(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173922
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム方法、情報処理装置、及び生成方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/65 20140101AFI20241206BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20241206BHJP
A63F 13/212 20140101ALI20241206BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20241206BHJP
【FI】
A63F13/65
A63F13/79
A63F13/212
A63F13/69
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023206509
(22)【出願日】2023-12-06
(62)【分割の表示】P 2023092007の分割
【原出願日】2023-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】100151688
【弁理士】
【氏名又は名称】今 智司
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 崇人
(72)【発明者】
【氏名】小杉 要
(72)【発明者】
【氏名】寺田 佑貴
(72)【発明者】
【氏名】米原 善成
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 優
(72)【発明者】
【氏名】上村 美紗貴
(72)【発明者】
【氏名】中畑 虎也
(72)【発明者】
【氏名】宮川 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】塚田 拓実
(57)【要約】
【課題】ユーザの睡眠情報を適切に測定できない事態が発生した等の場合において、センサが取得した情報によらずに睡眠情報の修正を認める場合であっても、ユーザが適切な睡眠を取る動機付けを確保できることを可能にするゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム方法、情報処理装置、及び生成方法を提供する。
【解決手段】ゲームプログラムは、プロセッサに、センサによって取得されるユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得ステップと、睡眠情報取得ステップにおいて睡眠情報が取得されていない場合において、ユーザの操作入力に基づいてセンサによらずに変更睡眠情報を生成する睡眠情報変更ステップと、睡眠情報取得ステップにおいて睡眠情報が取得されている場合、睡眠情報に基づいてゲームの第1の効果を決定し、睡眠情報取得ステップにおいて睡眠情報が取得されていない場合、睡眠情報変更ステップにおいて生成される変更睡眠情報に基づいて第1の効果とは異なる第2の効果を決定するゲーム制御ステップとを実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームの実行を管理するコンピュータに実行させるためのゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
センサによって取得される前記ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得ステップと、
前記睡眠情報取得ステップにおいて前記睡眠情報が取得されていない場合において、前記ユーザの操作入力に基づいて前記センサによらずに変更睡眠情報を生成する睡眠情報変更ステップと、
前記睡眠情報取得ステップにおいて前記睡眠情報が取得されている場合、前記睡眠情報に基づいて前記ゲームの第1の効果を決定し、前記睡眠情報取得ステップにおいて前記睡眠情報が取得されていない場合、前記睡眠情報変更ステップにおいて生成される前記変更睡眠情報に基づいて前記第1の効果とは異なる第2の効果を決定するゲーム制御ステップと
を実行させるゲームプログラム。
【請求項2】
前記睡眠情報取得ステップが前記睡眠情報の取得を開始した後、前記睡眠情報の取得を終了せずに中断した場合、
前記睡眠情報変更ステップが、前記睡眠情報の取得の開始の時点から前記操作入力の時点までの時間が所定の条件を満たす場合に、前記操作入力を受け付けて前記変更睡眠情報を生成する請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ゲーム制御ステップが、前記所定の条件に基づいて前記変更睡眠情報が生成された場合、前記第1の効果及び前記第2の効果とは異なる効果を決定する請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ゲームが、出力部及び入力部を有する端末装置において実行され、
前記ユーザの前記入力部への入力指示を取得する入力取得ステップと、
前記睡眠情報取得ステップが取得した前記睡眠情報を前記出力部に出力させる出力制御ステップと
を更に備え、
前記入力取得ステップが、前記出力部による前記睡眠情報の出力後、前記睡眠情報取得ステップが取得した前記睡眠情報の少なくとも一部について、取得した前記睡眠情報とは異なる内容の睡眠情報の入力指示を受け付け、
前記睡眠情報変更ステップが、前記入力指示に基づいて前記変更睡眠情報を生成する請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記ゲーム制御ステップが、前記睡眠情報取得ステップが前記睡眠情報を取得した場合、前記睡眠情報に基づいて前記ゲームの効果を決定し、
前記出力制御ステップが、前記ゲーム制御ステップが決定した前記睡眠情報に基づく前記ゲームの効果と、前記変更睡眠情報に基づく前記ゲームの効果とを比較可能に出力する請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記出力制御ステップが、前記睡眠情報及び前記変更睡眠情報を前記出力部に出力させ、
前記入力取得ステップが、前記睡眠情報と前記変更睡眠情報とのいずれかを選択する選択指示を取得し、
前記ゲーム制御ステップが、前記選択指示に基づいて前記ゲームの効果を決定する請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記入力取得ステップが、前記睡眠情報として前記ユーザの睡眠時間変更の入力指示を受け付けた場合、
前記睡眠情報変更ステップが、前記入力指示による前記睡眠時間変更について、予め定められた変更可能な睡眠時間の上限以下での変更を受け付けて変更睡眠情報を生成する請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記睡眠情報変更ステップが、睡眠情報取得ステップによる前記睡眠情報の取得の開始の時点から前記ユーザの所定の操作入力の時点までの時間において所定の条件を満たす場合に、前記変更睡眠情報の生成する請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記ゲーム制御ステップが前記第1の効果を決定した後、前記睡眠情報の内容を確定する睡眠情報確定ステップ
を更に備え、
前記睡眠情報を確定した後に、前記睡眠情報変更ステップによる前記睡眠情報の変更を制限する請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記ゲーム制御ステップが前記第2の効果を決定した後、前記変更睡眠情報の内容を確定する睡眠情報確定ステップ
を更に備え、
前記変更睡眠情報の内容を確定した後に、前記睡眠情報変更ステップによる前記変更睡眠情報の変更を制限する請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に係る発明において実行されるすべてのステップを実行する手段を備えるゲームシステム。
【請求項12】
ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームを実行するゲームシステムのゲーム方法であって、
センサによって取得される前記ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得工程と、
前記睡眠情報取得工程において前記睡眠情報を取得していない場合において、前記ユーザの操作入力に基づいて前記センサによらずに変更睡眠情報を生成する睡眠情報変更工程と、
前記睡眠情報取得工程において前記睡眠情報が取得されている場合、前記睡眠情報に基づいて前記ゲームの第1の効果を決定し、前記睡眠情報取得工程において前記睡眠情報が取得されていない場合、前記睡眠情報変更工程において生成される前記変更睡眠情報に基づいて前記第1の効果とは異なる第2の効果を決定するゲーム制御工程と
を備えるゲーム方法。
【請求項13】
ゲーム制御部と、格納部とを備える情報処理装置であって、前記ゲーム制御部が、請求項1から請求項10のいずれか1項に係る発明において実行されるすべてのステップを実行する情報処理装置。
【請求項14】
ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームを実行するゲームシステムにおけるゲーム効果情報の生成方法であって、
センサによって取得される前記ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得工程と、
前記睡眠情報取得工程において前記睡眠情報を取得していない場合において、前記ユーザの操作入力に基づいて前記センサによらずに変更睡眠情報を生成する睡眠情報変更工程と、
前記睡眠情報取得工程において前記睡眠情報が取得されている場合、前記睡眠情報に基づいて前記ゲームの第1の効果を生成し、前記睡眠情報取得工程において前記睡眠情報が取得されていない場合、前記睡眠情報変更工程において生成される前記変更睡眠情報に基づいて前記第1の効果とは異なる第2の効果を決定し、前記ゲーム効果情報を生成するゲーム制御工程と
