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特開2024-174129吸引装置、制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174129
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】吸引装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20241206BHJP
   A24F 40/65 20200101ALI20241206BHJP
   A24F 40/57 20200101ALI20241206BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/65
A24F40/57
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024172078
(22)【出願日】2024-10-01
(62)【分割の表示】P 2022561699の分割
【原出願日】2020-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100198845
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 善喬
(72)【発明者】
【氏名】山田 学
(57)【要約】
【課題】吸引装置の通信量を削減することが可能な仕組みを提供する。
【解決手段】基材を加熱してエアロゾルを生成する加熱部と、前記加熱部の動作を規定するプロファイルを示す情報を、他の吸引装置又は端末装置から通信リンクを介して受信する通信部と、前記プロファイルを示す情報に従って前記加熱部の動作を制御する制御部と、を備え、前記プロファイルを示す情報は、前記加熱部における加熱の開始時点から終了時点までを構成する複数の時間区間の各々における前記加熱部の動作に関するパラメータを示す情報を含む、吸引装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材を加熱してエアロゾルを生成する加熱部と、
前記加熱部の動作を規定するプロファイルを示す情報を、他の吸引装置又は端末装置から通信リンクを介して受信する通信部と、
前記プロファイルを示す情報に従って前記加熱部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記プロファイルを示す情報は、前記加熱部における加熱の開始時点から終了時点までを構成する複数の時間区間の各々における前記加熱部の動作に関するパラメータを示す情報を含む、
吸引装置。
【請求項2】
前記制御部は、フィードバック制御によって前記加熱部の動作を制御し、
前記加熱部の動作に関するパラメータを示す情報は、前記複数の時間区間の各々についての前記フィードバック制御における前記パラメータの目標値を示す情報である、
請求項1に記載の吸引装置。
【請求項3】
前記パラメータの目標値は、前記複数の時間区間の各々の終期に前記加熱部が到達するべき目標温度又は目標抵抗値である、
請求項2に記載の吸引装置。
【請求項4】
前記プロファイルを示す情報は、前記複数の時間区間の少なくとも一部における前記加熱部の動作に関するパラメータを示す情報を省略した情報を含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記プロファイルを示す情報が第1の時間における前記加熱部の動作に関するパラメータの目標値を示す情報を含まない場合、前記第1の時間のひとつ前の第2の時間における前記加熱部の動作に関するパラメータの目標値を示す情報を、前記第1の時間における前記加熱部の動作に関するパラメータの目標値を示す情報とする、
請求項4に記載の吸引装置。
【請求項6】
前記プロファイルを示す情報は、前記加熱部の動作に関するパラメータの時系列変化である前記プロファイルが離散化された離散データであり、
前記通信部は、前記プロファイルを示す情報として、前記複数の時間区間ごとに、当該時間区間を示す情報と、前記加熱部の動作に関するパラメータを示す情報との組み合わせを含む情報を受信する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項7】
前記時間区間を示す情報は、前記加熱部における加熱の開始時点から終了時点までの全時間区間を分割した複数の時間区間の各々についての当該時間区間を示す情報である、
請求項6に記載の吸引装置。
【請求項8】
前記時間区間を示す情報は、当該時間区間の順番、及び当該時間区間の長さを示す情報である、
請求項6又は7に記載の吸引装置。
【請求項9】
前記時間区間を示す情報は、当該時間区間の終期を前記加熱部の加熱の開始時点からの経過時間により示す情報である、
請求項6又は7に記載の吸引装置。
【請求項10】
前記プロファイルを示す情報は、前記複数の時間区間の各々についての、当該時間区間を示す数値と、当該時間区間における前記加熱部の動作に関するパラメータを示す数値との組み合わせを示す情報を含む、
請求項6~9のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項11】
前記プロファイルを示す情報は、前記加熱部の特性に基づいて前記プロファイルを補正するために用いられる補正値を含む、
請求項1~10のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項12】
基材を加熱してエアロゾルを生成する加熱部の動作を規定するプロファイルを示す情報を、他の吸引装置又は端末装置から通信リンクを介して受信する受信ステップと、
受信した前記プロファイルを示す情報に従って前記加熱部の動作を制御する制御ステップと、を含み、
前記プロファイルを示す情報は、前記加熱部における加熱の開始時点から終了時点までを構成する複数の時間区間の各々における前記加熱部の動作に関するパラメータを示す情報を含む、
制御方法。
【請求項13】
基材を加熱してエアロゾルを生成する加熱部の動作を制御する吸引装置を制御するコンピュータに、
前記加熱部の動作を規定するプロファイルを示す情報を、他の吸引装置又は端末装置から通信リンクを介して受信する受信工程と、
受信した前記プロファイルを示す情報に従って前記加熱部の動作を制御する制御工程と、を実行させ、
前記プロファイルを示す情報は、前記加熱部における加熱の開始時点から終了時点までを構成する複数の時間区間の各々における前記加熱部の動作に関するパラメータを示す情報を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸引装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ及びネブライザ等の、ユーザに吸引される物質を生成する吸引装置が広く普及している。例えば、吸引装置は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル源、及び生成されたエアロゾルに香味成分を付与するための香味源等を含む基材を用いて、香味成分が付与されたエアロゾルを生成する。ユーザは、吸引装置により生成された、香味成分が付与されたエアロゾルを吸引することで、香味を味わうことができる。
【0003】
近年では、吸引装置に無線通信機能を搭載することが検討されている。例えば、下記特許文献1では、吸引装置がモバイル通信デバイスから無線で受信した動作設定に従い動作する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2019/104227号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の技術では、吸引装置の通信量の観点での工夫が十分になされていたとは言い難い。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、吸引装置の通信量を削減することが可能な仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基材を加熱してエアロゾルを生成する加熱部と、前記加熱部の動作を規定するプロファイルを示す情報を、通信リンクを介して受信する通信部と、前記プロファイルを示す情報に従って前記加熱部の動作を制御する制御部と、を備え、前記プロファイルを示す情報は、時間を示す情報と、当該時間における前記加熱部の動作に関するパラメータを示す情報との組み合わせを含む、吸引装置が提供される。
【0008】
前記プロファイルは、開始時点から終了時点までの前記加熱部の動作に関するパラメータの時系列変化を示す情報であり、前記時間を示す情報は、前記開始時点から前記終了時点までを構成する複数の時間区間の各々を示す情報であってもよい。
【0009】
前記時間区間を示す情報は、前記時間区間の順番、及び前記時間区間の長さを示す情報であってもよい。
【0010】
前記時間区間を示す情報は、前記時間区間の終期を前記開始時点からの経過時間により示す情報であってもよい。
【0011】
前記時間区間を示す情報は、前記時間区間の始期及び終期を前記開始時点からの経過時間により示す情報であってもよい。
【0012】
前記加熱部の動作に関するパラメータを示す情報は、前記時間において前記パラメータが到達するべき目標値を示す情報であってもよい。
【0013】
前記プロファイルを示す情報は、開始時点から終了時点までの前記加熱部の動作に関するパラメータの時系列変化を示す情報であり、前記加熱部の動作に関するパラメータを示す情報は、前記時間における前記パラメータの時系列変化を示す情報であってもよい。
【0014】
前記パラメータの時系列変化を示す情報は、前記時間における前記パラメータの時系列変化の形状を近似する関数を示す情報であってもよい。
【0015】
前記プロファイルは、開始時点から終了時点までの前記加熱部の動作に関するパラメータの時系列変化を示す情報であり、前記時間を示す情報は、前記開始時点から前記終了時点までを構成する複数の時間区間の各々を示す情報であり、前記加熱部の動作に関するパラメータを示す情報は、前記時間区間における前記パラメータの時系列変化を示す情報であり、前記通信部は、前記時間区間を示す情報と当該時間区間における前記パラメータの時系列変化を示す情報との組み合わせを、前記開始時点から前記終了時点までを構成する複数の前記時間区間の各々について含む情報を、通信リンクを介して受信してもよい。
【0016】
前記通信部は、前記プロファイルを示す情報として、少なくとも一部の前記時間における前記加熱部の動作に関するパラメータの目標値を示す情報を省略した情報を送信してもよい。
【0017】
前記制御部は、受信した前記プロファイルを示す情報が第1の時間における前記加熱部の動作に関するパラメータの目標値を示す情報を含まない場合、前記第1の時間のひとつ前の第2の時間における前記加熱部の動作に関するパラメータの目標値を示す情報を、前記第1の時間における前記加熱部の動作に関するパラメータの目標値を示す情報としてもよい。
【0018】
前記パラメータは、前記加熱部が動作した際に検出された情報であってもよい。
【0019】
前記パラメータは、前記加熱部の温度、又は、前記加熱部の抵抗値であってもよい。
【0020】
前記パラメータは、前記加熱部により加熱される部位の温度であってもよい。
【0021】
前記パラメータは、前記加熱部に給電される電気に関するものであってもよい。
【0022】
前記パラメータは、前記加熱部により生成された前記エアロゾルがユーザに吸引される量であってもよい。
【0023】
前記通信リンクは、無線であってもよい。
【0024】
前記通信部は、前記プロファイルを示す情報をNFCにより送信してもよい。
