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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174034
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】取引処理システム及びサーバ装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/06 20060101AFI20241206BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20241206BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20241206BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALN20241206BHJP
【FI】
G07G1/06 B
G07G1/12 321P
G07G1/12 331A
G07G1/00 311D
G07G1/00 301D
G06Q20/20
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024166471
(22)【出願日】2024-09-25
(62)【分割の表示】P 2023188816の分割
【原出願日】2019-09-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】金子 達矢
(57)【要約】
【課題】端末装置における客の操作に応じて完結する決済処理を行うべきではない場合にそのような決済処理が行われることを防ぐ。
【解決手段】実施形態の取引処理システムは、商品コードを取得する取得手段を有する端末装置と、取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済を行う決済装置とを有し、選択手段、第1及び第2の出力手段を有する。選択手段は、記憶手段に記憶されていて、端末装置で決済が可能かを表した情報に基づいて、決済が端末装置で可能である場合、支払いに関する情報を出力するか、決済装置で決済を行うか、を選択する。第1の出力手段は、端末装置で決済を行えない場合、あるいは決済装置で決済を行うことが選択された場合、決済のための情報を決済装置へ出力する。第2の出力手段は、支払いに関する情報を出力することが選択された場合、支払いに関する情報を出力する。
【選択図】 図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を識別する商品コードを取得する取得手段を有する端末装置と、
前記取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済を行う決済装置と、 を有する取引処理システムであって、
記憶手段に記憶されていて、前記端末装置で決済が可能かを表した情報に基づいて、前記取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済が前記端末装置で可能である場合、支払いに関する情報を出力するか、前記決済装置で決済を行うか、を判定する判定手段と、
前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて前記端末装置で決済を行えない場合、あるいは前記判定手段によって前記決済装置で決済を行うと判定された場合、決済のための情報を前記決済装置へ出力する第1の出力手段と、
前記判定手段によって前記支払いに関する情報を出力すると判定された場合、前記支払いに関する情報を出力する第2の出力手段と、
を有する取引処理システム。
【請求項2】
前記決済装置は、媒体に印刷する印刷手段を有し、
前記印刷手段により前記媒体に印刷する必要が無いこと表した情報を、前記端末装置で決済が可能として表した前記情報として用いる、
請求項1に記載の取引処理システム。
【請求項3】
購入者に年齢制限が無いことを表した情報を、前記端末装置で決済が可能として表した前記情報として用いる、
請求項1に記載の取引処理システム。
【請求項4】
電子レシートサービスを利用可能であることを表した情報を、前記端末装置で決済が可能として表した前記情報として用いる、
請求項1に記載の取引処理システム。
【請求項5】
客が移動可能な移動端末に備えられたコンピュータを、
商品を識別する商品コードを取得する取得手段と、
前記移動端末で決済可能かの判断手段による判断結果に基づいて、前記取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済が前記移動端末で可能である場合、支払いに関する情報を出力するか、他の装置で決済を行うか、を選択する選択手段と、
前記判断手段による判断結果に基づいて前記移動端末で決済を行えない場合、あるいは前記選択手段によって前記他の装置で決済を行うことが選択された場合、会計のための情報を出力する第3の出力手段と、
前記選択手段によって前記支払いに関する情報を出力することが選択された場合、前記支払いに関する情報を出力する第4の出力手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、取引処理システム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
客による端末装置の操作に応じて取引の内容を登録する取引処理システムが、例えばカートPOSシステムなどとして知られている。
このようなシステムにおいては、クレジットカード決済又はバーコード決済などの決済方法を用いれば、決済の処理自体は、端末装置における客の操作に応じて完結することが可能である。そしてこのようにして決済を完結できれば、客は会計装置などの別の装置を操作する必要なく、簡易に取引を完了することができる。
【0003】
しかしながら、端末装置における客の操作に応じて完結する決済処理を客の希望に応じて実行すると、例えば客がレシートを受け取ることができないなど、取引が不適切な状況で完了してしまう恐れがあった。
このような事情から、端末装置における客の操作に応じて完結する決済処理を行うべきではない場合にそのような決済処理が行われることを防ぐことが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-251625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、端末装置における客の操作に応じて完結する決済処理を行うべきではない場合にそのような決済処理が行われることを防ぐことができる取引処理システム及び情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の取引処理システムは、商品を識別する商品コードを取得する取得手段を有する端末装置と、取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済を行う決済装置とを有し、かつ選択手段、第1の出力手段及び第2の出力手段を有する。選択手段は、記憶手段に記憶されていて、端末装置で決済が可能かを表した情報に基づいて、取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済が端末装置で可能である場合、支払いに関する情報を出力するか、決済装置で決済を行うか、を選択する。第1の出力手段は、記憶手段に記憶された情報に基づいて端末装置で決済を行えない場合、あるいは選択手段によって決済装置で決済を行うことが選択された場合、決済のための情報を決済装置へ出力する。第2の出力手段は、選択手段によって支払いに関する情報を出力することが選択された場合、支払いに関する情報を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る取引処理システムの概略構成図。
図2】実施の形態における取引処理システムを導入した店舗のレイアウト例を示す模式図。
図3】実施の形態における連絡先データベースに含まれるデータレコードの主要なデータ構造を示す模式図。
図4】実施の形態における会員サーバにより管理される会員データベースに含まれるデータレコードの主要なデータ構造を示す模式図。
図5】実施の形態における商品マスタデータベースに含まれるデータレコードの主要なデータ構造を示す模式図。
図6】実施の形態におけるカート端末の要部回路構成を示すブロック図。
図7】実施の形態におけるカートの外観の一例を示す斜視図。
図8】実施の形態における仮想POSサーバの要部回路構成を示すブロック図。
図9】実施の形態におけるカート管理データベースに含まれるデータレコードの主要なデータ構造を示す模式図。
図10】実施の形態における購入商品データベースに含まれるデータレコードの主要なデータ構造を示す模式図。
図11】実施の形態におけるカート端末のプロセッサが実行する情報処理の手順を示すフローチャート。
図12】実施の形態における仮想POSサーバのプロセッサによる取引処理のための情報処理の手順を示すフローチャート。
図13】実施の形態における仮想POSサーバのプロセッサによる取引処理のための情報処理の手順を示すフローチャート。
図14】実施の形態における仮想POSサーバのプロセッサによる取引処理のための情報処理の手順を示すフローチャート。
図15】実施の形態における仮想POSサーバのプロセッサによる取引処理のための情報処理の手順を示すフローチャート。
図16】登録画面の一例を示す図。
図17】実施の形態における選択画面の一例を示す図。
図18】実施の形態における指定画面の一例を示す図。
図19】実施の形態においてバーコード決済が指定された場合の決済画面の一例を示す図。
図20】実施の形態における表示画面の一例を示す図。
図21】実施の形態における仮想POSサーバのプロセッサによる情報処理の変形例を示すフローチャート。
図22】変形例における表示画面の一例を示す図。
図23】変形例における選択画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。なお、本実施形態の取引処理システムは、店舗における陳列販売による商品の売買を処理対象の取引とする。
【0009】
図1は本実施形態に係る店舗システム1の概略構成図である。図2は店舗システム1を導入した店舗のレイアウト例を示す模式図である。
図1に示すように店舗システム1は、カート端末10、店舗サーバ20、仮想POSサーバ30、有人会計機40、セルフ会計機50、ビーコン発信機60及び店員端末70を含む。そしてカート端末10、店舗サーバ20、仮想POSサーバ30、有人会計機40、セルフ会計機50及び店員端末70は、通信ネットワーク2を介して互いに通信可能とされている。ただし、カート端末10は、アクセスポイント2aとの無線通信により、アクセスポイント2aを介して通信ネットワーク2に接続される。アクセスポイント2aは、店舗における客の立ち入りが許容されている領域のどこに位置しているカート端末10からでも、いずれかのアクセスポイント2aと通信可能なように配置されていることが望ましい。仮想POSサーバ30は、通信ネットワーク2を介して直接に、又は店舗サーバ20を介して、決済サーバ3及び電子レシートサーバ4が提供する決済サービス及び電子レシートサービスを利用可能である。また仮想POSサーバ30は、会員サーバ5により管理されている会員データベースを、通信ネットワーク2を介して参照することが可能である。
【0010】
なお、店舗サーバ20、仮想POSサーバ30、有人会計機40又はセルフ会計機50が、アクセスポイント2aとの無線通信により、アクセスポイント2aを介して通信ネットワーク2に接続されてもよい。
通信ネットワーク2は、接続された各装置の間で授受される各種のデータを伝送する。通信ネットワーク2としては、インターネット、VPN(virtual private network)、LAN(local area network)、公衆通信網、移動体通信網などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。
【0011】
電子レシートサーバ4は、記憶デバイス4aを備える。記憶デバイス4aは、電子レシートサービスの提供のために連絡先データベースを記憶している。
図3は連絡先データベースに含まれるデータレコードDR1の主要なデータ構造を示す模式図である。
連絡先データベースは、電子レシートサービスの利用者のそれぞれに関連付けられたデータレコードDR1の集合である。そしてデータレコードDR1は、フィールドF11,F12を含む。
フィールドF11には、関連付けられた利用者を他の利用者と識別するための識別子としての電子レシートID(identifier)がセットされる。フィールドF12には、関連付けられた利用者に対して電子レシートサービスに関する各種の連絡のための連絡先がセットされる。連絡先は、例えばメールアドレスである。
電子レシートIDは、カート端末10で決済が可能かの判断のために後述のように利用される。かくして電子レシートIDは、カート端末10を含んだ端末装置で決済が可能かを表した情報に相当する。そして記憶デバイス5aは、このような情報を記憶する記憶手段の一例である。
【0012】
会員サーバ5は、記憶デバイス5aを備える。記憶デバイス5aは、店舗システム1により提供されるサービスの会員を管理するために会員データベースを記憶している。
図4は会員サーバ5により管理される会員データベースに含まれるデータレコードDR2の主要なデータ構造を示す模式図である。
会員データベースは、会員のそれぞれに関連付けられたデータレコードDR2の集合である。そしてデータレコードDR2は、フィールドF21,F22,F23を含む。
フィールドF21には、関連付けられた会員を他の会員と識別するための識別子としての会員コードがセットされる。フィールドF22には、関連付けられた会員が電子レシートサービスの利用者でもある場合に、当該会員の電子レシートIDがセットされる。なお、関連付けられた会員が電子レシートサービスの利用者ではない場合は、フィールドF22はブランクの状態とされるか、あるいは予め定められた無効データがセットされる。フィールドF23には、関連付けられた会員がポイント還元サービスに関して保有するポイント数がセットされる。
