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特開2024-173981パレット自動倉庫、及び、トレイ部品管理システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173981
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】パレット自動倉庫、及び、トレイ部品管理システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20241206BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
H05K13/02 E
B65G1/04 511
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024165052
(22)【出願日】2024-09-24
(62)【分割の表示】P 2023506897の分割
【原出願日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】P 2021041373
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】柿島 信幸
(72)【発明者】
【氏名】石谷 泰行
(72)【発明者】
【氏名】井上 涼太
(72)【発明者】
【氏名】小原 啓史
(72)【発明者】
【氏名】上山口 潤
(72)【発明者】
【氏名】吉武 高徳
(57)【要約】
【課題】トレイを装着したパレットをそのまま保管する。
【解決手段】パレット自動倉庫は、部品を基板に搭載する部品搭載装置の部品取り出し位置に前記部品を収納したトレイを供給するために用いられるパレットを、前記トレイを装着した状態にて複数収納可能なパレット収納部と、前記パレット収納部から出庫対象のトレイ装着パレットを取り出して、前記部品搭載装置が設置された工場フロアを移動する無人搬送車によって搬送可能であって前記トレイを装着した状態の前記パレットである複数のトレイ装着パレットを収納可能なマガジンに格納するパレット搬送装置とを備える。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を基板に搭載する部品搭載装置の部品取り出し位置に前記部品を収納したトレイを供給するために用いられるパレットを、前記トレイを装着した状態にて複数収納可能なパレット収納部と、
前記パレット収納部から出庫対象のトレイ装着パレットを取り出して、前記部品搭載装置が設置された工場フロアを移動する無人搬送車によって搬送可能であって前記トレイを装着した状態の前記パレットである複数のトレイ装着パレットを収納可能なマガジンに格納するパレット搬送装置と、
を備えるパレット自動倉庫。
【請求項2】
前記マガジンは、水平方向に延びる左右一対の支持レールを上下に複数設け、左右一対の前記支持レールで1つの前記トレイ装着パレットを収納するものであり、
前記パレット搬送装置は、前記支持レール上の前記トレイ装着パレットを引き出すパレット引き出し装置、を備える、
請求項1に記載のパレット自動倉庫。
【請求項3】
前記パレット搬送装置は、前記パレット引き出し装置が引き出した前記トレイ装着パレットを複数収納可能なパレット移送用ラック、をさらに備える、
請求項2に記載のパレット自動倉庫。
【請求項4】
前記パレット搬送装置は、
前記パレット引き出し装置及び前記パレット移送用ラックを昇降させる昇降装置と、
前記パレット引き出し装置及び前記パレット移送用ラックを水平方向に移動させる水平
方向移動装置と、をさらに備える、
請求項3に記載のパレット自動倉庫。
【請求項5】
前記パレットは、前記パレットの識別情報であるパレット識別情報を記憶した無線タグを備え、
前記パレット引き出し装置は、引き出す前記トレイ装着パレットの前記無線タグから前記パレット識別情報を読み取り可能な読み取り装置を備える、
請求項2から4のいずれか1項に記載のパレット自動倉庫。
【請求項6】
前記読み取り装置によって読み取られた前記トレイ装着パレットの前記パレット識別情報と、前記パレット搬送装置によって前記トレイ装着パレットが収納された前記パレット収納部のアドレスを示すアドレス情報と、を関連付けたパレット所在情報を、所定の記憶部に登録する情報更新部、をさらに備える、
請求項5に記載のパレット自動倉庫。
【請求項7】
前記トレイ装着パレットの前記パレット識別情報と、前記トレイ装着パレットが装着する前記トレイの部品を示す部品情報とが関連付けられているパレット登録情報を参照して、払い出し指示された前記部品情報に関連付けられている前記パレット識別情報を特定し、前記パレット所在情報を参照して、特定した前記パレット識別情報に関連付けられている前記アドレス情報を特定し、前記パレット搬送装置を制御して、特定した前記アドレス情報が示す前記パレット収納部の位置から前記トレイ装着パレットを払い出す払い出し処理部、をさらに備える、
請求項6に記載のパレット自動倉庫。
【請求項8】
前記情報更新部は、前記払い出し処理部によって払い出された前記トレイ装着パレットに関する前記パレット所在情報を、前記記憶部から削除する、
請求項7に記載のパレット自動倉庫。
【請求項9】
前記トレイ装着パレットの前記パレット識別情報と、前記トレイ装着パレットが装着する前記トレイの部品を示す部品情報とが関連付けられているパレット登録情報を参照して、前記読み取り装置によって読み取られた前記パレット識別情報に関連付けられている前記部品情報を特定し、特定した前記部品情報と、前記パレット搬送装置によって前記トレイ装着パレットが収納された前記パレット収納部のアドレスを示すアドレス情報と、を関連付けた部品所在情報を、所定の記憶部に登録する情報更新部、をさらに備える、
請求項5に記載のパレット自動倉庫。
【請求項10】
払い出し指示された前記部品情報に関連付けられている前記アドレス情報を前記部品所在情報に基づいて特定し、前記パレット搬送装置を制御して、特定した前記アドレス情報が示す前記パレット収納部の位置から前記トレイ装着パレットを払い出す払い出し処理部、をさらに備える、
請求項9に記載のパレット自動倉庫。
【請求項11】
前記情報更新部は、前記払い出し処理部によって払い出された前記トレイ装着パレットに関する前記部品所在情報を、前記記憶部から削除する、
請求項10に記載のパレット自動倉庫。
【請求項12】
部品を基板に搭載する部品搭載装置の部品取り出し位置に前記部品を収納したトレイを供給するために用いられるパレットを保管するパレット自動倉庫と、
前記トレイの部品に関する部品情報と前記部品を収納した前記トレイを装着したトレイ装着パレットの前記パレット自動倉庫内の収納場所を示すアドレス情報とを関連付けた部品所在情報を管理するサーバ装置と、
前記部品搭載装置が設置された工場フロアを移動する無人搬送車によって搬送可能なマガジンを備え、
前記パレット自動倉庫は、パレット収納部から出庫対象のトレイ装着パレットを取り出して、前記マガジンに格納するパレット搬送装置を有する、
トレイ部品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パレット自動倉庫、及び、トレイ部品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の部品を保持するキャリアテープが巻かれたテープリールが知られている。基板に部品を搭載する部品搭載装置は、テープリールに巻かれたキャリアテープから部品を取り出して基板に装着する。特許文献1には、キャリアテープが巻かれた状態のテープリールが搭載されたトレイを、自動的に入庫、保管及び出庫する自動倉庫が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-89619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部品搭載装置への部品供給は、キャリアテープが用いられる場合に限らず、部品を収納可能な複数の区画を有するトレイが用いられる場合もある。この場合、部品搭載装置には、トレイを装着したパレットの単位で部品が供給される。そのため、トレイを装着したパレットをそのまま保管できれば、作業効率の改善にもつながる。
【0005】
本開示の目的は、トレイを装着したパレットをそのまま保管することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のパレット自動倉庫は、部品を基板に搭載する部品搭載装置の部品取り出し位置に前記部品を収納したトレイを供給するために用いられるパレットを、前記トレイを装着した状態にて複数収納可能なパレット収納部と、前記パレット収納部から出庫対象のトレイ装着パレットを取り出して、前記部品搭載装置が設置された工場フロアを移動する無人搬送車によって搬送可能であって前記トレイを装着した状態の前記パレットである複数のトレイ装着パレットを収納可能なマガジンに格納するパレット搬送装置と、を備える。
