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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173842
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】光るパット練習器
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
A63B69/36 533A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2024098356
(22)【出願日】2024-05-31
(31)【優先権主張番号】P 2023099662
(32)【優先日】2023-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】523223892
【氏名又は名称】瀬谷 満春
(72)【発明者】
【氏名】瀬谷 満春
(57)【要約】
【課題】ゴルフのパット練習を継続するモチベーションを保ち、ホールカップの中心にあるピンを狙った練習を可能とすることにより、パッティング技術向上に寄与するパット練習器具を提供する。
【解決手段】本発明のパット練習器具は、ホールカップ部と、ピン部と、を備え、ピン部は、内部に発光部を備え、発光部は、ピン部にゴルフボールが当ると発光することを特徴としており、ピン部にゴルフボールが当ると発光することでプレイヤーにパッティングの成功を知らせることにより、プレイヤーが楽しみながらモチベーションを保ってパット練習を継続し、パッティング技術を向上させることが可能となる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフのパット練習器具において、
ホールカップ部と、ピン部と、を備え
前記ピン部は、内部に発光部を備え、
前記発光部は、前記ピン部にゴルフボールが当ると発光することを特徴とするパット練習器具。
【請求項2】
請求項1記載のパット練習器具であって、
前記ホールカップ部は、アルミ合金から成ることを特徴とするパット練習器具。
【請求項3】
請求項1記載のパット練習器具であって、
前記発光部は、衝撃で光るLEDモジュールであることを特徴とするパット練習器具。
【請求項4】
請求項1、請求項2、請求項3のいずれか1項に記載のパット練習器具であって、
前記発光部は、前記ホールカップ部にゴルフボールが接触して前記ピン部に到達するまでの間は発光せず、
前記ピン部にゴルフボールが接触した時に発光することを特徴とするパット練習器具。
【請求項5】
請求項1記載のパット練習器具であって、
第1衝撃吸収部と、第2衝撃吸収部を備え、
前記第1衝撃吸収部は、前記ホールカップ部と前記ピン部との接合部分に配置され、
前記第2衝撃吸収部は、前記ピン部の内部において、前記発光部の下方に配置されることを特徴とするパット練習器具。
【請求項6】
請求項5記載のパット練習器具であって、
前記第1衝撃吸収部は、ソルボセインを素材とすることを特徴とするパット練習器具。
【請求項7】
請求項5記載のパット練習器具であって、
前記第2衝撃吸収部は、前記ピン部の内部において、前記発光部の下方に垂直方向の振動を抑えるために配置され、更に、前記発光部の側面に水平方向の振動を抑えるために配置されることを特徴とするパット練習器具。
【請求項8】
請求項5記載のパット練習器具であって、
前記第2衝撃吸収部は、ポリエステルを素材とする毛糸から成ることを特徴とするパット練習器具。
【請求項9】
請求項5記載のパット練習器具であって、
前記ホールカップ部は、外径108mm、厚さ0.5mmの円柱形のアルミ合金から成ることを特徴とするパット練習器具。
【請求項10】
請求項5記載のパット練習器具であって、
前記ホールカップ部は、中心部に穴を開けた円板材であり、
柔軟シート部を備え、
前記ホールカップ部は、前記穴によって、前記第1衝撃吸収部と直接に接触しないように配置され、
前記柔軟シート部は、前記ホールカップ部と、前記第1衝撃吸収部と、をつなぐように配置されることを特徴とするパット練習器具。
【請求項11】
請求項1記載のパット練習器具であって、
前記ホールカップ部は、中心部に穴を開けた円板材であり、
柔軟シート部を備え、
前記ホールカップ部は、前記穴によって、前記ピン部と直接に接触しないように配置され、
