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特開2024-173948携帯端末の制御プログラムおよび制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173948
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】携帯端末の制御プログラムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20241206BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20241206BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20241206BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/0488
G06F3/12 323
G06F3/12 304
G06F3/12 385
G06F3/12 353
H04N1/00 350
H04N1/00 127B
H04N1/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024161589
(22)【出願日】2024-09-19
(62)【分割の表示】P 2023096851の分割
【原出願日】2019-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】佐枝 政夫
(72)【発明者】
【氏名】永田 義典
(72)【発明者】
【氏名】新居 由佳子
(72)【発明者】
【氏名】山村 実穂
(72)【発明者】
【氏名】香月 美智子
(72)【発明者】
【氏名】近藤 真幸
(57)【要約】
【課題】 情報処理装置を遠隔操作することができる携帯端末の操作性の向上を図ることができる。
【解決手段】 情報処理システム(10)は、情報処理装置の一例である画像形成装置(12)およびユーザ端末(14)を含む。画像形成装置と、ユーザ端末とは、無線通信等によって直接的に通信可能に接続される。操作対象の情報処理装置を遠隔操作する機能を選択するための機能選択キーの画像と情報処理装置に所定の動作を開始させるための第1のスタートキー(184、186)の画像を有する第1操作画面(260)をユーザ端末のディスプレイ(154)に表示し、その第1操作画面への入力操作に応じた操作指示を情報処理装置に送信し、そして所定のユーザ操作に応じて、機能選択キーの画像を有さず、情報処理装置に所定の動作を開始させるための第2のスタートキー(266)の画像を有する第2操作画面(262)をディスプレイに表示する。
【選択図】 図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ、前記ディスプレイに設けられるタッチパネルおよび情報処理装置と通信する通信部を備える携帯端末の制御部によって実行される制御プログラムであって、前記制御プログラムは、前記制御部に、
操作対象の前記情報処理装置の機能を選択するための機能選択キーを示す画像を有する第1遠隔操作画面を前記ディスプレイに表示させ、
所定のユーザ操作に応じて、前記情報処理装置に所定の動作を開始させるためのスタートキーを示す画像を有する第1操作領域を前記ディスプレイの長手方向の一方端部に表示させる、制御プログラム。
【請求項2】
前記制御部に、前記第1遠隔操作画面を表示させるとき、コピージョブに関する機能であるカラー設定、原稿の向き、用紙選択、両面コピー、倍率、コピー濃度およびページ集約のいずれかの設定を行うための機能選択キーを示す画像を有する前記第1遠隔操作画面を表示させる、請求項1記載の制御プログラム。
【請求項3】
前記制御部に、終了キーが操作されると遠隔操作の機能を終了させる、請求項1または2記載の制御プログラム。
【請求項4】
前記制御部に、前記情報処理装置の入力装置で実行できない使用不能機能が存在する場合、前記使用不能機能に相当する機能選択キーを示す画像を含まない前記第1遠隔操作画面を表示させる、請求項1ないし3のいずれかに記載の制御プログラム。
【請求項5】
前記制御部に、前記第1操作画面を表示させるとき、および前記第1操作領域を表示させるとき、ソフトウェアキータイプの入力装置に対応した操作画面、ハードキータイプの入力装置に対応した操作画面および併用タイプの入力装置に対応した操作画面のいずれかを有する前記第1操作画面および前記第2操作画面を表示させる、請求項1ないし4のいずれかに記載の制御プログラム。
【請求項6】
ディスプレイ、前記ディスプレイに設けられるタッチパネルおよび情報処理装置と通信する通信部を備える携帯端末の制御方法であって、
操作対象の前記情報処理装置の機能を選択するための機能選択キーを示す画像を有する第1遠隔操作画面を前記ディスプレイに表示し、
所定のユーザ操作に応じて、前記情報処理装置に所定の動作を開始させるためのスタートキーを示す画像を有する第1操作領域を前記ディスプレイの長手方向の一方端部に表示する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末の制御プログラムおよび制御方法に関し、特にたとえば、情報処理装置を遠隔操作することができる、携帯端末の制御プログラムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の背景技術の一例が特許文献1に開示される。背景技術の画像形成装置の遠隔操作用の携帯端末は、画像形成装置の遠隔操作に供される際、その画像形成装置の機種とは異なる標準機種の操作画面プログラムを実行して標準機種の操作画面を表示し、この操作画面に対するユーザの入力操作に応じてコマンドを生成し、そのコマンドを画像形成装置へ送信する。ただし、携帯端末に表示される標準機種の操作画面では、標準機種の操作画面に含まれる操作キーのうち、操作対象である画像形成装置の操作画面に含まれる操作キーのいずれにも対応しないキーが無効化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-228872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背景技術の画像形成装置の遠隔操作用の携帯端末では、操作対象である画像形成装置の操作画面に含まれる操作キーのうち、携帯端末に表示される標準機種の操作画面に含まれる操作キーのいずれにも対応しないキー、つまり、画像形成装置で実行可能な操作キーであって、携帯端末用の操作画面で実行できない操作キーについては表示されない。すなわち、背景技術の画像形成装置の遠隔操作用の携帯端末では、画像形成装置で実行可能な操作キーの一部については利用することができないという問題があり、操作性について改善の余地がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、携帯端末の制御プログラムおよび制御方法を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、操作性の向上を図ることができる、携帯端末の制御プログラムおよび制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の実施例は、ディスプレイ、ディスプレイに設けられるタッチパネルおよび情報処理装置と通信する通信部を備える携帯端末の制御部によって実行される制御プログラムであって、制御プログラムは、制御部に、操作対象の情報処理装置の機能を選択するための機能選択キーを示す画像を有する第1遠隔操作画面をディスプレイに表示させ、所定のユーザ操作に応じて、情報処理装置に所定の動作を開始させるためのスタートキーを示す画像を有する第1操作領域をディスプレイの長手方向の一方端部に表示させる、制御プログラムである。
