(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173919
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】ブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具
(51)【国際特許分類】
B60K 26/02 20060101AFI20241206BHJP
G05G 1/30 20080401ALI20241206BHJP
G05G 1/34 20080401ALI20241206BHJP
G05G 1/54 20080401ALI20241206BHJP
B60T 7/04 20060101ALI20241206BHJP
B60T 7/06 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
B60K26/02
G05G1/30 E
G05G1/34
G05G1/54
B60T7/04 A
B60T7/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092011
(22)【出願日】2023-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】319010516
【氏名又は名称】加瀬 龍男
(74)【代理人】
【識別番号】100133547
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 基文
(72)【発明者】
【氏名】加瀬 龍男
【テーマコード(参考)】
3D037
3D124
3J070
【Fターム(参考)】
3D037EA01
3D037EA06
3D037EA08
3D037EB02
3D037EB11
3D037EC07
3D124AA33
3D124BB01
3D124CC43
3D124DD30
3D124DD62
3D124DD76
3J070AA32
3J070BA36
3J070BA41
3J070CB01
3J070DA01
(57)【要約】
【課題】ブレーキとアクセルの踏み間違いを修正できる器具を、車種ごとに対応できるように改良する。
【解決手段】テコ部材2をアクセルペダルAとブレーキペダルBとの間に据え置くようにして、右足Rがブレーキペダルを踏むつもりで誤ってアクセルペダルを踏んでいても、左足Lでワイドブレーキペダルカバー3を踏み込むと、ブレーキペダルが踏み込まれたことに連動して、踏み間違えたアクセルペダルを戻す。また、テコ部材をアクセルペダルとブレーキペダルとの間に据え置くようにして、発明者による以前の発明と異なり、テコ部材の両端を固定しなくてすむようして、アクセルペダルとブレーキペダルの位置関係が異なるモデルの車にも取り付けられるようにする。テコ部材の一端にアクセルペダル押上部21を有するようにして、発明者による以前の発明と異なり、アクセルペダルに取付金具の重みが加わらないようにして、軽自動車にも取り付けられるようにする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具であって、
アクセルペダルとブレーキペダルとの間に据え置かれるくの字形のテコ部材と、ブレーキペダルより左側に突出した形状のワイドブレーキペダルカバーと、テコ部材の下に敷かれるすり板とからなり、
前記テコ部材が、その一端にアクセルペダル押上部を有し、その他端にワイドブレーキペダルカバー軸着部を備えており、
前記テコ部材が、ワイドブレーキペダルカバー軸着部から支点までの長さが、アクセルペダル押上部から支点までの長さよりも長いことを特徴とするブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具。
【請求項2】
前記ワイドブレーキペダルカバーが、その一端にカバーと一体になってコの字形を形成するブレーキペダル挟着部と、その手前の一側にカバーと一体になってL字形を形成するブレーキペダル掛止部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ブレーキペダルを踏むつもりで誤ってアクセルペダルを踏んで急発進や急加速することを防止するブレーキとアクセルの踏み間違い防止装置に関し、特に簡単に後付けでき、踏み間違えたアクセルペダルを戻す機構を備えて、ブレーキとアクセルの踏み間違いを修正できる器具を、普通車用や軽自動車用、軽トラック用などの車種ごとに対応できるように改良したものに関する。
【背景技術】
【0002】
ブレーキとアクセルの踏み間違い防止装置としては、ブレーキペダルに、左側に突出したカバーをかぶせたブレーキペダルカバーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このブレーキペダルカバーでは、ブレーキペダルを幅広にして、左足でブレーキペダルを踏むことで踏み間違わないようになっている。
【0003】
別のブレーキとアクセルの踏み間違い防止装置としては、アクセルペダルとブレーキペダルの間の一部を覆う踏み板部材を備えたペダル操作補足器具が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このペダル操作補足器具では、駐車するときに踏み板部材を介してアクセルペダルとブレーキペダルの上に同時に足を置けるようにして、ペダル操作に伴う横移動をなくすことで踏み間違わないようになっている。
【0004】
