(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173992
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】メンテナンス支援方法、及びメンテナンス支援用プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20241206BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
G06Q10/20
F25D23/00 301N
F25D23/00 301P
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024165383
(22)【出願日】2024-09-24
(62)【分割の表示】P 2023109555の分割
【原出願日】2018-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高西 英知
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕
(72)【発明者】
【氏名】南 智也
(57)【要約】
【課題】電化製品の異常の認識と異常の対処方法の特定を容易に行うことができるメンテナンス支援方法、及びメンテナンス支援用プログラムを提供する。
【解決手段】通信端末400により実行されるメンテナンス支援方法は、電化製品の機種情報を取得する機種情報取得ステップと、稼働モニタ画面に、機種情報から認識した電化製品の機種に対応したメンテナンス支援画面へのリンクを受け付けるメンテナンス対応受付部を表示するメンテナンス対応ステップと、メンテナンス対応受付部への受付要求操作に応じて、メンテナンス支援画面を前記表示部に表示するメンテナンス支援画面表示ステップとを含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部を含む可動部及び前記可動部の状況に応じて変化する第1物理量を検出する検出部を備えた電化製品のメンテナンスを、表示部を備えた通信端末により支援するメンテナンス支援方法であって、
前記通信端末が、前記可動部の状況と前記検出部により検出された前記第1物理量とを示す稼働状況情報を取得する稼働状況情報取得ステップと、
前記通信端末が、前記稼働状況情報に基づいて、前記電化製品の稼働状況を、前記駆動部の状態と前記第1物理量の推移をグラフにより表示する第1稼働モニタ画面を、前記表示部に表示させる稼働モニタ画面表示ステップと、
前記通信端末が、前記電化製品の構成を示すレイアウト画像を表示して、前記可動部の状況を前記レイアウト画像における前記可動部の配置位置に表示すると共に、前記検出部により検出される前記第1物理量を前記レイアウト画像における前記検出部による前記第1物理量の検出位置に表示する、第2稼働モニタ画面への切り替えを受け付ける切替ボタンを、前記第1稼働モニタ画面に表示させるステップと、
前記通信端末が、前記第1稼働モニタ画面に、現時点からの運転状況の表示を指示するためのリアルタイムデータ取得ボタンを表示するステップと、
前記通信端末が、前記リアルタイムデータ取得ボタンの選択操作に応じて、前記選択操作がなされた時点から測定期間が終了するまでの前記第1物理量の推移を示す第1物理量推移グラフと、前記選択操作がなされた時点から前記測定期間が終了するまでの前記駆動部の運転状況を示す運転状況グラフとを、同一の時間軸により前記第1稼働モニタ画面に表示するステップと、
を含むメンテナンス支援方法。
【請求項2】
前記電化製品は冷蔵庫であり、
前記レイアウト画像は、前記冷蔵庫の正面レイアウト又は側面レイアウトの画像である
請求項1に記載のメンテナンス支援方法。
【請求項3】
前記可動部には、前記冷蔵庫の収容室の開口部を開閉する開閉部と、圧縮機と、ファンとが含まれ、
前記第2稼働モニタ画面において、前記開閉部の開閉状況が前記レイアウト画像における前記開閉部の配置位置に表示され、前記圧縮機の運転状況が前記レイアウト画像における前記圧縮機の配置位置に表示され、前記ファンの運転状況が前記レイアウト画像における前記ファンの配置位置に表示される
請求項2に記載のメンテナンス支援方法。
【請求項4】
前記検出部は前記冷蔵庫の収容室内の温度を検出する温度センサであって、前記第1物理量は温度であり、
前記第2稼働モニタ画面において、前記温度センサによる検出温度が前記レイアウト画像おける前記温度センサによる温度の検出位置に表示される
請求項2に記載のメンテナンス支援方法。
【請求項5】
表示部を備えた通信端末により、駆動部を含む可動部及び前記可動部の状況に応じて変化する第1物理量を検出する検出部を備えた電化製品のメンテナンスを支援するために実行されるプログラムであって、前記通信端末を、
前記可動部の状況と前記検出部により検出された前記第1物理量とを示す稼働状況情報を取得する稼働状況情報取得部と、
前記稼働状況情報に基づいて、前記電化製品の稼働状況を、前記駆動部の状態と前記第1物理量の推移をグラフにより表示する第1稼働モニタ画面を、前記表示部に表示させる稼働モニタ画面表示部と、
前記電化製品の構成を示すレイアウト画像を表示して、前記可動部の状況を前記レイアウト画像における前記可動部の配置位置に表示すると共に、前記検出部により検出される前記第1物理量を前記レイアウト画像における前記検出部による前記第1物理量の検出位置に表示する、第2稼働モニタ画面への切り替えを受け付ける切替ボタンを、前記第1稼働モニタ画面に表示させ、前記切替ボタンの操作に応じて、前記表示部の表示を前記第1稼働モニタ画面から前記第2稼働モニタ画面に切り替える稼働モニタ制御部と、
して機能させ、
前記稼働モニタ制御部は、
前記第1稼働モニタ画面に、現時点からの運転状況の表示を指示するためのリアルタイムデータ取得ボタンを表示し、
前記リアルタイムデータ取得ボタンの選択操作に応じて、前記選択操作がなされた時点から測定期間が終了するまでの前記第1物理量の推移を示す第1物理量推移グラフと、前記選択操作がなされた時点から前記測定期間が終了するまでの前記駆動部の運転状況を示す運転状況グラフとを、同一の時間軸により前記第1稼働モニタ画面に表示する
メンテナンス支援用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンテナンス支援方法、及びメンテナンス支援用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電化製品の稼働状況を、電化製品との間で通信を行う通信端末によってモニタする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、通信端末が、冷蔵庫から送信される庫内の収容室の温度検出情報を受信して、各収容室の温度を示すモニタ画面を表示部に表示する構成、及び冷蔵庫に生じた異常の種類を示すエラーコードをモニタ画面に表示する構成が記載されている。
さらに、特許文献1に記載された構成では、モニタ画面に「エラーコード早見表」のボタンが表示され、「エラーコード早見表」のボタンが選択操作されたときに、エラーコードとそれに対する解説を表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された発明では、冷蔵庫のメンテナンスを行うメンテナンス作業者は、通信端末に表示される冷蔵庫の各室の検出温度から、冷蔵庫の大まかな運転状況を視認することができる。そして、メンテナンス作業者等は、エラーコードが表示されているときには、「エラーコード早見表」のボタンを選択操作して、モニタ画面に表示されるエラーコードとその解説を確認することができる。
