避難関連メンバーの関連メンバー個別基本情報をまとめた情報であり、避難所の管理に利用する情報である避難所共有用情報を生成することによって、ユーザ及びユーザと一緒に避難している関連メンバーについて、一緒に避難中の一グループの単位として個人情報をまとめて、避難所で集約及び管理する情報として利用することができる。これにより、避難所の管理者側で、効率良く情報を収集することができる。また、関連メンバー個別基本情報の中に、複数人の関連メンバーの情報が記録されていたとしても、一緒に避難中の関連メンバーに限定して、ユーザと限定した関連メンバーのみの個人情報をまとめることが可能となる。また、ユーザのみが情報処理機器を操作すればよく、例えば、スマートフォン端末等の情報処理機器の操作が苦手な、または、操作ができない高齢者や幼児、被災及び避難時に携帯端末等に破損や不備が生じたり、充電不足であったりする状況の避難者等についても、その人たちの個人情報を避難所共有用情報に含めて、情報を集約することが可能となる。
【0043】
また、避難所端末が、ユーザ端末から避難所共有用情報を受信する避難所共有用情報受信手段を有することによって、ユーザ及びユーザと一緒に避難している関連メンバーについての個人情報をまとめた情報を受信して、避難者情報の集約及び管理に利用することができる。
【0044】
また、情報入力手段が、ユーザが避難所に避難する際に、ユーザの避難時の体調に関する情報であるユーザ体調情報及び同時避難関連メンバーの避難時の体調に関する情報である同時避難関連メンバー体調情報を入力可能に構成され、情報生成手段は、ユーザ体調情報及び同時避難関連メンバー体調情報を含めて避難所共有用情報を生成する場合には、ユーザ及びユーザと一緒に避難している関連メンバーについて、個人情報だけでなく、避難する際のそのタイミングでの体調に関する情報を、避難所で集約及び管理する情報に反映させることができる。これにより、避難所の管理者側の方で、避難者の体調に合わせた受け入れ時の迅速な準備や対応、避難所生活時のケア、または、避難受け入れ後の対策の立案に避難所共有用情報を活用することが可能となる。
【0045】
また、避難所共有情報が、QRコードまたは短距離無線通信用情報として生成され、避難所共有用情報受信手段が、QRコードまたは短距離無線通信用情報を読み取り可能に構成された場合には、避難所共有用情報を、インターネットやサーバ等を介することなく、避難所端末で受信することが可能となる。即ち、避難所の管理者側が、避難所端末を介して、避難者からオフラインで避難所共有用情報を受け取ることが可能となる。これにより、個人情報が外部に漏洩しにくくすることができる。また、QRコードまたは短距離無線通信用情報として生成された情報は、そのままでは、ユーザや管理者側も内容を把握することができないため、この点でも個人情報を保護しやすくなる。
【0046】
また、避難所共有用情報受信手段が、ユーザと一緒に避難する同時避難者が有する、氏名を含む同時避難者の個人情報を含む同時避難者個別基本情報が反映された同時避難者QRコードまたは同時避難者短距離無線通信用情報を読み取り可能である場合には、避難所端末の方で、ユーザ携帯端末から提供される避難所共有用情報をQRコードで読み取るだけでなく、同時避難者が所有する、その人の個人情報が含まれた同時避難者QRコードまたは同時避難者短距離無線通信用情報からも情報を収集することが可能となる。即ち、避難所端末の側で、各QRコードの情報を集約して、避難者情報の管理に利用することができる。
【0047】
また、上記の目的を達成するために、本発明の避難者情報管理補助システムは、避難所に避難するユーザが所有するユーザ携帯端末と、避難者情報を収集及び管理するサーバである避難所サーバを介して、避難者情報の集約と管理を補助するための避難者情報管理補助システムであって、前記避難所には、避難所の名称または登録名に関する情報、避難所ごとに割り当てられた管理番号の情報、避難所の種類を示す区分情報及び避難所の住所の情報を含む避難所個別情報が反映された避難所QRコードまたは避難所短距離無線通信用情報から構成された避難所個別情報表示手段が設けられ、前記ユーザ携帯端末は、情報を入力又は選択するための処理を実行する情報入力手段と、前記ユーザにおける、氏名を含む前記ユーザの個人情報を含むユーザ個別基本情報と、災害時に前記ユーザと一緒に避難所に避難する可能性がある同ユーザと関係のある人員である関連メンバーにおける、氏名を含む関連メンバーの個人情報を含む関連メンバー個別基本情報を記録する情報記録手段と前記ユーザが避難所に避難する際に、前記情報記録手段に記録された前記関連メンバー個別基本情報の中から、同ユーザと一緒に避難する関連メンバーである同時避難関連メンバーの氏名を選択することにより、前記ユーザ個別基本情報と、前記同時避難関連メンバーの前記関連メンバー個別基本情報をまとめた情報であり、避難所の管理に利用する情報である避難所共有用情報を生成する情報生成手段と、QRコードまたは短距離無線通信用情報を読み取り可能な情報読取手段を有し、前記情報読取手段は、前記避難所個別情報表示手段の前記避難所QRコードまたは前記避難所短距離無線通信用情報を読み取り可能であり、前記情報生成手段は、前記情報読取手段が読み取った前記避難所個別情報を含めて前記避難所共有用情報を生成し、前記避難所サーバは、前記ユーザ端末から前記避難所共有用情報を受信する避難所共有用情報受信手段を有する。
【0048】
ここで、避難所に、避難所の名称または登録名に関する情報、避難所ごとに割り当てられた管理番号の情報、避難所の種類を示す区分情報及び避難所の住所の情報を含む避難所個別情報が反映された避難所QRコードまたは避難所短距離無線通信用情報から構成された避難所個別情報表示手段が設けられたことによって、避難所ごとの個別の情報を、避難所個別情報表示手段としてまとめておき、これを表示することができる。
【0049】
また、ユーザ携帯端末を、QRコードまたは短距離無線通信用情報を読み取り可能な情報読取手段を含む手段として機能させ、情報読取手段は、避難所個別情報表示手段の避難所QRコードまたは避難所短距離無線通信用情報を読み取り可能であり、情報生成手段が、情報読取手段が読み取った避難所個別情報を含めて避難所共有用情報を生成することによって、避難所において、QRコードまたは短距離無線通信用情報の読み取り機能を有する装置や端末等を準備することなく、避難所個別情報表示手段に含まれる情報も含めて、避難所共有用情報として一つの情報にまとめて、これを利用することができる。即ち、ユーザが、どこの避難所に避難したかという情報を加えた形で避難所共有用情報を生成することができる。このことによれば、QRコードまたは短距離無線通信用情報の読み取り機能を有する装置や端末等の準備が困難な避難所においても、避難所個別情報表示手段として、QRコードまたは短距離無線通信用情報を含む紙媒体や金属プレート等を避難所に設置しておくだけで、避難所の名称や住所等の避難所の情報を含めて、ユーザに関する避難所共有用情報を容易に生成することができる。
【0050】
また、ユーザ携帯端末は、ユーザ携帯端末が避難所サーバとの間で、インターネットを介した通信が可能となったタイミングで、避難所共有用情報を避難所サーバに送信する場合には、ユーザがオフラインの環境下にあっても、インターネットを介した通信が可能となる環境下にユーザが移動したり、ユーザがいる場所のオンライン環境が復旧したりすること等によって、生成した避難所共有用情報を避難所サーバに送信して、情報を集約して、利用することが可能となる。
【発明の効果】
【0051】
本発明に係る避難者情報管理補助ソフトウェア及び避難者情報管理補助システムは、災害発生時に、避難所において避難者の情報を漏れなく、かつ、効率よく収集できると共に、迅速な避難所運営や、避難所生活におけるトラブル低減に寄与するものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】本発明を適用した避難者情報管理補助ソフトウェアを導入した端末の概略構成を示す図である(第1のシステム構成)。
【
図2】演算部、情報送受信部及び情報記録部の構成を示すブロック図である。
【
図3】ユーザのスマートフォン端末、避難所端末及び本部端末を含むシステムの概略を示した図である。
【
図4】管理補助ソフトウェアを用いた避難者の情報を収集する流れを示す概略フロー図である。
【
図5】(a)及び(b)は、ユーザ個別基本情報または家族個別基本情報の内容項目の一例を示す図である。
【
図6】(a)及び(b)は、スマートフォン端末におけるQRコードの読み取りを行う際に表示する画面情報の一例を示す図である。
