IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ダイフクの特許一覧

<>
  • 特開-パレタイズシステム 図1
  • 特開-パレタイズシステム 図2
  • 特開-パレタイズシステム 図3
  • 特開-パレタイズシステム 図4
  • 特開-パレタイズシステム 図5
  • 特開-パレタイズシステム 図6
  • 特開-パレタイズシステム 図7
  • 特開-パレタイズシステム 図8
  • 特開-パレタイズシステム 図9
  • 特開-パレタイズシステム 図10
  • 特開-パレタイズシステム 図11
  • 特開-パレタイズシステム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173987
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】パレタイズシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 57/03 20060101AFI20241206BHJP
   B65G 57/04 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
B65G57/03 G
B65G57/04
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024165230
(22)【出願日】2024-09-24
(62)【分割の表示】P 2021194191の分割
【原出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】福本 和彦
(72)【発明者】
【氏名】味生 淳
(72)【発明者】
【氏名】石田 茂人
(57)【要約】
【課題】1つのパレットの積付面に設定された複数の区画に物品を積み付ける場合に、荷崩れの起こし難さも考慮して、自動的に、各区画において物品が適切に配置されるように積み付ける。
【解決手段】制御装置は、第2のオーダー物品群Goの積付処理において、区画数判定処理により判定された収容区画数Nが、空区画の数Mより多い場合、パレタイズエリアA2にあるパレットPを搬出して新たなパレットPをパレタイズエリアA2に供給するようにパレット搬出装置3及びパレット供給装置2を制御するパレット入替処理を実行する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一種類の複数の物品からなる単一物品群をピッキングエリアに供給する物品群供給装置と、
パレタイズエリアにパレットを供給するパレット供給装置と、
前記パレタイズエリアから前記パレットを搬出するパレット搬出装置と、
前記ピッキングエリアと前記パレタイズエリアとの間で前記物品を移載する移載装置と、
前記物品群供給装置、前記パレット供給装置、前記パレット搬出装置、及び、前記移載装置を制御する制御装置と、を備えたパレタイズシステムであって、
前記制御装置は、前記パレタイズエリアにある前記パレットに積み付ける前記物品の種類及び数を指定したオーダー情報を受け取り、前記オーダー情報により指定された種類及び数の前記物品をオーダー物品群として、前記オーダー物品群を前記パレットに積み付ける積付処理を実行可能であり、
前記パレットの積付面に複数の区画が設定されると共に、前記積付面上に積み付け可能な前記物品の高さの上限である制限高さが設定され、
前記制御装置は、前記積付処理において、
前記積付面上に前記制限高さ以下となるように前記オーダー物品群を積み付けた場合の平面視の領域である物品群占有領域を判定する占有領域判定処理と、
前記物品群占有領域が収まる前記区画の数である収容区画数N(Nは自然数)を判定する区画数判定処理と、
前記区画数判定処理により判定された前記収容区画数Nに応じて、前記オーダー物品群を積み付ける前記区画である積付区画を決定する積付区画決定処理と、
前記ピッキングエリアにある前記単一物品群から前記オーダー物品群に係る前記物品を取り出して、前記積付区画に前記オーダー物品群を積み付けるように前記移載装置を制御する移載処理と、を実行するように構成され、
前記制御装置は、第1のオーダー情報に基づいて第1のオーダー物品群の前記積付処理が完了した後、前記積付面に前記物品が積み付けられていない前記区画である空区画が残っている場合、第2のオーダー情報に基づいて第2のオーダー物品群の前記積付処理を実行し、
前記制御装置は、前記第2のオーダー物品群の前記積付処理において、前記区画数判定処理により判定された前記収容区画数Nが、前記空区画の数より多い場合、前記パレタイズエリアにある前記パレットを搬出して新たな前記パレットを前記パレタイズエリアに供給するように前記パレット搬出装置及び前記パレット供給装置を制御するパレット入替処理を実行する、パレタイズシステム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記移載処理において前記積付区画に前記オーダー物品群を積み付けることができなかった場合には、前記オーダー物品群を構成する前記物品のうちの前記積付区画に積み付けることができなかった前記物品についての前記物品群占有領域を判定する占有領域再判定処理を実行した後、前記占有領域再判定処理により判定された前記物品群占有領域が収まる前記収容区画数Nを判定する区画数再判定処理を実行し、
前記制御装置は、
前記区画数再判定処理により判定された前記収容区画数Nが、前記パレタイズエリアにある前記パレットの前記空区画の数以下である場合には、前記区画数再判定処理により判定された前記収容区画数Nに応じて、前記積付区画決定処理を実行すると共に前記移載処理を実行し、
前記区画数再判定処理により判定された前記収容区画数Nが、前記パレタイズエリアにある前記パレットの前記空区画の数より多い場合には、エラー情報を報知する、請求項1に記載のパレタイズシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記移載処理において前記積付区画に前記オーダー物品群を積み付けることができなかった場合には、前記オーダー物品群を構成する前記物品のうちの前記積付区画に積み付けることができなかった前記物品についての前記物品群占有領域を判定する占有領域再判定処理を実行した後、前記占有領域再判定処理により判定された前記物品群占有領域が収まる前記収容区画数Nを判定する区画数再判定処理を実行し、
前記制御装置は、
前記区画数再判定処理により判定された前記収容区画数Nが、前記パレタイズエリアにある前記パレットの前記空区画の数以下である場合には、前記区画数再判定処理により判定された前記収容区画数Nに応じて、前記積付区画決定処理を実行すると共に前記移載処理を実行し、
前記区画数再判定処理により判定された前記収容区画数Nが、前記パレタイズエリアにある前記パレットの前記空区画の数より多い場合には、前記オーダー物品群を構成する前記物品のうち、既に前記積付区画に積み付けられた前記物品を前記積付区画から取り出し、その後、前記パレット入替処理を実行すると共に、前記パレット入替処理により前記パレタイズエリアに供給された新たな前記パレットに、前記積付区画から取り出した前記物品を含む前記オーダー物品群を構成する全ての前記物品を積み付ける積替処理を実行する、請求項1に記載のパレタイズシステム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記積付区画決定処理において、前記積付区画を平面視で矩形状となるように決定する、請求項1から3のいずれか一項に記載のパレタイズシステム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記物品群占有領域が同じであるという条件を満たしつつ、前記オーダー物品群の最高部の高さが最も低くなるように前記移載処理を実行する、請求項1から4のいずれか一項に記載のパレタイズシステム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記物品の形状および寸法が予め登録されたマスタ情報を参照して前記占有領域判定処理を実行するように構成され、
