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特開2024-17393情報処理方法、情報処理システム、プログラムおよび感染症に伴う外出制限による特典付与方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017393
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システム、プログラムおよび感染症に伴う外出制限による特典付与方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240201BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20240201BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240201BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/02 324
A63F13/69
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120007
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049CC18
(57)【要約】
【課題】種々の人々に興趣性の高い体験を提供する技術を提供すること。
【解決手段】本開示の一態様によれば、情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、次の各ステップを備える。取得ステップでは、ユーザにより指定された所定情報を、複数のユーザごとにそれぞれ取得する。所定情報は、イベントに出場または登場する複数のメンバのうちの少なくとも1人である所定メンバに関する情報である。所定メンバは、ユーザごとにそれぞれ任意に指定される。特定ステップでは、ユーザのイベントへの参加を示す第1情報と、所定メンバのイベントへの出場または登場の是非を示す第2情報とを特定する。付与ステップでは、第1情報および第2情報に基づいて、ユーザとユーザに指定された所定メンバとのうち少なくとも一方に特典を付与する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理方法であって、
次の各ステップを備え、
取得ステップでは、ユーザにより指定された所定情報を、複数のユーザごとにそれぞれ取得し、ここで
前記所定情報は、イベントに出場または登場する複数のメンバのうちの少なくとも1人である所定メンバに関する情報で、
前記所定メンバは、前記ユーザごとにそれぞれ任意に指定され、
特定ステップでは、前記ユーザの前記イベントへの参加を示す第1情報と、前記所定メンバの前記イベントへの出場または登場の是非を示す第2情報とを特定し、
付与ステップでは、前記第1情報および前記第2情報に基づいて、前記ユーザと前記ユーザに指定された前記所定メンバとのうち少なくとも一方に特典を付与する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記所定情報は、前記ユーザが所有する、前記メンバに関する物品を介して、生成された情報である、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理方法において、
さらに、集計ステップでは、各所定メンバを指定したユーザの数を前記所定メンバごとにそれぞれ集計し、
前記付与ステップでは、前記集計ステップの集計結果に基づいて、前記特典を可変に付与する、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記イベントは、現実空間および仮想空間の少なくとも一方で開催され、
前記第1情報は、前記現実空間での前記イベントへの参加と、前記仮想空間での前記イベントへの参加とを、区別可能に有する情報で、
前記付与ステップでは、前記現実空間での参加であるか前記仮想空間での参加であるかに応じて、前記特典を可変に付与する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記特定ステップでは、
前記イベントへの参加を許可する電子認証の結果と、
前記ユーザの位置を示す位置情報と、
前記ユーザの顔認証の結果と、
前記ユーザが前記イベントに持ち込んだ、前記メンバに関する物品と、
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1情報を特定する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第2情報は、前記メンバの前記イベントにおけるパフォーマンスに関する情報をさらに含み、
前記付与ステップでは、前記パフォーマンスに応じて、前記特典を可変に付与する、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理方法において、
前記第2情報に含まれる前記パフォーマンスに関する情報は、前記メンバの、
前記イベントへの出場または登場に関する種別と、
前記イベントでの活躍度合いと、
のうちの少なくとも一方を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第1情報は、前記ユーザの前記イベントにおける座席に関する情報をさらに含み、
前記付与ステップでは、前記座席の、位置または種別に応じて、前記特典を可変に付与する、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記付与ステップでは、前記ユーザに、前記イベントと関連付けられたゲームに関する前記特典を付与する、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記付与ステップでは、前記ユーザに指定された前記所定メンバに、仮想通貨とNFTが発行されたデジタル資産とのうちの少なくとも一方を、前記特典として付与する、方法。
【請求項11】
少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、
請求項1~10の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるように少なくとも1つのプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、もの。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理システムにおいて、
前記装置のうちの少なくとも1つは、日本国外に設置されている、もの。
【請求項13】
プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1~10の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、もの。
【請求項14】
感染症に伴う外出制限による特典付与方法であって、
次の各ステップを備え、
取得ステップでは、ユーザにより指定された所定情報を、複数のユーザごとにそれぞれ取得し、ここで
前記所定情報は、イベントに出場または登場する複数のメンバのうちの少なくとも1人である所定メンバに関する情報で、
前記所定メンバは、前記ユーザごとにそれぞれ任意に指定され、
特定ステップでは、前記ユーザの前記イベントへの参加予定を示す情報と、前記ユーザが感染症を患ったことを示す情報とを特定し、
付与ステップでは、前記特定ステップの結果、前記ユーザが感染症に基づく外出制限によって前記イベントに参加することができなかった場合に、前記ユーザと前記ユーザに指定された前記所定メンバとのうち少なくとも一方に特典を付与する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理システム、プログラムおよび感染症に伴う外出制限による特典付与方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、権利付与システムが開示されている。この権利付与システムにおいて、観戦権付与部は、チーム「X」が行う試合の観戦チケットをその定価に相当する額の対価と引き換えにユーザに付与し、試合結果特定部は、チーム「X」が行った過去の試合の中から、ユーザに観戦チケットが付与された試合の結果を特定し、ポイント付与部は、チーム「X」が行う試合の観戦チケットをユーザに付与する際、ユーザにポイントを付与する。ここにおいて、ポイント付与部は、試合結果特定部により特定された過去の試合結果に基づいて、ユーザに付与するポイント量を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-71744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記権利付与システムでは、ユーザが支持するチームの勝敗に応じて付与されるポイント量が制御されるものの、そもそも勝敗のないイベントや、チーム等の団体に所属する所定メンバを支持することについては考慮されていない。また、ユーザではなく所定メンバに対する興趣性については、いっさい考慮されていない。
