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特開2024-173954農作業管理システム、農作業管理方法、及び農作業管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173954
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】農作業管理システム、農作業管理方法、及び農作業管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20241206BHJP
   A01D 41/127 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
G06Q50/02
A01D41/127 140
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024163298
(22)【出願日】2024-09-20
(62)【分割の表示】P 2020105802の分割
【原出願日】2020-06-19
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】小島 右資
(57)【要約】
【課題】高精細な収穫量マップを作成可能な収穫量情報を含む農作業情報を取得しつつ、当該農作業情報を利用する際のデータ処理部の負荷を低減することが可能な農作業管理システム、農作業管理方法、及び農作業管理プログラムを提供する。
【解決手段】管理サーバー2は、取得処理部211と、抽出処理部212と、出力処理部216とを備える。取得処理部211は、コンバイン4からサンプリング間隔T1の位置情報と収穫量情報とを含む農作業情報D1を取得する。抽出処理部212は、農作業情報D1からサンプリング間隔T1よりも長いサンプリング間隔T2の抽出情報D2を抽出する。出力処理部216は、抽出情報D2に基づいてコンバイン4の走行軌跡R1を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場内で作物の収穫作業を行う第1収穫機から当該第1収穫機の第1サンプリング間隔の位置情報と当該第1収穫機の位置に対応する前記第1サンプリング間隔の収穫量情報とを含む第1農作業情報を取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記第1農作業情報から前記第1サンプリング間隔よりも長い第2サンプリング間隔の第2農作業情報を抽出する抽出処理部と、
前記抽出処理部により抽出される前記第2農作業情報に含まれる前記位置情報に基づいて、前記収穫作業に対応する前記第1収穫機の走行軌跡を作成する作成処理部と、
前記作成処理部により作成される前記走行軌跡を出力する出力処理部と、
を備える農作業管理システム。
【請求項2】
前記作成処理部は、前記取得処理部により取得される前記第1農作業情報に含まれる前記位置情報と、前記抽出処理部により抽出される前記第2農作業情報に含まれる前記位置情報とに基づいて、前記収穫作業に対応する前記第1収穫機の走行軌跡を作成する、
請求項1に記載の農作業管理システム。
【請求項3】
前記作成処理部は、前記第2農作業情報に含まれる前記位置情報に基づいて、前記収穫作業に対応する前記第1収穫機の直進走行の直進走行軌跡を作成し、前記第1農作業情報に含まれる前記位置情報に基づいて、前記収穫作業に対応する前記第1収穫機の旋回走行の旋回走行軌跡を作成する、
請求項2に記載の農作業管理システム。
【請求項4】
前記作成処理部は、さらに、前記抽出処理部により抽出される前記第2農作業情報に含まれる前記第1収穫機の車速情報に基づいて、前記収穫作業に対応する前記第1収穫機の車速の変化の履歴を表す車速履歴を作成し、
前記出力処理部は、さらに、前記作成処理部により作成される前記車速履歴を出力する、
請求項1~3のいずれかに記載の農作業管理システム。
【請求項5】
前記取得処理部により取得される前記第1農作業情報に基づいて、前記圃場を分割して設定された複数の区画のそれぞれの収穫量を算出する収穫量算出処理部をさらに備え、
前記作成処理部は、さらに、前記収穫量算出処理部により算出される前記収穫量に基づいて、前記複数の区画に応じた収穫量マップを作成し、
前記出力処理部は、さらに、前記作成処理部により作成される前記収穫量マップを出力する、
請求項1~4のいずれかに記載の農作業管理システム。
【請求項6】
前記取得処理部は、前記第1収穫機から取得する前記第1農作業情報を第1記憶部に記憶し、
前記抽出処理部により抽出される前記第2農作業情報を第2記憶部に記憶する記憶処理部をさらに備える、
請求項1~5のいずれかに記載の農作業管理システム。
【請求項7】
前記第1農作業情報は、時刻情報と前記位置情報と前記収穫量情報と前記第1収穫機の稼働情報とを含み、
前記第2農作業情報は、前記時刻情報と前記位置情報と前記第1収穫機の稼働情報とを含む、
請求項1~6のいずれかに記載の農作業管理システム。
【請求項8】
前記取得処理部は、収穫量を検出する機能を備えていない第2収穫機から、前記第1サンプリング間隔よりも長い第3サンプリング間隔の農作業情報を取得可能であり、
前記作成処理部は、前記取得処理部が前記第2収穫機から前記第3サンプリング間隔の農作業情報を取得した場合には、当該農作業情報に含まれる前記位置情報に基づいて、前記収穫作業に対応する前記第2収穫機の走行軌跡を作成する、
請求項1~7のいずれかに記載の農作業管理システム。
【請求項9】
圃場内で作物の収穫作業を行う第1収穫機から当該第1収穫機の第1サンプリング間隔の位置情報と当該第1収穫機の位置に対応する前記第1サンプリング間隔の収穫量情報とを含む第1農作業情報を取得することと、
前記第1農作業情報から前記第1サンプリング間隔よりも長い第2サンプリング間隔の第2農作業情報を抽出することと、
前記第2農作業情報に含まれる前記位置情報に基づいて、前記収穫作業に対応する前記第1収穫機の走行軌跡を作成することと、
前記走行軌跡を出力することと、
を一又は複数のプロセッサーが実行する農作業管理方法。
【請求項10】
圃場内で作物の収穫作業を行う第1収穫機から当該第1収穫機の第1サンプリング間隔の位置情報と当該第1収穫機の位置に対応する前記第1サンプリング間隔の収穫量情報とを含む第1農作業情報を取得することと、
前記第1農作業情報から前記第1サンプリング間隔よりも長い第2サンプリング間隔の第2農作業情報を抽出することと、
前記第2農作業情報に含まれる前記位置情報に基づいて、前記収穫作業に対応する前記第1収穫機の走行軌跡を作成することと、
前記走行軌跡を出力することと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための農作業管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場内で収穫作業を行う収穫機から取得する農作業情報を管理する農作業管理システム、農作業管理方法、及び農作業管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
圃場内で収穫作業を行うコンバインなどの収穫機には、収穫した作物の収穫量を検出する収穫量検出部(収量センサー)と収穫機の位置を検出する位置検出部とを備えるものがある。例えば特許文献1には、前記コンバインに、圃場内で測位しながら走行させて収穫作業を実行させ、所定時刻ごとに取得される測位データ(位置情報)と収穫量データ(収穫量情報)とを関連付けて記録部に記録し、作業終了後にこれらの情報に基づいて、コンバインの走行軌跡を作成すると共に、圃場内をメッシュ状に分割した複数の区画のそれぞれの収穫量を算出して区画ごとの収穫量の分布を表す収穫量マップを作成するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-109791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の技術では、位置情報及び収穫量情報を取得するサンプリング間隔を短く設定すると、収穫量情報を頻繁に取得することができるため、各区画内のサンプリング数が増加し、高精細な収穫量マップを作成することができる。しかしながら、走行軌跡を作成するための位置情報も大量に取得されるため、これらの位置情報に基づいてコンバインの走行軌跡を作成する場合、データ処理部(制御部)の負荷が増大する問題が生じる。この問題は、走行軌跡を作成する場合に限らず、コンバインの作業状態を評価するための種々の評価情報を作成する場合にも生じ得る。例えば、収穫作業中のコンバインの車速の変化を示すグラフを作成する場合においても、大量に取得される位置情報及び車速情報に基づいて当該グラフを作成することになるため、データ処理部の負荷が増大する問題が生じる。このように、前記従来の技術では、高精細な収穫量マップを作成可能な収穫量情報を含む農作業情報を取得すると、当該農作業情報を利用する際にデータ処理部の負荷が増大する問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、高精細な収穫量マップを作成可能な収穫量情報を含む農作業情報を取得しつつ、当該農作業情報を利用する際のデータ処理部の負荷を低減することが可能な農作業管理システム、農作業管理方法、及び農作業管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る農作業管理システムは、取得処理部と、抽出処理部と、作成処理部と、出力処理部とを備える。前記取得処理部は、圃場内で作物の収穫作業を行う第1収穫機から当該第1収穫機の第1サンプリング間隔の位置情報と当該第1収穫機の位置に対応する前記第1サンプリング間隔の収穫量情報とを含む第1農作業情報を取得する。前記抽出処理部は、前記取得処理部により取得される前記第1農作業情報から前記第1サンプリング間隔よりも長い第2サンプリング間隔の第2農作業情報を抽出する。前記作成処理部は、前記抽出処理部により抽出される前記第2農作業情報に含まれる前記位置情報に基づいて、前記収穫作業に対応する前記第1収穫機の走行軌跡を作成する。前記出力処理部は、前記作成処理部により作成される前記走行軌跡を出力する。
