(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017397
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】基板洗浄装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
H01L21/304 644G
H01L21/304 644C
H01L21/304 648G
H01L21/304 644Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120014
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【弁理士】
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】津田 祥太郎
(72)【発明者】
【氏名】帆角 良平
(72)【発明者】
【氏名】矢野 航
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AB02
5F157AB16
5F157AB33
5F157AB90
5F157AC01
5F157AC13
5F157BA03
5F157BA07
5F157BA13
5F157BA31
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5F157CC03
5F157CE03
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5F157CF44
5F157CF46
5F157DB02
5F157DB18
5F157DB37
5F157DB46
5F157DC90
(57)【要約】
【課題】 ブラシ交換によるダウンタイムを削減しつつ基板の一面を汚染状態に応じて清浄にすることが可能な基板洗浄装置を提供する。
【解決手段】 基板洗浄装置100においては、第1および第2の洗浄面が基板Wの一面から離間しかつ押圧部により第1および第2の洗浄ブラシが押圧されない状態で、基板Wの一面と第1の洗浄面との間の距離が基板の一面と第2の洗浄面との間の距離よりも小さく設定され、押圧部は、第1および第2の洗浄ブラシに対する荷重を変化させることにより、回転駆動部により回転する洗浄部を第1の洗浄面が基板Wの一面に接触する第1の状態と第1および第2の洗浄面が基板Wの一面に接触する第2の状態とに移行させるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部により保持された基板の一面に接触可能な第1の洗浄面を有する第1の洗浄ブラシと前記基板の前記一面に接触可能な第2の洗浄面を有する第2の洗浄ブラシとが一体的に構成された洗浄部と、
前記第1および第2の洗浄ブラシを押圧可能でかつ前記第1および第2の洗浄ブラシに対する荷重を可変に構成された押圧部と、
前記洗浄部を前記第1および第2の洗浄面に交差する回転軸の周りで回転させるように構成された回転駆動部とを備え、
前記第1の洗浄ブラシは、前記第2の洗浄ブラシよりも軟質でかつ収縮可能な材料により形成され、
前記第1および第2の洗浄面が前記基板の前記一面から離間しかつ前記押圧部により前記第1および第2の洗浄ブラシが押圧されない状態で、前記基板の前記一面と前記第1の洗浄面との間の距離が前記基板の前記一面と前記第2の洗浄面との間の距離よりも小さく設定され、
前記押圧部は、前記第1および第2の洗浄ブラシに対する荷重を変化させることにより、前記回転駆動部により回転する前記洗浄部を前記第1の洗浄面が前記基板の前記一面に接触する第1の状態と前記第1および第2の洗浄面が前記基板の前記一面に接触する第2の状態とに移行させるように構成される、基板洗浄装置。
【請求項2】
前記第1および第2の洗浄ブラシは、前記押圧部により第1の荷重が加えられるように押圧された場合に、前記洗浄部が前記第1の状態となり、前記押圧部により前記第1の荷重よりも大きな第2の荷重が加えられるように押圧された場合に、前記洗浄部が前記第2の状態となるように構成された、請求項1記載の基板洗浄装置。
【請求項3】
前記第2の洗浄面は、前記回転軸に交差するように配置され、前記第1の洗浄面は、前記回転軸の周囲を連続的または断続的に取り囲むように配置された、請求項1または2記載の基板洗浄装置。
【請求項4】
前記第1の洗浄ブラシは、多孔質材料により形成された、請求項1または2記載の基板洗浄装置。
【請求項5】
前記洗浄部を前記基板の外方の待機位置と前記基板の洗浄を行う洗浄位置との間で移動させるように構成された移動部と、
前記待機位置において、前記第1の洗浄面に洗浄液を供給する第1の供給部と、
前記待機位置において、前記第2の洗浄面に洗浄液を供給する第2の供給部とを備えた、請求項1または2記載の基板洗浄装置。
【請求項6】
前記洗浄部が選択的に前記第1の状態と前記第2の状態とに移行するように前記押圧部を制御する制御部をさらに備えた、請求項1または2記載の基板洗浄装置。
【請求項7】
前記制御部は、予め設定された処理レシピに基づいて、前記洗浄部が前記第1の状態または前記第2の状態に移行するように前記押圧部を制御する、請求項6記載の基板洗浄装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記基板の前記一面の予め定められた第1の領域における洗浄時には、前記洗浄部が前記第1の状態になるように前記押圧部を制御し、前記基板の前記一面の予め定められた第2の領域における洗浄時には、前記洗浄部が前記第2の状態になるように前記押圧部を制御する、請求項6記載の基板洗浄装置。
【請求項9】
基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部により保持された基板の一面に接触可能な第1の洗浄面を有する第1の洗浄ブラシと前記基板の前記一面に接触可能な第2の洗浄面を有する第2の洗浄ブラシとが前記第1および第2の洗浄面に対して交差する方向において互いに相対的に移動可能に一体的に構成された洗浄部と、
前記基板の前記一面に前記第1および第2の洗浄面のいずれか一方または両方が接触するように、前記第1および第2の洗浄ブラシの一方を他方に対して相対的に移動させる駆動部とを備えた、基板洗浄装置。
【請求項10】
前記駆動部は、磁力により前記第1および第2の洗浄ブラシの一方を他方に対して相対的に移動させる、請求項9記載の基板洗浄装置。
【請求項11】
前記駆動部は、
前記第1および第2の洗浄ブラシの一方に取り付けられた電磁石である第1の磁石と、
前記第1の磁石により発生される磁力を受けるように前記第1および第2の洗浄ブラシの他方に取り付けられた第2の磁石とを含む、請求項9または10記載の基板洗浄装置。
【請求項12】