【0005】
本開示では上記事情に鑑み、種々の人々に興趣性の高い体験を提供する技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、次の各ステップを備える。取得ステップでは、ユーザにより指定された所定情報を、複数のユーザごとにそれぞれ取得する。所定情報は、イベントに出場または登場する複数のメンバのうちの少なくとも1人である所定メンバに関する情報である。所定メンバは、ユーザごとにそれぞれ任意に指定される。特定ステップでは、ユーザのイベントへの参加を示す第1情報と、所定メンバのイベントへの出場または登場の是非を示す第2情報とを特定する。付与ステップでは、第1情報および第2情報に基づいて、ユーザとユーザに指定された所定メンバとのうち少なくとも一方に特典を付与する。
【0007】
本開示によれば、種々の人々に興趣性の高い体験を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。
図3】情報処理システム1によって実行される情報処理の概要を示すアクティビティ図である。
図4】グッズ(物品)の一例であるうちわ5を示す模式図であり、図4Aはうちわ5の一方面51a側、図4Bは一方面51aの裏面である他方面51b側を示している。
図5】所定選手(所定メンバ)を登録するユーザ登録画面6を示す模式図である。
図6】ユーザに関する情報のデータ構造であるユーザ情報テーブル7aの一例を示している。
図7】選手(メンバ)に関する情報のデータ構造である選手情報テーブル7bの一例を示している。
図8】コンサートイベントに出場または登場するアイドルユニット8を示す概念図である。
図9】NFTが発行されたデジタル資産の一例であるNFTトレーディングカード9の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2および複数のゲーム装置3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。
【0014】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。また、キャラクタは、オブジェクトの一例である。
【0015】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)等の家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)等の携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。
【0016】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2および複数のゲーム装置3にて構成される。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。なお、本実施形態において、システムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、例えば後述の情報処理装置2やゲーム装置3単体であっても情報処理システム1の一例となりうる。また、情報処理システム1に含まれる装置のうちの少なくとも1つは、日本国外に設置されていてもよい。
【0017】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0018】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0019】
2.1 ハードウェア構成
以下、図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0020】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0021】
通信部21は、インターネットおよびLAN等の通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータ等が挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報等が挙げられる。
【0022】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)等で構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データ等が記憶されている。
【0023】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リスト等を記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報等が、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベル等)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さ等を含む。
【0024】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0025】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理等が挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0026】
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)等が含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、情報処理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0027】
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0028】
通信部31は、ゲーム装置3と情報処理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求等が挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報等が挙げられる。
【0029】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報等が格納されている。なお、ユーザ情報は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0030】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0031】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャ等のデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作等に応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0032】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを操作することで、ゲーム装置3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード等の総称である。
【0033】
2.2 機能構成
<情報処理装置2>
続いて、図2を参照して、情報処理システム1の情報処理装置2における各機能構成について説明する。