【0007】
本発明に係る農作業管理方法は、圃場内で作物の収穫作業を行う第1収穫機から当該第1収穫機の第1サンプリング間隔の位置情報と当該第1収穫機の位置に対応する前記第1サンプリング間隔の収穫量情報とを含む第1農作業情報を取得することと、前記第1農作業情報から前記第1サンプリング間隔よりも長い第2サンプリング間隔の第2農作業情報を抽出することと、前記第2農作業情報に含まれる前記位置情報に基づいて、前記収穫作業に対応する前記第1収穫機の走行軌跡を作成することと、前記走行軌跡を出力することと、を一又は複数のプロセッサーが実行する方法である。
【0008】
本発明に係る農作業管理プログラムは、圃場内で作物の収穫作業を行う第1収穫機から当該第1収穫機の第1サンプリング間隔の位置情報と当該第1収穫機の位置に対応する前記第1サンプリング間隔の収穫量情報とを含む第1農作業情報を取得することと、前記第1農作業情報から前記第1サンプリング間隔よりも長い第2サンプリング間隔の第2農作業情報を抽出することと、前記第2農作業情報に含まれる前記位置情報に基づいて、前記収穫作業に対応する前記第1収穫機の走行軌跡を作成することと、前記走行軌跡を出力することと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高精細な収穫量マップを作成可能な収穫量情報を含む農作業情報を取得しつつ、当該農作業情報を利用する際のデータ処理部の負荷を低減することが可能な農作業管理システム、農作業管理方法、及び農作業管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る農作業管理システムのシステム構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るコンバインの一例を示す側面図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るコンバインの一例を示す平面図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る圃場におけるコンバインの収穫作業の作業経路の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る管理サーバーがコンバインから取得する農作業情報の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る管理サーバーに記憶される抽出情報の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る管理サーバーに記憶される収穫量情報の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る圃場を複数の区画に分割した状態を模式的に示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る農作業管理システムにおいて作成される収穫量マップの一例を示す図である。
図10図10は、参考形態に係る農作業管理システムにおいて作成される走行軌跡の一例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る農作業管理システムにおいて作成される走行軌跡の一例を示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係る農作業管理システムにおいて作成される収穫量マップの一例を示す図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る農作業管理システムにおいて作成される走行軌跡マップの一例を示す図である。
図14図14は、本発明の実施形態に係る農作業管理システムで実行される農作業管理処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、参考形態に係る農作業管理システムにおいて作成される車速変化のグラフの一例を示す図である。
図16図16は、本発明の実施形態に係る農作業管理システムにおいて作成される車速変化のグラフの一例を示す図である。
図17図17は、本発明の他の実施形態に係る農作業管理システムにおける管理サーバーの構成を示す図である。
図18図18は、本発明の他の実施形態に係る農作業管理システムにおいて作成される収穫量マップの一例を示す図である。
図19図19は、本発明の実施形態に係るユーザー端末に表示される収穫情報ページの一例を示す図である。
図20図20は、本発明の実施形態に係るユーザー端末に表示される収穫情報ページの一例を示す図である。
図21図21は、本発明の実施形態に係るユーザー端末に表示される収穫情報ページの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る農作業管理システム1は、管理サーバー2と、ユーザー端末3と、コンバイン4とを備える。管理サーバー2、ユーザー端末3、及びコンバイン4は、通信網N1を介して通信可能である。例えば、管理サーバー2及びコンバイン4は、携帯電話回線網、パケット回線網、又は無線LANを介して通信可能である。また、管理サーバー2及びユーザー端末3は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線を介して通信可能である。
【0013】
コンバイン4は、1台であってもよいし、複数台であってもよい。農作業管理システム1が複数台のコンバイン4を備える場合、複数台のコンバイン4は、同一の圃場F1において作物を収穫する収穫作業を協働して実行する。
【0014】
管理サーバー2は、コンバイン4が収穫する作物の収穫量を管理する機器である。ユーザー端末3は、ユーザーが操作する操作端末である。例えば、ユーザーは、ユーザー端末3において、管理サーバー2が提供する農業支援サービスのウェブサイト(例えば農業支援サイト)にアクセスして、コンバイン4の稼働状況、収穫量等の情報を含むウェブページ(後述)を表示させることが可能である。
【0015】
[コンバイン4]
図1図2及び図3に示されるように、コンバイン4は、走行装置41、刈取装置42、脱穀装置43、選別装置44、貯留装置45、動力装置46、運転部47、及び車両制御装置48、情報記録装置49などを備える。
【0016】
車両制御装置48は、一又は複数のプロセッサーと、不揮発性メモリ及びRAMなどの記憶メモリとを備えるコンピュータシステムである。そして、車両制御装置48は、コンバイン4に対する各種のユーザー操作に応じて当該コンバイン4の動作を制御する。
【0017】
走行装置41は、コンバイン4を前後方向及び左右方向に旋回させることができる。例えば、コンバイン4は、図4に示すように、圃場F1内を外側から内側に向かって右に旋回しながら収穫作業を実施する。コンバイン4の走行経路は図4に示す経路に限定されない。
【0018】
刈取装置42は、圃場F1の穀稈を刈り取る。刈取装置42は、リール421、カッター422、オーガ423、搬送コンベア424、及びロータ425などを備える。リール421は、回転することによって圃場F1の穀稈をカッター422へ案内する。カッター422は、リール421によって案内された穀稈を切断する。オーガ423は、カッター422によって切断された穀稈を所定の位置に集合させる横送りスクリューである。
【0019】
搬送コンベア424は、オーガ423によって集まった穀稈をロータ425まで搬送する。ロータ425は、搬送コンベア424により搬送されてくる穀稈を脱穀装置43へ送り込む。
【0020】
脱穀装置43は、刈取装置42により刈り取られた穀稈に対する脱穀処理を実行する。前記脱穀処理は、穀稈から穀粒を含む脱穀物を分離する。脱穀物は脱穀装置43から下方の選別装置44へ落下する。
【0021】
選別装置44は、脱穀装置43から落下する脱穀物から穀粒を選別する選別処理を実行する。選別装置44は、脱穀物に対して斜め下方から風を当てつつ脱穀物をふるいにかけることにより、脱穀物から穀粒を選別する。
【0022】
脱穀装置43は、穀稈を脱穀装置43の前部から後方へ搬送しつつ穀稈に対する脱穀処理を実行する。同様に、選別装置44は、脱穀物を選別装置44の前部から後方へ搬送しつつ脱穀物に対する選別処理を実行する。
【0023】
貯留装置45は、縦搬送ダクト451、縦搬送コンベア452、グレンタンク453及び排出オーガ454を備える。縦搬送ダクト451は、選別装置44とグレンタンク453の上部の入口とに連通するダクトである。縦搬送コンベア452は、縦搬送ダクト451内で回転することにより穀粒を選別装置44からグレンタンク453内へ搬送するスクリューコンベアである。排出オーガ454は、グレンタンク453内の穀粒をコンバイン4の周囲の任意の場所へ排出する。
【0024】
動力装置46は、走行装置41、刈取装置42、脱穀装置43、選別装置44、及び貯留装置45の駆動源である。動力装置46は、動力源として例えばディーゼルエンジンなどの不図示のエンジンを備える。また、動力装置46が、前記動力源として電動モータを備えてもよい。また、動力装置46が、前記エンジンと前記電動モータとを含むハイブリッド式の駆動源を備えていてもよい。