前記駆動部は、前記第1の磁石に第1の方向の電流が供給された場合に、前記第1の磁石と前記第2の磁石とが互いに反発することにより前記第1および第2の洗浄ブラシの一方を他方に対して一方向に移動させ、前記第1の磁石に前記第1の方向と逆の第2の方向の電流が供給された場合に、前記第1の磁石と前記第2の磁石とが互いに吸引することにより前記第1および第2の洗浄ブラシの一方が他方に対して逆方向に移動するように構成された、請求項11記載の基板洗浄装置。
【請求項13】
前記第1および第2の洗浄ブラシの相対的な移動により前記第1および第2の洗浄ブラシが選択的に複数の位置関係のうちいずれかの位置関係に設定されるように前記駆動部を制御する制御部をさらに備えた、請求項9または10記載の基板洗浄装置。
【請求項14】
前記洗浄部を前記基板の外方の待機位置と前記基板の洗浄を行う洗浄位置との間で移動させるように構成された移動部と、
前記待機位置において、予め定められた洗浄位置に洗浄液を供給する供給部とをさらに含み、
前記制御部は、前記第1および第2の洗浄ブラシの位置関係を変更することにより前記第1および第2の洗浄面に前記供給部により選択的に洗浄液が供給されるように前記駆動部を制御する、請求項13記載の基板洗浄装置。
【請求項15】
前記制御部は、予め設定された処理レシピに基づいて、前記第1および第2の洗浄ブラシが選択的に複数の位置関係のうちいずれかの位置関係に設定されるように前記駆動部を制御する、請求項13記載の基板洗浄装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記基板の前記一面の予め定められた第1の領域における洗浄時には、前記第1および第2の洗浄ブラシの相対的な位置関係が第1の関係になるように前記駆動部を制御し、前記基板の前記一面の予め定められた第2の領域における洗浄時には、前記第1および第2の洗浄ブラシの相対的な位置関係が第2の関係になるように前記駆動部を制御する、請求項13記載の基板洗浄装置。
【請求項17】
前記第1の洗浄ブラシと前記第2の洗浄ブラシとは異なる材料により形成された、請求項9または10記載の基板洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の洗浄においては、基板が保持された状態で回転され、回転された基板に洗浄ブラシが接触することにより、基板が洗浄される。基板が凹状または凸状に反っている場合には、基板全体を漏れなく洗浄することは容易でない。そこで、特許文献1には、硬度の異なるスポンジ状の基準硬度処理部および低硬度処理部を含む除去処理体(以下、洗浄ブラシと呼ぶ。)が記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板に付着する汚染物質の量および付着強度等の汚染状態が基板の領域によって異なることがある。特許文献1に記載された洗浄ブラシを用いた場合、接触させる必要のない領域に硬度の大きい洗浄ブラシを接触させることにより基板が損傷する可能性がある。そのため、汚染状態に応じてブラシの種類を交換する必要が生じる。その結果、ブラシの交換によるダウンタイムが増加する。
【0005】
本発明の目的は、ブラシ交換によるダウンタイムを削減しつつ基板の一面を汚染状態に応じて清浄にすることが可能な基板洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一局面に従う基板洗浄装置は、基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部により保持された基板の一面に接触可能な第1の洗浄面を有する第1の洗浄ブラシと前記基板の前記一面に接触可能な第2の洗浄面を有する第2の洗浄ブラシとが一体的に構成された洗浄部と、前記第1および第2の洗浄ブラシを押圧可能でかつ前記第1および第2の洗浄ブラシに対する荷重を可変に構成された押圧部と、前記洗浄部を前記第1および第2の洗浄面に交差する回転軸の周りで回転させるように構成された回転駆動部とを備え、前記第1の洗浄ブラシは、前記第2の洗浄ブラシよりも軟質でかつ収縮可能な材料により形成され、前記第1および第2の洗浄面が前記基板の前記一面から離間しかつ前記押圧部により前記第1および第2の洗浄ブラシが押圧されない状態で、前記基板の前記一面と前記第1の洗浄面との間の距離が前記基板の前記一面と前記第2の洗浄面との間の距離よりも小さく設定され、前記押圧部は、前記第1および第2の洗浄ブラシに対する荷重を変化させることにより、前記回転駆動部により回転する前記洗浄部を前記第1の洗浄面が前記基板の前記一面に接触する第1の状態と前記第1および第2の洗浄面が前記基板の前記一面に接触する第2の状態とに移行させるように構成される。
【0007】
(2)本発明の他の局面に従う基板洗浄装置は、基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部により保持された基板の一面に接触可能な第1の洗浄面を有する第1の洗浄ブラシと前記基板の前記一面に接触可能な第2の洗浄面を有する第2の洗浄ブラシとが前記第1および第2の洗浄面に対して交差する方向において互いに相対的に移動可能に一体的に構成された洗浄部と、前記基板の前記一面に前記第1および第2の洗浄面のいずれか一方または両方が接触するように、前記第1および第2の洗浄ブラシの一方を他方に対して相対的に移動させる駆動部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ブラシ交換によるダウンタイムを削減しつつ基板の一面を汚染状態に応じて清浄にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る基板洗浄装置の模式的側面図である。
【
図2】本実施の形態に係る洗浄部の構成を説明するための分解斜視図である。
【
図3】基板の洗浄時に基板に接触した洗浄部の状態を示す図である。
【
図4】基板の洗浄時に基板に接触した洗浄部の状態を示す図である。
【
図5】洗浄面の洗浄動作を説明するための模式的断面図である。
【
図6】洗浄面の洗浄動作を説明するための模式的断面図である。
【
図7】洗浄面の洗浄動作を説明するための模式的断面図である。
【
図8】洗浄面の洗浄動作を説明するための模式的断面図である。
【
図11】第2の実施の形態に係る基板洗浄装置の模式的側面図である。
【
図14】
図11の洗浄部の動作を説明するための模式的断面図である。
【
図15】第2の実施の形態に係る洗浄部の洗浄面の洗浄動作を説明するための模式的断面図である。
【
図16】第2の実施の形態に係る洗浄部の洗浄面の洗浄動作を説明するための模式的断面図である。
【
図17】第2の実施の形態に係る洗浄部の洗浄面の洗浄動作を説明するための模式的断面図である。
【
