(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173960
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】低ノイズコンデンサ
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20241206BHJP
H01G 4/232 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
H01G4/30 513
H01G4/30 201F
H01G4/232 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024163506
(22)【出願日】2024-09-20
(62)【分割の表示】P 2022173205の分割
【原出願日】2015-06-10
(31)【優先権主張番号】62/010,488
(32)【優先日】2014-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/733,029
(32)【優先日】2015-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ポール リッター
(72)【発明者】
【氏名】カール エル.エッガーディング
(57)【要約】
【課題】表面実装用途の比較的低ノイズのコンデンサが提供される。
【解決手段】電気機械的振動が可聴ノイズを発生するところ、それらは、MLCCデバイス構造、および/またはプリント回路板(PCB)などの基板上のそれらの実装インターフェースに対する修正によって比較的低減される。様々な実施形態は、柔軟な終端コンプライアンス(termination compliance)を様々に活用し、表面実装が、PCBに伝達される振幅振動を低減しているようにする。他の例では、側端子およびトランスポーザ実施形態が、コンデンサのケースに対する実装パッドのサイズを効率的に低減させる、または、成形された筐体が、振動の隔離、終端コンプライアンス、およびクランピングを提供する。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面実装可能な比較的低ノイズの積層セラミックコンデンサ(MLCC)のコンデンサ アセンブリであって、
積層された配列内に対向するコンデンサプレートのそれぞれの対を形成するように複数のセラミック層と交互配置されたそれぞれ第1の極性および第2の極性である複数の導電層を有する本体と、
前記本体の両端部における、前記第1の極性導電層および前記第2の極性導電層にそれぞれ電気的に接続されたそれぞれの第1の極性終端部および第2の極性終端部であって、前記終端部は、電気機械的ノイズを比較的低減させるために、前記コンデンサアセンブリと前記コンデンサアセンブリが実装される表面との間の振動を比較的減衰させるためのコンプライアント層を含む、第1の極性終端部および第2の極性終端部と、
を備えることを特徴とする、コンデンサアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示された技術は、低ノイズコンデンサおよび対応する方法論に関する。より詳細には、本開示された技術は、比較的低ノイズの特性を有する機械的と電気的の両方の接続(すなわち、電気機械的ノイズ低減)を提供するためのプリント回路板(PCB)などの基板上のコンデンサデバイスの構築および表面実装に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、あらゆる目的で参照により組み込まれている、2014年6月11日に出願された「LOW NOISE CAPACITORS」と題される先行して出願された米国特許仮出願第62/010,488号明細書の利益を主張する。
【0003】
プリント回路板および他の基板上での電子部品の高密度実装は、エレクトロニクス産業において一般的である。複数の層を有する小型セラミック表面実装タイプコンデンサは、携帯電話、ネットワークルータ、コンピュータなどの電子デバイスにおいてここしばらく使用されている。そのようなデバイスの製造技法は、所望の電気的動作特性を可能にしながら、これらのデバイスの大幅に低減されたサイズを提供するために正確でなければならない。
【0004】
さらに最近では、基板上に実装可能な形態でさらなるタイプの部品および種々の副回路を提供することが望ましくなっている。いくつかの米国特許は、電子部品の製造および実装技法の種々の態様に向けられている。たとえば、同一出願人に所有される特許文献1(Ritterら、名称「Multilayer Ceramic RC Device」)は、スタックを形成するように交互配置された複数の第1のセラミック層および第2のセラミック層を含むRCデバイスを開示している。セラミック層はそれぞれ、複数の2極板コンデンサの同等物を形成する異極性の適切な電極構造を含む。積層セラミックコンデンサ(MLCC)の知られた実施形態は、たとえば、同一出願人に所有される特許文献2(Pelcakら、名称「Capacitor assembly」)の
図2および
図3にも示されている。
【0005】
現代の技術的用途の多様化は、これに使用するための効率的な電子部品および集積回路の必要性をもたらしている。コンデンサは、ワイヤレス通信、高速処理、ネットワーキング、回線交換、および多くの他の用途を含み得るそのような現代の用途のフィルタリング、デカップリング、バイパス、および他の態様に使用される基本的部品である。集積回路の速度および実装密度の著しい増大は、デカップリングコンデンサ技術の進歩をもたらした。
【0006】
高容量デカップリングコンデンサが多くの現行用途の高周波数にさらされる場合、性能特性がますます重要となる。コンデンサはそのような様々な用途の基礎であるため、それらの精度および効率性が必須である。したがって、コンデンサの性能特性を改善するために、コンデンサ設計の多くの特定の様態に焦点が当てられている。
【0007】
現在、様々な従来のコンデンサが市場で入手可能であり、それぞれが、特定の用途に好適な性能特性の固有の組み合わせを提供する。たとえば、積層セラミックコンデンサ(MLCC)は通常、周波数フィルタリング用途にかなり効果的である。これらおよび他の特定のコンデンサタイプが単一の集積回路環境で使用されることは、かなり一般的である。そのような事例では、異なるコンデンサが個別部品としてプリント回路板(PCB)上で並列に接続され得る。そのような手法は、各コンデンサについて比較的大量の回路スペー
スおよび別個の実装パッドを必要とし得る。
【0008】
しばらくの間、種々の電子部品の設計は、小型化および新規または既存の用途への部品の組み込みの容易さに向かう一般的業界動向により突き動かされている。そのような観点から、非常に優れた動作特性を有するより小さな電子部品の必要性が存在する。たとえば、いくつかの用途は、容量性、誘導性、および/または抵抗性の特性またはそれらの組み合わせアセンブリを含む種々の特性を示す受動デバイスの使用を必要とするが、そのようなデバイスが回路板上で占有し得る(「リアルエステート(real estate)」として知ら