また別のブレーキとアクセルの踏み間違い防止装置としては、アクセルペダルの上に支柱からなる台を取り付けた踏み間違い事故防止対策装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この踏み間違い事故防止対策装置では、ブレーキを踏むように右足を上げてアクセルを踏むと、台が邪魔してアクセルペダルを踏めないようになっている。
【0005】
踏み間違い防止装置ではないものの、ブレーキとアクセルの踏み間違い防止システムとして、アクセルの踏み間違いを検出すると、車両の急加速を抑えるための複数段階の制御レベルのうち対応する制御内容を車両制御手段に出力する踏み間違い対応装置用のプログラムが提案されている(例えば、特許文献4参照)。この踏み間違い対応装置用のプログラムでは、アクセルの踏み間違いを検出すると、制御内容を決定し、アクセルの踏み込み量に対して加速度を0.2倍や、アクセルの踏み込み量に関わらず加速度をゼロとするようにエンジンを制御するようになっている。
【0006】
発明者による以前に発明したブレーキとアクセルの踏み間違い防止装置としては、踏み間違えたアクセルペダルを戻す機構を備えて、ブレーキとアクセルの踏み間違いを修正できる器具が提案されている(例えば、特許文献5参照)。この踏み間違い修正器具では、くの字形のテコ部材によってアクセルペダルとブレーキペダルとを連結し、アクセルペダルとブレーキペダルが連動するようにして、右足がブレーキペダルを踏むつもりで誤ってアクセルペダルを踏んでいても、左足でブレーキペダルを踏むと、ブレーキペダルが踏み込まれたことに連動して、踏み間違えたアクセルペダルを戻せるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-177194号公報(段落0010、
図2)
【特許文献2】実用新案登録第3188111号公報(段落0013、
図1A)
【特許文献3】特開2018-162048号公報(段落0012、
図1)
【特許文献4】特開2012-166631号公報(段落0051,0052、
図2)
【特許文献5】特開2021-30749号公報(段落0016、
図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献1に係るブレーキとアクセルの踏み間違い防止装置では、ブレーキペダルを幅広にして、左足でブレーキペダルを踏むようになっているところ、自動車教習所では右足でブレーキを踏むように指導しているために、左足ブレーキを練習することなくいきなり左足でブレーキペダルを踏み始めると微妙なペダル調整ができなくて危険である。また、左足ブレーキを練習しても、右足でブレーキペダルを踏むことを体が覚えているために、とっさに右足がアクセルペダルを踏んでしまうおそれもある。
【0009】
さらに、発明者の経験によると、パニック状態になると足を突っ張ってしまうことがあり、右足でアクセルペダルを、左足でブレーキペダルを同時に踏んでしまうおそれがある。
【0010】
前記特許文献2に係るブレーキとアクセルの踏み間違い防止装置では、踏み板部材を介してアクセルペダルとブレーキペダルの上に同時に足を置けるようになっているために、アクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏んでしまうおそれがある。
【0011】
前記特許文献3に係るブレーキとアクセルの踏み間違い防止装置では、台が邪魔してアクセルペダルを踏めないようになっているところ、台の上に新たにブレーキが必要になるために、後付けできない。
【0012】
前記特許文献4に係るブレーキとアクセルの踏み間違い防止システムでは、アクセルを強く踏み込むとアクセルの踏み間違いを検出して、加速しないようエンジンを制御するようになっているために、例えば、高速道路で本線に進入するときや、前走車を抜いて前走車の前に入る追い越しのときなど、アクセルを強く踏み込まなくてはならないときに、アクセルの踏み間違いと判断されて加速できないおそれがある。
【0013】
前記特許文献5に係るブレーキとアクセルの踏み間違い防止装置では、テコ部材によってアクセルペダルとブレーキペダルを連結するようになっているために、アクセルペダルとブレーキペダルの位置関係に合わせて、車のモデル(以下、車名ともいう。)ごとに専用のテコ部材を用意しなくてはならず、踏み間違い防止装置の汎用性が低い。
【0014】
また、前記特許文献5に係るブレーキとアクセルの踏み間違い防止装置では、コの字形のアクセルペダル挟着部でアクセルペダルを挟んで、踏み間違い防止装置をアクセルペダルに取り付けるようになっているために、アクセルペダル挟着部の重みがアクセルペダルに加わってしまう。
【0015】
そこで、この発明では、前記した課題を解決し、簡単に後付けでき、踏み間違えたアクセルペダルを戻す機構を備えて、ブレーキとアクセルの踏み間違いを修正できる器具を、普通車用や軽自動車用、軽トラック用などの車種ごとに対応できるように改良したものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明では、ブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具を、アクセルペダルとブレーキペダルとの間に据え置かれるくの字形のテコ部材と、ブレーキペダルより左側に突出した形状のワイドブレーキペダルカバーと、テコ部材の下に敷かれるすり板とから構成した。テコ部材は、その一端にアクセルペダル押上部を有し、その他端にワイドブレーキペダルカバー軸着部を備えるようにした。そして、テコ部材を、ワイドブレーキペダルカバー軸着部から支点までの長さが、アクセルペダル押上部から支点までの長さよりも長くした。