図18】第2の実施の形態に係る洗浄部の洗浄面の洗浄動作を説明するための模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係る板基板洗浄装置および基板洗浄方法について図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明において、基板とは、半導体基板(半導体ウェハ)、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等をいう。また、以下に説明する基板は、平面視でノッチの形成部分を除いて円形状を有する。
【0011】
〈1〉第1の実施の形態
(1)基板洗浄装置
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板洗浄装置100の模式的側面図である。
図1に示すように、基板洗浄装置100は、スピンチャック10、洗浄部20、アーム30、アーム駆動部40、ブラシ回転駆動部50、押圧駆動部60、待機ポッド70および制御部90を備える。
【0012】
基板洗浄装置100においては、図示しない搬送ロボットにより基板Wが基板洗浄装置100に搬入および搬出される。スピンチャック10は、保持部11およびチャック回転駆動部12を含む。搬送ロボットにより搬入された基板Wは、保持部11上に載置される。保持部11には、図示しない複数の吸気路が形成され、吸気路内が排気されることにより、基板Wの下面が保持部11に真空吸着する。それにより、保持部11は、基板Wを水平姿勢で保持する。保持部11には、接続部材を介してチャック回転駆動部12が接続される。チャック回転駆動部12は、例えば電動モータを含み、保持部11を回転可能に構成される。それにより、保持部11に水平姿勢で保持された基板Wが回転する。
【0013】
保持部11の上方には、洗浄ノズル13が設けられ、水平姿勢で保持された基板Wの上面に向けて洗浄液WLを供給する。洗浄ノズル13から吐出された洗浄液は、基板Wの回転による遠心力によって外方に広がる。
【0014】
洗浄部20は、洗浄ブラシ21,22を含む。
図1においては、洗浄ブラシ21,22の断面が示される。洗浄ブラシ21,22は、それぞれ洗浄面21A,22Aを有する。洗浄面21A,22Aが洗浄部20の洗浄面20Aを構成する。
【0015】
洗浄面20Aは、保持部11により水平姿勢に保持された基板Wの一面に対向する。なお、基板Wの一面は、基板Wの下面であってもよく基板Wの上面であってもよい。本実施の形態において、基板Wの一面は、基板の上面である。洗浄部20の構成の詳細については、後述する。洗浄部20は、洗浄面20Aに交差する方向の軸の周りで回転可能にアーム30に支持される。本実施の形態では、洗浄部20は、鉛直方向の軸の周りで回転可能である。また、洗浄部20は、保持部11により保持された基板Wを洗浄する洗浄位置と保持部11により保持された基板Wの外方の待機位置との間で移動可能にアーム30に支持される。
【0016】
アーム駆動部40は、例えば、アクチュエータを含み、アーム30に支持された洗浄部20を3次元的に移動可能に構成される。ブラシ回転駆動部50は、例えば電動モータを含み、アーム30に支持された洗浄部20を鉛直方向の軸周りで回転させる。本実施の形態においては、ブラシ回転駆動部50は、洗浄部20を保持部11に保持された基板Wが回転する方向と反対の方向に回転させる。押圧駆動部60は、洗浄部20の洗浄ブラシ21,22を下方に押圧可能に構成される。押圧駆動部60は、例えば電空レギュレータである。この状態で、回転された基板Wと回転された洗浄部20の洗浄面20Aとが接触することにより、基板Wが洗浄される。
【0017】
洗浄部20の待機位置には、例えば円筒形状の待機ポッド70が設けられる。洗浄部20は、基板Wの洗浄時以外においては、待機ポッド70内に収容される。
図1においては、待機ポッド70の断面が示される。待機ポッド70には、洗浄ノズル71,72がそれぞれ設けられる。洗浄ノズル71,72は、洗浄液供給部73に接続され、待機ポッド70内に収容される(待機する)洗浄部20の洗浄面20Aに洗浄液を供給する。そこで、洗浄部20が回転することにより、洗浄面20Aが洗浄される。洗浄面20Aの洗浄についての詳細は、後述する。待機ポッド70の底部には、廃液孔(図示せず)が形成され、廃液孔に廃液流路(図示せず)が接続される。廃液孔および廃液流路を通して、待機ポッド70内の洗浄液が排出される。
【0018】
また、待機ポッド70の底部には、複数の除去部81,82,83が設けられる。本実施の形態では、3本の除去部81,82,83が設けられる。除去部81,82,83は、洗浄面20A(洗浄面21A,22A)に付着する液体を転移させるために用いられる。除去部81,82,83は、親水性を有する材料(例えば、石英ガラス)により形成される。それにより、除去部81,82,83に近接する部材に付着した液体が除去部81,82,83に転移しやすくなる。除去部81,82,83は、上方に突出する形状を有する。また、洗浄面22Aが除去部81に近接しかつ洗浄面21Aが除去部82,83に近接することが可能となるように除去部81,82,83の高さおよび位置が設定されている。除去部81,82,83への液体の転移については、後述する。
【0019】
制御部90は、CPU(中央演算処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)および記憶装置等を含む。制御部90は、上述したチャック回転駆動部12、アーム駆動部40、ブラシ回転駆動部50、押圧駆動部60および洗浄液供給部73の動作を制御する。
【0020】
(2)洗浄部20の構成
図2は、本実施の形態に係る洗浄部20の構成を説明するための分解斜視図である。洗浄部20は、洗浄ブラシ21,22、収容部材23,24および押圧部材25を含む。
【0021】
洗浄ブラシ21は、比較的軟質でかつ多孔質のポリビニルアルコール(PVA)等の樹脂材料により形成される。洗浄ブラシ21は、円筒形状の本体部21aおよび円筒形状の凸部21bを含む。本体部21aの外径は、凸部21bの外径よりも大きい。また、本体部21aの内径は、凸部21bの内径よりも大きい。本体部21aは、下面21cおよび上面21dを有する。本体部21aの高さはT2である。本体部21aの高さT2は、下面21cと上面21dとの間の距離に相当する。本体部21aの下面21cには、凸部21bが一体的かつ同軸(
図2の例では、洗浄部20の回転軸AX)に形成される。上述した、凸部21bの円環形状の下面が洗浄面21Aである。凸部21bの高さはT3である。凸部21bの高さは、洗浄面21Aと本体部21aの下面21cとの間の距離に相当する。
【0022】
洗浄ブラシ22は、(例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン))等の比較的硬質の(樹脂)材料により形成される。それにより、洗浄ブラシ22は、洗浄ブラシ21よりも高い剛性を有する。洗浄ブラシ22は、円柱形状の本体部22aおよび円柱形状の凸部22bを含む。本体部22aの外径は、凸部22bの外径よりも大きい。本体部22aは、下面22cおよび上面22dを有する。洗浄ブラシ21の本体部22aの高さは、洗浄ブラシ21の本体部21aの高さT2と同じT2である。本体部21aの高さT2は、下面22cと上面22dとの間の距離に相当する。本体部22aの下面22cには、凸部22bが一体的かつ同軸(