【0025】
運転部47には、ユーザーが着席する運転座席と、前記ユーザーにより操作されるハンドル、各種の操作レバー及び各種の操作スイッチなどの操作装置が設けられている。例えば、前記操作装置にはエンジンON/OFFキー(不図示)が含まれる。前記エンジンON/OFFキーは、コンバイン4に搭載されるエンジンの始動及び停止を切り替えるためのキースイッチ又はボタンスイッチなどである。車両制御装置48は、前記エンジンON/OFFキーがオンに切り替えられた場合に前記エンジンを始動させ、前記エンジンON/OFFキーがオフに切り替えられた場合に前記エンジンを停止させる。
【0026】
情報記録装置49は、制御部491、記憶部492、通信部493、位置検出部494、及び収穫量検出部495などを備える通信端末である。制御部491、記憶部492、通信部493、位置検出部494、及び収穫量検出部495は、コンバイン4において異なる位置に分散して配置されていてもよい。本実施形態のコンバイン4は、収穫量を検出する機能を備えるコンバインであり、本発明の第1収穫機に相当する。
【0027】
制御部491は、一又は複数のプロセッサーと、不揮発性メモリ及びRAMなどの記憶メモリとを備えるコンピュータシステムである。記憶部492は、制御部491に所定の処理を実行させるための制御プログラム、及び後述の位置情報及び収穫量情報などのデータを記憶する不揮発性メモリなどである。
【0028】
通信部493は、近距離無線通信又は有線通信により車両制御装置48との間で各種のデータの送受信が可能である。具体的に、制御部491は、通信部493により車両制御装置48からコンバイン4における各種の稼働状態を示す稼働情報を取得することが可能である。
【0029】
前記稼働情報には、ハンドルの操作角度を示すハンドル操作情報、及びシフトレバーの操作状態を示すシフト情報などが含まれる。また、前記稼働情報には、コンバイン4のエンジンON/OFFキーのON/OFF状態を示すエンジン情報も含まれる。さらに、前記稼働情報には、エンジンの回転数を示す回転数情報、車速情報、ブレーキの操作状態を示すブレーキ情報が含まれていてもよい。
【0030】
また、通信部493は、通信網N1を介して管理サーバー2との間で各種のデータの送受信が可能である。管理サーバー2は、図1に示されるように、制御部21及び記憶部22などを備えるコンピュータシステムである。管理サーバー2では、制御部21が、コンバイン4から通信網N1を介して受信する位置情報、収穫量情報、稼働情報などを記憶部22に蓄積して記憶する。また、制御部21は、ユーザー操作に応じて、記憶部22に記憶されている前記位置情報、前記収穫量情報、前記稼働情報などを表示又は送信することが可能である。
【0031】
位置検出部494は、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の衛星測位システムを用いて、情報記録装置49が搭載されたコンバイン4の位置情報を検出する。前記位置情報には、コンバイン4の位置を示す緯度及び経度の情報が含まれる。なお、位置検出部494によるコンバイン4の位置情報の取得手法は特に限定されない。また、前記位置情報は、緯度及び経度に限らず、コンバイン4の位置を特定可能な他の形式の情報であってもよい。他の実施形態として、前記位置情報は、コンバイン4の作業開始位置又はエンジン始動位置などの特定の位置を基準位置として、当該基準位置に対する相対的な位置を示す情報であってもよい。
【0032】
収穫量検出部495は、コンバイン4で収穫された作物の収穫量(穀粒量)を検出するセンサー(穀粒センサー)である。収穫量検出部495は、例えばグレンタンク453の上面に取り付けられている(図3参照)。脱穀装置43及び選別装置44によって得られた穀粒は、縦搬送コンベア452によってグレンタンク453へ向けて搬送される。収穫量検出部495は、歪みゲージ又は圧電素子等の衝撃検出部を備えており、搬送された穀粒が衝突した際の衝撃力を検出する。収穫量検出部495は、この衝撃力に基づいて、収穫量(検出値)を検出する。なお、収穫量検出部495によるコンバイン4の収穫量の取得手法は特に限定されない。
【0033】
制御部491は、以下の種々の処理を実行する。具体的には、制御部491は、現在の時刻を計時するための計時処理を実行する。前記時刻には、年、月、日、時、分、秒が含まれる。情報記録装置49は、前記バッテリーに接続されており、制御部491は、コンバイン4のエンジンがOFF状態でも、前記バッテリーから供給される電力により計時処理を実行することが可能である。
【0034】
また、制御部491は、コンバイン4の前記位置情報、前記収穫量情報、及び前記稼働情報を取得する情報取得処理を実行する。具体的に、制御部491は、計時する時刻に基づいて、予め設定された情報取得間隔で、前記位置情報を位置検出部494から取得し、前記収穫量情報を収穫量検出部495から取得し、前記稼働情報を車両制御装置48から取得する。
【0035】
制御部491は、取得する前記位置情報のうち、予め設定されたサンプリング間隔T1(本発明の第1サンプリング間隔)の位置情報を記憶部492に記録する。また制御部491は、取得する前記収穫量情報のうち、予め設定されたサンプリング間隔T1の収穫量情報を記憶部492に記録する。また制御部491は、取得する前記稼働情報のうち、予め設定されたサンプリング間隔T1の稼働情報を記憶部492に記録する。なお、前記サンプリング間隔T1は、少なくとも収穫量マップの作成に必要となる収穫量の取得間隔(例えば1秒~5秒間隔)に基づいて設定され、また例えばコンバイン4の走行軌跡の作成に必要となる位置情報の取得間隔(例えば1分間隔)よりも短い間隔に設定される。本実施形態では、制御部491は、5秒間隔の位置情報、収穫量情報、及び稼働情報を記憶部492に記録する。
【0036】
図5は、記憶部492に記録される前記位置情報、前記収穫量情報、前記稼働情報、及び前記時刻情報を含む農作業情報D1の一例を示す図である。図5では、前記位置情報がX1~X17及びY1~Y17で示されているが、実際の前記位置情報には、X1~X17及びY1~Y17に代えてコンバイン4の位置を示す数値(緯度及び経度)などが含まれる。また図5では、前記収穫量情報がE1~E17で示されているが、実際の前記収穫量情報には、E1~E17に代えて収穫量検出部495が検出した検出値を示す数値(重量)などが含まれる。また図5では、前記車速情報(稼働情報の一例)がV1~V17で示されているが、実際の前記車速情報には、V1~V17に代えて車速センサー(不図示)が検出した検出値を示す数値(速度)などが含まれる。制御部491は、コンバイン4のエンジンON/OFFキーがON状態でエンジンがON状態である間、前記位置情報、前記収穫量情報、及び前記稼働情報を取得して記憶部492に記録する処理を実行する。
【0037】
また、制御部491は、コンバイン4のエンジンON/OFFキーがオフに切り替えられ、エンジンがOFF状態になると、記憶部492に記録された前記位置情報、前記収穫量情報、前記稼働情報、及び前記時刻情報を含む農作業情報D1を管理サーバー2に送信し、前記情報記録処理を終了する。なお、制御部491は、管理サーバー2から農作業情報D1の受信確認信号を受信すると、農作業情報D1を記憶部492から消去する。
【0038】
このように、コンバイン4は、情報記録装置49を備え、収穫作業に応じた前記位置情報、前記収穫量情報、及び前記稼働情報を取得して記憶部492に記録し、記憶部492に蓄積された各情報(農作業情報D1)をエンジンがオフに切り替えられたタイミングで管理サーバー2に送信する。なお、農作業情報D1の管理サーバー2への送信タイミングは特に限定されない。
【0039】
ここで、従来の技術では、前記位置情報及び前記収穫量情報を取得するサンプリング間隔を短く設定すると、前記収穫量情報を頻繁に取得することができるため、各区画内のサンプリング数が増加し、高精細な収穫量マップを作成することができる。しかしながら、走行軌跡を作成するための位置情報も大量に取得されるため、これらの位置情報に基づいてコンバインの走行軌跡を作成する場合、データ処理部(制御部)の負荷が増大する問題が生じる(図10参照)。この問題は、走行軌跡を作成する場合に限らず、コンバインの作業状態(作業履歴)を評価するための種々の評価情報を作成する場合にも生じ得る。例えば、収穫作業中のコンバインの車速の変化を示すグラフを作成する場合においても、大量に取得される位置情報及び車速情報に基づいて当該グラフを作成することになるため、データ処理部の負荷が増大する問題が生じる(図15参照)。このように、前記従来の技術では、高精細な収穫量マップを作成可能な収穫量情報を含む農作業情報を取得すると、当該農作業情報を利用する際にデータ処理部の負荷が増大する問題が生じる。このように、前記従来の技術では、高精細な収穫量マップを作成可能な収穫量情報を含む農作業情報を取得すると、当該農作業情報を利用する際にデータ処理部の負荷が増大する問題が生じる。これに対して、本実施形態に係る農作業管理システム1によれば、高精細な収穫量マップを作成可能な収穫量情報を含む農作業情報を取得しつつ、当該農作業情報を利用する際のデータ処理部の負荷を低減することが可能である。以下、管理サーバー2の具体的な構成を説明する。
【0040】
[管理サーバー2]
