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特開2024-17407ディスプレイ画面に保護シートを貼り付けるためのシートとその保護シートを貼り付けるためのシート貼りシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017407
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ディスプレイ画面に保護シートを貼り付けるためのシートとその保護シートを貼り付けるためのシート貼りシステム
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240201BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20240201BHJP
【FI】
G09F9/00 302
G09F9/00 342
C09J7/38
G09F9/00 313
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120025
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】507365592
【氏名又は名称】トリニティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】弁理士法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(74)【代理人】
【識別番号】100158377
【弁理士】
【氏名又は名称】三谷 祥子
(72)【発明者】
【氏名】星川 哲視
【テーマコード(参考)】
4J004
5G435
【Fターム(参考)】
4J004AB01
4J004BA02
4J004CB03
4J004CC02
4J004CC07
4J004CE03
4J004DB02
4J004DB05
4J004FA04
5G435AA11
5G435KK10
5G435LL07
(57)【要約】
【課題】
保護シートをディスプレイ画面に貼り付けるときに、埃の侵入を可及的に防止することができるシートとその保護シートを貼り付けるためのシート貼りシステムをディスプレイ画面へのフィルム貼り付け装置提供する。
【解決手段】
シートは、ディスプレイ画面の埃を除去するために、そのディスプレイ画面に一時的に張り付けて剥離可能に粘着する埃取り粘着部を具備する埃取りシート部と、埃取り粘着部を保護する埃取り剥離シートと、ディスプレイ画面に張りつけるために粘着部を具備する保護シートと、粘着部に取り付けられその粘着部を保護する剥離可能な剥離シートと、埃取りシート部と、前記剥離シートと、に取り付けられている引き出し部と、を有し、埃取り剥離シートは、前記埃取りシート部に取り付けられるとともに当該埃取り剥離シートを折り曲げたときに、その埃取りシート部の側方から突出するというものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ画面の埃を除去するために、そのディスプレイ画面に一時的に張り付けて剥離可能に粘着する埃取り粘着部を具備する埃取りシート部と、
前記埃取り粘着部を保護する埃取り剥離シートと、
前記ディスプレイ画面に張りつけるために粘着部を具備する保護シートと、
前記粘着部に取り付けられその粘着部を保護する剥離可能な剥離シートと、
前記埃取りシート部と、前記剥離シートと、に取り付けられている引き出し部と、を有し、
前記埃取り剥離シートは、前記埃取りシート部に取り付けられるとともに当該埃取り剥離シートを折り曲げたときに、その埃取りシート部の側方から突出するシート。
【請求項2】
ディスプレイ画面の埃を除去するために、そのディスプレイ画面に一時的に張り付けて剥離可能に粘着する埃取り粘着部を具備する埃取りシート部と、
前記埃取り粘着部を保護する埃取り剥離シートと、
前記ディスプレイ画面に張りつけるために粘着部を具備する保護シートと、
前記粘着部に取り付けられその粘着部を保護する剥離可能な剥離シートと、
前記埃取りシート部と、前記剥離シートと、に取り付けられている引き出し部と、を有し、
前記埃取り剥離シートは、前記埃取りシート部に取り付けられるとともに当該埃取り剥離シートを折り曲げたときに、その埃取りシート部の側方から突出するとともに、前記埃取り剥離シートは、当該埃取り剥離シートを2分する分割線を有するシート。