【0017】
請求項2に係る発明では、ワイドブレーキペダルカバーの一端に、カバーと一体になってコの字形を形成するブレーキペダル挟着部と、ワイドブレーキペダルカバーの手前の一側にカバーと一体になってL字形を形成するブレーキペダル掛止部を備えるようにした。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、ブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具を、アクセルペダルとブレーキペダルとの間に据え置かれるくの字形のテコ部材を有して構成したので、ブレーキペダルとアクセルペダルを連動させることができる。そのため、請求項1に係る発明によれば、右足がブレーキペダルを踏むつもりで誤ってアクセルペダルを踏んでいても、左足でブレーキペダルを踏むと、ブレーキペダルが踏み込まれたことに連動して、踏み間違えたアクセルペダルを戻すことができる。
【0019】
ここで、請求項1に係る発明によれば、テコ部材について、ワイドブレーキペダルカバー軸着部から支点までの長さを、アクセルペダル押上部から支点までの長さよりも長くしたので、ブレーキペダルとアクセルペダルを一緒に踏むと、てこの原理によって、アクセルペダルを起こすことができ、踏み間違えたアクセルペダルを戻すことができる。
【0020】
このように、請求項1に係る発明によれば、右足がブレーキペダルを踏むつもりで誤ってアクセルペダルを踏んでいても、左足でブレーキペダルを踏むと、ブレーキがかかると同時に踏み間違えたアクセルペダルを戻せるので、ブレーキを確実に利かせることができる。そのため、請求項1に係る発明によれば、「ブレーキをかけたが利かなかった」と説明するようなブレーキとアクセルの踏み間違い事故を防ぐことができる。つまり、請求項1に係る発明によれば、ブレーキをかけたが利かなければ、左足でブレーキペダルを踏むことで、ブレーキをかけると同時に踏み間違えたアクセルペダルを戻して、ブレーキとアクセルの踏み間違いを修正することができる。
【0021】
また、請求項1に係る発明によれば、ブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具を、ブレーキペダルより左側に突出した形状のワイドブレーキペダルカバーを有して構成したので、既存のブレーキペダルにワイドブレーキペダルカバーを取り付けて、ブレーキペダルのペダル面を左側に幅広く延伸させることができる。ここで、既存のブレーキペダルは、右足で踏みやすいよう、ハンドルに対して右側に寄っているところを、請求項1に係る発明によれば、ワイドブレーキペダルカバーを取り付けてペダル面を左側に幅広く延伸させたので、左足でブレーキペダルを踏みやすくすることができる。
【0022】
そして、請求項1に係る発明によれば、ブレーキペダル面を左側に幅広く延伸させて左足でブレーキペダルを踏みやすくしたので、左足を突っ張るだけでブレーキペダルを確実に踏むことができる。ここで、左足を突っ張る動作は、左足でかかとを付けずに踏み込むというクラッチペダルの踏み方と同じなので、マニュアル車の運転経験のある方、例えばブレーキとアクセルの踏み間違い事故を起こしやすい高齢者の方にはなじみの動作であり、体が覚えている。そのため、ブレーキをかけたが利かないと思うような、ブレーキとアクセルを踏み間違えた緊急時には、反射的に左足でブレーキペダルを踏み込むことができる。
【0023】
さらに、請求項1に係る発明によれば、ワイドブレーキペダルカバーを取り付けてペダル面を左側に幅広く延伸させたので、言い換えると、既存のブレーキペダルの位置はそのままでペダル面を左側に幅広く延伸させたので、平常時は従来どおり右足でブレーキペダルを踏むことができる。そのため、請求項1に係る発明によれば、踏み間違い修正器具を取り付けても、平常時には変わりなくペダルの操作をすることができる。
【0024】
加えて、請求項1に係る発明によれば、ブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具を、ワイドブレーキペダルカバーを有して構成したので、ワイドブレーキペダルカバーを既存のブレーキペダルにかぶせて、ブレーキペダルに簡単に取り付けることができる。
【0025】
発明者による以前の発明を改良した請求項1に係る発明によれば、テコ部材をアクセルペダルとブレーキペダルとの間に据え置くようにしたので、発明者による以前の発明のように、テコ部材の両端を固定しなくてすむようにできる。そのため、発明者による以前の発明では、テコ部材をアクセルペダルとブレーキペダルの位置関係に合わせて、車のモデルごとに専用のテコ部材を用意しなくてはならなかったところ、改良した請求項1に係る発明によれば、テコ部材をアクセルペダルとブレーキペダルの位置関係が異なるモデルの車にも取り付けることができる。
【0026】
そして、発明者による以前の発明を改良した請求項1に係る発明によれば、ブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具を、テコ部材の下に敷かれるすり板を有して構成したので、すり板でテコ部材の支点を支えることができる。そのため、発明者による以前の発明では、テコ部材の両端を固定、より詳しくはテコ部材の一端をアクセルペダルに固定し、他端をブレーキペダルに固定していたところ、改良した請求項1に係る発明によれば、テコ部材の一端をブレーキペダルに固定するだけで、テコの原理を働かせることができる。
