(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173848
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】音響出力装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20241206BHJP
【FI】
H04R1/10 101B
H04R1/10 104E
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184884
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(72)【発明者】
【氏名】土屋 亮
(72)【発明者】
【氏名】堀切 孝之
(72)【発明者】
【氏名】松尾 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大森 健人
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BB07
5D005BB08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高い機能性を確保した上で小型化を図る音響出力装置を提供する。
【解決手段】音響出力装置1は、内部に配置空間2aを有すると共に、配置空間2aに連通された挿入孔11cが形成されたハウジング2と、配置空間2aに配置された制御回路基板15と、表面が操作時に押圧される被押圧面19aとして形成された被押圧部19と、被押圧部19から突出され挿入孔11cに挿入された係合突部21とを有する操作釦3と、アンテナパターンが形成されたフレキシブルプリント配線板22とを備える。フレキシブルプリント配線板22は、被押圧部19の裏面に取り付けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に配置空間を有すると共に前記配置空間に連通された挿入孔が形成されたハウジングと、
前記配置空間に配置された制御回路基板と、
表面が操作時に押圧される被押圧面として形成された被押圧部と前記被押圧部から突出され前記挿入孔に挿入された係合突部とを有する操作釦と、
アンテナパターンが形成されたフレキシブルプリント配線板とを備え、
前記被押圧部の裏面に前記フレキシブルプリント配線板が取り付けられた
音響出力装置。
【請求項2】
前記ハウジングには前記被押圧部と前記制御回路基板の間に位置される環状の張出部が設けられ、
前記被押圧部と前記張出部の間に前記フレキシブルプリント配線板と前記張出部に密着されるパッキンが配置された
請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項3】
前記パッキンが環状に形成された
請求項2に記載の音響出力装置。
【請求項4】
前記パッキンが前記係合突部の周囲に位置された
請求項3に記載の音響出力装置。
【請求項5】
前記パッキンが弾性変形可能にされ、
前記操作釦が押圧される方向と反対方向を復帰方向としたときに、
前記パッキンによって前記操作釦に前記復帰方向への付勢力が付与された
請求項2に記載の音響出力装置。
【請求項6】
前記フレキシブルプリント配線板には前記被押圧部に取り付けられる被取付部と前記被取付部から突出され前記制御回路基板の接続端子に接続される接続部を有する導出部とが設けられ、
前記導出部における前記被取付部と前記接続部の間の部分が折り返された形状の屈曲部として設けられた
請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項7】
前記被取付部が環状に形成された
請求項6に記載の音響出力装置。
【請求項8】
前記導出部が前記被取付部の内周から突出された
請求項6に記載の音響出力装置。
【請求項9】
前記制御回路基板の接続端子として弾性変形部を有するバネ端子が設けられ、
前記弾性変形部が前記フレキシブルプリント配線板の一部に押し付けられた状態で接続された
請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項10】
内部に配置空間を有すると共に前記配置空間に連通された挿入孔が形成されたハウジングと、
前記配置空間に配置された制御回路基板と、
表面が操作時に押圧される被押圧面として形成された被押圧部と前記被押圧部から突出され前記挿入孔に挿入された係合突部とを有する操作釦とを備え、
前記被押圧部の少なくとも裏面にアンテナパターンが形成された
音響出力装置。
【請求項11】
前記ハウジングには前記被押圧部と前記制御回路基板の間に位置された環状の張出部が設けられ、
前記被押圧部と前記張出部の間に前記アンテナパターンと前記張出部に密着されるパッキンが配置された
請求項10に記載の音響出力装置。
【請求項12】
前記パッキンが環状に形成された
請求項11に記載の音響出力装置。
【請求項13】
前記パッキンが前記係合突部の周囲に位置された
請求項12に記載の音響出力装置。
【請求項14】
前記パッキンが弾性変形可能にされ、
前記操作釦が押圧される方向と反対方向を復帰方向としたときに、
前記パッキンによって前記操作釦に前記復帰方向への付勢力が付与された
請求項11に記載の音響出力装置。
【請求項15】
前記アンテナパターンが前記被押圧部から前記係合突部の先端面に亘る位置に形成され、
前記アンテナパターンにおける前記係合突部の先端面に形成された部分が接点部とされ、
前記制御回路基板の接続端子として弾性変形部を有するバネ端子が設けられ、
前記弾性変形部が前記アンテナパターンの一部に押し付けられた状態で接続された