【
図7】(a)は、家族個別基本情報を記録した家族の中から一緒に避難する家族の氏名を選択する際の画面情報の一例を示す図であり、(b)は、ユーザ体調情報または同時避難家族体調情報を入力する際の画面情報の一例を示す図である。
【
図8】(a)は、避難所共有用情報となるQRコードを表示させる前の画面情報の一例を示す図であり、(b)は、避難所共有用情報となるQRコードを表示した状態の画面情報の一例を示す図であり、(c)は、安否確認用のページを表示した画面情報の一例を示す図である。
【
図9】避難所端末でQRコードの読み取りを行う際に表示する画面情報の一例を示す図である。
【
図10】避難所端末で避難所共有用情報となるQRコードを読み取った後の避難者の情報を表示する画面情報の一例を示す図である。
【
図11】管理補助ソフトウェアを介して避難所共有用情報を収集し、避難所の運営に利用する情報としてまとめる流れを示した概念図である。
【
図12】1つの避難所の避難者の総合情報を表示する画面情報の一例を示す図である。
【
図13】持病の情報に特化したリストを表示する画面情報の一例を示す図である。
【
図14】避難所でのトラブル予測情報を表示する画面情報の一例を示す図である。
【
図15】避難所を移動する際の情報入力を行う画面情報の一例を示す図である。
【
図16】ユーザのスマートフォン端末、臨時避難所端末、公的避難所端末及び旅行会社端末を含むシステムの概略を示した図である。
【
図17】演算部、情報送受信部及び情報記録部の構成を示すブロック図である。
【
図18】管理補助ソフトウェアを用いた避難者の情報を収集する流れを示す概略フロー図である。
【
図19】(a)は、旅行同行者個別基本情報を記録した旅行同行者の中から一緒に避難する旅行同行者の氏名を選択する際の画面情報の一例を示す図であり、(b)は、ユーザ体調情報または同時避難旅行同行者体調情報を入力する際の画面情報の一例を示す図である。
【
図20】(a)は、避難所共有用情報となるQRコードを表示させる前の画面情報の一例を示す図であり、(b)は、避難所共有用情報となるQRコードを表示した状態の画面情報の一例を示す図であり、(c)は、安否確認用のページを表示した画面情報の一例を示す図である。
【
図21】避難所情報を有するQRコードの一例を示す図である。
【
図22】避難所情報を有するQRコードの読み取りを利用した避難所共有用個別情報の生成とクラウドサーバへの情報の集約の流れを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
[本発明の第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明の第1の実施の形態として、管理補助ソフトウェアAを導入した端末の概略構成を示す図である。なお、以下に示す構造は本発明の一例であり、本発明の内容はこれに限定されるものではない。
【0054】
[1.全体の装置構成について]
本発明を適用した避難者情報管理補助ソフトウェアの一例である管理補助ソフトウェアAは、汎用の情報処理機器に導入可能であり、組み込まれた情報処理機器に対して本発明の実施するために必要な各情報処理機能を付与する。例えば、管理補助ソフトウェアAを導入(ダウンロード)したユーザP1のスマートフォン端末1を介して、各種情報の記録や必要な情報処理を行うことができる。なお、ここでいう管理補助ソフトウェアAの導入とは、スマートフォン端末へのダウンロードに限定されるものではなく、例えば、PC端末等へのインストールや、PWA(Progressive Web Apps)によるWebサイト上での利用も含まれるものである。
【0055】
また、以下の説明では、管理補助ソフトウェアAと、ユーザP1のスマートフォン端末1、及び、避難所に設置された避難所端末50で構成されたシステムが、本発明を適用した避難者情報管理補助システムの一例に該当する。
【0056】
なお、情報処理機器とは、CPU等の演算部と、RAMやROM等の記憶部と、液晶画面等の表示画面や、キーボード等の入力部、インターネット等との通信を制御する通信部等を備えたものである。例えば、汎用のスマートフォン端末やタブレット端末、スマートウォッチ等をはじめとするウェアラブル端末、非接触ICチップ内蔵端末等である。
【0057】
まず、管理補助ソフトウェアAは、アプリケーションソフトウェアとしてユーザP1のスマートフォン端末1に組み込まれている。
【0058】
図1に示すように、ユーザP1のスマートフォン端末1は、演算部2を備えている。演算部2は、スマートフォン端末1の有する各情報処理機能を実行する処理部である。即ち、管理補助ソフトウェアAは、スマートフォン端末1の演算部2を、情報入力手段20、情報記録手段21、情報生成手段22、情報処理手段23等として機能させる。この各手段の処理機能により、情報の入力、情報の記録、情報の生成、各種情報に対する算出処理及び表示情報の作成等を行う。
【0059】
なお、スマートフォン端末1は、インターネット30を介して、外部のサーバや端末等にアクセス可能に構成され、外部のサーバや端末等との間で情報の送受信を行うことができる。外部の端末とは、例えば、他のユーザP5が利用するスマートフォン端末5や、避難所に設置された避難所端末50等である。
【0060】
また、スマートフォン端末1は、QRコードまたは短距離無線通信31を介して、端末間(または端末と装置間)で、直接的に情報の送受信を行うことができる。本発明における短距離無線通信とは、例えば、Bluetooth(登録商標)、TransferJet(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Thread等といった短距離無線通信技術や、NFC(Near field communication)やLi-Fi(Light Fidelity)等の光無線データ通信、RFID(Radio Frequency Identification)、非接触型ICカード、PaWalet Link(登録商標)等の近距離無線通信技術も含んだ、無線通信の既知の手法を採用することができる。
【0061】
また、本発明におけるQRコードとは、QRコードモデル1、QRコードモデル2、マイクロQR、rMQRコード、SQRC(登録商標)、フレームQR(登録商標)等、既知のQRコードが採用しうる。
【0062】
また、スマートフォン端末1は、情報記録部4と、情報送受信部3cと、入力部3aと、表示画面3bを有している。
【0063】
情報送受信部3cは、演算部2、情報記録部4、入力部3a及び表示画面3b等を介して情報の送受信を担う部分である。また。スマートフォン端末1と、外部端末との間で情報の送受信可能に構成されている。
【0064】
ここで、以下、管理補助ソフトウェアAが取り扱う各情報が、必ずしも、スマートフォン端末1の情報記録部4に記録される必要はない。例えば、スマートフォン端末1の情報送受信部3cを介して、外部サーバや外部端末に各種情報を送信して記録させ、情報処理等の際に、外部サーバ等から必要な情報を受信する態様であってもよい。
【0065】
更に言えば、スマートフォン端末1に、管理補助ソフトウェアAの主要な構成が全て組み込まれる必要はない。例えば、スマートフォン端末1では、各種情報の表示のみを行い、各種情報の記録、情報の生成、各種情報に対する算出処理、判定処理、各種情報の通知等は外部サーバ等で行う態様であってもよい。
【0066】
図1に示したスマートフォン端末1の使用態様を用いて、以下、詳細な構成の説明を続ける。
【0067】
[2.情報記録部]
図2に示すように、情報記録部4には、各種情報が記録されている。この各種情報には、スマートフォン端末P1の所有者であるユーザP1のユーザ個別基本情報6、家族個別基本情報7、ユーザ体調情報8、同時避難家族体調情報9が含まれている。
【0068】
ここで、ユーザ個別基本情報6とは、ユーザP1における個人情報であり、氏名、生年月日、国籍、血液型、忌避、アレルギー、持病、障害の有無、妊娠の有無の情報が含まれている。
【0069】
なお、ここでいう忌避の情報とは、例えば、宗教的な食事や礼拝等の習慣や戒律、生活様式の多様化による習慣(ヴィーガン等)についての情報である。忌避の情報は、避難所での生活において、急激な食生活の変化による体調悪化や、習慣や文化への制限による精神的負担を低減させる上で、考慮すべき情報を反映する部分である。
【0070】