れる)スペースの量について厳しく制限される。そのようなデバイスまたは組み合わせは、できるだけ最小の量の「リアルエステート」を占有しながら、そのような回路板への物理的および電気的取付けを最も容易にするように構成されることが重要である。結果として、部品の小型化、配向効率、およびPCB環境でスペースを節約し基板リアルエステートを最大化する他の手段を得ようとする取り組みが継続している。
【0009】
また、コンデンサの固有抵抗値であるESR(等価直列抵抗)のような他のコンデンサ性能特性を改善するのが望ましいことがある。
【0010】
回路用途に影響し得る別のコンデンサ特性は、多くの実装されたMLCC用途で一般的な圧電ノイズまたは電気機械的もしくは音響ノイズである。低レベル圧電ノイズは、コンデンサ内で機械的振動を引き起こすことができる交流電圧にコンデンサのセラミックスがさらされたときに発生され得る。セラミック材料の固有の性質が、機械的振動を一般に低レベルの電気ノイズに変換する。かなりの量の圧電ノイズが、特に高周波用途では、信号品質に影響を与える可能性がある。したがって、回路用途において圧電ノイズを低減させるのが望ましいことが多い。
【0011】
コンデンサは、下記の知られている方程式で表されるように、すべての誘電材料に固有の電歪挙動による印加された電圧(電界)に応じて変形する。
歪み=Mij*電界2
【0012】
一般に、高誘電率材料は高電歪係数を有する。CV(キャパシタンス倍電圧)定格は、コンデンサの体積効率に部分的に関係付けられる。一般に、キャパシタンスが高いほど、コンデンサの体積が大きくなる。あるキャパシタンス値が与えられたとすると、定格電圧が高いほど、コンデンサの体積が大きくなる。したがって、コンデンサが「高CV定格」を有するとき、これは、それが体積効率的であり、他のコンデンサタイプと比較して小さい物理サイズを示すことを意味する。高CVコンデンサは、非常に薄い内層を有するように進化したので、控えめな動作電圧でも非常に高い電界強度を与える。
【0013】
機械的歪み(振動)は、コンデンサからはんだ端子を介してPCB基板に伝達される。コンデンサは、PCBがドラムヘッドのような音発生機器(sounding instrument)とし
て振る舞うとき、ドライバ、実質的にはドラムスティックの役割をする。したがって、主な可聴ノイズは、コンデンサそれ自体でなくPCBからの振動によって発生される。
【0014】
逆の効果、すなわち、端子を介してコンデンサに結合されたPCB上の振動が、コンデンサ上のACリップル電圧を引き起こすこともできる。そのような効果は「マイクロフォニックス」と呼ばれ、特殊な場合に問題になり得る。
【0015】
実装されたMLCCデバイスに関連付けられた電気機械的ノイズを低減しようとして種々の手法が以前より提供されているが、それらは、たとえば、(PCB上へのデバイスの実装のための)はんだ量を最小化すること、PCBに平行なMLCC内層の配向を回転させること、より低いKの誘電材料を使用すること、スタンドオフ(リード(lead))を増
大すること、基板上にコンデンサを先行実装する(pre-mount)こと、(より大きい非ア
クティブマージンを提供するための)クランプ力を増大すること、および、MLCCデバイスをタンタルコンデンサのような異なるタイプのデバイスに単に置き換えることを含む。そのような手法は、本質的に種々の代償を伴い、たとえば、いくつかの事例では、MLCCデバイス設計または実装技法の増大されたコストまたは増大された複雑さを伴う。
【0016】
追加の特許引用は、関連付けられたノイズキャンセル特徴を有する多層構造に関係付けられた特許文献3(Winzerら、名称「Integrated composite
acoustic transducer array」)、および柔軟な終端材料を有する抵抗器に関係付けられた特許文献4(Koronyら、名称「High Frequency Resistor」)を含む。また、Koronyによる「Thin Film Surface Mount Components」という名称の特許文献5、ならびに、Hattoriによる「Electronic Component」という名称の特許文献6、「Ceramic Electronic Component and Electronic Device」という名称の特許文献7、および「Electronic Component」という名称の特許文献8を参照されたい。
【0017】
本開示された主題は、一般に、より大きな回路板に実装された表面に適合される小さな電子部品に関する。より詳細には、主題は、様々な用途で使用するための表面実装コンデンサデバイスに関することがある。業界慣行によれば、表面実装部品のサイズは、一般に、数字「XXYY」として表され、XXおよびYYはそれぞれ、100分の1インチ(0.0254cm)単位の長さおよび幅である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許第5,889,445号明細書
【特許文献2】米国特許第7,352,563号明細書
【特許文献3】米国特許第5,629,578号明細書
【特許文献4】米国特許第8,665,059号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2011/0090665号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2014/0016242号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2013/0299224号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2013/0284507号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
コンデンサデバイスおよび関連付けられたアセンブリならびにそれらのための実装方法論の種々の実施態様が開発されてきたが、本主題の技術によって以下に提示される所望される特性のすべてを全般的に含む設計は出現していなかった。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本開示された主題は、上記の課題のいくつか、およびコンデンサデバイスの特定の態様に関する他の課題を認識し解決する。したがって、大まかに言えば、本開示された技術の特定の実施形態の目的は、表面実装可能デバイスの実施態様に関連付けられた特定のコンデンサ部品および部品アセンブリのための改善された設計を提供することである。大まかに言えば、他の目的は、低ノイズコンデンサおよび関係付けられた方法論を提供することである。
【0021】
本開示の他の目的は、改善された比較的低ノイズの特性を有する機械的と電気的の両方の接続(すなわち、電気機械的ノイズ低減)を提供するためのプリント回路板(PCB)