を備えるゲーム効果情報の生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム方法、情報処理装置、及び生成方法に関する。特に、本発明は、ユーザの睡眠情報を用いてゲームの進行処理が実行されるゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム方法、情報処理装置、及び生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームを実行するゲームシステムであって、ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、睡眠情報の少なくとも一部について、睡眠情報とは異なる内容の睡眠情報に基づいて睡眠情報を変更した変更睡眠情報を生成する睡眠情報変更部と、睡眠情報変更部により変更睡眠情報が生成されていない場合、睡眠情報に基づいてゲームの第1の効果を決定し、睡眠情報変更部により変更睡眠情報が生成されている場合、変更睡眠情報に基づいて第1の効果とは異なる第2の効果を決定するゲーム制御部とを備えるゲームシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のゲームシステムによれば、ユーザの睡眠情報を適切に測定できない事態が発生した場合であっても、睡眠情報を適切に取得し、睡眠情報を用いたゲームを進行可能にできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のゲームシステムにおいて出願人は、ユーザの睡眠情報を適切に測定できない事態が発生した場合であっても、睡眠情報を適切に取得した上で睡眠情報を用いたゲームを進行可能にするゲームを提案した。しかしながら、その後のゲームシステムの検討において、センサが取得した情報に基づかずに睡眠情報の修正を認めた場合、ユーザが睡眠をせずに自己申告でゲームを進行させることが可能であることから、ユーザに適切で健康的な睡眠を取得してもらうという動機づけが薄まる可能性が懸念された。ただし、睡眠情報を用いたゲームでは、ほとんどのユーザは1日に1回の睡眠をとることから1日に1回だけゲーム結果を取得できる。この場合、睡眠中に何らかのエラーが発生したり、ユーザが睡眠の計測をし忘れたりして睡眠情報を取得できない事態が生じると、ゲーム結果を取得できず、ユーザの不利益や不満は睡眠情報を用いないゲームに比べて極めて大きくなり得る。
【0005】
したがって、本発明の目的は、ユーザの睡眠情報を適切に測定できない事態が発生した等の場合において、センサが取得した情報によらずに睡眠情報の修正を認める場合であっても、ユーザが適切な睡眠を取る動機付けを確保できることを可能にするゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム方法、情報処理装置、及び生成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、プロセッサと、メモリとを備えるユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームの実行を管理するコンピュータに実行させるためのゲームプログラムであって、ゲームプログラムは、プロセッサに、センサによって取得されるユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得ステップと、睡眠情報取得ステップにおいて睡眠情報が取得されていない場合において、ユーザの操作入力に基づいてセンサによらずに変更睡眠情報を生成する睡眠情報変更ステップと、睡眠情報取得ステップにおいて睡眠情報が取得されている場合、睡眠情報に基づいてゲームの第1の効果を決定し、睡眠情報取得ステップにおいて睡眠情報が取得されていない場合、睡眠情報変更ステップにおいて生成される変更睡眠情報に基づいて第1の効果とは異なる第2の効果を決定するゲーム制御ステップとを実行させるゲームプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム方法、情報処理装置、及び生成方法によれば、ユーザの睡眠情報を適切に測定できない事態が発生した等の場合において、センサが取得した情報によらずに睡眠情報の修正を認める場合であっても、ユーザが適切な睡眠を取る動機付けを確保できることを可能にするゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム方法、情報処理装置、及び生成方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るゲームシステムの概要図である。
【
図2】本実施形態に係るゲームシステムの機能構成ブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る格納ユニットが有する各格納部のデータ構成図である。
【
図4】本実施形態に係るゲームシステムにおける処理のフロー図である。
【
図5】本実施形態に係るゲームシステムにおける処理の変形例のフロー図である。
【
図6】本実施形態に係るゲームシステムにおける処理の変形例のフロー図である。
【
図7】本実施形態に係るゲームシステムにおける処理の変形例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施の形態]
<ゲームシステム1の概要>
図1は、本実施形態に係るゲームシステムの概要を示す。具体的に
図1(a)は、本実施形態に係るゲームシステム1の構成の概要を示し、
図1(b)は、本実施形態に係るゲームシステム1が備える端末装置10の表示の流れの一例を示す。
図1(b)では、左から右に進むにしたがって時間が経過している様子を示す。
【0010】
本実施形態に係るゲームシステム1は、ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いてゲームを実行するシステムである。
図1(a)に示すようにゲームシステム1は、ユーザの端末装置10と、ユーザの睡眠状態を測定する睡眠測定部11と、ゲーム処理を実行するサーバ20とを備える。端末装置10とサーバ20とは、通信ネットワーク80を介して双方向通信可能に接続される。また、ゲームシステム1において、サーバ20は、ユーザの睡眠情報を受け付けてゲームを進行させる。なお、ゲームシステム1は、サーバクライアント型のゲームシステムであってよい。また、睡眠測定部11は端末装置10と別個独立のデバイスであっても、端末装置10に内蔵されていてもよい。
【0011】
なお、
図1(a)では1つの端末装置10が通信ネットワーク80を介してサーバ20に接続されている例を示すが、それぞれ異なるユーザが用いる複数の端末装置10それぞれが通信ネットワーク80を介してサーバ20に接続されていてもよい。以下の説明では、説明を簡略化するため、1つの端末装置10が通信ネットワーク80を介してサーバ20に接続されている例を説明する。
【0012】
ゲームシステム1は、睡眠測定部11が測定したユーザの睡眠情報(例えば、睡眠時間)を取得し、取得した睡眠情報に基づいてゲームの効果を決定し、ゲームの進行状況に応じてゲーム効果情報を生成する。例えば、ゲームシステム1は、取得した睡眠情報を蓄積し、ゲーム効果情報として、取得した睡眠情報に基づいて決定される報酬(一例として、経験値、ゲーム内仮想通貨、所定のキャラクタやアイテム等)をユーザ情報に対応付けて記憶することにより、報酬をユーザに付与できる。また、ゲームシステム1は、取得した睡眠情報を蓄積し、ゲーム効果情報として、睡眠情報に基づいて決定される所定のゲームイベントを発生できる。更に、ゲームシステム1は、取得した睡眠情報を蓄積し、ゲーム効果情報として、取得した睡眠情報に基づいてゲームパラメータを生成し、ユーザ情報に対応付けて記憶する。ユーザはこのゲームパラメータを用いてゲームを進行することができる。また、ゲームシステム1は、取得した睡眠情報を蓄積し、ユーザの睡眠状態の履歴を出力することもできる。
【0013】
具体的に、ゲームシステム1は、ユーザが就寝する場合、端末装置10を介してユーザの就寝開始を検知し、ユーザの睡眠情報の取得を開始する。ゲームシステム1は、端末装置10を介してゲームシステム1に対する睡眠開始の指示をユーザから受け付けて、ユーザの睡眠情報の取得を開始してもよい。続いて、ゲームシステム1は、端末装置10を介してユーザの起床を検知した場合、ユーザの睡眠情報の取得を停止し、取得した睡眠情報に基づいてゲームの効果を決定する。そして、ゲームシステム1は、ゲーム結果を端末装置10に出力する。
【0014】
例えば、ゲームシステム1は、ユーザの起床を検知した場合、端末装置10の表示部300に取得した睡眠情報を表示させる。一例として、ゲームシステム1は、
図1(b)に示すように現在時刻、日付情報、及び睡眠情報の取得を実行した連続日数等の所定の情報と共に、ユーザがとった睡眠時間を表示部300の所定の表示領域310に表示する(
図1(b)の例では「今日の睡眠時間」が「3時間3分」と表示されている。)。
【0015】
ここで、ゲームシステム1においては、ユーザの操作入力を受け付けて睡眠情報の修正を受け付けることができる。例えば、ゲームシステム1は、表示領域310に表示されている睡眠時間が正しい睡眠時間ではないとユーザが判断した場合、ユーザからの操作入力を受け付け、睡眠情報の一部である睡眠時間の修正を可能にする。そして、
図1(b)に示すようにゲームシステム1は、ユーザの所定の操作入力を受け付けて、表示部300の所定の表示領域310aに睡眠時間の修正入力を受け付けるフォームを表示する。ゲームシステム1は、当該フォームに対するユーザの操作入力(すなわち、ユーザの手入力)を受け付けて、睡眠時間を修正する。
図1(b)の例では、表示部300の表示領域310bに示すように、睡眠時間が「8時間0分」に修正されている。ゲームシステム1は、修正後の睡眠時間に基づいてゲームの効果を決定する。そして、ゲームシステム1は、決定したゲームの効果に応じたゲーム結果を端末装置10に出力する。
【0016】
このように、ゲームシステム1においては、ユーザの操作入力を受け付けることで、所定のセンサ等によって取得される情報からではなく、ユーザの自己申告に基づく睡眠情報を用いてゲームを進行させることができる。すなわち、就寝開始時にゲームシステム1の起動をユーザがし忘れたことや、起床時にユーザが睡眠計測を停止し忘れたこと、及び/又はゲームシステム1が異常終了した場合等の所定の状況が発生したとする。この所定の状況が発生した場合において、ゲームシステム1がユーザの睡眠情報を適切に取得できなかった場合、ユーザの操作による睡眠情報(具体的には、ユーザの睡眠時間を特定する情報)の入力を受け付けて、ゲームシステム1はゲームを進行させる。つまり、ゲームシステム1は所定の状況が発生した場合、センサ等から取得される情報ではなく、ユーザが自発的にゲームシステム1に自らの意思によって入力する睡眠情報に基づいて、ゲームを進行させることができる。なお、本実施形態における説明において「ユーザの操作入力による睡眠時間の入力」は、特に断りがない限り「手入力」を意味するものとする。
【0017】
ここで、ユーザの睡眠開始時にゲームシステム1に対して睡眠開始の指示をユーザが与えなかったことや、センサがユーザの睡眠開始を認識できなかったことに起因して、ゲームシステム1がユーザの睡眠開始のタイミングを認識できず睡眠時間を取得できなかった場合、ゲームシステム1は、ユーザからの操作入力による睡眠時間の入力を受け付けて、ユーザにより入力された睡眠時間をゲームの進行に用いる。更に、ゲームシステム1は、ユーザの睡眠開始時にゲームシステム1に対して睡眠開始の指示をユーザが与えたものの、睡眠状態の検出の最中にゲームシステム1の実行が強制的に終了させられた場合やゲームシステム1が異常終了(クラッシュ)した場合であっても、所定の条件を満たしている場合はユーザからの操作入力による睡眠時間の入力を受け付けて、ユーザにより入力された睡眠時間をゲームの進行に用いる。この「所定の条件」とは、例えば、ゲームシステム1のセンサ(モーションセンサ等)の計測結果が計測の終了までにユーザの所定の眠りの状態(例えば、最初にディープスリープが現れた時等)を検知している場合、及び/又はユーザが入力する睡眠時間が、ユーザによる睡眠開始の指示を受け付けた時点からユーザが睡眠時間を入力する時点までの時間以下である場合等である。