【請求項3】
ディスプレイ画面を有するモバイル機器を配置するための本体部と、
前記本体部に、かぶせる蓋部と、
前記請求項1または2記載のシートと、を有し、
前記本体部は、第2壁部と、
前記蓋部は、凹部と、を有し、
前記本体部に、前記シートを配置し、前記蓋部をかぶせたときに前記第2壁部と前記凹部とで開口部を構成する構成開口部と、を有し、
前記構成開口部から前記埃取り剥離シートが、突出するシート貼りシステム。
【請求項4】
ディスプレイ画面を有するモバイル機器を配置するための本体部と、
前記本体部に、かぶせる蓋部と、
前記請求項1または2記載のシートを、を有し、
前記本体部は、第2壁部と、
前記蓋部は、凹部と、を有し、
前記本体部に、前記シートを配置し、前記蓋部をかぶせたときに前記第2壁部と前記凹部とで開口部を構成する構成開口部と、を有し、
前記構成開口部から前記埃取り剥離シートが、突出するとともに、
前記蓋部は、蓋開口部と、をさらに有し、
前記蓋開口部から前記引き出し部が露出するシート貼りシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル機器のディスプレイ画面に保護シートを貼り付けるためのシートと、その保護シートを貼り付けるための貼り付けシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
iPhone(登録商標)を含む携帯電話等のモバイル機器には、液晶や無機又は有機のEL等から構成されるディスプレイ画面が備わっている。ディスプレイ画面は使用中に傷付ける恐れがあるため、PET等の樹脂フィルムにより画面を保護することが行なわれている。そのような保護フィルムは剥離シートを剥がし粘着部を露出させてディスプレイ画面に貼り付けるが、貼り付け位置を正確に決められなかったり、気泡が入ったりするという問題がある。また、貼付剤層に指が触れると皮脂で粘着力が落ちるということもある。
【0003】
しかしながら、従来の貼り付け補助具は、柔軟性を有する折り曲げ可能なPET等の樹脂フィルムであれば貼り付けることができる。しかしながら、若干の撓みを許容する硬質なガラスのシートでは、その硬質なシートをPET等の樹脂フィルムのように折り曲げることができないことから、従来の貼り付け補助具ではディスプレイ画面に、ずれることなくガラスのシートを貼り付けることができない。
【0004】
このような問題を解決するべく、特開2021-43283号公報において、「ディスプレイ画面を有するモバイル機器を固定するための本体部と、ディスプレイ画面に貼り付けて、当該ディスプレイ画面を保護するために当該ディスプレイ画面の形状と同様の形状を呈する保護シート部と、保護シート部を前記ディスプレイ画面に貼り付けるために貼り付ける位置を決める位置決めシートと、を有し、本体部は、上方に屹立する第1突起部と、上方に屹立する第2突起部と、を具備し、位置決めシートは、第1突起部と揺動可能に係合する第1孔部と、第2突起部と嵌合する第2孔部と、を具備し、保護シート部は、位置決めシートの下方に剥離可能に貼り付けつけられ、第1孔部は、前記第1突起部に揺動可能に載置するとともに、第2孔部は、前記第2突起部に嵌合することで、位置決めシートと保護シート部は、ともに、側面視において、本体部に対し斜めに傾いて配置されるというシート貼り付けシステム」が開示されている。
【0005】
上記シート貼り付けシステムは、使用者に好意的に受け入れられているが、保護シートをディスプレイ画面に貼り付けるときにさらに埃が侵入する可能性を可及的に排除する必要がある。すなわち、スマートフォン等の電子機器のディスプレイ画面に付着した皮脂汚れや埃を、クリーニングクロス等を使用して拭き取った後に保護シートをそのディスプレイ画面に貼り付けるという作業を行うが、そのような作業を行ったとしても、その埃が、保護シートとディスプレイ画面の間に侵入する場合がある。また、蓋体の開閉や、保護シートを、ディスプレイ画面上にあてがうように配置しなければならず不便である。
【0006】
