(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174081
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】既設設備の活用計画策定装置、および、既設設備の活用計画策定方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20241206BHJP
H02J 3/00 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J3/00 170
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024167927
(22)【出願日】2024-09-26
(62)【分割の表示】P 2021042905の分割
【原出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 洋平
(72)【発明者】
【氏名】松崎 隆久
(72)【発明者】
【氏名】奥山 圭太
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 雅浩
(72)【発明者】
【氏名】守田 俊也
(72)【発明者】
【氏名】西澤 壮平
(72)【発明者】
【氏名】蓮井 宏輔
(57)【要約】
【課題】送配電事業者の系統増強計画、および、発電事業者の廃止発電機の同期調相機化による投資対効果を最適化する。
【解決手段】既設設備の活用計画策定装置100は、各エリアの電力系統を模擬した広域な電力系統に基づき、系統増強が必要な場所を特定する系統増強計画情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された系統増強計画情報を用いて、廃止発電機を同期調相機として活用する際の投資対効果の指標を算出する指標評価部119と、前記指標に基づいて同期調相機として活用する前記廃止発電機を決定する廃止発電機活用決定部121とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各エリアの電力系統を模擬した広域の電力系統に基づき、系統増強が必要な場所を特定する系統増強計画情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記系統増強計画情報を用いて、廃止発電機を同期調相機として活用する際の投資対効果の指標を算出する指標評価部と、
前記指標に基づいて同期調相機として活用する前記廃止発電機を決定する廃止発電機活用決定部と、
を備えることを特徴とする既設設備の活用計画策定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設設備の活用計画策定装置、および、既設設備の活用計画策定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2015年の第21回気候変動枠組条約締結会議(COP21:Conference Of the Parties 21)において「パリ協定」が採択され、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際的な枠組みが示された。日本は、この国際的な枠組みの中で、2030年度に温室効果ガス排出量を2013年度比で26.0%削減し、2050年に温室効果ガス排出量を2013年度比で80%削減することを目標とした。
【0003】
この目標を達成するために、資源エネルギー庁は、2015年の「長期エネルギー需給見通し」で、中期目標として2030年度の電源構成における再生可能エネルギー比率を22~24%とする方針を示した。この方針の下、日本では太陽光、風力、バイオマス、地熱および水力発電といった再生可能エネルギー(RE:Renewable Energy)の導入が進んでいる。日本における再生可能エネルギーの全発電電力量に占める割合は、2014年度の12%から2019年度には16%まで増えており、今後もこの割合は増加する見通しである。
【0004】
しかしながら、再生可能エネルギーが連結される電力系統には、需給バランス、送電容量超過、電圧変動、周波数変動、安定性などの様々な課題が生じることが予想されている。これは、太陽光や風力発電などの変動型再生可能エネルギー(Variable Renewable Energy:VRE)の出力が時々刻々と変化する気象状況に影響されることや、火力の同期発電機の数が減少することで系統慣性が小さくなること、また太陽光や風力発電の適地が限定的であるため、変動型再生可能エネルギーの発電地から需要地まで電力を届ける際の送電容量が増加し、局所的な送電線の過負荷が生じやすいことなどに起因している。
【0005】
こうした課題に対し、変動型再生可能エネルギーによる電力を供給地から需要地まで安定に届けるための系統増強が計画されている。例えば国内においては、今後の接続量の増加が見込まれる千葉の洋上風力、秋田沖の洋上風力発電については、需要地である東京方面への送電線の本数を増やし、送電容量を増加するための工事が計画されている。また、同様に今後の接続量の増加が見込まれる九州の太陽光発電については、中国九州間連系線の運用容量の増強が計画されている。しかしながら、これらの系統増強計画にかかる費用の膨大化が課題である。
【0006】
このように、単純に変動型再生可能エネルギーの比率を高めるだけではなく、安定性や経済性も同時に考慮する必要のある状況において、廃止した発電機を同期調相機として活用することが今後重要になると考えられる。同期調相機とは、廃止した発電機とタービンを切り離し、電力系統から電力を受け取り発電機を空回りさせることで、電力系統への慣性および無効電力を供給する装置のことである。同期調相機の利点としては、既にある発電機を活用することで、同期調相機と同様に無効電力を供給する無効電力補償装置(STATCOM:STATic var Conpensator)などの他施策と比較し廉価で実現できることや、無効電力補償装置にはない慣性力を供給できるため、数秒間程度の事故時の発電機動揺を抑制できる。
【0007】
今後の再生可能エネルギー接続量の増加に向けて、系統増強など新規設備への投資だけでなく、既設設備の活用や、既設設備の最適運用により、再生可能エネルギー接続量増加のための投資を抑制していく必要がある。
【0008】
特許文献1の要約には、「発電機の容量が減少した場合でも過渡安定度を確保可能な発電計画決定システム、発電計画決定方法、およびプログラムを提供すること」と記載があり、再生可能エネルギーの増加に伴い、既存の発電機の最適運用計画を決定することが記載されている。また特許文献2および特許文献3には、遊休発電機を同期調相機として活用し、電力系統の電圧維持や、系統事故時の過渡安定度を向上させられることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8-198883号公報
【特許文献2】特開平5-312995号公報
【特許文献3】特開2019-143626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
背景技術で記載した通り、廃止発電機を同期調相機として活用することは、再生可能エネルギーの接続量増加に伴う慣性、無効電力の供給量不足といった課題に対し、新規設備の設置よりも廉価で実現できるという利点がある。しかしながら、近年の電力システム改革や発送電分離により、再生可能エネルギーの導入計画を決定する国、系統増強など送配電を担当する送配電事業者、廃止発電機を所有する発電事業者は分離されている。これにより、廃止発電機を同期調相機として活用するまでのプロセスを決定する機関が一元化されていない。そのため、廃止発電機を同期調相機として活用するプロセスを決定するための国、送配電事業者、発電事業者を跨いだ新たな枠組みが必要になる。