【0013】
カート端末10は、購入商品の登録に係る操作のためのユーザインタフェースとして機能する情報処理端末である。カート端末10は例えば、図2に示すようにショッピングカート(以下、カートと称する)Cに取り付けられる。そしてカート端末10は、カートCを使用する客M1によって操作される。しかしながらカート端末10は、客によって携帯されてもよい。店舗システム1には、典型的には多数のカート端末10が含まれる。客は、買い物を行う間、1つのカート端末10を専用する。カート端末10は、カートCに固定されていてもよいし、カートCに対して着脱自在であってもよい。カート端末10は、客M1によって利用されるとき、客M1によって移動される。つまりカート端末10は、客が移動可能な移動端末の一例である。
【0014】
店舗サーバ20は、店舗業務全般を支援するための情報処理を実行する。店舗サーバ20は、記憶デバイス20aを備える。記憶デバイス20aは、商品マスタデータベースを含む種々のデータベースを記憶する。
図5は商品マスタデータベースに含まれるデータレコードDR3の主要なデータ構造を示す模式図である。
商品マスタデータベースは、店舗で販売され得る商品の個々に関連付けられたデータレコードDR3の集合である。そしてデータレコードDR3は、フィールドF31,F32,F33,F34を含む。
フィールドF31には、関連付けられた商品を他の商品と識別するための識別子としての商品コードがセットされる。フィールドF32には、関連付けられた商品を人間が識別しやすいように定められた名称である商品名がセットされる。フィールドF33には、関連付けられた商品を客に販売する際に適用する価格がセットされる。フィールドF34には、発行確認情報がセットされる。発行確認情報は、商品の販売に際して割引券又は保証書などの証票を発行する必要があるか否かを表すフラグ情報を含み得る。また発行確認情報は、酒、タバコ、所定の医薬品など、販売に際して店員による対応が必要であるか否かを表すフラグ情報を含み得る。これらフラグ情報は例えば、必要無しであれば「0」とされ、必要有りであれば「1」とされる。発行確認情報は、発行が必要である証票の種別情報を含んでもよい。発行確認情報は、店員による確認事項を識別するための識別情報を含んでもよい。
かくして、証票を発行する必要があるか否かを表すフラグ情報は、「0」である場合は、媒体に印刷する必要が無いことを表す。従って当該のフラグ情報は、媒体に印刷する必要が無いことを表した情報に相当する。また酒又はタバコは、年齢制限のある商品であり、販売に際しての店員による対応は、購入者の年齢確認である。かくして、このような年齢確認が必要な商品の販売に際して店員による対応が必要であるか否かを表すフラグ情報は、「0」である場合は、購入者に年齢制限が無いことを表した情報に相当する。そしてこれらのフラグ情報は、カート端末10で決済が可能かの判断のために後述のように利用される。かくしてこれらのフラグ情報は、カート端末10を含んだ端末装置で決済が可能かを表した情報に相当する。そして記憶デバイス20aは、このような情報を記憶する記憶手段の一例である。
【0015】
仮想POSサーバ30は、カート端末10と協働することで、POS端末としての種々の機能を達成するための情報処理を実行する。本実施形態においては、カート端末10は多くの場合はユーザインタフェース機器として機能する。より詳細にカート端末10は、仮想POSサーバ30におけるユーザインタフェースとして機能する。そして仮想POSサーバ30とカート端末10とが連携しながら、POS端末としての種々の機能を実現するための情報処理を実行することによって、客に対して、カート端末10をPOS端末として見せかける。なお、POS端末としての種々の機能の一部は、取引に関する処理である。かくしてカート端末10と仮想POSサーバ30とによって取引処理システムとしての機能が実現される。
【0016】
有人会計機40は、仮想POSサーバ30により登録済みの購入商品の決済に関わる操作を店員が行うようにした決済装置である。そして有人会計機40は、購入商品の代金を決定する勘定処理を実行する。また有人会計機40は、店員による操作の下に、上記の勘定処理により決定した代金を決済するための決済処理を実行する。有人会計機40は、店員による操作に応じて購入商品を登録して、さらに当該購入商品の決済のための処理を店員による操作に応じて行う機能を備えてもよい。つまり、有人会計機40は、対面式と称される周知のPOS端末としての機能を備えてもよい。
【0017】
このため有人会計機40は、図2に示すように、会計ゾーンZO1のうちの対面ゾーンZO11に設置される。稼働中である有人会計機40に対しては、客M1と対面しながら有人会計機40を専属で操作する店員M2が配置される。対面ゾーンZO11には、スキャナSC1が設けられている。スキャナSC1は、有人会計機40に接続されている。スキャナSC1は、定置式及び手持ち式のいずれであってもよい。スキャナSC1は、客M1がカート端末10により登録せずに対面ゾーンZO11に持ち込んだ商品を購入商品として登録する際に、当該商品に示されたバーコード又は二次元データコード等のコードシンボルを店員M2による操作の下にスキャンする。
【0018】
セルフ会計機50は、仮想POSサーバ30により登録済みの購入商品の決済に関わる操作を客が行うようにした決済装置である。そしてセルフ会計機50は、購入商品の売買に関わる代金を決定する勘定処理を実行する。セルフ会計機50は、印刷手段としてのプリンタ50aを備え、客に受け取らせるために、媒体への印刷によってレシート等の証票を発行する。かくしてセルフ会計機50は、決済装置としての機能を備える。
【0019】
このためセルフ会計機50は、図2に示すように、会計ゾーンZO1のうちのセルフゾーンZO12に設置される。セルフ会計機50に対しては、当該セルフ会計機50を専属で操作する店員M2は配置されない。
【0020】
なお、図2においては、2つの有人会計機40と3つのセルフ会計機50とを表しているが、有人会計機40及びセルフ会計機50のそれぞれの台数は、店舗の運営者の事情により任意である。また、有人会計機40は設けられなくてもよい。
【0021】
ビーコン発信機60は、予め定められたビーコン信号を発信する。ビーコン発信機60は、複数が配置されることもある。ビーコン発信機60は、図2に示す会計ゾーンZO1内を概ねの受信可能範囲とするように、設置台数、設置場所及び送信強度が調整される。
【0022】
店員端末70は、店員M2による業務を支援するための情報処理を行う情報処理端末である。店員端末70は例えば、カートCのメンテナンスを担当する店員M2が携帯する携帯情報端末である。また店員端末70は例えば、店舗システム1の運用状況を監視するための監視端末である。複数の店員端末70が店舗システム1に含まれてもよい。そしてこの場合、店員端末70としては複数の種類が含まれてもよい。
【0023】
図6はカート端末10の要部回路構成を示すブロック図である。
カート端末10は、タブレットコンピュータ11、スキャナ12、リーダ13、カメラ14、ビーコン受信機15及び外部バッテリ16を備える。
【0024】
タブレットコンピュータ11は、プロセッサ11a、メインメモリ11b、補助記憶ユニット11c、無線ユニット11d、タッチパネル11e、サウンドユニット11f、インタフェースユニット11g、伝送路11h、電源ユニット11i及びバッテリユニット11jを含む。プロセッサ11a、メインメモリ11b、補助記憶ユニット11c、無線ユニット11d、タッチパネル11e、サウンドユニット11f及びインタフェースユニット11gは、伝送路11hを介して通信可能とされている。そして、プロセッサ11a、メインメモリ11b及び補助記憶ユニット11cが伝送路11hにより接続されていることによって、カート端末10を制御するためのコンピュータが構成される。
【0025】
プロセッサ11aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11aは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等の情報処理プログラムに従って、カート端末10としての各種の機能を実現するための情報処理を実行する。プロセッサ11aは、例えばCPU(central processing unit)である。
【0026】
メインメモリ11bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ11bは、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ11bは、不揮発性のメモリ領域では上記の情報処理プログラムを記憶する。メインメモリ11bは、プロセッサ11aが情報処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ11bは、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11aによってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(read only memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(random access memory)である。
【0027】
補助記憶ユニット11cは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット11cとしては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、あるいはSSD(solid state drive)等の周知の記憶デバイスを用いた記憶ユニットを利用できる。補助記憶ユニット11cは、プロセッサ11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ11aでの処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶ユニット11cは、上記の情報処理プログラムを記憶する場合もある。
【0028】
無線ユニット11dは、アクセスポイント2aとの間で無線通信プロトコルに従った無線通信によりデータを授受する。
タッチパネル11eは、表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、プロセッサ11aによる制御の下に、GUI(graphical user interface)画面などの任意の画面を表示する。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD(liquid crystal display)等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をプロセッサ11aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
【0029】
サウンドユニット11fは、音声及びメロディなどの各種サウンドを出力する。
インタフェースユニット11gには、スキャナ12、リーダ13、カメラ14及びビーコン受信機15が接続される。インタフェースユニット11gは、これらスキャナ12、リーダ13、カメラ14及びビーコン受信機15とプロセッサ11aとのデータの授受をインタフェースする。インタフェースユニット11gとしては、既存のUSB(universal serial bus)コントローラ等を利用できる。
伝送路11hは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含み、プロセッサ11a、メインメモリ11b、補助記憶ユニット11c、無線ユニット11d、タッチパネル11e及びインタフェースユニット11gの間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0030】
電源ユニット11iは、バッテリユニット11j又は外部バッテリ16からの給電を受けて、タブレットコンピュータ11内の電気的要素に対して動作電力を供給する。電源ユニット11iは、外部バッテリ16から給電されているときには、外部バッテリ16からの供給電力を消費し、外部バッテリ16から給電されないときには、バッテリユニット11jからの供給電力を消費する。
バッテリユニット11jは、外部バッテリ16からの給電により充電する。バッテリユニット11jは、外部バッテリ16から給電されないときには、充電している電力を電源ユニット11iへと給電する。バッテリユニット11jは、自らの残量を測定する機能を備える。
【0031】
スキャナ12は、バーコード又は二次元データコード等のコードシンボルを読み取る。スキャナ12は、主として、商品に示され、当該商品の商品コード等を表したコードシンボルを読み取るために使用される。スキャナ12は、会員カードに示されるか、又は携帯端末で表示され、会員コードなどを表したコードシンボルを読み取るために使用されてもよい。スキャナ12は、読み取ったコードシンボルが表すデータを出力する。スキャナ12は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0032】
リーダ13は、記録媒体に記録されたデータを読み取り、出力する。リーダ13は、記録媒体が磁気カードの場合は磁気カードリーダであり、接触式ICカードの場合にはICカードリーダである。非接触式ICカード又はスマートフォン等のようにRFID(radio frequency identification)を使用した記録媒体の場合には、RFIDリーダがリーダ13として使用される。
カメラ14は、カートCに載せられた買物カゴの中を俯瞰撮影する。そしてカメラ14は、撮影した画像を表した画像データを出力する。
【0033】