前記制御装置は、予め定められた条件に適合する場合には、当該単一物品群を構成する前記物品の形状および寸法を計測する計測処理を行い、前記マスタ情報を更新する、請求項1から5のいずれか一項に記載のパレタイズシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレタイズシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許第2947834号公報(特許文献1)には、物品をパレットに積み付ける、いわゆるパレタイズに関する技術が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示される符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1には、表示器(30)に表示された物品の種類及び数に従って、作業者(M)が、複数に区画されたパレット(40)の積付面に物品を積み付けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2947834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年では、パレタイズの自動化へのニーズがある。しかしながら、ロボットなどを用いて自動的にパレタイズを行う場合には、作業者が行う場合に比べて、臨機応変な対応を行うことが難しい。そのため、1つのパレットの積付面に設定された複数の区画に物品を積み付ける場合に、荷崩れの起こし難さも考慮して、自動的に、各区画において物品が適切に配置されるように積み付けることは容易ではなかった。
【0006】
上記実状に鑑みて、1つのパレットの積付面に設定された複数の区画に物品を積み付ける場合に、荷崩れの起こし難さも考慮して、自動的に、各区画において物品が適切に配置されるように積み付けることができるパレタイズシステムの実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
単一種類の複数の物品からなる単一物品群をピッキングエリアに供給する物品群供給装置と、
パレタイズエリアにパレットを供給するパレット供給装置と、
前記パレタイズエリアから前記パレットを搬出するパレット搬出装置と、
前記ピッキングエリアと前記パレタイズエリアとの間で前記物品を移載する移載装置と、
前記物品群供給装置、前記パレット供給装置、前記パレット搬出装置、及び、前記移載装置を制御する制御装置と、を備えたパレタイズシステムであって、
前記制御装置は、前記パレタイズエリアにある前記パレットに積み付ける前記物品の種類及び数を指定したオーダー情報を受け取り、前記オーダー情報により指定された種類及び数の前記物品をオーダー物品群として、前記オーダー物品群を前記パレットに積み付ける積付処理を実行可能であり、
前記パレットの積付面に複数の区画が設定されると共に、前記積付面上に積み付け可能な前記物品の高さの上限である制限高さが設定され、
前記制御装置は、前記積付処理において、
前記積付面上に前記制限高さ以下となるように前記オーダー物品群を積み付けた場合の平面視の領域である物品群占有領域を判定する占有領域判定処理と、
前記物品群占有領域が収まる前記区画の数である収容区画数N(Nは自然数)を判定
する区画数判定処理と、
前記区画数判定処理により判定された前記収容区画数Nに応じて、前記オーダー物品群を積み付ける前記区画である積付区画を決定する積付区画決定処理と、
前記ピッキングエリアにある前記単一物品群から前記オーダー物品群に係る前記物品を取り出して、前記積付区画に前記オーダー物品群を積み付けるように前記移載装置を制御する移載処理と、を実行するように構成され、
前記制御装置は、第1のオーダー情報に基づいて第1のオーダー物品群の前記積付処理が完了した後、前記積付面に前記物品が積み付けられていない前記区画である空区画が残っている場合、第2のオーダー情報に基づいて第2のオーダー物品群の前記積付処理を実行し、
前記制御装置は、前記第2のオーダー物品群の前記積付処理において、前記区画数判定処理により判定された前記収容区画数Nが、前記空区画の数より多い場合、前記パレタイズエリアにある前記パレットを搬出して新たな前記パレットを前記パレタイズエリアに供給するように前記パレット搬出装置及び前記パレット供給装置を制御するパレット入替処理を実行する。
【0008】
本構成によれば、オーダー情報に係るオーダー物品群と、パレットの積付面の状態とに応じて、自動でパレットの積付面に設定された複数の区画に対して適切に物品を積み付けることができる。また、積付処理では、積付面上に物品を積み付け可能な制限高さの範囲内で物品を積み付けるので、積み付け後のパレット上での荷崩れを回避し易い。さらに、本構成によれば、1つのオーダー情報に係るオーダー物品群を同じパレットに積み付けできるか否かを自動的に判断して、積み付け可能である場合には積み付けを実行する。積み付け不可能である場合にはパレット入替え処理を実行して新たなパレットをパレタイズエリアに供給する。これにより、1つのオーダー情報に係るオーダー物品群を同じパレットに積み付けることができる。以上のように、本構成によれば、1つのパレットの積付面に設定された複数の区画に物品を積み付ける場合に、荷崩れの起こし難さも考慮して、自動的に、各区画において物品が適切に配置されるように、当該物品を積み付けることが可能となる。
【0009】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】パレタイズシステムの概略平面図
図2】混載パレットを作成する様子を示す説明図
図3】積付処理の説明図
図4】マスタ情報を作成する場合の説明図
図5】第2のオーダー物品群を積み付け可能と判断した場合の処理を示す説明図
図6】第2のオーダー物品群を積み付け不可能と判断した場合の処理を示す説明図
図7】積付処理の処理手順を示すフローチャート
図8】空区画の有無に応じた処理手順を示すフローチャート
図9】第2の積付処理の処理手順を示すフローチャート
図10】区画数再判定処理とその後の処理を示す説明図
図11】区画数再判定処理とその後の処理を示す説明図
図12】第2実施形態における積替処理を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
パレタイズシステムは、物品をパレットに積み付ける、いわゆるパレタイズを行うためのシステムである。パレタイズシステムでは、自動でパレタイズが行われる。以下、パレタイズシステムが、パレットを用いて物品を搬送する物品搬送設備に適用される場合を例
示して、パレタイズシステムの実施形態について説明する。
【0012】
〔第1実施形態〕
まず、パレタイズシステムの第1実施形態について説明する。
【0013】
図1に示すように、パレタイズシステム100は、単一種類の複数の物品Wからなる単一物品群GsをピッキングエリアA1に供給する物品群供給装置1と、パレタイズエリアA2にパレットPを供給するパレット供給装置2と、パレタイズエリアA2からパレットPを搬出するパレット搬出装置3と、ピッキングエリアA1とパレタイズエリアA2との間で物品Wを移載する移載装置4と、物品群供給装置1、パレット供給装置2、パレット搬出装置3、及び、移載装置4を制御する制御装置Cと、を備えている。本明細書では、単一種類の複数の物品Wからなるものだけでなく、単数の物品Wからなるものも単一物品群Gsとする。本実施形態では、物品群供給装置1は、単一物品群Gsが載置されたパレットPをピッキングエリアA1に供給する。パレタイズシステム100では、ピッキングエリアA1にある単一物品群Gsから複数又は単数の物品Wを取り出し(ピッキング)、当該ピッキングした複数又は単数の物品Wを、パレタイズエリアA2にあるパレットPに積み付ける(パレタイズ)。本実施形態に係るパレタイズシステム100は、ピッキングエリアA1に供給される単一物品群Gsを待機させておく待機エリアA3を更に備えている。