【0025】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基材を加熱してエアロゾルを生成する加熱部の動作を規定するプロファイルを示す情報として、時間を示す情報と、当該時間における前記加熱部の動作に関するパラメータを示す情報との組み合わせを、通信リンクを介して送信すること、を含む情報送信方法が提供される。
【0026】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基材を加熱してエアロゾルを生成する加熱部の動作を制御する吸引装置を制御するコンピュータに、基材を加熱してエアロゾルを生成する加熱部の動作を規定するプロファイルを示す情報として、時間を示す情報と、当該時間における前記加熱部の動作に関するパラメータを示す情報との組み合わせを、通信リンクを介して送信するよう前記吸引装置を制御すること、を実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、吸引装置の通信量を削減することが可能な仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。
図2】吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。
図3】本実施形態に係る目標温度の時系列変化を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。
図4】本実施形態に係る目標抵抗値の時系列変化を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。
図5】本実施形態に係る目標温度の時系列変化を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。
図6】本実施形態に係る目標抵抗値の時系列変化を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。
図7】本実施形態に係る目標温度の時系列変化を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。
図8】本実施形態に係る目標抵抗値の時系列変化を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。
図9】本実施形態に係る吸引装置により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】第1の変形例に係る目標温度の時系列変化を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。
図11】第1の変形例に係る目標抵抗値を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。
図12】第2の変形例に係る目標温度を規定した共通テーブルの一例を示す図である。
図13図12に示した共通テーブルと、加熱プロファイルとの対応関係の一例を示す図である。
図14】第2の変形例に係る目標抵抗値の時系列変化を規定した共通テーブルの一例を示す図である。
図15図14に示した共通テーブルと、加熱プロファイルとの対応関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
<<1.吸引装置の構成例>>
吸引装置は、ユーザにより吸引される物質を生成する装置である。以下では、吸引装置により生成される物質が、エアロゾルであるものとして説明する。他に、吸引装置により生成される物質は、気体であってもよい。
【0031】
(1)第1の構成例
図1は、吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。図1に示すように、本構成例に係る吸引装置100Aは、電源ユニット110、カートリッジ120、及び香味付与カートリッジ130を含む。電源ユニット110は、電源部111A、センサ部112A、通知部113A、記憶部114A、通信部115A、及び制御部116Aを含む。カートリッジ120は、加熱部121A、液誘導部122、及び液貯蔵部123を含む。香味付与カートリッジ130は、香味源131、及びマウスピース124を含む。カートリッジ120及び香味付与カートリッジ130には、空気流路180が形成される。
【0032】
電源部111Aは、電力を蓄積する。そして、電源部111Aは、制御部116Aによる制御に基づいて、吸引装置100Aの各構成要素に電力を供給する。電源部111Aは、例えば、リチウムイオン二次電池等の充電式バッテリにより構成され得る。
【0033】
センサ部112Aは、吸引装置100Aに関する各種情報を取得する。一例として、センサ部112Aは、マイクロホンコンデンサ等の圧力センサ、流量センサ又は温度センサ等により構成され、ユーザによる吸引に伴う値を取得する。他の一例として、センサ部112Aは、ボタン又はスイッチ等の、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力装置により構成される。
【0034】
通知部113Aは、情報をユーザに通知する。通知部113Aは、例えば、発光する発光装置、画像を表示する表示装置、音を出力する音出力装置、又は振動する振動装置等により構成される。
【0035】
記憶部114Aは、吸引装置100Aの動作のための各種情報を記憶する。記憶部114Aは、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0036】
通信部115Aは、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行うことが可能な通信インタフェースである。かかる通信規格としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等が採用され得る。
【0037】
制御部116Aは、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って吸引装置100A内の動作全般を制御する。制御部116Aは、例えばCPU(Central Processing Unit)、及びマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。
【0038】
液貯蔵部123は、エアロゾル源を貯蔵する。エアロゾル源が霧化されることで、エアロゾルが生成される。エアロゾル源は、例えば、グリセリン及びプロピレングリコール等の多価アルコール、並びに水等の液体である。エアロゾル源は、たばこ由来又は非たばこ由来の香味成分を含んでいてもよい。吸引装置100Aがネブライザ等の医療用吸入器である場合、エアロゾル源は、薬剤を含んでもよい。
【0039】
液誘導部122は、液貯蔵部123に貯蔵された液体であるエアロゾル源を、液貯蔵部123から誘導し、保持する。液誘導部122は、例えば、ガラス繊維等の繊維素材又は多孔質状のセラミック等の多孔質状素材を撚って形成されるウィックである。その場合、液貯蔵部123に貯蔵されたエアロゾル源は、ウィックの毛細管効果により誘導される。
【0040】
加熱部121Aは、エアロゾル源を加熱することで、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する。図1に示した例では、加熱部121Aは、コイルとして構成され、液誘導部122に巻き付けられる。加熱部121Aが発熱すると、液誘導部122に保持されたエアロゾル源が加熱されて霧化され、エアロゾルが生成される。加熱部121Aは、電源部111Aから給電されると発熱する。一例として、ユーザが吸引を開始したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112Aにより検出された場合に、給電されてもよい。そして、ユーザが吸引を終了したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112Aにより検出された場合に、給電が停止されてもよい。
【0041】
香味源131は、エアロゾルに香味成分を付与するための構成要素である。香味源131は、たばこ由来又は非たばこ由来の香味成分を含んでいてもよい。
【0042】
空気流路180は、ユーザに吸引される空気の流路である。空気流路180は、空気流路180内への空気の入り口である空気流入孔181と、空気流路180からの空気の出口である空気流出孔182と、を両端とする管状構造を有する。空気流路180の途中には、上流側(空気流入孔181に近い側)に液誘導部122が配置され、下流側(空気流出孔182に近い側)に香味源131が配置される。ユーザによる吸引に伴い空気流入孔181から流入した空気は、加熱部121Aにより生成されたエアロゾルと混合され、矢印190に示すように、香味源131を通過して空気流出孔182へ輸送される。エアロゾルと空気との混合流体が香味源131を通過する際には、香味源131に含まれる香味成分がエアロゾルに付与される。
【0043】
マウスピース124は、吸引の際にユーザに咥えられる部材である。マウスピース124には、空気流出孔182が配置される。ユーザは、マウスピース124を咥えて吸引することで、エアロゾルと空気との混合流体を口腔内へ取り込むことができる。
【0044】
以上、吸引装置100Aの構成例を説明した。もちろん吸引装置100Aの構成は上記に限定されず、以下に例示する多様な構成をとり得る。
【0045】
一例として、吸引装置100Aは、香味付与カートリッジ130を含んでいなくてもよい。その場合、カートリッジ120にマウスピース124が設けられる。
【0046】
他の一例として、吸引装置100Aは、複数種類のエアロゾル源を含んでいてもよい。複数種類のエアロゾル源から生成された複数種類のエアロゾルが空気流路180内で混合され化学反応を起こすことで、さらに他の種類のエアロゾルが生成されてもよい。
【0047】
また、エアロゾル源を霧化する手段は、加熱部121Aによる加熱に限定されない。例えば、エアロゾル源を霧化する手段は、振動霧化、又は誘導加熱であってもよい。
【0048】
(2)第2の構成例
図2は、吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。図2に示すように、本構成例に係る吸引装置100Bは、電源部111B、センサ部112B、通知部113B、記憶部114B、通信部115B、制御部116B、加熱部121B、保持部140、及び断熱部144を含む。
【0049】
電源部111B、センサ部112B、通知部113B、記憶部114B、通信部115B、及び制御部116Bの各々は、第1の構成例に係る吸引装置100Aに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。
【0050】
保持部140は、内部空間141を有し、内部空間141にスティック型基材150の一部を収容しながらスティック型基材150を保持する。保持部140は、内部空間141を外部に連通する開口142を有し、開口142から内部空間141に挿入されたスティック型基材150を保持する。例えば、保持部140は、開口142及び底部143を底面とする筒状体であり、柱状の内部空間141を画定する。保持部140は、スティック型基材150へ供給される空気の流路を画定する機能も有する。かかる流路への空気の入り口である空気流入孔は、例えば底部143に配置される。他方、かかる流路からの空気の出口である空気流出孔は、開口142である。
【0051】
スティック型基材150は、基材部151、及び吸口部152を含む。基材部151は、エアロゾル源を含む。なお、本構成例において、エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体であってもよい。スティック型基材150が保持部140に保持された状態において、基材部151の少なくとも一部は内部空間141に収容され、吸口部152の少なくとも一部は開口142から突出する。そして、開口142から突出した吸口部152をユーザが咥えて吸引すると、図示しない空気流入孔から内部空間141に空気が流入し、基材部151から発生するエアロゾルと共にユーザの口内に到達する。