図1に示されるように、管理サーバー2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信部24などを備えるサーバーである。なお、管理サーバー2は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよい。また、管理サーバー2で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。
【0041】
通信部24は、管理サーバー2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して一又は複数のコンバイン4、ユーザー端末3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0042】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、マウス、又はキーボードのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0043】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。記憶部22には、制御部21に後述の農作業管理処理(図14参照)を実行させるための農作業管理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記農作業管理プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、管理サーバー2が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。なお、前記農作業管理プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して管理サーバー2にダウンロードされて記憶部22に記憶されてもよい。
【0044】
また、記憶部22は、コンバイン4から送信される農作業情報D1を記憶する農作業情報データベースDB1と、農作業情報データベースDB1から抽出される所定の情報(抽出情報D2(図6参照))を記憶する抽出情報データベースDB2とを含む。農作業情報データベースDB1は本発明の第1記憶部の一例であり、抽出情報データベースDB2は本発明の第2記憶部の一例である。
【0045】
制御部21は、コンバイン4から農作業情報D1を取得すると、農作業情報D1を農作業情報データベースDB1に記憶する(図5参照)。
【0046】
また制御部21は、コンバイン4から農作業情報D1を取得すると、農作業情報D1から所定のサンプリング間隔T2(本発明の第2サンプリング間隔)の前記時刻情報、前記位置情報、及び前記稼働情報を抽出し、抽出したこれらの情報を含む抽出情報D2を抽出情報データベースDB2に記憶する。図6は、抽出情報D2の一例を示す図である。前記サンプリング間隔T2は、例えばコンバイン4の作業状態を評価するための評価情報の作成に必要となる位置情報及び稼働情報の取得間隔に設定される。例えば、前記サンプリング間隔T2は、コンバイン4の走行軌跡の作成に必要となる位置情報の取得間隔(例えば1分間隔)に設定される。図6に示されるように、抽出情報D2には、農作業情報D1(図5参照)に含まれる情報のうち、1分間隔の前記時刻情報、前記位置情報、及び前記車速情報(稼働情報の一例)が登録される。なお、抽出情報D2には、収穫量情報は含まれなくてもよい。すなわち、農作業情報D1は、前記時刻情報と前記位置情報と前記収穫量情報と前記稼働情報とを含み、抽出情報D2は、前記時刻情報と前記位置情報と前記稼働情報とを含む。
【0047】
また、記憶部22は、圃場F1を分割した区画Kごとの収穫量に関する収穫量情報D3(図7参照)のデータを記憶する。制御部21は、コンバイン4から取得する前記位置情報及び前記収穫量情報に基づいて区画Kごとの収穫量(例えば平均収穫量)を算出して登録する。
【0048】
ここで、圃場F1の収穫状態を評価したり、次年度の収穫作業の計画を立てたりする目的で、圃場F1内の収穫量の分布を表す収穫量マップM1(収量マップともいう。)が利用される。ユーザーは、収穫量マップM1を確認することにより圃場F1全体の収穫状態を把握することが可能になる。
【0049】
収穫量マップM1は、圃場F1全体をメッシュ状に複数の区画Kに分割し、各区画Kの収穫量(平均収穫量など)を算出して作成される。図8には、圃場F1を複数の区画Kに分割した状態を模式的に示している。例えば各区画Kは、5m×5mの矩形領域である。なお、各区画Kの形状、大きさは特に限定されない。図8には、各区画Kの識別情報として、X方向及びY方向の座標情報(区画番号)を付している。
【0050】
図7は、収穫量情報D3の一例を示す図である。図7に示されるように、収穫量情報D3には、圃場F1の区画ごとに、対応する「区画番号」、「収穫量情報」などの情報が含まれる。前記区画番号は、区画K(図8参照)の識別情報である。前記収穫量情報は、コンバイン4から取得する前記位置情報及び前記収穫量情報に基づいて制御部21により算出される。前記収穫量情報は、区画Kごとに登録される。制御部21は、区画Kごとに、区画K内の複数のサンプリング位置に対応する5秒間隔の収穫量情報(図5の収穫量情報E1等)を取得して、例えば単位面積当たりの収穫量(g/m2)を算出して収穫量情報D3の前記収穫量情報に記録する。なお、収穫量情報D3に登録される各収穫量情報は、区画Kごとの合計収穫量であってもよい。
【0051】
制御部21は、圃場F1を分割した全ての区画Kに対応する収穫量を算出して登録した収穫量情報D3を記憶部22に記憶する。
【0052】
なお、他の実施形態として、農作業情報D1、抽出情報D2、及び収穫量情報D3の一部又は全部が、管理サーバー2から通信網N1を介してアクセス可能な他のサーバーに記憶されてもよい。この場合、管理サーバー2の制御部21は、前記他のサーバーから前記情報を取得して、後述の農作業管理処理(図14参照)などの各処理を実行してもよい。例えば、農作業情報データベースDB1及び抽出情報データベースDB2の少なくともいずれかが、管理サーバー2から通信網N1を介してアクセス可能なデータサーバに記憶されてもよい。
【0053】
また、記憶部22には、ユーザー端末3に表示されるウェブサイト(農業支援サイト)に含まれる収穫情報ページP1(図12参照)、走行軌跡ページP2(図13参照)、圃場情報ページP3~P5(図19図21)、設定ページ(不図示)などの各種のウェブページを生成するためのレイアウトデータ及び画像データなども記憶される。なお、本実施形態において、管理サーバー2の制御部21は、前記各種のウェブページを生成してそのウェブページの情報をユーザー端末3に送信することにより、ユーザー端末3に前記各種のウェブページを表示させることが可能である。また、他の実施形態として、管理サーバー2の制御部21は、ユーザー端末3に前記各種のウェブページを表示するために必要なデータを送信することにより、ユーザー端末3の制御部31に前記各種のウェブページの表示を実行させてもよい。
【0054】
収穫情報ページP1、走行軌跡ページP2、圃場情報ページP3~P5は、ユーザー端末3において前記農業支援サイトにログインすることによりユーザー端末3に表示される。
【0055】
図1に示されるように、本実施形態に係る管理サーバー2の制御部21は、取得処理部211、抽出処理部212、記憶処理部213、収穫量算出処理部214、作成処理部215、出力処理部216などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記農作業管理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記農作業管理プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0056】
取得処理部211は、圃場F1内で作物の収穫作業を行うコンバイン4から、当該コンバイン4の位置情報と当該コンバイン4の位置に対応する収穫量情報と当該コンバイン4の稼働情報とを含む農作業情報D1(本発明の第1農作業情報の一例)を取得する。具体的には、取得処理部211は、サンプリング間隔T1(ここでは5秒間隔)で取得された前記位置情報、前記収穫量情報、及び前記稼働情報を含む農作業情報D1を取得する。取得処理部211は、本発明の取得処理部の一例である。例えば、コンバイン4のエンジンが始動して停止するまでの間にコンバイン4に蓄積された農作業情報D1が、コンバイン4のエンジンがオフに切り替えられたタイミングで管理サーバー2に送信される。これにより、取得処理部211は、コンバイン4から農作業情報D1を取得する。取得処理部211は、コンバイン4から取得した農作業情報D1を農作業情報データベースDB1に記憶する(図5参照)。
【0057】
抽出処理部212は、取得処理部211により取得される農作業情報D1から所定のサンプリング間隔T2の前記時刻情報、前記位置情報、及び前記稼働情報を含む農作業情報(本発明の第2農作業情報の一例)を抽出する。具体的には、抽出処理部212は、コンバイン4の制御部491が前記位置情報、前記収穫量情報、及び前記稼働情報を取得するサンプリング間隔T1よりも長いサンプリング間隔T2(本発明の第2サンプリング間隔)の前記時刻情報、前記位置情報、及び前記稼働情報を農作業情報D1から抽出する。本実施形態では、抽出処理部212は、コンバイン4の制御部491が前記位置情報、前記収穫量情報、及び前記稼働情報を取得する5秒間隔よりも長い1分間隔の前記時刻情報、前記位置情報、及び前記稼働情報を農作業情報D1から抽出する。抽出処理部212は、本発明の抽出処理部の一例である。
【0058】