【0008】
第1の実施例では、携帯端末(14:実施例において対応する部分を例示するが、限定を意図しない参照符号。以下、同様。)は、ディスプレイ(154)、ディスプレイに設けられるタッチパネル(152)および情報処理装置(12)と通信する通信部(150)を備え、その制御部(142、148)が、制御プログラムに従って、操作対象の情報処理装置(12)の機能を選択するための機能選択キーを示す画像(242、248)を有する第1遠隔操作画面(260)をディスプレイ(154)に表示させる。制御部(142、148)は、さらに、所定のユーザ操作に応じて、情報処理装置(12)に所定の動作を開始させるためのスタートキーを示す画像(266)を有する第1操作領域(262)をディスプレイ(154)の長手方向の一方端部に表示させる。
【0009】
第1の実施例によれば、第1操作領域に表示されるスタートキーを示す画像を操作しても情報処理装置に所定の動作を開始させることができる。
【0010】
第2の実施例は、第1の実施例に従属する制御プログラムであって、制御部に、第1遠隔操作画面を表示させるとき、コピージョブに関する機能であるカラー設定、原稿の向き、用紙選択、両面コピー、倍率、コピー濃度およびページ集約のいずれかの設定を行うための機能選択キーを示す画像を有する第1遠隔操作画面を表示させる。
【0011】
第3の実施例は、第1または第2の実施例に従属する制御プログラムであって、制御部に、終了キーが操作されると遠隔操作の機能を終了させる。
【0012】
第4の実施例は、第1ないし第3の実施例のいずれかに従属する制御プログラムであって、制御部に、情報処理装置の入力装置で実行できない使用不能機能が存在する場合、使用不能機能に相当する機能選択キーを示す画像を含まない第1遠隔操作画面を表示させる。
【0013】
第5の実施例は、第4の実施例に従属する制御プログラムであって、制御部に、第1操作画面を表示させるとき、および第1操作領域を表示させるとき、ソフトウェアキータイプの入力装置に対応した操作画面、ハードキータイプの入力装置に対応した操作画面および併用タイプの入力装置に対応した操作画面のいずれかを有する第1操作画面および第2操作画面を表示させる。
【0014】
第6の実施例は、ディスプレイ、ディスプレイに設けられるタッチパネルおよび情報処理装置と通信する通信部を備える携帯端末の制御方法であって、操作対象の情報処理装置の機能を選択するための機能選択キーを示す画像を有する第1遠隔操作画面をディスプレイに表示し、所定のユーザ操作に応じて、情報処理装置に所定の動作を開始させるためのスタートキーを示す画像を有する第1操作領域をディスプレイの長手方向の一方端部に表示する、制御方法。
【0015】
第6の実施例によっても、第1の実施例と同様の効果が期待できる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、機能・操作方法の違う複数の情報処理装置を携帯端末で、遠隔操作することにより、操作性の向上を図ることができる。
【0017】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1はこの発明の情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2図1に示す画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図3図3図1に示すユーザ端末の電気的な構成を示すブロック図である。
図4図4は画像形成装置のホーム画面の一例を示す図解図である。
図5図5は画像形成装置のコピー設定画面の一例を示す図解図である。
図6図6はユーザ端末の選択画面の一例を示す図解図である。
図7図7はユーザ端末の第1遠隔操作画面の一例を示す図解図である。
図8図8はユーザ端末の第2遠隔操作画面の一例を示す図解図である。
図9図9はユーザ端末の第2遠隔操作画面の他の例を示す図解図である。
図10図10はユーザ端末の第2遠隔操作画面の他の例を示す図解図である。
図11図11図1に示す画像形成装置のRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
図12図12図1に示すユーザ端末のRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
図13図13はユーザ端末のCPUの遠隔操作処理の一例の一部を示すフロー図である。
図14図14は遠隔操作処理の一部であって、図13に後続するフロー図である。
図15図15は第2実施例の第2遠隔操作画面の一例を示す図解図である。
図16図16は第2実施例の第2遠隔操作画面の他の例を示す図解図である。
図17図17は第2実施例の遠隔操作処理の一例の一部を示すフロー図である。
図18図18は第3実施例の遠隔操作処理の一例の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施例]
図1はこの発明の情報処理システム10の構成の一例を示す図である。図1を参照して、この発明の第1実施例である情報処理システム10は画像形成装置12およびユーザ端末(携帯端末)14を含む。詳細は後述するが、画像形成装置12とユーザ端末14とは、無線通信等によって直接的に通信可能に接続される。
【0020】
なお、図1では、一台の画像形成装置12および一台のユーザ端末14を示してあるが、画像形成装置12およびユーザ端末14は二台以上であってもよい。
【0021】
画像形成装置12は、ユーザ端末14の通信対象となる情報処理装置の一例であり、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ(FAX)機能などを有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。なお、この発明は複合機だけでなく、複写機(コピー機)、印刷装置(プリンタ)、ファクシミリおよび画像読取装置(スキャナ)のような他の情報処理装置にも適用可能である。
【0022】
図2図1に示す画像形成装置12の電気的な構成を示すブロック図である。図2を参照して、画像形成装置12はCPU122を含む。CPU122には、バス120を介して、RAM124、入力制御回路126、表示制御回路128、画像形成部134、画像読取部136、通信部138および記憶部118が接続される。また、入力制御回路126には入力装置130が接続され、表示制御回路128にはディスプレイ132が接続される。
【0023】
CPU122は、画像形成装置12の全体的な制御を司る。RAM124は、CPU122のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
【0024】
記憶部118は、画像形成装置12の主記憶装置であって、HDDおよびEPPROMのような不揮発性メモリが用いられる。記憶部118には、CPU122が画像形成装置12の各部位の動作を制御するための制御プログラムについてのデータ、各種の画面についての画像(表示画像)のデータおよび制御プログラムの実行に必要なデータ等を記憶する。なお、記憶部118が、RAM124を含むように構成されてもよい。これらのことは、後述するユーザ端末14の記憶部156も同様である。
