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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173800
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】キャッシュレス寄付システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024087983
(22)【出願日】2024-05-30
(31)【優先権主張番号】P 2023090952
(32)【優先日】2023-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】523207836
【氏名又は名称】株式会社エス・クリーニング
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】清水 貴文
(72)【発明者】
【氏名】山内 博明
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】キャッシュレス寄付システムを提供する。
【解決手段】キャッシュレス寄付システムは、ユーザに割り当てられたアプリの一意識別情報、一意識別情報に紐付けられる金融情報及びユーザのうち少なくとも被寄付者が所属する団体に割り当てられたアプリの固有識別情報が格納された格納媒体500と、被寄付者に係る固有識別情報及び被寄付者に対する寄付金額を示す情報に、寄付者に割り当てられている一意識別情報を紐付けて送信する寄付者用携帯端末100と、寄付者用携帯端末から送信される一意識別情報及び固有識別情報に基づいて格納媒体を参照して、一意識別情報に対応する金融情報及び当該被寄付者及び/又は当該団体に割り当てられた一意識別情報を特定する特定手段並びに寄付者用携帯端末から送信された一意識別情報及び寄付金額と特定手段によって特定された金融情報とに基づいて寄付処理を行う実行手段とを備えるサーバ装置300と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに割り当てられたキャッシュレス決済アプリの一意識別情報と、当該一意識別情報に紐付けられる金融情報と、前記ユーザのうち少なくとも被寄付者が所属する団体に割り当てられたキャッシュレス決済アプリの固有識別情報と、が格納された格納媒体と、
前記被寄付者に係る固有識別情報及び当該被寄付者に対する寄付金額を示す情報を、前記ユーザのうち寄付者に割り当てられている一意識別情報とともに送信する寄付者用携帯端末と、
前記寄付者用携帯端末から送信される一意識別情報及び固有識別情報に基づいて前記格納媒体を参照して、当該一意識別情報に対応する金融情報及び当該被寄付者及び/又は当該団体に割り当てられた一意識別情報を特定する特定手段と、前記寄付者用携帯端末から送信された一意識別情報及び前記寄付金額と前記特定手段によって特定された金融情報とに基づいて寄付処理を行う実行手段と、を備えるサーバ装置と、
を有する、キャッシュレス寄付システム。
【請求項2】
前記寄付者用携帯端末は、前記固有識別情報のコードを読み取る読取手段を備える、請求項1記載のキャッシュレス寄付システム。
【請求項3】
前記寄付者用携帯端末は、前記実行手段によって実行された寄付処理の内容を示す情報を、前記寄付者用携帯端末に送信する送信手段を備える、請求項1記載のキャッシュレス寄付システム。
【請求項4】
前記寄付者用携帯端末は、前記実行手段によって実行された寄付処理の内容を示す情報を、前記被寄付者用及び/又は前記団体用の端末に送信する送信手段を備える、請求項1記載のキャッシュレス寄付システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャッシュレス寄付システムに関し、特に、いわゆるキャッシュレス決済やモバイル決済などと称される決済手法を採用するキャッシュレス寄付システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、寄付を行うことによって、感謝や祝福の気持ちを誰かに伝えることを可能とする手段を提供するための管理システムについて開示されている。この管理システムは、寄付主体により使用される寄付主体端末装置から、当該寄付主体を識別する寄付主体識別情報と、被寄付主体を識別する被寄付主体識別情報と、寄付する金額を示す寄付金額情報と、寄付の動機付けを示す動機付情報とを含む寄付依頼情報を受信して、寄付処理を行うというものである。