前記柔軟シート部は、前記ホールカップ部と、前記ピン部と、をつなぐように配置されることを特徴とするパット練習器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフのパット練習器具に関するものである。特に、プレイヤーが打ったゴルフボールが当たると光るピン部を有することを特徴とするパット練習器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
公開されているパット練習器具には、特許文献1、特許文献2、特許文献3がある。
特許文献1はゴルフのパット練習に当たって、ターゲットとなるホールカップの代わりにパット練習グリーン上に置かれる薄型シートを発明内容とするものである。
特許文献2はゴルフのパット練習に当たって、ターゲットとなる練習器具に関する発明であり、ホールカップの入り口幅を調整するもの(入り口幅はカップインを妨げるものであり、入り口幅を調整することでパット練習の難易度を変更できるもの)について開示されている。
特許文献3は、ショット(パッティング)直後にプレイヤーが頭を動かして成否を確認せずにパッティングの練習を行うために用いるパッティング練習補助具についての発明であり、パッティング練習補助具が具備する下向き(地面方向と思われる)のライトによって発せられる光によって、ターゲットなるホールのイメージが地面に生成される技術が開示されている。更に、この特許文献3には、パッティング練習補助具が具備する赤外線ビームを生成するビーム送信機とビーム受信機により、ホールのイメージに向けてパッティングされたゴルフボールの位置と速度を測定し、パッティングの成否等の可聴メッセージを拡声器を通して提供される技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3155343号公報
【特許文献2】特開2022-141555号公報
【特許文献3】特表2008-539847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術として挙げた特許文献1、特許文献2はいずれもパッティングに成功しても光るなどのアクションがされるものではなく、練習を継続する上で単調となりがちで味気なく、モチベーションを保って練習をすることが難しい。その為、練習が継続せず、結果として、パッティング技術を向上させることが難しいという課題があった。
また、特許文献1、特許文献2は、ホールカップに相当する部分を有するものの、ホールカップの中心にあるピンに相当する部分を有していない。このため、ホールカップの中心にあるピンを狙ってのパット練習を行うことはできなかった。
【0005】
また、背景技術として挙げた特許文献3は、パッティングの成否等の可聴メッセージを拡声器を通して提供する技術が開示されている。しかし、そもそもこの発明は、ショット(パッティング)直後にプレイヤーが眼でパッティング成否を確認しようとして頭を動かすことの防止を課題として掲げたものである。それ故にパッティングの成否について、表示ではなく音(可聴メッセージ)によって伝達するというものであり、当然ながらパッティングの成否を眼で確認できる発光によって通知するものではない。
音によるパッティング成否の伝達は、音を出しても周囲の迷惑にならない所に練習場所が限られる課題や、反対に周囲からの雑音によってパッティング成否を伝達する音(可聴メッセージ)が聞き取り難くなってしまう課題が生じる。また、赤外線ビームを用いてボールの位置や速度を検出するパッティング練習補助具は、赤外線ビームの送信機と受信機が欠かせないなど、複雑な構成が必要となってしまう上に、複雑な構成の練習補助具は傾斜のあるグリーンへの設置が制限される課題も生じるなど、簡易な構成によるパッティング練習器具には無いデメリットが生じてしまう。
【0006】
そこで本発明の目的は、パッティングに成功した際にパット練習器具が発光することでプレイヤーに成功を知らせ、楽しみながらモチベーションを保って練習を継続させることにより、パッティング技術の向上に寄与するパット練習器具を、比較的簡易な構成で提供することにある。
更に、本発明の目的は、漠然とホールカップを狙うのではなく、ピンを狙った精度の高いパット練習を可能とするパット練習器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゴルフのパット練習器具は、ホールカップ部と、ピン部と、を備え、ピン部は、内部に発光部を備え、発光部は、ピン部にゴルフボールが当ると発光することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のパット練習器具によれば、ピン部が備える発光部が、ピン部にゴルフボールが当ると発光することでプレイヤーにパッティングの成功を知らせることにより、プレイヤーが楽しみながらモチベーションを保ってパット練習を継続することが可能となる。