【0034】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。図2に示されるように、制御部23(プロセッサ)は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、取得部231、管理部232、特定部233、集計部234、付与部235および表示制御部236として機能する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0035】
取得部231は、取得ステップとして、種々の情報を取得するように構成される。例えば、取得部231は、ユーザに関する情報、メンバに関する情報、ユーザからの入力等を、情報処理装置2の記憶部22から取得するか、または、ゲーム装置3もしくは他の外部装置から通信ネットワーク11を介して取得する。本実施形態では、取得部231が受け付けた種々の情報は、記憶部22に記憶されるものとして説明する。
【0036】
管理部232は、管理ステップとして、種々の情報を管理するように構成される。一例として、管理部232は、ユーザに関する情報およびメンバに関する情報を管理する。メンバとは、イベントに出場または登場する者であり、例えば、スポーツイベントまたはeスポーツイベントにおける選手等と、コンサートイベントにおけるアイドル歌手等とが、少なくともメンバに含まれる。
【0037】
特定部233は、種々の情報を特定するように構成される。具体的には、特定部233は、第1情報および第2情報を必要に応じて特定する。第1情報および第2情報の詳細については、次節以降で改めて説明する。
【0038】
集計部234は、集計ステップとして、各所定メンバを指定したユーザの数を所定メンバごとにそれぞれ集計する。所定メンバについては、次節以降で改めて説明する。
【0039】
付与部235は、付与ステップとして、ユーザおよびメンバの少なくとも一方に、種々の特典(または報酬)を付与するように構成される。特典とは、実空間または仮想空間においてユーザが享受することのできる、何らかの利益である。物や媒体に限らず、ユーザに与えられる有利な効果や権利等も含まれる。特典は、例えば、NFTが発行されたデジタル資産、仮想通貨、ゲーム内で使用可能なゲーム媒体、仮想空間内で使用可能なアイテム等である。また、ユーザに与えられる有利な効果は、通常時と比較してユーザに対する仮想空間における興趣を向上させるための効果を含む。換言すると、有利な効果は、ディスプレイ4aに特別な視覚演出を表示させる、画像の表示をリッチにさせる、特別なBGMや効果音を発生させる、入力デバイス4cに振動を付与する等、ユーザの五感を介して仮想空間の興趣を向上させるための効果を含む。また、権利とは、所定の抽選等に応募すること、または所定の抽選等を実行することを可能とする権利、現実空間にて開催される握手会やサイン会へのイベントやゲーム内イベント等に参加することができる権利、および先行予約や特別割引等の有利な権利を少なくとも含む。
【0040】
表示制御部236は、表示ステップとして、記憶部22または記憶部32に記憶された種々の情報またはこれらを含む画面等を、視認可能な態様でゲーム装置3のディスプレイ4aに表示させる。具体的には、表示制御部236は、画面、画像(例えば、静止画または動画)、アイコン、テキスト等といった、ヒトが視認可能な態様で生成された視覚情報そのものを生成してもよいし、例えばディスプレイ4aに視覚情報を表示させるためのレンダリング情報を生成し、これを通信ネットワーク11を介してゲーム装置3に送信するようにしてもよい。
【0041】
3.情報処理システム1の動作の流れ
3.1 情報処理の概要
本節では、情報処理システム1が実行する情報処理方法の流れについて、図3を用いて説明する。図3は、情報処理システム1によって実行される情報処理の概要を示すアクティビティ図である。ここでは一例として、氏名が「特許太郎」であるユーザが、eスポーツイベントに観覧客として参加する場合を例に、情報処理を説明する。このeスポーツイベントには、一例として8つのチームが出場するものとし、ユーザは、8つのチームのうちの1つである「ストーリーファイターズ」のファンであるとする。eスポーツは、例えば格闘ゲームに関する。また、ストーリーファイターズには3人の選手(メンバの一例)が所属しており、ユーザは、3人のうちの1人である「ジュンリー」選手を贔屓に応援しているものとする。
【0042】
まず、eスポーツのイベントが開催される前の、事前のユーザ登録について説明する。情報処理システム1において、情報処理装置2の管理部232は、メンバの一例である、各選手に関する情報(第2情報の一例)と、各選手を応援している各ユーザに関する情報(第1情報の一例)とをデータベースとして管理している(アクティビティA001)。例えば、選手に関する情報は、チームまたは選手を管理する管理者が予めデータを登録しておくことで、情報処理装置2の記憶部22に記憶された状態を実現することができる。また例えば、ユーザに関する情報は、各ユーザが指定のURLにアクセスしてユーザ登録の手続きをすることで、情報処理装置2の記憶部22に記憶された状態を実現することができる。
【0043】
アクティビティA001の状態において、氏名が「特許太郎」であるユーザが、自身が贔屓にしているチーム「ストーリーファイターズ」の選手である「ジュンリー」選手の応援するためのグッズを購入したとする。このグッズには二次元コードが付されており、例えばスマートフォン等のゲーム装置3がこれを読み取ることで、情報処理装置2の記憶部22に格納されているユーザ登録に関するウェブページへのアクセスを求めるリクエストが、ゲーム装置3から通信ネットワーク11を介して情報処理装置2に送信される(アクティビティA002)。
【0044】
続いて、情報処理装置2における取得部231が、送信されたリクエストを受け付け(アクティビティA003)、ゲーム装置3にユーザ登録に関するウェブページを表示させるための種々のデータが出力される。換言すると、表示制御部236がゲーム装置3のディスプレイ4aにウェブページを表示させる(アクティビティA004)。
【0045】
続いて、ユーザがウェブページを介して、ユーザ登録の手続きを行う。このとき、グッズのQRコード(登録商標)に、ユーザが贔屓にしている、「ストーリーファイターズ」と「ジュンリー」選手とに関する情報が含まれているとよい。かかる場合、ゲーム装置3がウェブページにアクセスした状態で、応援している、チームと選手とを入力する欄において、予め、「ストーリーファイターズ」と「ジュンリー」選手とに関する情報(所定情報IF0の一例)が入力されているとよい。このような態様により、「ジュンリー」選手が所定選手(所定メンバの一例)として指定される(アクティビティA005)。換言すると、所定情報IF0は、イベントに出場または登場する複数のメンバのうちの少なくとも1人である所定メンバに関する情報である。そして、所定メンバは、ユーザごとにそれぞれ任意に指定される。また、所定情報IF0は、ユーザが所有する、選手(メンバ)に関するグッズ(物品)を介して、生成された情報である。このような態様によれば、ユーザの趣味嗜好から、効率的にメンバの指定を行うことができる。
【0046】
続いて、情報処理装置2の記憶部22に記憶されている、所定情報IF0を含む、ユーザに関する情報が登録または更新される(アクティビティA006)。上記は、氏名が「特許太郎」であるユーザを例に説明しているが、より一般的には、取得部231は、取得ステップにおいて、ユーザにより指定された所定情報IF0を、複数のユーザごとにそれぞれ取得する。
【0047】
次に、eスポーツのイベントが開催された場合について説明する。ユーザは、このイベントの観覧を目的として参加をする。アクティビティA007~A009において、ゲーム装置3は、ユーザのイベントへの参加を示す情報(第1情報IF1の一例)を、通信ネットワーク11を介して情報処理装置2に送信する。
【0048】
好ましくは、イベントは、現実空間および仮想空間の少なくとも一方で開催される。より好ましくは、イベントは、現実空間と仮想空間とで並行して双方開催される。そこで、ユーザがイベントに参加するにあたって、ゲーム装置3は、ユーザのイベントへの参加形態に関する情報(第1情報IF1の一例)を、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2に送信する(アクティビティA007)。つまり、第1情報IF1は、現実空間でのイベントへの参加と、仮想空間でのイベントへの参加とを、区別可能に有する情報である。
【0049】
具体的には、現実空間でのイベント参加において、ユーザがイベントのチケットを購入し、このチケットに付された二次元コードがイベントの運営者が使用する読み取り機によって読み取られることで、情報処理装置2に情報が送信されうる。チケットは、紙媒体でもよいが、ゲーム装置3を介して提示可能な電子データがより好ましい。