【0011】
同期調相機として廃止発電機を活用する際のプロセスを決定する機関が一元化されていないことについて、国、送配電事業者、発電事業者の観点から説明する。
国としては、その国の風況、日射量など自然環境に応じて各エリア毎の再生可能エネルギーの導入量を決定する。上記の各エリアとは、日本を例にすると東京、東北、関西などといった、送電事業者が異なるエリアも対象としている。この段階では、再生可能エネルギーの各エリア毎の導入量は、自然環境による導入ポテンシャルのみによって決まるため、廃止した発電機を同期調相機として活用することによる接続量の増加ポテンシャルは考慮されていない。
【0012】
次に送配電事業者としては、電力の発電地と需要地が地理的に離れ、各エリア間を跨いだ電力の送電が行われるため、電力系統の事故に対する施策を検討する際に、自身の所掌の電力系統管内のみではなく、他送配電事業者が管轄の電力系統も考慮しなければならない。これは、再生可能エネルギーの導入適地が遍在しており、電力の発電地と消費地が地理的に離れることに起因している。そのため、そのような長距離送電が発生した際の課題抽出や、課題解決に向けた施策の決定に際し、異なる送配電事業者のデータを収集するための枠組みが必要となる。
【0013】
また発電事業者としては、自身の廃止発電機を同期調相機として活用する際のメリットに関して、発電事業者単独ではその投資対効果を検討できないという課題がある。系統増強計画は送配電事業者の責務で行われるため、その計画の中で廃止発電機を同期調相機として活用することの利点については、送配電事業者と協議する枠組みが必要となる。また送配電事業者の観点からも、廃止発電機を同期調相機として活用する際の投資対効果を検討する際、発電事業者の調査による工事費用、耐用年数などの情報を収集する必要があるため、送配電事業者としても発電事業者と情報を交換する枠組みが必要となる。
【0014】
そこで、本発明は、送配電事業者の系統増強計画、および、発電事業者の廃止発電機の同期調相機化による投資対効果を最適化することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記した課題を解決するため、本発明の既設設備の活用計画策定装置は、各エリアの電力系統を模擬した広域な電力系統に基づき、系統増強が必要な場所を特定する系統増強計画情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記系統増強計画情報を用いて、廃止発電機を同期調相機として活用する際の投資対効果の指標を算出する指標評価部と、前記指標に基づいて同期調相機として活用する前記廃止発電機を決定する廃止発電機活用決定部と、を備えることを特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、送配電事業者の系統増強計画、および、発電事業者の廃止発電機の同期調相機化による投資対効果を最適化することが可能となる。更に、国による再生可能エネルギー導入計画の投資対効果も最適化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る既存設備の活用計画策定装置の構成図である。
【
図6】同期調相機として活用する発電機を特定する手順を説明するための電力系統の断面の図である。
【
図8A】第2の実施形態に係る投資対評価情報を示す図である。
【
図9】第3の実施形態に係る便益評価情報を示す図である。
【
図10】第4の実施形態に係る費用便益の評価方法を示す図である。
【
図11】第5の実施形態に係る費用便益評価における他施策との比較機能を示す図である。
【
図12】第6の実施形態に係る、既存設備の活用計画策定装置の構成図である。
【
図13】第7の実施形態に係る、エリア毎の再エネ導入計画の修正を示す図である。
【
図14】エリア毎の再エネ導入計画の修正処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
《第1の実施形態》
図1は、本発明の第1の実施形態に係る既存設備の活用計画策定装置100の構成図である。
活用計画策定装置100は、再エネ導入計画部101と、系統増強計画部102と、発電機活用計画部103と、指標評価部119を含んで構成される。活用計画策定装置100は、既存の発電プラント(例えば、原子力発電プラント)の廃炉工程に伴い、既存の廃止発電機を活用する計画を策定するものである。活用計画策定装置100は、例えばCPU(Central Processing Unit)とROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)と記憶部を備えたコンピュータが、不図示の活用計画策定プログラムを実行することによって、各部の機能が具現化される。
【0019】
再エネ導入計画部101は、再エネデータベース107に、各エリアの今後の再生可能エネルギーの接続量の予想値である再生可能エネルギー導入計画情報と、再エネ導入量の情報を、不図示の記憶部に格納する部位である。ここで再生可能エネルギー導入計画情報は、風力、洋上風力、太陽光、波力、潮力、流水、地熱、バイオマスのうち1つ以上の再生可能エネルギーの接続量の現在の接続量情報、または接続量予測情報を含んでいる。再生可能エネルギー導入計画情報は、各エリアについて再生可能エネルギーの接続量の現在の接続量情報、または接続量予測情報を含む。
【0020】
この
図1で示す再エネ導入計画部101は、エリア#1の再エネ導入量107aと、エリア#2の再エネ導入量107bと、エリア#3の再エネ導入量107cとが例示されている。再エネ導入量107a,107b,107c…の情報は、再エネデータベース107に格納されており、系統増強計画部102によって参照される。なお、各エリアは、同じ送配電事業者の管轄下にあってもよく、異なる送配電事業者の管轄下でもよい。
【0021】
系統増強計画部102は、電力系統の増強計画のため、その効果を評価する部位である。系統増強計画部102は、広域系統断面作成部108と、想定故障条件選定部109と、系統影響度評価部110と、系統対策検討部111と、効果評価部112を含んで構成される。系統増強計画部102は、各エリアの電力系統を模擬した広域な電力系統に基づき、系統増強が必要な場所を特定する系統増強計画情報を記憶する。
【0022】
広域系統断面作成部108は、再エネデータベース107の再生可能エネルギー導入計画情報に基づき、各エリアを跨って模擬した電力系統断面を作成する。広域系統断面作成部108は、各エリアについて、再生可能エネルギーの接続量の現在の接続量または接続量予測情報と、系統増強計画情報に含まれる系統構成、系統インピーダンス、対設置容量、発電機データとを用いて、系統影響度評価に必要となる系統断面を作成する。
【0023】
ここで、広域系統断面作成部108は、系統構成、線路インピーダンス(R+jX)、対地静電容量(サセプタンス:jB)、系統構成と状態推定に必要なデータ(バットデータの閾値など)、発電機データ、その他の潮流計算・状態推定・時系列変化計算に必要なデータとして記憶している。広域系統断面作成部108は、これに加えて再エネデータベース107の情報を参照することで、再エネ導入計画部101で想定する再生可能エネルギー接続時における電力系統を模擬する。この広域系統断面作成部108(
図1参照)が作成する電力系統を後記する
図2に示す。
【0024】
図2は、広域系統の断面の構成図である。
この広域系統は、エリア20a(エリア#1)とエリア20b(エリア#2)を接続する電力系統の断面を示している。エリア20aには、再エネ電源202a~202cを含む再エネ発電部202が設置されており、電力需要地201と送電線203aで接続されて構成される。