【0027】
そして、また、発明者による以前の発明を改良した請求項1に係る発明によれば、ブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具を、テコ部材の下に敷かれるすり板を有して構成し、テコ部材を車体床面に敷いたすり板の上に据え置くようにしたので、車体床面の形状にかかわらず、テコ部材を支える面を望ましい状態に調えることができる。そのため、改良した請求項1に係る発明によれば、テコ部材を車体床面の形状が異なるモデルの車にも取り付けることができる。
【0028】
このように、発明者による以前の発明を改良した請求項1に係る発明によれば、テコ部材をアクセルペダルとブレーキペダルの位置関係が異なるモデルの車にも取り付けられるので、踏み間違い修正器具を普通車用や軽自動車用、軽トラック用などの車種ごとに対応させることができ、踏み間違い修正器具の汎用性を高めることができる。
【0029】
また、発明者による以前の発明を改良した請求項1に係る発明によれば、テコ部材の一端にアクセルペダル押上部を有するようにしたので、発明者による以前の発明のように、アクセルペダルに取付金具を付けないですむようにできる。そのため、改良した請求項1に係る発明によれば、取付金具の重みでアクセルペダルの戻りが悪くなることもない。そこで、改良した請求項1に係る発明によれば、アクセルペダルの踏みごこちが軽い軽自動車にも踏み間違い修正器具を取り付けることができる。
【0030】
請求項2に係る発明によれば、ワイドブレーキペダルカバーの一端に、カバーと一体になってコの字形を形成するブレーキペダル挟着部と、ワイドブレーキペダルカバーの手前の一側にカバーと一体になってL字形を形成するブレーキペダル掛止部を備えるようにしたので、ブレーキペダル挟着部で既存のブレーキペダルを挟んだり、ブレーキペダル掛止部で既存のブレーキペダルを引っ掛けたりして、ワイドブレーキペダルカバーをブレーキペダルに簡単に取り付けることができる。
【0031】
また、請求項2に係る発明によれば、ワイドブレーキペダルカバーの手前の一側にカバーと一体になってL字形を形成するブレーキペダル掛止部を備えるようにしたので、ワイドブレーキペダルカバーを大きさ、特に奥行きの長さが異なるブレーキペダルにも取り付けることができる。
【0032】
このように、請求項1と請求項2に係る発明によれば、ワイドブレーキペダルカバーをブレーキペダルにかぶせたり、はめたりするだけで取り付けられるので、踏み間違い修正器具を簡単に後付けすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具の斜視図である。
【
図2】実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具を取り付けた状態の斜視図である。
【
図3】実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具の使用状態を説明するイメージ図のうち、右足でブレーキペダルを踏むつもりで誤ってアクセルペダルを踏んでしまった状態のイメージ図である。
【
図4】実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具の使用状態を説明するイメージ図のうち、ブレーキとアクセルを踏み間違えたときの対応を説明するイメージ図である。
【
図5】実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具を取り付けた状態の断面図である。
【
図6】実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具のアクセルペダルを戻す機構を説明するイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
まず、この発明の創作の基礎となる事項について簡単に説明する。この発明は、発明者がブレーキとアクセルを踏み間違った体験から、具体的には、すぐに踏み間違いに気づき、とっさに左足でブレーキペダルを踏んで事故にならなくて済んだものの、右足がアクセルペダルを踏み続けていたために、発進時で低速だったにもかかわらず、なかなかブレーキが利かなくてヒヤヒヤした体験から創作されたものである。
【0035】
発明者は、この体験から、踏み間違いに気づいても、パニック状態になると足に力が入るために、とっさに右足をアクセルペダルから離せないことに気づいた。また、発明者は、踏み間違えたアクセルペダルを戻さないと、ブレーキを作動させるだけではブレーキが利きにくいために、踏み間違い事故につながってしまうことにも気づいた。
【0036】
そこで、発明者は、アクセルペダルとブレーキペダルとをてこの原理を使って連結させることができれば、ブレーキペダルを踏み込むという一つの動作で、ブレーキをかけると同時に踏み間違えたアクセルペダルを戻すことができることを見いだし、以前の発明を創作するに至ったものである。
【0037】
発明者は、以前の発明によって踏み間違えたアクセルペダルを戻す機構を備えて、特定の車のモデル(プリウス(登録商標))に対してブレーキとアクセルの踏み間違いを修正できる踏み間違い修正器具の提供を始めたところ、ほかの車のモデルにも対応した踏み間違い修正器具を提供してほしいとの要望を耳にするようになった。
【0038】
また、発明者は、普通車のほかに、軽自動車にも対応した踏み間違い修正器具を提供してほしいとの要望を耳にするようにもなった。
【0039】