【特許文献1】特開2021-43283号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記の点に鑑みなされたもので、その課題は、保護シートをディスプレイ画面に貼り付けるときに、埃の侵入を可及的に防止することができるシートとその保護シートを貼り付けるためのシート貼りシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、第1観点のシートは、ディスプレイ画面の埃を除去するために、そのディスプレイ画面に一時的に張り付けて剥離可能に粘着する埃取り粘着部を具備する埃取りシート部と、埃取り粘着部を保護する埃取り剥離シートと、ディスプレイ画面に張りつけるために粘着部を具備する保護シートと、粘着部に取り付けられその粘着部を保護する剥離可能な剥離シートと、埃取りシート部と、剥離シートと、に取り付けられている引き出し部と、を有し、埃取り剥離シートは、埃取りシート部に取り付けられるとともに当該埃取り剥離シートを折り曲げたときに、その埃取りシート部の側方から突出するというものである。
【0009】
また、第2観点のシートは、ディスプレイ画面の埃を除去するために、そのディスプレイ画面に一時的に張り付けて剥離可能に粘着する埃取り粘着部を具備する埃取りシート部と、埃取り粘着部を保護する埃取り剥離シートと、ディスプレイ画面に張りつけるために粘着部を具備する保護シートと、粘着部に取り付けられその粘着部を保護する剥離可能な剥離シートと、埃取りシート部と、剥離シートと、に取り付けられている引き出し部と、を有し、埃取り剥離シートは、埃取りシート部に取り付けられるとともに当該埃取り剥離シートを折り曲げたときに、その埃取りシート部の側方から突出するとともに、埃取り剥離シートは、当該埃取り剥離シートを2分する分割線を有するというものである。
【0010】
また、第3観点のシート張りシステムは、ディスプレイ画面を有するモバイル機器を配置するための本体部と、本体部に、かぶせる蓋部と、第1観点または第2観点のシートと、を有し、本体部は、第2壁部と、蓋部は、凹部と、を有し、本体部に、シートを配置し、蓋部をかぶせたときに第2壁部と凹部とで開口部を構成する構成開口部と、を有し、構成開口部から埃取り剥離シートが、突出するというものである。
【0011】
また、第4観点のシート張りシステムは、ディスプレイ画面を有するモバイル機器を配置するための本体部と、本体部に、かぶせる蓋部と、第1観点または第2観点のシートと、を有し、本体部は、第2壁部と、蓋部は、凹部と、を有し、本体部に、シートを配置し、蓋部をかぶせたときに第2壁部と凹部とで開口部を構成する構成開口部と、を有し、構成開口部から埃取り剥離シートが、突出するとともに、蓋部は、蓋開口部と、をさらに有し、蓋開口部から引き出し部が露出するというものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、保護シートをディスプレイ画面に貼り付けるときに、埃の侵入を可及的に防止することができるシートとその保護シートを貼り付けるためのシート貼りシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】Aは、シートの正面図である。Bは、シートの背面図である。
図2図1AのII-II線断面図である。
図3図1AのIII-III線断面図である。
図4】シートの分解斜視図である。
図5】Aは、本体部の正面図である。Bは、本体部の側面図である。Cは、本体部の前方から見た側面図である。Dは、本体部の後方から見た側面図である。
図6図5AのVIA-VIA線断面図である。
図7】モバイル機器を配置しようとするシート貼りシステムの分解斜視図である。
図8】本体部にシートを配置した状態の平面図である。
図9】本体部にシートを配置し蓋部をかぶせた状態において構成開口部からモバイル機器を挿入しようとする斜視図である。
図10】構成開口部から、引き出した引き出し部を引っ張ろうとする状態を示した平面概念図とその拡大図である。
図11図10のXI-XI線断面概念図とその拡大図である。
図12】引き出し部を蓋開口部から引き出し始めようとする状態を示した平面概念図である。
図13】引き出し部を蓋開口部から引き出す途中を示した断面概念図である。
図14】保護シートをモバイル機器におけるディスプレイ画面に張りつけた状態を示す断面概念図である。
