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特開2024-174082イベント提供プログラム、イベント提供システムおよびイベント提供方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174082
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】イベント提供プログラム、イベント提供システムおよびイベント提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241206BHJP
【FI】
G06Q30/0601 340
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024167946
(22)【出願日】2024-09-26
(62)【分割の表示】P 2023011418の分割
【原出願日】2021-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100155402
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 真
(72)【発明者】
【氏名】津田 真
(72)【発明者】
【氏名】柴田 啓太
(72)【発明者】
【氏名】伏木 真波
(57)【要約】
【課題】拡張現実を用いたイベントを開催することができ、かつ当該イベントにおいて物販やサービス提供を行えるようにする。
【解決手段】イベント提供プログラムが、サーバに、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示機能と、前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御機能と、前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示機能とを実現させる。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベント提供プログラムであって、
サーバに、
仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示機能と、
前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御機能と、
前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示機能と、
を実現させるためのイベント提供プログラム。
【請求項2】
前記権限取得用情報表示機能では、前記表示装置に表示された前記商品またはサービスを示す情報である商品等情報に対するユーザによる入力操作情報を取得した場合に、前記権限取得用情報を前記表示装置に表示させる機能を
実現させるための請求項1に記載のイベント提供プログラム。
【請求項3】
前記権限取得用情報表示機能では、前記表示装置における前記第1オブジェクトが表示される第1領域とは異なる第2領域に前記権限取得用情報を表示させる機能を
実現させるための請求項1または請求項2に記載のイベント提供プログラム。
【請求項4】
前記表現制御機能では、前記権限の取得の有無に応じて前記表現を制御する機能を
実現させるための請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のイベント提供プログラム。
【請求項5】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えるイベント提供システムであって、
仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示手段と、
前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御手段と、
前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための表示(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示手段と、
を含む、イベント提供システム。
【請求項6】
イベント提供プログラムであって、
ユーザ端末に、
仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示機能と、
前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御機能と、
前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための表示(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示機能と、
を実現させるためのイベント提供プログラム。
【請求項7】
コンピュータ装置によるイベント提供方法であって、
仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示処理と、
前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御処理と、
前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための表示(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示処理とを含む、
イベント提供方法。
【請求項8】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えるイベント提供システムによる、イベント提供方法であって、
仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示処理と、
前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御処理と、
前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための表示(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示処理とを含む、
イベント提供方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の少なくとも1つは、イベント提供プログラム、イベント提供システムおよびイベント提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ライブイベントとともに拡張現実を使用するための方法が記載されている。前記方法は、コンピュータ制御デバイスがライブイベントに対応するデータストリームを受信するステップを含む。データストリームはライブビデオを含む。ライブビデオはライブオブジェクトを含む。前記方法は、コンピュータ制御デバイスがユーザからの入力を受け取るステップを含む。ユーザからの入力は仮想オブジェクトの挙動に影響を与える。前記方法は、コンピュータ制御デバイスが仮想オブジェクトによって拡張されたライブイベントを提示するステップを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2014-517566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、音楽ライブにおけるアーチストや舞台演劇における役者等をキャラクタまたはオブジェクトとして現実空間に重畳するように表示(AR表示)させてイベントを行えば、拡張現実を用いて拡張された空間(以下、拡張空間)でライブイベントそのものを実施できるようになる。さらに、当該イベントに関連する商品やサービスを当該イベントと合わせて提供すれば、イベントの参加者に対して拡張空間上で物販やサービスの提供を行うことができるようになる。
【0005】
本発明の少なくとも一つの実施形態の目的は、上記課題を解決し、拡張現実を用いたイベントを開催することができ、かつ当該イベントにおいて物販やサービス提供を行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るイベント提供プログラムは、サーバに、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示機能と、前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御機能と、前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示機能と、を実現させるためのものである。
【0007】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るイベント提供システムは、通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えるイベント提供システムであって、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示手段と、前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御手段と、前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための表示(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示手段とを含むものである。
【0008】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るイベント提供プログラムは、ユーザ端末に、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示機能と、前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御機能と、前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための表示(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示機能と、を実現させるためのものである。
【0009】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るイベント提供方法は、コンピュータ装置によるイベント提供方法であって、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示処理と、前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御処理と、前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための表示(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示処理とを含むものである。
【0010】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るイベント提供方法は、通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えるイベント提供システムによる、イベント提供方法であって、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示処理と、前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御処理と、前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための表示(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示処理とを含むものである。
【発明の効果】
【0011】
本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供システムの構成の例を示す図である。
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供処理の例を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図5】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供処理の例を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図7】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供処理の例を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図9】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供処理の例を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供システムの構成の例を示す図である。
図11】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供システムの構成を示すブロック図である。
図12】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供処理の例を示すフローチャートである。
図13】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザ端末の構成を示すブロック図である。
図14】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供処理の例を示すフローチャートである。
図15】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図16】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供処理の例を示すフローチャートである。
図17】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。
図18】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。
図19】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。
図20】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。
図21】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。
図22】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。
図23】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。
図24】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローやシーケンスを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0014】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の概要について説明をする。以下では、第1の実施形態として、サーバにおいて実行されるイベント提供プログラムを例示して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供システムの構成の例を示す図である。イベント提供システム100は、イベント提供処理サーバ10(サーバ10)と、イベント提供システム100のユーザが使用するユーザ端末20とを備える。ユーザ端末20A、20B、および20Cはそれぞれ、ユーザ端末20の一例である。イベント提供システム100の構成はこれに限定されない。例えば、イベント提供システム100は、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成であってよい。イベント提供システム100が複数のサーバを備えてもよい。例えば、イベント提供システム100が他サーバ40を更に備えてもよい。
【0016】
イベント提供システム100は応対者装置60をさらに備えることがある。応対者装置60は、例えば後述の物販テント(図21参照)に訪れたユーザに応対する応対者SPが使用する。応対者装置60の具体例として、サーバ装置、クライアント装置、および後述のユーザ端末等がある。
【0017】
