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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174101
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20241206BHJP
【FI】
H01L21/60 301A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024170233
(22)【出願日】2024-09-30
(62)【分割の表示】P 2022016678の分割
【原出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡部 正和
(57)【要約】
【課題】本明細書は、主面上に主電極と制御電極を有する半導体素子を備える半導体装置に関し、制御電極を小さくする技術を提供する。
【解決手段】本明細書が開示する半導体装置は、一方の主面に主電極と制御電極が形成されている半導体素子と、ワイヤが接合される端子基板を備える。端子基板のおもて面にボンディング端子が形成されており、端子基板の裏面に中継端子が形成されており、ボンディング端子と中継端子が導通している。端子基板は、制御電極と中継端子が接触するように半導体素子に接合されている。ボンディング端子の面積が制御電極の面積よりも大きい。そして、端子基板の裏面に段差が設けられており、その段差に素子基板の側面が当接している。ワイヤが接合されるボンディング端子を半導体素子とは別の基板(端子基板)に設けることで、制御電極を小さくすることができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の主面に主電極と制御電極が配置されている半導体素子と、
おもて面にワイヤが接合されるボンディング端子が配置されており、裏面に中継端子が配置されており、前記ボンディング端子と前記中継端子が導通している端子基板と、
を備えており、
前記ボンディング端子の面積が前記制御電極の面積よりも大きく、
前記制御電極と前記中継端子が接触するように前記端子基板が前記半導体素子に接合されており、
前記裏面に段差が設けられており、前記段差に前記半導体素子の側面が当接している、半導体装置。
【請求項2】
前記端子基板は、前記中継端子を含んでいる薄板部と、前記ボンディング端子を含んでいる厚板部を有しており、
前記薄板部の厚みが前記厚板部の厚みよりも薄く、
前記薄板部と前記厚板部の境界が前記段差に相当し、
前記薄板部が前記半導体素子と接合されている、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記厚板部における前記裏面が半導体素子の他方の主面と面一である、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記裏面に前記段差を形成する突起が設けられている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体素子と前記端子基板を覆う樹脂パッケージを備えており、
前記樹脂パッケージと前記端子基板が同じ材料で作られている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体装置(特に、電力変換用のパワー半導体装置)では、半導体素子の一方の主面に主電極と制御電極が形成されている。制御電極には主電極に流れる電流よりも小さい電流が流れるため、制御電極の面積は主電極の面積よりも小さい。特許文献1に、そのような半導体装置が例示されている。従来の半導体装置では、主電極には金属ブロックが接続され、制御電極にワイヤ(ボンディングワイヤ)が接合されていた。ボンディングワイヤはアルミニウムで作られることが多く、その直径は500μm程度である。
【0003】
特許文献2には、半導体素子の一方の主面に貼着される配線シートが開示されている。配線シートの一方の表面には、主電極と接続される電極端子と、制御電極と接続される制御端子が配置されている。配線シートの内部には、一端が制御端子に接続される銅材が備えられている。銅材の他端は制御電極端子に接続され、制御電極端子は配線シートから外へ延びている。半導体素子の制御電極がワイヤではなく配線シート上の制御端子を介して銅材と接続されるため、主電極と制御電極の間の距離を短くすることができる。配線シートにはフレキシブルプリント基板が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-161807号公報