【特許文献1】特許7186918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載されている被寄付主体識別情報なるものが、具体的に如何なる情報を想定しているかについては、同文献から必ずしも明らかではないが、近年、いわゆるモバイル決済を、スマートフォンなどにインストールしたアプリケーションプログラム(以下、「キャッシュレス決済アプリ」という。なお、現在普及しているキャッシュレス決済アプリとしては、我が国ではPayPayやLINE Pay、米国ではVenmo、中国ではWeChat Pay(いずれも登録商標)など、が挙げられる。)を用いて実行する電子決済サービスも登場していることを踏まえると、被寄付主体識別情報としてキャッシュレス決済アプリのアカウントやIDを用いることも考えられる。
【0004】
被寄付主体識別情報としてキャッシュレス決済アプリのアカウント等を用いる場合には、当該アカウント等が個人情報に類するものであるため、被寄付主体がそれを簡単に寄付主体に対して知らせるとは考え難く、仮に被寄付主体がキャッシュレス決済アプリのアカウント等を寄付主体に対して知らせることが前提であるとすると、アカウント等の漏洩防止対策などについて特許文献1では検討がされていないことから、管理システムの利用が限定的となると思われる。
【0005】
本発明は、以上の事情に鑑みて、キャッシュレス決済アプリを利用するものの、被寄付主体が自身に割り当てられているキャッシュレス決済アプリのアカウント等を寄付主体に知らせることなくキャッシュレス寄付を行えるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のキャッシュレス寄付システムは、
ユーザ(寄付者、被寄付者、被寄付者が所属する団体など)に割り当てられたキャッシュレス決済アプリの一意識別情報(例えば、PayPay等のアカウント)と、当該一意識別情報に紐付けられる金融情報(例えば、PayPay等に登録されるクレジットカード情報、銀行口座情報、デポジット情報など)と、前記ユーザのうち少なくとも被寄付者が所属する団体に割り当てられたキャッシュレス決済アプリの固有識別情報(例えば、PayPay等のアカウント)と、が格納された格納媒体(例えば、PayPay社等が既に有しているデータベース)と、
前記被寄付者に係る固有識別情報及び当該被寄付者に対する寄付金額を示す情報を、前記ユーザのうち寄付者に割り当てられている一意識別情報とともに送信する寄付者用携帯端末(例えば、寄付者が操作するスマートフォン)と、
前記寄付者用携帯端末から送信される一意識別情報及び固有識別情報に基づいて前記格納媒体を参照して、当該一意識別情報に対応する金融情報及び当該被寄付者及び/又は当該団体に割り当てられた一意識別情報を特定する特定手段と、前記寄付者用携帯端末から送信された一意識別情報及び前記寄付金額と前記特定手段によって特定された金融情報とに基づいて寄付処理を行う実行手段と、を備えるサーバ装置と、
を有する。
【0007】
また、前記寄付者用携帯端末は、前記固有識別情報のコードを読み取る読取手段を備えることもできる。
【0008】
さらに、前記寄付者用携帯端末は、前記実行手段によって実行された寄付処理の内容を示す情報を、前記寄付者用携帯端末に送信する送信手段を備えることもできる。
【0009】
或いは、前記寄付者用携帯端末は、前記実行手段によって実行された寄付処理の内容を示す情報を、前記被寄付者用及び/又は前記団体用の端末に送信する送信手段を備えることもできる。
【発明の実施の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態のキャッシュレス寄付システムについて、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態のキャッシュレス寄付システムの模式的な構成を示すブロック図である。図1には、以下説明する、寄付者用携帯端末100と、団体用端末200と、サーバ装置300と、被寄付者用携帯端末400と、格納媒体500と、ネットワーク600と、を示している。
【0012】
格納媒体500は、例えば、電子決済サービス提供企業(PayPay社など)によって管理されるデータベースである。格納媒体500には、以下に定義する一意識別情報及び固有識別情報と、ユーザ(寄付者、被寄付者、被寄付者が所属する団体など)の各種情報と、が相互に紐付けられた状態で格納される。
【0013】
一意識別情報とは、ユーザに一意に割り当てられたアカウント又はID(以下、単に「アカウント」という。)などの識別情報をいう。固有識別情報とは、例えばユーザのうち団体とそれに所属する被寄付者の各々とに共通して固有に割り当てられた識別情報をいう。