請求項10に記載の音響出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は耳に装着されて使用され音響を出力する音響出力装置についての技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
耳に装着されてヘッドホンやイヤホン等として使用されスピーカーから音響の出力が行われる音響出力装置がある。音響出力装置は、近年、室内で使用される態様の他に、室外で使用される態様も増加している。音響出力装置には、内部に音響を出力するスピーカーやスピーカー等の駆動を制御する制御回路基板等が配置されている。
【0003】
このような音響出力装置には、無線による信号を送受信するアンテナを有すると共にハウジングに操作釦が支持され、操作釦が押圧操作されることにより所定の機能が実行されるように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載された音響出力装置は、操作部に対する押圧操作が解除されたときに操作部がコイルバネの付勢力によって元の状態に復帰するように構成され、コイルバネが導電性を有しアンテナとしても用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のような音響出力装置においては、操作釦やアンテナを有する構成にされており、その分、機能性は高くなるが、部品点数が多くなり小型化に支障を来すおそれがある。特に、音響出力装置においては、耳に装着された状態において、可能な限り耳から出っ張る部分が小さくされることが望ましく、薄型化が望まれている。
【0007】
一方、アンテナは信号の送受信を行う機能を有しているため、制御回路基板において発生する可能性のあるノイズの影響を受けないようにして高い機能性を確保するために、制御回路基板とは一定以上の間隔を有した状態で位置される必要がある。
【0008】
そこで、本技術音響出力装置は、高い機能性を確保した上で小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術に係る音響出力装置は、内部に配置空間を有すると共に前記配置空間に連通された挿入孔が形成されたハウジングと、前記配置空間に配置された制御回路基板と、表面が操作時に押圧される被押圧面として形成された被押圧部と前記被押圧部から突出され前記挿入孔に挿入された係合突部とを有する操作釦と、アンテナパターンが形成されたフレキシブルプリント配線板とを備え、前記被押圧部の裏面に前記フレキシブルプリント配線板が取り付けられたものである。
【0010】
これにより、操作釦の被押圧部とアンテナパターンとの間にスペースが存在せず、制御回路基板とアンテナパターンを一定以上離隔させた状態で制御回路基板と被押圧部の距離を小さくすることが可能になる。
【0011】
別の本技術に係る音響出力装置は、内部に配置空間を有すると共に前記配置空間に連通された挿入孔が形成されたハウジングと、前記配置空間に配置された制御回路基板と、表面が操作時に押圧される被押圧面として形成された被押圧部と前記被押圧部から突出され前記挿入孔に挿入された係合突部とを有する操作釦とを備え、前記被押圧部の少なくとも裏面にアンテナパターンが形成されたものである。
【0012】
これにより、操作釦の被押圧部とアンテナパターンとの間にスペースが存在せず、制御回路基板とアンテナパターンを一定以上離隔させた状態で制御回路基板と被押圧部の距離を小さくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図2乃至
図8と共に本技術音響出力装置の第1の実施の形態を示すものであり、本図は、音響出力装置の斜視図である。
【
図4】フレキシブルプリント配線板の配置状態等を示す斜視図である。
【
図5】音響出力装置が組み立てられる途中の状態を示す断面図である。
【
図6】
図5に引き続き音響出力装置が組み立てられる途中の状態を示す断面図である。
【
図7】操作釦が操作される前の状態を示す断面図である。
【
図8】操作釦が操作された状態を示す断面図である。
【
図9】
図10乃至
図13と共に本技術音響出力装置の第2の実施の形態を示すものであり、本図は、音響出力装置の断面図である。
【
図10】音響出力装置が組み立てられる途中の状態を示す断面図である。
【
図11】
図10に引き続き音響出力装置が組み立てられる途中の状態を示す断面図である。
【
図12】操作釦が操作される前の状態を示す断面図である。
【
図13】操作釦が操作された状態を示す断面図である。
【
図14】第1の変形例に係るパッキンを示す断面図である。
【
図15】第2の変形例に係るパッキンを示す断面図である。
【
図16】第3の変形例に係るパッキンを示す断面図である。
【
図17】第4の変形例に係るパッキンを示す断面図である。
【
図18】第5の変形例に係るパッキンを示す断面図である。
【
図19】第6の変形例に係るパッキンを示す断面図である。
【
図20】第7の変形例に係るパッキンを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本技術音響出力装置を実施するための形態を添付図面に従って説明する。本技術音響出力装置はイヤホン又はヘッドホンとして用いられる。但し、本技術音響出力装置は、特に、トゥルーリーワイヤレスイヤホンやオーバーヘッドヘッドホンの他、補聴器等にも適用することが可能である。
【0015】
尚、以下に示す音響出力装置には、音響の出力部として機能するスピーカーと内部の空間がスピーカーから出力される音響の通路(音導空間)として形成された音導管とが設けられている。以下の説明において方向を示すときには、音導管の軸方向を左右方向として前後上下左右の方向を示すものとする。
【0016】
