(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174064
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】シートバックアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60N 2/28 20060101AFI20241206BHJP
【FI】
B60N2/28
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024167208
(22)【出願日】2024-09-26
(62)【分割の表示】P 2023519209の分割
【原出願日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】202011073701.X
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520144059
【氏名又は名称】バンビーノ プレツィオーソ スウィツァーランド アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Bambino Prezioso Switzerland AG
【住所又は居所原語表記】Beim Bahnhof 5, 6312 Steinhausen, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ホンボ
(57)【要約】
【課題】簡単な構造のシートバックアセンブリの提供。
【解決手段】本発明のシートバックアセンブリは、背もたれと、前記背もたれの上端部に摺動可能に取り付けられたヘッドレストと、前記背もたれの側部に配置され、且つ、前記背もたれに対して折り畳み及び展開可能なサイドウィングと、前記背もたれまたは前記ヘッドレストに配置され、且つ、前記背もたれに対して前記ヘッドレストと共に移動する駆動部材とを備え、前記シートバックアセンブリは、前記サイドウィングと前記背もたれとの間に配置された弾性部材をさらに備え、展開された前記サイドウィングは、前記ヘッドレストが下に摺動する時に、弾性部材により駆動されて前記背もたれに折り畳まれ、折り畳まれた前記サイドウィングは、前記ヘッドレストが上に摺動する時に、弾性部材により押されて前記背もたれに対して展開する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバックアセンブリであって、
背もたれと、
前記背もたれの上端部に摺動可能に取り付けられたヘッドレストと、
前記背もたれの側部に配置され、且つ、前記背もたれに対して折り畳み及び展開可能なサイドウィングと、
前記背もたれまたは前記ヘッドレストに配置され、且つ、前記背もたれに対して前記ヘッドレストと共に移動する駆動部材と、を備え、
前記シートバックアセンブリは、前記サイドウィングと前記背もたれとの間に配置された弾性部材をさらに備え、
展開された前記サイドウィングは、前記ヘッドレストが下に摺動する時に、弾性部材により駆動されて前記背もたれに折り畳まれ、
折り畳まれた前記サイドウィングは、前記ヘッドレストが上に摺動する時に、弾性部材により押されて前記背もたれに対して展開する、
ことを特徴とするシートバックアセンブリ。
【請求項2】
前記サイドウィングは、前記背もたれに回転可能に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシートバックアセンブリ。
【請求項3】
前記駆動部材は、前記背もたれに摺動可能に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシートバックアセンブリ。
【請求項4】
前記背もたれの後部に配置されたガイドポストをさらに備え、前記駆動部材は前記ガイドポストに摺動可能に外嵌される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシートバックアセンブリ。
【請求項5】
前記ガイドポストは、前記背もたれの高さ方向に延設される、