【0014】
本実施形態では、パレタイズシステム100は、複数の物品Wを種類毎にまとめて保管する第1保管部S1と、複数種類の物品Wを混在した状態で保管する第2保管部S2と、物品Wが載置されていない空のパレットPを保管する空パレット保管部S3と、を備えている。第1保管部S1には、互いに形状や大きさ等の種類が異なる物品α、物品β、物品γ…が、種類毎にまとめて保管されている。第2保管部S2には、物品α、物品β、物品γ…が、混在した状態で保管されている。空パレット保管部S3には、複数の空のパレットPが積まれた状態で保管されている。なお、以下では、物品Wを種類毎に区別する場合には、物品Wを、物品α、物品β、物品γ…と称する場合がある。種類毎に特に区別しない場合には、単に物品Wと称する場合がある。
【0015】
本実施形態では、物品群供給装置1は、コンベヤを用いて構成されている。物品群供給装置1は、単一物品群GsがピッキングエリアA1に供給されるまでの経路である物品群供給路R1を構成している。本例では、物品群供給路R1は、第1保管部S1からピッキングエリアA1までを繋ぐ経路の少なくとも一部を構成している。図示の例では、上述の待機エリアA3は、物品群供給路R1の一部に配置されている。
【0016】
本実施形態では、パレット供給装置2は、コンベヤを用いて構成されている。パレット供給装置2は、空のパレットPがパレタイズエリアA2に供給されるまでの経路であるパレット供給路R2を構成している。本例では、パレット供給装置2は、空パレット保管部S3からパレタイズエリアA2までを繋ぐ経路の少なくとも一部を構成している。
【0017】
本実施形態では、パレット搬出装置3は、コンベヤを用いて構成されている。パレット搬出装置3は、パレタイズ後のパレットPが搬出される経路であるパレット搬出路R3を構成している。「パレタイズ後のパレットP」は、パレタイズによって複数種類の物品Wが載置されたパレットPである。パレタイズシステム100では、パレタイズによって、1つのパレットPに複数種類の物品Wが載置された混載パレットPを作成する。本例では、パレタイズ後の混載パレットPは、パレット搬出路R3を経由して、第2保管部S2へ搬送される。
【0018】
本実施形態では、パレット搬出路R3は、パレタイズ後の混載パレットPが搬出される
経路に加えて、ピッキング後のパレットPが搬出される経路も兼ねている。図示の例では、パレット搬出路R3は、パレタイズエリアA2から延在するように形成されており、当該パレット搬出路R3の一部に、ピッキングエリアA1が配置されている。「ピッキング後のパレットP」は、ピッキングによって、ピッキング前に比べて数が減った単一種類の物品W(単一物品群Gs)が載置されたパレットP、或いは、何も物品Wが載置されていないパレットPである。本例では、単一物品群Gsが載置されたピッキング後のパレットPは、パレット搬出路R3を経由して、第1保管部S1へ搬送される。なお、詳細な図示は省略するが、何も物品Wが載置されていないピッキング後の空パレットPは、パレット搬出路R3を経由して、空パレット保管部S3へ搬送されると良い。
【0019】
移載装置4は、ピッキングエリアA1とパレタイズエリアA2との間で物品Wを移載するように構成されている。本実施形態では、移載装置4は、パレットP間で物品Wを移載する。具体的には、ピッキングエリアA1に配置されたパレットPからパレタイズエリアA2に配置されたパレットPに物品Wを移載する。本実施形態では、移載装置4は、上下軸心まわりに旋回自在なアーム40と、アーム40に取り付けられた保持部41と、を備えている。
【0020】
本実施形態では、アーム40は、多関節構造となっており、保持部41を3次元的に移動させることが可能に構成されている。保持部41は、物品Wを保持可能に構成されている。本例では、保持部41は、物品Wの上面に吸着することで、当該物品Wを保持するように構成されている。これにより、パレットP上で隙間無く並べられている複数の物品Wから、任意に選んだ1つの物品Wを適切に保持可能となっている。但し、保持部41は、例えば物品Wを挟持すること等により、当該物品Wを保持するように構成されていても良い。
【0021】
本実施形態では、移載装置4は、ピッキングエリアA1にあるパレットP、及び、パレタイズエリアA2にあるパレットPの状態を認識するための認識部42を備えている。移載装置4は、認識部42によって、ピッキングエリアA1にあるパレットPに載置された物品Wの数、形状、或いは、物品Wの有無などを認識するように構成されている。同様に、移載装置4は、認識部42によって、パレタイズエリアA2にあるパレットPに載置された物品Wの数、形状、或いは、物品Wの有無などを認識するように構成されている。本例では、認識部42は、カメラを用いて構成されており、移載装置4は、カメラにより撮像された画像に基づいて、ピッキングエリアA1にあるパレットP、及び、パレタイズエリアA2にあるパレットPの状態を認識し、ピッキングエリアA1とパレタイズエリアA2との間での物品Wの移載を行う。
【0022】
制御装置Cは、パレタイズエリアA2にあるパレットPに積み付ける物品Wの種類及び数を指定したオーダー情報を受け取り、オーダー情報により指定された種類及び数の物品Wをオーダー物品群Goとして、オーダー物品群GoをパレットPに積み付ける積付処理を実行可能に構成されている。
【0023】
オーダー情報は、単一種類の物品Wに関する情報であり、「物品種類:個数」で示される。オーダー情報は、システム全体を統括して管理する統括制御装置(不図示)によって、制御装置Cに送信される。例えば第2保管部S2において混載パレットPを補充する必要が生じた場合に、統括制御装置は、複数のオーダー情報を作成して、当該複数のオーダー情報を1つずつ制御装置Cに送信する。
【0024】
本実施形態では、補充要求のあった混載パレットPを作成するために必要な複数種類の物品Wが、複数の単一物品群Gs毎に、物品群供給装置1によって順不同で供給される。すなわち、ピッキングエリアA1への単一物品群Gsの供給順序は任意でよく、例えば、
第1保管部S1からの出庫順に単一物品群GsがピッキングエリアA1に供給される。本実施形態では、単一物品群Gsが待機エリアA3にある状態で、当該待機エリアA3にある単一物品群Gsに係るオーダー情報を、制御装置Cが受け取る。このときはじめて、制御装置Cは、ピッキングエリアA1からパレタイズエリアA2へ移載すべき物品Wの種類及び数(オーダー物品群Go)を把握する。その後、待機エリアA3にある単一物品群Gsは、ピッキングエリアA1へ供給される。そして、この単一物品群Gsから、オーダー情報に基づく数の物品W(オーダー物品群Go)が、移載装置4によってピッキングエリアA1からパレタイズエリアA2へ移載される。このような処理を、順不同に供給される複数種類の物品Wのそれぞれについて行うことで、混載パレットPが作成される。
【0025】
図2に示すように、例えば、補充要求のあった混載パレットPを作成するために必要な複数種類の物品Wが、物品α及び物品βであった場合には、複数の物品αにより構成される単一物品群Gsと、複数の物品βにより構成される単一物品群Gsとが、物品群供給装置1によって順不同でピッキングエリアA1に供給される。そして、制御装置Cは、物品αに関するオーダー情報と、物品βに関するオーダー情報とを、別々のタイミングで受け取る。なお、以下では、複数のオーダー情報が互いに異なる情報であることを区別するために、第1のオーダー情報、第2のオーダー情報、第3のオーダー情報、…、と称するが、これは、処理が行われる順番を示すものではない。
【0026】