などの基板上のコンデンサデバイスの構築および表面実装に関する。
【0022】
本開示された主題の他の例示的実施形態の態様は、改善されたノイズ性能特性のために、デバイスが実装され得るプリント回路板上の回路または配線への特定の表面実装デバイスの改善された電気的および機械的結合を提供する。
【0023】
本開示された主題のさらに他の実施形態の態様は、表面実装タイプデバイスの使用に関連付けられた製造および/または実装方法論の強化を提供する。
【0024】
また本開示された技術は、さらに、本明細書で開示および/または議論される結果のデバイスおよび構造、ならびに対応する伴われる方法論に同様に適用することを理解されたい。
【0025】
本開示された主題のさらに他の実施形態の態様は、ノイズ低減態様のためのコンプライアント終端特徴を提供する。本開示された他の実施形態は、表面実装コンデンサの端子の有利な再配置に関する。本開示されたさらなる追加の実施形態は、エポキシケースにおけるようなコンデンサの筐体に関する。なお、本開示された他の実施形態は、いわゆるトランスポーザ(transposer)部品または要素上のコンデンサの先行実装に関することがある。
【0026】
さらなる一般的な目的は、表面実装されたコンデンサデバイスにおいて比較的改善されたノイズ低減と組み合わされた比較的低い製造コストを提供することである。
【0027】
本開示された主題の特定の態様は、さらに、個別の能動部品またはそれらの受動部品との組み合わせに適用され得ることは認識されたい。たとえば、増幅器、発振器、および他の機能ブロックアセンブリを含むがこれらに限定されない能動の組み合わせが、本開示された技術から利益を得ることができる。
【0028】
また、たとえば、ハンドヘルド電子機器におけるオーディオ回路、自動車電子機器、コンピュータディスクドライブで有用な、また特定の産業、航空宇宙産業、および医療の用途で有用な低ノイズの表面実装されたコンデンサデバイスをもたらす改善されたデバイスおよび/または関連付けられた方法論を提供することも目的である。
【0029】
本開示された一つの例示的実施形態は、表面実装可能な比較的低ノイズの積層セラミックコンデンサ(MLCC)コンデンサアセンブリ(surface mountable relatively low noise multilayer ceramic capacitor (MLCC) capacitor assembly)に関する。コンデン
サアセンブリは、好ましくは、対向するコンデンサプレートのそれぞれの対を積層された配列で形成するように複数のセラミック層と交互配置されたそれぞれの第1の極性および第2の極性の複数の導電層を有する本体と、本体の両端部における、第1の極性導電層および第2の極性導電層にそれぞれ電気的に接続されたそれぞれの第1の極性終端部および第2の極性終端部とを備える。さらに、終端部は、電気機械的ノイズを比較的低減させるために、コンデンサアセンブリとコンデンサアセンブリが実装される表面との間の振動を比較的減衰させるためのコンプライアント層を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、コンプライアント層がコンプライアントポリマーの層を含んでよい。種々の実施形態では、コンプライアントポリマーが、おおむね導電性のポリマー、または銀-ポリマー層である導電性ポリマー、または銀、銅もしくはニッケル充填されたポリマーのうちの1つであるポリマーを含んでよい。
【0031】
実施形態の他の代替形態では、コンデンサアセンブリが実装される表面が支持基板を含
んでよい。種々の実施形態では、支持基板がプリント回路板を含んでよく、コンプライアントポリマー層はおおむね5GPa未満の弾性率を有してよく、このようにすることで、コンデンサアセンブリの表面実装が、プリント回路板に伝達される振幅振動を低減しているようにして、比較的低ノイズの特性を有する機械的と電気的の両方の接続を提供する。
【0032】
実施形態の種々の代替形態では、終端部が比較的薄いフラッシュ層(flashing layer)上に銀ポリマーを含んでよく、および/またはフラッシュ層が銅層を含んでよく、さらにあるいは、終端部が、比較的薄い銅フラッシュ層上の銀ポリマーを、銀ポリマー層上のめっきの層とともに含んでもよい。いくつかの代替形態では、めっきの層がニッケル-スズめっきを含んでよい。
【0033】
本開示された主題は、同様に対応するおよび/または関係付けられた方法に関することが意図される。1つの本開示された例示的実施形態は、表面実装可能な積層セラミックコンデンサ(MLCC)コンデンサアセンブリに関連付けられた電気機械的ノイズを比較的低減させるための方法論に関する。例示的方法論は、好ましくは、対向するコンデンサプレートのそれぞれの対を積層された配列で形成するように複数のセラミック層と交互配置されたそれぞれの第1の極性および第2の極性の複数の導電層を有する本体を提供するステップと、本体の両端部における、第1の極性導電層および第2の極性導電層にそれぞれ電気的に接続されたそれぞれの第1の極性終端部および第2の極性終端部を形成するステップとを含む。さらに、終端部は、電気機械的ノイズを比較的低減させるために、コンデンサアセンブリとそれが実装される表面との間の振動を比較的減衰させるためのコンプライアント層を含む。
【0034】
例示的方法論のいくつかの代替形態では、コンプライアント層は、コンプライアントポリマーの層を含んでよい。他の代替形態において、コンプライアントポリマーが、銀、銅、もしくはニッケル充填されたポリマーのうちの1つを含むおおむね導電性のポリマーを含んでよい。
【0035】
例示的方法論の変形形態は、プリント回路板を含む支持基板上のコンデンサアセンブリを表面実装することをさらに含んでよく、このようにすることで、コンデンサアセンブリの表面実装が、プリント回路板に伝達される振幅振動を低減しているようにして、比較的低ノイズの特性を有する機械的と電気的の両方の接続を提供する。
【0036】
他の本開示された変形形態では、終端部が、比較的薄い銅フラッシュ層上に銀ポリマーを含んでよく、または、比較的薄い銅フラッシュ層上の銀導電性ポリマーを、銀導電性ポリマー層上のめっきの層とともに含んでもよい。
【0037】
さらに別の本開示された例示的実施形態において、表面実装可能な比較的低ノイズの積層セラミックコンデンサ(MLCC)コンデンサアセンブリは、好ましくは、対向するコンデンサプレートのそれぞれの対を積層された配列で形成するように複数のセラミック層と交互配置されたそれぞれの第1の極性および第2の極性の複数の導電層を有する本体と、本体の両端部における、第1の極性導電層および第2の極性導電層にそれぞれ電気的に接続されたそれぞれの第1の極性終端部および第2の極性終端部と、電気機械的ノイズを比較的低減させるために、コンデンサアセンブリとコンデンサアセンブリが実装される表面との間の振動を比較的減衰させるための、表面上に支持された終端部を用いて本体がその中に受容される成形されたケースとを備える。