【0025】
エリア20bには、電力需要地201a,201bが送電線203bで接続されて構成される。更にエリア20aの再エネ発電部202と電力需要地201aとは、送電線21で接続されている。これにより、再エネ発電部202は、電力需要地201,201a,201bに電力を供給する。
【0026】
このとき電力需要地201aは、再エネ発電部202が発電した電力を送電線21を介して受け取っている。
なお、広域系統断面作成部108(
図1参照)は、再エネ発電部202と電力需要地201aを接続する送電線21だけではなく、エリア20a内において再エネ発電部202と、エリア20a内における電力需要地201を接続する送電線203aや、エリア20b内における電力需要地201aと、エリア20b内の他の電力需要地201bを接続する送電線203b、および、エリア20a,20b内の不図示の全ての送電線を模擬したものである。
【0027】
図1に戻り説明を続ける。広域系統断面作成部108が作成する断面は、1日毎、1年間の中で再エネ出力、発電機出力が変化することを考慮する必要がある。断面の数は対象とする電力系統の状態によって異なるが、1日をいくつかの時間ごとに分割し、それを1年分用意したものを用意するものとする。例えば、1日を24時間に分割した場合、1年分の断面は、24に365を乗算した8640断面である。広域系統断面作成部108で作成された電力系統の情報は、想定故障条件選定部109へと送信される。
【0028】
想定故障条件選定部109は、広域系統断面作成部108で作成された断面における電力系統の事故時(送電線の地絡事故、発電機の脱落など)が発生した際の安定度(同期安定性、電圧安定性、周波数安定性など)を評価するための系統事故シナリオを用意する機能を有する。つまり想定故障条件選定部109は、広域系統断面作成部108において解析する想定故障条件を選定する。想定故障条件選定部109が準備する想定故障ケースのデータを、後記する
図3に示す。
【0029】
図3は、想定故障データの構成図である。
想定故障データベース300には、想定される故障データが記憶されている。想定故障データベース300は、各日時におけるデータの集合であり、各データには日時データ301が付与されている。各データの列方向に想定故障ケース欄302、故障箇所欄303、故障様相欄304を含んで構成され、行方向には各想定故障ケースに係るデータが格納される。
【0030】
想定故障データベース300に格納されるデータは、任意の時間間隔であってもよい。故障様相欄304は、故障した線路の相、線数、故障様態の組み合わせなどが格納される。
【0031】
ここで、故障様相欄304に格納された“3φ6LG(ABCA’B’C’)”は、“3φ6LG”にて三相六線地絡事故を示し、“(ABCA’B’C’)”にてA相とB相とC相とA’相とB’相とC’相が地絡したことを示している。
【0032】
想定故障ケースC1では、送電線A1の送電端において、三相六線地絡故障が生じることを示している。想定故障ケースC2では、送電線A2の送電端において、三相六線地絡故障が生じることを示している。想定故障ケースC3では、送電線A1の送電端と送電線A2の送電端において、三相六線地絡故障が生じることを示している。
【0033】
想定故障ケースC4では、電源サイトA1の脱落事故が生じることを示している。
想定故障ケースC5では、送電線B1の送電端において、三相六線地絡故障が生じることを示している。
このような情報を含むことで、各想定故障に対して系統影響度を評価することができ、想定故障条件を選定できる。
【0034】
図1に戻り説明を続ける。系統影響度評価部110は、広域系統断面作成部108で作成された系統断面と、想定故障条件選定部109で選定された想定故障ケースに基づき、系統事故前(平常時)および系統事故時における系統制約条件を計算する。ここで系統制約とは、同期安定性における発電機内部相差角や、周波数安定性における周波数の最大値および最小値、電圧安定性におけるP-Vカーブのノーズポイントまでの負荷余裕、過渡的な電圧、および過負荷などである。
【0035】
系統影響度評価部110は、広域系統断面作成部108で作成した断面を用いて、想定故障条件選定部109で選定された想定故障ケースを模擬して、系統事故時の安定度を評価する。系統影響度評価部110は、想定故障条件選定部109で選定された故障が発生した際の潮流計算、過渡安定度計算を実施する。ここで、系統事故の例を、後記する
図4に示す。
【0036】
図4は、系統事故状況を示す電力系統断面の構成図である。
ここで示されている系統事故としては、エリア20aおよびエリア20bに関する電力系統を網羅している。系統事故401は、送電線203aに係る事故である。系統事故402は、送電線21に係る事故である。系統事故403は、送電線203bに係る事故である。
【0037】
図5は、系統事故解析画面5を示す図である。
系統事故解析画面5は、活用計画策定装置100の表示部に表示される画面である。この系統事故解析画面5は、系統
図501と、凡例504と、日付欄502aと、時刻欄502bと、想定故障条件選定結果503を含んで表示している。
【0038】
系統
図501は、活用計画策定装置100が対象とする系統を図示する領域であり、広域系統断面作成部108によって作成され、系統影響度評価部110によって表示される。系統
図501は、日付欄502aおよび時刻欄502bに表示される日時毎に変わる。
【0039】
凡例504は、系統
図501に示した各アイコンや記号の意味を示す領域である。系統
図501には、同期発電機、再エネ電源、負荷、変圧器、母線および線路などといった系統情報がアイコンや記号として示されている。
日付欄502aおよび時刻欄502bには、系統
図501およびの想定故障条件選定結果503の日時が表示される。
【0040】
想定故障条件選定結果503は、列方向に想定故障ケース欄5031と、系統安定化制御量欄の電制量欄5032および負制量欄5033と、発電機位相角欄5034と、電圧欄5035と、周波数欄5036とを含んで構成され、潮流計算および過渡安定度の解析結果が表示される。想定故障条件選定結果503は、想定故障データベース300に記載されている各事故シナリオに対して、発電機位相角、電圧、周波数などの系統制約を確保できるかを示している。制御対象は、発電機や負荷などであるが、バッテリー、充放電可能な二次電池、電気自動車の蓄電池、フライホイール、調相設備等であってもよい。系統制約は、例えば系統事故時においても発電機位相角が100度以下などのように、適宜定められる。
【0041】
想定故障条件選定結果503は、系統制約を確保できるか否かの表示を含んでおり、
図5の発電機位相角欄5034と電圧欄5035と周波数欄5036では、系統制約を確保できる場合を〇で示し、系統制約を確保できない場合を×で表示している。
【0042】
図1に戻り説明を続ける。系統対策検討部111は、系統影響度評価部110における評価で、系統事故時に系統制約を確保できない場合の対策として、廃止発電機の同期調相機化による系統安定度が向上する効果を検証する。つまり系統対策検討部111は、系統影響度評価部110で評価された結果に基づき、電力系統の安定度を向上させる対策を立案する。
【0043】
図6は、同期調相機として活用する発電機を特定する手順を説明するための電力系統の断面の図である。
図6では、送電線21に係る系統事故402が発生したことを示している。これは、
図5に示した想定故障条件選定結果503の想定故障ケースC4に相当する。このとき、発電機位相角と電圧と周波数の何れも系統制約が確保できない。系統対策検討部111は、系統影響度評価部110における系統制約条件の評価において、この系統制約条件を満たせないならば、課題が生じる電力系統の位置を特定する。