図2に示す例では、第1のオーダー情報が、「物品α:5個」で示された情報であり、物品αを5個積み付ける旨を指定している。そして、第2のオーダー情報が、「物品β:6個」で示された情報であり、物品βを6個積み付ける旨を指定している。この例では、制御装置Cは、第1のオーダー情報に基づく積付処理と、第2のオーダー情報に基づく積付処理と、を実行することにより、5個の物品αと6個の物品βとを1つのパレットPに積み付けて混載パレットPを作成する。
【0027】
パレタイズシステム100では、図3に示すように、パレットPの積付面Pfに複数の区画Xが設定されると共に、積付面Pf上に積み付け可能な物品Wの高さの上限である制限高さHが設定されている。本実施形態では、積付面Pf上に設定された複数の区画Xは、互いに同じ大きさとされている。本例では、複数の区画Xが、積付面Pfにおいて格子状に並ぶように配置されている。図示の例では、互いに同じ大きさとされたA,B,C,Dの4つの区画Xが、パレットPの積付面Pfに設定されている。
【0028】
制御装置Cは、積付処理において、占有領域判定処理と、区画数判定処理と、積付区画決定処理と、移載処理と、を実行するように構成されている。
【0029】
制御装置Cは、占有領域判定処理では、積付面Pf上に制限高さH以下となるようにオーダー物品群Goを積み付けた場合の平面視の領域である物品群占有領域Agを判定する。図示の例では、制御装置Cは、「物品α:5個」が指定されたオーダー情報を受け取り、5個の物品αを積付面Pf上に制限高さH以下となるように積み付けた場合の物品群占有領域Agを判定している。
【0030】
制御装置Cは、区画数判定処理では、物品群占有領域Agが収まる区画Xの数である収容区画数N(Nは自然数)を判定する。図示の例では、「物品α:5個」のオーダー物品群Goに基づいて判定された物品群占有領域Agが、複数の区画Xのうち1つの区画Xに収まっているため、制御装置Cは、区画数判定処理において「収容区画数N=1」と判定している。
【0031】
制御装置Cは、積付区画決定処理では、区画数判定処理により判定された収容区画数Nに応じて、オーダー物品群Goを積み付ける区画Xである積付区画Xtを決定する。図示
の例では、区画数判定処理により判定された収容区画数Nが「1」であり、制御装置Cは、A,B,C,Dの4つの区画Xのうち、「A」のみを積付区画Xtとして決定している。本実施形態では、パレットPの積付面Pfに設定された複数の区画Xの中に、別のオーダー物品群Goが既に積み付けられた区画X(以下、「既積付区画」という)がある場合、積付区画決定処理では、既積付区画に対して区画Xの並び方向(本例では、図中上下方向又は左右方向)に隣接する区画Xを含むように、積付区画Xtを決定する。例えば、“A”で示される区画Xが既積付区画であって、区画数判定処理により判定された収容区画数Nが「1」である場合には、“C”で示される区画Xではなく、“B”で示される区画X又は“D”で示される区画Xを積付区画Xtとして決定する。このように積付区画Xtを決定することで、次のオーダー物品群Goに係る積付処理を行う場合に、後述するように連続する複数の区画Xを1つの積付区画Xtとして決定することが容易となる。
【0032】
本実施形態では、制御装置Cは、積付区画決定処理において、積付区画Xtを平面視で矩形状となるように決定する。図示の例では、区画数判定処理により判定された収容区画数Nが「1」であり、制御装置Cは、複数の区画Xのうち1つのみを積付区画Xtとして決定しているため、積付区画Xtは平面視で矩形状となっている。
【0033】
本実施形態では、制御装置Cは、区画数判定処理により判定された収容区画数Nが2以上である場合には、複数の区画Xのうち連続するN個(N≧2)の区画Xを1つの積付区画Xtとして決定する。これにより、積付区画Xtを平面視で矩形状となるように決定することができる。
【0034】
例えば図2に示すように、オーダー情報が、平面視での寸法が物品αよりも大きな物品βを6個積み付ける旨の情報(「物品β:6個」)であった場合には、物品群占有領域Agが2つの区画Xに跨ることになるため、収容区画数Nは「2」となる。この場合、積付面Pfに設定された複数の区画Xのうち、連続する2つの区画Xを積付区画Xtとして決定することで、当該積付区画Xtの平面視での形状は矩形状となる。図示の例では、A,B,C,Dの4つの区画Xのうち、連続する「B,C」を1つの積付区画Xtとして決定している。これにより、積付区画決定処理、及び、その後の移載処理を実行するための制御を簡略化し易くなっている。なお、制御装置Cは、積付区画Xtを平面視で矩形状となるようにするためには、図示の例において、「A,B」、「C,D」、「A,D」の各組み合わせを1つの積付区画Xtとして決定しても良い。但し、本実施形態において、制御装置Cは、「A,C」や「B,D」などの対角に配置された2つの区画Xの組み合わせを1つの積付区画Xtとして決定しない。
【0035】
図3に示すように、制御装置Cは、移載処理では、ピッキングエリアA1にある単一物品群Gsからオーダー物品群Goに係る物品Wを取り出して、積付区画Xtにオーダー物品群Goを積み付けるように移載装置4を制御する。図示の例では、オーダー物品群Goに係る5個の物品αが、複数の物品αにより構成された単一物品群Gsから取り出されて、積付区画Xtに積み付けられている。
【0036】
本実施形態では、制御装置Cは、物品群占有領域Agが同じであるという条件を満たしつつ、オーダー物品群Goの最高部Tの高さが最も低くなるように移載処理を実行する。図示の例では、制御装置Cは、「物品α:5個」のオーダー物品群Goを、2段と3段とに分けて配置するように移載処理を実行している。これにより、3段の物品αの上端部が最高部Tとなる。例えば、「物品α:5個」のオーダー物品群Goを、1段と4段とに分けて配置するように移載処理が実行された場合には、4段の物品αの上端部が最高部Tとなり、上述の場合よりも最高部Tの高さが高くなる。5段に配置するように移載処理が実行された場合については、最高部Tの高さはそれよりも更に高くなる。パレタイズシステム100では、このように移載処理を実行することで、物品群占有領域Agを広げること
なく、積み付け後のパレットP上での荷崩れを回避し易くなっている。
【0037】
ここで、制御装置Cは、物品Wの形状および寸法が予め登録されたマスタ情報を、物品Wの種類毎に記憶している。制御装置Cには、例えば、上述した統括制御装置等の他の装置から供給されたマスタ情報が記憶され、或いは、制御装置Cが以下に述べる計測処理を行って生成したマスタ情報が記憶されている。本実施形態では、制御装置Cは、上記マスタ情報を参照して占有領域判定処理を実行するように構成されている。このように、マスタ情報を参照して占有領域判定処理を実行することで、処理速度を速くすることができる。
【0038】
図4に示すように、本実施形態では、制御装置Cは、単一物品群Gsを構成する物品Wの形状および寸法を計測する計測処理を行い、当該計測処理の結果に基づいて、当該単一物品群Gsを構成する物品Wの形状および寸法についてマスタ情報を作成する。本例では、制御装置Cは、移載装置4に備えられた認識部42(図1参照)により認識された情報に基づいて計測処理を実行する。上述のように本例では、認識部42はカメラを用いて構成されており、制御装置Cは、当該カメラにより撮像された画像情報に基づいて計測処理を実行する。計測処理を実行する場合には、単一物品群Gsを構成する複数の物品Wのうち1つの物品Wを計測対象として、移載装置4によって、当該計測対象の物品Wを単一物品群Gs(具体的には、当該単一物品群Gsを構成する他の物品W)から一時的に引き離す。これにより、計測対象の物品Wの外形を明確に把握でき、カメラ(認識部42)により撮像された画像情報に基づいて、計測対象の物品Wの形状および寸法を正確に算出することができる。制御装置Cは、このような計測処理によって物品Wに関するマスタ情報を作成し、当該マスタ情報に基づいて占有領域判定処理などを実行する。
【0039】