【0014】
本実施形態では、以下、「団体」が例えばサービス業者である『店舗』であり、「被寄付者」がその店舗の『特定の店員』であり、「寄付者」がその店舗の『顧客』であるとして、「特定の店員」が提供するサービスに対して感銘を受けた「顧客」が、「特定の店員」に対してキャッシュレス決済アプリを通じて寄付をする場合を例に説明する。
【0015】
もっとも、ここでいう「寄付」は、サービス業者がしたサービス提供について対価を支払うことに付随するものであることは必須ではない。本明細書における「寄付」というのは、例えば、サービス業者である『居酒屋の店舗』でアルバイトをしている『学生店員』が飲食物を提供する際の振る舞いや、遊園地の清掃スタッフの丁寧な仕事ぶりに対し、その場で行う寄付も含まれる。
【0016】
なお、固有識別情報は、上記の例のものに代えて、店舗にのみ固有のものとすることもできる。その場合には、店舗に割り当てられている一意識別情報を、固有識別情報として用いることもできる。こうすると、店舗に店員が所属しなくなった場合に、都度、その固有識別情報の登録を抹消するなどの対応の必要がなく便利である。
【0017】
ただし、その場合には、どの店員宛に寄付をするかを特定するための情報を顧客に送信してもらう必要がある。その場合には、被寄付者に対して店員の名前やニックネームの入力を求めたり、予め店員の名前やニックネームのリストを用意しておきその中から該当者の選択を求めたりすることができる。
【0018】
寄付者用携帯端末100は、顧客が携帯及び操作することができる端末であり、図1に例示するようなスマートフォンはもとより、スマートウォッチ、携帯電話機、PDA、タブレット端末などが例示される。寄付者用携帯端末100は、少なくとも計算機能及び通信機能を有してさえいればよいが、QRコード(登録商標)などにコード化された固有識別情報を読み取るための撮像機能を有していると好ましい。
【0019】
寄付者用携帯端末100には、例えば、キャッシュレス決済アプリがインストールされている。寄付者用携帯端末100は、そのCPUやメモリとキャッシュレス決済アプリとの協働によって、図2等を用いて後述する処理を実行することができる。なお、そのような処理は、必ずしも寄付者用携帯端末100にインストールしたキャッシュレス決済アプリにて実行しなくてもよく、例えばウェブブラウザを用いて実行することもできる。
【0020】
団体用端末200は、店員が所属する店舗の責任者や経理担当者等によって操作される端末であり、図1に例示するようなパーソナルコンピュータはもとより、タブレット端末、スマートフォン、スマートウォッチ、携帯電話機、PDAなどが例示される。団体用端末200にも、キャッシュレス決済アプリがインストールされているとよいが、キャッシュレス決済アプリにて実行しようとする処理は、例えばウェブブラウザを用いて実行することもできる。団体用端末200が、そのCPUやメモリとキャッシュレス決済アプリ等との協働によって実行する処理についても図2等を用いて後述する。
【0021】
サーバ装置300は、例えば、電子決済サービス提供企業によって管理されるものである。もっとも、サーバ装置300は、他の企業によって管理されるものであってもよい。サーバ装置300は、寄付者用携帯端末100と団体用端末200と被寄付者用携帯端末400とに対して寄付サービスを提供するものである。サーバ装置300の具体的な構成についても図2等を用いて説明する。
【0022】
被寄付者用携帯端末400は、ハードウェアとしては寄付者用携帯端末100と同様に、店員が携帯及び操作することができるスマートフォン等が例示される。被寄付者用携帯端末400にも、キャッシュレス決済アプリがインストールされているとよいが、キャッシュレス決済アプリにて実行しようとする処理は、例えばウェブブラウザを用いて行うこともできる。被寄付者用携帯端末400のCPUやメモリとキャッシュレス決済アプリとの協働によって実行する処理についても図2等を用いて後述する。
【0023】
ネットワーク600は、有線・無線を問わず、携帯電話回線、インターネット回線、イントラネット回線などを含む、各種ネットワークの総称である。ネットワーク600は、寄付者用携帯端末100と団体用端末200とサーバ装置300と被寄付者用携帯端末400と格納媒体500とを相互に接続し、これらの間で種々の情報乃至データを通信できるようにするものである。
【0024】
図2は、図1に示す、寄付者用携帯端末100と、団体用端末200と、サーバ装置300と、被寄付者用携帯端末400と、がそれぞれ実行する主な処理に関する機能ブロック図である。図2(a)には寄付者用携帯端末100、図2(b)には団体用端末200、図2(c)にはサーバ装置300、図2(d)には被寄付者用携帯端末400、の機能ブロック図をそれぞれ示している。