【0025】
入力装置130は、画像形成装置12への入力操作を受け付けるためのものであり、たとえばタッチパネルを含む。タッチパネルは、汎用のタッチパネルであり、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。また、タッチパネルは、ディスプレイ132の表示面上に設けられても良いし、ディスプレイ132とは別に設けられてもよい。ただし、タッチパネルがディスプレイ132と一体的に形成されたタッチディスプレイが設けられてもよい。タッチパネルがディスプレイ132の表示面上に設けられる場合、ディスプレイ132には、各種のボタンやアイコンなどのソフトウェアキー(操作キー)を含むGUI(Graphical User Interface:グラフィカルユーザインタフェース)が表示される。この場合、GUI(操作画面)を介して入力操作を受け付ける。また、入力装置130には、タッチパネルに代えて、またはこれに加えてハードウェアの操作ボタン(ハードウェアキー)が含まれても良い。
【0026】
なお、ソフトウェアキーとは、たとえばディスプレイ132の表示面にソフトウェア的に再現されたキーまたはアイコンのことを言う。これに対して、ハードウェアキーとは、物理的な装置として設けられたキーまたは押しボタンのことを言う。
【0027】
入力制御回路126は、入力装置130への入力操作に応じた操作信号ないし操作データをCPU122に出力する。また、入力制御回路126は、入力装置130にタッチパネルが含まれる場合には、タッチパネルに必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネルのタッチ有効範囲内でのタッチ操作(タッチ入力)を検出して、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU122に出力する。また、入力制御回路126は、入力装置130にハードウェアキーが含まれる場合には、ハードウェアキーの操作に応じた操作信号ないし操作データをCPU122に出力する。
【0028】
表示制御回路128は、GPUおよびVRAMなどを含み、CPU122の指示の下、GPUは、RAM124に記憶された画像生成データ304b(図11参照)を用いてディスプレイ132に種々の操作画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイ132に出力する。ディスプレイ132には、画像形成装置12が実行可能な各種のジョブから所望のジョブを選択するための画面であるホーム画面160(図4参照)等の操作画面が表示される。ただし、この第1実施例では、ジョブは、スキャン、コピー(原稿のスキャンを含む)およびファクス(FAX)などを意味する。ディスプレイ132としては、LCD(Liquid Crystal Display)またはEL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを用いることができる。
【0029】
画像形成部(印刷装置)134は、汎用のレーザプリンタであり、感光体、帯電器、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置などを備え、画像処理回路で処理された印刷データに対応する画像を記録紙(用紙)などに印刷する。ただし、画像形成部134は、レーザプリンタに代えて、インクジェットプリンタで構成されてもよい。
【0030】
なお、詳細な説明は省略するが、画像形成部134は、カラーのプリント機能を備えており、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色について、感光体、帯電器および現像装置等を含む画像形成ステーションが構成される。
【0031】
画像読取部136は、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える。この画像読取部136は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度および色度が検出され、原稿表面の画像に基づく読取画像データが生成される。
【0032】
通信部138は、有線通信回路または無線通信回路を含む。有線通信回路は、Ethernet(登録商標)等の公知の通信規格に準拠した有線通信を行うための回路であり、インターネットなどのネットワークを介して外部のコンピュータとの間で通信データの送受信処理を行う。無線通信回路は、WiFiなどの無線通信を行うための回路であり、アンテナが接続される。この無線通信回路は、IEEE 802.11等の公知の通信規格に準拠した無線通信方式に基づき、WiFiなどの無線通信を使用して、外部のコンピュータとの間で送受信される通信データの送受信処理を行う。また、通信部138は、無線通信を使用して、ユーザ端末14との間で送受される通信データの送受信処理を行う。なお、画像形成装置12はインターネットのようなネットワークに接続されていてもよい。この場合、通信部138は、ネットワークを介して、外部のコンピュータとの間で送受される通信データの送受信処理を行う。
【0033】
なお、図2に示す画像形成装置12の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。たとえば、画像形成装置12には、他の入力手段として、ハードウェアのキーボードが接続されたりすることがある。
【0034】
ユーザ端末14は、たとえば、汎用のスマートフォン、フューチャーフォンまたはタブレットPCなどの持ち運びが可能な携帯型(可搬型)の端末(携帯端末)であり、たとえば通話機能、電子メール機能、ブラウザ機能などの様々な機能を備える。
【0035】
図3図1に示すユーザ端末14の電気的な構成を示すブロック図である。図3を参照して、第1実施例のユーザ端末14はCPU142を含む。CPU142には、バス140を介してRAM144、タッチパネル制御回路146、表示制御回路148、無線通信部150および記憶部156が接続される。また、タッチパネル制御回路146にはタッチパネル152が接続され、表示制御回路148にはディスプレイ154が接続される。
【0036】
CPU142は、ユーザ端末14の全体的な制御を司る。RAM144は、CPU142のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
【0037】
タッチパネル制御回路146は、タッチパネル152に必要な電圧などを付与するとともに、タッチ入力が検出されると、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU142に出力する。
【0038】
表示制御回路148は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU142の指示の下、GPUは、RAM144に記憶された画像生成データ324b(図12参照)を用いてディスプレイ154に種々の画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイ154に出力する。
【0039】
無線通信部150は、無線通信回路等を含み、公知の通信規格に準拠した無線通信方式に基づき、画像形成装置12との間で送受信される通信データの送受信処理を行う。
【0040】
なお、図3に示すユーザ端末14の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。たとえば、ユーザ端末14には、他の入力手段として、ハードウェアの操作ボタンが設けられることがある。また、図3では、簡単のため、通話等に関するコンポーネントは省略してある。