【0018】
そして、ゲームシステム1は、睡眠測定部11が測定した睡眠情報に基づいて決定されるゲームの効果と、ユーザの操作入力を受け付けて修正された睡眠情報に基づいて決定されるゲームの効果との双方を比較可能に表示部300に表示してもよい。ゲームシステム1は、ユーザの操作入力を受け付け、睡眠測定部11が測定した睡眠情報と修正された睡眠情報とのいずれかに基づいてゲームの効果を決定してもよい。また、ゲームシステム1は、ゲームシステム1に対する睡眠開始のユーザによる指示がなかった場合においてユーザにより睡眠時間が入力された場合、入力された睡眠時間と同じ長さの睡眠時間を睡眠測定部11が測定した場合の睡眠情報に基づいて決定されるゲームの効果とは異なるゲームの効果を発生させる。更に、ゲームシステム1は、ゲームシステム1が強制終了した場合やクラッシュした場合において所定の条件を満たしている場合に受け付けるユーザが入力する睡眠時間に基づいて発生させるゲームの効果を、入力された睡眠時間と同じ長さの睡眠時間を睡眠測定部11が測定した場合の睡眠情報に基づいて決定されるゲームの効果と同じ種類のゲームの効果を発生させる。
【0019】
このようにゲームシステム1は、ユーザの就寝から起床までの間の睡眠情報を取得すると共に、ユーザの起床後には睡眠情報の一部を修正可能にする。そして、ゲームシステム1は、睡眠情報が修正された場合、修正後の睡眠情報を用いてゲームの効果を決定できる。また、ゲームシステム1は、ゲームシステム1に対する睡眠開始の指示をユーザが忘れた場合や、当該指示をゲームシステム1に対してユーザが与えたもののゲームシステム1が強制終了したりクラッシュしたりした場合、ユーザが入力する睡眠時間を睡眠情報として用いてゲームの効果(ただし、当該ゲームの効果は、ユーザが睡眠時間を入力しなかった場合に比べ、同程度以下である。)を決定できる。これによりゲームシステム1においては、睡眠測定部11による睡眠情報の取得に不具合があった場合や何らかのエラーにより睡眠情報を適切に取得できなかった場合であっても、ユーザが睡眠情報を修正することを許可し、修正後の睡眠情報を用いてゲーム処理を実行できる。したがって、ゲームシステム1によれば、ユーザがとった睡眠に関する睡眠情報を適切な内容に修正できるので、仮に何らかの不具合により睡眠情報を取得できなかった場合であっても、ユーザがゲームを継続するユーザのモチベーションを維持できる。
【0020】
なお、端末装置10は、1つ又は複数の睡眠測定部11と有線又は無線により接続されていてよい。
図1(a)では1つの睡眠測定部11を示しているが、複数の睡眠測定部11が端末装置10と接続されていてもよい。また、端末装置10に1つ以上の睡眠測定部11が内蔵されていてもよい。
【0021】
また、端末装置10は、ユーザが操作可能な装置である。端末装置10は、例えば、移動体通信システムに対応した携帯電話やスマートフォン、タブレット等の携帯端末であってよい。この他に、端末装置10は、例えば、据え置き型のPersonal Computer(PC)、ラップトップPC、ノートPC、携帯用ゲーム機、及び/又は家庭用ゲーム機やゲーム専用機等であってもよい。更に、通信ネットワーク80は、携帯電話網、及び/又はインターネット等の通信網である。通信ネットワーク80は、有線LAN及び無線LAN等の通信ネットワークを含むこともできる。そして、以下において本実施形態に係るゲームシステム1の詳細を説明するが、上記説明及び下記説明における名称や数値等はあくまで例示であり、これらの固有名や数値に本発明が限定されることはないこと、及びこれら固有名や数値は実在の固有名や数値とは必ずしも関係するとは限らないことを付言する。
【0022】
<ゲームシステム1の詳細>
図2は、本実施形態に係るゲームシステムの機能構成の一例を示す。また、
図3は、本実施形態に係るゲームシステムが有する格納ユニットが有する各格納部のデータ構成の一例を示す。
【0023】
[ゲームシステム1の構成の概要]
本実施形態に係るゲームシステム1は、ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いてゲームを実行するシステムである。ゲームシステム1は、各種の情報を出力する出力部100と、ユーザからの入力を受け付ける入力部102と、ユーザの睡眠状態を測定する睡眠測定部11と、ユーザから受け付けた入力に関する情報を取得する入力取得部200と、出力部100への情報の出力を制御する出力制御部202と、ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得部204と、睡眠情報を変更・生成する睡眠情報変更部206と、睡眠情報を確定する睡眠情報確定部208と、ゲームの効果の決定(つまり、ゲーム効果の情報の決定)を含むゲーム進行の各種の処理を制御するゲーム制御部210と、各種の情報を格納する格納部としての格納ユニット216とを備える。格納ユニット216は、ユーザに関する情報を格納するユーザ情報格納部218と、ゲームに関する情報を格納するゲーム情報格納部220とを有する。
【0024】
ゲームシステム1では、例えば、ユーザが用いる端末装置10においてゲームが実行される。この場合、端末装置10は、出力部100と入力部102とを少なくとも有して構成される。
【0025】
ゲームシステム1は、上記複数の構成要素を物理的に同一の装置や場所に有するだけでなく、上記複数の構成要素の一部を物理的に離れた位置に設置してもよい。この場合、各構成要素は、例えば、インターネット等の通信網により接続されてよい。例えば、ゲームシステム1は、構成要素の機能の一部を外部のサーバに担わせてもよい。また、ゲームシステム1は、一以上のサーバとして構成してもよい。この場合、端末装置、並びに一のサーバの構成要素及び他のサーバの構成要素を組み合わせることで、ゲームシステム1が構成される。また、本実施形態において、各装置(端末装置やサーバ等)を情報処理装置として把握することもできる。すなわち、各装置の集合体(所定の構成要素の集合体)を1つの「情報処理装置」として把握することができ、ゲームシステム1を複数の情報処理装置の集合体として形成してもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るゲームシステム1を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はゲームシステム1に求められる仕様等に鑑みて適宜決定できる。また、格納ユニット216が格納する各種の情報は、入力部102を介して受け付けるユーザの指示や情報により更新されてもよく、ゲームシステム1の外部に存在する所定のサーバから所定の情報を取得して、随時、更新されてもよい。
【0026】
[ゲームシステム1の構成の詳細]
以下の説明においては、ゲームシステム1により提供されるゲームを主としてユーザが端末装置10(例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC等)を用いて実行する場合を例として説明する。なお、サーバ20はゲームシステム1におけるユーザの情報を管理すると共にゲーム処理を実行する。ユーザの情報としては、ユーザが保有するゲームキャラクタ、ゲームアイテム、仮想通貨の保有量(無償でユーザに付与した仮想通貨、有償でユーザに付与した仮想通貨を含む)、睡眠測定部11により測定されるユーザの睡眠情報等が挙げられる。
【0027】
(ゲーム制御部210)
ゲーム制御部210は、端末装置10とサーバ20との間で通信し、端末装置10から受信したユーザの睡眠情報に基づいて、ユーザのゲームプレイを進行させる。例えば、ゲーム制御部210は、ゲームプレイを進行させることとして、ユーザのゲームプレイに登場させるキャラクタ、アイテム等のゲームオブジェクトを抽選で決定する。なお、決定されたキャラクタ、アイテム等は、ユーザの所有物としてではなくゲームプレイにおいて登場させることにしてもよい。これにより、ユーザは、睡眠情報に基づいて新たなゲームキャラクタを発見する等の体験ができる。この他に、ゲーム制御部210は、キャラクタ、アイテム等のゲームオブジェクトを抽選してユーザに付与してもよい。例えば、ゲーム制御部210は、ユーザの端末装置10からユーザの睡眠情報として、睡眠時間の情報や睡眠の質の情報を受信し、ユーザの睡眠情報に基づいてアイテム等を抽選してユーザに付与する。ここで、ゲーム制御部210は、ユーザの睡眠情報に応じ、抽選で用いる抽選テーブルや抽選回数を変更してもよい。これにより、睡眠情報が異なると抽選アルゴリズムも異なることになり、起床時のゲーム進行が変化するので、ユーザの起床時にバリエーションのある楽しみを提供できる。
【0028】
更にゲーム制御部210は、入力部102を介して受け付けるユーザの操作入力に応じ、各種のゲーム処理を実行する。例えば、ゲーム制御部210は、キャラクタに所定のアイテムを与える処理、ユーザがキャラクタを指定した場合の当該キャラクタのゲーム内仮想空間における動作の処理、ユーザによるアイテムの有償/無償による取得処理や仮想通貨の取得処理、ユーザが保有しているアイテムを消費する処理等のゲーム処理を実行する。
【0029】
(出力部100、出力制御部202)
出力部100は、出力制御部202に制御され、ゲームの実行に関する各種情報(例えば、テキスト情報、静止画や動画の画像情報、音声情報等)を出力する。出力部100は、各種の処理結果や格納ユニット216が格納している情報をユーザが知覚可能に出力する。具体的に出力制御部202は、各構成要素における各種処理結果や格納ユニット216が格納している情報等を、所定形式のデータ、静止画像、動画像、及び/又はテキスト等として出力部100に出力させる。出力部100は、外部のサーバから受け取る情報を出力してもよい。なお、出力部100は、各種情報を表示する表示部、音声を出力するスピーカー等の音声出力部等を有して構成されてよい。そして、表示部は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであってよい。
【0030】
また、出力制御部202は、出力部100への所定の情報の出力を制御する。例えば、出力制御部202は、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報やユーザの操作入力を受け付けて変更した後の睡眠情報(以下、「変更睡眠情報」という)、及び/又はゲーム制御部210が決定したゲームの効果等のゲームにおける各種情報を出力部100に出力させる。
【0031】
(入力部102、入力面104、入力制御部106)
入力部102は、ユーザからの所定の指示や操作等の入力を受け付ける。入力部102は、ゲームシステム1の所定の構成要素に当該指示を供給する。当該指示を受け付けた各構成要素はそれぞれ所定の機能を発揮する。入力部102は、ユーザからの操作入力を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、モーションセンサ等)である。本実施形態では入力部102が、端末装置10が備えるタッチパネルである例を説明する。なお、タッチパネルは、マルチタッチ検出可能であってよい。具体的に、入力部102としてのタッチパネルは、ユーザからの操作等が入力される入力面104と入力面104に入力された操作に関する情報を取得する入力制御部106とを有する。タッチパネルは、出力部100である表示部に重ねて配置され、タッチパネルの表面が入力面104に対応する。
