(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173953
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】物品供給装置、物品供給システム、ラベル発行方法
(51)【国際特許分類】
G01G 13/18 20060101AFI20241206BHJP
G01G 19/415 20060101ALI20241206BHJP
B65G 65/40 20060101ALI20241206BHJP
B65G 47/44 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
G01G13/18
G01G19/415 Z
B65G65/40 C
B65G47/44
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024162646
(22)【出願日】2024-09-19
(62)【分割の表示】P 2020149016の分割
【原出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 和治
(57)【要約】
【課題】簡単な操作で定量の物品を供給可能な装置を提供する。
【解決手段】物品供給装置9は、上方の貯留部41から物品を受け入れる収容部92と、収容部92内に物品を受け入れるための受入口91aと、受入口91aを開放可能に遮蔽する第一遮蔽部と、収容部92に収容された物品を外部に供給する供給口91bと、供給口91bを開放可能に遮蔽する第二遮蔽部と、第一遮蔽部により受入口91aを開放したときに第二遮蔽部により供給口91bを遮蔽し、第一遮蔽部により受入口91aを遮蔽しているときに第二遮蔽部により供給口91bを開放し、物品を供給口91bより外部に供給する操作部と94を有する。
【選択図】
図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方の貯留部から物品を受け入れる収容部と、
前記収容部内に物品を受け入れるための受入口と、
前記受入口を開放可能に遮蔽する第一遮蔽部と、
前記収容部に収容された物品を外部に供給する供給口と、
前記供給口を開放可能に遮蔽する第二遮蔽部と、
前記第一遮蔽部により前記受入口を開放したときに第二遮蔽部により前記供給口を遮蔽し、前記第一遮蔽部により前記受入口を遮蔽しているときに前記第二遮蔽部により前記供給口を開放し、前記物品を前記供給口より外部に供給する操作部と、を有する、
物品供給装置。
【請求項2】
前記貯留部から前記収容部に所定の量の前記物品が収容されたことに応じて、前記第二遮蔽部により前記供給口を開放する、
請求項1記載の物品供給装置。
【請求項3】
前記操作部による操作の実行に応じて、自装置の識別情報を所定の端末に対して送信する通信処理部、をさらに有する、
請求項1又は2記載の物品供給装置。
【請求項4】
前記貯留部、を着脱可能に取り付けるための取付機構、をさらに有する、
請求項1乃至3いずれかの項に記載の物品供給装置。
【請求項5】
前記収容体に前記物品を排出可能に貯留する貯留部の貯留量を検出する貯留量検出部、をさらに有する、
請求項1乃至4いずれかの項に記載の物品供給装置。
【請求項6】
前記操作部の近傍に表示部を備える、
請求項1乃至5いずれかの項に記載の物品供給装置。
【請求項7】
前記収容部に重量検出部を備え、
前記重量検出部が重量安定を判定した場合に、前記第二遮蔽部により前記供給口を開放する、
請求項1乃至6のいずれかの項に記載の物品供給装置。
【請求項8】
物品を供給する物品供給装置と、
供給した前記物品に関するラベルを発行するラベル発行装置と、からなり、
前記物品供給装置は、
前記物品の供給操作を検出すると共に、前記物品の供給回数をカウントする操作検出部と、
前記ラベル発行装置に対し、前記物品供給装置の装置識別情報と共に、前記物品の供給回数に係る情報を送信する識別情報送信部と、を有し、
前記ラベル発行装置は、
前記装置識別情報と、前記物品供給装置が供給する物品に係る情報とを関連付けて記憶する設定情報記憶部と、
前記装置識別情報に基づき、前記設定情報記憶部を参照して、前記物品供給装置が供給した物品を特定する情報処理部と、
前記特定した物品に係る情報と前記物品の供給回数に係る情報とに基づいた販売価格に係る情報を含む前記ラベルを発行する発行部と、を有する、
物品供給システム。
【請求項9】
物品を供給する物品供給装置により物品を供給するステップと、
前記物品の供給回数をカウントするステップと、
前記装置識別情報に基づき、前記装置識別情報と前記物品供給装置が供給する物品に係る情報とを関連付けて記憶する設定情報記憶部を参照して、前記物品供給装置が供給した物品を特定するステップと、
前記特定した物品に係る情報と前記物品の供給回数に係る情報とに基づいた販売価格に係る情報を含む前記ラベルを発行するステップと、を実行する、
ラベル発行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定量の物品を供給する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、商品等の物品を計量して販売するシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、物品を貯留させている装置から、定量の物品を計量して取り出す操作は工程が多くなり、顧客には負担である。また、物品によっては計量しないで購入するのが好適なものもある。
【0005】
そこで本発明は、簡単な操作で定量の物品を供給可能な装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る物品供給装置は、上方の貯留部から物品を受け入れる収容部と、前記収容部内に物品を受け入れるための受入口と、前記受入口を開放可能に遮蔽する第一遮蔽部と、前記収容部に収容された物品を外部に供給する供給口と、前記供給口を開放可能に遮蔽する第二遮蔽部と、前記第一遮蔽部により前記受入口を開放したときに第二遮蔽部により前記供給口を遮蔽し、前記第一遮蔽部により前記受入口を遮蔽しているときに前記第二遮蔽部により前記供給口を開放し、前記物品を前記供給口より外部に供給する操作部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る物品供給装置、及び物品供給装置を備えた物品販売装置を示した外観斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る物品供給装置を構成する貯留部を模式的に示した模式図であり、(a)物品の供給を止めている状態、(b)物品を供給している状態、(c)再び物品の供給を止めている状態、を示す。
【
図3】計量装置の機能を示した機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る物品供給装置を構成する供給部を示した斜視図であって、(a)物品を収容可能な状態、(b)物品を供給している状態、を示す。
【
図5】本発明の実施形態に係る物品供給装置を構成する供給部を示した斜視図であって、(a)物品を収容可能な状態、(b)収容部を回転させている状態、(c)物品を供給している状態、である。
【
図6】本発明の実施形態に係る物品供給装置を構成する供給部を示した斜視図であって、(a)物品を収容可能な状態、(b)収容部を回転させている状態、(c)物品を供給している状態、である。
【
図7】本発明の実施形態に係る物品供給装置の機能を示した機能ブロック図である。
【
図8】操作検出部の機能を説明するための模式図であり、(a)操作検出部が水平な状態にある様子、(b)操作検出部が所定の角度aだけ傾斜した状態にある様子、(c)操作検出部が所定の角度a+bだけ傾斜した状態にある様子、を示す。
【
図9】本発明の実施形態に係る物品供給装置を構成する供給部を示した斜視図であって、(a)物品を収容可能な状態、(b)物品を収容している状態、(c)物品を供給している状態、を示す。
【
図10】本発明の実施形態に係る物品供給装置を構成する供給部を示した斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る物品供給装置を構成する供給部を模式的に示した断面図であって、(a)物品を収容可能な状態、(b)物品を供給している状態、を示す。
【
図12】本発明の実施形態に係る物品供給装置を構成する供給部を示した斜視図であって、(a)物品を収容可能な状態、(b)物品を収容している状態、(c)物品を供給している状態、である。
【
図13】ラベル発行装置が備える機能構成を示した図であって、(a)ハードウェア構成、(b)ソフトウェア構成、を示す。
【
図14】物品マスタに記憶されるデータの一例を示した図である。
【
図15】ラベル発行装置によって発行されるラベルの一例を示した図であって、(a)マイ容器の場合、(b)店舗容器の場合、を示す。
【
図16】本発明の実施形態に係る物品販売装置において、第一ユニットU1により顧客に物品が提供される場合に実行される処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図17】ラベル発行装置に表示される、物品としての商品の選択画面の一例である。
【
図18】ラベル発行装置に表示される、商品ボタンの一覧表示画面の一例である。
【
図19】ラベル発行装置に表示される、容器選択画面の一例である。
【
図20】ラベル発行装置に表示される、計量値と販売価格の表示画面の一例である。
【
図21】本発明の実施形態に係る物品販売装置において、第2ユニットU2により顧客に物品が提供される場合に実行される処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図22】本発明の実施形態に係る物品供給装置を模式的に示した図である。
【
図23】電子棚札のディスプレイに表示される画面の一例であって、(a)販売可能な状態、(b)売り切れ状態、を示す。
【
図24】本発明の実施形態に係る物品供給装置を示した外観斜視図であって、(a)上蓋が閉じている状態、(b)上蓋が開いている状態、を示す。
【
図25】本発明の実施形態に係る物品販売装置を構成する装置の配置構成の一例を示した外観斜視図である。
【
図26】本発明の実施形態に係る物品販売装置を構成する装置の配置構成の一例を示した外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
●概要
以下、本発明の実施形態に係る物品供給装置、及び物品供給装置を備えた物品販売装置について、図を参照して説明する。
図1に示す本実施形態に係る物品販売装置1は、顧客の操作に応じて商品を量り売りするための装置である。