【特許文献2】特開2013-073945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
制御電極には小電流しか流れないため、電流容量の観点では制御電極は主電極に比べて顕著に小さくてよい。しかし、従来の半導体装置では、制御電極にワイヤ(ボンディングワイヤ)が接合されていた。ワイヤを接合するために、制御電極には、ワイヤの断面積よりも広い面積が必要となる。ワイヤを接合するためだけに制御電極を広くすることは、半導体素子の主面の面積を無駄に広げることになる。制御電極の面積を小さくすることができれば、半導体素子の主面の面積(すなわち半導体素子の外形寸法)を小さくすることができる。近年注目されているSiC基板やGaN基板はコストが嵩むため、主面の面積を小さくすることは、半導体装置のコストを低減することにつながる。
【0006】
特許文献2の技術によれば、制御電極の面積を小さくすることができ、その分、半導体素子の主面の面積を小さくすることができる。しかしながら、特許文献2の技術では、柔軟な配線シートを用いているため、半導体素子の制御電極と配線シート上の端子を位置合わせすることが難しい。半導体素子の制御電極には、配線シート上の端子との位置誤差を許容するだけの面積が必要とされる。本明細書は、半導体装置において従来よりも制御電極の面積を小さくす技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書が開示する半導体装置は、一方の主面に主電極と制御電極が配置されている半導体素子と、ワイヤが接合される端子基板を備える。端子基板のおもて面にボンディング端子が配置されており、端子基板の裏面に中継端子が配置されており、ボンディング端子と中継端子が導通している。端子基板は、制御電極と中継端子が接触するように半導体素子に接合されている。ボンディング端子の面積が制御電極の面積よりも大きい。そして、端子基板の裏面に段差が設けられており、その段差に素子基板の側面が当接している。
【0008】
ワイヤが接合されるボンディング端子を半導体素子とは別の基板(端子基板)に設けることで、主面上の制御電極を小さくすることができる。また、端子基板の裏面の段差に半導体素子の側面を当接させることで、半導体素子に対する端子基板の位置を正確に定めることができる。それゆえ、半導体素子の制御電極と端子基板の中継端子の位置誤差を小さくすることができ、その分、制御電極を小さくすることができる。
【0009】
段差の一例は次の通りである。端子基板は、中継端子を含んでいる薄板部と、ボンディング端子を含んでいる厚板部を有している。薄板部の厚みが厚板部の厚みよりも薄い。端子基板の裏面において、薄板部と厚板部の境界が上記した段差に相当する。薄板部が半導体素子と接合されている。さらに、厚板部における端子基板の裏面が半導体素子の他方の主面と面一であるとよい。半導体素子と厚板部の下に平面があれば、半導体素子と厚板部はともに平面に支えられる。それゆえ、ボンディング端子にワイヤを接合する際に、半導体素子と厚板部が厚み方向でずれることがない。
【0010】
端子基板の裏面に突起が設けられており、突起が上記した段差を形成してもよい。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施例の半導体装置の斜視図である。
図2】半導体装置の分解斜視図である(樹脂パッケージは不図示)。
図3】半導体素子と端子基板の斜視図である。
図4】半導体装置の平面図である(樹脂パッケージと上放熱板は不図示)。
図5図4のV-V線に沿った断面図である。
図6】第1変形例の端子基板の斜視図である。
図7】第2変形例の端子基板の斜視図である。
図8】第2変形例の端子基板を装着した半導体装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施例)図面を参照しつつ第1実施例の半導体装置2を説明する。図1に、半導体装置2の斜視図を示す。図2に半導体装置2の分解斜視図を示す。半導体装置2は、樹脂パッケージ10に半導体素子20を封止したデバイスである。図1では、半導体素子20は樹脂パッケージ10に覆われているので見えない。図2は、樹脂パッケージ10の図示を省略し、第1放熱板14を外した状態の半導体装置2を示している。
【0013】
半導体素子20は、IGBTやMOSFETなど、電力変換用のスイッチング素子であり、いわゆるパワー半導体素子と呼ばれる。半導体素子20の一方の主面(第1主面20a)には第1主電極21と複数の制御電極23(図5参照)が配置されている。図2では制御電極23は端子基板30に隠れて見えない。半導体素子20の他方の主面(第2主面20b)には、第2主電極22が配置されている。第1主電極21と第2主電極22は、スイッチング素子のソースやドレインに接続され、大電流(例えば10アンペア以上)が流れる。