また、家族個別基本情報7とは、災害の際に、ユーザP1と一緒に避難所に避難する可能性のある家族における個人情報であり、氏名、生年月日、国籍、血液型、忌避、アレルギー、持病、障害の有無、妊娠の有無の情報が含まれている。
【0071】
また、家族個別基本情報7には、ユーザP1と一緒に避難所に避難する可能性のある家族として、複数の人の情報を含めておくことができる。例えば、ユーザP1と同じ住居に住んでいる家族や、ユーザP1の近隣に住んでいる家族・親戚等について、その複数人についてのそれぞれの個人情報を含めることができる。
【0072】
ここで、必ずしも、ユーザ個別基本情報6及び家族個別基本情報7を構成する個人情報の内容が、氏名、生年月日、国籍、血液型、忌避、アレルギー、持病、障害の有無、妊娠の有無の情報に限定されるものではない。例えば、必要に応じて、性別やペットの有無の情報を含めることができる。また、家族個別基本情報7については、ユーザP1との続柄の情報を含めることができる。また、生年月日の情報に基づき、年齢の情報を算出して利用することもできる。
【0073】
また、ユーザ体調情報8とは、災害等が発生してユーザP1が避難所に避難する際の、その時のユーザP1の体調に関する情報である。また、体調に関する情報には、避難時の体調、例えば、体調に問題がない、負傷の有無、痛みの有無、熱の有無、めまい、吐き気、その他の情報等が含まれる。
【0074】
また、ユーザ体調情報8には、ユーザ個別基本情報6として予め記録した情報(登録情報)のうち、持病の有無または妊娠の有無の内容に対する変更の有無の情報が含まれる。
【0075】
また、同時避難家族体調情報9とは、家族個別基本情報7として記録されたユーザP1の家族のうち、災害等が発生してユーザP1と一緒に避難している家族として選択された人(以下、「同時避難家族」と称する)が、ユーザP1と一緒に避難する際の、その時の体調に関する情報である。また、体調に関する情報には、避難時の体調、例えば、体調に問題がない、負傷の有無、痛みの有無、熱の有無、めまい、吐き気、その他の情報等が含まれる。
【0076】
また、同時避難家族体調情報9には、家族個別基本情報7として予め記録した情報(登録情報)のうち、持病の有無または妊娠の有無の内容に対する変更の有無の情報が含まれる。
【0077】
また、情報記録部4に記録される各種の情報は、スマートフォン端末1を用いて情報の入力を受け付けることができる。また、スマートフォン端末1が有する入力部3a、情報送受信部3c及び情報入力手段20を介して、情報の入力や情報の修正が可能となっている。
【0078】
また、情報記録部4に記録される情報は、必要に応じて、避難所端末50からも、情報の入力や修正が可能となっている。
【0079】
続いて、管理補助ソフトウェアAが演算部2を、各種情報処理手段として機能させて行う作業内容について説明する。
【0080】
[避難所共有用情報の生成]
情報生成手段22が、避難所共有用個別情報10の生成を行う(
図3参照)。この避難所共有用個別情報10とは、ユーザP1と同時避難家族の個人情報及び避難時の体調等の情報を、ひとまとめにした情報であり、避難所の管理に利用される情報である。
【0081】
即ち、例えば、避難所共有用個別情報10は、各避難所での避難者名簿の作成や、避難所生活における避難者の生活上の不具合やトラブルを回避するために利用される情報となる。
【0082】
また、災害等が発生して、ユーザP1と同時避難家族が避難所に避難する際に、スマートフォン端末1の表示部3b及び入力部3aを介して、家族個別基本情報7として記録された家族の中から、一緒に避難する家族を選択すると、情報生成手段22が、避難所共有用個別情報10を生成する。
【0083】
即ち、情報記録部4に記録されたユーザP1のユーザ個別基本情報6と、同時避難家族の家族個別基本情報7とが、1つの情報としてまとめられて、避難所共有用個別情報10が生成される。
【0084】
また、避難所に避難する際、表示部3b及び入力部3aを介して、ユーザP1と、同時避難家族の体調等の情報が入力されると、ユーザ体調情報8及び同時避難家族情報9を加えた形で、避難所共有用個別情報10が生成される。
【0085】
ここで、必ずしも、避難所共有用個別情報10は、ユーザP1と、同時避難家族の体調等の情報が入力されて作成される必要はなく、ユーザP1のユーザ個別基本情報6と、同時避難家族の家族個別基本情報7のみで構成される態様であってもよい。但し、避難所での避難者に対する健康上のケア等が行いやすくなることから、避難所共有用個別情報10には、ユーザP1と、同時避難家族の体調等の情報が含まれることが好ましい。
【0086】
このようにして、情報生成手段22が避難所共有用個別情報10を生成することで、避難所に到着した際に、避難所に設置された避難所端末50に避難所共有用個別情報10を送信して、家族単位で、効率よく避難者の情報を収集することができる。
【0087】
また、避難所共有用個別情報10には、忌避、アレルギー、持病、障害の有無、妊娠の有無の情報が含まれるため、各避難者に対しての健康上留意すべき点や、習慣や文化面で配慮すべき点等の情報も、同時に収集することができる。
【0088】
また、避難所共有用個別情報10には国籍の情報が含まれるため、外国籍の避難者がいた際に、使用する言語に合わせた情報処理システムの準備等の対応がとりやすく、より正確な避難者情報の収集が可能となる。
【0089】
また、避難所共有用個別情報10には、避難者の体調に関する情報と、持病の有無または妊娠の有無に関する変更の情報が含まれるため、避難者に対して、より一層健康上のケアや対策が取りやすくなる。また、必要に応じて、病院の近くの避難所への誘導も行いやすくなる。
【0090】
[別ユーザとの避難所共有用情報の生成]
管理補助ソフトウェアAは、同ソフトウェアを利用する別のユーザP5と、ユーザP1が一緒に避難する際に、避難者共有用情報が生成可能な態様となっている。ここでは、ユーザP5のスマートフォン端末5に管理補助ソフトウェアAが組み込まれている(ダウンロードされている)ものとする。なお、ここでいう管理補助ソフトウェアAが組み込まれるとは、スマートフォン端末へのダウンロードに限定されるものではなく、例えば、PC端末等へのインストールや、PWA(Progressive Web Apps)によるWebサイト上での利用も含まれるものである。
【0091】
まず、ユーザP5のスマートフォン端末5には、管理補助ソフトウェアAの機能として、ユーザP1と同様に、ユーザP5のユーザ個別基本情報6が記録されている。また、スマートフォン端末5は、ユーザP1のスマートフォン端末1との間で、情報の送受信が可能となっている。
【0092】
ここで、端末間の情報の送受信の一例を挙げる。まず、スマートフォン端末5は、情報生成手段22を介して、ユーザP5のユーザ個別基本情報6を反映したQRコードが作成可能に構成されている。
【0093】
また、スマートフォン端末5は、ユーザP5のユーザ個別基本情報6を反映したQRコードを表示部3bに表示して、これをスマートフォン端末1で読み取ることで、ユーザP5のユーザ個別基本情報6をスマートフォン端末1で受信することができる。
【0094】
ここで、必ずしも、ユーザP5のユーザ個別基本情報6を、スマートフォン端末1側で受信する際に、QRコードが用いられる必要はない。例えば、QRコードの代わりに、短距離無線通信技術を用いることができる。また、例えば、インターネット通信が可能な環境であれば、外部サーバを経由して、ユーザP5のユーザ個別基本情報6を、スマートフォン端末1側に送信することも可能である。但し、外部サーバを経由せず、情報が送受信でき、個人情報の漏洩のリスクが低くなることから、ユーザP5のユーザ個別基本情報6を、スマートフォン端末1側で受信する際に、QRコードまたは短距離無線通信が用いられることが好ましい。
【0095】
また、ユーザP5も含めた、災害が発生した際の避難所共有用情報の作成は次のように行われる。
【0096】
まず、災害等が発生して、ユーザP5が、ユーザP1と一緒に避難所に避難する際に、ユーザP1は、ユーザP5のユーザ個別基本情報6が反映されたQRコードを、スマートフォン端末1で読み取る。これにより、スマートフォン端末1では、一緒に避難する人を選択する際に、ユーザP1の同時避難家族だけでなく、ユーザP5を選択可能となる。
【0097】
また、ユーザP1が、ユーザP5を選択すると、情報生成手段22が、ユーザP5のユーザ個別基本情報6も含めて、避難所共有用個別情報10を生成する。
【0098】
即ち、情報記録部4に記録されたユーザP1のユーザ個別基本情報6と、ユーザP5のユーザ個別基本情報6とが、1つの情報としてまとめられて、避難所共有用個別情報10が生成される。