図2の例では、洗浄部20の回転軸AX)に形成される。凸部22bの円形状の下面が洗浄面22Aである。凸部22bの高さはT1である。洗浄ブラシ22の凸部22bの高さT1は、洗浄ブラシ21の凸部21bの高さT3よりも小さい。
【0023】
ここで、洗浄ブラシ22の本体部22aの外径は、洗浄ブラシ21の本体部21aの内径とほぼ等しいかまたは僅かに小さい。また、凸部22bの外径は、洗浄ブラシ21の凸部21bの内径とほぼ等しいか僅かに小さい。洗浄部20の組み立て時には、洗浄ブラシ22の本体部22aが洗浄ブラシ21の本体部21aの開口に嵌め込まれ、洗浄ブラシ22の凸部22bが洗浄ブラシ21の凸部21bの開口に嵌め込まれる。この場合、本体部21aの高さT2と本体部22aの高さT2とが等しいので、洗浄ブラシ21の上面21dと洗浄ブラシ22の上面22dとが面一になる。また、凸部21bの高さT3が凸部22bの高さT1よりも大きいので、円環形状を有する洗浄面21A(軟質)が洗浄ブラシ22の円形状を有する硬質の洗浄面22A(硬質)よりも下方に突出する。洗浄ブラシ21の洗浄面21Aは、洗浄部20の回転軸AXおよび洗浄ブラシ22の洗浄面22Aを取り囲むように配置される。洗浄ブラシ22の洗浄面22Aは、回転軸AXと直交する。
【0024】
収容部材23は、底面23aを有する円筒形状を有する。収容部材23は、洗浄ブラシ21の本体部21aを収容可能な内径を有する。底面23aの中央部には、洗浄ブラシ21の凸部21bを嵌め込み可能な孔23bが形成される。
【0025】
収容部材24は、上面24aを有する円筒形状を有する。収容部材24の内径は収容部材23の内径と等しい。上面24aには、円柱状の接続部材25aを挿通可能な孔が形成される。上面24aの孔には、接続部材25aが上下方向に移動可能に挿通される。収容部材23および収容部材24の側面には、螺合可能なねじ部(図示せず)が形成される。収容部材23および収容部材24のそれぞれのねじ部を螺合することにより、収容部材23および収容部材24内に洗浄ブラシ21および洗浄ブラシ22が収容される。
【0026】
押圧部材25は、洗浄ブラシ21の上面21dと同じ外径を有する円形の平板により形成される。収容部材24内には、押圧部材25が収容される。押圧部材25は、接続部材25aの下端に接続される。
【0027】
洗浄部20の組み立て時には、洗浄ブラシ22が洗浄ブラシ21に嵌め込まれ、嵌め込まれた洗浄ブラシ21,22が収容部材23内に収容される。それにより、洗浄ブラシ21の凸部21bおよび洗浄ブラシ22の凸部22bが底面23aの孔23bから下方に突出する。この状態で、収容部材23の周壁の上端面と収容部材24の周壁の下端面とが接合される。押圧部材25は、洗浄ブラシ21の上面21dと洗浄ブラシ22の上面22dとに対向するように接続部材25aにより支持される。
【0028】
接続部材25aには、上述した押圧駆動部60が接続される。それにより、押圧駆動部60が接続部材25aを介して押圧部材25を下方に移動させることにより、洗浄ブラシ21の上面21dと洗浄ブラシ22の上面22dとが均等に押圧される。この場合、押圧駆動部60の駆動力を変化させることにより、洗浄ブラシ21,22に加えられる荷重を変化させることが可能になる。
【0029】
(3)洗浄部20の動作
図3および
図4は、基板Wの洗浄時に基板Wに接触した洗浄部20の状態を示す図である。
図3および
図4の上部に洗浄部20の一部の垂直断面が示され、
図3および
図4の下部に洗浄部20の水平断面が示される。
【0030】
図3の例では、基板Wの洗浄時において、
図2の押圧部材25により洗浄ブラシ21,22が比較的小さな力で押圧されることにより、洗浄ブラシ21,22に第1の荷重が加えられる。それにより、基板Wの上面WUには、洗浄部20の洗浄面21A,22Aのうち洗浄面21Aのみが接触している。洗浄面22Aは基板Wの上面WUから離間している。以下、基板Wの上面WUに洗浄面21Aのみが接触した状態を第1の状態と呼ぶ。
【0031】
本実施の形態において、洗浄部20が第1の状態になるための洗浄ブラシ21,22に対する第1の荷重は、予め実験的に求められている。なお、洗浄部20が第1の状態になるための洗浄ブラシ21,22に対する第1の荷重は、例えば基板洗浄装置100の据え付け時またはメンテナンス時において、作業者によるティーチング作業により決定されてもよい。この状態で、洗浄部20が回転することにより、比較的軟質の材料で形成された洗浄ブラシ21の洗浄面21Aのみで基板Wの上面WUを洗浄することが可能になる。
【0032】
図4の例では、基板Wの洗浄時において、
図2の押圧部材25により洗浄ブラシ21,22が比較的大きな力で押圧されることにより、洗浄ブラシ21,22に第1の荷重よりも大きい第2の荷重が加えられる。この場合、押圧部材25から洗浄ブラシ21の上面21dに与えられる押圧力と基板Wの上面WUから洗浄ブラシ21の洗浄面21Aに与えられる反力とにより、洗浄ブラシ21が上下方向に収縮する。一方、押圧部材25から洗浄ブラシ22の上面22dに与えられる押圧力により洗浄ブラシ22の洗浄面22Aが洗浄ブラシ21の上下方向の収縮に伴って下方に移動する。それにより、基板Wの上面WUに洗浄部20の洗浄面21A,22Aの両方が接触する。以下、基板Wの洗浄時において、基板Wの上面WUに洗浄面21A,22Aの両方が接触した状態を第2の状態と呼ぶ。
【0033】
本実施の形態において、洗浄部20が第2の状態になるための洗浄ブラシ21,22に対する第2の荷重は、予め実験的に求められている。なお、洗浄部20が第2の状態になるための洗浄ブラシ21,22に対する荷重は、例えば基板洗浄装置100の据え付け時またはメンテナンス時において、作業者によるティーチング作業により決定されてもよい。この状態で、洗浄部20が回転することにより、比較的硬質の材料で形成された洗浄ブラシ22の洗浄面22Aおよび比較的軟質の材料で形成された洗浄面21Aの両方で基板Wを洗浄することが可能になる。
【0034】
ここで、押圧駆動部60は、基板Wの汚染状態に応じて、押圧部材25により洗浄ブラシ21,22に加えられる押圧力を変化させることにより、洗浄部20の洗浄ブラシ21,22に対する荷重を変化させる。基板Wの汚染状態とは、汚染量(汚染密度または汚染物質の厚さ)または汚染物質の付着強度を含む。本実施の形態では、上記のように、押圧駆動部60は、基板Wの汚染状態に応じて、洗浄部20の洗浄ブラシ21,22に対する荷重を第1の荷重および第2の荷重に変化させる。
【0035】