但し、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本技術の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0017】
<第1の実施の形態に係る音響出力装置の構成>
先ず、第1の実施の形態に係る音響出力装置1の構成について説明する(
図1乃至
図8参照)。
【0018】
音響出力装置1は、例えば、一対で使用され、一方が左耳用として使用され他方が右耳用として使用される。但し、一つの音響出力装置1を使用して音響の聞き取りが行われてもよい。
【0019】
音響出力装置1は外筐として設けられたハウジング2とハウジング2の内部に配置された所要の各部とハウジング2に支持された操作釦3とを有している(
図1乃至
図3参照)。
【0020】
ハウジング2は第1のケース4と第2のケース5が左右方向において結合されて構成されている。
【0021】
第1のケース4は左右方向における一方に開口された浅い皿状のケース部6とケース部6から左右方向における他方に突出された音導管7とが一体に形成されて成る。ケース部6は外面の全体が外側に凸の曲面状に形成されている。音導管7は軸方向が略左右方向にされた略円筒状に形成され、内部の空間が音導空間7aとして形成されている。音導空間7aはケース部6の内部の空間に連通されている。
【0022】
第2のケース5は第1のケース4と反対側に開口された凹部を有する形状に形成され、筒状に形成された周面部8と周面部8の軸方向における一端部に連続された釦配置部9とを有している。周面部8は外面の全体が曲面状に形成されている。釦配置部9は周面部8に連続された環状の周状部10と周状部10における周面部8側の端部から内方に張り出された張出部11とを有している。張出部11の内周部分には周方向に離隔して複数の規制突部11aが設けられている。張出部11の内側の空間は、周方向において隣り合う規制突部11aの間の部分がそれぞれ挿入用切欠11bとして形成されている。張出部11の内側の空間は挿入用切欠11bを含む全体が挿入孔11cとして形成されている。
【0023】
ハウジング2は第1のケース4のケース部6と第2のケース5の周面部8とが突き合わされて結合されることにより構成される(
図1参照)。ハウジング2の内部の空間は音導空間7aを除く部分が配置空間2aとして形成されている(
図3参照)。
【0024】
音導管7の内部には配置空間2a側の端部にスピーカー12が配置されている。スピーカー12から出力される音響は音導管7を通って外部へ向けて放射される。
【0025】
配置空間2aには基板取付部材13が配置されている。基板取付部材13は略円筒状に形成された部分を有している。基板取付部材13の内側には電池14が配置され、基板取付部材13の一端部には制御回路基板15が取り付けられている。
【0026】
制御回路基板15は配置空間2aにおける張出部11側に配置され、外周部が張出部11に対向した状態にされている。制御回路基板15は、例えば、円板状の基板16と基板16に搭載された図示しない各種の電子部品と基板16の図示しない回路パターンに接続されたバネ端子17とを有している。バネ端子17は後述するアンテナパターンが接続される接続端子として機能し、回路パターンに接合された接合部17aと板状の弾性変形部17bとを有している。バネ端子17は基板16における張出部11と対向する側の面に搭載されている。基板16の中央部には、張出部11と対向する側の面にスイッチ18が搭載されている。
【0027】
操作釦3は円板状の被押圧部19と被押圧部19の中心部から被押圧部19の厚み方向において突出された操作軸部20と被押圧部19から突出された複数の係合突部21とが一体に形成されて成る(
図1乃至
図3参照)。被押圧部19は、厚み方向における一方の面が操作時に押圧される被押圧面19aとして形成され、厚み方向における他方の面が対向面19bとして形成されている。操作軸部20と係合突部21は何れも対向面19bから突出され、係合突部21は操作軸部20の周囲の位置から操作軸部20が突出された方向と同じ方向に突出されている。係合突部21は先端部が他の部分に対して外方に屈曲された被規制突部21aとして設けられている。
【0028】
操作釦3にはフレキシブルプリント配線板22が取り付けられている。フレキシブルプリント配線板22は円環状の被取付部23と被取付部23から突出された導出部24とを有し、導出部24は被取付部23の内周から突出されている。導出部24は先端部が接続部24aとして設けられ他の部分が屈曲部24bとして設けられている。屈曲部24bは厚み方向において屈曲され、例えば、折り返されてU字状に形成されている。
【0029】
フレキシブルプリント配線板22にはアンテナパターン25が形成されている。アンテナパターン25は被取付部23から導出部24に亘る位置に形成されている。アンテナパターン25はアンテナとして機能し、アンテナパターン25によって音響信号の送受信が行われる。
【0030】
フレキシブルプリント配線板22は被取付部23が、例えば、両面テープ等の接着材26によって対向面19bに貼り付けられて操作釦3に取り付けられている。
【0031】
操作釦3はハウジング2に操作軸部20の軸方向へ移動可能に支持される。操作釦3は係合突部21がそれぞれ第2のケース5の挿入用切欠11bに挿入されると共に操作軸部20が挿入孔11cに挿入された状態において、第2のケース5に対して所定の角度軸回り方向へ回転されることによりハウジング2に支持される。操作釦3がハウジング2に支持された状態においては、操作軸部20の軸方向において被規制突部21aがそれぞれ規制突部11aに係合可能な状態にされ、被規制突部21aがそれぞれ規制突部11aに係合されることにより操作釦3のハウジング2からの脱落が防止されている。
【0032】