【0099】
また、避難所に避難する際、表示部3b及び入力部3aを介して、ユーザP1と、ユーザP5の体調等の情報が入力されると、ユーザP1のユーザ体調情報8及びユーザP5のユーザ体調情報8を加えた形で、避難所共有用個別情報10が生成される。
【0100】
このようにして、ユーザP1のスマートフォン端末1において、情報生成手段22が、ユーザP5の情報を含めて、避難所共有用個別情報10を生成することで、避難所に到着した際に、避難所に設置された避難所端末50に避難所共有用個別情報10を送信して、ユーザP1の家族単位だけでなく、一緒に避難するユーザP5も加えた形で、効率よく避難者の情報を収集することができる。
【0101】
また、本態用によれば、ユーザP5のユーザ個別基本情報6をスマートフォン端末1側で読み取った後は、スマートフォン端末1のみの操作で足り、ユーザP5のスマートフォン端末5の電力消費を抑えることができる。災害時には、停電の影響等により、端末の充電ができないことが想定されるため、スマートフォン端末5の電力消費を抑え、安否確認等の別の用途に、スマートフォン端末5を活用しやすくすることができる。
【0102】
[避難所端末]
図3に示すように、避難所B1では、避難所B1に来た避難者の情報を管理するための避難所端末50が設置されている。この避難所端末50は、例えば、パーソナルコンピュータまたはタブレット端末等を用いることができる。
【0103】
この避難所端末50は、専用のコンピュータソフトウェアをインストールした読取機能付端末を準備することができれば充分である。これにより、インターネット環境の構築や確認、印刷機械、印刷用紙といったシステムを稼働するために準備する必要がある物を極端に減らすことができ、避難所開設のための準備(例えば、受付用の机の準備、体調不良者待機所の設営、備蓄確認、水道の確認等)に注力することができる。
【0104】
避難所端末50は、ユーザP1が、同時避難家族P2、同時避難家族P3またはユーザP5と一緒に、避難所B1に到着した際、スマートフォン端末1から、避難所共有用個別情報10を受信して、避難者の情報の集計や管理を行うものとなる。
【0105】
ここで、避難所端末50と、スマートフォン端末1の端末間の情報の送受信の一例を挙げる。まず、スマートフォン端末1は、情報生成手段22を介して、避難所共有用個別情報10を反映したQRコードが作成可能に構成されている。
【0106】
また、スマートフォン端末1は、避難所共有用個別情報10を反映したQRコードを表示部3bに表示して、これを避難所端末50で読み取ることで、避難所共有用個別情報10を避難所端末50で受信することができる。
【0107】
ここで、必ずしも、避難所共有用個別情報10を、避難所端末50側で受信する際に、QRコードが用いられる必要なない。例えば、インターネット通信が可能な環境であれば、外部サーバを経由して、避難所共有用個別情報10を、避難所端末50側に送信することも可能である。但し、外部サーバを経由せず、情報が送受信でき、個人情報の漏洩のリスクが低くなることから、避難所共有用個別情報10を、避難所端末50側で受信する際に、QRコードが用いられることが好ましい。
【0108】
また、避難所共有用個別情報10を受信した避難所端末50では、避難所B1に避難してきたその他の避難者の情報と共に、各避難所共有用個別情報10を集約して、避難所共有用集約情報11を作成することができる(
図3参照)。この避難所共有用集約情報11に基づき、人数を集計したリストを作成したり、想定されるトラブル予測情報をまとめたりすることができる。
【0109】
また、
図3に示すように、別の避難所B2にも避難所端末51が設置されている。また、各避難所の端末(ここでは避難所端末50及び避難所端末51)は、避難所を管理する行政機関等が設置した災害対策本部A1の本部端末52との間で通信可能に構成され、他区域からの避難者の共有等を可能としている。また、避難所B2でも、避難所共有用集約情報12を作成することができる。
【0110】
避難所B1及び避難所B2の各避難所における避難所共有用集約情報11及び避難所共有用集約情報12は、避難所端末50及び避難所端末51でなく、本部端末52に送信され、本部端末52側で、各種情報を集約したり、リスト化したりすることも可能である。
【0111】
また、避難所B1及び避難所B2の各避難所における避難所共有用集約情報11及び避難所共有用集約情報12は、避難所端末50及び避難所端末51でなく、本部端末52に送信され、本部端末52側で、各種情報を集約したり、リスト化したりすることも可能である。そのため、本来、避難所B1に避難するはずの住民が、仕事や外出等で避難所B2へ避難した場合であっても、本部端末52を通して、避難所B2の避難共有用集約情報12に基づく情報から、避難所B2に避難した家族等の安否確認をすることが可能となる。
【0112】
[電子媒体以外(紙媒体等)のQRコードの利用]
続けて、ユーザP1のスマートフォン端末1における、同時避難家族の情報収集のその他の態様を説明する。
【0113】
ここでは、ユーザP1と一緒に避難する可能性のある家族に対して、あらかじめ、その家族の家族個別基本情報7に相当する情報が反映された紙媒体のQRコードが配布されていることを前提とする。
【0114】
この紙媒体のQRコードは、例えば、避難所を管理する行政機関等が事前に発行し、対象となる家族に配布することができる。
【0115】
そして、ユーザP1は、災害等が発生してユーザP1が避難所に避難する際に、一緒に避難する家族が紙媒体のQRコードを持っていれば、これをスマートフォン端末1で読み取ることで、その家族の家族個別基本情報7を受信して、避難所共有用個別情報10を作成することが可能となる。
【0116】
また、デイケア等を使用している単独世帯の高齢者等が、近隣住民の助けを受けて避難する際や、救助された場合にも、この紙媒体やシール等のQRコードを避難所や病院で読み込むことにより情報の伝達が可能となる。
【0117】
このように、紙媒体等のQRコードを利用することで、ユーザP1のスマートフォン端末1の情報記録部4にあらかじめ、一緒に避難する家族の情報が記録されていなくても、容易に避難所共有用個別情報10を作成することができる。
【0118】
また、避難所端末の設置ができない避難所を利用する際の変形例について説明する。
本発明の第1の実施の形態では、上述したとおり、QRコードの読取機能を有する避難所端末50を設置して、避難所共有用個別情報10を避難所端末50で受信する態様を述べた。しかしながら、避難所の場所や種類によっては、このようなQRコードの読取機能を有する避難所端末50が設置できない場合がある。
【0119】
こうした、避難所端末50が設置できない避難所では、避難所情報100を含む避難所QRコード101を利用して(
図21参照)、避難所共有用個別情報10を生成する態様が採用しうる(
図22参照)。
【0120】
この避難所情報100とは、避難所の名称の情報、避難所の登録名の情報、避難所の管理番号の情報、避難所の区分の情報及び避難所の住所の情報を含む、避難所を管理するために必要となる各種の情報から構成されている。
【0121】
ここで、避難所の登録名の情報とは、例えば、避難所の名称が長い場合等に予め設定された避難所の名称の代わりとなる略称の情報等である。また、避難所の管理番号の情報とは、避難所のある自治体等が避難所ごとに割り当てた管理番号の情報である。また、避難所の区分の情報とは、例えば、「避難所、臨時避難所またはホテル」等、避難所の種類を示す情報である。
【0122】
この避難所情報100を含む情報がQRコード化されたものが避難所QRコード101であり、この避難所QRコード101は、紙のポスターやアルミ等の金属プレート上に表示され、その避難所の入り口等に設置される。
【0123】
この変形例では、(ユーザP1の)スマートフォン端末1で、避難所QRコード101を読み取ると、避難所情報100と避難所QRコード101を読み取った日時の情報を含めて、情報生成手段22が避難所共有用個別情報10を再度生成する。
【0124】
つまり、避難所QRコード101を読み取ることで、その避難所の避難所情報100と、ユーザP1が避難所に到着した日時の情報を追加して、避難所共有用個別情報10を生成することができる。
【0125】
また、この避難所QRコード101が設置された避難所において、ユーザがオフラインの環境下にあっても、ユーザP1が、インターネット通信が可能な環境下に移動した際や、ユーザがいる場所のオンライン環境が復旧した際等、インターネットを介した通信が可能となったタイミングで、避難所共有用個別情報10が、外部の避難所サーバ102(クラウドサーバ)に送信されるように構成されている。