基板の洗浄時において、洗浄部20の第1の状態および第2の状態への移行については、例えば、基板処理装置(図示せず)において予め設定された処理レシピに基づいて行われてもよい。処理レシピによって基板Wの上面における汚染状態が異なる場合がある。例えば、処理レシピによって基板Wの上面の領域によって汚染量または汚染物質の付着強度が異なる。例えば、ある処理レシピに従って処理された基板Wについては、上面の中央領域の汚染度が低く、上面の周縁領域の汚染度が高くなる。その場合には、制御部90は、基板Wの上面の中央領域の洗浄時に洗浄部20が第1の状態となり、基板Wの上面の周縁領域の洗浄時に洗浄部20が第2の状態となるように、押圧駆動部60を制御する。
【0036】
また、基板Wの上面の領域ごとの汚染状態が予測できる場合には、基板Wの上面の領域ごとの予測される汚染状態に基づいて洗浄部20の第1の状態と第2の状態とが切り替えられてもよい。例えば、基板洗浄装置100に搬入される基板Wの上面の中央領域に付着した汚染物質の付着強度が小さく、基板Wの上面の周縁領域に付着した汚染物質の付着強度が大きいことが予め把握されている場合がある。このような場合、制御部90は、基板Wの上面の中央領域の洗浄時に洗浄部20が第1の状態となり、基板Wの上面の周縁領域の洗浄時に洗浄部20が第2の状態となるように、押圧駆動部60を制御する。
【0037】
(4)洗浄部20の効果
上記の構成によれば、洗浄部20の洗浄ブラシ21,22に対する荷重を選択的に変化させることにより、洗浄部20を第1の状態と第2の状態とに選択的に切り替えることができる。それにより、基板Wの上面WUの汚染状態に応じて基板Wの上面WUを清浄にすることができる。その結果、基板Wの上面WUの汚染状態に応じて洗浄部20を交換する必要がなくなる。
【0038】
また、洗浄面21Aは、回転軸AXおよび洗浄面22Aを取り囲むように配置されるので、比較的軟らかい洗浄面21Aで広い範囲を洗浄することが可能になる。さらに、洗浄ブラシ21が多孔質材料により形成されるので、押圧部材25の押圧時に洗浄ブラシ21が上下方向に容易に収縮される。それにより、第1の状態と第2の状態との切り替えを容易に行うことが可能になる。
【0039】
(5)待機ポッド70の例
洗浄部20による基板Wの洗浄後、洗浄部20は、待機ポッド70内に移動する。ここで、洗浄部20の洗浄面21A,22Aに対する洗浄が行われる。
図5~
図8は、洗浄面21A,22Aの洗浄動作を説明するための模式的断面図である。
【0040】
図5に示すように、待機ポッド70内の所定の位置で待機する洗浄部20の洗浄面21Aに対して洗浄ノズル71から洗浄液WLが供給される。この状態で、洗浄部20が回転することにより洗浄面21Aが洗浄される。また、洗浄面22Aに対して洗浄ノズル72から洗浄液WLが供給される。この状態で、洗浄部20が回転することにより洗浄面22Aが洗浄される。
【0041】
この構成によれば、洗浄面21Aの汚染状態と洗浄面22Aの汚染状態とが異なる場合に、洗浄ノズル71,72により洗浄面21A,22Aを異なる条件で独立に洗浄することができる。それにより、洗浄面21A,22Aを十分に清浄な状態に回復させることが可能になる。
【0042】
洗浄面22Aの洗浄が終了すると、洗浄部20の回転が停止する。この場合、
図6に示すように、洗浄面21A,22Aには、液体の表面張力により、洗浄液WLの液滴WDが付着する。そこで、
図7に示すように、制御部90は、アーム駆動部40を制御することにより、待機ポッド70の底部に固定された除去部81と洗浄面22Aとが予め定められた距離ΔTaを維持し、かつ除去部82,83と洗浄面21Aとが予め定められた距離ΔTaを維持するように、洗浄部20を下降させる。距離ΔTaは、0よりも大きく洗浄面21A,22Aに付着する液滴WDの上下方向の厚み以下に設定される。本実施の形態では、洗浄面21Aおよび洗浄面22Aの位置に対応するように、除去部81の上端の高さが除去部82,83の上端の高さよりも高い。
【0043】
それにより、
図8に示すように、洗浄面21A,22Aに付着していた液滴WDが除去部81,82,83に転移する。その後、洗浄部20がスピンチャック10に保持された他の基板Wの上方に移動し、他の基板Wに対する洗浄が行われる。
【0044】
この構成によれば、洗浄部20がスピンチャック10に保持された他の基板Wの上方に移動する際、洗浄面21A,22Aに付着していた液滴WDが除去される。それにより、液滴WDが他の基板Wの表面に落下して飛散することが防止される。
【0045】
(6)洗浄部20の他の例
図9および
図10は、洗浄部20の他の例を示す図である。
図9および
図10の上部には洗浄部20の垂直断面が示され、
図9および
図10の下部には洗浄部20の水平断面が示される。
【0046】
図9の例では、洗浄部20は、洗浄ブラシ21より硬質でかつ洗浄ブラシ22より軟質の洗浄ブラシ26を含む。洗浄ブラシ26は、基板Wに対向する円環形状の洗浄面26Aを有する。洗浄ブラシ26は、洗浄面26Aが円形状の洗浄面22Aと円環形状の洗浄面21Aとの間に位置するように配置される。この場合、押圧駆動部60による押圧部材25の押圧により、洗浄面21Aが基板Wに接触する状態、洗浄面21A,26Aが基板Wに接触する状態および洗浄面21A,26A,22Aが基板Wに接触する状態に洗浄部20を移行させることが可能になる。
【0047】
図1~
図8の実施の形態においては、洗浄ブラシ22の洗浄面22Aは、円形状に形成されるが、本発明はこれに限定されない。洗浄面22Aは、楕円形状等の他の形状により形成されてもよい。
図10の例では、洗浄面22Aは、回転軸AXを中心に放射状に延びる形状を有する。この場合、基板Wの洗浄時の基板Wと洗浄面22Aとの接触面積を増加させることが可能になる。
【0048】
〈2〉第2の実施の形態
(1)基板洗浄装置100a
図11は、第2の実施の形態に係る基板洗浄装置100aの模式的側面図である。
図11の基板洗浄装置100aが
図1の基板洗浄装置100と異なるのは以下の点である。
【0049】
図11の基板洗浄装置100aは、
図1の基板洗浄装置100の押圧駆動部60の代わりに切替駆動部61を備え、洗浄部20とは異なる構成を有する洗浄部2を備える。また、待機ポッド70は、単一の洗浄ノズル71を含む。また、除去部81,82,83のうち、除去部81の上端部の高さは、除去部82,83の上端部の高さよりも低い。
【0050】
(2)洗浄部2の構成および動作
図12は、
図11の洗浄部2の模式的断面図である。
図13は、
図11の洗浄部2の模式的底面図である。
図14は、
図11の洗浄部2の動作を説明するための模式的断面図である。
図13の各部には、
図12の各部との関係を明確にするために、
図12の対応する部分と同じハッチングが付されている。
【0051】
洗浄部2は、円柱状の洗浄ブラシ22を下方に保持する円柱状の保持部2aおよび円環形状の洗浄ブラシ21を下方に保持する円環形状の保持部2bを含む。円環形状の洗浄ブラシ21は、保持部2bの下面に取り付けられている。また、円柱状の洗浄ブラシ22は、保持部2aの下面に取り付けられている。洗浄ブラシ21の下面は洗浄面21Aであり、洗浄ブラシ22の下面は洗浄面22Aである。洗浄ブラシ21および洗浄ブラシ22は、互いに異なる材料により形成される。第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、洗浄ブラシ21は比較的軟質の材料により形成され、洗浄ブラシ22は比較的硬質の材料により形成される。