ことを特徴とする請求項4に記載のシートバックアセンブリ。
【請求項6】
前記ヘッドレストは、前記サイドウィングを前記背もたれに対して展開させるように駆動する動作位置を有し、前記駆動部材は、前記ヘッドレストが前記背もたれから離れる方向に摺動して前記動作位置を越えた場合に前記サイドウィングを前記背もたれに対して展開させるように駆動する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシートバックアセンブリ。
【請求項7】
前記サイドウィングには、前記駆動部材に近づく方向に突出する被押圧構造が設けられ、前記ヘッドレストは、前記駆動部材による前記被押圧構造の押圧を介して前記サイドウィングを前記背もたれに対して展開させるように駆動する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシートバックアセンブリ。
【請求項8】
前記駆動部材及び前記被押圧構造のうちの一方には傾斜面構造が設けられ、前記駆動部材及び前記被押圧構造のうちの他方は前記傾斜面構造に対向する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシートバックアセンブリ。
【請求項9】
前記背もたれに対する前記サイドウィングの折り畳み及び展開の幅を制限するための制限装置が、前記サイドウィングと前記背もたれとの間に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシートバックアセンブリ。
【請求項10】
前記制限装置は、スロット構造と、前記スロット構造内に配置され且つ前記スロット構造内で摺動可能な突起構造とを備え、前記スロット構造は、前記背もたれ及び前記サイドウィングのうちの一方に配置され、前記突起構造は、前記背もたれ及び前記サイドウィングのうちの他方に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項9に記載のシートバックアセンブリ。
【請求項11】
前記弾性部材は、前記サイドウィングの後部に配置され、前記弾性部材の一端は、前記突起構造に連結され、前記弾性部材の他端は、前記サイドウィングに連結される、
ことを特徴とする請求項10に記載のシートバックアセンブリ。
【請求項12】
前記サイドウィングの後部には停止ブロックが設けられ、前記弾性部材の前記他端は、前記停止ブロックに連結される、
ことを特徴とする請求項11に記載のシートバックアセンブリ。
【請求項13】
前記スロット構造の延在方向と前記駆動部材の運動方向とは交差するように配置される、
ことを特徴とする請求項10に記載のシートバックアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャイルドシートの分野に関し、より詳細には、シートバックアセンブリ及びチャイルドシートに関する。
【背景技術】
【0002】
チャイルドシートは、車両に組み立てられ、子供の安全を確保するために拘束装置によってチャイルドシート上に子供を固定する装置である。チャイルドシートは、緊急ブレーキまたは事故による衝突の場合に子供の負傷を最小限に抑えることができ、したがって、消費者に広く受け入れられ、世界中で広く使用されている。
【0003】
現在のチャイルドシートは、通常、シートと、シートに連結される背もたれと、背もたれに連結されるヘッドレスト及びサイドウィングとを含む。ヘッドレスト及びサイドウィングは、一般に、異なる身体サイズの子供に適合するように背もたれに対して調整可能である。現在市販されている1つのチャイルドシートでは、背もたれに対するヘッドレストの高さを調整することによってサイドウィングを枢動させることができ、それによってヘッドレストの高さとサイドウィングの幅とを同時に調整するという目的を達成することができる。しかし、そのようなチャイルドシートは、容易に操作することができない複雑な構造を有する。
【0004】
したがって、上記課題を解決するために、簡単な構造を有するシートバックアセンブリ及びそのチャイルドシートが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、簡単な構造を有するシートバックアセンブリを提供することである。