【0032】
例えば、表示部には所定の指示を受け付ける領域が表示され、入力面104は、入力面104の当該領域に対するユーザの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作等)により指定された位置における所定の指示を検知する。入力面104は検知した情報、すなわち、検知した位置における所定の指示を示す情報を入力制御部106に供給する。一例として、表示部には、ユーザの睡眠開始の指示を受け付ける領域、ユーザの起床の指示を受け付ける領域等が表示される。入力制御部106は、入力面104から所定の指示を示す情報を取得し、ゲームシステム1の所定の構成要素に当該情報を供給する。
【0033】
(睡眠測定部11)
睡眠測定部11は、端末装置10のユーザの睡眠に関する情報を取得する。睡眠測定部11は、取得した情報を睡眠情報取得部204に供給する。なお、端末装置10と睡眠測定部11とが別個独立のデバイスである場合、端末装置10は、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi等の近距離無線通信により睡眠測定部11と通信し、睡眠測定部11のセンシング結果を受信する。また、睡眠測定部11が、5G等の移動体通信システムの通信規格に対応し、近距離無線通信によらずにサーバ20にセンシング結果を送信してもよい。この場合、端末装置10は、睡眠測定部11からのセンシング結果を受信したサーバ20において取得される睡眠情報を、サーバ20から受け取って格納してもよい。
【0034】
睡眠測定部11は、例えば、端末装置10に内蔵されるモーションセンサ等のセンサにより実現される。すなわち、端末装置10と睡眠測定部11とが同一の装置内にあってもよい。この場合、端末装置10が、睡眠測定部11としても機能する。また、睡眠測定部11は、例えば、ユーザの身体に装着される腕時計型、指輪型、アイマスク型等のウェアラブルデバイスであってよく、端末装置10とは独立のデバイスとしてジャイロセンサ等のモーションセンサを有して構成されてよい。また、睡眠測定部11は、ユーザが就寝するマットレス、枕元等に載置するデバイスであってもよい。
【0035】
ここで、モーションセンサは、加速度センサ、角速度センサ等を含んで構成でき、端末装置10の動きをセンシングし、センシング結果を出力する。例えば、ユーザが就寝するベッドのマットレス等に端末装置10を載置することにより、モーションセンサは就寝中のユーザがマットレス上で動いている場合に、当該動きを検出できる。モーションセンサのセンシング結果を用いることにより、後述の睡眠情報取得部204は、ユーザが就寝中であるか覚醒中であるか、また、就寝中のユーザが、浅い睡眠であるか、深い睡眠であるか、レム睡眠であるか、ノンレム睡眠であるか等を判別し、睡眠情報として取得できる。
【0036】
なお、ユーザが2以上の睡眠測定部11を同時に用いてもよい。例えば、ユーザが腕時計型の睡眠測定部11を2つ装着することや、ユーザが腕時計型の睡眠測定部11を装着しつつ、スマートフォンを睡眠測定部11として用いてもよい。これにより、睡眠中のユーザの身体の動きをジャイロセンサ等により検出できる。ユーザが睡眠中である間に各種センサによってセンシングされたセンシング結果を蓄積することで、睡眠情報取得部204は、ユーザが睡眠中であるか、浅い睡眠状態であるか、深い睡眠状態であるか、レム睡眠であるか、ノンレム睡眠であるか等を判別し、睡眠情報として取得できる。このようにレム睡眠、ノンレム睡眠の波形を判別する等により、ユーザの睡眠の質を評価できる。例えば、睡眠情報取得部204は、良質な睡眠である場合のレム睡眠、ノンレム睡眠のサイクルが予め設定されており、ユーザの睡眠時のレム睡眠、ノンレム睡眠の波形と比較することで、ユーザの睡眠の質を評価し、睡眠情報として取得できる。
【0037】
また、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11等のモーションセンサの出力等に基づいて、ユーザが入床したこと(例えば、ベッドに横たわったこと)、入床した後に入眠したことを検出することもできる。また、睡眠情報取得部204は、ユーザが入床した後、入眠するまでの間に、ユーザが端末装置10に対して入力操作をしていたか、ユーザが端末装置10の出力部100に出力される情報を知覚していたか等を判定することもできる。すなわち、睡眠情報取得部204は、寝ようとしているユーザが、寝る前に端末装置10を操作しているか否かを判定できる。
【0038】
また、ゲームシステム1での利用が予め想定される睡眠測定部11はホワイトリスト形式で管理されていてよい。なお、ゲームシステム1で管理していない睡眠測定部11から後述の睡眠情報取得部204が睡眠情報を取得した場合は、サーバ20が特定できない睡眠測定部11であるとして、当該睡眠情報を受け付けなくてもよく、特定不可能な睡眠測定部11等用のパラメータを用いてその後の処理を実行してもよい。
【0039】
また、睡眠測定部11の種類の相違は必ずしも装置の相違であることを要さない。すなわち、同一の装置構成の睡眠測定部11であっても、睡眠情報をサーバ20に供給するまでに利用したソフトウェアやアプリケーションの種類によって、ゲームシステム1では異なる睡眠測定部11として管理してもよい。例えば、同一の睡眠測定部11を利用して睡眠情報を検出した場合であっても、睡眠測定アプリケーションAを睡眠情報の加工のために利用した場合と、睡眠測定アプリケーションAとは異なる睡眠測定アプリケーションBを睡眠情報の加工のために利用した場合とでは、それぞれ異なる「睡眠測定部ID」として管理できる。このように、装置構成としてのデバイスの種類と、用いたアプリケーションとの組合せに応じて、それぞれ異なる「睡眠測定部ID」として管理することで、より柔軟な睡眠情報の生成が可能になり、その結果、睡眠状態に応じたゲームの興趣性を十分に発揮できる。
【0040】
(入力取得部200)
入力取得部200は、ユーザの操作入力を取得する。すなわち、入力取得部200は、入力制御部106を介し、入力面104に入力されたユーザの操作入力を示す情報を取得する。入力取得部200は、取得した操作入力を示す情報を所定の他の構成要素に供給する。
【0041】
(睡眠情報取得部204)
睡眠情報取得部204は、センサによって取得されるユーザの睡眠情報及び/又はエラー情報(予期せぬ不具合の発生や睡眠測定部11の不具合が発生したこと等を示す情報)を取得する。具体的に、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11が取得したユーザの睡眠に関する情報、つまり、睡眠情報を睡眠測定部11から取得する。睡眠情報は、例えば、ユーザの覚醒/睡眠状態、日付情報、入床時刻、入眠時刻、就寝時刻、起床時刻、睡眠時間、及び/又は睡眠の質等の情報である。例えば、睡眠情報取得部204は、ユーザの睡眠開始(若しくは入床又は就寝開始)から起床までの睡眠情報を取得する。
【0042】
また、睡眠情報取得部204は、睡眠情報に基づいて、ユーザが睡眠を開始したか否か、及び起床したか否かの状態を判断する。すなわち、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11が取得した睡眠情報に基づいて、ユーザの睡眠開始時点、及びユーザの起床開始時点を判断する。睡眠情報取得部204は、取得した睡眠情報を睡眠情報変更部206及びゲーム制御部210に供給する。
【0043】
また、入力部102を介して入力取得部200がユーザからの睡眠開始の操作入力を取得した場合、睡眠測定部11はユーザの睡眠に関する情報の取得を開始できる。この場合、睡眠情報取得部204は、この操作入力に応じて、若しくは睡眠測定部11が取得した睡眠情報(一例として、モーションセンサのセンシング結果等の情報)に基づいて、ユーザが睡眠を開始したと判断する。すなわち、睡眠測定部11は、ユーザによる睡眠開始の指示を入力取得部200が取得した場合に睡眠情報の取得を開始する。そして、入力部102を介して入力取得部200がユーザからの起床の操作入力を取得した場合、睡眠測定部11はユーザの睡眠情報の取得を停止する。この場合、睡眠情報取得部204は、この操作入力に応じて、若しくは睡眠測定部11が取得した睡眠情報に基づいて、ユーザが起床したと判断する。睡眠情報取得部204は、ユーザの睡眠開始の判断及び起床の判断に応じて睡眠測定部11が測定したユーザの睡眠開始から起床までの睡眠情報を取得する。
【0044】
また、睡眠測定部11は、ユーザの睡眠に関する情報を常時取得してもよい。この場合、睡眠情報取得部204は、入力部102を介して入力取得部200がユーザからの睡眠開始の操作入力を取得した場合、若しくは睡眠測定部11が取得した睡眠情報に基づいて、ユーザが睡眠を開始したと判断する。そして、睡眠情報取得部204は、入力部102を介して入力取得部200がユーザからの起床の操作入力を取得した場合、若しくは睡眠測定部11が取得した睡眠情報に基づいて、ユーザが起床したと判断する。睡眠情報取得部204は、ユーザの睡眠開始の判断時から起床の判断時までに睡眠測定部11が測定したユーザの睡眠情報を取得する。
【0045】
(睡眠情報変更部206)
睡眠情報変更部206は、睡眠情報取得部204が取得する睡眠情報とは異なる内容の睡眠情報(変更睡眠情報)を生成する。具体的に、睡眠情報変更部206は、睡眠測定部11を構成するセンサによる計測結果を用いずに、つまり、センサによらずに変更睡眠情報を生成する。すなわち、睡眠情報変更部206は、ユーザの実際の睡眠に基づく睡眠情報を用いず、ユーザが手入力する情報に基づいて変更睡眠情報を生成する。
【0046】
なお、睡眠情報変更部206は、睡眠情報の少なくとも一部について変更した変更睡眠情報を生成してもよい。すなわち、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報の少なくとも一部を変更した変更睡眠情報を生成してもよい。睡眠情報変更部206は、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報とは異なる内容の睡眠情報をユーザの操作入力により取得して、取得した情報を用いて睡眠情報の少なくとも一部を変更することで変更睡眠情報を生成する。
【0047】
また、睡眠情報変更部206は、睡眠情報取得部204が睡眠情報を取得していない場合(例えば、ユーザによる睡眠開始の指示を入力取得部200が取得しなかったために睡眠情報取得部204が睡眠情報を取得していない場合)に、ユーザからの操作入力(例えば、ユーザによる睡眠情報の入力)を受け付けて変更睡眠情報を生成する。なお、睡眠情報変更部206は、睡眠情報取得部204が睡眠情報の取得を停止した後、再び睡眠情報の取得が開始されることなく当該停止から所定時間経過後(例えば、16時間経過後等)に当該操作入力を受け付けた場合に、ユーザからの操作入力を受け付けてもよい。すなわち、睡眠情報変更部206は、睡眠情報取得部204が取得していない睡眠情報の少なくとも一部を変更した変更睡眠情報を生成できる。例えば、睡眠測定部11の動作開始をし忘れてユーザが就寝して起床した場合等は睡眠時間の取得がされていない。この場合において睡眠情報変更部206は、ユーザの操作入力により睡眠時間の情報を取得して、取得した睡眠時間の情報を含む変更睡眠情報を生成する。換言すれば、ユーザが睡眠測定部11の動作を開始させずに就寝して起床した場合等において睡眠情報変更部206がユーザの操作入力による睡眠時間の情報を取得した場合、睡眠情報変更部206は、取得した当該睡眠時間の情報に基づいてユーザが睡眠時間の計測を失念した日における変更睡眠情報を生成する。ここで、ユーザによる睡眠時間の情報入力操作がない場合、睡眠情報変更部206は、当該入力のない日の睡眠時間の情報が存在しないものとしてゲームを進行させる。