しかしながら、エラーコードでカバーされる異常の種類は限られるため、メンテナンス作業者が、モニタ画面に示される温度の状況から冷蔵庫の異常を認識したときに、エラーコードが表示されない場合がある。また、エラーコードは表示されているが、「エラーコード早見表の解説から得られる情報だけでは、異常に対するメンテナンス方法が分かり難い場合がある。そして、これらの場合、メンテナンス作業者は、冷蔵庫のメンテナンスマニュアル等の書類を参照して、異常の対処方法を調べなければならないという不便さがあった。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、電化製品の異常の認識と異常の対処方法の特定を容易に行うことができるメンテナンス支援方法、及びメンテナンス支援用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するため、本発明のメンテナンス支援方法は、駆動部を含む可動部及び前記可動部の状況に応じて変化する第1物理量を検出する検出部を備えた電化製品のメンテナンスを、表示部を備えた通信端末により支援するメンテナンス支援方法であって、前記通信端末が、前記可動部の状況と前記検出部により検出された前記第1物理量とを示す稼働状況情報を取得する稼働状況情報取得ステップと、前記通信端末が、前記稼働状況情報に基づいて、前記電化製品の稼働状況を、前記駆動部の状態と前記第1物理量の推移をグラフにより表示する第1稼働モニタ画面を、前記表示部に表示させる稼働モニタ画面表示ステップと、前記通信端末が、前記電化製品の構成を示すレイアウト画像を表示して、前記可動部の状況を前記レイアウト画像における前記可動部の配置位置に表示すると共に、前記検出部により検出される前記第1物理量を前記レイアウト画像における前記検出部による前記第1物理量の検出位置に表示する、第2稼働モニタ画面への切り替えを受け付ける切替ボタンを、前記第1稼働モニタ画面に表示させるステップと、前記通信端末が、前記第1稼働モニタ画面に、現時点からの運転状況の表示を指示するためのリアルタイムデータ取得ボタンを表示するステップと、前記通信端末が、前記リアルタイムデータ取得ボタンの選択操作に応じて、前記選択操作がなされた時点から測定期間が終了するまでの前記第1物理量の推移を示す第1物理量推移グラフと、前記選択操作がなされた時点から前記測定期間が終了するまでの前記駆動部の運転状況を示す運転状況グラフとを、同一の時間軸により前記第1稼働モニタ画面に表示するステップと、を含むものである。
【0006】
また、本発明のメンテナンス支援用プログラムは、表示部を備えた通信端末により、駆動部を含む可動部及び前記可動部の状況に応じて変化する第1物理量を検出する検出部を備えた電化製品のメンテナンスを支援するために実行されるプログラムであって、前記通信端末を、前記可動部の状況と前記検出部により検出された前記第1物理量とを示す稼働状況情報を取得する稼働状況情報取得部と、前記稼働状況情報に基づいて、前記電化製品の稼働状況を、前記駆動部の状態と前記第1物理量の推移をグラフにより表示する第1稼働モニタ画面を、前記表示部に表示させる稼働モニタ画面表示部と、前記電化製品の構成を示すレイアウト画像を表示して、前記可動部の状況を前記レイアウト画像における前記可動部の配置位置に表示すると共に、前記検出部により検出される前記第1物理量を前記レイアウト画像における前記検出部による前記第1物理量の検出位置に表示する、第2稼働モニタ画面への切り替えを受け付ける切替ボタンを、前記第1稼働モニタ画面に表示させ、前記切替ボタンの操作に応じて、前記表示部の表示を前記第1稼働モニタ画面から前記第2稼働モニタ画面に切り替える稼働モニタ制御部と、して機能させ、前記稼働モニタ制御部は、前記第1稼働モニタ画面に、現時点からの運転状況の表示を指示するためのリアルタイムデータ取得ボタンを表示し、前記リアルタイムデータ取得ボタンの選択操作に応じて、前記選択操作がなされた時点から測定期間が終了するまでの前記第1物理量の推移を示す第1物理量推移グラフと、前記選択操作がなされた時点から前記測定期間が終了するまでの前記駆動部の運転状況を示す運転状況グラフとを、同一の時間軸により前記第1稼働モニタ画面に表示するものである。
【0007】
これによって、電化製品の所在場所を訪問した通信端末の使用者(電化製品のメンテナンス作業者等)は、通信端末の表示部に表示される稼働モニタ画面を視認することにより、電化製品の異常を容易に確認することができる。そして、使用者は、電化製品の異常を認識したときに、稼働モニタ画面に示されているメンテナンス対応受付部を選択操作することで、速やかにメンテナンス支援画面を表示させて、異常の対処情報取得することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のメンテナンス支援方法、及びメンテナンス支援用プログラムによれば、電化製品のメンテナンス作業者は、通信端末の表示部により表示される稼働モニタ画面により、電化製品の稼働状況を認識することができる。そして、メンテナンス作業者は、電化製品の異常を認識したときに、稼働モニタ画面に示されているメンテナンス対応受付部の選択操作を行うことにより、メンテナンス支援画面を表示させることができる。メンテナンス支援画面により、電化製品の機種に応じたメンテナンス情報を確認することにより、メンテナンス作業者は、メンテナンスマニュアル等の書類を参照することなく、異常の対処措置を速やかに認識することができる。そのため、メンテナンス作業者による電化製品の異常の認識と異常の対処方法の特定を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】家屋に設置された電化製品のメンテナンスを実施する状況の説明図
【
図2】実施形態における電化製品である冷蔵庫の正面の外観図
【
図7】稼働モニタ用プログラムによるメインルーチンのフローチャート
【
図19】エラーコードに対応した処置手順画面の説明図
【
図20】エラーコードに対応した処理手順のサブ工程1の実行手順画面の説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の発明は、駆動部及び前記駆動部の作動に応じて変化する第1物理量を検出する検出部を備えた電化製品のメンテナンスを、表示部を備えた通信端末により支援するメンテナンス支援方法であって、前記通信端末が、前記駆動部の運転状況と前記検出部により検出された前記第1物理量とを示す稼働状況情報を取得する稼働状況情報取得ステップと、前記通信端末が、前記稼働状況情報に基づいて、前記電化製品の稼働状況を示す稼働モニタ画面を、前記表示部に表示させる稼働モニタ画面表示ステップと、前記通信端末が、前記電化製品の機種情報を取得する機種情報取得ステップと、前記通信端末が、前記稼働モニタ画面に、前記機種情報から認識した前記電化製品の機種に対応したメンテナンス支援画面へのリンクを受け付けるメンテナンス対応受付部を表示するメンテナンス対応ステップと、前記メンテナンス対応受付部への受付要求操作に応じて、前記メンテナンス支援画面を前記表示部に表示するメンテナンス支援画面表示ステップと、を含んでいる。
第1の発明によれば、稼働状況情報取得ステップにより、通信端末が、電化製品の駆動部の運転状況と検出部により検出された第1物理量とを示す稼働状況情報を取得する。そして、通信端末は、稼働モニタ画面表示ステップにより、稼働状況情報に基づいて、電化製品の稼働状況を示す稼働モニタ画面を表示部に表示する。また、通信端末は、機種情報取得ステップにより電化製品の機種情報を取得し、メンテナンス対応ステップにより、メンテナンス対応受付部を稼働モニタ画面に表示する。そして、通信端末は、メンテナンス支援画面表示ステップにより、稼働モニタ画面でメンテナンス対応受付部への受付要求操作がなされたときに、メンテナンス支援画面を表示部に表示する。これにより、電化製品のメンテナンス作業者は、稼働モニタ画面により電化製品の稼働状況を確認して、電化製品の異常を認識することができる。そして、電化製品の異常を認識したときに、メンテナンス作業者は、メンテナンス支援画面を表示させて、異常の対処方法を容易に確認することができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記メンテナンス支援画面表示ステップにおいて、前記通信端末は、前記機種情報から認識した前記電化製品の機種に関連した故障情報を表示する前記メンテナンス支援画面を、前記表示部に表示する。
第2の発明によれば、メンテナンス支援画面に電化製品の機種に関連した故障情報を表示することにより、メンテナンス作業者に対して、機種に特有の故障情報を認識させて、電化製品の異常に対する措置の特定を容易にすることができる。
【0012】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、前記メンテナンス支援画面表示ステップにおいて、前記通信端末は、前記駆動部の運転の開始又は停止を受け付ける前記メンテナンス支援画面を、前記表示部に表示し、前記通信端末が、前記メンテナンス支援画面の表示に応じて、前記駆動部の運転の開始又は停止を受付けたときに、前記電化製品に対して、運転の開始を受け付けたときは運転の開始を指示し、運転の停止を受付けたときは運転の停止を指示する駆動部運転対応ステップを含む。
第3の発明によれば、電化製品のメンテナンス作業者は、駆動部の運転と停止を通信端末により操作して、駆動部の正常動作を確認することができる。また、メンテナンス作業者は、メンテナンス作業の内容に応じて、駆動部の運転と停止を切替えることができる。
【0013】