そこで、発明者は、以前の発明では、踏み間違えたアクセルペダルを戻すためにアクセルペダルとブレーキペダルとを連結させることばかり考えていたところ、ブレーキペダルにアクセルペダルが連動さえすれば、アクセルペダルとブレーキペダルとを連結させることにこだわらなくていいことを見いだし、この発明を創作するに至ったものである。
【0040】
次に、この発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具の斜視図である。
図1に示すように、ブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、アクセルペダルとブレーキペダルとの間に据え置かれるくの字形のテコ部材2と、ブレーキペダルより左側に突出した形状のワイドブレーキペダルカバー3と、すり板4とで構成されている。
【0041】
テコ部材2は、くの字形の部材であり、その一端にアクセルペダル押上部21を備え、その他端にワイドブレーキペダルカバー軸着部22を備えている。ここでは、アクセルペダル押上部21は、くの字形の部材とは角度を変えて、舌のように突き出た部分であり、テコ部材2がブレーキペダル側に傾くと、アクセルペダルを裏側から押し上げられるようになっている。また、ここでは、ワイドブレーキペダルカバー軸着部22は、くの字形の部材の他端を筒状に形成した部分であり、筒状の部分に軸を通して、ワイドブレーキペダルカバー3をテコ部材2に回転可能に取り付けられるようになっている。
【0042】
そして、テコ部材2は、ワイドブレーキペダルカバー軸着部22から、より明確にはワイドブレーキペダルカバー軸着部22の付け根から支点23までの長さが、アクセルペダル押上部21から、より明確にはアクセルペダル押上部21の付け根から支点23までの長さよりも長くなっている。ここでは、テコ部材2は、ワイドブレーキペダルカバー軸着部22から支点23までの長さと、アクセルペダル押上部21から支点23までの長さの比が2対1になっている。
【0043】
ワイドブレーキペダルカバー3は、ブレーキペダルよりも幅の広い、ブレーキペダルより左側に突出した形状のカバーであり、ここではその一端にブレーキペダル挟着部31を備え、その他端に軸受33を備えている。ブレーキペダル挟着部31は、カバーと一体になってコの字形を形成した部分であり、コの字形を形成した部分でブレーキペダルを挟んで、ブレーキペダルにワイドブレーキペダルカバー3を取り付けられるようになっている。また、軸受33は、カバーの他端を筒状に形成した部分であり、ワイドブレーキペダルカバー3をテコ部材2に回転可能に取り付けられるようになっている。そして、ワイドブレーキペダルカバー3は、軸34を軸受33とワイドブレーキペダルカバー軸着部22に通して、テコ部材2に回転可能に支持されている。
【0044】
また、ワイドブレーキペダルカバー3は、ここではその手前側に、より明確にはブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具を取り付けたときに運転手に近い方の一側に、カバーと一体になってL字形を形成するブレーキペダル掛止部32を備えている。ワイドブレーキペダルカバー3は、ワイドブレーキペダルカバー3に巻いて締め付ける固定バンド35も備えている。
【0045】
固定バンド35は、帯状の部材であり、ここでは締め付け金具付きのバンドである。そして、固定バンド35は、ワイドブレーキペダルカバー3とブレーキペダルを一まとめに巻いて締め付けて、ワイドブレーキペダルカバー3がブレーキペダルからずれたり、外れたりしないようにしている。
【0046】
すり板4は、平たい板状の部材であり、ブレーキペダルを力一杯に踏み込んでも曲がらないほどの強度と、テコ部材2がすり板4の上を接触してすり動きやすいように滑らかさを有している。
【0047】
また、すり板4は、テコ部材2が車体床面と擦れ合って車体床面を傷つかないように保護する部材でもある。そして、すり板4は、テコ部材2をアクセルペダルとブレーキペダルとの間に据え置いたときに、支点23がすり板4に当たった状態で接するように、ここでは両面テープで車体床面に貼り付けられている。
【0048】
図2は、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1を取り付けた状態の斜視図である。
図2に示すように、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、ブレーキペダルBにワイドブレーキペダルカバー3をかぶせて、コの字形のブレーキペダル挟着部31をブレーキペダルBにはめ合わせるとともに、アクセルペダル押上部21がアクセルペダルAの裏側に、アクセルペダルAを限度まで踏み込んでもアクセルペダルAに当たらない位置にくるように位置決めして、簡単に後付けできるようになっている。
【0049】
ここでは、ブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、コの字形のブレーキペダル挟着部31をブレーキペダルBにはめ合わせ、L字形のブレーキペダル掛止部32をブレーキペダルBに引っ掛けた状態で、固定バンド35でワイドブレーキペダルカバー3とブレーキペダルBを一まとめに巻いて締め付けて、ワイドブレーキペダルカバー3がブレーキペダルBからずれたり、外れたりしないようになっている。このように、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1では、ブレーキペダルBにワイドブレーキペダルカバー3をかぶせて、固定バンド35で締め付けるだけで、ブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1を取り付けられるために、新車購入後でも簡単に付け足せられ、メーカーの正規販売店のほか、自動車整備工場やガソリンスタンド、自動車用品店などでも簡単に付け足せる。