ビーコン受信機15は、ビーコン発信機60により送信されたビーコン信号を受信する。そしてビーコン受信機15は、ビーコン信号を受信できた場合に、そのことをプロセッサ11aに通知するための通知データを出力する。
外部バッテリ16は、タブレットコンピュータ11に対して着脱が可能である。外部バッテリ16は、タブレットコンピュータ11に装着された状態においては、蓄積している電力をタブレットコンピュータ11に供給する。
【0034】
図7はカートCの外観の一例を示す斜視図である。
カートCは、キャスタ部C1、ハンドルフレーム部C2及び籠受部C3を備えている。
キャスタ部C1は、カートCを床面上で円滑に移動させるための4つの車輪C11を有する。車輪C11は、フレームC12に対して、鉛直方向の軸周りで回転可能な状態で取り付けられている。
ハンドルフレーム部C2は、一対の縦フレームC21,C21及びハンドルバーC22を含む。縦フレームC21,C21は、キャスタ部C1の2つの車輪の上方に立設される。ハンドルバーC22は、縦フレームC21,C21の上端を連結する。
籠受部C3は、ハンドルフレーム部C2の中途部位から水平に向けて設けられる。籠受部C3は、商品を収容するための買物カゴSBを保持する。なお、キャスタ部C1も、その上に買物カゴSBを保持する。
【0035】
カートCを使用する客M1は、典型的には、ハンドルフレーム部C2よりも図7中の手前側に位置する。そして客M1が、ハンドルバーC22を握りながらカートCを押す。つまりこの場合は、ハンドルフレーム部C2に対して籠受部C3が突出している向きがカートCの前進方向となる。
【0036】
ハンドルバーC22の中途部に、スキャナ12が取り付けられている。また、一方の縦フレームC21に、その先端がハンドルバーC22よりも上方に位置するようにポールC4が取り付けられている。そして、このポールC4の先端部に上述のタブレットコンピュータ11が、タッチパネル11eの画面が前進方向の反対側を向く姿勢で取り付けられている。また、ポールC4の中途部に、籠受部C3により保持された買物カゴSBに向く姿勢でカメラ14が取り付けられている。さらに、タブレットコンピュータ11にリーダ13が取り付けられている。なお、図7においては、リーダ13を磁気カードリーダとしている。リーダ13は、カードスリットがタッチパネル11eの画面と同じ向きに向けられている。ハンドルフレーム部C2の下端側には、縦フレームC21,C21の間にバッテリケースBCが取り付けられている。バッテリケースBCは、外部バッテリ16を収容する。
【0037】
図8は仮想POSサーバ30の要部回路構成を示すブロック図である。
仮想POSサーバ30は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶ユニット33、通信インタフェース34及び伝送路35を含む。プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶ユニット33及び通信インタフェース34は、伝送路35を介して通信可能とされている。そして、プロセッサ31、メインメモリ32及び補助記憶ユニット33が伝送路35により接続されていることによって、仮想POSサーバ30を制御するためのコンピュータが構成される。なお、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶ユニット33及び伝送路35の機能の概略は、プロセッサ11a、メインメモリ11b、補助記憶ユニット11c及び伝送路11hと同等であるので、その説明は省略する。
通信インタフェース34は、通信ネットワーク2に接続された各部との間で所定の通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0038】
補助記憶ユニット33は、情報処理プログラムの1つである取引処理プログラムAP1を記憶する。取引処理プログラムAP1は、アプリケーションプログラムであり、後述する販売処理について記述されている。補助記憶ユニット33の記憶領域の一部は、カート管理データベースDB1及び購入商品データベースDB2として使用される。
【0039】
図9はカート管理データベースDB1に含まれるデータレコードDR4の主要なデータ構造を示す模式図である。
カート管理データベースDB1は、客M1に利用されているカートCのそれぞれに関連付けられたデータレコードDR4の集合である。そしてデータレコードDR4は、フィールドF41,F42,F43,F44,F45を含む。
フィールドF41には、関連付けられたカートCに取り付けられているカート端末10を他のカート端末10と識別するための端末コードがセットされる。フィールドF42には、関連付けられたカートCを使用している客M1を他の客と識別するための会員コードがセットされる。フィールドF43には、関連付けられたカートCを用いて行われる取引を他の取引と識別するための取引コードがセットされる。フィールドF44には、関連付けられたカートCを使用している客M1の電子レシートIDがセットされる。フィールドF45には、関連付けられたカートCを使用している客M1が保有するポイント数がセットされる。なお、データレコードDR4には、フィールドF41~F45とは別のデータがセットされる別のフィールドが含まれてもよい。
【0040】
図10は購入商品データベースDB2に含まれるデータレコードDR5の主要なデータ構造を示す模式図である。
購入商品データベースDB2は、店舗内で実行中である買い物のそれぞれに関連付けられたデータレコードDR5の集合である。そしてデータレコードDR5は、フィールドF51,F52を含む。データレコードDR5はまた、フィールドF53,F54,…を含み得る。
フィールドF51には、関連付けられた買い物に対して定められた取引コードがセットされる。この取引コードは、関連付けられた買い物に使用されているカートCに関連付けられたデータレコードDR4のフィールドF42にセットされた取引コードと同一である。フィールドF52には、関連付けられた買い物に関して購入商品として登録済みの商品に関する商品データがセットされる。商品データは、商品コード、単価、商品名、個数及び取消フラグを含む。商品コードは、商品をSKU(stock keeping unit)毎に識別するために定められた識別コードであり、例えばJAN(Japanese article number)コードが用いられる。取消フラグは、購入商品として一旦登録されたものの、その後に取り消された商品を特定するためのフラグデータである。
【0041】
データレコードDR5には、関連付けられた買い物に関して2つ以上の購入商品が登録済みである場合に、フィールドF53以降のフィールドが含まれる。そしてフィールドF53以降のフィールドにも、フィールドF52と同様に商品データがセットされる。かくしてフィールドF52以降の各フィールドにより、関連付けられた買い物に関しての購入商品のリストが表される。なお、この購入商品のリストを、以下においては商品リストと称する。
【0042】
さて、仮想POSサーバ30のハードウェアとしては、例えば汎用のネットワークサーバを用いることができる。そして仮想POSサーバ30の譲渡は一般に、補助記憶ユニット33に、取引処理プログラムAP1が記憶され、カート管理データベースDB1及び購入商品データベースDB2が記憶されない状態にて行われる。しかし、取引処理プログラムAP1が補助記憶ユニット33に記憶されない状態、あるいは同種の別バージョンの取引処理プログラムAP1が補助記憶ユニット33に記憶された状態のハードウェアと、取引処理プログラムAP1とが個別に譲渡されてもよい。そして、任意の作業者の操作に応じて、補助記憶ユニット33に取引処理プログラムAP1が書き込まれることによって、仮想POSサーバ30が構成されてもよい。取引処理プログラムAP1の譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。カート管理データベースDB1及び購入商品データベースDB2は、プロセッサ31が取引処理プログラムAP1に基づく情報処理を実行することで、補助記憶ユニット33内に構成される。なお、取引処理プログラムAP1、カート管理データベースDB1及び購入商品データベースDB2の少なくとも一部が、メインメモリ32に記憶されてもよい。
【0043】
次に以上のように構成された店舗システム1の動作について、図11図12図13図14図15を用いて説明する。なお、以下に説明する各種の処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。
カート端末10が起動されるとプロセッサ11aは、メインメモリ11b又は補助記憶ユニット11cに記憶された情報処理プログラムに従って、以下に説明する情報処理を実行する。
図11はカート端末10におけるプロセッサ11aが実行する情報処理の手順を示すフローチャートである。
【0044】
(カートCの使用の開始)
ACT1としてプロセッサ11aは、利用開始操作が行われるのを待ち受ける。このときプロセッサ11aは、取り付け先のカートCを用いた買い物が開始されるのを待機している状態である。プロセッサ11aは例えば、この待機状態においては、開始ボタンを表した画面をタッチパネル11eに表示させておく。客M1は、カート置き場に置かれているカートCの一台を取り出し、そのカートCに取り付けられているカート端末10に対して利用開始のための予め定められた操作を行う。客M1は、会員であるならば、会員カードに記録された会員コードを、スキャナ12又はリーダ13に読み取らせる。客M1は、会員ではないならば、上記の開始ボタンを操作する。そしてプロセッサ11aは、これらの操作が行われたならば、利用開始のための操作が行われたとしてYESと判定して、ACT2へと進む。
【0045】
ACT2としてプロセッサ11aは、自らが搭載されているカート端末10の端末コードと会員コードとを仮想POSサーバ30に通知する。これはログイン要求の通知である。なおプロセッサ11aは、開始ボタンがタッチされた場合には、非会員用として予め定められた会員コードを仮想POSサーバ30に通知する。非会員用の会員コードは、複数の客に対して共通であってもよいし、異ならせてもよい。具体的にはプロセッサ11aは、端末コード及び会員コードを含んだ通知データを、無線ユニット11dから仮想POSサーバ30に宛ててアクセスポイント2aへと送信する。この通知データは、アクセスポイント2a及び通信ネットワーク2によって仮想POSサーバ30へと伝送される。そうすると、仮想POSサーバ30の通信インタフェース34が通知データを受信する。通信インタフェース34は、受信した通知データをプロセッサ31へと与える。これにより、プロセッサ31にログイン要求が通知される。以降における別の通知に関する説明においては、上記のような詳細の説明を省略する。
【0046】
プロセッサ31は、ログイン要求の通知を受けると、以下に説明するような取引処理のための情報処理を開始する。プロセッサ31は、当該情報処理は、取引処理プログラムAP1に従って実行する。
【0047】
図12図13図14及び図15はプロセッサ31による取引処理のための情報処理の手順を示すフローチャートである。
なおプロセッサ31は、ログイン要求の通知を受ける毎にこの情報処理を開始し、複数の情報処理を並行して実行する。つまりプロセッサ31は、複数のカート端末10を対象として、以下の情報処理をそれぞれ並行して実行する。以下においては、上記のようにログインを通知した1つのカート端末10に対する情報処理について説明する。従って、単に「カート端末10」と記す場合、上記の対象となる1つのカート端末10を指す。また単に「客M1」と記す場合、上記の対象となる1つのカート端末10を使用している客M1を指す。
【0048】
図12中のACT20としてプロセッサ31は、ログインを要求した会員が既にログイン中であるか否かを確認する。プロセッサ31は例えば、ログイン要求の通知データに含まれた会員コードが、非会員用ではなく、かつカート管理データベースDB1に含まれているデータレコードDR4のフィールドF42にセットされた会員コードのいずれとも一致しないならば、ログイン中ではないと判定する。またプロセッサ31は、ログイン要求の通知データに含まれた会員コードが非会員用である場合も、ログイン中ではないと判定する。そしてプロセッサ31は、このようにログイン中ではないならばNOと判定し、ACT21へと進む。
【0049】
ACT21としてプロセッサ31は、会員サーバ5に対して会員問合わせを行う。プロセッサ31は例えば、上記のログイン要求の通知データに含まれた会員コードの通知を伴って、会員サーバ5に対して問い合わせる。会員サーバ5は、会員データベースに含まれるデータレコードDR2の中から、フィールドF21にセットされた会員コードが通知された会員コードと一致するデータレコードDR2を見つけ出す。そして会員サーバ5は、当該のデータレコードDR2のフィールドF22,F23にセットされた電子レシートID及びポイント数を仮想POSサーバ30に通知する。
【0050】
ACT22としてプロセッサ31は、カート管理データベースDB1を新たなデータレコードDR4を追加するように更新する。プロセッサ31は、ここで追加するデータレコードDR4へは、通知データに含まれた端末コード及び会員コードをフィールドF41,F42にセットする。またプロセッサ31は、取引コードを、少なくとも別のカート端末10を対象とした取引処理で用いられている取引コードとは異なるように、予め定められたアルゴリズムで決定する。そしてこの取引コードを、上記の追加するデータレコードDR4のフィールドF43にセットする。またプロセッサ31は、上記のように会員サーバ5から通知された電子レシートID及びポイント数を、上記の追加するデータレコードDR4のフィールドF44,F45にそれぞれセットする。なおプロセッサ31は、会員サーバ5から通知された電子レシートIDが通知されないならば、上記の追加するデータレコードDR4のフィールドF44をブランクの状態とするか、予め定められた無効データをセットする。そしてプロセッサ31は、当該の更新を終えたならば、カート端末10に対してログインの完了を通知する。
【0051】