操作釦3がハウジング2に支持された状態においては、操作釦3の対向面19bが第2のケース5の張出部11に対向して位置される(
図3参照)。また、操作釦3がハウジング2に支持された状態においては、操作釦3の操作軸部20の先端面が基板16に搭載されたスイッチ18に対向して位置される。
【0033】
フレキシブルプリント配線板22は、操作釦3がハウジング2に支持された状態において、導出部24が第2のケース5の挿入孔11cに挿入され接続部24aが第2のケース5における張出部11の内面に接着等によって取り付けられる(
図3及び
図4参照)。フレキシブルプリント配線板22の接続部24aが張出部11の内面に取り付けられた状態においては、接続部24aにバネ端子17の弾性変形部17bが押し付けられる(
図3参照)。従って、フレキシブルプリント配線板22の接続部24aがバネ端子17を介して制御回路基板15の回路パターンに安定した状態で接続される。
【0034】
操作釦3がハウジング2に支持された状態において、フレキシブルプリント配線板22の被取付部23と第2のケース5の張出部11との間にパッキン27が配置される。パッキン27は弾性変形可能なゴム材料等によって、例えば、円環状に形成され、断面形状において傾斜された形状に形成されている。従って、パッキン27は軸方向における一端部27aと他端部27bが径方向において異なる位置にある形状に形成されている。
【0035】
パッキン27は被取付部23と張出部11の間に配置された状態において弾性変形され、一端部27aがフレキシブルプリント配線板22の被取付部23に密着され他端部27bが第2のケース5の張出部11に密着される。従って、操作釦3にはフレキシブルプリント配線板22を介してパッキン27から付勢力が付与され、操作釦3が制御回路基板15から離隔する方向へ付勢される。
【0036】
尚、パッキン27は断面形状の傾斜方向が反対方向にされ、一端部27aが張出部11に密着され、他端部27bが被取付部23に密着されてもよい。
【0037】
パッキン27によってハウジング2の内部の空間と外部の空間とが仕切られるため、パッキン27は防水機能を有する他に音響的に内部と外部の空間を分離する機能をも有している。また、パッキン27は操作釦3を制御回路基板15から離隔する方向へ付勢する付勢バネとしても機能する。
【0038】
操作釦3がパッキン27によって制御回路基板15から離隔する方向へ付勢されることにより、操作釦3における係合突部21の被規制突部21aがそれぞれ張出部11の規制突部11aに押し付けられた状態で係合される。このとき操作釦3の操作軸部20はスイッチ18から離隔して位置される。
【0039】
ハウジング2における音導管7の先端部には、例えば、ゴム材料によって形成されたイヤーピース28が取り付けられる。イヤーピース28は音導管7に着脱可能にされている。
【0040】
<第1の実施の形態に係る音響出力装置の組立手順>
以下に、音響出力装置1の組立手順について説明する(
図5及び
図6参照)。
【0041】
先ず、第1のケース4にスピーカー12や基板取付部材13や電池14等の所要の各部が取り付けられ、操作釦3にフレキシブルプリント配線板22の被取付部23が取り付けられ、第2のケース5の張出部11上にパッキン27が載置される(
図5参照)。
【0042】
次に、操作釦3が第2のケース5に支持されると共にフレキシブルプリント配線板22の導出部24が第2のケース5の挿入孔11cに挿入され、フレキシブルプリント配線板22の接続部24aが張出部11に取り付けられる(
図6参照)。このとき接続部24aにバネ端子17の弾性変形部17bが押し付けられ、アンテナパターン25がバネ端子17を介して制御回路基板15の回路パターンに接続される。
【0043】
最後に、第1のケース4と第2のケース5が接着等によって結合されることにより音響出力装置1の組立が完了する。
【0044】
<第1の実施の形態に係る音響出力装置の操作釦に対する操作>
次に、操作釦3に対する操作について説明する(
図7及び
図8参照)。
【0045】
操作釦3は被押圧面19aが押圧操作されてハウジング2に対して操作軸部20の軸方向における一方へ移動される。操作釦3に対する押圧操作において、操作されるときの方向が操作方向とされ、操作方向と反対方向が復帰方向とされる。
【0046】
音響出力装置1において、操作釦3が操作される前の状態においては、パッキン27の付勢力によって操作釦3が操作軸部20の軸方向において制御回路基板15から最も離隔して位置され、操作釦3の被規制突部21aがそれぞれ規制突部11aに係合され、操作軸部20がスイッチ18から離隔して位置されている(
図7参照)。
【0047】
操作釦3が押圧操作されて操作方向へ移動されると、パッキン27が弾性変形され、フレキシブルプリント配線板22の屈曲部24bが撓んで屈曲の程度が大きくなると共に操作軸部20によってスイッチ18が押圧される(
図8参照)。スイッチ18が操作されることにより、電源のオンオフ、モードの変更、曲の再生や停止等の各種の機能が実行される。
【0048】
操作釦3に対する押圧操作が解除されると、パッキン27が弾性復帰されてパッキン27の付勢力によって操作釦3が復帰方向へ移動され、フレキシブルプリント配線板22における屈曲部24bの屈曲の程度が小さくなると共に操作軸部20によるスイッチ18の押圧状態が解除される(
図7参照)。操作釦3が復帰方向へ移動されると、再び操作釦3の被規制突部21aがそれぞれ規制突部11aに係合され、操作釦3が操作される前の状態に戻る。
【0049】
<第1の実施の形態に係る音響出力装置のまとめ>