【0050】
ゲーム装置3は、イベントへのグッズの持込を示す情報(第1情報IF1の一例)を、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2に送信する(アクティビティA008)。また、第1情報IF1は、ユーザのイベントにおける座席に関する情報をさらに含む。ゲーム装置3は、ユーザの座席に関する情報(第1情報IF1の一例)を、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2に送信する(アクティビティA009)。座席に関する情報は、種々の方法で情報処理装置2に送信されうる。例えば、席が予め決められている場合は、前述の参加態様に関する情報とともに座席に関する情報が送信されうる。自由席である場合は、イベントの会場に付された二次元コードがユーザのゲーム装置3に読み取られることで、情報処理装置2に情報が送信されうる。あるいは、ユーザが、ゲーム装置3を用いて専用のウェブページを介して座席番号を入力することで、情報処理装置2に情報が送信されうる。
【0051】
イベントの開催中には、選手に関する情報が逐次記録または更新される。より具体的には、ユーザが応援している所定選手のイベントでの活躍が情報として逐次記録または更新される(アクティビティA010)。活躍に関する情報には、eスポーツにおける、勝敗、試合時間、コンボ数等が含まれる。その間、ユーザは、自身が持ち込んだグッズを用いながら、自分が応援している所定選手を応援することとなる。このとき、情報処理装置2における特定部233は、特定ステップにおいて、ユーザのイベントへの参加を示す第1情報IF1と、所定選手(所定メンバ)のイベントへの出場または登場の是非を示す第2情報IF2とを特定している。なお、出願または登場の是非には、出場予定で出場した、出場予定で出場しなかった、出場しない予定であったが出場した、予定通り出場しなかった等の場合を含みうる。
【0052】
所定選手の出番が完了する、またはイベント自体が完了すると、特定部233は、ユーザとユーザに指定された所定選手(所定メンバ)とのうちの少なくとも一方に付与される特典の内容を特定する。特典は、第1情報および第2情報に基づいて、決定される(アクティビティA011)。具体的には、第1情報と第2情報との組み合わせごとに、付与する特典をまとめた不図示の参照情報が、情報処理装置2の記憶部22に記憶されている。かかる参照情報は、ルックアップテーブルでもよいが、予め第1情報と第2情報との関係を学習させた学習済みモデルとすることもできる。
【0053】
その後、付与部235は、付与ステップにおいて、第1情報IF1および第2情報IF2に基づいて、ユーザとユーザに指定された所定メンバとのうち少なくとも一方に特典を付与する。本実施形態では、ユーザおよび選手の双方に特典が付与されている。好ましくは、ユーザへの特典は、ゲームに関連する特典であり、これが記憶部22に記憶されたユーザに関する情報と関連付けられる。換言すると、付与部235は、付与ステップにおいて、ユーザに、イベントと関連付けられたゲームに関する特典を付与する(アクティビティA012)。ゲームに関する特典は、好ましくは、ユーザが指定した所定選手に関するゲーム媒体である。例えば、「ジュンリー」選手が試合中に着用していたコスチューム等の電子データである。このような態様によれば、ユーザの、イベントへの参加と、ゲームのプレイとの双方を促進することができる。また、選手(メンバ)への特典としては、仮想通貨が採用されうる。
【0054】
なお好ましくは、特典は、第1情報および第2情報に基づいて、可変に決定される。例えば、アクティビティA007で送信された参加形態(第1情報の一例)に基づき、付与部235は、付与ステップにおいて、現実空間での参加であるか仮想空間での参加であるかに応じて、特典を可変に付与する。例えば、現実空間での参加を積極的に促したい場合に、仮想空間でイベントに参加したユーザよりも、現実空間でイベントに参加したユーザに、より良い特典が付与されるとよい。また逆に、仮想空間での参加を積極的に促したい場合に、現実空間でイベントに参加したユーザよりも、仮想空間でイベントに参加したユーザに、より良い特典が付与されうる。このような態様によれば、現実空間だけでなく仮想空間上でのイベントの参加も促進され、より興趣性を高めることができる。
【0055】
例えば、アクティビティA008に関連し、グッズをイベント会場に実際に持ち込んだ場合に、より良い特典が付与されるように実施することもできる。
【0056】
例えば、アクティビティA009で送信された座席に関する情報(第1情報の一例)に基づき、付与部235は、付与ステップにおいて、座席の、位置または種別に応じて、特典を可変に付与する。例えば、よりグレードの高い座席を取得しているユーザに、より良い特典が付与されうる。例えば、シーズンシートの座席を取得しているユーザに、より良い特典が付与されうる。例えば、同じ所定選手(所定メンバ)を指定しているユーザどうしが集まる座席エリアにユーザが位置している場合に、より良い特典が付与されうる。グレードとは例えばSS席>S席>A席>B席の順に高くなる座席区分のことであり、イベント主催者等により設定される。一般的にグレードが高い席ほど購入時の金額が高くなる。このような態様によれば、ユーザの座席に応じて特典を付与することができ、より興趣性を高めることができる。
【0057】
以上をまとめると、情報処理システム1は、少なくとも1つの装置からなる情報処理システム1である。情報処理システム1では、情報処理方法の各ステップがなされるように少なくとも1つのプログラムを実行可能な、少なくとも1つの制御部23(プロセッサ)を備える。少なくとも1つの装置の一例は、情報処理装置2である。プログラムは、少なくとも1つのコンピュータに、情報処理方法の各ステップを実行させる。
【0058】
具体的には、取得部231は、取得ステップにおいて、ユーザにより指定された所定情報IF0を、複数のユーザごとにそれぞれ取得する。所定情報IF0は、イベントに出場または登場する複数のメンバのうちの少なくとも1人である所定メンバに関する情報である。所定メンバは、ユーザごとにそれぞれ任意に指定される。特定部233は、特定ステップにおいて、ユーザのイベントへの参加を示す第1情報IF1と、所定メンバのイベントへの出場または登場の是非を示す第2情報IF2とを特定する。付与部235は、付与ステップにおいて、第1情報IF1および第2情報IF2に基づいて、ユーザとユーザに指定された所定メンバとのうち少なくとも一方に特典を付与する。
【0059】
このような態様によれば、種々の人々に興趣性の高い体験を提供する技術を提供することができる。とくに、ユーザだけではなく、選手(メンバ)にも特典が付与されることで、興趣性をより高くすることができる。特に、第1情報IF1および第2情報IF2に基づいて、可変に特典を付与することで、興趣性をより高くすることができる。
【0060】
3.2 情報処理の詳細
上記概説された情報処理の詳細部分を、図を用いて説明する。
【0061】
<グッズの一例>
図4は、グッズ(物品)の一例であるうちわ5を示す模式図であり、図4Aはうちわ5の一方面51a側、図4Bは一方面51aの裏面である他方面51b側を示している。うちわ5は、アタマ51と、アタマ51に接続された柄54とを備える。アタマ51はごく薄く平板状をなし、アタマ51の一方面51aには、二次元コードの一例であるQRコード(登録商標)52が印刷されている。ユーザは、ゲーム装置3にQRコード(登録商標)52を読み込ませることができる(図3におけるアクティビティA002)。
【0062】
一方、アタマ51の他方面51bには、所定メンバの写真(印刷53)が印刷されている。本例では、3.1節において、特許太郎というユーザが応援している、「ストーリーファイターズ」の「ジュンリー」選手が印刷されている。ユーザは、うちわ5をイベントの会場に持ち込み、出場または登場している選手等のメンバを応援することができる。
【0063】
<所定メンバの登録画面>
図5は、所定選手(所定メンバ)を登録するユーザ登録画面6を示す模式図である。ユーザ登録画面6は、情報処理装置2における記憶部22に記憶されたウェブページを、ゲーム装置3のディスプレイ4aが表示した画面である。ゲーム装置3がうちわ5(グッズまたは物品の一例)に付されたQRコード(登録商標)52を読み取ることで、ゲーム装置3のディスプレイ4aにユーザ登録画面6が表示される。ユーザ登録画面6は、リスト61と、リスト62と、ボタン63とを備えている。