【0052】
なお、洗浄ブラシ21が比較的硬質の材料により形成され、洗浄ブラシ22が比較的軟質の材料により形成されてもよい。また、洗浄ブラシ21の洗浄面21Aの表面粗さと洗浄ブラシ22の洗浄面22Aの表面粗さとが異なっていてもよい。
【0053】
図13に示すように、保持部2aの外周面には、周方向において等間隔に複数の電磁石EMが設けられる。各電磁石EMは、与えられた電流の向きに応じて、
図12に示されるように、外側部分にN極が形成される状態と、
図14に示されるように、外側部分にS極が形成される状態とに切り替えられる。
【0054】
図12および
図14に示すように、保持部2bは、保持部2aの外周面を取り囲むように保持部2aと同軸に配置される。また、保持部2bは、保持部2aに対して相対的に上下方向に移動可能に構成される。
【0055】
保持部2bの内周面には、保持部2aの電磁石EMに対向するように複数の磁石MGが設けられる。互いに対向する電磁石EMと磁石MGとの間には間隙gpが存在する。磁石MGは、例えば永久磁石により構成される。各磁石MGは、上半部と下半部とに互いに逆極性の磁極が形成されるように配置される。
図12の例では、各磁石MGの上半部がS極(s)であり、下半部がN極(n)である。
図11の切替駆動部61は、複数の電磁石EMおよび複数の磁石MGを含む。
【0056】
図12の状態では、各電磁石EMの外側部分にN極(n)が形成される。それにより、電磁石EMの外側部分のN極(n)と磁石MGの上半部のS極(s)とが引き付け合うことにより、洗浄ブラシ22の洗浄面22Aが洗浄ブラシ21の洗浄面21Aよりも上方に位置する。換言すれば、基板Wの洗浄時において、洗浄面21Aのみを基板Wに接触させることが可能になる。それにより、基板Wの上面WUの汚染度が低い領域または汚染物質の付着強度が低い領域を洗浄することができる。
【0057】
図14の状態では、各電磁石EMの外側部分にS極(s)が形成される。それにより、電磁石EMの外側部分のS極(s)と磁石MGの下半部のN極(n)とが引き付け合うことにより、洗浄ブラシ21の洗浄面21Aが洗浄ブラシ22の洗浄面22Aよりも上方に位置する。換言すれば、基板Wの洗浄時において、洗浄面22Aのみを基板Wに接触させることが可能になる。それにより、基板Wの上面WUの汚染度が高い領域または汚染物質の付着強度が高い領域を洗浄することができる。以下、各電磁石EMの極性を切り替えることにより、洗浄面21A,22Aの位置を変更する動作を切替動作と呼ぶ。
【0058】
基板の洗浄時において、洗浄部20の切替動作は、例えば、基板処理装置(図示せず)において予め設定された処理レシピに基づいて行われてもよい。この場合、制御部90は、処理レシピに基づいて基板Wの上面の領域ごとに切替動作が行われるように切替駆動部61を制御する。
【0059】
また、基板Wの上面の領域ごとの汚染状態が予測できる場合には、基板の上面の領域ごとに洗浄ブラシ21または洗浄ブラシ22が選択されるように切替動作が行われてもよい。この場合、制御部90は、洗浄部20が基板Wの上面の領域ごとに予め定められた切替動作が行われるように切替駆動部61を制御する。
【0060】
(3)洗浄部20の効果
この構成によれば、基板Wの洗浄時に基板Wに接触する洗浄部2の洗浄面21Aおよび洗浄面22Aを選択的に切り替えることができる。したがって、基板Wの汚染状態に応じて基板Wを清浄にすることが可能になる。また、基板Wの汚染状態に応じてブラシを交換する必要がなくなる。
【0061】
また、洗浄部2の切り替え動作は、非接触で行われるので、機械的な部材の摺動によるパーティクルの発生が抑制される。それにより、パーティクルによる基板Wの再汚染が防止される。
【0062】
(4)待機ポッド70の例
図15~
図18は、第2の実施の形態に係る洗浄部2の洗浄面21A,22Aの洗浄動作を説明するための模式的断面図である。なお、
図15~
図18においては、洗浄部2の構成が簡略的に図示される。
【0063】
図15に示すように、洗浄部2の洗浄においては、洗浄部2の洗浄面21Aが洗浄ノズル71から洗浄液WLが供給される高さにある状態で洗浄部2が回転する。それにより、洗浄面21Aが洗浄される。次に、上述した切替動作が行われた後に、
図16に示すように、洗浄面22Aが洗浄ノズル71から洗浄液WLが供給される高さに移動した状態で洗浄部2が回転する。それにより、洗浄面22Aが洗浄される。
【0064】
その後、
図17に示すように、洗浄面21A,22Aに液滴WDが付着した状態で、洗浄面21A,22Aと除去部81,82,83とが予め定められた距離ΔTaを維持するように、洗浄部20が下方に移動する。それにより、
図18に示すように、洗浄面21A,22Aに付着した液滴WDが除去部81,82,83に転移する。その後の動作は、第1の実施の形態の基板洗浄装置100における動作と同様である。
【0065】
〈3〉他の実施の形態
(1)上記第1および第2の実施の形態では、基板Wの一面として基板Wの上面を洗浄する例が示されるが、本発明はこれに限定されない。基板の一面は、基板の下面であってもよく、基板のベベル領域であってもよく、基板の端面であってもよい。
【0066】
(2)上記第2の実施の形態では、洗浄ブラシ21および洗浄ブラシ22のいずれか一方が選択的に基板Wの一面に接触可能であるが、洗浄ブラシ21および洗浄ブラシ22の両方が基板Wの一面に接触可能に切替駆動部61が構成されてもよい。
【0067】
(3)上記第2の実施の形態では、洗浄ブラシ21と洗浄ブラシ22とが磁力により互いに相対的に移動可能に切替駆動部61が構成されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、洗浄ブラシ21と洗浄ブラシ22とがエアの圧力等の他の力により、互いに相対的に移動可能に切替駆動部61が構成されてもよい。
【0068】
〈4〉請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明する。上記実施の形態では、スピンチャック10が基板保持部の例であり、洗浄面21Aが第1の洗浄面の例であり、洗浄ブラシ21が第1の洗浄ブラシの例であり、洗浄面22Aが第2の洗浄面の例であり、洗浄ブラシ22が第2の洗浄ブラシの例である。また、収容部材24および押圧駆動部60の例であり、回転駆動部がブラシ回転駆動部50が押圧部の例であり、アーム30およびアーム駆動部40が移動部の例であり、洗浄ノズル71が第1の供給部および供給部の例であり、洗浄ノズル72が第2の供給部の例である。また、切替駆動部61が駆動部の例であり、電磁石EMが第1の磁石の例であり、磁石MGが第2の磁石の例である。