サーバ10、ユーザ端末20、他サーバ40、および応対者装置60は、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に通信可能に接続されている。通信ネットワーク30を介したサーバ10、ユーザ端末20、他サーバ40、および応対者装置60の相互間の接続は有線接続であっても無線接続であってもよい。例えば、複数のユーザ端末20は、通信事業者が管理する基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことにより、通信ネットワーク30と接続してよい。
【0018】
イベント提供システム100は、サーバ10とユーザ端末20とを備えることにより、ユーザの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0019】
サーバ10は、プロセッサ11と、メモリ12と、記憶装置13とを備える。プロセッサ11は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、メモリ12に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ11にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置13に記憶させる。
【0020】
記憶装置13は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置13の構成は特に限定されないが、ユーザ端末20にかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、イベント提供システム100にて行われる制御に必要な各種情報を全て記憶可能な構成であることが好ましい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶装置は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。サーバ10は、イベント提供システム100の管理者等によって管理され、複数のユーザ端末20に対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。サーバ10は、AR表示用データをレンダリング可能なゲームサーバなどの情報処理装置によって構成される。
【0021】
ユーザ端末20は、AR表示を伴う情報サービスをユーザに対して提供することが可能な通信端末によって構成される。このような通信端末の例として、例えばスマートフォンなどの携帯電話端末20A、ARグラス20Bおよび20Cなどがある。通信端末は、据置型ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、パーソナルコンピュータ、ゲーミングPC、所謂ウェアラブルデバイス、または前述の通信端末を複数組み合わせたものなどであってもよい。イベント提供システム100が含み得るユーザ端末の構成はこれらに限定されず、ユーザがAR表示を視認し得る構成であればよい。
【0022】
ユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、記憶装置23とを備える。プロセッサ21は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、ユーザ端末20がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。ユーザ端末20は、メモリ22に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ21にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置23に記憶させる。記憶装置23は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。
【0023】
ユーザ端末20は、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10、他サーバ40、または応対者装置60との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える。なお、複数のユーザ端末20のそれぞれは、サーバ10、他サーバ40、または応対者装置60を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0024】
ユーザ端末20には表示装置が内蔵されていてよい。ユーザ端末20に対して表示装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。表示装置は静止画や動画などの画像を表示する。表示装置はゲーム画面を表示してもよい。表示装置は、通信ネットワーク30を介して応対者装置60から直接、またはサーバ10等をさらに経由して取得したデータに基づいて、応対者SPの姿を表示してもよい。また、表示装置は、現実空間に対して重畳される拡張現実(AR)表示を行うことができる。表示装置には、例えば、ホログラム表示が可能なホログラムディスプレイ装置や、画像(ゲーム画面を含む)をスクリーン等に映写する映写装置なども含まれる。図1の例では、携帯電話端末20Aが備えるタッチパネル画面や、ARグラス20B、および20Cが備えるARディスプレイ等が、表示装置に相当する。
【0025】
ユーザ端末20には入力装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して入力装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。入力装置はユーザによる操作入力を受け付ける。ユーザによる操作入力に応じて、サーバ10が備えるプロセッサまたはユーザ端末20が備えるプロセッサが、各種の制御処理を実行する。入力装置の例として、携帯電話端末20Aが備えるタッチパネル画面、ARグラス20Bに無線接続あるいは有線接続されたコントローラCTRなどがある。また、ユーザ端末20が備えるカメラも入力装置に相当し得る。ユーザはカメラの前で手を動かす等のジェスチャーにより、操作入力を行う(ジェスチャー入力)。
【0026】
その他、ユーザ端末20はスピーカ等の他の出力装置を備えていてよい。他の出力装置は、ユーザに対して各種の情報を出力する。出力される情報には、例えば、応対者SPが発した音声などが含まれる。他の出力装置は、ユーザが購入する商品、またはユーザが提供を受けるサービスの内容を示す音声情報を出力してよい。なお、他の出力装置は音声出力装置には限られず、他の種類の情報を出力してもよい。その他、ハプティクス技術を用いた他の出力装置が、触覚情報を出力してもよい。
【0027】
他サーバ40は、プロセッサ41と、メモリ42と、記憶装置43とを備える。プロセッサ41は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、他サーバ40がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。他サーバ40は、メモリ42に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ41にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置43に記憶させる。
【0028】
記憶装置43は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置43の構成は特に限定されない。各種情報を記憶する記憶装置は、他サーバ40がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域を他サーバ40の外部に有する構成とされていてもよい。他サーバ40は、イベント提供システム100の管理者等によって管理されても、これ以外の者によって管理されてもよく、複数のユーザ端末20に対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。他サーバ40は、例えば、実物品の製造や配送を管理するサーバであってよい。他サーバ40は、ライブイベントに係る動画の配信を管理するサーバであってもよい。
【0029】
応対者装置60は、プロセッサ61と、メモリ62と、記憶装置63とを備える。プロセッサ61は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、応対者装置60がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。応対者装置60は、メモリ62に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ61にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置63に記憶させる。記憶装置63は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。
【0030】
応対者装置60は、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10、ユーザ端末20、または他サーバ40との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える。
【0031】
応対者装置60はカメラ64および入力装置65を備える。カメラ64は例えば物販テントの売り子(図21参照)等である応対者SPを撮像する。応対者SPの姿が映り込んだ撮像画像データは、ユーザが商品等を購入する際に、後述のレジ領域において、応対者SPがユーザに応対するために用いられる。入力装置65は応対者SP等による操作入力を受け付ける。応対者SP等による操作入力に応じて、応対者装置60が備えるプロセッサ61が各種の制御処理を実行する。入力装置65の例として、キーボード、マウス、音声操作を行う場合のマイクなどがある。なお、応対者装置60が備えるカメラ64も入力装置に相当し得る。この場合、応対者SPはカメラ64の前で手を動かす等のジェスチャーにより操作入力を行う(ジェスチャー入力)。
【0032】
応対者装置60は表示装置66を備える。表示装置66は応対者装置60に内蔵されていてよい。表示装置66は応対者装置60に対して無線接続あるいは有線接続されていてもよい。表示装置66は静止画や動画などの画像を表示する。表示装置66は、商品を購入するか、サービスの提供を受けるユーザの姿を表示する。表示装置66は、ユーザが購入する商品の内容、またはユーザが提供を受けるサービスの内容を示す情報を表示してもよい。
【0033】
その他、応対者装置60はスピーカ等の他の出力装置を備えていてよい。他の出力装置は、物販テント等を利用するユーザに係る情報を出力する。ユーザに係る情報には、例えば、商品を購入するか、サービスの提供を受けるユーザが発した音声などが含まれる。他の出力装置は、ユーザが購入する商品、またはユーザが提供を受けるサービスの内容を示す音声情報を出力してよい。なお、他の出力装置は音声出力装置には限られず、匂い情報、味覚情報、触覚情報などの他の種類の情報を出力してもよい。
【0034】
図2は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Aは、オブジェクト表示部101と、表現制御部102と、権限取得用情報表示部103とを少なくとも備える。サーバ10Aが備えるプロセッサは、記憶装置に保持(インストール)されたイベント提供プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、オブジェクト表示部101と、表現制御部102と、権限取得用情報表示部103とを機能的に実現する。
【0035】
オブジェクト表示部101は、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる機能を有する。表現制御部102は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する機能を有する。権限取得用情報表示部103は、オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)を表示装置に表示させる機能を有する。
【0036】
次に、本発明の第1の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図3は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供処理の例を示すフローチャートである。
【0037】
オブジェクト表示部101は、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる(St11)。表現制御部102は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する(St12)。権限取得用情報表示部103は、オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)を表示装置に表示させる(St13)。
【0038】
仮想的なオブジェクトは、現実空間ではない仮想空間に出力され得るオブジェクトを意味する。例えば、現実空間における椅子や車などの物体の形状をスキャンして得られる3Dモデリングデータ等によって表現される仮想的な椅子や車などが、ここでいう仮想的なオブジェクトに該当する。また、人間、動物、植物、モンスター等の生物を3Dモデリングデータで表現したものなども、仮想的なオブジェクトに該当する。仮想的なオブジェクトは、妖精や竜などの、架空の対象を仮想的に表現したものであってもよい。なお、仮想的なオブジェクトを表現するためのデータの次元は3次元に限られない。例えば、上記のような対象を2Dデータで表現したものも、ここでいう仮想的なオブジェクトに該当する。
【0039】
現実空間は、現実世界における空間を意味する。現実空間を拡張する仮想空間とは、現実空間に重畳して出力されることが可能な仮想空間(AR空間)を意味する。
【0040】
仮想的なオブジェクトを表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、仮想的なオブジェクトを表示するための表示用データを出力することを意味する。仮想的なオブジェクトを表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、仮想的なオブジェクトを表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0041】
表現とは、例えば歌う、踊る、役を演じる、詩を吟じる、楽器を演奏する、講義を行う、走る、ジャンプする、泣く等のように、受け手に対して何らかの情報を外形的に提示することを意味する。仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御するとは、当該オブジェクトに歌を歌わせる、踊らせる、役を演じさせる、詩を吟じさせる、楽器を演奏させる、講義を行わせる、走らせる、ジャンプさせる、泣かせる等のように、当該オブジェクトのアクションを制御することを含んでいてよい。また、仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御するとは、例えば仮想的な車を5台、円を描くように走らせてオリンピックの五輪マークを表現する、などのように、一以上の仮想的なオブジェクトを介してなんらかの情報を受け手に伝達するものであってもよい。
【0042】
イベントとは、例えば音楽ライブイベント、演劇イベント、セミナーイベント等のように、受け手に対して情報を外形的に提示する場を意味する。
【0043】
商品とは、取引の対象になる物品を意味する。サービスとは、ある主体が他の主体に対して何らかの便益を提供することを意味する。なお、実態はデータである仮想的なオブジェクトを商品と解釈するか、またはサービスの提供に係る対象であると解釈するか、という点については、いずれの解釈であってもよい。
【0044】
オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限(以下、所定の権限と略記する)とは、例えば商品が現実空間における実物体であれば、この実物体を所有する権限、貸与を受ける権限、現実空間で使用する権限などが所定の権限に該当する。商品がデータである場合は、このデータを取得する権限、複製する権限、改変する権限、使用する権限などが所定の権限に該当する。サービスについては、そのサービスを受ける権限などが所定の権限に該当する。
【0045】
非制限的な例示として、所定の権限の具体例を挙げる。