【0041】
以下、図4および図5を参照して情報処理システム10の基本的な動作例を説明する。画像形成装置12の主電源がオンされて、各機能を実行可能な待機状態にある場合、画像形成装置12のディスプレイ132には、図4に示すようなホーム画面160が表示される。ホーム画面160は、上述したように、各種のジョブを選択するための画面であり、操作画面の一例である。このホーム画面160には、コピー、ファクスおよびスキャンなどの各ジョブを選択するための複数の操作キー(選択キー)162の画像が設けられる(表示される)。
【0042】
ホーム画面160において選択キー162がタッチ(操作)された場合、操作された選択キー162に割り当てられたジョブが選択され、ディスプレイ132には、当該ジョブの設定を行うための設定画面が表示される。以下、コピージョブが選択される場合を例に挙げて説明する。
【0043】
ホーム画面160においてコピージョブが割り当てられた選択キー162が操作される(コピージョブが選択される)と、ディスプレイ132には、図5に示すようなコピー設定画面180が表示される。このコピー設定画面180は、コピージョブの動作条件を設定するための画面であり、操作画面の一例である。
【0044】
コピー設定画面180には、機能選択キー182、白黒用のスタートキー184、カラー用のスタートキー186およびテンキー188などの操作キーが設けられる。
【0045】
機能選択キー182は、コピー設定画面180の左端に配置される。機能選択キー182は、複数設けられ、上下方向に並んで配置される。複数の機能選択キー182の各々は、コピージョブの動作条件またはコピージョブに関する機能に対応する。具体的には、機能選択キー182の各々には、カラー設定、原稿の向き、用紙選択、両面コピー、倍率、コピー濃度およびページ集約の各々の動作条件についての詳細設定を行うための機能が割り当てられている。
【0046】
白黒用のスタートキー(以下、「白黒スタートキー」という)184およびカラー用のスタートキー(以下、「カラースタートキー」という)186は、コピー設定画面180の右下のコーナ領域に表示されている。この白黒スタートキー184およびカラースタートキー186は、画像形成装置12に所定の動作を開始させるためのキーである。白黒スタートキー184が操作されると、白黒コピーが開始される。また、カラースタートキー186が操作されると、カラー設定に応じてカラーコピーが開始される。
【0047】
なお、読取画像データから各種の設定が反映された白黒またはカラーの出力画像データを生成する処理、および、出力画像データに従う白黒またはカラーの画像形成処理は既に周知であり、本願発明の本質的な内容とは異なるため、これらの詳細な説明については省略することにする。
【0048】
テンキー188は、数字キーであり、コピー設定画面180の中央に設けられる。テンキー188が操作されると、操作された数字がテンキー188の上方のテンキー入力表示欄に表示される。つまり、部数が設定される。
【0049】
なお、上述のようにホーム画面160においてコピージョブが選択される場合を例に挙げて説明したが、FAXジョブが選択される場合およびスキャンジョブが選択される場合には、それらのジョブの動作条件を設定するために必要な設定画面がディスプレイ132に表示され、ジョブの動作条件の設定ないしジョブの実行を行うことができる。
【0050】
従来の情報処理システムでは、画像形成装置と通信可能なユーザ端末に画像形成装置を操作するための操作画面を表示して、ユーザ端末で画像形成装置を遠隔操作することができるものがある。また、ユーザ端末の操作画面に含まれる操作キーのうち、操作対象である画像形成装置の操作画面に含まれる操作キーのいずれにも対応しないキーが無効化される従来技術がある。
【0051】
しかしながら、上記の従来技術では、操作対象である画像形成装置の操作画面に含まれる操作キーのうち、ユーザ端末に表示される標準機種の操作画面に含まれる操作キーのいずれにも対応しないキー、つまり、画像形成装置が実行可能な操作キーであって、ユーザ端末用の操作画面で実行できない操作キーについては表示されない。すなわち、上記の従来技術では、画像形成装置で実行可能な操作キーの一部について利用することができないという問題があり、操作性について改善の余地がある。
【0052】
そこで、この第1実施例の情報処理システム10では、画像形成装置12で実行可能な操作機能(操作キー)であって、ユーザ端末用の操作画面で実行できない操作キーについても操作できるようにした。
【0053】
以下、図6図10を参照して情報処理システム10の動作例を説明する。まず、本実施例の情報処理システム10では、ユーザ端末14に、画像形成装置12と通信して画像形成装置12を遠隔操作するためのアプリケーションプログラム(以下、「遠隔操作アプリ」という。)が記憶される。簡単に説明すると、この遠隔操作アプリが実行されることによって、ユーザ端末14のディスプレイ154に画像形成装置12を遠隔操作するためのユーザ端末用の遠隔操作画面(以下、単に「遠隔操作画面」ということがある。)が表示される。そして、遠隔操作画面へのタッチ操作(ユーザ操作)に応じた操作指示(遠隔操作指示)がユーザ端末14から画像形成装置12に入力される。画像形成装置12は、遠隔操作指示を受け付けると、その操作指示に従って動作する。
【0054】
ただし、本実施例の遠隔操作アプリでは、複数の種類の遠隔操作画面が利用可能である。たとえば、本実施例の遠隔操作アプリでは、実在する様々な機種の画像形成装置の入力装置を模した複数の種類の遠隔操作画面が利用可能である。画像形成装置の入力装置としては、タッチパネルディスプレイに表示されるソフトウェアキーを介してユーザ操作を受け付けるタイプの入力装置(ソフトウェアキータイプの入力装置)、ハードウェアキーもしくはハードウェアのキーボードを介してユーザ操作を受け付けるタイプの入力装置(ハードキータイプの入力装置)およびソフトウェアキーとハードキーとを併用するタイプの入力装置(併用タイプの入力装置)等がある。
【0055】
また、画像形成装置12としては、主としてオフィス等で使用されるビジネス向けの画像形成装置と、主として公共施設等で使用されるパブリック向けの画像形成装置とがある。ビジネス向けの画像形成装置とパブリック向けの画像形成装置とは、想定されるユーザ層が異なるため、ビジネス向けの画像形成装置とパブリック向けの画像形成装置とでは入力装置の仕様が大きく異なる。
【0056】
遠隔操作アプリでは、ソフトウェアキータイプの入力装置を模した操作領域を含む遠隔操作画面、ハードキータイプの入力装置を模した操作領域を含む遠隔操作画面および併用タイプの入力装置を模した操作領域を含む遠隔操作画面等が利用可能である。また、各タイプの入力装置に対応する遠隔操作画面のそれぞれには、ビジネス向けの画像形成装置の入力装置に対応する遠隔操作画面とパブリック向けの画像形成装置の入力装置に対応する遠隔操作画面とが含まれる。さらに、実在する入力装置とは別に、遠隔操作専用の操作領域を含む遠隔操作画面も利用可能である。
【0057】
遠隔操作アプリが実行(起動)されると、図6に示すように、ユーザ端末14のディスプレイ154には、選択画面200が表示される。選択画面200には、遠隔操作アプリで利用可能な複数の種類の遠隔操作画面の中から、実際に利用する遠隔操作画面を選択するための操作キー(選択キー)202が表示される。なお、図示は省略するが、選択キー202には、割り当てられた遠隔操作画面に関連する情報を示す文字、記号および図形等が表示されてもよい。また、選択キー202に割り当てられた遠隔操作画面が、特定の機種の入力装置に対応する場合には、当該機種に関連する情報を示す文字、記号および図形等が表示されてもよい。