図15】本体部にモバイル機器を配置し、さらにシートを配置し、さらに蓋部をかぶせようとする断面概念図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図示の実施形態を参照して本実施例について説明する。本実施例のシート10は、スマートフォンなどのモバイル機器600におけるディスプレイ画面500を保護するためのものであり、そのディスプレイ画面500に付着した埃を除去するために、そのディスプレイ画面500に一時的に張り付けてその埃を付着させて除去する埃取りシート部20と、ディスプレイ画面500に張りつけてそのディスプレイ画面500を保護するために粘着部30を具備する保護シート40と、その粘着部30に取り付けられその粘着部30を保護する剥離可能な剥離シート60と、を有する。
【0015】
また、本実施例のシート10は、引き出し部80と、を有する。引き出し部80は、埃取りシート部20と、剥離シート60と、に取り付けられており、後述するように引き出し部80を引くと、埃取りシート部20と、剥離シート60とを一度に引っ張ることができるというものである。なお、埃取りシート部20は紙製のステッカーが好ましい。また、剥離シート60は、PET(ポリエチレンテレフタレート)が好ましい。
【0016】
また、本実施例のシート10は、埃取りシート部20において埃に粘着する埃取り粘着部72を具備し、その埃取り粘着部72を保護する埃取り剥離シート90を有する。これについては後述する。
【0017】
埃取りシート部20は、ディスプレイ画面500に貼り付けるために、そのディスプレイ画面500と同形状を呈することが好ましく、本実施例においては、角丸形状を有するほぼ長方形を呈する。すなわち、埃取りシート部20は、短辺である第1短辺21と、その第1短辺21に対向する位置に第2短辺22を有し、それらに直交する長辺である第1長辺23と、その第1長辺23に対向する位置に長辺である側方24を有する角丸形状を有する角丸部26とを複数有するほぼ長方形を呈するものである。また、埃取りシート部20は、裏面71に粘着する埃取り粘着部72を有し、その埃取り粘着部72は、画面600に付着した埃を除去するためのものである。
【0018】
また、第1短辺21は、その第1短辺21から外方に突出し、かつ、長方形状を呈する取り付け部28を有する。なお、図4のように取り付け部28は、第1短辺21に沿って折り曲げられている場合がある。
【0019】
保護シート40は、ガラス製の薄板が好ましく、また、ディスプレイ画面500に貼り付けるために、そのディスプレイ画面500と同形状を呈することが好ましい。本実施例の保護シート40は、角丸形状を有するほぼ長方形を呈する。すなわち、保護シート40は、短辺である第1保護短辺41と、その第1保護短辺41に対向する位置に第2保護短辺42を有し、それらにそれらに直交する長辺である第1保護長辺43と、その第1保護長辺43に対向する位置に第2保護長辺44を有する角丸形状を有する角丸部46とを4か所有するほぼ長方形を呈するものである。
【0020】
また、上記の通り、保護シート40の裏面40aには、ディスプレイ画面500に貼り付けるための粘着部30を有し、その粘着部30を保護するために剥離シート60が剥離可能に取り付けられている。また、剥離シート60は、後述する剥離取り付け部68以外は、ほぼ保護シート40と同形状である。したがって、剥離シート60は、短辺である第1剥離短辺61と、その第1剥離短辺61に対向する位置に第2剥離短辺62を有し、それらに直交する長辺である第1剥離長辺63と、その第1剥離長辺63に対向する位置に第2剥離長辺64を有する角丸形状を有する剥離角丸部66とを4か所有するほぼ長方形を呈するものである。上述の剥離取り付け部68は、矩形状を呈し、第1剥離短辺61から突出するように取り付けられ、それらは一体となっている。なお、図4のように剥離取り付け部68は、第1剥離短辺61に沿って折り曲げられている場合がある。
【0021】
保護シート40は、上述の通りガラス単体が好ましく、また、ガラスと、そのガラスを囲むように配置されたPET(ポリエチレンテレフタレート)のフレームと一体となったものも好ましい。さらに、保護シート40は化学強化ガラスと飛散防止PETフィルムを貼り合わせたものも好ましい。また、粘着部30は、シリコン吸着層が塗布されているものが好ましい。保護シート40に貼り付けられる剥離シート60は、剥がれやすいよう、薄いものが好ましい。例えば剥離シート60の厚さは、0.05ミリメートル程度が好ましい。また、保護シート部40の厚さは、0.5ミリメートル前後であることが好ましい。
【0022】
