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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173823
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】牛乳のサンプリングシステム
(51)【国際特許分類】
   A01J 9/00 20060101AFI20241205BHJP
   A01J 11/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
A01J9/00
A01J11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024088894
(22)【出願日】2024-05-31
(31)【優先権主張番号】P 2023090610
(32)【優先日】2023-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】508056109
【氏名又は名称】株式会社ネツレンタクト
(71)【出願人】
【識別番号】390029089
【氏名又は名称】高周波熱錬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127513
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100199691
【弁理士】
【氏名又は名称】吉水 純子
(72)【発明者】
【氏名】渡部 久明
(57)【要約】
【課題】作業者による作業を無くし、自動化が図られた牛乳のサンプリングシステムを提供することができる。
【解決手段】牛乳を収容するタンク10と、タンク10の上部10Aに設けられた蓋20と、タンク10内に投入して牛乳を攪拌すると共にサンプリングする器具30と、蓋20の開閉作業、蓋20が開状態で器具30をタンク10内に投入及びタンク10内から回収するロボット40と、を備える牛乳のサンプリングシステムを採用する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
牛乳を収容するタンクと、
前記タンクの上部に設けられた蓋と、
前記タンク内に投入して前記牛乳を攪拌すると共にサンプリングする器具と、
前記蓋の開閉作業、前記蓋が開状態で前記器具を前記タンク内に投入及び前記タンク内から回収するロボットと、
を備える牛乳のサンプリングシステム。
【請求項2】
前記ロボットに設けられたアーム部による担持又は開放における前記蓋及び前記器具の位置の把握は、前記タンクの上方(Z方向)に設けられた3Dビジョンカメラで行う、請求項1に記載の牛乳のサンプリングシステム。
【請求項3】
前記ロボットは、サンプリングされた牛乳を前記器具の本体から受入れ容器に移す動作を行う、請求項1又は2に記載の牛乳のサンプリングシステム。
【請求項4】
前記ロボットは、前記牛乳を移した器具の本体の洗浄を行う、請求項3に記載の牛乳のサンプリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛乳のサンプリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、牛乳を収容したタンクから牛乳を採取して、サンプリングすることが行われている(特許文献1及び2を参照)。
【0003】
特許文献1には、「前記受入個所1の床面2に、牛乳を収容したタンク10を具える車両11(一般的には図示のようなタンクロ-リが使用される)が到着すると、前記タンク10のマンホ-ル12から水中ポンプ13を、このタンク10内に挿入し、この水中ポンプ13によって牛乳を攪拌し、サンプリングした後、前記タンク10の排出口14に接続したホ-ス15を、前記受入タンク3の受入口16に差し込み、タンク10内の牛乳を自重落下によって、受入タンク3内に装入する。」(段落[0008])と記載されている。
【0004】
特許文献2には、「各牧場に立寄り牛乳を集乳する集乳車に、前記牧場のバルククーラに投入された牛乳を吸入する集乳ポンプと、前記集乳ポンプより吸引された牛乳をサンプリングするオートサンプラと、吸入された牛乳の泡を分離するエアーエリミネータと、吸入された牛乳温度を測定する温度計と、吸入された牛乳の流量をデジタル値で計測する流量計と、該流量計で計測された流量に応じ前記温度計の記録タイミングを定め、かつ前記温度計で計測された温度値及び前記流量計で計測された流量積算値を各々記憶する制御ユニットとを設け、・・・としたことを特徴とする集乳システム。」(請求項1)が記載されている。
【0005】
また、タンク輸送用トレーラのコンテナ本体に収容された牛乳が貯留されるタンク体に開閉自在の蓋を設けることは公知である(特許文献3参照)。