【0064】
リスト61の上方には、「あなたが応援しているチーム」と記載されている。すなわち、リスト61は、複数のチームのうち、ユーザが応援しているチームを選択可能なリストである。リスト61には、「モンスターハンティングス」、「ロッキーマンズ」、「バイオデンジャラス」、「ストーリーファイターズ」、「魔界街と愉快な仲間たち」、「逆上裁判ズ」、「兄武者軍」および「カピコンオールスターズ」が含まれている。図5においては、選択ボタン61xが押下され、「ストーリーファイターズ」が選択されている。選択ボタン61xは、他のチームに係る選択ボタンと択一的に選択可能に構成されている。
【0065】
リスト62の上方には、「あなたが応援している選手(複数選択可)」と記載されている。すなわち、リスト62は、複数の選手(メンバ)のうち、ユーザが応援している選手を選択可能なリストである。リスト62には、「リョウ」、「ゲイル」および「ジュンリー」が含まれている。図5においては、チェックボックス62yにチェックが入り、「ジュンリー」が選択されている。チェックボックス62yは、選択ボタン61xとは異なり、他の選手に係るチェックボックスのチェックの有無に限らず選択可能に構成されている。
【0066】
リスト61およびリスト62の選択が完了したあとに、ボタン63がユーザに押下されることで、ユーザ登録画面6から他の画面に遷移される。他の画面は特に限定されず、例えば、ユーザの他の情報を入力するための画面等が適宜表示されるとよい。他の情報には、ユーザの氏名、年齢、性別等が含まれうる。なお、3.1節でも述べた通り、二次元コードの一例であるQRコード(登録商標)52が読み取られてユーザ登録画面6が表示される態様である場合は、リスト61およびリスト62の選択が予めなされていることが好ましい。
【0067】
<ユーザ情報テーブル>
図6は、ユーザに関する情報のデータ構造であるユーザ情報テーブル7aの一例を示している。ユーザ情報テーブル7aは、情報処理装置2の記憶部22に記憶され、イベントに参加する、複数のユーザを管理している。ユーザIDは、ユーザを識別するための識別子である。氏名、年齢および性別は、各ユーザの氏名、年齢および性別である。
【0068】
応援しているチームは、各ユーザが応援しているチームであり、例えば、図5に示されるユーザ登録画面6を介して、各ユーザによって指定されたチームが情報として格納されている。応援している選手(メンバ)は、各ユーザが応援している選手(メンバ)であり、例えば、図5に示されるユーザ登録画面6を介して、各ユーザによって指定された選手(メンバ)が情報として格納されている。参加態様は、3.1節でも説明したイベントへの参加態様であり、不参加を示す空値、来場(現実空間の一例)およびメタバース(仮想空間の一例)の3値を有する。
【0069】
登録グッズは、ユーザによりQRコード(登録商標)52が読み出されたグッズ(物品)であり、QRコード(登録商標)52にグッズの識別子が含まれるとよい。このような態様により、QRコード(登録商標)52が読み取られてユーザ登録がなされると、登録グッズがユーザ情報テーブル7aに追加される。登録グッズは、例えば、うちわ5等に例示される「うちわ」や「Tシャツ」等が含まれうる。持込フラグは、登録グッズがイベントの会場に持ち込まれたか否かを示す情報であり、TRUEおよびFALSEの2値を有する。登録フラグの切替は、ユーザがイベントの会場でゲーム装置3にQRコード(登録商標)52を読み取らせることで行えるとよい。なお、ユーザがイベントの会場にいるかいないかは、参加態様の情報から明らかである。メタバース等の仮想空間を介して参加している場合は、そのグッズに対応する、NFTが発行された電子データがあると好ましい。かかる電子データがユーザに関連付けられた状態で、仮想空間におけるイベントの会場にユーザが立ち入ることで、持込フラグがTRUEとなる。
【0070】
未受信の付与特典は、イベントの参加後に付与された、ゲームに関する特典のうち、ユーザが受信していない特典である。ゲームを管理するサーバは、情報処理装置2と別体である形態が想定され、記憶部22に記憶されるユーザ情報テーブル7aでは、付与された特典が、ユーザがプレイするゲームに関連付けられたかどうかを管理している。ユーザによって、未受信の付与特典がゲームに関連付けられると、ユーザ情報テーブル7aからその特典の項目が削除される。
【0071】
一例として、ユーザIDが000001である特許太郎を参照する。特許太郎は、年齢が42歳の男性であり、応援しているチームは、「ストーリーファイターズ」、応援している選手は、「ジュンリー」選手である。また開催されたイベントには、現実に来場しており、登録グッズであるうちわ5をイベントの会場に持ち込んでいる。また、未受信の付与特典である「ガチャ10連チャン」が関連付けられている。
【0072】
<選手情報テーブル>
図7は、選手(メンバ)に関する情報のデータ構造である選手情報テーブル7bの一例を示している。選手情報テーブル7bは、情報処理装置2の記憶部22に記憶され、eスポーツのイベントに出場または登場する選手(メンバ)を管理している。選手IDは、選手を識別するための識別子である。名前、年齢および性別は、各ユーザの名前、年齢および性別である。
【0073】
所属チームは、各選手が所属しているチームである。チーム戦績(ログ)は、チームのeスポーツの戦績である。個人戦績(ログ)は、各選手のeスポーツの戦績である。出場フラグは、各選手がイベントに出場しているか否かを示す情報で、TRUEおよびFALSEの2値を有する。
【0074】
試合時間は、出場したeスポーツ、例えば格闘ゲームの試合での試合時間である。本例では、試合時間に1つの情報が格納されているが、複数の情報が格納されるように実施してもよい。コンボ数は、格闘ゲームにおける、攻撃の連続ヒット数を示すパラメータであり、自然数の値を有する。今日の結果は、試合の勝敗を示しており、「勝」および「敗」の2値を有する。
【0075】
ウォレット情報は、各選手が有する仮想通貨のウォレットアドレスの情報である。特典が仮想通貨である場合、選手のウォレット情報が読み出されて、仮想通貨の取引が実行される。好ましくは、かかる取引は、ブロックチェーン上に格納されたスマートコントラクトの仕組みにより自動的になされる。付与される仮想通貨の金額は、イベントの収益金に対する所定の割合に相当する金額が想定される。
【0076】
一例として、選手IDが100003であるジュンリーを参照する。ジュンリーは、年齢が19歳の女性であり、所属チームは、「ストーリーファイターズ」、チーム戦績は8勝2敗であり、個人戦績は4勝6敗である。また、開催されたeスポーツのイベントに出場しており、試合時間40秒、コンボ数25で相手の選手に勝利している。また、ウォレット情報は、ウォレットCである。
【0077】
ユーザ情報テーブル7aに例示される情報が、第1情報IF1の一例であり、選手情報テーブル7bに例示される情報が、第2情報IF2の一例である。ユーザおよび選手(メンバ)の少なくとも一方に付与される特典は、このような第1情報IF1および第2情報IF2に基づいて、決定される。
【0078】
出場しているか否か、チーム戦績、個人戦績、試合時間、コンボ数および今日の結果は、選手(メンバ)のパフォーマンスの一例である。すなわち、第2情報IF2は、選手(メンバ)のイベントにおけるパフォーマンスに関する情報をさらに含む。より詳細には、第2情報IF2に含まれるパフォーマンスに関する情報は、選手(メンバ)の、イベントへの出場または登場に関する種別と、イベントでの活躍度合いと、のうちの少なくとも一方を含む。付与部235は、付与ステップにおいて、パフォーマンスに応じて、特典を可変に付与する。例えば、チームの戦績や個人戦績が良いほど、より良い特典が付与されうる。例えば、試合時間が短いほど、より良い特典が付与されうる。例えば、コンボ数が多いほど、より良い特典が付与されうる。今日の結果が「勝」であれば、「敗」の場合に比べて、より良い特典が付与されうる。このような態様によれば、メンバのパフォーマンスに応じて特典を付与することができ、より興趣性を高めることができる。
【0079】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0080】