【0038】
例示的実施形態のいくつかの変形形態では、成形されたケースは、本体を完全にカプセル化するエポキシケースを含んでよい。いくつかの事例では、導電層は、終端部が支持される表面に対して垂直に配列されてよいが、他の事例では、配列は垂直以外であってよい
。さらなる変形形態では、成形されたケースが、予め定められたサイズケースのはんだパッド上のランドグリッドアレイスタイルパッケージ(land grid array style package)
として実装されるA-ケースパッケージを含んでよい。他の代替形態では、予め定められたサイズケースが、1206A-ケースパッケージの寸法を含んでよく、ここで、1206A-ケースパッケージの寸法は、100分の1インチ(0.0254cm)単位で表されるケースのそれぞれ長さおよび幅を含む。当業者には理解されるように、A-ケースは、1206サイズの同等デバイスに対する業界用語である。本開示された主題が他のサイズおよび配列に同様に適用可能であることは認識されたい。たとえば、それは、B-ケース(1210同等サイズ)ならびにR-およびN-ケース(0805同等サイズ)を用いて実装されてもよい。また、本開示された主題は、A-、B-、R-、およびN-ケースのパーツを業界標準実装パッド(それぞれ、1206、1210、0805、および0805)上で実装し、また、同じA-、B-、R-、およびN-ケースを1サイズ分小さい実装パッド(それぞれ、1206、0805、0603、および0603)上で実装するように実施されてもよい。この後者の方法は、(ランドグリッドアレイスタイルとしても知られるように)パーツの下にはんだパッドを配置し、成形されたコンデンサの端部から大きいはんだフィレットを除去し、それにより、コンデンサから実装基板へ結合されるクランプ応力および振動を低減させる。
【0039】
他の代替形態において、コンデンサアセンブリが実装される表面は支持基板を含んでよい。いくつかの事例では、支持基板は、プリント回路板を含んでよく、成形されたケースは、ポリマー塗膜およびリードフレームを有する成形されたパッケージを含んでよい。いくつかの事例では、本体は、終端部が支持される表面に対して垂直に配列された導電層を用いて受容されてよいが、他の配列では、それらは、プリント回路板に伝達される振動の振幅を低減させることによってデバイスノイズを減衰させるためにプリント回路板からコンデンサ歪みを分離するように垂直以外で配列されてもよく、そのようにして、比較的低ノイズの特性を有する機械的と電気的の両方の接続を提供する。
【0040】
他の変形形態では、終端部が、銅膜上にニッケル-スズめっきを含んでよい。
【0041】
別の本開示された例示的実施形態は、表面実装可能な積層セラミックコンデンサ(MLCC)コンデンサアセンブリに関連付けられた電気機械的ノイズを比較的低減させるための方法論に関する。例示的な方法論は、対向するコンデンサプレートのそれぞれの対を積層された配列で形成するように複数のセラミック層と交互配置されたそれぞれの第1の極性および第2の極性の複数の導電層を有する本体を提供するステップと、本体の両端部における、第1の極性導電層および第2の極性導電層にそれぞれ電気的に接続されたそれぞれの第1の極性終端部および第2の極性終端部を形成するステップと、電気機械的ノイズを比較的低減させるために、コンデンサアセンブリとコンデンサアセンブリが実装される表面との間の振動を比較的減衰させるために、表面上に支持された終端部を用いて本体を成形されたケース内に配置するステップとを含む。
【0042】
上記の変形形態では、成形されたケースは、本体を完全にカプセル化するエポキシケースを含んでよい。いくつかの事例では、導電層は、終端部が支持される表面に対して垂直に配列されてよいが、他の配列では、垂直以外で実施されてよい。いくつかの他の変形形態では、成形されたケースが、予め定められたサイズケースのはんだパッド上のランドグリッドアレイスタイルパッケージとして実装されるA-ケースパッケージを含んでよい。
【0043】
他の代替形態において、表面は支持基板を含んでよく、および/または、支持基板はプリント回路板を含んでよく、また、成形されたケースは、ポリマー塗膜およびリードフレームを有する成形されたパッケージを含んでよい。いくつかの事例では、本体は、終端部が支持される表面に対して垂直に配列された導電層を用いて受容されてよいが、他の配列
では、プリント回路板に伝達される振動の振幅を低減させることによってデバイスノイズを減衰させるためにプリント回路板からコンデンサ歪みを分離するように垂直以外で実施されてもよく、そのようにして、比較的低ノイズの特性を有する機械的と電気的の両方の接続を提供する。
【0044】
さらに他の変形形態では、終端部が、銅膜上にニッケル-スズめっきを含んでよく、ならびに/または、終端部の長さおよびその付着点の位置が、コンデンサアセンブリからプリント回路板に伝達される振動をさらに分離するために予め定められてよい。
【0045】
別の本開示された例示的実施形態は、表面実装可能な比較的低ノイズの積層セラミックコンデンサ(MLCC)コンデンサアセンブリであって、好ましくは、対向するコンデンサプレートのそれぞれの対を積層された配列で形成するように複数のセラミック層と交互配置されたそれぞれの第1の極性および第2の極性の複数の導電層を有する本体と、電気機械的ノイズを比較的低減させるために、コンデンサアセンブリとコンデンサアセンブリが実装される表面との間の支持および接続フットプリントを比較的低減させて、コンデンサアセンブリとコンデンサアセンブリが実装される表面との間の振動力伝達を比較的低減させるための、本体の両側におけるそれぞれの第1の極性終端部および第2の極性終端部であって、表面上に支持された終端部を用いて第1の極性導電層および第2の極性導電層にそれぞれ電気的に接続された、それぞれの第1の極性終端部および第2の極性終端部とを備える表面実装可能な比較的低ノイズの積層セラミックコンデンサ(MLCC)コンデンサアセンブリに関する。
【0046】
上記のいくつかの変形形態では、コンデンサアセンブリが実装される表面は支持基板を含んでよく、および/または、支持基板はプリント回路板を含んでよく、このようにすることで、コンデンサアセンブリの表面実装が、プリント回路板に伝達される振幅振動を低減しているようにして、比較的低ノイズの特性を有する機械的と電気的の両方の接続を提供する。
【0047】
他の本代替形態では、終端部は、ニッケル-スズめっきの層を含んでよく、もしくは銅膜上にニッケル-スズめっきを含んでよく、および/または、銅膜は、銅の比較的厚い膜を含んでよい。
【0048】