【0052】
加熱部121Bは、第1の構成例に係る加熱部121Aと同様の構成を有する。ただし、図2に示した例では、加熱部121Bは、フィルム状に構成され、保持部140の外周を覆うように配置される。そして、加熱部121Bが発熱すると、スティック型基材150の基材部151が外周から加熱され、エアロゾルが生成される。
【0053】
断熱部144は、加熱部121Bから他の構成要素への伝熱を防止する。例えば、断熱部144は、真空断熱材、又はエアロゲル断熱材等により構成される。
【0054】
以上、吸引装置100Bの構成例を説明した。もちろん吸引装置100Bの構成は上記に限定されず、以下に例示する多様な構成をとり得る。
【0055】
一例として、加熱部121Bは、ブレード状に構成され、保持部140の底部143から内部空間141に突出するように配置されてもよい。その場合、ブレード状の加熱部121Bは、スティック型基材150の基材部151に挿入され、スティック型基材150の基材部151を内部から加熱する。他の一例として、加熱部121Bは、保持部140の底部143を覆うように配置されてもよい。また、加熱部121Bは、保持部140の外周を覆う第1の加熱部、ブレード状の第2の加熱部、及び保持部140の底部143を覆う第3の加熱部のうち、2以上の組み合わせとして構成されてもよい。
【0056】
他の一例として、保持部140は、内部空間141を形成する外殻の一部を開閉する、ヒンジ等の開閉機構を含んでいてもよい。そして、保持部140は、外殻を開閉することで、内部空間141に挿入されたスティック型基材150を挟持してもよい。その場合、加熱部121Bは、保持部140における当該挟持箇所に設けられ、スティック型基材150を押圧しながら加熱してもよい。
【0057】
また、エアロゾル源を霧化する手段は、加熱部121Bによる加熱に限定されない。例えば、エアロゾル源を霧化する手段は、誘導加熱であってもよい。
【0058】
また、吸引装置100Bは、第1の構成例に係る加熱部121A、液誘導部122、液貯蔵部123、及び空気流路180をさらに含んでいてもよく、空気流路180の空気流出孔182が内部空間141への空気流入孔を兼ねていてもよい。この場合、加熱部121Aにより生成されたエアロゾルと空気との混合流体は、内部空間141に流入して加熱部121Bにより生成されたエアロゾルとさらに混合され、ユーザの口腔内に到達する。
【0059】
-補足
吸引装置100は、上記説明した第1の構成例、又は第2の構成例のうち任意の構成例を取り得る。以下では、吸引装置100により生成されたエアロゾルをユーザが吸引することを、単に「吸引」又は「パフ」とも称する。
【0060】
本実施形態に係る吸引装置100は、基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する。加熱部121は、エアロゾルを生成する生成部の一例である。第1の構成例におけるカートリッジ120及び香味付与カートリッジ130、並びに第2の構成例におけるスティック型基材150は、本発明における基材の一例である。吸引装置100は、吸引装置100に装着された基材を用いてエアロゾルを生成する。第1の構成例において、電源ユニット110に接続されたカートリッジ120及び香味付与カートリッジ130は、吸引装置100に装着された基材の一例である。第2の構成例において、吸引装置100に挿入されたスティック型基材150は、吸引装置100に装着された基材の一例である。
【0061】
<<2.技術的特徴>>
(1)加熱プロファイル
本実施形態に係る吸引装置100は、加熱プロファイルに従って動作する。加熱プロファイルとは、吸引装置100が行うエアロゾルを生成する動作(即ち、加熱部121が基材を加熱する動作)を規定する情報である。制御部116は、加熱プロファイルに従って加熱部121が動作するよう制御する。これにより、エアロゾルが生成される。
【0062】
加熱プロファイルは、開始時点から終了時点までの加熱部121の動作に関するパラメータの時系列変化を示す情報である。とりわけ、加熱プロファイルは、加熱部121の動作に関するパラメータの目標値の時系列変化を示す情報であってもよい。その場合、吸引装置100は、加熱部121の動作に関するパラメータが、加熱プロファイルに規定された目標値の時系列変化に沿って変化するよう、加熱部121の動作を制御する。
【0063】
パラメータの一例は、加熱部121の温度である。加熱プロファイルにおける加熱部121の温度の目標値を、以下では目標温度とも称する。制御部116は、加熱プロファイルにおいて定義された目標温度と同様の温度が加熱部121において実現されるよう、加熱部121の温度を制御する。加熱部121の温度制御は、例えば公知のフィードバック制御によって実現できる。具体的には、制御部116は、電源部111からの電力を、パルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)によるパルスの形態で、加熱部121に供給させる。その場合、制御部116は、電力パルスのデューティ比を調整することによって、加熱部121の温度制御を行うことができる。
【0064】
フィードバック制御では、制御部116は、加熱部121の温度と目標温度との差分等に基づいて、加熱部121へ供給する電力、例えば上述したデューティ比を制御すればよい。フィードバック制御は、例えばPID制御(Proportional-Integral-Differential Controller)であってよい。加熱部121の温度は、例えば、加熱部121(より正確には、加熱部121を構成する発熱抵抗体)の電気抵抗値を測定又は推定することによって定量できる。これは、発熱抵抗体の電気抵抗値が、温度に応じて変化するためである。発熱抵抗体の電気抵抗値は、例えば、発熱抵抗体での電圧降下量を測定することによって推定できる。発熱抵抗体での電圧降下量は、発熱抵抗体に印加される電位差を測定する電圧センサによって測定できる。他の例では、加熱部121の温度は、加熱部121付近に設置された温度センサによって測定されることができる。
【0065】
上述したように、加熱部121の電気抵抗値が加熱部121の温度に応じて変化する場合、加熱部121の温度は、加熱部121の抵抗値と同義であると言える。そのため、加熱部121の目標温度は、加熱部121の電気抵抗値によって示すこともできる。この場合、加熱プロファイルにおけるパラメータの一例は、加熱部121の抵抗値であってもよい。加熱プロファイルにおける加熱部121の抵抗値の目標値を、以下では目標抵抗値とも称する。制御部116は、加熱プロファイルにおいて定義された目標抵抗値と同様の抵抗値が加熱部121において実現されるよう、加熱部121の抵抗値を制御してもよい。加熱部121の抵抗値制御は、例えば公知のフィードバック制御によって実現できる。具体的には、制御部116は、電源部111からの電力を、パルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)によるパルスの形態で、加熱部121に供給させる。その場合、制御部116は、電力パルスのデューティ比を調整することによって、加熱部121の抵抗値制御を行うことができる。
【0066】
なお、加熱部121の温度は、加熱部121の電気抵抗値と対応関係にあるが、加熱部121の温度に対応する抵抗値は、加熱部121の特性及び環境温度に依存する。そのため、加熱部121の特性又は環境温度が異なれば、同じ目標温度であっても、当該目標温度と対応関係にある目標抵抗値は異なる値となる。
【0067】
フィードバック制御では、制御部116は、加熱部121の抵抗値と目標抵抗値との差分等に基づいて、加熱部121へ供給する電力、例えば上述したデューティ比を制御すればよい。フィードバック制御は、例えばPID制御であってよい。なお、発熱抵抗体の電気抵抗値は、例えば、発熱抵抗体での電圧降下量を測定することによって推定できる。
【0068】
第1の構成例においては、加熱部121Aによる加熱は、パフが検出されたタイミングで行われる。即ち、加熱部121Aは、パフが検出される度に加熱を行う。第1の構成例に係る吸引装置100Aに基材が装着されてから、パフが行われる度に基材に含まれるエアロゾル源は減少していき、いずれ枯渇する。そのため、典型的には、ユーザは、エアロゾル源が枯渇するタイミングで、基材を交換する。
【0069】
他方、第2の構成例においては、加熱部121Bによる加熱は、加熱開始を指示する操作が行われたことが検出されたタイミングから開始される。加熱部121Bによる加熱が行われている間、基材からエアロゾルが発生する。加熱開始後、時間経過と共に基材に含まれるエアロゾル源は減少していく。エアロゾル源が枯渇するタイミングで、加熱部121Bによる加熱が停止される。そのため、典型的には、ユーザは、加熱部121Bによる加熱が行われる間にパフを行う。
【0070】
なお、十分な量のエアロゾルが発生すると想定される期間は、パフ可能期間とも称される。他方、加熱が開始されてからパフ可能期間が開始されるまでの期間は、予備加熱期間とも称される。予備加熱期間において行われる加熱は、予備加熱とも称される。パフ可能期間が開始するタイミング及び終了するタイミングが、ユーザに通知されてもよい。その場合、ユーザは、かかる通知を参考に、パフ可能期間においてパフを行うことができる。
【0071】
加熱プロファイルの開始時点及び終了時点は、多様に考えられる。
【0072】
第1の構成例における加熱プロファイルの開始時点の一例は、新たな基材が装着されたタイミングである。第1の構成例における加熱プロファイルの終了時点の一例は、装着済みの基材が取り外されたタイミングである。
【0073】
第2の構成例における加熱プロファイルの開始時点の一例は、加熱(より正確には、予備加熱)が開始するタイミングである。また、第2の構成例における加熱プロファイルの終了時点の一例は、加熱部121による加熱が終了するタイミング(より正確には、パフ可能期間が終了するタイミング)である。なお、加熱が開始されてから終了するまでの間に、加熱が一時的に休止されてもよい。
【0074】
第2の構成例における加熱プロファイルの一例を、図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る目標温度の時系列変化を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。本グラフの横軸は、時間(秒)である。本グラフの縦軸は、加熱部121の温度である。本グラフにおける線21は、加熱プロファイルにおける目標温度の時系列変化を示している。
【0075】
本グラフの線21を参照すると、加熱開始から20秒後に目標温度250℃に到達するよう設定されている。次いで、加熱開始から60秒後に目標温度220℃に到達するよう設定されている。次に、加熱開始から240秒後に目標温度230℃に到達するよう設定されている。次いで、加熱開始から240秒後から260秒後までの間、目標温度230℃を維持するよう設定されている。最後に、加熱開始から300秒後に、目標温度220℃に到達するよう設定されている。制御部116は、これらの各時刻において、設定された目標温度に向けて加熱部121の温度を制御する。その結果、加熱プロファイルに追随するようにして、加熱部121の温度が変化する。
【0076】
図3に示した例では、加熱開始から20秒後までが予備加熱期間である。そのため、加熱開始から20秒後からパフ可能期間が開始される。加熱開始から300秒後以降は、目標温度が設定されていない。そのため、制御部116は、加熱部121による加熱を停止する。ただし、加熱部121及び基材の余熱が残っている間は、エアロゾルが生成される。そのため、図3に示した例では、加熱停止後である加熱開始から320秒後に、パフ可能期間が終了する。