第1情報に含まれる、参加形態に関する情報は、前述のチケットの読み取りに限定されず、種々の方法で情報処理装置2に送信されてよい。例えば、ユーザの位置情報、好ましくはGPSによる緯度経度情報が用いられてもよいし、ユーザの顔を予め情報処理装置2における記憶部22に記憶させておいた上で、来場の際に画像処理技術に基づく顔認証が実施される等生体情報を利用した認証が実施されてもよい。また、例えば、ユーザがイベントに持ち込んだグッズに付された二次元コードがイベントの運営者が使用する読み取り機によって読み取られることを契機として、参加態様に関する情報が情報処理装置2に情報が送信されてもよい。つまり、特定部233は、特定ステップにおいて、イベントへの参加を許可する電子認証の結果と、ユーザの位置を示す位置情報と、ユーザの顔認証の結果と、ユーザがイベントに持ち込んだ、メンバに関する物品と、のうちの少なくとも1つに基づいて、第1情報IF1を特定する。なお、読み取り方法は近距離無線通信やグッズ自体の画像認識を利用する等様々な方法を採用することができる。このような態様によれば、容易に第1情報を特定することができる。
【0081】
好ましくは、集計部234は、集計ステップにおいて、各所定メンバを指定したユーザの数を所定メンバごとにそれぞれ集計してもよい。そして、付与部235が、付与ステップにおいて、集計ステップの集計結果に基づいて、特典を可変に付与してもよい。具体的には、「ストーリーファイターズ」に所属する「ジュンリー」選手を、所定選手(所定メンバ)として指定したユーザの数が多ければ多いほど、ユーザや「ジュンリー」選手に良い特典が付与されうる。このような態様によれば、ユーザに指定される、メンバの人気度合い等に応じて特典を付与することができ、より興趣性を高めることができる。
【0082】
また、集計部234による人数の集計に際して、人数集計の補正が行われてもよい。例えば、種々の条件に応じてユーザ1人であっても、これを0.1~5人換算とする等、適当な重み付けを行うようにしてもよい。具体的には例えば、0.1,0.2,0.3,0.4,0.5,0.6,0.7,0.8,0.9,1,1.1,1.2,1.3,1.4,1.5,1.6,1.7,1.8,1.9,2,2.1,2.2,2.3,2.4,2.5,2.6,2.7,2.8,2.9,3,3.1,3.2,3.3,3.4,3.5,3.6,3.7,3.8,3.9,4,4.1,4.2,4.3,4.4,4.5,4.6,4.7,4.8,4.9,5人への換算が行われてよく、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0083】
出場または登場の是非に関連し、出場または登場予定であったメンバが出場または登場しなかった場合に、このメンバを所定メンバとして応援しているユーザにお詫びの意味も込めて、より良い特典が付与されるように実施してもよいし、前述の人数集計の補正が行われてもよい。例えば、出場または登場しなかったメンバが受け取る可能性があった特典を、ユーザに分配するように実施してもよい。あるいは、出場予定で出場した、出場予定で出場しなかった、出場しない予定であったが出場した、予定通り出場しなかった等、それぞれの場合ごとに特典が変更されるように実施してもよい。さらに、出場または登場予定であったメンバが出場または登場しなかった理由に基づいて、特典が変化するように実施してもよい。かかる理由には、怪我または体調不良等による理由と、出場停止または活動中止による理由と、他チームまたは他ユニットへの移籍と、退団または脱退等による理由とが、少なくとも含まれる。
【0084】
図6における「未受信の付与特典」に代えて、ゲームのアカウントがユーザ情報テーブル7aに格納されてもよい。かかる場合、ゲームのアカウントが予め連携されていることで、自動的に付与された特典がゲームに関連付けられるとよい。あるいは、ユーザの、ゲームのアカウントを管理するデータベース(不図示)と、ユーザ情報テーブル7aとが同一のデータ構造として構成されていてもよい。
【0085】
前述の実施形態では、eスポーツのイベントを例示したが、eスポーツに代えて、サッカーや野球等のスポーツのイベントや、アイドルのコンサートイベントにおいて、情報処理システム1が実施されてもよい。以下、アイドルのコンサートイベントを補足的に例示する。
【0086】
図8は、コンサートイベントに出場または登場するアイドルユニット8を示す概念図である。アイドルユニット8は、メンバ81、メンバ82、メンバ83およびメンバ84が所属する、「アイドルクラブひまわり組」と呼ばれるユニットである。メンバ81はHarumi、メンバ82はMiho、メンバ83はNoriko、メンバ84はMakiである。特に、センターを飾っているNorikoや、Makiに高い人気が集まっているとする。
【0087】
前述の実施形態では、所定メンバの一例である所定選手に、特典として仮想通貨が付与される例を説明したが、仮想通貨に代えて、NFTが発行されたデジタル資産が特典として付与されてもよい。図9は、NFTが発行されたデジタル資産の一例であるNFTトレーディングカード9の模式図である。NFTトレーディングカード9は、NFTによって仮想空間内で唯一性が担保された電子データである。一例では、NFTトレーディングカード9は、Maki(メンバ84)のカードである。
【0088】
NFTトレーディングカード9には、2022/07/13という発行日情報91が記されている。また、NFTトレーディングカード9の領域92には、Maki(メンバ84)の写真ポートフォリオが描画されている。このポートフォリオは、特典に係るコンサートイベントでの写真等が採用されうる。また、NFTトレーディングカード9は、メッセージ93を含んでいる。メッセージ93は、「来てくれてありがとう!これからも私のこと応援してねv」等が例示される。このような態様によれば、特にMakiを支持しているユーザの所有欲を刺激すると考えられる。このようなデジタル資産には、現実空間における物品と同様に市場的価値がつけられるため、特典を得たMaki(メンバ84)が、NFTトレーディングカード9を市場において販売するか、または投機目的で保持するかが考えられる。これに関連し、図3のアクティビティA013において、所定選手(所定メンバ)に付与される特典を、仮想通貨に代えて、その所定選手の試合でのハイライト動画としてもよい。好ましくは、ハイライト動画は、所定選手にフォーカスした映像であり、さらに好ましくは、所定選手のパフォーマンスに応じたシーンの映像である。例えば、サッカーの試合であれば、所定選手がゴールを決めたシーンがハイライト動画として生成されうる。このようなハイライト動画にもNFTを発行しておくことで、上記のNFTトレーディングカード9と同様の取り扱いが可能となる。
【0089】
換言すると、付与部235は、付与ステップにおいて、ユーザに指定された所定メンバに、仮想通貨とNFTが発行されたデジタル資産とのうちの少なくとも一方を、特典として付与する。このような態様によれば、メンバに金銭的価値を提供することができ、イベントでのパフォーマンスに対する向上意欲を沸かせることができる。
【0090】
また、前述の実施形態では、イベントにおけるパフォーマンスの例として、出場しているか否か、チーム戦績、個人戦績、試合時間、コンボ数および今日の結果を例示したが、これらとともに、またはこれらに代えて、他の例が採用されてもよい。例えば、イベントが野球の試合であった場合、パフォーマンスとしては、スターティングメンバであったか、ベンチスタートであったか、ヒットの数、ホームランの数、失策の数、投手の自責点、投球数、被安打数、失点数、四死球数等のパラメータ、完投したか、完全試合であるか等が適宜採用されうる。例えば、イベントがサッカーの試合であった場合、パフォーマンスとしては、スターティングメンバであったか、ベンチスタートであったか、シュートの数、ゴールの数、ハットトリックの達成、ファウルの数、パス成功率、走行距離、スプリント回数、チャンスメイク数、退場(イエローカードやレッドカード)の有無、出場時間、ボール保持率等が適宜採用されうる。例えば、イベントがアイドルのコンサートイベントであった場合、パフォーマンスとしては、出演演目数、曲数、名前をコールされた回数、演目における立ち位置、各メンバのソロパート数、声量、ダンスの量、消費カロリー、中継カメラに単独で映された時間、ユーザが持ち込んだグッズの数、投げキッスまたは視線を送ることを少なくとも含むファンサービス行動等が適宜採用されうる。
【0091】
これらパフォーマンスに関する情報は、イベントの中継映像からAI等を含む画像処理技術を基盤として、自動的に取得されてもよいし、外部のサーバから情報が発信されるイベントの運営者が提供するデータやニュースサイト等の記載に基づいて、自動的に取得されてもよいし、情報処理装置2を管理する管理者が逐次入力するようにしてもよい。
【0092】