【0044】
事故時の系統制約が確保できない系統事故402に対して、系統対策検討部111は、慣性力や無効電力を供給できる発電機602を選定する。この発電機602は、送電線21かつ系統事故402の事故点よりもエリア20b側に接続されており、同期調相機として活用した際に、課題解決に貢献可能となる廃止発電機である。
【0045】
系統対策検討部111は、このような系統事故402に対して、選定した発電機602を同期調相機として活用することによる系統安定度の向上について、系統事故を解析する。
【0046】
図7は、系統事故解析画面5を示す図である。
図7の系統事故解析画面5には、系統
図501と、凡例504と、日付欄502aと、時刻欄502bと、想定故障条件選定結果503を含んで表示している。
【0047】
この想定故障条件選定結果503は、想定故障ケースC4における発電機位相角欄5034と電圧欄5035と周波数欄5036に、“×→○”が表示されている。これは、廃止発電機の同期調相機化する前である対策前に想定故障ケースC4が生じた場合、発電機位相角差と電圧と周波数が系統制約を確保できなかったことを示している。更に、廃止発電機の同期調相機化の対策後では、想定故障ケースC4が生じた場合、発電機位相角差と電圧と周波数が系統制約を確保できることを示している。
【0048】
図7の系統事故解析画面5が表示されるまでの処理を、
図1を参照して説明する。系統対策検討部111の評価結果は、効果評価部112に送信される。効果評価部112は、廃止発電機を同期調相機として活用する際の効果について評価(検証)する。この効果評価部112は、系統対策検討部111で立案された対策の効果を評価(検証)する。
【0049】
効果評価部112は、系統制約条件として、同期安定性における発電機内部位相角、周波数安定性における周波数の最大値および最小値、電圧安定性におけるP-Vカーブのノーズポイントまでの負荷余裕、過渡的な電圧、および、過負荷のうち1つ以上を評価対象の効果として選定する。
【0050】
系統対策検討部111は、廃止発電機を同期調相機として活用した際の系統安定度の向上による価値を確認すると、発電機活用計画部103に、選定した発電機の立地や必要となる容量などの情報を送信する。これにより、発電機活用計画部103は、廃止発電機の同期調相機として活用するための工事内容、耐用年数を評価できる。
【0051】
発電機活用計画部103は、2つ以上のエリアの発電機情報の集合である発電機データベース116と、工事内容決定部117と、投資費用評価部118とを含んで構成される。発電機活用計画部103は、不図示の記憶部に各エリアの廃止発電機の情報を有する発電機活用計画情報を記憶する。
発電機データベース116は、例えばエリアAの発電機情報116a、エリアBの発電機情報116b、エリアCの発電機情報116cなどを有している。発電機情報116a,116b,116c…は、廃止発電機の容量、外部指令に対する応答速度、稼働年数、耐用年数、発電機の固定子の巻線の保全状況、発電機活用に関する地元住民の理解に関する情報のうち1つ以上を備えている。発電機情報116a,116b,116c…は、発電機活用計画情報を含んでいる。発電機データベース116の情報は、工事内容決定部117によって参照される。
【0052】
工事内容決定部117は、発電機データベース116の情報に基づき、廃止発電機を同期調相機として活用するため具体的な工事内容を決定して投資費用評価部118に送信し、更に改造後の同期調相機の性能を評価する。工事内容決定部117は、廃止発電機を同期調相機として活用するための工事内容として、駆動機の設置、駆動用インバータの設置、駆動機の運転、駆動機の保護、駆動用インバータの運転、駆動用インバータの保護、監視盤の設置、中央操作室盤の設置、タービンの切断、潤滑油装置の設置、冷却水装置の設置、インバータ用変圧器の設置、タービン開口部の基礎の設置、ケーブル工事のうち1つ以上を選定する。
投資費用評価部118は、工事内容決定部117からの決定内容に基づき、実際に必要となる工事費用等の投資費用を算出(評価)して、指標評価部119の投資対効果評価部120に送信する。つまり投資費用評価部118は、工事内容に必要となる初期費用、同期調相機の運転費用および前記同期調相機の運用にかかる人件費費用のうち1つ以上から投資費用を算出する。なお、投資費用評価部118は、投資費用を算出する際に割引率を考慮した均等化費用計算を適用してもよい。
【0053】
指標評価部119は、投資対効果評価部120と廃止発電機活用決定部122とを含んで構成される。指標評価部119は、再生可能エネルギー導入計画情報と発電機活用計画情報と系統増強計画情報を用いて、廃止発電機を同期調相機として活用する際の投資対効果の指標を算出する。しかし、これに限られず、指標評価部119は、系統増強計画情報だけで、廃止発電機を同期調相機として活用する際の投資対効果の指標を算出してもよい。また、指標評価部119は、系統増強計画情報と再生可能エネルギー導入計画情報で、廃止発電機を同期調相機として活用する際の投資対効果の指標を算出してもよい。更に指標評価部119は、各エリアに設けられている廃止発電機の情報を更に用いて、投資対効果の指標を算出してもよい。これら廃止発電機の情報は、不図示の記憶部に記憶されている。
【0054】
効果評価部112からの信号と投資費用評価部118からの信号は、指標評価部119の投資対効果評価部120に送信される。投資対効果評価部120は、効果評価部112が評価した効果と、投資費用評価部118が評価した投資費用に基づき、廃止発電機を同期調相機として活用することの投資対効果の指標を算出する。廃止発電機活用決定部122は、投資に対する効果の指標から、どの廃止発電機を同期調相機として活用するかを決定する。
【0055】
ここで、もし投資対効果の観点から、廃止発電機を同期調相機として活用するために必要となる追加検討項目があれば、その情報は系統対策検討部111へ送信される。
【0056】
系統対策検討部111は、追加検討項目を加味して、上記と同じように、廃止発電機を同期調相機として活用した際の系統安定度の評価を行い、評価結果を効果評価部112や発電機活用計画部103に送信する。このように、系統増強計画部102、発電機活用計画部103および指標評価部119の間で情報をやり取りすることで、最終的に、どの廃止発電機を同期調相機として活用するかという工事内容と、同期調相機としての運用方法が決定する。
【0057】
本実施形態によれば、送配電事業者の系統増強計画、および、発電事業者の廃止発電機の同期調相機化による投資対効果を最適化することが可能となる。更に、国の再エネ導入計画の投資対効果も最適化することが可能となる。
【0058】
《第2の実施形態》
第1の実施形態の投資費用評価部118において、投資費用を工事費用と運用費用から試算することが考えられる。そこで第2の実施形態では、投資費用を初期費用である工事費用と、それ以外の運用費用の観点から整理した情報を用意し、投資費用評価部118で活用している。
【0059】
図8Aと
図8Bは、第2の実施形態に係る投資対評価情報を示す図である。
投資費用評価部118は、投資費用を工事費用(CAPEX:Capital Expenditure)と運用費用(OPEX:Operating Expenditure)に分類している。
【0060】
図8Aは、工事費用情報802を示す図である。
工事費用情報802は、列方向に項目欄8021と評価結果欄8022とで構成され、行方向に各項目に係る情報が格納される。
【0061】