【0048】
また、ゲームシステム1は、ユーザが睡眠測定部11の動作を開始させずに就寝して起床した場合等において睡眠情報変更部206がユーザの操作入力による睡眠情報(例えば、睡眠時間の情報等)を取得しない場合であっても、将来の日付における睡眠情報に基づいてゲームを進行させてもよい。例えば、ユーザが睡眠測定部11の動作を開始させずに就寝して起床し、睡眠情報変更部206がユーザの操作入力による睡眠情報を取得しなかった日(以下、「第1日」と称する。)があるとする。「第1日」においてはユーザの睡眠情報は存在しないことになる。そして、次の「第2日」において睡眠情報変更部206がユーザの操作入力による睡眠情報を取得したとする。この場合、睡眠情報変更部206は、「第2日」における睡眠情報と、「第2日」における所定のパラメータ(例えば、ユーザに対応付けられているパラメータやユーザに対応付けられているキャラクタのパラメータ等)に基づいて得られるゲーム進行用情報を用いて、ゲーム効果を決定してもよい。これにより、ユーザが睡眠測定部11に対する睡眠情報の取得開始指示をし忘れたとしても、その日以降のゲームを進行させることができる。また、「第2日」におけるゲーム効果を決定した後に「第1日」の変更睡眠情報を取得した場合、「第1日」における変更睡眠情報と、「第1日」における所定のパラメータに基づいて得られるゲーム進行用情報を用いて、ゲーム効果を決定してもよい。睡眠情報変更部206は、ゲーム制御部210に変更睡眠情報を供給する。ゲーム制御部210は、変更睡眠情報に基づいてゲームの効果を決定し、当該効果に関するゲーム効果情報を生成する。
【0049】
更に、睡眠測定部11の測定結果に基づいてユーザが睡眠を開始したと睡眠情報取得部204が判定して睡眠情報取得部204が睡眠情報の取得を開始した場合やユーザによる睡眠開始の指示を入力取得部200が取得したことに伴って睡眠情報取得部204が睡眠情報の取得を開始したとする。この場合、睡眠情報取得部204は睡眠情報の取得を開始する。その後、ゲームシステム1が強制終了した場合や異常終了した場合、睡眠情報取得部204は睡眠情報の取得を停止する。つまり、睡眠情報取得部206は、睡眠情報の取得を開始した後、強制終了等により睡眠情報の取得を適切に終了できないため、睡眠情報の取得を中断する。この場合において、睡眠情報変更部206はユーザからの操作入力(例えば、睡眠時間等の睡眠情報の入力)を受け付けることができる。そして睡眠情報変更部206は、睡眠情報取得部204による睡眠情報の取得の開始の時点からユーザの当該操作入力の時点までの時間において所定の条件を満たす場合に、当該操作入力を受け付けて変更睡眠情報を生成する。
【0050】
ここで、「所定の条件」とは、例えば以下の条件a)及び/又はb)である。
a)睡眠測定部11の測定結果が、ユーザが睡眠状態に入ったと判定している時間があること(例えば、強制終了や異常終了等の前にディープスリープが表れていると判定した場合)。
b)睡眠情報及び変更睡眠情報が睡眠時間である場合、ユーザの睡眠開始時点からユーザの操作入力の時点までの時間が、変更睡眠情報が示す時間(つまり、ユーザが入力して設定する時間)以上であること。
【0051】
具体的に、ユーザが起床したと睡眠情報取得部204が判断した場合、出力制御部202は、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報若しくはエラー情報を出力部100に出力させる。その後、ユーザが睡眠情報の変更を要すると判断した場合、入力取得部200は、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報の少なくとも一部について、取得した睡眠情報とは異なる内容の睡眠情報の入力指示(例えば、修正指示若しくは登録指示)を受け付ける。なお、ゲーム制御部210は、ユーザ情報格納部218に格納されているユーザの睡眠情報に含まれるユーザの過去の睡眠情報を参照し、ユーザの睡眠時間の平均値を算出できる。そして、ゲーム制御部210は、算出した平均値(平均睡眠時間)と睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報に含まれる睡眠時間とを比較する。ゲーム制御部210は、比較した結果、睡眠情報に含まれる睡眠時間が平均睡眠時間に比べて所定時間以上長いか若しくは短い場合、ユーザからの指示の有無にかかわらず、出力制御部202に指示し、睡眠時間の修正をユーザに促す情報を出力部100に出力させてもよい。
【0052】
例えば、ゲーム制御部210は、出力制御部202に指示し、出力部100に睡眠情報の入力ができるフォームを出力させる。そして、入力取得部200は、入力部102を介し、当該フォームに対するユーザの操作入力についての情報を取得する。一例として、入力取得部200は入力部102を介し、睡眠情報の少なくとも一部について(例えば、睡眠時間)、出力部100が出力した睡眠情報とは異なる内容の睡眠情報をユーザから取得する。そして、入力取得部200は、取得した当該情報を睡眠情報変更部206に供給する。睡眠情報変更部206は、入力取得部200が取得した当該情報に基づいて変更睡眠情報を生成する。例えば、睡眠情報変更部206は、睡眠情報取得部204が取得した睡眠時間を、入力取得部200が取得したユーザの入力指示による睡眠時間に置き換えることで変更し、変更睡眠情報を生成する。
【0053】
ここで、睡眠情報変更部206は、睡眠情報のうち、ユーザが自覚可能な情報について変更した変更睡眠情報を生成できる。ユーザが自覚可能な睡眠情報としては、例えば、睡眠に関する時間、睡眠の質等である。一例として、睡眠情報変更部206は、睡眠情報として睡眠に関する時間を変更した変更睡眠情報を生成できる。睡眠に関する時間とは、睡眠時間、ユーザの入床時間、就寝時間、入眠時間、及び/又は起床時間等の時間であってよい。
【0054】
また、睡眠情報変更部206は、睡眠情報として睡眠の質に関する情報を変更した変更睡眠情報を生成してもよい。すなわち、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報として睡眠の質に関する情報が出力部100に出力された場合、当該情報が示す睡眠の質とユーザが認識している睡眠の質とが異なる場合がある。この場合、ゲーム制御部210は、出力制御部202に指示し、出力部100に睡眠の質に関する情報の入力ができるフォームを出力させる。そして、入力取得部200は、入力部102を介し、当該フォームに対するユーザの操作入力についての情報を取得する。入力取得部200は、取得した操作入力についての情報を睡眠情報変更部206に供給する。睡眠情報変更部206は、当該情報が示す睡眠の質を含む変更睡眠情報を生成する。
【0055】
なお、入力取得部200が、睡眠情報としてユーザの睡眠時間変更の入力指示を受け付ける場合、睡眠情報変更部206は、入力指示による睡眠時間変更について、予め定められた変更可能な睡眠時間の上限以下での変更を受け付けて変更睡眠情報を生成することが好ましい。これにより、睡眠情報としての睡眠時間を無制限に長時間化することを防止できる。また、睡眠情報変更部206は、変更睡眠情報の生成回数に上限を設けてもよい。例えば、睡眠情報変更部206は、所定の期間(一例として、一週間)内における変更睡眠情報を生成できる回数に上限を設けてよい。
【0056】
(ゲームの効果の決定について)
ゲーム制御部210は、睡眠情報若しくは変更睡眠情報に基づいてゲームの効果を決定し、ゲーム効果情報を生成する。例えば、ゲーム制御部210は、ユーザに付与する報酬内容を決定し、報酬内容に関するゲーム効果情報を生成する(本実施形態において特に限定がない限り、ゲーム制御部210が所定の効果を決定した場合、ゲーム制御部210は、当該所定の効果に関する所定のゲーム効果情報も生成するが、説明の簡略化のためゲーム効果情報の生成についての記載は省略する場合がある。)。
【0057】
一例として、ユーザの本来の睡眠時間が「8時間」であるところ、睡眠情報に含まれる睡眠時間が「3時間」であったことから、ユーザの操作により睡眠時間を「8時間」とする修正指示がなされ、睡眠時間が「8時間」である変更睡眠情報が生成されたとする。この場合、睡眠情報に含まれる睡眠時間が仮に「8時間」であった場合と変更睡眠情報に含まれる睡眠時間が「8時間」であった場合とで、ゲームの効果を同一にすると睡眠情報を正しく取得しようという動機を失うことになるため好ましくない。
【0058】
そこでゲーム制御部210は、一例として、以下の3つのケースごとにゲームの効果を決定してよい。
<ケース1:睡眠計測を通常通り(計測の失念やエラー等なしに)測定した場合>
ゲーム制御部210は、睡眠情報取得部204が通常通りに睡眠情報を取得している場合、取得された睡眠情報に基づいてゲームの第1の効果と第2の効果とを決定する。具体的に、ゲームの第1の効果として、取得された睡眠情報に基づいて、ユーザに所有させるためにユーザ情報と対応付けて記憶するゲームオブジェクトを決定する。同様にゲームの第2の効果として、取得された睡眠情報に基づいて、ゲームパラメータを決定し、前日までのゲームパラメータに加算処理を実行する。つまり、ケース1では、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報をそのまま用い、ゲームの効果を決定する。
【0059】
<ケース2:ユーザが睡眠計測を失念した場合>
ケース2は、例えば、ユーザによる睡眠開始の指示を入力取得部200が取得していないため(つまり、ユーザが睡眠計測を失念したため)に睡眠情報取得部204が睡眠情報の取得を開始していない場合である。この場合、ゲーム制御部210は、睡眠情報変更部206が生成する変更睡眠情報に基づいてゲームの第1の効果のみを決定する。具体的に、ゲームの第1の効果として、取得された睡眠情報に基づいて、ユーザに所有させるためにユーザ情報と対応付けて記憶するゲームオブジェクトを決定する。つまり、ケース2では、変更睡眠情報を用い、最低限のゲームの効果(少なくともケース1に比べてユーザにとって有利ではない効果)を決定する。
【0060】
<ケース3:睡眠計測が開始されユーザのディープスリープに入ったことを示す情報を睡眠情報取得部204が取得したものの、ゲームシステム1のクラッシュ等によりゲームシステム1が強制終了若しくは異常終了した場合>
この場合、ゲーム制御部210は、ケース2と同様に睡眠情報変更部206が生成する変更睡眠情報に基づいてゲームの第1の効果のみを決定する。ただし、ケース3の場合、ゲーム制御部210は、ケース3の場合における第1の効果を、ケース1における第1の効果に比べてユーザにとって有利ではない内容に設定し、ケース2の場合における第1の効果に比べてユーザにとって有利な効果である内容に設定する。