記憶処理部213は、抽出処理部212により抽出される前記時刻情報、前記位置情報、及び前記稼働情報を含む農作業情報(抽出情報D2)を、これらの情報を互いに関連付けて抽出情報データベースDB2に登録する(図6参照)。抽出情報D2は、本発明の第2農作業情報の一例である。
【0059】
収穫量算出処理部214は、取得処理部211により取得される農作業情報D1(図5参照)に基づいて、圃場F1内の複数の区画Kのそれぞれの収穫量を算出する。収穫量算出処理部214は、区画Kごとに、区画K内の複数のサンプリング位置に対応する収穫量情報を取得して、例えば単位面積当たりの収穫量(g/m2)を算出する。収穫量算出処理部214は、サンプリング間隔T1(例えば5秒間隔)で取得された前記位置情報及び前記収穫量情報に基づいて区画Kごとの収穫量を算出する。収穫量算出処理部214は、算出した前記収穫量の情報を収穫量情報D3に登録する(図7参照)。収穫量算出処理部214は、本発明の収穫量算出処理部の一例である。
【0060】
作成処理部215は、収穫量算出処理部214により算出される収穫量に基づいて圃場F1内の複数の区画Kに応じた収穫量マップM1を作成する。具体的には、作成処理部215は、収穫量情報D3に登録された各区画Kの収穫量情報に基づいて収穫量マップM1を作成する。図9には、収穫量マップM1の一例を示している。作成処理部215は、収穫量情報D3に登録される前記収穫量情報に基づいて、収穫量の値に対して例えば黒~白などの色を対応付けることで、収穫量画像(収穫量マップM1)を作成する。図9に示す例では、各区画Kについて、色が薄い程、収穫量が少なく、色が濃い程、収穫量が多いことを表している。これにより、圃場F1全体の収穫量マップM1を作成することができる。また、収穫量マップM1は、短いサンプリング間隔T1(例えば5秒間隔)で取得された前記位置情報及び前記収穫量情報に基づいて作成されるため、信頼性の高い収穫量マップM1を作成することができる。また、圃場F1内の区画Kの数(分割数)を多くして、高精細な収穫量マップM1を作成することができる。なお、作成処理部215は、収穫量マップM1の各区画Kに、収穫量の数値データを表示してもよいし表示しなくてもよい。
【0061】
また、作成処理部215は、抽出処理部212により抽出される前記時刻情報、前記位置情報、及び前記稼働情報を含む抽出情報D2(図6参照)に基づいて、コンバイン4の作業状態(作業履歴)を評価するための評価情報を作成する。前記評価情報には、例えばコンバイン4の走行軌跡、車速、回転数、ブレーキ操作、ハンドル操作、バッテリー電圧などの作業状態の変化の様子(実績)を示す情報が含まれる。作成処理部215は、これらの評価情報を、農作業情報D1(図5参照)よりもデータ量の少ない抽出情報D2(図6参照)を用いて作成する。
【0062】
ここでは、前記評価情報の一例として、コンバイン4の走行軌跡を例に挙げる。図4に示すように、コンバイン4は、圃場F1内を外側から内側に向かって右に旋回しながら収穫作業を実施する。コンバイン4の制御部491は、収穫作業によりコンバイン4が走行した位置の位置情報をサンプリング間隔T1で取得して記憶部492に記録する。ここで、作成処理部215が例えばサンプリング間隔T1の位置情報(図5参照)を用いてコンバイン4の走行軌跡を作成した場合、図10に示すように、詳細(高精細)な走行軌跡R1が作成される。図10に示す走行軌跡R1によれば、コンバイン4が走行した詳細な軌跡を把握することができるが、データ量が大きくなるため制御部21の負荷が大きくなり、走行軌跡R1の作成に時間がかかったり、作成した走行軌跡R1に対応する走行軌跡ページP2をユーザー端末3に表示させる際に時間がかかったりする不具合が生じる可能性がある。
【0063】
これに対して、本実施形態では、作成処理部215は、サンプリング間隔T1よりも長いサンプリング間隔T2の位置情報(図6参照)を用いてコンバイン4の走行軌跡R1を作成する。このため、図11に示すように、少ないデータ量で走行軌跡R1を作成することができる。よって、制御部21の負荷を低減することができるため、走行軌跡R1を迅速に作成することができ、また作成した走行軌跡R1に対応する走行軌跡ページP2(図13参照)をユーザー端末3に迅速に表示させることができる。なお、図10及び図11において、黒点の印は、前記位置情報のサンプリング位置を模式的に示したものであり、走行軌跡R1は、当該黒点の位置(サンプリング位置)を結ぶことにより作成される。
【0064】
なお、作成処理部215は、サンプリング間隔T2の位置情報(図6参照)とサンプリング間隔T1の位置情報(図5参照)との両方を用いてコンバイン4の走行軌跡R1を作成してもよい。例えば、作成処理部215は、コンバイン4の走行状態が直進の場合は抽出情報D2(図6参照)からサンプリング間隔T2の位置情報を取得し、コンバイン4の走行状態が旋回の場合は農作業情報D1(図5参照)からサンプリング間隔T1の位置情報を取得し、両位置情報を用いてコンバイン4の走行軌跡R1を作成する。これにより、コンバイン4の走行軌跡のうち直進が行われる部分については走行軌跡の精度が低いが、旋回が行われる部分の走行軌跡の精度を高くすることができる。作成処理部215は、本発明の作成処理部の一例である。
【0065】
出力処理部216は、作成処理部215により作成される収穫量マップM1を出力する。また、出力処理部216は、作成処理部215により作成される前記評価情報を出力する。具体的には、出力処理部216は、作成処理部215により作成される収穫量マップM1(図9参照)をユーザー端末3に出力する。例えば、図12に示されるように、出力処理部216は、収穫情報ページP1に、対象となる圃場F1の収穫量マップM1を表示させる。例えば、出力処理部216は、圃場F1を含む所定のエリアを上空から撮影した画像(地図画像)に、収穫量マップM1の画像を重ね合わせて表示する。なお、出力処理部216は、収穫情報ページP1に、圃場情報、表示設定情報などを表示させてもよい。ユーザーは、収穫情報ページP1において、表示対象の圃場を選択する操作、表示状態を設定する操作などを行うことができる。
【0066】
また、出力処理部216は、作成処理部215により作成されるコンバイン4の走行軌跡R1(図11参照)をユーザー端末3に出力する。例えば、図13に示されるように、出力処理部216は、走行軌跡ページP2に、対象となる圃場F1の走行軌跡R1を表示させる。なお、出力処理部216は、収穫情報ページP1及び走行軌跡ページP2を相互に切り替え可能な切替ボタンを、収穫情報ページP1及び走行軌跡ページP2のそれぞれに表示させてもよい。出力処理部216は、本発明の出力処理部の一例である。
【0067】
他の実施形態として、出力処理部216は、収穫量情報D3(図7参照)のデータと、抽出情報D2(図6参照)のデータとをユーザー端末3に出力してもよい。すなわち、出力処理部216による前記収穫量情報の出力態様は、収穫量マップM1(図9参照)に限定されない。また出力処理部216による走行軌跡の出力態様は、走行軌跡R1(図11参照)に限定されない。
【0068】
[ユーザー端末3]
図1に示されるように、ユーザー端末3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信部34などを備える。ユーザー端末3は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。
【0069】
通信部34は、ユーザー端末3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理サーバー2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0070】
操作表示部33は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、マウス、又はキーボードのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0071】
記憶部32は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)などの通信プロトコルに従って管理サーバー2などの外部装置との間で通信処理を制御部31に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、管理サーバー2との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであることも考えられる。
【0072】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりユーザー端末3を制御する。
【0073】
具体的に、制御部31は、記憶部32に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部311として機能する。ブラウザ処理部311は、管理サーバー2から通信網N1を介して提供されるウェブページを操作表示部33に表示させ、操作表示部33に対する操作を管理サーバー2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、ユーザー端末3は、制御部31によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、管理サーバー2の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0074】