工事費用情報802における項目欄8021には、駆動機の設置、駆動用インバータの設置、駆動機の保護、監視盤の設置、冷却装置の設置、駆動用インバータの運転、駆動用インバータの保護、タービンの切断、潤滑油の設置、冷却水装置の設置、インバータ用変圧器の設置、タービン開口部の基礎の設置、ケーブル工事などがある。なお、工事費用情報802には、上記に例示した以外の工事項目が追加されてもよい。工事費用情報802の評価結果欄8022には、各項目の工事に必要となる工事費用が円単位で記載されている。
【0062】
図8Bは、運用費用情報803を示す図である。
運用費用情報803は、列方向に項目欄8031と評価結果欄8032とで構成され、行方向に各項目に係る情報が格納される。
【0063】
この運用費用情報803では、同期調相機の運転費用(電気代)や、同期調相機の運転のための人件費など、運用に関する費用が評価されている。なお、運用費用情報803に例として記載した以外の工事項目が追加されてもよい。運用費用情報803には、各運用に必要となる費用が1年あたりの円単位で記載されている。
【0064】
《第3の実施形態》
第1の実施形態の効果評価部112において、廃止発電機の同期調相機化による効果を温室効果ガス削減に係る費用で試算することが考えられる。そこで第3の実施形態では、温室効果ガスの削減に係る項目から廃止発電機の同期調相機化による効果を整理したデータベースを用意し、効果評価部112で活用する。
【0065】
図9は、第3の実施形態に係る便益評価情報901を示す図である。この便益評価情報901は、効果評価部112が評価した結果の例である。
便益評価情報901は、列方向に項目欄9011と評価結果欄9012とを含み、行方向に各項目に係る評価情報が格納される。
【0066】
項目欄9011には、再生可能エネルギー接続量増加に伴う化石燃料の削減費用、二酸化炭素排出量に伴う二酸化炭素排出権買取の削減費用、同期調相機がない場合の系統増強にかかる削減費用など、温室効果ガス削減に係る費用が評価項目として記載されている。なお、項目欄9011には、例として記載した以外の項目が追加されてもよい。評価結果欄9012は、各項目の便益が円単位で記載されている。評価結果欄9012の合計が、効果評価部112が算出した便益となる。
【0067】
つまり効果評価部112は、系統対策検討部111で特定された廃止発電機を同期調相機として活用した際の効果として、再生可能エネルギーの接続量増加により相対的に減少する火力発電所の出力低下に伴う化石燃料の削減費用、再生可能エネルギーの接続量増加により減少する二酸化炭素排出量に伴う二酸化炭素排出権買取の削減費用、および同期調相機の活用により不要となる系統増強の削減費用のうち何れかを選定する。
【0068】
《第4の実施形態》
第1の実施形態の投資対効果評価部120において、指標評価部119で用いる指標として費用便益比を用いることが考えられる。そこで本実施形態では、投資対効果評価部120における評価に、費用便益比を用いている。
【0069】
図10は、第4の実施形態に係る費用便益の評価方法を示す図である。
第4の実施形態において、効果評価部112は、廃止発電機を同期調相機として活用することによる便益を金額として評価する。廃止発電機を同期調相機として活用することによる便益は、例えば第3の実施形態で記載した化石燃料費の削減費用、二酸化炭素排出量に伴う二酸化炭素排出権買取の削減費用、系統増強の削減費用などが挙げられる。効果評価部112は、評価した便益を、投資対効果評価部120に送信する。
【0070】
また投資費用評価部118は、廃止発電機を同期調相機として活用するために必要な投資費用を試算する。廃止発電機を同期調相機として活用するために必要な投資費用は、例えば第2の実施形態に記載の工事費用や運用費用などが挙げられる。投資費用評価部118は、試算した投資費用を投資対効果評価部120に送信する。
【0071】
投資対効果評価部120は、効果評価部112で算出された便益と、投資費用評価部118で算出された費用に基づき、費用便益比を算出する。具体的にいうと投資対効果評価部120は、便益から費用を除算して、費用便益比を計算する。費用に対して便益が大きいほど、費用便益比は大きくなる。費用便益比が大きいことは、投資対効果として有益なものであることを表す。
【0072】
つまり投資対効果評価部120は、廃止発電機を同期調相機として活用することによる経済的な便益と、廃止発電機を同期調相機として活用するために必要となる費用を算出し、便益を費用で除算した費用便益比を投資対効果の指標として選定する。この投資対効果評価部120は、再生可能エネルギーの接続量増加により相対的に減少する火力発電所の出力低下に伴う化石燃料の削減費用、二酸化炭素排出権買取に要する費用減少、および、同期調相機活用により不要となる系統増強の削減費用のうち1つ以上を合計して、廃止発電機を同期調相機として活用することによる経済的な便益を算出する。投資対効果評価部120は、廃止発電機を同期調相機として活用するために必要となる費用を、この工事内容に必要となる初期費用、同期調相機の運転費用および同期調相機の運用にかかる人件費費用のうち1つ以上から算出する。
【0073】
廃止発電機活用決定部122は、費用便益比と基準値とを比較し、費用便益比の方が基準値よりも大きい場合、この廃止発電機を同期調相機として活用することを決定する。このように、投資対効果評価部120が算出した費用便益比により、廃止発電機活用決定部122は、どの廃止発電機を同期調相機として活用するかを決定できる。
【0074】
《第5の実施形態》
第1の実施形態の投資対効果評価部120において、廃止発電機の同期調相機の投資対効果を算出する際には、投資対効果を算出するだけではなく、算出した後の投資対効果について、他施策との効果の比較をする必要がある。そこで第5の実施形態では、投資対効果評価部120に、廃止発電機を同期調相機として活用する際の投資対効果を他施策と比較するために、費用便益比や系統制約への影響評価など、様々な観点で比較するための機能を追加することを発明した。
【0075】
図11は、第5の実施形態に係る費用便益評価における他施策との比較画面1100を示す図である。
この比較画面1100は、列方向に対策ケース欄1101と、費用便益評価欄1102と、慣性欄1103と、無効電力欄1104と、無効電力欄1105とを含み、行方向に各対策ケースについての結果を示したテーブルが表示されている。この比較画面1100は、
図1に示した投資対効果評価部120によって表示される。
【0076】
対策ケース欄1101には、廃止発電機の同期調相機化の他、無効電力補償装置の設置、送電線の系統増強、蓄電池や電気自動車などの対策を表示する欄である。
費用便益評価欄1102は、各施策の投資対効果を評価するための指標を表示する欄であり、第4の実施形態の費用便益評価が表示されている。
慣性欄1103と、無効電力欄1104と、無効電力欄1105とは、系統制約に係る評価項目を表示する欄である。
【0077】
ここで
図1に戻り、投資対効果評価部120の機能を説明する。本実施形態においては、投資対効果をいくつかの対策ごとに比較するため、対策ケースをいくつか事前検討する。ここで対策ケースには、廃止発電機の同期調相機化の他に、無効電力補償装置の設置、送電線の系統増強、蓄電池や電気自動車などの対策がある。
【0078】
系統対策検討部111は、無効電力供給機器を用いる他施策を立案する。ここで無効電力供給機器は、静止型無効電力補償装置または自励式無効電力補償装置である。
効果評価部112は、この他施策の投資対効果の指標として、これら他施策の便益から他施策の費用を除算して費用便益比を算出する。効果評価部112は、他施策の便益として、再生可能エネルギーの接続量の増加により相対的に減少する火力発電所の出力低下に伴う化石燃料の削減費用、二酸化炭素排出権買取に要する費用減少のうち1つ以上を合計して算出する。効果評価部112は、これら他施策の費用として、他施策の工事費用、運転費、および人件費のうち1つ以上を合計して算出する。
