(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001740
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】操作支援装置、操作支援システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
E02F 9/26 20060101AFI20231227BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
E02F9/26 A
E02F9/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100597
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】竹内 凌一
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB03
2D003AB04
2D003BA01
2D003BA04
2D003BA06
2D003CA02
2D003DA04
2D003DB01
2D003DC07
2D015HA03
(57)【要約】
【課題】バケットなどで掬い上げた物体を投下するユーザ操作を支援する操作支援装置、操作支援システム、及びプログラムを提供する。
【解決手段】操作支援装置は、バケットにより掬い上げられる物体に関する情報に基づき、物体が落下する落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定する推定部と、推定部が推定する落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を示す映像を生成する映像生成部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バケットにより掬い上げられる物体に関する情報に基づき、当該物体が落下する落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定する推定部と、
前記推定部が推定する前記落下位置及び前記落下範囲の少なくとも一方を示す映像を生成する映像生成部と、
を備える、操作支援装置。
【請求項2】
前記推定部は、前記バケットによって掬い上げられた前記物体の高さ及び位置の少なくとも一方に基づいて、前記落下位置及び前記落下範囲の少なくとも一方を推定する、請求項1に記載の操作支援装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記バケットの高さ及び位置の少なくとも一方に基づいて、前記落下位置及び前記落下範囲の少なくとも一方を推定する、請求項1に記載の操作支援装置。
【請求項4】
バケットによって掬い上げられる物体の映像を取得する映像取得部と、
前記映像取得部が取得する前記物体の映像に基づいて、当該物体を判別する物体判別部と、を有し、
前記推定部は、前記物体判別部が判別する前記物体に応じて、当該物体が落下する落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定する、請求項1に記載の操作支援装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記物体判別部が判別する前記物体の物理的特性に応じて、前記落下位置及び前記落下範囲の少なくとも一方を推定する、請求項4に記載の操作支援装置。
【請求項6】
前記物体判別部が判別する前記物体と、当該物体の物理的特性との対応関係を記憶する記憶部を備える、請求項4に記載の操作支援装置。
【請求項7】
前記物体の重量を判定する重量判定部を備え、
前記推定部は、前記物体の重量に基づいて、前記落下位置及び前記落下範囲の少なくとも一方を推定する、請求項4に記載の操作支援装置。
【請求項8】
前記重量判定部は、前記映像取得部が取得する前記物体の映像に基づいて、当該物体の重量を判定する、請求項7に記載の操作支援装置。
【請求項9】
前記重量判定部は、前記物体の重量を検出するセンサの出力に基づいて、当該物体の重量を判定する、請求項7に記載の操作支援装置。
【請求項10】
前記推定部は、前記バケットによって掬い上げられる前記物体が当該バケットから投下される際の当該バケットの運動速度に基づいて、前記落下位置及び前記落下範囲の少なくとも一方を推定する、請求項1に記載の操作支援装置。
【請求項11】
前記推定部は、前記バケットによって掬い上げられる前記物体が当該バケットから投下される際の当該バケットのチルト速度に基づいて、前記落下位置及び前記落下範囲の少なくとも一方を推定する、請求項1に記載の操作支援装置。
【請求項12】
前記映像生成部は、前記推定部が推定する前記落下位置及び前記落下範囲の少なくとも一方を示す映像を、前記映像取得部が取得する前記物体の映像に重ねた映像を生成する、請求項1から請求項10のいずれかに記載の操作支援装置。
【請求項13】
前記推定部は、バケットの位置に基づいて当該バケットの鉛直下方向の地点を推定し、
前記映像生成部は、前記推定部が推定する前記バケットの鉛直下方向の地点を示す映像を生成する、請求項1に記載の操作支援装置。
【請求項14】
前記物体に関する情報を前記推定部に入力する入力部を有し、
前記推定部は、前記入力部から入力された前記物体に関する情報に基づいて、前記バケットが前記物体を掬っていない状態で、前記落下位置及び前記落下範囲を推定する、請求項1に記載の操作支援装置。
【請求項15】
前記バケットが前記物体を掬い上げることで出力した、前記物体に関する情報を記憶する記憶部を有し、
前記推定部は、前記記憶部が記憶した前記物体に関する情報に基づいて、前記バケットが前記物体を掬っていない状態で、前記落下位置及び前記落下範囲を推定する、請求項1に記載の操作支援装置。
【請求項16】
バケットにより掬い上げられる物体に関する情報を受信する通信部と、
前記通信部が受信する情報に基づき、前記物体が落下する落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定する推定部と、
前記推定部が推定する前記落下位置及び前記落下範囲の少なくとも一方を示す映像を生成する映像生成部と、
前記映像生成部が生成する映像を表示する表示部と、
を含む、操作支援システム。
【請求項17】
コンピュータに、
バケットにより掬い上げられる物体に関する情報に基づき、当該物体が落下する落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定する推定ステップと、
前記推定ステップにおいて推定する前記落下位置及び前記落下範囲の少なくとも一方を示す映像を生成する映像生成ステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、操作支援装置、操作支援システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工事現場などにおいて、建設機械として、例えばバックホウ又はローディングショベルなどのような油圧ショベルが用いられることがある。これらのような建設機械は、例えば土又は石などの各種物体を、バケットなどのアタッチメントで掬い上げることができる。このような建設機械のユーザは、バケットなどで掬い上げた物体を、狙い通りの場所(位置)に投下することを求められることがある。このような状況に対応し得るものとして、例えば特許文献1は、画像処理システムを提案している。この画像処理システムは、ユーザが油圧ショベルなどを用いて土砂などの物体を掬い上げてから投下する際に、ダンプトラックなどのベッセル(荷台)の位置を特定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建設機械のバケットなどで掬い上げた物体を、ユーザが狙い通りの場所(位置)に投下できれば望ましいことがある。
【0005】
本開示の目的は、バケットなどで掬い上げた物体を投下するユーザ操作を支援する操作支援装置、操作支援システム、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る操作支援装置は、