本実施形態では、制御装置Cは、予め定められた条件に適合する場合には、計測処理により単一物品群Gsを構成する物品Wの形状および寸法を計測し、マスタ情報を更新する。「予め定められた条件」とは、マスタ情報の不備が判明した場合、或いは、マスタ情報の確認や変更が必要となった場合など、マスタ情報を更新する必要性が生じた場合である。これらの場合には、制御装置Cは、再度の計測処理によってマスタ情報を更新することで、その後の各処理を適切に行うことができる。
【0040】
図5及び図6は、第1のオーダー情報に基づいて第1のオーダー物品群Goの積付処理が完了した後、制御装置Cが、第2のオーダー情報に基づいて第2のオーダー物品群Goの積付処理を実行する場合を例示している。図中、パレタイズエリアA2にあるパレットPに既に積み付けられている2つのオーダー物品群Goのうち何れかが、第1のオーダー情報に係る第1のオーダー物品群Goである。そして、待機エリアA3にあるパレットPに載置された単一物品群Gsに基づいて作成されるオーダー情報が、第2のオーダー情報である。上述のように、制御装置Cは、単一物品群Gsが待機エリアA3にある状態で、当該待機エリアA3にある単一物品群Gsに係るオーダー情報(第2のオーダー情報)を受け取る。図示の例では、第2のオーダー情報が、「物品γ:2個」となっている。すなわち、物品γを2個積み付ける旨が、第2のオーダー情報によって指定されている。なお、図示の例において、物品γは、単体で収容区画X2つ分の寸法を有している。換言すれば、単体の物品γをパレットPの積付面Pfに積み付ける場合には、少なくとも2つ分の区画Xが必要となる。
【0041】
制御装置Cは、第1のオーダー情報に基づいて第1のオーダー物品群Goの積付処理が完了した後、積付面Pfに物品Wが積み付けられていない区画Xである空区画Xeが残っている場合、第2のオーダー情報に基づいて第2のオーダー物品群Goの積付処理を実行する。
【0042】
図5に示すように、制御装置Cは、第2のオーダー物品群Goの積付処理において、区画数判定処理により判定された収容区画数Nが、空区画Xeの数である空区画数M以下である場合、空区画数Mに応じて、積付区画決定処理を実行する。図5に示す例では、第2のオーダー情報が「物品γ:2個」であり、これに基づき判定された収容区画数Nが「2」となっている。そして、パレタイズエリアA2にあるパレットPの積付面Pfには、2つの空区画Xeが残っており、空区画数Mは「2」となっている。すなわち、図5に示す例では、収容区画数N(N=2)が空区画数M(M=2)以下となっている(詳細には、収容区画数N=空区画数M)。従って、制御装置Cは、パレタイズエリアA2にあるパレットPに対して第2のオーダー物品群Goを積み付け可能と判断して、積付区画決定処理および移載処理を実行する。本例では、制御装置Cは、パレタイズエリアA2にあるパレットPに対して第2のオーダー物品群Goを積み付け可能と判断した場合には、物品群供給装置1を制御して、第2のオーダー物品群Goが含まれる単一物品群Gsを待機エリアA3からピッキングエリアA1へ移動させる。
【0043】
図6に示すように、制御装置Cは、第2のオーダー物品群Goの積付処理において、区画数判定処理により判定された収容区画数Nが、空区画Xeの数である空区画数Mより多い場合、パレタイズエリアA2にあるパレットPを搬出して新たなパレットPをパレタイズエリアA2に供給するようにパレット搬出装置3及びパレット供給装置2を制御するパレット入替処理を実行する。図6に示す例では、第2のオーダー情報が「物品γ:2個」であり、これに基づき判定された収容区画数Nが「2」となっている。そして、パレタイズエリアA2にあるパレットPの積付面Pfには、1つの空区画Xeが残っており、空区画数Mは「1」となっている。すなわち、図6に示す例では、収容区画数N(N=2)が空区画数M(M=1)より多くなっている。従って、制御装置Cは、パレタイズエリアA2にあるパレットPに対して第2のオーダー物品群Goを積み付け不可能と判断して、パレット入替処理を実行し、パレタイズエリアA2にあるパレットPを搬出して新たなパレットPをパレタイズエリアA2に供給する。そして、制御装置Cは、新たなパレットPに対して、第2のオーダー物品群Goを積み付けるための積付処理を実行する。
【0044】
上述のように、本実施形態では、パレット搬出路R3は、パレタイズ後のパレットPが搬出される経路に加えて、ピッキング後のパレットPが搬出される経路も兼ねている。そして、パレット搬出路R3の一部に、ピッキングエリアA1が配置されている。すなわち、パレタイズエリアA2から搬出されるパレットPは、ピッキングエリアA1を通過することになる。本実施形態では、ピッキングエリアA1に供給される予定の単一物品群Gsは、ピッキングエリアA1に供給される前に、待機エリアA3で待機している。そのため、当該単一物品群Gsを載置したパレットPが、パレタイズエリアA2からの搬出途中においてピッキングエリアA1を通過するパレットP(混載パレットP)の妨げとならないようにできる。
【0045】
次に、制御装置Cが実行する処理の手順について、図7図9のフローチャートを参照して説明する。
【0046】
図7に示すように、制御装置Cは、積付処理を実行する場合に、まず、占有領域判定処理を実行する(#1)。占有領域判定処理では、積付面Pf上に制限高さH以下となるようにオーダー物品群Goを積み付けた場合の平面視の領域である物品群占有領域Agを判定する(図3参照)。制御装置Cは、占有領域判定処理を実行した後は、区画数判定処理を実行する(#2)。区画数判定処理では、物品群占有領域Agが収まる区画Xの数である収容区画数Nを判定する(図3参照)。制御装置Cは、区画数判定処理を実行した後は、積付区画決定処理を実行する(#3)。積付区画決定処理では、区画数判定処理により判定された収容区画数Nに応じて、オーダー物品群Goを積み付ける区画Xである積付区画Xtを決定する(図3参照)。制御装置Cは、積付区画決定処理を実行した後は、移載処理を
実行する(#4)。移載処理では、積付区画決定処理により決定された積付区画Xtに、オーダー物品群Goを積み付ける。制御装置Cは、以上説明した各処理を順番に実行することで、積付処理を実行するように構成されている。
【0047】
図8は、複数のオーダー情報のそれぞれに基づいて積付処理を実行する場合の制御装置Cの処理手順を示している。なお、説明の便宜上、第1のオーダー情報に係る第1のオーダー物品群Goを積み付けるための積付処理を「第1の積付処理」と称し、第2のオーダー情報に係る第2のオーダー物品群Goを積み付けるための積付処理を「第2の積付処理」と称することとする。
【0048】
図8に示すように、制御装置Cは、パレタイズエリアA2にあるパレットPに対して第1の積付処理が完了した後は(#10)、パレタイズエリアA2にあるパレットPの積付面Pfに空区画Xeが存在するか否かを判断する(#20)。この判断は、例えば、移載装置4の認識部42によって認識された情報に基づいて行うと良い。本例では、制御装置Cは、認識部42としてのカメラによって撮像された画像情報に基づいて、積付面Pfに空区画Xeが存在するか否かを判断する。制御装置Cは、積付面Pfに空区画Xeが存在すると判断した場合には(#20:Yes)、第2の積付処理を実行する(#30)。一方、制御装置Cは、積付面Pfに空区画Xeが存在しないと判断した場合には(#20:No)、パレット入替処理を実行する(#40)。
【0049】
図9は、図8におけるステップ#30の処理手順、すなわち、第2の積付処理の詳細な処理手順を示している。
【0050】
図9に示すように、制御装置Cは、第2の積付処理を実行する場合に、まず、第2のオーダー情報に係る第2のオーダー物品群Goに基づいて、占有領域判定処理を実行する(#31)。制御装置Cは、占有領域判定処理を実行した後は、区画数判定処理を実行する(#32)。これにより、第2のオーダー物品群Goに基づいた収容区画数Nが判定される。
【0051】