特許文献3には、「このタンク輸送用トレーラは、トラクタにより牽引されて走行するシャーシフレームを有し、シャーシフレームにはコンテナ本体22が固定される。コンテナ本体22の内部に形成された冷蔵室37内には、牛乳が貯留されるタンク体21が収容される。冷蔵室37は冷却器により冷却される。タンク体21の注入口28とコンテナ本体22の開口部57との間には注入用ダクト58が設けられており、蓋部27aと注入用ハッチ56とを開放した状態のもとで、タンク体21の内部に貨物が注入され、そのときには注入用ダクト58により貨物が冷蔵室37内に飛散することが防止される。」([要約]の[解決手段])、「コンテナ本体22の天井壁36には、図6に示すように、タンク体21に形成されたマンホール部27の注入口28に対応させて2つの注入用ハッチ56が開閉自在に設けられている。注入用ハッチ56には、コンテナ本体22の内部を上方側に開口する矩形状の開口部57が形成されており、注入用ハッチ56は開口部57を開閉する蓋部56aを備えている。」(段落[0030])と記載されている。
【0006】
さらに、カメラを利用してロボットで開口部を閉塞する蓋を開閉して、開口部に器具を挿脱することも公知である(特許文献4参照)。
特許文献4には、「上記基準位置の上方には位置関係検出手段としてのモニタカメラ17が設けられ、図7に示すように、上記基準位置に停車した車両Xの外郭と燃料供給ロボット15との位置関係が、モニタカメラ17に写し出された映像(図7に示す上方から視た平面視映像)により解析されて検出されるようになっている。・・・そして、上記位置関係把握手段3は、上記カードリーダ装置20からの車両Xの外郭および燃料供給口Xa位置の固有データ、並びにモニタカメラ17により映像解析した車両Xの外郭と燃料供給ロボット15との位置関係に基づいて、車両Xの燃料供給口Xaとロボットアーム22(後述する)の先端部との位置関係を把握するように構成されている。」(段落[0042])、「・・・また、図8および図9に示すように、上記ロボットアーム22の先端部には、車両Xの燃料供給口Xaを閉塞する蓋Xbを開閉させる開閉腕23がピン軸C回りに回動自在に支持されていると共に、上記燃料供給口Xaに挿脱可能な燃料供給ノズル24が設けられている。上記開閉腕23の先端部には蓋保持部23aおよび正逆回転可能な駆動モータ23b(図8に表れる)が設けられている。この駆動モータ23bは、上記燃料供給ロボット動作手段4の構成要件に含まれ、蓋保持部23aにより蓋Xaを保持した状態で、開閉腕23を軸線n回りに正逆回転させて蓋Xbを開閉させるようになっている。」(段落[0043])と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6-34428号公報
【特許文献2】特開2001-95407号公報
【特許文献3】特開2012-131569号公報
【特許文献4】特開平11-034818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載された牛乳のサンプリングは、作業者が行っており、また、牛乳を収容するタンクの上部に設けられたマンホールの蓋を開けての当該上部での作業(すなわち、高所での作業)になるため、作業者の安全面の対策も必要である。
また、特許文献2には、牛乳のサンプリングを自動化する技術思想が開示されているが、タンクの蓋を自動的に開閉し、器具をタンク内に自動的に投入してサンプリングすることは示されていない。
特許文献3には、コンテナ本体に収容された牛乳が貯留されるタンク体のマンホール部に開閉自在の蓋を設けることが示されているが、蓋を開閉して牛乳をサンプリングすることは示されていない。
特許文献4には、カメラを利用してロボットで車両の燃料供給口を閉塞する蓋を開閉して、燃料供給口に燃料供給ノズルを挿脱する技術が示されているが、この技術を牛乳のサンプリングに適用することは示唆されていない。
【0009】
そこで、本発明は、作業者による作業を無くし、タンクの蓋の開閉、サンプリング器具のタンク内への投入及びタンクからの回収を含めて自動化が図られた牛乳のサンプリングシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)牛乳を収容するタンクと、前記タンクの上部に設けられた蓋と、前記タンク内に投入して前記牛乳を攪拌すると共にサンプリングする器具と、前記蓋の開閉作業、前記蓋が開状態で前記器具を前記タンク内に投入及び前記タンク内から回収するロボットと、を備える牛乳のサンプリングシステムである。
(2)前記ロボットに設けられたアーム部による担持又は開放における前記蓋及び前記器具の位置の把握は、前記タンクの上方(Z方向)に設けられた3Dビジョンカメラで行う、前記(1)の牛乳のサンプリングシステムである。
(3)前記ロボットは、サンプリングされた牛乳を前記器具の本体から受入れ容器に移す動作を行う、前記(1)又は(2)の牛乳のサンプリングシステムである。
(4)前記ロボットは、前記牛乳を移した器具の本体の洗浄を行う、前記(3)の牛乳のサンプリングシステムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、作業者による作業を無くし、自動化が図られた牛乳のサンプリングシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る牛乳のサンプリングシステムを説明するための概念図である。