【0061】
なお、ゲーム制御部210は、睡眠情報変更部206が所定の条件に基づいて変更睡眠情報を生成した場合、第1の効果及び第2の効果とは異なる効果を決定してもよい。
【0062】
以下、ゲーム制御部210によるゲームの効果の決定の例を説明する。
【0063】
(ゲームの効果の決定の例1)
ゲーム制御部210は、睡眠情報取得部204が睡眠情報を取得した場合、睡眠情報に基づいてゲームの効果(第1の効果)を仮に決定すると共に、睡眠情報変更部206が変更睡眠情報を生成した場合、変更睡眠情報に基づいてゲームの効果(第2の効果)を仮に決定してよい。そして、ゲーム制御部210は出力制御部202に指示し、第1の効果と第2の効果とを出力部100に比較可能に出力してもよい。入力取得部200が入力部102を介して第1の効果と第2の効果とのいずれかを選択するユーザの選択指示を取得した場合、ゲーム制御部210は、ユーザが選択指示した側の効果をゲームの効果として正式に決定し、ゲームを進行することができる。
【0064】
(ゲームの効果の決定の例2)
ゲーム制御部210は、睡眠情報取得部204が睡眠情報を取得し、睡眠情報変更部206が変更睡眠情報を生成した場合、出力制御部202に指示し、睡眠情報及び変更睡眠情報を出力部100に出力してもよい。そして、入力取得部200が入力部102を介して睡眠情報と変更睡眠情報とのいずれかを選択するユーザの選択指示を取得した場合、ゲーム制御部210は、ユーザが選択指示した側の情報を用いてゲームの効果を決定してもよい。
【0065】
(ゲームの効果の決定の例3)
睡眠情報変更部206は、予め定められた条件が満たされた場合に、変更睡眠情報を生成可能にしてもよい。予め定められた条件とは、例えば、予め想定したエラーや予期せぬエラーの検出、所定のアイテムの消費指示のユーザからの受付等の条件である。これにより、所定の原因でゲームシステム1上は本来ありえないデータが検出された場合や、明らかなエラーが発生した場合において睡眠情報取得部204が適切な睡眠情報を取得できなかった場合でも、ゲーム制御部210は、変更睡眠情報を適切な睡眠情報として用い、ゲームの効果を決定できる。
【0066】
なお、睡眠情報変更部206が所定のアイテムの消費をユーザから受け付けた場合に変更睡眠情報の生成を可能にする場合、所定のアイテムはユーザが保有するアイテム(ゲーム内仮想通貨を含む)である。これにより、変更睡眠情報を生成可能な回数に制限が生じる。例えば、ユーザ情報格納部218に格納されているユーザの保有アイテム及び/又はユーザが保有しているゲーム内仮想通貨等の所定量の消費と引き換えに、睡眠情報変更部206は変更睡眠情報の生成を可能にしてよい。一例として、睡眠情報変更部206は、出力制御部202に指示し、所定のアイテム等の消費と引き換えに変更睡眠情報の生成を希望するか否かについてユーザからの操作入力を受け付けるボタン等を出力部100に出力させる。そして、入力部102を介して当該ボタンに対する操作入力を入力取得部200が取得した場合、睡眠情報変更部206は、変更睡眠情報の生成を可能にする。
【0067】
(ゲームの効果の決定の例4)
ゲーム制御部210は、変更睡眠情報に基づいて決定する効果を、睡眠情報(つまり、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報)に基づいて決定する効果とは異なる内容の効果として決定できる。例えば、ゲーム制御部210は、決定する効果としてユーザに対する報酬を決定できる。この場合にゲーム制御部210は、変更睡眠情報に基づいて決定する報酬を、睡眠情報に基づいて決定する報酬に比べ減少させてもよい。あるいは、ゲーム制御部210は、変更睡眠情報に基づいて決定する効果を、変更睡眠情報の内容に関わらず、一定の効果(例えば、睡眠情報としての睡眠時間の長さに応じて決定される報酬を、睡眠時間の長さにかかわらず、一定の報酬にする等)にすることもできる。
【0068】
(ゲームの効果の決定の例5)
ゲーム制御部210は、睡眠情報取得部204が取得する睡眠情報を、当該睡眠情報を取得した年月日に対応付けてユーザ情報格納部218に格納できる。ゲーム制御部210は、ユーザ情報格納部218に格納されている情報を参照し、睡眠情報の取得が連続している場合、連続していることを示す情報(典型的には、連続日数)に応じた所定の報酬をユーザに付与してもよい。そして、睡眠情報変更部206は、睡眠情報の取得の連続日数に応じて付与される所定の報酬の付与の停止若しくはリセット、又は報酬の減少を条件とし、変更睡眠情報の生成を可能にしてもよい。
【0069】
(ゲームの効果の決定の例6)
ゲーム制御部210は、睡眠情報若しくは変更睡眠情報に睡眠の質に関する情報が含まれている場合、睡眠の質に応じて異なるゲームの効果を決定してもよい。例えば、ゲーム制御部210は、睡眠の質に関する情報としてユーザが所定の基準に比べて深い睡眠をとったことを示す情報を含む場合と、ユーザが所定の基準に比べて浅い睡眠をとったことを示す情報を含む場合とで、ユーザに付与する報酬(例えば、キャラクタ、アイテム、ゲーム内仮想通貨等)を異ならせてもよい。これによりゲームシステム1によれば、ユーザの睡眠が深い場合と浅い場合とで異なる報酬をユーザに付与することができ、ゲーム展開のバリエーションを豊富にできる。
【0070】
(ゲームの効果の決定の例7)
睡眠情報取得部204が取得していない睡眠情報の少なくとも一部を含む変更睡眠情報を睡眠情報変更部206が生成した場合、睡眠情報取得部204が当該睡眠情報を仮に取得した場合の睡眠情報に基づいて決定されるゲームの効果と、当該変更睡眠情報に基づいて決定されるゲームの効果とを異ならせてもよい。例えば、睡眠情報取得部204が睡眠時間を取得していない場合に、睡眠情報変更部206がユーザの操作入力により睡眠時間の情報(一例として、x時間)を取得して、取得した睡眠時間の情報を含む変更睡眠情報を生成したとする。この場合、ゲーム制御部210は、睡眠情報取得部204が「x時間」のユーザの睡眠を仮に計測した場合に取得する睡眠情報に応じて決定するゲームの効果(第3の効果)と、ユーザの操作入力により取得した「x時間」の情報を含む変更睡眠情報に応じて決定するゲームの効果(第4の効果)とを異ならせることができる。例えば、第3の効果で決定されるユーザに付与する報酬に対し、第4の効果で決定されるユーザに付与する報酬を増減できる(典型的には、第4の効果で決定される報酬の方を少なくできる。)。
【0071】
(ゲームの効果の決定の例8)
ゲーム制御部210は、睡眠情報取得部204が睡眠情報を取得できなかった場合(例えば、ユーザが睡眠開始の指示をゲームシステム1に供給しなかった場合等)において、睡眠情報変更部206がユーザからの操作入力に基づいて変更睡眠情報を生成した場合、睡眠情報を取得できた場合における第1の効果とは異なる効果(第2の効果)を発生させる。第1の効果は、例えば、所定のキャラクタをユーザに付与する効果であってよく、第2の効果は第1の効果とは異なる効果である。例えば、第2の効果は所定のキャラクタの所定のパラメータを変更させる効果であってよい。一例としてキャラクタにはキャラクタの元気を示す「げんき」パラメータが対応付けられており、当該「げんき」パラメータは時間の経過等に伴い徐々に減少するパラメータである。第2の効果はこの「げんき」パラメータの一部若しくは全部を回復させる効果であってよい。
【0072】
(ゲームの効果の決定の例9)
ゲーム制御部210は、睡眠情報取得部204が睡眠情報の取得を開始したものの(例えば、ユーザが睡眠開始の指示をゲームシステム1に供給した場合等)、ゲームシステム1が強制終了した場合や異常終了した場合であって上記所定の条件を満たす場合、第1の効果及び第2の効果(例えば、上記「ゲームの効果の決定の例8」における効果)とは異なる効果を決定する。当該効果は、第1の効果及び/又は第2の効果と同程度、若しくは第1の効果及び/又は第2の効果以下の内容の効果であってよい。
【0073】
(睡眠情報確定部208)
睡眠情報確定部208は、ゲームの効果が正式に決定された後、睡眠情報若しくは変更睡眠情報の内容を確定する。すなわち、睡眠情報確定部208は、ゲーム制御部210においてゲームの効果が正式に決定された後(つまり、ゲームの効果が確定した後)、ゲーム制御部210からゲームの効果が正式に決定した旨の情報を受け取る。そして、睡眠情報確定部208は、睡眠情報変更部206に指示し、当該ゲームの効果の決定に用いられた睡眠情報若しくは変更睡眠情報の一部若しくはすべてについて更に修正及び/又は登録することを禁止させる。睡眠情報確定部208は、ユーザが睡眠を開始したと睡眠情報取得部204が次に判断するまで、この禁止処理を継続する。
【0074】
なお、睡眠情報確定部208は、ゲームの効果が正式に決定された後、予め定められた解禁条件を満たした場合に、当該禁止処理を停止してもよい。予め定められた解禁条件は、例えば、睡眠情報変更部206が変更睡眠情報を生成可能にする場合の予め定められた条件よりもユーザに負担がかかる条件であってよい。例えば変更睡眠情報を生成可能にする条件として、所定のアイテムの所定量(第1の量)の消費を要する場合、睡眠情報確定部208は、第1の量より多い量(第2の量)のアイテムの消費をユーザが指示した場合、この禁止処理を停止する。
【0075】
(格納ユニット216)
格納ユニット216は、ゲームシステム1に関連する各種情報を格納する。格納ユニット216が有する各格納部は、ゲームシステム1の他の構成要素からの要求に応じ、所定の情報を所定の構成要素に供給する。
【0076】
(格納ユニット216:ユーザ情報格納部218)
ユーザ情報格納部218は、ユーザを識別するユーザIDに対応付けて、ユーザ情報、ゲーム履歴情報、保有アイテムに関する情報、保有キャラクタに関する情報、及び/又は睡眠情報等を格納する。ユーザ情報としては、例えば、ユーザが設定する名称であるユーザ名、ログインID、パスワード、及び/又はユーザが保有するゲーム内仮想通貨に関する情報等が挙げられる。ユーザ情報は、ユーザが設定するアラームの時刻に関する情報を含んでいてもよい。ゲーム履歴情報としては、ユーザがゲームにおいて実行した操作入力(典型的には、未取得モードにおける操作入力)に関する情報が挙げられる。保有アイテムに関する情報としては、例えば、ユーザが保有しているゲームアイテムに関する情報が挙げられる。ゲームアイテムは、例えば、ゲーム制御部210がユーザの睡眠情報に基づいて抽選してユーザに付与したアイテムである。保有アイテムに関する情報は、各ゲームアイテムの種類及び数等の情報も含む。また、保有キャラクタに関する情報としては、ユーザがゲーム内で取得したキャラクタに関する情報が挙げられる。更に、睡眠情報としては、睡眠測定部11により測定されるユーザの睡眠に関する睡眠情報(睡眠情報を取得した連続計測日数を含む)が挙げられる。また、睡眠情報は、睡眠情報取得部204が睡眠情報を取得した日時に対応付けられていてもよい。例えば、ユーザ情報格納部218は、睡眠情報として、当該日時に対応付けてユーザの睡眠時間を睡眠履歴として格納できる。
【0077】
(格納ユニット216:ゲーム情報格納部220)