【0077】
上述したように、加熱部121の電気抵抗値が加熱部121の温度に応じて変化する場合、加熱プロファイルは、目標抵抗値の時系列変化を規定していてもよい。図4は、本実施形態に係る目標抵抗値の時系列変化を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。本グラフの横軸は、時間(秒)である。本グラフの縦軸は、図3に示した例における縦軸の加熱部121の目標温度を、加熱部121の電気抵抗値(即ち、目標抵抗値)として示したものである。本グラフにおける線31は、加熱プロファイルにおける目標抵抗値の時系列変化を示している。なお、本グラフの縦軸の抵抗値は、あくまでも一例であって、加熱部121の特性又は環境温度が異なれば、同じ目標温度に対応する抵抗値であっても異なる値となる。
【0078】
本グラフの線31を参照すると、加熱開始から20秒後に目標抵抗値1.50Ωに到達するよう設定されている。次いで、加熱開始から60秒後に目標抵抗値1.20Ωに到達するよう設定されている。次に、加熱開始から240秒後に目標抵抗値1.30Ωに到達するよう設定されている。次いで、加熱開始から240秒後から260秒後までの間、目標抵抗値1.30Ωを維持するよう設定されている。最後に、加熱開始から300秒後に、目標抵抗値1.20Ωに到達するよう設定されている。制御部116は、これらの各時刻において、設定された目標抵抗値に向けて加熱部121の抵抗値を制御する。その結果、加熱プロファイルに追随するようにして、加熱部121の抵抗値が変化する。そして、加熱部121の温度は、加熱部121の電気抵抗値によって変化するため、制御部116による加熱部121の抵抗値の制御に基づいて、加熱部121の温度が制御されることになる。
【0079】
図4に示した例では、加熱開始から20秒後までが予備加熱期間である。そのため、加熱開始から20秒後からパフ可能期間が開始される。加熱開始から300秒後以降は、目標抵抗値が設定されていない。そのため、制御部116は、加熱部121による加熱を停止する。ただし、加熱部121及び基材の余熱が残っている間は、エアロゾルが生成される。そのため、図4に示した例では、加熱停止後である加熱開始から320秒後に、パフ可能期間が終了する。
【0080】
(2)加熱プロファイルの離散化
吸引装置100は、加熱プロファイルを示す情報を、通信リンクを介して送受信する。通信リンクは、例えば、無線である。その際に使用される無線通信規格の一例として、NFC(Near Field Communication)及びBluetooth等の近距離無線通信規格が挙げられる。かかる構成によれば、吸引装置100は、近距離にある他の装置との間で、加熱プロファイルを示す情報を送受信することができる。なお、通信リンクは、有線であってもよい。
【0081】
一例として、吸引装置100は、他の吸引装置100との間で加熱プロファイルを示す情報を送受信する。かかる構成によれば、受信側は、受信した加熱プロファイルに従って動作することが可能となる。
【0082】
他の一例として、吸引装置100は、スマートフォン等の端末装置との間で加熱プロファイルを示す情報を送受信する。かかる構成によれば、端末装置は、吸引装置100から受信した加熱プロファイルを、ユーザに対して出力したり、ユーザ操作に基づいてカスタマイズしたりすることが可能となる。また、吸引装置100は、端末装置にから受信したカスタマイズ後の加熱プロファイルに従って動作することが可能となる。
【0083】
ここで、上記説明した加熱プロファイルを、目標温度(又は目標抵抗値)の時系列変化を示す連続データとして送受信しようとすると、時間の粒度に比例して通信量が増加してしまう。そこで、本実施形態では、加熱プロファイルを離散化した離散データとして送受信することで、通信量を削減する。以下、この点について詳しく説明する。
【0084】
吸引装置100は、加熱プロファイルを示す情報として、時間を示す情報と、当該時間におけるパラメータを示す情報との組み合わせを含む情報を、通信リンクを介して送信する。より具体的には、吸引装置100は、加熱プロファイルを示す情報として、時間区間(以下、部分時間区間とも称する)を示す情報と当該部分時間区間におけるパラメータの時系列変化を示す情報との組み合わせを、開始時点から終了時点までを構成する複数の部分時間区間の各々について含む情報を、無線で送信する。例えば、吸引装置100は、加熱開始から加熱終了までの全時間区間を分割した複数の部分時間区間の各々についての、部分時間区間を示す情報と当該部分時間区間における目標温度(又は目標抵抗値)の時系列変化を示す情報との組み合わせを示す情報を、無線で送信する。かかる構成によれば、連続データとしての加熱プロファイルが、離散データとしての部分時間区間ごとの情報に離散化される。従って、加熱プロファイルを送受信する際の通信量を削減することが可能となる。
【0085】
離散データとしての加熱プロファイルを示す情報の受信側は、受信した情報に基づいて連続データとしての加熱プロファイルを復元することができる。つまり、本実施形態によれば、加熱プロファイルを言わば可逆圧縮することにより、情報量の低下を抑制しつつ、通信量を削減することが可能である。
【0086】
加熱プロファイルを示す情報の送信方法の一例を、以下に説明する。なお、端末装置等の吸引装置100以外の装置が、以下に説明する送信方法を利用して、加熱プロファイルを離散化して送信してもよい。
【0087】
-第1の送信方法
第1の送信方法では、部分時間区間を示す情報は、部分時間区間の順番、及び部分時間区間の長さを示す情報である。また、部分時間区間におけるパラメータの時系列変化を示す情報は、当該部分時間区間においてパラメータが到達するべき目標値を示す情報である。即ち、吸引装置100は、部分時間区間の順番、及び部分時間区間の長さを示す情報と、当該部分時間区間においてパラメータが到達するべき目標値を示す情報と、の組み合わせを、複数の部分時間区間の各々について含む情報を、送信する。なお、端末装置等の吸引装置100以外の装置が、吸引装置100に対して、当該情報を送信してもよい。
【0088】
一例として、部分時間区間においてパラメータが到達するべき目標値を示す情報は、当該部分時間区間の終期にパラメータが到達すべき目標値を示していてもよい。他の一例として、部分時間区間においてパラメータが到達するべき目標値を示す情報は、当該部分時間区間における任意のタイミングにパラメータが到達すべき目標値を示していてもよい。
【0089】
下記の表1は、第1の送信方法により送信される、図3に示した加熱プロファイルを示す情報の一例である。
【0090】
【表1】
【0091】
吸引装置100は、上記表1に示した情報を受信した場合、最初の20秒間で加熱部121の温度が250℃に到達するように、加熱部121の温度を制御する。次いで、吸引装置100は、後続する40秒間で加熱部121の温度が220℃に到達するように、加熱部121の温度を制御する。他の部分時間区間についても同様である。なお、表1の最終行である「それ以降」「OFF」は、該当の部分時間区間において加熱を停止することを指している。つまり、吸引装置100は、最後の40秒間で220℃を目標温度として温度制御した後に、加熱を停止する。
【0092】
実際に送信される情報は、部分時間区間を示す数値と当該部分時間区間における目標温度を示す数値から成る、単なる数値の組み合わせであってもよい。例えば、実際に送信される情報は、{(20,250),(40,220),(180,230),(20,230),(40,220)}であってもよい。目標温度は、摂氏ではなく華氏で表現されてもよい。最終行である「それ以降」「OFF」は、省略されてもよい。
【0093】
下記の表2は、第1の送信方法により送信される、図4に示した加熱プロファイルを示す情報の一例である。
【0094】
【表2】
【0095】
吸引装置100は、上記表2に示した情報を受信した場合、最初の20秒間で加熱部121の抵抗値が1.50Ωに到達するように、加熱部121の抵抗値を制御する。次いで、吸引装置100は、後続する40秒間で加熱部121の抵抗値が1.20Ωに到達するように、加熱部121の抵抗値を制御する。他の部分時間区間についても同様である。なお、表2の最終行である「それ以降」「OFF」は、該当の部分時間区間において加熱(加熱部121に対する電力の供給)を停止することを指している。つまり、吸引装置100は、最後の40秒間で1.20Ωを目標抵抗値として抵抗値制御した後に、加熱(加熱部121に対する電力の供給)を停止する。
【0096】
実際に送信される情報は、部分時間区間を示す数値と当該部分時間区間における目標抵抗値を示す数値から成る、単なる数値の組み合わせであってもよい。例えば、実際に送信される情報は、{(20,1.50),(40,1.20),(180,1.30),(20,1.30),(40,1.20)}であってもよい。最終行である「それ以降」「OFF」は、省略されてもよい。
【0097】
-第2の送信方法
第2の送信方法では、部分時間区間を示す情報は、部分時間区間の終期を加熱プロファイルの開始時点からの経過時間により示す情報である。また、部分時間区間におけるパラメータの時系列変化を示す情報は、当該部分時間区間においてパラメータが到達するべき目標値を示す情報である。即ち、吸引装置100は、部分時間区間の終期を前記開始時点からの経過時間により示す情報と、当該部分時間区間においてパラメータが到達するべき目標値を示す情報と、の組み合わせを、複数の部分時間区間の各々について含む情報を、送信する。なお、端末装置等の吸引装置100以外の装置が、吸引装置100に対して、当該情報を送信してもよい。
【0098】
下記の表3は、第2の送信方法により送信される、図3に示した加熱プロファイルを示す情報の一例である。
【0099】
【表3】
【0100】
吸引装置100は、上記表3に示した情報を受信した場合、加熱開始から20秒後に加熱部121の温度が250℃に到達するように、加熱部121の温度を制御する。次いで、吸引装置100は、加熱開始から60秒後に加熱部121の温度が220℃に到達するように、加熱部121の温度を制御する。他の部分時間区間についても同様である。なお、表3の最終行である「それ以降」「OFF」は、該当の部分時間区間において加熱を停止することを指している。つまり、吸引装置100は、加熱開始から300秒後に、加熱を停止する。
【0101】
実際に送信される情報は、部分時間区間を示す数値と当該部分時間区間における目標温度を示す数値から成る、単なる数値の組み合わせであってもよい。例えば、実際に送信される情報は、{(20,250),(60,220),(240,230),(260,230),(300,220)}であってもよい。目標温度は、摂氏ではなく華氏で表現されてもよい。最終行である「それ以降」「OFF」は、省略されてもよい。
【0102】
下記の表4は、第2の送信方法により送信される、図4に示した加熱プロファイルを示す情報の一例である。
【0103】
【表4】
【0104】
吸引装置100は、上記表4に示した情報を受信した場合、加熱開始から20秒後に加熱部121の抵抗値が1.50Ωに到達するように、加熱部121の抵抗値を制御する。次いで、吸引装置100は、加熱開始から60秒後に加熱部121の抵抗値が1.20Ωに到達するように、加熱部121の抵抗値を制御する。他の部分時間区間についても同様である。なお、表4の最終行である「それ以降」「OFF」は、該当の部分時間区間において加熱(加熱部121に対する電力の供給)を停止することを指している。つまり、吸引装置100は、加熱開始から300秒後に、加熱(加熱部121に対する電力の供給)を停止する。
【0105】
実際に送信される情報は、部分時間区間を示す数値と当該部分時間区間における目標抵抗値を示す数値から成る、単なる数値の組み合わせであってもよい。例えば、実際に送信される情報は、{(20,1.50),(60,1.20),(240,1.30),(260,1.30),(300,1.20)}であってもよい。最終行である「それ以降」「OFF」は、省略されてもよい。