第4の発明は、第1の発明から第3の発明のうちのいずれかにおいて、前記機種情報には、前記電化製品で生じ得る複数の不具合に各不具合を解消するための対応処置を対応付けた不具合対処データと、前記不具合対処データに含まれる複数の対応処理に各対応処理を実施するための作業手順を対応付けた作業手順データとが含まれ、前記メンテナンス支援画面表示ステップにおいて、前記通信端末は、前記電化製品に対する不具合情報の入力を受け付ける不具合情報受付部を表示する前記メンテナンス支援画面を、前記表示部に表示し、前記不具合情報受付部への受付要求操作により前記不具合情報が入力されたときに、前記不具合対処データを参照して、該入力された前記不具合情報に対応する対応処置を抽出し、該抽出した対応処置の作業手順を前記作業手順データを参照して抽出して、前記メンテナンス支援画面に表示する。
第4の発明によれば、電化製品のメンテナンス作業者は、メンテナンス支援画面の不具合情報受付部に不具合情報を入力することにより、不具合の対応処置の作業手順を確認することができる。
【0014】
第5の発明は、前記作業手順データは、前記作業手順を示す動画データを含み、前記メンテナンス支援画面表示ステップにおいて、前記通信端末は、前記作業手順を、前記動画データを再生した動画により前記メンテナンス支援画面に表示する。
第5の発明によれば、メンテナンス作業者は、作業手順を示す動画を視認することにより、不具合の対処処置の作業手順を容易に確認することができる。
【0015】
第6の発明は、第1の発明から第5の発明のうちのいずれかにおいて、前記機種情報には、前記電化製品の分解手順を示す分解手順データが含まれ、前記メンテナンス支援画面表示ステップにおいて、前記通信端末は、前記電化製品を構成する複数の構成部分を表した製品構成図を示し、前記製品構成図における第1の選択操作に応じて、選択された構成部分を段階的に分解した分解構成図を前記メンテナンス支援画面に示し、前記分解構成図における第2の選択操作により選択された部分について、前記分解手順データを参照して対応する分解手順を抽出し、該抽出した分解手順を、前記メンテナンス支援画面に表示する。
第6の発明によれば、電化製品のメンテナンス作業者は、製品構成図から分解によるメンテナンスを行いたい部分を選択することにより、分解手順を確認することができる。
【0016】
第7の発明は、第6の発明において、前記分解手順データは、前記分解手順を示す動画データを含み、前記メンテナンス支援画面表示ステップにおいて、前記通信端末は、前記分解手順を、前記動画データを再生した動画により前記メンテナンス支援画面に表示する。
第6の発明によれば、メンテナンス作業者は、分解手順を示す動画を視認することにより、選択した部分の分解手順を容易に確認することができる。
【0017】
第8の発明は、前記通信端末が、第2物理量を検出して検出した前記第2物理量を示す検出情報を無線により送信する無線型検出器により、前記無線型検出器により検出された前記第2物理量を示す第2物理量情報を取得する第2物理量情報取得ステップを含み、前記稼働モニタ画面表示ステップにおいて、前記通信端末は、前記稼働状況情報から認識した前記駆動部の運転状況及び前記第1物理量と共に、前記第2物理量情報から認識した前記第2物理量を示す前記稼働モニタ画面を、前記表示部に表示する。
第8の発明によれば、メンテナンス作業者は、第2物理量を確認したい箇所に無線型検出器を置くことにより、当該箇所における第2物理量の検出値を稼働モニタ画面に表示させて、電化製品の異常を判断することができる。
【0018】
第9の発明は、前記電化製品は複数の収容室を有する冷蔵庫であり、前記駆動部は、コンプレッサ、及び前記収容室に連通したダクトから前記収容室に冷気を送出するファンであり、前記検出部は、前記複数の収容室に個別に設けられて、前記第1物理量として温度を検出する温度センサであり、前記無線型検出器は、前記第2物理量として温度を検出する。
第9の発明によれば、冷蔵庫のメンテナンス作業者は、稼働モニタ画面に表示されるコンプレッサ及びファンの運転状況と各収容室の検出温度、及び無線型検出器の検出温度を確認して、冷蔵庫の異常を判断することができる。
【0019】
第10の発明は、前記通信端末が、所定の正常運転判定開始条件が成立したときに、前記ファンによる前記ダクトから前記収容室への冷気の送出口付近に置かれた前記無線型検出器から送信される前記検出情報を繰り返し受信して、前記検出情報から認識した検出温度の変化に基づいて、前記冷蔵庫の正常運転を判定する正常運転判定ステップを含む。
第10の発明によれば、冷気の送出口付近に置かれた無線型検出器の検出温度の変化に基づいて、コンプレッサが作動して冷気が収容室に送出されていることを認識することができるため、冷蔵庫が正常に運転していることを速やかに判定することができる。
【0020】
第11の発明は、表示部を備えた通信端末により、駆動部及び前記駆動部の作動に応じて変化する第1物理量を検出する検出部を備えた電化製品のメンテナンスを支援するために実行されるプログラムであって、前記通信端末を、前記駆動部の運転状況と前記検出部により検出された前記第1物理量とを含む稼働状況情報を取得する稼働状況情報取得部と、前記稼働状況情報に基づいて、前記電化製品の稼働状況を示す稼働モニタ画面を、前記通信端末の表示部に表示させる稼働モニタ画面表示部と、前記電化製品の機種情報を取得する機種情報取得部と、前記稼働モニタ画面に、前記機種情報から認識した前記電化製品の機種に対応したメンテナンス支援画面へのリンクを受け付けるメンテナンス対応受付部を表示するメンテナンス対応部と、前記メンテナンス対応受付部への受付要求操作に応じて、前記メンテナンス支援画面を前記表示部に表示するメンテナンス支援画面表示部として機能させる。
第11の発明によれば、第10の発明のプログラムを通信端末に実行させて、通信端末を、稼働状況情報取得部、稼働モニタ画面表示部、メンテナンス対応受付部、及びメンテナンス支援画面表示部として機能させることにより、第1発明と同様の効果を得ることができる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0022】
[1.通信端末の使用態様]
図1は、本発明の稼働モニタ方法及び稼働モニタ用プログラムと、本発明のメンテナンス支援方法及びメンテナンス支援用プログラムとが実行される通信端末の使用態様を示している。本実施形態の通信端末400は、タッチパネル460を備えたタブレット型の通信端末である。通信端末400の使用者であるメンテナンス作業者PSは、家屋Hを訪問して、冷蔵庫1(本発明の電化製品に相当する)のメンテナンス(点検、調整、修理等)を行う際に、通信端末400を使用する。
【0023】
冷蔵庫1は、冷蔵庫1の作動を制御するコントローラ100と、冷蔵庫1の運転条件(運転パラメータ)の設定やエラーコードの表示等を行う操作パネル15とを備えている。コントローラ100は、冷蔵庫1に備えらえた駆動部(コンプレッサ、ファン、ダンパ等)の運転状況、及びセンサ(温度センサ、扉開閉センサ等)の検出信号を、定期的(例えば、数分~数10分毎)にモニタリングする。
【0024】
そして、コントローラ100は、モニタリングにより認識した現時点(本発明の所定時点に相当する)における駆動部の運転状況及びセンサによる検出温度と、モニタリングを行った時点とを示す現時点第1情報を、家屋Hに設置されたゲートウェイ500(無線LANルータ等)、及び通信ネットワーク510を介して、管理サーバ520に送信する。管理サーバ520は、現時点第1情報を受信して、稼働履歴データ521に追加して記録する。また、管理サーバ520には、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、空調機器等の種々の電化製品に関する情報を、機種別に記録した機種別データ522が保存されている。機種別データ522には、本発明の不具合対処データ、作業手順データ、分解手順データ、及び動画データが含まれる。
【0025】
通信端末400も、ゲートウェイ500及び通信ネットワーク510を介して、管理サーバ520との間で通信を行い、稼働履歴データ521に記録された冷蔵庫1の稼働履歴情報を取得する。また、通信端末400は、管理サーバ520から、冷蔵庫1の機種用の機種別データを取得する。また、通信端末400は、無線により検出データを送信する無線温度センサ300との間で無線通信を行って、無線温度センサ300による検出温度の情報を取得する。
【0026】
[2.冷蔵庫の構成]
図2~
図4を参照して、冷蔵庫1の構成について説明する。
図2は冷蔵庫1の正面の外観を示した説明図である。
図2に示したように、冷蔵庫1は、前面に開口した主箱体2を備え、主箱体2内には、冷蔵室10、製氷室30、新鮮凍結室40、冷凍室50、及び野菜室60が形成されている。また、冷蔵室10には、パーシャル/チルド切替室20が配置されている。冷蔵室10、パーシャル/チルド切替室20、製氷室30、新鮮凍結室40、冷凍室50、及び野菜室60は、本発明の収容室に相当する。
【0027】
冷蔵室10の前面の開口部には、回転式の左ドア11a及び右ドア11bが設けられている。また、冷蔵室10の左側の内壁には、冷蔵庫1の運転条件の変更、エラー表示等を行うための操作パネル15が設けられている。製氷室30、新鮮凍結室40、冷凍室50、及び野菜室60には、それぞれ食品を収容する引出31、41、51、及び61が設けられている。