ACT23としてプロセッサ31は、完了画面の表示をカート端末10に指示する。完了画面は、ログインが完了したことを客に通知する画面である。完了画面は、購入商品の登録を開始してよいことなどの客に対するガイダンスを表していてもよい。プロセッサ31は例えば、完了画面を表す画面データを含んだ指示データを、通信インタフェース34からカート端末10に宛てて送信する。この指示データは、通信ネットワーク2及びアクセスポイント2aによってカート端末10へと伝送される。そうすると、カート端末10の無線ユニット11dが指示データを受信する。無線ユニット11dは、受信した指示データをプロセッサ11aへと与える。これにより、プロセッサ11aに完了画面の表示が指示される。仮想POSサーバ30からカート端末10への各種の指示は、以上のような完了画面の表示指示と同様にして行われる。このため、以降における別の指示に関する説明においては、上記のような詳細の説明を省略する。
【0052】
(購入商品の登録)
カート端末10にてプロセッサ11aは、図11中のACT2にてログイン要求を通知したのちには、仮想POSサーバ30からログインの完了が通知されるのを待ってACT3へと進む。
ACT3としてプロセッサ11aは、画面変更が、仮想POSサーバ30から後述するように指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ11aは、当該の指示がなされたことが確認できないならばNOと判定し、ACT4へと進む。
ACT4としてプロセッサ11aは、操作者により何らかの操作がなされたか否かを確認する。なお、操作者は、通常は客M1であるが、店員M2が一時的に操作者になることもある。そしてプロセッサ11aは、該当の操作がなされたことを確認できないならばNOと判定し、ACT5へと進む。
【0053】
ACT5としてプロセッサ11aは、ビーコン信号が受信されたか否かを確認する。そしてビーコン受信機15からビーコン信号を受信したことの通知がなされたことが確認できないならばNOと判定し、ACT6へと進む。
ACT6としてプロセッサ11aは、仮想POSサーバ30からログオフが許可されたか否かを確認する。そしてプロセッサ11aは、当該の許可がなされたことを確認できないならばNOと判定し、ACT3へと戻る。
かくしてプロセッサ11aは、ACT3乃至ACT6においては、画面変更の指示、操作、ビーコン信号の受信及びログオフの許可のいずれかがなされるのを待ち受ける。
【0054】
前述のような完了画面の表示指示などの種々の表示指示がなさると、プロセッサ11aはACT3にてYESと判定し、ACT7へと進む。
ACT7としてプロセッサ11aは、表示指示に従って、タッチパネル11eにおける表示画面を変更する。プロセッサ11aは例えば、指示データに含まれた画面データが表す画面を表示するようにタッチパネル11eを制御する。指示データに含まれた画面データが前述の完了画面を表すならば、タッチパネル11eの表示画面は完了画面に変更される。これにより客M1は、購入商品の登録のための操作を開始してよいことを知ることができる。プロセッサ11aはこののち、ACT3乃至ACT6の待受状態に戻る。
【0055】
客M1は、カートCを押しながら、購入する商品を探して店内を移動する。そして購入する商品を見つけたならば、その商品を陳列場所から取り出し、カートCに載せる。このときに客M1は、該当の商品を購入商品として指定するための操作を行う。当該の操作は例えば、該当の商品に表示されたコードシンボルを読み取らせるためのスキャナ12の操作である。また上記の操作は例えば、該当の商品を指定するためのタッチパネル11eの操作である。客M1は、商品コードが同一である商品を複数個、購入商品として登録する場合には、個数を指定する操作を行った上で、コードシンボルを一度だけスキャナ12に読み取らせてもよい。
【0056】
このような操作を含む何らかの操作が操作者により行われたならば、プロセッサ11aはACT4にてYESと判定し、ACT8へと進む。
ACT8としてプロセッサ11aは、操作内容を仮想POSサーバ30のプロセッサ31に通知する。なおプロセッサ11aは、商品を購入商品として指定するための操作を通知するに当たっては、指定された商品の商品コードと個数とを通知する。プロセッサ11aは、個数を指定する操作が行われなかった場合の個数は「1」とする。そしてプロセッサ11aはこののち、ACT3乃至ACT6の待受状態に戻る。
【0057】
さて仮想POSサーバ30にてプロセッサ31は、図12中のACT24として、操作内容が通知されたか否かを確認する。そしてプロセッサ31は、該当の通知がなされたことを確認できないならばNOと判定し、ACT25へと進む。
ACT25としてプロセッサ31は、ビーコン信号の受信が通知されたか否かを確認する。そしてプロセッサ31は、該当の通知がなされたことを確認できないならばNOと判定し、ACT26へと進む。
ACT26としてプロセッサ31は、会計データが要求されたか否かを確認する。そしてプロセッサ31は、該当の要求がなされたことを確認できないならばNOと判定し、ACT24へと戻る。
かくしてプロセッサ31はACT24乃至ACT26においては、操作内容の通知、ビーコン受信の通知及び会計データの要求のいずれかがなされるのを待ち受ける。
【0058】
前述のように操作内容が通知されたならば、プロセッサ31はACT24にてYESと判定し、図13中のACT27へと進む。
ACT27としてプロセッサ31は、通知された操作内容が購入商品の指定であるか否かを確認する。そしてプロセッサ31は、購入商品の指定であったならばYESと判定し、ACT28へと進む。
【0059】
ACT28としてプロセッサ31は、指定された購入商品を追加するように商品リストを更新する。プロセッサ31は例えば、カート管理データベースDB1に含まれるデータレコードDR4のうちから、フィールドF41にセットされた端末コードがカート端末10の端末コードに一致するデータレコードDR4を見つけ出す。そしてプロセッサ31は、該当するデータレコードDR4のフィールドF43にセットされている取引コードを取得する。次にプロセッサ31は、購入商品データベースDB2に含まれるデータレコードDR5のうちから、フィールドF51にセットされた取引コードが上記の取得した取引コードに一致するデータレコードDR5を見つけ出す。プロセッサ31は、該当のデータレコードDR5が存在しないならば、上記の取得した取引コードをフィールドF51にセットし、かつ指定された購入商品の商品コードを含んだ商品データをフィールドF52にセットした新たなデータレコードDR5を購入商品データベースDB2に追加する。またプロセッサ31は、該当のデータレコードDR5が見つかったならば、該当のデータレコードDR5の末尾に位置するフィールドの次に新たなフィールドを追加し、このフィールドに、指定された購入商品の商品コードを含んだ商品データをセットする。なおプロセッサ31はここで新たにセットする商品データの取消フラグは、取り消されていないことを表す状態とする。なおプロセッサ31は、フィールドF52又は新たなフィールドにセットする商品データには、商品コードをキーとして店舗サーバ20の商品マスタデータベースから取得した商品名、価格及び発行確認情報と、カート端末10から商品コードと共に通知された個数とを含める。
このときにプロセッサ31は、通知された商品コードを取得している。かくして取引処理プログラムAP1に基づく情報処理をプロセッサ31が実行することによって、プロセッサ31を中枢部分とするコンピュータは取得手段として機能する。
【0060】
ところで客M1は、上記のようにして登録した購入商品の購入を取り止めたいならば、その商品に関する取消を指示するための操作を、例えばタッチパネル11eにて行う。そしてこの操作の内容がカート端末10から仮想POSサーバ30へと通知された場合にプロセッサ31は、ACT27にてNOと判定し、ACT29へと進む。
ACT29としてプロセッサ31は、通知された操作内容が取消の指示であるか否かを確認する。そして上記のように取消の指示であったならばYESと判定し、ACT30へと進む。
ACT30としてプロセッサ31は、取消が指示された購入商品を除外するように商品リストを更新する。プロセッサ31は例えば、取消が指定された購入商品に関する商品データに含まれる取消フラグを、取り消されたことを表す状態に変更する。
【0061】
なおプロセッサ31は、ACT28又はACT30では、更新後の商品リストに含まれる商品データに基づいて、購入商品の代金額を算出する。プロセッサ31は、この代金額の算出に当たっては、周知の各種の値引処理又は割引処理を必要に応じて適用する。
プロセッサ31は、ACT28又はACT30を終えたならば、いずれの場合もACT31へと進む。
ACT31としてプロセッサ31は、スルーチェックアウトを許容する状態であるか否かを確認する。ここでスルーチェックアウトとは、有人会計機40及びセルフ会計機50を用いることなく、カート端末10における手続きで会計を行うことである。プロセッサ31は、予め定められた許容条件が成立するか否かを確認する。そしてプロセッサ31は、許容条件が成立するならば、スルーチェックアウトを許容する状態であるとしてYESと判定し、ACT32へと進む。
なお許容条件は、取引処理プログラムAP1の作成者又は仮想POSサーバ30の管理者などにより任意に定められてよい。許容条件は例えば、以下のいずれにも該当しない場合とすることが想定される。ただし、以下の全ての条件を考慮することは必須ではない。例えば、証票をプリントする必要がない場合には、許容条件が成立するとしてもよい。また例えば、年齢制限のある商品が購入商品に含まれない場合には、許容条件が成立するとしてもよい。あるいは、客M1が電子レシート会員である場合には、許容条件が成立するとしてもよい。
【0062】
(1) 証票を客M1に渡す必要がある場合。証票は、レシート、購入証明書、保証書、クーポン券、割引券、あるいはその他である。証票は、典型的には、有人会計機40又はセルフ会計機50に備えられたプリンタ50aにより会計に際してプリントされる。証票は、予め用意された印刷物であってもよい。証票は、予め用意された用紙に店員により何らかの情報が手書きされて形成されてもよい。なお、レシートは、原則として全ての取引に関して発行されるべきである。ただし、客M1が電子レシートサービスの会員である場合には、当該電子レシートサービスを利用することで、レシートの発行を省略できる。このため本実施形態では、客M1が電子レシートサービスの会員ではない場合には、証票を客M1に渡す必要がある場合に該当する。この条件に関してプロセッサ31は例えば、カート端末10に関連付けられたデータレコードDR4のフィールドF44に有効な電子レシートIDがセットされていないならば、証票を客M1に渡す必要があると判定する。またプロセッサ31は例えば、カート端末10に関する取引に関連付けられたデータレコードDR5に含まれる商品データのいずれかに、証票を発行する必要があるか否かを表すフラグ情報を含んだ発行確認情報が含まれているならば、証票を客M1に渡す必要があると判定する。
【0063】
(2) 店員M2による対応が必要な商品が購入商品に含まれる場合。この場合における店員M2による対応とは例えば、購入者に年齢制限等の制限がある商品が購入商品に含まれる場合に、客M1が制限に合致するか否かを確認することである。店員M2による対応とは例えば、購入に際して有資格者による説明を客M1に対して行うことが必要である商品についての説明を行うことである。店員M2による対応とは例えば、購入者に対してプレゼント品を授与することが定められている商品が購入商品に含まれている場合に、上記のプレゼント品を客M1に手渡すことである。店員M2による対応とは例えば、商品に関する説明を客M1に対して店員M2が口頭で行うことである。この条件に関してプロセッサ31は例えば、カート端末10に関する取引に関連付けられたデータレコードDR5に含まれる商品データのいずれかに、販売に際して店員による確認が必要であることを表すフラグ情報を含んだ発行確認情報が含まれているならば、店員M2による対応が必要な商品が購入商品に含まれると判定する。
【0064】
(3) 店員M2による確認が必要な商品がカートCに載せられている可能性がある場合。この場合における店員M2による確認とは例えば、購入商品としての登録がなされることなくカートCに載せられた可能性がある場合の確認である。
【0065】
(4) 店員による対応が必要な決済方法が指定されている場合。店員による対応が必要な決済方法とは、例えば商品券による決済のようにセルフ会計機50での取り扱いが認められておらず、店員による対応を行うことが定められている決済方法である。該当する決済方法の適用が、客M1に関するデフォルトの決済方法として指定されているときが、上記の場合の一例である。あるいは、該当する決済方法が、購入商品の登録が完了するよりも前に、当該登録中の購入商品の決済方法として指定されたときが、上記の場合の一例である。
【0066】
ACT32としてプロセッサ31は、登録画面の表示をカート端末10に指示する。登録画面は、登録済みの購入商品のリストを表した画面である。
図16は登録画面SC11の一例を示す図である。
登録画面SC11は、エリアAR1,AR2,AR3、ボタンBU1,BU2,BU3及びアイコンIC1を表す。エリアAR1は、ACT28又はACT30にて更新された後の商品リストに表される商品に関しての商品名を行方向に並べて表す。エリアAR1はまた、上記の商品名に対して列方向に並べて、当該商品が購入商品として登録されている点数と、当該商品の販売価格とを表す。エリアAR1は、商品リストに表されているものの、取消フラグが取り消されたことを表す状態となっている商品の商品名、点数及び販売価格に対しては、抹消線を付している。つまり登録画面SC11は、商品名が「AAA」「BBB」「DDD」及び「EEE」である商品が登録商品とされていて、商品名が「CCC」である商品が一旦は登録商品とされたものの既に取り消されている状態を表している。
【0067】
エリアAR2は、エリアAR1の各行に並べて配置される。図16では図示していないが、エリアAR2には、対応付けられた商品に応じたアイコンが必要に応じて表される。エリアAR2に表されるアイコンは例えば、セット割引などのような各種の値引きの対象商品であることや、年齢制限商品であることなどを表す。