1つの本開示された例示的対応する方法は、表面実装可能な積層セラミックコンデンサ(MLCC)コンデンサアセンブリに関連付けられた電気機械的ノイズを比較的低減させるための方法論であって、好ましくは、対向するコンデンサプレートのそれぞれの対を積層された配列で形成するように複数のセラミック層と交互配置されたそれぞれの第1の極性および第2の極性の複数の導電層を有する本体を提供するステップと、本体の両側における、第1の極性導電層および第2の極性導電層にそれぞれ電気的に接続されたそれぞれの第1の極性終端部および第2の極性終端部を形成するステップと、表面上に終端部を支持するステップであって、電気機械的ノイズを比較的低減させるために、コンデンサアセンブリとコンデンサアセンブリが支持される表面との間の振動力伝達を比較的低減させるために、比較的低減された支持および接続フットプリントがコンデンサアセンブリとコンデンサアセンブリが実装される表面との間に形成される、ステップとを含む方法論に関することがある。
【0049】
その代替形態では、コンデンサアセンブリが支持される表面は支持基板を含んでよく、および/または、支持基板はプリント回路板を含んでよく、このようにすることで、コンデンサアセンブリの表面実装が、プリント回路板に伝達される振幅振動を低減しているようにして、比較的低ノイズの特性を有する機械的と電気的の両方の接続を提供する。
【0050】
他の変形形態では、終端部は、ニッケル-スズめっきの層を含んでよく、および/または銅膜上にニッケル-スズめっきを含んでよい。いくつかの事例では、銅膜は、銅の比較的厚い膜を含んでよい。
【0051】
さらに別の本開示された例示的実施形態は、表面実装可能な比較的低ノイズの積層セラミックコンデンサ(MLCC)コンデンサアセンブリであって、好ましくは、対向するコンデンサプレートのそれぞれの対を積層された配列で形成するように複数のセラミック層と交互配置されたそれぞれの第1の極性および第2の極性の複数の導電層を有する本体と、本体における、第1の極性導電層および第2の極性導電層にそれぞれ電気的に接続されたそれぞれの第1の極性終端部および第2の極性終端部と、電気機械的ノイズを比較的低減させるために、コンデンサアセンブリとコンデンサアセンブリが支持される表面との間の支持および接続フットプリントを比較的低減させて、コンデンサアセンブリとコンデンサアセンブリが支持される表面との間の振動力伝達を比較的低減させるための、トランスポーザ実装パッドであって、表面上に支持されたトランスポーザ実装パッドを用いてコンデンサアセンブリに付着されたトランスポーザ実装パッドとを備える表面実装可能な比較的低ノイズの積層セラミックコンデンサ(MLCC)コンデンサアセンブリに関する。
【0052】
上記のいくつかの代替形態において、コンデンサアセンブリが支持される表面に面する本体の側部は、コンデンサ実装パッドを形成してよく、コンデンサアセンブリは、コンデンサ実装パッドとトランスポーザ実装パッドとの間のはんだマスクをさらに含んでよい。
【0053】
他の代替形態において、それぞれの第1の極性終端部および第2の極性終端部は、本体の両端部に形成されてよい。
【0054】
さらに他の変形形態では、コンデンサアセンブリが支持される表面は支持基板を含んでよく、および/または、支持基板はプリント回路板を含んでよく、このようにすることで、コンデンサアセンブリの表面実装が、プリント回路板に伝達される振幅振動を低減しているようにして、比較的低ノイズの特性を有する機械的と電気的の両方の接続を提供する。
【0055】
さらに他の代替形態において、終端部は、ニッケル-スズめっきの層を含んでよく、および/または銅膜上にニッケル-スズめっきを含んでよい。
【0056】
他の変形形態では、コンデンサアセンブリに対する実装パッドのサイズを効果的に低減させるために、トランスポーザ実装パッドの面積は、コンデンサ実装パッドの面積のおよそ2分の1以下であってよい。
【0057】
例示的対応するおよび/または関係付けられた方法は、表面実装可能な積層セラミックコンデンサ(MLCC)コンデンサアセンブリに関連付けられた電気機械的ノイズを比較的低減させるための方法論であって、好ましくは、対向するコンデンサプレートのそれぞれの対を積層された配列で形成するように複数のセラミック層と交互配置されたそれぞれの第1の極性および第2の極性の複数の導電層を有する本体を提供するステップと、本体における、第1の極性導電層および第2の極性導電層にそれぞれ電気的に接続されたそれぞれの第1の極性終端部および第2の極性終端部を形成するステップと、電気機械的ノイズを比較的低減させるために、コンデンサアセンブリとコンデンサアセンブリが支持される表面との間の支持および接続フットプリントを比較的低減させて、コンデンサアセンブリとコンデンサアセンブリが支持される表面との間の振動力伝達を比較的低減させるために、トランスポーザ実装パッドをコンデンサアセンブリに付着し、トランスポーザ実装パッドを表面上に支持するステップとを含む方法論に関することがある。
【0058】
上記の変形形態では、トランスポーザ実装パッドのコンデンサアセンブリへの付着およびトランスポーザ実装パッドの表面上での支持は、トランスポーザ実装パッドを表面上に支持する前に、トランスポーザ実装パッドをコンデンサアセンブリに先行実装するステップを含んでよい。
【0059】
他の代替形態において、コンデンサアセンブリが支持される表面に面する本体の側部は、コンデンサ実装パッドを形成してよく、方法論は、コンデンサ実装パッドとトランスポーザ実装パッドとの間にはんだマスクを提供するステップをさらに含んでよい。
【0060】
さらにあるいは、それぞれの第1の極性終端部および第2の極性終端部は、本体の両端に形成されてよい。
【0061】
他の代替形態に関して、コンデンサアセンブリが支持される表面は支持基板を含んでよく、および/または、支持基板はプリント回路板を含んでよく、このようにすることで、コンデンサアセンブリの表面実装が、プリント回路板に伝達される振幅振動を低減しているようにして、比較的低ノイズの特性を有する機械的と電気的の両方の接続を提供する。
【0062】
他の変形形態では、終端部は、ニッケル-スズめっきの層を含んでよく、および/または銅膜上にニッケル-スズめっきを含んでよい。上記の他の代替形態において、コンデンサアセンブリに対する実装パッドのサイズを効果的に低減させるために、トランスポーザ実装パッドの面積は、コンデンサ実装パッドの面積のおよそ2分の1以下であってよい。
【0063】
本開示された主題のさらなる目的および利点は、本明細書の発明を実施するための形態において示されまたは当業者に明らかとなろう。また、具体的に示され、参照され、論じられたここでの特徴および/またはステップに対する修正および変形は、種々の実施形態および開示された技術の使用において、それらの趣旨および範囲から逸脱することなく、それらに対する本参照によって実施され得ることは、当業者にはさらに認識されよう。変形は、図示され、参照され、または論じられたものと等価な手段、ステップ、特徴、または材料の置換、ならびに、種々の部分、特徴、またはステップなどの機能的、操作的、または位置的反転を含むが、これらに限定されない。
【0064】