本実施形態では、商品は例えば、ドライフルーツやナッツ、豆類などの食品である。ただし、量り売りするのが好適な商品であれば、これらの商品に限られることはない。また、本実施形態に係る物品供給装置は、このような例に係る食品を商品として顧客に提供する場合に限らず、店舗側で所定の量の供給を受ける場合にも使用できる。そこで、本実施形態に係る物品供給装置は、商品を含む所定の物品を供給するものとして説明する。
【0009】
●物品販売装置1の構成
物品販売装置1は、第一ユニットU1、第二ユニットU2、及びラベル発行装置8から構成される。
本実施形態では、
図1に示すように、第一ユニットU1と第二ユニットU2の間にラベル発行装置8が設置されている。
ラベル発行装置8は、第一ユニットU1と第二ユニットU2の双方からデータを受け付け、当該データに応じたラベルを発行する。また、第一ユニットU1と第二ユニットU2のいずれが使用されるかは、顧客の任意である。そのため、第一ユニットU1又は第二ユニットU2のいずれが使用された場合でも、顧客がアクセスしやすい位置として、第一ユニットU1と第二ユニットU2の間にラベル発行装置8が設置されている。
【0010】
第一ユニットU1、第二ユニットU2、及びラベル発行装置8の構成の詳細は後述するが、ここで簡単に説明しておく。
第一ユニットU1は、任意の量の物品を顧客に提供する一又は複数の物品供給装置2から構成され、任意の量の物品を計量するための計量装置3を備えている。
物品供給装置2は、任意の量の物品の供給操作を行うための操作部を備えている。この物品供給装置2は、操作部による操作に応じて、ラベル発行装置8に対し、物品の供給を行った物品供給装置2を識別する装置識別情報を送信することができる。
また、計量装置3は、物品供給装置2により提供された物品の重量を計り、計量結果をラベル発行装置8に対して送信することができる。
【0011】
また、第二ユニットU2は、操作の回数に応じて定量の物品を顧客に提供する一又は複数の物品供給装置4から構成される。
物品供給装置4は、定量の物品の供給操作を行うための操作部を備えており、当該操作部による操作に応じて、ラベル発行装置8に対し、物品の供給を行った物品供給装置4を識別する装置識別情報と、物品の供給回数に係る情報とを送信する。
【0012】
ラベル発行装置8は、第一ユニットU1を構成する物品供給装置2の装置識別情報、あるいは第二ユニットU2を構成する物品供給装置4の装置識別情報と物品を関連付けたマスタを保持している。これにより、ラベル発行装置8は、物品供給装置2、4が供給した物品を特定した上、物品の計量値や供給回数に基づいて販売価格を算出し、精算用のラベルを発行する。
【0013】
●第一ユニットU1
第一ユニットU1は、所謂量り売りのためのユニットであり、任意の量の物品を顧客に提供する。
第一ユニットU1は、
図1に示すように、複数の物品供給装置2を有している。複数の物品供給装置2はいずれも、同様の機能や構造を備えたものであり、供給する物品の種類ごとに設けられている。
【0014】
●物品供給装置2
物品供給装置2は、上方に設けられた貯留部21、貯留部21の下方に設けられた供給部22、及び供給された物品の量を計る計量装置3よって構成される。
貯留部21と供給部22は接続しており、貯留部21内の物品は供給部22を介して外部に供給され、これにより貯留部21内の物品が顧客に提供される。
なお、貯留部21と供給部22は、一体的に構成されていてもよいし、所定の取付機構により、着脱可能に構成されていてもよい。着脱可能に構成されている場合には、物品を貯留させた貯留部21を取り替えることにより、物品供給装置2に物品を補充することができる。また、貯留部21の交換に応じて物品の消費期限の管理等を行うようにしてもよい。
【0015】
貯留部21は、物品を貯留する部分であり、中空の容器である。
貯留部21は、内部に一定量の物品を貯留することができ、下方に設けられた排出口より、供給部22に物品を排出する。
【0016】
供給部22は、顧客の操作に応じた量の物品を外部へ供給する。
この供給部22は、
図1及び
図2に示すように、受入口(不図示)、供給口22a、収容部221、操作部222、及び遮蔽部223を備えている。
【0017】
受入口は、貯留部21の排出口に対応する位置に設けられている。排出口と受入口は連通しており、貯留部21内の物品は排出口と受入口を介して、供給口22aから外部へ供給される。
供給口22aは、下方に設けられた開口部であり、この供給口22aより、物品が外部に供給される。
収容部221には、内部に一定量の物品を収容しておくことができる。
【0018】
操作部222は、顧客が遮蔽部223を操作するための部分である。この操作部222は、遮蔽部223と連携しており、遮蔽部223はこの操作部222による操作に応じて動く。操作部222は例えば、外部に露出したレバー等であり、レバー操作に応じて動作する遮蔽部223により、物品の供給が制御される。
【0019】
遮蔽部223は、収容部221と供給口22aの間を開放可能に遮蔽する部材である。
この遮蔽部223は、所定の操作部と連動しており、操作部による操作に応じて、収容部221と供給口22aの間を開放したり、遮蔽したりする。
図2はそのような遮蔽部223の構造と動作の一例を示している。遮蔽部223は、薄板状の板状部2231と、板状部2231の中心部に設けられた回転軸2232によって構成され、板状部2231は回転軸2232を中心に回転する。
【0020】
図2(a)に示すように、板状部2231が水平状態にあるときは、収容部221と供給口22aの間が遮蔽され、収容部221内の物品が供給口22aから外部に供給されないようになっている。操作部222による操作に応じて、板状部2231が回転軸2232を中心として回転し、
図2(b)に示すように、板状部2231が水平でなくなると、収容部221と供給口22aの間が開放され、収容部221内の物品が供給口22aを介して排出される。
図2(c)に示すように、板状部2231がそのまま回転して水平状態に戻るか、板状部2231を水平状態に付勢するバネ等の付勢手段によって、元の水平状態に戻ると、再び収容部221と供給口22aの間が遮蔽され、物品の供給が規制される。
【0021】
なお、遮蔽部223は、受入口に設けられ、操作部222による操作に応じて、受入口を遮蔽したり、開放したりするようになっていてもよい。
【0022】
顧客は、この物品供給装置2によって所望の量の物品の提供を受ける場合、供給口22bの下方にカップ等の容器を載置しておき、供給口22aから供給された物品がそのまま当該容器に入るようにする。そして、操作部222を操作して、貯留部21の排出口、供給部22の受入口、及び供給口22aを介して、貯留部21内に貯留されていた物品の提供を受ける。
【0023】
なお、物品供給装置2は、後述する物品供給装置4と同様に、物品の供給操作を検出する操作検出部、物品供給装置2を識別する装置識別情報を記憶する識別情報記憶部、及び、物品の供給操作が行われたことを示す情報と共に装置識別情報をラベル発行装置8に対して送信する通信処理部403を備えてもよい。これにより、ラベル発行装置8は、どの物品供給装置2において物品の供給が行われたか把握することができると共に、装置識別情報と物品供給装置2が供給する物品に係る情報を関連付けた所定の記憶部を参照して、供給された物品を特定することができる。
【0024】
●計量装置3
計量装置3は、所定の載置面上に載置された物品を計量する装置である。この計量装置3は、物品供給装置2の供給口22aの下方に設けられている。
ここで、顧客が物品供給装置2から物品の提供を受ける場合、物品を入れるカップ等の容器を載置面上に載置する。顧客が、物品供給装置2から物品の提供を受ける操作を実行すると、供給口22aから載置面上の容器に物品が供給される。
【0025】
計量装置3は、
図3に示すように、計量部31、識別情報記憶部32、ディスプレイ33、通信処理部34を備える。
【0026】
計量部31は、載置面311に載せられたもの(商品、容器等)を、例えばロードセルによる重量検出方式で計量する。これにより、載置面311上に載置された容器や当該容器に供給された物品の重量が計られる。
【0027】
ここで、計量部311は詳細には、重量検出部311及びAD変換機312によって構成される。
重量検出部311はロードセルによって実現され、A/D変換機312は、重量検出部311から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号への変換においては、重量値を適切に取得できる範囲を設定した上で、0点と最大秤量の値を記録する。デジタルデータに変換された値は、ディスプレイ33上に計量値(重量)として表示される。
【0028】
識別情報記憶部32は、計量装置3を識別可能な装置識別情報を記憶する。
なお、
図3に示す構成にかかわらず、計量装置3を識別可能な識別情報に代えて、A/D変換機312を識別可能な変換機識別情報を当該A/D変換機31に保持させ、当該変換機識別情報によって計量装置3を識別することもできる。
【0029】
ディスプレイ33は、計量部31による計量結果を表示する。
【0030】
通信処理部34は、ラベル発行装置8や上位の装置等とデータの送受信を実行する機能部であり、例えば、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)によるデータ通信を実現する。計量装置3はこの通信処理部33により、ラベル発行装置8に対し、計量部31による計量結果に係る情報を送信することができる。この際、計量装置3は識別情報記憶部32を参照して、計量部31による計量結果に係る情報と共に、当該装置識別情報をラベル発行装置8に対して送信することができる。
【0031】
計量装置3から装置識別情報あるいは変換機識別情報と計量値を受信したラベル発行装置8では、ディスプレイ81上に計量値と販売価格が表示される。このように、プリセットキーを表示しなくても、計量装置3上で物品の重量が計量可能に安定して供給量が確定すると、ディスプレイ81に計量値と販売価格が表示されるため、顧客がディスプレイ81上で計量値や販売価格を確認しながら物品の量を加減できるようにすると便利である。このようなことは特に、ラベル発行装置8を物品供給装置2の操作部222のそばに設ければ、ディスプレイ81が操作部222を操作する顧客に近くなり、より効果的である。
【0032】
なお、計量装置3は、計時機能を備えていてもよい。計時機能を備える計量装置3は、例えば、現在時刻や、ある時間までの残時間や、ある状態となってからの経過時間を管理可能である。また、この計時機能によって取得される情報は、通信処理部33によりラベル発行装置8に対して提供してもよい。
【0033】
また、計量装置3は、物品供給装置2と一対一となるように設けてもよいし、物品供給装置2と一体的に構成してもよい。
【0034】
●第二ユニットU2
第二ユニットU2は、一操作毎に定量の物品を顧客に提供する。
第二ユニットU2は、複数の物品供給装置4を有している。複数の物品供給装置4はいずれも、同様の機能や構造を備えたものであり、供給する物品の種類ごとに設けられている。