エリアAR3は、登録済みの購入商品に関して、総点数及び合計金額を表している。プロセッサ31は、ACT28又はACT30で算出した代金額を合計金額としてエリアAR3に表す。
【0068】
ボタンBU1は、エリアAR1の各行のうちで、購入商品を表した行に並べて配置される。ボタンBU1は、並べて表された購入商品の取消を操作者が指示するための操作ボタンである。つまりボタンBU1がタッチされ、そのことがカート端末10から仮想POSサーバ30へと通知された場合に、プロセッサ31はACT29にて取消が指示されたと判定する。
ボタンBU2は、購入商品の登録を終えて会計に移行することを操作者が指示するための操作ボタンである。
ボタンBU3は、コードシンボルが示されていない商品を購入商品として登録するための操作画面に移行することを操作者が指示するための操作ボタンである。
アイコンIC1は、スルーチェックアウトが許容されることを客M1に知らせるためのアイコンである。
【0069】
プロセッサ31は、ACT28又はACT30にて更新後の商品リストに基づく情報をエリアAR1,AR2,AR3に表した登録画面SC11の画面データを生成し、この画面データをカート端末10に送信する。そうするとカート端末10においてプロセッサ11aは、当該の画面データに基づいて登録画面SC11をタッチパネル11eに表示させる。
【0070】
一方、プロセッサ31は、予め定められた許容条件が成立しないならばACT31にてNOと判定し、ACT33へと進む。
ACT33としてプロセッサ31は、登録画面SC11の表示をカート端末10に指示する。ただし、プロセッサ31はACT33で生成する登録画面SC11には、アイコンIC1は表さない。
【0071】
かくして登録画面SC11においては、エリアAR1,AR2,AR3に表される情報、ボタンBU1の表示状態及びアイコンIC1の表示の有無は、図16に示される状態から変化し得、その他の表示要素は原則として変化しない。
そしてプロセッサ31は、スルーチェックアウトが許容される状況であるか否かに応じて、登録画面SC11にアイコンIC1を表すか否かを変える。
プロセッサ31は、ACT32又はACT33を終えると、図12中のACT24乃至ACT26の待受状態に戻る。
【0072】
(カートCの交換)
ところで会員である客M1は、使用中のカートCにおけるバッテリ残量が少なくなった場合などに、使用するカートCを変更することができる。この場合に客M1は、使用中のカートCとは異なり、かつ他の客M1によって使用されていないカートCにおいて利用開始操作を行う。
【0073】
この利用開始操作に応じてのログイン要求がカートCのカート端末10(ここでは、新端末10と称する)から仮想POSサーバ30に対して通知されると、プロセッサ31は新端末10を対象とした情報処理を開始する。このとき、ログイン要求の通知データに含まれた会員コードが、使用中のカートCのカート端末10(ここでは、旧端末10と称する)に関連付けられたデータレコードDR4のフィールドF42にセットされた会員コードと一致する。従ってプロセッサ31は、新端末10を対象とした情報処理のACT20においてはYESと判定し、ACT34へと進む。
【0074】
ACT34としてプロセッサ31は、カート管理データベースDB1を変更するように更新する。プロセッサ31は例えば、カート管理データベースDB1に含まれるデータレコードDR4の中から、フィールドF42にセットされた会員コードがログイン要求の通知データに含まれた会員コードに一致するデータレコードDR4を見つけ出す。そしてプロセッサ31は、該当するデータレコードDR4のフィールドF41にセットされている端末コードを、新端末10の端末コードに書き替える。これにより、これまで旧端末10に関する情報処理での更新の対象となっていた商品リストは、新端末10に関する情報処理での更新の対象として引き継がれる。そしてプロセッサ31は、当該の更新を終えたならば、新端末10に対してログインの完了を通知する。
【0075】
ACT35としてプロセッサ31は、旧端末10にてタッチパネル11eに表示中の画面を表示するように新端末10に指示する。こののちプロセッサ31は、ACT24乃至ACT26の待受状態に移行する。
客M1は、以降、新端末10を用いて購入商品の登録を継続することができる。
この場合にプロセッサ31は、旧端末10を対象とした情報処理においては、ACT24乃至ACT26の待受状態に留まることとなる。この場合にプロセッサ31は、旧端末10からの何らかの通知を受けた場合に、旧端末10に関連付けられたデータレコードDR4が存在しないことを確認した上で、旧端末10を対象とした情報処理を終了する。
【0076】
(会計)
客M1は、購入しようとする全ての商品を購入商品として登録し終えたならば、会計ゾーンZO1へと移動する。これによってビーコン発信機60が発信するビーコン信号の受信可能範囲にカート端末10が入ると、ビーコン受信機15がビーコン信号を受信する。そしてそのことがビーコン受信機15からプロセッサ11aに通知されると、プロセッサ11aは図11中のACT5にてYESと判定し、ACT9へと進む。
ACT9としてプロセッサ11aは、ビーコン受信を仮想POSサーバ30に通知する。そしてプロセッサ11aはこののち、ACT3乃至ACT6の待受状態に戻る。
【0077】
このように仮想POSサーバ30にビーコン受信が通知されると、プロセッサ31は図12中のACT25にてYESと判定し、ACT36へと進む。
ACT36としてプロセッサ31は、第1の確認画面の表示をカート端末10に指示する。第1の確認画面は、会計を始めるか否かを確認するための画面である。第1の確認画面は例えば、会計を始めることを指定するためのボタンと、売場に戻って購入商品の登録を続けることを指定するためのボタンとを表す。プロセッサ31はこののち、ACT24乃至ACT26の待受状態に戻る。
【0078】
カート端末10は、上記の指示に応じてタッチパネル11eに第1の確認画面を表示させる。客M1は、会計を始めるか、あるいは売場に戻って購入商品の登録を続けるかを、第1の確認画面にて指示する。そしてこれに応じてカート端末10は、第1の確認画面における操作の内容を仮想POSサーバ30に通知する。
【0079】
このように第1の確認画面における操作の内容が通知された場合にプロセッサ31は、図12中のACT24にてYES、図13中のACT27及びACT29にてそれぞれNOと判定し、図14中のACT37へと進む。
ACT37としてプロセッサ31は、第1の確認画面における操作の内容が通知されたか否かを確認する。かくしてプロセッサ31は、上記の場合にはYESと判定し、ACT38へと進む。
【0080】
ACT38としてプロセッサ31は、会計を始めるよう指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ31は、購入商品の登録を続けるよう指示されたのならばNOと判定し、図12中のACT24乃至ACT26の待受状態に戻る。このときにプロセッサ31は、ACT24乃至ACT26の待受状態に戻ってから予め定められた時間が経過するまでの間は、ACT25にてYESと判定しないようにする。これにより、第1の確認画面における購入商品の登録を続ける旨の指示が、客M1が会計ゾーンZO1内に居る状態で行われたとしても、その後の暫くのビーコン受信は無視される。
【0081】
ところで客M1は、上記のようにビーコン受信が無視される期間において、やはり会計を始めたいと思い直した場合には、例えば図2に示すように会計ゾーンZO1内に設置された会計バーコードBC1をカート端末10のスキャナ12に読み取らせる。また、何らかの障害でビーコン受信機15がビーコン信号を受信せず、会計ゾーンZO1内に移動しても第1の確認画面が表示されない場合にも、客M1は会計バーコードBC1を読み取らせるようにカート端末10のスキャナ12を操作する。そしてこれに応じてカート端末10は、会計バーコードの通知を伴って、スキャナ12が操作されたことを仮想POSサーバ30に通知する。
【0082】
この場合にプロセッサ31は、図12中のACT24にてYES、図13中のACT27、ACT29及び図14中のACT37にてそれぞれNOと判定し、ACT39へと進む。
ACT39としてプロセッサ31は、会計バーコードの読取であるか否かを確認する。そしてプロセッサ31は、上述のように会計バーコードを読み取る操作が通知されたのであるならばYESと判定し、ACT40へと進む。なおプロセッサ31は、第1の確認画面において会計の開始が指示された場合には、ACT38にてYESと判定してACT40へと進む。
【0083】
ACT40としてプロセッサ31は、スルーチェックアウトを許容する状態であるか否かをACT31と同様に確認する。そしてプロセッサ31は、スルーチェックアウトを許容する状態であるならばYESと判定し、ACT41へと進む。
ACT41としてプロセッサ31は、選択画面の表示をカート端末10に指示する。選択画面は、スルーチェックアウトを適用するか否かを客M1に選択させるための画面である。プロセッサ31はこののち、図12中のACT24乃至ACT26の待受状態に戻る。
図17は選択画面SC12の一例を示す図である。
選択画面SC12は、エリアAR21、ボタンBU21,BU22,BU23及びメッセージME21を表す。エリアAR21は、客M1が決済すべき金額を表す。ボタンBU21は、スルーチェックアウトを適用することを操作者が指定するための操作ボタンである。ボタンBU22は、セルフ会計機50を利用することを操作者が指定するための操作ボタンである。ボタンBU23は、カート端末10における表示を、この選択画面SC12を表示する以前に表示していた画面に戻すことを操作者が指示するための操作ボタンである。メッセージME21は、スルーチェックアウトを適用してカート端末10にて会計を行うか、セルフ会計機を利用して会計を行うかを、ボタンBU21又はボタンBU22により選択するように操作者に案内する文字メッセージである。
かくして選択画面SC12においては、エリアAR21に表される金額は、購入商品の登録状況に応じて図17に示す状態から変化し得、その他の表示要素は原則として変化しない。
【0084】
カート端末10は、上記の指示に応じてタッチパネル11eに選択画面SC12を表示させる。客M1は、スルーチェックアウトを適用するか、あるいはセルフ会計機50を利用するかを、選択画面SC12にて指示する。そしてこれに応じてカート端末10は、選択画面SC12における操作の内容を仮想POSサーバ30に通知する。つまりプロセッサ11aは、客M1の操作に応じて、スルーチェックアウトを適用するか、あるいはセルフ会計機50を利用するかを選択することになる。スルーチェックアウトを適用する場合、後述するように支払いに関する情報の出力がなされる。またセルフ会計機50を利用するとは、決済装置としての機能を備えたセルフ会計機50で決済を行うことである。かくして取引処理プログラムAP1に基づく情報処理をプロセッサ11aが実行することによって、プロセッサ11aを中枢部分とするコンピュータは選択手段として機能する。なお、この選択手段としての機能による選択は、プロセッサ31による図14中のACT40での判断結果に基づいて、カート端末10での決済が可能である場合に行われる。従って取引処理プログラムAP1に基づく情報処理をプロセッサ31が実行することによって、プロセッサ31を中枢部分とするコンピュータは判断手段として機能する。
このように選択画面SC12における操作の内容が通知された場合にプロセッサ31は、図12中のACT24にてYES、図13中のACT27,ACT29及び図14中のACT37及びACT39にてそれぞれNOと判定し、ACT42へと進む。
【0085】
ACT42としてプロセッサ31は、選択画面SC12における操作の内容が通知されたか否かを確認する。かくしてプロセッサ31は、上記の場合にはYESと判定し、図15中のACT43へと進む。
ACT43としてプロセッサ31は、カート端末10からの通知に基づいて、スルーチェックアウトを適用することが指定されているか否かを確認する。そしてプロセッサ31は、スルーチェックアウトを適用することが指定されているならばYESと判定し、ACT44へと進む。
【0086】
ACT44としてプロセッサ31は、決済処理を実行する。具体的にはプロセッサ31は例えば、指定画面の表示をカート端末10に指示する。指定画面は、スルーチェックアウトで利用する支払方法を操作者に指定させるための画面である。
図18は指定画面SC13の一例を示す図である。
指定画面SC13は、エリアAR31、ボタンBU31,BU32,BU33,BU34及びメッセージME31を表す。エリアAR31は、客M1が決済すべき金額を表す。ボタンBU31は、利用する支払方法としてバーコード決済を操作者が指定するための操作ボタンである。ボタンBU32は、利用する決済方法としてクレジット決済を操作者が指定するための操作ボタンである。ボタンBU33は、利用する決済方法として電子マネー決済を操作者が指定するための操作ボタンである。ボタンBU34は、カート端末10における表示を、この指定画面SC13を表示する以前に表示していた画面に戻すことを操作者が指示するための操作ボタンである。メッセージME31は、どの決済方法を利用するかを、ボタンBU31,BU32,BU33により指定するように操作者に案内する文字メッセージである。
かくして指定画面SC13においては、エリアAR31に表される金額は、購入商品の登録状況に応じて図18に示す状態から変化し得、その他の表示要素は原則として変化しない。
【0087】
カート端末10は、上記の指示に応じてタッチパネル11eに指定画面SC13を表示させる。客M1は、決済方法を指定画面SC13にて指定する。そしてこれに応じてカート端末10は、指定された決済方法を仮想POSサーバ30に通知する。
【0088】
プロセッサ31は、指定された決済方法がカート端末10から通知されたならば、その通知された決済方法に応じた決済画面を表示するようにカート端末10に指示する。決済画面は、決済を実行するための操作を操作者に案内する画面である。