また、埃取りシート部20の裏面71には、ディスプレイ画面500に一時的に貼り付けるための埃取り粘着部72を有し、上述の埃取り剥離シート90が剥離可能に取り付けられている。この埃取り粘着部72にディスプレイ画面500に付着した埃を吸着させることができるというものである。
【0023】
このように埃取り剥離シート90は、埃取りシート部20の裏面71の埃取り粘着部72を保護するために剥離可能に付着している。埃取り剥離シート90は、その埃取りシート部20とほぼ同様の大きさの短辺と長辺とを有する埃取り剥離シート本体部92と、短辺と長辺とを有する支持部95とを有し、それらは一体であり、その境界の折線93で折り曲げ可能に構成されている。すなわち、埃取り剥離シート本体部92は、ほぼ埃取りシート部20の形状と同様である。したがって、埃取りシート部20の裏面に、埃取り剥離シート本体部92における側方96と、埃取りシート部20における側方24と、を揃うように埃取り剥離シート90における埃取り剥離シート本体部92が貼り付けられており、長辺である折線93は、埃取りシート部20における第1長辺23に倣うように配置され、その折線93で折り曲げることで、支持部95は、埃取り剥離シート本体部92の裏側に重なるように配置され、埃取り剥離シート90の側方96から突出するように配置される(図3図4の符号95参照)。すなわち、このように埃取り剥離シート90を埃取りシート部20の裏面71に貼り付けたときに、埃取り剥離シート90における支持部95は、側方24から突出するように配置されるのである。なお、図4において、支持部95’は、折線93で折り曲げることなく埃取り剥離シート90を展開した状態を表し、支持部95は、埃取り剥離シート90を折線93で折り曲げた状態を表している。
【0024】
よって支持部95を、引っ張ることで、その埃取り剥離シート90における埃取り剥離シート本体部92を、埃取りシート部20から引きはがすことができるというものである。いうなれば、支持部95は、埃取りシート部20に埃取り剥離シート90を貼り付けたときにその支持部95は、埃取りシート部20の側方24からはみ出るように配置され、その側方24から突出するようにはみ出た支持部95(95')を、その突出するようにはみでた方向(Y方向)に引っ張ることで埃取りシート部20の裏面71に貼り付けた埃取り剥離シート90における埃取り剥離シート本体部92をはがすことができる。なお、埃取り剥離シート90は、分割線94において分割することができる(図4参照)。この場合は、剥離シート本体部92および支持部95はそれぞれ分割線94において2分することができるので、それぞれはがすことができる。
【0025】
上述のとおり引き出し部80は、帯状を呈し、埃取りシート部20と、剥離シート60と、に取り付けられている。具体的には、引き出し部80における一端部81は、埃取りシート部20における第1短辺21から外方に突出し、かつ、長方形状を呈する取り付け部28に取り付けられている。
【0026】
また、引き出し部80における一端部81は、矩形状を呈し、第1剥離短辺61から突出した剥離シート60における剥離取り付け部68に取り付けられている。引き出し部80における他端部82は、埃取りシート部20に取り付けたときにその第2短辺22から外方に突出する長さを有し、持ち手となっている。なお、引き出し部80は、PET(ポリエチレンテレフタレート)が好ましい。
【0027】
また、保護シート40の表面に、位置決めシート50が取り付けられている。位置決めシート50は、文字通り、保護シート部40を、本体部200に配置したモバイル機器600におけるディスプレイ画面500に貼り付ける位置を位置決めするためのものである。また、位置決めシート50は、保護シート40に剥離可能に貼り付けられている。また、位置決めシート50は、PET(ポリエチレンテレフタレート)が好ましい。
【0028】
位置決めシート50は、短辺である第1位置決め短辺51と、その第1位置決め短辺51に対向する位置に第2位置決め短辺52を有し、それらに直交する長辺である第1位置決め長辺53と、その第1位置決め長辺53に対向する位置に第2位置決め長辺54をものである。
【0029】
また、位置決めシート50の第1位置決め長辺53は、保護シート40の第1保護長辺43より長く構成されている。従って、保護シート40の全部は、位置決めシート50の一部を占めるように重ねて貼り付けられている。
