(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173845
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024122927
(22)【出願日】2024-07-30
(62)【分割の表示】P 2023088442の分割
【原出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】茂木 信二
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 綱太
【テーマコード(参考)】
5L030
【Fターム(参考)】
5L030BB26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】実際に存在する店舗が仮想空間上で提供するサービスをユーザが利用しやすくする情報処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、実空間施設を模した仮想施設を示す仮想施設画像を配置した選択受付画面をユーザが使用するユーザ端末に表示させ、選択受付画面に表示される仮想施設画像に対する所定の操作を受け付けることで複数の仮想施設の何れかの選択を受け付ける受付部131、ユーザ端末のユーザを識別するためのユーザIDを取得する取得部132及び受付部131が選択を受け付けた仮想施設に対応する仮想空間上のエリアをユーザ端末に表示させるとともに、取得部132が取得したユーザIDに対応するアバターを当該エリアに表示させる仮想空間制御部133を有する。受付部131は、選択受付画面が表示されている状態においてスクロール操作を受け付けることにより、選択受付画面に表示される仮想施設画像の表示制御を行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実空間に存在する施設である実空間施設に対応する仮想空間上の施設である仮想施設の選択を受け付ける選択受付画面であって、複数の実空間施設を模した複数の前記仮想施設を示す仮想施設画像を配置した前記選択受付画面を仮想施設情報としてユーザが使用するユーザ端末に表示させ、前記選択受付画面に示される前記仮想施設画像に対する所定の操作を受け付けることにより複数の前記仮想施設のいずれかの選択を受け付ける受付部と、
前記ユーザ端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得する取得部と、
前記受付部が選択を受け付けた仮想施設に対応する仮想空間上のエリアを前記ユーザ端末に表示させるとともに、前記取得部が取得したユーザ識別情報に対応するアバターを当該エリアに表示させる仮想空間制御部と、
を有し、
前記受付部は、前記ユーザ端末に表示した選択受付画面が表示されている状態において前記所定の操作と異なる操作であるスクロール操作を受け付けることにより、前記選択受付画面に表示される前記仮想施設画像の表示制御を行う、
情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部は、複数の前記実空間施設に関する情報に基づいて複数の前記仮想施設を示す前記仮想施設画像を配置した前記選択受付画面を前記ユーザ端末に表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付部は、複数の前記実空間施設が所在する場所に関する情報に基づいて複数の前記仮想施設を示す前記仮想施設画像を配置した前記選択受付画面を前記ユーザ端末に表示させる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付部は、複数の前記仮想施設を示す前記仮想施設画像が通路沿いに配置されるとともに前記ユーザのアバターが配置された前記選択受付画面を前記ユーザ端末に表示させ、前記選択受付画面が表示されている状態において前記スクロール操作を受け付けることにより、前記選択受付画面に表示されるアバターが通路に沿って移動するように前記仮想施設画像の表示制御を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記仮想空間制御部は、前記アバターに対応する前記ユーザ識別情報と、前記アバターを表示させたエリアに対応する前記仮想施設を識別するための施設識別情報とを関連付けた表示履歴情報を記憶部に記憶させ、