さらにまた、この技術の様々な実施形態および目下好ましい様々な実施形態は、本開示されたステップ、特徴、もしくは要素、またはそれらの均等物の種々の組み合わせまたは構成(明示的に図に示されずまたは発明を実施するための形態に述べられないそれらの特徴、構成、もしくはステップの組み合わせを含む)を含み得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
当業者に向けられた本開示された主題の最良の形態を含む本開示された主題の完全な実施可能な説明が、添付された図面を参照する本明細書で示される。
【
図1】従来技術デバイスまたは本開示された技術に従って構築および/もしくは実装されたデバイスのいずれかの試験のための、例示的な目下考案された試験配列の概略図である。
【
図2A】従来技術の積層セラミックコンデンサ(MLCC)デバイスの斜視図である。
【
図2B】従来技術の積層セラミックコンデンサ(MLCC)デバイスの斜視図である。
【
図2C】従来技術の積層セラミックコンデンサ(MLCC)デバイスの斜視図である。
【
図2D】従来技術の積層セラミックコンデンサ(MLCC)デバイスの断面図である。
【
図3】上記
図2Aから
図2Dによって表されるような既存のMLCCデバイス上で行われる、上記
図1によって表されるような試験配列の使用から得られる比較音圧試験のグラフである。
【
図4A】MLCCデバイスをプリント回路板(PCB)上に実装する態様の概略図である。
【
図4B】MLCCデバイスをプリント回路板(PCB)上に実装する態様の概略図である。
【
図5A】電気機械的ノイズを比較的低減させるためのコンプライアント終端技術を含む本開示された主題の例示的第1の実施形態の断面図である。
【
図5B】上記
図5Aによって表されるような本開示された例示的実施形態で行われる、上記
図1によって表されるような試験配列の使用から得られる試験のグラフである。
【
図6A】電気機械的ノイズを比較的低減させるための成形されたパッケージング技術を含む本開示された主題の別の例示的実施形態の斜視図である。
【
図6B】電気機械的ノイズを比較的低減させるための成形されたパッケージング技術を含む本開示された主題の別の例示的実施形態の断面図である。
【
図6C】上記
図6Aおよび
図6Bによって表されるような本開示された例示的実施形態で行われる、上記
図1によって表されるような試験配列の使用から得られる試験のグラフである。
【
図6D】実装基板上のコンデンサおよびはんだパッドの各例示的実施形態の概念断面図である。
【
図6E】実装基板上のコンデンサおよびはんだパッドの各例示的実施形態の概念断面図である。
【
図6F】実装基板上のコンデンサおよびはんだパッドの各例示的実施形態の概念断面図である。
【
図6G】dB単位でピーク音圧レベルとして例示的実施形態の音響出力をグラフで示す図である。
【
図7A】上記
図2Aから
図2Dの従来技術デバイス設計による8端子MLCCデバイスの代表例を示す図である。
【
図7B】電気機械的ノイズを比較的低減させるための側端子技術を含む本開示された主題の別の例示的実施形態の斜視図である。
【
図7C】上記
図7Bによって表されるような本開示された例示的実施形態で行われる、上記
図1によって表されるような試験配列の使用から得られる試験のグラフである。
【
図8A】電気機械的ノイズを比較的低減させるための先行実装されたMLCCトランスポーザ技術を含む本開示された主題の別の例示的実施形態の斜視図である。
【
図8B】電気機械的ノイズを比較的低減させるための先行実装されたMLCCトランスポーザ技術を含む本開示された主題の別の例示的実施形態の部品側立面図である。
【
図8C】電気機械的ノイズを比較的低減させるための先行実装されたMLCCトランスポーザ技術を含む本開示された主題の別の例示的実施形態の板側立面図である。
【
図8D】上記
図8Aから
図8Cによって表されるような本開示された例示的実施形態で行われる、上記
図1によって表されるような試験配列の使用から得られる試験のグラフである。
【
図9】上記
図8Aから
図8Cによって表されるような基板上に先行実装される本開示されたMLCCデバイスで行われる、上記
図1によって表されるような試験配列の使用から得られる比較音圧試験のグラフである。
【0066】
本明細書および添付された図面にわたる参照記号の反復使用は、本開示された主題の同じまたは類似した特徴、要素、またはステップを表すことが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0067】
発明の概要の節で論じられたように、本開示された主題は、一般に、実装されたコンデ
ンサデバイスならびに関係付けられた技術と製造および/または実装方法論の特定のノイズ態様に関係する。より詳細には、本開示された主題は、表面実装可能デバイスの実施態様に関連付けられた特定のコンデンサ部品および部品アセンブリのための改善された設計に関係し、特に、低ノイズコンデンサおよび関係付けられた方法論を提供することに関する。
【0068】
開示された技術の態様の選択された組み合わせは、本開示された主題の複数の異なる実施形態に対応する。本明細書に提示され論じられる例示的実施形態のそれぞれは本開示された主題の限定を暗示すべきでないことに留意されたい。一実施形態の一部として示されまたは説明される特徴またはステップは、別の実施形態の態様と組み合わされて使用されてさらに他の実施形態をもたらすことがある。加えて、特定の特徴が、同じまたは類似の機能を実行する明示的に言及されない類似のデバイスまたは特徴と置き換えられてもよい。
【0069】
次に、例示的な目下好ましい実施形態を詳細に参照し、それに関して、
図1は、従来技術デバイスまたは本開示された技術に従って構築および/もしくは実装されたデバイスのいずれかの試験のための、例示的な目下考案された試験配列10の概略図を示す。そのようなコンデンサデバイス12は、プリント回路板などの基板14に対して表面実装されまたは別様に位置付けられ得る。考案された配列において、銅支持体16は、板14のそれぞれの側部に提供され、示されたリード線で表されるように試験中に付勢されてよく、これは上記
図1の図示から当業者には理解されるよう。
【0070】
高精度マイク18は、基板14からの与えられた距離20で実装されてよい。例示的配列では、100×40×1.5mmPCBを含み得る基板14に対して2mmの距離が実現されてよい。試験されるべき表面実装されたデバイス12は、0201から1206など種々のケースサイズを含んでよい。
【0071】
試験されるべきデバイスは、たとえば、基板の中央でパッドにリフロー接合されるはんだであってよい。銅ブラケット16の使用は、試験されるべきデバイスが実装される場所からマイクが基板の反対側に配置された状態で、試験基板の繰り返し可能な配置を促進する。発泡筐体(foam enclosure)(図示せず)が、浮遊ノイズを低減させるために配列全体の周りに提供されてよい。そのような配列では、ノイズフロアは、約1から10kHzの該当する周波数範囲におけるおよそ-6dBであり得る。
【0072】