バケットにより掬い上げられる物体に関する情報に基づき、当該物体が落下する落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定する推定部と、
前記推定部が推定する前記落下位置及び前記落下範囲の少なくとも一方を示す映像を生成する映像生成部と、
を備える。
【0007】
一実施形態に係る操作支援システムは、
バケットにより掬い上げられる物体に関する情報を受信する通信部と、
前記通信部が受信する情報に基づき、前記物体が落下する落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定する推定部と、
前記推定部が推定する前記落下位置及び前記落下範囲の少なくとも一方を示す映像を生成する映像生成部と、
前記映像生成部が生成する映像を表示する表示部と、
を含む。
【0008】
一実施形態に係るプログラムは、
コンピュータに、
バケットにより掬い上げられる物体に関する情報に基づき、当該物体が落下する落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定する推定ステップと、
前記推定ステップにおいて推定する前記落下位置及び前記落下範囲の少なくとも一方を示す映像を生成する映像生成ステップと、
を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
一実施形態によれば、バケットなどで掬い上げた物体を投下するユーザ操作を支援する操作支援装置、操作支援システム、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る操作支援システム及び油圧ショベルの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る操作支援システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る操作支援装置の動作を説明するフローチャートである。
【
図4】一実施形態に係る操作支援装置の動作の例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る操作支援装置の動作を説明するフローチャートである。
【
図6】一実施形態に係る操作支援装置の動作の例を示す図である。
【
図7】一実施形態に係る操作支援装置の動作の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示において、「操作支援装置」とは、電力により駆動される電子機器としてよい。また、「操作支援システム」とは、電力により駆動される機器(例えば操作支援装置)を含むものとしてよい。また、「ユーザ」とは、一実施形態に係る操作支援装置又は操作支援システムを使用する者としてよい。ユーザは、一実施形態に係る操作支援装置又は操作支援システムを用いることによる恩恵を受け得る者としてよい。
【0012】
一実施形態に係る操作支援装置が利用される場面として想定されるのは、例えば建設現場又は工事現場などの油圧ショベルのような建設機械が使用される現場としてよい。このような現場において、建設機械のバケットなどで掬い上げた物体を、ユーザが狙い通りの場所(位置)に投下できれば望ましいことがある。特に近年、オペレータ(作業人員)が、実際の現場の様子を直接現場で目視せずに、ディスプレイ又はタブレット端末の画面に表示された現場の様子を見ながら、例えば油圧ショベルのような建設機械を遠隔操作するような状況も想定される。また、遠隔操作を行う場面に限定されず、例えば、オペレータが、油圧ショベルのような建設機械のキャビン内のディスプレイに表示された現場の様子を確認しながら、当該建設機械を操作するような状況も想定される。
【0013】
上述のような状況においては、オペレータは、画面上で2次元的に表示された映像を見ながらの操作を行うため、油圧ショベルのバケットで掬い上げた物体を立体視することができない。特に、このような状況において、オペレータは、奥行方向の距離感を把握しにくくなる。このため、オペレータは、バケットによって掬い上げた物体を投下する操作を行う際に、想定した位置とは異なる位置に物体を投下してしまうおそれがある。そこで、一実施形態に係る操作支援装置は、オペレータが、2次元的に表示された画面を見ながら操作を行っても、バケットなどで掬い上げた物体を狙い通りの場所(位置)に投下し易い環境を提供する。
【0014】
以下、一実施形態に係る操作支援装置及び操作支援システムについて、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、一実施形態に係る操作支援装置を含む操作支援システムを、遠隔操作を行う油圧ショベルとともに示す図である。
【0016】
図1に示すように、操作支援システム1は、操作支援装置10と、通信部120と、表示部130とを含んで構成されてよい。また、操作支援システム1は、油圧ショベル200の操作を支援するものとしてよい。油圧ショベル200は、例えばリモートコントローラ300によって遠隔操作されるものとしてよい。
【0017】
油圧ショベル200は、例えばバックホウ若しくはショベルカー、又はローディングショベルなどとしてよい。油圧ショベル200は、前述以外の建設機械としてもよく、少なくともバケット210で物体を掬い上げ、投下させる機能があればよい。一実施形態において、油圧ショベル200は、公知の建設機械を用いてよい。油圧ショベル200は、バケット210を備えてよい。また、油圧ショベル200は、典型的には、アーム220と、ブーム230と、機体240と、クローラ250と、などを備えてよい。油圧ショベル200は、
図1に示す機能部の一部を備えなくてもよいし、
図1に示す機能部以外の機能部を備えてもよい。例えば、油圧ショベル200は、撮像部260と、通信部270と、重量センサ280と、の少なくともいずれかを備えてもよい。
【0018】
バケット210は、種々の物体を掬い上げることができる。バケット210は、例えば、砂、土、土砂、砂利、小石、石、岩、木片、木屑、ネジ、若しくは鉄屑などのような各種の固体、又は水などのような各種の液体、あるいは前述の任意のものの混合物などを掬い上げてよい。
【0019】
アーム220は、バケット210に接続されることにより、バケット210を運動可能にする。特に、アーム220は、バケット210を所定の回転軸の周りに適宜チルト(回転)させることができる。アーム220は、バケット210が所定の物体を掬い上げる際、及び掬い上げた物体を投下する際などに、バケット210をチルトさせてよい。
【0020】
ブーム230は、アーム220に接続されることにより、アーム220を運動可能にする。機体240は、油圧ショベル200の本体部分としてよい。機体240は、例えばキャビン及びエンジンなどを含んでよい。クローラ250は、例えば無限軌道又は履帯などのような、油圧ショベル200の移動手段としてよい。油圧ショベル200は、クローラ250の代わりに、適宜タイヤなどを備えてもよい。また、油圧ショベル200は、クローラ250のような移動手段を備えなくてもよい。
【0021】
以上説明した油圧ショベル200の各機能部については、既知のものを採用してよい。したがって、それらの各機能部について、より詳細な説明は省略する。
【0022】
撮像部260は、映像を撮像することができる。撮像部260は、例えばデジタルカメラのような、電子的に画像を撮像するイメージセンサを含んで構成されてよい。撮像部260は、CCD(Charge Coupled Device Image Sensor)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等のように、光電変換を行う撮像素子を含んで構成されてよい。撮像部260は、デジタルカメラのような撮像デバイスに限定されず、任意のデバイスとしてよい。撮像部260が撮像する映像は、静止画としてもよいし、連続する静止画としてもよいし、動画としてもよい。以下、静止画、連続する静止画、及び動画などのような、撮像部260によって撮像されるものを総称して、「映像」と記す。
【0023】