次に、制御装置Cは、当該収容区画数Nが、パレットPに存在する空区画Xeの数である空区画数Mよりも多いか否かを判断する(#33)。制御装置Cは、収容区画数NがパレットPの空区画数M以下であると判断した場合には(#33:No)、当該パレットPへの第2のオーダー物品群Goの積み付けが可能であると判断して、空区画数Mに応じて積付区画決定処理を実行すると共に(#34)、移載処理を実行する(#35)。一方、制御装置Cは、収容区画数NがパレットPの空区画数Mよりも多いと判断した場合には(#33:Yes)、当該パレットPへの第2のオーダー物品群Goの積み付けが不可能であると判断して、パレット入替処理(#36)を実行し、新たなパレットP(空パレットP)をパレタイズエリアA2に供給する。その後、制御装置Cは、新たなパレットPに第2のオーダー物品群Goを積み付けるための積付区画決定処理(#34)及び移載処理(#35)を実行する。
【0052】
ここで、図10に示すように、物品Wの形状や寸法を示すマスタ情報の不備や物品Wの積み付け作業中の荷崩れ等によって、1つのオーダー情報に係るオーダー物品群Goを当初決定された積付区画Xt内に積み付けることができない場合が起こり得る。図10に示す例では、オーダー情報が「物品α:5個」であり、当該オーダー情報に係るオーダー物品群Goを積み付けている途中で荷崩れが生じ、4個目以降の物品Wを当初決定された積付区画Xtに積み付けできない事態が生じている。
【0053】
本実施形態では、制御装置Cは、移載処理において積付区画Xtにオーダー物品群Goを積み付けることができなかった場合には、オーダー物品群Goを構成する物品Wのうち
の積付区画Xtに積み付けることができなかった物品Wについての物品群占有領域Agを判定する占有領域再判定処理を実行した後、占有領域再判定処理により判定された物品群占有領域Agが収まる収容区画数Nを判定する区画数再判定処理を実行する。制御装置Cは、区画数再判定処理により判定された収容区画数Nが、パレタイズエリアA2にあるパレットPの空区画Xeの数である空区画数M以下である場合には、区画数再判定処理により判定された収容区画数Nに応じて、積付区画決定処理を実行すると共に移載処理を実行する。
【0054】
図10に示す例では、制御装置Cは、積み付けできなかった(5-3)個の物品αについて、占有領域再判定処理及び区画数再判定処理を実行している。この区画数再判定処理により判定された収容区画数Nは「1」である。また、パレットPに存在する空区画Xeの数である空区画数Mは、積み付け前の数である「2」から積み付けた空区画Xeを引いた「1」となっている。この場合、区画数再判定処理により判定された収容区画数N(N=1)は、現状の空区画数M(M=1)以下となっている(詳細には、収容区画数N=空区画数M)。従って、制御装置Cは、現状の空区画Xeに、オーダー物品群Goを構成する物品αのうち積み付けできなかった残りの2個の物品αを積み付けるために、積付区画決定処理および移載処理を実行する。これにより、オーダー物品群Goの積み付け作業中に荷崩れ等が生じた場合であっても、当該オーダー物品群Goを1つのパレットPに積み付けることができる。
【0055】
一方、図11に示すように、区画数再判定処理により判定された収容区画数Nが、パレタイズエリアA2にあるパレットPの空区画Xeの数より多い場合がある。図11に示す例では、パレットPに存在する空区画Xeの数である空区画数Mは、積み付け前の数である「1」から積み付けた空区画Xeを引いた「0」となっている。この場合には、オーダー物品群Goを構成する物品αのうち積み付けできなかった残りの2個の物品αを積み付けるための空区画XeがパレットPに存在しないため、このパレットPに対する更なる物品αの積み付けは不可能である。本実施形態では、制御装置Cは、区画数再判定処理により判定された収容区画数N(図示の例ではN=1)が、パレタイズエリアA2にあるパレットPの空区画Xeの数である空区画数M(図示の例ではM=0)より多い場合には、エラー情報を報知する。これにより、積み付け不可能である場合にはエラー情報を報知することで、その状況を作業者などに知らせることができ、その後の作業を作業者に行わせることができる。制御装置Cは、作業者の視覚または聴覚などに訴える手段によりエラー情報を報知することができる。例えば、制御装置Cは、作業者が操作する端末画面にエラーメッセージを表示するようにしても良いし、電灯を点滅あるいは点灯させるようにしても良い。また、制御装置Cは、警報音を発するようにしても良いし、エラーメッセージを音声により出力するようにしても良い。
【0056】
以上説明したパレタイズシステム100によれば、1つのパレットPの積付面Pfに設定された複数の区画Xに物品Wを積み付ける場合に、荷崩れの起こし難さも考慮して、自動的に、各区画Xにおいて物品Wが適切に配置されるように、当該物品Wを積み付けることが可能となる。
【0057】
〔第2実施形態〕
次に、パレタイズシステムの第2実施形態について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。特に説明しない点については、上記第1実施形態と同様である。
【0058】
図12の左図に示すように、区画数再判定処理により判定された収容区画数N(図示の例ではN=1)が、パレタイズエリアA2にあるパレットPの空区画Xeの数である空区画数M(図示の例ではM=0)より多い場合がある。この場合には、上記第1実施形態で
は、制御装置Cは、エラー情報を報知するように構成されていた。しかし、本実施形態では、制御装置Cは、エラー報知とは異なる処理を実行する。
【0059】
図12に示すように、本実施形態では、制御装置Cは、区画数再判定処理により判定された収容区画数Nが、パレタイズエリアA2にあるパレットPの空区画Xeの数である空区画数Mより多い場合には、オーダー物品群Goを構成する物品Wのうち、既に積付区画Xtに積み付けられた物品Wを積付区画Xtから取り出し、その後、パレット入替処理を実行すると共に、パレット入替処理によりパレタイズエリアA2に供給された新たなパレットPに、積付区画Xtから取り出した物品Wを含むオーダー物品群Goを構成する全ての物品Wを積み付ける積替処理を実行する。
【0060】
図12に示す例では、制御装置Cは、積み付けできなかった(5-3)個の物品αについて、占有領域再判定処理及び区画数再判定処理を実行する。当該区画数再判定処理により判定された収容区画数Nは「1」である(N=1)。そして、パレタイズエリアA2にあるパレットPの空区画数Mは「0」である(M=1-1=0)。この場合には、オーダー物品群Goを構成する物品αのうち積み付けできなかった残りの2個の物品αを積み付けるための空区画XeがパレットPに存在しないため、このパレットPに対する更なる物品αの積み付けは不可能である。
【0061】
そこで、制御装置Cは、既に積付区画Xtに積み付けられた3個の物品αをパレットPから取り出すように移載装置4を制御する(図12の中央図参照)。このとき、制御装置Cは、移載装置4を制御することにより、取り出された3個の物品αを、ピッキングエリアA1にあるパレットPに一時的に戻しても良いし、或いは、別途設けられた仮置台などに一時的に移動させても良い。そして、制御装置Cは、パレット入替処理を実行することで、パレットPの入れ替えを行い、パレタイズエリアA2に新たなパレットPを供給する。その後、制御装置Cは、取り出した3個の物品αを含むオーダー物品群Goを構成する全ての物品α、すなわちここでは5個の物品αを、新たなパレットPに積み付ける。これらの一連の処理が、積替処理である。このように構成により、オーダー物品群Goを当初決定された積付区画Xt内に積み付けることができなかった場合でも、1つのオーダー情報に係るオーダー物品群Goが2つのパレットPに分かれて積み付けられることを回避できる。
【0062】
〔その他の実施形態〕
次に、パレタイズシステムのその他の実施形態について説明する。
【0063】