なお、本実施形態では、第二ユニットU2は一の実施例に係る物品供給装置4によって構成されるものとして説明する。ただし、第二ユニットU2は、物品供給装置4に代えて、後述する他の実施例に係る物品供給装置5、6、7によって構成することができる。
【0035】
●実施例1に係る物品供給装置4
物品供給装置4は、上方に設けられた貯留部41、及び貯留部41の下方に設けられた供給部42によって構成される。
貯留部41と供給部42は接続しており、貯留部41内の物品は、供給部42を介して外部に供給される。
なお、貯留部41と供給部42は、一体的に構成されていてもよいし、所定の取付機構により着脱可能に構成されていてもよい。着脱可能に構成されている場合には、物品を貯留させた貯留部41を取り替えることにより、物品供給装置4に物品を補充することができる。
【0036】
貯留部41は、物品を貯留する部分であり、中空の容器である。
この貯留部41には、供給部42へ物品を排出するための排出口が設けられている。なお、以下では説明の便宜のため、貯留部41に設けられている排出口を「排出口41a」とする。
【0037】
供給部42は、顧客の操作に応じて、貯留部41に貯留されている物品を所定量、外部へ供給する。
この供給部42には、
図4に示すように、受入口42a、供給口42b、収容体43、及び操作部44が設けられている。
【0038】
受入口42aは、貯留部41の排出口41aに対応する位置に設けられている。排出口41aと受入口42aは連通しており、貯留部41内の物品は、排出口41aと受入口42aを介して供給部42へ排出される。
【0039】
収容体43は、両端が閉じた円筒状の部材であり、内側の中空部分は、物品を収容する収容部431を構成する。外周面には、貯留部41から排出された物品を収容部431に受け入れるための開口部43aが設けられている。
この収容体43は、後述のとおり、操作部44と接続しており、操作部44によって周方向に回動させられる。周方向に回動することで、開口部43aは貯留部41の排出口41a側を向いたり、供給口42b側を向いたりする。ここで、開口部43aが供給口42b側を向いているときは、収容体43の外周面が貯留部41の排出口41a側に向けられ、受入口42aが遮蔽される。このとき、収容体43の外周面は、受入口42aを遮蔽する遮蔽手段を構成している。
なお、収容部431は、内部の空間が定量の物品によってちょうど埋まる体積となるように構成されている。
【0040】
操作部44は、収容体43を回動させ、収容部431に収容されている物品を外部に供給する制御手段を構成する。
この操作部44は、
図4に示すように、上下動するレバー441、レバー441を所定の方向に付勢するバネ等の付勢部(図示省略)、レバー441の上下方向の動きを収容体43の回転動作に変換するラックアンドピニオン(図示省略)によって構成される。
【0041】
図4(a)及び
図5(a)に示すように、顧客がレバー441を操作していない状態においては、レバー441は付勢部によって上方に持ち上げられている。このとき、操作部44に連動する収容体43は開口部43aを貯留部41の排出口41a側に向けており、排出口41aから排出された物品が収容部431内に収容されている。
ここで、
図5(b)に示すように、付勢部による付勢力に抗して、顧客がレバー441を押し下げると、収容体43が周方向に回転し、
図4(b)及び
図5(c)に示すように、開口部43aが供給口42bのある下方に向けられる。これにより、収容部431内に収容されていた物品は、自重によって開口部43aから落下し、供給口42bを介して外部へ供給される。また、このとき、開口部43aが供給口42b側に向けられることで、受入口42aが収容体43の外周面によって遮蔽され、貯留部41から物品が排出されないようになっている。
【0042】
なお、この供給部42における収容体43は、
図6示すように、一対の収容部431を隣り合わせるになるように設けてもよい。これにより、収容体431を4分の1回転するごとに、物品を供給することができる。
【0043】
上述した構造を備える物品供給装置4は、
図7に示すように、情報処理を実行するための機能部として、操作検出部401、識別情報記憶部402、及び通信処理部403を備える。
【0044】
操作検出部401は、顧客による操作部44の操作を検出する機能部であり、これにより顧客による操作に基づいた物品の供給回数がカウントされる。操作検出部401は例えば、操作部44、あるいは操作部44と連動する収容体43など、物品の供給に応じて動作する部分に取り付けられたセンサにより実現される。センサは例えば、ジャイロセンサ、加速度センサであり、操作部44など、センサが取り付けられている部材の操作に基づいた傾斜や回転、変位といった変化を検出する。操作に基づく変化を検出すると、これにより物品の供給が1回、実行されたものとしてカウントする。物品の供給回数に係る情報は、通信処理部403によりラベル発行装置8に提供される。
なお、物品の供給回数のカウントは、物品の供給操作が行われた後、一定時間、無操作状態が続くまでは、同一顧客による複数回の供給操作と判断することもできる。
【0045】
なお、操作検出部401は例えば、
図7に示すように、設定記憶部4011及び判定部4012の機能部によって構成される。
【0046】
設定記憶部4011は、判定部4012による判定に用いられる設定角度や変位の値等の設定値を記憶する。設定角度や変位の値は、傾斜等の検出対象である操作部44が、物品を供給する状態となったか否かを判定するために予め設定した角度である。なお、これらの値は、操作部44に応じた値である。
【0047】
判定部4012は、操作検出部401が取り付けられている操作部44の傾斜角や変位を入力値として、当該入力値が、設定記憶部4011に記憶されている設定値を超えるか否かを判定する。入力値が設定値を超えている場合には、物品が供給されたものとして、物品の供給操作が実行されたと判別できる。
【0048】
ここで、入力値が傾斜角である場合、
図8に示すように、操作検出部401は、
図8(a)に示した姿勢から
図8(b)に示した姿勢に傾斜(回転)した場合、a度が入力値となる(又は、傾斜方向も含め、+a度となる)。また、操作検出部12は、
図8(c)に示した姿勢から
図8(b)に示した姿勢に傾斜(回転)した場合には、b度が入力値となる(又は、傾斜方向も含め、-b度となる)。
【0049】
なお、操作検出部401が取り付けられている操作部44の傾斜角や変位といった入力値が、設定記憶部4011に記憶されている設定値以上である場合には、物品が供給されたと推定できるため、判定部4012は、物品の供給を推定する推定手段であると言うこともできる。換言すれば、判定部4012を備える操作検出部401は、物品供給装置2による物品の供給を推定する推定機器であると言うこともできる。
【0050】
なお、物品の供給回数のカウントにおいては例えば、所定の顧客の操作に応じて物品の供給を行った後、一定時間内に物品の供給が続けて行われなかった場合に、当該所定の顧客の操作が終了したものとみなし、それまでに行った物品の供給回数に係る情報をラベル発行装置8に提供してもよい。
また、所定の顧客の操作に応じて物品の供給を行った後、一定時間内に連続的に実行した物品の供給は当該所定の顧客の要求に応じたものとみなし、当該一定時間が経ったときに、それまでにカウントした物品の供給回数に係る情報をラベル発行装置8に提供してもよい。
また、物品の供給が1回カウントされる都度、物品の供給回数に係る情報をラベル発行装置8に提供してもよい。
【0051】
識別情報記憶部402は、物品供給装置4を識別可能な識別情報を記憶した記憶部である。
【0052】
通信処理部403は、ラベル発行装置8や上位の装置等とデータの送受信を実行する機能部であり、例えば、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)によるデータ通信を実現する。物品供給装置4はこの通信処理部403により、ラベル発行装置8に対し、物品供給装置4の識別情報と共に、物品の供給回数に係る情報を送信することができる。
【0053】
●実施例2に係る物品供給装置5
物品供給装置5は、上述した貯留部41、及び貯留部41の下方に設けられた、
図9に示す供給部52によって構成される。
なお、実施例1に係る物品供給装置4と同様、貯留部41と供給部52は、一体的に構成されていてもよいし、着脱可能に構成されていてもよい。
【0054】
供給部52は、顧客の操作に応じて、貯留部41に貯留されている物品を所定量、外部へ供給する。
この供給部52には、受入口52a、供給口52b、収容体53、遮蔽部54、支持部55、第一操作部56、及び第二操作部57が設けられている。
【0055】
受入口52aは、貯留部41の排出口41aに対応する位置に設けられている。排出口41aと受入口52aは連通しており、貯留部41内の物品は、排出口41aと受入口52aを介して供給部52へ排出される。
【0056】
収容体53は、ボール皿状の部材であり、内側の凹部は、物品を収容する収容部531を構成する。収容部531の上方は開放されており、開放されている部分は、貯留部41から排出された物品を収容部531に受け入れるための開口部を構成する。この収容体53は、受入口52aの下方に設けられており、これにより、貯留部41から排出された物品は、排出口41aと受入口52aを介して収容部531に収容されるようになっている。
なお、収容部531は、定量の物品によってちょうど埋まる体積となるように調整されている。
【0057】
この収容体53には、その開口部近傍において、後述する第二操作部57が連結しており、第二操作部57によって回転させられる。収容体53が回転することで、開口部は貯留部41の排出口41a側を向いたり、供給口52b側を向いたりする。
また、収容体53には、後述する支持部55が連結している。
【0058】
遮蔽部54は、受入口52aを開放可能に遮蔽する遮蔽手段を構成する。この遮蔽部54は、4つの半円状の遮蔽片541を直線状の部分で断面十字状に接合した形状からなり、当該直線状の部分に沿って、第一操作部56を構成する芯棒562が通っている。
また、遮蔽部54は受入口52aに設けられている。同一平面上に設けられる一対の遮蔽片541が形成する平面の形状は、受入口52aの平面形状と同じである。これにより、いずれか一対の遮蔽片541が水平をなしているとき、受入口52aが遮蔽され、貯留部41内の物品の排出が規制される。一方、このように遮蔽された状態から、遮蔽部54が芯棒562の回転に応じて回転し、いずれの遮蔽片541も水平状態にないとき、受入口52aは開放状態にある。この状態では、貯留部41内の物品が排出口41a及び受入口52aを介して供給部52に排出される。