ユーザによって指定される所定メンバは、1人でもよいし、複数でもよい。また、ユーザが、チームやユニット等に所属するメンバ全員を所定メンバとして指定可能に実施してもよい。チームやユニット等に所属するメンバの一部から構成される小ユニットに所属するメンバ全員を所定メンバとして指定可能に実施してもよい。例えば、アイドルユニット8(アイドルクラブひまわり組)に所属する4人のうち、Noriko(メンバ83)と、Maki(メンバ84)とからなる小ユニットがあってもよく、ユーザが、Noriko(メンバ83)とMaki(メンバ84)の2人を所定メンバとして指定することができる。チームやユニット等のメンバ全員を指定する場合または小ユニットのメンバ全員を指定する場合に、特典の内容が良い方向に加味されてもよいし、前述の人数集計の補正が行われてもよい。
【0093】
公式ファンクラブに加入している等、チームやメンバに関する所定の条件を満たすユーザに対して、より良い特典が付与されるようにしてもよいし、集計人数の補正が行われてもよい。すなわち、公式ファンクラブに加入していること等を示す情報が、第1情報に含まれるとよい。また、公式ファンクラブには属性があり、ゴールド会員、シルバー会員、ブロンズ会員、キッズ会員や、入会口数に応じて、付与される特典が異なってもよいし、人数集計について補正が行われてもよい。
【0094】
集計部234による人数集計と、第1情報に含まれる、ユーザの座席の情報とに関連し、イベントの会場における席が所定割合以上埋まっていた場合に、応援するチームやメンバに関係なく、特典をより良いものにしてもよいし、前述の集計人数の補正が行われてもよい。所定割合は、例えば50~100%であり、具体的には例えば、50,55,60,65,70,75,80,85,90,95,100%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。なお、野球であれば一塁側またはライトスタンド、サッカーであればホームチーム側やゴール裏等特定の区分の席が所定割合以上埋まっていた場合に、応援するチームやメンバに関係なく、特典をより良いものにしてもよいし、前述の集計人数の補正が行われてもよい。
【0095】
仮想空間でのイベント無しに、現実空間だけのイベントが実施されてもよい。逆に、現実空間でのイベント無しに、仮想空間だけのイベントが実施されてもよい。どちらの場合であっても、第1情報および第2情報に基づいて、ユーザおよびメンバの少なくとも一方に特典が付与される。
【0096】
前述の実施形態では、所定メンバの出番が完了する、またはイベント自体が完了すると、特定部233が特典の内容を特定する例を示したが、これ以外のタイミングで特典の内容が特定されてもよい。例えば、各メンバが出場または登場した時点、イベントが開催された時点、所定メンバの試合中や出演中の連続的な時間のうちの一時点等のタイミングで、特典の内容が特定されてもよい。
【0097】
イベントが、野球やサッカー等のホームとアウェイとの概念を有するスポーツである場合、ホームチームまたはアウェイチームに係るユーザまたはメンバに対してのみ、特典が与えられるように実施してもよい。あるいは、ホームチームに係るユーザまたはメンバと、アウェイチームに係るユーザまたはメンバとに対して、特典の内容が異なるものとしてもよいし、少なくとも一方に前述の人数集計の補正が行われてもよい。例えば、アウェイチームを応援するユーザは、遠方から来場している可能性が高いため、かかるユーザにはホームチームの会場に来場する場合に比べて特典を良くしてもよい。
【0098】
天気や気温等の当日の気候の情報に応じて、特典の内容が可変であってもよい。気候の情報は、気象庁のサーバ等が発信しているデータ等を情報処理装置2が通信ネットワーク11を介して受信することで、取得することができる。かかる場合、第1情報、第2情報および気候情報に基づいて、ユーザおよびメンバの少なくとも一方に特典が付与される。具体的には、猛暑日、真冬日、雨天等、外出の妨げが想定される条件では、特典の内容をより良いものとしてもよいし、前述の集計人数の補正がなされてもよい。
【0099】
ユーザが所定の理由により、イベントに参加することができなかった場合に、特典が付与されるように実施してもよい。かかる理由には、ウイルス感染等による外出制限に基づく理由と、体調不良または怪我等による理由と、渋滞または公共交通機関の遅延等による理由と、天候不順または災害等による理由とが、少なくとも含まれる。特に、ウイルス感染等による外出制限に基づく理由である場合、通常通り、イベントに参加する場合に比べてより良い特典が付与されてもよい。例えば、イベントの一部などの映像や画像等が特典として付与されてもよい。なお、ウイルス感染しているか否かは、特定のアプリ等と連携することで判別可能であり、感染した旨の証明を必要としてもよい。換言すると、感染症に伴う外出制限による特典付与方法が提供されるとよい。この特典付与方法は、次の各ステップを備える。取得ステップでは、ユーザにより指定された所定情報を、複数のユーザごとにそれぞれ取得する。所定情報は、イベントに出場または登場する複数のメンバのうちの少なくとも1人である所定メンバに関する情報である。所定メンバは、ユーザごとにそれぞれ任意に指定される。特定ステップでは、ユーザのイベントへの参加予定を示す情報と、ユーザが感染症を患ったことを示す情報とを特定する。付与ステップでは、特定ステップの結果、ユーザが感染症に基づく外出制限によってイベントに参加することができなかった場合に、ユーザとユーザに指定された所定メンバとのうち少なくとも一方に特典を付与する。このような態様によれば、ユーザが感染症にかかってイベントに参加することができなかった場合にも、このようなユーザや、そのユーザが指定する所定メンバに特典を付与して、慰謝することができる。また、好ましくは、通常であればメンバに付与されるか、またはメンバが既に所持しているNFT等の特典を優先的に獲得可能な権利が、外出制限によりイベント会場に行けなかったユーザに対して付与されてもよい。
【0100】
第2情報がメンバのイベントにおけるパフォーマンスに関する情報を含む例を説明したが、第1情報がユーザのイベントにおける応援のパフォーマンスに関する情報を含むように実施してもよい。このような応援のパフォーマンスには、声援のボリュームと、コールの回数、好ましくは所定メンバに関するコールの回数と、感染症が流行している状況下でいかに声を出さずに応援したかと、立って応援していた時間と、飛び跳ねた回数と、うちわやペンライト等を振った回数と、一緒に歌うまたは踊ることとが、少なくとも含まれる。このような応援のパフォーマンスに応じて、特典の内容が可変であってもよいし、前述の集計人数の補正がなされてもよい。
【0101】
前述の実施形態におけるeスポーツのルールがより複雑であってもよい。またルールに応じて、第2情報に含まれる情報が選択されるとよい。例えば、前述の例では、1チーム3人の選手が所属しているが、さらに1人の選手が補欠(リザーブ)として所属していてもよいし、単なる勝敗だけではなく、3人の選手が登場する順番や組合せに応じて、異なる勝ち点等が付与されるルールが実施されてもよい。具体的には、「先鋒中堅大将の総当たり戦」、「大将は重みがあって勝つと20点、他は10点」、「20点同士を取り合った場合、決定戦をやって勝ったほう5点入る」等が挙げられる。すなわち、「補欠の選手が出場して勝利した回数」と、「大将に選ばれた回数」と、「大将戦で勝った回数」と、「決定戦に選ばれた回数」と、「決定戦に勝った回数」とが、少なくとも第2情報に含まれうる。また、このような情報に応じて、特典の内容を可変としてもよいし、前述の集計人数の補正がなされてもよい。
【0102】
上記の例で説明した種々の情報が、情報処理装置2の記憶部22だけでなく、他の外部装置に分散的に記憶されていてもよい。かかる場合、ブロックチェーン等を基盤とした分散台帳管理がなされていてもよい。
【0103】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0104】
(1)情報処理方法であって、次の各ステップを備え、取得ステップでは、ユーザにより指定された所定情報を、複数のユーザごとにそれぞれ取得し、ここで前記所定情報は、イベントに出場または登場する複数のメンバのうちの少なくとも1人である所定メンバに関する情報で、前記所定メンバは、前記ユーザごとにそれぞれ任意に指定され、特定ステップでは、前記ユーザの前記イベントへの参加を示す第1情報と、前記所定メンバの前記イベントへの出場または登場の是非を示す第2情報とを特定し、付与ステップでは、前記第1情報および前記第2情報に基づいて、前記ユーザと前記ユーザに指定された前記所定メンバとのうち少なくとも一方に特典を付与する、方法。