【0025】
図2(a)に示すように、寄付者用携帯端末100は、以下説明する、送信手段110と、登録手段120と、撮像手段130と、を備えている。
【0026】
送信手段110は、キャッシュレス寄付サービスを受けるために必要な各種情報を、ネットワーク600を介してサーバ装置300に送信するものである。送信手段110は、初期設定の際には、キャッシュレス決済アプリ等で用いるアカウントを取得するために、顧客が入力した自身の顧客情報(例えば、氏名・電話番号等の連絡先・クレジットカード情報などの金融情報等)を送信し、また、寄付サービスの提供を受ける際には、顧客の操作によって入力される特定の店員に係る固有識別情報及び当該特定の店員に対する寄付金額を示す情報を送信する。なお、当該アカウントは、それらの情報を送信する際の送信元を示す情報として用いることができるが、別途、送信元を示す情報を用意してそれを含めて各種情報を送信するようにしてもよい。
【0027】
登録手段120は、送信手段110によって顧客情報を送信することによってサーバ装置300から割り当てられたアカウントを、寄付者用携帯端末100が備える図示しないメモリ等に登録するものである。
【0028】
撮像手段130は、スマートフォンやタブレット端末の多くに搭載されているカメラ及びその動作に関するプログラムなどによって実現される、例えばQRコード化された固有識別情報を読み取るものである。なお、QRコードは、その印刷物を含むパネルなどを例えばキャッシュレジスター付近といった店頭に設置したり(店舗にのみ固有識別情報を割り当てた場合に好適である。)、その印刷物を含む名札などを店員に付与したり(店舗と店員の各々との双方に共通する固有識別情報を割り当てた場合に好適である。)することで、顧客が撮像できるようにすればよい。
【0029】
図2(b)に示すように、団体用端末200は、以下説明する、受信手段210と、提示手段220と、登録手段230と、を備えている。
【0030】
受信手段210は、サーバ装置300の送信手段330からネットワーク600を介して送信される、寄付処理実行の有無を示す情報、当該寄付処理が実行される場合にはその実行内容を示す情報を、選択的に受信するものである。
【0031】
ここでいう「選択的」という意味は、顧客からの寄付金を被寄付者である特定の店員の被寄付者用携帯端末400に転送する場合に、サーバ装置300のみが介在する態様ではなくて、サーバ装置300及び団体用端末200の双方が介在する態様の場合にする受信のことである。
【0032】
なお、寄付金の転送態様は、上記いずれの態様も物理的に実現できるようにしておき、キャッシュレス寄付システムの管理者や団体の管理者等がいずれかの態様を選択できるようにすることもできる。
【0033】
また、団体用端末200が寄付金の転送に介在する場合には、寄付金の転送先となり得る全店員の一意識別情報やメールアドレス等を格納媒体500や団体用端末200に予め格納しておいて、寄付処理の実行内容を示す情報に基づいて特定の店員の宛先を読み出してキャッシュレス決済アプリによる通知やメール等にて送信することが考えられる。
【0034】
提示手段220は、受信手段210によって寄付処理の実行内容を示す情報が受信された場合に、当該情報を店舗の管理者や経理担当者等に提示するものである。この提示の手法は限定的ではなく、例えば、キャッシュレス決済アプリの寄付関連画面に当該情報を含めるようにして、団体用端末200に付帯するディスプレイに表示することも考えられる。
【0035】
登録手段230は、寄付金の転送先となり得る全店員の一意識別情報やメールアドレス等の宛先を登録するものである。このメールアドレス等の宛先は、団体用端末200が備える図示しないメモリ等や格納媒体500に登録される。
【0036】
図2(c)に示すように、サーバ装置300は、以下説明する、特定手段310と、実行手段320と、送信手段330と、を備えている。
【0037】
サーバ装置300は、それを実行する手段を明示していないが、初期設定の際には、寄付者用携帯端末100の送信手段110からネットワーク600を介して送信される顧客情報を受信し、一意のアカウントを割り当てた上で、それらの顧客情報とアカウントとを紐付けて格納媒体500に格納したり、更に固有識別情報を作成して格納媒体500に格納したりするといった処理を実行する。
【0038】