【0050】
図2に示すように、発明者による以前の発明を改良した実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、テコ部材2をアクセルペダルAとブレーキペダルBとの間に据え置いて、アクセルペダル押上部21をアクセルペダルAの裏側に、アクセルペダルAから離して位置させているために、発明者による以前の発明のようにテコ部材の両端を固定しなくてすむ。そのため、改良した実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1では、テコ部材2をアクセルペダルとブレーキペダルの位置関係が異なるモデルの車にも取り付けられる。そこで、改良した実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、普通車用や軽自動車用、軽トラック用などの車種ごとに対応さられる。
【0051】
また、
図2に示すように、発明者による以前の発明を改良した実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、テコ部材2を車体床面に敷いたすり板4の上に据え置いているために、車体床面の形状にかかわらず、テコ部材2を支える面を望ましい状態に調えられる。そこで、改良した実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、車体床面の形状、より詳しくはアクセルペダルAとブレーキペダルBの間の車体床面の形状が異なるモデルの車にも取り付けられる。
【0052】
さらに、
図2に示すように、発明者による以前の発明を改良した実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、アクセルペダル押上部21をアクセルペダルAの裏側に、アクセルペダルAから離して位置させているために、発明者による以前の発明のようにアクセルペダルに取付金具を付けないですむ。そのため、改良した実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、取付金具の重みでアクセルペダルの戻りが悪くなることもない。そこで、改良した実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、アクセルペダルの踏みごこちが軽い軽自動車にも取り付けられる。
【0053】
図3は、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1の使用状態を説明するイメージ図のうち、右足でブレーキペダルを踏むつもりで誤ってアクセルペダルを踏んでしまった状態のイメージ図である。
【0054】
図4は、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1の使用状態を説明するイメージ図のうち、ブレーキとアクセルを踏み間違えたときの対応を説明するイメージ図である。
図4に示すように、右足RでブレーキペダルBを踏むつもりで誤ってアクセルペダルAを踏んでしまったとき、言い換えると、運転手が「ブレーキをかけたが利かない」と思うときには、左足Lでワイドブレーキペダルカバー3を踏み込む。そうすると、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1では、右足RがアクセルペダルAを踏んでいても、左足Lでワイドブレーキペダルカバー3を踏み込むと、ブレーキペダルBが下がってブレーキがかかると同時に、踏み間違えたアクセルペダルAが起き上がりアクセルが戻る。このように、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1では、ブレーキがかかると同時に踏み間違えたアクセルペダルAが戻るために、ブレーキがよく利く。
【0055】
ここで、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1では、テコ部材2は、ワイドブレーキペダルカバー軸着部22(ここでは、力点に相当する。)から、より明確にはワイドブレーキペダルカバー軸着部22の付け根から支点23までの長さが、アクセルペダル押上部21(ここでは、作用点に相当する。)から、より明確にはアクセルペダル押上部21の付け根から支点23までの長さよりも長いために、右足RがアクセルペダルAを踏んでいても、左足Lでワイドブレーキペダルカバー3を踏み込むと、てこの原理によって、テコ部材2がブレーキペダルB側に傾いて、アクセルペダル押上部21が持ち上がり、アクセルペダル押上部21がアクセルペダルAを裏側から押し上げてアクセルペダルAが起き上がるものである。
【0056】
また、
図4に示すように、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、ワイドブレーキペダルカバー3がブレーキペダルBより左側に突出した形状であるために、左足Lをまっすぐに踏み込むだけでワイドブレーキペダルカバー3を踏める。ここで、ワイドブレーキペダルカバー3を、足元スペースの左側いっぱいに、少なくとも隙間が靴の幅よりも狭くなるように左側に幅広くしておくと、踏み込んだ左足Lがワイドブレーキペダルカバー3から踏み外れることがない。