ゲーム情報格納部220は、ゲーム情報IDに対応付けて、ゲーム情報を格納する。ゲーム情報としては、ゲームに登場するキャラクタに関する情報、アイテムに関する情報、アイテムの抽選に関する情報、ゲーム内仮想通貨に関する情報、及び/又は所定の音声や音楽情報等の各種の情報が挙げられる。例えば、ゲーム情報としてキャラクタに関する情報をゲーム情報格納部220が格納する場合、ゲーム情報IDとしてのキャラクタIDに対応付けてゲーム情報としてのキャラクタ情報を格納する。他の各種情報についても同様に、各種情報のIDに対応付けて各種情報が格納される。
【0078】
[ゲームシステム1の処理の流れ]
図4は、本実施形態に係るゲームシステムにおける処理の流れの一例を示す。
【0079】
まず、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11の測定、若しくは入力部102を介して受け付けるユーザの睡眠開始の指示に基づいて、ユーザが睡眠を開始したか否かを判断する(ステップ10。以下、ステップを「S」と表す。)。ユーザが睡眠を開始していないと睡眠情報取得部204が判断した場合(S10のNo)、睡眠情報取得部204はユーザの睡眠開始まで睡眠情報の取得を待機する。一方、ユーザが睡眠を開始したと睡眠情報取得部204が判断した場合(S10のYes)、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11が測定するユーザの睡眠情報の取得を開始する(S12)。なお、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11が測定動作していない場合は睡眠測定部11による測定を開始させ、睡眠測定部11が常時測定している場合はユーザの睡眠の開始時点から睡眠測定部11が測定している睡眠情報の取得を開始する。
【0080】
そして、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11の測定、若しくは入力部102を介して受け付けるユーザの起床の指示に基づいて、ユーザが起床したか否かを判断する(S14)。ユーザが起床していないと睡眠情報取得部204が判断した場合(S14のNo)、睡眠情報取得部204は睡眠情報の取得を継続する。一方、ユーザが起床したと睡眠情報取得部204が判断した場合(S14のYes)、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11が測定するユーザの睡眠情報の取得を停止する(S16)。睡眠情報取得部204は取得した睡眠情報を出力制御部202、及びゲーム制御部210に供給する。
【0081】
出力制御部202は、受け取った睡眠情報の内容の少なくとも一部を出力部100に出力させる(S18)。例えば、出力制御部202は、睡眠情報としてのユーザの睡眠時間を出力部100に出力させる。そして、睡眠情報変更部206は、出力制御部202に指示し、睡眠情報の少なくとも一部の修正若しくは登録の要求/不要を受け付ける所定の操作子を出力部100に出力させる。入力取得部200が当該操作子に対する操作入力であって、入力部102を介して睡眠情報の少なくとも一部の修正若しくは登録の要求に対応する操作子に対する操作入力(以下、「手入力」という場合がある。)を受け付けた場合(S20のYes)、睡眠情報変更部206は、出力制御部202に指示し、修正若しくは登録の内容を受け付けるフォームを出力部100に出力させる。そして、睡眠情報変更部206は、入力取得部200が、入力部102を介して当該フォーム(以下、「手入力フォーム」という場合がある。)に対するユーザの入力内容を取得した場合、この入力内容に基づいて変更睡眠情報を生成する(S22)。続いて、ゲーム制御部210は、この変更睡眠情報に基づいてゲームの効果を正式に決定する(S24)。
【0082】
ここで、睡眠情報変更部206は、ユーザの入力内容として、最新の睡眠情報のみの入力を受け付ける。例えば、睡眠情報変更部206が、ユーザから睡眠開始時刻及び/又は起床時刻を手入力で受け付け、受け付けた入力に基づいて変更睡眠情報を生成するとする。この場合、睡眠情報変更部206は、入力部102を介して手入力を受け付けた時点を基準とし、当該基準から所定時間以内の日付及び時刻を睡眠開始時刻及び/又は起床時刻として受付可能にする。すなわち、睡眠情報変更部206は、当該所定時間を超える過去の日付及び時刻を睡眠開始時刻及び起床時刻として受付不可にする。また、睡眠情報変更部206は、手入力された睡眠開始時刻及び/又は起床時刻が、ユーザの過去の睡眠開始時刻及び/又は起床時刻と重複している場合も手入力を受け付け不可にする。これにより、睡眠情報変更部206は、手入力によってユーザが入力する睡眠に関する情報(睡眠開始の日時、及び/又は起床日時等の情報)を用いる場合であっても、既に取得されたユーザの睡眠情報の日付及び時刻と重複する日付及び時刻を指定できないようにして既に取得されたユーザの睡眠情報を新たな情報で上書きすることを防止できる。そして、ゲームの進行上、最新の日時におけるユーザの睡眠開始時刻及び起床時刻のみを手入力で受け付けることができる。
【0083】
なお、手入力を受け付けた時点からの所定時間は、ある日の睡眠計測の開始を失念していたこと等についてユーザが認識するタイミングが、当該ある日の翌日の就寝タイミングを超えても余裕をもって変更睡眠情報の入力が可能となる長さであってよい。例えば、所定時間は、30時間以内であってよい。
【0084】
また、睡眠情報変更部206は、出力部100に出力させる手入力フォームにおいて、ユーザが入力できる日付及び時刻を制限してもよい。具体的に、睡眠情報変更部206は、手入力フォームにおいてユーザが入力できる日付及び時刻を所定期間までさかのぼることを許可し、当該所定期間を超える過去の日付及び時刻を設定できないように入力可能な日付及び時刻を制限する。例えば、出力部100が出力する手入力フォームは、睡眠開始の日付として、手入力を受け付けた時点の日付(以下、「本日」という場合がある。)、本日より1日前、及び本日より2日前(ただし、手入力を受け付けた時点が午前4時付近の場合にのみ、2日前の選択肢を表示する。)からのみユーザが選択可能にする。また、手入力フォームは、睡眠開始の時刻が選択された後、起床時刻としては睡眠開始時刻から90分以上後であって、12時間以内からのみ選択可能にする。
【0085】
そして、睡眠情報変更部206は、手入力による情報が受け付け不可とされている情報である場合、出力制御部202に指示し、エラー情報を出力部100に出力させる。エラー情報としては、例えば、以下のエラー情報が挙げられる。
a)手入力しようとする睡眠開始時刻及び/又は起床時刻が、ユーザの過去の睡眠開始時刻及び/又は起床時刻と重複している場合のエラー情報の例。
・「最新の睡眠データではありません。」
・「この睡眠データは、既にある過去の睡眠データより前の時間帯を指定しているため、入力することができません。」
・「就寝日時の設定を見直してください。」
・「過去の睡眠データに重複しています。」
・「この睡眠データは、既にある過去の睡眠データの時間帯と被っているため、入力することができません。」
・「就寝日時と起床時刻の設定を見直してください。」
b)手入力しようとする睡眠開始時刻が手入力を受け付けた時点から所定時間を超える場合や、手入力しようとする睡眠開始時刻から起床時刻までの時間が所定時間未満の場合のエラー情報の例。
・「現在から30時間以上前の睡眠データです。」
・「現在から30時間以内に就寝した睡眠データのみ入力することができます。」
・「就寝日時の設定を見直してください。」
・「90分以上の睡眠時間が必要です。」
【0086】
睡眠情報変更部206が変更睡眠情報を生成した後、ゲーム制御部210が変更睡眠情報に基づいて正式に決定するゲームの効果としては、例えば、以下のような効果が挙げられる。
・ユーザが保有するキャラクタの所定のパラメータ(例えば、「げんき」パラメータ)を調整する効果。例えば、時間の経過等に伴い徐々に減少する「げんき」パラメータを回復させる効果である。これにより、ユーザが保有するキャラクタがゲーム内で活発に活動可能になる。
・ユーザからの任意のタイミングの入力指示に応じ、手入力された睡眠情報を出力部100に出力させる効果(つまり、実際に睡眠をした場合における睡眠情報と手入力された睡眠情報とを同等の情報として扱う効果。)。これにより、ユーザは手入力した睡眠情報によりゲーム内でどのような効果が発生するのか対応付けて確認できる。
・所定のアイテム(例えば、ユーザとキャラクタとの間の親密度に関するパラメータを増加させるアイテム)のユーザへの付与。これによりユーザは、付与されたアイテムをゲーム内で使うことができる。
・睡眠情報取得部204が取得するユーザの睡眠情報の抜け落ち防止の効果。つまり、睡眠情報を適切に測定できなかった場合であっても、適切な睡眠情報を入力できるので、ユーザの睡眠情報を毎日取得し、所定のゲームの効果を発生させるというゲームの継続性を担保することができる。
【0087】
一方、入力取得部200が当該操作子に対する操作入力であって、入力部102を介して睡眠情報の少なくとも一部の修正若しくは登録が不要であることに対応する操作子に対する操作入力を受け付けた場合(S20のNo)、ゲーム制御部210は、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報に基づいてゲームの効果を正式に決定する(S24)。そして、睡眠情報確定部208は、睡眠情報若しくは変更睡眠情報に基づいてゲームの効果が正式に決定された後、ユーザが次に再び睡眠を開始するまでは、ゲームの当該効果の決定に用いた睡眠情報若しくは変更睡眠情報の内容を確定し、これらの一部若しくはすべての修正及び/又は登録を禁止する(S26)。すなわち、睡眠情報確定部208は、ユーザが起床した日におけるゲームの効果が一度確定した後は、睡眠情報変更部206による当該効果の確定に用いた睡眠情報若しくは変更睡眠情報を再度修正した変更睡眠情報の生成を禁止する。これにより、適切ではない睡眠情報を用いた変更睡眠情報に基づくゲームの効果を確定させて報酬を取得した後、再度、睡眠情報を適切な内容に書き換える行為を防止できる。その後、再びS10以降の処理が繰り返される。
【0088】
なお、睡眠情報取得部204は、ユーザの睡眠の質を評価することもできる。そして、入力取得部200が睡眠情報の少なくとも一部の修正若しくは登録が不要であることに対応する操作子に対する操作入力を受け付けた場合、ゲーム制御部210は、当該睡眠の質も用いてゲームの効果を決定してもよい。一方、入力取得部200が手入力を受け付けた場合、ゲーム制御部210は、当該睡眠の質の評価が実行されていないので、睡眠の質については考慮しないか、睡眠の質には特徴がないとしてゲームの効果を決定してよい。
【0089】
[ゲームシステム1の処理の流れの変形例]
図5は、本実施形態に係るゲームシステムにおける処理の流れの変形例の一例を示す。なお、
図5において
図4におけるステップと同一番号のステップは、
図4と略同様のステップであるので、相違点を除き詳細な説明は省略する。
【0090】
S10~S22までは
図4で説明した処理の流れと同一の工程である。