ここで、受入口52aが遮蔽部54によって遮蔽された状態から、芯棒562が周方向に4分の1回転し、再び受入口52aが遮蔽されるときに、受入口52aを介して収容体53に排出される物品の量は、1回の物品の供給操作によって顧客に提供されるべき所定の量と同等になるように設計されている。
【0059】
支持部55は、収容体53に連結する棒状の部材である。この支持部55には、中心部に回転軸551が設けられており、当該回転軸551を支点として支持部55の両端が上下動するようになっている。また、支持部55の一端側には収容体53が連結し、他端側には錘552と規制部553が設けられている。
なお、支持部55の一端は収容体53に連結しているが、第二操作部57によって回転する収容体53の回転動作に応じて連れ回らないようになっている。
【0060】
錘552は所定の重量からなり、収容部531に定量の物品が収容された際に、回転軸551を支点として、錘552の設けられている端部が上方に持ち上がるようになっている。
規制部553は、後述する第一操作部56を構成するギア563の回転を規制する部分である。この規制部553は、支持部55の端部のうち、錘552が設けられていれる側の端部において、後述する第一操作部56を構成するギア563の下方に設けられている。
規制部553は、収容部531に物品が収容されていないときには、錘552によってギア563の下方にとどめられ、ギア563に接触していない。一方、収容部531に定量の物品が収容されると、回転軸551を支点として上昇し、ギア563の外周面に設けられているギア歯の間に嵌合し、ギア563の回転を規制する。
【0061】
第一操作部56は、供給部52の外側に設けられたハンドル561、ハンドル561の回転に従って周方向に回転する芯棒562、芯棒562の一端に設けられたギア563によって構成される。
【0062】
ハンドル561の一面側の中央に一端が連結する芯棒562は、供給部52内に設けられており、受入口52aの下方を通って、供給部52の奥へ伸びている。この芯棒562には、受入口52aの下方に当たる位置に遮蔽部54が設けられている。芯棒562がハンドル561の回転に従って回転すると、遮蔽部54が回転し、受入口52aを開放したり、遮蔽したりする。
【0063】
ギア563の一面側の中央には、芯棒562の一端が連結している。ギア563は、芯棒562、さらには芯棒562が連結するハンドル561の回転に従って回転する。
このギア563は上述のとおり、規制部553がギア歯の間に嵌合すると、回転を規制される。ギア563の回転が規制されると、ギア563と芯棒562によって連結するハンドル561の回転も規制される。
【0064】
第二操作部57は、収容体53を回動させ、収容部531に収容されている物品を外部に供給する制御手段を構成する。
この第二操作部57は、上下動するレバー571、レバー571を所定の方向に付勢するバネ等の付勢部(図示省略)、レバー571の上下方向の動きを収容体53の回転動作に変換するラックアンドピニオン(図示省略)によって構成される。
【0065】
顧客がレバー571を操作していない状態においては、レバー571は付勢部によって上方に持ち上げられている。このとき、第二操作部57に連動する収容体53は開口部を貯留部41の排出口41a側に向けており、排出口41aから排出された物品が収容部531内に収容されている。ここで、付勢部による付勢力に抗して、顧客がレバー571を押し下げると、収容体53が周方向に回転し、収容体53の開口部が供給口52bのある下方に向けられる。これにより、収容部531内に収容されていた物品は、自重によって落下し、供給口52bを介して外部へ供給される。
収容部531が空になると、支持部55が回転軸551を支点として回転し、これにより規制部553がギア563から離れ、再び第一操作部56の操作が可能となる。
【0066】
上述した構造を備える物品供給装置5は、物品供給装置4と同様、情報処理を実行するための機能部として、操作検出部、識別情報記憶部、及び通信処理部を備える。これらの操作検出部、識別情報記憶部、及び通信処理部は、上述した操作検出部401、識別情報記憶部402、及び通信処理部403と同様の機能を実行する。
【0067】
なお、物品供給装置5が備える操作検出部を実現するセンサは例えば、第一操作部56、第二操作部57、あるいは第二操作部57と連動して回転する収容体53に取り付けられる。
【0068】
●実施例3に係る物品供給装置6
物品供給装置6は、上述した貯留部41、及び貯留部41の下方に設けられた、
図10及び
図11に示す供給部62によって構成される。
なお、実施例1に係る物品供給装置4と同様、貯留部41と供給部62は、一体的に構成されていてもよいし、着脱可能に構成されていてもよい。
【0069】
供給部62は、顧客の操作に応じて、貯留部41に貯留されている物品を所定量、外部へ供給する。
この供給部62には、受入口62a、収容体63、及び供給口62bが設けられている。
【0070】
受入口62aは、貯留部41の排出口41aに対応する位置に設けられている。排出口21aと受入口62aは連通しており、貯留部41内の物品は、排出口41aと受入口62aを介して供給部62へ排出される。
【0071】
収容体63は、角柱状の部材であり、長さ方向の一端が外部に露出すると共に、長さ方向の他端が供給部62内に収められている。また、供給部62内には、収容体63を下面側から支持する支持部631が設けられている。収容体63は、支持部631に支持された状態で、長さ方向に沿って、供給部62内を進退する。
この収容体63の外部に露出する部分は、後述のとおり、収容体63に収容される物品を外部に供給する操作を実行するための操作部を構成している。
【0072】
収容体63の供給部62内に収められている側の一端には、バネ等の付勢部632が設けられている。
付勢部632の長さ方向の端部のうち、収容体63に取り付けられている端部とは反対側の端部は、供給部62の内壁に取り付けられている。これにより、収容体63が外部から供給部62側へ押し込められると、付勢部632が押し縮められ、収容体63を外側へ付勢する。
【0073】
収容体63には、上下に開口した貫通孔63aが形成されている。この貫通孔63aは、断面が受入口62aと同じ形状に構成されており、付勢部632が伸びきっている状態では、受入口62aの下方に貫通孔63aの上端側の開口部あらわれるようになっている。また、この状態では、貫通孔63aの下端側の開口部は支持部631によって塞がれており、貫通孔63aは支持部631と共に、貯留部41から排出された物品を収容する収容部を構成している。なお、貫通孔63aと支持部631によって構成される収容部は、内部の空間が定量の物品によってちょうど埋まる体積となるように構成されている。
【0074】
付勢部632が押し縮められた状態では、貫通孔63aの上端側の開口部は、受入口62aの下方にあらわられない。この状態では、受入口62aは収容体63によって遮蔽されており、収容体63は、受入口62aを遮蔽する遮蔽手段を構成している。
また、この状態では、貫通孔63aの下端側の開口部は支持部631によって塞がれておらず、支持部631によって塞がれていた際に物品が収容されていた場合には、当該物品が自重によって落下し、供給口62bから外部へ供給される。
【0075】
物品供給装置6において、顧客が、外部に露出している収容体63を押し込む操作を行っていない状態においては、貫通孔63aは受入口62aの下方にあらわれ、物品を収容可能な収容部を構成している。この状態において、排出口41aから物品が当該収容部へ排出され、当該収容部内に物品が収容される。
【0076】
顧客が、付勢部632による付勢力に抗して、外部に露出している収容体63を押し込む操作を行うと、貫通孔63aが奥に移動し、受入口62aが収容体63によって遮蔽される。一方、貫通孔63aの下方は開放され、これにより、物品が供給口62bから外部へ供給される。
物品が外部へ供給された後、顧客が収容体63から手を離すと、収容体63は付勢部632による付勢力を受けて、供給部62内に深く押し込められた状態から戻る。これにより、再び、貫通孔63aが受入口62aの下方にあらわれると共に、貫通孔63aは支持部631と収容部を構成し、貯留部41から排出された物品が収容される。
【0077】
上述した構造を備える物品供給装置6は、物品供給装置4と同様、情報処理を実行するための機能部として、操作検出部、識別情報記憶部、及び通信処理部を備える。これらの操作検出部、識別情報記憶部、及び通信処理部は、上述した操作検出部401、識別情報記憶部402、及び通信処理部403と同様の機能を実行する。
【0078】
なお、物品供給装置6が備える操作検出部を実現するセンサは例えば、操作部を兼ねる収容体63に取り付けられる。
【0079】
●実施例4に係る物品供給装置7
図12は、実施例4に係る物品供給装置を構成する供給部72を模式的に示している。供給部72の上方には、上述した貯留部41が設けられている。
なお、ここでは、貯留部41と供給部72によって構成された物品供給装置を「物品供給装置7」と称している。
また、実施例1に係る物品供給装置4と同様、貯留部41と供給部72は、一体的に構成されていてもよいし、着脱可能に構成されていてもよい。
【0080】
供給部72は、顧客の操作に応じて、貯留部41に貯留されている物品を所定量、外部へ供給する。
この供給部72には、受入口(不図示)、収容体73、遮蔽部74、及び供給口72bのほか、図示しない第一操作部と第二操作部が設けられている。
【0081】
受入口は、貯留部41の排出口41aに対応する位置に設けられている。排出口41aと受入口は連通しており、貯留部41内の物品は、排出口41aと受入口を介して供給部72へ排出される。
【0082】
収容体73は、上下に開口した円筒状の部材である。
収容体73の下端の開口部には、蓋体731が設けられており、この蓋体731によって下端の開口部は開放されたり、塞がれたりする。蓋体731によって下方が塞がれた状態では、収容体73の内部は、物品を収容する収容部732を構成する。
【0083】
収容体73の上方は、後述する遮蔽部74によって遮蔽可能に開放されており、開放されている部分は、貯留部41から排出された物品を収容部732に受け入れるための開口部73aを構成する。この開口部73aは、受入口の下方に設けられており、これにより、貯留部41から排出された物品は、排出口41aと受入口を介して、開口部73aから収容部732に収容されるようになっている。
なお、収容部732は、定量の物品によってちょうど埋まる体積となるように調整されている。
【0084】
遮蔽部74は、第一操作部による操作に応じて、収容体73の上方の開口部73aを遮蔽する。
この遮蔽部74は、6つの略扇状の遮蔽片741を備える。6つの略扇状の遮蔽片741は、それぞれの頂角を重ね合わせることで、開口部73aの形状と同じ円形を構成し、開口部73aを遮蔽する。この状態では、貯留部41内の物品の排出が規制される。
一方、遮蔽片741はいずれも、