・イベントに登場する仮想的なキャラクタ自体を模した実物品(例えばフィギュア)を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントに登場する仮想的なキャラクタが着用している衣服の実物品を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントに登場する仮想的なキャラクタが所持しているギター等の所持品の実物品を購入または貸与を受ける権限。・イベントに登場する舞台装置(仮想的な舞台装置と、現実空間上の舞台装置の双方を含む)に対応する実物品を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントに登場する仮想的なキャラクタ自体、当該キャラクタが着用した衣服、または当該キャラクタが所持した仮想的な物品を示すデータを取得、または使用する権限。・イベントに登場する実物品または仮想的なオブジェクトについて効果音を付加する権限。例えば仮想的な車のエンジン音が変わるなど。・イベントの公式Tシャツや公式タオルなどの、イベントに関係する実物品を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントで使用された楽曲を収録したCDやDVDなどの物理媒体を購入あるいはその貸与を受ける権限。・イベントまたは表現に関係する楽曲(例えばイベント参加者と同じ事務所に所属する別アーチストが提供する楽曲や、イベントで使用された楽曲を含むコンピレーションアルバムに含まれる他の楽曲)を収録したCDやDVDなどの物理媒体を購入あるいはその貸与を受ける権限。・上記の楽曲を収録したデータをダウンロードまたはストリーミング再生する権限。・例えばイベント参加者が「ピーマン」と発言した場合にピーマンの配送を受けるなどのように、イベントに登場した、または表現に含まれることとなった対象に関係する商品を購入またはその貸与を受ける権限。・上記の各種の対象を示すデータをビデオゲームやAR表示を伴うゲーム等において使用する権限。・上記の各種の対象を、イベントと関連する他の媒体(アニメーション、マンガ、ゲーム等)に登場させる権限。
これらはあくまで例示であり、所定の権限は、上記以外の権限であってもよい。
【0046】
所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)とは、例えば物品の購入権限についての購入ボタンを表示させるための情報のように、ユーザがその情報の提示を受けた場合に、権限を取得するための意思表示を行えるような情報を言う。
【0047】
権限取得情報を表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、権限取得情報を表示するための表示用データを出力することを意味する。権限取得情報を表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、権限取得情報を表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0048】
第1の実施形態の一側面として、拡張現実を用いたイベントを開催することができ、かつ当該イベントにおいて物販やサービス提供を行うことができる。
【0049】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の概要について説明をする。以下では、第2の実施形態として、サーバにおいて実行されるイベント提供プログラムを例示して説明する。なお、サーバは、図1に記載のイベント提供システム100が備えるサーバ10であってよい。
【0050】
図4は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Bは、オブジェクト表示部101と、表現制御部102と、権限取得用情報表示部103Bとを少なくとも備える。サーバ10Aが備えるプロセッサは、記憶装置に保持(インストール)されたイベント提供プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、オブジェクト表示部101と、表現制御部102と、権限取得用情報表示部103Bとを機能的に実現する。
【0051】
オブジェクト表示部101は、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる機能を有する。表現制御部102は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する機能を有する。
【0052】
権限取得用情報表示部103Bは、表示装置に表示された商品またはサービスを示す情報である商品等情報に対するユーザによる入力操作情報を取得した場合に、権限取得用情報を表示装置に表示させる機能を有する。
【0053】
次に、本発明の第2の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図5は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供処理の例を示すフローチャートである。
【0054】
オブジェクト表示部101は、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる(St21)。表現制御部102は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する(St22)。
【0055】
権限取得用情報表示部103Bは、表示装置に表示された商品またはサービスを示す情報である商品等情報に対するユーザによる入力操作情報を取得する(St23)。そして権限取得用情報表示部103Bは、前記の入力操作情報を取得した場合に、オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)を表示装置に表示させる(St24)。
【0056】
ステップSt21およびSt22に係る各用語、ならびに権限取得用情報の意味については第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0057】
ユーザによる入力操作情報とは、ユーザが入力した操作情報を意味する。例えばユーザ端末20が備えるタッチパネルディスプレイの所定領域をタップまたはスワイプすることや、音声入力等によって入力された情報が、入力操作情報に該当する。また、ARグラスを用いるユーザがジェスチャー入力によって入力した情報なども、入力操作情報に該当する。その他、キーボードやマウス等の種々の入力装置を介してユーザが入力した情報が、入力操作情報に該当する。
【0058】
商品等情報とは、商品またはサービスを示す情報を意味する。例えば、Tシャツが購入対象の商品である場合に、表示装置によって表示されたTシャツを示す画像情報や、Tシャツを示すアイコン画像情報等が商品等情報に該当する。所定の曲をストリーミング再生できるというサービスについて、その曲のタイトルを示す文字列情報やアイコン画像情報等が商品等情報に該当する。商品等情報はAR表示されてよい。AR表示とは、対象を現実空間等に重畳して表示させることを意味する。表示装置に表示された仮想的なキャラクターオブジェクト(バーチャルヒューマンを含む)が着用している服や、キャラクタそのもの(商品は1/Nサイズのフィギュア等になる)、多対多のバトルロイヤルゲームの大会においてプロ選手が身に着けた、チームロゴが描かれたグッズや、当該プロ選手が大会で使用しているゲーミングPC等が、商品等情報としてAR表示されてよい。表示装置に映り込んだ現実空間上の人間が身に着けているAR表示された装飾品なども、商品等情報に該当する。
【0059】
商品等情報は、AR表示以外の態様で表示されてもよい。例えば、現実空間のイベント会場に置かれた舞台道具の実物品が、スマートフォンのタッチパネルディスプレイやARグラス等の表示装置に映り込む場合がある。表示装置に映り込んだ当該実物品は、関連する商品(例えば舞台装置のミニチュア玩具など)を示す商品等情報に該当し得る。ユーザは例えば、タッチパネルディスプレイ上の実物品が映り込んだ領域をタップすることで、関連する商品を購入等する意思表示をすることができる。これを実現するために、ユーザが表示装置に映り込んだ実物品のある領域を選択して入力を行うことができるように、表示装置に映り込んだ実物品の領域を入力可能な領域として設定する機能を、サーバ10Bまたはユーザ端末20が提供してよい。
【0060】
第2の実施形態の一側面として、ユーザが例えば商品の購入などの権限取得の意思表示を行った場合に、権限取得用情報を表示させることができる。これにより、権限取得の意思を持たないユーザがイベントへの参加に集中することができる。
【0061】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態の概要について説明をする。以下では、第3の実施形態として、サーバにおいて実行されるイベント提供プログラムを例示して説明する。なお、サーバは、図1に記載のイベント提供システム100が備えるサーバ10であってよい。
【0062】
図6は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Cは、オブジェクト表示部101と、表現制御部102と、権限取得用情報表示部103Cとを少なくとも備える。サーバ10Aが備えるプロセッサは、記憶装置に保持(インストール)されたイベント提供プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、オブジェクト表示部101と、表現制御部102と、権限取得用情報表示部103Cとを機能的に実現する。
【0063】
オブジェクト表示部101は、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる機能を有する。表現制御部102は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する機能を有する。
【0064】
権限取得用情報表示部103Cは、オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)を表示装置に表示させる機能を有する。なお、権限取得用情報表示部103Cは、表示装置によって第1オブジェクトが表示される第1領域とは異なる第2領域に権限取得用情報を表示させる。
【0065】
次に、本発明の第3の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図7は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供処理の例を示すフローチャートである。
【0066】
オブジェクト表示部101は、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる(St31)。表現制御部102は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する(St32)。権限取得用情報表示部103Cは、表示装置における第1オブジェクトが表示される第1領域とは異なる第2領域に権限取得用情報を表示させる(St33)。
【0067】
ステップSt31からSt33に係る各用語については第1の実施形態または第2の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0068】
第3の実施形態の一側面として、イベントで用いられる第1領域と、商品の購入等を行う第2領域とを分けることにより、商品の購入等を行うための表示がユーザによるイベントへの参加を阻害しない。
【0069】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態の概要について説明をする。以下では、第4の実施形態として、サーバにおいて実行されるイベント提供プログラムを例示して説明する。なお、サーバは、図1に記載のイベント提供システム100が備えるサーバ10であってよい。
【0070】
図8は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Dは、オブジェクト表示部101と、表現制御部102Dと、権限取得用情報表示部103を少なくとも備える。サーバ10Dが備えるプロセッサは、記憶装置に保持(インストール)されたイベント提供プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、オブジェクト表示部101と、表現制御部102Dと、権限取得用情報表示部103とを機能的に実現する。
【0071】
オブジェクト表示部101は、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる機能を有する。表現制御部102Dは、権限の取得の有無に応じて第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する機能を有する。権限取得用情報表示部103は、オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)を表示装置に表示させる機能を有する。
【0072】
次に、本発明の第4の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図9は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供処理の例を示すフローチャートである。
【0073】
オブジェクト表示部101は、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる(St41)。表現制御部102Dは、権限の取得の有無に応じて第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する(St42)。権限取得用情報表示部103は、オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)を表示装置に表示させる。
【0074】
権限の取得の有無に応じて第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御するとは、権限を取得したユーザと、権限を取得していないユーザとの間で前記表現の少なくとも一部が異なるように前記表現を制御することなどを意味する。
【0075】
ステップSt41からSt43に係るその他の各用語については第1の実施形態から第3の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0076】
第4の実施形態の一側面として、ユーザが権限を取得したか否かに応じて、イベント中に異なった演出を行うことができる。これにより、基本的に同じイベントであっても、ユーザ毎に異なるイベントを体験することができ、イベントを個別化することができる。
【0077】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態の概要について説明をする。以下では、第5の実施形態として、イベント提供システムを例示して説明する。
【0078】
図10は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供システムの構成の例を示す図である。イベント提供システム100Aは、イベント提供処理サーバ10(サーバ10)と、イベント提供システム100Aのユーザが使用するユーザ端末20とを備える。ユーザ端末20A、20B、および20Cはそれぞれ、ユーザ端末20の一例である。イベント提供システム100Aの構成はこれに限定されない。例えば、イベント提供システム100Aは、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成であってよい。イベント提供システム100Aが複数のサーバを備えてもよい。例えば、イベント提供システム100Aが他サーバ40を更に備えてもよい。
【0079】
イベント提供システム100Aは応対者装置60をさらに備えることがある。応対者装置60は、例えば後述の物販テント(図21参照)に訪れたユーザに応対する応対者SPが使用する。応対者装置60の具体例として、サーバ装置、クライアント装置、およびユーザ端末等がある。
【0080】
サーバ10、ユーザ端末20、他サーバ40、および応対者装置60は、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に通信可能に接続されている。通信ネットワーク30を介したサーバ10、ユーザ端末20、他サーバ40、および応対者装置60の相互間の接続は有線接続であっても無線接続であってもよい。例えば、複数のユーザ端末20は、通信事業者が管理する基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことにより、通信ネットワーク30と接続してよい。
【0081】
イベント提供システム100Aは、サーバ10とユーザ端末20とを備えることにより、ユーザの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0082】
サーバ10は、プロセッサ11と、メモリ12と、記憶装置13とを備える。プロセッサ11は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、メモリ12に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ11にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置13に記憶させる。