【0014】
第1主面20aの第1主電極21には銅ブロック17の下面が接合されており、銅ブロック17の上面には第1放熱板14が接合される。第1放熱板14の縁から第1主端子11が延びている。第2主面20bには第2主電極22(図5参照)が配置されており、第2主電極22を含む第2主面20bには第2放熱板15が接合される。第2放熱板15の縁から第2主端子12が延びている。
【0015】
図1に示されているように、第1放熱板14は樹脂パッケージ10の一方の幅広面に露出しており、また第1主端子11は樹脂パッケージ10から外へ延びている。図1では第2放熱板15は見えないが、第2放熱板15も樹脂パッケージ10の他方の幅広面に露出しており、第2主端子12は樹脂パッケージ10から外へ延びている。第1放熱板14は、半導体素子20の第1主電極21と第1主端子11の間の導通経路と放熱板を兼ねている。第2放熱板15も同様に、半導体素子20の第2主電極22と第2主端子12の間の導通経路と放熱板を兼ねている。
【0016】
図1、2では見えないが、半導体素子20の第1主面20aには、第1主電極21とともに、複数の制御電極23が露出している。半導体素子20の上に端子基板30が取り付けられており、端子基板30のおもて面30aに複数のボンディング端子33が露出している。詳しくは後述するが、半導体素子20の複数の制御電極23のそれぞれは、ボンディング端子33のそれぞれと導通する。それぞれのボンディング端子33にはそれぞれのボンディングワイヤ16の一端が接合されており、それぞれのボンディングワイヤ16の他端はそれぞれの制御端子13に接合されている。なお、端子基板30の「おもて面」、「裏面」との表現は、互いに反対方向を向く一対の面を区別するための便宜上のものである。「おもて面」/「裏面」との表現は、互いに反対方向を向く一対の面のうちの「一方の面」/「他方の面」と換言してもよい。
【0017】
図1に示されているように、複数の制御端子13は、樹脂パッケージ10から外へ延びている。半導体素子20の第1主面20aに配置されている複数の制御電極23は、半導体素子20の内部でゲート、センスエミッタ、温度センサなどにつながっている。ボンディングワイヤ16は導電性を有している。半導体素子20の複数の制御電極23は、端子基板30と複数のボンディングワイヤ16を介して複数の制御端子13と導通する。
【0018】
半導体素子20と端子基板30は樹脂パッケージ10に覆われているが、主端子11、12、制御端子13を介して、外部のデバイスが半導体素子20の第1主電極21や制御電極23などと導通する。
【0019】
図3に、半導体素子20から端子基板30を分離した斜視図を示す。先に述べたように、半導体素子20の第1主面20aに、第1主電極21とともに複数の制御電極23が配置されている。先に述べたように、制御電極23は、ゲート、センスエミッタ、温度センサに繋がっており、主電極に流れる電流よりも小さい電流しか流れない。それゆえ、制御電極23の面積は第1主電極21の面積よりも顕著に小さい。
【0020】
説明の便宜上、端子基板30の+Z方向を向いている面をおもて面30aと称し、ーZ方向を向いている面を裏面30bと称する。図3の右上には、左側に描かれた端子基板30を上下反転させた図を示してある。
【0021】
図4に半導体装置2の平面図を示し、図5に、図4のV-V線に沿った断面図を示す。ただし、図4では、樹脂パッケージ10と第1放熱板14と銅ブロック17は図示を省略した。図5では、半導体素子20の内部構造は図示を省略した。図3図5を参照しつつ、端子基板30の構造について詳しく説明する。
【0022】
端子基板30のおもて面30aには、複数のボンディング端子33が配置されており、裏面30bには複数の中継端子34が配置されている。複数のボンディング端子33のそれぞれは、複数の中継端子34のそれぞれと、端子基板30の内部で導通している。
【0023】
端子基板30は、厚みの小さい薄板部31と、厚みの大きい厚板部32に分けられる。薄板部31の厚みは厚板部32の厚みよりも薄い。複数の中継端子34は、薄板部31の裏面30bに配置されている。端子基板30の裏面30bにて、薄板部31と厚板部32の境界が段差35を形成している。
【0024】