【0006】
本開示の別の目的は、簡単な構造を有するチャイルドシートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示は、背もたれと、ヘッドレストと、サイドウィングとを含むシートバックアセンブリを提供する。ヘッドレストは、背もたれの上端部に摺動可能に取り付けられ、サイドウィングは、背もたれの側部に配置され且つ背もたれに対して折り畳み及び展開することができる。シートバックアセンブリは、背もたれまたはヘッドレストに配置され且つ背もたれに対してヘッドレストと共に移動することができる駆動部材を更に含む。ヘッドレストは、背もたれに対して、背もたれに近い初期位置と、サイドウィングを背もたれに対して展開させるように駆動する動作位置とを少なくとも有する。サイドウィングは、ヘッドレストが初期位置と動作位置との間の位置に摺動した場合に背もたれ上に折り畳まれる。駆動部材は、ヘッドレストが背もたれから離れる方向に摺動して動作位置を越えた場合にサイドウィングを背もたれに対して展開させるように駆動する。
【0008】
好ましくは、サイドウィングは、背もたれに回転可能に取り付けられる。
【0009】
好ましくは、サイドウィングの下端は、背もたれに枢動可能に連結される。
【0010】
好ましくは、駆動部材は、背もたれに摺動可能に取り付けられる。
【0011】
好ましくは、本開示のシートバックアセンブリは、背もたれの後部に配置されたガイドポストをさらに含み、駆動部材は、ガイドポストに摺動可能に外嵌(sleeved on)される。
【0012】
好ましくは、ガイドポストは、背もたれの高さ方向に延設される。
【0013】
好ましくは、駆動部材は、ヘッドレストが背もたれから離れる方向に摺動して動作位置を越えた場合にサイドウィングを押して背もたれに対して展開させる。
【0014】
好ましくは、サイドウィングは、駆動部材に近づく方向に突出する被押圧構造を含み、ヘッドレストは、駆動部材による被押圧構造の押圧を介してサイドウィングを背もたれに対して展開させるように駆動する。
【0015】
好ましくは、被押圧構造は、ヘッドレストが初期位置にあるときに駆動部材の上方に位置し、駆動部材及び被押圧構造のうちの一方には傾斜面構造が設けられ、駆動部材及び被押圧構造のうちの他方は傾斜面構造に対向する。
【0016】
好ましくは、背もたれに対するサイドウィングの折り畳み及び展開の幅を制限するための制限装置が、サイドウィングと背もたれとの間に設けられる。
【0017】
好ましくは、本開示のシートバックアセンブリは、サイドウィングと背もたれとの間に配置された弾性部材をさらに含み、弾性部材は、背もたれに対してサイドウィングを折り畳ませるように常に駆動する傾向を有する。
【0018】
好ましくは、制限装置は、スロット構造と、スロット構造内に配置され且つスロット構造内で摺動可能な突起構造とを含み、スロット構造は、背もたれ及びサイドウィングのうちの一方に配置され、突起構造は、背もたれ及びサイドウィングのうちの他方に取り付けられる。
【0019】
好ましくは、弾性部材は、サイドウィングの後部に配置され、弾性部材の一端は突起構造に連結され、弾性部材の他端はサイドウィングに連結される。
【0020】
好ましくは、弾性部材はばねである。
【0021】
好ましくは、スロット構造の延在方向と駆動部材の運動方向とは交差するように配置される。
【0022】
本開示のチャイルドシートは、シート本体と、上記のシートバックアセンブリとを含み、背もたれの下端はシート本体に取り付けられる。
【0023】
従来技術と比較して、本開示のシートバックアセンブリは、ヘッドレストに配置され、背もたれに対してヘッドレストと共に移動する駆動部材をさらに含む。ヘッドレストは、背もたれに対して背もたれに近い初期位置と、背もたれに対してサイドウィングを展開させるように駆動する動作位置とを少なくとも有する。サイドウィングは、ヘッドレストが初期位置と動作位置との間に位置した場合に背もたれ上に折り畳まれ、駆動部材は、ヘッドレストが背もたれから離れて動作位置を越えた場合にサイドウィングを背もたれに対して展開させるように駆動する。したがって、ヘッドレストの高さが調整されると、ヘッドレストは、駆動部材を介して2つのサイドウィングを展開させるように駆動することができ、それによって、ヘッドレストが調整されている間に2つのサイドウィング間の幅を同時に調整し、それにより、異なる身体サイズの子供の使いやすさ及び簡単な操作を提供する。一方、2つのサイドウィングは、1つの駆動部材のみによって展開するように同時に駆動されることができ、したがって、シートバックアセンブリの構造を著しく簡易化する。