(1)上記の第2実施形態では、制御装置Cは、積替処理において、パレット入替処理を実行することでパレットPの入れ替えを行い、パレタイズエリアA2に新たなパレットPを供給し、その後、取り出した物品Wを含むオーダー物品群Goを構成する全ての物品Wを新たなパレットPに積み付ける例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、制御装置Cは、積替処理において、パレット入替処理を実行しなくても良い。この場合、制御装置Cは、積付区画Xtに積み付けられた物品Wを積付区画Xtから取り出した後は、当該積付区画Xtに対して、再度、取り出した物品Wを含むオーダー物品群Goを構成する全ての物品Wを積み付けても良い。
【0064】
(2)上記の実施形態では、制御装置Cは、物品群占有領域Agが同じであるという条件を満たしつつ、オーダー物品群Goの最高部Tの高さが最も低くなるように移載処理を実行する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、最高部Tの高さは、制限高さH(図3参照)以下となっていれば良い。
【0065】
(3)上記の実施形態では、制御装置Cが、物品Wの形状および寸法が予め登録されたマ
スタ情報を参照して占有領域判定処理を実行するように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、制御装置Cは、マスタ情報を参照することなく占有領域判定処理を実行するようにしても良い。この場合、制御装置Cは、積付処理を行う都度、認識部42によって、ピッキングエリアA1にあるパレットPに載置された物品Wの形状及び寸法を認識するようにしても良い。
【0066】
(4)上記の実施形態では、A,B,C,Dの4つの区画Xが、パレットPの積付面Pfに設定されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、パレットPの積付面Pfに設定された区画Xの数はいくつであっても良い。
【0067】
(5)上記の実施形態では、制御装置Cは、区画数判定処理により判定された収容区画数Nが2以上である場合には、複数の区画Xのうち連続するN個(N≧2)の区画Xを1つの積付区画Xtとして決定する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、制御装置Cは、複数の区画Xのうち連続しないN個(N≧2)の区画Xを1つの積付区画Xtとして決定しても良い。連続しないN個(N≧2)の区画Xを1つの積付区画Xtとして決定した場合には、積付区画Xtは平面視で矩形状とはならない。
【0068】
(6)上記の実施形態では、パレット搬出路R3が、パレタイズ後の混載パレットPが搬出される経路に加えて、ピッキング後のパレットPが搬出される経路も兼ねている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、パレタイズ後の混載パレットPが搬出される経路と、ピッキング後のパレットPが搬出される経路とが、別々に設けられていても良い。
【0069】
(7)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0070】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明したパレタイズシステムについて説明する。
【0071】
単一種類の複数の物品からなる単一物品群をピッキングエリアに供給する物品群供給装置と、
パレタイズエリアにパレットを供給するパレット供給装置と、
前記パレタイズエリアから前記パレットを搬出するパレット搬出装置と、
前記ピッキングエリアと前記パレタイズエリアとの間で前記物品を移載する移載装置と、
前記物品群供給装置、前記パレット供給装置、前記パレット搬出装置、及び、前記移載装置を制御する制御装置と、を備えたパレタイズシステムであって、
前記制御装置は、前記パレタイズエリアにある前記パレットに積み付ける前記物品の種類及び数を指定したオーダー情報を受け取り、前記オーダー情報により指定された種類及び数の前記物品をオーダー物品群として、前記オーダー物品群を前記パレットに積み付ける積付処理を実行可能であり、
前記パレットの積付面に複数の区画が設定されると共に、前記積付面上に積み付け可能な前記物品の高さの上限である制限高さが設定され、
前記制御装置は、前記積付処理において、
前記積付面上に前記制限高さ以下となるように前記オーダー物品群を積み付けた場合の平面視の領域である物品群占有領域を判定する占有領域判定処理と、
前記物品群占有領域が収まる前記区画の数である収容区画数N(Nは自然数)を判定する区画数判定処理と、
前記区画数判定処理により判定された前記収容区画数Nに応じて、前記オーダー物品群を積み付ける前記区画である積付区画を決定する積付区画決定処理と、
前記ピッキングエリアにある前記単一物品群から前記オーダー物品群に係る前記物品を取り出して、前記積付区画に前記オーダー物品群を積み付けるように前記移載装置を制御する移載処理と、を実行するように構成され、
前記制御装置は、第1のオーダー情報に基づいて第1のオーダー物品群の前記積付処理が完了した後、前記積付面に前記物品が積み付けられていない前記区画である空区画が残っている場合、第2のオーダー情報に基づいて第2のオーダー物品群の前記積付処理を実行し、
前記制御装置は、前記第2のオーダー物品群の前記積付処理において、前記区画数判定処理により判定された前記収容区画数Nが、前記空区画の数より多い場合、前記パレタイズエリアにある前記パレットを搬出して新たな前記パレットを前記パレタイズエリアに供給するように前記パレット搬出装置及び前記パレット供給装置を制御するパレット入替処理を実行する。
【0072】
本構成によれば、オーダー情報に係るオーダー物品群と、パレットの積付面の状態とに応じて、自動でパレットの積付面に設定された複数の区画に対して適切に物品を積み付けることができる。また、積付処理では、積付面上に物品を積み付け可能な制限高さの範囲内で物品を積み付けるので、積み付け後のパレット上での荷崩れを回避し易い。さらに、本構成によれば、1つのオーダー情報に係るオーダー物品群を同じパレットに積み付けできるか否かを自動的に判断して、積み付け可能である場合には積み付けを実行する。積み付け不可能である場合にはパレット入替え処理を実行して新たなパレットをパレタイズエリアに供給する。これにより、1つのオーダー情報に係るオーダー物品群を同じパレットに積み付けることができる。以上のように、本構成によれば、1つのパレットの積付面に設定された複数の区画に物品を積み付ける場合に、荷崩れの起こし難さも考慮して、自動的に、各区画において物品が適切に配置されるように、当該物品を積み付けることが可能となる。
【0073】
前記制御装置は、前記移載処理において前記積付区画に前記オーダー物品群を積み付けることができなかった場合には、前記オーダー物品群を構成する前記物品のうちの前記積付区画に積み付けることができなかった前記物品についての前記物品群占有領域を判定する占有領域再判定処理を実行した後、前記占有領域再判定処理により判定された前記物品群占有領域が収まる前記収容区画数Nを判定する区画数再判定処理を実行し、
前記制御装置は、
前記区画数再判定処理により判定された前記収容区画数Nが、前記パレタイズエリアにある前記パレットの前記空区画の数以下である場合には、前記区画数再判定処理により判定された前記収容区画数Nに応じて、前記積付区画決定処理を実行すると共に前記移載処理を実行し、
前記区画数再判定処理により判定された前記収容区画数Nが、前記パレタイズエリアにある前記パレットの前記空区画の数より多い場合には、エラー情報を報知する、と好適である。
【0074】