端子基板30は、複数の中継端子34のそれぞれが、複数の制御電極23のそれぞれと接触して導通するように、半導体素子20に接合される。このとき、半導体素子20の側面20cが段差35(より正確には、段差の側面)に当接するように、端子基板30は半導体素子20に固定される(図5参照)。別言すれば、半導体素子20の第1主面20aと側面20cの角が、段差35の角に接している。
【0025】
複数の中継端子34のそれぞれは、半導体素子20の側面20cが段差35に当接したときに複数の制御電極23のそれぞれと対向するように配置されている。側面20cが段差35に当接するように端子基板30が半導体素子20に取り付けられると、複数の中継端子34のそれぞれが、複数の制御電極23のそれぞれと接触し、導通する。段差35は、半導体素子20に対する端子基板30の位置を正確に目標位置に定める役割を果たす。
【0026】
ボンディングワイヤ16はアルミニウムで作られることが多く、その直径は500μm程度である。図5に示されているように、ボンディングワイヤ16の先端(ボンディング端子33に接合している先端)は、熱で溶かされるため、直径よりも大きくなっている。図3図5によく示されているように、ボンディング端子33は、ボンディングワイヤ16を固定するのに十分な面積を有している。別言すれば、ボンディング端子33の面積は、ボンディングワイヤ16の断面積よりも大きい。一方、端子基板30は段差35によって半導体素子20に対して正確に位置が定まるので、制御電極23と中継端子34は、面積が小さくても確実に接触する。ボンディング端子33の面積は、制御電極23や中継端子34の面積よりも顕著に大きい。別言すれば、制御電極23と中継端子34の面積は、ボンディング端子33の面積よりも小さい。
【0027】
第1実施例の半導体装置2は、端子基板30によってボンディングワイヤ16を接合するのに十分な面積を有するボンディング端子33を確保しつつ、半導体素子20の第1主面20aに設けられた制御電極23を小さくすることができる。その結果、半導体素子20の主面を小さくすることができる。すなわち、半導体素子20を小型化することができる。
【0028】
なお、図5に示されているように、端子基板30のおもて面30aに設けられたボンディング端子33と裏面30bに設けられた中継端子34は、端子基板30の内部にて導電パターン38によって導通する。
【0029】
ボンディング端子33の大部分は端子基板30の厚板部32に設けられており、中継端子34は薄板部31に設けられており、薄板部31が半導体素子20の第1主面20aに接合される。図5に示されているように、厚板部32における裏面30bは、半導体素子20の第2主面20bと面一であり、裏面30bと第2主面20bはともに平坦な第2放熱板15に当接している。端子基板30は半導体素子20と接合した状態で裏面30bが第2放熱板15に接する。それゆえ、ボンディングワイヤ16をボンディング端子33に接合する際、端子基板30が半導体素子20に対してずれることがない。
【0030】
(第1変形例)図6に、第1変形例の端子基板130の斜視図を示す。端子基板130は、裏面130bに段差135を備えており、段差135は、2方向の側面135a、135bを有している。側面135aと側面135bは直交する。段差135の側面135a、135bは、それぞれ、図中の座標系の-X方向、-Y方向を向いている。端子基板130を半導体素子20に取り付ける際、段差135の側面135a、135bはそれぞれ半導体素子20の側面20c、20dに当接する。側面20dは側面20cと交差する。2方向の側面135a、135bを有する段差135を備えることで、端子基板130は、直交する2方向において半導体素子20に対して正確に位置決めされる。
【0031】
なお、段差135に2個目の側面135bを設ける代わりに、第2放熱板15に凸条ガイドを設けてもよい。第1実施例の端子基板30と半導体素子20のそれぞれのY方向を向く面を凸条ガイドに押し当てる。そうすると、半導体素子20に対して端子基板30をY方向でも正確に位置決めすることができる。
【0032】
(第2変形例)図7図8を参照して第2変形例の端子基板230を説明する。図7に、端子基板230と半導体素子20の斜視図を示す。図8に、端子基板230を装着した半導体装置202の断面図を示す。図7の右上に、左側の端子基板230を上下反転させた斜視図を示す。図7図3に対応し、図8図5に対応する。
【0033】
端子基板230は、第1実施例の端子基板30の厚板部32のかわりに複数の突起231を備えている。図7の右上に、端子基板230の裏面230bを上に向けた図を示してある。端子基板230のおもて面230aには複数のボンディング端子33が配置されており、裏面230bには複数の中継端子34が配置されている。ボンディング端子33のそれぞれは、中継端子34のそれぞれと端子基板230の内部で導通している。