【0106】
-第3の送信方法
第3の送信方法では、部分時間区間を示す情報は、部分時間区間の始期及び終期を加熱プロファイルの開始時点からの経過時間により示す情報である。また、部分時間区間におけるパラメータの時系列変化を示す情報は、当該部分時間区間においてパラメータが到達するべき目標値を示す情報である。即ち、吸引装置100は、部分時間区間の始期及び終期を加熱プロファイルの開始時点からの経過時間により示す情報と、当該部分時間区間においてパラメータが到達するべき目標値を示す情報と、の組み合わせを、複数の部分時間区間の各々について含む情報を、送信する。なお、端末装置等の吸引装置100以外の装置が、吸引装置100に対して、当該情報を送信してもよい。
【0107】
下記の表5は、第3の送信方法により送信される、図3に示した加熱プロファイルを示す情報の一例である。
【0108】
【表5】
【0109】
吸引装置100は、上記表5に示した情報を受信した場合、加熱開始から0秒後~20秒後までに加熱部121の温度が250℃に到達するように、加熱部121の温度を制御する。次いで、吸引装置100は、加熱開始から20秒後~60秒後の間に加熱部121の温度が220℃に到達するように、加熱部121の温度を制御する。他の部分時間区間についても同様である。なお、表5の最終行である「それ以降」「OFF」は、該当の部分時間区間において加熱を停止することを指している。つまり、吸引装置100は、加熱開始から300秒後に、加熱を停止する。
【0110】
実際に送信される情報は、部分時間区間を示す数値と当該部分時間区間における目標温度を示す数値から成る、単なる数値の組み合わせであってもよい。例えば、実際に送信される情報は、{(0,20,250),(20,60,220),(60,240,230),(240,260,230),(260,300,220)}であってもよい。目標温度は、摂氏ではなく華氏で表現されてもよい。最終行である「それ以降」「OFF」は、省略されてもよい。
【0111】
下記の表6は、第3の送信方法により送信される、図4に示した加熱プロファイルを示す情報の一例である。
【0112】
【表6】
【0113】
吸引装置100は、上記表6に示した情報を受信した場合、加熱開始から0秒後~20秒後までに加熱部121の抵抗値が1.50Ωに到達するように、加熱部121の抵抗値を制御する。次いで、吸引装置100は、加熱開始から20秒後~60秒後の間に加熱部121の抵抗値が1.20Ωに到達するように、加熱部121の抵抗値を制御する。他の部分時間区間についても同様である。なお、表6の最終行である「それ以降」「OFF」は、該当の部分時間区間において加熱(加熱部121に対する電力の供給)を停止することを指している。つまり、吸引装置100は、加熱開始から300秒後に、加熱(加熱部121に対する電力の供給)を停止する。
【0114】
実際に送信される情報は、部分時間区間を示す数値と当該部分時間区間における目標抵抗値を示す数値から成る、単なる数値の組み合わせであってもよい。例えば、実際に送信される情報は、{(0,20,1.50),(20,60,1.20),(60,240,1.30),(240,260,1.30),(260,300,1.20)}であってもよい。最終行である「それ以降」「OFF」は、省略されてもよい。
【0115】
-第4の送信方法
第4の送信方法は、部分時間区間におけるパラメータの時系列変化を示す情報を省略する方法である。即ち、吸引装置100は、加熱プロファイルを示す情報として、少なくとも一部の部分時間区間におけるパラメータの時系列変化を示す情報を省略した情報を送信してもよい。かかる構成によれば、通信量をさらに削減することができる。
【0116】
下記の表7は、第4の送信方法により送信される、図3に示した加熱プロファイルを示す情報の一例である。なお、端末装置等の吸引装置100以外の装置が、吸引装置100に対して、当該情報を送信してもよい。
【0117】
【表7】
【0118】
受信側は、省略された情報を任意に復元してもよい。一例として、吸引装置100は、受信した加熱プロファイルを示す情報が第1の部分時間区間におけるパラメータの時系列変化を示す情報を含まない場合、第1の部分時間区間のひとつ前の第2の部分時間区間におけるパラメータの時系列変化を示す情報を、第1の部分時間区間におけるパラメータの時系列変化を示す情報としてもよい。例えば、吸引装置100は、上記表7に示した情報を受信した場合、加熱開始から60秒後~240秒後の間に加熱部121の温度が230℃に到達するように、加熱部121の温度を制御する。その後、吸引装置100は、加熱開始から240秒後~260秒後の間に、当該部分時間区間のひとつ前の部分時間区間の目標温度である230℃を維持するよう、加熱部121の温度を制御する。
【0119】
実際に送信される情報は、部分時間区間を示す数値と当該部分時間区間における目標温度を示す数値から成る、単なる数値の組み合わせであってもよい。例えば、実際に送信される情報は、{(0,20,250),(20,60,220),(60,240,230),(240,260,-),(260,300,220)}であってもよい。目標温度は、摂氏ではなく華氏で表現されてもよい。最終行である「それ以降」「OFF」は、省略されてもよい。
【0120】
なお、上記表7では、第3の送信方法における部分時間区間を示す情報が採用される例を示したが、第1の送信方法又は第2の送信方法における部分時間区間を示す情報が採用されてもよい。
【0121】
下記の表8は、第4の送信方法により送信される、図4に示した加熱プロファイルを示す情報の一例である。
【0122】
【表8】
【0123】
受信側は、省略された情報を任意に復元してもよい。一例として、吸引装置100は、受信した加熱プロファイルを示す情報が第1の部分時間区間におけるパラメータの時系列変化を示す情報を含まない場合、第1の部分時間区間のひとつ前の第2の部分時間区間におけるパラメータの時系列変化を示す情報を、第1の部分時間区間におけるパラメータの時系列変化を示す情報としてもよい。例えば、吸引装置100は、上記表8に示した情報を受信した場合、加熱開始から60秒後~240秒後の間に加熱部121の抵抗値が1.30Ωに到達するように、加熱部121の抵抗値を制御する。その後、吸引装置100は、加熱開始から240秒後~260秒後の間に、当該部分時間区間のひとつ前の部分時間区間の目標抵抗値である1.30Ωを維持するよう、加熱部121の抵抗値を制御する。
【0124】
実際に送信される情報は、部分時間区間を示す数値と当該部分時間区間における目標抵抗値を示す数値から成る、単なる数値の組み合わせであってもよい。例えば、実際に送信される情報は、{(0,20,1.50),(20,60,1.20),(60,240,1.30),(240,260,-),(260,300,1.20)}であってもよい。最終行である「それ以降」「OFF」は、省略されてもよい。
【0125】
なお、上記表8では、第3の送信方法における部分時間区間を示す情報が採用される例を示したが、第1の送信方法又は第2の送信方法における部分時間区間を示す情報が採用されてもよい。
【0126】
-第5の送信方法
第5の送信方法では、部分時間区間におけるパラメータの時系列変化を示す情報は、当該部分時間区間におけるパラメータの時系列変化の形状を近似する関数を示す情報である。即ち、吸引装置100は、部分時間区間を示す情報と、当該部分時間区間におけるパラメータの時系列変化の形状を近似する関数を示す情報と、の組み合わせを、複数の部分時間区間の各々について含む情報を、送信する。なお、端末装置等の吸引装置100以外の装置が、吸引装置100に対して、当該情報を送信してもよい。かかる構成によれば、加熱プロファイルが複雑な形状をしている場合であっても、情報量の低下を抑制しつつ通信量を削減することが可能である。
【0127】
パラメータの時系列変化の形状を近似する関数の一例は、目標温度=F(時間)のように、時間と目標温度との関係を示す、時間を変数とする関数Fである。ここでの時間とは、加熱プロファイルの開始時点からの経過時間である。パラメータの時系列変化の形状を近似する関数を示す情報の一例は、関数Fの係数である。
【0128】
下記の表9は、第5の送信方法により送信される、図3に示した加熱プロファイルを示す情報の一例である。
【0129】
【表9】
【0130】
上記表9では、パラメータの時系列変化の形状を近似する関数を示す情報として、パラメータの時系列変化の形状を近似する関数Fの係数p及び係数qが含まれる例が示されている。吸引装置100は、上記表9に示した情報を受信した場合、受信した係数p及び係数q、並びに加熱開始からの経過時間を関数Fに代入して得られる値を目標温度として、加熱部121の温度を制御する。例えば、吸引装置100は、加熱開始から0秒後~20秒後までの間に、係数pがp1であり係数qがq1である関数Fにより示される目標温度と同様の温度が加熱部121において実現されるように、加熱部121の温度を制御する。他の部分時間区間についても同様である。なお、表9の最終行である「それ以降」「OFF」は、該当の部分時間区間において加熱を停止することを指している。つまり、吸引装置100は、加熱開始から300秒後に、加熱を停止する。
【0131】
実際に送信される情報は、部分時間区間を示す数値と関数Fの係数から成る、単なる数値の組み合わせであってもよい。例えば、実際に送信される情報は、{(0,20,p1,q1),(20,60,p2,q2),(60,240,p3,q3),(240,260,p4,q4),(260,300,p5,q5)}であってもよい。最終行である「それ以降」「OFF」は、省略されてもよい。
【0132】
上記では、関数Fの係数が2つである例を示したが、係数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、部分時間区間ごとに関数Fの係数の数が異なる等、異なる関数が用いられてもよい。
【0133】
なお、上記表9では、第3の送信方法における部分時間区間を示す情報が採用される例を示したが、第1の送信方法又は第2の送信方法における部分時間区間を示す情報が採用されてもよい。また、第4の送信方法と同様に、吸引装置100は、加熱プロファイルを示す情報として、少なくとも一部の部分時間区間におけるパラメータの時系列変化を示す情報を省略した情報を送信してもよい。その場合の復元方法についても、第4の送信方法に関し上記説明した通りである。
【0134】
パラメータの時系列変化の形状を近似する関数の一例は、目標抵抗値=F(時間)のように、時間と目標抵抗値との関係を示す、時間を変数とする関数Fであってもよい。ここでの時間とは、加熱プロファイルの開始時点からの経過時間である。パラメータの時系列変化の形状を近似する関数を示す情報の一例は、関数Fの係数である。
【0135】
下記の表10は、第5の送信方法により送信される、図4に示した加熱プロファイルを示す情報の一例である。
【0136】
【表10】
【0137】
上記表10では、パラメータの時系列変化の形状を近似する関数を示す情報として、パラメータの時系列変化の形状を近似する関数Fの係数r及び係数sが含まれる例が示されている。吸引装置100は、上記表10に示した情報を受信した場合、受信した係数r及び係数s、並びに加熱開始からの経過時間を関数Fに代入して得られる値を目標抵抗値として、加熱部121の抵抗値を制御する。例えば、吸引装置100は、加熱開始から0秒後~20秒後までの間に、係数rがr1であり係数sがs1である関数Fにより示される目標抵抗値と同様の抵抗値が加熱部121において実現されるように、加熱部121の抵抗値を制御する。他の部分時間区間についても同様である。なお、表10の最終行である「それ以降」「OFF」は、該当の部分時間区間において加熱(加熱部121に対する電力の供給)を停止することを指している。つまり、吸引装置100は、加熱開始から300秒後に、加熱(加熱部121に対する電力の供給)を停止する。