前記受付部は、前記表示履歴情報に基づいて前記仮想施設の選択を受け付けるための情報を含む前記仮想施設情報を前記ユーザ端末に表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記受付部は、前記表示履歴情報に基づいて前記ユーザにレコメンドする前記仮想施設を選択し、選択した前記仮想施設の選択を受け付けるための情報を含む前記仮想施設情報を前記ユーザ端末に表示させる、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記仮想空間制御部は、前記アバターに対応する前記ユーザ識別情報と、前記仮想空間制御部が前記アバターを表示させたエリアに対応する前記仮想施設を識別するための施設識別情報とを関連付けた表示履歴情報を記憶部に記憶させ、
前記受付部は、前記表示履歴情報に基づいて複数の前記仮想施設それぞれの集客度合いを特定し、複数の仮想施設を示すとともに、複数の仮想施設それぞれの集客度合いを示す仮想施設情報を前記ユーザ端末に表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記受付部は、前記複数の実空間施設それぞれに入場している入場者数を示す情報を取得し、複数の仮想施設それぞれに対し、当該仮想施設に対応する実空間施設の前記入場者数を関連付けた仮想施設情報を前記ユーザ端末に表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する、
実空間に存在する施設である実空間施設に対応する仮想空間上の施設である仮想施設の選択を受け付ける選択受付画面であって、複数の前記実空間施設を模した複数の前記仮想施設を示す仮想施設画像を配置した選択受付画面を仮想施設情報としてユーザが使用するユーザ端末に表示させ、前記選択受付画面に示される前記仮想施設画像に対する所定の操作を受け付けることにより複数の前記仮想施設のいずれかの選択を受け付けるステップと、
前記ユーザ端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得するステップと、
選択を受け付けた仮想施設に対応する仮想空間上のエリアを前記ユーザ端末に表示させるとともに、取得したユーザ識別情報に対応するアバターを当該エリアに表示させるステップと、
を有し、
前記受け付けるステップにおいて前記コンピュータは、前記ユーザ端末に表示した選択受付画面が表示されている状態において前記所定の操作と異なる操作であるスクロール操作を受け付けることにより、前記選択受付画面に表示される前記仮想施設画像の表示制御を行う、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット等の仮想空間上において開設された店舗を介して商品を販売することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、実際に存在する店舗が仮想空間上においてオンラインショッピングサービス等のサービスを提供することが行われている。この場合において、当該サービスをユーザが利用しやすくすることが望まれている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、実際に存在する店舗が仮想空間上で提供するサービスをユーザが利用しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、実空間に存在する施設である実空間施設に対応する仮想空間上の施設である仮想施設の選択を受け付ける選択受付画面であって、複数の実空間施設を模した複数の前記仮想施設を示す仮想施設画像を配置した前記選択受付画面を仮想施設情報としてユーザが使用するユーザ端末に表示させ、前記選択受付画面に示される前記仮想施設画像に対する所定の操作を受け付けることにより複数の前記仮想施設のいずれかの選択を受け付ける受付部と、前記ユーザ端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得する取得部と、前記受付部が選択を受け付けた仮想施設に対応する仮想空間上のエリアを前記ユーザ端末に表示させるとともに、前記取得部が取得したユーザ識別情報に対応するアバターを当該エリアに表示させる仮想空間制御部と、を有し、前記受付部は、前記ユーザ端末に表示した選択受付画面が表示されている状態において前記所定の操作と異なる操作であるスクロール操作を受け付けることにより、前記選択受付画面に表示される前記仮想施設画像の表示制御を行う。
【0007】
前記受付部は、複数の前記実空間施設に関する情報に基づいて複数の前記仮想施設を示す前記仮想施設画像を配置した前記選択受付画面を前記ユーザ端末に表示させてもよい。
【0008】
前記受付部は、複数の前記実空間施設が所在する場所に関する情報に基づいて複数の前記仮想施設を示す前記仮想施設画像を配置した前記選択受付画面を前記ユーザ端末に表示させてもよい。