【0030】
また、位置決めシート50は、後述する本体部200における固定部210より、平面視において、長手方向の長さが大となるように構成されている。位置決めシート50は、合成樹脂製であり、単一のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが好ましい。また、位置決めシート50の厚さは、0.2ミリメートル程度が好ましい。
【0031】
また、位置決めシート50の幅は、保護シート40の幅と同一であることが好ましい。また、第1位置決め短辺51付近に、左右対称に第1孔部51a、51aを配置し、それらの内側に長円状を呈する第2孔部51bと、を配置する。第1孔部51a、51aは、後述する本体部200における第2突起部214a、214aと嵌合する。また、 第2孔部51bについては後述する。このように、本実施例のシート10は、上から位置決めシート50、保護シート40、剥離シート60、引き出し部80、埃取りシート部20、埃取り剥離シート90、の順にそれぞれ貼り付けられ一体となっている(例えば図4参照)。
【0032】
短辺である第2位置決め短辺52は、第1位置決め長辺53および第2位置決め長辺54からそれぞれ側方に突出した突出部53、53を有し、その突出部53、53に第3孔部53a、53aを配置している。
【0033】
次に、ディスプレイ画面500を有するモバイル機器600を固定するための本体部200について説明する。本体部200は、合成樹脂製であり、また、モバイル機器600を収納することができるケースと呼ばれるべきものであり、いわゆるブリスターケースが好ましい。また本体部200は、平面視矩形状を呈する。また、本体部200は、上記のとおり合成樹脂製であり、一体成型されている。また、本体部200は、ディスプレイ画面500を有するモバイル機器600を配置し、固定するために、そのモバイル機器600の外形に倣うような凹状を呈する固定部210を有する。固定部210は、モバイル機器600と接するように、第1壁面部211と、第2壁部212と、前端部213と後端部214とを有し、それらに四方を取り囲まれるように構成されている。また、固定部210は、モバイル機器600のモバイル機器背面部640と接する底面部220を有している。固定部210は、モバイル機器600の平面形状とほぼ同様の平面形状を呈し、その形状は角の丸い長方形状を呈している。なお、側面視において、底面部220は、前端部223から後端部221の方向に向かって上昇するように傾斜しても好ましい。
【0034】
また、底面部220の周囲の4方をかこむ第1壁面部211と、第2壁部212と、前端部213と後端部214とは、上記のとおり、固定部210を構成している。従って、この固定部210上に、モバイル機器600を載置しようとすると、その第1壁面部211と、第2壁部212と、前端部213と後端部214がモバイル機器600によって押し広げられるように若干撓み、そのモバイル機器600が本体部200に固定される。また、第2壁面部212は、第1壁面部211よりもその高さが低く構成されている。
【0035】
また、底面部220は、図示しない外部カメラがモバイル機器600の背面から外部に突出している場合に、その外部カメラとの干渉を避けるためのものである。
【0036】
上記のとおり第2壁面部212は、第1壁面部211よりもその高さが低く構成されている。したがって、本体部200に後述する蓋部360をかぶせたときに開口部を構成する構成開口部386を有する。すなわち、本体部200と蓋部360とは、構成開口部386を有する。構成開口部386は、モバイル機器600が挿入可能な大きさに構成されている。
【0037】
後端部214は、上方Uに屹立するほぼ円柱形状を呈する突起部214a、214aの間に、平面視において角丸の長方形状を呈する穴である穴部214bとを有する。突起部214a、214aは、位置決めシート50における第1孔部51a、51aと嵌合する。穴部214bについては後述する。
【0038】
また、前端部213の左右の端部において上方に突出し長円柱状の係止部213a、213aを有する。また、その係止部213a、213aは、位置決めシート50における第3孔部53a、53aと嵌合する
【0039】