【0138】
実際に送信される情報は、部分時間区間を示す数値と関数Fの係数から成る、単なる数値の組み合わせであってもよい。例えば、実際に送信される情報は、{(0,20,r1,s1),(20,60,r2,s2),(60,240,r3,s3),(240,260,r4,s4),(260,300,r5,s5)}であってもよい。最終行である「それ以降」「OFF」は、省略されてもよい。
【0139】
上記では、関数Fの係数が2つである例を示したが、係数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、部分時間区間ごとに関数Fの係数の数が異なる等、異なる関数が用いられてもよい。
【0140】
なお、上記表10では、第3の送信方法における部分時間区間を示す情報が採用される例を示したが、第1の送信方法又は第2の送信方法における部分時間区間を示す情報が採用されてもよい。また、第4の送信方法と同様に、吸引装置100は、加熱プロファイルを示す情報として、少なくとも一部の部分時間区間におけるパラメータの時系列変化を示す情報を省略した情報を送信してもよい。その場合の復元方法についても、第4の送信方法に関し上記説明した通りである。
【0141】
(3)第1の構成例における加熱プロファイル
上記では、図3を参照しながら、第2の構成例における加熱プロファイルを離散化して送信する方法について主に説明した。第1の構成例における加熱プロファイルに対しても、本発明は同様に適用可能である。
【0142】
まず、第1の構成例における加熱プロファイルの一例を、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係る目標温度の時系列変化を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。本グラフの横軸は、時間(秒)である。なお、本加熱プロファイルの開始時点は、最初のパフが検出されたタイミングである。即ち、本グラフの横軸は、最初のパフが検出されたタイミングからの経過時間である。本グラフの縦軸は、加熱部121の目標温度である。本グラフにおける線22は、加熱プロファイルにおける目標温度の時系列変化を示している。
【0143】
ただし、線22は、パフが検出された場合に行われる加熱についての目標温度の時系列変化を示している。例えば、吸引装置100は、開始時点から40秒が経過するまでの間にパフが検出された場合、目標温度を35℃として加熱部121の温度を制御する。吸引装置100は、開始時点から40秒が経過してから80秒が経過するまでの間にパフが検出された場合、目標温度を40℃として加熱部121の温度を制御する。吸引装置100は、開始時点から80秒が経過してから120秒が経過するまでの間にパフが検出された場合、目標温度を45℃として加熱部121の温度を制御する。
【0144】
図5に示した加熱プロファイルを送信する際にも、第1の送信方法~第5の送信方法を適用可能である。一例として、下記の表11に、第1の送信方法により送信される、図5に示した加熱プロファイルを示す情報の一例を示す。
【0145】
【表11】
【0146】
上述したように、加熱部121の電気抵抗値が加熱部121の温度に応じて変化する場合、加熱プロファイルは、目標抵抗値の時系列変化を規定していてもよい。図6は、本実施形態に係る目標抵抗値の時系列変化を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。本グラフの横軸は、時間(秒)である。本グラフの縦軸は、図5に示した例における縦軸の加熱部121の目標温度を、加熱部121の電気抵抗値(即ち、目標抵抗値)として示したものである。本グラフにおける線32は、加熱プロファイルにおける目標抵抗値の時系列変化を示している。なお、本グラフの縦軸の抵抗値は、あくまでも一例であって、加熱部121の特性又は環境温度が異なれば、同じ目標温度に対応する抵抗値であっても異なる値となる。
【0147】
線32は、パフが検出された場合に行われる加熱についての目標抵抗値の時系列変化を示している。例えば、吸引装置100は、開始時点から40秒が経過するまでの間にパフが検出された場合、目標抵抗値を1.00Ωとして加熱部121の抵抗値を制御する。吸引装置100は、開始時点から40秒が経過してから80秒が経過するまでの間にパフが検出された場合、目標抵抗値を1.05Ωとして加熱部121の抵抗値を制御する。吸引装置100は、開始時点から80秒が経過してから120秒が経過するまでの間にパフが検出された場合、目標抵抗値を1.10Ωとして加熱部121の抵抗値を制御する。
【0148】
図6に示した加熱プロファイルを送信する際にも、第1の送信方法~第5の送信方法を適用可能である。一例として、下記の表12に、第1の送信方法により送信される、図6に示した加熱プロファイルを示す情報の一例を示す。
【0149】
【表12】
【0150】
第1の構成例における加熱プロファイルにおける時間区間は、パフ回数により定義されてもよい。その場合の加熱プロファイルの一例を、図7を参照しながら説明する。図7は、本実施形態に係る目標温度の時系列変化を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。本グラフの横軸は、累積パフ回数である。なお、本加熱プロファイルの開始時点は、最初のパフが検出されたタイミングである。即ち、本グラフの横軸は、最初のパフが検出されたタイミングからの累積パフ回数である。本グラフの縦軸は、加熱部121の目標温度である。本グラフにおける線22は、加熱プロファイルにおける目標温度の時系列変化を示している。
【0151】
ただし、線22は、パフが検出された場合に行われる加熱の際の、目標温度の時系列変化を示している。例えば、吸引装置100は、累積パフ回数が5回までの間は、パフが検出された場合に目標温度を35℃として加熱部121の温度を制御する。吸引装置100は、累積パフ回数が6回から10回までの間は、パフが検出された場合に目標温度を40℃として加熱部121の温度を制御する。吸引装置100は、累積パフ回数が11回から15回までの間は、パフが検出された場合に目標温度を45℃として加熱部121の温度を制御する。
【0152】
図7に示した加熱プロファイルを送信する際にも、第1の送信方法~第5の送信方法を適用可能である。一例として、下記の表13に、第1の送信方法により送信される、図7に示した加熱プロファイルを示す情報の一例を示す。
【0153】
【表13】
【0154】
上述したように、加熱部121の電気抵抗値が加熱部121の温度に応じて変化する場合、加熱プロファイルは、目標抵抗値の時系列変化を規定していてもよい。図8は、本実施形態に係る目標抵抗値の時系列変化を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。本グラフの横軸は、時間(秒)である。本グラフの縦軸は、図7に示した例における縦軸の加熱部121の目標温度を、加熱部121の電気抵抗値(即ち、目標抵抗値)として示したものである。本グラフにおける線32は、加熱プロファイルにおける目標抵抗値の時系列変化を示している。なお、本グラフの縦軸の抵抗値は、あくまでも一例であって、加熱部121の特性又は環境温度が異なれば、同じ目標温度に対応する抵抗値であっても異なる値となる。
【0155】
線32は、パフが検出された場合に行われる加熱の際の、目標抵抗値の時系列変化を示している。例えば、吸引装置100は、累積パフ回数が5回までの間は、パフが検出された場合に目標抵抗値を1.00Ωとして加熱部121の抵抗値を制御する。吸引装置100は、累積パフ回数が6回から10回までの間は、パフが検出された場合に目標抵抗値を1.05Ωとして加熱部121の抵抗値を制御する。吸引装置100は、累積パフ回数が11回から15回までの間は、パフが検出された場合に目標抵抗値を1.10Ωとして加熱部121の抵抗値を制御する。
【0156】
図8に示した加熱プロファイルを送信する際にも、第1の送信方法~第5の送信方法を適用可能である。一例として、下記の表14に、第1の送信方法により送信される、図8に示した加熱プロファイルを示す情報の一例を示す。
【0157】
【表14】
【0158】
(4)処理の流れ
図9は、本実施形態に係る吸引装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0159】
図9に示すように、まず、吸引装置100は、加熱プロファイルを離散化した、加熱プロファイルを示す情報を、無線で送信する(ステップS102)。加熱プロファイルを示す情報は、例えばユーザの端末装置により受信され、カスタマイズされる。
【0160】
次いで、吸引装置100は、加熱プロファイルを示す情報を、無線で受信する(ステップS104)。例えば、吸引装置100は、端末装置によりカスタマイズされた加熱プロファイルを離散化した、カスタマイズ後の加熱プロファイルを示す情報を、無線で受信する。
【0161】
そして、吸引装置100は、受信した情報により示される加熱プロファイルに基づいて、エアロゾルを生成する(ステップS106)。詳しくは、吸引装置100は、加熱プロファイルにおいて定義された目標温度と同様の温度が加熱部121において実現されるよう、加熱部121の温度を制御する。
【0162】
<<3.変形例>>
-第1の変形例
第1の変形例では、吸引装置100が、加熱プロファイルを示す情報として、当該吸引装置100に記録されている既存の加熱プロファイルAと、送受信したい新たな加熱プロファイルBとの差分情報(以下、差分プロファイルデータとも称する)を、送受信する。差分情報は、送受信したい新たな加熱プロファイルBが、吸引装置100に記録されている既存の加熱プロファイルAと異なる部分の情報を示す。即ち、差分情報は、吸引装置100に記録されている既存の加熱プロファイルAと、送受信したい新たな加熱プロファイルBとの異なる部分の情報のうち、送受信したい新たな加熱プロファイルBの情報である。なお、端末装置等の吸引装置100以外の装置が、吸引装置100に対して、差分プロファイルデータを送信してもよい。かかる構成によれば、差分情報だけを送受信するため、通信量をさらに削減することができる。また、吸引装置100は、差分情報(差分プロファイルデータ)を受信すれば、記録されている既存の加熱プロファイルAに、当該差分情報を加味することで、送受信したい新たな加熱プロファイルBを再現することができる。
【0163】
図10は、第1の変形例に係る目標温度の時系列変化を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。本グラフの横軸は、時間(秒)である。本グラフの縦軸は、加熱部121の温度である。本グラフにおける線41は、吸引装置100に記録されている既存の加熱プロファイルAにおける目標温度の時系列変化を示している。また、本グラフにおける破線42は、送受信したい新たな加熱プロファイルBにおける目標温度の時系列変化を示している。
【0164】
本グラフの線41を参照すると、加熱開始から20秒後に目標温度250℃に到達するよう設定されている。次いで、加熱開始から60秒後に目標温度220℃に到達するよう設定されている。次に、加熱開始から240秒後に目標温度230℃に到達するよう設定されている。次いで、加熱開始から240秒後から260秒後までの間、目標温度230℃を維持するよう設定されている。最後に、加熱開始から300秒後に、目標温度220℃に到達するよう設定されている。
【0165】
一方、本グラフの破線42を参照すると、加熱開始から20秒後に目標温度250℃に到達するよう設定されている(図10では、線41に重畳している)。次いで、加熱開始から60秒後に目標温度210℃に到達するよう設定されている。次に、加熱開始から240秒後に目標温度230℃に到達するよう設定されている。次いで、加熱開始から240秒後から260秒後までの間、目標温度230℃を維持するよう設定されている(図10では、線41に重畳している)。最後に、加熱開始から300秒後に、目標温度220℃に到達するよう設定されている(図10では、線41に重畳している)。