撮像部260は、油圧ショベル200におけるいずれかの箇所に設置されてよい。撮像部260は、油圧ショベル200に固定して取り付けられてよい。また、撮像部260は、撮像範囲を変更できるように、油圧ショベル200において可動に取り付けられてもよい。
【0024】
一実施形態において、撮像部260は、典型的には油圧ショベル200の前方の映像を撮像してよい。特に、撮像部260は、バケット210が掬い上げる物体の映像を撮像してよい。また、撮像部260は、バケット210が掬い上げた物体を投下する際の映像を撮像してよい。撮像部260が撮像した映像のデータは、通信部270に送信されてよい。撮像部260は、通信部270と、有線及び無線の少なくとも一方によって接続されてよい。
【0025】
油圧ショベル200の通信部270は、操作支援システム1の通信部120と、有線及び無線の少なくとも一方によって接続されることにより、通信することができる機能部としてよい。通信部270は、油圧ショベル200に設置される専用のハードウェアとしてもよいし、例えばスマートフォン又はタブレット端末のような汎用品を利用してもよい。
【0026】
通信部270は、有線又は無線により通信するためのインタフェースの機能を有する。一実施形態の通信部270によって行われる通信方式は無線通信規格としてよい。例えば、無線通信規格は2G、3G、4G、及び5G等のセルラーフォンの通信規格を含んでよい。例えばセルラーフォンの通信規格は、LTE(Long Term Evolution)、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、及びPHS(Personal Handy-phone System)等を含む。例えば、無線通信規格は、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11、WiFi、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、及びNFC(Near Field Communication)等を含む。通信部270は、上記の通信規格の1つ又は複数をサポートすることができる。通信部270は、例えば電波を送受信するアンテナ及び適当なRF部などを含めて構成してよい。また、通信部270は、外部に有線接続するためのコネクタなどのようなインタフェースとして構成してもよい。通信部270は、無線通信を行うための既知の技術により構成できるため、より詳細なハードウェアなどの説明は省略する。
【0027】
重量センサ280は、バケット210によって掬い上げられた物体の重量を検出するセンサとしてよい。重量センサ280は、バケット210によって掬い上げられた物体の重量を検出する既知の技術を採用してよい。重量センサ280が検出した重量のデータは、通信部270に送信されてよい。重量センサ280は、通信部270と、有線及び無線の少なくとも一方によって接続されてよい。
【0028】
油圧ショベル200は、油圧ショベル200の各所における各種のステータスを検出する各種のセンサなどを備えてよい。このような各種のセンサは、通信部270と、有線及び無線の少なくとも一方によって接続されてよい。
【0029】
リモートコントローラ300は、油圧ショベル200を遠隔操作するコントローラとしてよい。リモートコントローラ300は、例えば、ジョイスティック、スライダ、タッチパッド若しくはタッチパネル、及び/又は各種のスイッチの少なくともいずれかを含んでよい。油圧ショベル200のオペレータ(作業人員)は、リモートコントローラ300を用いて、油圧ショベル200を遠隔操作することができる。
【0030】
リモートコントローラ300は、操作支援システム1の通信部120に、有線及び無線の少なくとも一方によって接続されてよい。リモートコントローラ300は、通信部120に接続されて、通信部270と通信することにより、油圧ショベル200を遠隔操作することができる。
【0031】
油圧ショベル200は、リモートコントローラ300によって遠隔操作されなくてもよい。例えば、
図1に示す油圧ショベル200は、操作支援システム1の少なくとも一部を備えてもよい。すなわち、
図1に示す油圧ショベル200は、油圧ショベル200のキャビンに搭乗するオペレータによって操作されてもよい。この場合、油圧ショベル200は、通信部120と通信部270のいずれか一方のみを備えてもよい。また、この場合、油圧ショベル200は、リモートコントローラ300を備えずに、油圧ショベル200のキャビン内の操作系によって操作されてもよい。油圧ショベル200の全ての操作が、リモートコントローラ300によって行われなくてよく、一部の操作が油圧ショベル200のキャビン内の操作系によって行われてもよい。
【0032】
図2は、一実施形態に係る操作支援システム1の機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、操作支援システム1は、操作支援装置10と、通信部120と、表示部130とを含んで構成されてよい。また、
図2に示すように、操作支援システム1は、入力部140を含んで構成されてもよい。入力部140は、操作支援装置10に設けられてもよい。
【0033】
通信部120は、有線又は無線により通信するためのインタフェースの機能を有する。通信部120は、油圧ショベル200の通信部270と有線又は無線により通信する機能を有してよい。通信部120は、通信部270と同様又は類似の思想に基づく機能部としてよい。通信部120は、通信部270と無線により通信する機能部として、例えばRF部のような既知の無線通信デバイスと同様又は類似の思想に基づく機能部としてよい。また、通信部120は、通信部270と有線により通信する機能部として、例えばコネクタのようなデバイスと同様又は類似の思想に基づく機能部としてよい。通信部120は、既知の技術により構成することができるため、より詳細な説明は省略する。
【0034】
表示部130は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)、有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence panel)、又は無機ELディスプレイ(Inorganic Electro-Luminescence panel)等の任意の表示デバイスとしてよい。表示部130は、文字、図形、又は記号等の各種の情報を表示してよい。また、表示部130は、例えばユーザに操作支援装置10又は油圧ショベル200の操作を促すために、種々のGUIを構成するオブジェクト、及びアイコン画像などを表示してもよい。表示部130は、上述のような既知の表示デバイスと同様又は類似の思想に基づく機能部としてよい。表示部130は、既知の技術により構成することができるため、より詳細な説明は省略する。
【0035】
操作支援装置10は、
図2に示すように、映像取得部11、情報取得部12、動作判定部13、物体判別部14、重量判定部15、推定部16、映像生成部17、及び記憶部18を備えてよい。操作支援装置10は、
図2に示す機能部の一部を備えなくてもよいし、
図2に示す機能部以外の機能部を備えてもよい。
【0036】
一実施形態に係る操作支援装置10は、種々の電子機器として構成し得る。例えば、操作支援装置10は、専用に設計された端末としてもよいし、汎用のコンピュータ、ノートパソコン、又はサーバなどとしてもよい。さらに、操作支援装置10は、タブレット型コンピュータ又はスマートフォンなどとしてもよい。
【0037】
操作支援装置10は、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、例えばCPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)のような、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。操作支援装置10は、まとめて1つのプロセッサで実現してもよいし、いくつかのプロセッサで実現してもよいし、それぞれ個別のプロセッサで実現してもよい。プロセッサは、単一の集積回路(Integrated Circuit:IC)として実現されてよい。プロセッサは、複数の通信可能に接続された集積回路及びディスクリート回路として実現されてよい。プロセッサは、他の種々の既知の技術に基づいて実現されてよい。