【0083】
記憶装置13は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置13の構成は特に限定されないが、ユーザ端末20にかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、イベント提供システム100Aにて行われる制御に必要な各種情報を全て記憶可能な構成であることが好ましい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶装置は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。サーバ10は、イベント提供システム100Aの管理者等によって管理され、複数のユーザ端末20に対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。サーバ10は、AR表示用データをレンダリング可能なゲームサーバなどの情報処理装置によって構成される。
【0084】
ユーザ端末20は、AR表示を伴う情報サービスをユーザに対して提供することが可能な通信端末によって構成される。このような通信端末の例として、例えばスマートフォンなどの携帯電話端末20A、ARグラス20Bおよび20Cなどがある。通信端末は、据置型ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、パーソナルコンピュータ、ゲーミングPC、所謂ウェアラブルデバイス、または前述の通信端末を複数組み合わせたものなどであってもよい。イベント提供システム100Aが含み得るユーザ端末の構成はこれらに限定されず、ユーザがAR表示を視認し得る構成であればよい。
【0085】
ユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、記憶装置23とを備える。プロセッサ21は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、ユーザ端末20がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。ユーザ端末20は、メモリ22に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ21にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置23に記憶させる。記憶装置23は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。
【0086】
ユーザ端末20は、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10、他サーバ40、または応対者装置60との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える。なお、複数のユーザ端末20のそれぞれは、サーバ10、他サーバ40、または応対者装置60を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0087】
ユーザ端末20には表示装置が内蔵されていてよい。ユーザ端末20に対して表示装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。表示装置は静止画や動画などの画像を表示する。表示装置はゲーム画面を表示してもよい。表示装置は、通信ネットワーク30を介して応対者装置60から直接、またはサーバ10等をさらに経由して取得したデータに基づいて、応対者SPの姿を表示してもよい。また、表示装置は、現実空間に対して重畳される拡張現実(AR)表示を行うことができる。表示装置には、例えば、ホログラム表示が可能なホログラムディスプレイ装置や、画像(ゲーム画面を含む)をスクリーン等に映写する映写装置なども含まれる。図10の例では、携帯電話端末20Aが備えるタッチパネル画面や、ARグラス20B、および20Cが備えるARディスプレイ等が、表示装置に相当する。
【0088】
ユーザ端末20には入力装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して入力装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。入力装置はユーザによる操作入力を受け付ける。ユーザによる操作入力に応じて、サーバ10が備えるプロセッサまたはユーザ端末20が備えるプロセッサが、各種の制御処理を実行する。入力装置の例として、携帯電話端末20Aが備えるタッチパネル画面、ARグラス20Bに無線接続あるいは有線接続されたコントローラCTRなどがある。また、ユーザ端末20が備えるカメラも入力装置に相当し得る。ユーザはカメラの前で手を動かす等のジェスチャーにより、操作入力を行う(ジェスチャー入力)。
【0089】
その他、ユーザ端末20はスピーカ等の他の出力装置を備えていてよい。他の出力装置は、ユーザに対して各種の情報を出力する。出力される情報には、例えば、応対者SPが発した音声などが含まれる。他の出力装置は、ユーザが購入する商品、またはユーザが提供を受けるサービスの内容を示す音声情報を出力してよい。なお、他の出力装置は音声出力装置には限られず、他の種類の情報を出力してもよい。その他、ハプティクス技術を用いた出力装置が、他の触覚情報を出力してもよい。
【0090】
他サーバ40は、プロセッサ41と、メモリ42と、記憶装置43とを備える。プロセッサ41は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、他サーバ40がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。他サーバ40は、メモリ42に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ41にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置43に記憶させる。
【0091】
記憶装置43は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置43の構成は特に限定されない。各種情報を記憶する記憶装置は、他サーバ40がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域を他サーバ40の外部に有する構成とされていてもよい。他サーバ40は、イベント提供システム100Aの管理者等によって管理されても、これ以外の者によって管理されてもよく、複数のユーザ端末20に対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。他サーバ40は、例えば、実物品の製造や配送を管理するサーバであってよい。他サーバ40は、ライブイベントに係る動画の配信を管理するサーバであってもよい。
【0092】
応対者装置60は、プロセッサ61と、メモリ62と、記憶装置63とを備える。プロセッサ61は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、応対者装置60がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。応対者装置60は、メモリ62に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ61にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置63に記憶させる。記憶装置63は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。
【0093】
応対者装置60は、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10、ユーザ端末20、または他サーバ40との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える。
【0094】
応対者装置60はカメラ64および入力装置65を備える。カメラ64は例えば物販テントの売り子(図21参照)等である応対者SPを撮像する。応対者SPの姿が映り込んだ撮像画像データは、ユーザが商品等を購入する際に、後述のレジ領域において、応対者SPがユーザに応対するために用いられる。入力装置65は応対者SP等による操作入力を受け付ける。応対者SP等による操作入力に応じて、応対者装置60が備えるプロセッサ61が各種の制御処理を実行する。入力装置65の例として、キーボード、マウス、音声操作を行う場合のマイクなどがある。なお、応対者装置60が備えるカメラ64も入力装置に相当し得る。この場合、応対者SPはカメラ64の前で手を動かす等のジェスチャーにより操作入力を行う(ジェスチャー入力)。
【0095】
応対者装置60は表示装置66を備える。表示装置66は応対者装置60に内蔵されていてよい。表示装置66は応対者装置60に対して無線接続あるいは有線接続されていてもよい。表示装置66は静止画や動画などの画像を表示する。表示装置66は、商品を購入するか、サービスの提供を受けるユーザの姿を表示する。表示装置66は、ユーザが購入する商品の内容、またはユーザが提供を受けるサービスの内容を示す情報を表示してもよい。
【0096】
その他、応対者装置60はスピーカ等の他の出力装置を備えていてよい。他の出力装置は、物販テント等を利用するユーザに係る情報を出力する。ユーザに係る情報には、例えば、商品を購入するか、サービスの提供を受けるユーザが発した音声などが含まれる。他の出力装置は、ユーザが購入する商品、またはユーザが提供を受けるサービスの内容を示す音声情報を出力してよい。なお、他の出力装置は音声出力装置には限られず、匂い情報、味覚情報、触覚情報などの他の種類の情報を出力してもよい。
【0097】
図11は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供システムの構成を示すブロック図である。イベント提供システム100Aは、オブジェクト表示部501と、表現制御部502と、権限取得用情報表示部503とを少なくとも備える。イベント提供システム100Aが備える一つ以上のプロセッサは、イベント提供システム100Aが備える一つ以上の記憶装置に保持(インストール)されたイベント提供プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、オブジェクト表示部501と、表現制御部502と、権限取得用情報表示部503とを機能的に実現する。
【0098】
オブジェクト表示部501は、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる機能を有する。表現制御部502は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する機能を有する。権限取得用情報表示部503は、オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)を表示装置に表示させる機能を有する。
【0099】
次に、本発明の第5の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図12は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供処理の例を示すフローチャートである。
【0100】
オブジェクト表示部501は、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる(St51)。表現制御部502は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する(St52)。権限取得用情報表示部503は、オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)を表示装置に表示させる(St53)。
【0101】
仮想的なオブジェクトは、現実空間ではない仮想空間に出力され得るオブジェクトを意味する。例えば、現実空間における椅子や車などの物体の形状をスキャンして得られる3Dモデリングデータ等によって表現される仮想的な椅子や車などが、ここでいう仮想的なオブジェクトに該当する。また、人間、動物、植物、モンスター等の生物を3Dモデリングデータで表現したものなども、仮想的なオブジェクトに該当する。仮想的なオブジェクトは、妖精や竜などの、架空の対象を仮想的に表現したものであってもよい。なお、仮想的なオブジェクトを表現するためのデータの次元は3次元に限られない。例えば、上記のような対象を2Dデータで表現したものも、ここでいう仮想的なオブジェクトに該当する。
【0102】
現実空間は、現実世界における空間を意味する。現実空間を拡張する仮想空間とは、現実空間に重畳して出力されることが可能な仮想空間(AR空間)を意味する。
【0103】
仮想的なオブジェクトを表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、仮想的なオブジェクトを表示するための表示用データを出力することを意味する。仮想的なオブジェクトを表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、仮想的なオブジェクトを表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0104】
表現とは、例えば歌う、踊る、役を演じる、詩を吟じる、楽器を演奏する、講義を行う、走る、ジャンプする、泣く等のように、受け手に対して何らかの情報を外形的に提示することを意味する。仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御するとは、当該オブジェクトに歌を歌わせる、踊らせる、役を演じさせる、詩を吟じさせる、楽器を演奏させる、講義を行わせる、走らせる、ジャンプさせる、泣かせる等のように、当該オブジェクトのアクションを制御することを含んでいてよい。また、仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御するとは、例えば仮想的な車を5台、円を描くように走らせてオリンピックの五輪マークを表現する、などのように、一以上の仮想的なオブジェクトを介してなんらかの情報を受け手に伝達するものであってもよい。
【0105】
イベントとは、例えば音楽ライブイベント、演劇イベント、セミナーイベント等のように、受け手に対して情報を外形的に提示する場を意味する。
【0106】
商品とは、取引の対象になる物品を意味する。サービスとは、ある主体が他の主体に対して何らかの便益を提供することを意味する。なお、仮想的なオブジェクトを商品と解釈するか、またはサービスの提供に係る対象であると解釈するか、という点については、いずれの解釈であってもよい。
【0107】
オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限(以下、所定の権限と略記する)とは、例えば商品が現実空間における実物体であれば、この実物体を所有する権限、貸与を受ける権限、現実空間で使用する権限などが所定の権限に該当する。商品がデータである場合は、このデータを取得する権限、複製する権限、改変する権限、使用する権限などが所定の権限に該当する。サービスについては、そのサービスを受ける権限などが所定の権限に該当する。
【0108】
非制限的な例示として、所定の権限の具体例を挙げる。
・イベントに登場する仮想的なキャラクタ自体を模した実物品(例えばフィギュア)を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントに登場する仮想的なキャラクタが着用している衣服の実物品を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントに登場する仮想的なキャラクタが所持しているギター等の所持品の実物品を購入または貸与を受ける権限。・イベントに登場する舞台装置(仮想的な舞台装置と、現実空間上の舞台装置の双方を含む)に対応する実物品を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントに登場する仮想的なキャラクタ自体、当該キャラクタが着用した衣服、または当該キャラクタが所持した仮想的な物品を示すデータを取得、または使用する権限。・イベントに登場する実物品または仮想的なオブジェクトについて効果音を付加する権限。例えば仮想的な車のエンジン音が変わるなど。・イベントの公式Tシャツや公式タオルなどの、イベントに関係する実物品を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントで使用された楽曲を収録したCDやDVDなどの物理媒体を購入あるいはその貸与を受ける権限。・イベントまたは表現に関係する楽曲(例えばイベント参加者と同じ事務所に所属する別アーチストが提供する楽曲や、イベントで使用された楽曲を含むコンピレーションアルバムに含まれる他の楽曲)を収録したCDやDVDなどの物理媒体を購入あるいはその貸与を受ける権限。・上記の楽曲を収録したデータをダウンロードまたはストリーミング再生する権限。・例えばイベント参加者が「ピーマン」と発言した場合にピーマンの配送を受けるなどのように、イベントに登場した、または表現に含まれることとなった対象に関係する商品を購入またはその貸与を受ける権限。・上記の各種の対象を示すデータをビデオゲームやAR表示を伴うゲーム等において使用する権限。・上記の各種の対象を、イベントと関連する他の媒体(アニメーション、マンガ、ゲーム等)に登場させる権限。