【0009】
前記受付部は、複数の前記仮想施設を示す前記仮想施設画像が通路沿いに配置されるとともに前記ユーザのアバターが配置された前記選択受付画面を前記ユーザ端末に表示させ、前記選択受付画面が表示されている状態において前記スクロール操作を受け付けることにより、前記選択受付画面に表示されるアバターが通路に沿って移動するように前記仮想施設画像の表示制御を行ってもよい。
【0010】
【0011】
【0012】
前記仮想空間制御部は、前記アバターに対応する前記ユーザ識別情報と、前記アバターを表示させたエリアに対応する前記仮想施設を識別するための施設識別情報とを関連付けた表示履歴情報を記憶部に記憶させ、前記受付部は、前記表示履歴情報に基づいて前記仮想施設の選択を受け付けるための情報を含む前記仮想施設情報を前記ユーザ端末に表示させてもよい。
【0013】
前記受付部は、前記表示履歴情報に基づいて前記ユーザにレコメンドする前記仮想施設を選択し、選択した前記仮想施設の選択を受け付けるための情報を含む前記仮想施設情報を前記ユーザ端末に表示させてもよい。
【0014】
前記仮想空間制御部は、前記アバターに対応する前記ユーザ識別情報と、前記仮想空間制御部が前記アバターを表示させたエリアに対応する前記仮想施設を識別するための施設識別情報とを関連付けた表示履歴情報を記憶部に記憶させ、前記受付部は、前記表示履歴情報に基づいて複数の前記仮想施設それぞれの集客度合いを特定し、複数の仮想施設を示すとともに、複数の仮想施設それぞれの集客度合いを示す仮想施設情報を前記ユーザ端末に表示させてもよい。
【0015】
前記受付部は、前記複数の実空間施設それぞれに入場している入場者数を示す情報を取得し、複数の仮想施設それぞれに対し、当該仮想施設に対応する実空間施設の前記入場者数を関連付けた仮想施設情報を前記ユーザ端末に表示させてもよい。
【0016】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、実空間に存在する施設である実空間施設に対応する仮想空間上の施設である仮想施設の選択を受け付ける選択受付画面であって、複数の前記実空間施設を模した複数の前記仮想施設を示す仮想施設画像を配置した選択受付画面を仮想施設情報としてユーザが使用するユーザ端末に表示させ、前記選択受付画面に示される前記仮想施設画像に対する所定の操作を受け付けることにより複数の前記仮想施設のいずれかの選択を受け付けるステップと、前記ユーザ端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得するステップと、選択を受け付けた仮想施設に対応する仮想空間上のエリアを前記ユーザ端末に表示させるとともに、取得したユーザ識別情報に対応するアバターを当該エリアに表示させるステップと、を有し、前記受け付けるステップにおいて前記コンピュータは、前記ユーザ端末に表示した選択受付画面が表示されている状態において前記所定の操作と異なる操作であるスクロール操作を受け付けることにより、前記選択受付画面に表示される前記仮想施設画像の表示制御を行う。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、実際に存在する店舗が仮想空間上で提供するサービスをユーザが利用しやすくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図7】ユーザ端末に仮想空間が表示された例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[情報処理装置1の概要]
図1は、情報処理装置1の概要を説明する図である。情報処理装置1は、実空間に存在する施設である実空間施設に対応する仮想空間上の施設である仮想施設のエリアをユーザが使用するユーザ端末2等に表示させ、実空間施設が提供するサービスを仮想空間上においても提供するためのコンピュータである。
【0020】
実空間施設は、例えばアパレルショップ等の店舗であり、実空間施設が提供するサービスは、例えば商品の販売サービスである。また、仮想施設のエリアは、例えば実空間施設の内部空間を模したエリアである。なお、実空間施設は、店舗に限らず、役所等の公共施設やイベント施設等であってもよい。以下、実空間施設は実際に存在する実店舗であり、仮想空間施設は当該実店舗に対応する仮想店舗であるものとして説明を進める。
【0021】
情報処理装置1は、仮想店舗のエリアを表示させるにあたり、まず、複数の仮想店舗のいずれかの選択を受け付けるための選択受付画面をユーザ端末2に表示させ、ユーザ端末2から、複数の仮想店舗のいずれかの選択を受け付ける(