例示的配列では、ブリュエルケアー1/2”マイクおよびプリアンプ(Bruel & Kjaer 1/2″ Microphone and Preamp)がブリュエルケアー光子+信号分析器(Bruel & Kjaer Photon+ Signal Analyzer)と併せて使用された。HP33120A関数発生器が、1~5kHz掃引正弦波;3.15VAC;3.15VDC;0.1秒掃引速度で試験アイテムを付勢するために使用されるクルーンハイトモデル(Krohn-Hite Model)7500増幅器と併せて使用された。試験されたほとんどの高CVコンデンサは6.3V定格を有していたので、試験波形は、6.3ボルトの25%と75%の間(約1.6から4.7V)で動作するように設定された。
【0073】
種々の設定配列が実施され得るが、そのようなマイク形状および配置が、試験されたデバイス12と板14の両方から生じる
図1に示された同心半円形振動波によって表されるような、コンデンサ電気機械的ノイズ試験のための効果的配列を提供することは、当業者には認識されよう。
【0074】
本明細書に別様に論じられたように、上記
図2A、2B、2C、および2Dは、同一出願人に所有される特許文献2の
図2および
図3によって示されるような、従来技術の積層
セラミックコンデンサ(MLCC)デバイスの種々の斜視図および断面図である。そのようなMLCCは、当業者には理解されるように、たとえば、異極性の電極構造22および24の交互嵌合またはインタレースされた複数のセットを有する本体と併せて、厚膜Cu終端部上のNi-Snめっきを有してよい。
【0075】
図3は、上記
図2Aから
図2Dによって表されるような既存のMLCCデバイス上で行われる、上記
図1によって表されるような試験配列の使用から得られる比較音圧試験のグラフである。それは、音圧レベル(SPL)(単位dB)対適用された周波数(単位Hz)をグラフで示す。ノイズフロアは、空の試験室によって表されるものである。図示されるように、代表的ピークは、この試験において、1から9kHzの間の試験された周波数範囲内で49.3dBで発生する。対応する性能指数表示は、SPL曲線の下の面積により作り出され、この事例では、約2.0Pa・Hzに達する。本質的に同じ試験配列が、本明細書で別様に論じられるように、本開示された主題の例示的実施形態と併せて使用される。
【0076】
図4Aおよび
図4Bは、本開示された主題に従ってMLCCデバイスをプリント回路板(PCB)上に実装する態様の概略図であり、それらは、そのような組み合わせからの電気機械的ノイズの低減に寄与する。表されるように、代表的な本開示されたMLCCデバイス26は、(PCBのような)支持基板28に対して受容(実装および/または支持)される。
図4Aは、デバイス26および基板28間のような組み合わせにおいて減衰態様を提供する技術的手法を表す。
図4Bは、もたらされる力の低減を表し、これは、さもなければ支持基板における機械的力およびその結果のノイズを生じ得る。そのような実施形態によって概略的に示されるように、デバイス26と基板28の間で支持/接続フットプリントの低減があり、その結果、この2つの間の低減された振動力伝達の特定された配列をもたらす。
【0077】
図5Aは、電気機械的ノイズを比較的低減させるためのコンプライアント終端技術を含む本開示された主題の例示的第1の実施形態の断面図である。
図5Bは、上記
図5Aによって表されるような本開示された例示的実施形態で行われる、上記
図1によって表されるような試験配列の使用から得られる試験のグラフであり、そのような結果を、従来技術の上記
図2Dで表されるような従来技術の厚いCu膜で終端されたデバイスでの結果と比較する。
【0078】
従来技術の
図2Dの厚膜銅終端部と対照的に、本開示された
図5Aの例示的実施形態は、比較的薄いCu層(または「フラッシュ」)上にAg-ポリマーを有する。そのようなよりコンプライアントなポリマー終端部は「クッション」の役割をし、コンデンサデバイスとPCBの間の振動の結合を減衰させる。特定の例としてAg-ポリマーが示されているが、より一般的に導電性のあるポリマーまたはポリマーがAg-ポリマーに限定されることなく実施され得ることは、ここでの完全な開示から当業者には理解されよう。
【0079】
上記
図5Bによって示されるように、上記
図5Aの本開示された実施形態に関する試験結果は、右側のデータ点によって表され、(
図2Dの)従来技術デバイスによる左側のデータ点と比較される。約6dBの低減が達成される。dB軸は対数であるため、表される低減は、伝達される音(SPLまたはノイズ)を半分にカットする大きさの桁で表される。厚膜銅終端部の従来技術の実施形態(
図2D)は、約120Gpaの弾性率を有するのに対し、
図5Ano本開示された主題の例示的実施形態は、5GPa未満の弾性率を有する。そのような試験目的の例示的実施形態は、0805 10マイクロファラッドMLCCデバイスを使用した。したがって、コンプライアント終端部の本開示された実施形態は、従来技術実施形態に対して大幅なノイズ低減を有するように示される。
【0080】
図6Aおよび
図6Bはそれぞれ、電気機械的ノイズを比較的低減させるための成形されたパッケージング技術を含む本開示された主題の別の例示的実施形態の斜視図および断面図である。
図6Cは、上記
図6Aおよび
図6Bによって表されるような本開示された例示的実施形態で行われる、上記
図1によって表されるような試験配列の使用から得られる試験のグラフである。
【0081】
主題の成形されたパッケージ実施形態は、PCBからコンデンサ歪みを分離するためのリードフレームの使用を含む。示されるようなワイヤ経路の長さならびにそれぞれの頂部および端部の付着点が、そのような分離を提供する。また、ポリマー塗膜がデバイスノイズを減衰させるのを助ける。さらに、いわゆるA-ケースパッケージは、0805はんだパッド上のLGA(ランドグリッドアレイ)スタイルパッケージとして実装する。
【0082】
図6Cは、22マイクロファラッドデバイスに関して、本開示された成形されたパッケージング技術を使用する、(上記従来技術の
図2Dによって提示されるスタイルの)標準0805MLCCデバイス対0805A-ケースサンプルの間の試験結果をグラフで表す。図示されるように、本開示された技術は、ピークSPLにおいて12から28dBの範囲の低減を提供し、したがって従来技術に対して大幅な改善を表している。
【0083】
図6Dから
図6Fは、実装基板上のコンデンサおよびはんだパッドの3つの各異なる例示的実施形態の概念断面図を示す。
図6Dは、対応する実装パッド上の積層セラミックコンデンサデバイスであり、すなわち、0402MLCが0402デバイス用に設計されたパッド上に実装する、0603MLCが0603パッド上に実装するなどする。
図6は、成形されたデバイスに挿入された与えられたMLCコンデンサを示し、成形されたデバイスは、MLCそれ自体より物理的に大きく、したがって、成形されたデバイスが、そのケースサイズの成形されたパーツのために設計されたはんだパッド上に実装するようにされる。EIA業界標準において、R-およびN-ケースサイズの成形されたデバイスは0805はんだパッド上に実装し、A-ケースの成形されたパーツは1206はんだパッド上に実装し、B-ケースの成形されたデバイスは1210パッド上に実装するなどする。特に、