これらはあくまで例示であり、所定の権限は、上記以外の権限であってもよい。
【0109】
所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)とは、例えば物品の購入権限についての購入ボタンを表示させるための情報のように、ユーザがその情報の提示を受けた場合に、権限を取得するための意思表示を行えるような情報を言う。
【0110】
権限取得情報を表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、権限取得情報を表示するための表示用データを出力することを意味する。権限取得情報を表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、権限取得情報を表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0111】
第5の実施形態の一側面として、拡張現実を用いたイベントを開催することができ、かつ当該イベントにおいて物販やサービス提供を行うことができる。
【0112】
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態の概要について説明をする。以下では、第6の実施形態として、ユーザ端末において実行されるイベント提供プログラムを例示して説明する。なお、ユーザ端末20Zは、図1または図10に示された複数のユーザ端末20,20A~20Cのうちのいずれかであってよい。
【0113】
図13は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザ端末の構成を示すブロック図である。ユーザ端末20の構成の例であるユーザ端末20Zは、オブジェクト表示部201と、表現制御部202と、権限取得用情報表示部203とを少なくとも備える。ユーザ端末20Zが備えるプロセッサは、記憶装置に保持(インストール)されたイベント提供プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、オブジェクト表示部201と、表現制御部202と、権限取得用情報表示部203とを機能的に実現する。
【0114】
オブジェクト表示部201は、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる機能を有する。表現制御部202は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する機能を有する。権限取得用情報表示部203は、オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)を表示装置に表示させる機能を有する。
【0115】
次に、本発明の第6の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図14は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供処理の例を示すフローチャートである。
【0116】
オブジェクト表示部201は、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる(St61)。表現制御部202は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する(St62)。権限取得用情報表示部203は、オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)を表示装置に表示させる(St63)。
【0117】
仮想的なオブジェクトは、現実空間ではない仮想空間に出力され得るオブジェクトを意味する。例えば、現実空間における椅子や車などの物体の形状をスキャンして得られる3Dモデリングデータ等によって表現される仮想的な椅子や車などが、ここでいう仮想的なオブジェクトに該当する。また、人間、動物、植物、モンスター等の生物を3Dモデリングデータで表現したものなども、仮想的なオブジェクトに該当する。仮想的なオブジェクトは、妖精や竜などの、架空の対象を仮想的に表現したものであってもよい。なお、仮想的なオブジェクトを表現するためのデータの次元は3次元に限られない。例えば、上記のような対象を2Dデータで表現したものも、ここでいう仮想的なオブジェクトに該当する。
【0118】
現実空間は、現実世界における空間を意味する。現実空間を拡張する仮想空間とは、現実空間に重畳して出力されることが可能な仮想空間(AR空間)を意味する。
【0119】
仮想的なオブジェクトを表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、仮想的なオブジェクトを表示するための表示用データを出力することを意味する。仮想的なオブジェクトを表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、仮想的なオブジェクトを表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0120】
表現とは、例えば歌う、踊る、役を演じる、詩を吟じる、楽器を演奏する、講義を行う、走る、ジャンプする、泣く等のように、受け手に対して何らかの情報を外形的に提示することを意味する。仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御するとは、当該オブジェクトに歌を歌わせる、踊らせる、役を演じさせる、詩を吟じさせる、楽器を演奏させる、講義を行わせる、走らせる、ジャンプさせる、泣かせる等のように、当該オブジェクトのアクションを制御することを含んでいてよい。また、仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御するとは、例えば仮想的な車を5台、円を描くように走らせてオリンピックの五輪マークを表現する、などのように、一以上の仮想的なオブジェクトを介してなんらかの情報を受け手に伝達するものであってもよい。
【0121】
イベントとは、例えば音楽ライブイベント、演劇イベント、セミナーイベント等のように、受け手に対して情報を外形的に提示する場を意味する。
【0122】
商品とは、取引の対象になる物品を意味する。サービスとは、ある主体が他の主体に対して何らかの便益を提供することを意味する。なお、仮想的なオブジェクトを商品と解釈するか、またはサービスの提供に係る対象であると解釈するか、という点については、いずれの解釈であってもよい。
【0123】
オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限(以下、所定の権限と略記する)とは、例えば商品が現実空間における実物体であれば、この実物体を所有する権限、貸与を受ける権限、現実空間で使用する権限などが所定の権限に該当する。商品がデータである場合は、このデータを取得する権限、複製する権限、改変する権限、使用する権限などが所定の権限に該当する。サービスについては、そのサービスを受ける権限などが所定の権限に該当する。
【0124】
非制限的な例示として、所定の権限の具体例を挙げる。
・イベントに登場する仮想的なキャラクタ自体を模した実物品(例えばフィギュア)を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントに登場する仮想的なキャラクタが着用している衣服の実物品を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントに登場する仮想的なキャラクタが所持しているギター等の所持品の実物品を購入または貸与を受ける権限。・イベントに登場する舞台装置(仮想的な舞台装置と、現実空間上の舞台装置の双方を含む)に対応する実物品を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントに登場する仮想的なキャラクタ自体、当該キャラクタが着用した衣服、または当該キャラクタが所持した仮想的な物品を示すデータを取得、または使用する権限。・イベントに登場する実物品または仮想的なオブジェクトについて効果音を付加する権限。例えば仮想的な車のエンジン音が変わるなど。・イベントの公式Tシャツや公式タオルなどの、イベントに関係する実物品を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントで使用された楽曲を収録したCDやDVDなどの物理媒体を購入あるいはその貸与を受ける権限。・イベントまたは表現に関係する楽曲(例えばイベント参加者と同じ事務所に所属する別アーチストが提供する楽曲や、イベントで使用された楽曲を含むコンピレーションアルバムに含まれる他の楽曲)を収録したCDやDVDなどの物理媒体を購入あるいはその貸与を受ける権限。・上記の楽曲を収録したデータをダウンロードまたはストリーミング再生する権限。・例えばイベント参加者が「ピーマン」と発言した場合にピーマンの配送を受けるなどのように、イベントに登場した、または表現に含まれることとなった対象に関係する商品を購入またはその貸与を受ける権限。・上記の各種の対象を示すデータをビデオゲームやAR表示を伴うゲーム等において使用する権限。・上記の各種の対象を、イベントと関連する他の媒体(アニメーション、マンガ、ゲーム等)に登場させる権限。
これらはあくまで例示であり、所定の権限は、上記以外の権限であってもよい。
【0125】
所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)とは、例えば物品の購入権限についての購入ボタンを表示させるための情報のように、ユーザがその情報の提示を受けた場合に、権限を取得するための意思表示を行えるような情報を言う。
【0126】
権限取得情報を表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、権限取得情報を表示するための表示用データを出力することを意味する。権限取得情報を表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、権限取得情報を表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0127】
第6の実施形態の一側面として、拡張現実を用いたイベントを開催することができ、かつ当該イベントにおいて物販やサービス提供を行うことができる。
【0128】
[第7の実施形態]
本発明の第7の実施形態の概要について説明をする。以下では、第7の実施形態として、サーバにおいて実行されるイベント提供プログラムを例示して説明する。
【0129】
図15は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Zは、オブジェクト表示部101と、表現制御部102と、権限取得用情報表示部103と、拡張現実ジオラマ表示部104と、レコメンド情報表示部105とを備える。サーバ10Zが備えるプロセッサは、記憶装置に保持(インストール)されたイベント提供プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、オブジェクト表示部101と、表現制御部102と、権限取得用情報表示部103と、拡張現実ジオラマ表示部104と、レコメンド情報表示部105とを機能的に実現する。
【0130】
オブジェクト表示部101は、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる機能を有する。表現制御部102は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する機能を有する。権限取得用情報表示部103は、オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)を表示装置に表示させる機能を有する。
【0131】
拡張現実ジオラマ表示部104は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる機能を有する。レコメンド情報表示部105は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現の内容、ユーザによる入力情報、または所定の蓄積情報に応じて、ユーザによる権限の取得が推奨される商品またはサービスを示すレコメンド情報を表示装置に表示させる機能を有する。
【0132】
仮想的なオブジェクトは、現実空間ではない仮想空間に出力され得るオブジェクトを意味する。例えば、現実空間における椅子や車などの物体の形状をスキャンして得られる3Dモデリングデータ等によって表現される仮想的な椅子や車などが、ここでいう仮想的なオブジェクトに該当する。また、人間、動物、植物、モンスター等の生物を3Dモデリングデータで表現したものなども、仮想的なオブジェクトに該当する。仮想的なオブジェクトは、妖精や竜などの、架空の対象を仮想的に表現したものであってもよい。なお、仮想的なオブジェクトを表現するためのデータの次元は3次元に限られない。例えば、上記のような対象を2Dデータで表現したものも、ここでいう仮想的なオブジェクトに該当する。
【0133】
現実空間は、現実世界における空間を意味する。現実空間を拡張する仮想空間とは、現実空間に重畳して出力されることが可能な仮想空間(AR空間)を意味する。
【0134】
仮想的なオブジェクトを表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、仮想的なオブジェクトを表示するための表示用データを出力することを意味する。仮想的なオブジェクトを表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、仮想的なオブジェクトを表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0135】
表現とは、例えば歌う、踊る、役を演じる、詩を吟じる、楽器を演奏する、講義を行う、走る、ジャンプする、泣く等のように、受け手に対して何らかの情報を外形的に提示することを意味する。仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御するとは、当該オブジェクトに歌を歌わせる、踊らせる、役を演じさせる、詩を吟じさせる、楽器を演奏させる、講義を行わせる、走らせる、ジャンプさせる、泣かせる等のように、当該オブジェクトのアクションを制御することを含んでいてよい。また、仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御するとは、例えば仮想的な車を5台、円を描くように走らせてオリンピックの五輪マークを表現する、などのように、一以上の仮想的なオブジェクトを介してなんらかの情報を受け手に伝達するものであってもよい。
【0136】
イベントとは、例えば音楽ライブイベント、演劇イベント、セミナーイベント等のように、受け手に対して情報を外形的に提示する場を意味する。
【0137】
商品とは、取引の対象になる物品を意味する。サービスとは、ある主体が他の主体に対して何らかの便益を提供することを意味する。なお、仮想的なオブジェクトを商品と解釈するか、またはサービスの提供に係る対象であると解釈するか、という点については、いずれの解釈であってもよい。
【0138】
オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限(以下、所定の権限と略記する)とは、例えば商品が現実空間における実物体であれば、この実物体を所有する権限、貸与を受ける権限、現実空間で使用する権限などが所定の権限に該当する。商品がデータである場合は、このデータを取得する権限、複製する権限、改変する権限、使用する権限などが所定の権限に該当する。サービスについては、そのサービスを受ける権限などが所定の権限に該当する。
【0139】
非制限的な例示として、所定の権限の具体例を挙げる。