図12に示すように、弧を挟む底角のうちの一方を中心として受入口72aの外側へ回転し、これにより、受入口が開放される。この状態では、貯留部41内の物品が排出口41a及び受入口を介して供給部72に排出される。
【0085】
第一操作部は、遮蔽部74を操作するための機構であり、遮蔽部74に連結している。第一操作部は、供給部72の外側から顧客による操作を受け付けられるようになっており、顧客の操作に応じて、遮蔽部74は受入口72aを遮蔽したり、開放したりする。
【0086】
第二操作部は、蓋体731を操作するための機構であり、蓋体731に連結している。第二操作部は、供給部72の外側から顧客による操作を受け付けられるようになっており、顧客の操作に応じて、蓋体731は収容体73の下端を開放したり、塞いだりする。
【0087】
このような物品供給装置7では、蓋体731で収容体73の端を閉じた状態で、遮蔽部74を開放させて、貯留部41から物品を排出させ、収容部732に物品を収容させる。物品の供給を受ける場合には、第一操作部により遮蔽部74を操作して受入口を遮蔽する。そして、第二操作部により蓋体731を操作して収容体73の下端を開放する。これにより、収容部732内の物品は落下し、供給口72bを介して外部へ供給される。
【0088】
上述した構造を備える物品供給装置7は、物品供給装置4と同様、情報処理を実行するための機能部として、操作検出部、識別情報記憶部、及び通信処理部を備える。これらの操作検出部、識別情報記憶部、及び通信処理部は、上述した操作検出部401、識別情報記憶部402、及び通信処理部403と同様の機能を実行する。
【0089】
なお、物品供給装置7が備える操作検出部を実現するセンサは例えば、第一操作部、第二操作部、あるいは第二操作部と連動する蓋体731に取り付けられる。
【0090】
●ラベル発行装置8
ラベル発行装置8は、ラベルを発行するプリンタ装置である。このラベル発行装置8は、第一ユニットU1及び第二ユニットU2から、顧客に提供した物品に関する情報を取得し、これに応じて当該顧客に提供した物品を販売するための情報が印刷されたラベルを発行する。
【0091】
ラベル発行装置8は
図13(a)に示すように、ハードウェア資源として、情報処理を実行するためのCPU(Central Processing Unit)などの演算装置、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶装置を備え、インターフェース回路を介して、ディスプレイ81と発行部82が接続されている。
【0092】
ディスプレイ81は、タッチパネル式ディスプレイによって実現され、顧客に各種情報を表示するとともに、各種の操作情報を受け付ける入出力処理部として機能する。
【0093】
発行部82は、後述する情報処理部804によって生成された印刷データを所定の媒体に印刷してラベルを生成し、ラベル発行口8aから当該ラベルを排出する。
なお、ラベルは、紙媒体の所謂レシートであってもよいし、物品を入れる容器等に貼付可能なシールであってもよい。
【0094】
ラベル発行装置8は
図13(b)に示すように、ソフトウェア資源として、物品マスタ801、容器マスタ802、設定マスタ803、情報処理部804、及び通信処理部805を備える。
【0095】
物品マスタ801は、物品の名称や価格などの基本情報を記憶している。
この物品マスタ801に記憶されるデータ項目には例えば、
図14に示すように、物品識別情報、物品名、計量区分、単価、単位重量が含まれる。
なお、物品マスタ801に記憶されている情報は、通信処理部により、店舗内に設置される管理装置や店舗外に存在するクラウドサーバ等から受信するものであってもよい。
【0096】
計量区分は、計量に関する区分である。
計量区分「0」は、「不定貫」に対応する計量区分であり、第一ユニットU1によって顧客に物品が提供される場合に適用される。不定貫とは、予め設定した単位重量(本実施形態では「100g」)当りの単価と、販売する重量(計量値)とに基づいて販売価格が決定される販売方法である。計量区分「0(不定貫)」の物品については、販売価格の決定に際し、販売する重量が必要になる。
【0097】
計量区分「0(不定貫)」であるときは、単価欄には、単位重量当りの単価が記憶され、単位重量欄には、単位重量が記憶されている。例えば、物品識別情報「SH001」の物品(物品名「AAA」)の場合、100g当りの単価が250円である旨が記憶されている。従って、物品名「AAA」の物品は、例えば、計量値が50gであれば販売価格は125円となり、計量値が200gであれば販売価格は500円となる。
【0098】
計量区分は「1」は、「定貫」に対応する計量区分であり、第一ユニットU1によって顧客に物品が提供される場合に適用される。定貫とは、予め設定した単位数量(本実施形態では「1個」)当りの単価と、単位重量から換算される販売数量とに基づいて販売価格が決定される販売方法である。計量区分「1(定貫)」の物品については、当該物品の単位重量(単位数量である1個の重量。既に記憶)と、計量値とから、当該物品の数量を算出(推定)し、算出した当該物品の数量と、単位数量当りの単価とから、販売価格が決定されるため、計量装置3による計量は必要である。
なお、個体の重量誤差はカウンティングスケール等に備えている精度補正機能を用いてもよい。
【0099】
計量区分「1(定貫)」であるときは、単価欄には、単位重量(すなわち数量1)当りの単価が記憶され、単位重量欄には、数量1に相当する単位重量が記憶されている。例えば、物品識別情報「SH103」の物品(物品名「ABC」)の場合、1個(重量80g)当りの単価が90である旨が記憶されている。従って、物品名「ABC」の物品は、例えば、計量値が85g程度であれば販売価格は1個分の90円となり、計量値が150g程度であれば販売価格は2個分の180円となる。
【0100】
計量区分は「2」は、「定額」に対応する計量区分であり、第二ユニットU2によって顧客に物品が提供される場合に適用される。定額とは、予め設定した単位数量(本実施形態では「1個」)当りの単価と、置数入力される販売数量とに基づいて販売価格が決定される販売方法である。計量区分「2(定額)」の物品については、重量とは無関係に置数により販売数量が決定されるため、計量装置3による計量は不要である。
【0101】
計量区分が「2(定額)」であるときは、単価欄には、数量1当りの単価が記憶される(単位重量欄には何も記憶されない)。例えば、物品識別情報「SH150」の物品(物品名「AAAA」)の場合、1個当りの単価が120である旨が記憶されている。従って、物品名「AAAA」の物品は、例えば、置数入力値が1であれば販売価格は1個分の120円となり、置数入力値が2であれば販売価格は2個分の240円となる。
【0102】
容器マスタ802は、物品を入れる容器の重量等に係る情報を記憶している。なお、本実施形態において利用が予定されている容器には、顧客が所有する所謂マイ容器と、店舗で販売される容器がある。ただし、店舗で販売される容器には、顧客が購入した後にマイ容器として使用可能なものもある。
【0103】
この容器マスタ802に記憶されるデータ項目には例えば、店舗容器識別情報、店舗容器重量情報、店舗容器価格情報を含む。店舗容器識別情報は、店舗容器に係る容器識別情報が含まれる。容器識別情報は、容器を識別する識別情報である。容器識別情報は、例えば、マイ容器、容器S(店舗容器の1つ)、容器M(店舗容器の1つ)、容器L(店舗容器の1つ)の夫々を識別可能な識別情報である。例えば、容器識別情報「10」はマイ容器、容器識別情報「21」は容器S、容器識別情報「22」は容器M、容器識別情報「23」は容器Lなどである。店舗容器識別情報は、上述したように、店舗容器に係る容器識別情報である。店舗容器重量情報は、店舗容器の夫々の重量情報である。店舗容器価格情報は、店舗容器の夫々の価格情報である。
【0104】
設定マスタ803は、物品供給装置4を識別可能な装置識別情報と、物品供給装置4に貯留されている物品の物品識別情報とを関連付けた設定情報を記憶している。
この設定マスタ803を参照することにより、所定の物品供給装置4に貯留され、当該所定の物品供給装置4から供給される物品を特定できる。
なお、この設定マスタ803において、物品供給装置2の装置識別情報と、当該物品供給装置2に貯留されている物品の物品識別情報を関連付けて記憶させておいてもよい。
【0105】
情報処理部804は、第一ユニットU1又は第二ユニットU2から、物品の販売価格を算出に必要な情報を取得し、物品の販売価格を算出する。
第一ユニットU1において顧客に物品が提供された場合にはまず、情報処理部804は物品マスタ801を参照し、顧客に提供した物品とその単価を把握する。そして、計量値と容器の重量から顧客に提供した物品の重量を算出した上、物品の単価に当該算出した重量を乗じて、顧客に提供した物品の販売価格を算出する。
なお、物品の提供に際して顧客が容器を購入した場合には、販売価格の算出において当該容器の購入費用を含める。
【0106】
また、第二ユニットU2において顧客に物品が提供された場合にはまず、情報処理部804は物品マスタ801を参照し、顧客に提供した物品と、物品供給装置4によって物品の供給1回あたりの単価を把握する。そして、物品の供給1回あたりの単価に供給回数を乗じて、顧客に提供した物品の販売価格を算出する。
【0107】
なお、物品の提供に際して顧客が容器を購入した場合には、販売価格の算出において当該容器の購入費用を含める。また、物品の販売価格に係る情報は例えば、一次元あるいは二次元のコードにコード化してもよい。
【0108】
情報処理部804によって算出された物品の販売価格に係る情報は、物品の名称や数量等に係る情報と共に発行部82に供給され、発行部82によってラベルとして発行される。
図15(a)は、マイ容器を利用した場合に発行されるラベルの一例を示している。
図15(a)のラベルには、マイ容器を利用した旨の表記としてマイボトルと印刷されている。
図15(a)のラベル上の827円は、単価(円/100g)700円の(オリジナルナッツミックス)の正味量(121g)分の金額(847円)からマイボトルを利用した場合のマイボトル割引金額(20円)を割り引いたマイボトル特別価格である。ここで、正味量(121g)は、第一ユニットU1による場合は、計量装置3によって計量された数値であり、第二ユニットU2による場合は、物品の供給1回あたりの定量値である。
なお、
図15(a)の例では印刷していないが、マイボトル割引金額(20円)も印刷してもよい。
図15(a)のラベル上のバーコードは、例えば、上記金額(847円)をコード化したものである。なお、個人の所有物であるマイボトル(マイ容器)は0円であるため、マイボトル(マイ容器)について0円と明示的に印刷してもよい。
【0109】
図15(b)は、店舗容器を利用した場合のラベルである。
図15(b)のラベルには、店舗容器を利用した旨の表記として容器Aと印刷されている。本例では、容器Aの価格は、30円であるため、30円と印刷されている。