図2】本実施形態に係る牛乳のサンプリングシステムの動作(タンクの蓋を開状態とする動作)を説明するための概念図である。
図3】本実施形態に係る牛乳のサンプリングシステムの動作(器具による牛乳の撹拌とサンプリング)を説明するための概念図である。
図4】本実施形態に係る牛乳のサンプリングシステムの動作(サンプリングされた牛乳を器具本体から受入れ容器へ移す動作)を説明するための概念図である。
図5】本実施形態に係る牛乳のサンプリングシステムの動作(牛乳を移した器具本体の洗浄)を説明するための概念図である。
図6】本実施形態に係る牛乳のサンプリングシステムの動作(洗浄した器具本体の移動)を説明するための概念図である。
図7】本実施形態に係る牛乳のサンプリングシステムの動作(タンクの蓋を閉状態とする動作)を説明するための概念図である。
図8】本実施形態に係る牛乳のサンプリングシステムの動作(ロボットの初期位置への移動)を説明するための概念図である。
図9】外蓋(外部ハッチ)の内側に内蓋(内部ハッチ)を有する2重の蓋の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態(以下、「本実施形態」という。)について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る牛乳のサンプリングシステムを説明するための概念図である。図2から図8は、本実施形態に係る牛乳のサンプリングシステムの動作を説明するための概念図である。なお、図2から図8は、図1と重複する符号及びロボット40のアーム部44近傍以外の部分については省略すると共に、説明に必要な最低限の符号のみ記すものとする。
【0014】
本実施形態に係る牛乳のサンプリングシステム1は、牛乳を収容するタンク10と、タンク10の上部10Aに設けられた蓋20と、タンク10内に投入して牛乳を攪拌すると共にサンプリングする器具30と、蓋20の開閉作業、蓋20が開状態で器具30をタンク10内に投入及びタンク10内から回収するロボット40と、を備える。
【0015】
タンク10は、例えば、トラック12で、搬送可能に構成されている。
蓋20は、タンク10の上部10Aに設けられており、蓋本体22と、蓋本体22に連結された把手部24と、把手部24を持って上方向(Z方向)に持ち上げることで、タンク10の上部10Aで閉状態になっている蓋本体22を開状態にすることができる蓋本体22とタンク10の上部10Aを連結する連結部26を備える。
【0016】
器具30は、例えば筒状部材で構成された器具本体32の一端がホース34を介してエアー吐出吸引部36に接続されており、他端をタンク10内に投入し、牛乳内に浸漬させ、エアー吐出吸引部36からエアーを吐出(牛乳内に供給)することで牛乳を攪拌すると共に、牛乳を攪拌後、エアーを吐出から吸引に切り替えて、吸引することで牛乳をサンプリングする。
【0017】
ロボット40は、駆動制御部42と、アーム部44と、駆動制御部42とアーム部44との間に連結され、アーム部44をXYZ(プラス及びマイナス含む)方向に移動可能に設けられた連結駆動部46a、46b、46c、46d、46eで構成されている。
アーム部44は、アーム本体44aと、アーム本体44aの表面に設けられた固定部材44bと、駆動部材44cと、駆動機構44dを備える。アーム部44は、駆動機構44dにより、駆動部材44cを固定部材44bの方向に駆動させることができ、これにより、固定部材44b、駆動部材44cに囲まれた空間内に物を担持させることできる構成(以下、単に「担持」という。)を備えている。
【0018】
すなわち、本実施形態に係る牛乳のサンプリングシステム1は、具体的には、ロボット40に設けられたアーム部44により、蓋20の開閉作業、蓋20が開状態で器具30をタンク10内に投入及びタンク10内から回収する作業を、それぞれの所定箇所を担持又は開放させることで行う。
【0019】
ロボット40に設けられたアーム部44による担持又は開放における蓋20や器具30の位置の把握は、例えば、タンク10の上方(Z方向)に設けられた3Dビジョンカメラ50で行う。3Dビジョンカメラ50としては、複数台カメラを使用するステレオ方式、カメラと光源を組み合わせるToF(Time of Flight)方式、カメラとプロジェクターを組み合わせる構造化照明方式等の市販のものを採用することができる。
【0020】
このように、本実施形態に係る牛乳のサンプリングシステム1は、従来、作業者が行っていたタンク10の上部10Aでの作業(蓋20の開閉作業、蓋20が開状態で器具30をタンク10内に投入し、タンク10内の牛乳を攪拌すると共にサンプリング)を、ロボット40により行う。
従って、牛乳のサンプリングに関し、作業者による高所での作業を無くし、自動化を図ることができる。
【0021】
次に、本実施形態に係る牛乳のサンプリングシステム1の具体的な駆動態様を図2から図8を用いて説明する。
最初に、ロボット40のアーム部44の固定部材44bと駆動部材44cとの間に、閉状態となっている蓋20の把手部24を担持し、ロボット40の駆動により蓋20を開状態とする(図2)。