【0079】
次に投資対効果評価部120は、投資対効果を評価するための指標として、比較画面1100の費用便益評価欄1102に、第4の実施形態の費用便益評価を示す。この費用便益評価を算出するにあたり、系統対策検討部111および効果評価部112が、各対策に対して効果の試算を行う。費用の試算にあたっては、発電機活用計画部103と同様に、例えば無効電力補償装置であれば、無効電力補償装置に係る情報を格納した不図示のサーバから、無効電力補償装置の製造費用や運用費用を取得する。
【0080】
指標評価部119は、各施策に係る費用および便益により、各施策の費用便益比を算出して、比較画面1100の費用便益評価欄1102に表示する。これにより、ユーザは、費用便益比の観点で最も有効な対策を判断できる。
【0081】
対策ケースごとの比較に関しては、費用便益比の他にも、系統制約への影響も考慮する必要があると考えられる。そこで本実施形態の投資対効果評価部120は、系統制約に係る評価項目を、比較画面1100の慣性欄1103と、無効電力欄1104と、無効電力欄1105に比較可能に示している。この評価項目以外にも、周波数安定性や同期化力など、系統制約に係る評価項目を評価して、比較画面1100などに表示してもよい。これら評価項目それぞれに対してその性能を比較可能に表示することにより、ユーザは、費用便益比のみではなく、系統制約の観点で必要となる対策を選択することが可能となる。
【0082】
《第6の実施形態》
第1の実施形態に記載の再エネ導入計画部101では、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態および第5の実施形態に記載されたような、系統増強計画部102、発電機活用計画部103および指標評価部119における投資対効果の評価は考慮されていなかった。
【0083】
しかしながら、投資対効果評価部120の評価を受けて、投資対効果の高いエリアでの同期発電機活用による再生可能エネルギーの接続量の増加の可能性が見込まれる場合、再エネ導入計画部101における各エリアの導入量が変化し、再エネデータベース107が修正されることも考えられる。そこで本実施形態においては、投資対効果評価部120の結果を、再エネデータベース107へ反映させる機能を追加した。
【0084】
図12は、第6の実施形態に係る、既存設備の活用計画策定装置100の構成図である。
再エネ導入計画部101は、再エネ導入計画修正部121を含んでいる。この再エネ導入計画修正部121は、廃止発電機活用決定部122の結果を受け取り、その結果を受けて再エネデータベース107を修正すると共に、再エネ導入計画修正画面1401に再エネデータベース107の内容を表示する機能を有する。この再エネ導入計画修正部121は、廃止発電機活用決定部122が決定した同期調相機の能力と各エリアの電力系統の解析情報に基づき、各エリアの再生可能エネルギー導入量を修正する。
【0085】
図13は、エリア毎の再エネ導入計画の修正処理を示すフローチャートである。
廃止発電機活用決定部122の結果を受け取ると、再エネ導入計画修正部121は、廃止発電機を同期調相機として活用したときの能力を評価する(ステップS10)。そして再エネ導入計画修正部121は、各エリアの電力系統を解析する(ステップS11)。
再エネ導入計画修正部121は、同期調相機の能力と電力系統の解析結果から、各エリアへの再エネ導入可能量を算出すると(ステップS12)、
図13の処理を終了する。
【0086】
図14は、第6の実施形態に係る、各エリアの再エネ導入計画修正画面1401を示す図である。
再エネ導入計画修正画面1401は、列方向にエリア名欄14011と変更前再エネ導入量欄14012と変更後再エネ導入量欄14013とを含んで構成され、行方向に各エリアの情報が並べられる。
【0087】
図12や
図13に示すように、再エネ導入計画修正部121からの信号により、各エリアにおける再エネ導入量が変化する。ここで同期発電機の設置立地をエリア#1とし、変更前再エネ導入量をα、変更後の再エネ導入量をα1としたとき、同期調相機の設置により、再エネ接続量(α1-α)が拡大する。エリア#2およびエリア#3に関しても、再生可能エネルギーの導入量が変化してもよい。
【0088】
すなわち、再エネ導入量の目標値を制約条件とした場合、エリア#1で再生可能エネルギーの接続量が増加したことを踏まえ、エリア#2,#3…での再エネ導入量の合計値を(α1-α)だけ減らしてもよく、または減らさなくてもよい。その結果、変更前の全エリアの再エネ導入量の合計値よりも、変更後の全エリアの再エネ導入量の合計値を増加させることができる。
【0089】
《第7の実施形態》
第1の実施形態においては、再エネ導入計画部101と、系統増強計画部102と、発電機活用計画部103の全ての情報を用いて指標評価部119による投資対効果を算出した。しかし、制約条件によっては、再エネ導入計画部101と、系統増強計画部102と、発電機活用計画部103のうち2つの情報を用いるのみでも本発明の効果で得られ、本発明の課題であった再生可能エネルギー接続量増加時の系統増強費用を低減しながら、温室効果ガスの排出量削減を達成することが可能となる。そこで本実施形態では、そのような制約条件について定義することを発明した。
【0090】
まず第1の実施形態の発電機活用計画部103について、廃止発電機の同期調相機化に係る工事費用、耐用年数など、投資対効果評価部120における評価に必要な投資につついて、発電機活用計画部103からの情報も不要な公知情報である場合は、効果評価部112から発電機活用計画部103への情報の送信は不要となる。このときには、再エネ導入計画部101と系統増強計画部102のみの情報のやり取りにより、廃止発電機の同期調相機の活用に関する投資対効果が可能となる。
【0091】
また、再生可能エネルギーの接続予定地が、同期調相機による無効電力、同期化力の供給が期待できる立地にある場合、同期調相機による導入による該当エリアにおける再生可能エネルギーの接続量拡大が期待できる。このような場合には、系統増強計画部102による試算がなくとも、再エネ導入計画部101と発電機活用計画部103による情報のやり取りのみで、廃止発電機の同期調相機化に関する検討を実施することが可能となる。
【0092】
更に再エネ導入計画部101から、再エネデータベース107が系統増強計画部102に送信されなかったとしても、公知となっている現状の再エネ導入量や、国の政策で報告されている再エネ導入量の目標値から、広域系統断面作成部108において独自に将来の再エネ接続量拡大時の広域系統断面を作成して、その後の評価を実施することが可能となる。この場合、系統増強計画部102と発電機活用計画部103との間の情報のやり取りで、廃止発電機の同期調相機活用に関する検討が可能となる。
【0093】
以上に記載の通り、第7の実施形態においては、再エネ導入計画部101と、系統増強計画部102と、発電機活用計画部103のうち2つの情報を用いることで本発明の効果を達成できる。そのため本発明は、再エネ導入計画部101と、系統増強計画部102と、発電機活用計画部103の全ての情報を用いた発明に限定するものではない。
【0094】
(変形例)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【0095】