【0038】
一実施形態において、操作支援装置10は、例えばCPU及び当該CPUで実行されるプログラムとして構成されてよい。操作支援装置10において実行されるプログラム、並びに、操作支援装置10において実行された処理の結果などは、例えば記憶部18に記憶されてよい。操作支援装置10は、動作に必要なメモリを適宜含んでもよい。操作支援装置10は、専用のハードウェアとして構成されてもよいし、少なくとも一部にソフトウェアを含めて構成されてもよいし、全てソフトウェアで構成されているとしてもよい。
【0039】
映像取得部11は、油圧ショベル200の撮像部260が撮像する映像を取得する。映像取得部11は、例えば、油圧ショベル200の通信部270及び操作支援システム1の通信部120を介して、撮像部260が撮像する映像を取得してよい。上述のように、撮像部260は、油圧ショベル200のバケット210が物体を掬い上げる様子を撮像できるように配置されてよい。したがって、映像取得部11は、撮像部260によって撮像される映像であって、油圧ショベル200のバケット210が掬い上げる物体を撮像してよい。この場合、映像取得部11は、油圧ショベル200のバケット210によって掬い上げられる物体の映像を取得してよい。
【0040】
情報取得部12は、油圧ショベル200における各部から、各種の情報を取得してよい。情報取得部12は、例えば、油圧ショベル200の通信部270及び操作支援システム1の通信部120を介して、各種の情報を取得してよい。例えば、情報取得部12は、油圧ショベル200の重量センサ280が検出する重量の情報を取得してよい。重量センサ280が検出する重量の情報とは、バケット210によって掬い上げられた物体の重量の情報としてよい。
【0041】
また、情報取得部12は、油圧ショベル200に関する各種の情報を取得してもよい。例えば、情報取得部12は、バケット210の高さ、バケット210のチルト状態、及びバケット210のチルト速度などの少なくともいずれかの情報を取得してよい。ここで、バケット210の高さとは、バケット210の地上(地面)からの高さとしてよい。バケット210のチルト状態とは、例えば、バケット210における開口部の周囲に平行な面が、地面に平行な面となす角度に基づく状態としてよい。バケット210のチルト状態とは、例えばバケット210の回転軸における所定の基準位置に対する角度であってもよい。また、バケット210のチルト速度とは、例えば、バケット210が回転軸まわりに回転する速度であってよく、一例として、バケット210における開口部の周囲に平行な面が、地面に平行な面となす角度が変化する速度としてもよい。
【0042】
また、情報取得部12は、例えば、バケット210の運動状態、バケット210の運動速度、及びバケット210の油圧ショベル200に対する相対的な位置などの少なくともいずれかの情報を取得してよい。ここで、バケット210の運動状態とは、バケット210の静止系に対する運動の状態としてよい。また、バケット210の運動状態とは、バケット210の油圧ショベル200に対する運動の状態としてもよい。バケット210の運動速度とは、例えば、バケット210の静止系に対する運動の速度としてよい。また、バケット210の運動速度とは、バケット210の油圧ショベル200に対する運動の速度としてもよい。
【0043】
その他、情報取得部12は、油圧ショベル200のアーム220、ブーム230、及びクローラ250などの各部のうち少なくともいずれかの状態を示す情報を取得してもよい。例えば、情報取得部12は、油圧ショベル200の各部の静止系に対する運動の速度を示す情報を取得してもよい。情報取得部12は、油圧ショベル200の各部に関する各種の情報を、油圧ショベル200に設置された各種のセンサから取得してよい。また、情報取得部12は、油圧ショベル200に関する各種の情報を、例えば各可動部のモータ(サーボモータ)のフィードバック制御に用いられる各種の信号から取得してもよい。
【0044】
動作判定部13は、映像取得部11が取得する映像及び情報取得部12が取得する情報の少なくとも一方に基づいて、油圧ショベル200の各種の動作を判定してよい。例えば、動作判定部13は、映像取得部11が取得する映像及び情報取得部12が取得する情報の少なくとも一方に基づいて、バケット210の動作又は状態を判定してよい。例えば、動作判定部13は、バケット210のチルト状態及び/又はバケット210のチルト速度などを判定してよい。また、動作判定部13は、バケット210の運動状態及び/又はバケット210の運動速度などを判定してもよい。
【0045】
さらに、動作判定部13は、映像取得部11が取得する映像及び情報取得部12が取得する情報の少なくとも一方に基づいて、油圧ショベル200のアーム220、ブーム230、及びクローラ250などのうち少なくともいずれかの動作又は状態を判定してもよい。
【0046】
物体判別部14は、バケット210によって掬い上げられる物体が何であるか判別する。物体判別部14は、バケット210によって掬い上げられる物体の映像に基づいて、当該物体を判別してよい。上述のように、バケット210によって掬い上げられる物体の映像は、油圧ショベル200の撮像部260によって撮像される映像としてよい。このように、物体判別部14は、映像取得部11が取得する物体の映像に基づいて、バケット210によって掬い上げられる物体を判別する。
【0047】
物体判別部14は、例えば画像認識によって、物体を判別してよい。物体判別部14は、例えばパターンマッチングなどの各種技術によって、物体を判別してよい。物体判別部14は、各種物体の画像に対応付けられた各種物体の情報に基づいて、物体を判別してよい。各種物体の画像に対応付けられた各種物体の情報は、例えば記憶部18に記憶されていてもよいし、通信部120を介して例えば外部サーバなどに問い合わせてもよい。物体判別部14は、例えばAI(Artificial Intelligence)の技術に基づいて、物体を判別してもよい。物体判別部14は、例えば機械学習(さらにはディープラーニング)の技術に基づいて、物体を判別してもよい。
【0048】
重量判定部15は、バケット210によって掬い上げられる物体の重量を判定する。重量判定部15は、映像取得部11が取得する、バケット210によって掬い上げられる物体の映像に基づいて、当該物体の重量を判定してもよい。この場合、重量判定部15は、各種物体の画像に対応付けられた各種物体の重量の情報に基づいて、当該物体の重量を判定してもよい。各種物体の画像に対応付けられた各種物体の重量の情報は、例えば記憶部18に記憶されていてもよいし、通信部120を介して例えば外部サーバなどに問い合わせてもよい。また、重量判定部15は、バケット210によって掬い上げられる物体の重量を検出するセンサ(例えば重量センサ280)の出力に基づいて、当該物体の重量を判定してもよい。
【0049】
推定部16は、物体判別部14が判別する物体に応じて、バケット210によって掬い上げられる物体が落下する落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定する。特に、推定部16は、バケット210によって掬い上げられる物体が地面に落下する場合に予測される、当該地面における落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定してよい。推定部16による物体の落下位置及び/又は落下範囲の推定については、さらに後述する。また、推定部16は、上述のような物体の落下位置及び/又は落下範囲の推定の他に、各種の情報に基づいて各種の推定処理を行ってもよい。
【0050】