【0022】
次に、蓋20を開状態で、アーム部44による把手部24の担持を解除し、図示しない固定手段により固定されている器具本体32を当該アーム部44により担持し、その後、その初期位置から、タンク10の上部10Aで開状態になっているタンク10に収容されている牛乳内にエアーを吐出、吸引する器具本体32の他端を移動させて浸漬させる(図3)。その後、浸漬させた状態で当該他端からエアーを吐出することで牛乳を攪拌させると共に、攪拌させた後、吐出から吸引に切り替えて、器具本体32内に一定量の牛乳を保持するように、浸漬した他端から吸引することで、牛乳を器具本体32内に保持(サンプリング)する。
【0023】
次に、牛乳を保持した器具本体32のアーム部44による担持を継続しつつ、ロボット40により、図示しない固定手段により保持された牛乳の受入れ容器60の上方(Z方向)に器具本体32の他端を移動させ、その後、エアーを吐出することで、器具本体32内に保持された牛乳を受入れ容器60に移す(図4)。
これにより受入れ容器60内にサンプリングされた牛乳65が保持されることになり、持ち出し容易となる。
【0024】
次に、牛乳を移した器具本体32のアーム部44による担持を継続しつつ、ロボット40により、図示しない固定手段により保持された洗浄容器70の上方(Z方向)に器具本体32の他端を移動させた後、下方(Zマイナス方向)に移動させることで、洗浄容器70内に当該他端(好ましくは、当該他端を含む牛乳に浸漬させた容器本体32の部分全体)を入れ込み、例えば純水等で洗浄する(図5)。
【0025】
次に、洗浄した器具本体32のアーム部44による担持を継続しつつ、ロボット40により移動させて器具本体32の図示しない固定手段により保持された初期位置まで移動させて保持させる(図6)。
【0026】
その後、図示しない固定手段により保持した器具本体32のアーム部44による担持を解除し、その後、開状態になっている蓋20の把手部24を再び担持し、ロボット40により当該担持した状態で蓋20を閉め、閉状態とする(図7)。
【0027】
最後に、必要に応じて、ロボット40を図示しない固定手段により保持されている初期位置に移動させることで、牛乳のサンプリングが完了する(図8)。なお、図示しない固定手段により保持され、牛乳が移された受入れ容器60は作業者が回収する。
【0028】
以上の本実施形態(図1図8参照)においては、蓋として蓋20のみを有するタンク10について説明を行ったが、図9に示すように、外蓋(外部ハッチ)20の内側に内蓋(内部ハッチ)80を有する2重の蓋にも対応できる。内蓋80は、内蓋本体82と、内蓋本体82に設けた複数のフック84(図示の場合は84A、84B、84C)と、内蓋本体82とタンク10の上部10Aを連結する連結部86を備える。フック84(84A、84B、84C)をタンク10の上部10Aに引っ掛けて止めることにより、内蓋80を閉状態とし、フック84A、84B、84Cを外して、内蓋本体82を上方向(Z方向)に持ち上げることで、内蓋80を開状態にすることができる。
【0029】
外蓋20及び内蓋80の開閉作業をする場合、ロボット40に設けられたアーム部44による担持又は開放における外蓋20及び内蓋80の位置の把握は、特に、3Dビジョンカメラ50で行うことが好ましい。
まず、外蓋20及び把手部24の位置を3Dビジョンカメラ50で把握して、ロボット40のアーム部44の固定部材44bと駆動部材44cとの間に、閉状態となっている蓋20の把手部24を担持し、外蓋本体22を上方向(Z方向)に持ち上げることで、外蓋20を開状態とする。次に、内蓋80及び複数のフック84(84A、84B、84C)の位置を3Dビジョンカメラ50で把握して、ロボット40のアーム部44の固定部材44bと駆動部材44cとの間に、フック84A、84B、84Cを、順番に把持して、フックを外し、さらに、外したフックの何れかを担持して、内蓋本体82を上方向(Z方向)に持ち上げることで、内蓋80を開状態にする。ロボット40で作業を行う場合に、上記のような複数のフック84を有する内蓋80のフック84の位置を把握するために、3Dビジョンカメラ50を採用することは、有効である。
【0030】
外蓋20及び内蓋80を開状態とした後は、図3と同様に、器具による牛乳の攪拌とサンプリングを行い、図4と同様に、サンプリングされた牛乳を器具本体から受入れ容器へ移す動作を行い、図5と同様に、牛乳を移した器具本体の洗浄を行い、図6と同様に、洗浄した器具本体の移動を行う。その後、開状態になっている内蓋80のフック84を担持し、ロボット40により当該担持した状態で内蓋80を閉め、フック84をタンク10の上部10Aに止めて閉状態とした後、図7と同様に、外蓋20を閉状態とする動作を行う。
【符号の説明】
【0031】
1 牛乳のサンプリングシステム
10 タンク
20 蓋(外蓋)
30 器具
40 ロボット
50 3Dビジョンカメラ
60 牛乳の受入れ容器
70 洗浄容器
80 内蓋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9