【0058】
選択画面200において選択キー202が操作された場合、操作された選択キー202に割り当てられた遠隔操作画面が選択される。遠隔操作画面が選択されると、操作された遠隔操作画面で実行可能な操作機能についての情報(遠隔操作画面の仕様情報)を取得する。また、遠隔操作画面が選択されると、ユーザ端末14は、画像形成装置12と通信して操作対象の画像形成装置12の入力装置130で実行可能な操作機能についての情報(装置側の仕様情報)を取得する。ただし、選択画面200におけるユーザ操作は、画像形成装置12を遠隔操作するための操作ではない(ユーザ端末14の内部処理用の操作である)ので、選択画面200におけるユーザ操作に応じた遠隔操作指示は、ユーザ端末14から画像形成装置12に入力されない。
【0059】
さらに、遠隔操作画面が選択されると、ディスプレイ154には、操作されたタイプの遠隔操作画面が表示される。たとえば、図7に示すように、ディスプレイ154には、第1遠隔操作画面220が表示される。第1遠隔操作画面220は、画像形成装置12が実行可能な各種のジョブから所望のジョブを選択するための画面であり、上述したホーム画面160に相当する画面である。
【0060】
第1遠隔操作画面220には、コピー、ファクス、スキャンおよびネットワークプリントなどの各ジョブを選択するための操作キー(選択キー)222の画像が表示される。選択キー222は、ホーム画面160の選択キー162に相当する。
【0061】
ただし、遠隔操作画面で実行可能な操作機能であって、操作対象の画像形成装置の入力装置で実行できない操作機能(使用不能機能)が存在する場合、すなわち、遠隔操作画面で実行可能な操作キーであって、操作対象の画像形成装置の入力装置で実行できない操作キー(使用不能キー)が存在する場合には、使用不能キーは無効化される。たとえば、本実施例の操作対象の画像形成装置12は、ネットワークプリントジョブを実行できない。したがって、操作対象の画像形成装置12の入力装置130には、ネットワークプリントジョブを選択するための選択キーが存在しない。このため、第1遠隔操作画面220では、ネットワークプリントジョブを選択するための選択キー222aは、使用不能キーに該当し、無効化されている。
【0062】
また、使用不能キーには、その操作キーが使用できないことを示すために、半透明で表示されるとともに、×印が表示される。なお、×印が表示されることに代えて、グレーアウトで表示されたり、低輝度の色で表示されたりするようにしてもよい。
【0063】
さらに、使用不能キーが存在する場合には、遠隔操作画面に使用不能キーが存在することを通知するための通知部224が表示される。通知部224は、遠隔操作画面の余白部分に表示されたり、遠隔操作画面の前面に重なって(ポップアップ)表示されたりする。
【0064】
図7に示す例では、第1遠隔操作画面220の上端部に、ネットワークプリントジョブを選択することができない旨のメッセージを含む通知部224が表示される。
【0065】
第1遠隔操作画面220において選択キー222が操作された場合、操作された選択キー222に割り当てられたジョブが選択され、ディスプレイ154には、当該ジョブの設定を行うための設定画面に相当する遠隔操作画面が表示される。ただし、第1遠隔操作画面220以降に表示される操作画面においてユーザ操作を受け付けた場合には、そのユーザ操作に応じた(操作されたキーの機能に応じた)遠隔操作指示がユーザ端末14から画像形成装置12に入力される。以下、コピージョブが選択される場合を例に挙げて説明する。
【0066】
第1遠隔操作画面220においてコピージョブが割り当てられた選択キー222が操作される(コピージョブが選択される)と、ディスプレイ154には、図8に示すような第2遠隔操作画面240が表示される。この第2遠隔操作画面240は、コピージョブの動作条件を設定するための画面であり、上述したコピー設定画面180に相当する画面である。
【0067】
第2遠隔操作画面240には、機能選択キー242、白黒用のスタートキー244、カラー用のスタートキー246およびテンキー248が設けられる。ただし、機能選択キー242は、機能選択キー182に対応し、白黒用のスタートキー244は、白黒用のスタートキー184に対応し、カラー用のスタートキー246は、カラー用のスタートキー186に対応し、テンキー248は、テンキー188に対応する。これらの操作キーは、コピー設定画面180において対応する操作キーと同じ機能が割り当てられているので、詳しい説明は省略する。
【0068】
たとえば、白黒用のスタートキー244およびカラー用のスタートキー246のいずれか一方が操作されると、ジョブを開始する遠隔操作指示が画像形成装置12に入力されるとともに、遠隔操作アプリが終了され、遠隔操作画面が非表示にされる。なお、遠隔操作画面が表示されている状態で、所定時間継続して操作されない場合にも遠隔操作アプリが終了される。また、遠隔操作アプリを終了させるための終了キーが遠隔操作画面に設けられていてもよい。この場合、終了キーが操作されると、遠隔操作アプリが終了される。
【0069】
ただし、操作対象の画像形成装置の入力装置で実行可能な操作機能であって、初期状態の遠隔操作画面で実行できない操作機能(追加機能)が存在する場合、すなわち、操作対象の画像形成装置の入力装置で実行可能な操作キーであって、初期状態の遠隔操作画面で実行できない操作キー(追加機能キー)が存在する場合には、追加機能の通知機能が有効化される。
【0070】
追加機能の通知機能が有効化されると、遠隔操作画面に、当該追加機能が存在する旨をユーザに通知するための追加機能通知部が設けられる。たとえば、本実施例の操作対象の画像形成装置12は、コピージョブにおいて、両面印刷、後処理(たとえばステープル処理、パンチ処理、紙折り処理等)および特殊用紙コピーを実行可能である。一方、第2遠隔操作画面240には、両面印刷、後処理および特殊用紙コピーに対応する操作キーが存在しない。したがって、本実施例では、両面印刷機能、後処理機能および特殊用紙コピー機能が追加機能に該当し、両面印刷、後処理および特殊用紙コピーに対応する操作キーが追加機能キーに該当する。このため、第2遠隔操作画面240では、両面印刷機能、後処理機能および特殊用紙コピー機能が存在する旨をユーザに通知するための追加機能通知部250が設けられる。
【0071】
追加機能通知部250には、追加機能が存在する旨のメッセージが表示される。また、追加機能通知部250には、追加機能を実行するための追加機能キー250a~250cが表示される。すなわち、追加機能通知部250は、追加機能に割り当てられた追加機能キー250a~250cを含む拡張操作部でもある。たとえば追加機能通知部250は、遠隔操作画面の余白部分(追加機能キー以外の操作キーが配置されていない部分)に表示される。本実施例では、追加機能通知部250は、第2遠隔操作画面240の上端部に表示される。
【0072】
図示は省略するが、追加機能キー250a~250cのいずれかが操作されると、追加機能キーに対応する追加機能に関する動作条件を設定するための追加機能設定画面が表示される。追加機能設定画面は、遠隔操作画面の他の余白部分に表示されたり、遠隔操作画面の前面に重なって表示されたりする。これらのことは、後述する追加機能キー254a~254c,264a~264cも同様である。
【0073】