また、推定部16は、バケット210によって物体が掬い上げられているか否かによらず、バケット210の鉛直下方向の地面の位置を推定してもよい。推定部16は、各種の手法を用いて、バケット210の鉛直下方向の地面の位置を推定してよい。例えば、推定部16は、バケット210の現時点における位置に基づいて、バケット210の鉛直下方向の地面の位置(地点)を推定してよい。また、推定部16は、バケット210を含む油圧ショベル200の各部の実際のサイズと、映像取得部11が取得する映像に映り込んだ油圧ショベル200の各部のサイズとを比較することで、バケット210の鉛直下方向の地面の位置を推定してよい。この場合、推定部16は、映像取得部11が取得する映像に映り込んだ背景の映像(地面の映像を含む)にも基づいて、バケット210の鉛直下方向の地面の位置を推定してよい。また、推定部16による地面の位置の推定に際し、例えば油圧ショベル200において撮像部260が設置される位置及び/又は高さなどを考慮してもよい。さらに、推定部16による地面の位置の推定に際し、撮像部260によって撮像される映像と、当該映像として撮像された対象物の実際のサイズとを予め比較することで、適宜キャリブレーションなどを行うようにしてもよい。
【0051】
推定部16は、入力部140によって情報が入力されるように構成されてもよい。ここで、入力部140は、任意の入力デバイスを含んで構成されてよい。入力部140は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、ロータリースイッチ、スライドスイッチなどの少なくともいずれかを含んでよい。推定部16は、入力部140によって入力された情報を反映させて、物体の落下位置及び/又は落下範囲を推定してもよい。入力部140によって入力される情報は、例えば、物体の種類、数、個々の重量、総重量、大きさ、形状等、物体の落下位置/落下範囲を推定するために必要な各種パラメータとしてよい。
【0052】
映像生成部17は、推定部16によって推定された落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を示す映像を生成してよい。推定部16によって推定された落下位置及び/又は落下範囲とは、バケット210によって掬い上げられる物体が落下する落下位置及び/又は落下範囲としてよい。すなわち、映像生成部17によって生成される映像とは、バケット210によって掬い上げられる物体が地面に落下する場合に予測される、当該地面における落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を示す映像としてよい。このように、映像生成部17は、バケット210によって掬い上げられる物体が落下する落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を示す映像を生成してよい。ここで、落下範囲とは、バケット210によって掬い上げられる物体が地面に落下し、その後に当該物体が飛び散ったり広がったりすることが考慮されたものである。言い換えれば、落下範囲とは、物体が落下後に地面上に存在するであろう領域を意味する。一方、落下位置とは、物体がバケット210から落下する直後の位置であり、落下後の当該物体の広がり等が考慮されない、物体が落下する位置そのものを意味する。したがって、落下範囲は、落下位置に対して広くなる場合がある。
【0053】
また、後述のように、映像生成部17は、推定部16が推定する落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を示す映像を、映像取得部11が取得する映像であってバケット210によって掬い上げられる物体の映像に重ねた映像を生成してもよい。このような映像が表示部130に表示されることにより、油圧ショベル200のオペレータは、バケット210によって掬い上げられた物体が落下する落下位置及び/又は落下範囲を、画面上で確認することができる。
【0054】
映像生成部17によって生成される映像は、表示部130に出力されてよい。表示部130は、映像生成部17から映像を供給されることにより、映像生成部17によって生成される映像を表示することができる。
【0055】
記憶部18は、各種の情報を記憶するメモリとしての機能を有してよい。記憶部18は、例えば操作支援装置10において実行されるプログラム、及び、操作支援装置10の少なくとも一部において実行された処理の結果などを記憶してよい。記憶部18は、各種の情報を記憶するデータベースとしての機能を有してもよい。また、記憶部18は、操作支援装置10の少なくとも一部のワークメモリとして機能してよい。記憶部18は、例えば半導体メモリ等により構成することができるが、これに限定されず、任意の記憶装置とすることができる。例えば、記憶部18は、一実施形態に係る操作支援装置10に挿入されたメモリカードのような記憶媒体としてもよい。また、記憶部18は、操作支援装置10の少なくとも一部において用いられるCPUの内部メモリであってもよいし、操作支援装置10の少なくとも一部に別体として接続されるものとしてもよい。
【0056】
図2に示す操作支援システム1において、通信部120、表示部130、及び入力部140は、操作支援装置10とは別の機能部として示してある。しかしながら、一実施形態に係る操作支援装置10は、通信部120、表示部130、及び入力部140の少なくともいずれかを備えてもよい。
【0057】
次に、一実施形態に係る操作支援装置10の動作について説明する。
図3は、一実施形態に係る操作支援装置10の動作を説明するフローチャートである。
図3は、典型的には、油圧ショベル200がバケット210によって物体を掬い上げる動作を開始する前から、当該掬い上げる動作を完了した後までに実行されることを想定した、操作支援装置10の動作としてよい。
【0058】
図3に示す動作は、
図1に示すような油圧ショベル200をオペレータがリモートコントローラ300によって操作可能な場面としてよい。
図3に示す動作が開始する時点で、操作支援装置10は、通信部120を介して、油圧ショベル200(の通信部270)と通信可能な状態とする。また、
図3に示す動作が開始する時点で、油圧ショベル200の撮像部260は油圧ショベル200の前方の映像を撮像しており、映像取得部11は撮像部260が撮像する映像を取得しているものとする。また、
図3に示す動作が開始する時点で、情報取得部12は油圧ショベル200における各種の情報を取得しているものとしてもよい。
【0059】
図3に示す動作が開始すると、動作判定部13は、油圧ショベル200がバケット210によって物体を掬い上げる動作を開始したか否か判定する(ステップS11)。操作支援装置10は、映像取得部11が取得する映像及び情報取得部12が取得する情報の少なくとも一方に基づいて、油圧ショベル200がバケット210によって物体を掬い上げる動作を開始したか否か判定してよい。例えば、操作支援装置10は、バケット210、アーム220、及びブーム230などの少なくともいずれかの動作に基づいて、油圧ショベル200がバケット210によって物体を掬い上げる動作を開始したか否か判定してよい。また、動作判定部13は、例えば所定のスイッチがオンにされる操作、又は所定の動作モードに切り替えられる操作などに基づいて、油圧ショベル200がバケット210によって物体を掬い上げる動作を開始したか否か判定してもよい。
【0060】
ステップS11において物体の掬い上げが開始されたと判定されたら、物体判別部14は、バケット210によって掬い上げられた物体を判別し、物体に関する情報として取得する(ステップS12)。ステップS12において、物体判別部14は、バケット210によって掬い上げられた物体の種類及び/又は種別などを判別してよい。物体判別部14は、バケット210によって掬い上げられた物体が、例えば、砂、土、土砂、砂利、小石、石、岩、木片、木屑、ネジ、若しくは鉄屑などのような各種の固体、又は水などのような各種の液体などのいずれに該当するか判別してよい。また、物体判別部14は、バケット210によって掬い上げられた物体が、例えば前述のような物体の複数の混合物であるか否かなどを判別してもよい。また、物体判別部14は、バケット210によって掬い上げられた複数の物体の各々の大きさ及び/又は形状を判別しても良い。
【0061】
ステップS12において物体が判別したら、重量判定部15は、バケット210によって掬い上げられた物体の重量を判定する(ステップS13)。ステップS13において、重量判定部15は、上述のようにして、バケット210によって掬い上げられた物体の重量を判定してよい。
【0062】