【0024】
本開示のシートバックアセンブリを有するチャイルドシートは、同じ技術的効果を提供することが理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本開示のチャイルドシートの背もたれに対して折り畳まれた状態の2つのサイドウィングの3次元構造概略図である。
【
図2】
図2は、ヘッドレスト及び背もたれの上部の部分構造が隠されている、本開示のチャイルドシートの3次元構造概略図である。
【
図3】
図3は、突起構造が隠され、ヘッドレストが初期位置にある、後方から見た本開示のチャイルドシートの平面構造概略図である。
【
図4】
図4は、突起構造が隠され、ヘッドレストが動作位置にある、後方から見た本開示のチャイルドシートの平面構造概略図である。
【
図5】
図5は、別の角度から見た本開示のチャイルドシートの3次元構造概略図である。
【
図6】
図6は、突起構造が隠され、ヘッドレストが背もたれから離れて摺動し、動作位置を越えたときの、本開示のチャイルドシートの3次元構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の技術的内容及び構造的特徴をよりよく説明するために、実施形態が、以下の添付の図面とともに詳細に説明される。
【0027】
図1から
図6に示すように、本開示のチャイルドシート100は、シートバックアセンブリ10とシート本体20とを含む。シートバックアセンブリ10はシート本体20の上端に配置され、シートバックアセンブリ10はシート本体20によって支持され固定される。具体的には、シートバックアセンブリ10は、背もたれ11と、ヘッドレスト12と、サイドウィング13とを含む。ヘッドレスト12は、背もたれ11の上端に摺動可能に取り付けられ、それにより、ヘッドレスト12の高さが背もたれ11に対して調整可能である。サイドウィング13は、背もたれ11の側部に配置され、背もたれ11に対して折り畳み及び展開可能であり、それにより、サイドウィング13は、背もたれ11に対して折り畳み及び展開可能である。好ましくは、サイドウィング13は背もたれ11の左右両側にそれぞれ配置され、サイドウィング13が位置する平面と背もたれ11が位置する平面との間の夾角(included angle)は一定であり、2つのサイドウィング13、背もたれ11及びシート本体20は共に子供を座らせるための開放式キャビティを囲んでいる。使用者は、背もたれ11上のヘッドレスト12を調節することができ、ヘッドレスト12が背もたれ11上で上昇及び下降することができ、それによって、ヘッドレスト12を子供の頭部に対応させて、異なる身体サイズの子供に対して使いやすさを提供する。さらに、使用者は、背もたれ11を介してサイドウィング13を調節し、サイドウィング13は、背もたれ11に対して展開または折り畳み可能であり、開放キャビティのサイズに応じて調節可能であり、それによって、異なる身体サイズの子供に使いやすさを提供し、チャイルドシート100に着座している子供により良好な保護を提供する。例えば、背もたれ11上のヘッドレスト12の位置調整は、ヘッドレスト12の高さを容易に調整するために行うことができるが、これに限定されない。なお、本開示の背もたれ11、ヘッドレスト12、及びサイドウィング13は、既知の構造によって実装され、ここではそれらの関連する詳細は省略される。シートバックアセンブリ10は、
図1から
図6と組み合わせて以下にさらに詳細に説明される。
【0028】
図2から
図6に示すように、シートバックアセンブリ10は、ヘッドレスト12上に配置され且つ背もたれ11に対してヘッドレスト12と共に移動する駆動部材14をさらに含む。ヘッドレスト12は、背もたれ11に対して、背もたれ11に近い初期位置(