以上に記載した通り、音響出力装置1にあっては、内部に配置空間2aを有すると共に配置空間2aに連通された挿入孔11cが形成されたハウジング2と、配置空間2aに配置された制御回路基板15と、表面が操作時に押圧される被押圧面19aとして形成された被押圧部19と被押圧部19から突出され挿入孔11cに挿入された係合突部21とを有する操作釦3と、アンテナパターン25が形成されたフレキシブルプリント配線板22とを備え、被押圧部19の裏面(対向面19b)にフレキシブルプリント配線板22が取り付けられている。
【0050】
従って、操作釦3の被押圧部19とアンテナパターン25との間にスペースが存在せず、制御回路基板15とアンテナパターン25を一定以上離隔させて制御回路基板15において発生する可能性のあるノイズの影響をアンテナパターン25が受けないようにした状態で制御回路基板15と被押圧部19の距離を小さくすることが可能になる。これにより、音響出力装置1の高い機能性を確保した上で小型化を図ることができる。
【0051】
特に、操作釦3の被押圧部19が操作軸部20の軸方向(左右方向)においてハウジング2に近付いて位置されるため、薄型化を図ることができ、音響出力装置1が耳に装着された状態において耳から出っ張る部分を小さくすることができる。
【0052】
また、ハウジング2には被押圧部19と制御回路基板15の間に位置される環状の張出部11が設けられ、被押圧部19と張出部11の間にフレキシブルプリント配線板22と張出部11に密着されるパッキン27が配置されている。
【0053】
従って、パッキン27が被押圧部19と制御回路基板15の間に配置された状態でフレキシブルプリント配線板22と張出部11に密着されるため、スペースの有効活用による音響出力装置1の小型化を図った上で高い防水性を確保することができる。
【0054】
さらに、パッキン27が環状に形成されているため、環状のパッキン27がフレキシブルプリント配線板22と張出部11に密着され、一層高い防水性を確保することができる。
【0055】
さらにまた、パッキン27が係合突部21の周囲に位置されているため、環状のパッキン27が係合突部21の周囲に位置された状態でフレキシブルプリント配線板22と張出部11に密着され、パッキン27と係合突部21の干渉を防止して操作釦3の操作に影響を及ぼすことなく高い防水性を確保することができる。
【0056】
また、パッキン27が弾性変形可能にされ、操作釦3が押圧される方向と反対方向を復帰方向としたときに、パッキン27によって操作釦3に復帰方向への付勢力が付与される。
【0057】
従って、操作釦3に対する押圧操作が解除されたときにパッキン27の付勢力によって操作釦3を押圧される前の位置に戻すことが可能になるため、パッキン27が操作釦3を元の位置に戻す戻しバネとして機能し、部品点数の削減を図った上で操作釦3に対する高い操作性を確保することができる。
【0058】
さらに、フレキシブルプリント配線板22には被押圧部19に取り付けられる被取付部23と被取付部23から突出され制御回路基板15の接続端子であるバネ端子17に接続される接続部24aを有する導出部24とが設けられ、導出部24における被取付部23と接続部24aの間の部分が折り返された形状の屈曲部24bとして設けられている。
【0059】
従って、操作釦3が操作されて移動されたときに屈曲部24bが撓むため、操作釦3にフレキシブルプリント配線板22からの負荷が付与され難く、操作釦3の良好な操作性を確保することができる。
【0060】
さらにまた、被取付部23が環状に形成されているため、環状に形成された被取付部23が操作釦3の被押圧部19に取り付けられ、フレキシブルプリント配線板22の操作釦3に対する取付面積が大きくなり、フレキシブルプリント配線板22の操作釦3に対する高い取付強度を確保することができる。
【0061】
また、導出部24が被取付部23の内周から突出されているため、被取付部23の内側に導出部24を位置させることが可能になり、フレキシブルプリント配線板22の配置空間2aにおける配置スペースが小さくなるため、音響出力装置1の小型化を図ることができる。
【0062】
さらに、導出部24が被取付部23の内周から突出される構成にすることにより、被取付部23を大きくすることが可能になり、その分、アンテナパターン25の操作釦3に対する形成面積を大きくすることが可能になり、無線通信信号に関する送受信の安定化を図ることができる。
【0063】
加えて、制御回路基板15の接続端子として弾性変形部17bを有するバネ端子17が設けられ、弾性変形部17bがフレキシブルプリント配線板22の一部(接続部24a)に押し付けられた状態で接続されている。
【0064】
従って、音響出力装置1に対して、例えば、外部から振動等が生じた場合においても、フレキシブルプリント配線板22にバネ端子17が弾性変形された状態で押し付けられるため、フレキシブルプリント配線板22と制御回路基板5の安定した接続状態を確保することができる。
【0065】
<第2の実施の形態に係る音響出力装置の構成>
以下に、第2の実施の形態に係る音響出力装置1Aの構成について説明する(
図9参照)。
【0066】
尚、以下に示す音響出力装置1Aは、上記した音響出力装置1と比較して、アンテナパターンが操作釦に形成されていることのみが相違するため、音響出力装置1と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については音響出力装置1における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0067】
音響出力装置1Aは、例えば、一対で使用され、一方が左耳用として使用され他方が右耳用として使用される。但し、一つの音響出力装置1Aを使用して音響の聞き取りが行われてもよい。
【0068】
音響出力装置1Aは外筐として設けられたハウジング2とハウジング2の内部に配置された所要の各部とハウジング2に支持された操作釦3とを有している。