【0166】
本グラフの線41と破線42とを比較すると、加熱開始から60秒後において、既存の加熱プロファイルAは目標温度220℃であるのに対して、新たな加熱プロファイルBは目標温度210℃である点で異なり、その他は同じである。差分情報(差分プロファイルデータ)は、吸引装置100に記録されている既存の加熱プロファイルAと、送受信したい新たな加熱プロファイルBとの異なる部分の情報のうち、新たな加熱プロファイルBの情報である。そのため、差分情報(差分プロファイルデータ)は、「加熱開始から60秒後において、目標温度が210℃」となる。
【0167】
なお、差分情報(差分プロファイルデータ)を送信する際にも、第1の送信方法~第5の送信方法を適用可能である。一例として、下記の表15に、第2の送信方法により送信される、差分情報(差分プロファイルデータ)を示す情報の一例を示す。
【0168】
【表15】
【0169】
実際に送信される差分情報(差分プロファイルデータ)は、部分時間区間を示す数値と当該部分時間区間における目標温度を示す数値から成る、単なる数値の組み合わせであってもよい。例えば、実際に送信される情報は、{(60,210)}であってもよい。目標温度は、摂氏ではなく華氏で表現されてもよい。
【0170】
なお、吸引装置100は、既存の加熱プロファイルAと、受信した差分情報(差分プロファイル)から、新たな加熱プロファイルBを再現する。一例として、吸引装置100は、既存の加熱プロファイルAのうち、差分情報(差分プロファイル)で示される部分を更新して(置き換えて)、新たな加熱プロファイルBを復元する。
【0171】
例えば、図10の線41で示される既存の加熱プロファイルAのうち、差分情報(差分プロファイル)である「加熱開始から60秒後において、目標温度が210℃」の部分を更新して(置き換えて)、図10の破線42で示される新たな加熱プロファイルBを復元する。より具体的には、吸引装置100は、既存の加熱プロファイルAの「加熱開始から60秒後に、目標温度が220℃」の部分を、差分情報(差分プロファイル)である「加熱開始から60秒後において、目標温度が210℃」で更新する(置き換える)。一方、吸引装置100は、既存の加熱プロファイルAのうち、差分情報(差分プロファイル)に含まれていない部分は、変更のない部分として、既存の加熱プロファイルAの値をそのまま維持する。そして、吸引装置100は、差分情報(差分プロファイル)で更新した部分と、既存の加熱プロファイルAの値を維持した部分とを組み合わせて、新たな加熱プロファイルBとする。
【0172】
上述したように、加熱部121の電気抵抗値が加熱部121の温度に応じて変化する場合、加熱プロファイルは、目標抵抗値の時系列変化を規定していてもよい。図11は、第1の変形例に係る目標抵抗値の時系列変化を規定した加熱プロファイルの一例を示すグラフである。本グラフの横軸は、時間(秒)である。本グラフの縦軸は、図10に示した例における縦軸の加熱部121の目標温度を、加熱部121の電気抵抗値(即ち、目標抵抗値)として示したものである。本グラフにおける線51は、吸引装置100に記録されている加熱プロファイルAにおける目標抵抗値の時系列変化を示している。また、本グラフにおける破線52は、送受信したい加熱プロファイルBにおける目標抵抗値の時系列変化を示している。なお、本グラフの縦軸の抵抗値は、あくまでも一例であって、加熱部121の特性又は環境温度が異なれば、同じ目標温度に対応する抵抗値であっても異なる値となる。
【0173】
本グラフの線51を参照すると、加熱開始から20秒後に目標抵抗値1.50Ωに到達するよう設定されている。次いで、加熱開始から60秒後に目標抵抗値1.20Ωに到達するよう設定されている。次に、加熱開始から240秒後に目標抵抗値1.30Ωに到達するよう設定されている。次いで、加熱開始から240秒後から260秒後までの間、目標抵抗値1.30Ωを維持するよう設定されている。最後に、加熱開始から300秒後に、目標抵抗値1.20Ωに到達するよう設定されている。
【0174】
一方、本グラフの破線52を参照すると、加熱開始から20秒後に目標抵抗値1.50Ωに到達するよう設定されている(図11では、線51に重畳している)。次いで、加熱開始から60秒後に目標抵抗値1.10Ωに到達するよう設定されている。次に、加熱開始から240秒後に目標抵抗値1.30Ωに到達するよう設定されている。次いで、加熱開始から240秒後から260秒後までの間、目標抵抗値1.30Ωを維持するよう設定されている(図11では、線51に重畳している)。最後に、加熱開始から300秒後に、目標抵抗値1.20Ωに到達するよう設定されている(図11では、線51に重畳している)。
【0175】
本グラフの線51と破線52とを比較すると、加熱開始から60秒後において、既存の加熱プロファイルAは目標抵抗値1.20Ωであるのに対して、新たな加熱プロファイルBは目標抵抗値1.10Ωである点で異なり、その他は同じである。差分情報(差分プロファイルデータ)は、吸引装置100に記録されている既存の加熱プロファイルAと、送受信したい新たな加熱プロファイルBとの異なる部分の情報のうち、新たな加熱プロファイルBの情報である。そのため、差分情報(差分プロファイルデータ)は、「加熱開始から60秒後において、目標抵抗値1.10Ω」となる。
【0176】
なお、差分情報(差分プロファイルデータ)を送信する際にも、第1の送信方法~第5の送信方法を適用可能である。一例として、下記の表16に、第2の送信方法により送信される、差分情報(差分プロファイルデータ)を示す情報の一例を示す。
【0177】
【表16】
【0178】
実際に送信される差分情報(差分プロファイルデータ)は、部分時間区間を示す数値と当該部分時間区間における目標抵抗値を示す数値から成る、単なる数値の組み合わせであってもよい。例えば、実際に送信される情報は、{(60,1.10)}であってもよい。
【0179】
なお、吸引装置100は、既存の加熱プロファイルAと、受信した差分情報(差分プロファイル)から、新たな加熱プロファイルBを再現する。一例として、吸引装置100は、既存の加熱プロファイルAのうち、差分情報(差分プロファイル)で示される部分を更新して(置き換えて)、新たな加熱プロファイルBを復元する。
【0180】
-第2の変形例
第2の変形例では、吸引装置100が、加熱プロファイルを示す情報として、符号化プロファイルデータを、送受信する。第2の変形例において、加熱プロファイルを示す情報は、部分時間区間におけるパラメータの各候補と、対応する英数字などの符号とを対応付けた共通テーブルを用いて変換された、符号化プロファイルデータである。即ち、第2の変形例において、加熱プロファイルを示す情報は、共通テーブルに含まれる複数の符号によって、符号化プロファイルデータとして表現される。かかる構成によれば、データ量の小さい符号を含む符号化プロファイルデータを送受信するため、通信量をさらに削減することができる。
【0181】
共通テーブルは、吸引装置100との間で加熱プロファイルを送受信する端末装置等の吸引装置100以外の装置と、当該吸引装置100とが保持する。吸引装置100又は端末装置等の吸引装置100以外の装置は、加熱プロファイルを示す情報を送信する場合、当該加熱プロファイルに含まれるパラメータを、自らが保持する共通テーブルを参照して、符号に変換することにより、符号化プロファイルデータを作成する。そして、吸引装置100又は端末装置等の吸引装置100以外の装置は、作成した符号化プロファイルを送信する。一方、吸引装置100又は端末装置等の吸引装置100以外の装置は、符号化プロファイルデータを受信すると、自らが保持する共通テーブルを参照して、当該符号化プロファイルデータをパラメータに変換し、加熱プロファイルを再現する。
【0182】
図12は、第2の変形例に係る目標温度を規定した共通テーブルの一例を示す図である。本テーブルの列は、部分時間区間を示す情報であり、当該部分時間区間の各々には、a、b、cなどの符号が割り当てられている。また、本テーブルの行は、目標温度であり、当該目標温度の各々には、1、2、3などの符号が割り当てられている。また、本テーブルの各セルは、0または1のいずれかが記載され、0の場合は非選択を、1の場合は選択を意味する。
【0183】
図13は、図12に示した共通テーブルと、加熱プロファイルとの対応関係の一例を示す図である。図13に示すように、加熱プロファイルの部分時間区間の各々は、共通テーブルの列に対応付けられる。図13の例では、部分時間区間である「加熱開始から20秒後」は、共通テーブルの符号aに対応付けられる。そして、加熱プロファイルの部分時間区間の各々と、当該部分時間区間における目標温度とが交差する位置のセルは、選択を意味する1が記載される。図13の例では、共通テーブルにおいて「20秒」に対応付けられた符号aと、目標温度の250℃に対応付けられた符号6とが交差する位置のセルに、1が記載される。図13の例では、同様にして、符号cと符号3とが交差する位置のセル、符号lと符号4が交差する位置のセル、符号mと符号4とが交差する位置のセル、及び、符号pと符号3とが交差する位置のセルに、選択を意味する1が記載される。
【0184】
第2の変形例において、加熱プロファイルを示す情報は、共通テーブルにおいて選択を意味する1が記載されているセルに対応する列と行の符号の組み合わせを複数含む、符号化プロファイルデータとして表現される。例えば、図13の例では、加熱プロファイルを示す情報は、選択を意味する1が記載されているセルの列と行の符号の組み合わせである、a6、c3、l4、m4、及び、p3を含む、符号化プロファイルデータとなる。
【0185】
実際に送信される符号化プロファイルデータは、符号の組み合わせであり、単なる英数字の組み合わせとなる。例えば、実際に送信される情報は、{a6,c3,l4,m4,p3}となる。
【0186】
なお、吸引装置100又は端末装置等の吸引装置100以外の装置は、符号化プロファイルデータを受信すると、自らが保持する共通テーブルを参照して、当該符号化プロファイルデータをパラメータに変換し、加熱プロファイルを再現する。例えば、吸引装置100が、符号化プロファイルデータとして{a6,c3,l4,m4,p3}を受信した場合、図12に例として示す共通テーブルを参照して、a6から「加熱開始から20秒後に目標温度250℃」、c3から「加熱開始から60秒後に目標温度220℃」、l4から「加熱開始から240秒後に目標温度230℃」、m4から「加熱開始から260秒後に目標温度230℃」、p3から「加熱開始から300秒後に目標温度220℃」と変換し、加熱プロファイルを再現する。
【0187】
また、図12に示した例では、共通テーブルの行は加熱部121の温度であるが、加熱部121の電気抵抗値が加熱部121の温度に応じて変化する場合、共通テーブルの行は加熱部121の抵抗値であってもよい。図14は、第2の変形例に係る目標抵抗値を規定した共通テーブルの一例を示す図である。本テーブルの列は、部分時間区間を示す情報であり、当該部分時間区間の各々には、a、b、cなどの符号が割り当てられている。また、本テーブルの行は、目標抵抗値であり、当該目標抵抗値の各々には、1、2、3などの符号が割り当てられている。また、本テーブルの各セルは、0または1のいずれかが記載され、0の場合は非選択を、1の場合は選択を意味する。
【0188】