特定手段310は、寄付者用携帯端末100の送信手段110からネットワーク600を介して送信される各種情報に基づいて格納媒体500を参照し、固有識別情報に係る店舗及び/又は被寄付者となる店員を特定するとともに、寄付者である顧客のアカウントに紐付けられている金融情報を特定するものである。
【0039】
実行手段320は、送信手段110によって送信された寄付金額を示す情報と特定手段310によって特定された顧客の金融情報とに基づいて、当該顧客のクレジットカードの有効期限や限度額、銀行口座の引落可能額、又は、デポジット残金などを確認することによって、当該寄付の決済処理の可否を判断し、決済処理が可能である場合には寄付処理を実行するものである。
【0040】
送信手段330は、特定手段310によって特定された店舗及び/又は被寄付者となる特定の店員を示す被寄付者情報(例えば、店舗名及び店員名)を寄付者用携帯端末100に送信したり、実行手段320による寄付処理実行の有無を示す情報や当該寄付処理が実行された場合にはその実行内容を示す情報を、団体用端末200及び/又は被寄付者用携帯端末400と寄付者用携帯端末100とに対してネットワーク600を介して送信したりするものである。
【0041】
図2(d)に示すように、被寄付者用携帯端末400は、以下説明する、受信手段410と、提示手段420と、送信手段430と、を備える。
【0042】
受信手段410は、サーバ装置300による寄付処理実行の有無を示す情報、更に当該寄付処理が実行される場合にはその実行内容を示す情報を、ネットワーク600を介してサーバ装置300から直接、又は、団体用端末200も経由して受信するものである。
【0043】
提示手段420は、受信手段410によって例えば寄付処理の実行内容を示す情報が受信された場合に、当該情報を被寄付者用携帯端末400のディスプレイに表示するなどして、特定の店員に提示するものである。
【0044】
送信手段430は、キャッシュレス寄付サービスを受けるために必要な各種情報を、ネットワーク600を介してサーバ装置300に送信するものである。送信手段430は、初期設定の際には、キャッシュレス決済アプリ等で用いるアカウントを取得するために、店員が入力した自身の店員情報(例えば、氏名・連絡先・金融情報等)を送信し、また、寄付サービスの提供を受ける際には、固有識別情報を作成する場合に必要となり得る、特定の店員が所属する店舗に割り当てられているアカウントと当該特定の店員に割り当てられているアカウントとを送信するものである。
【0045】
図3は、図1に示す格納媒体500に格納される主な情報例を示す図である。図3に示すように、格納媒体500には、例えば、「氏名/名称」、「生年月日」、「アカウント」、「電話番号」、「メールアドレス」、「クレジットカード番号」、「固有識別情報」といった、寄付サービスを含む種々のキャッシュレス決済のための各種情報が格納されている。
【0046】
なお、図3には、格納対象である主な情報を例示しているところ、例えば「クレジットカード番号」に代えて又はこれとともに「銀行口座番号」を格納対象としてもよいし、図3に示す情報の他に例えばログインパスワードも格納対象としてもよいし、また、図3に示す情報の全てを必ずしも格納対象としなくてもよいことに留意されたい。
【0047】
図4(a)~図4(c)は、図1に示す寄付者用携帯端末100でキャッシュレス決済アプリを起動した後に寄付者用携帯端末100のディスプレイに表示される寄付サービスに係る画面例を示す図である。ここでは、顧客「佐藤花子さん」が店舗「○○店舗」の店員「山田太郎」さんに例えば300円の寄付をする場合の例を示している。
【0048】
図4(a)には、寄付者用携帯端末100のディスプレイに、「寄付の送信先のQRコードをスキャンしてください。」などの指示事項を表示するとともに、当該QRコードの撮像領域を表示する画面例を示している。
【0049】
図4(a)に示す画面例を表示することで、寄付者となる佐藤花子さんに対して、被寄付者となる山田太郎さんに係る固有識別情報に係るQRコードの読み取りを促すことができる。なお、図4(a)に示す画面例が表示される場合には、撮像手段130はオン状態に切り替わる。
【0050】
図4(b)には、QRコードの読み取りに成功した場合に、図4(a)に示す画面例から遷移する画面例を示している。図4(b)には、寄付者用携帯端末100のディスプレイに「○○店舗の山田太郎さんへ寄付をします。」などの確認事項と「寄付したい金額を入力してください。」などの指示事項と寄付金額の入力領域とを表示する画面例を示している。
【0051】
図4(c)には、寄付金額として例えば「300円」と入力した場合に、図4(b)に示す画面例から遷移する画面例を示している。図4(c)には、寄付者用携帯端末100のディスプレイに「○○店舗の山田太郎さんへ300円の寄付が完了しました」などの報告事項を表示するとともに、「またのご利用お待ちしております。」などの謝意事項を表示する画面例を示している。