なお、図8に示す例は一例であり、図9に示すように、追加機能通知部252が遠隔操作画面の前面に重なって表示されてもよい。この場合、追加機能通知部252には、追加機能が存在する旨のメッセージ、追加機能に対応する追加機能キーを表示させるための第1キー(“はい”キー)252aおよび追加機能に対応する追加機能キーを表示させない第2キー(“いいえ”キー)252bが表示される。
【0074】
第1キー252aが操作されると、図10に示すように、追加機能キー254a~254cを含む拡張操作部254が表示される。拡張操作部254は、遠隔操作画面の前面に重なって表示される。一方、第2キー252bが操作されると、追加機能通知部252が非表示にされる。なお、追加機能通知部252が表示されている状態では、第1キー252aまたは第2キー252bを操作する以外の操作ができないようになっており、その他の操作はできないようになっている。
【0075】
情報処理システム10の上記のような動作は、画像形成装置12のCPU122がRAM124に記憶された画像形成装置12用の情報処理プログラムを実行し、ユーザ端末14のCPU142がRAM144に記憶されたユーザ端末14用の情報処理プログラムを実行することによって実現される。具体的な処理については、後でフロー図を用いて説明する。
【0076】
図11図2に示す画像形成装置12のRAM124のメモリマップ300の一例を示す図解図である。図11に示すように、RAM124は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。RAM124のプログラム記憶領域302には、上述したように、画像形成装置12用の情報処理プログラムが記憶される。この画像形成装置12用の情報処理プログラムは、通信プログラム302a、操作検出プログラム302b、表示プログラム302c、送信プログラム302dおよび受信プログラム302eを含む。
【0077】
通信プログラム302aは、通信部138を制御して、外部コンピュータとネットワークを介して有線でデータを通信(送受信)するためのプログラムである。また、通信プログラム302aは、通信部138を制御して、ユーザ端末14および他の外部コンピュータと無線でデータを送受信するためのプログラムでもある。
【0078】
操作検出プログラム302bは、入力装置130への入力操作を検出するためのプログラムである。たとえば、操作検出プログラム302bは、タッチパネルが操作された場合に入力制御回路126から出力されたタッチ座標データを取得して、ディスプレイ132に表示されるソフトウェアキーが操作されたことを検出するためのプログラムである。また、操作検出プログラム302bは、ハードウェアキーが操作された場合に入力制御回路90から出力された操作データを取得して、ハードウェアキーが操作されたことを検出するためのプログラムでもある。
【0079】
表示プログラム302cは、後述する画像生成データ304bを用いて、表示画像データ、すなわち、上記のホーム画面160およびコピー設定画面180などの画面データを生成し、ディスプレイ132に出力するためのプログラムである。
【0080】
送信プログラム302dは、ユーザ端末14に装置側仕様情報データ304cを送信するためのプログラムである。ただし、送信時には、通信プログラム302aが実行される。受信プログラム302eは、ユーザ端末14から送信された操作指示データを受信するためのプログラムである。ただし、受信時には、通信プログラム302aが実行される。
【0081】
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、画像読取プログラムおよび画像形成プログラムなども記憶される。画像読取プログラムは、画像読取部136を制御して、原稿の画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像信号(読取画像データ)を出力するためのプログラムである。画像形成プログラムは、画像形成部134を制御して、多色または単色の画像を用紙に印刷するためのプログラムである。また、プログラム記憶領域302には、画像形成装置12が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
【0082】
また、RAM124のデータ記憶領域304には、操作入力データ304a、画像生成データ304b、装置側仕様情報データ304cおよび操作指示データ304dなどが記憶される。
【0083】
操作入力データ304aは、操作検出プログラム302bに従って検出されたタッチ座標データまたは/および操作データである。検出されたタッチ座標データまたは/および操作データは、時系列に従ってデータ記憶領域304に記憶される。画像生成データ304bは、ディスプレイ132に表示する各種の画面に対応する表示画像データを生成するための各種操作キーの画像データ等のデータである。装置側仕様情報データ304cは、その画像形成装置12の入力装置130で実行可能な操作機能についての情報(入力装置130で実行可能な操作キーについての情報)のデータである。操作指示データ304dは、ユーザ端末14から送信される操作指示データ324eに対応するデータである。
【0084】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、画像形成装置12用の情報処理プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、画像形成装置12用の情報処理プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
【0085】
図12図3に示すユーザ端末14のRAM144のメモリマップ320の一例を示す図解図である。図12に示すように、RAM144は、プログラム記憶領域322およびデータ記憶領域324を含む。RAM144のプログラム記憶領域322には、上述したように、ユーザ端末14用の情報処理プログラムが記憶される。このユーザ端末14用の情報処理プログラムは、通信プログラム322a、操作検出プログラム322b、表示プログラム322c、受信プログラム322d、判定プログラム322e、機能表示制御プログラム322f、操作指示生成プログラム322gおよび送信プログラム322hを含む。
【0086】
通信プログラム322aは、通信部208を制御して、無線通信を使用して、画像形成装置12との間で直接的にデータを送受信するためのプログラムである。
【0087】
操作検出プログラム322bは、タッチ入力を検出するためのプログラムであり、タッチパネル152から出力されたタッチ座標データを取得して、ディスプレイ154に表示される各種画面に含まれるソフトウェアキーが操作されたことを検出するためのプログラムである。
【0088】
表示プログラム322cは、後述する画像生成データ324bを用いて、表示画像データ、すなわち、上記の遠隔操作画面などの画面データを生成し、ディスプレイ154に出力するためのプログラムである。
【0089】
受信プログラム322dは、画像形成装置12から送信される装置側仕様情報データ304cを受信するためのプログラムである。ただし、受信時には、通信プログラム322aが実行される。
【0090】
判定プログラム322eは、操作対象の画像形成装置の装置側仕様情報データ324cが示す装置側の仕様情報と、端末側仕様情報データ324dが示す遠隔操作画面の仕様情報とを比較して、使用不能機能および使用不能キー並びに追加機能および追加機能キーが存在するかどうかを判定するためのプログラムである。