具体的に、ユーザー端末3では、管理サーバー2で提供される農業支援サービスのウェブサイト(農業支援サイト)に対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザー操作が行われた場合に、制御部31が、管理サーバー2から前記農業支援サイトのウェブページ(収穫情報ページP1、走行軌跡ページP2、圃場情報ページP3~P5)のデータを取得して、操作表示部33に前記農業支援サイトの収穫情報ページP1(図12参照)、走行軌跡ページP2(図13参照)、圃場情報ページP3~P5(図19図21参照)を表示させる。例えば、ユーザーは、ユーザー端末3に表示される農業支援サイトにおいて、収穫情報ページP1、走行軌跡ページP2、圃場情報ページP3~P5の表示指示を行う。
【0075】
なお、例えば前記所定のURLへのアクセス要求は、予め登録されたウェブサイトの一覧からの選択操作、又はテキスト入力操作などによって行われる。また、ユーザー端末3に管理サーバー2に対応する専用アプリケーションがインストールされている場合には、ユーザー端末3のユーザーが当該専用アプリケーションを起動する操作を行うことにより操作表示部33に前記農業支援サイトの各種ページが表示される。
【0076】
ユーザーは、ユーザーは、コンバイン4から離れた場所において、ユーザー端末3に表示される収穫情報ページP1により圃場F1の収穫状態を把握したり、ユーザー端末3に表示される走行軌跡ページP2により圃場F1内のコンバイン4の走行状態を把握したりすることができる。
【0077】
[農作業管理処理]
以下、図14を参照しつつ、管理サーバー2の制御部21によって実行される前記農作業管理処理の一例について説明する。例えば、前記農作業管理処理は、制御部21がコンバイン4から位置情報、収穫量情報、及び稼働情報を含む農作業情報D1を取得した場合に制御部21によって開始される。また、前記農作業管理処理は、管理サーバー2に対する所定のユーザー操作に応じて開始されてもよい。
【0078】
なお、本願発明は、制御部21により前記農作業管理処理の一部又は全部を実行する農作業管理方法の発明、又は、当該農作業管理方法の一部又は全部を制御部21に実行させるための農作業管理プログラムの発明として捉えてもよい。また、前記農作業管理処理は、一又は複数のプロセッサーによって実行されてもよい。例えば、前記農作業管理処理は、管理サーバー2の制御部21及びコンバイン4の制御部491によって協働して実行されてもよい。
【0079】
ステップS1において、制御部21は、コンバイン4から、当該コンバイン4の位置情報と当該コンバイン4の位置に対応する収穫量情報と当該コンバイン4の稼働情報とを含む農作業情報D1を取得したか否かを判定する。農作業情報D1が取得されたと判定された場合(S1:Yes)、処理がステップS2に移行する。制御部21は、農作業情報D1を取得するまで待機する(S1:No)。制御部21(取得処理部211)は、コンバイン4から農作業情報D1を取得すると、農作業情報D1を農作業情報データベースDB1に記憶する(図5参照)。
【0080】
ステップS2において、制御部21(抽出処理部212)は、農作業情報D1から所定のサンプリング間隔T2の前記時刻情報、前記位置情報、及び前記稼働情報を抽出する。具体的には、制御部21は、コンバイン4の制御部491が前記位置情報、前記収穫量情報、及び前記稼働情報を取得するサンプリング間隔T1(例えば5秒間隔)よりも長いサンプリング間隔T2(例えば1分間隔)の前記時刻情報、前記位置情報、及び前記稼働情報を農作業情報D1から抽出する。ステップS2は、本発明の抽出ステップの一例である。
【0081】
次にステップS3において、制御部21は、抽出した前記時刻情報、前記位置情報、及び前記稼働情報を含む抽出情報D2を、これらの情報を互いに関連付けて抽出情報データベースDB2に登録する(図6参照)。
【0082】
次にステップS4において、制御部21は、ユーザーから収穫量マップM1の表示指示を取得したか否かを判定する。制御部21がユーザーから収穫量マップM1の表示指示を取得した場合(S4:Yes)、処理はステップS5に移行する。一方、制御部21がユーザーから収穫量マップM1の表示指示を取得しない場合(S4:No)、処理はステップS41に移行する。
【0083】
ステップS5では、制御部21(収穫量算出処理部214)は、ステップS1で取得した農作業情報D1に基づいて、区画Kごとに、区画K内の複数のサンプリング位置に対応する収穫量を取得して、例えば単位面積当たりの収穫量(g/m2)を算出する。制御部21は、算出した前記収穫量を収穫量情報D3に登録する(図7参照)。これにより、圃場F1全体の収穫量が算出される。
【0084】
次にステップS6において、制御部21(作成処理部215)は、算出した収穫量に基づいて圃場F1内の複数の区画Kに応じた収穫量マップM1を作成する。具体的には、制御部21は、収穫量情報D3(図7参照)に登録された各区画Kの収穫量情報に基づいて収穫量マップM1(図9参照)を作成する。これにより、圃場F1全体の収穫量マップM1を作成することができる。また、収穫量マップM1は、短いサンプリング間隔T1(例えば5秒間隔)で取得された前記位置情報及び前記収穫量情報に基づいて作成されるため、信頼性の高い収穫量マップM1を作成することができる。また、圃場F1内の区画Kの数を多くして、高精細な収穫量マップM1を作成することができる。
【0085】
次にステップS7において、制御部21(出力処理部216)は、ステップS6において作成した収穫量マップM1をユーザー端末3に出力する。例えば、図12に示されるように、制御部21は、収穫情報ページP1に、収穫量マップM1を表示させる。ステップS7の後、処理はステップS8に移行する。
【0086】
ステップS41では、制御部21は、ユーザーから走行軌跡R1の表示指示を取得したか否かを判定する。制御部21がユーザーから走行軌跡R1の表示指示を取得した場合(S41:Yes)、処理はステップS42に移行する。一方、制御部21がユーザーから走行軌跡R1の表示指示を取得しない場合(S41:No)、処理はステップS4に移行する。
【0087】
ステップS42において、制御部21(作成処理部215)は、ステップS3において抽出した前記時刻情報、前記位置情報、及び前記稼働情報を含む抽出情報D2(図6参照)に基づいて、コンバイン4の作業状態を評価するための評価情報(ここでは走行軌跡R1)を作成する。すなわち、制御部21は、サンプリング間隔T1よりも長いサンプリング間隔T2(1分間隔)の位置情報(図6参照)を用いてコンバイン4の走行軌跡R1を作成する。このため、図11に示すように、少ないデータ量で走行軌跡R1を作成することができる。よって、制御部21の負荷を低減することができるため、走行軌跡R1を迅速に作成することができる。
【0088】
ステップS43において、制御部21(出力処理部216)は、ステップS42において作成した走行軌跡R1をユーザー端末3に出力する。例えば、図13に示されるように、制御部21は、走行軌跡ページP2に走行軌跡R1を表示させる。上述のように、走行軌跡R1のデータ量を削減することができるため、走行軌跡R1に対応する走行軌跡ページP2をユーザー端末3に迅速に表示させることができる。ステップS43の後、処理はステップS8に移行する。
【0089】
ステップS8において、制御部21は、ユーザーから終了指示を受け付けたか否かを判定する。ユーザーがユーザー端末3において前記農業支援サイトの利用を終了する操作を行うと、制御部21は前記終了指示を受け付けて(S8:Yes)、前記農作業管理処理を終了する。制御部21が前記終了指示を受け付けない場合(S8:No)、処理はステップS4に移行して上述の処理を繰り返す。
【0090】
以上のようにして、制御部21は、前記農作業管理処理を実行する。前記農作業管理処理により、高精細な収穫量マップM1と、データ処理の負荷がかからない走行軌跡R1とを作成することが可能になる。
【0091】
以上説明したように、管理サーバー2は、圃場F1内で作物の収穫作業を行うコンバイン4からサンプリング間隔T1(例えば5秒間隔)の位置情報と収穫量情報とを含む農作業情報D1を取得し、農作業情報D1からサンプリング間隔T1よりも長いサンプリング間隔T2(1分間隔)の農作業情報(抽出情報D2)を抽出し、抽出情報D2に基づいて、コンバイン4の作業状態を評価するための評価情報を出力する。具体的には、管理サーバー2は、サンプリング間隔T1の農作業情報D1に基づいて区画Kごとの収穫量を算出して収穫量マップM1を作成し、作成した収穫量マップM1をユーザー端末3に表示させる。また、管理サーバー2は、抽出情報D2に含まれるサンプリング間隔T2の前記位置情報に基づいてコンバイン4の走行軌跡R1を作成してユーザー端末3に表示させる。
【0092】
前記構成によれば、収穫量マップM1は、短いサンプリング間隔T1(例えば5秒間隔)で取得された前記位置情報及び前記収穫量情報に基づいて作成されるため、信頼性の高い収穫量マップM1を作成することができる。また、圃場F1内の区画Kの数を多くして、高精細な収穫量マップM1を作成することができる。一方、走行軌跡R1は、長いサンプリング間隔T2(例えば1分間隔)で取得された前記位置情報に基づいて作成されるため、制御部21の負荷を低減することができる。また、走行軌跡R1を迅速に作成することができ、また作成した走行軌跡R1に対応する走行軌跡ページP2をユーザー端末3に迅速に表示させることができる。以上のように、管理サーバー2によれば、高精細な収穫量マップM1を作成可能な収穫量情報を含む農作業情報D1を取得しつつ、農作業情報D1を利用する際のデータ処理部の負荷、例えば前記評価情報を作成する際の制御部21(CPU)の負荷を低減することが可能となる。