【0069】
音響出力装置1Aにおいてはフレキシブルプリント配線板22が設けられておらず、アンテナパターン25Aが操作釦3の各面上に形成されている。アンテナパターン25Aはレーザーダイレクトストラクチャリング(Laser Direct Structuring)と称される3次元配線形成技術により操作釦3に形成される。
【0070】
アンテナパターン25Aは被押圧部19の対向面19bから係合突部21の外面を経て被規制突部21aの制御回路基板15と対向する対面29に亘る位置に形成されている。アンテナパターン25Aは、対向面19bに形成された部分が最も外側に位置された最外部25aとして形成され、対向面19bと対面29の間に形成された部分が中間部25bとして形成され、対面29に形成された部分が接点部25cとして形成されている。
【0071】
アンテナパターン25Aは、操作釦3がハウジング2に支持された状態において、接点部25cにバネ端子17の弾性変形部17bが押し付けられて接続される。従って、アンテナパターン25Aがバネ端子17を介して制御回路基板15の回路パターンに安定した状態で接続される。
【0072】
操作釦3がハウジング2に支持された状態において、操作釦3の被押圧部19と第2のケース5の張出部11との間にパッキン27が配置される。
【0073】
パッキン27は被押圧部19と張出部11の間に配置された状態において弾性変形され、一端部27aがアンテナパターン25Aの最外部25aに密着され他端部27bが第2のケース5の張出部11に密着される。従って、操作釦3にはパッキン27から付勢力が付与され、操作釦3が制御回路基板15から離隔する方向へ付勢される。
【0074】
操作釦3がパッキン27によって制御回路基板15から離隔する方向へ付勢されることにより、操作釦3における係合突部21の被規制突部21aがそれぞれ張出部11の規制突部11aに押し付けられた状態で係合される。このとき操作釦3の操作軸部20はスイッチ18から離隔して位置される。
【0075】
<第2の実施の形態に係る音響出力装置の組立手順>
以下に、音響出力装置1Aの組立手順について説明する(
図10及び
図11参照)。
【0076】
先ず、第1のケース4にスピーカー12や基板取付部材13や電池14等の所要の各部が取り付けられ、操作釦3にアンテナパターン25Aが形成され、第2のケース5の張出部11上にパッキン27が載置される(
図10参照)。
【0077】
次に、操作釦3が第2のケース5に支持される(
図11参照)。このときアンテナパターン25Aの接点部25cにバネ端子17の弾性変形部17bが押し付けられ、アンテナパターン25Aがバネ端子17を介して制御回路基板15の回路パターンに接続される。
【0078】
最後に、第1のケース4と第2のケース5が接着等によって結合されることにより音響出力装置1Aの組立が完了する。
【0079】
<第2の実施の形態に係る音響出力装置の操作釦に対する操作>
次に、操作釦3に対する操作について説明する(
図12及び
図13参照)。
【0080】
音響出力装置1Aにおいて、操作釦3が操作される前の状態においては、パッキン27の付勢力によって操作釦3が操作軸部20の軸方向において制御回路基板15から最も離隔して位置され、操作釦3の被規制突部21aがそれぞれ規制突部11aに係合され、操作軸部20がスイッチ18から離隔して位置されている(
図12参照)。
【0081】
操作釦3が押圧操作されて操作方向へ移動されると、パッキン27が弾性変形されると共に操作軸部20によってスイッチ18が押圧される(
図13参照)。
【0082】
操作釦3に対する押圧操作が解除されると、パッキン27が弾性復帰されてパッキン27の付勢力によって操作釦3が復帰方向へ移動され、操作軸部20によるスイッチ18の押圧状態が解除される(
図12参照)。操作釦3が復帰方向へ移動されると、再び操作釦3の被規制突部21aがそれぞれ規制突部11aに係合され、操作釦3が操作される前の状態に戻る。
【0083】
<第1の実施の形態に係る音響出力装置のまとめ>
以上に記載した通り、音響出力装置1Aにあっては、内部に配置空間2aを有すると共に配置空間2aに連通された挿入孔11cが形成されたハウジング2と、配置空間2aに配置された制御回路基板15とを備え、被押圧部19の少なくとも裏面(対向面19b)にアンテナパターン25が形成されている。
【0084】
従って、操作釦3の被押圧部19とアンテナパターン25Aとの間にスペースが存在せず、制御回路基板15とアンテナパターン25Aを一定以上離隔させて制御回路基板15において発生する可能性のあるノイズの影響をアンテナパターン25Aが受けないようにした状態で制御回路基板15と被押圧部19の距離を小さくすることが可能になる。これにより、音響出力装置1Aの高い機能性を確保した上で小型化を図ることができる。
【0085】
特に、操作釦3の被押圧部19が操作軸部20の軸方向(左右方向)においてハウジング2に近付いて位置されるため、薄型化を図ることができ、音響出力装置1Aが耳に装着された状態において耳から出っ張る部分を小さくすることができる。
【0086】
また、ハウジング2には被押圧部19と制御回路基板15の間に位置された環状の張出部11が設けられ、被押圧部19と張出部11の間にアンテナパターン25Aと張出部11に密着されるパッキン27が配置されている。
【0087】
従って、パッキン27が被押圧部19と制御回路基板15の間に配置された状態でアンテナパターン25Aと張出部11に密着されるため、スペースの有効活用による音響出力装置1Aの小型化を図った上で高い防水性を確保することができる。
【0088】
さらに、パッキン27が環状に形成されているため、環状のパッキン27がアンテナパターン25Aと張出部11に密着され、一層高い防水性を確保することができる。