【0034】
端子基板230の裏面230bには複数の突起231が設けられている。突起231の側面が第1実施例の端子基板30の段差35に対応する。より正確には、端子基板230の裏面230bと突起231の先端面の高低差が段差に相当する。
【0035】
端子基板230を半導体素子20に取り付ける際、突起231の側面(段差の側面に相当)が半導体素子20の側面20cに当接する。突起231の側面を半導体素子20の側面20cに当接させることで、X方向における半導体素子20に対する端子基板230の位置を正確に定めることができる。
【0036】
実施例の半導体装置2(202)に関する他の特徴を述べる。端子基板30(130、230)は、半導体素子20を覆う樹脂パッケージ10と同じ材料で作られる。材料の典型は、ポリイミドあるいはポリアミドである。端子基板30(130、230)を樹脂パッケージ10と同じ材料で作ることで、樹脂パッケージ10を射出成型する際、樹脂パッケージ10と端子基板30(130、230)の境界近傍で発生する応力を小さくすることができる。
【0037】
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。1個の半導体素子に対して複数の端子基板が取り付けられていてもよい。また、複数の制御電極は半導体素子20の第1主面上の複数の箇所に分散して配置されてもよい。
【0038】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0039】
2、202:半導体装置 10:樹脂パッケージ 11、12:主端子 13:制御端子 14、15:放熱板 16:ボンディングワイヤ 17:銅ブロック 20:半導体素子 20a:第1主面 20b:第2主面 20c、20d:側面 21、22:主電極 23:制御電極 30、130、230:端子基板 30a、230a:おもて面 30b、130b、230b:裏面 31:薄板部 32:厚板部 33:ボンディング端子 34:中継端子 35、135:段差 38:導電パターン 135a、135b:側面 231:突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-10-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の主面に主電極と制御電極が配置されている半導体素子と、
おもて面にワイヤが接合されるボンディング端子が配置されており、裏面に中継端子が配置されており、前記ボンディング端子と前記中継端子が導通している端子基板と、
前記主電極と導通しているとともに前記主電極と平行に延びている主端子と、
を備えており、
前記ボンディング端子の面積が前記制御電極の面積よりも大きく、
前記制御電極と前記中継端子が接触するように前記端子基板が前記半導体素子に接合されており、
前記裏面に段差が設けられており、前記段差に前記半導体素子の側面が当接している、半導体装置。
【請求項2】
前記端子基板は、前記中継端子を含んでいる薄板部と、前記ボンディング端子を含んでいる厚板部を有しており、
前記薄板部の厚みが前記厚板部の厚みよりも薄く、
前記薄板部と前記厚板部の境界が前記段差に相当し、
前記薄板部が前記半導体素子と接合されている、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記厚板部における前記裏面が半導体素子の他方の主面と面一である、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記裏面に前記段差を形成する突起が設けられている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ボンディング端子と導通しているとともに、前記主電極に平行に延びている制御端子をさらに備えている、請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記制御端子は、前記主端子とは反対方向に延びている、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体素子と前記端子基板を覆う樹脂パッケージを備えており、
前記主電極と導通している放熱板の一方の面が前記樹脂パッケージから露出している、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記主電極と前記放熱板の間に導電性のスペーサが挟まれている、請求項7に記載の半導体装置。