【0009】
なお、2019年にゴルフのルール改正があり、ゴルフのパッティングにおいては、ピンがホールカップに刺さったままの状態でパットをすることも(ピンをホールカップから抜いてパットをすることも)可能となり、特にアマチュアゴルフにおいては、競技スピード向上の為、ピンがホールカップに刺さったままの状態でパットをすることが多くなっている。
【0010】
そこで、本発明のパット練習器具においては、ルール改正前と異なり、ピン部にゴルフボールが当ると発光する構成としている。
そのため、本発明のパット練習器具は、ピン部を狙う練習を可能とすることで、プレイヤーが常にホールカップの中心に入れるよう意識を高めることができ、パッティング技術の効率的向上に寄与する。
【0011】
なお、本発明のパット練習器具は、人工芝(またはカーペット等)の上に置いてパットの練習をすることができる為、例えば傾斜を付けた人工芝(またはカーペット等)の上に置くことで、実際のグリーンと同じように上り勾配、下り勾配、斜め傾斜などのグリーンにおけるパットの練習を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のパット練習器具を、人工芝(またはカーペット等)の上に置いて、プレイヤーがパットを練習する場面を説明するための概略説明図。
図2】第1の実施形態における本発明のパット練習器具の全体構成を示す矢視図。
図3】第1の実施形態における本発明のパット練習器具の平面図。
図4】第1の実施形態における本発明のパット練習器具の断面図。
図5】第1の実施形態における蓋部の平面図。
図6】第1の実施形態における蓋部の側面図。
図7】第2の実施形態における本発明のパット練習器具の全体構成を示す矢視図。
図8】第2の実施形態における本発明のパット練習器具の平面図。
図9】第2の実施形態における本発明のパット練習器具の断面図。
図10】第3の実施形態における本発明のパット練習器具の全体構成を示す矢視図。
図11】第3の実施形態における本発明のパット練習器具の平面図。
図12】第3の実施形態における本発明のパット練習器具の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【実施例0014】
図1は本発明のパット練習器具2を、人工芝(またはカーペット等)1の上に置いて、プレイヤーがパットを練習する場面を説明するための概略説明図である。
例えば、プレイヤーは、人工芝(またはカーペット等)1の上で、パット練習器具2に向けて、ゴルフボール3をパタークラブで打つことでパットの練習を行う。
なお、人工芝(またはカーペット等)1の下に適宜の厚さを有する合板等を敷くようにすれば、傾斜のあるグリーンにおけるパットの練習をすることもできる。
また傾斜のある人工芝(またはカーペット等)1でのパットの練習をする場合等には、ホールカップ部4の上面及び人工芝(またはカーペット等)1を粘着テープを用いて固定することも可能である。
【0015】
図2は本発明の第1の形態におけるパット練習器具2の全体構成を示す矢視図である。
パット練習器具2は、ホールカップ部4と、ピン部5を有する。ピン部5は、発光部6と蓋部7を有する。
【0016】
ホールカップ部4は、例えば、直径108mm、厚さ0.5mmのアルミ合金製の円板材を用いる。
【0017】
ピン部5は、例えば、外径18mm、内径16mm、長さ55mmの透明色等の光が透過する性質のプラスチック製の中空円筒を用いる。
【0018】
発光部6は、一例として、一般的に市販されている、電池と衝撃センサを内蔵し、衝撃で光る機能を有するLEDモジュール(寸法は、概長方形のもので、長さ31mm、幅15mm、厚さ6mm)を採用する。
発光部6は、ピン部5の中空部分に収納される。
なお、発光部6のLEDの発光色は、赤、青、緑、黄色、白色等があり適宜なものを採用すれば良い。
【0019】
蓋部7は、例えば図5及び図6に示す形状を有し、ピン部5の上から差し込まれる。
蓋部7は、本発明のパット練習器具2に不可欠の部品ではないが、例えば室内でなく外でのパット練習に用いる際に防水ないし防塵の為に取り付けることができる。
【0020】
以下、ホールカップ部4,ピン部5,発光部6の詳細について説明する。
【0021】