図1における(1))。
【0022】
情報処理装置1は、ユーザ端末2から、ユーザを識別するためのユーザ識別情報としてのユーザID(Identification)と、選択受付画面において選択された仮想店舗に対応する店舗を識別するための施設識別情報としての店舗IDとを取得する(
図1における(2))。
【0023】
情報処理装置1は、ユーザIDと、店舗IDとを取得すると、当該店舗IDが示す仮想店舗に対応する仮想空間上のエリアをユーザ端末2に表示させるとともに、取得したユーザIDに対応するアバターをユーザ端末2に表示させる(
図1における(3-1))。また、情報処理装置1は、取得したユーザIDに対応するアバターを当該仮想空間上のエリアを表示している店舗端末3に表示させる(
図1における(3-2))。アバターは、仮想空間上において、ユーザを表す人物等の三次元モデルである。
【0024】
ユーザ端末2のユーザは、ユーザ端末2を操作することにより、仮想店舗の店員、すなわち仮想店舗に対応する実店舗の店員とコミュニケーションを取り商品に関する相談を行ったりして、商品を購入することができる。このようにすることで、ユーザは、選択受付画面において自身が訪問したい実店舗に対応する仮想店舗を容易に選択し、当該仮想店舗のエリアをユーザ端末2に表示させ、商品の購入サービス等の、実店舗に対応する仮想店舗が提供するサービスを受けることができる。よって、情報処理装置1は、実店舗が仮想空間上で提供するサービスをユーザが利用しやすくすることができる。
【0025】
[情報処理装置1の機能構成]
続いて、情報処理装置1の機能構成について説明する。
図2は、情報処理装置1の機能構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0026】
通信部11は、ユーザ端末2や店舗端末3とデータを送受信するための通信インターフェースである。
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、受付部131、取得部132、仮想空間制御部133、及び購入処理部134として機能させるプログラムを記憶する。
【0027】
記憶部12は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザのアバターとを関連付けて記憶する。また、記憶部12は、複数の仮想店舗それぞれを識別する店舗IDと、仮想店舗名と、仮想店舗に対応する実店舗に関する情報としての実店舗関連情報と、仮想空間に対応する仮想空間IDとを関連付けて店舗情報として記憶する。また、記憶部12は、仮想店舗の仮想空間に対応する仮想空間IDと、当該仮想空間を示す仮想店舗モデルとを関連付けて記憶する。
【0028】
実店舗関連情報は、例えば、実店舗が所在する場所に関する情報、実店舗の業種、実店舗が販売する商品又はサービスに対応する情報である。実店舗が所在する場所に関する情報は、例えば、実店舗が所在する国や地域を示す情報、及び、実店舗が所在する商店街やモール、モール内のエリア等の商業施設を示す情報である。実店舗が販売する商品又はサービスに対応する情報は、例えば、実店舗が販売する商品等のカテゴリである。仮想空間モデルは、例えば、仮想店舗に対応する実店舗の三次元スキャンを行うことにより生成される、実店舗と同じ空間構成を有する三次元空間情報である。
図3は、店舗情報の一例を示す図である。
図3に示すように、店舗情報において、店舗IDと、仮想店舗名と、実店舗関連情報と、仮想空間IDとが関連付けて記憶されていることが確認できる。また、
図3に示す例では、実店舗関連情報として、実店舗が所在するエリアと、実店舗が販売する商品等のカテゴリとが含まれていることが確認できる。
【0029】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部131、取得部132、仮想空間制御部133、及び購入処理部134として機能する。
【0030】
[仮想店舗の選択の受付]
まず、仮想店舗の選択の受付に係る処理について説明する。受付部131は、複数の仮想店舗を示す仮想店舗情報をユーザが使用するユーザ端末2に表示させ、複数の仮想店舗のいずれかの選択を受け付ける。仮想店舗は、上述したように、実空間に存在する店舗である実店舗に対応する仮想空間上の店舗である。例えば、受付部131は、複数の仮想店舗それぞれを示す画像やテキスト等のオブジェクトを複数の実店舗に関する情報に基づいて配置した選択受付画面を仮想店舗情報としてユーザ端末2に表示させ、複数の仮想店舗のいずれかの選択を受け付ける。
【0031】