【0069】
〈5〉実施の形態の総括
(第1項)一態様に係る基板洗浄装置は、
基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部により保持された基板の一面に接触可能な第1の洗浄面を有する第1の洗浄ブラシと前記基板の前記一面に接触可能な第2の洗浄面を有する第2の洗浄ブラシとが一体的に構成された洗浄部と、
前記第1および第2の洗浄ブラシを押圧可能でかつ前記第1および第2の洗浄ブラシに対する荷重を可変に構成された押圧部と、
前記洗浄部を前記第1および第2の洗浄面に交差する回転軸の周りで回転させるように構成された回転駆動部とを備え、
前記第1の洗浄ブラシは、前記第2の洗浄ブラシよりも軟質でかつ収縮可能な材料により形成され、
前記第1および第2の洗浄面が前記基板の前記一面から離間しかつ前記押圧部により前記第1および第2の洗浄ブラシが押圧されない状態で、前記基板の前記一面と前記第1の洗浄面との間の距離が前記基板の前記一面と前記第2の洗浄面との間の距離よりも小さく設定され、
前記押圧部は、前記第1および第2の洗浄ブラシに対する荷重を変化させることにより、前記回転駆動部により回転する前記洗浄部を前記第1の洗浄面が前記基板の前記一面に接触する第1の状態と前記第1および第2の洗浄面が前記基板の前記一面に接触する第2の状態とに移行させるように構成される。
【0070】
第1項に記載の基板洗浄装置によれば、洗浄部の第1および第2の洗浄ブラシに対する荷重が比較的小さい場合には、基板の一面に近い第1の洗浄面が基板の一面に接触する。洗浄部の第1および第2の洗浄ブラシに対する荷重が比較的大きい場合には、第1の洗浄ブラシが収縮することにより第1の洗浄ブラシの第1の洗浄面および第2の洗浄ブラシの第2の洗浄面が基板の一面に接触する。したがって、第1および第2の洗浄ブラシに対する荷重を変化させることにより、洗浄部を基板の一面に軟質の第1の洗浄ブラシの第1の洗浄面が接触する第1の状態と、基板の一面に第1の洗浄面と硬質の第2の洗浄ブラシの第2の洗浄面とが接触する第2の状態とを切り替えることができる。それにより、基板の一面の汚染状態に応じて基板の一面を清浄にすることができる。この場合、基板の一面の汚染状態に応じてブラシを交換する必要ない。したがって、ブラシ交換によるダウンタイムを削減しつつ基板の一面を汚染状態に応じて清浄にすることが可能になる。
【0071】
(第2項)第1項に記載の基板洗浄装置において、前記第1および第2の洗浄ブラシは、前記押圧部により第1の荷重が加えられるように押圧された場合に、前記洗浄部が前記第1の状態となり、前記押圧部により第1の荷重よりも大きな第2の荷重が加えられるように押圧された場合に、前記洗浄部が前記第2の状態となるように構成されてもよい。
【0072】
第2項に記載の基板洗浄装置によれば、第1および第2の洗浄ブラシに第1の荷重および第2の荷重を選択的に加えることにより、容易に洗浄部を第1の状態と第2の状態とに選択的に移行させることができる。
【0073】
(第3項)第1項または第2項に記載の基板洗浄装置において、前記第2の洗浄面は、前記回転軸に交差するように配置され、前記第1の洗浄面は、前記回転軸の周囲を連続的または断続的に取り囲むように配置されてもよい。
【0074】
第3項に基板洗浄装置によれば、第1の状態および第2の状態のいずれにおいても、回転する洗浄部の第1の洗浄面で広い面積を洗浄することができる。
【0075】
(第4項)第1項~第3項のいずれか一項に記載の基板洗浄装置において、前記第1の洗浄ブラシは、多孔質材料により形成されてもよい。
【0076】
第4項に記載の基板洗浄装置によれば、比較的低い荷重で第1の洗浄ブラシを容易に収縮させることができる。したがって、第1の状態と第2の状態との切り替えを容易に行うことができる。
【0077】
(第5項)第1項~第4項のいずれか一項に記載の基板洗浄装置は、前記洗浄部を前記基板の外方の待機位置と前記基板の洗浄を行う洗浄位置との間で移動させるように構成された移動部と、
前記待機位置において、前記第1の洗浄面に洗浄液を供給する第1の供給部と、
前記待機位置において、前記第2の洗浄面に洗浄液を供給する第2の供給部とを備えてもよい。
【0078】
第5項に記載の基板洗浄装置によれば、第1および第2の供給部により第1および第2の洗浄面を異なる条件で独立に洗浄することができる。それにより、基板の洗浄後の第1の洗浄面の汚染状態と第2の洗浄面の汚染状態とが異なる場合に、第1および第2の洗浄面を十分に清浄な状態に回復させることができる。
【0079】
(第6項)第1項~第5項のいずれか一項に記載の基板洗浄装置において、前記洗浄部が選択的に前記第1の状態と前記第2状態とに移行するように前記押圧部を制御する制御部をさらに備えてもよい。
【0080】
第6項に記載の基板洗浄装置によれば、洗浄対象である基板の種類または基板に対する処理の種類に応じて洗浄部の第1の状態と第2の状態との移行を適切に制御することができる。
【0081】
(第7項)第6項に記載の基板洗浄装置において、前記制御部は、予め設定された処理レシピに基づいて、前記洗浄部が前記第1の状態または前記第2の状態に移行するように前記押圧部を制御してもよい。
【0082】
第7項に記載の基板洗浄装置によれば、処理レシピに基づいて洗浄部が第1の状態と第2の状態とに移行される。それにより、処理レシピにより基板の一面の汚染状態が予測できる場合には、基板の一面を適切に洗浄することができる。
【0083】
(第8項)第1項~第7項のいずれか一項に記載の基板洗浄装置において、前記制御部は、前記基板の前記一面の予め定められた第1の領域における洗浄時には、前記洗浄部が前記第1の状態になるように前記押圧部を制御し、前記基板の前記一面の予め定められた第2の領域における洗浄時には、前記洗浄部が前記第2の状態になるように前記押圧部を制御してもよい。
【0084】
第8項に記載の基板洗浄装置によれば、第1の領域の洗浄時と第2の領域の洗浄時とで、洗浄部が第1の状態と第2の状態とに移行する。したがって、基板の一面の第1の領域および第2の領域の汚染状態が予測できる場合には、基板の一面を適切に洗浄することができる。
【0085】
(第9項)他の態様に係る基板洗浄装置は、
基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部により保持された基板の一面に接触可能な第1の洗浄面を有する第1の洗浄ブラシと前記基板の前記一面に接触可能な第2の洗浄面を有する第2の洗浄ブラシとが前記第1および第2の洗浄面に対して交差する方向において互いに相対的に移動可能に一体的に構成された洗浄部と、
前記基板の前記一面に前記第1および第2の洗浄面のいずれか一方または両方が接触するように、前記第1および第2の洗浄ブラシの一方を他方に対して相対的に移動させる駆動部とを備える。
【0086】