物品の形状や寸法を示すマスタ情報の不備や物品の積み付け作業中の荷崩れ等によって、1つのオーダー情報に係るオーダー物品群を当初決定された積付区画内に積み付けることができない場合が起こり得る。本構成によれば、このような場合であっても、その状況を考慮した上で、上記オーダー情報に係るオーダー物品群を同じパレットに積み付けできるか否かを自動的に判断する。そして、積み付け可能である場合には積み付けを実行する。積み付け不可能である場合にはエラー情報を報知することで、その状況を作業者などに知らせることができる。それにより、その後の作業を作業者に行わせることができる。以上のように、本構成によれば、オーダー物品群を当初決定された積付区画内に積み付ける
ことができなかった場合でも、1つのオーダー情報に係るオーダー物品群が2つのパレットに分かれて積み付けられることを回避できる。
【0075】
前記制御装置は、前記移載処理において前記積付区画に前記オーダー物品群を積み付けることができなかった場合には、前記オーダー物品群を構成する前記物品のうちの前記積付区画に積み付けることができなかった前記物品についての前記物品群占有領域を判定する占有領域再判定処理を実行した後、前記占有領域再判定処理により判定された前記物品群占有領域が収まる前記収容区画数Nを判定する区画数再判定処理を実行し、
前記制御装置は、
前記区画数再判定処理により判定された前記収容区画数Nが、前記パレタイズエリアにある前記パレットの前記空区画の数以下である場合には、前記区画数再判定処理により判定された前記収容区画数Nに応じて、前記積付区画決定処理を実行すると共に前記移載処理を実行し、
前記区画数再判定処理により判定された前記収容区画数Nが、前記パレタイズエリアにある前記パレットの前記空区画の数より多い場合には、前記オーダー物品群を構成する前記物品のうち、既に前記積付区画に積み付けられた前記物品を前記積付区画から取り出し、その後、前記パレット入替処理を実行すると共に、前記パレット入替処理により前記パレタイズエリアに供給された新たな前記パレットに、前記積付区画から取り出した前記物品を含む前記オーダー物品群を構成する全ての前記物品を積み付ける積替処理を実行する、と好適である。
【0076】
物品の形状や寸法を示すマスタ情報の不備や物品の積み付け作業中の荷崩れ等によって、1つのオーダー情報に係るオーダー物品群を当初決定された積付区画に積み付けることができない場合が起こり得る。本構成によれば、このような場合であっても、その状況を考慮した上で、上記オーダー情報に係るオーダー物品群を同じパレットに積み付けできるか否かを自動的に判断する。そして、積み付け可能である場合には積み付けを実行する。積み付け不可能である場合には、既に積付区画に積み付けられた物品を積付区画から取り出し、その後、パレタイズエリアに新たに供給されたパレットに、積付区画から取り出した物品を含むオーダー物品群を構成する全ての物品を積み付ける。このように本構成によれば、オーダー物品群を当初決定された積付区画内に積み付けることができなかった場合でも、1つのオーダー情報に係るオーダー物品群が2つのパレットに分かれて積み付けられることを回避できる。なお、積付区画に積み付けられた物品を積付区画から取り出した後は、当該積付区画に対して、再度、取り出した物品を含むオーダー物品群を構成する全ての物品を積み付けても良い。
【0077】
前記制御装置は、前記積付区画決定処理において、前記積付区画を平面視で矩形状となるように決定する、と好適である。
【0078】
本構成によれば、積付区画決定処理、及び、その後の移載処理を実行するための制御を簡略化し易い。
【0079】
前記制御装置は、前記物品群占有領域が同じであるという条件を満たしつつ、前記オーダー物品群の最高部の高さが最も低くなるように前記移載処理を実行する、と好適である。
【0080】
本構成によれば、物品群占有領域を広げることなく、積み付け後のパレット上での荷崩れを回避し易くすることができる。
【0081】
前記制御装置は、前記物品の形状および寸法が予め登録されたマスタ情報を参照して前記占有領域判定処理を実行するように構成され、
前記制御装置は、予め定められた条件に適合する場合には、前記単一物品群を構成する前記物品の形状および寸法を計測する計測処理を行い、前記マスタ情報を更新する、と好適である。
【0082】
本構成によれば、マスタ情報を参照して占有領域判定処理を実行するため、処理速度を早くすることができる。また、マスタ情報の不備が判明した場合、或いは、マスタ情報の確認や変更が必要となった場合など、マスタ情報を更新する必要性が生じた場合には、物品の搬送ライン上において、物品の形状および寸法を計測し、マスタ情報を更新することができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本開示に係る技術は、パレタイズシステムに利用することができる。
【符号の説明】
【0084】
100 :パレタイズシステム
1 :物品群供給装置
2 :パレット供給装置
3 :パレット搬出装置
4 :移載装置
C :制御装置
A1 :ピッキングエリア
A2 :パレタイズエリア
P :パレット
Pf :積付面
X :区画
Xe :空区画
Xt :積付区画
Ag :物品群占有領域
H :制限高さ
N :収容区画数
Gs :単一物品群
Go :オーダー物品群
W :物品
T :最高部
α :物品
β :物品
γ :物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-11-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レタイズエリアにパレットを供給するパレット供給装置と、
前記パレタイズエリアから前記パレットを搬出するパレット搬出装置と
記パレタイズエリアにある前記パレットへ物品を移載する移載装置と
記パレット供給装置、前記パレット搬出装置、及び、前記移載装置を制御する制御装置と、を備えたパレタイズシステムであって、
前記制御装置は、オーダー情報により指定された種類及び数の前記物品をオーダー物品群として、前記オーダー物品群を前記パレタイズエリアにある前記パレットに積み付ける積付処理を実行可能であり、
前記パレットの積付面に複数の区画が設定されると共に、前記積付面上に積み付け可能な前記物品の高さの上限である制限高さが設定され、
前記制御装置は、前記積付処理において、
前記積付面上に前記制限高さ以下となるように前記オーダー物品群を積み付けた場合の平面視の領域である物品群占有領域を判定する占有領域判定処理と、
前記物品群占有領域が収まる前記区画の数である収容区画数N(Nは自然数)を判定する区画数判定処理と、
前記区画数判定処理により判定された前記収容区画数Nに応じて、前記オーダー物品群を積み付ける前記区画である積付区画を決定する積付区画決定処理と
記積付区画に前記オーダー物品群を積み付けるように前記移載装置を制御する移載処理と、を実行する、パレタイズシステム。
【請求項2】
前記制御装置は、第1のオーダー情報に基づいて第1のオーダー物品群の前記積付処理が完了した後、前記積付面に前記物品が積み付けられていない前記区画である空区画が残っている場合、第2のオーダー情報に基づいて第2のオーダー物品群の前記積付処理を実行し、
前記制御装置は、前記第2のオーダー物品群の前記積付処理において、前記区画数判定処理により判定された前記収容区画数Nが、前記空区画の数より多い場合、前記パレタイズエリアにある前記パレットを搬出して新たな前記パレットを前記パレタイズエリアに供給するように前記パレット搬出装置及び前記パレット供給装置を制御するパレット入替処理を実行する、請求項1に記載のパレタイズシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記積付区画決定処理において、前記積付区画を平面視で矩形状となるように決定する、請求項1又は2に記載のパレタイズシステム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記物品群占有領域が同じであるという条件を満たしつつ、前記オーダー物品群の最高部の高さが最も低くなるように前記移載処理を実行する、請求項1からのいずれか一項に記載のパレタイズシステム。