【0091】
機能表示制御プログラム322fは、使用不能機能(使用不能キー)が存在する場合に、遠隔操作画面に表示される操作キーのうち、使用不能キーに該当する操作キーを無効化するためのプログラムである。また、機能表示制御プログラム322fは、追加機能(追加機能キー)が存在する場合に、遠隔操作画面に追加機能キーを含む追加機能通知部を表示させて、追加機能キーを操作可能にするためのプログラムでもある。
【0092】
操作指示生成プログラム322gは、遠隔操作画面へのタッチ操作に応じた遠隔操作指示(遠隔操作コマンド)についての操作指示データ324eを生成するためのプログラムである。
【0093】
送信プログラム322eは、操作指示データ324eを画像形成装置12に送信するためのプログラムである。ただし、送信時には、通信プログラム322aが実行される。
【0094】
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域322には、ユーザ端末14が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
【0095】
また、RAM144のデータ記憶領域324には、操作入力データ324a、画像生成データ324b、装置側仕様情報データ324c、端末側仕様情報データ324dおよび操作指示データ324eなどが記憶される。
【0096】
操作入力データ324aは、操作検出プログラム302bに従って検出されたタッチ座標データである。検出されたタッチ座標データは、時系列に従ってデータ記憶領域324に記憶される。画像生成データ324bは、ディスプレイ132に表示する各種の画面に対応する表示画像データを生成するためのポリゴンデータまたはテクスチャデータ等のデータである。装置側仕様情報データ324cは、画像形成装置12から送信された装置側仕様情報データ304cに対応するデータである。端末側仕様情報データ324dは、選択された遠隔操作画面で最初から実行可能な操作機能についての情報(初期状態の遠隔操作画面で実行可能な操作キーについての情報)のデータである。操作指示データ324eは、遠隔操作画面へのタッチ操作に応じた操作指示についてのデータである。
【0097】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域324には、ユーザ端末14用の情報処理プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、ユーザ端末14用の情報処理プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
【0098】
図13は、図3に示すユーザ端末14のCPU142で実行される遠隔操作処理の一例を示すフロー図である。この遠隔操作処理は、遠隔操作アプリが実行(起動)されたときに開始される。
【0099】
図13に示すように、ユーザ端末14のCPU142は、遠隔操作処理を開始すると、ステップS1で、選択画面200をディスプレイ154に表示して、遠隔操作アプリで利用可能な複数の種類の遠隔操作画面の中から、利用する遠隔操作画面が選択されたかどうかを判断する。
【0100】
ステップS1で“NO”であれば、つまり、利用する遠隔操作画面が選択されないと判断した場合は、同じステップS1に戻る。一方、ステップS1で“YES”であれば、つまり、利用する遠隔操作画面が選択されたと判断した場合は、ステップS3で、利用する遠隔操作画面の操作機能についての情報、すなわち端末側の仕様情報を取得して、ステップS5で、操作対象の画像形成装置12の操作機能についての情報、すなわち装置側の仕様情報を取得して、ステップS7に進む。
【0101】
続いて、ステップS7で、装置側の仕様情報と端末側の仕様情報とを比較して、ステップS9で、使用不能機能(使用不能キー)が存在するかどうかを判断する。ステップS9で“NO”であれば、つまり、使用不能機能が存在しないと判断した場合は、後述するステップS13に進む。一方、ステップS9で“YES”であれば、つまり、使用不能機能が存在すると判断した場合は、ステップS11で、使用不能機能に対応する操作キーを無効化して、ステップS13に進む。
【0102】
ステップS13では、追加機能(追加機能キー)が存在するかどうかを判断する。ステップS13で“NO”であれば、つまり、追加機能が存在しないと判断した場合は、図14に示すステップS17に進む。一方、ステップS13で“YES”であれば、つまり、追加機能が存在すると判断した場合は、ステップS15で、追加機能の通知機能を有効化して、ステップS17に進む。
【0103】
図14に示すように、ステップS17では、遠隔操作画面をディスプレイ154に表示して、ステップS19で、操作キーが操作されたかどうかを判断する。ステップS19で“NO”であれば、つまり、操作キーが操作されないと判断した場合は、後述するステップS25に進む。一方、ステップS19で“YES”であれば、つまり、操作キーが操作されたと判断した場合は、ステップS21で、操作された操作キーに割り当てられた機能に応じて遠隔操作指示を生成し、ステップS25で、遠隔操作指示を画像形成装置12に送信して、ステップS25に進む。ステップS25では、遠隔操作処理を終了するかどうかを判断する。ステップS25で“NO”であれば、ステップS17に戻る。一方、ステップS25で“YES”であれば、遠隔操作処理を終了する。
【0104】
この第1実施例では、操作対象の画像形成装置12の入力装置130で実行可能な操作機能であって、初期状態の遠隔操作画面で実行できない追加機能が存在する旨をユーザに通知するための追加機能通知部が設けられる。このため、ユーザは、追加機能の存在を認識することができ、画像形成装置12を遠隔操作するためのユーザ端末14の操作性の向上を図ることができる。
【0105】
また、第1実施例では、追加機能に割り当てられた追加機能キーを含む拡張操作部を遠隔操作画面に表示させる。このため、ユーザは、追加機能を実行することができるので、画像形成装置12を遠隔操作するためのユーザ端末14の操作性の向上を図ることができる。
【0106】
[第2実施例]
第2実施例の情報処理システム10は、遠隔操作画面が、画像形成装置12の入力装置130を模した操作領域260と、操作領域260以外の部分である余白領域262とを含み、拡張操作部が余白領域262に表示される以外は第1実施例と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
【0107】
情報処理システム10において、画像形成装置12のディスプレイ132と、ユーザ端末14のディスプレイ154とでは、縦横比(アスペクト比)が異なる場合がある。たとえば、画像形成装置12のディスプレイ132としては、アスペクト比が4:3(スクエア画面)のディスプレイが採用されることがあり、ユーザ端末14のディスプレイ154としては、アスペクト比が16:9(ワイド画面)のディスプレイが採用されることがある。このように、画像形成装置12のディスプレイ132と、ユーザ端末14のディスプレイ154とでアスペクト比が異なる場合には、図15に示すように、遠隔操作画面(第2遠隔操作画面240)が、画像形成装置12の入力装置130を模した操作領域260と、操作領域260以外の部分である余白領域262とを含む。
【0108】