図5の変形例においては、睡眠情報変更部206が変更睡眠情報を生成した後、睡眠情報に基づいて決定されるゲームの効果と、変更睡眠情報に基づいて決定されるゲームの効果とが比較可能に出力される(S30)。すなわち、ゲーム制御部210は、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報に基づくゲームの効果(第1の効果)を仮に決定すると共に、睡眠情報変更部206が生成した変更睡眠情報に基づくゲームの効果(第2の効果)を仮に決定する。そして、ゲーム制御部210は、出力制御部202に指示し、第1の効果と第2の効果とを比較可能に出力部100に出力させる。例えば、端末装置10の出力部100としての表示部に、第1の効果と第2の効果とを並べて表示させる。
【0091】
そして、ゲーム制御部210は、入力取得部200が入力部102を介して第1の効果と第2の効果とのいずれかを選択するユーザの選択指示を取得した場合(S32)、ユーザが選択指示した側の効果をゲームの効果として正式に決定し、ゲームを進行する(S34)。そして、睡眠情報確定部208は、睡眠情報若しくは変更睡眠情報に基づいてゲームの効果が正式に決定された後、ユーザが次に再び睡眠を開始するまでは、ゲームの当該効果の決定に用いた睡眠情報若しくは変更睡眠情報の内容を確定し、これらの一部若しくはすべての修正及び/又は登録を禁止する(S36)。その後、S10以降の処理が再び繰り返される。
【0092】
[ゲームシステム1の処理の流れの変形例2]
図6は、本実施形態に係るゲームシステムにおける処理の流れの変形例の一例を示す。なお、
図6において
図4におけるステップと同一番号のステップは、
図4と略同様のステップであるので、相違点を除き詳細な説明は省略する。
【0093】
まず、睡眠情報変更部206は、睡眠情報取得部204が睡眠情報を取得していない場合、例えば、ユーザによる睡眠開始の指示を入力取得部200が取得していないため、睡眠情報取得部204が睡眠情報を取得していない場合、ユーザによる睡眠開始の指示がないと判断する(S40)。そして、睡眠情報変更部206は、前回のユーザの起床時刻から所定時間経過したか否か判断する(S42)。この所定時間は、例えば、ユーザが起床してから次に就寝するまでの時間であって適宜設定するか、あるいはユーザのこれまでの起床時刻及び就寝時刻から算出される起床時刻から就寝時刻までの時間の平均値であってよい。睡眠情報変更部206は、所定時間が経過していないと判断した場合(S42のNo)、処理を待機する。一方、睡眠情報変更部206は、所定時間が経過していると判断した場合(S42のYes)、入力部102を介して入力取得部200が取得するユーザによる操作入力による睡眠情報を用い(S44のYes)、変更睡眠情報を生成する(S22)。一方、睡眠情報変更部206は、睡眠情報の入力指示がないと判断した場合(S44のNo)、S24へと移行する。ゲーム制御部210は、ユーザが入力した睡眠情報に基づいてゲームの効果を決定するか、睡眠情報がないことに基づいてゲームの効果を決定する(S24)。ユーザが入力した睡眠情報に基づいてゲーム制御部210が決定するゲームの効果は、睡眠情報取得部204が睡眠情報を取得した場合におけるゲームの効果よりもゲーム内における効果として低い効果であってよい。
【0094】
[ゲームシステム1の処理の流れの変形例3]
図7は、本実施形態に係るゲームシステムにおける処理の流れの変形例の一例を示す。なお、
図7において
図4におけるステップと同一番号のステップは、
図4と略同様のステップであるので、相違点を除き詳細な説明は省略する。
【0095】
S10~S12までは
図4で説明した処理の流れと同一の工程である。
図7の変形例においては、睡眠情報取得部204が睡眠情報の取得を開始した後、ゲームシステム1が強制終了した場合、若しくは異常終了した場合(S50のYes)、睡眠情報取得部204は睡眠情報の取得を停止する(S52)。一方、ゲームシステム1が強制終了及び異常終了しない場合、
図4におけるS14以降の工程が実行される。そして、睡眠情報変更部206は、所定の条件を満たす場合であって(S54のYes)、ユーザからの睡眠情報の変更指示がある場合(S20のYes)、変更睡眠情報を生成する(S22)。一方、睡眠情報変更部206は、所定の条件を満たさない場合(S54のNo)、S24へと移行する。なお、ゲーム制御部210は、睡眠情報変更部206が所定の条件に基づいて変更睡眠情報を生成した場合(S22)、第1の効果及び第2の効果とは異なる効果を決定できる(S24)。
【0096】
[ゲームプログラム]
図1~
図7に示した本実施形態に係るゲームシステム1が備える各構成要素は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)等の演算処理装置にプログラム(すなわち、ゲームプログラム)を実行させること、つまり、ソフトウェアによる処理により実現できる。また、集積回路(Integrated Circuit:IC)等の電子部品としてのハードウェアにプログラムを予め書き込むことで実現することもできる。なお、ソフトウェアとハードウェアとを併用することもできる。
【0097】
本実施形態に係るゲームプログラムは、例えば、ICやROM等に予め組み込むことができる。また、ゲームプログラムは、インストール可能な形式、又は実行可能な形式のファイルで、磁気記録媒体、光学記録媒体、半導体記録媒体等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録し、コンピュータプログラムとして提供することもできる。プログラムを格納している記録媒体は、CD-ROMやDVD等の非一過性の記録媒体であってよい。更に、ゲームプログラムを、インターネット等の通信ネットワークに接続されたコンピュータに予め格納させ、通信ネットワークを介してダウンロードによる提供ができるようにすることもできる。
【0098】
本実施形態に係るゲームプログラムは、CPU等に働きかけて、ゲームプログラムを、
図1~
図7にかけて説明した睡眠測定部11、出力部100、入力部102、入力面104、入力制御部106、入力取得部200、出力制御部202、睡眠情報取得部204、睡眠情報変更部206、睡眠情報確定部208、ゲーム制御部210、格納ユニット216、ユーザ情報格納部218、及びゲーム情報格納部220として機能させる。
【0099】
[実施の形態の効果]
本実施形態に係るゲームシステム1は、ユーザの睡眠情報を適切に取得できなかった場合であっても、ユーザが起床後に睡眠情報の少なくとも一部を適切な情報に変更できる。これにより、ゲームシステム1においては、睡眠測定部11等のエラー等により睡眠情報を取得できなかった場合や睡眠情報を取得する睡眠測定部11等の起動し忘れ等のユーザの不注意があった場合であっても、適切な睡眠情報を取得し、取得した睡眠情報に基づいてゲームの効果を決定できる。また、ゲームシステム1においては、ユーザが睡眠開始の指示をゲームシステム1に与えなかった場合やゲームシステム1が強制終了若しくは異常終了した場合であっても、ユーザが入力する睡眠情報に基づいてゲームの効果を決定できる。したがって、ゲームシステム1によれば、睡眠情報を適切に測定できなかった場合であっても、適切な睡眠情報を入力若しくは登録できるので、ゲームに対するユーザの満足感を向上させることができる。
【0100】
また、ゲームシステム1は、ユーザが睡眠情報の測定を失念等した場合やゲームシステム1が強制終了等した場合であっても手入力により変更睡眠情報を生成でき、この変更睡眠情報に基づいてユーザが保有するキャラクタの所定のパラメータを回復させることや所定のアイテムをユーザへ付与する等のゲーム効果を発生させることができる。ここで、ゲームシステム1においては、ユーザの睡眠情報を通常通り測定した場合における効果(効果1)と、ユーザが睡眠計測を失念した場合においてユーザの手入力により決定されるゲームの効果(効果2)と、ユーザがディープスリープに入ったにもかかわらずゲームシステム1がクラッシュ等して強制終了等した場合においてユーザの手入力により決定されるゲームの効果(効果3)とをそれぞれ異なる効果にすることができる。例えば、効果2を効果1に比べてユーザにとってゲームプレイで有利ではない効果にし、効果3を、効果1に比べてユーザにとって有利ではない内容にすると共に効果2に比べてユーザにとって有利な効果である内容に設定する。
【0101】
これにより、ゲームシステム1によれば、例えば、前日は睡眠情報の取得を忘れてしまったユーザが、翌日は睡眠情報の取得をしようとするモチベーションを維持・向上することができる。また、ゲームが強制終了や異常終了した場合であっても、引き続き睡眠情報の取得をしようとするモチベーションを維持できる。更に、手入力に基づくゲーム効果は、ユーザが睡眠測定を失念した場合、通常のゲームの実行に基づくゲーム効果より小さく、最低限のゲーム効果にすぎないので、手入力のみによるゲームの実行を抑制することもできる。そして、ゲームが強制終了等した場合の手入力に基づくゲーム効果は、通常のゲームの実行に基づくゲーム効果より小さいもののユーザが睡眠測定を失念した場合に比べて大きいので、ゲームの強制終了等によるユーザの失望感を抑制できる。
【0102】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組み合わせの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。更に、上記した実施形態の技術的要素は、単独で適用されてもよいし、プログラム部品とハードウェア部品とのような複数の部分に分割されて適用されるようにすることもできる。
【0103】
なお、本実施形態に係るゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム方法、ゲームサーバ、及びゲーム効果情報の生成方法は、特許請求の範囲と混同されるべきでない以下の付記項でも言及できる。
【0104】
(付記項1)
ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームを実行するゲームシステムであって、
センサによって取得される前記ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、
前記睡眠情報取得部が前記睡眠情報を取得していない場合において、前記ユーザの操作入力に基づいて前記睡眠情報とは異なる内容の変更睡眠情報を生成する睡眠情報変更部と、
前記睡眠情報取得部が前記睡眠情報を取得している場合、前記睡眠情報に基づいて前記ゲームの第1の効果を決定し、前記睡眠情報取得部が前記睡眠情報を取得していない場合、前記睡眠情報変更部が生成する前記変更睡眠情報に基づいて前記第1の効果とは異なる第2の効果を決定するゲーム制御部と
を備えるゲームシステム。
【符号の説明】
【0105】
1 ゲームシステム
10 端末装置
11 睡眠測定部
20 サーバ
80 通信ネットワーク
100 出力部
102 入力部
104 入力面
106 入力制御部
200 入力取得部
202 出力制御部
204 睡眠情報取得部
206 睡眠情報変更部
208 睡眠情報確定部
210 ゲーム制御部
216 格納ユニット
218 ユーザ情報格納部
220 ゲーム情報格納部
300 表示部
310、310a、310b 表示領域