図15は、図14に示した共通テーブルと、加熱プロファイルとの対応関係の一例を示す図である。図15に示すように、加熱プロファイルの部分時間区間の各々は、共通テーブルの列に対応付けられる。図15の例では、部分時間区間である「加熱開始から20秒後」は、共通テーブルの符号aに対応付けられる。そして、加熱プロファイルの部分時間区間の各々と、当該部分時間区間における目標抵抗値とが交差する位置のセルは、選択を意味する1が記載される。図15の例では、共通テーブルにおいて「20秒」に対応付けられた符号aと、目標抵抗値の1.50Ωに対応付けられた符号6とが交差する位置のセルに、1が記載される。図15の例では、同様にして、符号cと符号3とが交差する位置のセル、符号lと符号4が交差する位置のセル、符号mと符号4とが交差する位置のセル、及び、符号pと符号3とが交差する位置のセルに、選択を意味する1が記載される。
【0189】
第2の変形例において、加熱プロファイルを示す情報は、共通テーブルにおいて選択を意味する1が記載されているセルに対応する列と行の符号の組み合わせを複数含む、符号化プロファイルデータとして表現される。例えば、図14の例では、加熱プロファイルを示す情報は、選択を意味する1が記載されているセルの列と行の符号の組み合わせである、a6、c3、l4、m4、及び、p3を含む、符号化プロファイルデータとなる。
【0190】
実際に送信される符号化プロファイルデータは、符号の組み合わせであり、単なる英数字の組み合わせとなる。例えば、実際に送信される情報は、{a6,c3,l4,m4,p3}となる。
【0191】
なお、吸引装置100又は端末装置等の吸引装置100以外の装置は、符号化プロファイルデータを受信すると、自らが保持する共通テーブルを参照して、当該符号化プロファイルデータをパラメータに変換し、加熱プロファイルを再現する。例えば、吸引装置100が、符号化プロファイルデータとして{a6,c3,l4,m4,p3}を受信した場合、図14に例として示す共通テーブルを参照して、a6から「加熱開始から20秒後に目標抵抗値1.50Ω」、c3から「加熱開始から60秒後に目標抵抗値1.20Ω」、l4から「加熱開始から240秒後に目標抵抗値1.30Ω」、m4から「加熱開始から260秒後に目標抵抗値1.30Ω」、p3から「加熱開始から300秒後に目標抵抗値1.20Ω」と変換し、加熱プロファイルを再現する。
【0192】
<<4.補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0193】
例えば、上記実施形態では、第1の構成例及び第2の構成例の加熱プロファイルにおけるパラメータが加熱部121の温度である例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。一例として、パラメータは、加熱部121により加熱される部位の温度であってもよい。加熱部121により加熱される部位としては、例えば、保持部140が挙げられる。その場合、制御部116は、加熱プロファイルにおいて定義された目標温度と同様の温度が保持部140において実現されるよう、加熱部121への給電を制御する。他の一例として、パラメータは、加熱部121に給電される電気に関する情報であってもよい。例えば、パラメータは、加熱部121に給電される電圧、電流、抵抗又は電力であってもよい。その場合、制御部116は、加熱プロファイルにおいて定義された電圧、電流、抵抗又は電力と同様の電圧、電流、抵抗又は電力が加熱部121に給電されるように、加熱部121への給電を制御する。
【0194】
上述した加熱プロファイルは、吸引装置100が行うエアロゾルを生成する動作に関する情報である、プロファイルの一例である。吸引装置100は、加熱プロファイル以外のプロファイルを、上記実施形態で説明した手法により離散化した離散データとして送受信してもよい。加熱プロファイル以外のプロファイルの一例は、吸引装置100が行ったエアロゾルを生成する動作の結果を示す情報(以下、動作結果プロファイルとも称する)であってもよい。動作結果プロファイルにおけるパラメータは、吸引装置100がエアロゾルを生成する動作を行った際に、即ち加熱部121が動作した際に検出された情報である。例えば、加熱プロファイルは目標とする温度推移を示す情報であったのに対し、動作結果プロファイルは実際の温度推移を示す情報であってもよい。動作結果プロファイルを送受信する際にも、上記実施形態において説明した第1の送信方法~第5の送信方法を適用可能である。かかる構成によれば、吸引装置100は、動作結果プロファイルを送受信する際にも、情報量の低下を抑制しつつ通信量を削減することが可能となる。
【0195】
動作結果プロファイルにおけるパラメータの例としては、加熱プロファイルと同様に、加熱部121の温度、加熱部121により加熱される部位の温度、及び加熱部121に給電される電気に関する情報が挙げられる。他にも、動作結果プロファイルにおけるパラメータは、加熱部121により生成されたエアロゾルがユーザに吸引される量(以下、エアロゾル送達量とも称する)であってもよい。その場合、センサ部112は、エアロゾル送達量を検出するためのセンサとして、エアロゾルを捕集するフィルタ、及び捕集されたエアロゾルの成分を分析する成分分析装置を含む。なお、ここでのエアロゾル送達量とは、ユーザの口腔内に送達される、パフ動作1回当たりの主要エアロゾル成分量であってもよい。主要エアロゾル成分とは、基材に含まれる種々のエアロゾル源を所定温度以上で加熱したときに発生する可視性のエアロゾル成分である。なお、基材に含まれるエアロゾル源は、典型的にはプロピレングリコール及びグリセリンである。また、基材がたばこ等の香味源を含有する場合には、当該香味源に由来するエアロゾル成分も主要エアロゾル成分に含まれる。
【0196】
また、上記実施形態では、加熱プロファイルを示す情報の送受信は、当該加熱プロファイルを示す情報に、他の情報を組み合わせた情報の送受信であってもよい。例えば、加熱プロファイルを示す情報は、当該加熱プロファイルを示す情報に、当該加熱プロファイルに関連する情報を組み合わせた情報として、送受信されてもよい。加熱プロファイルに関連する情報は、例えば、吸引装置100ごとの加熱部121の特性に基づいて加熱プロファイルを補正するために用いられる補正値などである。
【0197】
また、上記実施形態において、加熱プロファイルを示す情報は、例えば、吸引装置100のファームウエアに含まれていてもよい。即ち、吸引装置100が送受信するファームウエアが、上記実施形態で説明した加熱プロファイルを示す情報を含んでいてもよい。
この場合において、吸引装置100がファームウエアを送受信することによって、加熱プロファイルを示す情報も送受信される。例えば、吸引装置100は、ファームウエアをアップデートする場合、上記実施形態で説明した加熱プロファイルを示す情報を、当該アップデートされるファームウエアの一部として受信してもよい。
【0198】
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0199】
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0200】
なお、以下のような構成も本発明の技術的範囲に属する。
(1)
基材を加熱してエアロゾルを生成する加熱部の動作を制御する制御部と、
開始時点から終了時点までの前記加熱部の動作に関するパラメータの時系列変化を示す情報であるプロファイルを示す情報として、時間区間を示す情報と当該時間区間における前記パラメータの時系列変化を示す情報との組み合わせを、前記開始時点から前記終了時点までを構成する複数の前記時間区間の各々について含む情報を、無線で送信する通信部と、
を備える吸引装置。
(2)
前記時間区間を示す情報は、前記時間区間の順番、及び前記時間区間の長さを示す情報である、
前記(1)に記載の吸引装置。
(3)
前記時間区間を示す情報は、前記時間区間の終期を前記開始時点からの経過時間により示す情報である、
前記(1)に記載の吸引装置。
(4)
前記時間区間を示す情報は、前記時間区間の始期及び終期を前記開始時点からの経過時間により示す情報である、
前記(1)に記載の吸引装置。
(5)
前記時間区間における前記パラメータの時系列変化を示す情報は、前記時間区間において前記パラメータが到達するべき目標値を示す情報である、
前記(1)~(4)のいずれか一項に記載の吸引装置。
(6)
前記前記時間区間における前記パラメータの時系列変化を示す情報は、前記時間区間における前記パラメータの時系列変化の形状を近似する関数を示す情報である、
前記(1)~(4)のいずれか一項に記載の吸引装置。
(7)
前記通信部は、前記プロファイルを示す情報として、少なくとも一部の前記時間区間における前記パラメータの時系列変化を示す情報を省略した情報を送信する、
前記(1)~(6)のいずれか一項に記載の吸引装置。
(8)
前記パラメータは、前記加熱部が前記基材を加熱する動作を規定する情報であり、
前記制御部は、前記プロファイルに従って前記加熱部が動作するよう制御する、
前記(1)~(7)のいずれか一項に記載の吸引装置。
(9)
前記制御部は、受信した前記プロファイルを示す情報が第1の時間区間における前記パラメータの時系列変化を示す情報を含まない場合、前記第1の時間区間のひとつ前の第2の時間区間における前記パラメータの時系列変化を示す情報を、前記第1の時間区間における前記パラメータの時系列変化を示す情報とする、
前記(7)に記載の吸引装置。
(10)
前記パラメータは、前記加熱部が動作した際に検出された情報である、
前記(1)~(9)のいずれか一項に記載の吸引装置。
(11)
前記パラメータは、前記加熱部の温度である、
前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の吸引装置。
(12)
前記パラメータは、前記加熱部により加熱される部位の温度である、
前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の吸引装置。
(13)
前記パラメータは、前記加熱部に給電される電気に関する、
前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の吸引装置。
(14)
前記パラメータは、前記加熱部により生成された前記エアロゾルがユーザに吸引される量である、
前記(10)に記載の吸引装置。
(15)
前記通信部は、前記プロファイルを示す情報をNFCにより送信する、
前記(1)~(14)のいずれか一項に記載の吸引装置。
(16)
開始時点から終了時点までの、基材を加熱してエアロゾルを生成する加熱部の動作に関するパラメータの時系列変化を示す情報であるプロファイルを示す情報として、時間区間を示す情報と当該時間区間における前記パラメータの時系列変化を示す情報との組み合わせを、前記開始時点から前記終了時点までを構成する複数の前記時間区間の各々について含む情報を、無線で送信すること、
を含む情報送信方法。
(17)
基材を加熱してエアロゾルを生成する加熱部の動作を制御する吸引装置を制御するコンピュータに、
開始時点から終了時点までの、基材を加熱してエアロゾルを生成する加熱部の動作に関するパラメータの時系列変化を示す情報であるプロファイルを示す情報として、時間区間を示す情報と当該時間区間における前記パラメータの時系列変化を示す情報との組み合わせを、前記開始時点から前記終了時点までを構成する複数の前記時間区間の各々について含む情報を、無線で送信するよう前記吸引装置を制御すること、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0201】
1 システム
100 吸引装置
110 電源ユニット
111 電源部
112 センサ部
113 通知部
114 記憶部
115 通信部
116 制御部
120 カートリッジ
121 加熱部
122 液誘導部
123 液貯蔵部
124 マウスピース
130 香味付与カートリッジ
131 香味源
140 保持部
141 内部空間
142 開口
143 底部
144 断熱部
150 スティック型基材
151 基材部
152 吸口部
180 空気流路
181 空気流入孔
182 空気流出孔
図1
図2
図3
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