【0007】
本開示のトレイ部品管理システムは、部品を基板に搭載する部品搭載装置の部品取り出し位置に前記部品を収納したトレイを供給するために用いられるパレットを保管するパレット自動倉庫と、前記トレイの部品に関する部品情報と前記部品を収納した前記トレイを装着したトレイ装着パレットの前記パレット自動倉庫内の収納場所を示すアドレス情報とを関連付けた部品所在情報を管理するサーバ装置と、前記部品搭載装置が設置された工場フロアを移動する無人搬送車によって搬送可能なマガジンを備え、前記パレット自動倉庫は、パレット収納部から出庫対象のトレイ装着パレットを取り出して、前記マガジンに格納するパレット搬送装置を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、トレイを装着したパレットをそのまま保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】工場フロアに設置された実装基板製造システムの一例を示す概念図
図2】トレイ処理装置の全体構成の一例を示す図であり、トレイ処理装置を上から俯瞰した図
図3】部品装着装置及びトレイ部品供給装置の構成例を示す模式図
図4】トレイ及びパレットの構成例を示す斜視図
図5】パレットに対するトレイの位置決め後の状態の一例を示す斜視図
図6】マガジンの構成例を示す斜視図
図7】パレット回収部の構成例を示す模式図
図8A】パレット押出装置がマガジン内のパレットを押し出す前の状態の一例を示す模式図
図8B】パレット押出装置がマガジン内のパレットを押し出した後の状態の一例を示す模式図
図9】トレイ取り外し部の構成例を示す模式図
図10】トレイ取り外し部の構成例を示す要部斜視図
図11A】マグネットバーの構成例を示す斜視図
図11B】マグネットバーの構成例を示す長手方向の縦断面図
図12】マグネットバー移送ヘッドの構成例を示す斜視図
図13】マグネットバー移送ヘッドの動作説明図
図14】トレイ装着部の構成例を示す模式図
図15】トレイ装着部の構成例を示す要部斜視図
図16】情報書込部及びパレット払出部の構成例を示す要部斜視図
図17】パレット自動倉庫の構成例を示す側面図
図18】パレット収納部の構成例を示す要部斜視図
図19図17に示すパレット自動倉庫のA矢視図
図20図17に示すパレット引き出し装置のZX断面図
図21】トレイ部品管理システムのシステム構成例を示すブロック図
図22】パレット自動倉庫の構成の変形例を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。なお、各図の説明では、紙面の上から下に向かう軸をX軸、紙面の左から右に向かう軸をY軸、紙面の奥から手前に向かう軸をZ軸とする。また、X軸の正方向を「前」、X軸の負方向を「後」、Y軸の正方向を「右」、Y軸の負方向を「左」、Z軸の正方向を「上」、Z軸の負方向を「下」と称する。なお、これらの方向に係る表現は、説明の便宜上用いられるものであって、当該構造の実使用時における姿勢を限定する意図ではない。
【0011】
<工場フロアの構成例>
図1は、工場フロアに設置された実装基板製造システムの一例を示す概念図である。
【0012】
図1に示すように、工場フロアに設置された実装基板製造システムは、例えば、実装基板製造ライン1(1A、1B)、準備エリア83、基板ストック部84、テーピング部品ストック部85、トレイ部品ストック部86、トレイ処理装置100、パレット自動倉庫800、AGV60、及び、管制室80を備える。なお、これらの構成要素はいずれも、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0013】
<<実装基板製造ライン>>
実装基板製造ライン1は、基板13に部品を実装する作業を行うためのラインであり、複数の装置によって構成される。例えば、実装基板製造ライン1は、基板供給装置2、はんだ印刷装置3、はんだ検査装置4、部品搭載装置5、部品搭載検査装置6、リフロー装置7、はんだ付け検査装置8、及び、実装基板回収装置9を備える。
【0014】
基板供給装置2は、基板13をはんだ印刷装置3に供給する装置である。はんだ印刷装置3は、基板供給装置2から供給された基板13にはんだを印刷する装置である。はんだ検査装置4は、はんだ印刷装置3から供給された基板13のはんだ印刷状態を検査する装置である。
【0015】
部品搭載装置5は、はんだ検査装置4から供給された基板13に部品を搭載する装置である。図1に示すように、実装基板製造ライン1は、複数の部品搭載装置5を備えてよい。部品搭載装置5は、フィーダ台車61を含んで構成されてよい。フィーダ台車61は、キャリアテープから部品を取り出すためのテープフィーダを備える台車であってよい。フィーダ台車61は、部品搭載装置5に着脱可能であってよい。また、部品搭載装置5は、トレイ部品供給装置20を含んで構成されてよい。トレイ部品供給装置20は、トレイフィーダと読み替えられてもよい。トレイ部品供給装置20は、部品搭載装置5に着脱可能であってよい。なお、部品搭載装置5及びトレイ部品供給装置20の詳細については後述する。
【0016】
部品搭載検査装置6は、部品搭載装置5から供給された基板13の部品搭載状態を検査する装置である。リフロー装置7は、部品搭載検査装置6から供給された基板13にリフローを行う装置である。はんだ付け検査装置8は、リフロー装置7から供給された基板13のはんだ付けの状態を検査する装置である。実装基板回収装置9は、はんだ付け検査装置8から供給された部品実装済みの基板13を回収する装置である。
【0017】
<<準備エリア>>
準備エリア83は、作業者が、実装基板製造ライン1の稼働に向けての準備(前処理)を行うためのエリアである。準備エリア83には、フィーダ台車61、トレイ部品供給装置20及び登録装置1000が配置されてよい。作業者は、準備エリア83にて、フィーダ台車61にキャリアテープをセットする作業を行ってよい。作業者は、準備エリア83にて、部品が収納されたトレイ30をパレット40に装着する作業を行ってよい。以下、トレイ30が装着されたパレット40を、トレイ装着パレット40と称する場合がある。作業者は、トレイ装着パレット40をトレイ部品供給装置20にセットする作業を行ってよい。なお、登録装置1000については後述する。
【0018】
<<基板ストック部>>
基板ストック部84は、基板13をストックするための装置である。基板ストック部84は、工場に搬入された部品搭載前の基板13をストックしてよい。基板ストック部84は、工場から搬出される部品搭載後の基板13がストックしてよい。
【0019】
<<テーピング部品ストック部>>
テーピング部品ストック部85は、キャリアテープをストックするための装置である。テーピング部品ストック部85は、工場に搬入されたキャリアテープをストックしてよい。
【0020】
<<トレイ部品ストック部>>
トレイ部品ストック部86は、部品が収納されたトレイ30をストックするための装置である。トレイ部品ストック部86は、工場に搬入された、部品が収納されたトレイ30をストックしてよい。作業者は、トレイ部品ストック部86において、トレイ30をパレット40に装着する作業(つまり、トレイ装着パレット40を準備する作業)を行ってもよい。
【0021】
<<トレイ処理装置>>
トレイ処理装置100は、トレイ30を処理する装置であり、具体的には、パレット40からトレイ30を取り外したり、パレット40にトレイ30を装着したりする処理を自動的に行う装置である。なお、トレイ処理装置100の詳細については後述する。
【0022】
<<パレット自動倉庫>>
パレット自動倉庫800は、トレイ装着パレット40を自動的に入庫、保管及び出庫する装置である。図1に示すように、パレット自動倉庫800は、実装基板製造ライン1(部品搭載装置5)とは離れた場所に配置される。パレット自動倉庫800は、パレット保管装置と読み替えられてもよい。なお、パレット自動倉庫800の詳細については後述する。
【0023】
<<AGV>>
AGV60は、工場フロア内を無人で走行する装置である。AGV60は、無人搬送車と読み替えられてもよい。AGV60は、トレイ装着パレット40を格納したマガジン50又は空のマガジン50を搭載して、工場フロア内の各装置間を移動してよい。例えば、AGV60は、トレイ処理装置100の位置に移動し、当該トレイ処理装置100にトレイ装着パレット40をマガジン50に格納してもらう。その後、AGV60は、部品搭載装置5のトレイ部品供給装置20の位置に移動し、マガジン50内のトレイ装着パレット40をトレイ部品供給装置20に引き渡す。例えば、AGVは60、トレイ処理装置100の位置に移動し、当該トレイ処理装置100にトレイ装着パレット40をマガジン50に格納してもらう。その後、AGV60は、パレット自動倉庫800に移動し、マガジン50内のトレイ装着パレット40をパレット自動倉庫800に引き渡す。
【0024】
<<管制室>>