図3参照)と、サイドウィング13を背もたれ11に対して展開させるように駆動する動作位置(
図4及び
図5参照)とを少なくとも有する。サイドウィング13は、ヘッドレスト12が初期位置と動作位置との間の位置に摺動すると、背もたれ11上に折り畳まれ、駆動部材14は、ヘッドレスト12が背もたれ11から離れる方向に摺動して動作位置を越えると、サイドウィング13を背もたれ11に対して展開させるように駆動する。したがって、ヘッドレスト12の高さが調節されると、ヘッドレスト12は、駆動部材14を介して2つのサイドウィング13を展開させるように駆動することができ、それによって、ヘッドレスト12が調節されている間に2つのサイドウィング13の間の幅を同期して調節し、それにより、異なる身体サイズの子供のための使いやすさ及び簡単な操作を提供する。一方、2つのサイドウィング13は、ただ1つの駆動部材14によって展開するように駆動されることができ、したがって、シートバックアセンブリ10の構造を著しく簡易化する。具体的には、サイドウィング13は、背もたれ11に回転可能に取り付けられて折り畳み及び展開の調整が容易になる。好ましくは、背もたれ11へのサイドウィング13の回転可能な取り付けを実現するための好ましい方法は、サイドウィング13の下端を背もたれ11に枢動可能に連結することである。したがって、サイドウィング13と背もたれ11との間の連結関係は簡易であり、取り付け及び配置が容易である。
【0029】
図2から
図6に示すように、駆動部材14は、ヘッドレスト12が駆動部材14を迅速に駆動して移動させることを可能にするように、背もたれ11上に摺動可能に取り付けられる。好ましくは、駆動部材14が背もたれ11上でより滑らかに摺動することを可能にするために、シートバックアセンブリ10は、背もたれ11の後部に配置されたガイドポスト15をさらに含み、駆動部材14は、ガイドポスト15上に摺動可能に外嵌される。好ましくは、ガイドポスト15は、背もたれ11の後部の左右両側にそれぞれ配置される。ガイドポスト15は、例えば、管状のプラスチックロッドまたは管状の金属ロッドであるが、これらに限定されず、駆動部材14は、例えば、管状のプラスチック部材または管状の金具部材であるが、これらに限定されない。2つのガイドポスト15の構造安定性を高めるために、連結ロッド16が2つのガイドポスト15の間に取り付けられる。さらに、ガイドポスト15の上部は、チャイルドシート10の外観への望ましくない影響を最小限に抑えるために、サイドウィング13を越えず、本実施形態において、ガイドポスト15の上部は、例えば、サイドウィング13の上部とほぼ同一平面であるが、これらに限定されない。具体的には、ガイドポスト15は、背もたれ11の高さ方向に延設されている。したがって、ヘッドレスト12が背もたれ11から離れるように調整されると、駆動部材14は、それに対応して駆動されてガイドポスト15上を摺動し、これで、駆動部材14は、ヘッドレスト12と共に直接かつ迅速に上方に摺動する。なお、本実施形態において、駆動部材14は、可撓性部材によってヘッドレスト12に配置することができる。例えば、駆動部材14は、ロープまたは鋼線によってヘッドレスト12に連結されることができる。実際の要求に応じて、駆動部材14は、剛性部材によってヘッドレスト12に配置されてもよい。例えば、駆動部材14は、可撓性ピンによってヘッドレスト12に取り付けられてもよい。あるいは、駆動部材14は、例えば、ヘッドレスト12の一部であってもよいが、これに限定されない。他の実施形態において、駆動部材14は、ヘッドレスト12と共に移動することができる限り、さらに背もたれ11に配置されてもよい。好ましくは、本実施形態において、ヘッドレスト12が初期位置にあるとき、ヘッドレスト12は背もたれ11上に近接して位置し、この場合、ヘッドレスト12は、例えば、体の小さい子供に適しているが、これに限定されない。ヘッドレスト12が動作位置にあるとき、ヘッドレスト12は背もたれ11からあまり離れておらず、チャイルドシート100は、例えば、体の中小型の子供に適しているが、これに限定されない。異なる用途の要求に応じて、上記の動作位置を調整することができる。