【0126】
また、本変形例では、避難者として、地域の住民等だけではなく、外国からの観光客103や、団体ツアーの観光客104等、管理補助ソフトウェアAを導入(ダウンロード)したスマートフォン端末を有する旅行者も含むことができる(
図22参照)。
【0127】
即ち、避難者が外国からの観光客であることを想定して、避難所QRコード101に関する説明情報は、外国語の情報を併記する態様が考えられる(
図21参照)。
【0128】
また、このように、各避難者から生成された複数の避難所共有用情報10は、避難所サーバ102で収集され、収集された情報は、避難所やホテル等の臨時避難所の運用、旅行会社が旅行者を管理するために活用することができる(
図22参照)。
【0129】
このように、スマートフォン端末1で、避難所QRコード101を読み取り、ユーザP1の到着した避難所の情報を含む避難所共有用個別情報10を生成して、外部の避難所サーバ102で情報を収集することで、避難者の情報の収集を効率よく行うことが可能となる。
【0130】
ここで、必ずしも、避難所情報100を含む情報の表示物として、QRコードからなる避難所QRコード101が用いられる必要はなく、例えば、QRコードの代わりに、短距離無線通信技術を用いることができる。
【0131】
また、必ずしも、スマートフォン端末1で、避難所QRコード101を読み取った際に、情報生成手段22が避難所共有用個別情報10を再度生成する必要はない。即ち、一度、ユーザP1が、避難所に到着する前に、事前に避難所共有用個別情報10を生成して、再度、避難所で避難所共有用個別情報10を再度生成しているが、ユーザP1が避難所に到着したタイミングで、まとめて1回で避難所共有用個別情報10を生成する態様も採用しうる。
【0132】
本変形例は、避難者の情報の収集に特化した態様であり、QRコードの読取機能を有する避難所端末50を設置できない避難所においても、効率よく避難者の情報を収集することが可能となる。
【0133】
また、避難所端末50が必要なく、紙のポスターやアルミ等の金属プレート上に表示した避難所QRコード101を設置しておくだけで済むため、準備が容易になるだけでなく、導入のためのコストを低減することができる。
【0134】
このように、避難所端末50の設置に代えて、避難所QRコード101を活用して、避難者の情報を収集することも可能である。
【0135】
続いて、管理補助ソフトウェアAを用いた避難者の情報を収集する流れの一例を示す。以下で説明する方法は、本発明を利用した情報収集の一例であり、本発明の利用は以下の内容に限定されるものでなく、適宜設定を変更することが可能である。
【0136】
まず、
図4に示すように、管理補助ソフトウェアAを自身のスマートフォン端末1にインストールしたユーザP1は、入力部3aを介して、ユーザP1の個人情報であるユーザ個別基本情報6を入力し、情報記録部4に記録する(
図4の符合S1参照)。
【0137】
ここで、ユーザ個別基本情報6として、例えば、
図5(a)または
図5(b)に示された各種情報を入力し、情報記録部4に記録しておく。なお、
図5(a)は、通常のユーザ個別基本情報6の一例であり、
図5(b)は、英語版のユーザ個別基本情報6の一例である。
【0138】
また、ユーザP1は、災害が発生した際に、一緒に避難する可能性のある家族について、入力部3aを介して、家族の個人情報である家族個別基本情報7を入力し、情報記録部4に記録する(
図4の符合S2参照)。
【0139】
ユーザP1は、複数名の家族につき家族個別基本情報7を入力しておくことができる。また、家族個別基本情報7として、ユーザ個別基本情報6と同様に、例えば、
図5(a)または
図5(b)に示された各種情報を入力し、情報記録部4に記録しておく。
【0140】
また、ユーザ個別基本情報6及び家族個別基本情報7は、災害が発生したタイミングではなく、事前に入力しておくことができる。平時の落ち着いた状況で情報を入力しておくことで、正確な情報を記録可能となる。
【0141】
また、
図4では図示しないが、ユーザP1は、同時避難家族だけでなく、管理補助ソフトウェアAをスマートフォン端末5にインストールしたユーザP5と一緒に避難する際に、ユーザP5のユーザ個別基本情報6を受信して、避難所共有用個別情報10を生成することができる。
【0142】
また、ユーザP1は、スマートフォン端末1の入力部3aを介してだけでなく、QRコードを読み取る形で、一緒に避難する可能性のある家族の家族個別基本情報7を記録することが可能である。
【0143】
ここでは、同時避難家族にあらかじめ発行された紙媒体のQRコードを読み取り、スマートフォン端末1で、同時避難家族の家族個別基本情報7を受信することができる。また、同時避難家族が所有するスマートフォン端末に、管理補助ソフトウェアAをインストールしていれば、同時避難家族のスマートフォン端末でQRコードを表示させ、これを読み取ることも可能となる。
【0144】
さらに、ユーザP1は、同時避難家族ではないユーザP5について、スマートフォン端末5でユーザP5のユーザ個別基本情報6を反映したQRコードを表示させ、これを読み取ることで、ユーザP5のユーザ個別基本情報6を受信する。
【0145】
また、このようなQRコードをスマートフォン端末1で読み取る際には、例えば、
図6(a)及び
図6(b)に示すような画面情報を表示部3bに表示させ、QRコードを読み取ることができる。
【0146】
また、災害等が発生して、ユーザP1が避難所に避難する際には、スマートフォン端末1で、同時避難者の選択を行う(
図4の符合S3参照)。
【0147】
ここで、ユーザP1は、スマートフォン端末1の情報記録部4に記録した、一緒に避難する可能性のある家族の家族個別基本情報7の中から、一緒に避難している家族の氏名を選択する。
【0148】
例えば、
図7(a)に示すような画面情報を、スマートフォン端末1の表示部3bに表示させ、家族個別基本情報7の中から、一緒に避難している家族の氏名を選択することができる。
【0149】
また、ユーザP1は、同時避難者を選択した後、避難時の自身の体調の情報として、ユーザ体調情報8の入力を行う(
図4の符合S4参照)。また、ユーザP1は、同時避難家族についても、家族から体調の情報をヒアリングして、同時避難家族体調情報9の入力を行う(
図4の符合S5参照)。
【0150】
ここでは、
図7(b)に示すような情報を、スマートフォン端末1の表示部3bに表示させ、ユーザ体調情報8及び同時避難家族体調情報9の入力を行うことができる。
【0151】
また、
図4には図示しないが、ユーザP5がユーザP1と一緒に避難する際には、ユーザP5のユーザ個別基本情報6を受信した後、スマートフォン端末1の表示部3bで、ユーザP5の氏名を選択可能となる。そして、ユーザP5についても、スマートフォン端末1で体調の情報を入力することができる。
【0152】
そして、ユーザP1が、避難所に到着した際には、スマートフォン端末1を介して、避難所共有用個別情報10の生成を行う(
図4の符合S6参照)。
【0153】
具体的には、ユーザ体調情報8及び同時避難家族体調情報9の入力をした後、スマートフォン端末1の表示部3bで、「避難者情報を表示する」の項目を選択する(
図8(a)参照)ことで、表示部3b上に、QRコードが表示される(
図8(b)参照)。このQRコードが避難所共有用個別情報10となる。
【0154】
このQRコードには、ユーザP1におけるユーザ個別基本情報6及びユーザ体調情報8と、同時避難家族における家族個別基本情報7及び同時避難家族体調情報9が反映されている。
【0155】
また、ユーザP5も一緒に避難する際には、QRコードには、ユーザP5におけるユーザ個別基本情報6及びユーザ体調情報8も反映された形となる。
【0156】
また、避難所B1に設置された避難所端末50を介して、スマートフォン端末1に表示されたQRコードの読み取りを行う(
図4の符合S7参照)。
【0157】
この避難所端末50で、スマートフォン端末1のQRコードを読み取る際には、例えば、
図9に示すような画像情報を、避難所端末50の端末画面に表示して、これを選択することで、読み取り作業を行うことができる。
【0158】
このように、避難所B1において、記入用紙や端末等を介した情報入力を行うことなく、迅速に、ユーザP1と同時避難家族(またはユーザP5)の個人情報と、体調に関する情報を、避難所側で収集することができる。