ステップS13において物体の重量が判定されたら、推定部16は、バケット210の鉛直下方向の地面の位置を推定する(ステップS14)。ステップS14において、推定部16は、上述のようにして、バケット210の鉛直下方向の地面の位置を推定してよい。
【0063】
ステップS14において地面の位置が推定されたら、映像生成部17は、バケット210の鉛直下方向の地面の位置(地点)を示す映像を出力する(ステップS15)。このように、映像生成部17は、推定部16が推定するバケット210の鉛直下方向の地点を示す映像を生成してもよい。また、ステップS15において、映像生成部17は、バケット210の鉛直下方向の地点を示す映像を、映像取得部11が取得する映像に重ねた映像を生成してもよい。
【0064】
ステップS15において出力された映像は、例えば表示部130に表示されてよい。表示部130に表示される映像は、撮像部260によって撮像された映像において、バケット210の鉛直下方向の地点が示された映像となる。したがって、油圧ショベル200のオペレータは、バケット210及びバケット210の鉛直下方向の地点を実際に目視していなくても(目視できなくても)、表示部130のみ目視することにより、バケット210の鉛直下方向の地点を正しく把握することができる。
【0065】
図4は、一実施形態に係る操作支援装置による、
図3に示した動作の例を示す図である。
図4は、操作支援装置10から出力される映像を、表示部130に表示した様子を示している。
【0066】
図4に示すように、表示部130において、撮像部260によって撮像された映像が表示されている。
図4に示す例において、撮像部260は、油圧ショベル200のキャビン内において、前方の映像を撮像するように設置されている。したがって、
図4に示す例において、表示部130に表示される映像には、油圧ショベル200のキャビンの一部、及び、油圧ショベル200のキャビンの窓から見える前方の景色が映っている。また、
図4に示す例において、表示部130に表示される映像には、油圧ショベル200のバケット210が映っている。ただし、表示部130に表示される映像において、バケット210は、2次元的に(平面的に)表示されている。このため、油圧ショベル200のオペレータにとって、バケット210が
図4に示す表示の奥行方向のどの辺りの位置にあるのか、正しく把握するのは容易ではない。
【0067】
しかしながら、操作支援装置10から出力され、表示部130に表示される映像において、
図4に示すように、バケット210の鉛直下方向の地点を示す画像である例えばオブジェクトBが表示される。
図4に示すオブジェクトBは、バケット210の鉛直下方向における地面の位置を示している。
図4に示すオブジェクトBは、一例としてバツ印としてあるが、バケット210の鉛直下方向の地点を示すものであれば、任意の形状、大きさ、及び/又は表示態様のオブジェクトとしてよい。油圧ショベル200のオペレータは、表示部130に表示されるオブジェクトBを目視することにより、バケット210の鉛直下方向における地面の位置を正しく把握することができる。
【0068】
一実施形態において、
図3に示したステップS14及びステップS15の動作を繰り返し実行してもよい。このような動作により、例えば油圧ショベル200のオペレータが
図4に示すバケット210を動かす操作を行うと、バケット210の動きに追従して、バケット210の鉛直下方向の地点を示すオブジェクトBも移動する。
【0069】
図3に示した動作は、ステップS11で物体の掬い上げが開始された後で、ステップS14及びステップS15の動作を経て、バケット210の鉛直下方向の地点を示すオブジェクトを表示した。しかしながら、一実施形態において、バケット210によって物体の掬い上げが開始されたか否かにかかわらず、ステップS14及びステップS15の動作を実行してもよい。このような動作により、バケット210の鉛直下方向の地点を示すオブジェクトが常に表示されてもよい。また、例えば油圧ショベル200のオペレータによる所定の操作に基づいて、バケット210の鉛直下方向の地点を示すオブジェクトBが表示されるようにしてもよい。
【0070】
図5は、一実施形態に係る操作支援装置10の動作を説明するフローチャートである。
図5は、典型的には、油圧ショベル200がバケット210によって掬い上げた物体を放出(投下)する動作を開始する前から、当該放出(投下)する動作を完了した後までに実行されることを想定した、操作支援装置10の動作としてよい。すなわち、
図5に示す動作は、例えば、
図3に示した動作の後に実行される動作としてよい。
【0071】
図5に示す動作が開始すると、動作判定部13は、油圧ショベル200がバケット210によって掬い上げた物体を放出又は投下する動作を開始したか否か判定する(ステップS21)。操作支援装置10は、映像取得部11が取得する映像及び情報取得部12が取得する情報の少なくとも一方に基づいて、油圧ショベル200がバケット210によって物体を放出又は投下する動作を開始したか否か判定してよい。例えば、操作支援装置10は、バケット210、アーム220、及びブーム230などの少なくともいずれかの動作に基づいて、油圧ショベル200がバケット210によって物体を放出又は投下する動作を開始したか否か判定してよい。また、動作判定部13は、例えば所定のスイッチがオンにされる操作、又は所定の動作モードに切り替えられる操作などに基づいて、油圧ショベル200がバケット210によって物体を放出又は投下する動作を開始したか否か判定してもよい。
【0072】
ステップS21において物体の放出又は投下の開始が判定されたら、推定部16は、放出又は投下される物体の地面への落下位置を推定する(ステップS22)。また、推定部16は、放出又は投下される物体の地面への落下範囲を推定する(ステップS23)。ステップS22及びステップS23の動作は、どちらか一方のみを実行してもよいし、両方実行してもよい。また、ステップS22及びステップS23の動作は、どちらから先に実行してもよい。
【0073】
ここで、放出又は投下される物体の落下位置/落下範囲の推定について、さらに説明する。バケット210によって掬い上げられた物体を放出又は投下する際、物体が地上に落下する位置/範囲は、当該物体によって異なり得る。具体的には、物体が地上に落下する位置/範囲は、当該物体の重量、形状、粒度、空気抵抗、摩擦係数、粘性、及び物体の量の大小など、物体の各種の物理的特性によって異なり得る。したがって、物体の落下位置/落下範囲は、これらの各種の物理的特性の少なくともいずれかを考慮して推定してもよい。前述のとおり、落下範囲は、物体の落下後の落下位置における広がりが考慮されたものである。落下範囲は、バケット210が掬い上げた物体の大きさ、形状、数量、及び/又は重さなどに基づいて推定されてよい。例えば、転がりやすい形状(球状に近い物体)の物体の落下範囲は、転がりにくい形状の物体の落下範囲より大きくなってよい。例えば、掬い上げた物体の数が多い場合は、少ない場合に比べての物体の落下範囲が大きくなってよい。掬い上げた物体が、落下によって破損する可能性がある場合には、破損による破片の広がりが落下範囲に反映されても良い。
【0074】
例えば、推定部16は、放出又は投下される物体の重量に基づいて、当該物体の落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定してもよい。また、推定部16は、物体判別部14が判別する物体の物理的特性に応じて、当該物体の落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定してもよい。この場合、物体判別部14が判別する物体と、当該物体の物理的特性との対応関係は、例えば記憶部18に記憶されてよい。
【0075】
また、バケット210によって掬い上げられた物体を放出又は投下する際、物体の落下位置/落下範囲は、当該物体が放出又は投下される態様によっても異なり得る。例えば、物体の落下位置/落下範囲は、当該物体が放出又は投下される際のバケット210の状態によっても異なり得る。例えば、物体の落下位置/落下範囲は、当該物体が放出又は投下される際のバケット210の地上からの高さ、又は、バケット210から放出又は投下される際の当該物体の地上からの高さなどを考慮して推定してもよい。また、例えば、物体の落下位置/落下範囲は、当該物体が放出又は投下される際のバケット210の位置、又は、バケット210から放出又は投下される際の当該物体の位置などを考慮して推定してもよい。