受付部131は、複数の仮想店舗を複数の実店舗に関する情報に基づいて分類し、同じ分類ごとに仮想店舗を示すオブジェクトを配置した選択受付画面を仮想施設情報としてユーザ端末2に表示させる。例えば、受付部131は、複数の仮想店舗それぞれを示すオブジェクトを複数の実店舗が販売する商品又はサービスに対応する情報に基づいて配置した選択受付画面を仮想施設情報としてユーザ端末2に表示させる。また、受付部131は、複数の仮想店舗それぞれを示すオブジェクトを、複数の実店舗が所在する場所に関する情報に基づいて配置した選択受付画面を仮想店舗情報としてユーザ端末2に表示させる。
【0032】
具体的には、まず、受付部131は、ユーザ端末2から選択受付画面の表示要求を受け付けると、記憶部12に記憶されている店舗情報を参照し、仮想店舗を選択するための第1選択受付画面を生成し、生成した第1選択受付画面を仮想店舗情報としてユーザ端末2に表示させる。
図4は、第1選択受付画面の一例を示す図である。第1選択受付画面には、カテゴリ別にまとめた仮想店舗のうちの一部の仮想店舗の仮想店舗名と、エリア別にまとめた仮想店舗のうちの一部の仮想店舗の仮想店舗名とが表示されていることが確認できる。また、第1選択受付画面には、カテゴリ別に仮想店舗を表示するための第1リンクL1と、エリア別に仮想店舗を表示するための第2リンクL2とが設けられていることが確認できる。
【0033】
受付部131は、第1選択受付画面において第1リンクL1が選択されると、実店舗関連情報に含まれる実店舗が販売する商品等のカテゴリごとに仮想店舗名を配置した第2選択受付画面を生成し、生成した第2選択受付画面を仮想店舗情報としてユーザ端末2に表示させる。
図5は、第2選択受付画面の一例を示す図である。第2選択受付画面には、カテゴリごとに仮想店舗名が表示されているとともに、「絞り込み」と表示され、カテゴリを絞り込むためのボタンが表示されていることが確認できる。
【0034】
受付部131は、第1選択受付画面において第2リンクL2が選択されると、実店舗関連情報に含まれる実店舗が所在するエリアごとに仮想店舗名を配置した第3選択受付画面を生成し、生成した第3選択受付画面を仮想店舗情報としてユーザ端末2に表示させる。
図6は、第3選択受付画面の一例を示す図である。第3選択受付画面には、エリアごとに仮想店舗名が表示されているとともに、「絞り込み」と表示され、エリアを絞り込むためのボタンが表示されていることが確認できる。
【0035】
受付部131は、選択受付画面における仮想店舗の絞り込み情報として、仮想店舗の名称、仮想店舗に対応するカテゴリ、仮想店舗に対応する実店舗の場所のうち、少なくともいずれかを受け付けることにより仮想店舗の絞り込みを行い、絞り込まれた仮想店舗を示す情報を選択受付画面に表示させる。
【0036】
[仮想空間の表示]
続いて、仮想空間の表示に係る処理について説明する。まず、受付部131は、ユーザ端末2において、仮想店舗の選択を受け付けると、仮想店舗を識別する店舗IDを取得する。
【0037】
取得部132は、ユーザ端末2から、ユーザ端末2のユーザを識別するためのユーザIDを取得する。例えば、取得部132は、受付部131が選択受付画面をユーザ端末2に表示させ、ユーザ端末2から店舗IDを取得する際にユーザ端末2から送信されたユーザIDを取得する。なお、取得部132は、受付部131が店舗IDを取得する際にユーザIDを取得することとしたが、これに限らない。例えば、ユーザ端末2が、選択受付画面の表示要求にユーザIDを含ませておき、取得部132は、選択受付画面の表示要求に含まれているユーザIDを取得するようにしてもよい。
【0038】
仮想空間制御部133は、受付部131が選択を受け付けた仮想店舗に対応する仮想空間上のエリアであって、仮想店舗に対応する実店舗の内部空間を示すエリアをユーザ端末2に表示させるとともに、取得部132が取得したユーザIDに対応するアバターを当該エリアに表示させる。まず、仮想空間制御部133は、受付部131が仮想店舗の店舗IDを取得するとともに、取得部132がユーザ端末2のユーザIDを取得すると、記憶部12に記憶されている店舗情報を参照し、店舗IDに関連付けられている仮想空間IDを特定する。
【0039】
記憶部12には、仮想空間IDに対して、当該仮想空間IDに関連付けられている仮想空間にアバターとして存在している他のユーザ、すなわち、現時点において仮想空間を表示させている端末のユーザのユーザIDと、当該ユーザIDに対応するアバターの当該仮想空間内における位置及び向きとが関連付けて記憶されている。仮想空間制御部133は、特定した仮想空間IDに関連付けられている他のユーザのユーザIDを特定するとともに、当該ユーザIDに対応する他のユーザのアバターの仮想空間内の位置及び向きを特定する。