また蓋部360は、いわば天井としての天井部370と、その天井部370から垂れ下がるように配置された第1側壁部371と第2側面部372と第3側面部373とを有する。第1側壁部371と第2側面部372と第3側面部373で、天井部370の3方を取り囲むように構成されている。また、第1側壁部371と第3側面部373とを接続する第4側面部374は、凹部375を有し、第4側壁部374における一部を欠落した状態を呈している。したがって、後述するように本体部200に蓋部360をかぶせたときに凹部375とその本体部200における第2壁部212との間に開口する構成開口部386を構成する(図11参照)。また、蓋部360は、天井部370に幅方向に長い横長に開口する蓋開口部380を有する。この蓋開口部380から、引き出し部80を引き出すことができる。
【0040】
さらに、蓋部360は上述の天井部370から垂れ下がるように柱状の柱状部390を有する。柱状部390は、シート部10の位置決めシート50における第2孔部51bと嵌合し、さらに本体部200における上述の穴部214bと、いわば串刺しになるように嵌合し、それらは穴部214bの形状に倣うように、平面視において角丸の長方形状を呈するように構成されている。
【0041】
なお、本体部200と、シート部10と、を有するシート貼りシステム800とすることができ、これらを一体として販売することができる。また、シート貼りシステム800は、蓋部360と、をさらに有する場合もある。
【0042】
なお構成開口部386を、図9においてY方向に出現するように配置しているが、その逆側すなわち、開口部を第1壁面部211および第2側面部372に配置することもでき、その場合は、シート10と本体部200と蓋部360とを鏡面対称となるように構成することで、埃取り剥離シート90が、図9においてY方向の逆側に倣うように配置すれば足りる(図示せず)。
【0043】
次に、シート部10の使用方法について説明する。上記構成のシート貼り付けシステム800における本体部200に、モバイル機器600を配置し、そのディスプレイ画面500にシート10における保護シート40を貼り付ける方法について説明する。
【0044】
あらかじめシート部10を本体部200に配置するとともに蓋部360をその本体部200にかぶせた状態において、あらかじめディスプレイ画面500上の皮脂を除去したモバイル機器600を、本体部200における第2壁部212と蓋部360における凹部37とによって構成された構成開口部386から挿入する。このときあらかじめシート部10における埃取り剥離シート90の支持部95は、構成開口部386から突出した状態に配置されており、モバイル機器600は、そのシート部10に下に配置するように挿入する。
【0045】
次に、埃取りシート部20の埃取り粘着部72を保護するために貼り付けられている埃取り剥離シート90における支持部95を構成開口部386から引き出すように配置する。
【0046】
この埃取り剥離シート90における埃取り剥離シート本体部92は、埃取りシート部20の埃取り粘着部72を保護するために貼り付けられており、その埃取り剥離シート本体部92と一体の支持部95が折線93によっており返されているので、支持部95を構成開口部386から引き出すように引っ張ると、その支持部95と一体の埃取り剥離シート本体部92が引きはがされ、埃取りシート部20の裏面71の埃取り粘着部72が徐々に露出する。このとき、蓋部360が、本体部200にかぶせられており、その中にシート部10と、モバイル機器600が配置されているので、その埃取り粘着部72に埃が付着することを可及的に防止することができる。
【0047】
埃取り粘着部72が露出したときに、蓋部360を上から押すことで、シート部10における埃取りシート部20の裏面71の埃取り粘着部72がディスプレイ画面500に貼り付けられる。
【0048】
このとき蓋部360は本体部200にかぶせられているので、埃がその間に侵入する可能性は極めて少ない。さらに、仮に埃が侵入し、ディスプレイ画面500に付着したとしても、その埃は埃取りシート部20の埃取り粘着部72に吸着するので、後述するように埃を確実に除去することができる。なお、埃取り剥離シート90は、紙にPP(ポロプロピレン)をコーティングしたものが好ましい。
【0049】