図15(b)のラベル上の877円は、
図15(a)にて説明した847円に容器A分の価格30円を加算した金額である。
図15(b)のラベル上のバーコードは、例えば、上記金額(877円)をコード化したものである。
【0110】
通信処理部805は、第一ユニットU1を構成する計量装置3や、第二ユニットU2を構成する物品供給装置4とデータと通信可能に構成されている。
なお、通信手段は特に限定されず、例えば、有線又は無線方式によるLANによって実現される。また、ラベル発行装置8は計量装置3や物品供給装置4のほか、店舗内に設置されている上位のサーバ等と通信可能に構成されていてもよいし、インターネット等のネットワークを介して、外部のサーバと通信可能に構成されていてもよい。
【0111】
なお、ラベル発行装置8は、これらの機能部のほか、物品の販売態様に応じて、スキャナ部、音声出力部、タグ読書部などを備えていてもよい。
【0112】
スキャナ部は、各種の情報を光学的に読み取る機能部であり、所定の情報をコード化した一次元又は二次元のコードを読み取る。
これにより、例えば、物品を入れる容器の重量に係る情報、あるいは当該容器を識別する容器識別情報を二次元コードにコード化して容器に印字等しておき、当該二次元コードを読み取って容器の重量に係る情報あるいは容器識別情報を取得してもよい。
【0113】
音声出力部は、音声を出力する。これにより、例えば、音声ガイダンス等を出力する。
【0114】
タグ読書部は、非接触型ICタグに対して情報の読み書きを実行する。非接触型ICタグの一例は、RFID(radio frequency identifier)タグであり、タグ読書部は、非接触型ICタグとの間で、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によって情報の読み書きを実行する。
これにより、例えば、非接触型IDタグに、物品を入れる容器の重量に係る情報、あるいは当該容器を識別する容器識別情報を書き込んでおき、当該非接触型IDを組み込んだラベルを容器に貼付しておく。そして、タグ読書部によって、物品を入れる容器の重量に係る情報、あるいは当該容器を識別する容器識別情報を読み込んでもよい。
【0115】
また、ラベル発行装置8はこのほか、ディスプレイ81に操作可能に表示するボタンに関するボタン設定ファイルなどを記憶する。
【0116】
また、店舗内には、ラベル発行装置8によって発行されたラベルに基づいて、物品の決済処理を実行する店舗端末が別途、設置されている。この店舗端末は例えば、店員又は顧客自らが操作するPOS端末であり、店員又は顧客はラベルに印刷されている物品の販売価格に係る情報を店舗端末に入力し、所定の決済手段に応じた決済操作を実行する。
【0117】
なお、上述したラベル発行装置8が有するソフトウェア資源は、適宜の設計によりいずれかのハードウェア資源に分散又は集約させることができるし、ハードウェア資源も物理的に一体をなす装置あるいは別体をなす装置として構成することもできる。
【0118】
●処理の流れ(第一ユニットU1が使用される場合)
以下、本実施形態に係る物品販売装置1により、顧客が物品の提供を受ける際に実行される処理の流れについて説明する。
なお、店舗側では、物品販売装置1の使用前に、各物品供給装置2、4と、当該各物品供給装置2,4によって供給される物品の物品識別情報とを関連付けて設定マスタ803に保持しておく。
【0119】
顧客は物品販売装置1を利用する場合、第一ユニットU1又は第二ユニットU2を任意に選んで利用する。
まず、顧客が第一ユニットU1により、物品の提供を受ける場合に実行される処理の流れの一例について、
図16を参照して説明する。
【0120】
顧客は、ラベル発行装置8のディスプレイ81から、使用する容器を選択する(S101)。容器はマイ容器、あるいは店舗が販売する店舗容器を選択できる。なお、店舗が販売する店舗容器はS、M、Lなどのサイズがあり、顧客は所望のサイズを選択する。
ここで、マイ容器が選択された場合、マイ容器が登録されているときは、マイ容器に貼付等されているラベルに記載の二次元コード、あるいはマイ容器に取り付けられた非接触型ICタグからマイ容器を識別する容器識別情報、あるいはマイ容器の重量に係る情報を取得する。また、店舗が販売する店舗容器が選択された場合、店舗容器の重量が容器マスタ802に容器識別情報に関連付けて登録されていれば、容器識別情報に基づいて店舗器の重量が把握される。これにより、容器マスタ802を参照して、マイ容器や店舗容器の重量を把握することができる。マイ容器を選択した場合の容器重量(風袋重量)及び店舗が販売する店舗容器の重量は、ラベル発行装置8で自動取得されるので風袋引きの操作を省略できるので有用である。なお、未登録の容器の場合でも、空容器を計量部31に載置し、風袋引き操作を行うことで利用できる。
【0121】
一方、マイ容器が未登録のときは、風袋の重量として当該マイ容器の重量を測り、マイ容器の登録を行う。
マイ容器の登録の一例では、まず、客が持参した容器(マイ容器として登録しようとする容器)に非接触型ICタグが埋め込まれたラベルを貼付する。続いて、未登録のマイ容器を計量装置3に載置する。計量装置3は、載置された未登録のマイ容器を計量する。当該計量値は、風袋(マイ容器)の重量である。計量装置3は、マイ容器の計量後、当該計量値を、マイ容器に貼付されているラベルに付されている非接触型ICタグに書き込む。これにより、未登録のマイ容器は、登録済のマイ容器となる。
また、マイ容器の登録の他の例では、所定の容器識別情報が記憶されている非接触型ICタグ、あるいは所定の容器識別情報をコード化した二次元コードが印刷されたラベルをマイ容器に貼付する。そして、容器マスタ802において、当該所定の容器識別情報とマイ容器の風袋重量を登録する。
【0122】
顧客は、所望の商品が収められている物品供給装置2を操作して、容器に物品を入れ、物品を入れた容器を計量装置3の載置面311上に載置する。なお、所望の物品が収められている物品供給装置2の下方に設置されている計量装置3の載置面311上に容器を載置してから、物品供給装置2を操作して、所望の量の物品を容器に入れてもよい。
計量装置3は、計量部31により、載置面311上の容器と当該容器内に入れられた物品の重量を計る(S102)。
ラベル発行装置8に対し、物品供給装置2からは自装置を識別する装置識別情報が送信され、計量装置3からは物品の計量値に係る情報が送信される(S103)。
【0123】
ラベル発行装置8は、情報処理部804により、顧客に提供した物品の販売価格を算出する(S104)。即ち、情報処理部804は物品マスタ801及び設定マスタ803を参照し、顧客に提供した物品とその単価を把握する。そして、計量値と容器の重量から顧客に提供した物品の重量を算出した上、物品の単価に当該算出した重量を乗じて、顧客に提供した物品の販売価格を算出する。
なお、販売価格の算出に際し、ステップS101において容器の購入があった場合には、当該容器の購入費用を販売価格に含める。
【0124】
ラベル発行装置8は、発行部82により、販売価格に係る情報を紙等の媒体に印刷してラベルを作成すると、当該ラベルをラベル発行口8aより排出する(S105)。
ラベルを受け取った顧客は、当該ラベルを店員に渡し、店員は店舗端末により決済処理を実行する。なお、決済処理は、顧客自らが店舗決済で行えるようになっていてもよい。
【0125】
なお、第一ユニットU1による物品の販売では、物品の選択を受け付けるようにしてもよい。この場合には、物品供給装置2からの装置識別情報を受信して物品を特定する必要はない。
【0126】
図17は、ラベル発行装置8に表示される、物品としての商品の選択画面の一例を示している。
この選択画面には、上部に計量値、単位重量、金額を表示する領域が設けられている。また、選択画面の下部には、仮想キーボード、仮想テンキーが表示されている。商品選択画面の中央部には、商品ボタンを表示する領域(商品ボタン領域)が設けられている。
商品ボタンには、商品の重量を合わせて表示するこができる。また、商品ボタンは、商品ごとのみならず、同一商品であっても所定の重量ごとに設けられていてもよい。
図17に示す例では、同じ「Cashew Nuts」について、「90g」のボタンと、「120g」のボタンが設けられている。
【0127】
また、選択画面において、ボタン領域に表示される商品ボタンは、タブによって切り替え可能である。タブ「Nuts」、「Hot Items」、「Fruits」、「Vegetables」の夫々は、夫々の商品に関するタブである。タブ「Nuts」が選択された場合、商品ボタン領域には、
図18に示すように、ナッツ類に含まれる全商品の商品ボタンが一覧表示される。タブ「Hot Items」、タブ「Fruits」、タブ「Vegetables」が選択された場合についても同様である。タブ「Selected Items」は、客によって選択された商品に関するタブである。
【0128】
顧客はこの選択画面上から、計量対象商品としての物品を選択し、ラベル発行装置8はこれを受け付ける。ラベル発行装置8は、計量装置3から取得した物品の計量値と、顧客によって選択画面上から選択された物品の情報に基づいて販売価格を算出し、ラベルを発行する。
【0129】
また、顧客が物品を入れる容器を選択する際に、ラベル発行装置8に表示される画面の一例を
図19及び
図20に示す。
図19は、物品を入れる容器として店舗容器が選択された場合の画面を示しており、画面上には、店舗容器として、S、M、Lのいずれかのサイズを選択するボタンが表示されている。顧客は当該画面上から、自らが選んだサイズを指定する。
図20は、計量した物品の正味量と販売価格の算出後の画面を示しており、画面上には、物品としての商品の名称、顧客が選択したサイズの店舗容器の風袋重量、物品の正味量、物品の単価、及び販売価格が表示されている。
【0130】
なお、容器の選択は、顧客が物品の提供を受けた後に行うようになっていてもよい。例えば、物品が顧客に提供され、これにより計量装置3からラベル発行装置8に対して計量値と装置識別情報が送信され、ラベル発行装置8のディスプレイ81上に計量結果を表示した後、一定の無操作時間(例えば、数秒)の経過に応じて容器の選択画面を展開し、顧客から容器の選択を受け付ける。
【0131】
●処理の流れ(第二ユニットU2が使用される場合)
顧客が第二ユニットU2により、物品の供給を受ける場合に実行される処理の流れの一例について、
図21を参照して説明する。
【0132】
顧客は第一ユニットU1を利用する場合の手順と同様、ラベル発行装置8のディスプレイ81から、使用する容器を選択する(S201)。
【0133】
顧客は、所望の物品が収められている物品供給装置4の下方に容器をもっていき、物品供給装置4を操作して、当該所望の物品を容器に入れる。なお、所望の物品が収められている物品供給装置4の下方に容器を載置してから、物品供給装置4を操作して、物品を容器に入れてもよい。物品供給装置4では、一回の操作で定量の物品が供給されるようになっており、顧客は所望の回数、物品供給装置4を操作して物品の供給を受ける。