【0089】
さらにまた、パッキン27が係合突部21の周囲に位置されているため、環状のパッキン27が係合突部21の周囲に位置された状態でアンテナパターン25Aと張出部11に密着され、パッキン27と係合突部21の干渉を防止して操作釦3の操作に影響を及ぼすことなく高い防水性を確保することができる。
【0090】
また、パッキン27が弾性変形可能にされ、操作釦3が押圧される方向と反対方向を復帰方向としたときに、パッキン27によって操作釦3に復帰方向への付勢力が付与される。
【0091】
従って、操作釦3に対する押圧操作が解除されたときにパッキン27の付勢力によって操作釦3を押圧される前の位置に戻すことが可能になるため、パッキン27が操作釦3を元の位置に戻す戻しバネとして機能し、部品点数の削減を図った上で操作釦3に対する高い操作性を確保することができる。
【0092】
加えて、アンテナパターン25Aが被押圧部19から係合突部21の先端面(対面29)に亘る位置に形成され、アンテナパターン25Aにおける係合突部21の先端面に形成された部分が接点部25cとされ、制御回路基板15の接続端子として弾性変形部17bを有するバネ端子17が設けられ、バネ端子17に接点部25cが接続されている。
【0093】
従って、操作釦3の移動に伴ってバネ端子17が弾性変形されるため、操作釦3にバネ端子17からの負荷が付与され難く、アンテナパターン25Aと制御回路基板15の安定した接続状態を確保した上で操作釦3の良好な操作性を確保することができる。
【0094】
<パッキンの変形例>
以下に、パッキンの変形例について説明する(
図14乃至
図20参照)。尚、以下には、変形例に係るパッキンがフレキシブルプリント配線板22を有する上記した第1の実施の形態において用いられた例について説明する。但し、変形例に係るパッキンはフレキシブルプリント配線板22を有しない上記した第2の実施の形態において用いられてもよい。
【0095】
第1の変形例に係るパッキン27Aは、断面形状が被押圧部19側に凸の半円弧状に形成されている(
図14参照)。パッキン27Aはフレキシブルプリント配線板22の被取付部23と第2のケース5の張出部11との間に配置された状態において弾性変形され、内周部と外周部の間の中間部が被取付部23に密着され、内周部と外周部が張出部11に密着される。
【0096】
尚、パッキン27Aは断面形状が張出部11側に凸の半円弧状に形成され、内周部と外周部の間の部分が張出部11に密着され、内周部と外周部が被取付部23に密着されてもよい。
【0097】
パッキン27Aにおいては、2箇所で張出部11又は被取付部23に密着されるため、特に高い防水性を確保することができる。
【0098】
第2の変形例に係るパッキン27Bは、断面形状が被押圧部19側に凸の略V字状に形成されている(
図15参照)。パッキン27Bはフレキシブルプリント配線板22の被取付部23と第2のケース5の張出部11との間に配置された状態において弾性変形され、内周部と外周部の間の中間部が被取付部23に密着され、内周部と外周部が張出部11に密着される。
【0099】
尚、パッキン27Bは断面形状が張出部11側に凸の略V字状に形成され、内周部と外周部の間の部分が張出部11に密着され、内周部と外周部が被取付部23に密着されてもよい。
【0100】
パッキン27Bにおいては、2箇所で張出部11又は被取付部23に密着されるため、特に高い防水性を確保することができる。
【0101】
第3の変形例に係るパッキン27Cは、パッキン27と同様に断面形状において傾斜された形状に形成され、厚みがパッキン27より厚くされている(
図16参照)。
【0102】
パッキン27Cはフレキシブルプリント配線板22の被取付部23と第2のケース5の張出部11との間に配置された状態において弾性変形され、一端部が被取付部23に密着され、他端部が張出部11に密着される。
【0103】
尚、パッキン27Cは断面形状の傾斜方向が反対方向にされ、一端部が張出部11に密着され、他端部が被取付部23に密着されてもよい。
【0104】
パッキン27Cにおいては、厚みが厚くされているため、弾性変形された状態において被取付部23と張出部11に対する密着面積が大きくなり易く、特に高い防水性を確保することができる。
【0105】
第4の変形例に係るパッキン27Dは、パッキン27と同様に断面形状において傾斜された形状に形成され、一端部と他端部の厚みがパッキン27より厚くされている(
図17参照)。
【0106】
パッキン27Dはフレキシブルプリント配線板22の被取付部23と第2のケース5の張出部11との間に配置された状態において弾性変形され、一端部が被取付部23に密着され、他端部が張出部11に密着される。
【0107】
尚、パッキン27Dは断面形状の傾斜方向が反対方向にされ、一端部が張出部11に密着され、他端部が被取付部23に密着されてもよい。パッキン27Dにおいては、一端部と他端部の厚みが厚くされているため、弾性変形された状態において被取付部23と張出部11に対する密着面積が大きくなり易く、特に高い防水性を確保することができる。
【0108】
第5の変形例に係るパッキン27Eは、断面形状が被押圧部19側に開口されたコ字状に形成されている(
図18参照)。パッキン27Eはフレキシブルプリント配線板22の被取付部23と第2のケース5の張出部11との間に配置された状態において弾性変形され、内周部と外周部の各先端部分が被取付部23に密着され、内周部から外周部に亘る平面上の部分が張出部11に密着される。
【0109】
尚、パッキン27Eは断面形状が張出部11側に開口されたコ字状に形成され、内周部と外周部の各先端部分が張出部11に密着され、内周部から外周部に亘る平面状の部分が被取付部23に密着されてもよい。
【0110】