【0040】
そして、仮想空間制御部133は、特定した仮想空間IDに関連付けられている仮想空間モデルが示す仮想空間に対し、特定した他のユーザのアバターの位置及び向きに基づいて当該アバターを配置する。また、仮想空間制御部133は、取得部132が取得したユーザIDに対応するアバターを当該エリアの所定位置に所定の向きで配置する。所定位置は、例えば、仮想空間に対して予め定められた仮想空間の入口に対応する位置であり、所定の向きは、例えば、当該入口に対応する位置から仮想空間の中心を視認する向きである。
【0041】
仮想空間制御部133は、取得部132が取得したユーザIDに対応するアバターに対応する位置(例えば、当該アバターの頭部後方の上部)に仮想カメラを設置し、当該仮想カメラから当該アバターが向いている方向を撮像して得られる仮想空間内のエリアを示す画像をユーザ端末2に表示させる。
図7は、ユーザ端末2に仮想空間が表示された例を示す図である。
図7に示すように、仮想店舗に対応するエリア内にユーザ端末2のアバターAが表示されていることが確認できる。
【0042】
仮想空間制御部133は、ユーザ端末2からアバターの移動操作を受け付けることにより、当該アバターと、当該アバターに対応する仮想カメラを移動させ、仮想カメラが撮像した仮想空間内のエリアを示す画像をユーザ端末2に表示させる。これにより、情報処理装置1は、ユーザによるアバターの移動操作に応じて、ユーザ端末2に表示させる仮想空間内のエリアの表示領域を変化させることができる。
【0043】
また、仮想空間制御部133は、特定した仮想空間IDに関連付けられている仮想空間を既に表示させている端末に対し、取得部132が取得したユーザIDに関連付けられているアバターを表示させる。例えば、特定した仮想空間IDに関連付けられている仮想空間モデルが示す仮想空間を既に表示させている端末は店舗端末3であり、仮想空間制御部133は、店舗端末3に表示されている仮想空間に対し、取得部132が取得したユーザIDに対応するアバターを表示させる。これにより、店舗端末3を使用する仮想店舗の店員は、ユーザに対応するアバターが仮想店舗の仮想空間に表示されたことを確認し、ユーザに対して接客を開始することができる。
【0044】
[商品の購入に係る処理]
続いて、ユーザによる商品の購入に係る処理について説明する。購入処理部134は、ユーザ端末2のユーザから、仮想店舗の仮想空間内に設けられており、仮想店舗で販売されている商品アバターの選択を受け付ける。そして、購入処理部134は、当該商品の購入を受け付ける。購入処理部134は、商品の購入を受け付けると、ユーザから、商品の配送先に係る情報と、決済手段に係る情報を受け付け、受け付けた情報に基づいて商品の購入額の決済を行う。購入処理部134は、決済が完了すると、ユーザが購入した商品を示す情報と、配送先に係る情報とを、仮想店舗の店舗端末3に通知する。これにより、仮想店舗の店員は、商品の発送に係る処理を行うことができる。
【0045】
[仮想空間の表示から選択受付画面への遷移]
続いて、仮想空間の表示から選択受付画面に表示を遷移させる処理について説明する。受付部131は、仮想空間制御部133が仮想店舗に対応するエリアをユーザ端末2に表示させるとともにユーザのアバターを当該エリアに表示させている状態において、ユーザ端末2が所定の操作を受け付けると、当該エリアを表示させる前に表示していた仮想店舗情報としての選択受付画面をユーザ端末2に表示させる。
【0046】
例えば、受付部131は、選択受付画面において仮想店舗が選択された場合に、ユーザ端末2に表示させていた選択受付画面を示す情報と、ユーザIDとを関連付けて記憶部12に記憶させる。仮想空間制御部133は、ユーザ端末2に仮想店舗に対応するエリアをユーザ端末2に表示させる場合に、選択受付画面に遷移させるための戻りボタンをユーザ端末2に表示させる。ユーザ端末2は、所定の操作として戻りボタンを選択する操作を受け付けると、選択受付画面に表示を遷移させることを要求する遷移要求を情報処理装置1に送信する。遷移要求にはユーザIDが含まれている。
【0047】
受付部131は、ユーザ端末2から遷移要求を受信すると、記憶部12において、遷移要求に含まれるユーザIDに関連付けられている選択受付画面を示す情報を特定する。そして、受付部131は、特定した選択受付画面を示す情報に基づいて、仮想空間に対応するエリアを表示させる直前に表示していた選択受付画面をユーザ端末2に表示させる。このようにすることで、ユーザは、再び選択受付画面から、自身が所望する仮想店舗に対応するエリアに容易にアバターを移動させることができる。