【0052】
なお、固有識別情報が店舗にのみ固有のものである場合には、図4(a)に示す画面例にてQRコードを読み取った場合には「○○店舗」を特定することはできても「山田太郎さん」を特定することはできないので、係る場合には、「店員さんの名前やニックネームを入力してください。」といった指示事項と当該名前等の入力領域とを表示する画面例を用意して、図4(a)の画面例を表示した後に当該画面例に遷移してから図4(b)の画面例に遷移させるとよい。なお、そのように用意する画面例に代えて「寄付をしたい店員を次のリストから選択してください。」といった指示事項と店員の名前等を選択可能な一覧リストを表示する画面例を用意してもよい。
【0053】
図5は、図1に示すキャッシュレス寄付システムの動作を示す流れ図である。ここでは、次の初期設定が既に完了しているものとし、具体的には、各ユーザにはアカウントが割り当てられており、各ユーザのアカウントを含む各種情報や固有識別情報が格納媒体500に格納されているものとする。以下、図4(a)~図4(c)の記載例を前提として、キャッシュレス寄付システムの動作について説明する。
【0054】
まず、佐藤花子さんが○○店舗に所属する山田太郎さんに寄付をしたいと考え、寄付者用携帯端末100を操作することによって、キャッシュレス決済アプリを起動させたとする。この場合、登録手段120によって登録されたアカウントやログインパスワードが、受信手段210によってサーバ装置300に送信され、この例ではアカウント等の認証が成功し、キャッシュレス寄付サービスの提供が開始される。
【0055】
そして、寄付者用携帯端末100では、図4(a)に示した画面例がディスプレイに表示され、佐藤花子さんが当該画面例に示されている指示に従った操作をすると、撮像手段130が山田太郎さんの名札などにあるQRコードを撮像することによって、コード化された固有識別情報を読み取る(ステップS1)。
【0056】
その後、寄付者用携帯端末100では、送信手段110が、撮像手段130によって読み取られた固有識別情報を、佐藤花子さんに割り当てられているアカウント等を当該情報の送信元として、ネットワーク600を介してサーバ装置300に送信する(ステップS2)。
【0057】
サーバ装置300では、寄付者用携帯端末100から送信される各種情報を受信すると、特定手段310が、格納媒体500を参照して固有識別情報に係る○○店舗のアカウント及び山田太郎さんのアカウントを特定する(ステップS3)。
【0058】
つぎに、サーバ装置300では、特定手段310によって特定された各アカウントに基づいて作成した図4(b)に示した画面例に示される被寄付者情報を、送信手段330が、固有識別情報等の送信元である寄付者用携帯端末100に対してネットワーク600を介して送信する(ステップS4)。
【0059】
寄付者用携帯端末100では、被寄付者情報を受信すると、そのディスプレイに表示する図4(b)に示した画面例がレンダリングされて、表示対象が図4(a)に示したものから図4(b)に示したものに遷移する。
【0060】
つづいて、寄付者用携帯端末100では、佐藤花子さんが図4(b)に示した画面例に従って寄付者用携帯端末100を操作して寄付金額として300円と入力し、「送信」領域をタップしたとする。この場合、送信手段110が、山田太郎さんに係る固有識別情報及び寄付金額を示す情報を、佐藤花子さんに割り当てられているアカウントを当該情報の送信元として、ネットワーク600を介してサーバ装置300に送信する(ステップS5)。
【0061】
サーバ装置300では、寄付者用携帯端末100から送信される各種情報を受信すると、特定手段310が、格納媒体500を参照して佐藤花子さんのアカウントに紐付けられている金融情報を読み出し(ステップS6a)、佐藤花子さんのデポジット残金及び山田太郎さんに対する寄付金額が300円であることとを特定する(ステップS6b)。
【0062】
つぎに、サーバ装置300では、特定手段310によって特定された佐藤花子さんの金融情報と寄付金額とに基づいて、実行手段320が、佐藤花子さんのデポジット残金を確認し、当該寄付の決済処理が可能であると判断すると、佐藤花子さんから山田太郎さん宛の寄付金を例えば団体用端末200に対して転送するといった寄付処理を実行する(ステップS7)。
【0063】