上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路などのハードウェアで実現してもよい。上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈して実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、フラッシュメモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体に置くことができる。
【0096】
各実施形態に於いて、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0097】
以下に、原出願の当初請求項を転記する。
【0098】
[1]
各エリアの電力系統を模擬した広域の電力系統に基づき、系統増強が必要な場所を特定する系統増強計画情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記系統増強計画情報を用いて、廃止発電機を同期調相機として活用する際の投資対効果の指標を算出する指標評価部と、
前記指標に基づいて同期調相機として活用する前記廃止発電機を決定する廃止発電機活用決定部と、
を備えることを特徴とする既設設備の活用計画策定装置。
[2]
前記記憶部は、将来の再生可能エネルギーの各エリアの導入量を予測した再生可能エネルギー導入計画情報を記憶し、
前記指標評価部は、投資対効果の指標を算出する際に、前記再生可能エネルギー導入計画情報も用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[3]
前記記憶部は、各エリアに設けられている廃止発電機の情報を記憶し、
前記指標評価部は、投資対効果の指標を算出する際に、廃止発電機の情報も用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[4]
前記再生可能エネルギー導入計画情報は、風力、洋上風力、太陽光、波力、潮力、流水、地熱、バイオマスのうち1つ以上の再生可能エネルギーの接続量の現在の接続量情報、または接続量予測情報を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[5]
前記再生可能エネルギー導入計画情報は、再生可能エネルギーの接続量の現在の接続量情報、または接続量予測情報を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[6]
各前記エリアは、同じ送配電事業者の管轄下にある、
ことを特徴とする請求項1に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[7]
各前記エリアは、異なる送配電事業者の管轄下にある、
ことを特徴とする請求項1に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[8]
前記再生可能エネルギー導入計画情報に基づき、各前記エリアを跨る電力系統断面を作成する広域系統断面作成部と、
前記広域系統断面作成部において解析する想定故障条件を選定する想定故障条件選定部と、
前記想定故障条件選定部で選定された故障が発生した際の潮流計算、過渡安定度計算を実施する系統影響度評価部と、
前記系統影響度評価部で評価された結果に基づき、電力系統の安定度を向上させる対策を立案する系統対策検討部と、
前記系統対策検討部で立案された対策の効果を評価する効果評価部と、
ことを特徴とする請求項2に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[9]
前記広域系統断面作成部は、前記再生可能エネルギー導入計画情報に基づき、各前記エリアについて、再生可能エネルギーの接続量の現在の接続量または接続量予測情報と、前記系統増強計画情報に含まれる系統構成、系統インピーダンス、対設置容量、発電機データとを用いて、系統影響度評価に必要となる系統断面を作成する、
ことを特徴とする請求項8に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[10]
前記系統影響度評価部は、前記広域系統断面作成部で作成された前記系統断面と、前記想定故障条件選定部で設定された想定故障の情報に基づき、事故時および平常時の系統制約条件を計算する、
ことを特徴とする請求項9に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[11]
前記系統影響度評価部は、前記系統制約条件として同期安定性における発電機内部位相角や、周波数安定性における周波数の最大値および最小値、電圧安定性におけるP-Vカーブのノーズポイントまでの負荷余裕、過渡的な電圧、および過負荷のうち1つ以上を選定する、
ことを特徴とする請求項10に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[12]
前記系統対策検討部は、前記系統影響度評価部における前記系統制約条件の評価において、当該系統制約条件を満たせないならば、課題が生じる電力系統の位置を特定する、
ことを特徴とする請求項10に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[13]
前記系統対策検討部は、前記課題が生じる電力系統の位置に対し、同期調相機として活用した際に、課題解決に貢献可能となる廃止発電機を選定する、
ことを特徴とする請求項12に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[14]
前記効果評価部は、前記系統対策検討部で特定された前記廃止発電機を前記同期調相機として活用した際の効果を検証する、
ことを特徴とする請求項13に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[15]
前記効果評価部は、前記系統制約条件として、同期安定性における発電機内部位相角、周波数安定性における周波数の最大値および最小値、電圧安定性におけるP-Vカーブのノーズポイントまでの負荷余裕、過渡的な電圧、および、過負荷のうち1つ以上を評価対象の効果として選定する、
ことを特徴とする請求項13に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[16]
前記効果評価部は、前記系統対策検討部で特定された前記廃止発電機を同期調相機として活用した際の効果として、再生可能エネルギーの接続量増加により相対的に減少する火力発電所の出力低下に伴う化石燃料の削減費用、再生可能エネルギーの接続量増加により減少する二酸化炭素排出量に伴う二酸化炭素排出権買取の削減費用、および前記同期調相機の活用により不要となる系統増強の削減費用のうち何れかを選定する、
ことを特徴とする請求項13に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[17]
前記記憶部は更に、各前記エリアの廃止発電機の情報を有する発電機活用計画情報を記憶し、
前記発電機活用計画情報に含まれる各前記エリアの発電機情報に基づき、前記廃止発電機を前記同期調相機として活用するため工事内容を決定する工事内容決定部と、
前記工事内容決定部の決定内容に基づき投資費用を評価する投資費用評価部と、
を更に備えることを特徴とする請求項16に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[18]
各前記エリアの発電機情報は、廃止発電機の容量、外部指令に対する応答速度、稼働年数、耐用年数、発電機の固定子の巻線の保全状況、発電機活用に関する地元住民の理解に関する情報のうち1つ以上を備えている、
ことを特徴とする請求項17に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[19]
各前記エリアの発電機情報は、前記発電機活用計画情報を含む、