ホールカップ部4に関し、ホールカップの直径がゴルフルールによって108mmと定められているところ、その直径を108mmとする構成を採用した。
【0022】
本発明のパット練習器具2においては、プレイヤーが打ったゴルフボールが、ホールカップ部4と接触しピン部5に当たる前の時点においては発光部6は発光せず、ゴルフボールが(ホールカップ部4を通過し)ピン部5に当たった時に発光部6が発光する構成とすることが考えられる。
より高い精度のパット練習を行う為に、ゴルフボールがホールカップ部4に接触しただけでは成功とせず、ピン部5に当たった場合を成功と捉えたい場合にはこの構成を採用することが考えられる。
【0023】
この場合、ホールカップ部4の上をゴルフボールが通過中であってピン部に到達していない時点においては、ゴルフボールとホールカップ部4の間の接触によって生じる振動によっては発光部6が具備する衝撃センサが反応せず、ゴルフボールとピン部5との接触によって生じる衝撃によって発光部6が具備する衝撃センサが反応して発光部6が発光することになる。
【0024】
この場合、ホールカップ部4は、ゴルフボールが通過する振動によっては発光部6が具備する衝撃センサが反応しない程度の剛性が必要となる。
必要な剛性は発光部6が具備する衝撃センサとの兼ね合いで定まり、ゴルフボールとホールカップ部4の間の接触によって生じる振動によって発光部6の衝撃センサが反応しない場合(すなわちゴルフボールとホールカップ部4の間の接触によって生じる振動によって反応しない感度の衝撃センサを採用する場合)、例えばホールカップ部4を樹脂製とすることも可能である。
一方で、ホールカップ部4を樹脂製とした場合にゴルフボールとホールカップ部4の間の接触によって生じる振動によって発光部6の衝撃センサが反応してしまうときは、ホールカップ部4の素材を、樹脂よりも高い剛性を有するステンレス合金ないしアルミ合金等とすることにより、ゴルフボールとホールカップ部4の間の接触によって生じる振動によって発光部6の衝撃センサが反応する事態を回避し得る。
また、ゴルフボールとホールカップ部4の間の接触によって生じる振動によって発光部6の衝撃センサが反応してしまう事態を回避する方法としては、更に、ホールカップ部4の上面と人工芝(またはカーペット等)1を粘着テープ等で固定することも考えられる。
【0025】
以上から(ホールカップ部4の寸法や材質を限定する趣旨ではないが)、第1の実施形態におけるホールカップ部4の構成の一例を、直径108mm、厚さ0.5mmのアルミ合金製の円板とした。
【0026】
ピン部5に関し、ホールカップの中心に配置されるピンの外径はゴルフルール上、13mmから19mmの間と定められているところ、第1の実施形態における構成の一例として、ピン部4の外径をゴルフルールに適合する18mmとした。
また、ピン部5は、発光部6による発光が外部から視認できるよう、透明色など光が透過する構成としている。
【0027】
発光部6に関し、現在、電池と衝撃センサを内蔵し、衝撃で光る機能を有するLEDモジュールは一般的に市販されているところ、発光部6には市販品のLEDモジュールを用いることができる。
なお、発光部のLEDモジュールの発光色は、赤、青、黄、緑など、プレイヤーの好みに応じたものとすることができる。
【0028】
図3は、本発明の第1の実施形態における本発明のパット練習器具2の平面図である。
【0029】
図4は、本発明の第1の実施形態における本発明のパット練習器具2の断面図である。
【0030】
なお、本発明のパット練習器具2においては、上記[0022]の構成と異なり、プレイヤーが打ったゴルフボールが、ホールカップ部4と接触しピン部5に当たる前の時点において、発光部6が具備する衝撃センサが、ゴルフボールとホールカップ部4の接触によって生じた振動にも反応し、発光部6が発光する構成(すなわちホールカップ部4への衝突で発光する構成)とすることも考えられる。
長い距離のパット練習においては、ゴルフボールがホールカップに接触すれば十分成功と捉えてよい場合もあるところ、そのような場合にはこうした構成(すなわちホールカップ部4への衝突で発光する構成)を用いればよい。なおこの構成とする場合は、(ピン部5ではなく)ホールカップ部4にゴルフボールが接触した際の振動に反応する程度の感度の振動センサを具備する発光部6を用いることが考えられる。
【0031】
次に、本発明の第2の実施形態におけるパット練習器具2´を、図7図9を用いて説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分は、同一符号を付して説明を省略する。