これに対して、物品供給装置4は、操作検出部301により操作を検出し(S202)、供給回数をカウントする(S203)。
【0134】
ラベル発行装置8は、顧客による物品の供給操作を検出した後、無操作状態で一定時間が経過すると(S204)、顧客による操作が終了したものとして、自装置の装置識別情報と物品の供給回数に係る情報をラベル発行装置8に送信する(S205)。
【0135】
ラベル発行装置8は、情報処理部804により、顧客に提供した物品の販売価格を算出する(S206)。即ち、情報処理部804は物品マスタ801を参照し、顧客に提供した物品と、物品供給装置4によって物品の供給1回あたりの単価を把握する。そして、物品の供給1回あたりの単価に供給回数を乗じて、顧客に提供した物品の販売価格を算出する。
なお、販売価格の算出に際し、ステップS201において容器の購入があった場合には、当該容器の購入費用を販売価格に含める。
【0136】
ラベル発行装置8は、発行部82により、販売価格に係る情報を紙等の媒体に印刷してラベルを作成すると、当該ラベルをラベル発行口8aより排出する(S207)。ここで、ラベルの取り忘れを防ぐために、取り忘れを防止するためのセンサを取り付け、取り忘れを報知してもよい。
ラベルを受け取った顧客は、当該ラベルを店員に渡し、店員は店舗端末により決済処理を実行する。なお、決済処理は、顧客自らが店舗決済で行えるようになっていてもよい。
【0137】
なお、第二ユニットU2によって顧客に物品を提供する処理において、マイカップを使用する場合には容器の選択を不要にすることもできる。また、店舗容器は別途、物品販売装置1とは別で販売するようにし、顧客が店舗容器を使用する場合にも、容器の選択を不要にすることができる。このような構成よれば、顧客はラベル発行装置8において何らかの操作をすることなく、物品の提供を受けることができる。
【0138】
●物品供給装置9
なお、以上の本実施形態に係る物品供給装置4では、物理的な機構のみにより、一回の操作で定量の物品が貯留部41から供給部42に供給されるようにした。一方、他の実施形態に係る物品供給装置9においては、
図22に示すように、貯留部41の排出口41aにホッパースケール91を取り付け、貯留部41からホッパースケール91を介して顧客に物品を提供することもできる。
【0139】
ホッパースケール91は、
図22に示すように、貯留部41から物品の供給を受け入れるための受入口91a、物品を外部に供給するための供給口91b、物品を収容可能な収容部92、及び計量部93を備えるほか、図示しない第一遮蔽部、及び第二遮蔽部を備える。
また、物品供給装置9には、当該物品供給装置9を操作する操作部94が設けられている。
図22においては、操作部94は貯留部41に設けられているが、ホッパースケール91に設けられていてもよい。
また、物品供給装置9は、第一遮蔽部と第二遮蔽部を制御する制御部を備える
【0140】
受入口91aは、貯留部41の排出口41aに対応する位置に設けられている。排出口41aと受入口91aは連通しており、貯留部41内の物品は、排出口41aと受入口91aを介して収容部92へ排出される。
供給口91bは、収容部92から外部に通じる開口部であり、供給口91bを介して収容部92内の物品が外部に供給される。
【0141】
第一遮蔽部は受入口91aを開放可能に遮蔽する手段であり、例えば受入口91aを塞ぐことのできる板状の部材等によって構成される。
第二遮蔽部は供給口91bを開放可能に遮蔽する手段であり、例えば供給口91bを塞ぐことのできる板状の部材等によって構成される。
第一遮蔽部と第二遮蔽部はいずれも、電気的制御によって受入口91a又は供給口91bを開放したり、遮蔽したりする。
【0142】
収容部92は、受入口91aを介して、上方に取り付けられている貯留部41から排出された物品を受け入れて収容する。
【0143】
計量部93は、収容92部内の物品の重量をロードセルによる重量検出方式で計量する。この計量部93により、収容部92内の物品の重量を計量することができる。
なお、計量部93は詳細には、計量装置3における計量部31と同様の重量検出部(ロードセル)、AD変換機によって構成され、重量検出部からAD変換機にアナログデータが入力されると、当該アナログデータがデジタルデータに変換されて重量が確定する。
【0144】
操作部94は、物品供給装置9に対して物品の供給を要求するための手段であり、本実施形態ではレバーによって構成されている。レバーによって構成された操作部94を押し下げると、物品の供給を要求する信号が制御部に送信され、制御部はこれに応じて物品を供給する制御を実行する。物品の供給を要求する信号が制御部に送信されると、レバーは元の位置に戻る。
【0145】
制御部は、操作部94が操作され、これにより物品の供給を要求する信号を受け付けると、第一遮蔽部と第二遮蔽部を制御し、定量の物品を外部に供給する。
【0146】
ここで、制御部による物品の供給制御について説明する。
待機状態において、受入口91aは第一遮蔽部によって遮蔽されている。なお、このとき、供給口91bは第二遮蔽部によって遮蔽されていてもよいし、開放されていてもよい。
操作部94によって、物品の供給を要求する信号が制御部に送信されると、制御部は、第一遮蔽部を制御して受入口91aを開放する。このとき、供給口91bが第二遮蔽部によって遮蔽されているときはそのまま、遮蔽しておく。一方、供給口91bが第二遮蔽部によって遮蔽されていないときは、受入口91aの開放に合わせて、第二遮蔽部を制御して第二遮蔽部により供給口91bを遮蔽する。
【0147】
制御部は、計量部93によって計量される収容部92内の物品重量を参照して、第一遮蔽部を適宜に制御し、収容部92内の物品重量が所定の重量になるようにする。
収容部92内の物品重量が所定の重量になり、重量検出部が、物品重量が安定した判断すると、制御部は第一遮蔽部を制御して受入口91aを遮蔽すると共に、第二遮蔽部を制御して供給口91bを開放する。
これにより、一回の操作に応じて定量の物品が顧客に提供される。
【0148】
なお、この物品供給装置9においては、操作部94の操作に応じて、収容部92内に任意の量の物品が収まるように貯留部21から物品を排出させることもできる。例えば、顧客は操作部94を操作して収容部92内の物品の量が所定の量になるまで物品を収容部92に排出させる。このとき、物品供給装置9に連動するラベル発行装置8のディスプレイ81には計量画面が展開され、顧客は商品名、g単価、重量、売価等などを把握できる。収容部92内の物品の量が所定の量に達すると、顧客は操作部94を操作して物品の排出を止める。ラベル発行装置8は、物品の排出操作の停止、物品重量の安定、あるいは所定のボタンの押下により精算用のラベルを発行する。この場合には、量り売りによって顧客に任意の量の物品を提供できる。
なお、このように物品を量り売りする場合には、第一遮蔽部は常時、開放した状態とした上、操作部94によって第二遮蔽部を制御して供給口91bを開放、又は遮蔽し、所定の量の物品を供給するようにしてもよい。
【0149】
また、この物品供給装置9についても、物品供給装置4と同様、操作部94の操作に応じて、物品供給装置9を識別可能な装置識別情報をラベル発行装置8に対して送信することができ、これによりラベル発行装置8において物品供給装置9が供給する物品が特定される。
【0150】
●電子棚札10
以上の本実施形態に係る物品販売装置1について、上述した貯留部21、41には、
図1に示すように、センサを内蔵した電子棚札10を取り付けてもよい。
電子棚札10は例えば、センサ、ディスプレイ、識別情報記憶部、及び通信処理部によって構成される。
【0151】
センサは、電子棚札10が取り付けられている貯留部内の物品の量を検出する貯留量検出部を構成する。このセンサは例えば、光センサ等によって実現され、貯留部21、41に取り付けられる背面側に設けられる。
図1に示すように、電子棚札10は貯留部21、41の下方に取り付けられ、電子棚札10の背面側に取り付けられセンサは、貯留部21、41に向けて検出光を照射する。貯留部21、41内の書湯品による検出光の反射あるいは遮光される光量の変化から、貯留部21、41内の貯留状況が把握される。即ち、貯留部21、41内の物品が減り、センサからの検出光が貯留部21、41内の物品にて遮られなくなると、物品が不足してきたものと認識できる。
このセンサによる情報は、通信処理部により、電子棚札10を識別する識別情報と共に上位端末等に提供される。
【0152】
ディスプレイは、貯留部21、41内の物品に関する情報を電子的に表示する。物品に関する情報は、LAN等のネットワークを介して上位端末等から提供される。
ここで、ディスプレイ上に表示され情報の一例を
図23に示す。
図23(a)では、電子棚札10が取り付けられている物品供給装置2、4において、“Hazel Nuts”が200mLあたり14.20ドルで提供されていることを示している。
また、
図23(b)では、電子棚札10が取り付けられている物品供給装置2、4において、1kgあたり34.0ドルで提供されている“Roasted salted Almond”が売り切れていることを示している。この例では、売り切れを示すべく、”SOLD OUT”の表示をすると共に、物品名の“Roasted salted Almond”に取消線が付されている。
【0153】
識別情報記憶部は、電子棚札10を識別するための識別情報を記憶する。上位端末等においては予め、電子棚札10に割り振られた識別情報と物品を関連付けて設定情報として登録しておき、識別所情報に基づいて電子棚札10が管理される。
これにより、例えば、物品の更新情報などを電子棚札10に提供し、更新後の物品の情報をディスプレイ上に表示させられる。より具体的には、センサに基づいた情報から、物品の貯留量が所定の閾値を下回ったと判断した場合に、売り切れを示す情報の表示要求を電子棚札10に送信し、ディスプレイに表示させられる。
【0154】
通信処理部は、例えば、有線又は無線方式によるLANによって実現され、ラベル発行装置8や上位端末、あるいは他の中継装置とデータの送受信を実行する。
【0155】
なお、電子棚札10にはさらに、上述した操作検出部401として機能するセンサを設けてもよい。このようなセンサは例えば、加速センサやジャイロセンサといった傾斜センサによって実現される。
電子棚札10を操作部44、あるいは操作部44と連動する収容体43など、物品の供給に応じて動作する部分に取り付けることで、操作に基づく挙動を検出し、物品の供給回数をカウントすることができる。ただし、これに関わらず、操作検出部401として機能するセンサは電子棚札10とは別に設けてもよい。