ことを特徴とする請求項17に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[20]
前記工事内容決定部は、前記廃止発電機を前記同期調相機として活用するための前記工事内容として、駆動機の設置、駆動用インバータの設置、駆動機の運転、駆動機の保護、駆動用インバータの運転、駆動用インバータの保護、監視盤の設置、中央操作室盤の設置、タービンの切断、潤滑油装置の設置、冷却水装置の設置、インバータ用変圧器の設置、タービン開口部の基礎の設置、ケーブル工事のうち1つ以上を選定する、
ことを特徴とする請求項17に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[21]
前記投資費用評価部は、前記工事内容に必要となる初期費用から前記投資費用を算出する、
ことを特徴とする請求項20に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[22]
前記投資費用評価部は、前記同期調相機の運転費用および前記同期調相機の運用にかかる人件費費用のうち1つ以上から前記投資費用を算出する、
ことを特徴とする請求項20に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[23]
前記投資費用評価部は、前記投資費用を算出する際に割引率を考慮した均等化費用計算を適用する、
ことを特徴とする請求項20に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[24]
前記指標評価部は、前記効果評価部が評価した効果と、前記投資費用評価部が評価した投資費用に基づき、廃止発電機を同期調相機として活用することの投資対効果の指標を算出する投資対効果評価部を備える、
ことを特徴とする請求項20に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[25]
前記投資対効果評価部は、廃止発電機を同期調相機として活用することによる経済的な便益と、廃止発電機を同期調相機として活用するために必要となる費用を算出し、便益を費用で除算した費用便益比を前記投資対効果の指標として選定する、
ことを特徴とする請求項24に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[26]
前記投資対効果評価部は、再生可能エネルギーの接続量増加により相対的に減少する火力発電所の出力低下に伴う化石燃料の削減費用、二酸化炭素排出権買取に要する費用減少、および、同期調相機活用により不要となる系統増強の削減費用のうち1つ以上を合計して、廃止発電機を同期調相機として活用することによる経済的な便益を算出する、
ことを特徴とする請求項25に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[27]
前記投資対効果評価部は、廃止発電機を同期調相機として活用するために必要となる費用を、前記工事内容に必要となる初期費用、前記同期調相機の運転費用および前記同期調相機の運用にかかる人件費費用のうち1つ以上から算出する、
ことを特徴とする請求項25に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[28]
前記系統対策検討部は更に、無効電力供給機器を用いる他施策を立案し、
前記効果評価部は更に、前記他施策の投資対効果の指標を算出する、
ことを特徴とする請求項25に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[29]
前記系統対策検討部は、前記無効電力供給機器として、静止型無効電力補償装置または自励式無効電力補償装置を選定する、
ことを特徴とする請求項28に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[30]
前記効果評価部は、前記他施策の投資対効果の指標として、前記他施策の便益から前記他施策の費用を除算して費用便益比を算出する、
ことを特徴とする請求項28に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[31]
前記効果評価部は、前記他施策の便益として、再生可能エネルギーの接続量の増加により相対的に減少する火力発電所の出力低下に伴う化石燃料の削減費用、二酸化炭素排出権買取に要する費用減少のうち1つ以上を合計して算出する、
ことを特徴とする請求項30に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[32]
前記効果評価部は、前記他施策の費用として、前記他施策の工事費用、運転費、および人件費のうち1つ以上を合計して算出する、
ことを特徴とする請求項30に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[33]
前記指標評価部が算出した指標に基づき、各前記エリアの再生可能エネルギー導入量を修正する再エネ導入計画修正部、を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[34]
前記再エネ導入計画修正部は、前記廃止発電機活用決定部が決定した前記同期調相機の能力と各前記エリアの電力系統の解析情報に基づき、各前記エリアの再生可能エネルギー導入量を修正する、
ことを特徴とする請求項33に記載の既設設備の活用計画策定装置。
[35]
各エリアの電力系統を模擬した広域な電力系統に基づき、系統増強が必要な場所を特定する系統増強計画情報を用いて、指標評価部が、廃止発電機を同期調相機として活用する際の投資対効果の指標を算出するステップと、
廃止発電機活用決定部が、前記指標に基づいて同期調相機として活用する前記廃止発電機を決定するステップと、
を実行することを特徴とする既設設備の活用計画策定方法。
【符号の説明】
【0099】
100 活用計画策定装置
101 再エネ導入計画部
107 再エネデータベース
107a 再エネ導入量
107b 再エネ導入量
107c 再エネ導入量
102 系統増強計画部
108 広域系統断面作成部
109 想定故障条件選定部
110 系統影響度評価部
111 系統対策検討部
112 効果評価部
103 発電機活用計画部
116 発電機データベース
116a 発電機情報
116b 発電機情報
116c 発電機情報
117 工事内容決定部
118 投資費用評価部
119 指標評価部
120 投資対効果評価部
121 再エネ導入計画修正部
122 廃止発電機活用決定部
20a エリア
20b エリア
201,201a,201b 電力需要地
21,203a,203b 送電線
202 再エネ発電部
202a~202c 再エネ電源
300 想定故障データベース
301 日時データ
302 想定故障ケース欄
303 故障箇所欄
304 故障様相欄
401~403 系統事故
5 系統事故解析画面
501 系統図
502a 日付欄
502b 時刻欄
503 想定故障条件選定結果
5031 想定故障ケース欄
5032 電制量欄
5033 負制量欄
5034 発電機位相角欄
5035 電圧欄
5036 周波数欄
504 凡例
602 発電機
802 工事費用情報
8021 項目欄
8022 評価結果欄
803 運用費用情報
8031 項目欄
8032 評価結果欄
803 投資費用評価情報
901 便益評価情報
9011 項目欄
9012 評価結果欄
1100 比較画面
1101 対策ケース欄
1102 費用便益評価欄
1103 慣性欄
1104,1105 無効電力欄
1401 再エネ導入計画修正画面
14011 エリア名欄
14012 変更前再エネ導入量欄
14013 変更後再エネ導入量欄