【0028】
次に、
図3は冷蔵庫1の庫内の構成を右側から見た断面により示した説明図である。冷蔵室10には、左ドア11aの開閉状態を検出する左ドア開閉センサ12aと、右ドア11bの開閉状態を検出する右ドア開閉センサ12bとが設けられている。左ドア開閉センサ12aは、左ドア11aが閉まっているときは閉検出信号を出力し、左ドア11a開いているときには開検出信号を出力する。同様に、右ドア開閉センサ12bは、右ドア11bが閉まっているときは閉検出信号を出力し、右ドア11bが開いているときには開検出信号を出力する。
【0029】
製氷室30には、製氷室30の開口部の開閉を検出する製氷室開閉センサ32が設けられている。製氷室開閉センサ32は、製氷室30に引出31が収容されているときは閉検出信号を出力し、製氷室30から引出31が引き出されているときには開検出信号を出力する。同様に、新鮮凍結室40には、新鮮凍結室40の開口部の開閉を検出する新鮮凍結室開閉センサ42が設けられている。また、冷凍室50には、冷凍室50の開口部の開閉を検出する冷凍室開閉センサ52が設けられ、野菜室60には、野菜室60の開口部の開閉を検出する野菜室開閉センサ62が設けられている。新鮮凍結室開閉センサ42、冷凍室開閉センサ52、野菜室開閉センサ62は、製氷室開閉センサ32と同様に、閉検出信号と開検出信号を出力する。
【0030】
冷蔵室10には、冷蔵室10内の温度を検出する冷蔵室温度センサ13が設けられ、パーシャル/チルド切替室20には、パーシャル/チルド切替室20内の温度を検出する切替室温度センサ23が設けられている。製氷室30には、製氷室30内の温度を検出する製氷室温度センサ33が設けられ、新鮮凍結室40には、新鮮凍結室40内の温度を検出する新鮮凍結室温度センサ43が設けられている。冷凍室50には、冷凍室50内の温度を検出する冷凍室温度センサ53が設けられ、野菜室60には、野菜室60内の温度を検出する野菜室温度センサ63が設けられている。
【0031】
上機械室70には、圧縮機71、凝縮器72、及び機械室ファン73が配置されている。ダクト75に配置された蒸発器74は、図示しない冷媒路により圧縮機71及び凝縮器72と接続されて、冷凍サイクルを構成する。ダクト75には、蒸発器74により冷却された空気(冷気)を、ダクト75に複数設けられた冷気吐出口79から、冷蔵室10、パーシャル/チルド切替室20、製氷室30、新鮮凍結室40、冷凍室50、及び野菜室60に送出する冷却ファン76が設けられている。
【0032】
さらに、ダクト75には、新鮮凍結室40に冷気を送出する新鮮凍結室ファン77と、蒸発器74の温度を検出する霜取温度センサ78とが設けられている。下機械室80には、蒸発皿81と、蒸発皿ファン82とが設けられている。
図3では、冷蔵室10の冷気吐出口79の付近に、無線温度センサ300が置かれた例を示している。このように、無線温度センサ300を、温度を確認したい任意に箇所に置くことにより、後述するように、任意の箇所の温度を通信端末400で確認することができる。
【0033】
次に、
図4は、ファンによる冷蔵庫1内の空気の流れの説明図である。冷却室95において蒸発器74で冷却された空気は、冷却ファン76により、ダクト75から冷蔵室10、パーシャル/チルド切替室20、製氷室30、新鮮凍結室40、冷凍室50、及び野菜室60に送出される。また、新鮮凍結室40については、新鮮凍結室ファン77によっても、ダクト75から冷気が送出される。
【0034】
ダクト75には、開閉により冷気の供給量を調節するためのダンパとして、冷蔵室10への冷気の供給量を調節する冷蔵室ダンパ90、パーシャル/チルド切替室20への冷気の供給量を調節するパーシャル/チルド切替室ダンパ91、野菜室60への冷気の供給量を調節する野菜室ダンパ92、及び冷凍室50への冷気の供給量を調節する冷凍室ダンパ93が設けられている。
【0035】
冷却室95からダクト75を介して冷蔵室10、パーシャル/チルド切替室20、製氷室30、新鮮凍結室40、冷凍室50、及び野菜室60に供給された冷気は、図示しないリターンダクトを通って冷却室に戻る。
【0036】
上機械室70において、機械室ファン73が左側の通気孔から外気を吸込んで凝縮器72と圧縮機71を冷却し、排熱を右側の通気孔から排出する。下機械室80において、蒸発皿ファン82が左側の通気孔から外気を吸込んで、霜取り水の蒸発促進と図示しない蒸発皿パイプを冷却し、排熱を右側の通気孔から排出する。
【0037】
[3.冷蔵庫の制御ブロック]
図5は、冷蔵庫1の制御ブロック図である。コントローラ100は、CPU110、メモリ130、通信部140、及び日時認識部141等により構成された電子回路ユニットである。コントローラ100は、操作パネル15と接続され、操作パネル15の操作信号がコントローラ100に入力されると共に、コントローラ100から出力される制御信号により操作パネルの表示が制御される。
【0038】
コントローラ100には、温度センサ13,23,33,43,53,63,17の温度検出信号と、開閉センサ12a,12b,32,42,52,62の開閉検出信号とが入力される。また、コントローラ100から出力される制御信号により、圧縮機71、ファン73,76,77,82、及びダンパ90,91,92,93の作動が制御される。
【0039】
通信部140は、無線により、通信ネットワーク510を介して管理サーバ520との間で通信を行う。また、通信部140は、無線により、通信ネットワーク510を介して、或いは直接、通信端末400との間で通信を行う。通信ネットワーク510を介した無線通信は、Wi-Fi(登録商標)等により行われる。通信端末400との直接の無線通信は、Wi-Fiダイレクト、Bluetooth(登録商標)等により行われる。日時認識部141は、現在の日時を計数して現在の日時を示す日時情報をCPU110に出力する。
【0040】
CPU110は、メモリ130に保存された冷蔵庫制御用プログラム131を実行することにより、主制御部111、メンテナンス対応部112、及び稼働履歴保存部113として機能する。主制御部111は、冷蔵庫1の温度センサ13,23,33,43,53,63から出力される温度検出信号から、冷蔵室10、パーシャル/チルド切替室20、製氷室30、新鮮凍結室40、冷凍室50、及び野菜室60の温度を認識する。
【0041】
そして、主制御部111は、認識した温度に基づいて、圧縮機71、ファン73,76,77,82、及びダンパ90,91,92,93の作動を制御することにより、冷蔵室10、パーシャル/チルド切替室20、製氷室30、新鮮凍結室40、冷凍室50、及び野菜室60の温度を制御する。
【0042】
メンテナンス対応部112は、操作パネル15の操作に応じて、テストモード及びサービスモードによる処理を行う。メンテナンス対応部112は、テストモードにおいては、製氷、圧縮機71の回転数、その他制御の確認テストを実行する。また、サービスモードにおいて、メンテナンス対応部112は、温度センサ13,23,33,43,53,63による検出温度、圧縮機71の作動周波数、圧縮機71の運転積算時間等を、操作パネル15の表示部に表示する。
【0043】
また、メンテナンス対応部112は、通信端末400から送信されるリアルタイムモニタ開始情報を受信したときに、現時点における冷蔵庫1の運転状況を示す現時点第1情報を、通信端末400に送信する。現時点第1情報には、現時点(測定時点)の日時、現時点における、温度センサによる検出温度、開閉センサ12a,12b,32,42,52,62により検出された各室の開閉状況、圧縮機71の運転状況、ファン73,76,77,82の運転状況、ダンパ90,91,92,93の開閉状態等の情報が含まれる。現時点第1情報は、本発明の稼働状況情報に相当する。
【0044】
稼働履歴保存部113は、所定のモニタリング周期(例えば、数分~数10分毎)により、現時点における、温度センサ13,23,33,43,53,63による検出温度、開閉センサ12a,12b,32,42,52,62により検出された各室の開閉状況、圧縮機71の運転状況、ファン73,76,77,82の運転状況等を認識する。そして、稼働履歴保存部113は、認識した情報と測定時点を示す稼働モニタ情報を、通信部140を介して管理サーバ520に送信する。なお、直近の過去数日の稼働履歴については、メモリ130にも保存するようにしてもよい。
【0045】
[4.通信端末の構成]
図6を参照して、通信端末400の構成について説明する。通信端末は400は、制御ユニット410、通信部450、スピーカー451、タッチパネル460、及び記憶部470を備えている。
【0046】