管制室80は、工場フロアの各装置を管理、監視及び制御するための場所である。管制室80には、例えば、サーバ900、作業指示部81、及び、AGV運行管理装置82が配置される。作業指示部81は、上位システムと読み替えられてもよい。管制室80の各装置及び工場フロア内の各装置は、有線又は無線の通信ネットワークで接続されており、互いに情報を送受信できる。
【0025】
作業指示部81は、作業者からの作業指示を受け付け、工場フロアの各装置を管理及び監視する装置である。なお、作業指示部81の詳細については後述する。
【0026】
サーバ900は、作業に関する情報を記憶すると共に、工場フロアの各装置を制御する装置である。なお、サーバ900の詳細については後述する。
【0027】
AGV運行管理装置82は、AGV60の運行を管理する装置である。
【0028】
<トレイ処理装置の全体構成>
図2は、本実施の形態に係るトレイ処理装置100の全体構成の一例を示す図であり、トレイ処理装置100を上から俯瞰した図である。次に、図2を参照して、トレイ処理装置100の構成の概要について説明する。
【0029】
トレイ処理装置100は、コンベア110、パレット回収部200、トレイ取り外し部300、トレイ装着部400、パレット登録部500、及び、パレット払出部600を備える。
【0030】
例えば、AGV60は、トレイ部品供給装置20から、部品が供給された後のトレイ30を装着したパレット40を格納したマガジン50を回収し、そのマガジン50をパレット回収部200の場所に配送する。上述したように、トレイ30を装着したパレット40を、トレイ装着パレット40と称する。なお、トレイ装着パレット40におけるトレイ30には、部品が収納されていてもよいし、部品が収納されていなくてもよい。
【0031】
パレット回収部200は、AGV60によって配送されたマガジン50から、トレイ装着パレット40を回収し、当該回収したトレイ装着パレット40をコンベア110に載せる作業を行う装置及びエリアである。なお、パレット回収部200の詳細については後述する(図7図8参照)。
【0032】
トレイ取り外し部300は、コンベア110にて搬送されたトレイ装着パレット40からトレイ30を取り外し、そのトレイ30をトレイ回収部330に回収する作業を行う装置及びエリアである。トレイ30が取り外されたパレット40は、コンベア110にて搬送される。なお、トレイ取り外し部300の詳細については後述する(図9参照)。
【0033】
トレイ装着部400は、トレイストック部430にストックされたトレイ30を取得し、その取得したトレイ30をコンベア110にて搬送されたパレット40に装着する作業を行う装置及びエリアである。トレイストック部430は、部品を収納したトレイ30をストックする装置又はエリアである。部品を収納したトレイ装着パレット40は、コンベア110にて搬送される。なお、トレイ装着部400の詳細については後述する(図15参照)。
【0034】
パレット登録部500は、リーダー501を通じて、部品を収納したトレイ30を装着したパレット40の無線タグ44(図4参照)から、当該パレット40の識別情報(以下「パレット識別情報」という)を読み出す装置及びエリアである。なお、パレット登録部500の詳細については後述する(図16参照)。
【0035】
パレット払出部600は、トレイ装着パレット40を、マガジン50に格納する作業を行う装置及びエリアである。加えて、パレット払出部600は、トレイ装着パレット40が格納されたマガジン(以下「格納マガジン」という)50を、AGV60に載せる作業を行う。なお、パレット払出部600の詳細については後述する(図16参照)。AGV60は、例えば、当該格納マガジン50を載せて、トレイ部品供給装置20の場所、又は、パレット自動倉庫800の場所等に移動する。
【0036】
図2に示すトレイ処理装置100の構成によれば、パレット40からトレイ30を取り外したり、パレット40にトレイ30を装着したりする作業を自動化できる。以下、詳細に説明する。
【0037】
<部品搭載装置の構成>
図3は、部品搭載装置5の構成例を示す模式図である。次に、図3を参照し、部品搭載装置5について詳細に説明する。
【0038】
図3に示すように、部品搭載装置5は、部品搭載装置本体部10、及び、トレイ部品供給装置20を備える。部品搭載装置本体部10は、基板搬送部11、及び、部品装着ヘッド12を備える。基板搬送部11は、基板13を搬送する装置であり、例えばベルト、チェーン又はローラ等によって構成される。基板搬送部11は、コンベアといった他の用語に読み替えられてもよい。部品装着ヘッド12は、基板搬送部11によって搬送された基板13に対して、トレイ部品供給装置20によって供給された部品を装着する作業を行う装置である。
【0039】
トレイ部品供給装置20は、マガジン50を着脱可能な機構、及び、昇降機構により昇降可能なパレット移動装置21を備える。トレイ部品供給装置20は、部品搭載装置本体部10に対して着脱可能である。
【0040】
部品搭載装置本体部10及びトレイ部品供給装置20は、例えば、以下の動作を行う。
【0041】
(S11)パレット移動装置21は、マガジン50内の1つの支持レール51と同じ高さ位置に移動し、その高さ位置の支持レール51に格納されたトレイ装着パレット40を引き出す。そして、パレット移動装置21は、そのトレイ装着パレット40を載せて、所定の高さ位置(例えば最も高い位置)に移動する。
【0042】
(S12)部品装着ヘッド12は、パレット移動装置21に載置されたトレイ装着パレット40のトレイ30から部品を吸着し、その部品を基板13に装着する。
【0043】
(S13)基板搬送部11は、基板13に対する1又は複数の部品の装着が完了した場合、その基板13を次工程の作業装置へ搬送する。
【0044】
(S14)パレット移動装置21は、トレイ30内の部品が空になった場合、トレイ装着パレット40を載せて、マガジン50内の空いている支持レール51と同じ高さ位置に移動し、当該トレイ装着パレット40を当該支持レール51に格納する。また、部品装着ヘッド12へ供給する部品の種類を変更する場合も、パレット移動装置21は載せているトレイ装着パレット40を空いている支持レール51に格納し、他の種類の部品を収納しているトレイ30を装着したトレイ装着パレット40を別の支持レール51から引き出して所定の高さ位置へ移動する。
【0045】
なお、マガジン50内のトレイ30の部品が品切れになった場合、あるいは、別機種の基板13の製造を開始するための段取り替えを行う場合、トレイ部品供給装置20のマガジン50は、別のマガジン50と交換されてよい。この場合、AGV60によって交換用のマガジン50が配送されてよい。
【0046】
<トレイの位置決め>
図4は、トレイ30及びパレット40の構成例を示す斜視図である。図5は、パレット40に対するトレイ30の位置決め後の状態の一例を示す斜視図である。次に、図4及び図5を参照して、トレイ30及びパレット40の構成、並びに、パレット40上におけるトレイ30の位置決めについて詳細に説明する。
【0047】
トレイ30は、略四角形の薄型の形状を呈する。トレイ30の上面には、複数の凹部31が形成され、各凹部31に部品が収納される。トレイ30は、例えば樹脂によって構成される。
【0048】
パレット40は、パレット本体部41、トレイ位置決め片42A、42B、係合部43、及び、無線タグ44を有する。
【0049】
パレット本体部41は、略四角形の平板の形状を呈する。パレット本体部41は、磁性体材料によって構成される。
【0050】
係合部43は、パレット本体部41の前側の辺E1に設けられ、トレイ部品供給装置20のパレット移動装置21と係合する部材である。パレット移動装置21は、当該係合部43に係合し、マガジン50からパレット40を引き出したり、マガジン50にパレット40を格納したりできる。
【0051】
トレイ位置決め片42A、42Bは、細長い突起の形状を呈し、パレット本体部41の上面に設けられる。例えば、トレイ位置決め片42Aは、パレット本体部41の前側の辺E1に平行に設けられ、トレイ位置決め片42Bは、パレット本体部41の左側の辺E2に平行に設けられる。よって、トレイ30の前側の辺F1及び左側の辺F2を、それぞれ、トレイ位置決め片42A、42Bに当接させることにより、パレット40に対してトレイ30を位置決めできる。
【0052】
トレイ30の位置を固定するために、トレイ固定具の一例であるマグネットバー70が使用される。マグネットバー70は、略棒状の形状を呈する。マグネットバー70は下面にマグネット部72(図11A図11B参照)を有する。なお、マグネットバー70の詳細については後述する(図11A図11B参照)。
【0053】
トレイ30がトレイ位置決め片42A、42Bによって位置決めされた後、図4に示すように、2つのマグネットバー70は、それぞれ、トレイ30の残りの2つの辺(図4では後側の辺F3及び右側の辺F4)に当接(接触)するように、パレット40に配置される。パレット40は磁性体材料で構成されるため、2つのマグネットバー70は、パレット40の上面にしっかり固定される。これにより、図5に示すように、トレイ30は、四方が固定され、パレット40のXY平面方向に位置ずれしない。