なお、既述のように、サーバ装置300は、佐藤花子さんから山田太郎さん宛の寄付を団体用端末200に転送するのではなく、被寄付者用携帯端末400に転送してもよい。また、寄付の転送先については、店舗の管理者等が予め決定してもよく、その場合には金融情報を読み出す際に、併せて格納媒体500に格納されている転送先情報を確認すればよい。
【0064】
そして、サーバ装置300では、実行手段320によって寄付処理が実行されたこと及び寄付処理の実行内容を示す情報(この例では、佐藤花子さんから○○店舗の山田太郎さんに300円の寄付がされたという情報)を、送信手段330が、例えば、団体用端末200と寄付者用携帯端末100とに対してネットワーク600を介して送信する(ステップS8)。
【0065】
なお、送信手段330は、それらの情報を団体用端末200に代えて又はこれとともに被寄付者用携帯端末400に対しても送信してもよい。また、それらの情報の送信媒体はキャッシュレス決済アプリを用いたものに限らず、メールであってもよい。
【0066】
寄付者用携帯端末100では、佐藤花子さんから山田太郎さんに300円の寄付がされたという情報を、ネットワーク600を介して受信するので、ディスプレイに表示する画面例が図4(b)のものから図4(c)のものに遷移する。これにより、佐藤花子さんは、○○店舗の山田太郎さん宛の300円の寄付処理が完了したことを知ることができる。
【0067】
一方、団体用端末200では、受信手段210によって、佐藤花子さんから山田太郎さんに300円の寄付がされたという情報を、ネットワーク600を介して受信し、団体用端末200に付帯するディスプレイに対して例えば受信通知を表示する(ステップS9)。
【0068】
これにより、○○店舗の管理者等が、団体用端末200を操作してキャッシュレス決済アプリを起動すると、提示手段220によって、寄付処理の実行内容を示す情報として「山田太郎さんに300円の寄付がありました。」などの情報を含む画面を、団体用端末200に付帯するディスプレイに表示することによって当該情報を提示する(ステップS10)。
【0069】
したがって、当該管理者等は、佐藤花子さんから山田太郎さん宛てに300円の寄付処理がされたことを知ることになるので、団体用端末200を操作することによって、山田太郎さんの被寄付者用携帯端末400に対して、佐藤花子さんからの寄付金を、ネットワーク600を介して転送することが可能となる。
【0070】
また、当該管理者等は、被寄付者である店員とその寄付金額とを特定できるようになるため、例えば、その店員の給与をアップさせるとか、表彰するというように、人事評価等に活用することも可能となる。
【0071】
実際に、団体用端末200から当該被寄付者用携帯端末400に対して転送がなされると(ステップS11)、被寄付者用携帯端末400では、受信手段410が佐藤花子さんからの寄付金を受信することができるので、例えばディスプレイに寄付金を受け取った旨の受信通知を表示することもできる(ステップS12)。
【0072】
これにより、山田太郎さんが、被寄付者用携帯端末400を操作してキャッシュレス決済アプリを起動すると、被寄付者用携帯端末400では、受信手段410によって受信された寄付金額などを、提示手段420が、そのディスプレイに表示する(ステップS13)。
【0073】
以上説明した手法によれば、被寄付者である山田太郎さんは、自身に割り当てられているアカウントを、寄付者である佐藤花子さんに対して知らせることなく、佐藤花子さんからの寄付を受け取ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1】本発明の実施形態のキャッシュレス寄付システムの模式的な構成を示すブロック図である。
図2図1に示す、寄付者用携帯端末100と、団体用端末200と、サーバ装置300と、被寄付者用携帯端末400と、がそれぞれ実行する主な処理に関する機能ブロック図である。
図3図1に示す格納媒体500に格納される主な情報例を示す図である。
図4図1に示す寄付者用携帯端末100でキャッシュレス決済アプリを起動した後に寄付者用携帯端末100のディスプレイに表示される寄付サービスに係る画面例を示す図である。
図5図1に示すキャッシュレス寄付システムの動作を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0075】
100 寄付者用携帯端末
110 送信手段
120 登録手段
130 撮像手段
200 団体用端末
210 受信手段
220 提示手段
230 登録手段
300 サーバ装置
310 特定手段
320 実行手段
330 送信手段
400 被寄付者用携帯端末
410 受信手段
420 提示手段
430 送信手段
500 格納媒体
600 ネットワーク

図1
図2
図3
図4
図5