【0093】
[他の実施形態]
以下、本実施形態に係る農作業管理システム1の他の実施形態について説明する。
【0094】
前記実施形態では、出力処理部216は、作成処理部215により作成される走行軌跡R1を前記評価情報として出力している。本発明の評価情報は、コンバイン4の走行軌跡に限定されない。例えば、前記評価情報は、コンバイン4の車速、回転数、ブレーキ操作、ハンドル操作、バッテリー電圧などの変化の様子を示す情報が含まれる。以下では、前記評価情報の一例として、コンバイン4の車速の変化を例に挙げる。
【0095】
具体的には、作成処理部215は、抽出処理部212により抽出される抽出情報D2(図6参照)に含まれるコンバイン4の車速情報に基づいて、収穫作業に対応するコンバイン4の車速の変化の履歴を表す車速履歴を作成する。出力処理部216は、作成処理部215により作成される前記車速履歴を前記評価情報として出力する。
【0096】
ここで、作成処理部215が例えばサンプリング間隔T1の車速情報(図5参照)を用いてコンバイン4の車速履歴を作成した場合、図15に示すように、詳細(高精細)な車速変化のグラフが作成される。図15に示すグラフによれば、コンバイン4の詳細な車速の変化の様子を把握することができるが、データ量が大きくなるため制御部21の負荷が大きくなり、前記グラフの作成に時間がかかったり、作成したグラフに対応する車速履歴ページ(不図示)をユーザー端末3に表示させる際に時間がかかったりする不具合が生じる可能性がある。
【0097】
これに対して、本実施形態では、作成処理部215は、サンプリング間隔T1よりも長いサンプリング間隔T2の車速情報(図6参照)を用いてコンバイン4の車速履歴を作成するため、図16に示すように、少ないデータ量で車速変化のグラフを作成することができる。このため、制御部21の負荷を低減することができるため、前記グラフを迅速に作成することができ、また作成したグラフに対応する車速履歴ページをユーザー端末3に迅速に表示させることができる。なお、他の前記評価情報についても同様に、作成処理部215は、サンプリング間隔T2の抽出情報D2(図6参照)を用いて前記評価情報を作成するため、制御部21の負荷を低減することができる。
【0098】
また本発明の他の実施形態として、農作業管理システム1は、収穫量を検出する機能を備えていないコンバイン4(本発明の第2収穫機の一例)を含んでもよい。この場合、管理サーバー2の取得処理部211は、前記コンバイン4から、サンプリング間隔T1よりも長いサンプリング間隔T3(本発明の第3サンプリング間隔の一例)の農作業情報D1を取得可能である。なお、サンプリング間隔T3は、サンプリング間隔T2と同一であってもよいし、異なっていてもよい。出力処理部216は、取得処理部211が前記コンバイン4からサンプリング間隔T3の農作業情報D1を取得した場合には、当該農作業情報D1に基づいて、当該コンバイン4に対応する前記評価情報を出力する。例えば、出力処理部216は、サンプリング間隔T3の位置情報に基づいて作成される走行軌跡R1、サンプリング間隔T3の車速情報に基づいて作成される車速変化を表すグラフなどを出力する。
【0099】
また本発明の他の実施形態として、管理サーバー2は、前記実施形態に係る管理サーバー2の構成に加えて、さらに、圃場F1内の収穫量のばらつき度合いを示す情報(ばらつき度情報)を出力する構成を備えてもよい。
【0100】
図17は、他の実施形態に係る管理サーバー2の構成を示す機能ブロック図である。図17において、図1に示す管理サーバー2の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付している。また、図17に示す構成要素において、図1に示す構成要素と同一の処理を実行する構成要素についてはその説明を適宜省略する。図17に示す管理サーバー2の制御部21は、取得処理部211、抽出処理部212、記憶処理部213、収穫量算出処理部214、作成処理部215、出力処理部216に加えて、さらに、変動係数算出処理部217及び受付処理部218を含んでいる。また、図17に示す管理サーバー2の記憶部22には、ユーザー端末3に表示されるウェブサイト(農業支援サイト)に含まれる収穫情報ページP1(図18参照)、走行軌跡ページP2(図13参照)、圃場情報ページP3~P5(図19図21)、設定ページ(不図示)などの各種のウェブページを生成するためのレイアウトデータ及び画像データなども記憶される。圃場情報ページP3~P5は、ユーザー端末3において前記農業支援サイトにログインすることによりユーザー端末3に表示される。
【0101】
取得処理部211は、圃場F1内で作物の収穫作業を行うコンバイン4から、当該コンバイン4の位置情報と当該コンバイン4の位置に対応する収穫量情報と当該コンバイン4の稼働情報とを含む農作業情報D1を取得する。また、取得処理部211は、サンプリング間隔T1(ここでは5秒間隔)で取得された前記位置情報、前記収穫量情報、及び前記稼働情報を含む農作業情報D1を取得する。取得処理部211は、本発明の取得処理部の一例である。取得処理部211は、コンバイン4から取得した農作業情報D1を農作業情報データベースDB1に記憶する(図5参照)。
【0102】
収穫量算出処理部214は、取得処理部211により取得される農作業情報D1(図5参照)に基づいて、圃場F1内の複数の区画Kのそれぞれの収穫量を算出する。具体的には、収穫量算出処理部214は、サンプリング間隔T1(例えば5秒間隔)で取得された前記位置情報及び前記収穫量情報に基づいて区画Kごとの収穫量を算出する。収穫量算出処理部214は、算出した前記収穫量の情報を収穫量情報D3に登録する(図7参照)。収穫量算出処理部214は、本発明の収穫量算出処理部の一例である。
【0103】
変動係数算出処理部217は、収穫量算出処理部214により算出される複数の区画Kのそれぞれの収穫量に基づいて、圃場F1内の収穫量の変動係数Sf(本発明のばらつき度の一例)を算出する。変動係数Sfは、圃場F1全体における収穫量のばらつき度合いを示す指標である。変動係数算出処理部217は、本発明のばらつき度算出処理部の一例である。具体的には、変動係数算出処理部217は、複数の区画Kのそれぞれの収穫量の平均値に対する全区画Kの収穫量の標準偏差の割合を前記変動係数Sfとして算出する。例えば、変動係数算出処理部217は、図7に示す収穫量情報D3に基づいて、区画Kの平均収穫量Eaを算出する。また、変動係数算出処理部217は、収穫量情報D3に登録された各区画Kの収穫量Exと平均収穫量Eaとに基づいて、以下の式(1)により標準偏差Esを算出する。式(1)において、「n」は区画Kの数を表す。
【数1】
【0104】
そして、変動係数算出処理部217は、以下の式(2)により圃場F1の変動係数Sfを算出する。変動係数Sfの値が大きい程、収穫量のばらつきが大きいことを示し、変動係数Sfの値が小さい程、収穫量のばらつきが小さいことを示している。1つの圃場F1に対して1つの変動係数Sfが算出されてもよいし、1つの圃場F1内に含まれる複数の領域のそれぞれに対して変動係数Sfが算出されてもよい。
Sf=Es/Ea ・・・(2)
【0105】
出力処理部216は、変動係数算出処理部217により算出される変動係数Sfに関するばらつき度情報を出力する。例えば図18に示すように、出力処理部216は、収穫量マップM1において、対象となる圃場名称「3」の圃場F1に対応する変動係数Sfを表示させる。出力処理部216は、本発明の出力処理部の一例である。
【0106】
前記ばらつき度情報は、変動係数Sfの数値情報に限定されず、変動係数Sfに応じた画像情報であってもよい。具体的には、作成処理部215は、圃場F1における変動係数Sfを表す変動係数マップM2を作成してもよい。例えば、変動係数算出処理部217は、圃場F1を変動係数Sfに応じたランク(例えば最小のランク「1」~最大のランク「5」)に分類する。作成処理部215は、圃場F1を前記ランクに応じた表示態様で表した変動係数マップM2を作成する。
【0107】
出力処理部216は、対象となる圃場F1を、変動係数Sfに応じて分類したランクに応じた表示態様で表示させる。例えば図19に示すように、出力処理部216は、圃場情報ページP3(変動係数マップM2)において、対象となる圃場名称「3」の圃場F1を、変動係数Sfに基づいて分類されたランクに応じた表示態様(例えばランクに応じた色)で表示させる。なお、圃場情報ページP3において、ユーザーは、シーズン、期間などを選択することができる。
【0108】
ここで、管理サーバー2は、複数の圃場F1の農作業情報を管理することも可能である。具体的には、取得処理部211は、複数の圃場F1のそれぞれに対応する農作業情報D1を、各圃場F1で収穫作業を行うコンバイン4からそれぞれ取得する。また、取得処理部211は、各コンバイン4から取得した農作業情報D1を圃場F1ごとに記憶する。農作業情報D1は、圃場F1ごとに生成される。
【0109】
収穫量算出処理部214は、圃場F1ごとに、当該圃場F1に対応する農作業情報D1(図5参照)に基づいて、複数の区画Kのそれぞれの収穫量を算出する。収穫量算出処理部214は、算出した前記収穫量の情報を圃場F1ごとの収穫量情報D3(図7参照)に登録する。収穫量情報D3は、圃場F1ごとに生成される。
【0110】
変動係数算出処理部217は、圃場F1ごとに変動係数Sfを算出する。変動係数算出処理部217は、算出した変動係数Sfを圃場F1ごとに記憶部22に記憶する。また、変動係数算出処理部217は、複数の圃場F1のそれぞれを、各圃場F1に対応する変動係数Sfに応じたランクに分類する。
【0111】