【0054】
無線タグ44は、無線による情報の読み出しが可能な回路である。無線タグ44は、RFID(Radio Frequency IDentification)と読み替えられてもよい。無線タグ44は、パレット本体部41の上面又は下面の端に設けられてよい。無線タグ44は、パレット識別情報を記憶する。パレット登録部500は、リーダー501を通じて、無線タグ44からパレット識別情報を読み出す。なお、無線タグ44の読み出しの詳細については後述する(図16参照)。
【0055】
二次元コード45は、トレイ30の上面に備えられる。二次元コード45は、QRコード(登録商標)と読み替えられてもよい。二次元コード45は、トレイ30に収納された部品を識別するための情報である部品情報を含む。パレット登録部500は、カメラ502を通じて、当該二次元コード45が示す部品情報を読み取る。なお、二次元コード45の認識の詳細については後述する(図16参照)。
【0056】
<マガジンの構成>
図6は、マガジン50の構成例を示す斜視図である。次に、図6を参照して、マガジン50の構成について詳細に説明する。
【0057】
マガジン50は、略直方体の形状を呈し、底板52、天板53、左側板54A、及び、右側板54Bから構成される。すなわち、マガジン50の前方及び後方は開口している。
【0058】
左側板54A、右側板54Bには、それぞれ、底板52に平行な複数の支持レール51が、同じ高さ位置に設けられる。左右一対の支持レール51が、1つのトレイ装着パレット40を支持する。すなわち、マガジン50は、左右一対の支持レール51の数に対応する数のトレイ装着パレット40を格納できる。
【0059】
<パレット回収部の構成及び動作>
図7は、パレット回収部200の構成例を示す模式図である。次に、図7を参照して、パレット回収部200の構成及び動作について詳細に説明する。
【0060】
パレット回収部200は、マガジン搬送装置210、パレット回収ステージ220、駆動部230、及び、パレット押出装置240を有する。
【0061】
マガジン搬送装置210は、マガジン50を搬送する装置である。マガジン搬送装置210は、XY軸方向に移動自在なXYテーブル211、及び、XYテーブル211に接続し、Z軸方向に移動自在なエンドエフェクタ212を備える。エンドエフェクタ212は、マガジン50を上から把持可能な機構を有する。
【0062】
パレット回収ステージ220は、マガジン50が載置されるステージである。パレット回収ステージ220は、駆動部230の上に設けられる。
【0063】
駆動部230は、パレット回収ステージ220を昇降させる装置である。加えて、駆動部230は、パレット回収ステージ220を90度回転させる装置である。
【0064】
パレット押出装置240は、マガジン50内のパレット40をコンベア110に向けて押し出す装置である。
【0065】
パレット回収部200は、例えば、以下の動作を行う。
【0066】
(S21)トレイ装着パレット40を格納したマガジン50を載せたAGV60は、パレット回収ステージ220の隣に到着する。
【0067】
(S22)マガジン搬送装置210は、XYテーブル211及びエンドエフェクタ212を駆動して、AGV60上のマガジン50を掴み上げ、その掴み上げたマガジン50をパレット回収ステージ220に載せる。
【0068】
(S23)駆動部230は、パレット回収ステージ220を90度回転させる。これにより、マガジン50の正面が、Y軸方向からX軸方向に変更される。
【0069】
(S24)駆動部230は、マガジン50内の1つのトレイ装着パレット40がパレット押出装置240の高さ位置に来るように、パレット回収ステージ220を上昇(又は下降)させる。
【0070】
(S25)パレット押出装置240は、その位置のトレイ装着パレット40をマガジン50から押し出す。押し出されたトレイ装着パレット40は、コンベア110に載せられる。なお、当該パレット押出装置240の動作の詳細については後述する(図8A図8B参照)。
【0071】
(S26)駆動部230及びパレット押出装置240は、マガジン50内のすべてのトレイ装着パレット40が押し出されるまで、S24とS25を繰り返す。
【0072】
(S27)マガジン搬送装置210は、すべてのトレイ装着パレット40が押し出されたマガジン50を掴み上げ、その掴み上げたマガジン50をAGV60に載せる。ただし、マガジン50には、一部のトレイ装着パレット40が残っていてもよい。
【0073】
図8Aは、パレット押出装置240がマガジン50内のパレット40を押し出す前の状態の一例を示す模式図である。図8Bは、パレット押出装置240がマガジン50内のパレット40を押し出した後の状態の一例を示す模式図である。次に、図8A及び図8Bを参照して、図7のS24及びS25の動作について詳細に説明する。
【0074】
パレット押出装置240は、X軸方向にスライド自在な棒状のプッシャー241を備える。
【0075】
図8Aに示すように、上記S24において、プッシャー241は、1つのトレイ装着パレット40と同じ高さ位置となる。
【0076】
図8Bに示すように、上記S25において、パレット押出装置240は、プッシャー241をパレット40に向けて(X軸の正方向に)スライドさせる。これにより、プッシャー241と同じ高さのトレイ装着パレット40は、当該プッシャー241によって押し出されて、コンベア110に載せられる。
【0077】
<トレイ取り外し部の構成及び動作>
図9は、トレイ取り外し部300の構成例を示す模式図である。図10は、トレイ取り外し部300の構成例を示す要部斜視図である。次に、図9及び図10を参照して、トレイ取り外し部300の構成及び動作について詳細に説明する。
【0078】
トレイ取り外し部300は、トレイ除去部310、マグネットバー除去装置320、及び、トレイ回収部330を有する。
【0079】
トレイ除去部310は、パレット40からトレイ30を除去する装置である。トレイ除去部310は、XY軸方向に移動自在なXYテーブル311、XYテーブル311に接続し、Z軸方向に移動自在な昇降部312、及び、昇降部312に接続し、トレイ30を吸着可能なトレイ吸着ヘッド313を有する。
【0080】
マグネットバー除去装置320は、トレイ30がパレット40に固定されている状態を解除する解除部の一例である。例えば、マグネットバー除去装置320は、パレット40からマグネットバー70を除去する装置である。マグネットバー除去装置320は、XY軸方向に移動自在なXYテーブル321、XYテーブル321に接続し、Z軸方向に移動自在なZテーブル322、及び、Zテーブル322に接続し、マグネットバー70を移送可能なマグネットバー移送ヘッド323を有する。
【0081】
トレイ回収部330は、パレット40から回収されたトレイ30が載置される装置又は場所である。
【0082】
トレイ取り外し部300は、例えば、以下の動作を行う。
【0083】
(S31)マグネットバー除去装置320は、図10に示すように、XYテーブル321、Zテーブル322及びマグネットバー移送ヘッド323を駆動して、コンベア110にて搬送されたパレット40からマグネットバー70を取り外し、そのマグネットバー70をパレット40上のトレイ30から離れた所定の位置に載置する。なお、マグネットバー移送ヘッド323の動作の詳細については後述する(図12参照)。
【0084】
(S32)トレイ除去部310は、図10に示すように、XYテーブル311、昇降部312及びトレイ吸着ヘッド313を駆動して、パレット40上のトレイ30をトレイ吸着ヘッド313に吸着し、その吸着したトレイ30をトレイ回収部330に移送する。
【0085】
<マグネットバーの構成>
図11Aは、マグネットバー70の構成例を示す斜視図である。図11Bは、マグネットバー70の構成例を示す長手方向の縦断面図である。次に、図11A及び図11Bを参照して、マグネットバー70の構造について詳細に説明する。
【0086】
マグネットバー70は、本体部71、マグネット部72、凹部73、レバー部74A、74B、及び、軸部75を備える。
【0087】
本体部71は、横長の略棒状の形状を呈する。マグネット部72は、本体部71の下面に設けられ、パレット40の上面に吸着する。凹部73は、本体部71の上面において、長手方向に形成される。
【0088】
レバー部74A、74Bは、それぞれ、軸部75によって本体部71の両端に取り付けられる。レバー部74A、74Bは、軸部75から遠い側の先端に向けて下面が上面に近づく勾配形状を呈する。レバー部74A、74Bは、軸部75を中心に揺動可能である。
【0089】
<マグネットバー移送ヘッドの構成及び動作>
図12は、マグネットバー移送ヘッド323の構成例を示す斜視図である。次に、図12を参照して、マグネットバー移送ヘッド323の構成について詳細に説明する。
【0090】
マグネットバー移送ヘッド323は、横長の略直方体の形状を呈する。マグネットバー移送ヘッド323は、保持部324、レバー操作部325A、325B、ピン326A、326B、及び、ロッド327A、327Bを備える。