【0159】
また、避難所B1では、各ユーザから収集された避難所共有用個別情報10を集約して、避難者の管理に利用することができる。また、複数の避難所から情報を収集して、避難所を管理する行政機関等が設置した災害対策本部A1の本部端末52で情報の集約を行うことも可能である(
図4の符合S8参照)。
【0160】
また、避難所端末50で、スマートフォン端末1のQRコードを読み取った際、1つのQRコードを読み取った結果として、例えば、
図10に示す画像情報が表示される。
【0161】
図10の画像情報では、避難者の氏名と共に、体調の情報に由来する注意点、例えば、「熱っぽい」等の情報が表示される。これにより、避難所の管理者側では、体調に不安のある避難者に対して、健康上の対策を講じやすくなる。
【0162】
このように、管理補助ソフトウェアAを用いて、複数の避難者の情報をまとめた避難所共有用個別情報10として収集することで、避難所の管理者側は、避難者の情報を効率よく収集できるだけでなく、情報の一括管理及び共有を容易に行うことができる(
図11参照)。
【0163】
また、避難所の管理者側は、収集した避難所共有用個別情報10に基づき、次のような、避難所を運営する際に必要な各種の情報をまとめることが可能となる。例えば、避難所内人数、年齢割合、性別割合、持病及び障害の有無、アレルギーの有無、必要備蓄数、外国人労働者の国籍、忌避の有無、専用エリアの必要性、予測されるトラブル等の情報である(
図11参照)。
【0164】
また、具体的な例として、
図12~
図14に示す情報が把握可能となる。例えば、
図12には、1つの避難所における、避難者の人数と割合、また、各避難者のユーザ個別基本情報6または家族個別基本情報7に基づく、複数の項目に合致する人の人数と割合を示している。
図12に示す情報は、1つの避難所の避難者の総合情報ともいえる。
【0165】
また、
図13には、避難者の持病の情報に特化したリストを表示している。
図13のリストでは、避難者の氏名、性別、年齢、国籍、言語、持病、アレルギー及び忌避の項目がリスト化され、一覧表として確認できる態様となっている。
【0166】
また、
図14には、避難所において発生が予測されるトラブルについて、予測情報をまとめた画面が表示されている。トラブル予測情報としては、例えば、性別に基づく予測情報、年齢に基づく予測情報、または、忌避に基づく予測情報等が挙げられている。
【0167】
このように、収集した避難所共有用個別情報10をベースの情報とし、避難所を運営する際に必要となる多様な情報として、とりまとめることで、円滑な運営を行う情報として活用することができる。
【0168】
また、管理補助ソフトウェアAを用いて、避難者が、ある避難所から別の避難所に移動する行動について、移動に関する情報を管理することができる。
【0169】
この際、例えば、
図15に示すように、ユーザP1は、スマートフォン端末1の表示部3bにおいて、避難所からの移動を選択する。また、ユーザP1は一緒に移動する同時避難家族を選択し、移動先の場所(自宅、他の避難所、知人宅、仮設住宅等)を選択または入力する。
【0170】
そして、情報生成手段22で、移動の情報をまとめたQRコードを生成して、移動前の避難所の避難所端末でこれを読み取ることで、システム上で、ユーザP1と同時避難家族の移動を容易に把握することができる。
【0171】
このように、管理補助ソフトウェアAは、避難所から移動する際の移動の情報の管理にも活用することができる。
【0172】
また、管理補助ソフトウェアAは、避難所で避難生活を開始したユーザに対して、一緒に避難していない、ユーザの家族の安否確認の情報を収集して、避難者の管理に役立てることができる。
【0173】
例えば、ユーザの家族で、同じ避難所に避難していない家族と連絡が取れた際に、ユーザの家族の安否確認状況を更新することで、包括的な避難者の状況把握に繋げることができる。
【0174】
[本発明の第2の実施の形態]
続いて、本発明の第2の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。なお、以下で説明する本発明の第2の実施の形態の説明では、上述した本発明の第1の実施の形態の説明で登場した構成と同一の構成については、同一の符合を付し、重複した機能等についての説明を省略する。
【0175】
また、本発明の第2の実施の形態における、本発明の第1の実施の形態との主な違いは、ユーザが旅行客である点にある。
【0176】
まず、上述したユーザP1に相当するユーザP6は、自身のスマートフォン端末1に、管理補助ソフトウェアAを導入(ダウンロード)した旅行者(観光客)である(
図16参照)。ユーザP6の一例として、日本に来日した外国人の旅行者または旅行のツアーガイド等が挙げられる。なお、ここでいう管理補助ソフトウェアAの導入とは、スマートフォン端末へのダウンロードに限定されるものではなく、例えば、PC端末等へのインストールや、PWA(Progressive Web Apps)によるWebサイト上での利用も含まれるものである。
【0177】
また、
図17に示すように、情報記録部4には、各種情報が記録されている。この各種情報には、スマートフォン端末P6の所有者であるユーザP6のユーザ個別基本情報16、旅行同行者個別基本情報17、ユーザ体調情報18、同時避難旅行同行者体調情報19が含まれている。
【0178】
ここで、ユーザ個別基本情報16とは、ユーザP6における個人情報であり、氏名、生年月日、国籍、パスポート番号、血液型、忌避、アレルギー、持病、障害の有無、妊娠の有無の情報が含まれている。
【0179】
また、旅行同行者個別基本情報17とは、災害の際に、ユーザP6と一緒に避難所に避難する可能性のある、一緒に旅行している人(旅行の同行者または旅行ツアーの参加者等)の個人情報であり、氏名、生年月日、国籍、パスポート番号、血液型、忌避、アレルギー、持病、障害の有無、妊娠の有無の情報が含まれている。
【0180】
また、旅行同行者個別基本情報17には、ユーザP6と一緒に避難所に避難する可能性のある旅行同行者として、複数の人の情報を含めておくことができる。
【0181】
また、ユーザ個別基本情報16及び旅行同行者個別基本情報17には、旅行者管理ID情報が含まれていてもよい。この旅行者管理ID情報とは、旅行会社が、各旅行者を管理するために付与する識別情報である。旅行者管理ID情報を含めておくことで、後述する避難所共有用個別情報110または避難所共有用集約情報111を、旅行会社端末70で受領した際に、個々の旅行者の動向をより一層把握しやすくなる。
【0182】
ここで、必ずしも、ユーザ個別基本情報16及び旅行同行者個別基本情報17を構成する個人情報の内容が、氏名、生年月日、国籍、パスポート番号、血液型、忌避、アレルギー、持病、障害の有無、妊娠の有無の情報に限定されるものではない。例えば、必要に応じて、性別やペットの有無、旅行会社、旅行会社が設定する旅行者番号、関連大使館及びその連絡先の情報を含めることができる。また、旅行同行者個別基本情報17については、ユーザP6との続柄の情報を含めることができる。また、生年月日の情報に基づき、年齢の情報を算出して利用することもできる。
【0183】
また、ユーザ体調情報18とは、災害等が発生してユーザP6が避難所に避難する際の、その時のユーザP6の体調に関する情報である。また、体調に関する情報には、避難時の体調、例えば、体調に問題がない、負傷の有無、痛みの有無、熱の有無、めまい、吐き気、その他の情報等が含まれる。
【0184】
また、ユーザ体調情報18には、ユーザ個別基本情報16として予め記録した情報(登録情報)のうち、持病の有無または妊娠の有無の内容に対する変更の有無の情報が含まれる。
【0185】
また、同時避難旅行同行者体調情報19とは、旅行同行者個別基本情報17として記録されたユーザP6の旅行同行者のうち、災害等が発生してユーザP6と一緒に避難している旅行同行者として選択された人(以下、「同時避難旅行同行者」と称する)が、ユーザP6と一緒に避難する際の、その時の体調に関する情報である。また、体調に関する情報には、避難時の体調、例えば、体調に問題がない、負傷の有無、痛みの有無、熱の有無、めまい、吐き気、その他の情報等が含まれる。
【0186】
また、同時避難旅行同行者体調情報19には、旅行同行者個別基本情報17として予め記録した情報(登録情報)のうち、持病の有無または妊娠の有無の内容に対する変更の有無の情報が含まれる。
【0187】