引き出し部80を蓋開口部380から引き出すに従って、その引き出し部80に取り付けられた埃取りシート部20と、剥離シート60と、をほぼ同時に引っ張る。このとき、位置決めシート50における第2孔部51bが、蓋部360における柱状部390と嵌合し、その柱状部390は、本体部200における穴部214bと嵌合している。また、突起部214aは、第1孔部51aと嵌合し、係止部223b、223bは、位置決めシート50における第3孔部53a、53aと嵌合しているので、位置決めシート50に貼り付けられた40は、ディスプレイ画面500と位置ずれすることはなく引き出し部80のみを引き出すことができる。また、ディスプレイ画面500に一時的に張り付けられた埃取りシート部20が、そのディスプレイ画面500から引きはがされようとする。これにより、ディスプレイ画面500に付着した埃は、埃取りシート部20に張り付き、除去される。
【0050】
またこれと同時に、剥離シート60が、保護シート40からはがされ、粘着部30が露出しようとする。さらに、引き出し部80を引き出すと、埃取りシート部20がディスプレイ画面500から完全に引きはがされると同時に、保護シート40における粘着部30が完全に露出し、蓋部360の上から、位置決めシート50を押すと、保護シート40における粘着部30が露出し、ディスプレイ画面500に張り付けることができる。なお、側面視において、底面部220が、前端部223から後端部221の方向に向かって上昇するように傾斜する場合は、引き出し部80が引き出しやすくなる。
【0051】
位置決めシート50における位置決め孔57aは第1突起部221bと係合しているので、位置決めシート50を押圧して、保護シート40を位置づれすることなく、ディスプレイ画面500に貼り付けることができる(図14参照)。
【0052】
その後、位置決めシート50を、保護シート40から引きはがせば、保護シート40のみをディスプレイ画面500に貼り付けることができる。このように、蓋部360を本体部200にかぶせた状態で、埃取り剥離シート90における支持部95を引き出すことができ、さらに、引き出し部80を引き出すことができるので、常にモバイル機器600を蓋部360と本体部200内に配置した状態のまま埃取りシート部20をディスプレイ画面500から引きはがすと同時に保護シート40をディスプレイ画面500に貼り付けることができるので、粘着部30や、埃取りシート部20の埃取り粘着部72に埃が付着する可能性がほぼなく、また、ディスプレイ画面500と、保護シート40との間に埃が侵入する可能性を可及的に減少させることができるというものである。また、極めて容易に、保護シート40をディスプレイ画面500に貼り付けることができる。
【0053】
このように蓋部360をあらかじめ本体部200に配置した状態でモバイル機器600を構成開口部386から挿入することができるので、埃の侵入を可及的に防止することができるとともに作業工程が減り簡単にシート10における保護シート40を、ディスプレイ画面500に貼り付けることができる。また、保護シート40は、あらかじめディスプレイ画面500上にあてがうような位置に配置されているので、図示しない使用者がその保護シート40を上げ下げするように配置する必要がなくなくなるので、作業工程を削減することができ、不慣れな使用者でも簡単に貼れるようになる。
【0054】
なお、本体部200における固定部210に、あらかじめディスプレイ画面500上の皮脂を除去したモバイル機器600を配置したのちに、そのモバイル機器600に被せるようにシート部10を配置し、そのシート部10における位置決めシート50を、本体部200に載置し、蓋部360を本体部200にかぶせ、構成開口部386から、埃取り剥離シート90における支持部95が突出するように配置することもできる(図15参照)。この状態で、支持部95を構成開口部386から引き出すように引っ張る。これ以降の工程は、すでに述べた通りである。
【符号の説明】
【0055】
10 シート
20 埃取りシート部
24 側方
28 取り付け部
30 粘着部
40 保護シート
50 位置決めシート
60 剥離シート
68 剥離取り付け部
80 引き出し部
90 埃取り剥離シート
96 側方
95 支持部
200 本体部
360 蓋部
380 蓋開口部
386 構成開口部
500 ディスプレイ画面
600 モバイル機器
図1
図2
図3
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図5
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