出力処理部216は、圃場F1ごとにばらつき度情報を出力する。具体的には、受付処理部218は、複数の圃場F1の中から任意の圃場F1を選択するユーザー操作を受け付ける。受付処理部218は、本発明の受付処理部の一例である。出力処理部216は、ユーザー操作により選択された圃場F1に対応する前記ばらつき度情報をユーザーに提示する。例えば図18に示す収穫量マップM1の圃場名称の項目において、ユーザーが他の圃場F1の圃場名称を選択する操作を行うと、受付処理部218は当該ユーザー操作を受け付け、出力処理部216は、ユーザー操作により選択された圃場F1に対応する収穫量マップM1を収穫情報ページP1に表示させると共に、当該圃場F1に対応する変動係数Sfを収穫情報ページP1に表示させる。また、出力処理部216は、図19に示すように、複数の圃場F1のそれぞれを、分類したランクに応じた表示態様で表示させる。
【0112】
また、ユーザーは圃場情報ページP3において任意の圃場F1を選択することができる。具体的には、ユーザーが任意の圃場F1を選択した場合、出力処理部216は、選択された圃場F1に対応する収穫量マップM1(図18参照)を表示させる。
【0113】
また、圃場情報ページP3において、ユーザーは、表示項目を「変動係数(ばらつき)」から「収穫量」に切り替えることができる。ユーザーが圃場情報ページP3の表示項目において「収穫量」を選択した場合、図20に示すように、出力処理部216は、圃場情報ページP4(圃場マップM3)において、収穫量(圃場F1の平均収穫量Ea)に基づいて分類されたランクに応じた表示態様(例えばランクに応じた色)で表示させる。図20に示す圃場マップM3によれば、複数の圃場F1の収穫状態を比較することができる。図20に示す圃場情報ページP4においてユーザーが任意の圃場F1を選択した場合には、出力処理部216は、選択された圃場F1に対応する収穫量マップM1(図18参照)を表示させてもよい。
【0114】
また、出力処理部216は、圃場F1に対応する変動係数Sfの分布を表すマップ(変動係数マップM2)と、当該圃場F1に対応する収穫量の分布を表すマップ(圃場マップM3)とを、ユーザー端末3において同一画面に表示させてもよい。例えば図21に示すように、出力処理部216は、圃場情報ページP5において、複数の圃場F1のそれぞれに対応する変動係数マップM2と、複数の圃場F1のそれぞれに対応する圃場マップM3とを、ユーザー端末3において同一画面に表示させる。これにより、ユーザーは、圃場F1における収穫量の分布とばらつき度合いを比較することができる。また、ユーザーは、複数の圃場F1について、同一画面において収穫量の分布とばらつき度合いを比較することができる。
【0115】
図17に示す管理サーバー2を備える農作業管理システム1によれば、圃場F1内の収穫量のばらつき度合いを変動係数Sfにより数値化して表示させることができるため、ユーザーは収穫量の評価を客観的に行うことができる。また、圃場F1内の収穫量のばらつき度合いに応じた変動係数マップM2を表示させることができるため、ユーザーは一見して収穫状態の評価を行うことができる。さらに、複数の圃場F1のばらつき度合いを比較可能に表示させることができるため、ユーザーは複数の圃場のそれぞれの収穫状態を同時に評価することができる。よって、圃場F1の収穫量に対する評価の信頼性を向上させることが可能となる。
【0116】
なお、図17に示す管理サーバー2は、図1に示す管理サーバー2と同様に、抽出処理部212が、取得処理部211により取得される農作業情報D1(前記位置情報、前記収穫量情報、及び前記稼働情報)からサンプリング間隔T1よりも長いサンプリング間隔T2の前記時刻情報、前記位置情報、及び前記稼働情報を抽出し、作成処理部215が、抽出された前記時刻情報、前記位置情報、及び前記稼働情報(図6参照)に基づいて、コンバイン4に対応する前記評価情報(走行軌跡、車速変化など)を作成し、出力処理部216が前記評価情報を出力してもよい。また、図17に示す管理サーバー2は、前記評価情報を作成及び出力する構成を備えていなくてもよい。この場合、図17に示す管理サーバー2において、抽出処理部212及び記憶処理部213が省略されてもよい。
【0117】
[発明の付記]
<付記1>
圃場内で作物の収穫作業を行う第1収穫機から当該第1収穫機の第1サンプリング間隔の位置情報と当該第1収穫機の位置に対応する前記第1サンプリング間隔の収穫量情報とを含む第1農作業情報を取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記第1農作業情報から前記第1サンプリング間隔よりも長い第2サンプリング間隔の第2農作業情報を抽出する抽出処理部と、
前記抽出処理部により抽出される前記第2農作業情報に基づいて、前記第1収穫機の作業状態を評価するための評価情報を出力する出力処理部と、
を備える農作業管理システム。
【0118】
<付記2>
前記抽出処理部により抽出される前記第2農作業情報に含まれる前記位置情報に基づいて、前記収穫作業に対応する前記第1収穫機の走行軌跡を作成する作成処理部をさらに備え、
前記出力処理部は、前記作成処理部により作成される前記走行軌跡を前記評価情報として出力する、
付記1に記載の農作業管理システム。
【0119】
<付記3>
前記取得処理部により取得される前記第1農作業情報に含まれる前記位置情報と、前記抽出処理部により抽出される前記第2農作業情報に含まれる前記位置情報とに基づいて、前記収穫作業に対応する前記第1収穫機の走行軌跡を作成する作成処理部をさらに備え、
前記出力処理部は、前記作成処理部により作成される前記走行軌跡を前記評価情報として出力する、
付記1に記載の農作業管理システム。
【0120】
<付記4>
前記抽出処理部により抽出される前記第2農作業情報に含まれる前記第1収穫機の車速情報に基づいて、前記収穫作業に対応する前記第1収穫機の車速の変化の履歴を表す車速履歴を作成する作成処理部をさらに備え、
前記出力処理部は、前記作成処理部により作成される前記車速履歴を前記評価情報として出力する、
付記1~3のいずれかに記載の農作業管理システム。
【0121】
<付記5>
前記取得処理部により取得される前記第1農作業情報に基づいて、前記圃場を分割して設定された複数の区画のそれぞれの収穫量を算出する収穫量算出処理部と、
前記収穫量算出処理部により算出される前記収穫量に基づいて、前記複数の区画に応じた収穫量マップを作成する作成処理部と、
をさらに備え、
前記出力処理部は、前記作成処理部により作成される前記収穫量マップを出力する、
付記1~4のいずれかに記載の農作業管理システム。
【0122】
<付記6>
前記取得処理部は、前記第1収穫機から取得する前記第1農作業情報を第1記憶部に記憶し、
前記抽出処理部により抽出される前記第2農作業情報を第2記憶部に記憶する記憶処理部をさらに備える、
付記1~5のいずれかに記載の農作業管理システム。
【0123】
<付記7>
前記第1農作業情報は、時刻情報と前記位置情報と前記収穫量情報と前記第1収穫機の稼働情報とを含み、
前記第2農作業情報は、前記時刻情報と前記位置情報と前記第1収穫機の稼働情報とを含む、
付記1~6のいずれかに記載の農作業管理システム。
【0124】
<付記8>
前記取得処理部は、収穫量を検出する機能を備えていない第2収穫機から、前記第1サンプリング間隔よりも長い第3サンプリング間隔の農作業情報を取得可能であり、
前記出力処理部は、前記取得処理部が前記第2収穫機から前記第3サンプリング間隔の農作業情報を取得した場合には、当該農作業情報に基づいて、前記第2収穫機に対応する前記評価情報を出力する、
付記1~7のいずれかに記載の農作業管理システム。
【0125】
<付記9>
圃場内で作物の収穫作業を行う第1収穫機から当該第1収穫機の第1サンプリング間隔の位置情報と当該第1収穫機の位置に対応する前記第1サンプリング間隔の収穫量情報とを含む第1農作業情報を取得することと、
前記第1農作業情報から前記第1サンプリング間隔よりも長い第2サンプリング間隔の第2農作業情報を抽出することと、
前記第2農作業情報に基づいて、前記第1収穫機の作業状態を評価するための評価情報を出力することと、
を一又は複数のプロセッサーが実行する農作業管理方法。
【0126】
<付記10>
圃場内で作物の収穫作業を行う第1収穫機から当該第1収穫機の第1サンプリング間隔の位置情報と当該第1収穫機の位置に対応する前記第1サンプリング間隔の収穫量情報とを含む第1農作業情報を取得することと、
前記第1農作業情報から前記第1サンプリング間隔よりも長い第2サンプリング間隔の第2農作業情報を抽出することと、
前記第2農作業情報に基づいて、前記第1収穫機の作業状態を評価するための評価情報を出力することと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための農作業管理プログラム。
【符号の説明】
【0127】
1 :農作業管理システム
2 :管理サーバー
3 :ユーザー端末
4 :コンバイン
211 :取得処理部
212 :抽出処理部
213 :記憶処理部
214 :収穫量算出処理部
215 :作成処理部
216 :出力処理部
217 :変動係数算出処理部
218 :受付処理部
311 :ブラウザ処理部
494 :位置検出部
495 :収穫量検出部
DB1 :農作業情報データベース
DB2 :抽出情報データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図16
図17
図18
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図20
図21