【0057】
さらに、
図4に示すように、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、ワイドブレーキペダルカバー3の手前側に、具体的にはブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1を取り付けたときに運転手に近い方の一側に、ワイドブレーキペダルカバー3と一体になってL字形を形成するブレーキペダル掛止部32を備えているために、ワイドブレーキペダルカバー3を力一杯に踏み込んでも、ワイドブレーキペダルカバー3がブレーキペダルBから抜けることもない。
【0058】
図4に示すように、発明者による以前の発明を改良した実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、テコ部材2の下に敷かれたすり板4によって、常に支点23が支えられているために、アクセルペダル押上部21をアクセルペダルAから離して位置させても、言い換えると、発明者による以前の発明のようにテコ部材の両端を固定しなくても、テコの原理を働かせられる。
【0059】
また、
図4に示すように、発明者による以前の発明を改良した実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、テコ部材2の下に敷かれたすり板4によって、支点23がすり板4の上を接触してすり動くように支えられているために、ワイドブレーキペダルカバー3が踏まれて、テコ部材2のブレーキペダルB側が押し下げられると、支点23は矢印で示すように、破線で示した
図3の位置から斜め向こう側にすり動きながら、アクセルペダル押上部21が持ち上がる。そして、ワイドブレーキペダルカバー3から足が離れて、テコ部材2のブレーキペダルB側が引き上げられると、支点23は破線で示した元の位置に戻るように斜め手前側にすり動きながら、アクセルペダル押上部21が引き下がる。このように、改良した実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1では、ペダル回転中心を軸に円運動するブレーキペダルBの動きに合わせて、支点23がすり動くために、テコ部材2が滑らかに倒れたり起きたりする。
【0060】
図5は、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1を取り付けた状態の断面図である。
図5に示すように、発明者による以前の発明を改良した実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、アクセルペダル押上部21をアクセルペダルAの裏側に、アクセルペダルAから離して、ここではアクセルペダルAを限度まで踏み込んでも、アクセルペダルAがアクセルペダル押上部21に当たらないように、アクセルペダルAから離して位置させている。そのため、改良した実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1では、アクセルペダルAを強く踏み込んでもアクセルペダルAがアクセルペダル押上部21に当たらず、テコ部材2に力が加わらないために、アクセルやブレーキの操作や反応に違和感が生じない。
【0061】
図6は、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1のアクセルペダルAを戻す機構を説明するイメージ図である。
図6の(a)は、アクセルペダルAとブレーキペダルBを共に踏んでいない状態のイメージ図である。
図6の(b)は、正しく右足でアクセルペダルAを踏んだ状態と、右足でブレーキペダルBを踏むつもりで誤ってアクセルペダルAを踏んでしまった状態のイメージ図である。
図6の(c)は、正しく右足でブレーキペダルBを踏んだ状態と、ブレーキをかけたが利かないと思い、左足でワイドブレーキペダルカバー3を踏み込んだ状態のイメージ図である。
【0062】
まずは、正しく右足でアクセルペダルAや、ブレーキペダルBを踏んだ状態について説明する。
図6の(a)は、アクセルペダルAとブレーキペダルBを共に踏んでいない状態のイメージ図である。
図6の(a)に示すように、アクセルペダルAとブレーキペダルBを共に踏んでいない状態では、アクセルペダル押上部21はアクセルペダルAから離して位置決めされている。
【0063】
図6の(b)は、正しく右足でアクセルペダルAを踏んだ状態のイメージ図である。
図6の(b)に示すように、正しく右足でアクセルペダルAを踏むと、
図6の(a)に示す位置からアクセルペダルAが下がるところ、アクセルペダルAを強く踏み込んでも、アクセルペダルAがアクセルペダル押上部21に当たらないために、アクセルペダルAの動きを邪魔しない。また、
図6の(b)に示すように、アクセルペダルAを強く踏み込んでも、アクセルペダルAがアクセルペダル押上部21に当たらず、テコ部材2に力が加わらないために、ワイドブレーキペダルカバー3はそのままの位置に保たれる。そのため、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、正しく右足でアクセルペダルAを踏むと、アクセルペダルAは正常に動き、ブレーキペダルBには余計な力は加わらない。
【0064】
図6の(c)は、正しく右足でブレーキペダルBを踏んだ状態のイメージ図である。
図6の(c)に示すように、正しく右足でブレーキペダルBを踏むと、