【0076】
このように、一実施形態において、推定部16は、バケット210によって掬い上げられた物体の高さ及び位置の少なくとも一方に基づいて、落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定してもよい。また、一実施形態において、推定部16は、バケット210の高さ及び位置の少なくとも一方に基づいて、落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定してもよい。
【0077】
また、一実施形態において、推定部16は、バケット210から物体が放出又は投下される際の速度、物体が放出又は投下される際のバケット210の(例えば水平位置からの)角度などを考慮して、落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定してもよい。さらに、推定部16は、バケット210から物体が放出又は投下される際のアーム220の角速、及び/又は、アーム220の角速度などを考慮して、落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定してもよい。
【0078】
また、物体の落下位置/落下範囲は、当該物体が放出又は投下される際にバケット210が静止しているか動いているか、動いている場合にはその速度(運動速度)又は加速度などを考慮して推定してもよい。また、物体の落下位置/落下範囲は、例えば、当該物体が放出又は投下される際のバケット210のチルトの角度、及び/又は、バケット210のチルト速度などを考慮して推定してもよい。このように、バケット210によって掬い上げられた物体を放出又は投下する際、物体の落下位置/落下範囲は、当該物体が放出又は投下される際の油圧ショベル200における各部の状態を考慮して推定してもよい。
【0079】
このように、推定部16は、バケット210によって掬い上げられた物体がバケット210から投下される際のバケット210の運動速度に基づいて、当該物体の前記落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定してもよい。また、推定部16は、バケット210によって掬い上げられた物体がバケット210から投下される際のバケット210のチルト速度に基づいて、当該物体の前記落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定してもよい。
【0080】
さらに、バケット210によって掬い上げられた物体を放出又は投下する際、物体の落下位置/落下範囲は、当該物体が放出又は投下される際の油圧ショベル200の周囲環境などによっても異なり得る。例えば、物体の落下位置/落下範囲は、当該物体が放出又は投下される際の風向き、風速、天気、降水量、及び/又は降雪量などの少なくともいずれかを考慮して推定してもよい。これらの周囲環境に係る各種情報は、例えば油圧ショベル200に設置される各種のセンサによって検出してもよいし、通信部120を介して環境情報の提供業者などから入手してもよい。
【0081】
推定部16は、例えばパターンマッチングなどの各種技術によって、物体の落下位置/落下範囲を推定してよい。推定部16は、各種物体の画像に対応付けられた各種物体の物理的特性を示す情報に基づいて、物体の落下位置/落下範囲を推定してよい。各種物体の画像に対応付けられた各種物体の物理的特性を示す情報は、例えば記憶部18に記憶されていてもよいし、通信部120を介して例えば外部サーバなどに問い合わせてもよい。推定部16は、例えばAI(Artificial Intelligence)の技術に基づいて、物体の落下位置/落下範囲を推定してよい。推定部16は、例えば機械学習(さらにはディープラーニング)の技術に基づいて、物体の落下位置/落下範囲を推定してよい。
【0082】
ステップS22及び/又はステップS23において物体の落下位置/落下範囲が推定されたら、映像生成部17は、地面における物体の落下位置/落下範囲を示す映像を出力する(ステップS24)。ステップS24において、映像生成部17は、推定部16によって推定された物体の落下位置/落下範囲を示す映像を、映像取得部11が取得する映像に重ねた映像を生成してもよい。
【0083】
ステップS24において出力された映像は、例えば表示部130に表示されてよい。表示部130に表示される映像は、撮像部260によって撮像された映像において、バケット210から投下される物体の落下位置/落下範囲(推定)が示された映像となる。したがって、油圧ショベル200のオペレータは、バケット210から投下される物体を実際に目視していなくても(目視できなくても)、表示部130のみ目視することにより、バケット210から投下される物体の落下位置/落下範囲を把握できる。
【0084】
図6及び
図7は、一実施形態に係る操作支援装置による、
図5に示した動作の例を示す図である。
図6及び
図7は、操作支援装置10から出力される映像を、表示部130に表示した様子を示している。
【0085】
図6及び
図7は、
図4と概ね同様の状況を示している。
図6に示す例において、バケット210によって掬い上げられた物体OB1は、比較的小さい多数の物体である。一方、
図7に示す例において、バケット210によって掬い上げられた物体OB2は、比較的大きな少数の物体である。ただし、表示部130に表示される映像において、バケット210及び物体OB1又は物体OB2は、2次元的に(平面的に)表示されている。このため、油圧ショベル200のオペレータにとって、バケット210から投下される物体OB1又は物体OB2が、地面においてどの辺りの位置/範囲に落下するのかを正しく把握するのは容易ではない。
【0086】
しかしながら、操作支援装置10から出力される映像によって、表示部130に表示される映像において、
図6に示すように、バケット210から投下される物体OB1の地面における落下位置を示す例えばオブジェクトF1が表示される。また、表示部130に表示される映像において、
図7に示すように、バケット210から投下される物体OB2の地面における落下位置を示す例えばオブジェクトF2が表示される。
図6に示す例において、物体OB1は、比較的軽い物体であるため、バケット210から投下される際に、比較的緩やかな放物線を辿るものと推定される。一方、
図7に示す例において、物体OB2は、比較的思い物体であるため、バケット210から投下される際に、比較的急峻な放物線を辿るものと推定される。一実施形態において、操作支援装置10は、バケット210から投下される際に物体が辿ると推定される放物線などを示す映像も出力してもよい。
【0087】
また、操作支援装置10から出力される映像によって、表示部130に表示される映像において、
図6に示すように、バケット210から投下される物体OB1の地面における落下範囲を示す例えばオブジェクトR1が表示される。また、表示部130に表示される映像において、
図7に示すように、バケット210から投下される物体OB2の地面における落下範囲を示す例えばオブジェクトR2が表示される。
図6に示す例において、物体OB1は、比較的軽い多数の物体であるため、バケット210から投下される際に、比較的広範囲に落下するものと推定される。一方、
図7に示す例において、物体OB2は、比較的重い少数の物体であるため、バケット210から投下される際に、比較的狭い範囲に落下するものと推定される。
【0088】
図6及び
図7に示すオブジェクトF1及びF2並びにR1及びR2は、任意の形状、及び/又は表示態様のオブジェクトとしてよい。油圧ショベル200のオペレータは、表示部130に表示されるオブジェクトを目視することにより、バケット210から投下される物体の落下位置/落下範囲を正しく把握することができる。
【0089】