図19はバーコード決済が指定された場合の決済画面SC14の一例である。
決済画面SC14は、エリアAR41、ボタンBU41,BU42,BU43,BU44,BU45、メッセージME41,ME42及び画像IM41を表す。エリアAR41は、客M1が決済すべき金額を表す。ボタンBU41~BU44は、利用するバーコード決済サービスを操作者が指定するための操作ボタンである。ボタンBU41~BU44には、利用可能なバーコード決済サービスがそれぞれ関連付けられている。ボタンBU45は、カート端末10における表示を、この決済画面SC14を表示する以前に表示していた画面に戻すことを操作者が指示するための操作ボタンである。メッセージME41は、まずどのバーコード決済サービスを利用するかを、ボタンBU41,BU42,BU43,BU44により指定するように操作者に案内する文字メッセージである。メッセージME42は、客M1が所持するスマートフォンに表示させた決済用のバーコードをスキャンするように操作者に案内する文字メッセージである。画像IM41は、メッセージME42と対となって、キャンすべきバーコードを操作者に案内するための画像である。
かくして決済画面SC14においては、エリアAR41に表される金額は、購入商品の登録状況に応じて図19に示す状態から変化し得、その他の表示要素は原則として変化しない。
なお、決済画面SC14は、4つのバーコード決済サービスの利用が許容される場合の例である。許容されるバーコード決済サービスの数に応じて、ボタンBU1~BU4に相当するボタンの数を変更する。
【0089】
カート端末10は、上記の指示に応じてタッチパネル11eに決済画面SC14を表示させる。客M1は、利用するバーコード決済サービスをボタンBU41~BU44のいずれかの操作によって指定する。また客M1は、利用するバーコード決済サービス用のアプリケーションソフトによってスマートフォンに表示させた決済用のバーコードを、スキャナ12に読み取らせる。そしてこれに応じてカート端末10は、指定されたバーコード決済サービスを他のサービスと識別するためのサービスコードと決済用のバーコードが表す決済用データとを仮想POSサーバ30に通知する。なお、クレジット決済の場合は、クレジットカードに記録されたクレジット番号などのデータが決済用データとなる。また電子マネー決済の場合は、電子マネーカードに記録された電子マネーIDなどのデータが決済用データとなる。また、クレジット番号又は電子マネーIDなどが決済サーバ3又は仮想POSサーバ30に管理コードに関連付けて記憶されていて、決済の要求に際して決済サーバ3又は仮想POSサーバ30に対して管理コードを通知するようにしている場合には、当該管理コードが決済用データとなる。
【0090】
プロセッサ31は、サービスコードと決済用データとがカート端末10から通知されたならば、これらサービスコードと決済用データとの通知を伴って、決済サーバ3に決済を要求する。そしてプロセッサ31は、当該決済サーバ3からの完了通知を受け取る。ただし、何らかの障害により、決済が完了しているかどうかが不明である状況となる場合もあり得る。この状況を、以下においては「未了」と称する。なお決済サーバ3は、例えば決済代行サービスを提供するサーバであってもよい。
【0091】
以上の決済処理は、決済サーバ3を利用して、決済装置としてのセルフ会計機50を用いずに、カート端末10を含んだ端末装置の側で決済するための処理である。プロセッサ11aは、この決済処理に際して取得した、決済用データを仮想POSサーバ30に出力する。かくして取引処理プログラムAP1に基づく情報処理をプロセッサ11aが実行することによって、プロセッサ11aを中枢とするコンピュータは第4の出力手段として機能する。またプロセッサ31は、この決済処理に際して、支払いに関する情報の一例としての決済用データを決済サーバ3へと出力する。かくして取引処理プログラムAP1に基づく情報処理をプロセッサ31が実行することによって、プロセッサ31を中枢部分とするコンピュータは第2の出力手段として機能する。
【0092】
ACT45としてプロセッサ31は、決済が完了したか否かを確認する。そしてプロセッサ31は、決済が完了したことを確認できないならばNOと判定し、ACT46へと進む。
ACT46としてプロセッサ31は、決済が未了となったか否かを確認する。そしてプロセッサ31は、決済が未了となったことを確認できないならばNOと判定し、ACT45へと戻る。
【0093】
かくしてプロセッサ31はACT45及びACT46においては、決済が完了したこと、又は決済が未了となったことを確認できるまで待ち受ける。そして、プロセッサ31は例えば、決済サーバ3から決済が完了したか否かが不明である旨の通知がなされた場合に未了と判定する。あるいはプロセッサ31は例えば、ACT44にて決済サーバ3に決済を要求してから予め定められた待機時間が経過しても完了の通知を受け取ることができない場合に未了と判定する。そしてプロセッサ31は、未了と判定すると、ACT46にてYESと判定し、ACT47へと進む。
ACT47としてプロセッサ31は、第2の確認画面の表示をカート端末10に指示する。第2の確認画面は、未了となっている決済に関する確認作業を店員M2に行わせるための画面である。第2の確認画面は例えば、有人会計機40又はその他の機器から決済サーバ3に決済状況の問合わせを行うために必要なデータを含んだコードシンボルを表す。
【0094】
カート端末10は、上記の指示に応じてタッチパネル11eに第2の確認画面を表示させる。客M1は、店員M2に対応を要求する。店員M2は、有人会計機40又はその他の機器の問合わせ機能を起動した上で、当該機器に備えられたスキャナによって、カート端末10に表示された第2の確認画面のコードシンボルを読み取る。そうすると有人会計機40又はその他の機器は、第2の確認画面のコードシンボルに含まれたデータに基づいて、決済サーバ3に決済状況を問い合わせる。こののち、店員M2は、予め定められた手順で、未了となっている決済の完了を確認するための作業を行う。そして店員M2は、決済の完了を確認できたならば、カート端末10にて、予め定められた解除操作を行う。カート端末10は、解除操作がなされたことを仮想POSサーバ30に通知する。
【0095】
ACT48としてプロセッサ31は、解除操作がなされるのを待ち受ける。そしてプロセッサ31は、上述のように解除操作がなされ、このことがカート端末10から通知されると、ACT48にてYESと判定し、ACT49へと進む。なおプロセッサ31は、例えば決済サーバ3から決済の完了が通知されるなどして決済が完了したことを確認できたならば、ACT45にてYESと判定し、ACT47及びACT48をパスしてACT49へと進む。
【0096】
ACT49としてプロセッサ31は、上記のように決済を完了した取引に関する電子レシートデータを客M1が閲覧できるように電子レシートサーバ4に登録するための処理を行う。なお、この処理は、既存の電子レシートサービスにより行われている処理と同様であってよい。本実施形態では、証票を客M1に渡す必要がないことが、スルーチェックアウトを許容する1つの条件であるから、紙によるレシートを発行する必要のない電子レシートサービスを利用できることが、スルーチェックアウトを利用する要件となる。そこでプロセッサ31は、スルーチェックアウトのための処理に付随して、電子レシートの登録の処理を自動実行するのである。そしてプロセッサ31はこののち、図12中のACT57へと進む。
【0097】
一方、プロセッサ31は、例えば選択画面SC12におけるボタンBU21の操作により、セルフ会計機50を利用しての会計が指示されたならば、図15中のACT43にてNOと判定し、ACT50へと進む。またプロセッサ31は、スルーチェックアウトが許容されないために図14中のACT40にてNOと判定した場合も、図15中のACT50へと進む。つまりプロセッサ31は、セルフ会計機50での会計を開始する必要がある状況において、ACT50へと進む。
このようにプロセッサ31は、選択画面SC12におけるカート端末10での、支払いに関する情報を出力するか、決済装置としてのセルフ会計機50で決済を行うか、の選択の結果に応じて、支払いに関する情報を出力するか、決済装置としてのセルフ会計機50で決済を行うかを判定している。かくして取引処理プログラムAP1に基づく情報処理をプロセッサ31が実行することによって、プロセッサ31を中枢部分とするコンピュータは判定手段として機能する。
【0098】
ACT50としてプロセッサ31は、会計データを、待機状態にあるセルフ会計機50の1つに取得させるように通信ネットワーク2へと送信する。プロセッサ31は例えば、セルフ会計機50のうちから待機状態にあるセルフ会計機50を見つけ出し、当該のセルフ会計機50に宛てて会計データを送信する。あるいはプロセッサ31は例えば、セルフ会計機50の1つに宛てて、そのセルフ会計機50が待機状態にあるか否かに拘わらずに、会計データを送信する。この場合、会計データの送信先とされたセルフ会計機50は、自らが待機状態にあるならば、その会計データを受け入れる。しかしながらセルフ会計機50は、待機状態にないならば、会計データを他のセルフ会計機50の1つに転送する。あるいはプロセッサ31は例えば、複数のセルフ会計機50に宛てて会計データを同報送信する。この場合、複数のセルフ会計機50のうちの待機状態にある1つのセルフ会計機50が、上記の会計データを受け入れる。なお、待機状態にある1つのセルフ会計機50によって会計データが受け入れられるのであれば、他のどのような手法によって会計データが送信されてもよい。
【0099】
なお、会計データは、カート端末10で登録された購入商品に関する代金をセルフ会計機50にて決済するために必要なデータである。具体的にはプロセッサ31は例えば、カート管理データベースDB1に含まれるデータレコードDR4のうちから、フィールドF41にセットされた端末コードがカート端末10の端末コードに一致するデータレコードDR4を見つけ出す。そしてプロセッサ31は、該当するデータレコードDR4のフィールドF43にセットされている取引コードを取得する。次にプロセッサ31は、購入商品データベースDB2に含まれるデータレコードDR5のうちから、フィールドF51にセットされた取引コードが上記の取得した取引コードに一致するデータレコードDR5を見つけ出す。そしてプロセッサ31は、上記の見つけ出したデータレコードDR4の各フィールドにセットされているデータと、上記の見つけ出したデータレコードDR5に含まれた商品データとを含めて会計データを生成する。プロセッサ31は、上記の見つけ出したデータレコードDR5に含まれた商品データに基づいて、購入商品の販売に関わる決済金額を算出して、会計データに含めてもよい。
【0100】
かくして会計データは、決済のための情報に相当する。そしてプロセッサ31は、この決済のための情報である会計データを、決済装置としてのセルフ会計機50に出力している。かくして取引処理プログラムAP1に基づく情報処理をプロセッサ31が実行することによって、プロセッサ31を中枢部分とするコンピュータは第1の出力手段として機能する。
【0101】
ACT51としてプロセッサ31は、案内画面の表示をカート端末10に指示する。案内画面は、会計データを受け入れたセルフ会計機50を知らせるとともに、そのセルフ会計機50で会計を行うように客M1に案内する画面である。
【0102】
カート端末10は、上記の指示に応じてタッチパネル11eに案内画面を表示させる。客M1は、案内画面での案内に従って、知らされたセルフ会計機50を操作して、購入商品に関する代金を決済する。なお、セルフ会計機50の動作は例えば、既存のセミセルフチェックアウトシステムにおける会計機の動作と同様であってよい。そしてセルフ会計機50は、決済を完了したならば、仮想POSサーバ30に対して決済の完了を通知する。
【0103】
ACT52としてプロセッサ31は、ACT50で送信した会計データを受け入れたセルフ会計機50から決済の完了が通知されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ31は、完了が通知されたならばYESと判定し、図12中のACT57へと進む。
【0104】
ところで、客M1は、待機状態にあるセルフ会計機50を見つけて、そのセルフ会計機50を利用して会計することもできる。この場合に客M1は、まず、登録画面SC11に表されたボタンBU2を操作する。これに応じてカート端末10は、会計ボタンが操作されたとして仮想POSサーバ30に通知する。
このように会計ボタンが操作されたとして通知された場合にプロセッサ31は、図12中のACT24にてYES、図13中のACT27,ACT29及び図14中のACT39,ACT42にてそれぞれNOと判定し、図14中のACT53へと進む。
【0105】
ACT53としてプロセッサ31は、会計ボタンの操作であるか否かを確認する。かくしてプロセッサ31は、上記の場合にはYESと判定し、ACT54へと進む。なおプロセッサ31は、通知された操作の内容が会計ボタンの操作でも無い場合には、ACT53にてNOと判定し、操作に応じた処理に移行する。
【0106】
ACT54としてプロセッサ31は、スキャン用画面の表示をカート端末10に指示する。スキャン用画面は、会計データの取得をセルフ会計機50に指示するための画面である。プロセッサ31はこののち図12中のACT24乃至ACT26の待受状態に戻る。
図20はスキャン用画面SC15の一例を示す図である。
スキャン用画面SC15は、エリアAR51、コードシンボルCS51、メッセージME51及びボタンBU51を表す。エリアAR51は、客M1が決済すべき金額を表す。コードシンボルCS51は、カート端末10に関する会計データを仮想POSサーバ30からセルフ会計機50が取得するために必要なデータを含む。このコードシンボルが含むデータには例えば、取引コードが含まれる。図20の例では、コードシンボルとしてバーコードを用いている。メッセージME51は、コードシンボルCS51をセルフ会計機50のスキャナSC2にスキャンさせるように操作者に案内する文字メッセージである。ボタンBU51は、買い物を終了するためにログオフすることを操作者が指示するための操作ボタンである。