・イベントに登場する仮想的なキャラクタ自体を模した実物品(例えばフィギュア)を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントに登場する仮想的なキャラクタが着用している衣服の実物品を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントに登場する仮想的なキャラクタが所持しているギター等の所持品の実物品を購入または貸与を受ける権限。・イベントに登場する舞台装置(仮想的な舞台装置と、現実空間上の舞台装置の双方を含む)に対応する実物品を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントに登場する仮想的なキャラクタ自体、当該キャラクタが着用した衣服、または当該キャラクタが所持した仮想的な物品を示すデータを取得、または使用する権限。・イベントに登場する実物品または仮想的なオブジェクトについて効果音を付加する権限。例えば仮想的な車のエンジン音が変わるなど。・イベントの公式Tシャツや公式タオルなどの、イベントに関係する実物品を購入またはその貸与を受ける権限。・イベントで使用された楽曲を収録したCDやDVDなどの物理媒体を購入あるいはその貸与を受ける権限。・イベントまたは表現に関係する楽曲(例えばイベント参加者と同じ事務所に所属する別アーチストが提供する楽曲や、イベントで使用された楽曲を含むコンピレーションアルバムに含まれる他の楽曲)を収録したCDやDVDなどの物理媒体を購入あるいはその貸与を受ける権限。・上記の楽曲を収録したデータをダウンロードまたはストリーミング再生する権限。・例えばイベント参加者が「ピーマン」と発言した場合にピーマンの配送を受けるなどのように、イベントに登場した、または表現に含まれることとなった対象に関係する商品を購入またはその貸与を受ける権限。・上記の各種の対象を示すデータをビデオゲームやAR表示を伴うゲーム等において使用する権限。・上記の各種の対象を、イベントと関連する他の媒体(アニメーション、マンガ、ゲーム等)に登場させる権限。
これらはあくまで例示であり、所定の権限は、上記以外の権限であってもよい。
【0140】
所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)とは、例えば物品の購入権限についての購入ボタンを表示させるための情報のように、ユーザがその情報の提示を受けた場合に、権限を取得するための意思表示を行えるような情報を言う。
【0141】
権限取得情報を表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、権限取得情報を表示するための表示用データを出力することを意味する。権限取得情報を表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、権限取得情報を表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0142】
ユーザによる入力操作情報とは、ユーザが入力した操作情報を意味する。例えばユーザ端末20が備えるタッチパネルディスプレイの所定領域をタップまたはスワイプすることや、音声入力等によって入力された情報が、入力操作情報に該当する。また、ARグラスを用いるユーザがジェスチャー入力によって入力した情報なども、入力操作情報に該当する。その他、キーボードやマウス等の種々の入力装置を介してユーザが入力した情報が、入力操作情報に該当する。
【0143】
商品等情報とは、商品またはサービスを示す情報を意味する。例えば、Tシャツが購入対象の商品である場合に、表示装置によって表示されたTシャツを示す画像情報や、Tシャツを示すアイコン画像情報等が商品等情報に該当する。所定の曲をストリーミング再生できるというサービスについて、その曲のタイトルを示す文字列情報やアイコン画像情報等が商品等情報に該当する。商品等情報はAR表示されてよい。AR表示とは、対象を現実空間等に重畳して表示させることを意味する。表示装置に表示された仮想的なキャラクターオブジェクト(バーチャルヒューマンを含む)が着用している服や、キャラクタそのもの(商品は1/Nサイズのフィギュア等になる)、多対多のバトルロイヤルゲームの大会においてプロ選手が身に着けた、チームロゴが描かれたグッズや、当該プロ選手が大会で使用しているゲーミングPC等が、商品等情報としてAR表示されてよい。表示装置に映り込んだ現実空間上の人間が身に着けているAR表示された装飾品なども、商品等情報に該当する。
【0144】
商品等情報は、AR表示以外の態様で表示されてもよい。例えば、現実空間のイベント会場に置かれた舞台道具の実物品が、スマートフォンのタッチパネルディスプレイやARグラス等の表示装置に映り込む場合がある。表示装置に映り込んだ当該実物品は、関連する商品(例えば舞台装置のミニチュア玩具など)を示す商品等情報に該当し得る。ユーザは例えば、タッチパネルディスプレイ上の実物品が映り込んだ領域をタップすることで、関連する商品を購入等する意思表示をすることができる。これを実現するために、ユーザが表示装置に映り込んだ実物品のある領域を選択して入力を行うことができるように、表示装置に映り込んだ実物品の領域を入力可能な領域として設定する機能を、サーバ10Zまたはユーザ端末20が提供してよい。
【0145】
権限の取得の有無に応じて第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御するとは、権限を取得したユーザと、権限を取得していないユーザとの間で前記表現の少なくとも一部が異なるように前記表現を制御することなどを意味する。
【0146】
拡張現実ジオラマは、現実空間に対して重畳して出力される仮想的なジオラマを意味する。例えば、拡張現実(AR)表示されるための3Dモデルデータとして表現された街、道路、線路、建物、建物群、野球はサッカー等の競技場、神社仏閣、城、山、海、川、沼、林、森、畑、田んぼ、飛行場、地下通路、洞窟等が、拡張現実ジオラマの一例である。なお、拡張現実ジオラマは、必ずしも現実に存在する現代の景観に基づいたものでなくともよい。例えば、中世ヨーロッパの街並みや建造物、アニメーションやコミック等に登場する架空の街並みや建造物なども、拡張現実ジオラマに含まれる。
【0147】
拡張現実ジオラマを表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、拡張現実ジオラマを現実空間に重畳するように表示するための表示用データを出力することを意味する。また、拡張現実ジオラマを表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、拡張現実ジオラマを現実空間に重畳するように表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0148】
ユーザによる入力情報とは、ユーザに起因する入力情報を意味する。例えば、ユーザ端末20を介して入力された情報が、ユーザによる入力情報に該当する。なお、サーバ10Zはユーザ端末20から通信ネットワーク30を介して入力情報を取得してよい。
【0149】
また、ユーザ端末20を介在させずにサーバ10Zが別途取得した入力情報が、ユーザによる入力情報として用いられてよい。例えば、ユーザに対応付けられたアバターまたはユーザ自身が、拡張現実ジオラマまたはライブイベント等のイベントに対応する拡張空間の中で過去に行動した際の行動履歴情報をサーバ10Zがログデータとして取得している場合、このログデータがユーザによる入力情報に該当し得る。また、サーバ10Zが他サーバ40等の外部システムから取得した、ユーザに係る情報もまた、ユーザによる入力情報に該当する。例えば、ユーザが他の商品販売サイトを利用して商品を購入した場合の購入履歴情報や、ユーザが電車などの交通機関を利用した場合の利用履歴情報、ユーザがSNSサービスで投稿したコンテンツデータや、SNSサービスを介して行った発言を示すテキスト情報なども、ここでいうユーザによる入力情報に含まれ得る。
【0150】
蓄積情報とは、処理主体(ここではサーバ10Z)からアクセス可能な記憶装置に蓄積された情報を意味する。例えば、記憶装置に保存された、各ユーザの属性情報(年齢、嗜好など)、購入履歴情報、イベントの詳細情報(公演名、公演日、公演場所、出演者、主催者、共催者、使用楽曲、タイアップしているアニメーション番組の名称等)などが、蓄積情報に該当する。蓄積情報は、イベントの進行に応じて蓄積される情報であってもよい。例えば、現在行われているライブイベントの延べ参加人数、どのステージを何人が見ているか、ライブイベントに対してユーザ端末20等を介して入力された感想情報や評価情報、ライブイベントの盛り上がり度合を示す推定値情報などが、蓄積情報に該当する。すなわち蓄積情報は、ユーザ個人に関係する情報には限定されない種々の情報である。なお、蓄積情報には、AR表示される仮想的なオブジェクトが有する各種の属性情報や、拡張現実ジオラマが有する各種の属性情報も含まれてよい。
【0151】
レコメンド情報とは、ユーザによる権限の取得が推奨される商品またはサービスを示す情報を意味する。例えば、音楽ライブイベントでアーチストが歌唱した楽曲が収録されたCDのタイトル情報、およびこのCDを購入可能なサイトにアクセスするためのリンク情報等がレコメンド情報に該当する。また、舞台演劇ライブのイベントについて、その演劇を主催した劇団が実施した過去の公演をストリーミング再生できる権限を取得するためのサイトのURL情報なども、レコメンド情報に該当する。レコメンド情報の種類は、これらには限られない。
【0152】
レコメンド情報を表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、レコメンド情報を表示するための表示用データを出力することを意味する。レコメンド情報を表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、レコメンド情報を表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0153】
次に、本発明の第7の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図16は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するイベント提供処理の例を示すフローチャートである。
【0154】
拡張現実ジオラマ表示部104は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる(St111)。オブジェクト表示部101は、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる(St112)。表現制御部102は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する(St113)。レコメンド情報表示部105は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現の内容、ユーザによる入力情報、または所定の蓄積情報に応じて、ユーザによる権限の取得が推奨される商品またはサービスを示すレコメンド情報を表示装置に表示させる(St114)。権限取得用情報表示部103は、表示装置に表示された商品またはサービスを示す情報である商品等情報に対するユーザによる入力操作情報を取得する(St115)。そして権限取得用情報表示部103は、前記の入力操作情報を取得した場合に、オブジェクト、イベント、または表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(権限取得用情報)を表示装置に表示させる(St116)。
【0155】
なお、少なくともステップSt111、ステップSt114およびステップSt115は、設けられなくともよい。
【0156】
図17は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。表示装置DISPは、本実施の形態の例においてはユーザ端末20が備えるタッチパネルディスプレイである。ただし、表示装置DISPは上述のように、ARグラスなどの他の機器が内蔵するか、当該他の機器と接続された表示装置であってもよい。ユーザ端末20が備えるカメラ(図示省略)が撮像した撮像画像が表示装置DISPにより表示されている。そのため、表示装置DISPには、現実空間に存在するテレビが映り込んでいる。表示装置DISPには、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトOBJ1が、現実空間に重畳して表示されている(ステップSt112)。また、表示装置DISPには、仮想的なオブジェクトである第2オブジェクトOBJ2も、現実空間に重畳して表示されている。本実施の形態の例において、第1オブジェクトOBJ1は、音楽ライブのイベントにおけるアーチストに相当し、第2オブジェクトOBJ2は演奏用のシンセサイザーに相当する。図17においては、表示装置DISPの表示画面全体が第1領域に相当する。
【0157】
表現制御部102は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する(St113)。本実施の形態の例では、表現制御部102が、第1オブジェクトOBJ1と第2オブジェクトOBJ2とを用いた表現を制御する。表現の内容は、例えば仮想的なオブジェクトを用いた音楽ライブの開催である。表現制御部102の制御により、アーチストに相当するAR表示された第1オブジェクトOBJ1は、歌唱、ダンスおよびトークを行う。シンセサイザーに相当するAR表示された第2オブジェクトOBJ2は、アーチストである第1オブジェクトOBJ1が弾いた時に音を発する。なお、表現は、視覚的な表現のみに限定されるものではない。聴覚的な表現(歌唱や楽器の音など)、触覚的な表現(例えばウーハーによる振動)などのように、ユーザが受け取ることが可能な種々の情報を用いた表現が可能である。
【0158】
図18は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。本実施の形態の例において、表示装置DISPに表示された第1オブジェクトOBJ1の上着は、商品としてユーザが購入可能である。つまり、当該上着は、表示装置に表示された商品またはサービスを示す情報である商品等情報に該当する。
【0159】
本実施の形態の例においてはタッチパネルディスプレイである表示装置DISPに表示された、第1オブジェクトOBJ1の上着部分をユーザがタップする。このタップはユーザによる入力操作情報に相当する。ユーザ端末20は、入力操作情報をサーバ10Zへと送信し、サーバ10Zの権限取得用情報表示部103が入力操作情報を取得する(St115)。そして権限取得用情報表示部103は、権限取得用情報R1およびR2を表示装置DISPに表示させる(St116)。
【0160】
図18における権限取得用情報R1およびR2は、アーチストに相当する第1オブジェクトOBJ1に関係する商品(上着)を所持する権限をユーザに取得させるための情報である。ここでは、上着を購入する際の、商品情報(商品タイトル、商品価格、商品画像など)を示す権限取得用情報R1と、ユーザが購入の意思表示を行うためのBuyボタンが、権限取得用情報に相当する。ユーザは表示装置DISPに表示されたBuyボタンをタップすることにより上着を購入することができ、本実施の形態の例においては商品である上着が、例えばサーバ10Zおよび他サーバ40による制御に基づいて、ユーザの自宅まで郵送される。
【0161】
図18に示した権限取得用情報の表示態様はあくまで一例である。権限取得用情報は他の態様によって表示されてもよい。例えば、第2領域は表示装置DISPに動的にポップアップ表示されているが、最初から第1領域と第2領域とが分かれて表示されていてもよい。図18において権限取得用情報はAR表示されているが、AR表示ではなくてもよい。また、図18において、権限取得用情報は第1領域とは異なる第2領域に表示されているが、第2領域を設けずに、権限取得用情報が第1領域に表示されてもよい。
【0162】
さらに、図18においては、サーバ10Zがユーザによる入力操作情報を取得した場合に、権限取得用情報が表示されているが、入力操作情報を取得せずに権限取得用情報が表示されてもよい。例えば権限取得用情報表示部103は、音楽ライブイベントが進行し、アーチストが3曲目の歌を歌い終わったタイミングで権限取得用情報を表示させる、などのように、所定の条件が満たされた場合に権利取得用情報を表示させてもよい。所定の条件は、上記の例には限られない。所定の条件は、オブジェクト、イベントまたは表現に関する何らかの条件であってよい。例えば所定の条件は、ライブイベント開始から20分後、ライブイベントの視聴者数が1000人以上となった、などの条件であってもよく、アーチストが音楽ライブ中に今日の衣装について言及した、などの条件であってもよい。
【0163】
図19は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。図19は、第2領域を設けずに、権限取得用情報を第1領域に表示する場合を示している。
【0164】
ユーザは音楽ライブイベントに登場したシンセサイザーを商品として購入することができる。そのため、表示装置DISPに表示された、シンセサイザーに相当する第2オブジェクトOBJ2が商品等情報に該当する。表示された第2オブジェクトOBJ2をユーザがタップする。このタップはユーザによる入力操作情報に相当する。ユーザ端末20は、入力操作情報をサーバ10Zへと送信し、サーバ10Zの権限取得用情報表示部103が入力操作情報を取得する(St115)。そして権限取得用情報表示部103は、権限取得用情報R3を表示装置DISPに表示させる(St116)。