上記実施例では、バケット210が実際に物体を掬い上げた状態から、落下させる動作を行う中で、落下位置/落下範囲を表示部130に表示させるものとして説明した。しかし、実際には物体を掬い上げていない状態で、物体がバケット210に掬い上げられていたと仮定した場合の、落下位置/落下範囲を表示部130に表示させてもよい。この場合、オペレータは、推定部16に掬い上げると想定する物体の種類、数、個々の重量、総重量、大きさ、形状等の、落下位置/落下範囲を推定するために必要な情報をパラメータとして入力してよい。全ての情報が入力されない場合(すなわち一部の情報が入力されない場合)には、例えば入力された物体の種類から想定される情報によって、大きさ及び/又は形状、重量等の他の情報が補完されてもよい。これらの情報が操作支援装置10に設けられた入力部140によって推定部16に入力された後、オペレータは、任意の位置に空のバケット210を移動させ、物体を放出又は投下する動作を行うようにしてもよい。この場合、推定部16は、バケット210に物体が掬い上げられていた場合の落下位置/落下範囲を推定し、表示部130に表示させてよい。これにより、オペレータは、実際に物体を掬い上げる前に、物体の落下位置/落下範囲をシミュレートすることができる。
【0090】
物体の落下位置/落下範囲をシミュレートするにあたって、推定部16に物体の情報を正確に入力するのは困難な場合がある。推定部16は、オペレータが実際にバケット210で物体を掬い上げた時の、映像取得部11が取得する映像及び情報取得部12が取得する情報の少なくとも一方に基づいて、シミュレートの際に推定部16に入力すべきパラメータを出力してよい。オペレータは、実際に物体を掬い上げて得たパラメータを、入力部140によって推定部16に入力してよい。推定部16が出力するパラメータは、任意の名前が付けられたファイルとして記憶部18に保存できてよい。オペレータは、シミュレートを行いたいときにこのファイルを指定することで、推定部16にパラメータを入力できてよい。これにより、オペレータは、シミュレートするためのパラメータ情報を正確に取得できるため、物体を放出又は投下した場合の落下位置/落下範囲を容易に得ることができる。
【0091】
一実施形態において、
図5に示したステップS22乃至ステップS24の動作を繰り返し実行してもよい。このような動作により、例えば油圧ショベル200のオペレータが
図6又は
図7に示すバケット210を動かす操作を行うと、バケット210の動きに追従して、バケット210から投下される物体の落下位置/落下範囲を示すオブジェクトも移動する。
【0092】
一実施形態に係る操作支援装置10によれば、油圧ショベル200を例えば遠隔操作する際に、オペレータは、表示部130のような画面を見ながら操作を行うことができる。操作支援装置10によれば、オペレータは、表示部130のような画面のみを目視しながら油圧ショベル200のバケット210を操作する際でも、奥行方向の距離感を正しく把握することができる。したがって、操作支援装置10によれば、バケット210によって掬い上げた物体を投下又は放出する際に、実際に物体を落下させる前の時点で、当該物体の落下位置/落下範囲を容易かつ適切に把握することができる。
【0093】
また、一実施形態に係る操作支援装置10によれば、遠隔操作可能な既存の油圧ショベルに設置されたカメラのような撮像部260を利用することができる。このため、操作支援装置10によれば、追加のコストを抑えることができる。また、操作支援装置10によれば、物体の落下位置/落下範囲を常に表示しておくことができる。このため、操作支援装置10によれば、仮に映像されるデータの送受信又はレンダリングなどにおける遅延がある程度発生したとしても、オペレータは、物体の落下位置/落下範囲を把握することができる。
【0094】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本開示に係る実施形態について装置を中心に説明してきたが、本開示に係る実施形態は装置の各構成部が実行するステップを含む方法としても実現し得るものである。本開示に係る実施形態は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0095】
また、上述した実施形態は、例えば、上述した操作支援装置のような電子機器の制御方法として実施してもよい。さらに、上述した実施形態は、例えば、上述した操作支援装置を含むシステムとして実施してもよい。例えば、上述した実施形態は、操作支援装置10、通信部120、及び表示部130を含む操作支援システムとして実施してもよい。この場合、表示部130は、操作支援装置10の映像生成部17が生成する映像を表示してよい。また、遠隔支援システムは、通信部120に代えて、又は通信部120とともに、映像を撮像する撮像部260をさらに含んでもよい。また、上述した実施形態は、例えば、上述した操作支援装置又は操作支援システムによって実行されるプログラムとして実施してもよい。さらに、上述した実施形態は、例えば、上述した操作支援装置又は操作支援システムによって実行されるプログラムを記録した記録媒体、すなわちコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実施してもよい。
【0096】
上述した実施形態をプログラムとして実施する場合、当該プログラムは、
コンピュータに、
バケットにより掬い上げられる物体に関する情報に基づき、当該物体が落下する落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を推定する推定ステップと、
前記推定ステップにおいて推定する前記落下位置及び前記落下範囲の少なくとも一方を示す映像を生成する映像生成ステップと、
を実行させるものとしてよい。
【0097】
一実施形態に係る操作支援装置10は、例えば、
図2に示す機能部の全てを含まなくてもよい。例えば、一実施形態に係る操作支援装置10は、映像取得部11と、物体判別部14と、推定部16と、映像生成部17とを備えるものとしてもよい。また、例えば、一実施形態に係る操作支援装置10は、推定部16と、映像生成部17とを備えるものとしてもよい。
【0098】
一実施形態に係る操作支援装置10によれば、バケット210によって掬い上げた物体を投下する操作を支援することができる。しかしながら、一実施形態において、操作支援装置10は、バケット210に限定されず、物体を掬い上げることかできる任意の機材によって掬い上げた物体を投下する操作を支援してもよい。
【0099】
上述した実施形態において、操作支援装置10は、バケット210によって掬い上げた物体を投下する操作を視覚的に支援した。しかしながら、一実施形態において、操作支援装置10は、バケット210によって掬い上げた物体を投下する操作を、視覚的に支援するのではなく、聴覚的及び/又は触覚的に支援してもよい。この場合、操作支援装置10は、例えば、推定部16が推定する落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を示す音声を生成してよい。そして、任意の音声出力部は、バケット210によって掬い上げた物体の落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を示す音声を出力してよい。また、操作支援装置10は、例えば、推定部16が推定する落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を示す触感の情報を生成してよい。そして、任意の触感呈示部は、バケット210によって掬い上げた物体の落下位置及び落下範囲の少なくとも一方を示す触感を呈示してよい。また、一実施形態において、操作支援装置10は、バケットなどで掬い上げた物体を投下する操作を、視覚的に支援するとともに、聴覚的及び/又は触覚的に支援してもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 操作支援システム
10 操作支援装置
11 撮像取得部
12 情報取得部
13 動作判定部
14 物体判別部
15 重量判定部
16 推定部
17 映像生成部
18 記憶部
120 通信部
130 表示部
140 入力部
200 油圧ショベル
210 バケット
220 アーム
230 ブーム
240 機体
250 クローラ
260 撮像部
270 通信部
280 重量センサ
300 リモートコントローラ