制御ユニット410は、CPU(Central Processing Unit)420、メモリ430、及び図示しないインターフェース回路等により構成された電子回路ユニットである。CPU420は、メモリ430に保存された稼働モニタ用プログラム431を実行することにより、稼働モニタ制御部421として機能する。また、CPU420は、メモリ430に保存されたメンテナンス支援用プログラム432を実行することにより、メンテナンス支援制御部422として機能する。なお、メンテナンス支援用プログラム432を稼働モニタ用プログラム431に統合してもよく、逆に稼働モニタ用プログラム431にメンテナンス支援用プログラム432を統合してもよい。
【0047】
制御ユニット410は、通信部450、スピーカー451、タッチパネル460、及び記憶部470と接続されている。通信部450は、無線により、通信ネットワーク510を介して管理サーバ520との間で通信を行い、冷蔵庫1及び無線温度センサ300との間で直接的に通信する。タッチパネル460は、液晶パネル等により構成されたフラットパネル型の表示器461と、表示器461の表面を覆って配置されたタッチスイッチ462とを備えている。表示器461は、制御ユニット410から出力される画像制御信号に応じて、種々の画面を表示する。タッチスイッチ462は、メンテナンス作業者PS等によるタッチ操作に応じた操作信号を制御ユニット410に入力する。
【0048】
メンテナンス支援制御部422は、メンテナンス作業者PSによるタッチスイッチ462の操作に応じて、管理サーバ520との通信により、冷蔵庫1の機種用の機種別データ480aを取得して、記憶部470に保存する。同様にして、メンテナンス対応部112は、他の電化製品についての機種別データ480b、480c、…、をメンテナンス作業者PSによる操作に応じて、管理サーバ520から取得する。メンテナンス対応部112が、機種別データ480a、480b、480c、…を取得する処理は、本発明のメンテナンス支援方法における機種別情報取得ステップに相当し、機種別情報を取得する構成は、本発明の機種別情報取得部に相当する。
【0049】
機種別データ480aには、冷蔵庫1の機種で生じ得る不具合を解消するための対応処置を示す不具合対処データ481a、対応処置の手順を示す作業手順データ482a、及び対応処置の手中を動画により説明した作業動画データ483a等が含まれる。機種別データ480b、480c、…、についても同様である。
【0050】
[5.通信端末による処理]
通信端末400の制御ユニット410は、メンテナンス作業者PSが稼働モニタアプリを起動したときに、CPU420により、稼働モニタ用プログラム431及びメンテナンス支援用プログラム432を実行する。そして、冷蔵庫1の機種が選択された場合に、稼働モニタ制御部421及びメンテナンス支援制御部422は、
図7に示したフローチャートによる処理を実行する。
【0051】
図7のステップS1で、稼働モニタ制御部421は、冷蔵庫1との間で無線通信を確立する。そして、稼働モニタ制御部421は、続くステップS2~S5のループを繰り返し実行する。ステップS2で、稼働モニタ制御部421は、
図9に示した稼働モニタ画面WM0を、タッチパネル460の表示器461に表示する。稼働モニタ制御部421が稼働モニタ画面WM0及び後述する稼働モニタ画面WM1,WM2を表示器461に表示する処理は、本発明の稼働モニタ画面表示ステップに相当する。
【0052】
図9を参照して、稼働モニタ画面WM0には、冷蔵庫1の機種及び製造番号を示す機種表示部700、後述するメンテナンス支援画面への切替えを指示するためのメンテナンスボタン701(本発明のメンテナンス対応受付部に相当する)、後述するイラストモニタ画面への切替えを指示するためのグラフ/イラスト切替ボタン702、現時点からの運転状況の表示を指示するためのリアルタイムデータ取得ボタン703、後述するリモート設定変更画面への切替を指示するためのリモート設定変更ボタン704、及び表示対象を選択するための表示対象選択ボタン705が表示される。メンテナンスボタン701を表示する処理は、本発明のメンテナンス支援方法におけるメンテナンス対応ステップに相当し、メンテナンスボタン701を表示する構成は、本発明のメンテナンス対応部に相当する。
【0053】
次のステップS3で、メンテナンス作業者PSがリアルタイムデータ取得ボタン703にタッチして、「リアルタイムデータ取得」の選択操作を行ったときに、稼働モニタ制御部421は、ステップS100に処理を進めて「リアルタイム表示処理」を実行する。また、ステップS4で、メンテナンス作業者PSがリモート設定変更ボタン704にタッチして、「リモート設定変更」の選択操作を行ったときに、稼働モニタ制御部421は、ステップS200に処理を進めて「リモート設定変更処理」を実行する。また、ステップS5で、メンテナンス作業者PSがメンテナンスボタン701にタッチして、「メンテナンス支援」の選択操作を行ったときに、稼働モニタ制御部421は、ステップS300に処理を進めて「メンテナンス支援処理」を実行する。
【0054】
[6.リアルタイム表示処理]
図8に示したフローチャートに従って、「リアルタイム表示処理」の実行手順について説明する。
図8のステップS101で、稼働モニタ制御部421は、冷蔵庫1から、現時点における駆動部の運転状況と検出状況とを示す現時点第1情報を取得する。駆動部には、圧縮機71、機械室ファン73、冷却ファン76、新鮮凍結室ファン77、蒸発皿ファン82、冷蔵室ダンパ90、パーシャル/チルド切替室ダンパ91、野菜室ダンパ92、及び冷凍室ダンパ93が含まれる。ステップS101の処理は、本発明のメンテナンス支援方法における稼働状況情報取得ステップに相当し、ステップS101の処理を行う構成は、稼働状況情報取得部に相当する。
【0055】
検出状況には、冷蔵室温度センサ13、切替室温度センサ23、製氷室温度センサ33、新鮮凍結室温度センサ43、冷凍室温度センサ53、及び野菜室温度センサ63の検出温度が含まれる。さらに、検出状況には、左ドア開閉センサ12a、右ドア開閉センサ12b、製氷室開閉センサ32、新鮮凍結室開閉センサ42、冷凍室開閉センサ52、及び野菜室開閉センサ62により検出された開閉状態が含まれる。
【0056】
続くステップS102で、稼働モニタ制御部421は、無線温度センサ300との間で無線通信が確立されているか否かを判断する。なお、通信端末400と無線温度センサ300との間の通信確立は、無線温度センサ300の電源が入れられたときに、自動的に行うようにしてもよく、メンテナンス作業者PSによる接続操作によって行うようにしてもよい。
【0057】
そして、稼働モニタ制御部421は、通信端末400と無線温度センサ300との間の通信が確立しているときは、ステップS110に処理を進める。一方、通信端末400と無線温度センサ300との間の通信が確立していないときには、稼働モニタ制御部421は、ステップS103に処理を進める。ステップS110で、稼働モニタ制御部421は、無線温度センサ300から、現時点の無線温度センサ300による検出温度を示す現時点第2情報を受信して、ステップS103に処理を進める。現時点第2情報は、本発明の第2物理量情報に相当する。
【0058】
ステップS103で、稼働モニタ制御部421は、
図9に示したように、リアルタイムデータ取得情報710を表示する。リアルタイムデータ取得情報710は、「リアルタイム表示処理」を開始した時点からの温度センサの検出温度の推移を示す温度推移グラフ711と、駆動部の運転状況を示す運転状況グラフ712とを表示する。
【0059】
図9では、温度推移グラフ711に、外気温(外気温度センサ17の検出温度)、霜取センサ温度、冷凍室温度(冷凍室温度センサ53の検出温度、
図9ではFC温度と表示)、野菜室温度(野菜室温度センサ63の検出温度、
図9ではVC温度と表示)、冷蔵室温度(冷蔵室温度センサ13の検出温度、
図9ではPC温度と表示)を表示している例を示している。温度推移グラフ711に示される温度は、表示対象選択ボタン705により選択される表示対象(全室情報、冷蔵室、製氷室、冷凍室、野菜室のうちのいずれか)。また、稼働モニタ制御部421は、ステップS110で現時点第2情報を取得した場合は、無線温度センサ300による検出温度も、温度推移グラフ711に合わせて表示する。
【0060】
運転状況グラフ712は、圧縮機71、冷却ファン76(
図9ではFCファンと表示)、冷凍室ダンパ93(
図9ではFCダンパと表示)の運転状況を表示している例を示している。なお、稼働モニタ制御部421は、運転状況グラフ712のスクロール操作に応じて、機械室ファン73、新鮮凍結室ファン77、蒸発皿ファン82、冷蔵室ダンパ90、パーシャル/チルド切替室ダンパ91、及び野菜室ダンパ92の運転状況も同様に表示する。
【0061】
稼働モニタ制御部421は、ステップS104で、メンテナンス作業者PSによる測定終了操作があったとき、或いはステップS105で、測定期間が終了したときに、ステップS106に処理を進めて「リアルタイム表示処理」終了する。