【0091】
保持部324は、マグネットバー移送ヘッド323の中央付近を構成する。保持部324の上面は、マグネットバー除去装置320のZテーブル322に接続する。
【0092】
ピン326A、326Bは、保持部324の下面から下方に延出する棒状の形状を呈する。ピン326A、326Bは、マグネットバー70の凹部73に挿入可能な太さ及び形状を有する。マグネットバー移送ヘッド323は、ピン326A、326Bを長手方向に移動させて、ピン326Aとピン326Bの間隔を近づけたり、遠ざけたりすることができる。
【0093】
レバー操作部325A、325Bは、それぞれ、保持部324の長手方向の両端に連結される。
【0094】
ロッド327A、327Bは、それぞれ、レバー操作部325A、325Bの下面から下方に対して伸縮可能な棒状の形状を呈する。ロッド327A、327Bの位置は、それぞれ、マグネットバー70のレバー部74A、74Bの位置と対応する。すなわち、ロッド327Aとロッド327Bの間隔は、マグネットバー70のレバー部74Aとレバー部74Bの間隔に対応する。
【0095】
図13は、マグネットバー移送ヘッド323の動作説明図である。次に、図13を参照して、マグネットバー移送ヘッド323がマグネットバー70を移送する動作について詳細に説明する。
【0096】
(S31)マグネットバー移送ヘッド323は、図13(a)に示すように、ピン326A、326Bの先端を、マグネットバー70の凹部73に挿入する。
【0097】
(S32)マグネットバー移送ヘッド323は、図13(b)に示すように、ロッド327Aを下方に伸ばして、マグネットバー70のレバー部74Aの先端を上から押す。これにより、てこの原理により、レバー部74Aの先端が力点、レバー部74Aの勾配下面の軸部75に近い部分Pが支点、レバー部74Aの軸部75が作用点となって、マグネットバー70の本体部71が押し上げられる。そのため、マグネットバー70のマグネット部72の吸着力が弱まる。
【0098】
(S33)マグネットバー移送ヘッド323は、図13(c)に示すように、ロッド327Bを下方に伸ばして、マグネットバー70のレバー部74Bを上から押す。これにより、上記同様、マグネットバー70の本体部71は押し上げられる。そのため、マグネットバー70のマグネット部72の吸着力がさらに弱まる。加えて、S31において、ピン326A、326Bがマグネットバー70の凹部73に挿入されているので、S32、S33の動作を行った場合においても、マグネットバー70がずれたり跳ねたりといったことが発生しない。よって、マグネットバー70を取り外す際に、トレイ30内の部品が飛散しない。
【0099】
(S34)マグネットバー移送ヘッド323は、図13(c)に示すように、凹部73の端に当接するまでピン326A、326Bの間隔を広げる。
【0100】
(S35)マグネットバー移送ヘッド323は、図13(d)に示すように、ピン326A、326Bの間隔を広げたまま上昇する。これにより、マグネットバー移送ヘッド323は、マグネットバー70を持ち上げることができる。
【0101】
(S36)マグネットバー移送ヘッド323は、持ち上げたマグネットバー70を、パレット40上のトレイ30から離れた所定の位置に移送し載置する。
【0102】
<トレイ装着部の構成及び動作>
図14は、トレイ装着部400の構成例を示す模式図である。図15は、トレイ装着部400の構成例を示す要部斜視図である。次に、図14及び図15を参照して、トレイ装着部400の構成及び動作について詳細に説明する。
【0103】
トレイ装着部400は、トレイ移載部410、マグネットバー移動装置420、及び、トレイストック部430を有する。
【0104】
トレイ装着部400は、パレット40に部品を収容したトレイ30を装着する装置である。トレイ装着部400は、XY軸方向に移動自在なXYテーブル411、XYテーブル411に接続し、Z軸方向に移動自在な昇降部412、及び、昇降部412に接続し、トレイ30を移載可能なトレイ移載ヘッド413を有する。
【0105】
マグネットバー移動装置420は、トレイ固定具の一例であり、パレット40のマグネットバー70を移動させる装置である。マグネットバー移動装置420は、XY軸方向に移動自在なXYテーブル421、XYテーブル421に接続し、Z軸方向に移動自在なZテーブル422、及び、Zテーブル422に接続し、マグネットバー70を移送可能なマグネットバー移送ヘッド423を有する。マグネットバー移送ヘッド423は、図12及び図13にて説明したマグネットバー移送ヘッド323と同様の構成であってよい。
【0106】
トレイストック部430は、部品を収納したトレイ30がストックされる装置又は場所である。
【0107】
トレイ装着部400は、例えば、以下の動作を行う。
【0108】
(S41)トレイ装着部400は、図15に示すように、XYテーブル411、昇降部412及びトレイ移載ヘッド413を駆動して、トレイストック部430の部品を収容したトレイ30を、コンベア110で搬送されたパレット40上に移送する。このとき、トレイ装着部400は、図5にて示したように、トレイ30の辺をパレット40のトレイ位置決め片42A、42Bに当接させる。
【0109】
(S42)マグネットバー移動装置420は、図15に示すように、XYテーブル421、Zテーブル422及びマグネットバー移送ヘッド423を駆動して、パレット40からマグネットバー70を取り外す。そのマグネットバー70を、図5に示すように、トレイ30を固定する位置に載置する。これにより、トレイ30は位置決め及び固定される。
【0110】
<パレット登録部及びパレット払出部の構成及び動作>
図16は、パレット登録部500及びパレット払出部600の構成例を示す要部斜視図である。次に、図16を参照して、パレット登録部500及びパレット払出部600について詳細に説明する。
【0111】
パレット登録部500には、リーダー501及びカメラ502が、有線LAN(Local Area Network)又は無線LANを介して接続される。リーダー501は、パレット40の無線タグ44の無線信号を読み取る装置である。また、パレット登録部500は、有線LAN、無線LAN、インターネット、携帯電話網、又は、それらの組み合わせ等の通信ネットワークを通じて、サーバ900と情報を送受信できる。
【0112】
パレット登録部500は、リーダー501を通じて、パレット40の無線タグ44から、当該パレット40のパレット識別情報を読み取る。パレット登録部500は、カメラ502を通じて、パレット40に装着されたトレイ30に付されている二次元コード45が示す部品情報を読み取る。パレット登録部500は、リーダー501を通じて読み取ったパレット識別情報と、カメラ502を通じて読み取った部品情報とを関連付けて、サーバ900へ送信する。サーバ900は、この送信された部品情報とパレット識別情報とを関連付けて記憶部902に登録する。これにより、サーバ900において、パレット40とトレイ30と部品との関係を管理できる。部品情報は、例えば、部品名、メーカー名、製品ロッド番号、部品の寸法及び形状データ、及び/又は、スペック情報である。パレット識別情報は、例えば、パレット40を一意に識別可能なID又はシリアル番号等である。なお、1つのパレット40に複数のトレイ30が装着されてもよい。パレット識別情報を用いることにより、このような複数のトレイ30を装着したパレット40も識別及び管理可能である。
【0113】
パレット払出部600は、パレット移送ロボット601を備える。パレット移送ロボット601は、部品を収納したトレイ装着パレット40をマガジン50に格納する装置である。パレット移送ロボット601は、部品を収納したトレイ装着パレット40の格納先のマガジン50を決定してもよい。例えば、パレット移送ロボット601は、パレット識別情報に応じて、部品を収納したトレイ装着パレット40を、パレット自動倉庫800行きのマガジン50、実装基板製造ライン1A(図1参照)行のマガジン50、又は、実装基板製造ライン1B(図1参照)行のマガジン50のいずれに格納するかを決定する。また、パレット移送ロボット601は、マガジン50を掴み上げて、当該マガジン50の行先に対応するAGV60に載せてもよい。
【0114】
<パレット自動倉庫の構成及び動作>
図17は、パレット自動倉庫800の構成例を示す側面図である。図18は、パレット収納部810の構成例を示す要部斜視図である。図19は、図17に示すパレット自動倉庫800のA矢視図である。すなわち、図19は、図17に示すパレット自動倉庫800を、X軸の正方向に向かって見た図である。図20は、図17に示すパレット引き出し装置823のZX断面図である。次に、図17から図20を参照して、パレット自動倉庫800の構成及び動作を説明する。
【0115】
パレット自動倉庫800は、トレイ30が装着された状態のパレット40(つまりトレイ装着パレット40)を自動的に入庫、保管及び出庫が可能な倉庫である。パレット自動倉庫800は、ベース部801、パレット収納部810、入出庫ステーション840、マガジン搬送装置850、及び、庫内パレット搬送装置820を備える。