【0032】
第2の実施形態におけるパット練習器具2´は、プレイヤーが打ったゴルフボールが、ホールカップ部4と接触しピン部5に当たる前の時点においては発光部6は発光せず、ゴルフボールが(ホールカップ部4を通過し)ピン部5に当たった時に発光部6が発光する構成を採用するにあたり、第1の実施形態のパット練習器具に、更に第1振動吸収部8と、第2振動吸収部9を加えたパット練習器具である。
【0033】
この構成(すなわちゴルフボールがホールカップ部4と接触しても発光せず、ピン部5と接触すると発光する構成)においては、ホールカップ部4の上をゴルフボールが通過中であってピン部に到達していない時点では、ゴルフボールとホールカップ部4の間の接触によって生じる振動によっては発光部6が具備する衝撃センサが反応しないことが求められる。そのため、発光部6が具備する衝撃センサの感度が高すぎる場合(具体的な一例としては、株式会社イーストパールが販売元である、商品名「LED IMPACT Module2 生活防水 レッド LI-MDWP2(RD)」が挙げられる。)においても、第1振動吸収部8及び第2振動吸収部9の振動吸収効果によって、ゴルフボールとホールカップ部4の間の振動について、発光部6が具備する衝撃センサが反応しない程度に低減することが有用である。
ゴルフボールがホールカップ部4と接触して通過した後、ゴルフボールとピン部5との接触によって生じる衝撃によって発光部6が具備する衝撃センサが反応して発光部6が発光することになる。
【0034】
図7は、本発明の第2の実施形態におけるパット練習器具の全体構成を示す矢視図である。
パット練習器具2´は、ホールカップ部4と、ピン部5と、第1衝撃吸収部8と、第2衝撃吸収部9と、を有する。
【0035】
第1衝撃吸収部8は、ホールカップ部4とピン部5の間に配置され、例えば、直径28mm、厚さ3mmの円柱形とし、ソルボセインを素材とするマットを用いる。
第1衝撃吸収部8は、ホールカップ部4の上面中心部に接続され、また、第1衝撃吸収部8の上にピン部5が接続される。
なお第1衝撃吸収部8は、直径を28mm、厚さ3mmとしているため、プレイヤーが打つゴルフボール(概ね球形をしており、直径が1.68インチ(42.67mm)以上とゴルフルールで定められている)は第1衝撃吸収部8に当たらず、ピン部5に当たることになる。
【0036】
第1衝撃吸収部8の素材として採用したソルボセインは高い衝撃吸収性を有し、その衝撃吸収性は一般的な生活温度において天然ゴムやプチルゴムより高い。
【0037】
第2衝撃吸収部9は、ピン部5の内部に収納され、発光部6の下方に配置される部材であり、例えば、標準状態重量約25gで長さ127mである(毛糸の太さの単位とされる糸番手で言えば、127/25=5.08であるところ、糸番手としては約1/5番手の太さである)、ポリエステル100%の毛糸を用いる。
第2衝撃吸収部9として用いられる毛糸は、中空円筒形状のピン部5の内部において、ピン部5の底面から10mmの高さになるよう充填され、その上に発光部6が置かれることで、垂直方向の振動(縦振動)を抑える構成とする。第2衝撃吸収部9として用いられる毛糸は、更にピン部5の内部において発行部6の側面を包むように高さにして5mm程充填して配置され、衝撃センサを具備する発光部6の水平方向の振動(横振動)を抑える構成とする。
【0038】
図8は、本発明の第2の実施形態における本発明のパット練習器具2´の平面図である。
【0039】
図9は、本発明の第2の実施形態における本発明のパット練習器具2´の断面図である。
【0040】
なお、第1衝撃吸収部8と第2衝撃吸収部9は、両方を備えることが不可欠というものではなく、一方のみでも十分に衝撃を吸収できる場合は選択的に配置することも考えられる。
【0041】
また、第2衝撃吸収部9の素材としては、毛糸に限らず衝撃吸収性を有する適宜の素材を用いることが考えられる。
【0042】
次に、本発明の第3の実施形態におけるパット練習器具2´´を、図10図12を用いて説明する。なお、第1の実施形態ないし第2の実施形態と共通する部分は、同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
第3の実施形態におけるパット練習器具2´´は、[0022]あるいは第2の実施形態におけるパット練習器具2´と同様に、プレイヤーが打ったゴルフボールが、ホールカップ部と接触しピン部5に当たる前の時点においては発光部6は発光せず、ゴルフボールが(ホールカップ部を通過し)ピン部5に当たった時に発光部6が発光する構成を採用するパット練習器具であり、第2の実施形態よりも、ゴルフボールとホールカップ部の接触によって生じたホールカップ部4の振動を更に低減することを可能とするものである。