【0048】
[表示履歴に基づく仮想店舗の選択]
情報処理装置1は、選択受付画面において仮想店舗の選択を受け付け、選択された仮想店舗を示す仮想空間のエリアをユーザ端末2に表示させたが、これに限らず、表示履歴から仮想店舗の選択を受け付けることもできる。
【0049】
まず、仮想空間制御部133は、アバターに対応するユーザIDと、当該アバターを表示させた仮想店舗に対応する仮想空間上のエリアに対応する、仮想店舗の店舗IDとを関連付けた表示履歴情報を記憶部12に記憶させる。例えば、仮想空間制御部133は、アバターに対応するユーザIDと、当該アバターを表示させたエリアに対応する仮想店舗の店舗IDと、当該エリアに当該アバターを表示させた日時である閲覧日時とを関連付けて表示履歴情報として記憶部12に記憶させる。
【0050】
受付部131は、記憶部12に記憶されている表示履歴情報に基づいて仮想店舗の選択を受け付けるための情報を含む第4選択受付画面を仮想施設情報としてユーザ端末2に表示させる。ここで、受付部131は、表示履歴情報を参照し、現在の日時から所定期間以内の閲覧日時に対応する店舗IDに対応する仮想店舗のみを含む第4選択受付画面を仮想施設情報としてユーザ端末2に表示させてもよい。
【0051】
図8は、第4選択受付画面の一例を示す図である。
図8に示す第4選択受付画面には、ユーザのアバターが表示されたエリアに対応する仮想店舗、すなわちユーザが閲覧した仮想店舗の仮想店舗名が表示されているとともに、「絞り込み」と表示され、仮想店舗を絞り込むためのボタンが表示されていることが確認できる。ここで、受付部131は、仮想店舗を絞り込む際には、仮想店舗のカテゴリ、仮想店舗の実店舗の位置、仮想店舗に対応するエリアをユーザが閲覧した日時の少なくともいずれかをユーザ端末2から受け付け、ユーザが閲覧した仮想店舗の中から仮想店舗の絞り込みを行うようにしてもよい。
【0052】
また、受付部131は、表示履歴情報に基づいて、ユーザにレコメンドする仮想店舗を選択してもよい。例えば、受付部131は、ユーザの表示履歴情報と、当該ユーザとは異なる他のユーザの表示履歴情報とに基づいて、ユーザにレコメンドする仮想店舗を選択してもよい。この場合、受付部131は、ユーザの表示履歴情報と、他のユーザの表示履歴情報とに基づいて、ユーザの表示履歴と類似する表示履歴を有する他のユーザを特定する。そして、受付部131は、特定した他のユーザが訪問し、かつ、ユーザが訪問していない仮想店舗を、ユーザにレコメンドする仮想店舗として選択する。
【0053】
また、記憶部12にユーザのユーザIDと、当該ユーザが購入した商品のカテゴリと、商品の購入額とを関連付けて購入履歴情報を記憶してもおいてもよい。そして、受付部131は、購入履歴情報に基づいて、ユーザが購入した商品のカテゴリのうち、購入頻度が高い商品のカテゴリや、購入額が高い商品のカテゴリを特定する。受付部131は、特定した商品のカテゴリに対応する仮想店舗であって、ユーザの表示履歴情報に基づいてユーザが閲覧していないと特定される仮想店舗を、ユーザにレコメンドする仮想店舗として選択する。
【0054】
そして、受付部131は、選択した仮想店舗の選択を受け付けるためのレコメンド情報を含む選択受付画面を仮想店舗情報としてユーザ端末2に表示させる。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザが閲覧する確率が高い仮想店舗を含む選択受付画面をユーザ端末2に表示させることができるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0055】
[変形例1]
上述の説明において、受付部131は、仮想店舗に対応する実店舗が所在する位置に基づいて仮想店舗を配置した仮想店舗情報として、第3選択受付画面をユーザ端末2に表示させたが、これに限らない。例えば、受付部131は、実店舗の所在位置に基づいて仮想店舗が配置された街並みを再現した第5選択受付画面を仮想店舗情報としてユーザ端末2に表示させてもよい。
【0056】
図9は、第5選択受付画面の一例を示す図である。
図9に示すように、第5選択受付画面には、実店舗を模した複数の仮想店舗を、当該仮想店舗が配置されている通路から視認したときの画像が表示されていることが確認できる。また、第5選択受付画面において、仮想店舗の画像の上部に仮想店舗に対応する情報が表示されていることが確認できる。また、第5選択受付画面において、ユーザのアバターが表示されていてもよく、受付部131は、ユーザ端末2に第5選択受付画面が表示されている状態において横スクロール操作を受け付けることにより、仮想店舗が配置されている通路沿いにアバターが移動するように表示制御を行ってもよい。また、受付部131は、第5選択受付画面において仮想店舗をタップする操作を受け付けることにより、仮想店舗の選択を受け付ける。