【0116】
ベース部801は、パレット自動倉庫800の床面を構成する。
【0117】
パレット収納部810は、トレイ装着パレット40を収納(保管)するための装置である。例えば、図18に示すように、パレット収納部810は、上方に延びる複数の仕切り板811を含んで構成される。互いに隣接する仕切り板811の間の距離Wは、トレイ部品供給装置20のマガジン50の開口幅と同じ寸法であってよい。加えて、仕切り板811には、収納されたトレイ装着パレット40を支持する複数のリブ812が設けられる。これにより、パレット収納部810は、リブ812によって定められる高さ方向の各位置に、トレイ装着パレット40を収納することができる。
【0118】
入出庫ステーション840は、入庫対象のトレイ装着パレット40を引き受けたり、出庫対象のトレイ装着パレット40を引き渡したりするための場所である。例えば、入出庫ステーション840において、ベース部801上にテーブル841が配置される。
【0119】
マガジン搬送装置850は、AGV60と、入出庫ステーション840のテーブル841との間でマガジン50を搬送するための装置である。例えば、図19に示すように、マガジン搬送装置850は、AGV60が移送してきた、入庫対象のトレイ装着パレット40を収納するマガジン50を掴み上げ、入出庫ステーション840のテーブル841上に載置する。マガジン搬送装置850は、入出庫ステーション840のテーブル841上にある、出庫対象のトレイ装着パレット40を収納するマガジン50を掴み上げ、AVG60の上に載置する。
【0120】
なお、図17に示すように、入出庫ステーション840のテーブル841上には、作業者との間で入庫対象又は出庫対象のトレイ装着パレット40をやり取りするための中継用ラック842が固定的に設置されてよい。中継用ラック842は、マガジン50と同様の構成であってよい。例えば、作業者は、入庫対象のトレイ装着パレット40を手動で中継用ラック842に収納する。例えば、作業者は、中継用ラック842に収納された出庫対象のトレイ装着パレット40を手動で取り出す。
【0121】
庫内パレット搬送装置820は、パレット収納部810と入出庫ステーション840との間でトレイ装着パレット40を搬送する装置である。例えば、庫内パレット搬送装置820は、入出庫ステーション840のテーブル841上のマガジン50又は中継用ラック842からトレイ装着パレット40を引き出し、パレット収納部810の空いている位置に収納する。例えば、庫内パレット搬送装置820は、出庫指定されたトレイ装着パレット40をパレット収納部810から引き出し、入出庫ステーション840のテーブル841上のマガジン50又は中継用ラック842に収納する。
【0122】
次に、図17図19及び図20を参照して、庫内パレット搬送装置820の構成について詳しく説明する。
【0123】
庫内パレット搬送装置820は、上レール821、下レール822、パレット引き出し装置823、昇降装置829、及び、水平方向移動装置835を含む。
【0124】
下レール822は、ベース部801上に、パレット収納部810の開口面に沿って(例えば開口面と平行に)設置されてよい。上レール821は、パレット自動倉庫800の天面に、下レール822と平行に設置されてよい。
【0125】
昇降装置829は、パレット引き出し装置823を上下方向に移動(つまり昇降)させる装置である。
【0126】
水平方向移動装置835は、昇降装置829を上レール821及び下レール822に沿って水平方向に移動させる装置である。例えば、昇降装置829は、上レール821及び下レール822に水平移動自在に接続され、水平方向移動装置835の駆動に伴い、上レール821及び下レール822に沿って水平方向に移動する。水平方向移動装置835が昇降装置829を水平方向に移動させ、昇降装置829がパレット引き出し装置823(図19図20参照)を上下方向に移動させることにより、パレット引き出し装置823は、パレット収納部810の任意の位置に移動することができる。
【0127】
パレット引き出し装置823は、図19及び図20に示すように、昇降台824、パレット引き出し昇降部825、パレット引き出し部827、及び、パレット移送用ラック826を備える。
【0128】
昇降台824は、パレット引き出し装置823の底面を構成し、昇降装置829の駆動によって昇降する。
【0129】
パレット引き出し昇降部825は、昇降台824から上方に延び、パレット引き出し部827を上下方向に移動(つまり昇降)させる装置である。
【0130】
パレット移送用ラック826は、入出庫ステーション840とパレット収納部810との間でトレイ装着パレット40を移送するためのラックである。パレット移送用ラック826は、マガジン50と同じ枚数のパレット40を収納可能であってよい。
【0131】
パレット引き出し部827は、入出庫ステーション840のマガジン50又は中継用ラック842からトレイ装着パレット40を引き出して、パレット移送用ラック826に収納する。パレット引き出し部827は、パレット移送用ラック826に収納されたトレイ装着パレット40を押し出して、パレット収納部810に収納する。パレット引き出し部827は、パレット収納部810からトレイ装着パレット40を引き出して、パレット移送用ラック826に収納する。パレット引き出し部827は、パレット移送用ラック826に収納されたトレイ装着パレット40を押し出して、入出庫ステーション840のマガジン50又は中継用ラック842に収納する。
【0132】
パレット引き出し部827は、マガジン50からトレイ装着パレット40を引き出してパレット移送用ラック826に収納する場合、マガジン50の上段から下段の順にトレイ装着パレット40を引き出してよい。パレット引き出し部827は、パレット移送用ラック826からマガジン50にトレイ装着パレット40を押し出す場合、パレット移送用ラック826の下段から上段の順にトレイ装着パレット40を押し出してよい。パレット引き出し部827は、パレット40を牽引するためのパレット牽引具830を備え、当該パレット牽引具830を用いてトレイ装着パレット40を引き出してよい。
【0133】
また、パレット引き出し部827は、リーダー828を備えてよい。リーダー828は、パレット引き出し部827がトレイ装着パレット40を引き出し又は押し出す際に、パレット40の無線タグ44からパレット識別情報を読み取ってよい。これにより、入庫又は出庫されるトレイ装着パレット40のパレット識別情報を認識することができる。
【0134】
なお、上述した、マガジン搬送装置850、庫内パレット搬送装置820、及び、パレット引き出し装置823等の動作は、自動倉庫制御部870によって制御されてよい。自動倉庫制御部870は、所定の制御装置として、パレット自動倉庫800内の所定の位置に備えられてよい。ただし、自動倉庫制御部870は、パレット自動倉庫800の内部に備えられる場合に限らず、パレット自動倉庫800の外部に備えられてもよい。
【0135】
<トレイ部品管理システムのシステム構成>
図21は、トレイ部品管理システムのシステム構成例を示すブロック図である。
【0136】
トレイ部品管理システムは、サーバ900、作業指示部81、パレット自動倉庫800、トレイ処理装置100、及び、登録装置1000を含んで構成されてよい。
【0137】
<<サーバ>>
サーバ900は、少なくとも制御部901及び記憶部902を備える。制御部901は、プロセッサ又はCPU(Central Processing Unit)といった他の用語に読み替えられてよい。記憶部902は、メモリといった他の用語に読み替えられてよい。記憶部902は、ROM(Real-Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)によって構成されてよい。また、記憶部902は、さらに不揮発性記憶媒体の一例であるストレージ(例えばフラッシュメモリ又はHDD(Hard Disk Drive))を含んで構成されてよい。制御部901は、記憶部902と協調動作してプログラムを実行することにより、本実施の形態に示す処理を実現してよい。
【0138】
記憶部902には、パレット登録情報903、パレット所在情報904、及び、部品所在情報905が記憶される。
【0139】
パレット登録情報903は、パレット識別情報と部品情報とを関連付ける情報である。すなわち、パレット登録情報903は、パレット自動倉庫800に保管されているトレイ装着パレット40について、いずれのパレット40に、いずれの部品を収納したトレイ30が装着されているかを示す情報である。
【0140】
パレット所在情報904は、パレット識別情報とアドレス情報とを関連付ける情報である。アドレス情報は、パレット収納部810の棚の位置を示す情報である。すなわち、パレット所在情報904は、パレット収納部810のいずれの棚に、いずれのパレット40が収納されているかを示す情報である。
【0141】