かくしてスキャン用画面SC15においては、エリアAR51に表される金額及びコードシンボルCS51は、購入商品の登録状況及び取引コードなどに応じて図20に示す状態から変化し得、その他の表示要素は原則として変化しない。
【0107】
カート端末10は、上記の指示に応じてタッチパネル11eにスキャン用画面SC15を表示させる。客M1は、待機状態にあるセルフ会計機50のスキャナSC2を用いて、スキャン用画面SC15に表されたコードシンボルCS51を読み取らせる。セルフ会計機50は、コードシンボルCS51をスキャナSC2が読み取ると、このコードシンボルCS51に含まれた取引コードに基づいて、カート端末10に関する会計データを仮想POSサーバ30に対して要求する。
【0108】
コードシンボルCS51が表す取引コードは、会計のための情報の一例である。つまりコードシンボルCS51を表示することは、会計のための情報を出力することに相当する。つまりタッチパネル11eは、スキャン用画面SC15を表示することで第3の出力手段として機能する。なお、取引コードの出力は、短距離無線通信技術を用いた無線送信などの、表示とは異なる方法で出力されてもよい。読み取った商品コードをカート端末10にて記憶しておくようにしてもよく、この場合には商品コードを会計のための情報として出力してもよい。そしてこの場合は、例えばセルフ会計機50に取得させるべく商品コードを送信するためのカート端末10の機能が、第3の出力手段に相当する。会計のための情報とは、客M1が購入を希望する商品に関する情報あるいは客M1が購入を希望する商品を特定する情報である。
【0109】
仮想POSサーバ30においてプロセッサ31は、このようにして会計データを要求されると、図12中のACT26にてYESと判定し、ACT55へと進む。
ACT55としてプロセッサ31は、要求元のセルフ会計機50に対して、ACT50と同様な会計データを送信する。客M1は、セルフ会計機50を操作して、購入商品に関する代金を決済する。なお、セルフ会計機50の動作は例えば、既存のセミセルフチェックアウトシステムにおける会計機の動作と同様であってよい。そしてセルフ会計機50は、決済を完了したならば、仮想POSサーバ30に対して決済の完了を通知する。
【0110】
ACT56としてプロセッサ31は、ACT55での会計データの送信先であるセルフ会計機50から決済の完了が通知されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ31は、完了が通知されたならばYESと判定し、ACT57へと進む。またプロセッサ31は、図15中のACT49を終えた場合にもACT57へと進む。
かくしてプロセッサ31は、図15中のACT52又は図12中のACT56の待受状態のいずれかにおいて決済の完了が通知されたならばACT57へと進む。
【0111】
ACT57としてプロセッサ31は、この情報処理の対象となっている取引の終了のための終了処理を実行する。プロセッサ31は例えば、今回の取引の内容を表した取引データを店舗サーバ20に送る。取引データは、取引の内容及び会計の結果などを表す。取引データは例えば、既存のPOSシステムで、終了済みの取引の管理のために保存されているデータと同様であってよい。またプロセッサ31は例えば、今回の取引に関してカート管理データベースDB1及び購入商品データベースDB2に含めていたデータレコードDR4,DR5を削除する。つまりプロセッサ31は、カート端末10の端末コードがフィールドF41にセットされているデータレコードDR4と、当該データレコードDR4のフィールドF43にセットされている取引コードと同一の取引コードがフィールドF51にセットされているデータレコードDR5とを、カート管理データベースDB1及び購入商品データベースDB2からそれぞれ削除する。
ACT58としてプロセッサ31は、カート端末10に対してログオフを許可する旨を通知する。そしてプロセッサ31は、カート端末10を対象とした情報処理を終了する。
【0112】
カート端末10においてプロセッサ11aは、ログオフを許可する旨の通知を仮想POSサーバ30から受けると、図11中のACT6にてYESと判定し、ACT10へと進む。
ACT10としてプロセッサ11aは、ログオフ画面をタッチパネル11eに表示する。ログオフ画面は、操作者がログオフを指示するためのログオフボタンを表した画面である。
【0113】
ACT11としてプロセッサ11aは、ログオフのための操作がなされるのを待ち受ける。そしてプロセッサ11aは、例えばログオフボタンの操作がなされるとYESと判定し、ACT12へと進む。
ACT12としてプロセッサ11aは、ログオフ処理を実行する。ログオフ処理は、客M1により利用されていない待機状態に移行するための処理である。
【0114】
ACT13としてプロセッサ11aは、バッテリユニット11jの残量が少なくなっているか否かを確認する。プロセッサ11aは例えば、バッテリユニット11jで計測された残量値を取得し、当該残量値を予め定められた閾値と比較する。そしてプロセッサ11aは、残量値が閾値以下となっている場合に残量が少なくなっていると判定する。あるいはプロセッサ11aは、バッテリユニット11jの残量値が予め定められた閾値未満となっている場合に残量が少なくなっていると判定してもよい。閾値は、一例として「35%」とすることが想定される。しかしながら閾値は、取引処理プログラムAP1の作成者又は仮想POSサーバ30の管理者などによって任意に定められてよい。閾値は、例えば補助記憶ユニット11cに保存される。そしてプロセッサ11aは、バッテリユニット11jの残量が少なくなっているならばYESと判定し、ACT14へと進む。
【0115】
ACT14としてプロセッサ11aは、警告動作を実施する。この警告動作は、バッテリユニット11jの残量が少なくなっていることを店員M2に警告するための動作である。警告動作は例えば、店員端末70に対する通知である。警告動作は例えば、予め定められた警告画面のタッチパネル11eでの表示である。警告動作は例えば、予め定められた音声メッセージ又は警告音のサウンドユニット11fからの出力である。警告動作は、1つの動作のみ実施してもよいし、複数の動作を並行して実施してもよい。
【0116】
警告動作に応じて、カートCのメンテナンスを担当する店員M2は、カート端末10に接続されている外部バッテリ16を、充電済みの別の外部バッテリ16に交換する。充電済みの外部バッテリ16がカート端末10に接続されれば、電源ユニット11iは外部バッテリ16からの供給電力で動作するようになるから、カート端末10はバッテリユニット11jの残量に拘わらずに安定して動作することが可能となる。また、外部バッテリ16からの供給電力によりバッテリユニット11jが充電される。店員M2は、外部バッテリ16の交換を終えたならば、予め定められた解除操作を、例えばタッチパネル11eにて行う。
【0117】
ACT15としてプロセッサ11aは、解除操作がなされるのを待ち受ける。そしてプロセッサ11aは、上記のように解除操作が行われたならばYESと判定し、ACT1の待受状態に戻る。なおプロセッサ11aは、バッテリユニット11jの残量が少なくなっていないならばACT13にてNOと判定し、ACT14及びACT15をパスしてACT1の待受状態に戻る。
【0118】
以上のように店舗システム1は、カート端末10における客M1の操作に応じて決済処理を完結させるスルーチェックアウトは、客M1の操作に応じてのカート端末10における処理では実行できない処理を行う必要の無い場合に限って許容する。これにより、スルーチェックアウトを行うべきではない場合に客M1の希望によりスルーチェックアウトが行われることを防ぐことができる。
【0119】
また店舗システム1は、客M1が商品を購入商品として登録して行く間、スルーチェックアウトが許容される状況であるか否かを確認し、その確認結果の登録画面SC11にアイコンIC1を表示するか否かにより表す。これにより、客M1は、会計を開始する場合に、スルーチェックアウトが可能であるか否かを事前に認識できる。
【0120】
この実施形態は、次のような変形実施が可能である。
図21はプロセッサ31による情報処理の変形例を示すフローチャートである。なお、図21図12乃至図15に示す情報処理との相違箇所のみを示し、図12乃至図15に示す処理と同様の処理には同一の符号を付している。
【0121】
プロセッサ31は、スルーチェックアウトが許容されないためにACT40にてNOと判定した場合は、ACT61へと進む。
ACT61としてプロセッサ31は、客M1が電子レシートサービスの会員であるか否かを確認する。そしてプロセッサ31は、客M1が電子レシートサービスの会員ではないならば、NOと判定してACT50へと進む。つまりプロセッサ31は、客M1が電子レシートサービスの会員ではない場合には、ACT61における確認を行うことの他は、前述した実施形態と同様に処理する。
【0122】
しかしながらプロセッサ31は、客M1が電子レシートサービスの会員であるならばACT61にてYESと判定し、ACT62へと進む。
ACT62としてプロセッサ31は、転送画面の表示をカート端末10に指示する。転送画面は、セルフ会計機50に会計データを転送することを客M1に指示させるための画面である。転送画面は加えて、スルーチェックアウトを行いたい場合には、客M1が店員M2に確認を要求すべきである旨の案内を表す。
【0123】
カート端末10は、上記の指示に応じてタッチパネル11eに転送画面を表示させる。客M1は、スルーチェックアウトを行わずにセルフ会計機50で会計することを決めたならば、転送画面においてセルフ会計機50に会計データを転送すること指示するための操作を行う。これに応じてカート端末10は、転送が指示されたとして仮想POSサーバ30に通知する。
【0124】
このように転送が指示されたとして通知された場合にプロセッサ31は、図12中のACT24にてYES、図13中のACT27,ACT29及び図14中のACT39,ACT42にてそれぞれNOと判定し、さらにACT53にてNOと判定してACT63へと進む。
ACT63としてプロセッサ31は、転送指示であるか否かを確認する。かくしてプロセッサ31は、上記の場合にはYESと判定し、ACT50へと進む。
【0125】
一方で客M1は、スルーチェックアウトを行いたい場合には、転送画面での案内に従って、店員M2に確認を要求する。この要求に応じて店員M2は、スルーチェックアウトを許容できない状況を確認し、その状況を解消するための処置を講じる。店員M2は例えば、購入者に年齢制限等の制限がある商品が購入商品に含まれる場合に、客M1が制限に合致することを確認する。また店員M2は例えば、カートCに載せられている商品の全てが購入商品として登録済みであることを確認する。そしてこのような場合に店員M2は、店員M2のための特別な操作を例えばタッチパネル11eで行って、許容するように指示する。これに応じてカート端末10は、許容するよう指示されたとして仮想POSサーバ30に通知する。
【0126】
このように許容するよう指示されたとして通知された場合にプロセッサ31は、図12中のACT24にてYES、図13中のACT27,ACT29及び図14中のACT39,ACT42にてそれぞれNOと判定し、さらにACT53,ACT63にてそれぞれNOと判定してACT64へと進む。
ACT64としてプロセッサ31は、スルーチェックアウトを許容するよう指示されたか否かを確認する。かくしてプロセッサ31は、上記の場合にはYESと判定し、ACT44へと進む。つまりプロセッサ31は、スルーチェックアウトのための処理に移行する。
【0127】
なお、店員M2は、購入商品として登録されていない商品がカートCに載せられていることを確認したならば、その商品を購入商品として登録するように客M1に案内するか、その商品を購入商品として登録するための操作を客M1の同意の下に店員M2が行う。これにより、カートCに載せられた全ての商品が購入商品として登録されれば、スルーチェックアウトが許容される状況になり得る。そしてスルーチェックアウトが許容される状況となったならば、客M1はスルーチェックアウトを開始することが可能となる。
【0128】
店員M2は、スルーチェックアウトを許容できない状況であることを確認したならば、その旨を客M1に知らせて、セルフ会計機50で会計するように案内する。
これにより、店員M2による確認作業を経ることが必要ではあるが、その確認を経ることでスルーチェックアウトを許容することができる状況であれば、客M1はスルーチェックアウトを利用することが可能である。
【0129】
本実施形態はこの他に、次のような種々の変形実施が可能である。
プロセッサ31は、図14中のACT40又は図15のACT43でNOと判定した場合には、スキャン用画面SC15の表示をカート端末10に指示してもよい。そしてスキャン用画面SC15に表したコードシンボルCS51に基づいて会計データが要求されたことに応じて、ACT55以降を処理してもよい。
そしてこの場合は前記実施形態とは逆に、プロセッサ31は、登録画面SC11に表されたボタンBU2が操作されたことに応じて、ACT50へと進んでもよい。
【0130】
例えば、クーポン券のように、発行することが必須ではない証票を発行すべきであるためにスルーチェックアウトが許容されないときには、その証票を発行するか否かを客M1に指定させて、発行しないことが指定された場合にはスルーチェックアウトを許容してもよい。
【0131】
また、クーポン券のように、発行することが必須ではない証票を発行可能である場合に、セルフ会計機50を利用すればクーポン券等を得られる旨を操作者に通知してもよい。
図22は上記の通知のための表示画面SC16の一例を示す図である。
表示画面SC16は、選択画面SC12に重ねてポップアップウィンドウPW61を表す。ポップアップウィンドウPW61は、メッセージME61及びボタンBU61,62を表す。メッセージME61は、セルフ会計機50を利用して会計を行えば、クーポン等を受け取ることが可能であることを操作者に案内する文字メッセージである。ボタンBU61は、スルーチェックアウトを利用することを操作者が宣言するための操作ボタンである。ボタンBU62は、セルフ会計機50を利用して会計を行うことを操作者が宣言するための操作ボタンである。