【0057】
また、受付部131は、記憶部12に記憶されている仮想空間の表示履歴情報に基づいて、複数の仮想店舗それぞれの集客度合いを特定し、特定した集客度合いを示す情報を第4受付画面に表示させてもよい。例えば、受付部131は、集客度合いを示す情報として、仮想店舗が配置されている通路沿いに、人物を模した人物オブジェクトを表示させてもよい。この場合、受付部131は、第5選択受付画面において、集客度合いが大きい仮想店舗に対応する位置に対し、集客度合いが小さい仮想店舗に対応する位置に比べて多くの人物オブジェクトを配置させる。
【0058】
ここで、受付部131は、モデルや芸能人といった著名人に対応するユーザIDに対応する表示履歴情報に基づいて、著名人が訪問した仮想店舗を特定してもよい。受付部131は、第5選択受付画面において、著名人が訪問した仮想店舗に対応する位置に、当該著名人を示すアバターを表示させるようにしてもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、著名人が利用している仮想店舗をユーザに把握させることができるので、当該著名人のファンであるユーザが、当該仮想店舗を利用する確率を高めることができる。
【0059】
なお、受付部131は、仮想空間の表示履歴情報に基づく複数の仮想店舗それぞれの集客度合いを示す情報を第4受付画面に表示させたが、これに限らない。受付部131は、複数の実店舗それぞれに入場している入場者数を示す情報を取得し、複数の仮想店舗それぞれに対し、当該仮想店舗に対応する実店舗の入場者数を関連付けた第5選択受付画面を仮想店舗情報としてユーザ端末2に表示させてもよい。
【0060】
例えば、実店舗に対して入場者数をカウントする装置を設けておき、受付部131が、当該装置がカウントした入場者数を示す情報を取得する。入場者を示す情報は、現時点における入場者数、所定期間内における入場者数の少なくともいずれかであってもよい。そして、受付部131は、第5選択受付画面において、複数の仮想店舗それぞれに対し、当該仮想店舗に対応する実店舗の入場者数に対応する人物オブジェクトを表示させてもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、集客度合いが大きく人気がある仮想店舗をユーザに把握させることができる。
【0061】
[変形例2]
また、受付部131は、第5選択受付画面において、表示履歴情報に基づく仮想店舗の集客度合いを示す情報や、実店舗に入場している入場者数を示す情報を表示したが、これに限らない。受付部131は、第5選択受付画面とは異なる他の選択受付画面において、表示履歴情報に基づく仮想店舗の集客度合いを示す情報や、実店舗に入場している入場者数を示す情報を表示するようにしてもよい。この場合、受付部131は、第5選択受付画面とは異なる他の選択受付画面において、仮想店舗名に関連付けて、仮想店舗の集客度合いを示す情報として、集客度合いを示すスコアを表示させたり、実店舗に入場している入場者数を表示させたりしてもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、第5選択受付画面とは異なる他の選択受付画面においても、集客度合いが大きく人気がある仮想店舗をユーザに把握させることができる。
【0062】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る情報処理装置1は、実空間に存在する施設である実空間施設に対応する仮想空間上の施設である仮想施設を示す情報であって、複数の仮想施設を示す仮想施設情報をユーザが使用するユーザ端末2に表示させ、複数の仮想施設のいずれかの選択を受け付けるとともに、ユーザ端末2のユーザのユーザIDを取得する。情報処理装置1は、選択を受け付けた仮想施設に対応する仮想空間上のエリアをユーザ端末2に表示させるとともに、取得したユーザIDに対応するアバターを当該エリアに表示させる。このようにすることで、情報処理装置1は、実際に存在する店舗が仮想空間上で提供するサービスをユーザが利用しやすくすることができる。
【0063】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0065】
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 受付部
132 取得部
133 仮想空間制御部
134 購入処理部
2 ユーザ端末