部品所在情報905は、部品情報とアドレス情報とを関連付ける情報である。すなわち、部品所在情報905は、パレット収納部810のいずれの棚に、いずれの部品が収納されているかを示す情報である。なお、部品所在情報905は、パレット登録情報903とパレット所在情報904とに基づいて作成することができるので、サーバ900は、部品所在情報905を保持しなくてもよい。
【0142】
<<作業指示部>>
作業指示部81は、パレット自動倉庫800に対して、トレイ装着パレット40の収納(入庫)の指示又は払い出し(出庫)の指示を行うための装置である。当該指示は、作業者から行われてもよいし、作業指示部81によって自動的に行われてもよい。払い出しが指示される場面の一例として、部品の残数による部品補充、又は、生産計画に基づく準備が挙げられる。収納が指示される場面の一例として、トレイ処理装置100からのリクエストが挙げられる。
【0143】
<<パレット自動倉庫>>
パレット自動倉庫800は、マガジン搬送装置850、庫内パレット搬送装置820、操作入力部860、リーダー828、及び、自動倉庫制御部870を備えてよい。
【0144】
マガジン搬送装置850及び庫内パレット搬送装置820は、図17から図20にて説明した通りである。
【0145】
操作入力部860は、パレット自動倉庫800に対する操作又は入力を受け付ける装置である。操作入力部860の例として、タッチパネル、バーコードリーダー、又は、無線リーダー等が挙げられる。例えば、作業者は、操作入力部860を操作して、パレット自動倉庫800に対して、トレイ装着パレット40の収納作業(入庫作業)又は払い出し作業(出庫作業)を要求することができる。
【0146】
リーダー828は、図20に示すように、パレット引き出し部827に備えられ、パレット40の無線タグ44を読み取る。リーダー828は、無線タグ44から読み取ったパレット識別情報を、自動倉庫制御部870に送信してよい。
【0147】
自動倉庫制御部870は、パレット自動倉庫800を制御する制御装置であってよい。自動倉庫制御部870の処理は、当該装置が備えるプロセッサ及びメモリ等が協調動作することによって実現されてよい。自動倉庫制御部870は、収納処理部871、払い出し処理部872、及び、情報更新部873を含む。
【0148】
収納処理部871は、作業指示部81から収納の指示を受けた場合、庫内パレット搬送装置820の動作を制御して、パレット収納部810の空いている棚にトレイ装着パレット40を収納する。
【0149】
払い出し処理部872は、作業指示部81から払い出しの指示を受けた場合、庫内パレット搬送装置820を制御して、パレット収納部810からトレイ装着パレット40を払い出す。例えば、払い出し処理部872は、払い出しの指示に含まれるパレット識別情報をサーバ900に送信し、サーバ900から、パレット所在情報904によって当該パレット識別情報に関連付けられているアドレス情報を受信する。そして、払い出し処理部872は、庫内パレット搬送装置820を制御して、受信したアドレス情報が示すパレット収納部810の棚からトレイ装着パレット40を払い出す。
【0150】
情報更新部873は、収納作業又は払い出し作業に応じて、サーバ900の記憶部902のパレット所在情報904を更新する。例えば、情報更新部873は、収納作業においてトレイ装着パレット40がパレット収納部810の棚に収納された場合、当該トレイ装着パレット40のパレット識別情報と当該棚のアドレス情報とを関連付けたパレット所在情報904を、サーバ900の記憶部902に登録する。例えば、情報更新部873は、払い出し作業においてパレット収納部810の棚からトレイ装着パレット40が払い出された場合、当該トレイ装着パレット40のパレット識別情報と当該棚のアドレス情報とを関連付けたパレット所在情報904を、サーバ900の記憶部902から削除する。
【0151】
<<トレイ処理装置>>
トレイ処理装置100は、パレット登録部500、リーダー501、及び、カメラ502を備える。
【0152】
図16にて説明したように、パレット登録部500は、リーダー501を通じてパレット40の無線タグ44から読み取ったパレット識別情報と、カメラ502を通じてトレイ30の二次元コード45から読み取った部品情報とを関連付けてパレット登録情報903を生成し、サーバ900の記憶部902に登録してよい。
【0153】
<<登録装置>>
登録装置1000は、例えば、工場フロアの準備エリア83に設置され、作業者が手動でパレット登録情報903をサーバ900の記憶部902に登録する場合に用いられる。登録装置1000は、パレット登録部1001、及び、入力部1002を備える。
【0154】
入力部1002は、例えば、トレイ30の二次元コード45とパレット40の無線タグ44の双方を読み取ることができる装置である。
【0155】
パレット登録部1001は、作業者が入力部1002を通じて、パレット40の無線タグ44から読み取ったパレット識別情報と、トレイ30の二次元コード45ドから読み取った部品情報とを関連付けてパレット登録情報903を生成し、サーバ900の記憶部902に登録してよい。
【0156】
なお、入力部1002は、キーボードであってもよい。この場合、作業者は、キーボードを操作して、パレット40のパレット識別情報と、トレイ30の部品情報とを入力し、パレット登録部1001は、入力されたパレット識別情報と部品情報とを関連付けてパレット登録情報903を生成し、サーバ900の記憶部902に登録してよい。
【0157】
<パレット自動倉庫の変形例>
図22は、パレット自動倉庫800の構成の変形例を示す平面図である。
【0158】
図22に示すように、変形例に係るパレット自動倉庫800は、上方に延びる角柱の筐体を備え、当該筐体内にパレット収納部810、入出庫ステーション840、旋回装置831、昇降装置829、及び、パレット引き出し装置823を備えてよい。
【0159】
パレット収納部810は、筐体の各内壁面に沿って配置される。入出庫ステーション840は、筐体の角柱の1つの側面に配置される。旋回装置831は、筐体の底面の中央に配置され、底面と略平行に旋回可能である。昇降装置829は、旋回装置831に固定され、上方に延出する。昇降装置829にはパレット引き出し装置823が接続されており、昇降装置829は、パレット引き出し装置823を昇降させることができる。
【0160】
自動倉庫制御部870は、旋回装置831を回転させ、昇降装置829にてパレット引き出し装置823を昇降させることにより、パレット引き出し装置823を、所望のパレット収納部810の位置に移動させたり、入出庫ステーション840の位置に移動させたりすることができる。よって、図22に示すパレット自動倉庫800の構成によっても、パレット収納部810の棚にトレイ装着パレット40を収納したり、パレット収納部810の棚からトレイ装着パレット40を引き出したりすることができる。
【0161】
<本開示のまとめ>
本開示の内容は、以下のように表現することができる。
【0162】
(表現1)
パレット自動倉庫(パレット保管装置)800は、部品を基板13に搭載する部品搭載装置5の部品取り出し位置に部品を収納したトレイ30を供給するために用いられるパレット40を、トレイ30を装着した状態にて収納可能なパレット収納部810と、トレイ30を装着した状態のパレット40であるトレイ装着パレット40の出し入れを行う入出庫ステーション840と、入出庫ステーション840に載置されたトレイ装着パレット40をパレット収納部810へ搬送する、又は、パレット収納部810からトレイ装着パレット40を取り出して入出庫ステーション840へ搬送する庫内パレット搬送装置(パレット搬送部)820と、を備える。
これにより、部品を収納したトレイを装着した状態のパレット(つまりトレイ装着パレット40)を自動的に入庫、保管及び出庫できるので、部品搭載装置5への部品補給作業を効率よく行うことができる。また、部品搭載装置5で使われなかった部品を収納したトレイ30もパレット40に装着した状態で保管できるので、パレット40からトレイ30を取り外す作業が不要となる。
【0163】
(表現2)
表現1の記載において、庫内パレット搬送装置820は、パレット収納部810からトレイ装着パレット40を引き出すパレット引き出し装置823、を備えてよい。
これにより、パレット収納部810からトレイ装着パレット40を自動的に引き出すことができる。
【0164】
(表現3)
表現3の記載において、庫内パレット搬送装置820は、パレット引き出し装置823がパレット収納部810から引き出したトレイ装着パレット40を複数収納可能なパレット移送用ラック826、をさらに備えてよい。
これにより、庫内パレット搬送装置820は、複数のトレイ装着パレット40をまとめて搬送することができる。
【0165】
(表現4)
表現3の記載において、庫内パレット搬送装置820は、パレット引き出し装置823及びパレット移送用ラック826を昇降させる昇降装置829と、パレット引き出し装置823及びパレット移送用ラック826を水平方向に移動させる水平方向移動装置835と、をさらに備えてよい。