第9項に記載の基板洗浄装置によれば、洗浄部の第1および第2の洗浄ブラシの一方を他方に対して相対的に移動させることにより、第1の洗浄ブラシの第1の洗浄面および第2の洗浄ブラシの第2の洗浄面のいずれか一方または両方が基板の一面に接触する。それにより、基板の一面の汚染状態に応じて基板の一面を清浄にすることができる。この場合、基板の一面の汚染状態に応じてブラシを交換する必要がない。したがって、ブラシの交換によるダウンタイムを削減しつつ基板の一面を汚染状態に応じて清浄にすることができる。
【0087】
(第10項)第9項に記載の基板洗浄装置において、前記駆動部は、磁力により前記第1および第2の洗浄ブラシの一方を他方に対して相対的に移動させてもよい。
【0088】
第10項に記載の基板洗浄装置によれば、磁力により第1および第2の洗浄ブラシの一方を他方に対して相対的に移動させる。このため、第1および第2の洗浄ブラシを相対的に移動させるための機械的な構成が不要である。それにより、機械的な部材の摺動によるパーティクルの発生が抑制される。この場合、パーティクルによる基板の再汚染が防止される。
【0089】
(第11項)第9項または第10項に記載の基板洗浄装置において、
前記駆動部は、
前記第1および第2の洗浄ブラシの一方に取り付けられた電磁石である第1の磁石と、
前記第1の磁石により発生される磁力を受けるように前記第1および第2の洗浄ブラシの他方に取り付けられた第2の磁石とを含んでもよい。
【0090】
第11項に記載の基板洗浄装置によれば、第1の磁石に供給される電流を変化させることにより、第1および第2の洗浄ブラシの相対的な移動の方向および移動量を制御することができる。
【0091】
(第12項)第9項~第11項のいずれか一項に記載の基板洗浄装置において、
前記駆動部は、前記第1の磁石に第1の方向の電流が供給された場合に、前記第1の磁石と前記第2の磁石とが互いに反発することにより前記第1および第2の洗浄ブラシの一方を他方に対して一方向に移動させ、前記第1の磁石に前記第1の方向と逆の第2の方向の電流が供給された場合に、前記第1の磁石と前記第2の磁石とが互いに吸引することにより前記第1および第2の洗浄ブラシの一方が他方に対して逆方向に移動するように構成されてもよい。
【0092】
第12項に記載の基板洗浄装置によれば、第1の磁石に供給される電流の方向を変更することにより、第1および第2の洗浄ブラシの一方が他方に対して移動する方向が一方向と逆方向とに切り替わる。それにより、第1および第2の洗浄ブラシの相対的な移動方向を容易に切り替えることができる。
【0093】
(第13項)第9項~第12項のいずれか一項に記載の基板洗浄装置は、
前記第1および第2の洗浄ブラシの相対的な移動により前記第1および第2の洗浄ブラシが選択的に複数の位置関係のうちいずれかの位置関係に設定されるように前記駆動部を制御する制御部をさらに備えてもよい。
【0094】
第13項に記載の基板洗浄装置によれば、洗浄部の第1および第2の洗浄ブラシの複数の位置関係のうち適切な位置関係に設定することができる。
【0095】
(第14項)第9項~第13項のいずれか一項に記載の基板洗浄装置は、
前記洗浄部を前記基板の外方の待機位置と前記基板の洗浄を行う洗浄位置との間で移動させるように構成された移動部と、
前記待機位置において、予め定められた洗浄位置に洗浄液を供給する供給部とをさらに含み、
前記制御部は、前記第1および第2の洗浄ブラシの位置関係を変更することにより前記第1および第2の洗浄面に前記供給部により選択的に洗浄液が供給されるように前記駆動部を制御してもよい。
【0096】
第14項に記載の基板洗浄装置によれば、供給部により第1および第2の洗浄面を異なる条件で独立に洗浄することができる。それにより、基板の洗浄後の第1の洗浄面の汚染状態と第2の洗浄面の汚染状態とが異なる場合に、第1および第2の洗浄面を十分に清浄な状態に回復させることができる。
【0097】
(第15項)第13項または第14項記載の基板洗浄装置において、
前記制御部は、予め設定された処理レシピに基づいて、前記第1および第2の洗浄ブラシが選択的に複数の位置関係のうちいずれかの位置関係に設定されるように前記押圧部を制御してもよい。
【0098】
第15項に記載の基板洗浄装置によれば、処理レシピに基づいて洗浄部を第1および第2の洗浄ブラシの相対的な位置関係を適切に切り替えることができる。それにより、処理レシピにより基板の一面の汚染状態が予測できる場合には、基板の一面を適切に洗浄することができる。
【0099】
(第16項)第13項~第15項のいずれか一項に記載の基板洗浄装置において、
前記制御部は、前記基板の前記一面の予め定められた第1の領域における洗浄時には、前記第1および第2の洗浄ブラシの相対的な位置関係が第1の関係になるように前記押圧部を制御し、前記基板の前記一面の予め定められた第2の領域における洗浄時には、前記第1および第2の洗浄ブラシの相対的な位置関係が第2の関係になるように前記押圧部を制御してもよい。
【0100】
第16項に記載の基板洗浄装置によれば、第1の領域の洗浄時と第2の領域の洗浄時とで、汚染状態に応じて洗浄部を第1の関係と第2の関係とに適切に切り替えることができる。それにより、基板の一面の第1の領域および第2の領域の汚染状態が予測できる場合には、基板の一面を適切に洗浄することができる。
【0101】
(第17項)第9項~第16項のいずれか一項に記載の基板洗浄装置において、
前記第1の洗浄ブラシと第2の洗浄ブラシとは異なる材料により形成されてもよい。
【0102】
第17項に記載の基板洗浄装置によれば、基板の一面の汚染状態に応じて第1の洗浄ブラシの第1の洗浄面および第2の洗浄ブラシの第2の洗浄面のうち適切な材料の洗浄ブラシの洗浄面により基板の一面を選択的に洗浄することができる。
【0103】
さらに、上記一連の実施形態に係る基板洗浄装置によれば、基板の一面の汚染状態に応じて基板の一面を清浄にすることができるので、基板処理により得られる製品の歩留まりが向上する。したがって、無駄な基板処理が低減されるので、基板処理の省エネルギー化が実現できる。また、無駄な薬液等の利用を低減することができるので、地球環境の汚染の低減に寄与することができる。
【符号の説明】
【0104】
2…洗浄部,2a,2b…保持部,10…スピンチャック,11…保持部,12…チャック回転駆動部,13…洗浄ノズル,20…洗浄部,21,22…洗浄ブラシ,20A,21A,22A…洗浄面,21a,22a…本体部,21b,22b…凸部,21c,22c…下面,21d,22d…上面,23…収容部材,23a…底面,23b…孔,24…収容部材,24a…上面,25…押圧部材,25a…接続部材,26…洗浄ブラシ,26A…洗浄面,30…アーム,40…アーム駆動部,50…ブラシ回転駆動部,60…押圧駆動部,61…切替駆動部,70…待機ポッド,71,72…洗浄ノズル,73…洗浄液供給部,81,82,83…除去部,90…制御部,100,100a…基板洗浄装置,AX…回転軸,EM…電磁石,MG…磁石,W…基板,WD…液滴,WL…洗浄液