【0044】
図10は、本発明の第3の実施形態におけるパット練習器具2´´の全体構成を示す矢視図であり、 図11は、本発明の第3の実施形態における本発明のパット練習器具2´´の平面図であり、図12は、本発明の第3の実施形態における本発明のパット練習器具2´´の断面図である。
第3の実施形態におけるパット練習器具2´´は、ホールカップ部4´として、単純な円板材ではなく、中心部に穴(第1衝撃吸収部8の直径よりも大きい穴)を開けた円板材(いわば、ドーナツ型の円板材)を用いる。この穴があるために、ホールカップ部4´と、第1衝撃吸収部8は直接に接触しておらず、ホールカップ部4´と第1衝撃吸収部8は、柔軟シート部10を介して繋がっている。
【0045】
ホールカップ部4´の穴の直径は、例えば34mmとすることができる。
【0046】
柔軟シート部10は、例えば布のように、金属や木材、プラスチックよりも、はるかに、せん断変形、曲げ変形しやすいものを用いる。具体的な一例として、柔軟シート部10は、例えば厚さ約0.2mm程度の伸縮テープのようなものを採用することができる。
ホールカップ部4´と第1衝撃吸収部8が直接に接触しない構造の為、ゴルフボールがホールカップ部4´に当たったり、ゴルフボールがホールカップ部4´の上を通過することでホールカップ部4´に生じる振動は、第1衝撃吸収部8に直接には伝わらない。
すなわち、ホールカップ部4´と第1衝撃吸収部8の間に柔軟シート部10が介されることによって、当該振動(ゴルフボールとホールカップ部4´の接触によってホールカップ部4´に生じる振動)は、大幅に減少する。
【0047】
これによって、発光部6が具備する衝撃センサの感度が高すぎる場合や、パッティングされるゴルフボールの勢いが大きい場合、人工芝(またはカーペット等)1が重さによって沈み込みやすい物である場合、ホールカップ部の加工精度が粗く歪みがある場合などに、第1衝撃吸収部ないし第2衝撃吸収部による衝撃吸収効果があってもなお、ゴルフボールがピン部5に接触する前に、発光部6が具備する衝撃センサが反応してしまうことを回避できる。そして、ゴルフボールがホールカップ部4´を通過した後、ゴルフボールとピン部5との接触によって生じる衝撃によって発光部6が具備する衝撃センサが反応して発光部6が発光することになる。
【0048】
図10は、本発明の第3の実施形態におけるパット練習器具の全体構成を示す矢視図である。パット練習器具2´´は、ホールカップ部4´と、ピン部5と、第1衝撃吸収部8と、第2衝撃吸収部9と、柔軟シート部10を有する。
【0049】
柔軟シート部10は、ホールカップ部4´と第1衝撃吸収部8を繋ぐように配置される。具体的な一例として、柔軟シート部10は、医療用テーピング等にも用いられる市販の伸縮テープを、上面から見て50mm四方の正方形、厚さ約0.2mmに切り取ったものとし、この伸縮テープを、特に図12に表すように、穴の開いたホールカップ部4´と、第1衝撃吸収部8を底部から貼り付ける構造とすることができる。
【0050】
なお、第3の実施形態のパット練習器具2´´においては、第1衝撃吸収部8と第2衝撃吸収部9は不可欠ではない。発光部6が具備する衝撃センサの感度に応じて、第1衝撃吸収部8と第2衝撃吸収部9を有さずとも、穴の開いたホールカップ部4´とピン部5とを柔軟シート部10を介して繋ぐことで十分に衝撃を吸収できる場合には、第1衝撃吸収部8と第2衝撃吸収部9を有さない構造とすることもできる。
この場合は、第1の実施形態のパット練習器具2において、穴の開いていない円板材のホールカップ部4に代えて、穴の開いたホールカップ部4´を用い、穴の開いたホールカップ部4´とピン部5の底面を、上述の伸縮テープによって底から貼り付ける等の構造とすることができる。
【符号の説明】
【0051】
1 人工芝(またはカーペット等)
2 パット練習器具(第1の実施形態)
2´ パット練習器具(第2の実施形態)
2´´ パット練習器具(第3の実施形態)
3 ゴルフボール
4 ホールカップ部(第1ないし第2の実施形態)
4´ ホールカップ部(第3の実施形態)
5 ピン部
6 発光部
7 蓋部
8 第1衝撃吸収部
9 第2衝撃吸収部
10 柔軟シート部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12