これにより、庫内パレット搬送装置820は、上下方向及び水平方向に自在に移動することができる。
【0166】
(表現5)
表現2から4のいずれか1つの記載において、パレット40は、当該パレット40の識別情報であるパレット識別情報を記憶した無線タグ44を備え、パレット引き出し装置823は、引き出すトレイ装着パレット40の無線タグ44からパレット識別情報を読み取り可能なリーダー(読み取り装置)828を備えてよい。
これにより、パレット引き出し装置823によって引き出されたトレイ装着パレット40のパレット識別情報を認識することができる。
【0167】
(表現6)
表現5の記載において、リーダー828によって読み取られたトレイ装着パレット40のパレット識別情報と、庫内パレット搬送装置820によってトレイ装着パレット40が収納されたパレット収納部810のアドレスを示すアドレス情報と、を関連付けたパレット所在情報904を、所定の記憶部902に登録する情報更新部873、をさらに備えてよい。
これにより、パレット所在情報904により、どのトレイ装着パレット40がどのパレット収納部810に収納されているかを認識することができる。
【0168】
(表現7)
表現6の記載において、トレイ装着パレット40のパレット識別情報と、トレイ装着パレット40が装着するトレイ30の部品を示す部品情報とが関連付けられているパレット登録情報903を参照して、払い出し指示された部品情報に関連付けられているパレット識別情報を特定し、パレット所在情報904を参照して、特定したパレット識別情報に関連付けられているアドレス情報を特定し、庫内パレット搬送装置820を制御して、特定したアドレス情報が示すパレット収納部810の位置からトレイ装着パレット40を払い出す払い出し処理部872、をさらに備えてよい。
これにより、指定された部品情報が示す部品を保持するトレイ装着パレット40を、パレット収納部810から払い出すことができる。
【0169】
(表現8)
表現7の記載において、情報更新部873は、払い出し処理部872によって払い出されたトレイ装着パレット40に関するパレット所在情報904を、記憶部902から削除してよい。
これにより、払い出されたトレイ装着パレット40のパレット所在情報904を記憶部902から削除することができる。
【0170】
(表現9)
表現5の記載において、トレイ装着パレット40のパレット識別情報と、トレイ装着パレット40が装着するトレイ30の部品を示す部品情報とが関連付けられているパレット登録情報903を参照して、リーダー828によって読み取られたパレット識別情報に関連付けられている部品情報を特定し、特定した部品情報と、庫内パレット搬送装置820によってトレイ装着パレット40が収納されたパレット収納部810のアドレスを示すアドレス情報と、を関連付けた部品所在情報905を、所定の記憶部902に登録する情報更新部873、をさらに備えてよい。
これにより、部品所在情報905により、どの部品を保持するトレイ装着パレット40がどのパレット収納部810に収納されているかを認識することができる。
【0171】
(表現10)
表現9の記載において、払い出し指示された部品情報に関連付けられているアドレス情報を部品所在情報905に基づいて特定し、庫内パレット搬送装置820を制御して、特定したアドレス情報が示すパレット収納部810の位置からトレイ装着パレット40を払い出す払い出し処理部872、をさらに備えてよい。
これにより、指定された部品情報が示す部品を保持するトレイ装着パレット40を、パレット収納部810から払い出すことができる。
【0172】
(表現11)
表現10の記載において、情報更新部873は、払い出し処理部872によって払い出されたトレイ装着パレット40に関する部品所在情報905を、記憶部902から削除してよい。
これにより、払い出されたトレイ装着パレット40の部品所在情報905を記憶部902から削除することができる。
【0173】
(表現12)
トレイ部品管理システムは、パレット40に装着されたトレイ30に収納された部品を基板13に搭載する部品搭載装置5と、トレイ30を装着した状態のパレット40であるトレイ装着パレット40を保管するパレット自動倉庫(パレット保管装置)800と、トレイ30の部品を示す部品情報と、部品を収納したトレイ30を装着したトレイ装着パレット40のパレット自動倉庫800内の収納場所を示すアドレス情報と、を関連付けた部品所在情報905を管理するサーバ900と、を備える。
これにより、パレット自動倉庫800におけるトレイ装着パレット40の収納場所を管理することができる。よって、必要に応じてトレイ装着パレット40をパレット自動倉庫800から入庫及び出庫できるので、部品搭載装置5への部品補給作業を効率よく行うことができる。また、部品搭載装置5で使われなかった部品を収納したトレイ30もパレット40に装着した状態で保管できるので、パレット40からトレイ30を取り外す作業が不要となる。
【0174】
(表現13)
表現12の記載において、パレット自動倉庫800からトレイ装着パレット40を搬出して部品搭載装置5へ搬入する、又は、部品搭載装置5からトレイ装着パレット40を搬出してパレット自動倉庫800に搬入するAGV(搬送車)60、をさらに備えてよい。 これにより、AGV60を用いて、自動的にトレイ装着パレット40をパレット自動倉庫800から入庫及び出庫できるので、部品搭載装置5への部品補給作業を効率よく行うことができる。
【0175】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0176】
なお、本出願は、2021年3月15日出願の日本特許出願(特願2021-041373)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
【産業上の利用可能性】
【0177】
本開示の技術は、基板製造の効率化に有用である。
【符号の説明】
【0178】
1 実装基板製造ライン
2 基板供給装置
3 はんだ印刷装置
4 はんだ検査装置
5 部品搭載装置
6 部品搭載検査装置
7 リフロー装置
8 はんだ付け検査装置
9 実装基板回収装置
10 部品搭載装置本体部
11 基板搬送部
12 部品装着ヘッド
13 基板
20 トレイ部品供給装置
21 パレット移動装置
30 トレイ
31 凹部
40 パレット
41 パレット本体部
42A、42B トレイ位置決め片
43 係合部
44 無線タグ
45 二次元コード
50 マガジン
51 支持レール
52 底板
53 天板
54A 左側板
54B 右側板
60 AGV
61 フィーダ台車
70 マグネットバー
71 本体部
72 マグネット部
73 凹部
74A、74B レバー部
75 軸部
80 管制室
81 作業指示部
82 AGV運行管理装置
83 準備エリア
84 基板ストック部
85 テーピング部品ストック部
86 トレイ部品ストック部
100 トレイ処理装置
110、111 コンベア
200 パレット回収部
210 マガジン搬送装置
211 XYテーブル
212 エンドエフェクタ
220 パレット回収ステージ
230 駆動部
240 パレット押出装置
241 プッシャー
300 トレイ取り外し部
310 トレイ除去部
311 XYテーブル
312 昇降部
313 トレイ吸着ヘッド
320 マグネットバー除去装置
321 XYテーブル
322 Zテーブル
323 マグネットバー移送ヘッド
324 保持部
325A、325B レバー操作部
326A、326B ピン
327A、327B ロッド
330 トレイ回収部
400 トレイ装着部
410 トレイ移載部
411 XYテーブル
412 昇降部
413 トレイ移載ヘッド
420 マグネットバー移動装置
421 XYテーブル
422 Zテーブル
423 マグネットバー移送ヘッド
430 トレイストック部
500 パレット登録部
501 リーダー
502 カメラ
600 パレット払出部
601 パレット移送ロボット
700 パレット保管部
701 ストック棚
702 パレット搬送ロボット
800 パレット自動倉庫
801 ベース部
810 パレット収納部
811 仕切り板
812 リブ
820 庫内パレット搬送装置
821 上レール
822 下レール
823 パレット引き出し装置
824 昇降台
825 パレット引き出し昇降部
826 パレット移送用ラック
827 パレット引き出し部
828 リーダー
829 昇降装置
830 パレット牽引具
831 旋回装置
835 水平方向移動装置
840 入出庫ステーション
841 テーブル
842 中継用ラック
850 マガジン搬送装置
860 操作入力部
870 自動倉庫制御部
871 収納処理部
872 払い出し処理部
873 情報更新部
900 サーバ
901 制御部
902 記憶部
903 パレット登録情報
904 パレット所在情報
905 部品所在情報
1000 登録装置
1001 パレット登録部
1002 入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22