【0062】
稼働モニタ制御部421は、メンテナンス作業者PSによりグラフ/イラスト切替ボタン702が操作されたときに、稼働モニタ画面WM0を、
図10に示した稼働モニタ画面WM1に切替える。稼働モニタ画面WM1には、冷蔵庫1の正面レイアウト720aと、冷蔵庫1の右側面レイアウト720bとが示される。
【0063】
正面レイアウト720aには、操作パネル15による運転条件の設定状態と、表示部の表示状態726を示す操作パネル状態表示部721が示される。また、正面レイアウト720aの冷蔵室10の箇所に、左ドア11a及び右ドア11bの開閉状態730が示され、製氷室30の箇所に製氷室30の開閉状態731が示され、新鮮凍結室40の箇所に新鮮凍結室40の開閉状態732が示される。また正面レイアウト720aの冷凍室50の箇所に冷凍室50の開閉状態733が示され、野菜室60の箇所に野菜室60の開閉状態734が示される。
【0064】
さらに、稼働モニタ制御部421は、管理サーバ520の稼働履歴データ521から冷蔵庫1の稼働履歴データを取得して、直近の過去3日間の冷蔵室10の開閉回数740、製氷室30の開閉回数と時間及び製氷回数741、新鮮凍結室40の開閉回数と時間742、冷凍室50の開閉回数と時間743、及び現時点の外気温744を、正面レイアウト720aに表示する。
【0065】
右側面レイアウト720bには、機械室ファン73の配置位置に機械室ファン73の運転状態760が表示され、圧縮機71の配置位置に圧縮機71の運転状態761が表示され、新鮮凍結室ファン77の配置位置に新鮮凍結室ファン77の運転状態762が表示され、冷却ファン76の配置位置に冷却ファン76の運転状態763が表示され、蒸発皿ファン82の配置位置に蒸発皿ファン82の運転状態が表示される。
【0066】
さらに、右側面レイアウト720bには、冷蔵室10の配置位置に冷蔵室温度センサ13の検出温度750が示され、パーシャル/チルド切替室20の配置位置に切替室温度センサ23の検出温度751が示され、新鮮凍結室40の配置位置に新鮮凍結室温度センサ43の検出温度752が示される。また、右側面レイアウト720bには、冷凍室50の配置位置に冷凍室温度センサ53の検出温度753が示され、野菜室60の配置位置に野菜室温度センサ63の検出温度754が示され、霜取温度センサ78の配置位置に霜取温度センサ78の検出温度755が示される。
【0067】
さらに、右側面レイアウト720bには、外気温度センサ17の配置位置に外気温度センサ17の検出温度756が示され、正面レイアウト720aと右側面レイアウト720bの間に、無線温度センサ300の検出温度757が示される。
【0068】
このように、稼働モニタ画面WM1には、正面レイアウト720aに、左ドア開閉センサ12a、右ドア開閉センサ12b、製氷室開閉センサ32、新鮮凍結室開閉センサ42、冷凍室開閉センサ52、及び野菜室開閉センサ62により検出された現時点の開閉状態730、731、732、733、734が、各開閉センサの検出対象位置に示される。
【0069】
また、右側面レイアウト720bには、冷蔵室温度センサ13、切替室温度センサ23、新鮮凍結室温度センサ43、冷凍室温度センサ53、野菜室温度センサ63、外気温度センサ17、及び霜取温度センサ78による現時点の検出温度750、751、752、753、754、755、756が、各温度センサの検出対象位置に示される。さらに、右側面レイアウト720bには、現時点における、機械室ファン73、圧縮機71、冷却ファン76、新鮮凍結室ファン77、及び蒸発皿ファン82の運転状態(運転/停止)760,761,762,763,764が、各駆動部の配置位置に示される。また、稼働モニタ画面WM1には、無線温度センサ300による現時点の検出温度757が示される。
【0070】
そのため、メンテナンス作業者PSは、稼働モニタ画面WM1により、現時点における冷蔵庫1の各部の温度、各室の開閉状態、駆動部の運転状況、無線温度センサ300を置いた箇所の温度を、容易に視認して、冷蔵庫1の全体的な運転状況を確認することができる。これにより、メンテナンス作業者PSによる冷蔵庫1の異常の判断を支援することができる。さらに、メンテナンス作業者PSは、例えば、使用者PUが冷蔵庫1の冷えが弱いと感じている場合に、稼働モニタ画面WM1を冷蔵庫1の使用者PUを見せて、冷蔵庫1の実際の運転状況を説明することができる。これにより、メンテナンス作業者PSは、冷えが弱い原因が、冷蔵庫1の異常ではなく、庫内の商品の配置状態であること、或いはドアの開閉頻度が多いことであること等を、使用者PUに説明することができる。
【0071】
また、無線温度センサ300との通信た確立されている場合に、稼働モニタ制御部421が、冷蔵庫1の運転を開始した時点からの無線温度センサ300の検出温度の低下度合に基づいて冷蔵庫1の正常運転を判定し、判定結果を表示器461に表示するようにしてもよい。この構成によれば、メンテナンス作業者PSは、無線温度センサ300をダクト75の冷気吐出口79付近に置くことにより、冷蔵庫1の正常運転を速やかに確認することができる。この正常運転の判定処理は、本発明の正常運転判定ステップに相当する。
【0072】
[7.リモート設定変更処理]
図11に示したフローチャートに従って、「リモート設定変更処理」の実行手順について説明する。
図11のステップS201で、稼働モニタ制御部421は、
図12に示したように、冷蔵庫1の運転条件を変更するための操作員設定メニュー770と、冷蔵庫1のテストモードにおける条件を変更するためのテストモードメニュー771とを示す稼働モニタ画面WM2を、表示器461に表示する。
【0073】
操作員設定メニュー770には、最高回転数切替(低騒音)モード、最低回転数切替(低振動)モード、冷蔵室温調補正、パイプヒータ通電率変更、パーシャルチルド室温調補正、冷蔵室青色LED消灯、電子音音量切替設定、エコナビ停止、湿度センサ通電率補正無効化、蒸発皿ファン電圧固定、パーシャルLED白色点灯、及び野菜室湿度センサ補正無効化の各パラメータ(運転条件)を変更するためのボタンが示される。テストモードメニュー771には、冷蔵室温度、パーシャル/チルド室温度、冷凍室・新鮮凍結室・製氷室温度、及び製氷停止設定のテストモードにおける各パラメータを設定するためのボタンが示される。
【0074】
次のステップS202で、稼働モニタ制御部421は、操作員設定メニュー770、又はテストモードメニュー771のいずれかのボタンがタッチされたことを認識したときに、ステップS210に処理を進める。ステップS210で、稼働モニタ制御部421は、タッチ操作により選択されたパラメーの変更用のポップアップ画面を表示する。
図12では、「最高回転数切替(低騒音)モード」が選択された場合のポップアップ画面772を例示している。メンテナンス作業者PSは、ポップアップ画面772をタッチ操作して、最高回転数切替(低騒音)モードのON(有効)とOFF(無効)を切替えることができる。
【0075】
続くステップS211で、稼働モニタ制御部421は、ポップアップ画面772に対するメンテナンス作業者PSの転送の操作に応じて、パラメータ設定の変更を指示するパラメータ変更情報を冷蔵庫1に送信し、ステップS203に処理を進める。冷蔵庫1においては、パラメータ変更情報を受信したコントローラ100のメンテナンス対応部112が、パラメータ変更情報に応じてパラメータの設定を変更する。
【0076】
ステップS203で、稼働モニタ制御部421は、戻るスイッチ722のタッチ操作による終了指示がなされたか否を判断する。そして、終了指示がなされたときにステップS204に処理を進めて「リモート設定変更処理」を終了して、
図7のメインルーチンの処理に戻る。「リモート設定変更処理」により、テストモードにおける各パラメータを設定する処理は、本発明のテストモード対応ステップに相当する。また、「リモート設定変更処理」により、冷蔵庫1の運転パラメータを変更する処理は、本発明の運転パラメータ変更ステップに相当する。
【0077】
[8.メンテナンス支援処理]
図13に示したフローチャートに従って、「メンテナンス支援処理」の実行手順について説明する。メンテナンス支援制御部422は、
図13のステップS301で、
図14に示したメンテナンス支援画面MS0を、表示器461に表示する。メンテナンス支援制御部422が、メンテナンス支援画面MS0及び後述するメンテナンス支援画面MS1~MSMS6を表示器461に表示する処理は、本発明のメンテナンス支援画面表示ステップに相当する。また、ステップS301の処理を実行する構成は、本発明のメンテナンス支援画面表示部に相当する。
【0078】
図14を参照して、メンテナンス支援画面MS0には、メンテナンスメニュー800が示される。メンテナンスメニュー800は、修理作業上の注意801、エラーコード一覧802、分解・組み立て要領803、サービスモード804、概要805、設置方法806、回路