なお、電子棚札10を操作部44、あるいは操作部44近傍に設ければ、操作部44を操作する顧客からすると電子棚札10のディスプレイが見やすく、意識もディスプレイに向きやすい。また、これにより、顧客は、電子棚札10が取り付けられている物品供給装置2、4の内容や物品の供給量などをディスプレイで確認しながら操作部44を操作できる。
【0156】
また、貯留部21、41が供給部22、42に着脱可能に取り付けられる場合、取付時又は取替時に貯留部21、41の総重量を把握できる。そこで、物品の販売数に応じた重量を総重量から減算すれば、物品の残量を把握できる。これにより、貯留部21、41内の物品の残量が所定の残量以下になったことを判別し、電子棚札10のディスプレイにその旨を表示するなど、所定のアラートを発するようにしてもよい。
【0157】
●物品供給装置11
図24は、蓋付きの容器として構成された物品供給装置11を示している。
この物品供給装置11は、物品を収容可能な収容体101、開閉可能な上蓋102が設けられており、計量装置103が取り付けられている。顧客は、上蓋102を開き、収容体101内に収容されている物品を掬い取ることによって、物品の提供を受けることができる。
【0158】
この物品供給装置11の上蓋102には、操作検出部401が取り付けられている。操作検出部401は、
図24(a)の状態から
図24(b)の状態へと上蓋102が持ち上げられると、上蓋102の傾斜角の変化を検出する。上蓋102の開放によって、物品の供給があったとみなすことができる。
また、収容体101内の物品が掬い取られること、計量装置103によって重量の減少分が計られ、当該減少分は、物品の供給量とみなすことができる。
これにより、物品供給装置11の装置識別情報と、計量装置103による計量結果がラベル発行装置8に送信されると、ラベル発行装置8において装置識別情報に基づいた物品の特定、さらには物品と重量に応じた販売価格の算出が行われる。また、風袋引きの操作を顧客に要求することがなく、顧客にとって使い勝手がよい。
【0159】
●物品販売装置1A
上述した物品販売装置1は、第一ユニットU1、第二ユニットU2、計量装置3、及び当該第一ユニットU1と第二ユニットU2の間に配設されたラベル発行装置8によって構成されたが、上述した物品供給装置11を含め、各装置にアクセスしやすくまとめられた配置構成を採用することができる。
【0160】
図25は、そのような各装置の配置構成の一例を示している。
この一例に示す物品販売装置1Aは、一定の高さを有し、上下方向には、棚板によって複数段に仕切られたスペースが設けられている。
上方には、第一ユニットU1と第二ユニットU2が隣接して配置されており、第一ユニットU1と第二ユニットU2の境界の下方、顧客がかがむことなく操作できる位置にラベル発行装置8が配設されている。
【0161】
また、棚板によって仕切られたスペースには、上述した物品供給装置11と同様の機能を備えた物品供給装置11Aが設置されている。
なお、計量装置3は例えば、
図1の例と同様、第一ユニットU1の物品供給装置2の下方に設けてもよい。
【0162】
●物品販売装置1B
また、
図26は、物品販売装置1Aとは異なる例に係る物品販売装置1Bを示している。
この物品販売装置1Bも物品販売装置1Aと同様、一定の高さを有し、上下方向には、棚板によって複数段に仕切られたスペースが設けられている。また、上方には、第一ユニットU1と第二ユニットU2が隣接して配置されている。
【0163】
一方、ラベル発行装置8は、第一ユニットU1と第二ユニットU2の下方において、一方側へ寄せて配設されており、ラベル発行装置8の横のスペースは作業スペースとして提供される。
【0164】
なお、棚板によって仕切られた下方のスペースには、物品販売装置Aと同様、上述した物品供給装置11と同様の機能を備えた物品供給装置11Aが設置されている。
【0165】
なお、これら物品販売装置1A、1Bの構成は一例であり、適宜の箇所に計量装置3が設置されていてもよいし、物品供給装置2と物品供給装置4のいずれか、または両方に代えて、ホッパースケール91を備えた物品供給装置9を配設してもよい。物品供給装置9は、計量部92を備えており、物品供給装置2又は物品供給装置4のいずれの装置としても機能する。
また、物品供給装置2と物品供給装置4の両方に代えて、物品供給装置9を設置する場合、物品供給装置9は、第一ユニットU1のような量り売り、第二ユニットU2のような定量売りのいずれにも対応できるため、
図25あるいは
図26に示すように、必ずしも図示左側が量り売り、図示右側が定量売りといったように区分けする必要はない。
【0166】
●実施形態総括
【0167】
本発明は、定量の物品を供給する技術に関する。
【0168】
実公平6-50740号公報に示すように、商品等の物品を計量して販売するシステムが知られている。
【0169】
しかしながら、物品を貯留させている装置から、定量の物品を計量して取り出す操作は工程が多くなり、顧客には負担である。また、物品によっては計量しないで購入するのが好適なものもある
【0170】
そこで本発明は、簡単な操作で定量の物品を供給可能な装置を提供することを目的の一つとする。
【0171】
上記目的を達成するため、本発明に係る物品供給装置は、上方の貯留部から物品を受け入れる収容部と、前記収容部内に物品を受け入れるための受入口と、前記受入口を開放可能に遮蔽する第一遮蔽部と、前記収容部に収容された物品を外部に供給する供給口と、前記供給口を開放可能に遮蔽する第二遮蔽部と、前記第一遮蔽部により前記受入口を開放したときに第二遮蔽部により前記供給口を遮蔽し、前記第一遮蔽部により前記受入口を遮蔽しているときに前記第二遮蔽部により前記供給口を開放し、前記物品を前記供給口より外部に供給する操作部と、を有する。
【0172】
前記貯留部から前記収容部に所定の量の前記物品が収容されたことに応じて、前記第二遮蔽部により前記供給口を開放するものとしてもよい。
【0173】
また、前記操作部による操作の実行に応じて、自装置の識別情報を所定の端末に対して送信する通信処理部、をさらに有するものとしてもよい。
【0174】
また、前記貯留部、を着脱可能に取り付けるための取付機構、をさらに有するものとしてもよい。
【0175】
また、前記収容体に前記物品を排出可能に貯留する貯留部の貯留量を検出する貯留量検出部、をさらに有するものとしてもよい。
【0176】
また、前記操作部の近傍に表示部を備えるものとしてもよい。
【0177】
また、前記収容部に重量検出部を備え、前記重量検出部が重量安定を判定した場合に、前記第二遮蔽部により前記供給口を開放するものとしてもよい。
【0178】
また、本発明の別の観点に係る物品供給システムは、物品を供給する物品供給装置と、供給した前記物品に関するラベルを発行するラベル発行装置と、からなり、前記物品供給装置は、前記物品の供給操作を検出すると共に、前記物品の供給回数をカウントする操作検出部と、前記ラベル発行装置に対し、前記物品供給装置の装置識別情報と共に、前記物品の供給回数に係る情報を送信する識別情報送信部と、を有し、前記ラベル発行装置は、前記装置識別情報と、前記物品供給装置が供給する物品に係る情報とを関連付けて記憶する設定情報記憶部と、前記装置識別情報に基づき、前記設定情報記憶部を参照して、前記物品供給装置が供給した物品を特定する情報処理部と、前記特定した物品に係る情報と前記物品の供給回数に係る情報とに基づいた販売価格に係る情報を含む前記ラベルを発行する発行部と、を有する。
【0179】
また、本発明の別の観点に係るラベル発行方法は、物品を供給する物品供給装置により物品を供給するステップと、前記物品の供給回数をカウントするステップと、前記装置識別情報に基づき、前記装置識別情報と前記物品供給装置が供給する物品に係る情報とを関連付けて記憶する設定情報記憶部を参照して、前記物品供給装置が供給した物品を特定するステップと、前記特定した物品に係る情報と前記物品の供給回数に係る情報とに基づいた販売価格に係る情報を含む前記ラベルを発行するステップと、を実行する。
【0180】
以上の本発明の実施形態に係る物品供給装置4及び物品販売装置1によれば、簡単な操作で定量の物品を供給可能な装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0181】
1 :物品販売装置
2 :物品供給装置
21 :貯留部
22 :供給部
22a :供給口
3 :計量装置
31 :計量部
311 :重量検出部
312 :AD変換機
32 :識別情報記憶部
33 :ディスプレイ
34 :通信処理部
4 :物品供給装置
41 :貯留部
41a :排出口
42 :供給部
42a :受入口
42b :供給口
43 :収容体
43a :開口部
431 :収容部
44 :操作部
5 :物品供給装置
52 :供給部
52a :受入口
52b :供給口
53 :収容体
531 :収容部
54 :遮蔽部
55 :支持部
56 :第一操作部
57 :第二操作部
6 :物品供給装置
62 :供給部
62a :受入口
62b :供給口
63 :収容体
63a :貫通孔
7 :物品供給装置
72 :供給部
72a :受入口
72b :供給口
73 :収容体
73a :開口部
732 :収容部
74 :遮蔽部
8 :ラベル発行装置
81 :ディスプレイ
82 :発行部
801 :物品マスタ
802 :容器マスタ
803 :設定マスタ
804 :情報処理部
805 :通信処理部
9 :物品供給装置
91 :ホッパースケール
91a :受入口
91b :供給口
92 :収容部
93 :計量部
94 :操作部
10 :電子棚札
U1 :第一ユニット
U2 :第二ユニット
【手続補正書】
【提出日】2024-10-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方の貯留部から物品を受け入れる収容部と、
前記収容部内に物品を受け入れるための受入口と、
前記受入口を開放可能に遮蔽する第一遮蔽部と、
前記収容部に収容された物品を外部に供給する供給口と、
前記供給口を開放可能に遮蔽する第二遮蔽部と、
前記第一遮蔽部により前記受入口を開放したときに第二遮蔽部により前記供給口を遮蔽し、前記第一遮蔽部により前記受入口を遮蔽しているときに前記第二遮蔽部により前記供給口を開放し、前記物品を前記供給口より外部に供給する操作部と、を有し、
前記操作部は、初期位置より下方に移動する操作により、前記第一遮蔽部により前記受入口を遮蔽しているときに前記第二遮蔽部により前記供給口を開放する、
物品供給装置。
【請求項2】
前記操作部による操作の実行に応じて、自装置の識別情報を所定の端末に対して送信する通信処理部、をさらに有する、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項3】
前記操作部が初期位置より下方に移動されたことを検出する操作検出部と、
無操作状態が継続するまで、一顧客の操作と判断する判断部と、をさらに有する、
請求項1又は2に記載の物品供給装置。