【0030】
図2から
図6に示すように、ヘッドレスト12が背もたれ11から離れる方向に摺動して動作位置を越えると、駆動部材14はサイドウィング13を押して背もたれ11に対して展開させる。したがって、駆動部材14とサイドウィング13との間の伝動関係が簡単であり、配置が便利である。具体的には、サイドウィング13には、駆動部材14に近づく方向に突出する被押圧構造131が設けられる。ヘッドレスト12は、駆動部材14が被押圧構造131を押圧することによって、背もたれ11に対して展開させるようにサイドウィング13を駆動し、これにより、駆動部材14は、被押圧構造131によってサイドウィング13を容易に押圧して展開させる。例えば、本実施例において、被押圧構造131はシート状構造である。実際の需要に応じて、被押圧構造131は、例えばブロック状構造またはピン状構造であってもよいが、これらに限定されない。被押圧構造131と駆動部材14との間のより良好な押圧協調を提供するために、駆動部材14は、例えば、押圧部(図示せず)に連結されるが、これに限定ではない。なお、押圧部は被押圧構造131の真下に位置し、押圧部は駆動部材14とともに移動し、駆動部材14は押圧部と被押圧構造131との間の相互押圧によってサイドウィング13を展開させるように駆動する。好ましくは、押圧部は、例えば、駆動部材14に含まれるが、これに限定されない。より具体的には、ヘッドレスト12が初期位置にあるとき、被押圧構造131は駆動部材14の上方にある。被押圧構造131には傾斜面構造132が設けられ、駆動部材14は傾斜面構造132に対向する。駆動部材14は、傾斜面構造132を介してサイドウィング13を容易に駆動して回転及び展開させることができる。実際の要求に応じて、傾斜面構造132を駆動部材14上に配置することができ、同様に、サイドウィング13の回転及び展開を容易に駆動する目的を達成することができる。
【0031】
図2から
図6に示すように、背もたれ11に対するサイドウィング13の折り畳み及び展開の幅を制限するための制限装置17が、サイドウィング13と背もたれ11との間に設けられる。サイドウィング13は、制限装置17によって一定範囲内で回転することができ、したがって、サイドウィング13の過度の折り畳み及び展開を防止し、サイドウィング13の正常な使用を保証する。サイドウィング13が通常の状態で背もたれ11に対して自動的に折り畳まれることを可能にするために、シートバックアセンブリ10は、サイドウィング13と背もたれ11との間に配置された弾性部材18をさらに含み、ここで、弾性部材18は、背もたれ11に対してサイドウィング13を常に折り畳ませるように駆動する傾向を有する。したがって、展開されたサイドウィング13は、弾性部材18によって自動的にリセットすることができ、サイドウィング13の自動折り畳みを容易にする。具体的には、制限装置17は、スロット構造171と、スロット構造171内に配置され且つスロット構造171内で摺動可能な突起構造172とを含む。スロット構造171は、サイドウィング13に配置され、突起構造172は、背もたれ11に取り付けられ、それにより、制限装置17は、簡単な構造を有し、配置及び取り付けが便利である。実際の要求に応じて、他の実施形態において、スロット構造171を背もたれ11に配置し、突起構造172をサイドウィング13に取り付けることで、サイドウィング13の折り畳み及び展開の幅を制限する目的を達成することができる。例えば、突起構造172はピンであるが、これに限定されない。より具体的には、弾性部材18はサイドウィング13の後部に配置され、弾性部材18の一端が突起構造172に連結され、弾性部材18の他端がサイドウィング13に連結される。弾性部材18がサイドウィング13の後部に配置されるため、弾性部材18を隠すことが容易であり、シートバックアセンブリ10の構造がよりコンパクトになる。弾性部材18をサイドウィング13に容易に取り付けるために、サイドウィング13の後部には停止ブロック133が設けられる。弾性部材18の一端は、突起構造172に連結され、弾性部材18の他端は、停止ブロック133に連結される。例えば、本実施形態において、弾性部材18は、引張ばね、圧縮ばね、またはねじりばねなどのばねであるが、これらに限定されない。突起構造172がスロット構造171内を摺動するときにサイドウィング13が展開または折り畳みのために滑らかに回転することを可能にするために、スロット構造171の延在方向と駆動部材14の運動方向とは交差するように配置される。