図807、機種別関連ニュース808、症状別故障診断809、部品展開図・価格表810、テストモード811、技術解説812、取り扱い操作方法813、外形寸法
図814、及びQS実践テキスト815の各項目ボタンを含んでいる。
【0079】
続くステップS302で、メンテナンス支援制御部422は、メンテナンスメニュー800の項目ボタン801~815のいずれかが、タッチ操作により選択されたか否かを判断する。そして、メンテナンス支援制御部422は、いずれかの項目ボタンが選択されたときはステップS310に処理を進め、項目ボタンが操作されていないときにはステップS303に処理を進める。
【0080】
ステップS310で、メンテナンス支援制御部422は、選択された項目ボタンに対応したメンテナンス支援画面を、表示器461に表示する。例えば、分解・組み立て要領803の項目ボタンが選択された場合、メンテナンス支援制御部422は、
図15に示したメンテナンス支援画面MS1を、表示器461に表示する。
【0081】
分解・組み立て要領803に対応したメンテナンス支援画面MS1には、冷蔵庫1のドアの配置を示すドア配置
図820、冷蔵庫1の庫内の配置を示す庫内配置
図821、冷蔵庫1の天面を示す天面
図822、及び冷蔵庫1の機械室の配置を示す機械室配置
図823を含む製品構成図が示される。
【0082】
ドア配置
図820について、メンテナンス作業者PSは、タッチ操作により、冷蔵室左ドアPCL、冷蔵室右ドアPCR、製氷室ドアIC、新鮮凍結室ドアSC、冷凍室ドアFC、及び野菜室ドアVCのいずれかを選択することができる。また、庫内配置
図821について、メンテナンス作業者PSは、タッチ操作により、冷蔵室庫内、製氷/新鮮凍結/冷凍室庫内、及び野菜室庫内のいずれかの箇所を選択することができる。
【0083】
さらに、天面
図822について、メンテナンス作業者PSは、タッチ操作により天面を選択することができる。また、機械室配置
図823について、メンテナンス作業者PSは、タッチ操作により、上機械室、及び下機械室のいずれかの箇所を選択することができる。
【0084】
メンテナンス支援制御部422は、メンテナンス作業者PSが、ドア配置
図820、庫内配置
図821、天面
図822、及び機械室配置
図823のいずれかを操作して、いずれかの箇所を選択したときに、
図16に示したように、選択された箇所に配置された部品を分解工程に従ってツリー表示した部品ツリー830(本発明の分解構成図に相当する)を示すメンテナンス支援画面MS2を、表示器461に表示する。
【0085】
図16では、メンテナンス作業者PSが、庫内配置
図821について冷蔵室庫内を選択した場合を例示しており、「1.パーシャルチルドドア」を起点として、「2.パーシャルプレートトップ」、「3.プレートダクトAS」、…というように、各構成部品が分解工程の段階に従ってツリー化して表示されている。
【0086】
メンテナンス作業者PSは、部品ツリー830に表示された部品の中から、メンテナンスを行う部品をタッチ操作により選択することができる。
図16は、「6.インジェクトチューブAS」が選択された状態を示しており、この選択に応じて、メンテナンス支援制御部422は、
図16に示した部品ツリー830により示される部品の構成状態に基づいて、インジェクトチューブASの交換作業に含まれるサブ工程として、「1.パーシャルチルドドア」、「2.パーシャルプレートトップ」、「3.プレートタンクサイドAS」、「4.プレートダクトAS」、「5.カバープレートタンク」、及び「6.インジェクトチューブAS」を抽出する。
【0087】
そして、メンテナンス支援制御部422は、
図17に示したように、抽出したサブ工程を一覧表示したサブ工程一覧840を示すメンテナンス支援画面MS3を、表示器461に表示する。サブ工程一覧840には、サブ工程1~6の表示エリア841~846が表示される。メンテナンス作業者PSは、サブ工程1~6の表示エリア841~846のいずれかをタッチ操作することによって、作業手順を表示させるサブ工程を選択することができる。
【0088】
図17は、サブ工程1が選択されている状態を例示しており、メンテナンス支援制御部422は、記憶部470に保存された冷蔵庫1の機種用の機種別データ480aを参照して、サブ工程1に対応付けられた分解手順のデータ(分解手順の説明文、及び分解手順の動画のデータ)を取得する。そして、メンテナンス支援制御部422は、サブ工程1の表示エリア831を拡大して、サブ工程1(パーシャルチルドドア)の作業手順の説明文841aと、動画エリア841bとを表示する。メンテナンス支援制御部422は、メンテナンス作業者PSによる動画エリア841bのタッチ操作に応じて、サブ工程1の作業動画を再生する。
【0089】
また、
図18は、サブ工程6(インジェクトチューブAS)が選択された状態のメンテナンス支援画面MS4を例示している。
図18では、メンテナンス支援制御部422は、サブ工程6の表示エリア846を拡大して、サブ工程6の分解手順の説明文846aと、動画エリア846bとを表示する。メンテナンス支援制御部422は、メンテナンス作業者PSによる動画エリア846bのタッチ操作に応じて、サブ工程6の分解手順の動画を再生する。
【0090】
このように、メンテナンス作業者PSは、対応処置がいくつかのサブ工程に分かれる場合に、作業手順を知りたいサブ工程を選択して、説明部及び説明動画を視認することができる。そのため、対応処置の全ての作業手順を一括して説明文及び説明動画で出力する場合に比べて、メンテナンス作業者PSは、知りたいサブ工程の作業手順のみを効率良く視認して、速やかにメンテナンス作業を行うことができる。
【0091】
次に、
図14に示したメンテナンス支援画面MS0のメンテナンスメニュー800で、メンテナンス作業者PSが、エラーコード一覧802を選択して、エラーコード「H21]を選択した場合、メンテナンス支援制御部422は、
図19に示したメンテナンス支援画面MS5を、表示器461に表示する。エラーコードは、本発明の不具合情報に相当する。
【0092】
メンテナンス支援画面MS5には、エラーコード「H21」に対応した症状850(ここでは「アイスメカ異常」)、エラーの検出条件851(ここでは「製氷モータ回転異常」)、3つの対応処置852~854、及び対応処置を選択するための選択ボタン860が示される。そして、メンテナンス作業者PSが、いずれかの選択ボタン860を選択したときに、選択された対応処置の詳細を表示する。
【0093】
図20は、3つの対応処置のうち、「処置(2) アイスメカAS交換」が選択された場合のメンテナンス支援画面MS6を示しており、メンテナンス支援制御部422は、処置(1)~処置(3)の表示エリア852~854のうち、選択された処置(2)の表示エリア852を拡大して、処置(2)の作業手順を表示する。
【0094】
「処置(2) アイスメカAS交換」には、「サブ工程1 製氷室・新鮮凍結ルームドア」、「サブ工程2 アイスメーカ(アイスプレートトップ)」、及び「サブ工程3 アイスメカAS」という3つのサブ工程が含まれている。そこで、メンテナンス支援制御部422は、3つのサブ工程の表示エリア861~863を表示する。
【0095】
メンテナンス作業者PSは、3つのサブ工程の表示エリア861~863のいずれかを選択することができ、メンテナンス支援制御部422は、この選択に応じて、選択された表示エリアを拡大して作業手順情報を表示する。
図20では、「サブ工程1 製氷室ドア・新鮮凍結ルームドア」が選択された場合を示しており、メンテナンス支援制御部422は、サブ工程1の表示エリア861を拡大して、サブ工程1の作業手順の説明文861aと作業動画861bを表示している。
【0096】
メンテナンス支援制御部422は、メンテナンス作業者PSが作業動画の再生指示(動画エリア861bのタッチ操作)があったときに、記憶部470に保存された冷蔵庫1の機種用の作業動画データ483aを参照して、サブ工程1の作業動画データを取得し、作業動画を再生する。メンテナンス作業者PSは、説明文861a及び作業動画861bを視認することによって、作業手順を容易に理解して速やかにメンテナンスの作業を進めることができる。
【0097】
また、メンテナンス作業者PSは、対応処置の作業手順について、サブ工程毎に説明文及び作業動画を選択して視認することができる。そのため、対応処置の全ての作業手順の説明文及び作業動画を一括して視認する場合に比べて、効率良く作業手順の情報を取得して、速やかにメンテナンス作業を行うことができる。
【0098】
図14に示したメンテナンス支援画面MS0で、メンテナンス作業者PSが機種別関連ニュースの項目ボタン808を選択した場合、メンテナンス支援制御部422は、管理サーバ520から、機種情報DB131に保存されている冷蔵庫1の機種に関する情報を取得して表示器641に表示する。これにより、メンテナンス作業者PSは、冷蔵庫1の機種に特有な異常に関する情報等を容易に取得することができる。