図6の(a)に示す位置からブレーキペダルBが下がり、テコ部材2が矢印で示すように反時計回り(ブレーキペダルB側ともいう。)に傾いて、アクセルペダル押上部21が持ち上がるところ、ブレーキペダルBを限度まで踏み込んでもアクセルペダル押上部21がアクセルペダルAに触れるか触れないかの状態で位置させているために、アクセルペダルAはそのままの位置に保たれる。そのため、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、正しく右足でブレーキペダルBを踏むと、ブレーキペダルBは正常に動き、アクセルペダルAには余計な力は加わらない。そこで、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、正しくペダルを操作している限り、アクセルペダルAとブレーキペダルBの動きを邪魔しない。
【0065】
次に、
図6の(b)に示す右足でブレーキペダルBを踏むつもりで誤ってアクセルペダルAを踏んでしまった状態から、アクセルペダルAを戻す機構を説明する。
図6の(c)は、ブレーキをかけたが利かないと思い、左足でワイドブレーキペダルカバー3を踏み込んだ状態のイメージ図である。
図6の(c)に示すように、誤って右足がアクセルペダルAを踏んでいても、左足でワイドブレーキペダルカバー3を踏み込むと、ブレーキペダルBが下がり、てこの原理によって、アクセルペダルAが起き上がるものである。詳細に説明すると、左足でワイドブレーキペダルカバー3を踏み込むと、右足がアクセルペダルAを踏んでいても、てこの原理によってテコ部材2が矢印で示すように反時計回り(ブレーキペダルB側ともいう。)に傾く。このとき、アクセルペダル押上部21が持ち上がり、アクセルペダルAに下から押し上げる力が加わり、アクセルペダルAが起き上がるものである。
【0066】
以上のように構成される実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1は、運転手が「ブレーキをかけたが利かない」と思えば、左足でワイドブレーキペダルカバー3を踏み込むだけで、踏み間違えたアクセルペダルAを戻して、ブレーキとアクセルの踏み間違いを修正することができる。
【0067】
実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1では、運転手が「ブレーキをかけたが利かない」と思えば、言い換えると運転手の判断でブレーキとアクセルの踏み間違いを修正するので、システム制御のように誤作動の心配がない。
【0068】
また、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1では、てこの原理を使った機械的な器具なので、電気的な故障の心配もない。
【0069】
さらに、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1では、運転を始める前などにブレーキとアクセルを踏み間違えたときの対応を繰り返し練習できるので、緊急時のペダル操作に対する不安感も解消できる。
【0070】
加えて、発明者による以前の発明を改良した実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1では、すべり板4などが目立つので、ブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1が目に入るたびにブレーキとアクセルの踏み間違いに対する危険認識力が高まり、ブレーキとアクセルの踏み間違いの予防にもつながる。
【0071】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は前記実施形態には限定されない。例えば、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1では、テコ部材2は、ワイドブレーキペダルカバー軸着部22から支点23までの長さと、アクセルペダル押上部21から支点23までの長さの比が2対1になっていると説明したところ、ワイドブレーキペダルカバー軸着部22から支点23までの長さが、アクセルペダル押上部21から支点23までの長さよりも長ければかまわない。
【0072】
また、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1では、ワイドブレーキペダルカバー3がブレーキペダル挟着部31とブレーキペダル掛止部32を備えていると説明したところ、ワイドブレーキペダルカバー3をブレーキペダルBに係わり合って止めることができれば、どのような形状でもかまわない。
【0073】
さらに、実施形態に係るブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具1では、ワイドブレーキペダルカバー3は、固定バンド35でブレーキペダルBと一まとめに巻いて締め付けて取り付けていると説明したところ、ブレーキペダルBから外れないようになっていれば、ねじ止めや接着、溶接など、どのような止め方でもかまわず、ワイドブレーキペダルカバー3をブレーキペダルBと一体成型してもかまわない。
【符号の説明】
【0074】
1 ブレーキとアクセルの踏み間違い修正器具
2 テコ部材
21 アクセルペダル押上部
22 ワイドブレーキペダルカバー軸着部
23 支点
3 ワイドブレーキペダルカバー
31 ブレーキペダル挟着部
32 ブレーキペダル掛止部
33 軸受
34 軸
35 固定バンド
4 すり板
A アクセルペダル
B ブレーキペダル
L 左足
R 右足