なお、図15に示す例では、画像形成装置12のディスプレイ132のアスペクト比は4:3であり、ユーザ端末14のディスプレイ154のアスペクト比は16:9である。この場合、ユーザ端末14のディスプレイ154の長手方向の一方端部に余白領域262が生じる。一方、図示は省略するが、画像形成装置12のディスプレイ132のアスペクト比が16:9であり、ユーザ端末14のディスプレイ154のアスペクト比が4:3である場合には、ユーザ端末14のディスプレイ154の短手方向の一方端部に余白領域が生じる。
【0109】
余白領域262には、追加機能が存在する旨のメッセージ(追加機能通知部)および追加機能キー264a~264cを含む拡張操作部264が表示される。したがって、画像形成装置12の入力装置130を模した操作領域260のレイアウトを変更することなく、追加機能キーが操作可能となる。
【0110】
また、図16に示すように、余白領域262に操作領域260の一部を拡大した拡大画像266が表示されるようにしても良い。すなわち、第2実施例の遠隔操作画面では、余白領域262に拡張操作部264を表示させる第1表示モードと、余白領域262に拡大画像266を表示させる第2表示モードと含む。ただし、初期設定(デフォルト)としては、第1表示モードとなっており、所定のユーザ操作(表示モードの切替操作)を受け付けた場合に、表示モードが切り替えられる。また、表示モードの切替操作は、画像形成装置12を遠隔操作するための操作ではないので、表示モードの切替操作についての操作指示はユーザ端末14から画像形成装置12に入力されない。
【0111】
第2実施例では、上述したような動作を実現するために、ユーザ端末14用の情報処理プログラムには、余白領域262に操作領域260の一部を拡大した拡大画像266の画像データ(拡大画像データ)を生成するための拡大画像生成プログラム等が含まれる。また、表示プログラム322cは、拡大画像データを、ディスプレイ154に出力するためのプログラムでもある。
【0112】
以下、フロー図を用いて、第2実施例における遠隔操作処理について説明するが、第1実施例で説明した遠隔操作処理と同じ処理については同じ参照符号を付し、重複した内容については、説明を省略するまたは簡単に説明することにする。
【0113】
図17は第2実施例の遠隔操作処理の一例を示すフロー図である。図17に示すように、ユーザ端末14のCPU142は、遠隔操作処理を開始すると、ステップS19で“YES”であれば、ステップS31で、表示モードの切り替えかどうか、すなわち表示モードの切替操作を受け付けたかどうかを判断する。ステップS31で“NO”であれば、つまり、表示モードの切替操作を受け付けないと判断した場合は、ステップS21に進む。一方、ステップS31で“YES”であれば、つまり、表示モードの切替操作を受け付けたと判断した場合は、ステップS33で、表示モードを切り替えて、ステップS17に戻る。
【0114】
なお、ステップS1からステップS25までの処理の内容については、第1実施例と同じであるので詳しい説明を省略する。
【0115】
この第2実施例によれば、画像形成装置12の入力装置130を模した操作領域260のレイアウトを変更することなく、追加機能キーが操作可能となるので、画像形成装置12を遠隔操作するためのユーザ端末14の操作性の向上を図ることができる。
【0116】
[第3実施例]
第3実施例の情報処理システム10では、遠隔操作画面への操作内容を定形操作として記憶するようにした以外は第1実施例と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
【0117】
第3実施例では、遠隔操作画面への操作内容が定形操作として記憶されることがある。ただし、遠隔操作画面への操作内容とは、遠隔操作画面のタイプが選択されたときから遠隔操作アプリが終了されるまでの間の一連の操作の内容のことである。
【0118】
図示は省略するが、遠隔操作アプリが終了されるときに、操作内容を定形操作として記憶するかどうかの選択肢をユーザに提示し、操作内容を定形操作として記憶する操作があった場合に、当該操作内容を定形操作として記憶する。また、遠隔操作画面には、定形操作を読み出すための操作キー(定形操作読出キー)が設けられており、定形操作読出キーが操作されると、記憶されている定形操作が一覧表示され、定形操作を選択的に読み出すことができる。読み出す定形操作が決定されると、定形操作の内容に応じた操作指示が画像形成装置12に送信される。
【0119】
また、第3実施例では、上述したような動作を実現するために、ユーザ端末14用の情報処理プログラムには、遠隔操作画面への操作内容を定形操作として記憶するための記憶プログラム等が含まれる。なお、定形操作のデータ(定形操作データ)は、ユーザ端末14の記憶部156に記憶されてもよいし、ユーザ端末14と通信可能な外部コンピュータの記憶部(たとえば画像形成装置12の記憶部118)に記憶されてもよい。
【0120】
以下、フロー図を用いて、第3実施例における遠隔操作処理について説明するが、第1実施例で説明した遠隔操作処理と同じ処理については同じ参照符号を付し、重複した内容については、説明を省略するまたは簡単に説明することにする。
【0121】
図18は第3実施例の遠隔操作処理の一例を示すフロー図である。図18に示すように、ユーザ端末14のCPU142は、遠隔操作処理を開始すると、ステップS19で“YES”であれば、ステップS51で、定形操作を読み出すかどうかを判断する。ステップS51で“NO”であれば、つまり、定形操作を読み出さないと判断した場合は、ステップS21に進む。一方、ステップS51で“YES”であれば、つまり、定形操作を読み出すと判断した場合は、ステップS53で、定形操作の内容に応じた操作指示を画像形成装置12に送信して、ステップS23に進む。
【0122】
また、ステップS25で“YES”であれば、ステップS55で、遠隔操作画面への操作内容を定形操作として記憶するかどうかを判断する。ステップS55で“YES”であれば、つまり、遠隔操作画面への操作内容を定形操作として記憶すると判断した場合は、ステップS57で、遠隔操作画面への操作内容を定形操作として記憶して、遠隔操作処理を終了する。一方、ステップS55で“NO”であれば、つまり、遠隔操作画面への操作内容を定形操作として記憶しないと判断した場合は、ステップS57を経ずに遠隔操作処理を終了する。
【0123】
なお、ステップS1からステップS25までの処理の内容については、第1実施例と同じであるので詳しい説明を省略する。
【0124】
この第3実施例では、遠隔操作画面への操作内容を定形操作として記憶しておき、定形操作を読み出して実行することができる。このため、同じ操作を繰り返すときに操作が簡単になるとともに、画像形成装置12の入力装置130のタイプを問わず、同じ操作を実行することができるので、画像形成装置12を遠隔操作するためのユーザ端末14の操作性の向上を図ることができる。
【0125】
なお、第3実施例に示した態様は、第2実施例にも組み合わせて採用することが可能である。
【0126】
また、上述の実施例で挙げた数値、画面および具体的な構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。また、上述の実施例で示したフロー図の各ステップは、同じ結果が得られるのであれば、処理される順番は適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0127】
10 …情報処理システム
12 …画像形成装置
130…入力装置
132…ディスプレイ
138…通信部
14 …ユーザ端末
152…タッチパネル
154…ディスプレイ
150…無線通信
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18