【0099】
図14に示したメンテナンス支援画面MS0で、メンテナンス作業者PSがサービスモードの項目ボタン804を選択した場合、メンテナンス支援制御部422は、冷蔵庫1の各駆動部の運転の開始を停止を個別に指示するためのメニュー画面を表示する。そして、メンテナンス作業者PSの操作に応じて、メンテナンス支援制御部422は、駆動部の運転開始又は運転停止を指示する情報を冷蔵庫1に送信し、この情報の受信に応じて、冷蔵庫1のメンテナンス対応部112は、駆動部の運転を開始又は停止する。これにより、例えば、メンテナンス作業者PSは、メンテナンス作業がやり易いように特定のダンパを開ける等の指示をすることができる。このように、駆動部の運転の開始又は停止を指示する処理は、本発明の駆動部運転対応ステップに相当する。
【0100】
[9.その他の実施形態]
上記実施形態では、本発明の製品として冷蔵庫1を例に説明したが、本発明は、空調機器、洗濯機、テレビ、等の冷蔵庫以外の電化製品に対しても適用することができる。また、駆動部として、圧縮機71、冷却ファン76等を示したが、他の種類の駆動部であってもよい。また、第1物理量及び第2物理量として温度を示したが、湿度、熱量、風量、照度等であってもよい。
【0101】
上記実施形態では、本発明の端末装置として、タブレット型の通信端末400を示したが、これに限られず、ノートパソコン、スマートフォン等を本発明の端末装置として用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
以上のように、本発明にかかるメンテナンス支援方法及びメンテナンス支援用プログラムは、電化製品の設置場所を訪問したメンテナンス作業者に対して、通信端末に表示される稼働モニタ画面により電化製品の運転状況を判断を支援することができると共に、電化製品の異常が判断されたときに、稼働モニタ画面からメンテナンス支援画面に切り替えることにより、異常の対応処置の特定を支援することができる。
【符号の説明】
【0103】
1 冷蔵庫
13 冷蔵室温度センサ
23 切替室温度センサ
33 製氷室温度センサ
43 新鮮凍結室温度センサ
53 冷凍温度センサ
63 野菜室温度センサ
71 圧縮機
73 機械室ファン
76 冷却ファン
77 新鮮凍結室ファン
78 霜取温度センサ
100 コントローラ
300 無線温度センサ
400 通信端末
410 制御ユニット
420 CPU
421 稼働モニタ制御部
422 メンテナンス支援制御部
430 メモリ
431 稼働モニタ用プログラム
432 メンテナンス支援用プログラム
450 通信部
460 タッチパネル
461 表示器
462 タッチスイッチ
470 記憶部
480a 機種別データ
PS メンテナンス作業者
PU 使用者
WM0~WM2 稼働モニタ画面
MS0~MS6 メンテナンス支援画面
【手続補正書】
【提出日】2024-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫のメンテナンスを、表示部を備えた通信端末により支援するメンテナンス支援方法であって、
前記通信端末が、前記冷蔵庫に備えられた収容室のドアの過去の開閉状況を含む前記冷蔵庫の稼働状況情報を取得する稼働状況情報取得ステップと、
前記通信端末が、前記冷蔵庫の構成を示すレイアウト画像を前記表示部に表示して、前記稼働状況情報から認識される前記ドアの直近の過去数日間の開回数又は開時間を、前記レイアウト画像における前記ドアの画像部分と対応付けて表示する第2稼働モニタ画面を、前記表示部に表示させる第2稼働モニタ画面表示ステップと、
を含むメンテナンス支援方法。
【請求項2】
前記第2稼働モニタ画面において、前記レイアウト画像における前記ドアの画像部分に、前記ドアの直近の過去数日間の開回数又は開時間を重ねて表示することによって、前記ドアの画像部分と、前記ドアの直近の過去数日間の開回数又は開時間の表示とが、関連付けられている
請求項1に記載のメンテナンス支援方法。
【請求項3】
前記第2稼働モニタ画面において、前記レイアウト画像における前記ドアの画像部分に重畳して表示された前記収容室の名称と、前記ドアの画像部分の付近に表示された前記ドアの直近の過去数日間の開回数又は開時間とを、線分で接続することによって、前記ドアの画像部分と、前記ドアの直近の過去数日間に開回数又は開時間の表示とが、関連付けられている
請求項1に記載のメンテナンス支援方法。
【請求項4】
前記冷蔵庫は、駆動部を含む可動部と、前記可動部の状況に応じて変化する第1物理量を検出する検出部と、備え、
前記稼働状況情報取得ステップにおいて、前記通信端末は、前記可動部の状況と前記検出部により検出された前記第1物理量とを含む前記稼働状況情報を取得し、
前記第2稼働モニタ画面表示ステップにおいて、前記通信端末は、前記第2稼働モニタ画面において、前記可動部の状況を前記レイアウト画像における前記可動部の配置位置に表示すると共に、前記検出部により検出される前記第1物理量を、前記レイアウト画像における前記検出部による前記第1物理量の検出位置に表示する
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載のメンテナンス支援方法。
【請求項5】
前記冷蔵庫は、駆動部を含む可動部と、前記可動部の状況に応じて変化する第1物理量を検出する検出部と、を備え、
前記稼働状況情報取得ステップにおいて、前記通信端末は、前記可動部の状況と前記検出部により検出された前記第1物理量とを含む前記稼働状況情報を取得し、
前記通信端末が、前記稼働状況情報に基づいて、前記冷蔵庫の稼働状況を、前記駆動部の状態と前記第1物理量の推移をグラフにより表示する第1稼働モニタ画面を、前記第2稼働モニタ画面と切り替えて、前記表示部に表示させる第1稼働モニタ画面表示ステップと、
前記通信端末が、前記第1稼働モニタ画面に、現時点からの運転状況の表示を指示するためのリアルタイムデータ取得ボタンを表示するステップと、
前記通信端末が、前記リアルタイムデータ取得ボタンの選択操作に応じて、前記選択操作がなされた時点から測定期間が終了するまでの前記第1物理量の推移を示す第1物理量推移グラフと、前記選択操作がなされた時点から前記測定期間が終了するまでの前記駆動部の運転状況を示す運転状況グラフとを、同一の時間軸により前記第1稼働モニタ画面に表示するステップと、
を含む請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載のメンテナンス支援方法。
【請求項6】
表示部を備えた通信端末により、冷蔵庫のメンテナンスを支援するために実行されるプログラムであって、前記通信端末を、
前記冷蔵庫に備えられた収容室のドアの過去の開閉状況を含む前記冷蔵庫の稼働履歴情報を取得する稼働状況情報取得部と、
前記冷蔵庫の構成を示すレイアウト画像を前記表示部に表示して、前記稼働履歴情報から認識される前記ドアの直近の過去数日間の開回数又は開時間を、前記レイアウト画像における前記ドアの画像部分と対応付けて表示する第2稼働モニタ画面を、前記表示部に表示させる稼働モニタ制御部と、
して機能させるメンテナンス支援用プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
前記従来の課題を解決するため、本発明のメンテナンス支援方法は、冷蔵庫のメンテナンスを、表示部を備えた通信端末により支援するメンテナンス支援方法であって、前記通信端末が、前記冷蔵庫に備えられた収容室のドアの過去の開閉状況を含む前記冷蔵庫の稼働状況情報を取得する稼働状況情報取得ステップと、前記通信端末が、前記冷蔵庫の構成を示すレイアウト画像を前記表示部に表示して、前記稼働状況情報から認識される前記ドアの直近の過去数日間の開回数又は開時間を、前記レイアウト画像における前記ドアの画像部分と対応付けて表示する第2稼働モニタ画面を、前記表示部に表示させる第2稼働モニタ画面表示ステップと、を含むものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
また、本発明のメンテナンス支援用プログラムは、表示部を備えた通信端末により、冷蔵庫のメンテナンスを支援するために実行されるプログラムであって、前記通信端末を、前記冷蔵庫に備えられた収容室のドアの過去の開閉状況を含む前記冷蔵庫の稼働履歴情報を取得する稼働状況情報取得部と、前記冷蔵庫の構成を示すレイアウト画像を前記表示部に表示して、前記稼働履歴情報から認識される前記ドアの直近の過去数日間の開回数又は開時間を、前記レイアウト画像における前記ドアの画像部分と対応付けて表示する第2稼働モニタ画面を、前記表示部に表示させる稼働モニタ制御部と、して機能させるものである。