プロセッサ31は例えば、図17に示す選択画面SC12をカート端末10に表示させている状態で、ボタンBU21が操作されたことに応じて、カート端末10の表示画面を表示画面SC16に変更させる。そしてプロセッサ31は、ボタンBU61が操作されたならば、図15中のACT44へと進む。またプロセッサ31は、ボタンBU62が操作されたならば、図5中のACT50へと進む。
そこで客M1は、クーポン等を受け取らずに、スルーチェックアウトを利用する場合には、ボタンBU61を操作する。また客M1は、クーポンを受け取るためにセルフ会計機50を利用することを決めたならば、ボタンBU62を操作する。
なお、表示画面SC16を表示するのではなく、選択画面SC12に代えて、セルフ会計機50を利用すればクーポン券等を得られる旨を操作者に通知するメッセージを含んだ選択画面をカート端末10に表示させてもよい。
図23は選択画面SC17の一例を示す図である。なお、図23において図17と同一の表示要素については、同一の符号を付して示し、その詳細な説明は省略する。
選択画面SC17は、選択画面SC12にメッセージME71を追加して表す画面である。メッセージME71は、セルフ会計機50を利用すればクーポン券等を得られる旨を操作者に通知する文字メッセージである。
プロセッサ31は、図14中のACT41において、発行することが必須ではない証票を発行可能であるか否かを確認する。そしてプロセッサ31は、発行可能ではないならば選択画面SC12を、また発行可能ならば選択画面SC17を、それぞれカート端末10に表示させる。
【0132】
クーポン券又は割引券のような証票は、上記実施形態に例示したのとは異なる条件でも発行されることが知られている。例えば、予め定められた組合せで複数の商品が購入商品に含まれる場合がその一例である。また、雨の日などの予め定められた天候の日が購入日である場合がその一例である。また、セール日などの特定の日が購入日である場合がその一例である。このような、1つの商品の購入とは異なる条件に関して証票を発行する場合であっても、スルーチェックアウトを行わないようにしてもよい。そしてこの場合には、どの条件に関して証票発行を行うかを表した発行確認情報を、商品マスタデータベースとは別のデータベースにて管理しておけばよい。
【0133】
客M1毎の個人設定として、スルーチェックアウトを自動適用することを設定可能としておき、プロセッサ31は、スルーチェックアウトが許容される状況であれば、選択画面SC12での客M1による選択を経ずにスルーチェックアウトのための処理に移行してもよい。この場合の個人設定の情報は、例えば会員データベースに含まれるデータレコードに追加しておけばよい。
【0134】
客M1毎の個人設定として、レシートの発行を拒否することを設定可能としておき、プロセッサ31は、レシートの発行を拒否する設定となっていれば、レシートを発行しないようにしてもよい。この場合は、電子レシートサービスの利用に拘わらず、レシートの発行を拒否する設定となっている客M1は、スルーチェックアウトが許容される可能性がある。つまり、前記実施形態では、電子レシートサービスを利用することがスルーチェックアウトを許容する条件であるとしているが、これはあくまでも一例である。この場合の個人設定の情報は、例えば会員データベースに含まれるデータレコードに追加しておけばよい。なお、電子レシートサービスの利用者ではない客M1がレシートの発行を拒否している場合には、例えばレシートの画像を、仮想POSサーバ30から通信ネットワーク2を介して、客M1が所持している携帯端末に送ってもよい。この場合に携帯端末と通信ネットワーク2との接続は、カート端末10との近距離無線通信を介して実現してもよい。
【0135】
図12乃至図15に示す情報処理を、カート端末10にてプロセッサ11aが実行してもよい。この場合は、カート端末10が単独で端末装置としての機能することになる。また、図12乃至図15に示す情報処理をプロセッサ11aとプロセッサ31とで分担して実行してもよい。なおプロセッサ11aは、図12中のACT20、ACT34及びACT35などのように、複数のカート端末10を管理するための処理は実行しない。
【0136】
仮想POSサーバ30の機能を、店舗サーバ20又は別のサーバに持たせてもよい。また仮想POSサーバ30の機能を、複数のサーバによる分散処理により実現してもよい。
【0137】
客M1が店舗へと持ち込んだスマートフォンなどの情報端末をカート端末10の代わりに用いるのでもよい。
【0138】
スキャナ12、リーダ13、カメラ14、ビーコン受信機15及び外部バッテリ16のうちの少なくとも1つは、カート端末10の構成要素とはせずに、オプション機器として適宜に外付けされてもよい。
【0139】
タブレットコンピュータ11にカメラを内蔵し、当該カメラを用いてシンボルコードを撮影してもよい。そしてこの場合は、撮影により得られた画像からプロセッサ11aが商品コードを取り出すことにより、プロセッサ11aが取得手段として機能する。
【0140】
情報処理によりプロセッサ11a又はプロセッサ31が実現する各機能は、その一部又は全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0141】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0142】
1…店舗システム、2…通信ネットワーク、2a…アクセスポイント、3…決済サーバ、4…電子レシートサーバ、5…会員サーバ、10…カート端末、11…タブレットコンピュータ、11a…プロセッサ、11b…メインメモリ、11c…補助記憶ユニット、11d…無線ユニット、11e…タッチパネル、11f…サウンドユニット、11g…インタフェースユニット、11h…伝送路、11i…電源ユニット、11j…バッテリユニット、12…スキャナ、13…リーダ、14…カメラ、15…ビーコン受信機、16…外部バッテリ、20…店舗サーバ、30…仮想POSサーバ、31…プロセッサ、32…メインメモリ、33…補助記憶ユニット、34…通信インタフェース、35…伝送路、40…有人会計機、50…セルフ会計機、60…ビーコン発信機、70…店員端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2024-11-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を識別する商品コードを取得する取得手段を有する端末装置と、
前記取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済を行う決済装置と、
を有する取引処理システムであって、
記取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済に関しての紙の証票発行が不要であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって紙の証票発行が不要であると判定された場合、前記決済装置を用いることなく決済を行うか、前記決済装置で決済を行うかの選択画面を前記端末装置で表示させる表示手段と、
前記判定手段によって紙の証票発行が必要であると判定された場合、前記決済装置に決済を要求する第1の要求手段と、
を有する取引処理システム。
【請求項2】
前記第1の要求手段は、前記選択画面にて前記決済装置で決済を行うことが選択された場合、前記決済装置に決済を要求する、
請求項1に記載の取引処理システム。
【請求項3】
前記端末装置に設けられ、前記選択画面にて前記決済装置を用いることなく決済を行うことが選択された場合、前記決済装置とは別の決済サーバに決済を要求する第2の要求手段、
をさらに備える請求項1に記載の取引処理システム。
【請求項4】
商品を識別する商品コードを取得する取得手段を有する端末装置と、
前記取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済を行う決済装置と、
サーバ装置と、
を有する取引処理システムであって、
前記サーバ装置は、
前記取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済に関しての紙の証票発行が不要であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって紙の証票発行が不要であると判定された場合、前記決済装置を用いることなく決済を行うか、前記決済装置で決済を行うかの選択画面を前記端末装置で表示させる表示手段と、
前記判定手段によって紙の証票発行が必要であると判定された場合、前記決済装置に決済を要求する第1の要求手段と、
とを具備する、
取引処理システム。
【請求項5】
商品を識別する商品コードを取得する取得手段を有する端末装置と、前記取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済を行う決済装置と、ともに取引処理システムを構成するサーバ装置であって、
前記取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済に関しての紙の証票発行が不要であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって紙の証票発行が不要であると判定された場合、前記決済装置を用いることなく決済を行うか、前記決済装置で決済を行うかの選択画面を前記端末装置で表示させる表示手段と、
前記判定手段によって紙の証票発行が必要であると判定された場合、前記決済装置に決済を要求する第1の要求手段と、
を具備するサーバ装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明の実施形態は、取引処理システム及びサーバ装置に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、端末装置における客の操作に応じて完結する決済処理を行うべきではない場合にそのような決済処理が行われることを防ぐことができる取引処理システム及びサーバ装置を提供することである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
実施形態の取引処理システムは、商品を識別する商品コードを取得する取得手段を有する端末装置と、取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済を行う決済装置とを有し、かつ判定手段、表示手段及び第1の要求手段を有する。判定手段は、取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済に関しての紙の証票発行が不要であるかを判定する。表示手段は、判定手段によって紙の証票発行が不要であると判定された場合、決済装置を用いることなく決済を行うか、決済装置で決済を行うかの選択画面を前記端末装置で表示させる。第1の要求手段は、判定手段によって紙の証票発行が必要であると判定された場合、決済装置に決済を要求する
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0141
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0141】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1] 商品を識別する商品コードを取得する取得手段を有する端末装置と、
前記取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済を行う決済装置と、
を有する取引処理システムであって、
記憶手段に記憶されていて、前記端末装置で決済が可能かを表した情報に基づいて、前記取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済が前記端末装置で可能である場合、支払いに関する情報を出力するか、前記決済装置で決済を行うか、を判定する判定手段と、
前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて前記端末装置で決済を行えない場合、あるいは前記判定手段によって前記決済装置で決済を行うと判定された場合、決済のための情報を前記決済装置へ出力する第1の出力手段と、
前記判定手段によって前記支払いに関する情報を出力すると判定された場合、前記支払いに関する情報を出力する第2の出力手段と、
を有する取引処理システム。
[付記2] 前記決済装置は、媒体に印刷する印刷手段を有し、
前記印刷手段により前記媒体に印刷する必要が無いこと表した情報を、前記端末装置で決済が可能として表した前記情報として用いる、
付記1に記載の取引処理システム。
[付記3] 購入者に年齢制限が無いことを表した情報を、前記端末装置で決済が可能として表した前記情報として用いる、
付記1に記載の取引処理システム。
[付記4] 電子レシートサービスを利用可能であることを表した情報を、前記端末装置で決済が可能として表した前記情報として用いる、
付記1に記載の取引処理システム。
[付記5] 客が移動可能な移動端末に備えられたコンピュータを、
商品を識別する商品コードを取得する取得手段と、
前記移動端末で決済可能かの判断手段による判断結果に基づいて、前記取得手段によって取得された商品コードに基づく金額の決済が前記移動端末で可能である場合、支払いに関する情報を出力するか、他の装置で決済を行うか、を選択する選択手段と、
前記判断手段による判断結果に基づいて前記移動端末で決済を行えない場合、あるいは前記選択手段によって前記他の装置で決済を行うことが選択された場合、会計のための情報を出力する第3の出力手段と、
前記選択手段によって前記支払いに関する情報を出力することが選択された場合、前記支払いに関する情報を出力する第4の出力手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。