【0165】
図19における権限取得用情報R3は、商品であるシンセサイザーを所持する権限をユーザに取得させるための情報である。すなわち第2オブジェクトOBJ2の上部にポップアップ表示された吹き出しと、吹き出しの中に表示された商品情報(商品タイトル、型番、商品価格など)を示す情報が、権限取得用情報に相当する。本実施の形態の例では、ユーザが第2オブジェクトOBJ2をダブルタップすることにより、シンセサイザーを購入することができ、本実施の形態の例においては商品であるシンセサイザーがユーザの自宅まで郵送される。
【0166】
なお、上記の例におけるシンセサイザーは、第2オブジェクトに関係する商品に相当するが、音楽ライブのイベントに関係する商品でもある。シンセサイザーは音楽ライブにおける表現に関係する商品とも解釈することができる。
【0167】
商品等情報は、所定のサービスを示す情報であってもよい。例えば、アーチストに相当する第1オブジェクトOBJ1の手の部分をユーザがタップした時に、「後日、アーチストと握手することが出来る」というサービスを示す情報を、表示装置DISPに表示させてもよい。サービスの内容は握手に限られず、種々のサービスが考えられる。例えば、第1オブジェクトOBJ1は動画投稿サイトへの投稿者が用いるアバターであり、このアバターを所定のアニメーション番組やゲーム等に登場させるサービス等であってもよい。
【0168】
図20は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。図20は、拡張現実ジオラマ表示部104が拡張現実ジオラマARD1を表示装置DISPに表示させる例(ステップSt111)を示している。本実施の形態の例においては、音楽ライブのイベントにおけるライブステージが、拡張現実ジオラマとしてAR表示されている。そして、第1オブジェクトOBJ1が拡張現実ジオラマARD1と共に表示装置DISPに表示されている。
【0169】
図21は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。図21は、拡張現実ジオラマARD2を表示装置DISPの第2領域に表示させる例(ステップSt111)を示している。なお、拡張現実ジオラマ表示部104は、ステップSt111とは異なるタイミングで拡張現実ジオラマARD2を表示させてもよく、また、第1オブジェクトOBJ1の表示を伴わずに拡張現実ジオラマARD2を表示させてもよい。本実施の形態の例では、前述の図20において、ユーザがタッチパネルディスプレイに表示された第1オブジェクトOBJ1の上着の部分(商品等情報)をタップした場合に、表示装置DISPが図21に示したような表示を行う。なお、第1オブジェクトOBJ1の上着の部分(商品等情報)がタップされた時に、サーバ10Zまたはユーザ端末20による制御の下、「商品ご購入の為に物販テントにお越しください」等の文字メッセージや音声メッセージをユーザ端末20または表示装置に出力させてもよい。
【0170】
図20においては、ユーザは自宅のTVがある方向にユーザ端末20であるタブレット端末を向けていた。図21において、ユーザは自宅のTVがある方向とは反対側の方向にタブレット端末を向けている。そのため表示装置DISPには、現実空間に存在する、自宅の壁にかけられた時計が映り込んでいる。表示装置DISPに表示された拡張現実ジオラマARD2は、音楽フェスティバルイベントの物販テントに相当する。
【0171】
図21における権限取得用情報R4は、アーチストに相当する第1オブジェクトOBJ1に関係する商品(上着)を所持する権限をユーザに取得させるための情報である。ポップアップ表示された吹き出しと、吹き出しの中に表示された商品情報(商品タイトル、商品価格、商品画像など)を示す情報が、権限取得用情報R4に相当する。権限取得用情報R4は拡張現実ジオラマARD2と共に表示装置DISPにより表示される。本実施の形態の例では、ユーザが吹き出しをダブルタップすることにより、上着を購入することができ、本実施の形態の例においては商品であるシンセサイザーがユーザの自宅まで郵送される。
【0172】
表示装置DISPには、レジ領域RRと応対キャラクタA1~A5とがさらに表示されている。レジ領域RRおよび応対キャラクタA1~A5の制御を、サーバ10Zが行ってよく、ユーザ端末20が行ってもよい。サーバ10Zがレジ領域RRと応対キャラクタA1~A5の制御を行う場合、サーバ10Zは、レジ領域表示部と応対キャラクタ表示部とをさらに備えていてよい。この場合、サーバ10Zが備えるプロセッサは、記憶装置に保持(インストール)されたイベント提供プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、レジ領域表示部と応対キャラクタ表示部とを機能的に実現する。
【0173】
レジ領域表示部は、上述の権限をユーザに取得させるための仮想的なレジ領域を表示装置に表示させる機能を有する。応対キャラクタ表示部は、ユーザに応対する一以上の応対キャラクタをレジ領域と共に表示装置に表示させる機能を有する。
【0174】
図21の例おいては、レジ領域RRには5人の応対キャラクタA1~A5が配置されている。ロックフェスティバル2021が拡張空間上で仮想的に開催されており、応対キャラクタA1は、ロックフェスティバル2021の公式グッズの販売について、ユーザに応対する。応対キャラクタA2は、ロックフェスティバル2021が有する3つのAR表示可能なステージのうち、ウィンドステージでパフォーマンスを行うアーチストのグッズの販売について、ユーザに応対する。応対キャラクタA3は、ロックフェスティバル2021が有する3つのAR表示可能なステージのうち、シーステージでパフォーマンスを行うアーチストのグッズの販売について、ユーザに応対する。応対キャラクタA4は、ロックフェスティバル2021が有する3つのAR表示可能なステージのうち、フォレストステージでパフォーマンスを行うアーチストのグッズの販売について、ユーザに応対する。応対キャラクタA5は、ロックフェスティバル2021に出演する全アーチストのファンクラブ入会サービスについて、ユーザに応対する。ユーザは例えば、表示された応対キャラクタをタップするなどして、取引可能な商品またはサービスを列挙したリスト画面等を表示装置DISPに表示(図示省略)させ、所望の商品またはサービスについての取引を行うことができる。なお、前記の取引に係るユーザインタフェースは、特に限定されず、当業者が適宜設計および実装を行うことができる。
【0175】
図22は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。図22は、ドラゴンと戦うストーリーをAR空間上で演じる舞台演劇イベントを例示している。
【0176】
表示装置DISPは、本実施の形態の例においてはユーザ端末20が備えるタッチパネルディスプレイである。ただし、表示装置DISPは上述のように、ARグラスなどの他の機器が内蔵するか、当該他の機器と接続された表示装置であってもよい。ユーザ端末20が備えるカメラ(図示省略)が撮像した撮像画像が表示装置DISPにより表示されている。そのため、表示装置DISPには、現実空間に存在するテレビが映り込んでいる。表示装置DISPには、仮想的なオブジェクトであるドラゴンENが現実空間に重畳して表示されている。表示装置DISPには、仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトOBJ1が、現実空間に重畳して表示されている(ステップSt112)。第1オブジェクトOBJ1は、ドラゴンENと戦う演劇における主人公である。拡張現実ジオラマARD3は、舞台演劇のステージに相当する。図22においては、表示装置DISPの表示画面全体が第1領域に相当する。
【0177】
表現制御部102は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する(St113)。本実施の形態の例では、表現制御部102が、第1オブジェクトOBJ1とドラゴンENとを用いた表現を制御する。ここでいう表現は、仮想的なオブジェクトを用いた舞台演劇ライブの開催である。表現制御部102の制御により、主人公に相当するAR表示された第1オブジェクトOBJ1は、同じくAR表示されたドラゴンENと戦う。なお、表現の内容は視覚的なもののみに限定されるものではない。例えば聴覚的な表現(戦闘時のBGM)、触覚的な表現(攻撃が敵にヒットした時の振動)などのように、ユーザが受け取ることが可能な種々の情報を用いた表現が可能である。
【0178】
図23は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。図22と同様の事項については説明を省略する。図23において、表示装置DISPには、第2領域が設けられている。また、表示装置DISPには、レコメンド領域REが表示されている。
【0179】
まず、レコメンド領域REについて説明する。レコメンド情報表示部105は、第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現の内容、ユーザによる入力情報、または所定の蓄積情報に応じて、ユーザによる権限の取得が推奨される商品またはサービスを示すレコメンド情報を表示装置に表示させる(St114)。図23においては、このレコメンド情報がレコメンド領域REに表示されている。
【0180】
図23に示されたレコメンド領域REには、第1オブジェクトOBJ1を用いた表現の内容、すなわち「ドラゴンと戦う物語」という内容に応じて、ドラゴンの攻撃から身を守るためのシールドを、主人公である第1オブジェクトOBJ1が装備できるサービスを示すレコメンド情報が表示されている。
【0181】
また、ユーザがユーザ端末20を介してテキスト入力した文字列「主題歌」に応じて、アーチスト「Mr.SEJ」が歌唱する「昇り竜」という楽曲を劇中でBGMとして再生するサービスを示すレコメンド情報が、レコメンド領域REに表示されている。このレコメンド情報は、音符形のアイコン、アーチスト名、および曲名を含んだアートワーク等の形態で表示されてよい。ただし表示形態はこれには限られない。なお、本実施の形態の例において架空のアーチスト「Mr.SEJ」は、舞台「ARクエスト」のアニメーション版におけるエンディングテーマ曲(「昇り竜」とは別の楽曲)を歌唱している人物であると仮定する。また、舞台「ARクエスト」の公演情報(声の出演、製作会社、主題歌等)が蓄積情報として、サーバ10Zからアクセス可能な記憶装置に記憶されている。レコメンド領域REには、この蓄積情報に基づいて、舞台「ARクエスト」に関与しているアーチスト「Mr.SEJ」の公式グッズであるフィギュアを示すレコメンド情報が表示されている。
【0182】
レコメンド情報は商品またはサービスを示す情報であるため、表示装置に表示された商品またはサービスを示す情報である商品等情報にも該当する。そのため、ユーザがレコメンド領域REに表示されたレコメンド情報をタップすると、このタップに係る入力操作情報に基づいて、権限取得用情報表示部103が、権限取得用情報R5およびR6を表示装置DISPに表示させる。
【0183】
図23における権限取得用情報R5およびR6は、楽曲「昇り竜」を劇中でBGMとして再生するサービスを受ける権限をユーザに取得させるための情報である。すなわち、楽曲を示すアートワークと、ユーザが購入の意思表示を行うためのBuyボタンとが、権限取得用情報に相当する。ユーザはアートワーク(権限取得用情報R5)をBuyボタン(権限取得用情報R6)までスワイプさせることにより、前記楽曲をストリーミング再生によって視聴することができるようになる。なお、図23に示した権限取得用情報の表示態様はあくまで一例であり、他の表示態様が採用されてもよい。
【0184】
ここで、表現制御部102は、権限の取得の有無に応じて表現を制御する機能を有する。本実施の形態の例では、ユーザが楽曲「昇り竜」を劇中でBGMとして再生するサービスを受ける権限を取得した場合、ユーザが権限を取得したことを示す情報をサーバ10Zが取得し、この情報に応じて表現制御部102が、舞台「ARクエスト」のBGMを他の楽曲から「昇り竜」へと切り替える。また、表現制御部102が、主人公である第1オブジェクトOBJ1のアクションを制御し、主人公におじぎをさせる。例えばこれらのように、表現制御部102は、権限の取得の有無に応じて表現の内容を変化させてよい。なお、表現の内容の変化は、BGMの変更、またはオブジェクトによる所定のアクションには限られない。例えば物語の展開を、権限の取得の有無に応じて分岐させてよい。舞台演劇イベントに登場する仮想的な物品が、権限の取得の有無に応じて変わっても良い。例えばシールドを使用する権限を取得したユーザに対しては、劇中の主人公である第1オブジェクトOBJ1にシールドを持たせる。剣を使用する権限を取得するユーザに対しては、劇中の主人公である第1オブジェクトOBJ1に剣を持たせる、などである。音楽ライブのイベントなどであれば、アーチストが歌唱する曲(演目)を、権限の取得の有無に応じて変更してもよい。表現に用いられる第1オブジェクト等の仮想的なオブジェクトが有する属性を、権限の取得の有無に応じて変更してもよい。例えば、第1オブジェクトがアバターである場合に、当該アバターが有する属性である「声質」を変更してもよい。例えば、ユーザが権限の取得を行っていない場合は声優Aの声で、ユーザが権限の取得を行っている場合は声優Bの声で、第1オブジェクトOBJ1に会話をさせてよい。これにより、イベントの参加者に対して基本的には均一な表現を提供しつつ、ユーザの購買行動等に応じて、個別化された表現を提供することができるようになる。
【0185】
なお、ユーザによる権限の取得は、表現の進行中以外のタイミングで行われてもよい。例えば、ユーザによる権限の取得が、第1オブジェクトOBJ1をAR表示させて行われるライブイベントが開催される1週間前に行われてもよい。ユーザは商品の購入を事前に行い、自宅に届いた商品の商品情報を、ユーザ端末20などを介してサーバ10Zへと送信する。商品情報のサーバ10Zへの伝達方法については特に限定しない。例えば、商品に埋め込まれたNFCタグをユーザ端末20にタッチさせて、ユーザ端末20が商品からデータを読み取る。ユーザ端末20が備えるプロセッサはこのデータ読み取りに基づいて商品情報を生成し、これをサーバ10Zへと送信する。または、商品に貼り付けられたバーコードをユーザ端末20がバーコードリーダを使用して読み込んで、商品情報を生成し、これをサーバ10Zへと送信してもよい。その他、ユーザ端末20が備えるカメラが商品を撮影して、撮像データをユーザ端末20またはサーバ10Zが画像認識することによって、商品情報を抽出してもよい。ユーザ端末20を経由して商品情報がサーバ10Zへと送信されれば、サーバ10Zの表現制御部102は、ユーザが過去に権限を取得したことを認識することができる。表現制御部102は、当該過去の権限取得の有無に応じて、表現を制御してもよい。
【0186】
(表現の進行に応じた権限取得用情報およびレコメンド情報の表示)
次に、表現の進行に応じた権限取得用情報およびレコメンド情報の表示について説明する。権限取得用情報表示部103は、表現の進行に基づいた表示態様で権限取得用情報を表示装置に表示させる機能を有する。レコメンド情報表示部105は、表現の進行に基づいた表示態様でレコメンド情報を表示装置に表示させる機能を有する。
【0187】
表現の進行とは、例えば音楽ライブのイベントであれば、アーチストが1曲目を歌い終わって2曲目を歌い始める、曲中に歌詞を間違えて最初からやり直す、アンコールに応えて再びステージに登場する、等のように、イベントにおける状態が変わっていくことを意味する。舞台演劇のイベントであれば、幕が上がる、役者が登場する、ストーリーが展開する、場面が切り替わる、などのように、イベントにおける状態が変わっていくことを意味する。
【0188】
表示態様とは、例えば表示のタイミング、表示位置、表示色、表示の大きさ、表示のフォント、表示を強調するエフェクトの有無、アニメーション表示の有無、AR表示とするか否か、文字表示とするか絵で表示とするか、ユーザによる入力を受け付ける表示とするか否か、などを意味する。前記はあくまで一例であり、これら以外の表示態様も考えられる。
【0189】
図24は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による表示例を示す概念図である。図24は、主人公である第1オブジェクトOBJ1が、ドラゴンENを倒した後の場面を示している。
【0190】
図24に示されたレコメンド領域REには、第1オブジェクトOBJ1を用いた表現の内容、すなわち「ドラゴンと戦う物語においてドラゴンを倒した」という内容に応じて、アーチスト「Mr.SEJ」が歌唱する楽曲「VICTORY」を劇中でBGMとして再生するサービスを示すレコメンド情報が表示されている。すなわち権限取得用情報表示部103は、舞台演劇の進行中に主人公である第1オブジェクトOBJ1がドラゴンENを倒した事をトリガとして、楽曲「VICTORY」についてのレコメンド情報の表示タイミングを制御している。また、権限取得用情報表示部103は、舞台演劇の進行中に主人公である第1オブジェクトOBJ1がドラゴンENを倒した事をトリガとして、楽曲「VICTORY」についてのレコメンド情報の表示態様を、文字情報および枠線が太字で強調されるように制御している。