【0105】
このような態様によれば、種々の人々に興趣性の高い体験を提供する技術を提供することができる。
【0106】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法において、前記所定情報は、前記ユーザが所有する、前記メンバに関する物品を介して、生成された情報である、方法。
【0107】
このような態様によれば、ユーザの趣味嗜好から、効率的にメンバの指定を行うことができる。
【0108】
(3)上記(1)または(2)に記載の情報処理方法において、さらに、集計ステップでは、各所定メンバを指定したユーザの数を前記所定メンバごとにそれぞれ集計し、前記付与ステップでは、前記集計ステップの集計結果に基づいて、前記特典を可変に付与する、方法。
【0109】
このような態様によれば、ユーザに指定される、メンバの人気度合い等に応じて特典を付与することができ、より興趣性を高めることができる。
【0110】
(4)上記(1)~(3)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記イベントは、現実空間および仮想空間の少なくとも一方で開催され、前記第1情報は、前記現実空間での前記イベントへの参加と、前記仮想空間での前記イベントへの参加とを、区別可能に有する情報で、前記付与ステップでは、前記現実空間での参加であるか前記仮想空間での参加であるかに応じて、前記特典を可変に付与する、方法。
【0111】
このような態様によれば、現実空間だけでなく仮想空間上でのイベントの参加も促進され、より興趣性を高めることができる。
【0112】
(5)上記(1)~(4)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記特定ステップでは、前記イベントへの参加を許可する電子認証の結果と、前記ユーザの位置を示す位置情報と、前記ユーザの顔認証の結果と、前記ユーザが前記イベントに持ち込んだ、前記メンバに関する物品と、のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1情報を特定する、方法。
【0113】
このような態様によれば、容易に第1情報を特定することができる。
【0114】
(6)上記(1)~(5)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記第2情報は、前記メンバの前記イベントにおけるパフォーマンスに関する情報をさらに含み、前記付与ステップでは、前記パフォーマンスに応じて、前記特典を可変に付与する、方法。
【0115】
このような態様によれば、メンバのパフォーマンスに応じて特典を付与することができ、より興趣性を高めることができる。
【0116】
(7)上記(6)に記載の情報処理方法において、前記第2情報に含まれる前記パフォーマンスに関する情報は、前記メンバの、前記イベントへの出場または登場に関する種別と、前記イベントでの活躍度合いと、のうちの少なくとも一方を含む、方法。
【0117】
このような態様によれば、メンバのパフォーマンスという情報がより詳細に規定され、これらに応じて特典を付与することができ、より興趣性を高めることができる。
【0118】
(8)上記(1)~(7)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記第1情報は、前記ユーザの前記イベントにおける座席に関する情報をさらに含み、前記付与ステップでは、前記座席の、位置または種別に応じて、前記特典を可変に付与する、方法。
【0119】
このような態様によれば、ユーザの座席に応じて特典を付与することができ、より興趣性を高めることができる。
【0120】
(9)上記(1)~(8)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記付与ステップでは、前記ユーザに、前記イベントと関連付けられたゲームに関する前記特典を付与する、方法。
【0121】
このような態様によれば、ユーザの、イベントへの参加と、ゲームのプレイとの双方を促進することができる。
【0122】
(10)上記(1)~(9)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記付与ステップでは、前記ユーザに指定された前記所定メンバに、仮想通貨とNFTが発行されたデジタル資産とのうちの少なくとも一方を、前記特典として付与する、方法。
【0123】
このような態様によれば、メンバに金銭的価値を提供することができ、イベントでのパフォーマンスに対する向上意欲を沸かせることができる。
【0124】
(11)少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、上記(1)~(10)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるように少なくとも1つのプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、もの。
【0125】
このような態様によれば、メンバに金銭的価値を提供することができ、イベントでのパフォーマンスに対する向上意欲を沸かせることができる。
【0126】
(12)上記(11)に記載の情報処理システムにおいて、前記装置のうちの少なくとも1つは、日本国外に設置されている、もの。
【0127】
このような態様によれば、様々な管理形態によって、種々の人々に興趣性の高い体験を提供する技術を提供することができる。
【0128】
(13)プログラムであって、少なくとも1つのコンピュータに、上記(1)~(10)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、もの。
【0129】
このような態様によれば、種々の人々に興趣性の高い体験を提供する技術を提供することができる。
【0130】
(14)感染症に伴う外出制限による特典付与方法であって、次の各ステップを備え、取得ステップでは、ユーザにより指定された所定情報を、複数のユーザごとにそれぞれ取得し、ここで前記所定情報は、イベントに出場または登場する複数のメンバのうちの少なくとも1人である所定メンバに関する情報で、前記所定メンバは、前記ユーザごとにそれぞれ任意に指定され、特定ステップでは、前記ユーザの前記イベントへの参加予定を示す情報と、前記ユーザが感染症を患ったことを示す情報とを特定し、付与ステップでは、前記特定ステップの結果、前記ユーザが感染症に基づく外出制限によって前記イベントに参加することができなかった場合に、前記ユーザと前記ユーザに指定された前記所定メンバとのうち少なくとも一方に特典を付与する、方法。
【0131】
このような態様によれば、ユーザが感染症にかかってイベントに参加することができなかった場合にも、このようなユーザや、そのユーザが指定する所定メンバに特典を付与して、慰謝することができる。
もちろん、この限りではない。
【0132】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0133】
1 :情報処理システム
11 :通信ネットワーク
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
231 :表示制御部
232 :管理部
233 :特定部
234 :集計部
235 :付与部
236 :表示制御部
3 :ゲーム装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34a :グラフィック処理部
34b :オーディオ処理部
34c :操作部
4a :ディスプレイ
4b :スピーカ
4c :入力デバイス
5 :うちわ
51 :アタマ
51a :一方面
51b :他方面
53 :印刷
54 :柄
6 :ユーザ登録画面
61 :リスト
61x :選択ボタン
62 :リスト
62y :チェックボックス
63 :ボタン
7a :ユーザ情報テーブル
7b :選手情報テーブル
8 :アイドルユニット
81 :メンバ
82 :メンバ
83 :メンバ
84 :メンバ
9 :NFTトレーディングカード
91 :発行日情報
92 :領域
93 :メッセージ
IF0 :所定情報
IF1 :第1情報
IF2 :第2情報
図1
図2
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