【0032】
本開示のチャイルドシート100の動作原理を、
図1から
図6と組み合わせて説明する。チャイルドシート100を使用するために、ヘッドレスト12が子供の頭部に対応するように、ヘッドレスト12は子供の身体サイズに応じて持ち上げられるか、または下方に押圧される。
図3に示すように、ヘッドレスト12が低位置にある場合、すなわち、ヘッドレスト12が初期位置と動作位置との間にある場合、駆動部材14は被押圧構造131から離れているので、駆動部材14は被押圧構造131を押圧しない。弾性部材18が押圧されていないので、2つのサイドウィング13は、弾性部材18によって背もたれ11上に折り畳まれる。この場合、2つのサイドウィング13、背もたれ11、及びシート本体20によって共同で囲まれたキャビティは比較的に小さく、したがって、本開示のチャイルドシート100は、より小さい身体サイズの子供の着座に適している。ヘッドレスト12が低位置から高位置に調整される場合、すなわち、ヘッドレスト12が
図3中の方向F1に沿って持ち上げられる場合、ヘッドレスト12は、駆動部材14が被押圧構造131に徐々に近づくように、駆動部材14を駆動して上方に移動させる。ヘッドレスト12が動作位置に到達した場合、駆動部材14が被押圧構造131の傾斜面構造を押圧し、この場合のチャイルドシート100の状態が
図4及び
図5に示されている。ヘッドレスト12が
図4及び
図5中の方向F2に沿って連続的に持ち上げられる場合、駆動部材14は、ヘッドレスト12が動作位置を越えると、被押圧構造131を押し始め、これにより、サイドウィング13が背もたれ11に対して回転して展開する。この場合、2つのサイドウィング13、背もたれ11、及びシート本体20によって共同で囲まれたキャビティが徐々に増大する。一方、突起構造172はスロット構造171内で摺動し、突起構造172は弾性部材18を押して圧縮させる。この場合、チャイルドシート100の状態は
図6に示すようになり、チャイルドシート100は、より大きな身体サイズの子供の着座に適している。
【0033】
チャイルドシート100がもはや使用されなくなると、ヘッドレスト12は、低位置に調整され、これで駆動部材14は被押圧構造131から離れ、弾性部材18は元の状態に復元され、復元された弾性部材18はサイドウィング13を背もたれ11に対して折り畳ませるように駆動し、したがって、次の使用のために本開示のチャイルドシート100をリセットすることが実現される。
【0034】
従来技術と比較して、本開示のシートバックアセンブリ10は、ヘッドレスト12上に配置され且つ背もたれ11に対してヘッドレスト12と共に移動する駆動部材14をさらに含む。ヘッドレスト12は、背もたれ11に対して、背もたれ11に近い初期位置と、サイドウィング13を背もたれ11に対して展開させるように駆動する動作位置とを少なくとも有する。サイドウィング13は、ヘッドレスト12が初期位置と動作位置との間に位置した場合に背もたれ11上に折り畳まれ、駆動部材14は、ヘッドレスト12が背もたれ11から離れて動作位置を越えた場合にサイドウィング13を背もたれ11に対して展開させるように駆動する。したがって、ヘッドレスト12の高さが調節されると、ヘッドレスト12は、駆動部材14を介して2つのサイドウィング13を展開させるように駆動することができ、それによって、ヘッドレスト12が調節されている間に2つのサイドウィング13の間の幅を同時に調節して、異なる身体サイズの子供に使いやすさと簡単な操作とを提供する。一方、ただ1つの駆動部材14によってヘッドレスト12を調節すると同時に2つのサイドウィング13を展開させるように駆動することができるため、シートバックアセンブリ10の構造が著しく簡易化される。
【0035】