パッキン27Eにおいては、2箇所で張出部11又は被取付部23に密着されると共に張出部11又は被取付部23に面接触した状態で密着されるため、特に高い防水性を確保することができる。
【0111】
第6の変形例に係るパッキン27Fは、断面形状がH形状に形成されている(
図19参照)。パッキン27Fはフレキシブルプリント配線板22の被取付部23と第2のケース5の張出部11との間に配置された状態において弾性変形され、一方の二つの先端部が被取付部23に密着され、他方の二つの先端部が張出部11に密着される。
【0112】
パッキン27Fにおいては、2箇所ずつで張出部11と被取付部23に密着されるため、特に高い防水性を確保することができる。
【0113】
第7の変形例に係るパッキン27Gは、断面形状がM形状に形成されている(
図20参照)。パッキン27Gはフレキシブルプリント配線板22の被取付部23と第2のケース5の張出部11との間に配置された状態において弾性変形され、一方の二つの先端部が被取付部23に密着され、他方の二つの先端部が張出部11に密着される。
【0114】
パッキン27Gにおいては、2箇所ずつで張出部11と被取付部23に密着されるため、特に高い防水性を確保することができる。
【0115】
<本技術>
本技術は、以下のような構成にすることができる。
【0116】
(1)
内部に配置空間を有すると共に前記配置空間に連通された挿入孔が形成されたハウジングと、
前記配置空間に配置された制御回路基板と、
表面が操作時に押圧される被押圧面として形成された被押圧部と前記被押圧部から突出され前記挿入孔に挿入された係合突部とを有する操作釦と、
アンテナパターンが形成されたフレキシブルプリント配線板とを備え、
前記被押圧部の裏面に前記フレキシブルプリント配線板が取り付けられた
音響出力装置。
【0117】
(2)
前記ハウジングには前記被押圧部と前記制御回路基板の間に位置される環状の張出部が設けられ、
前記被押圧部と前記張出部の間に前記フレキシブルプリント配線板と前記張出部に密着されるパッキンが配置された
前記(1)に記載の音響出力装置。
【0118】
(3)
前記パッキンが環状に形成された
前記(2)に記載の音響出力装置。
【0119】
(4)
前記パッキンが前記係合突部の周囲に位置された
前記(3)に記載の音響出力装置。
【0120】
(5)
前記パッキンが弾性変形可能にされ、
前記操作釦が押圧される方向と反対方向を復帰方向としたときに、
前記パッキンによって前記操作釦に前記復帰方向への付勢力が付与された
前記(2)から前記(4)の何れかに記載の音響出力装置。
【0121】
(6)
前記フレキシブルプリント配線板には前記被押圧部に取り付けられる被取付部と前記被取付部から突出され前記制御回路基板の接続端子に接続される接続部を有する導出部とが設けられ、
前記導出部における前記被取付部と前記接続部の間の部分が折り返された形状の屈曲部として設けられた
前記(1)から前記(5)の何れかに記載の音響出力装置。
【0122】
(7)
前記被取付部が環状に形成された
前記(6)に記載の音響出力装置。
【0123】
(8)
前記導出部が前記被取付部の内周から突出された
前記(6)又は前記(7)に記載の音響出力装置。
【0124】
(9)
前記制御回路基板の接続端子として弾性変形部を有するバネ端子が設けられ、
前記弾性変形部が前記フレキシブルプリント配線板の一部に押し付けられた状態で接続された
前記(1)から前記(8)の何れかに記載の音響出力装置。
【0125】
(10)
内部に配置空間を有すると共に前記配置空間に連通された挿入孔が形成されたハウジングと、
前記配置空間に配置された制御回路基板と、
表面が操作時に押圧される被押圧面として形成された被押圧部と前記被押圧部から突出され前記挿入孔に挿入された係合突部とを有する操作釦とを備え、
前記被押圧部の少なくとも裏面にアンテナパターンが形成された
音響出力装置。
【0126】
(11)
前記ハウジングには前記被押圧部と前記制御回路基板の間に位置された環状の張出部が設けられ、
前記被押圧部と前記張出部の間に前記アンテナパターンと前記張出部に密着されるパッキンが配置された
前記(10)に記載の音響出力装置。
【0127】
(12)
前記パッキンが環状に形成された
前記(11)に記載の音響出力装置。
【0128】
(13)
前記パッキンが前記係合突部の周囲に位置された
前記(12)に記載の音響出力装置。
【0129】
(14)
前記パッキンが弾性変形可能にされ、
前記操作釦が押圧される方向と反対方向を復帰方向としたときに、
前記パッキンによって前記操作釦に前記復帰方向への付勢力が付与された
前記(11)から前記(13)の何れかに記載の音響出力装置。
【0130】
(15)
前記アンテナパターンが前記被押圧部から前記係合突部の先端面に亘る位置に形成され、
前記アンテナパターンにおける前記係合突部の先端面に形成された部分が接点部とされ、
前記制御回路基板の接続端子として弾性変形部を有するバネ端子が設けられ、
前記弾性変形部が前記フレキシブルプリント配線板の一部に押し付けられた状態で接続された
前記(10)から前記(14)の何れかに記載の音響出力装置。
【符号の説明】
【0131】
1 音響出力装置
2 ハウジング
2a 配置空間
3 操作釦
11 張出部
11c 挿入孔
15 制御回路基板
17 バネ端子
17b 弾性変形部
19 被押圧部
19a 被押圧面
20 操作軸部
21 係合突部
22 フレキシブルプリント配線板
23 被取付部
24 導出部
24a 接続部
24b 屈曲部
25 アンテナパターン
27 パッキン
1A 音響出力装置
25A アンテナパターン
25c 接点部
27A パッキン
27B パッキン
27C パッキン
27D パッキン
27E パッキン
27F パッキン
27G パッキン