図6Eに概念的に示されるように、そのような業界標準実装は、成形されたデバイスの端部にはんだフィレットを形成することを可能にする。しかしながら、
図6Fに概念的に示されるように、成形されたデバイスが、1ケースサイズ分小さいチップのために設計されたはんだパッドに実装される場合、成形されたデバイスの端部におけるはんだフィレットが実質的に除去される。言い換えれば、R-およびN-ケースサイズの成形されたデバイスは0603パッド上に実装され、A-ケースデバイスは0805パッド上に実装され、B-ケースデバイスは1206パッド上に実装されるなどする。
【0084】
図6Gにグラフで示されるように、0603実装パッド上に実装された22から22μFの範囲のキャパシタンスを有する典型的な0603MLCと、業界標準1206実装パッド上の成形された同じ範囲の値のMLC挿入を含むA-ケースの成形されたデバイスと、はんだ端フィレット(solder-end fillet)を除去するより小さい0805パッド上に
実装されたA-ケースデバイスとのdB単位のピーク音圧レベルとしての音響出力を比較することが可能である。A-ケースの成形されたデバイスの音響出力は、むき出しのMLC挿入に対して低減され、さらに、はんだ端フィレットを除去するはんだパッド上に実装された成形されたデバイスの音響出力は、はんだフィレットと実装された成形されたデバイスに対して低減される。
【0085】
図6Gにグラフで示されるように、0402実装パッド上に実装された0.1から10μFの範囲のキャパシタンスを有する典型的な0402MLCと、業界標準0805実装パッド上の成形された同じ範囲の値のMLC挿入を含むR-ケースの成形されたデバイスと、はんだ端フィレットを除去するより小さい0603パッド上に実装されたR-ケース
デバイスとのdB単位のピーク音圧レベルとしての音響出力を比較することが可能である。R-ケースの成形されたデバイスの音響出力は、むき出しのMLC挿入に対して低減され、さらに、はんだ端フィレットを除去するはんだパッド上に実装された成形されたデバイスの音響出力は、はんだフィレットと実装された成形されたデバイスに対して低減される。表1は、業界標準の成形されたデバイスおよびMLC、ならびに、はんだ端フィレットを最小限にして音響出力を低減する非標準ランドグリッドアレイ(LGA)実装パッド形状のいくつかの例を挙げる。
【0086】
【0087】
図7Aは、上記
図2Aから
図2Dの従来技術デバイス設計による8端子MLCCデバイスの代表例である。
図7Bは、電気機械的ノイズを比較的低減させるための側端子技術を含む本開示された主題の別の例示的実施形態の斜視図である。
図7Cは、上記
図7Bによって表されるような本開示された例示的実施形態で行われる、上記
図1によって表されるような試験配列の使用から得られる試験のグラフであり、そのような試験の結果を、上記
図7Aによって示されるような従来技術実施形態での試験と比較する。側端子の例示的実施形態は、比較的低減された結合フットプリントを有して、上記
図4Bによって概して表されるような低減機能性および主題を利用する。また、約6dBの低減が上記
図7Cの比較試験結果によって示される。
【0088】
図8Aから
図8Cはそれぞれ、電気機械的ノイズを比較的低減させるための先行実装されたMLCCトランスポーザ技術を含む本開示された主題の別の例示的実施形態の斜視図、部品側立面図、および板側立面図である。
図8Dは、上記
図8Aから
図8Cによって表されるような本開示された例示的実施形態で行われる、上記
図1によって表されるような試験配列の使用から得られる試験のグラフであり、上記
図2Dの設計のような従来技術のMLCC実施形態と比較される。また、0805サイズデバイスが比較データ点のいくつかについて使用され、いくつかの事例では、(図示されるように)0603サイズ実施形態が利用される。用語「トランスポーザ」は、文字通り、実装パッドの位置が、与えられたケースサイズのMLCCについて、より小さいケースサイズのデバイス用のパッドへ転置される(transposed)ため使用される。これは結果として、実効接合面積の低減、実装パッド間の距離の減少、LGAタイプはんだフィレットの誘導、およびMLCCデバイススタンドオフの増大をもたらす。
【0089】
たとえば、
図8Bは、代表的基板34上に実装するためのはんだマスク32とともに使用されるようなコンデンサ実装パッド30のための0603フットプリントを部品側から概して示す。しかしながら、板(または基板)側から示す
図8Cは、トランスポーザ実装パッド36が0201フットプリント(点線領域38)をもたらすことを示している。このように、米国電子工業会(EIA)実装サイズがそのような実施形態によって転置される。本明細書に論じられるようなEIAケースサイズコードがインチで参照されることに留意されたい。次の表2は、そのような本開示された主題の実施によって達成され得る有効な接合面積の種々の低減を反映する。さらに、
図8Dは、従来技術のMLCCデバイス
と比べてそのような本開示されたデバイスによって達成される(12から20dbのオーダーの)大きなピークSPLデータ低減のグラフ表示を表す。そのような
図8Dはまた、性能指数(FOM)データの60から90%低減をグラフで示す。
【0090】
【0091】
上記
図9は、上記
図8Aから
図8Cによって表されるような基板上に先行実装される本開示されたMLCCデバイスで行われる、上記
図1によって表されるような試験配列の使用から得られる比較音圧レベル試験のグラフである。図示されるように、1から9KHz範囲にわたって示されるピークSPLは約23.8dBであり、これは、上記
図3のグラフで示す49.3dBピークSPLよりはるかに小さい。同様に、性能指数は、
図3試験に関連して得られた約2.0Pa・Hzから下がって、約0.4Pa・Hzの領域決定に低減される。本開示された主題の4つの異なる例示的実施形態のためのそのような
図3グラフと比べた比較試験要約が、次の表3に示される。
【0092】
【0093】
次の表4は、サイズ調節およびコスト因子に対する電気機械的ノイズ(ピークSPL)低減の本開示された実施形態の相対的効果を要約する。そのような比較態様は、特定の用途またはユーザの必要性/基準のセットに関して他に対する1つの特定の本開示された実施形態の選択を示す傾向があり得る。
【0094】
【0095】
本開示された主題がその特定の実施形態に関して詳細に説明されているが、当業者は上記の理解に達すると、そのような実施形態に対する改変、追加、変形、および/または均等物を得るために本開示された技術を容易に適合できることは認識されよう。したがって、本開示の範囲は、限定ではなく例示を意図しており、主題の開示は、当業者には容易に明らかであるように、本開示された主題に対するそのような修正、変形、および/または追加を含めることを妨げない。