また、情報記録部4に記録される情報は、必要に応じて、後述する避難所端末60または避難所端末80からも、情報の入力や修正が可能となっている。
【0188】
[避難所共有用情報の生成]
ユーザP6のスマートフォン端末1の演算部2を情報生成手段22として機能させ、この情報生成手段22が、避難所共有用個別情報110の生成を行う(
図16参照)。この避難所共有用個別情報110とは、ユーザP6と同時避難旅行同行者の個人情報及び避難時の体調等の情報を、ひとまとめにした情報であり、避難所の管理に利用される情報である。
【0189】
即ち、例えば、避難所共有用個別情報110は、各避難所での避難者名簿の作成や、避難所生活における避難者の生活上の不具合やトラブルを回避するために利用される情報となる。
【0190】
また、災害等が発生して、ユーザP6と同時避難旅行同行者が避難所に避難する際に、スマートフォン端末1の表示部3b及び入力部3aを介して、旅行同行者個別基本情報17として記録された旅行同行者の中から、一緒に避難する旅行同行者を選択すると、情報生成手段22が、避難所共有用個別情報110を生成する。
【0191】
即ち、情報記録部4に記録されたユーザP6のユーザ個別基本情報16と、同時避難旅行同行者の旅行同行者個別基本情報17とが、1つの情報としてまとめられて、避難所共有用個別情報110が生成される。
【0192】
また、避難所に避難する際、表示部3b及び入力部3aを介して、ユーザP6と、同時避難旅行同行者の体調等の情報が入力されると、ユーザ体調情報18及び同時避難旅行同行者体調情報19を加えた形で、避難所共有用個別情報110が生成される。
【0193】
ここで、必ずしも、避難所共有用個別情報110は、ユーザP6と、同時避難旅行同行者の体調等の情報が入力されて作成される必要はなく、ユーザP6のユーザ個別基本情報16と、同時避難旅行同行者の旅行同行者個別基本情報17のみで構成される態様であってもよい。但し、避難所での避難者に対する健康上のケア等が行いやすくなることから、避難所共有用個別情報110には、ユーザP6と、同時避難旅行同行者の体調等の情報が含まれることが好ましい。
【0194】
このようにして、情報生成手段22が避難所共有用個別情報110を生成することで、避難所に到着した際に、避難所に設置された避難所端末60または避難所端末80に避難所共有用個別情報110を送信して、旅行者のグループ単位で、効率よく避難者の情報を収集することができる。
【0195】
また、避難所共有用個別情報110には、忌避、アレルギー、持病、障害の有無、妊娠の有無の情報が含まれるため、各避難者に対しての健康上留意すべき点や、習慣や文化面で配慮すべき点等の情報も、同時に収集することができる。
【0196】
また、避難所共有用個別情報110には国籍の情報が含まれるため、外国籍の避難者がいた際に、使用する言語に合わせた情報処理システムの準備等の対応がとりやすく、より正確な避難者情報の収集が可能となる。
【0197】
また、避難所共有用個別情報110には、避難者の体調に関する情報と、持病の有無または妊娠の有無に関する変更の情報が含まれるため、避難者に対して、より一層健康上のケアや対策が取りやすくなる。また、必要に応じて、病院の近くの避難所への誘導も行いやすくなる。
【0198】
また、管理補助ソフトウェアAは、同ソフトウェアを利用する別のユーザP5と、ユーザP6が一緒に避難する際に、避難者共有用情報が生成可能な態様となっている。本態様は、上述したユーザP1と、別のユーザP5との間での、避難所共有用情報の生成の仕組みと同じであるため、説明を省略する。
【0199】
[避難所端末]
旅行者であるユーザP6が、災害時に避難する場所として、滞在時のホテルや駅などの臨時避難所D1や、自治体等が開設した公的避難所D2が挙げられる。
【0200】
図16に示すように、臨時避難所D1では、臨時避難所D1に来た避難者の情報を管理するための避難所端末60が設置されている。また、公的避難所D2でも、公的避難所D2に来た避難者の情報を管理するための避難所端末80が設置されている。この避難所端末60または避難所端末80は、例えば、パーソナルコンピュータまたはタブレット端末等を用いることができる。
【0201】
この避難所端末60または避難所端末80は、専用のコンピュータソフトウェアをインストールした読取機能付端末を準備することができれば充分である。これにより、インターネット環境の構築や確認、印刷機械、印刷用紙といったシステムを稼働するために準備する必要がある物を極端に減らすことができ、避難所開設のための準備(例えば、受付用の机の準備、体調不良者待機所の設営、備蓄確認、水道の確認等)に注力することができる。
【0202】
避難所端末60または避難所端末80は、ユーザP6が、同時避難旅行同行者P7、同時避難旅行同行者P8またはユーザP5と一緒に、臨時避難所D1または公的避難所D2に到着した際、スマートフォン端末1から、避難所共有用個別情報110を受信して、避難者の情報の集計や管理を行うものとなる。
【0203】
ここで、スマートフォン端末1は、情報生成手段22を介して、避難所共有用個別情報110を反映したQRコードが作成可能に構成されている。
【0204】
また、スマートフォン端末1は、避難所共有用個別情報110を反映したQRコードを表示部3bに表示して、これを避難所端末60または避難所端末80で読み取ることで、避難所共有用個別情報110を避難所端末60または避難所端末80で受信することができる。
【0205】
ここで、必ずしも、避難所共有用個別情報110を、避難所端末60または避難所端末80側で受信する際に、QRコードが用いられる必要はない。例えば、インターネット通信が可能な環境であれば、外部サーバを経由して、避難所共有用個別情報110を、避難所端末60または避難所端末80側に送信することも可能である。但し、外部サーバを経由せず、情報が送受信でき、個人情報の漏洩のリスクが低くなることから、避難所共有用個別情報110を、避難所端末60または避難所端末80側で受信する際に、QRコードが用いられることが好ましい。また、QRコードに代えて、短距離無線通信技術による情報の送受信を利用することも可能である。
【0206】
また、避難所共有用個別情報110を受信した避難所端末60または避難所端末80では、臨時避難所D1または公的避難所D2に避難してきたその他の避難者の情報と共に、各避難所共有用個別情報110を集約して、避難所共有用集約情報111を作成することができる(
図16参照)。この避難所共有用集約情報111に基づき、人数を集計したリストを作成したり、想定されるトラブル予測情報をまとめたりすることができる。
【0207】
また、
図16に示すように、避難所端末60または避難所端末80は、旅行会社C1における旅行会社端末70との間で通信可能に構成され、避難所端末60または避難所端末8で収集した情報を、旅行会社端末70でも共有できるものとなっている。また、避難所端末60、避難所端末80または旅行会社端末70は、避難所を管理する行政機関等が設置した災害対策本部A1の本部端末52との間で通信可能に構成されている。
【0208】
臨時避難所D1及び公的避難所D2の各避難所における避難所共有用集約情報111は、避難所端末60及び避難所端末80でなく、旅行会社端末70に送信され、旅行会社端末70側で、各種情報を集約したり、リスト化したりすることも可能である。
【0209】
また、管理補助ソフトウェアAを介して、スマートフォン端末1に、現状通知機能を持たせることも可能である。現状通知機能とは、ユーザP6、同時避難旅行同行者P7及び同時避難旅行同行者P8について、避難の完了の有無と、所在地の情報を、旅行会社端末70に送信する機能である。
【0210】
例えば、臨時避難所D1、公的避難所D2または安全と思われる施設等に到着したユーザP6が、オンライン通信が可能な環境にいるタイミングで、スマートフォン端末1を介して、避難の完了の有無と、所在地の情報(GPS情報等を含む)を入力し、これらの情報が旅行会社端末70に送信される。この現状通知機能により、旅行会社は、そのタイミングごとの旅行者の状況を把握することが可能となる。また、オフライン環境下において、ユーザP6がスマートフォン端末1を介して、避難の完了の有無と、所在地の情報を入力した情報を準備しておき、サーバや端末等で情報を保持または待機状態とし、オンライン通信が可能な環境になった際に、旅行会社端末70との間で、その情報が同期または送信される態様であってもよい。
【0211】
また、
図5(b)に記載された情報が、