【0191】
その他、権限取得用情報表示部103は、音楽ライブイベントにおいてアーチストが3曲を歌い終えてトークを始めた、演劇ライブイベントにおいてクライマックスシーンから所定の秒数が経過した、ゲーム対戦イベントにおいてある対戦プレイヤーが所定のアイテムを使用した、等のように種々の条件をトリガとして、種々の表示態様でレコメンド情報を表示装置DISPに表示させてよい。
【0192】
図24に示された第2領域は表示装置DISPの左上側にあり、権限取得用情報R7およびR8はこの第2領域に表示されている。なお、権限取得用情報R7およびR8は、楽曲「VICTORY」を劇中でBGMとして再生するサービスを受ける権限をユーザに取得させるための情報である。権限取得用情報は、表示された場合に、ユーザがイベント内で行われる表現に没入するのを妨げる可能性がある。そこで本実施の形態の例において権限取得用情報表示部103は、主人公である第1オブジェクトOBJ1がドラゴンENを倒した事をトリガとして、権限取得用情報R7およびR8の表示位置を、表示装置DISPの左側(図23参照)から、表示装置DISPの左上側(図24参照)へと移動するように、表示態様を制御している。すなわち権限取得用情報表示部103は、表現の進行に基づいた表示態様で権限取得用情報を表示装置に表示させている。
【0193】
権限取得用情報の表示位置の変更態様は上記の態様には限られない。例えば、権限取得用情報表示部103またはレコメンド情報表示部105は、権限取得用情報(第2領域)またはレコメンド情報(レコメンド領域RE)を、表示装置DISPに映り込む他の対象に重畳するように、表示装置DISPに表示させてもよい。そして、権限取得用情報またはレコメンド情報が非透過状態で表示されてもよい。これによって、音楽ライブや演劇ライブなどのイベントにおいて、表現としてユーザに知覚させたくない所定の対象を、権限取得用情報(第2領域)またはレコメンド情報(レコメンド領域RE)によって隠すことができる。
【0194】
例えば、現実空間で行われた音楽ライブや演劇ライブ等のライブイベントを撮影した動画データ(ダウンロード再生だけでなく、ストリーミング再生や、生放送配信などに係るデータも含む)に第1オブジェクトOBJ1が重畳するように、オブジェクト表示部101が第1オブジェクトOBJ1を表示装置DISPに表示させて行う表現がある。この表現は、現実空間上のイベントと拡張現実とを混合させた混合イベントと解釈することができる。上述の、表現としてユーザに知覚させたくない所定の対象の例として、混合イベントにおける、現実空間のライブステージの下に配置されたイベントスタッフなどがある。当該イベントスタッフは、ステージの下に立つ、あるいはしゃがむなどして待機し、観客およびアーチストの安全を確保している。
【0195】
第7の実施形態の一側面として、拡張現実を用いたイベントを開催することができ、かつ当該イベントにおいて物販やサービス提供を行うことができる。
【0196】
第7の実施形態の一側面として、ユーザが例えば商品の購入などの権限取得の意思表示を行った場合に、権限取得用情報を表示させることができる。これにより、権限取得の意思を持たないユーザがイベントへの参加に集中することができる。
【0197】
第7の実施形態の一側面として、イベントで用いられる第1領域と、商品の購入等を行う第2領域とを分けることにより、商品の購入等を行うための表示がユーザによるイベントへの参加を阻害しない。
【0198】
第7の実施形態の一側面として、ユーザが権限を取得したか否かに応じて、イベント中に異なった演出を行うことができる。これにより、基本的に同じイベントであっても、ユーザ毎に異なるイベントを体験することができ、イベントを個別化することができる。
【0199】
第7の実施形態の一側面として、ユーザが権限取得の意思表示を拡張現実空間上で行うことができる。
【0200】
第7の実施形態の一側面として、イベントに対して適切な態様で権限取得用情報を表示させることができる。
【0201】
第7の実施形態の一側面として、イベントが行われる会場自体も拡張現実空間上に設けることができ、ユーザは拡張現実によって表現されたイベント会場でイベントに参加、物品購入、またはサービスの提供を受ける等の自由な行動をすることができる。
【0202】
第7の実施形態の一側面として、拡張現実空間上で行われるイベントにおいて、ユーザに適切な商品またはサービスをレコメンドすることができる。
【0203】
第7の実施形態の一側面として、イベントに対して適切な態様でレコメンド情報を表示させることができる。
【0204】
以上に説明したように、本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。なお、夫々の実施形態による効果は、非限定的な効果または効果の一例である。
【0205】
なお、上述した各実施形態では、複数のユーザ端末20、20A~20Cとサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、イベント提供プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【0206】
また、イベント提供システム100およびイベント提供システム100Aの構成は、上述した各実施形態の例として説明した構成に限定されない。例えばユーザ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバ10が実行する構成としてもよいし、サーバ10が実行する処理として説明した処理の一部または全部を複数のユーザ端末20、20A~20Cの何れかが実行する構成としてもよい。また、サーバ10が備える記憶部(記憶装置)の一部または全部を複数のユーザ端末20、20A~20Cの何れかが備える構成としてもよい。すなわち、イベント提供システム100またはイベント提供システム100Aにおける、ユーザ端末とサーバのどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。
【0207】
また、プログラムが、上述した各実施形態の例として説明した機能の一部または全部を、通信ネットワークを含まない装置単体に実現させる構成としてもよい。
【0208】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。[1]
イベント提供プログラムであって、
サーバに、
仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示機能と、
前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御機能と、
前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための情報(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示機能と、
を実現させるためのイベント提供プログラム。
[2]
前記権限取得用情報表示機能では、前記表示装置に表示された前記商品またはサービスを示す情報である商品等情報に対するユーザによる入力操作情報を取得した場合に、前記権限取得用情報を前記表示装置に表示させる機能を
実現させるための[1]に記載のイベント提供プログラム。
[3]
前記権限取得用情報表示機能では、前記表示装置における前記第1オブジェクトが表示される第1領域とは異なる第2領域に前記権限取得用情報を表示させる機能を
実現させるための[1]または[2]に記載のイベント提供プログラム。
[4]
前記表現制御機能では、前記権限の取得の有無に応じて前記表現を制御する機能を
実現させるための[1]から[3]のうちいずれか一項に記載のイベント提供プログラム。[5]
前記権限取得用情報の表示は、現実空間に重畳して行われる、
[1]から[4]のうちいずれか一項に記載のイベント提供プログラム。
[6]
前記権限取得用情報表示機能では、前記表現の進行に基づいた表示態様で前記権限取得用情報を前記表示装置に表示させる機能を
実現させるための[1]から[5]のうちいずれか一項に記載のイベント提供プログラム。[7]
前記サーバに、
現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示機能をさらに実現させ、
前記第1オブジェクトおよび前記権限取得用情報のうち少なくともいずれか一方が、前記拡張現実ジオラマと共に前記表示装置により表示される、
[1]から[6]のうちいずれか一項に記載のイベント提供プログラム。
[8]
前記サーバに、
前記表現の内容、前記ユーザによる入力情報、または所定の蓄積情報に応じて、前記ユーザによる権限の取得が推奨される商品またはサービスを示すレコメンド情報を前記表示装置に表示させる、レコメンド情報表示機能を
実現させるための[1]から[7]のうちいずれか一項に記載のイベント提供プログラム。[9]
前記レコメンド情報表示機能では、前記表現の進行に基づいた表示態様で前記レコメンド情報を前記表示装置に表示させる機能を
実現させるための[8]に記載のイベント提供プログラム。
[10]
[1]から[9]のうちいずれか一項に記載のイベント提供プログラムが前記サーバに実現させる機能のうち少なくとも1つの機能を、当該サーバと通信可能なユーザ端末に実現させるためのプログラム。[11]
[1]から[9]のうちいずれか一項に記載のイベント提供プログラムがインストールされたサーバ。[12]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えるイベント提供システムであって、
仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示手段と、
前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御手段と、
前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための表示(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示手段と、
を含む、イベント提供システム。
[13]
イベント提供プログラムであって、
ユーザ端末に、
仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示機能と、
前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御機能と、
前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための表示(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示機能と、
を実現させるためのイベント提供プログラム。
[14]
[13]に記載のイベント提供プログラムがインストールされたユーザ端末。
[15]
イベント提供プログラムであって、
コンピュータ装置に、
仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示機能と、
前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御機能と、
前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための表示(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示機能と、
を実現させるためのイベント提供プログラム。
[16]
コンピュータ装置によるイベント提供方法であって、
仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示処理と、
前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御処理と、
前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための表示(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示処理とを含む、
イベント提供方法。
[17]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えるイベント提供システムによる、イベント提供方法であって、
仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳して表示装置に表示させる、オブジェクト表示処理と、
前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御処理と、
前記オブジェクト、前記イベント、または前記表現に関係する商品またはサービスについての所定の権限をユーザに取得させるための表示(以下「権限取得用情報」という。)を前記表示装置に表示させる、権限取得用情報表示処理とを含む、
イベント提供方法。
【産業上の利用可能性】
【0209】
本発明の実施形態の一つによれば、拡張現実を用いたイベントを開催することができ、かつ当該イベントにおいて物販やサービス提供を行えるイベント提供プログラム、イベント提供システムおよびイベント提供方法として有用である。
【符号の説明】
【0210】
10、10A、10B、10C、10D、10Z サーバ
11、21、41、61 プロセッサ
12、22、42、62 メモリ
13、23、43、63 記憶装置
20、20A、20B、20C、20Z ユーザ端末
30 通信ネットワーク
40 他サーバ
60 応対者装置
64 カメラ
65 入力装置
66 表示装置
100、100A イベント提供システム
101、201、501 オブジェクト表示部
102、102D、202、502 表現制御部
103、103B、103C、203、503 権限取得用情報表示部
104 拡張現実ジオラマ表示部
105 レコメンド情報表示部
A1~A5 応対キャラクタ
ARD1~ARD3 拡張現実ジオラマ
CTR コントローラ
DISP 表示装置
OBJ1 第1オブジェクト
OBJ2 第2オブジェクト
R1~R8 権限取得用情報
RE レコメンド領域
RR レジ領域
SP 応対者

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【手続補正書】
【提出日】2024-11-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張現実を用いたプログラムであって、
サーバに、
仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳表示させる、オブジェクト表示機能と、
前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御機能と、
前記オブジェクトまたは前記表現に関係する現実空間における実物体である品について所定の権限をユーザに取得させるための情報(以下「権限取得用情報」という。)を表示装置に表示させる、権限取得用情報表示機能とを含み、
前記権限取得用情報とは、ユーザがその情報の前記表示を受けた場合に、権限を取得するための意思表示を行える情報である、
プログラム。
【請求項2】
前記所定の権限は、前記商品の購入または貸与する権限を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記所定の権限は、実物品を使用する権限を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
拡張現実を用いたプログラムであって、
サーバに、
仮想的なオブジェクトである第1オブジェクトを現実空間に重畳表示させる、オブジェクト表示機能と、
前記第1オブジェクトを含む一以上の仮想的なオブジェクトを用いた表現を制御する、表現制御機能と、
前記オブジェクトまたは前記表現に関係するデータである商品について所定の権限をユーザに取得させるための情報(以下「権限取得用情報」という。)を表示装置に表示させる、権限取得用情報表示機能とを含み、
前記権限取得用情報とは、ユーザがその情報の前記表示を受けた場合に、権限を取得するための意思表示を行える情報である、
プログラム。
【請求項5】
前記所定の権限は、前記データを購入または取得する権限を含む、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記所定の権限は、前記データを複製または改変する権限を含む、請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
前記所定の権限は、前記データを使用する権限を含む、請求項4に記載のプログラム。