なお、本開示のシートバックアセンブリ10を有するチャイルドシート100は、同じ技術的効果を達成する。
【0036】
本明細書には、下記のような発明も開示されている。
【0037】
(1)シートバックアセンブリであって、
背もたれと、
前記背もたれの上端部に摺動可能に取り付けられたヘッドレストと、
前記背もたれの側部に配置され、且つ、前記背もたれに対して折り畳み及び展開可能なサイドウィングと、
前記背もたれまたは前記ヘッドレストに配置され、且つ、前記背もたれに対して前記ヘッドレストと共に移動する駆動部材と、を備え、
前記シートバックアセンブリは、前記サイドウィングと前記背もたれとの間に配置された弾性部材をさらに備え、
展開された前記サイドウィングは、前記ヘッドレストが下に摺動する時に、弾性部材により駆動されて前記背もたれに折り畳まれ、
折り畳まれた前記サイドウィングは、前記ヘッドレストが上に摺動する時に、弾性部材により押されて前記背もたれに対して展開する、ことを特徴とするシートバックアセンブリ。
【0038】
(2)前記サイドウィングは、前記背もたれに回転可能に取り付けられる、ことを特徴とする(1)に記載のシートバックアセンブリ。
【0039】
(3)前記駆動部材は、前記背もたれに摺動可能に取り付けられる、ことを特徴とする(1)に記載のシートバックアセンブリ。
【0040】
(4)前記背もたれの後部に配置されたガイドポストをさらに備え、前記駆動部材は前記ガイドポストに摺動可能に外嵌される、ことを特徴とする(1)に記載のシートバックアセンブリ。
【0041】
(5)前記ガイドポストは、前記背もたれの高さ方向に延設される、ことを特徴とする(4)に記載のシートバックアセンブリ。
【0042】
(6)前記ヘッドレストは、前記サイドウィングを前記背もたれに対して展開させるように駆動する動作位置を有し、前記駆動部材は、前記ヘッドレストが前記背もたれから離れる方向に摺動して前記動作位置を越えた場合に前記サイドウィングを前記背もたれに対して展開させるように駆動する、ことを特徴とする(1)に記載のシートバックアセンブリ。
【0043】
(7)前記サイドウィングには、前記駆動部材に近づく方向に突出する被押圧構造が設けられ、前記ヘッドレストは、前記駆動部材による前記被押圧構造の押圧を介して前記サイドウィングを前記背もたれに対して展開させるように駆動する、ことを特徴とする(1)に記載のシートバックアセンブリ。
【0044】
(8)前記駆動部材及び前記被押圧構造のうちの一方には傾斜面構造が設けられ、前記駆動部材及び前記被押圧構造のうちの他方は前記傾斜面構造に対向する、ことを特徴とする(1)に記載のシートバックアセンブリ。
【0045】
(9)前記背もたれに対する前記サイドウィングの折り畳み及び展開の幅を制限するための制限装置が、前記サイドウィングと前記背もたれとの間に設けられる、ことを特徴とする(1)に記載のシートバックアセンブリ。
【0046】
(10)前記制限装置は、スロット構造と、前記スロット構造内に配置され且つ前記スロット構造内で摺動可能な突起構造とを備え、前記スロット構造は、前記背もたれ及び前記サイドウィングのうちの一方に配置され、前記突起構造は、前記背もたれ及び前記サイドウィングのうちの他方に取り付けられる、ことを特徴とする(9)に記載のシートバックアセンブリ。
【0047】
(11)前記弾性部材は、前記サイドウィングの後部に配置され、前記弾性部材の一端は、前記突起構造に連結され、前記弾性部材の他端は、前記サイドウィングに連結される、ことを特徴とする(10)に記載のシートバックアセンブリ。
【0048】
(12)前記サイドウィングの後部には停止ブロックが設けられ、前記弾性部材の前記他端は、前記停止ブロックに連結される、ことを特徴とする(11)に記載のシートバックアセンブリ。
【0049】
(13)前記スロット構造の延在方向と前記駆動部材の運動方向とは交差するように配置される、ことを特徴とする(10)に記載のシートバックアセンブリ。
【0050】
本開示の好ましい実施形態は、上記に開示されており、特許請求の範囲に記載された発明に対する限定として解釈されるべきではない。したがって、特許請求の範囲に記載された発明に対する全ての等価な変更は、本開示の範囲内に包含されるべきである。