図16に示す経路や、上述した現状通知機能と同様の情報通信の経路を介して、旅行会社端末70に集約されることにより、旅行会社は、その後の帰国手続きや旅行者の安否確認を行うことができるため、その後の手配がより簡便となる。
【0212】
また、
図16に示すように、旅行会社C1及び災害対策本部A1が情報を共有することも可能なため、災害対策本部A1にも情報が集約され、旅行者の安否情報等の集計及びその後の報告も簡便に行うことができる。
【0213】
また、管理補助ソフトウェアAを介して、スマートフォン端末1と、旅行会社端末70との間で、緊急時連携機能を持たせることも可能である。この緊急時連携機能では、例えば、避難中の避難所での待機指示、別の場所への移動指示、避難後の行動指示等の情報を、旅行会社から、避難中の旅行者に対して発信する機能である。
【0214】
これらの旅行会社からの指示情報は、旅行会社端末70から、ユーザP6のスマートフォン端末1に送信され、自身のスマートフォン端末1で、ユーザP6は指示内容を確認することができる。
【0215】
また、管理補助ソフトウェアAを介して、スマートフォン端末1に、緊急時メッセージ機能を持たせることもできる。この機能は、スマートフォン端末1の表示部3bに、日本語で「助けてください」との文字を表示したり、音声を発したりすることで、ユーザP6が、周囲の人に助けを求めるときに利用できる機能である。例えば、避難所に避難する前等において、ユーザP6が、周囲の人に助けてほしい際に、日本語が話せなくても、その旨を通知することが可能となる。
【0216】
続いて、管理補助ソフトウェアAを用いた避難者の情報を収集する流れの一例を示す。
まず、
図18に示すように、管理補助ソフトウェアAを自身のスマートフォン端末1にインストールしたユーザP6は、入力部3aを介して、ユーザP6の個人情報であるユーザ個別基本情報16を入力し、情報記録部4に記録する(
図18の符合S1参照)。
【0217】
ここで、ユーザ個別基本情報16として、例えば、
図5(b)に示された各種情報を入力し、情報記録部4に記録しておく。
【0218】
また、ユーザP6は、災害が発生した際に、一緒に避難する可能性のある旅行同行者について、入力部3aを介して、旅行同行者の個人情報である旅行同行者個別基本情報17を入力し、情報記録部4に記録する(
図18の符合S2参照)。
【0219】
ユーザP6は、複数名の旅行同行者につき旅行同行者個別基本情報17を入力しておくことができる。また、旅行同行者個別基本情報17として、ユーザ個別基本情報16と同様に、例えば、
図5(b)に示された各種情報を入力し、情報記録部4に記録しておく。
【0220】
また、ユーザ個別基本情報16及び旅行同行者個別基本情報17は、災害が発生したタイミングではなく、事前に入力しておくことができる。平時の落ち着いた状況で情報を入力しておくことで、正確な情報を記録可能となる。
【0221】
また、
図18では図示しないが、ユーザP6は、同時避難旅行同行者だけでなく、管理補助ソフトウェアAをスマートフォン端末5にインストールしたユーザP5と一緒に避難する際に、ユーザP5のユーザ個別基本情報6を受信して、避難所共有用個別情報110を生成することができる。
【0222】
また、災害等が発生して、ユーザP6が避難所に避難する際には、スマートフォン端末1で、同時避難者の選択を行う(
図18の符合S3参照)。
【0223】
ここで、ユーザP1は、スマートフォン端末1の情報記録部4に記録した、一緒に避難する可能性のある旅行同行者の旅行同行者個別基本情報17の中から、一緒に避難している旅行同行者の氏名を選択する。
【0224】
例えば、
図19(a)に示すような画面情報を、スマートフォン端末1の表示部3bに表示させ、旅行同行者個別基本情報17の中から、一緒に避難している旅行同行者の氏名を選択することができる。
【0225】
また、ユーザP6は、同時避難者を選択した後、避難時の自身の体調の情報として、ユーザ体調情報18の入力を行う(
図18の符合S4参照)。また、ユーザP6は、同時避難旅行同行者についても、旅行同行者から体調の情報をヒアリングして、同時避難旅行同行者体調情報19の入力を行う(
図18の符合S5参照)。
【0226】
ここでは、
図19(b)に示すような情報を、スマートフォン端末1の表示部3bに表示させ、ユーザ体調情報18及び同時避難旅行同行者体調情報19の入力を行うことができる。
【0227】
また、
図18には図示しないが、ユーザP5がユーザP6と一緒に避難する際には、ユーザP5のユーザ個別基本情報6を受信した後、スマートフォン端末1の表示部3bで、ユーザP5の氏名を選択可能となる。そして、ユーザP5についても、スマートフォン端末1で体調の情報を入力することができる。
【0228】
そして、ユーザP6が、避難所に到着した際には、スマートフォン端末1を介して、避難所共有用個別情報110の生成を行う(
図18の符合S6参照)。
【0229】
具体的には、ユーザ体調情報18及び同時避難旅行同行者体調情報9の入力をした後、スマートフォン端末1の表示部3bで、「View evacuee information(避難者情報を表示する)」の項目を選択する(
図20(a)参照)ことで、表示部3b上に、QRコードが表示される(
図20(b)参照)。このQRコードが避難所共有用個別情報110となる。
【0230】
このQRコードには、ユーザP6におけるユーザ個別基本情報16及びユーザ体調情報18と、同時避難旅行同行者における旅行同行者個別基本情報17及び同時避難旅行同行者体調情報19が反映されている。
【0231】
また、ユーザP5も一緒に避難する際には、QRコードには、ユーザP5におけるユーザ個別基本情報6及びユーザ体調情報8も反映された形となる。
【0232】
また、臨時避難所D1(または公的避難所D2)に設置された避難所端末60を介して、スマートフォン端末1に表示されたQRコードの読み取りを行う(
図18の符合S7参照)。
【0233】
このように、臨時避難所D1において、記入用紙や端末等を介した情報入力を行うことなく、迅速に、ユーザP6と同時避難旅行同行者(またはユーザP5)の個人情報と、体調に関する情報を、避難所側で収集することができる。
【0234】
また、臨時避難所D1では、各ユーザから収集された避難所共有用個別情報110を集約して、避難者の管理に利用することができる。また、複数の避難所から情報を収集して、旅行会社端末70で情報の集約を行うことも可能である(
図18の符合S8参照)。
【0235】
このように、旅行者であるユーザに対しても、管理補助ソフトウェアAを用いて、複数の避難者の情報をまとめた避難所共有用個別情報110として収集することで、避難所の管理者側は、避難者の情報を効率よく収集できるだけでなく、情報の一括管理及び共有を容易に行うことができる。
【0236】
以上のように、本発明の避難者情報管理補助ソフトウェアは、災害発生時に、避難所において避難者の情報を漏れなく、かつ、効率よく収集できると共に、迅速な避難所運営や、避難所生活におけるトラブル低減に寄与するものとなっている。
また、本発明の避難者情報管理補助システムは、災害発生時に、避難所において避難者の情報を漏れなく、かつ、効率よく収集できると共に、迅速な避難所運営や、避難所生活におけるトラブル低減に寄与するものとなっている。
【符号の説明】
【0237】
A 管理補助ソフトウェア
P1 ユーザ
P2 (ユーザP1の)同時避難家族
P3 (ユーザP1の)同時避難家族
P5 ユーザ
A1 災害対策本部
B1 避難所
B2 避難所
1 (ユーザP1の)スマートフォン端末
2 演算部
10 避難所共有用個別情報
11 避難所共有用集約情報
12 避難所共有用集約情報
20 情報入力手段
21 情報記録手段
22 情報生成手段
23 情報処理手段
3a 入力部
3b 表示画面
3c 情報送受信部
30 インターネット
31 短距離無線通信
4 情報記録部
5 (ユーザP5の)スマートフォン端末
50 (避難所B1の)避難所端末
51 (避難所B2の)避難所端末
52 (災害対策本部A1の)本部端末
6 ユーザ個別基本情報
7 家族個別基本情報
8 ユーザ体調情報
9 同時避難家族体調情報
10 避難所共有用情報
16 ユーザ個別基本情報
17 旅行同行者個別基本情報
18 ユーザ体調情報
19 同時避難旅行同行者体調情報
60 (臨時避難所D1の)避難所端末
70 旅行会社端末
80 (公的避難所D2の)避難所端末
110 避難所共有用情報
111 避難所共有用集約情報
100 避難所情報
101 避難所QRコード
102 避難所サーバ
103 外国からの観光客
104 団体ツアーの観光客